IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルコン インコーポレイティドの特許一覧

特表2024-539311閾値下フェムト秒レーザーパルスによる眼の状態の治療
<>
  • 特表-閾値下フェムト秒レーザーパルスによる眼の状態の治療 図1
  • 特表-閾値下フェムト秒レーザーパルスによる眼の状態の治療 図2
  • 特表-閾値下フェムト秒レーザーパルスによる眼の状態の治療 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】閾値下フェムト秒レーザーパルスによる眼の状態の治療
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/008 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A61F9/008 140
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525155
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 IB2022060352
(87)【国際公開番号】W WO2023089423
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/281,511
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ゾルト ボル
(57)【要約】
特定の実施形態では、眼内の標的組織を治療するための眼科レーザー手術システムは、標的検出システム及びレーザーデバイスを含む。標的組織は、光学破壊閾値を有する。標的検出システムは、検出ビームを眼の硝子体内の標的組織に向かって検出ビーム経路に沿って誘導し、硝子体内の標的組織の位置を決定する。レーザーデバイスは、組織の光学破壊閾値より低いパルスエネルギーを有する、閾値下レーザーパルスを発生するフェムト秒レーザーを含む。レーザーデバイスは、閾値下レーザーパルスを含むレーザービームを標的組織に向かってレーザービーム経路に沿って誘導する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼内の標的組織を治療するための眼科レーザー手術システムであって、
標的検出システムであって、
1つ又は複数の検出ビームを前記眼の硝子体内の前記標的組織に向かって検出ビーム経路に沿って誘導することであって、前記標的組織は、光学破壊閾値を有する、誘導し、
前記硝子体内の前記標的組織の位置を決定するように構成された、
標的検出システムと、
複数の閾値下レーザーパルスを発生するように構成されたフェムト秒レーザーを含むレーザーデバイスであって、前記閾値下レーザーパルスは、前記標的組織の前記光学破壊閾値より低いパルスエネルギーを有し、前記レーザーデバイスは、
前記複数の閾値下レーザーパルスを含むレーザービームを前記標的組織に向かってレーザービーム経路に沿って誘導するように構成される、
レーザーデバイスと
を含む、眼科レーザー手術システム。
【請求項2】
前記標的検出システムから前記1つ又は複数の検出ビームを受信し、前記1つ又は複数の検出ビームを前記眼の網膜上に前記標的組織によって投じられた標的影のxy位置に向かって前記検出ビーム経路に沿って誘導することであって、前記xy位置はxyスキャナに関連する、受信して誘導し、
前記レーザーデバイスから前記レーザービームを受信し、前記レーザービームを前記標的影の前記xy位置に向かって前記検出ビーム経路と位置合わせされた前記レーザービーム経路に沿って誘導するように構成された、xyスキャナを更に含む、請求項1に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項3】
前記パルスエネルギーは、1~100ナノジュール(nJ)である、請求項1に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項4】
前記閾値下レーザーパルスは、10~500フェムト秒(fs)の持続時間を有する、請求項1に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項5】
前記閾値下レーザーパルスは、1~100メガヘルツ(MHz)の繰り返し率を有する、請求項1に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項6】
前記レーザーデバイスは、10~100閾値下レーザーパルスを前記標的組織の同じスポットに向かって誘導することにより、前記複数の閾値下レーザーパルスを含む前記レーザービームを誘導するように構成される、請求項1に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項7】
同じ標的スポットにおける閾値下レーザーパルスの数Nは、N=(d*f)/vに従って前記レーザーデバイスの繰り返し率f、前記レーザービームのレーザースポットのxy走査速度v、及び標的スポット直径dによって制御される、請求項6に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項8】
前記レーザーデバイスは、
前記眼の網膜に関連する前記標的組織のz位置を受信し、
前記レーザービームの焦点を前記標的組織の前記z位置に向かって誘導するように構成されたz集束コンポーネントを含む、請求項1に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項9】
前記標的検出システムは、
前記標的組織の標的影のxy位置を提供するように構成されたxy位置デバイスであって、前記xy位置はxyスキャナに関連する、xy位置デバイスと、
前記眼の網膜に関連する前記標的組織のz位置を提供するように構成されたz位置デバイスとを含む、請求項1に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項10】
前記xy位置デバイスは、走査レーザー眼底検査(SLO)デバイスを含む、請求項9に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項11】
前記z位置デバイスは、干渉デバイスを含む、請求項9に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項12】
前記標的組織は、硝子体網膜牽引糸を含む、請求項1に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項13】
前記標的組織は、硝子体浮遊物を含む、請求項1に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項14】
前記レーザーは、
前記標的組織の一部を局所的に崩壊する化学反応を引き起こすために、前記複数の閾値下レーザーパルスを使用して低密度の自由電子雲を形成するように構成される、請求項1に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項15】
前記レーザーは、
前記標的組織の一部内に化学反応をもたらすために、前記複数の閾値下レーザーパルスを使用して、複数の一重項酸素分子を形成するように構成される、請求項1に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項16】
前記レーザーが、
前記標的組織の一部を局所的に崩壊するために、前記複数の閾値下レーザーパルスを使用して、多光子化学反応をもたらすように構成される、請求項1に記載の眼科レーザー手術システム。
【請求項17】
前記レーザーは、
前記標的組織の一部を局所的に崩壊するために、前記複数の閾値下レーザーパルスを使用して、超音波熱弾性波をもたらすように構成される、請求項1に記載の眼科レーザー手術システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に眼科レーザー手術システムに関し、より詳細には閾値下フェムト秒レーザーパルスによる眼の状態の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
眼科レーザー手術では、外科医は、眼を治療するためにレーザービームを眼の中に誘導し得る。例えばレーザービームは、飛蚊症を治療するために硝子体の中に誘導され得る。飛蚊症は、硝子体内に形成するコラーゲンたんぱく質の塊である。これらの塊は、影及び歪が動いて視覚を妨げる可能性がある。レーザービームは、視覚を改善するために浮遊物を分解するために使用され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
特定の実施形態では、眼内の標的組織を治療するための眼科レーザー手術システムは、標的検出システム及びレーザーデバイスを含む。標的組織は、光学破壊閾値を有する。標的検出システムは、検出ビームを眼の硝子体内の標的組織に向かって検出ビーム経路に沿って誘導し、硝子体内の標的組織の位置を決定する。レーザーデバイスは、組織の光学破壊閾値より低いパルスエネルギーを有する、閾値下レーザーパルスを発生するフェムト秒レーザーを含む。レーザーデバイスは、閾値下レーザーパルスを含むレーザービームを標的組織に向かってレーザービーム経路に沿って誘導する。
【0004】
実施形態は、以下の特徴のいずれも含まなくてもよく、1つ、いくつか、又は全てを含んでもよい。
【0005】
眼科レーザー手術システムは、xyスキャナを更に含む。xyスキャナは、標的検出システムから検出ビームを受信し、検出ビームを眼の網膜上に標的組織によって投じられた標的影のxy位置に向かって検出ビーム経路に沿って誘導することであって、xy位置はxyスキャナに関連する、誘導し、レーザーデバイスからレーザービームを受信し、レーザービームを標的影のxy位置に向かって検出ビーム経路と位置合わせされたレーザービーム経路に沿って誘導する。
【0006】
パルスエネルギーは、1~100ナノジュール(nJ)である。
【0007】
閾値下レーザーパルスは、10~500フェムト秒(fs)の持続時間を有する。
【0008】
閾値下レーザーパルスは、1~100メガヘルツ(MHz)の繰り返し率を有する。
【0009】
レーザーデバイスは、10~100閾値下レーザーパルスを標的組織の同じスポットに向かって誘導することにより、複数の閾値下レーザーパルスを含むレーザービームを誘導するように構成される。同じ標的スポットにおける閾値下レーザーパルスの数Nは、N=(d*f)/vに従って、レーザーデバイスの繰り返し率f、レーザービームのレーザースポットのxy走査速度v、及び標的スポット直径dによって制御され得る。
【0010】
レーザーデバイスは、網膜に関連する標的組織のz位置を受信し、レーザービームの焦点を標的組織のz位置に向かって誘導する、z集束コンポーネントを含む。
【0011】
標的検出システムは、xyスキャナに関連する標的組織の標的影のxy位置を提供するxy位置デバイス、及び網膜に関連する標的組織のz位置を提供するz位置デバイスを含む。
【0012】
xy位置デバイスは、走査レーザー眼底検査(SLO)デバイスを含む。
【0013】
z位置デバイスは、干渉デバイスを含む。
【0014】
標的組織は、硝子体網膜牽引糸を含む。
【0015】
標的組織は、硝子体浮遊物を含む。
【0016】
レーザーは、標的組織の一部を局所的に崩壊する化学反応を引き起こすために、閾値下レーザーパルスを使用して低密度の自由電子雲を形成する。
【0017】
レーザーは、標的組織の一部内に化学反応をもたらすために、閾値下レーザーパルスを使用して一重項酸素分子を形成する。
【0018】
レーザーは、標的組織の一部を局所的に崩壊するために、閾値下レーザーパルスを使用して多光子化学反応をもたらす。
【0019】
レーザーは、標的組織の一部を局所的に崩壊するために、閾値下レーザーパルスを使用して超音波熱弾性波をもたらす。
【0020】
特定の実施形態では、眼内の標的組織を治療するための眼科レーザー手術システムは、標的検出システム及びレーザーデバイスを含む。標的検出システムは、検出ビームを眼の硝子体内の標的組織に向かって検出ビーム経路に沿って誘導し、標的組織の位置を決定する。レーザーデバイスは、閾値下レーザーパルスを発生するフェムト秒レーザーを含む。閾値下レーザーパルスは、標的組織の光学破壊閾値より低い、例えば1~100ナノジュール(nJ)のパルスエネルギー、10~500フェムト秒(fs)の持続時間、及び1~100メガヘルツ(MHz)の繰り返し率を有する。レーザーデバイスは、閾値下レーザーパルスを含むレーザービームを標的組織の同じ標的スポットに向かって10~100閾値下レーザーパルスを誘導することにより、標的組織に向かってレーザービーム経路に沿って誘導する。
【0021】
実施形態は、以下の特徴のいずれも含まなくてもよく、1つ、いくつか、又は全てを含んでもよい。
【0022】
眼科レーザー手術システムは、標的検出システムから検出ビームを受信し、検出ビームを眼の網膜上に標的組織によって投じられた標的影のxy位置に向かって検出ビーム経路に沿って誘導することであって、xy位置はxyスキャナに関連する、誘導し、且つレーザーデバイスからレーザービームを受信し、レーザービームを標的影のxy位置に向かって検出ビーム経路と位置合わせされたレーザービーム経路に沿って誘導する、xyスキャナを含む。
【0023】
標的検出システムは、標的組織の標的影のxy位置を提供するxy位置デバイスであって、xy位置はxyスキャナに関連する、xy位置デバイスと、眼の網膜に関連する標的組織のz位置を提供するz位置デバイスとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】特定の実施形態による、眼を治療するために使用され得る眼科レーザー手術システムの一例を示す。
図2図1のシステムによって発生され得る網膜画像の一例を示す。
図3】特定の実施形態による、図1のシステムによって実行され得る、眼内の標的組織を治療するための方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ここで、説明及び図面を参照して、開示された装置、システム、及び方法の例示的な実施形態を詳細に示す。説明及び図面は、網羅的であることも、或いは、特許請求の範囲を、図面において示され、説明において開示される特定の実施形態に限定することも意図するものではない。図面は可能な実施形態を表すが、図面は必ずしも縮尺通りではなく、実施形態をよりよく示すために特定の特徴部を簡略化、誇張、削除、又は部分的に分割している場合がある。
【0026】
公知の眼科レーザー手術システムは、眼の組織を光崩壊するためにレーザーパルスを発生する、YAG又はフェムト秒レーザー(「フェムトレーザー」)を含む。例えば、5ミリジュール(mJ)のパルスエネルギー、4ナノ秒(ns)のパルス持続時間、及び1.064マイクロメートル(um)の波長を備えたYAGレーザーパルス、又は15~20マイクロジュール(uJ)のパルスエネルギー及び500フェムト秒(fs)のパルス持続時間を備えたフェムト秒レーザーパルスは、組織内にキャビテーション気泡を生成するために組織を光崩壊することができる。
【0027】
しかしYAGレーザーパルスは、標準放射線被曝制限を超えることなく、網膜に10ミリメートル(mm)より近い浮遊物を治療することはできない。その上、主発振器出力増幅器(CPA MOPA)フェムトレーザーを備えたチャープパルス増幅器は、組織を光崩壊することができるパルスを生成する必要があり、これらのレーザーは、特定の用途に対して非常に高額である。
【0028】
従って、本明細書に記載された手術システムは、閾値下レーザーパルスを生成するフェムト秒レーザーを含む。閾値下レーザーパルスは、組織の破壊閾値、すなわち光学破壊が組織内で起きるパルスエネルギーより低いパルスエネルギーを有する。パルスは、光学破壊(光崩壊)を起こさない、又はキャビテーション気泡を形成しない。より低いパルスエネルギーは、網膜を過度に露出することなく、より多い状況で浮遊物を破壊することができる。その上、フェムト秒レーザーは、CPA MOPAフェムトレーザーよりはるかに安価で信頼できる。
【0029】
図1は、特定の実施形態による、眼を治療するために使用され得る眼科レーザー手術システム10の一例を示す。手術システム10は、レーザーパルスが、眼内の標的組織(例えば硝子体浮遊物又は硝子体網膜牽引糸)に誘導される位置にあらゆる適切な治療を提供し得る。治療の例として、レーザー硝子体索切断、牽引糸除去、及び網膜顕微鏡手術が挙げられる。
【0030】
概要として、システム10は、示されたように結合された、標的検出システム20、レーザーデバイス22、1つ又は複数の共通コンポーネント24、及びコンピュータ26を含む。レーザーデバイス22は、示されたように結合された、レーザー30及びz集束コンポーネント32を含む。共通コンポーネント24は、示されたように結合された、xyスキャナ40、xyエンコーダ41、並びに光学素子(ミラー42並びにレンズ44及び46など)を含む。コンピュータ26は、示されたように結合された、ロジック50、(コンピュータプログラム54を記憶する)メモリ52、及びディスプレイ56を含む。特定の実施形態では、標的検出システム20及びレーザーデバイス22は、標的検出システム20及びレーザーデバイス22を共登録することができるxyスキャナ40を共有する。説明を簡単にするために、眼の軸(例えば光軸又は視軸)はz軸とほぼ等しく、これは次いでz軸に実質的に直交するエンフェース面(例えばxy面)を画定する。
【0031】
システム10の作動の概要として、標的検出システム20は、検出ビームを眼の硝子体内の標的組織に向かって検出ビーム経路に沿って誘導し、硝子体内の標的組織の位置を決定する。レーザーデバイス22は、1~100ナノジュール(nJ)のパルスエネルギーを備えた閾値下レーザーパルスを発生する、フェムト秒レーザーを含む。レーザーデバイス22は、レーザーパルスを含むレーザービームを標的組織に向かってレーザービーム経路に沿って誘導する。
【0032】
システムの部品を検討すると、標的検出システム20は、標的組織及び/若しくは網膜上に標的組織によって投じられた標的影を検出し、配置し、並びに/又は撮像する、1つ或いは複数の検出デバイスを含む。標的組織及び/若しくは標的影を検出し、配置し、並びに/又は撮像するために、検出デバイスは、検出ビームを眼の内部に向かって検出ビーム経路に沿って誘導する。内部は検出ビームを反射し、デバイスは、反射された光を検出し、標的組織及び/若しくは標的影を検出し、配置し、並びに/又は撮像する。加えて、検出デバイスは、標的組織及び/若しくは標的影のx、y、並びに/又はz位置を別のコンポーネントに提供し得る。例えば、xy位置デバイスは、標的影のxy位置を提供し、z位置デバイスは、標的組織のz位置を提供する。
【0033】
デバイスは、同じ又は異なる技術(例えば走査レーザー眼底検査(SLO)及び/又は干渉法)を利用してもよい。特定の実施形態では、検出デバイスは、標的影のxy位置を提供するSLOデバイスである。特定の実施形態では、検出デバイスは、あらゆる適切な干渉計、例えば高速フーリエ変換(FFT)を利用するフーリエ領域型(掃引源又はスペクトル領域型など)を備えた干渉デバイスである。干渉デバイスの例としては、光干渉断層撮影(OCT)デバイス(掃引源OCTデバイスなど)及び掃引源Aスキャン干渉(SSASI)デバイスが挙げられる。SASSIデバイスは、Aスキャンのみを実行する。
【0034】
レーザーデバイス22を検討すると、レーザー30は、閾値下レーザー手術(SLS)を行うために閾値下レーザーパルスを生成する、フェムト秒レーザーを含む。これに対して、眼科手術に使用するほとんどのフェムト秒レーザーは、光崩壊(又はプラズマ媒介切除)をもたらす閾値を超えるパルスで組織を切断する。光崩壊の例として、3マイクロジュール(uJ)、500フェムト秒(fs)のレーザーパルスは、約2マイクロメートル(um)のスポットまで集光される。焦点におけるレーザーパルスのピーク強度は、約50 TW/cm (50*1012 W/cm)であり、但し、Wはワットを表し、TWはテラワットを表し、cmはセンチメートルを表す。
【0035】
そのような極端に高いレーザー強度では、多光子吸収が起きる可能性がある。強度は、原子及び分子から電子を除去し、自由電子雲を生成する。レーザーパルスの電場は、逆制動放射と呼ばれる工程により自由電子を加速させ、加速された自由電子は、雪崩イオン化と呼ばれる工程で組織の中性原子をイオン化する。これらの工程の結果として、高密度、高温(例えば約5000K°)プラズマが焦点に形成される。高温プラズマは燃焼し、小容量(例えば約4umx4umx50um)の組織を蒸発させる。一連の工程は破壊として公知である。破壊閾値エネルギーは、破壊をもたらすことができる最小レーザーパルスエネルギーである。
【0036】
高温、高圧水蒸気は、急速に広がり、例えば約200umの直径を有するキャビテーション気泡を形成する。キャビテーション気泡(すなわち水蒸気組織インターフェース)の壁の加速度は、10m/s、すなわち自由落下加速度の約100万倍に達することができる。気泡壁の加速度は、組織内に衝撃波も形成することができる。加速度及び衝撃波の力は、組織を崩壊するために使用することができる、約100~200umの直径を有する組織の球積を分裂させる。
【0037】
高温プラズマ、急速に広がるキャビテーション気泡、及び衝撃波は、焦点が網膜に近い場合に、網膜を損傷することがある。この理由で、閾値を超えるレーザーパルスによる手術は、網膜のごく近く、又は表面で行うことが許容されない。例えば、閾値を超えるレーザーパルスによる手術は、内境界膜、黄斑膜、硝子体膜を接続する牽引糸及び網膜、又は網膜ドルーゼンには許容されない。
【0038】
従ってシステム10のフェムト秒レーザーは、網膜の遠くだけでなく近くでも実行し得る、閾値下レーザー手術(SLS)のための閾値下レーザーパルスを生成する。閾値下レーザーパルスは、組織の破壊閾値より低いパルスエネルギー、例えば50nJ500fsのレーザーパルスエネルギーなどの1~100ナノジュール(nJ)のパルスエネルギーを有する。パルスは、光学破壊をもたらさず、高密度、高温プラズマを形成せず、キャビテーション気泡を起こさず、又は衝撃波を生成しない。しかし閾値下レーザーパルスは、組織を崩壊することができる他の効果をもたらすことができる。その上、いくつか(例えば6以上、例えば10)のレーザーパルスが、崩壊を増加させるために数MHzの繰り返し率で同じ場所に互いの上に空間的に重なることがある。閾値下レーザーパルスは、重なった時であっても、組織を局所的に、実質的に焦点のみで崩壊するので、網膜付近の手術に使用することができる。
【0039】
閾値下レーザーパルスは、組織を崩壊する以下の効果をもたらすことができる。同じスポットでレーザーパルスが空間的に重なることにより、スポットで組織を局所的に崩壊することができる効果(1)、(2)、及び(3)を増加させることができる。
【0040】
(1)低密度自由電子。閾値下レーザーパルスは、組織を局所的に崩壊する化学反応を引き起こすことができる、低密度の自由電子雲を形成することができる。
【0041】
(2)一重項酸素分子。閾値下レーザーパルスは、極端な化学反応である一重項酸素分子を形成することができる。
【0042】
(3)多光子化学反応。閾値下レーザーパルスは、組織を崩壊する多光子化学反応をもたらすことができる。
【0043】
(4)崩壊的な局所の熱弾性歪。一例では、レーザーパルスの多光子吸収は、焦点で組織の温度を例えば37~47℃から増加させることができる。水の膨張の温度係数によれば、直径2umの焦点容積は0.13%だけ、すなわち0.0026umだけ膨張し得る。500fs率では、膨張速度は、0.0026um/500fs=5200m/sであり得る。眼球組織内の音速は、約1500m/sであるので、膨張波は超音波である。従って閾値下レーザーパルスは、眼球組織を裂き、局所の組織が組織の崩壊をもたらすことができる、超音波の破裂型の一過性熱弾性波をもたらすことができる。
【0044】
レーザー30は、例えば紫外線又は赤外線領域内で、あらゆる適切な波長を備えたレーザービームを発生する。特定の実施形態では、パルスは、10~500fs(例えば10~100、100~200、200~300、300~400、及び/又は400~500fs)の持続時間、1~100ナノジュール(nJ)(例えば1~5、5~25、25~50、50~75、及び/又は75~100nJ)のパルスエネルギー、並びに1~100メガヘルツ(MHz)(例えば1~40、40~60、及び/又は60~100MHz)の繰り返し率を有する。組織の同じスポットは、数Nのレーザーパルスに曝されることがあり、但しNは10~100(例えば10~40、40~60、及び/又は60~100)のレーザーパルスである。同じ標的スポットにおける数Nのパルスは、N=(d*f)/vとして、繰り返し率fのレーザー、xy走査速度vのレーザービームのレーザースポット、及び標的スポット直径dによって制御され得る。
【0045】
z集束コンポーネント32は、レーザービームの焦点を特定の場所にz方向に長手方向に誘導する。z集束コンポーネント32の例については、長手方向に調節可能なレンズ、可変屈折力のレンズ、電気的若しくは機械的に調整可能なレンズ(例えばOptotuneレンズ)、電気的若しくは機械的に調整可能な望遠鏡、又は焦点のz位置を制御することができる変形可能なミラーが挙げられる。z集束コンポーネント32は、焦点をあらゆる適切な手法で誘導し得る。特定の実施形態では、z集束コンポーネント32は、標的検出システム20から標的組織のz位置を受信し(コンピュータ26を介してそれを受信してもよく)、レーザービームを標的組織のz位置に向かって誘導する。
【0046】
共通コンポーネント24は、検出及びレーザービームを標的検出システム20及びレーザーデバイス22のそれぞれから眼に向かって誘導する。検出及びレーザービームはどちらも共通コンポーネント24を使用するので、両方のビームは、同じ光学歪(例えばスキャナのファン歪、スキャナレンズのバレル又はピロー歪、内眼表面からの反射歪、及び他の歪)によって影響を及ぼされる。歪は、両方のビームに同じ方法で影響を及ぼすので、歪は補正される。これにより、改良された精度の検出ビームによって発生された画像を使用して、レーザービームを当てることができる。
【0047】
レーザービームを当てる一例として、眼の画像は、ビームが現在エンフェース面に当てられた位置を示す、図形の重なり(例えば十字線)であるレチクルを含んでもよい。ユーザ又はコンピュータ26は、標的組織にビームを当てるために、画像内の標的組織の上にレチクルを置いてもよい。標的検出システム20は、xy位置をxyスキャナ40に提供する。xyエンコーダ41は、標的組織において中心に(エンコーダユニット内に)置かれたレチクルのxy位置を決定するために、xyスキャナ40の位置を検出する。
【0048】
共通コンポーネント24の作動の概要として、ミラー42は、ビーム(検出及び/又はレーザービーム)をxyスキャナ40に向かって誘導し、xyスキャナ40は、ビームをレンズ44に向かって横方向に誘導する。レンズ44及び46は、ビームを眼に向かって誘導する。共通コンポーネント24は、ビームが同じ経路を共有できるように、検出及びレーザービームを結合及び分離するスペクトル並びに分極化も提供し得る。
【0049】
共通コンポーネント24の詳細を検討すると、xyスキャナ40は、ビームの焦点をx及びy方向に横方向に誘導する。xyスキャナ40は、ビームの入射角度を瞳孔に変え、ビームが眼内のより広い範囲を網羅することが可能になる。xyスキャナ40は、任意の適切な手法でビームを横方向に誘導し得る。例えば、xyスキャナ40は、相互に垂直な軸の周りでチルトすることができるガルバノメトリック作動式スキャナミラーの対を含み得る。別の例として、xyスキャナ40は、ビームを電気光学的に進めることができる電気光学結晶、又はビームを音響光学的に進めることができる音響光学結晶を含み得る。別の例として、xyスキャナ40は、例えばレーザーパルスの3Dマトリクスを生成することができる高速スキャナを含み得る。そのようなスキャナの例としては、ガルボスキャナ、レゾナントスキャナ、又は音響光学スキャナが挙げられる。特定の実施形態では、xyスキャナ40は、標的検出システム20から標的影のxy位置を受信し、検出及び/又はレーザービームをxy位置に向かって誘導する。
【0050】
xyエンコーダ41は、xyスキャナ40の位置を検出し、xy位置として位置を報告する。例えばxyエンコーダ41は、エンコーダユニット内のxyスキャナ40のガルバノメータミラーの角度配向を検出する。xyエンコーダ41は、標的検出システム20、レーザーデバイス22、及び/又はコンピュータ26にエンコーダユニット内の位置を報告し得る。標的検出システム20及びレーザーデバイス22は、xyスキャナ40を共有するので、コンピュータ26は、エンコーダユニットを使用して、システム20及びデバイス22にそれらのビームを当てる位置を命令することができ、エンコーダユニットからミリメートルなどの長さ単位にコンピュータの集中的変換を実行する必要がなくなる。xyエンコーダ41は、あらゆる適切な率、例えば10~30ms毎又は約20ms毎などの5~50ミリ秒(ms)毎に位置を報告し得る。
【0051】
共通コンポーネント24は、光学素子も含む。概して光学素子は、レーザービームに作用(例えば、透過、反射、屈折、回折、コリメート、調整、整形、集束、変調、及び/又は他の方法で作用)することができる。光学素子の例としては、レンズ、プリズム、ミラー、回折光学素子(DOE)、ホログラフィック光学素子(HOE)、及び空間光変調器(SLM)が挙げられる。例では、光学素子は、ミラー42並びにレンズ44及び46を含む。ミラー42は、三面鏡であってもよい。レンズ44及び46は、SLOデバイスの走査光学であってもよい。
【0052】
コンピュータ26は、コンピュータプログラム54に従ってシステム10のコンポーネント(例えば標的検出システム20、レーザーデバイス24、及び/又は共通コンポーネント24)を制御する。コンピュータ26は、コンポーネントから分離されてもよく、又はあらゆる適切な手法でシステム10の間に、例えば標的検出システム20、レーザーデバイス24、及び/又は共通コンポーネント24内に分配されてもよい。特定の実施形態では、標的検出システム20、レーザーデバイス24、及び/又は共通コンポーネント24を制御するコンピュータ26の一部は、標的検出システム20、レーザーデバイス24、及び/又は共通コンポーネント24のそれぞれの一部であってもよい。
【0053】
コンピュータ26は、コンピュータプログラム54に従ってシステム10のコンポーネントを制御する。コンピュータプログラム54の例は、標的撮像、標的追跡、画像処理、標的評価、網膜露出計算、患者教育、及び保険認定プログラムを含む。例えばコンピュータ26は、コンピュータプログラム54を使用して、標的検出システム20、レーザーデバイス24、及び/又は共通コンポーネント24に、標的組織を撮像し、レーザービームを標的組織に集束するように命令してもよい。
【0054】
特定の実施形態では、コンピュータ26は、画像処理プログラム54を使用して、画像に画像処理を実行する、例えば画像から情報を抽出するために画像のデジタル情報を分析する。特定の実施形態では、画像処理プログラム54は、標的組織についての情報を獲得するために、標的組織の画像又は標的影の画像を分析する。例えばプログラム54は、(例えば縁部検出又はピクセル分析を使用して)画像内のより暗い形状を検出することにより、標的影を検出し得る。別の例として、プログラム54は、標的組織の大きさ及び形状を示す、標的影の形状及び大きさを検出し得る。別の例として、プログラム54は、標的組織の密度を示す、標的影の色調又は発光を検出し得る。
【0055】
特定の実施形態では、コンピュータ26は、標的評価及び診断プログラム54を使用して、標的組織が臨床的に重要である、すなわち視覚に影響を及ぼすかどうかを判定するために、浮遊物などの標的組織を評価する。特定の実施形態では、コンピュータ26のディスプレイ56は、標的影の画像(動画など)を表示するので、ユーザは、標的組織を評価することができる。他の実施形態では、コンピュータ26は、標的組織を評価するために画像処理を使用する。標的評価及び診断について、図2を参照してより詳細に説明する。
【0056】
図2は、図1のシステム10によって発生され得る網膜画像60の例を示す。画像60は、中心窩領域(又は中心窩)64及び傍中心窩領域(又は傍中心窩)66を備えた眼の網膜62を示す。概して、中心窩64は、約+/-1度の視角を有し、傍中心窩66は、約+/-7度の視角を有する。画像60は、浮遊物が網膜62上に投じる浮遊物の影68(68a、68b、68c)も示す。概して動かない影は、浮遊物によってもたらされず、例えば角膜若しくはレンズの混濁又は網膜の解剖学的変化によってもたらされることがあるので、浮遊物の治療は、動かない影に関係しない。
【0057】
浮遊物は、視覚障害をもたらす可能性がある場合に臨床的に重要であるとみなされることがあり、これは浮遊物の影のあらゆる適切な特徴、例えば影の大きさ及び/若しくは密度、中心窩及び/若しくは傍中心窩への影の近さ、並びに/又は中心窩及び/若しくは傍中心窩に関連する影の軌跡から判定することができる。一例として、浮遊物は、中心窩64上に影68を永久に若しくは一時的に投じる場合に視覚障害をもたらす可能性があり、又は傍中心窩66上に影68を永久に若しくは一時的に投じる場合に動揺又は不快感をもたらす可能性がある。従って浮遊物の影が中心窩64及び/若しくは傍中心窩66内に落ちる場合、又は中心窩64及び/若しくは傍中心窩66内で動くと予測される場合、浮遊物は、臨床的に重要であると指定され得る。別の例として、浮遊物の影68は、浮遊物の大きさ及び密度を見積もるために使用することができる。より大きくより密度の高い浮遊物は、視覚障害をもたらす傾向がより高い。こうして重大な影の大きさより大きい影68は、臨床的に重要な浮遊物を示す可能性がある。背景に対してより高い対比をもつ影68は、臨床的に重大な浮遊物を示すことがある。
【0058】
図3は、特定の実施形態による、図1のシステム10によって実行され得る眼の標的組織を治療するための方法の一例を示す。方法は、標的検出システムが、標的影の画像を発生するために、検出ビームを標的組織の影に向かって誘導するステップ110で開始する。
【0059】
標的組織は、ステップ112で治療するべきかどうかを評価される。評価は、標的組織の位置、大きさ、形状、及び/又は密度を決定するために標的影を評価し得る。標的組織は、ステップ114で治療され得る。標的組織が治療されるべきでない場合、方法は、標的組織の画像を引き続き発生するためにステップ110に戻る。標的組織が治療されるべきである場合、方法は、標的検出システムを使用して標的影の位置を決定する、ステップ116に進む。
【0060】
閾値下レーザーパルスは、標的組織を治療する(例えば分解する)ために、ステップ120で標的組織に誘導される。閾値下レーザーパルスは、組織の破壊閾値より低いパルスエネルギーを有するので、光崩壊をもたらさない。パルスは、標的組織を分解して除去するために同じスポットを数Nのレーザーパルスに曝すことにより、標的組織を治療し、但しNは10~100である。
【0061】
本明細書に開示のシステム及び装置の(制御コンピュータ等の)コンポーネントは、インターフェース、ロジック、及び/又はメモリを含んでいてもよく、これらのうちの任意のものは、コンピュータハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。インターフェースは、コンポーネントへの入力を受信し、且つ/又はコンポーネントから出力を送信することができ、通常、例えばソフトウェア、ハードウェア、周辺機器、ユーザ及びこれらの組み合わせ間で情報を交換するために使用される。ユーザインターフェースは、コンピュータと通信する(例えば、コンピュータに入力を送信する及び/又はコンピュータから出力を受信する)ためにユーザが利用できるインターフェースの一種である。ユーザインターフェースの例としては、ディスプレイ、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ジェスチャセンサ、マイク、及びスピーカが挙げられる。
【0062】
ロジックは、コンポーネントの操作を行うことができる。ロジックは、データを処理する、例えば命令を実行して入力から出力を生成する1つ又は複数の電子装置を含み得る。かかる電子装置の例としては、コンピュータ、プロセッサ、マイクロプロセッサ(例えば中央処理装置(CPU))、及びコンピュータチップが挙げられる。ロジックは、操作を行うために電子装置により実行されることができる命令を符号化するコンピュータソフトウェアを含み得る。コンピュータソフトウェアの例としては、コンピュータプログラム、アプリケーション、及びオペレーティングシステムが挙げられる。
【0063】
メモリは、情報を記憶することができ、有形のコンピュータ可読及び/又はコンピュータ実行可能なストレージ媒体を含み得る。メモリの例としては、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読み出し専用メモリ(ROM))、マスストレージメディア(例えば、ハードディスク)、リムーバブルストレージメディア(例えば、コンパクトディスク(CD)又はデジタルビデオ若しくは多用途ディスク(DVD))、データベース、ネットワークストレージ(例えば、サーバ)、及び/又は他のコンピュータ可読媒体が挙げられる。特定の実施形態は、コンピュータソフトウェアを用いて符号化されたメモリを対象とし得る。
【0064】
特定の実施形態に関して本開示を説明してきたが、実施形態の修正形態(例えば、変更形態、置換形態、追加形態、省略形態及び/又は他の修正形態)が、当業者には明らかになろう。従って、本発明の範囲から逸脱することなく、実施形態に対する修正がなされ得る。例えば、本明細書で開示されたシステム及び装置に対する修正がなされ得る。当業者に明らかであるように、システム及び装置のコンポーネントは、統合若しくは分離され得る、又はシステム及び装置の動作は、より多い、より少ない、若しくは他のコンポーネントによって実行され得る。別の例として、本明細書で開示された方法に対する修正がなされ得る。当業者に明らかであるように、方法は、より多い、より少ない、又は他のステップを含み得、ステップは、任意の適当な順序で実行され得る。
【0065】
請求項を解釈する際に特許庁及び読者を助けるために、本出願人らは、用語「のための手段(means for)」又は「のためのステップ(step for)」が特定請求項において明示的に使用されない限り、請求項又は請求要素のいかなるものも合衆国法典第35巻§112条(f)を想起させるように意図されてはいないということを注記する。請求項内の任意の他の用語(例えば、「機構」、「モジュール」、「デバイス」、「ユニット」、「コンポーネント」、「要素」、「部材」、「装置」、「機械」、「システム」、「プロセッサ」、又は「コントローラ」)の使用は、当業者にとって既知の構造を指すものと本出願人らにより理解され、従って合衆国法典第35巻§112条(f)を想起させるように意図されていない。
図1
図2
図3
【国際調査報告】