IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マリの特許一覧

<>
  • 特表-バイタル情報取得装置および方法 図1
  • 特表-バイタル情報取得装置および方法 図2
  • 特表-バイタル情報取得装置および方法 図3
  • 特表-バイタル情報取得装置および方法 図4
  • 特表-バイタル情報取得装置および方法 図5
  • 特表-バイタル情報取得装置および方法 図6
  • 特表-バイタル情報取得装置および方法 図7
  • 特表-バイタル情報取得装置および方法 図8
  • 特表-バイタル情報取得装置および方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】バイタル情報取得装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/58 20060101AFI20241018BHJP
   G01S 13/88 20060101ALI20241018BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20241018BHJP
   A61B 5/113 20060101ALI20241018BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20241018BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G01S13/58
G01S13/88
A61B5/11 110
A61B5/113
A61B5/08
A61B5/16 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524676
(86)(22)【出願日】2022-11-07
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 IB2022000663
(87)【国際公開番号】W WO2023089372
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/275,949
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/299,958
(32)【優先日】2022-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/414,559
(32)【優先日】2022-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519420115
【氏名又は名称】株式会社マリ
(74)【代理人】
【識別番号】100174252
【弁理士】
【氏名又は名称】赤津 豪
(72)【発明者】
【氏名】阪本 卓也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 亨
(72)【発明者】
【氏名】奥村 成皓
(72)【発明者】
【氏名】瀧 宏文
(72)【発明者】
【氏名】岩田 慈樹
(72)【発明者】
【氏名】香田 隆斗
【テーマコード(参考)】
4C038
5J070
【Fターム(参考)】
4C038PP05
4C038PS07
4C038SS09
4C038SV01
4C038VA04
4C038VA15
4C038VB32
4C038VB33
4C038VC20
5J070AB07
5J070AB24
5J070AC01
5J070AC02
5J070AD05
5J070AE09
5J070AH19
5J070AH34
5J070AH35
5J070AH40
(57)【要約】
本発明はバイタル情報取得装置を目的としており、このバイタル情報取得装置は、少なくとも1つの送信アンテナおよび少なくとも1つの受信アンテナを含み、かつ複数のマイクロ波を対象に送信して、対象から反射される複数のマイクロ波を受信するように構成されたマイクロ波レーダシステムと;複数の受信マイクロ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し、レーダ信号のフェーズ信号を算出し、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成された回路を含むコントローラとを含み、周期性発見技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
本発明の別の態様は、レーダ信号を記憶し、レーダ信号のフェーズ信号を算出し、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するバイタル情報取得方法であり、周期性発見技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの送信アンテナおよび少なくとも1つの受信アンテナを含み、かつ複数のマイクロ波を対象に送信して、前記対象から反射される複数のマイクロ波を受信するように構成されたマイクロ波レーダシステムと、
複数の受信マイクロ波を複数のレーダ信号に変換し、前記レーダ信号を記憶し、前記レーダ信号の前記フェーズ信号を算出し、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いて前記フェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成された回路を含むコントローラとを含み、
前記周期性発見技術が自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む、バイタル情報取得装置。
【請求項2】
少なくとも1つの送信アンテナおよび少なくとも1つの受信アンテナを含み、かつ複数の超広帯域ミリ波を対象に送信して、前記対象から反射される複数の超広帯域ミリ波を受信するように構成された超広帯域ミリ波レーダシステムと、
複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、前記レーダ信号を記憶し、前記レーダ信号の前記フェーズ信号を算出し、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いて前記フェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成された回路を含むコントローラとを含み、
前記周期性発見技術が自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む、バイタル情報取得装置。
【請求項3】
前記回路を含むコントローラが、各フェーズ信号の一次、二次、および三次導関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いて前記フェーズ信号ならびにそれらの一次、二次、および三次導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成される、請求項2に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項4】
前記回路を含むコントローラが、前記フェーズ信号の一次、二次、および三次導関数に多値フィルタの1つを適用するようにさらに構成され、かつ周期性検出技術の1つを用いて前記フェーズ信号ならびにそれらのフィルタされた一次、二次、および三次導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成され、
前記多値フィルタが2値化フィルタを含む、請求項3に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項5】
前記回路を含むコントローラが、心拍間隔および呼吸間隔を推定するための目的領域からの適切な位置または距離を選択し、周期性検出技術の1つを用いて前記適切な位置または距離の前記フェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および呼吸間隔を選択するようにさらに構成される、請求項2に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項6】
前記回路を含むコントローラが、呼吸間隔を推定するための目的領域からの適切な位置または距離を選択し、周期性検出技術の1つを用いて前記適切な位置または距離の前記フェーズ信号および/またはそれらの導関数から呼吸間隔を推定するようにさらに構成され、
心拍間隔の前記推定のための前記適切な位置または距離と、呼吸間隔の前記推定のための前記適切な位置または距離とは同じである必要がない、請求項5に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項7】
前記回路を含むコントローラが、バンドパス(band-path)フィルタ、前記レーダ信号の前記フェーズ信号、前記レーダ信号、および/または前記レーダ信号の前記フェーズ信号の導関数を適用するようにさらに構成される、請求項2、3、4、および5に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項8】
前記回路を含むコントローラが、複数の位置または距離の間の暫定的な心拍間隔および/または呼吸間隔を算出し、検出された心拍間隔または呼吸間隔の数が最も多い前記位置または距離を選択し、前記選択された位置または距離の前記検出された心拍間隔または呼吸間隔を前記推定される心拍間隔または呼吸間隔として使用するように構成される、請求項5に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項9】
前記回路を含むコントローラが、複数の位置または距離の間の暫定的な心拍間隔および/または呼吸間隔を算出し、複数の位置または距離の暫定的な心拍間隔および/または呼吸間隔から心拍間隔または呼吸間隔を推定するように構成される、請求項5に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項10】
前記回路を含むコントローラが、算出された心拍間隔の連続性を評価して、算出された心拍間隔のうち近隣の値と大きく異なる値を有するものを除外するようにさらに構成され、
連続性の前記評価が標準偏差、平均偏差、および中央絶対偏差を含む、請求項2に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項11】
前記回路を含むコントローラが、前記レーダ信号の相回転情報を用いる技術の1つに基づいて前記レーダ信号の前記フェーズ信号を算出するように構成され、
前記レーダ信号の相回転情報を用いる前記技術が円フィッティング技術を含む、請求項2に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項12】
前記回路を含むコントローラが、正規化技術の1つを前記レーダ信号に適用するように構成される、請求項2に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項13】
前記回路を含むコントローラが、主成分分析に基づいて前記レーダ信号の前記相回転の中心の初期値を算出するように構成される、請求項11に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項14】
前記回路を含むコントローラが、フェーズ信号と前記フェーズ信号の一次または高次導関数とを用いて少なくとも1つのフェーズ関連の関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いて前記フェーズ関連の関数から心拍間隔を推定するようにさらに構成され、
前記周期性検出技術が自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む、請求項2に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項15】
前記回路を含むコントローラが、少なくとも1つのフェーズ関連の複素関数を算出するように構成される、請求項14に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項16】
前記回路を含むコントローラが、心拍間隔の前記推定のために頭部位置を選択し、呼吸間隔の前記推定のために胸部または腹部位置を選択するように構成される、請求項5に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項17】
前記送信アンテナおよび/または前記受信アンテナが、狭いレーダビームをさらに使用する、請求項2に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項18】
前記レーダビームの幅が20cm以下である、請求項17に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項19】
少なくとも1つの送信アンテナおよび少なくとも1つの受信アンテナを含み、かつ複数の超広帯域ミリ波を対象に送信して、前記対象から反射される複数の超広帯域ミリ波を受信するように構成された超広帯域ミリ波レーダシステムと、
複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、前記レーダ信号を記憶し、前記レーダ信号の前記フェーズ信号を算出し、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し、周波数領域干渉分光法を用いて前記フェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成された回路を含むコントローラとを含む、バイタル情報取得装置。
【請求項20】
回路を含むコントローラが、複数の参照信号を使用して心拍間隔、呼吸間隔、および/またはその他の生物学的情報を推定するように構成され、
その他の生物学的情報が心拍出量および血圧を含む、請求項19に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項21】
少なくとも1つの送信アンテナおよび少なくとも1つの受信アンテナを含み、かつ複数のマイクロ波を対象に送信して、前記対象から反射される複数のマイクロ波を受信するように構成されたマイクロ波レーダシステムと、
複数の受信マイクロ波を複数のレーダ信号に変換し、前記レーダ信号を記憶し、目的領域からの複数の位置または距離を選択し、前記選択された位置または距離における前記レーダ信号から少なくとも1つのフェーズ信号を算出し、周期性検出技術の1つを用いて前記フェーズ信号から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成された回路を含むコントローラとを含み、
前記周期性検出技術が自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む、バイタル情報取得装置。
【請求項22】
少なくとも1つの送信アンテナおよび少なくとも1つの受信アンテナを含み、かつ複数の超広帯域ミリ波を対象に送信して、前記対象から反射される複数の超広帯域ミリ波を受信するように構成された超広帯域ミリ波レーダシステムと、
複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、前記レーダ信号を記憶し、目的領域からの複数の位置または距離を選択し、前記選択された位置または距離における前記レーダ信号から少なくとも1つのフェーズ信号を算出し、周期性検出技術の1つを用いて前記フェーズ信号から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成された回路を含むコントローラとを含み、
前記周期性検出技術が自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む、バイタル情報取得装置。
【請求項23】
前記回路を含むコントローラが、主成分分析に基づく技術の1つを用いて前記フェーズ信号を算出するように構成され、
主成分分析に基づく前記技術が、固有値分解、反復計算、および非線形反復部分最小2乗法に基づく前記選択されたレーダ信号の第1の主成分の算出を含む、請求項22に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項24】
主成分分析に基づく前記技術が、期待値演算子の1つをさらに使用する、請求項23に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項25】
前記回路を含むコントローラが、目的領域からの高い信号強度を有する複数の位置または距離を選択するように構成される、請求項22に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項26】
前記回路を含むコントローラが、少なくとも1つのバンドパスフィルタまたはハイパスフィルタをレーダ信号に適用するように構成される、請求項22に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項27】
前記回路を含むコントローラが、少なくとも1つのバンドパスフィルタまたはハイパスフィルタを使用するように構成され、
前記バンドパスフィルタまたはハイパスフィルタが、心拍間隔の前記推定のために0.5Hzより高い周波数成分を通す、請求項26に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項28】
前記回路を含むコントローラが、少なくとも1つのバンドパスフィルタまたはハイパスフィルタをフェーズ信号に適用するように構成される、請求項22に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項29】
前記回路を含むコントローラが、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いて前記フェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するようにさらに構成される、請求項22に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項30】
前記回路を含むコントローラが、各フェーズ信号の一次、二次、および三次導関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いて前記フェーズ信号ならびにそれらの一次、二次、および三次導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成される、請求項29に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項31】
前記回路を含むコントローラが、前記フェーズ信号の一次、二次、および三次導関数に多値フィルタの1つを適用するようにさらに構成され、かつ周期性検出技術の1つを用いて前記フェーズ信号ならびにそれらのフィルタされた一次、二次、および三次導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成され、
前記多値フィルタが2値化フィルタを含む、請求項30に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項32】
少なくとも1つの送信アンテナおよび少なくとも1つの受信アンテナを含み、かつ複数のマイクロ波を対象に送信して、前記対象から反射される複数のマイクロ波を受信するように構成されたマイクロ波レーダシステムと、
複数の音声を受信するように構成されたマイクロホンと、
複数の受信マイクロ波を複数のレーダ信号に変換し、前記レーダ信号を記憶し、目的領域からの複数の位置または距離を選択し、前記選択された位置または距離における前記レーダ信号から少なくとも1つのフェーズ信号を算出し、複数の音声を複数の音声信号に変換し、前記音声信号を記憶し、前記音声信号から音圧を含む衝撃が算出されるように前記音声信号を処理し、周期性検出技術の1つおよび/または音圧を含む前記衝撃の存在時間分布の周期性を用いて前記フェーズ信号から心拍間隔、呼吸間隔、睡眠段階、睡眠時無呼吸および/または低呼吸を推定するように構成された回路を含むコントローラとを含み、
前記周期性検出技術が自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む、バイタル情報取得装置。
【請求項33】
少なくとも1つの送信アンテナおよび少なくとも1つの受信アンテナを含み、かつ複数の超広帯域ミリ波を対象に送信して、前記対象から反射される複数の超広帯域ミリ波を受信するように構成された超広帯域ミリ波レーダシステムと、
複数の音声を受信するように構成されたマイクロホンと、
複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、前記レーダ信号を記憶し、目的領域からの複数の位置または距離を選択し、前記選択された位置または距離における前記レーダ信号から少なくとも1つのフェーズ信号を算出し、複数の音声を複数の音声信号に変換し、前記音声信号を記憶し、前記音声信号から音圧を含む衝撃が算出されるように前記音声信号を処理し、周期性検出技術の1つおよび/または音圧を含む前記衝撃の存在時間分布の周期性を用いて前記フェーズ信号から心拍間隔、呼吸間隔、睡眠段階、睡眠時無呼吸および/または低呼吸を推定するように構成された回路を含むコントローラとを含み、
前記周期性検出技術が自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む、バイタル情報取得装置。
【請求項34】
前記回路を含むコントローラが、音圧を含む前記衝撃の存在時間分布の周期性に基づいていびき音を検出するようにさらに構成される、請求項33に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項35】
前記回路を含むコントローラが、音圧を含む前記衝撃の存在時間分布の周期性と、周期性検出技術の1つを用いて前記レーダ信号の前記フェーズ信号から推定された前記呼吸間隔とに基づいていびき音を検出するようにさらに構成される、請求項33に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項36】
前記回路を含むコントローラが、いびきの存在時間分布から睡眠段階を推定するように構成される、請求項34および35に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項37】
前記回路を含むコントローラが、いびきの存在時間分布と、前記レーダ信号の前記フェーズ信号とから睡眠時無呼吸および低呼吸を推定するように構成される、請求項34および35に記載のバイタル情報取得装置。
【請求項38】
前記レーダ信号を記憶し、前記レーダ信号の前記フェーズ信号を算出し、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いて前記フェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および呼吸間隔を推定するバイタル情報取得方法であって、
前記周期性発見技術が自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む、バイタル情報取得方法。
【請求項39】
前記レーダ信号を記憶し、目的領域からの複数の位置または距離を選択し、前記選択された位置または距離における前記レーダ信号から少なくとも1つのフェーズ信号を算出し、周期性検出技術の1つを用いて前記フェーズ信号から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するバイタル情報取得方法であって、
前記周期性検出技術が自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む、バイタル情報取得方法。
【請求項40】
前記レーダ信号を記憶し、目的領域からの複数の位置または距離を選択し、前記選択された位置または距離における前記レーダ信号から少なくとも1つのフェーズ信号を算出し、複数の音声を複数の音声信号に変換し、前記音声信号を記憶し、前記音声信号から音圧を含む衝撃が算出されるように前記音声信号を処理し、周期性検出技術の1つおよび/または音圧を含む前記衝撃の存在時間分布の周期性を用いて前記フェーズ信号から心拍間隔、呼吸間隔、睡眠段階、睡眠時無呼吸および/または低呼吸を推定するバイタル情報取得方法であって、
前記周期性検出技術が自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む、バイタル情報取得方法。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年11月5日に提出された米国仮出願第63/275,949号と、2022年1月15日に提出された米国仮出願第63/299,958号と、2022年10月9日に提出された米国仮出願第63/414,559号とに基づくものであり、それらに対する優先権の利益を請求する。本明細書において、上記の出願すべての内容全体が引用により援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、ミリ波レーダを用いて対象の呼吸間隔、心拍間隔、および位置を推定するバイタル情報取得装置および方法に向けられたものである。
【背景技術】
【0003】
バイタル情報モニタリングは、患者に適切な医療サービスを提供するために非常に重要である(PL1、NPL1)。近年、心拍数および呼吸間隔を含むバイタル情報の取得に対するいくつかのミリ波レーダ技術(PL2、NPL2、NPL3)が報告されている。
【0004】
特許文献引用リスト
PL1 カツヤ・ナカガワ(Katsuya Nakagawa)ら、「バイタル情報測定デバイス、管理デバイス、およびバイタル情報通信システム(Vital information measuring device, managing device, and vital information communication system)」、特許文献1。
PL2 ミラン・セービック(Milan Savic)ら、「MM波レーダバイタルサイン検出装置および動作の方法(MM-wave radar vital signs detection apparatus and method of operation)」、特許文献2。
【0005】
非特許文献引用リスト
NPL1 非特許文献1。
NPL2 非特許文献2。
NPL3 非特許文献3。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1887488(A1)号
【特許文献2】国際公開第2015/174879(A1)号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】サンディ・ロルフェ(Sandy Rolfe)、「呼吸数モニタリングの重要性(The importance of respiratory rate monitoring)」、ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ナーシング(British Journal of Nursing)、2019
【非特許文献2】ジチェン・ヤン(Zhicheng Yang)ら、「ミリ波を用いたバイタルサインのモニタリング(Monitoring vital signs using millimeter wave)」、MobiHoc’16、2016
【非特許文献3】タクヤ・サカモト(Takuya Sakamoto)、「ミリ波レーダ信号処理の近年の進歩(Recent progress in millimeter-wave radar signal processing)」、第12回ミリ波国際シンポジウム(12th Global Symposium on Millimeter Waves)、2019
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
バイタル情報モニタリングは、患者に適切な医療サービスを提供するために非常に重要である。医療サービスの品質を改善するために、非接触型のロバストなバイタル情報モニタリング技術が強く望まれている。
【0009】
上述の問題を解決するために、本発明はバイタル情報取得装置を目的としており、このバイタル情報取得装置は、少なくとも1つの送信アンテナおよび少なくとも1つの受信アンテナを含み、かつ複数のマイクロ波を対象に送信して、対象から反射される複数のマイクロ波を受信するように構成されたマイクロ波レーダシステムと;複数の受信マイクロ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し、レーダ信号のフェーズ信号を算出し、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成された回路を含むコントローラとを含み、周期性発見技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0010】
本発明の別の態様は、レーダ信号を記憶し、レーダ信号のフェーズ信号を算出し、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するバイタル情報取得方法であり、周期性発見技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0011】
本発明およびそれに付随する多くの利点のより完全な認識は、以下の詳細な説明を参照して添付の図面に関連して考慮されるときにより良く理解されるために容易に得られるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】超広帯域ミリ波を対象に送信し、周期性発見技術を用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から対象のバイタル情報を推定するバイタル情報取得装置を示す概略図である。
図2】フェーズ信号の一次、二次、および三次導関数に多値フィルタの1つを適用するバイタル情報取得装置を示す概略図である。
図3】心拍間隔および呼吸間隔の推定のための適切な位置または距離を選択するバイタル情報取得装置を示す概略図であり、ここで心拍間隔の推定のための適切な位置または距離と、呼吸間隔の推定のための適切な位置または距離とは同じである必要はない。
図4】レーダ信号のフェーズ信号、レーダ信号、および/またはレーダ信号のフェーズ信号の導関数に対してバンドパス(band-path)フィルタを適用するバイタル情報取得装置を示す概略図である。
図5】超広帯域ミリ波を対象に送信し、複数の位置または距離におけるレーダ信号からフェーズ信号を算出することによって対象のバイタル情報を推定するバイタル情報取得装置を示す概略図である。
図6】主成分分析に基づく技術の1つを用いてフェーズ信号を算出する取得装置を示す概略図である。
図7】主成分分析に基づく技術の1つを使用し、レーダ信号およびフェーズ信号にバンドパスフィルタを適用する取得装置を示す概略図である。
図8】主成分分析に基づく技術の1つを使用し、レーダ信号にバンドパスフィルタまたはハイパスフィルタを適用し、バンドパスフィルタの適用後にフェーズ信号および/またはそれらの導関数から対象のバイタル情報を推定する取得装置を示す概略図である。
図9】超広帯域ミリ波を対象に送信し、いびき音を含む複数の音声を受信し、複数の位置または距離におけるレーダ信号のフェーズ信号と、音圧を含む音声衝撃の存在時間分布の周期性とを算出することによって対象のバイタル情報を推定するバイタル情報取得装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで添付の図面を参照しながら実施形態が説明されることとなり、さまざまな図面全体にわたって、類似の参照番号は対応する構成要素または同一の構成要素を示す。
【0014】
ある実施形態による本発明のバイタル情報取得装置は、超広帯域ミリ波を送信し、周期性検出技術を用いてレーダ信号のフェーズ信号およびそれらの導関数から対象の心拍間隔および呼吸間隔を推定する。ある実施形態による本発明のバイタル情報取得装置は、少なくとも1つの送信アンテナおよび少なくとも1つの受信アンテナを含み、かつ複数のマイクロ波を対象に送信して、対象から反射される複数のマイクロ波を受信するように構成されたマイクロ波レーダシステムと;複数の受信マイクロ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し、レーダ信号のフェーズ信号を算出し、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成された回路を含むコントローラとを含み、周期性発見技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0015】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、超広帯域ミリ波レーダシステムを使用し得る。図1は、本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の概略図を示す。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナ104と、少なくとも1つの受信アンテナ106とを含む。複数の超広帯域ミリ波108が対象100に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波108は、対象100の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナ106によって受信される。回路を含むシステムコントローラ110は、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し(112)、レーダ信号のフェーズ信号を算出し(114)、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し(116)、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定する(118)ように構成される。周期性発見技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0016】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、各フェーズ信号の一次、二次、および三次導関数を算出してもよい。回路を含むコントローラは、各フェーズ信号の一次、二次、および三次導関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号ならびにそれらの一次、二次、および三次導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成される。
【0017】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、したがってフェーズ信号の一次、二次、および三次導関数に多値フィルタの1つを適用してもよい。図2は、本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の概略図を示す。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナ104と、少なくとも1つの受信アンテナ106とを含む。複数の超広帯域ミリ波108が対象100に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波108は、対象100の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナ106によって受信される。回路を含むシステムコントローラ110は、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し(112)、レーダ信号のフェーズ信号を算出し(114)、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し(116)、フェーズ信号の一次、二次、および三次導関数に多値フィルタの1つを適用し(200)、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定する(118)ように構成される。多値フィルタは2値化フィルタを含む。周期性発見技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0018】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、心拍間隔および呼吸間隔を推定するために、レーダ信号および/またはそれらのフェーズ信号からの適切な位置または距離を選択してもよい。回路を含むコントローラは、心拍間隔および呼吸間隔を推定するための目的領域からの適切な位置または距離を選択し、周期性検出技術の1つを用いて適切な位置または距離のフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および呼吸間隔を選択するようにさらに構成される。本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、心拍間隔および/または呼吸間隔の推定のための選択された適切な位置または距離から対象の位置を決定してもよい。
【0019】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、心拍間隔および呼吸間隔の推定のための適切な位置または距離を選択してもよく、ここで心拍間隔の推定のための適切な位置または距離と、呼吸間隔の推定のための適切な位置または距離とは同じである必要はない。図3は、本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の概略図を示す。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナ104と、少なくとも1つの受信アンテナ106とを含む。複数の超広帯域ミリ波108が対象100に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波108は、対象100の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナ106によって受信される。回路を含むシステムコントローラ110は、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し(112)、レーダ信号のフェーズ信号を算出し(114)、呼吸間隔の推定のための目的領域からの適切な位置または距離を選択し(300)、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し(116)、フェーズ信号の一次、二次、および三次導関数に多値フィルタの1つを適用し(200)、心拍間隔の推定のための目的領域からの適切な位置または距離を選択し(302)、周期性検出技術の1つを用いて適切な位置または距離のフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔(306)および/または呼吸間隔(304)を推定するように構成され、ここで心拍間隔の推定のための適切な位置または距離と、呼吸間隔の推定のための適切な位置または距離とは同じである必要はない。呼吸間隔推定のための適切な位置の選択は、フェーズ信号の導関数の算出に続いてもよい。
【0020】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、レーダ信号のフェーズ信号、レーダ信号、および/またはレーダ信号のフェーズ信号の導関数に対してバンドパス(band-path)フィルタを適用してもよい。図4は、本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の概略図を示す。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナ104と、少なくとも1つの受信アンテナ106とを含む。複数の超広帯域ミリ波108が対象100に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波108は、対象100の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナ106によって受信される。回路を含むシステムコントローラ110は、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し(112)、レーダ信号のフェーズ信号を算出し(114)、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し(116)、レーダ信号のフェーズ信号および/またはレーダ信号のフェーズ信号の導関数に対してバンドパス(band-path)フィルタを適用し(400)、バンドパス(band-path)フィルタ適用後のフェーズ信号の一次、二次、および三次導関数に多値フィルタの1つを適用し(200)、周期性検出技術の1つを用いてバンドパス(band-path)適用後のフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定する(118)ように構成される。多値フィルタは2値化フィルタを含む。周期性発見技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0021】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、複数の位置または距離の間の暫定的な心拍間隔および/または呼吸間隔を算出し、検出された心拍間隔または呼吸間隔の数が最も多い位置または距離を選択し、選択された位置または距離の検出された心拍間隔または呼吸間隔を推定される心拍間隔または呼吸間隔として使用してもよい。なぜなら、ある位置または距離で検出された心拍間隔または呼吸間隔の数が最も多いことは、その位置または距離のレーダ信号が心拍間隔または呼吸間隔を推定するために適切であることを示すからである。
【0022】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、複数の位置または距離の間の暫定的な心拍間隔および/または呼吸間隔を算出し、その暫定的な心拍間隔および/または呼吸間隔のすべてまたは一部を用いて心拍間隔または呼吸間隔を推定してもよい。
【0023】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、算出された心拍間隔の連続性を評価して、算出された心拍間隔のうち近隣の値と大きく異なる値を有するものを除外してもよく、この連続性の評価は標準偏差、平均偏差、および中央絶対偏差を含む。本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、算出された心拍間隔の値と平均との差が標準偏差の3倍よりも大きいときに、それらの心拍間隔を除外してもよい。
【0024】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、レーダ信号の相回転情報を用いる技術の1つに基づいてレーダ信号のフェーズ信号を算出してもよく、このレーダ信号の相回転情報を用いる技術は円フィッティング技術を含む。本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の円フィッティング技術は、コスト関数Dの極小化によって与えられる。
【0025】
【数1】
【0026】
ここでα、β、およびγは極小化のためのパラメータであり、sIlおよびsQlはl番目のデータ点の同相および直交信号成分であり、Lはフェーズ信号の算出のために用いられる時間領域におけるデータ長であり、nは正数である。本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の円フィッティング技術は、n=2の設定を使用してもよい。本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の円フィッティング技術は、コスト関数Dの極小化によって与えられる。
【0027】
【数2】
【0028】
ここでαおよびβは、Dの極小化のためのパラメータである。本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の円フィッティング技術は、n=2の設定を使用してもよい。l番目のデータ点のフェーズ信号s(l)は、次の式によって与えられる。
【0029】
【数3】
【0030】
ここでαおよびβはDまたはDの極小化後のパラメータであり、(a,b)は実数部aおよび虚数部bを有する複素数を表す。
【0031】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、データのオーバーフローを防ぐために正規化技術の1つをレーダ信号に適用してもよい。本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置のレーダ信号は、次の式によって与えられる。
【0032】
【数4】
【0033】
ここでsIl’およびsQl’は、正規化技術の1つの適用後のl番目のデータ点の同相および直交信号成分である。
【0034】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、主成分分析に基づいてレーダ信号の相回転の中心の初期値を算出してもよい。本発明の実施形態を使用するレーダ信号の相回転の中心の初期値は、次の式によって与えられる。
【0035】
【数5】
【0036】
ここでαおよびβは、方程式(1)または方程式(4)の極小化に対するレーダ信号の相回転の中心の初期値の同相および直交成分であり、T-1はTの逆行列であり、TはL×2データ行列Xの主成分分析変換行列であり、Xのl番目の行はl番目のデータ点の同相および直交信号成分sIlおよびsQlを表す。本発明の実施形態を使用する正規化技術を用いたレーダ信号の相回転の中心の初期値は、次の式によって与えられる。
【0037】
【数6】
【0038】
ここでα’およびβ’は、方程式(6)、(7)、および(8)によって与えられる正規化技術を用いた極小化に対するレーダ信号の相回転の中心の初期値の同相および直交成分である。
【0039】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、フェーズ信号とフェーズ信号の一次または高次導関数とを用いて少なくとも1つのフェーズ関連の関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ関連の関数から心拍間隔を推定してもよく、周期性検出技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0040】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、フェーズ信号とフェーズ信号の一次または高次導関数とを用いて少なくとも1つのフェーズ関連の複素関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ関連の関数から心拍間隔を推定してもよい。本発明の実施形態を使用するフェーズ関連の関数sPR(t)は、次の式によって与えられる。
【0041】
【数7】
【0042】
ここでr、r、およびrは複素定数であり、s’(t)、s’’(t)、およびs’’’(t)はフェーズ信号の一次、二次、および三次導関数であり、tは測定時間であり、これは遅い時間である。本発明の実施形態を使用するフェーズ関連の関数は、r、r、およびrに対してそれぞれ実数定数、純虚数定数、および純虚数定数を使用してもよい。
【0043】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、心拍間隔の推定のために頭部位置を選択し、呼吸間隔の推定のために胸部または腹部位置を選択してもよい。
【0044】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、狭いレーダビームをさらに使用する送信アンテナおよび/または受信アンテナを用いてもよい。狭いレーダビームを使用することによって散乱領域を制限して、散乱領域の変動によって引き起こされる心拍間隔推定における測定エラーを抑制することが可能になる。
【0045】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は狭いレーダビームを用いてもよく、そのレーダビームの幅は20cm以下である。パルス波の速度は5~15m/sであり、よってこの設定は、散乱領域の変動によって引き起こされる心拍間隔推定における測定エラーを40ms以下に抑制するはずである。
【0046】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、心臓駆出のタイミングを検出するために周波数領域干渉分光法を使用してもよい。本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、少なくとも1つの送信アンテナおよび少なくとも1つの受信アンテナを含み、かつ複数の超広帯域ミリ波を対象に送信して、対象から反射される複数の超広帯域ミリ波を受信するように構成された超広帯域ミリ波レーダシステムと;複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し、レーダ信号のフェーズ信号を算出し、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し、周波数領域干渉分光法を用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成された回路を含むコントローラとを含んでもよい。
【0047】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、複数の参照信号を使用して心拍間隔、呼吸間隔、および/またはその他の生物学的情報を推定してもよく、その他の生物学的情報は心拍出量および血圧を含む。
【0048】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、対象にマイクロ波を送信し、複数のレーダ信号を用いて算出されたフェーズ信号から対象の心拍間隔および呼吸間隔を送信する。ある実施形態による本発明のバイタル情報取得装置は、少なくとも1つの送信アンテナおよび少なくとも1つの受信アンテナを含み、かつ複数のマイクロ波を対象に送信して、対象から反射される複数のマイクロ波を受信するように構成されたマイクロ波レーダシステムと;複数の受信マイクロ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し、目的領域からの複数の位置または距離を選択し、選択された位置または距離におけるレーダ信号から少なくとも1つのフェーズ信号を算出し、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成された回路を含むコントローラとを含み、周期性検出技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0049】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、超広帯域ミリ波レーダシステムを使用し得る。図5は、本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の概略図を示す。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナ104と、少なくとも1つの受信アンテナ106とを含む。複数の超広帯域ミリ波108が対象100に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波108は、対象100の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナ106によって受信される。回路を含むシステムコントローラ110は、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し(112)、目的領域からの複数の位置または距離を選択し(500)、選択された位置または距離におけるレーダ信号から少なくとも1つのフェーズ信号を算出し(502)、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定する(118)ように構成される。周期性検出技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0050】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、主成分分析に基づく技術の1つを用いてフェーズ信号を算出してもよく、主成分分析に基づく技術は、固有値分解、反復計算、および非線形反復部分最小2乗法に基づく選択されたレーダ信号の第1の主成分の算出を含む。本発明の実施形態を使用する固有値分解に基づく選択されたレーダ信号の第1の主成分を用いたフェーズ信号s(l)の算出は、次の式によって与えられる。
【0051】
【数8】
【0052】
ここでu(l)はl番目のデータ点におけるm番目の選択された位置または距離におけるレーダ信号であり、SIm(l)およびSQm(l)はl番目のデータ点における同相および直交信号成分であり、jは虚数単位であり、[]は[]の行列の転置行列であり、vmaxはu(l)の相関行列の最大固有値に対応する固有ベクトルである。本発明の実施形態を使用するu(l)の相関行列Rの算出は、次の式によって与えられる。
【0053】
【数9】
【0054】
ここで[]は[]の行列のエルミート転置行列である。図6は、本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の概略図を示す。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナ104と、少なくとも1つの受信アンテナ106とを含む。複数の超広帯域ミリ波108が対象100に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波108は、対象100の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナ106によって受信される。回路を含むシステムコントローラ110は、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し(112)、目的領域からの複数の位置または距離を選択し(500)、選択された位置または距離における複数のレーダ信号から相関行列を算出し(600)、相関行列の最大固有値に対応する固有ベクトルを算出し(602)、相関行列の最大固有値に対応する固有ベクトルを用いてフェーズ信号を算出し(604)、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定する(118)ように構成される。
【0055】
本発明の実施形態を使用する主成分分析に基づく技術は、期待値演算子の1つを使用してもよい。本発明の実施形態を使用する期待値演算子の使用は、単純な合計による相関行列Rを置換するものとして、重み付き合計による相関行列R’を使用することによって与えられる。重み付き合計は、ハン窓、ハミング窓、およびガウス窓の使用を含む。
【0056】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、目的領域からの高い信号強度を有する複数の位置または距離を選択してもよい。
【0057】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、対象の生理学的信号を抽出するために、少なくとも1つのバンドパスフィルタまたはハイパスフィルタをレーダ信号に適用してもよい。
【0058】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、心拍間隔の推定のために0.5Hzより高い周波数成分を通すバンドパスフィルタまたはハイパスフィルタを使用してもよい。なぜなら、この設定はほとんどの呼吸成分および身体運動を抑制して、心拍に対応する生理学的信号を選択的に抽出し得るからである。
【0059】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、対象の生理学的信号を抽出するために、少なくとも1つのバンドパスフィルタまたはハイパスフィルタをフェーズ信号に適用してもよい。
【0060】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、各フェーズ信号の一次または高次導関数をさらに算出し、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定してもよい。
【0061】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、各フェーズ信号の一次、二次、および三次導関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号ならびにそれらの一次、二次、および三次導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定してもよい。
【0062】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、フェーズ信号の一次、二次、および三次導関数に多値フィルタの1つを適用してもよく、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号ならびにそれらのフィルタされた一次、二次、および三次導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定するように構成され、多値フィルタは2値化フィルタを含む。
【0063】
ある実施形態による本発明のバイタル情報取得装置は、対象にマイクロ波を送信し、複数のレーダ信号を用いて算出されたフェーズ信号から対象の心拍間隔および呼吸間隔を送信する。ある実施形態による本発明のバイタル情報取得装置は、少なくとも1つの送信アンテナおよび少なくとも1つの受信アンテナを含み、かつ複数のマイクロ波を対象に送信して、対象から反射される複数のマイクロ波を受信するように構成されたマイクロ波レーダシステムと;複数の音声を受信するように構成されたマイクロホンと;複数の受信マイクロ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し、目的領域からの複数の位置または距離を選択し、選択された位置または距離におけるレーダ信号から少なくとも1つのフェーズ信号を算出し、複数の音声を複数の音声信号に変換し、音声信号を記憶し、音声信号から音圧を含む衝撃が算出されるように音声信号を処理し、周期性検出技術の1つおよび/または音圧を含む衝撃の存在時間分布の周期性を用いてフェーズ信号から心拍間隔、呼吸間隔、睡眠段階、睡眠時無呼吸および/または低呼吸を推定するように構成された回路を含むコントローラとを含み、周期性検出技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0064】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、超広帯域ミリ波レーダシステムを使用し得る。図9は、本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の概略図を示す。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナ104と、少なくとも1つの受信アンテナ106とを含む。複数の超広帯域ミリ波108が対象100に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波108は、対象100の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナ106によって受信される。マイクロホン902によって、いびき音900を含む複数の音声が受信される。回路を含むシステムコントローラ110は、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し(112)、目的領域からの複数の位置または距離を選択し(500)、選択された位置または距離におけるレーダ信号から少なくとも1つのフェーズ信号を算出し(502)、複数の音声を複数の音声信号に変換し、音声信号を記憶し(112)、音声信号から音圧を含む衝撃が算出されるように音声信号を処理し(904)、周期性検出技術の1つおよび/または音圧を含む衝撃の存在時間分布の周期性を用いてフェーズ信号から心拍間隔、呼吸間隔、睡眠段階、睡眠時無呼吸および/または低呼吸を推定する(906)ように構成される。周期性検出技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0065】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、音圧を含む衝撃の存在時間分布の周期性に基づいて、いびき音を検出してもよい。
【0066】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、音圧を含む衝撃の存在時間分布の周期性と、周期性検出技術の1つを用いてレーダ信号のフェーズ信号から推定された呼吸間隔とに基づいて、いびき音を検出してもよい。なぜなら、レーダ信号から推定された呼吸間隔は、いびき音の存在時間間隔と一致するはずだからである。
【0067】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、いびきの存在時間分布から睡眠段階を推定してもよい。なぜなら、対象がいびきをかくとき、彼/彼女は睡眠中のはずだからである。
【0068】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、いびきの存在時間分布と、レーダ信号のフェーズ信号とから睡眠時無呼吸および低呼吸を推定してもよい。なぜなら、睡眠時無呼吸または低呼吸は対象の睡眠中に起こり、かつ胸部または腹部の動きが減少するときにレーダ信号のフェーズ信号の振幅が減少するからである。
【0069】
ある実施形態による本発明のバイタル情報取得方法は、レーダ信号を記憶し、レーダ信号のフェーズ信号を算出し、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および呼吸間隔を推定し、周期性発見技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0070】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得方法は、レーダ信号を記憶し、目的領域からの複数の位置または距離を選択し、選択された位置または距離におけるレーダ信号から少なくとも1つのフェーズ信号を算出し、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定し、周期性検出技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0071】
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得方法は、レーダ信号を記憶し、目的領域からの複数の位置または距離を選択し、選択された位置または距離におけるレーダ信号から少なくとも1つのフェーズ信号を算出し、複数の音声を複数の音声信号に変換し、音声信号を記憶し、音声信号から音圧を含む衝撃が算出されるように音声信号を処理し、周期性検出技術の1つおよび音声信号ならびに/または音圧を含む衝撃の存在時間分布の周期性を用いてフェーズ信号から心拍間隔、呼吸間隔、睡眠段階、睡眠時無呼吸および/または低呼吸を推定し、周期性検出技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0072】
第1の例示的実施形態
図1は、本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の概略図を示す。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナ104と、少なくとも1つの受信アンテナ106とを含む。複数の超広帯域ミリ波108が対象100に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波108は、対象100の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナ106によって受信される。回路を含むシステムコントローラ110は、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し(112)、レーダ信号のフェーズ信号を算出し(114)、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し(116)、フェーズ信号の一次、二次、および三次導関数に多値フィルタの1つを適用し(200)、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔を推定する(118)ように構成される。多値フィルタは2値化フィルタを含む。周期性発見技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0073】
第2の例示的実施形態
図2は、本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の概略図を示す。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナ104と、少なくとも1つの受信アンテナ106とを含む。複数の超広帯域ミリ波108が対象100に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波108は、対象100の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナ106によって受信される。回路を含むシステムコントローラ110は、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し(112)、レーダ信号のフェーズ信号を算出し(114)、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し(116)、レーダ信号のフェーズ信号、レーダ信号、および/またはレーダ信号のフェーズ信号の導関数に対してバンドパス(band-path)フィルタを適用し(300)、バンドパス(band-path)フィルタ適用後のフェーズ信号の一次、二次、および三次導関数に多値フィルタの1つを適用し(200)、周期性検出技術の1つを用いてバンドパス(band-path)適用後のフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔を推定する(118)ように構成される。多値フィルタは2値化フィルタを含む。周期性発見技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0074】
第3の例示的実施形態
図3は、本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の概略図を示す。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナ104と、少なくとも1つの受信アンテナ106とを含む。複数の超広帯域ミリ波108が対象100に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波108は、対象100の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナ106によって受信される。回路を含むシステムコントローラ110は、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し(112)、レーダ信号のフェーズ信号を算出し(114)、呼吸間隔の推定のための目的領域からの適切な位置または距離を選択し(300)、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し(116)、フェーズ信号の一次、二次、および三次導関数に多値フィルタの1つを適用し(200)、心拍間隔の推定のための目的領域からの適切な位置または距離を選択し(302)、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔(306)および/または呼吸間隔(304)を推定するように構成され、ここで心拍間隔の推定のための適切な位置または距離と、呼吸間隔の推定のための適切な位置または距離とは同じである必要はない。呼吸間隔推定のための適切な位置の選択は、フェーズ信号の導関数の算出に続いてもよい。
【0075】
前(Forth)の例示的実施形態
図4は、本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の概略図を示す。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナ104と、少なくとも1つの受信アンテナ106とを含む。複数の超広帯域ミリ波108が対象100に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波108は、対象100の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナ106によって受信される。回路を含むシステムコントローラ110は、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し(112)、レーダ信号のフェーズ信号を算出し(114)、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し(116)、レーダ信号のフェーズ信号および/またはレーダ信号のフェーズ信号の導関数に対してバンドパス(band-path)フィルタを適用し(400)、バンドパス(band-path)フィルタ適用後のフェーズ信号の一次、二次、および三次導関数に多値フィルタの1つを適用し(200)、周期性検出技術の1つを用いてバンドパス(band-path)適用後のフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定する(118)ように構成される。
【0076】
第5の例示的実施形態
本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、以下の構成を使用してもよい。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナと、少なくとも1つの受信アンテナとを含む。複数の超広帯域ミリ波が対象に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波は、対象の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナによって受信される。回路を含むシステムコントローラは、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し、レーダ信号のフェーズ信号を算出し、呼吸間隔の推定のための目的領域からの適切な位置または距離を選択し、周期性検出技術の1つを用いて呼吸間隔推定のための適切な位置または距離のフェーズ信号および/またはそれらの導関数から呼吸間隔を推定し、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し、フェーズ信号の一次、二次、および三次導関数に多値フィルタの1つを適用し、心拍間隔の推定のための目的領域からの適切な位置または距離を選択し、周期性検出技術の1つを用いて心拍間隔推定のための適切な位置または距離のフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔を推定するように構成される。本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、次の式によって与えられるコスト関数D’の極小化によってレーダ信号のフェーズ信号を算出してもよい。
【0077】
【数10】
【0078】
ここでα’およびβ’はD’の極小化のためのパラメータであり、α’およびβ’の初期値は方程式(10)によって与えられる。方程式(11)によって与えられる本発明の実施形態を使用するフェーズ関連の関数は、次の式によって与えられるパラメータr、r、およびrを使用してもよい。
【0079】
【数11】
【0080】
ここでa、a、およびaは実数であり、jは虚数単位である。本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置は、a、a、およびaに対して次の設定を含む正数を使用してもよい。(a,a,およびa)=(1,1,0.3)、(1,1,0.4)、(1,1,0.5)、(1,1,0.6)、(1,1,0.7)、(1,1,0.8)、(1,1,0.9)、(1,1,1)、(1,0.3,1)、(1,0.4,1)、(1,0.5,1)、(1,0.6,1)、(1,0.7,1)、(1,0.8,1)、(1,0.9,1)、(1,0.3,0.3)、(1,0.4,0.4)、(1,0.5,0.5)、(1,0.6,0.6)、(1,0.7,0.7)、(1,0.8,0.8)、および(1,0.9,0.9)。
【0081】
第6の例示的実施形態
図7は、本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の概略図を示す。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナ104と、少なくとも1つの受信アンテナ106とを含む。複数の超広帯域ミリ波108が対象100に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波108は、対象100の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナ106によって受信される。回路を含むシステムコントローラ110は、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し(112)、目的領域からの高い信号強度を有する複数の位置または距離を選択し(500)、バンドパスフィルタまたはハイパスフィルタをレーダ信号に適用し(700)、選択された位置または距離における複数のレーダ信号から相関行列を算出し(600)、相関行列の最大固有値に対応する固有ベクトルを算出し(602)、相関行列の最大固有値に対応する固有ベクトルを用いてフェーズ信号を算出し(604)、バンドパスフィルタまたはハイパスフィルタをフェーズ信号に適用し(702)、周期性検出技術の1つを用いてフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔および/または呼吸間隔を推定する(118)ように構成される。バンドパスフィルタまたはハイパスフィルタをレーダ信号に適用することに続いて、複数の位置または距離の選択が行われてもよい。
【0082】
第7の例示的実施形態
図8は、本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の概略図を示す。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナ104と、少なくとも1つの受信アンテナ106とを含む。複数の超広帯域ミリ波108が対象100に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波108は、対象100の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナ106によって受信される。回路を含むシステムコントローラ110は、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し(112)、目的領域からの高い信号強度を有する複数の位置または距離を選択し(500)、バンドパスフィルタまたはハイパスフィルタをレーダ信号に適用し(700)、選択された位置または距離における複数のレーダ信号から相関行列を算出し(600)、相関行列の最大固有値に対応する固有ベクトルを算出し(602)、相関行列の最大固有値に対応する固有ベクトルを用いてフェーズ信号を算出し(604)、各フェーズ信号の一次または高次導関数を算出し(116)、レーダ信号のフェーズ信号、レーダ信号、および/またはレーダ信号のフェーズ信号の導関数に対してバンドパスフィルタを適用し(400)、バンドパスフィルタ適用後のフェーズ信号の一次、二次、および三次導関数に多値フィルタの1つを適用し(200)、周期性検出技術の1つを用いてバンドパス適用後のフェーズ信号および/またはそれらの導関数から心拍間隔を推定する(118)ように構成される。多値フィルタは2値化フィルタを含む。周期性検出技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【0083】
第8の例示的実施形態
図9は、本発明の実施形態を使用するバイタル情報取得装置の概略図を示す。超広帯域ミリ波レーダシステムは、少なくとも1つの送信アンテナ104と、少なくとも1つの受信アンテナ106とを含む。複数の超広帯域ミリ波108が対象100に送信される。送信された超広帯域ミリ波は、たとえばm系列などのパルス圧縮技術の1つを用いて変調され得る。送信された超広帯域ミリ波108は、対象100の体表面で反射される。対象から反射された複数の超広帯域ミリ波は、受信アンテナ106によって受信される。マイクロホン902によって、いびき音900を含む複数の音声が受信される。回路を含むシステムコントローラ110は、複数の受信超広帯域ミリ波を複数のレーダ信号に変換し、レーダ信号を記憶し(112)、目的領域からの複数の位置または距離を選択し(500)、選択された位置または距離におけるレーダ信号から少なくとも1つのフェーズ信号を算出し(502)、複数の音声を複数の音声信号に変換し、音声信号を記憶し(112)、音声信号から音圧を含む衝撃が算出されるように音声信号を処理し(904)、周期性検出技術の1つおよび/または音圧を含む衝撃の存在時間分布の周期性を用いてフェーズ信号から心拍間隔、呼吸間隔、睡眠段階、睡眠時無呼吸および/または低呼吸を推定する(906)ように構成される。周期性検出技術は自己相関、フーリエ変換を用いた周波数分析、およびゼロ交差検出アルゴリズムを含む。
【符号の説明】
【0084】
100 対象
102 超広帯域ミリ波レーダシステム
104 送信アンテナ
106 受信アンテナ
108 超広帯域ミリ波
110 システムコントローラ
112 データ記憶ブロック
114 フェーズ信号算出ブロック
116 フェーズ信号の導関数算出ブロック
118 心拍間隔および呼吸間隔推定ブロック
200 多値フィルタ適用ブロック
300 呼吸間隔推定のための適切な位置を選択する
302 心拍間隔推定のための適切な位置を選択する
304 呼吸間隔推定ブロック
306 心拍間隔推定ブロック
400 バンドパス(band-path)フィルタ適用ブロック
500 複数の位置または距離を選択する
502 選択された位置または距離におけるレーダ信号からフェーズ信号を算出する
600 選択された位置または距離における複数のレーダ信号から相関行列を算出する
602 相関行列の最大固有値に対応する固有ベクトルを算出する
604 相関行列の最大固有値に対応する固有ベクトルを用いてフェーズ信号を算出する
700 バンドパスフィルタまたはハイパスフィルタをレーダ信号に適用する
702 バンドパスフィルタまたはハイパスフィルタをフェーズ信号に適用する
900 いびき音
902 マイクロホン
904 音圧を含む衝撃を算出する
906 バイタル情報推定ブロック

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】