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特表2024-539293ヨウ素標識ヒドロゲル及び放射線不透過性の改善されたその前駆体
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  • 特表-ヨウ素標識ヒドロゲル及び放射線不透過性の改善されたその前駆体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】ヨウ素標識ヒドロゲル及び放射線不透過性の改善されたその前駆体
(51)【国際特許分類】
   A61K 49/04 20060101AFI20241018BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20241018BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20241018BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20241018BHJP
   A61L 31/12 20060101ALI20241018BHJP
   A61L 31/14 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A61K49/04 210
A61K9/06
A61K47/34
A61K47/32
A61L31/12
A61L31/14 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524694
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 US2022047556
(87)【国際公開番号】W WO2023076152
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/271,297
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100156982
【弁理士】
【氏名又は名称】秋澤 慈
(72)【発明者】
【氏名】デラニー ジュニア ジョセフ ティー
(72)【発明者】
【氏名】コルステ コルベイン
(72)【発明者】
【氏名】ディンディコヴァ タチアナ
(72)【発明者】
【氏名】シュー イェン-ハオ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C081
4C085
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076DD49
4C076DD52
4C076EE10
4C076EE12
4C076EE16
4C076EE23
4C076FF70
4C081AC16
4C081CA06
4C081CA08
4C081CA18
4C081CC04
4C081CE11
4C081DA12
4C081DC12
4C085HH05
4C085JJ20
4C085KA26
4C085KB46
(57)【要約】
一部の実施形態では、本開示は、ヒドロゲルを形成するシステムであって、(a)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を含む第1の組成物、及び(b)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物のアミノ基と反応性がある反応性末端基を有する複数の親水性ポリマーアームを含む反応性マルチアームポリマーを含む第2の組成物を含む、システムに関する。一部の実施形態では、本開示は、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物と、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物のアミノ基と反応性がある反応性末端基を有する複数の親水性ポリマーアームを含む反応性マルチアームポリマーとの反応によって形成される、医療用ヒドロゲルに関する。一部の実施形態では、本開示は、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を作製する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロゲルを形成するシステムであって、(a)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を含む第1の組成物、及び(b)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物のアミノ基と反応性がある反応性末端基を有する複数の親水性ポリマーアームを含む反応性マルチアームポリマーを含む第2の組成物を含む、システム。
【請求項2】
ポリヨウ素化ポリアミノ化合物が、(i)複数のアミノ基を含むポリアミノ部分、及び(ii)複数のヨウ素化芳香族部分を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ポリアミノ部分が、リシンオリゴマーの残基又はカルボキシ末端ポリアミンの残基である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
ヨウ素化芳香族部分が、1,3-置換-2,4,6-トリヨードベンゼン部分であり、1位及び3位の各々における置換基が、ヒドロキシアルキル基を含む、請求項2~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
ポリヨウ素化ポリアミノ化合物がコアを含み、ポリアミノ部分が、アミド基によってコアに連結されており、ヨウ素化芳香族部分が、アミド基によってコアにそれぞれ連結されている、請求項2~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
コアが、アミノ基及び複数のカルボキシル基を含む、ポリカルボキシレートアミノ化合物の残基を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
親水性ポリマーアームが、エチレンオキシド、N-ビニルピロリドン、オキサゾリン、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、PEGメチルエーテルアクリレート又はPEGメチルエーテルメタクリレート又はPNIPAAMから選択される、1種又は複数の親水性モノマーを含む、請求項1~6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
反応性末端基が、加水分解性エステルによって、親水性ポリマーアームに連結されている、及び/又は反応性末端基が求電子性基である、請求項1~7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
求電子性基が、イミダゾールエステル、イミダゾールカルボキシレート、ベンゾトリアゾールエステル又はイミドエステルから選択される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
親水性ポリマーアームが、ポリオール残基から伸びている、請求項1~9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
送達デバイスをさらに備える、請求項1~10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
送達デバイスが、第1の組成物を含有する第1のレザーバー及び第2の組成物を含有する第2のレザーバーを備え、動作中、第1の組成物及び第2の組成物が、第1のレザーバー及び第2のレザーバーから分注されると直ぐに、第1の組成物及び第2の組成物が、相互作用して相互に架橋し、ヒドロゲルを形成する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
第1のレザーバー及び第2のレザーバーがシリンジバレルを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
ポリヨウ素化ポリアミノ化合物と、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物のアミノ基と反応性がある反応性末端基を有する複数の親水性ポリマーアームを含む反応性マルチアームポリマーによって形成される、医療用ヒドロゲル。
【請求項15】
ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を作製する方法であって、(a)t-Boc保護ポリカルボキシレートアミノ化合物のカルボキシル基とヨウ素化アミノ芳香族化合物のアミノ基との間にアミド結合を生成し、次いで、t-Boc保護アミノ基の脱保護により、ポリヨウ素化アミノ化合物を形成するステップ、及び(b)t-Boc保護カルボキシル化ポリアミノ化合物のカルボキシル基と、ステップ(a)において生成したポリヨウ素化アミノ化合物のアミノ基との間にアミド結合を生成し、次いで、t-Boc保護アミノ基の脱保護により、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を形成するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2021年10月25日出願の米国仮特許出願第63/271,297号の利益を主張する。
本開示は、態様のなかでもとりわけ、ヨウ素標識ヒドロゲル、このようなヒドロゲルを作製するための前駆体、及びこのようなヒドロゲル及び前駆体を使用する方法に関する。本開示のヨウ素標識ヒドロゲルは、例えば、様々な生物医学的用途において有用である。
【背景技術】
【0002】
注射可能な生体内分解性ヒドロゲルは、様々な医学的使用を有する、新規に現れた物質のクラスである。1つの具体例として、リシンオリゴマーと反応して架橋化ヒドロゲルを形成する反応性エステル末端基により末端がキャップされた星形PEGポリマーに基づいた長期間の注射可能な生体内分解性ヒドロゲルである、SpaceOAR(登録商標)の場合、このような製品は、標的外放射線療法の副作用を低減するため、組織間に空間を生成又は維持するために使用される。“Augmenix Announces Positive Three-year SpaceOAR Clinical Trial Results,” Imaging Technology News, October 27, 2016を参照されたい。
より最近には、ヒドロゲル中の星形PEG分岐部の一部が2,3,5-トリヨードベンズアミド(triiiodobenzamide)(TIB)基により官能基化されているヒドロゲルは、放射線不透過性が増強されている。具体例として、Augmenixは、主に、水及びヨウ素化架橋星形ポリエチレングリコール(PEG)からなる、注射可能な生体内分解性ヒドロゲル合成ヒドロゲルであって、CT、コーンビーム、超音波及びMRイメージング下で目視可能であり、かつ組織マーカー(例えば、標的放射線療法のため)として有用な上記のヒドロゲルである、TraceIT(登録商標)ヒドロゲルを開発している。“Augmenix Receives FDA Clearance to Market its TraceIT(登録商標)Tissue Marker,” BusinessWire Jan. 28, 2013を参照されたい。TraceIT(登録商標)ヒドロゲルは、放射線治療にとって十分に長い3か月の間、安定であり続け、組織内で目視可能であり、その後、身体から吸収されて、クリアランスされる。同文献。
【0003】
TraceIT(登録商標)ヒドロゲルは、2,3,5トリヨードベンゾエート基を含有するので、ヨウ素化されているが、平板X線イメージング上では目視可能ではなく、なぜなら、ヒドロゲル中の2,3,5トリヨードベンゾエート基の濃度は、このような基が疎水性であることによって制限を受けるからである。さらに一般には、その星形PEG分岐部の一部が、2,3,5-トリヨードベンズアミド基により官能基化されているヒドロゲルでは、上記の基が、滑らかさが不変のヒドロゲルを形成する能力に影響を及ぼすまで、どれぐらい多数のこれらの基が付加され得るかに対して上限値が存在する。この溶解限度が、実質的に、この戦略を用いて達成可能な、放射線造影剤の量に対する極限値となる。2,3,5-トリヨードベンズアミド基は、反応性官能基化よりも先に、PEGに付与される必要があり、星形-PEGの製造プロセスに複雑さが加わる。さらに、付与された2,3,5-トリヨードベンズアミド基の各々は、星形ポリマーのアームの1つを占有し、架橋に対するその能力を低下させる。これを克服するためには、一層低分子量の星形PEGを使用することができるが、これは、融点が一層低くなるという犠牲によるものであり、これにより、保管及び輸送が困難になる恐れがある。最後に、2,3,5-トリヨードベンズアミド末端基により標識化されている星形PEGは、熱分解に起因する変色を示すことが多い。これは、その官能基に影響を及ぼさないが、好ましくは回避されると思われる、外見上の欠点となる。
【0004】
生物医学技術において、とりわけ必要なことに、一層高い濃度において、X線不透過性部分を有する注射可能なX線不透過性ヒドロゲルを含めたさらなるヒドロゲル、このようなヒドロゲルの前駆体、このようなヒドロゲル及び前駆体を作製する方法、このようなヒドロゲル及び前駆体を使用する方法、並びにこのようなヒドロゲルを形成するためのシステムが継続的に必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
様々な実施形態では、本開示は、ヒドロゲルを形成するシステムであって、(a)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を含む第1の組成物、及び(b)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物のアミノ基と反応性がある反応性末端基を有する複数の親水性ポリマーアームを含む反応性マルチアームポリマーを含む第2の組成物を含む、システムに関する。
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、本ポリヨウ素化ポリアミノ化合物は、複数のアミノ基を含むポリアミノ部分及び複数のヨウ素化芳香族部分を含む。例えば、一部の実施形態では、ポリアミノ部分は、リシンオリゴマーの残基又はカルボキシ末端ポリアミンの残基であってもよい。
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、ヨウ素化芳香族部分は、1,3-置換-2,4,6-トリヨードベンゼン部分であり、1位及び3位の各々における置換基は、ヒドロキシアルキル基を含む。
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物はコアを含み、ポリアミノ部分は、アミド基によってコアに連結されており、ヨウ素化芳香族部分は、アミド基によってコアにそれぞれ連結されている。
【0006】
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、コアは、アミノ基及び複数のカルボキシル基を含む、ポリカルボキシレートアミノ化合物の残基を含む。
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、親水性ポリマーアームは、エチレンオキシド、N-ビニルピロリドン、オキサゾリン、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、PEGメチルエーテルアクリレート、PEGメチルエーテルメタクリレート又はPNIPAAMから選択される、1種又は複数の親水性モノマーを含む。
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、反応性末端基は、加水分解性エステルによって、親水性ポリマーアームに連結されている。
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、反応性末端基は、求電子性基である。これらの実施形態の一部では、求電子性基は、イミダゾールエステル、イミダゾールカルボキシレート、ベンゾトリアゾールエステル又はイミドエステルから選択される。
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、親水性ポリマーアームは、ポリオール残基から伸びている。
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、本システムは送達デバイスをさらに備える。
【0007】
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、送達デバイスは、第1の組成物を含有する第1のレザーバー及び第2の組成物を含有する第2のレザーバーを備える。動作中、第1の組成物及び第2の組成物は、第1のレザーバー及び第2のレザーバーから分注されると直ぐに、第1の組成物及び第2の組成物は、相互作用して相互に架橋し、ヒドロゲルを形成する。
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、第1のレザーバー及び第2のレザーバーはシリンジバレルを備える。
一部の実施形態では、本開示は、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物と、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物のアミノ基と反応性がある反応性末端基を有する複数の親水性ポリマーアームを含む反応性マルチアームポリマーとの反応によって形成される、医療用ヒドロゲルに関する。
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、本ポリヨウ素化ポリアミノ化合物は、複数のアミノ基を含むポリアミノ部分及び複数のヨウ素化芳香族部分を含む。これらの実施形態の一部では、ポリアミノ部分は、リシンオリゴマーの残基又はカルボキシ末端ポリアミンの残基である。
【0008】
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、ヨウ素化芳香族部分は、1,3-置換-2,4,6-トリヨードベンゼン部分であり、1位及び3位の各々における置換基は、ヒドロキシアルキル基を含む。
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、反応性末端基は、加水分解性エステルによって、親水性ポリマーアームに連結されている。
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、反応性末端基は、イミダゾールエステル、イミダゾールカルボキシレート、ベンゾトリアゾールエステル又はイミドエステルから選択される求電子性基である。
【0009】
一部の実施形態では、本開示は、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を作製する方法であって、(a)t-Boc保護ポリカルボキシレートアミノ化合物のカルボキシル基とヨウ素化アミノ芳香族化合物のアミノ基との間にアミド結合を生成し、次いで、t-Boc保護アミノ基の脱保護により、ポリヨウ素化アミノ化合物を形成するステップ、及び(b)t-Boc保護カルボキシル化ポリアミノ化合物のカルボキシル基と、ステップ(a)において生成したポリヨウ素化アミノ化合物のアミノ基との間にアミド結合を生成し、次いで、t-Boc保護アミノ基の脱保護により、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を形成するステップを含む、方法に関する。
上記の実施形態に関連して使用され得る一部の実施形態では、ポリカルボキシレートアミノ化合物は、4-アミノ-4-(2-カルボキシエチル)ヘプタン二酸、N-(5-アミノ-1-カルボキシペンチル)イミノ二酢酸、L-グルタミル-L-グルタミン酸、トリグルタミン酸及びN2,N2-ビス(カルボキシメチル)リシンから選択され、ヨウ素化アミノ芳香族化合物は、5-アミノ-N,N’-ビス(2,3-ジヒドロキシプロピル)-2,4,6-トリヨード-1,3-ベンゼンジカルボキサミドであり、カルボキシル化ポリアミノ化合物はトリリシンである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示によるポリヨウ素化ポリアミノ化合物を作製する方法を概略的に例示している図である。
図2】本開示によるポリヨウ素化ポリアミノ化合物を作製する方法を概略的に例示している図である。
図3】本開示によるポリヨウ素化ポリアミノ化合物を作製する方法を概略的に例示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の一部の態様では、(a)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物、及び(b)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物のアミノ基と反応性がある複数の反応性末端基を含む反応性マルチアームポリマーの架橋化反応生成物を含む、放射線不透過性架橋化ヒドロゲルが提供される。
本開示の一部の態様では、(a)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を含む第1の組成物、及び(b)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物のアミノ基と反応性がある複数の反応性末端基を含む反応性マルチアームポリマーを含む第2の組成物を含む、システムが提供される。
このようなシステムは、例えば、ヨウ素官能基、及びしたがって、放射線不透過性が、マルチアームポリマーのための架橋剤として作用するポリヨウ素化ポリアミノ化合物によってもたらされる点で有利である。これによって、ポリマーアームの各々に反応性末端基をもたらすことが可能となり、これによって、マルチアームポリマーの架橋能は、放射線不透過性を犠牲にすることなく、最大化される。
【0012】
一部の態様では、本開示は、例えば、架橋剤として有用な、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物に関する。
様々な実施形態では、本開示のポリヨウ素化ポリアミノ化合物は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれより多くのアミノ基を有するポリアミノ部分を含む。一部の実施形態では、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物は、カルボキシル化ポリアミノ化合物の残基を含み、カルボキシル化ポリアミノ化合物のカルボキシレート基は、アミノ基と反応して、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物の残部にアミド結合を形成する。カルボキシル化ポリアミノ化合物の例は、トリリシン、テトラリシン、ペンタリシンなどのリシンオリゴマー、カルボキシ末端ポリ(アリルアミン)、カルボキシ末端ポリビニルアミンなどのカルボキシ末端ポリアミン、カルボキシ末端ポリエチレンイミン又はカルボキシ末端キトサンから選択されてもよい。
一部の実施形態では、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれより多くのヨウ素化芳香族部分を含む。
【0013】
ヨウ素化芳香族部分の例としては、(a)複数のヨウ素基(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれより多くのヨウ素基)、及び(b)1つ又は複数の親水性官能基(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれより多くの親水性官能基)により置換されている、単環式又は多環式芳香族構造を含むものが挙げられる。
単環式又は多環式芳香族構造は、例えば、とりわけ、ベンゼンベースのものなどの単環式芳香族構造、及びナフタレンベースのものなどの多環式芳香族構造から選択されてもよい。
親水性官能基は、とりわけ、例えば、C1-C4-ヒドロキシアルキル基(例えば、C1-C4-モノヒドロキシアルキル基、C1-C4-ジヒドロキシアルキル基、C1-C4-トリヒドロキシアルキル基、C1-C4-テトラヒドロキシアルキル基など)などの、ヒドロキシアルキル基から選択されてもよい。ヒドロキシアルキル基は、直接、又はあらゆる好適な連結部分を介して、単環式又は多環式芳香族構造に連結していてもよく、好適な連結部分は、とりわけ、例えば、アミド基、アミン基、エーテル基、エステル基又はカーボネート基から選択され得る。
【0014】
ある特定の実施形態では、ヨウ素化芳香族部分は、1,3-置換-2,4,6-トリヨードベンゼン基を含んでもよく、1位及び3位の各々における置換基は、親水性官能基、例えば、ヒドロキシアルキル基を含み、ヒドロキシアルキル基は、上記のものから選択されてもよく、直接、又はあらゆる好適な連結部分を介して、ベンゼン構造に連結していてもよい。特定の例では、1,3-置換-2,4,6-トリヨードベンゼン基は、N,N’-ビス(ヒドロキシアルキル)-2,4,6-トリヨードベンゼン-1,3-ジカルボキサミド基、例えば、N,N’-ビス(C1-C4-ヒドロキシアルキル(hydroxyalky))-2,4,6-トリヨードベンゼン-1,3-ジカルボキサミド基であり得る。次に、1,3-置換-2,4,6-トリヨードベンゼン基は、アミド結合、アミン連結基、エステル連結基、カーボネート連結基又はエーテル連結基を含めたあらゆる好適な連結部分を介し、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物の残部に、5位から連結され得る。ある特定の実施形態では、ヨウ素化芳香族部分は、1,3-(C1-C4-ヒドロキシアルキル-置換)-2,4,6-トリヨードベンゼン基を含んでもよく、ヒドロキシアルキル基は、アミド結合を介してベンゼン構造に連結されており、ヨウ素化芳香族部分は、アミド基を介してポリヨウ素化ポリアミノ化合物の残部に5位から連結され得る。
【0015】
一部の実施形態では、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物は、ポリヨウ素化アミノ化合物の残基、例えば、複数のヨウ素基、上記のものなどの1つ又は複数の親水性官能基、及びアミノ基により置換されている単環式又は多環式芳香族構造を含む、ポリヨウ素化芳香族アミノ化合物の残基を含む。例えば、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物は、このようなポリヨウ素化アミノ化合物の残基を含んでもよく、この場合、ポリヨウ素化アミノ化合物のアミノ基は、カルボキシレート基と反応して、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物の残部にアミド結合を形成する。一部の実施形態では、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物は、5-アミノ-1,3-置換-2,4,6-トリヨードベンゼン化合物の残基を含み、1位及び3位の各々における置換基は、親水性官能基、例えば、ヒドロキシアルキル基を含み、ヒドロキシアルキル基は、上記のものから選択されてもよく、直接、又はあらゆる好適な連結部分を介して、ベンゼン構造に連結していてもよく、5-アミノ基は、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物の残部へのアミド結合を形成するために使用されている。特定の例では、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物は、5-アミノ-1,3-ヒドロキシアルキル-置換-2,4,6-トリヨード-1,3-ベンゼンジカルボキサミド化合物の残基、例えば、5-アミノ-N,N’-ビス(2,3-ジヒドロキシプロピル)-2,4,6-トリヨードイソフタルアミド(CAS番号76801-93-9)としても知られている5-アミノ-N,N’-ビス(2,3-ジヒドロキシプロピル)-2,4,6-トリヨード-1,3-ベンゼンジカルボキサミドの残基などの、5-アミノ-N,N’-ビス(ヒドロキシアルキル)-2,4,6-トリヨード-1,3-ベンゼンジカルボキサミド化合物の残基を含んでもよく、5-アミノ基は、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物の残部へのアミド結合を形成するために使用されている。
【0016】
一部の実施形態では、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物は、(a)コア、(b)アミド結合を介してコアに結合したポリアミノ部分、及び(c)アミド結合を介してコアに結合している複数の放射線不透過性ヨウ素化部分を含む。
一部の実施形態では、コアは、アミノ基、及び2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれより多くのカルボキシル基を含むポリカルボキシレートアミノ化合物の残基を含む。例えば、コアは、6~20個の炭素原子を含有し、かつアミノ基、及び2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれより多くのカルボキシル基を含むポリカルボキシレートアミノ化合物の残基を含むことができる。特定の実施形態では、コアは、4-アミノ-4-(2-カルボキシエチル)ヘプタン二酸(CAS番号176738-98-0)、N-(5-アミノ-1-カルボキシペンチル)イミノ二酢酸(CAS番号113231-05-3)、L-グルタミル-L-グルタミン酸(CAS番号3929-61-1)、トリグルタミン酸(CAS番号23684-48-2)又はN2,N2-ビス(カルボキシメチル)リシン(CAS番号129179-17-5)から選択されるポリカルボキシレートアミノ化合物の残基を含む。
【0017】
一部の実施形態では、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物は、(a)ポリカルボキシレートアミノ化合物の残基を含むコア、(b)上に記載の(例えば、とりわけ、5-アミノ-N,N’-ビス(ヒドロキシアルキル)-2,4,6-トリヨード-1,3-ベンゼンジカルボキサミド化合物)から選択されてもよい、複数のヨウ素基、1つ又は複数の親水性官能基、及びアミノ基により置換されている単環式又は多環式芳香族構造を含むヨウ素化芳香族アミノ化合物の複数の残基であって、カルボキシレート基の数に応じて、ヨウ素化芳香族アミノ化合物のアミノ基がポリカルボキシレートアミノ化合物のカルボキシレート基と反応して複数のアミド結合を形成する、ヨウ素化芳香族アミノ化合物の複数の残基、及び(c)上に記載されたような(例えば、ポリリシン、カルボキシ末端ポリアミンなどから選択される)カルボキシル化ポリアミノ化合物の残基であって、カルボキシル化ポリアミノ化合物のカルボキシレート基は、ポリカルボキシレートアミノ化合物のアミノ基と反応して、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物の残部にアミド結合を形成する、カルボキシル化ポリアミノ化合物の残基を含む。
一部の態様では、本開示は、上記のものなどのポリヨウ素化ポリアミノ化合物を作製する方法に関する。
【0018】
第1の方法では、ポリヨウ素化アミノ化合物は、(a)ポリカルボキシレートアミノ化合物のアミノ基が保護されているポリカルボキシレートアミノ化合物(例えば、t-Boc-保護ポリカルボキシレートアミノ化合物が形成され得る)を(b)ヨウ素化アミノ化合物とカップリングして、アミノ基が保護されているポリヨウ素化アミノ化合物を形成し、次いで、(c)アミノ基の脱保護によるポリヨウ素化アミノ化合物の形成によって形成される。ポリカルボキシレートアミノ化合物の例は、上に記載されており、具体例は、4-アミノ-4-(2-カルボキシエチル)ヘプタン二酸である。ポリヨウ素化アミノ化合物の例は上に記載されており、具体例は、5-アミノ-N,N’-ビス(2,3-ジヒドロキシプロピル)-2,4,6-トリヨードイソフタルアミドである。図1を参照すると、第1の反応ステップ100aでは、4-アミノ-4-(2-カルボキシエチル)ヘプタン二酸(110)のアミノ基は、ジ-tert-ブチルジカーボネート(112)を使用して保護される。次に、第2の反応ステップ100bにおいて、得られたt-Boc-保護トリカルボキシレート化アミノ化合物(114)は、5-アミノ-N、N’-ビス(2,3-ジヒドロキシプロピル)-2,4,6-トリヨードイソフタルアミド(116)とカップリングされて、t-Boc-保護ポリヨウ素化アミノ化合物(118)が得られる。第3の反応ステップ100cにおいて、この化合物(118)は、例えば、弱酸を使用して脱保護されて、ポリヨウ素化アミノ化合物(120)が得られる。結果は、好適なポリアミノ化合物に選択的に結合することができる、分岐状若しくは樹状構造、又は「活性ヨウ素樹」となる。
【0019】
第2の方法では、カルボキシル化ポリアミノ化合物のアミノ基が保護されている保護カルボキシル化ポリアミノ化合物が形成される。カルボキシル化ポリアミノ化合物の例は、上に記載されており、ポリリシン及びカルボキシ末端ポリアミンを含み、具体例はトリリシンである。図2を参照すると、反応ステップ200aでは、トリリシン(210)のアミノ基は、ジ-tert-ブチルジカーボネート(112)を使用して保護され、これによって、t-Boc-保護トリリシン(220)を形成する。これによって、アミノカップリングに利用可能な、保護カルボキシル化ポリアミノ化合物(t-Boc-保護トリリシン)のカルボキシレートが残る。
【0020】
第3の方法では、第1の方法において記載されている通りに調製されたポリヨウ素化アミノ化合物は、アミドカップリング反応において第2の方法において記載されている保護カルボキシル化ポリアミノ化合物とカップリングされて、保護ポリヨウ素化ポリアミノ化合物が形成する。この後に、脱保護されて、最終的なポリヨウ素化ポリアミノ化合物が形成する。図3を参照すると、図1の分岐状若しくは樹状ポリヨウ素化アミノ化合物(120)又は「活性ヨウ素樹」は、第1の反応ステップ300aにおける図2のt-Boc-保護トリリシン(220)とカップリングされて、保護ポリヨウ素化ポリアミノ化合物(310)を形成する。次に、保護ポリヨウ素化ポリアミノ化合物(310)が、第2の反応ステップ300bにおいて脱保護されて、最終的なポリヨウ素化ポリアミノ化合物が形成する。結果として、図1の分岐状又は樹状ポリヨウ素化アミノ化合物がトリリシンに連結され、これによって、以下に記載されている様々な反応性マルチアームポリマーを架橋するために使用することができる、「トリリシン-ヨウ素樹」を形成する。
【0021】
当業者によって理解される通り、選択されるポリカルボキシレートアミノ化合物(図1を参照されたい)、及び選択されるカルボキシル化ポリアミノ化合物(図2を参照されたい)に基づいて、ヨウ素基の数は、最終的なポリヨウ素化ポリアミノ化合物中のアミノ基の数とは無関係に、様々になり得る。選択されるポリカルボキシレートアミノ化合物(図1を参照されたい)におけるカルボキシレート基が多いほど、アミノ基に対してより多数のヨウ素基がもたらされる。アミノ基に対してヨウ素基の数を増加させる別の方法は、2つ以上のカルボキシル基を有するカルボキシル化ポリアミノ化合物(図2を参照されたい)を使用することである。カルボキシル化ポリアミノ化合物は、「活性ヨウ素樹」へのカップリングのための少なくとも1つのカルボキシレート基を供給し、2つ以上のアミノ基をやはり供給して、最終的なポリヨウ素化ポリアミノ化合物中に架橋性官能基を生成する。
【0022】
上で明記されている通り、本開示の一部の態様では、(a)上記のものなどのポリヨウ素化ポリアミノ化合物、及び(b)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物のアミノ基と反応性がある反応性末端基を有する複数のポリマーアームを含む反応性マルチアームポリマーの架橋化反応生成物を含む、放射線不透過性架橋化ヒドロゲルが提供される。様々な実施形態では、このような架橋化生成物は、蛍光透視法で目視可能である。様々な実施形態では、このような架橋化生成物は、300ハウンズフィールド単位(HU)超、好ましくは1000HU超の放射線不透過性を有する。このような架橋化生成物は、インビボ(例えば、以下に記載されているもののような送達デバイスを使用)で形成されてもよく、又はこのような架橋化生成物は、エクスビボで形成されて、続いて、対象に投与されてもよい。このような架橋化生成物は、医療用デバイス、インプラント及び医薬組成物を含めた、幅広い生物医学的用途に使用され得る。
【0023】
様々な実施形態では、反応性マルチアームポリマーの反応性末端基及びポリヨウ素化ポリアミノ化合物のアミノ基は、アミドカップリング反応により、互いに反応する。反応性マルチアームポリマーは、水溶性のことがある。
本明細書において使用するための反応性マルチアームポリマーは、複数のポリマーアーム(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12又はそれより多くのアームを有する)を含むものを含んでおり、マルチアームポリマーの2つ以上のポリマーアームが、1つ又は複数の反応性末端基を含む。一部の実施形態では、反応性マルチアームポリマーを含有する組成物であって、1つ又は複数の反応性末端基を含むポリマーアームの百分率が、該組成物中に、ポリマーアームの総数の50%~100%の間(例えば、ポリマーアームの総数の50%~70%、~80%、~90%、~95%、~99%、~100%のいずれかの範囲)に相当し得る、組成物が提供され得る。本明細書において使用するための反応性マルチアームポリマーの典型的な平均分子量は、5~50kDaの範囲である。様々な実施形態では、本明細書において使用するための反応性マルチアームポリマーは、40°以上、好ましくは45°以上の融点を有する。
【0024】
様々な実施形態では、ポリマーアームは、親水性ポリマーアームである。このような親水性ポリマーアームは、例えば、ポリ(エチレンオキシド)(ポリエチレングリコール又はPEGとも称される)、ポリ(プロピレンオキシド)又はポリ(エチレンオキシド-co-プロピレンオキシド)などのポリ(アルキレンオキシド)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)及びポリ(2-プロピル-2-オキサゾリン)などのポリ(2-アルキル-2-オキサゾリン)を含めたポリオキサゾリン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アリルアルコール)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アリルアミン)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(アミノ酸)、多糖、並びにそれらの組合せを含めた、あらゆる様々な合成ポリマー、天然ポリマー、又はハイブリッド合成-天然ポリマーからなることができる。
【0025】
一部の実施形態では、ポリマーアームは、コア領域から伸びている。特定のこれらの実施形態では、コア領域は、ポリマーアームを形成するために使用される、ポリオールの残基を含む。例示的なポリオールは、例えば、直鎖状、分岐状及び環式ポリヒドロキシアルカンを含めた直鎖状、分岐状及び環式脂肪族ポリオール、ポリヒドロキシポリエーテルを含めた直鎖状、分岐状及び環式ポリヒドロキシポリエーテル、ポリヒドロキシアルキルポリエーテルを含めた直鎖状、分岐状及び環式ポリヒドロキシアルキルエーテル、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、キシリトール、クエブラキトール、トレイトール、アラビトール、エリスリトール、アドニトール、ズルシトール、フコース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、ラムノース、ガラクトース、グルコース、フルクトース、ソルボース、マンノース、ピラノース、アルトロース、タロース、タガトース、ピラノシド、スクロース、ラクトース及びマルトースなどの直鎖状、分岐状及び環式糖並びに糖アルコール、直鎖状、分岐状及び環式糖並びに糖アルコールのオリゴマー(二量体、三量体、四量体、五量体、六量体、七量体、八量体、九量体(enneamer)及び十量体を含めた、2~10単位の範囲として本明細書において定義される)、並びに上記糖及び糖アルコール、デンプン、アミロース、デキストリン、シクロデキストリンを含めた直鎖状、分岐状及び環式糖並びに糖アルコールのポリマー(本明細書において11単位以上と定義される)、並びにポリヒドロキシクラウンエーテル、並びにポリヒドロキシアルキルクラウンエーテルから選択されてもよい。例示的なポリオールはまた、とりわけ、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン及び2,6-ビス(ヒドロキシアルキル)クレゾールなどの1,1,1-トリス(4’-ヒドロキシフェニル)アルカンを含めた、芳香族ポリオールを含む。
【0026】
ある特定に有利な実施形態では、コア領域は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10又はそれより多いヒドロキシル基を含有するポリオールの残基を含む。ある特定の有利な実施形態では、コア領域は、とりわけ、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、キシリトール又はエリスリトールなどの糖アルコールのオリゴマーである、ポリオールの残基を含む。
ある特定の実施形態では、反応性末端基は、イミダゾールエステル、イミダゾールカルボキシレート、ベンゾトリアゾールエステル又はN-ヒドロキシスクシンイミジルエステルを含むイミドエステルから選択される求電子性基であってもよい。特に有益な反応性末端基は、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル基である。ある特定の実施形態では、反応性末端基は、加水分解性エステル基によりポリマーアームに連結されている。一部の実施形態では、例えば、ポリマーアームは、以下の反応性加水分解性基、とりわけ、スクシンイミジルグルタレート基、スクシンイミジルスクシネート基、スクシンイミジルカーボネート基又はスクシンイミジルアジペート基により終端されていてもよい。
反応性マルチアームポリマーのさらなる例は、例えば、米国特許出願第2011/0142936号、同第2021/0061950号、同第2021/0061954号及び同第2021/0061957号に記載されている。
【0027】
本開示の一部の態様では、(a)本明細書の上に記載されているものなどのポリヨウ素化ポリアミノ化合物を含む第1の組成物、及び(b)本明細書の上に記載されているものなどの反応性マルチアームポリマーを含む第2の組成物を含むシステムが提供される。このようなシステムを使用して、インビボ又はエクスビボのどちらかで、架橋化ヒドロゲルを形成することができる。
第1の組成物は、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を含む第1の流体組成物、又はポリヨウ素化ポリアミノ化合物を含む第1の乾燥組成物であってもよく、第1の乾燥組成物に、注射用水、生理食塩水などの好適な流体を加えて、第1の流体組成物を形成することができる。第1の組成物は、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物に加え、以下に記載されているものなどの、追加剤をさらに含んでもよい。
第2の組成物は、反応性マルチアームポリマーを含む第2の流体組成物、又は反応性マルチアームポリマーを含む第2の乾燥組成物であってもよく、第2の乾燥組成物に、注射用水、生理食塩水などの好適な流体を加えて、第2の流体組成物を形成することができる。第2の組成物は、反応性マルチアームポリマーに加え、以下に記載されているものなどの、追加剤をさらに含んでもよい。
【0028】
様々な実施形態では、本システムは、対象に、第1の組成物及び第2の組成物を送達するための1つ又は複数の送達デバイスを含む。例えば、本システムは、第1の組成物(例えば、第1の流体組成物又は第1の乾燥組成物であり、第1の乾燥組成物に、好適な流体を添加して、第1の流体組成物を形成することができる)を含有する第1のレザーバー、及び第2の組成物(例えば、第2の流体組成物又は第2の乾燥組成物であり、第2の乾燥組成物に、注射用水、生理食塩水などの好適な流体を添加して、第2の流体組成物を形成することができる)を含有する第2のレザーバーを備える、送達デバイスを含んでもよい。動作中、第1の組成物及び第2の組成物は、第1のレザーバー及び第2のレザーバーから分注されると直ぐに、第1の組成物及び第2の組成物は、相互作用して相互に架橋し、ヒドロゲルを形成する。
特定の実施形態では、本システムは、ダブルバレルシリンジを備える送達デバイスであって、ダブルバレルシリンジが第1のバレル出口を有する第1のバレルを含んでおり、第1のバレルが第1の組成物を含有する、送達デバイス、第1のバレル内で可動性の第1のプランジャー、第2のバレル出口を有する第2のバレルであって、第2の組成物を含有する第2のバレル、及び第2のバレル内で可動性の第2のプランジャーを含むことができる。
【0029】
一部の実施形態では、デバイスは、第1のバレル出口と流体連通した第1の混合部入口、第2のバレル出口と流体連通した第2の混合部入口、及び混合部出口を有する、混合部をさらに備えることができる。一部の実施形態では、デバイスは、第1及び第2のバレルから第1及び第2の流体組成物を受け取るよう構成されている、カニューレ又はカテーテル管をさらに備えることができる。例えば、カニューレ又はカテーテル管は、例えば、ルアーコネクタなどの好適な流体コネクタを介して、混合部の出口にカニューレ又はカテーテル管を取り付けることによって、混合部の出口と流体接続部を形成するよう構成され得る。
別の例として、カテーテルは、第1のルーメン及び第2のルーメン、第1のバレル出口と流体接続部を形成するよう構成されている第1のルーメンの近位端部、並びに第2のバレル出口と流体接続部を形成するよう構成されている第2のルーメンの近位端部を備える、マルチルーメンカテーテルであってもよい。一部の実施形態では、マルチルーメンカテーテルは、第1のルーメンの遠位端部と流体連通した第1の混合部入口、第2のルーメンの遠位端部と流体連通した第2の混合部入口、及び混合部出口を有する混合部を備えることができる。
動作中、第1及び第2のプランジャーは押し込まれ、第1及び第2の流体組成物が第1及び第2のバレルから分注されると直ちに、第1及び第2の流体組成物は、相互作用して架橋し、ヒドロゲルを形成し、これが、対象に又はその組織内に投与される。例えば、第1及び第2の流体組成物は、第1及び第2の混合部入口を介して、第1及び第2のバレルから混合部へと進むことができ、これにより直ちに、第1及び第2の流体組成物が混合されて混合物を形成し、この混合物は、混合部出口を介して混合部を出る。一部の実施形態では、カニューレ又はカテーテル管は、混合部出口に取り付けられて、混合物を、カニューレ又はカテーテル管を通過した後に対象に投与することが可能となる。
【0030】
別の例として、第1の流体組成物は、第1のバレル出口からマルチルーメンカテーテルの第1のルーメン内に入ることができ、第2の流体組成物は、第2のバレル出口からマルチルーメンカテーテルの第2のルーメン内に入ることができる。一部の実施形態では、第1及び第2の流体組成物は、第1及び第2の混合部入口を介して、第1及び第2のルーメンからマルチルーメンカテーテルの遠位端部の混合部内に入ることができ、これにより直ちに、第1及び第2の流体組成物が混合部において混合されて混合物を形成し、この混合物は、混合部出口を介して混合部を出る。
一部の実施形態では、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を含む第1の組成物、反応性マルチアームポリマーを含む第2の組成物、又はポリヨウ素化ポリアミノ化合物及び反応性マルチアームポリマーの架橋化ヒドロゲル生成物は、1種又は複数の追加剤を含んでもよい。このような追加剤の例としては、治療剤及びさらなるイメージング剤(ポリヨウ素化ポリアミノ化合物中に存在するヨウ素基以外)を含む。
【0031】
さらなるイメージング剤の例としては、(a)フルオレセイン、インドシアニングリーン又は蛍光タンパク質(例えば、緑色、青色、シアン蛍光タンパク質)などの蛍光色素、(b)Gd(III)、Mn(II)、Fe(III)、及びジエチレントリアミン五酢酸によりキレート形成したガドリニウムイオンなどの、Gd(III)、Mn(II)、Fe(III)を含有する化合物(キレートを含む)などの常磁性イオンを形成する元素を含有する造影剤を含む、磁気共鳴画像法(MRI)と共に使用するための造影剤、(c)有機及び無機のエコー源性粒子(すなわち、反射超音波エネルギーの増大をもたらす粒子)、又は有機及び無機の無エコー源性粒子(すなわち、反射超音波エネルギーの低下をもたらす粒子)を含めた超音波イメージングと共に使用するための造影剤、(d)臨床的に重要な同位体99mTcベースのもの、並びにとりわけ、123I、125I、131I、111In、57Co、153Sm、133Xe、51Cr、81mKr、201Tl、67Ga及び75Seなどの他のガンマ放出体などの放射線造影剤、(e)官能基化された放射性トレーサーコーティング剤を得るために使用される、とりわけ18F、11C、13N、15O及び68Gaなどの陽電子放出体、及び(f)本開示のコーティング剤に近赤外蛍光を付与するよう選択されて、深部組織イメージング及びデバイスマーキングを可能にすることができる、近赤外(NIR)イメージングと関係して使用するための造影剤、例えば、とりわけ、NIR感受性ナノ粒子(金ナノシェル、カーボンナノチューブ(例えば、ヒドロキシル基又はカルボキシル基で誘導体化されたナノチューブ、例えば、部分酸化カーボンナノチューブ)など)、色素含有ナノ粒子(色素ドープされたナノファイバ及び色素カプセル封入ナノ粒子など)、及び半導体量子ドットが挙げられる。NIR感受性色素としては、とりわけ、シアニン色素、スクアライン、フタロシアニン、ポルフィリン誘導体及びホウ素ジピロメタン(BODIPY)アナログが挙げられる。
【0032】
本開示による架橋化ヒドロゲル組成物としては、医療的用途向けの潤滑性組成物、治療剤放出用組成物(例えば、架橋化ヒドロゲルのマトリックス中の1種又は複数の治療剤を含ませることによる)、及びインプラント(これは、エクスビボ又はインビボで形成されてもよい)(例えば、組織マーカーとして使用するための組成物、標的外放射線療法の副作用を軽減するためのスペーサーとして作用する組成物、化粧用組成物など)が挙げられる。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-04-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロゲルを形成するシステムであって、(a)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を含む第1の組成物、及び(b)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物のアミノ基と反応性がある反応性末端基を有する複数の親水性ポリマーアームを含む反応性マルチアームポリマーを含む第2の組成物を含む、システム。
【請求項2】
ポリヨウ素化ポリアミノ化合物が、(i)複数のアミノ基を含むポリアミノ部分、及び(ii)複数のヨウ素化芳香族部分を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ポリアミノ部分が、リシンオリゴマーの残基又はカルボキシ末端ポリアミンの残基である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
ヨウ素化芳香族部分が、1,3-置換-2,4,6-トリヨードベンゼン部分であり、1位及び3位の各々における置換基が、ヒドロキシアルキル基を含む、請求項2~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
ポリヨウ素化ポリアミノ化合物がコアを含み、ポリアミノ部分が、アミド基によってコアに連結されており、ヨウ素化芳香族部分が、アミド基によってコアにそれぞれ連結されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
コアが、アミノ基及び複数のカルボキシル基を含む、ポリカルボキシレートアミノ化合物の残基を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
親水性ポリマーアームが、エチレンオキシド、N-ビニルピロリドン、オキサゾリン、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、PEGメチルエーテルアクリレート又はPEGメチルエーテルメタクリレート又はPNIPAAMから選択される、1種又は複数の親水性モノマーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
反応性末端基が、加水分解性エステルによって、親水性ポリマーアームに連結されている、及び/又は反応性末端基が求電子性基である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
求電子性基が、イミダゾールエステル、イミダゾールカルボキシレート、ベンゾトリアゾールエステル又はイミドエステルから選択される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
親水性ポリマーアームが、ポリオール残基から伸びている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
送達デバイスをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
送達デバイスが、第1の組成物を含有する第1のレザーバー及び第2の組成物を含有する第2のレザーバーを備え、動作中、第1の組成物及び第2の組成物が、第1のレザーバー及び第2のレザーバーから分注されると直ぐに、第1の組成物及び第2の組成物が、相互作用して相互に架橋し、ヒドロゲルを形成する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
第1のレザーバー及び第2のレザーバーがシリンジバレルを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
ポリヨウ素化ポリアミノ化合物と、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物のアミノ基と反応性がある反応性末端基を有する複数の親水性ポリマーアームを含む反応性マルチアームポリマーによって形成される、医療用ヒドロゲル。
【請求項15】
ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を作製する方法であって、(a)t-Boc保護ポリカルボキシレートアミノ化合物のカルボキシル基とヨウ素化アミノ芳香族化合物のアミノ基との間にアミド結合を生成し、次いで、t-Boc保護アミノ基の脱保護により、ポリヨウ素化アミノ化合物を形成するステップ、及び(b)t-Boc保護カルボキシル化ポリアミノ化合物のカルボキシル基と、ステップ(a)において生成したポリヨウ素化アミノ化合物のアミノ基との間にアミド結合を生成し、次いで、t-Boc保護アミノ基の脱保護により、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を形成するステップを含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
本開示による架橋化ヒドロゲル組成物としては、医療的用途向けの潤滑性組成物、治療剤放出用組成物(例えば、架橋化ヒドロゲルのマトリックス中の1種又は複数の治療剤を含ませることによる)、及びインプラント(これは、エクスビボ又はインビボで形成されてもよい)(例えば、組織マーカーとして使用するための組成物、標的外放射線療法の副作用を軽減するためのスペーサーとして作用する組成物、化粧用組成物など)が挙げられる。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
[1]ヒドロゲルを形成するシステムであって、(a)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を含む第1の組成物、及び(b)ポリヨウ素化ポリアミノ化合物のアミノ基と反応性がある反応性末端基を有する複数の親水性ポリマーアームを含む反応性マルチアームポリマーを含む第2の組成物を含む、システム。
[2]ポリヨウ素化ポリアミノ化合物が、(i)複数のアミノ基を含むポリアミノ部分、及び(ii)複数のヨウ素化芳香族部分を含む、請求項1に記載のシステム。
[3]ポリアミノ部分が、リシンオリゴマーの残基又はカルボキシ末端ポリアミンの残基である、[2]に記載のシステム。
[4]ヨウ素化芳香族部分が、1,3-置換-2,4,6-トリヨードベンゼン部分であり、1位及び3位の各々における置換基が、ヒドロキシアルキル基を含む、[2]~[3]のいずれかに記載のシステム。
[5]ポリヨウ素化ポリアミノ化合物がコアを含み、ポリアミノ部分が、アミド基によってコアに連結されており、ヨウ素化芳香族部分が、アミド基によってコアにそれぞれ連結されている、[2]~[4]のいずれかに記載のシステム。
[6]コアが、アミノ基及び複数のカルボキシル基を含む、ポリカルボキシレートアミノ化合物の残基を含む、[5]に記載のシステム。
[7]親水性ポリマーアームが、エチレンオキシド、N-ビニルピロリドン、オキサゾリン、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、PEGメチルエーテルアクリレート又はPEGメチルエーテルメタクリレート又はPNIPAAMから選択される、1種又は複数の親水性モノマーを含む、[1]~[6]のいずれかに記載のシステム。
[8]反応性末端基が、加水分解性エステルによって、親水性ポリマーアームに連結されている、及び/又は反応性末端基が求電子性基である、[1]~[7]のいずれかに記載のシステム。
[9]求電子性基が、イミダゾールエステル、イミダゾールカルボキシレート、ベンゾトリアゾールエステル又はイミドエステルから選択される、[8]に記載のシステム。
[10]親水性ポリマーアームが、ポリオール残基から伸びている、[1]~[9]のいずれかに記載のシステム。
[11]送達デバイスをさらに備える、[1]~[10]のいずれかに記載のシステム。
[12]送達デバイスが、第1の組成物を含有する第1のレザーバー及び第2の組成物を含有する第2のレザーバーを備え、動作中、第1の組成物及び第2の組成物が、第1のレザーバー及び第2のレザーバーから分注されると直ぐに、第1の組成物及び第2の組成物が、相互作用して相互に架橋し、ヒドロゲルを形成する、[11]に記載のシステム。
[13]第1のレザーバー及び第2のレザーバーがシリンジバレルを備える、[11]に記載のシステム。
[14]ポリヨウ素化ポリアミノ化合物と、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物のアミノ基と反応性がある反応性末端基を有する複数の親水性ポリマーアームを含む反応性マルチアームポリマーによって形成される、医療用ヒドロゲル。
[15]ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を作製する方法であって、(a)t-Boc保護ポリカルボキシレートアミノ化合物のカルボキシル基とヨウ素化アミノ芳香族化合物のアミノ基との間にアミド結合を生成し、次いで、t-Boc保護アミノ基の脱保護により、ポリヨウ素化アミノ化合物を形成するステップ、及び(b)t-Boc保護カルボキシル化ポリアミノ化合物のカルボキシル基と、ステップ(a)において生成したポリヨウ素化アミノ化合物のアミノ基との間にアミド結合を生成し、次いで、t-Boc保護アミノ基の脱保護により、ポリヨウ素化ポリアミノ化合物を形成するステップを含む、方法。
【国際調査報告】