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▶ タイチョウ グァンユー テクノロジー カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】発光素子
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/80 20230101AFI20241018BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20241018BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20241018BHJP
   H10K 71/20 20230101ALI20241018BHJP
   H10K 59/173 20230101ALI20241018BHJP
   H10K 50/84 20230101ALI20241018BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241018BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H10K50/80
H10K59/35
H10K59/122
H10K71/20
H10K59/173
H10K50/84
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
G09F9/30 349C
G09F9/00 338
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525177
(86)(22)【出願日】2023-03-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 CN2023085457
(87)【国際公開番号】W WO2023197889
(87)【国際公開日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】202210387862.9
(32)【優先日】2022-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523171733
【氏名又は名称】タイチョウ グァンユー テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】チェン フェイ-シオウ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ リー-チェン
(72)【発明者】
【氏名】シュー クオ-チェン
(72)【発明者】
【氏名】チュー カー タイ
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC04
3K107DD89
3K107EE27
3K107FF06
3K107FF15
3K107GG12
3K107GG28
5C094AA06
5C094BA12
5C094BA27
5C094CA19
5C094CA24
5C094ED15
5C094FA01
5C094FA02
5C094FA04
5C094FB01
5C094FB16
5C094JA01
5C094JA08
5C094JA11
5G435AA02
5G435BB05
5G435CC09
5G435CC12
5G435FF14
5G435HH16
5G435KK05
(57)【要約】
【課題】発光素子を提供することを課題とする。
【解決手段】基板と、保護層とを備えた発光素子であって、基板の上に基板と保護層との間に配置された複数のバンプを有し、前記複数のバンプのうち隣り合う2つのバンプを有し、前記隣り合う2つのバンプ間に有機材料を含む有機発光ユニットを有する。前記複数のバンプのうちの少なくとも1つは基板から離れた表面を含み、前記表面は波打ち部を含み、前記波打ち部は基板に面する頂点を含む。発光素子は、前記基板と保護層との間に配置された光吸収ユニットも備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
被覆層と、
前記基板と前記被覆層との間に配置された光吸収ユニットと
とを備えた発光素子であって、
前記基板の上の複数のバンプは前記基板と前記被覆層との間に配置され、前記複数のバンプのうち隣り合う2つのバンプを有し、前記隣り合う2つのバンプ間に有機材料を含む有機発光ユニットを有し、
前記複数のバンプのうちの少なくとも1つは、前記基板から離れた表面を含み、前記表面は波打ち部を含み、前記波打ち部は前記基板に面する頂点を含む、
発光素子。
【請求項2】
基板を備えた発光素子であって、
前記基板の上に複数の有機発光ユニットを有し、前記複数の有機発光ユニットは、第1発光ユニットと、第2発光ユニットとを備え、前記第1発光ユニット及び前記第2発光ユニットは各々有機材料を含む有機発光スタック層を有し、それぞれ異なる色の光を放射し、前記第1発光ユニットの前記有機発光スタック層の総厚は前記第2発光ユニットの前記有機発光スタック層の総厚より大きい、発光素子。
【請求項3】
発光素子の製造方法であって、
基板を用意する手順と、
前記基板上に複数のバンプを形成する手順と、
前記複数のバンプ上に感光層を形成する手順と、
前記感光層を貫通する凹溝を形成して表面を露出させるため、前記感光層をパターン化する手順と、
前記表面上に有機材料を設ける手順と、
前記感光層を除去する手順と、
前記複数のバンプの上に誘電体層を連続的に配置する手順とを含む、発光素子の製造方法であって、
前記複数のバンプのうちの少なくとも1つは基板から離れた表面を含み、前記表面は波打ち部を含み、前記波打ち部は基板に面する頂点を含む、
発光素子の製造方法。
【請求項4】
特定の波長に対する前記バンプの吸収率は、60%以上であり、前記特定の波長は400nm以下である、請求項1~2のいずれか一項に記載の発光素子。
【請求項5】
前記被覆層は、1つの材料を含み、特定の波長に対する前記材料の吸収率は60%以上であり、前記特定の波長は400nm以下である、請求項1に記載の発光素子。
【請求項6】
特定の波長に対する前記有機材料の吸収率は、60%以上であり、前記特定の波長は400nm以下である、請求項1~2のいずれか一項に記載の発光素子。
【請求項7】
特定の波長に対する前記感光層の吸収率は、30%以上であり、前記特定の波長は400nm以下である、請求項3に記載の発光素子の製造方法。
【請求項8】
前記有機材料は、有機層に配置することができ、前記有機層は電子輸送層(ETL)、電子注入層(EIL)、発光層(EM)、正孔阻止層(HBL)、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)のうちの1つであり得る、請求項1~2のいずれか一項に記載の発光素子。
【請求項9】
特定の波長に対する前記光吸収ユニットの吸収率は、60%以上であり、前記特定の波長は400nm以下である、請求項1に記載の発光素子。
【請求項10】
前記各有機発光ユニットは、サイズが各発光ユニットの下にあるアノードの総面積に等しい有効発光領域を有し、かつ各発光ユニットは発光時に暗い領域と明るい領域を有し、前記暗い領域の総面積は前記有効発光領域の50%未満である、請求項1~2のいずれか一項に記載の発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光素子に関し、特に、有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ディスプレイは、最もハイエンドな電子機器で広く使用されている。しかしながら、従来技術の制限により、発光材料の発光効率及び品質は効果的に制御されることができないことにより、デバイスの光学的効果が予想通りにいかなかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、基板と、保護層とを備えた発光素子を提供し、基板の上に基板と保護層との間に配置された複数のバンプを有し、前記複数のバンプのうち隣り合う2つのバンプを有し、前記隣り合う2つのバンプ間に有機材料を含む有機発光ユニットを有する。前記複数のバンプのうちの少なくとも1つは基板から離れた表面を含み、前記表面は波打ち部を含み、前記波打ち部は基板に面する頂点を含む。発光素子は、前記基板と保護層との間に配置された光吸収ユニットも備える。
【0004】
本発明は、基板を備えた発光素子を提供し、前記基板の上に複数の有機発光ユニットを有し、前記複数の有機発光ユニットは第1発光ユニットと、第2発光ユニットとを備え、第1発光ユニット及び第2発光ユニットは各々有機材料を含む有機発光スタック層を有し、それぞれ異なる色の光を放射し、前記第1発光ユニットの有機発光スタック層の総厚は第2発光ユニットの有機発光スタック層の総厚より大きい。
【0005】
本発明は、基板を用意する手順と、前記基板上に複数のバンプを形成する手順とを含む発光素子の製造方法を提供する。製造方法は、前記複数のバンプ上に感光層を形成する手順と、前記感光層を貫通する凹溝を形成して表面を露出させるため、前記感光層をパターン化する手順とも含む。製造方法は、前記表面上に有機材料を設ける手順と、前記パターン化された感光層を除去する手順と、複数のバンプの上に誘電体層を連続的に配置する手順とも含む。前記複数のバンプのうちの少なくとも1つは基板から離れた表面を含み、前記表面は波打ち部を含み、前記波打ち部は基板に面する頂点を含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプの吸収率は、60%以上であり、前記特定の波長は400nm以下である。
【0007】
いくつかの実施形態において、特定の波長に対する保護層の吸収率は、60%以上であり、前記特定の波長は400nm以下である。
【0008】
いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機材料の吸収率は、60%以上であり、前記特定の波長は400nm以下である。
【0009】
いくつかの実施形態において、特定の波長に対する感光層の吸収率は、30%以上であり、前記特定の波長は400nm以下である。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記有機材料は、有機層に配置することができ、前記有機層は電子輸送層(ETL)、電子注入層(EIL)、発光層(EM)、正孔阻止層(HBL)、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)のうちの1つであり得る。
【0011】
いくつかの実施形態において、特定の波長に対する光吸収ユニットの吸収率は、60%以上であり、前記特定の波長は400nm以下である。
【0012】
いくつかの実施形態において、各発光ユニットは、サイズが各発光ユニットの下にあるアノードの総面積に等しい有効発光領域を有し、かつ各発光ユニットは発光時に暗い領域と明るい領域を有し、前記暗い領域の総面積は前記有効発光領域の50%未満である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】発光素子の中間体を示す上面図である。
図2A図1のA-A線に沿った断面図である。
図2B】隣り合う2つの第1電極上に配置されたバンプを示す概略図である。
図2C】バンプの別の実施形態を示す概略図である。
図3】一実施形態の断面図である。
図4A】いくつかの発光画素を有する発光層の一部を示す上面図である。
図4B】いくつかの発光画素を有する発光層の一部を示す上面図である。
図5】一実施形態の断面図である。
図6A】電極を示す断面図である。
図6B】電極を示す断面図である。
図6C】電極を示す断面図である。
図7A】一実施形態の断面図である。
図7B】一実施形態の断面図である。
図8】一実施形態に係る発光素子の断面図である。
図9】一実施形態に係る発光素子の上面図である。
図10】一実施形態に係る発光素子の断面図である。
図11】一実施形態に係る発光素子の断面図である。
図12】一実施形態に係る発光素子の断面図である。
図13】一実施形態に係る発光素子の断面図である。
図14】一実施形態に係る発光素子の断面図である。
図15図15は、一実施形態に係る発光素子の断面図である。図15A図15Fは、一実施形態に係る発光素子の製造方法を示す図である。
図16図16A図16Gは、一実施形態に係る発光素子の製造方法を示す図である。
図17A】一実施形態に係る発光素子の一部を示す断面図である。
図17B】一実施形態に係る発光素子の一部を示す断面図である。
図18】一実施形態に係るバンプを示す断面図である。
図19】一実施形態に係る有機発光ユニットを示す上面図である。
図20】一実施形態に係る有機発光ユニットを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、発光素子10の中間体を示す上面図である。発光素子10は、発光層と、前記発光層20の上に位置する被覆層40とを備える。発光層20について、発光画素アレイを収容するための凹部アレイを提供するようにスペーサ21を設計できる。いくつかの実施形態において、スペーサ21は、感光性材料を含み得る。
【0015】
図2Aは、図1のA-A線に沿った断面図であり、発光領域のみを示している。簡単にするため、ここで被覆層40を省略する。スペーサ21は、発光画素パターンを定義するため、複数のバンプ210を有する。凹部は、隣り合う2つのバンプ210間にあり、発光画素を収容するための空間を提供する。当業者は、断面図から観察すると、バンプ210が切り離されて示されているが、図1の上面図から観察すると、これらはスペーサ21の他の部分を介して互いに連結され得ることを理解すべきである。
【0016】
いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ210の吸収率は、50%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ210の吸収率は、60%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ210の吸収率は、70%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ210の吸収率は、80%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ210の吸収率は、90%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ210の吸収率は95%以上である。いくつかの実施形態において、特定の波長は、400nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、350nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、300nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、250nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、200nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、150nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、100nm以下である。
【0017】
一実施形態において、発光ユニット260は、第1電極215と、バンプ210及び第1電極215の上にある第1キャリア輸送層262と、第1キャリア輸送層262の一部の上にある第2キャリア輸送層263と、第2キャリア輸送層263の上にある有機発光層264とを備える。いくつかの実施形態において、キャリア注入層261は、第1電極215と第1キャリア輸送層262との間に配置される。発光ユニット260は、有機材料を含み該有機材料は異なる実施形態に従い発光ユニット260内のキャリア輸送層、キャリア注入層又は有機発光層のうちのいずれか層に配置され得る。いくつかの実施形態において、特定の波長に対する前記有機材料の吸収率は、50%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する前記有機材料の吸収率は、60%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する前記有機材料の吸収率は、70%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する前記有機材料の吸収率は、80%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する前記有機材料の吸収率は、90%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する前記有機材料の吸収率は95%以上である。いくつかの実施形態において、特定の波長は、400nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、350nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、300nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、250nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、200nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、150nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、100nm以下である。
【0018】
基板100は、発光層20の下に位置する。いくつかの実施形態において、基板100は、発光層20内の発光画素に対応するように構成されたトランジスタアレイを含んでもよい。基板100は、いくつかのコンデンサを含み得る。いくつかの実施形態において、2つ以上のトランジスタが、コンデンサ及び発光画素と回路を形成するように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態において、基板100と被覆層40との間に光吸収ユニットを含み、特定の波長に対する前記光吸収ユニットの吸収率は、50%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する前記光吸収ユニットの吸収率は、60%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する前記光吸収ユニットの吸収率は、70%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する前記光吸収ユニットの吸収率は、80%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する前記光吸収ユニットの吸収率は、90%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する前記光吸収ユニットの吸収率は95%以上である。いくつかの実施形態において、特定の波長は、400nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、350nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、300nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、250nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、200nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、150nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、100nm以下である。
【0020】
いくつかの実施形態において、基板100は、少なくとも3つの異なる層を含むスタックである。基板100は、底部にある無機誘電体層と、前記無機誘電体層上にある金属層とを有し得る。別の無機誘電体層が前記金属層の上に位置する。前記金属層は 2つの無機誘電体層間に介在される。いくつかの実施形態において、無機誘電体層は、約100ミクロン未満の曲げ半径を有する有機誘電体層と置き換えることができる。いくつかの実施形態において、無機誘電体層は、約400ミクロン~1200ミクロンの範囲の厚さを有する。金属層は約100ミクロン~400ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、基板100は、2つのポリマー層と、前記2つのポリマー層間にある無機層とを含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、基板100は、2つのポリマー層と、前記2つのポリマー層間にある金属層とを有する。いくつかの実施形態において、基板100は、2つのポリマー層と、前記2つのポリマー層間にある無機層とを有する。無機層は酸化物又は窒化物であり得る。いくつかの実施形態において、無機層は、酸化ケイ素、又は窒化ケイ素、或いは酸化アルミニウムを含む。いくつかの実施形態において、無機層はポリマー層よりも耐水性が良い。いくつかの実施形態において、ポリマー層の少なくとも片側(フィルム積層方向に沿った)が無機層でコーティングされる。いくつかの実施形態において、ポリマー層は約1ミクロン~約5ミクロンの範囲の厚さを有する。いくつかの実施形態において、基板100の一部は黒色材料で形成される。黒色材料は可視光を吸収して反射を軽減できる。
【0022】
発光画素は、基板100の上に位置する第1電極215を備える。いくつかの実施形態において、第1電極215は発光画素のアノードである。第1電極215はスペーサ21により部分的に覆われている。図2Aに示すように、第1電極215の周囲領域はバンプ210により覆われている。いくつかの実施形態において、電極215のコーナー部はバンプ210により完全に囲まれている。いくつかの実施形態において、第1電極215の側壁はバンプ210と完全に接触する。
【0023】
第1電極215は、約1500Å~約2700Åの総厚を有し得る。いくつかの実施形態において、第1電極215は、約1800Å~約2200Åの総厚を有する。いくつかの実施形態において、第1電極215は、約2000Åの総厚を有する。第1電極215は、ITO、IZO、AlCu合金、AgMo合金、約50Å~500ÅのITO(又はIZO)、500Å~2000Åの金属膜(Ag、Al、Mg、Au)及び約50Å~1000ÅのITO(又はIZO)を含み得る。
【0024】
第2の電極216は、発光材料205の上に位置する。場合によっては、第2電極216は、各発光画素の有効発光領域のみを覆うようにパターン化される。場合によっては、第2電極216は発光材料205と接触している。第2電極216は、図2Aに示すような連続膜であってもよく、発光材料205及びバンプ210の上に位置する。換言すれば、第2電極216は、複数の発光画素の共通電極である。場合によっては、第2電極216は、発光層20内の全ての発光画素に共通の電極である。
【0025】
第2電極216は、約80Å~約500Åの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極216は、約80Å~約150Åの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極216は、約150Å~約200Åの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極216は、約200Å~約300Åの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極216は、約300Å~約400Åの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極216は、約400Å~約500Åの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極216は、複合構造である。例えば第2電極216は、導電膜とその上にある透明導電膜とを備える。導電膜は、透明導電膜と発光材料205との間に位置する。いくつかの実施形態において、導電膜は、アルミニウム、金、銀、銅、マグネシウム、モリブデンなどを含む。いくつかの実施形態において、透明導電膜は、インジウム、スズ、グラフェン、亜鉛、酸素などを含む。いくつかの実施形態において、透明導電膜は、ITO(酸化インジウムスズ)である。いくつかの実施形態において、透明導電膜は、IZO(酸化インジウム亜鉛)である。いくつかの実施形態において、透明導電膜は、導電膜と発光材料205との間に位置する。
【0026】
発光材料205は、第1電極215と第2電極216との間に位置する。いくつかの実施形態において、発光材料205は、垂直方向(Y軸)に沿って積層された複数の膜を有する複合膜構造である。発光材料205は、複数のキャリア輸送又は注入膜を有し得る。発光材料205は、発光層(emittinglayer、EL)を有し得、キャリアは正孔或いは電子であり得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、バンプ210は、基板100から突出する曲面212を有し、発光材料205の一部(破線の円を参照)は曲面212の上に位置する。図2Bは、隣り合う2つの第1電極215の上に配置されたバンプ210を示す。バンプ210は、山部Pを有し、バンプの厚さHは山部Pにおける最大厚さである。本開示において、厚さはY軸に沿って測定される。バンプ210に関しては、基板100とバンプ210との界面(又は点Q)から厚さを測定する。いくつかの実施形態において、山部Pにおけるバンプ210の厚さHは、約7000Å~約10000Åである。いくつかの実施形態において、厚さHは約7000Å~約8000Åである。いくつかの実施形態において、バンプ210の厚さHは、約8000Å~約9000Åである。いくつかの実施形態において、バンプ210の厚さHは、約9000Å~約10000Åである。H は山部Pと点Qの間の最短距離である。いくつかの実施形態において、厚さHは、第1電極215の総厚よりも約1.5~2倍大きい。
【0028】
線PQは、バンプ210の中心線である。曲面212は、点Tにおいて第1電極215と交差する。Tは右側の交点、Tは左側の交点である。Wは、交点Tと線PQとの間の距離であり、Wは交点Tと線PQとの間の距離である。いくつかの実施形態において、W1は、約0.8ミクロン~約1.6ミクロンである。いくつかの実施形態において、Wは約0.8ミクロン~約1.0ミクロンである。いくつかの実施形態において、Wは約1.0ミクロン~約1.2ミクロンである。いくつかの実施形態において、Wは、約1.2ミクロン~約1.4ミクロンである。いくつかの実施形態において、Wは、約1.4ミクロン~約1.6ミクロンである。いくつかの実施形態において、Wは、Wに実質的に等しい。いくつかの実施形態において、WとWとの差は、8%より大きく、すなわち、バンプ210は、隣り合う第1の電極の上に非対称に配置される。
【0029】
バンプ210の別の特徴は、曲面212と第1の電極215との間の角度θである。角度θを測定するには、まず、交点Tから1/3W離れた点で曲線212の接線を引く。前記接線は、第1電極215の表面215aと交差するように延びる。θは、接線と表面215aとの間の角度である。いくつかの実施形態において、角度は約35度~55度の範囲である。いくつかの実施形態において、角度は約35度~45度の範囲である。いくつかの実施形態において、角度は約40度~45度の範囲である。いくつかの実施形態において、角度は約45度~50度の範囲である。いくつかの実施形態において、角度は約50度~55度の範囲である。いくつかの実施形態において、角度は約40度~55度の範囲である。
【0030】
いくつかの実施形態において、スペーサのバンプ210は、フッ素(F)を有し得る。バンプ210の曲面212に近い領域は、他の領域よりもF濃度が高い。いくつかの実施形態において、いくつかの金属酸化物粒子をバンプ210に添加することができる。これらの粒子は、発光材料205から発せられる光を散乱させる働きをすることができる。
【0031】
図2Cは、バンプ210の別の実施形態を示す。曲面212は、交点Tに近い変曲点Iを有する。曲面212は、点Pと点Iとの間で基板100から突出する。変曲点Iの後、曲面212は基板100に向けて凹んでいる。いくつかの実施形態において、変曲点Iは交点Tから約1/6W離れた位置にある。いくつかの実施形態において、変曲点Iは交点Tから約1/7W離れた位置にある。いくつかの実施形態において、変曲点Iは交点Tから約1/8W離れた位置にある。
【0032】
図3を参照すると、発光材料205は、第1電極215に沿って連続的にライニングし、曲面212を部分的に覆うようにさらに延び、点Eで終了する。換言すれば、点Eは、バンプ210、第2電極216及び発光材料205の交点である。
【0033】
発光材料205は、第1電極と重なる部分を有する。いくつかの実施形態において、該部分は有効照明領域とも呼ばれる。いくつかの実施形態において、有効照明領域は、少なくとも10ミクロン未満の幅を有する。いくつかの実施形態において、有効照明領域は、約3ミクロン~6ミクロンの幅を有する。いくつかの実施形態において、有効照明領域は、約4ミクロン~6ミクロンの幅を有する。有効照明領域は、図1の発光素子10の画素サイズを決定する。有効照明領域のサイズを10ミクロン以下に制御できるため、発光素子10の画素密度は1000又は2000ppiを超えることができる。
【0034】
水平距離δは、交点Tから端点EまでのX軸に沿った距離である。水平距離δは発光材料205がバンプ210にどのように重なるかを表す。水平距離δは重なり幅とも呼ばれる。いくつかの実施形態において、重なり幅δは、Wの約80~85%である。いくつかの実施形態において、重なり幅δは、Wの約75~80%である。いくつかの実施形態において,重なり幅δは、Wの約75~90%である。いくつかの実施形態において、重なり幅δは、約0.85ミクロン~1.0ミクロンである。いくつかの実施形態において、重なり幅δは、約0.8ミクロン~0.9ミクロンである。いくつかの実施形態において、重なり幅δは、約0.9ミクロン~1.0ミクロンである。
【0035】
いくつかの実施形態において、発光素子10には2つの異なるタイプの発光画素がある。第1タイプの画素は第1の波長スペクトルを有する光を発し、第2タイプの画素は第1の波長スペクトルとは異なる第2の波長スペクトルを有する光を発する。いくつかの実施形態において、第1タイプの画素は、第2タイプの画素よりも大きい重なり幅を有する。いくつかの実施形態において、第1タイプの画素の重なり幅は、第2タイプの画素の重なり幅より約0.1%大きい。いくつかの実施形態において、第1タイプの画素の重なり幅は、第2タイプの画素の重なり幅より約60%大きい。いくつかの実施形態において、第1タイプの画素の重なり幅は、第2タイプの画素の重なり幅より約0.1%~約60%大きい。
【0036】
図4Aは、複数の発光画素を有する発光層20の一部を示す上面図である。図中、401は第1タイプの画素、402は第2タイプの画素を示す。破線は、各画素の発光材料がバンプ210と交わる場所を表す。図4Aの破線は、図3の交点T又はTである。間隔dは、図3のバンプ210の幅であり、すなわちd=W+Wである。全てのバンプは実質的な幅を有するが、重なり幅は異なる。第1タイプの画素の重なり幅はδ、第2タイプの画素の重なり幅はδであり、δはδより小さい。したがって、発光層20のバンプは均一な幅を有し得ても、隣り合う画素が異なるタイプ(発光する波長スペクトルが異なる)の場合、異なる重なり幅を有する。
【0037】
図4Bは、複数の発光画素を有する発光層20の一部を示す上面図である。図中、401は第1タイプの画素、402は第2タイプの画素、403は第3タイプの画素を示す。破線は、各画素の発光材料がバンプ210と交わる場所を表す。図4Aの破線は、図3の交点T又はTである。間隔dは、図3のバンプ210の幅であり、すなわちd=W+Wである。全てのバンプは実質的な幅を有するが、重なり幅は異なる。第1タイプの画素の重なり幅はδ、第2タイプの画素の重なり幅はδであり、第3タイプの画素はδであり、δはδより小さく、δはδより小さい。図4Aと同様に、発光層20のバンプは均一な幅を有し得ても、隣り合う画素が異なるタイプ(発光する波長スペクトルが異なる)の場合、異なる重なり幅を有する。いくつかの実施形態において、δはδより約0.1%~約60%小さく、δはδより0.1%~約60%小さい。
【0038】
垂直距離λは、交点Tから端点EまでのY軸に沿った距離である。垂直距離λは、発光材料205がバンプ210にどのように重なるか、バンプ210をどのように覆うかを示すために用いられることもできる。垂直距離λは重なり高さとも呼ばれる。いくつかの実施形態において、重なり高さλはHの約60~80%である。いくつかの実施形態において、重なり高さλはHの約60~75%である。いくつかの実施形態において、重なり高さλはHの約65~75%である。いくつかの実施形態において、重なり高さλはHの約70~80%である。いくつかの実施形態において、重なり高さλはHの約70~75%である。いくつかの実施形態において、重なり高さλはHの約60~75%である。いくつかの実施形態において、重なり高さλはHの約75~80%である。
【0039】
いくつかの実施形態において、重なり高さλは約0.6ミクロン~0.8ミクロンである。いくつかの実施形態において、重なり高さλは約0.65ミクロン~0.7ミクロンである。いくつかの実施形態において、重なり高さλは約0.7ミクロン~0.75ミクロンである。いくつかの実施形態において、重なり高さλは約0.75ミクロン~0.8ミクロンである。
【0040】
いくつかの実施形態において、第1タイプの画素は、第2タイプの画素よりも大きな重なり高さを有する。いくつかの実施形態において、第1タイプの画素の重なり高さは、第2タイプの画素の重なり高さより約20%~約50%大きい。いくつかの実施形態において、第1タイプの画素の重なり高さは、第2タイプの画素の重なり高さよりも大きく、第2タイプの画素の重なり高さは、第3タイプの画素の重なり高さよりも大きい。いくつかの実施形態において、第1タイプの画素の重なり高さは、第2タイプの画素の重なり高さより約20%~約50%大きい。
【0041】
いくつかの実施形態において、第2タイプの画素の重なり高さは、第3タイプの画素の重なり高さよりも約20%~約50%大きい。場合によっては、発光材料205は曲面212と接触している。発光材料205の曲面212と接触する部分は、曲面212と共形(conformal)である。
【0042】
いくつかの実施形態において、電極215は、複合構造である。例えば電極215は、導電膜とその上にある透明導電膜とを備える。図6Aは、電極215の例である。導電膜2151は、透明導電膜2152と基板100との間に位置する。いくつかの実施形態において、導電膜2151は、アルミニウム、金、銀、銅などを含む。いくつかの実施形態において、透明導電膜2152は、インジウム、スズ、グラフェン、亜鉛、酸素などを含む。いくつかの実施形態において、透明導電膜2152は、ITO(酸化インジウムスズ)である。いくつかの実施形態において、透明導電膜2152は、IZO(酸化インジウム亜鉛)である。金属膜2151の厚さは、約1500Å~約3000Åの範囲であってもよい。透明導電膜2152の厚さは、約80Å~約1000Åの範囲であってもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、図6Bに示すように、透明導電膜2152はさらに延在して導電層2151の側壁215bを覆う。いくつかの実施形態において、図6Cに示すように、側壁215bに沿った透明導電膜2152の厚さは、側壁215bの最上部215cで最大となり、側壁の最下部215d(透明導電膜2152と基板100との交わる場所)で最も薄くなる。いくつかの実施形態において、透明導電膜2152の厚さは、透明導電膜2152と基板100との間の垂直距離に対して勾配を持って増加する。
【0044】
いくつかの実施形態において、透明導電膜2152は、図7Aに示すように、隣り合うが別々2つの導電層間の谷部(valley)350までさらに延在する。バンプ210は、該谷部を埋める。谷部350において、透明導電膜2152の一側は基板100に接触し、反対側はバンプ210に接触する。導電膜は谷部350から完全に除去される。透明導電膜2152は、連続的であってもよく、或いはバンプ210と基板100との間に敷き並べるいくつかのセクションに分割されてもよい。図7Bは、いくつかの実施形態において、透明導電膜2152はいくつかのセクションに分割されて基板の上にランダムに分布する様子を示す。いくつかの実施形態において、谷部350内の透明導電膜2152の平均厚さは、導電層2151上の透明導電膜層2152の厚さの約1/4~約1/2である。
【0045】
いくつかの実施形態において、第1電極215は、少なくとも3つの異なる膜を有する。導電膜(例えばAl、Cu、Ag、Au等)は、2つの透明導電膜間に介在する。場合によっては、2つの透明導電膜のうちの1つはITOであり、一側が基板100と接触し、他側が導電膜と接触している。場合によっては、2つの透明導電膜のうちの1つはITOであり、一側が導電膜と接触し、他側がバンプ210或いは発光材料205と接触する。
【0046】
図8は、発光素子の一実施形態を示す。図8は、いくつかの実施形態における本発明の態様による該発光素子の断面図である。該発光素子は、基板100と、基板100の上にあるバンプ210と、バンプ210間かつ基板100の上にある発光ユニット260とを備える。
【0047】
発光ユニット260は、基板100上の第1電極215と、第1電極215上の有機層269と、有機層269上の第2電極216とを含む。
【0048】
有機層269は、例えば気相成長、液体噴射又はインクジェット印刷の各種処理を介して形成することができる。いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機層269の吸収率は、50%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機層269の吸収率は、60%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機層269の吸収率は、70%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機層269の吸収率は、80%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機層269の吸収率は、90%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機層269の吸収率は95%以上である。いくつかの実施形態において、特定の波長は、400nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、350nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、300nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、250nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、200nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、150nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、100nm以下である。一実施形態において、発光ユニット260は、第1電極215と、バンプ210及び第1電極215上の第1キャリア輸送層262と、第1キャリア輸送層262の一部の上の第2キャリア輸送層263と、第2キャリア輸送層263の上にある有機発光層264とを備える。いくつかの実施形態において、キャリア注入層261は、第1電極215と第1キャリア輸送層262との間に配置される。
【0049】
いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発光層264の吸収率は、50%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発光層264の吸収率は、60%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発光層264の吸収率は、70%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発光層264の吸収率は、80%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発光層264の吸収率は、90%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発光層264の吸収率は95%以上である。いくつかの実施形態において、特定の波長は、400nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、350nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、300nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、250nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、200nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、150nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、100nm以下である。
【0050】
画素配列に応じて第1電極アレイのパターンを設計する。バンプ210のパターンは画素配列に応じて設計され、パターン化されたバンプ210は画素定義層(PDL)と呼ばれることもある。各バンプ210は、隣り合う2つの第1電極215間の隙間を埋める。各第1電極215は、バンプ210により部分的に覆われている。
【0051】
いくつかの実施形態において、キャリア注入層261は、バンプ210及び第1電極215の露出表面上に配置される。キャリア注入層261は、バンプ210及び第1電極215の露出表面を連続的に覆う。いくつかの実施形態において、各第1電極215の露出表面は、1つの発光ユニット260の有効発光領域として構成される。任意選択で、キャリア注入層261はPDLバンプ210と接触している。いくつかの実施形態において、キャリア注入層261は第1電極215と接触している。いくつかの実施形態において、キャリア注入層261は有機物である。いくつかの実施形態において、キャリア注入層261は、正孔注入を実行するように構成される。いくつかの実施形態において、キャリア注入層261は正孔注入層である。
【0052】
第1キャリア輸送層262は、バンプ210及び第1電極215の露出表面上に設けられる。キャリア注入層261は、第1キャリア輸送層262の下に設けられる。第1キャリア輸送層262は、キャリア注入層261を連続的に覆っている。第1キャリア輸送層262は、複数のPDLバンプ210及び複数の第1電極215を覆う。任意選択で、第1キャリア輸送層262はキャリア注入層261と接触している。いくつかの実施形態において、第1キャリア輸送層262は有機物である。いくつかの実施形態において、第1のキャリア輸送層262は、正孔輸送を実行するように構成される。いくつかの実施形態において、第1キャリア輸送層262は第1正孔輸送層である。
【0053】
いくつかの実施形態において、キャリア注入層261は、複数のセグメントに分割して構成され、第1キャリア輸送層262はバンプ210及び分割されたキャリア注入層261の露出部分を連続的に覆う。キャリア注入層261の各セクションは、第1電極215に対して垂直に整列されることができる。換言すれば、キャリア注入層261は、バンプ210及び第1電極215の露出部分を連続的に覆っていない。各発光ユニット260は、その上に配置された分離のキャリア注入層261を有する。
【0054】
第2キャリア輸送層263は、第1キャリア輸送層262の一部の上に設けられる。第2キャリア輸送層263は、第1電極215に対して垂直に整列されることができる。第2キャリア輸送層263は、中央領域2631と、中央領域2631を取り囲む周辺領域2632とを備える。いくつかの実施形態において、中央領域2631は、キャリア注入層261と第1電極215との間の界面2611に対して垂直に整列されている。いくつかの実施形態において、周辺領域2632は、図3の交点Tと端点Eとの間の発光素子の部分に対して垂直に整列される。
【0055】
第1キャリア輸送層262と第2キャリア輸送層263の周辺領域2632の重なり部分は、第1キャリア輸送層262と第2キャリア輸送層263の中央領域2631の重なり部分の厚さG1よりも厚い厚さG2を有する。いくつかの実施形態において、第2キャリア輸送層263の厚さと第1キャリア輸送層262の厚さの比は、0.1~0.7の範囲である。第2キャリア輸送層263は、1nm~100nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、第2キャリア輸送層263は、5nm~80nmの範囲の厚さを有する。
【0056】
いくつかの実施形態において、第2キャリア輸送層263の厚さとは対照的に、第1キャリア輸送層262の厚さは、均一ではない。第2キャリア輸送層263の上面とは対照的に、第1キャリア輸送層262の上面は粗くてもよい。いくつかの実施形態において、キャリア注入層261と第1キャリア輸送層262との間の界面とは対照的に、点P1と点P2との間にある第1キャリア輸送層262と第2キャリア輸送層263との間の界面は凹凸面となっている。第2キャリア輸送層263は、第1キャリア輸送層262よりも優れた均一性を有し得る。いくつかの実施形態において、第1キャリア輸送層262は、第2キャリア輸送層263よりも優れた厚さ均一性を有し得る。いくつかの実施形態において、第2キャリア輸送層263は、第1キャリア輸送層262と、バンプ210及び第1電極上に設けられたキャリア注入層261とを備えた下層と共形である。
【0057】
断面の角度から見ると、第2キャリア輸送層263は、第1キャリア輸送層262の点P1から点P2まで延びている。有機発光層264の第1端は点P1にある。同様に、有機発光層264の第1端部の反対側にある第2端部は、点P2にある。第1キャリア輸送層262は、点P1と点P2の各々の両側で異なる厚さを有し、例えば点P2に近い点P1側の第1キャリア輸送層262の厚さは、点P2から遠い点P1側の第1キャリア輸送層262の厚さよりも厚い。同様に、点P1に近い点P2側の第1キャリア輸送層262の厚さは、点P1から遠い点P2側の第1キャリア輸送層262の厚さよりも厚い。いくつかの実施形態において、点P1とP2の間の第1キャリア輸送層262の厚さは、点P1とP2の外側の第1キャリア輸送層262の厚さよりも薄い。点P1と基板100との間の垂直距離は、点P2と基板100との間の垂直距離と等しくなくても等しくてもよい。
【0058】
図9は、図8に示す発光ユニット260の上面図である(図8は、図9のB-B線に沿った断面図である)。中央領域2631及び周辺領域2632は、図9では矩形として示されているが、設計者の好みに応じて他の形状を用いることもできる。各領域の表面積は、キャリア注入層261と第1電極215との間の界面2611により決まる。中央領域2631の側面に設けられた2つの周辺領域2632の各々の表面積は、同じであっても異なっていてもよい。
【0059】
第2キャリア輸送層263の別の領域2633が図9に示されている。領域2632及び領域2633は、連続したリングに結合してもよく、該リング状パターンは中央領域2631の周囲である。リング状パターンの幅は均一ではなく、セグメントごとに異なる場合があり、例えば領域2632の幅は、同じリング内の領域2633の幅と異なる場合がある。上面図から見ると、領域2632及び領域2633の外側境界は有機発光層264の境界であり得る。
【0060】
図8に戻って参照すると、いくつかの実施形態において、第1キャリア輸送層262及び第2キャリア輸送層263のうちの少なくとも1つは有機材料を含む。該有機材料は、共鳴構造を有する分子構造を含んでもよい。該有機材料は、スピロ-トリアリールアミン、ビストリアリールアミン及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることができる。いくつかの実施形態において、第1キャリア輸送層262及び第2キャリア輸送層263のうちの少なくとも1つはスピロトリアリールアミンを含む。いくつかの実施形態において、第1キャリア輸送層262及び第2キャリア輸送層263のうちの少なくとも1つは、ビストリアリールアミンを含む。いくつかの実施形態において、第1キャリア輸送層262及び第2キャリア輸送層263は同じ材料を含む。いくつかの実施形態において、
第1キャリア輸送層262は、
【化1】
を含み、第2キャリア輸送層263は
【化2】
を含む。いくつかの実施形態において、第1キャリア輸送層262は、
【化3】
を含み、第2キャリア輸送層263は
【化4】
を含む。
【0061】
有機発光層264は、第2キャリア輸送層263の上に設けられ、第2キャリア輸送層263を完全に覆う。有機発光層264の周辺部は、第2キャリア輸送層263の周辺部と重なっている。有機発光層264は、点P1と点P2との間に延在する。有機発光層264は、第1の色を発するように構成される。有機発光層264は有機発光材料を含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、有機発光層264の第1端は、点P1で第1キャリア輸送層262及び第2キャリア輸送層263と交わる。有機発光層264はまた、第1端の反対側にある第2端を有する。同様に、有機発光層264の第2端は、点P2で第1キャリア輸送層262及び第2キャリア輸送層263と交わる。
【0063】
いくつかの実施形態において、有機キャリア輸送層265は、有機発光層264の上に設けられる。有機キャリア輸送層265は、電子輸送層であり得る。いくつかの実施形態において、有機キャリア輸送層265及び第1キャリア輸送層262は、それぞれ、反対の電荷に対して配置される。
【0064】
いくつかの実施形態において、有機キャリア輸送層265は、有機発光層264上に設けられ、有機キャリア輸送層を完全に覆う。有機キャリア輸送層265の周辺部は、有機発光層264の周辺部及び第2キャリア輸送層263の周辺部と重なり得る。有機キャリア輸送層265は、点P1と点P2との間に延在する。いくつかの実施形態において、有機キャリア輸送層265は、有機発光層264及び第1キャリア輸送層262の有機発光層264を通じて露出する部分の上に設けられ、これらを連続的に覆う。いくつかの実施形態において、有機キャリア輸送層265は、有機発光層264及び第1のキャリア輸送層262の有機発光層264を通じて露出する部分と接触している。いくつかの実施形態において、第2電極216は、有機キャリア輸送層265の上に設けられる。
【0065】
いくつかの実施形態において、該有機キャリア注入層は、有機キャリア輸送層265と第2電極216との間に設けられる。いくつかの実施形態において、発光ユニット260は、別個の有機キャリア注入層を有する。いくつかの実施形態において、該有機キャリア注入層は、有機キャリア輸送層265の上に設けられ、有機キャリア輸送層265を連続的に覆い、第2電極216は、該有機キャリア注入層の上に設けられ、有機キャリア注入層を連続的に覆う。いくつかの実施形態において、有機キャリア輸送層265は、電子輸送及び電子注入を実行するように構成される。いくつかの実施形態において、該有機キャリア注入層は、電子輸送及び電子注入を実行するように構成される。いくつかの実施形態において、該有機キャリア注入層は、電子注入層である。
【0066】
図10は、発光素子の他の実施形態を示す断面図。図10を参照すると、いくつかの実施形態において、第1キャリア輸送層262と第2キャリア輸送層263との間の界面2621は、点P1と点P2との間に延在する。界面2621は、湾曲、凹凸面となってもよい。いくつかの実施形態において、界面2621は凹部、例えばV字形の凹部を備える。第1キャリア輸送層262は、界面2621上に位置し、点P1の近傍にある変曲点I1を含む。変曲点I1は、点P2よりも点P1に近い。いくつかの実施形態において、点P1は点I1よりもバンプ210の頂点に近い。界面2621は、点P1と変曲点I1との間で基板100に向けて凹んでいる。換言すれば、第1キャリア輸送層262は、点P1と変曲点I1との間に凹部2623を備える。変曲点I1から発光素子260の中心付近までは、界面2621が基板100から突出する凸形状をなしている。いくつかの実施形態において、凹部2623はV字形の凹部である。
【0067】
同様に、別の変曲点I2は、界面2621に位置し、点P2に近い。変曲点I2は、点P1よりも点P2に近い。いくつかの実施形態において、点P2は点I2よりもバンプ210の頂点に近い。界面2621は、点P2と変曲点I2との間で基板100に向けて凹んでいる。換言すれば、第1キャリア輸送層262は、点P2と変曲点I2との間に凹部2622を備える。変曲点I2から発光素子260の中心付近までは、界面2621が基板100から突出する凸形状をなしている。いくつかの実施形態において、凹部2622は、V字形の凹部である。
【0068】
図11は、本発明の別の実施形態に係る発光素子を示す断面図である。発光素子は、基板100と、基板100上にある複数のバンプ210と、バンプ210により分離された複数の発光ユニットとを備える。
【0069】
これらの発光ユニットには、第1発光ユニット260と、第2発光ユニット270とを備える。発光ユニット260、270は、基板100上にある第1電極215と、該第1電極上にある有機層269、279と、有機層269、279上にある第2電極216とを備える。第1発光ユニット260は、上述した通り、又は図8図10に示した通りであり、第2発光ユニット270は第1発光ユニット260と同様の構造を有する。なお、第1及び第2発光ユニット260、270は同様の特徴を有するものとして示されているが、これは単なる例示であり、これらの実施形態を限定する意図で用いられるものではない。第1発光ユニット260及び第2発光ユニット270は、所望の機能要件を満たすため、同様の構造を有しても異なる構造を有してもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260と第2発光ユニット270は、互いに隣り合う。いくつかの実施形態において、該発光素子は、複数の発光ユニットを備え、第1及び第2発光ユニット260、270は該複数の発光ユニットのうちの任意の2つであってもよい。当業者であれば、任意の適切な数の発光ユニットを使用することができ、このような組み合わせは全て、これらの実施形態の範囲内に完全に含まれることを容易に理解するであろう。
【0071】
いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260は第1の色を表示し、第2発光ユニット270は第1の色とは異なる第2色を表示する。有機層269、279の厚さは、対応する発光ユニット260、270により表示される色に関係し得る。有機層269、279は、異なる厚さを有してもよい。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の先に形成された有機層269の厚さは、第2発光ユニット270の後に形成された有機層279の厚さよりも薄く、第1発光ユニット260から放射される光の波長は、第2発光ユニット270から放射される光の波長よりも長い。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260は、緑色光又は赤色光を発する。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260は緑色光を発し、第2発光ユニット270は赤色光又は青色光を発する。有機層269、279は、例えば気相成長、液体噴射又はインクジェット印刷の各種処理を介して形成することができる。
【0072】
いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の有機層269の厚さは、第2発光ユニット270の有機層279の厚さの約20%~約80%に等しい。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の有機層269の厚さは、第2発光ユニット270の有機層279の厚さの約30%~約50%に等しい。
【0073】
いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の有機層269の厚さの均一性は、第2発光ユニット270の有機層279の厚さの均一性よりも大きい。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の輝度は、第2発光ユニット270の輝度よりも低い。
【0074】
いくつかの実施形態において、有機層269、279の各々は、第1電極215上にある有機発光層264、274,と、有機発光層264、274の上に設けられた電極輸送層266、275とを備え。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の電極輸送層266の厚さは、第2発光ユニット270の電極輸送層275の厚さよりも薄い。第1発光ユニット260の電極輸送層266の厚さは、第2発光ユニット270の電極輸送層275の厚さの約20%~約80%に等しい。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の電極輸送層266の厚さの均一性は、第2発光ユニット270の電極輸送層275の厚さの均一性よりも大きい。いくつかの実施形態において、各電極輸送層266、275は、副層を含む。
【0075】
第1発光ユニット260の有機発光層264の厚さと第2発光ユニット270の有機発光層274の厚さは、実質的に等しくてもよい。
【0076】
断面の角度から見ると、第1発光ユニット260は、有機層269と第2電極216との間にある中間層312をさらに備える。いくつかの実施形態において、中間層312の厚さは、不均一で、第2電極216が中間層312と共形である。
【0077】
いくつかの実施形態において、有機層269の厚さは、不均一である。有機層269の厚さの不均一は、発光素子の製造工程により引き起こされる可能性がある。いくつかの実施形態において、有機層269の厚さは、中間層312の厚さに関係する。いくつかの実施形態において、有機層269の厚さが薄いほど、中間層312の厚さは厚くなる。
【0078】
いくつかの実施形態において、有機層269の上面313は、有機層269と中間層312との間の界面である。発光素子の製造工程により、上面313は粗く、凹凸面となる場合がある。いくつかの実施形態において、上面313の粗さは均一ではなく、上面313は、粗さが変化する複数の領域を備え、各領域の粗さは該領域が接触する中間層312の厚さに関係する。いくつかの実施形態において、ベース層269の上面313が粗くなるほど、中間層312の厚さは厚くなる。
【0079】
第1発光ユニット260の有機層269は、第1材料を含み、第1発光ユニット260及び第2発光ユニット270の第2電極216は電極材料を含み、第1発光ユニット260の中間層312は該第1材料及び該電極材料を含む。いくつかの実施形態において、中間層312内の電極材料の濃度は、第2電極216から第1発光ユニット260の有機層269に向けて減少する。いくつかの実施形態において、中間層312の形成は、第2電極216の電極材料を第1発光ユニット260の有機層269に拡散させることを含む。
【0080】
いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の中間層312は、第3材料をさらに含む。第3材料は、第1材料及び電極材料からの反応物であるか、又は第1材料及び電極材料をキレート化することにより形成される。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の中間層312は、中央領域と、中央領域を取り囲む周辺領域とを備える。中間層312における中央領域の第3材料の量は、第1発光ユニット260における中間層312の周辺領域の第3材料の量よりも多い。
【0081】
断面図から見ると、第1発光ユニット260における中間層312の2つの対向端は、それぞれ第1合流点T11及び第2合流点T12において有機層269及び第2電極216と合流する。いくつかの実施形態において、第1合流点T11と基板100との間の距離は、第2合流点T12と基板100との間の距離とは異なる。
【0082】
いくつかの実施形態において、各バンプ210は、基板100から突き出て第1電極215の周辺領域を覆う曲面を有する。第1発光ユニット260は、第1発光ユニット260の対向する両側でバンプ210と重なり、第1発光ユニット260の対向する両側のバンプ210上で軸に沿って測定した第1重なり幅と第2重なり幅は実質的に等しく、第1合流点T11と基板100との間の距離は第2合流点T12と基板100との間の距離と同様であってもよい。第2発光ユニット270は、第2発光ユニット270の側面でバンプ210と重なり、第2発光ユニット270はバンプ210上でX軸に沿って測定した第3重なり幅は第1発光ユニット260の第1重なり幅及び第2重なり幅とは異なる。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260及び第2発光ユニット270は、上述のように、或いは図4Aに示されるように配置される。いくつかの実施形態において、第1重なり幅と第3重なり幅との差は、第1発光ユニット260の幅の約0.1%~約60%に等しい。
【0083】
いくつかの実施形態において、第2発光ユニット270は、有機層279と第2電極216との間に中間層322をさらに備える。第2発光ユニット270の有機層279は第2材料を含み、第2発光ユニット270の中間層322は第2材料及び電極材料を含む。いくつかの実施形態において、第2発光ユニット270の中間層322の電極材料の量は、第1発光ユニット260の中間層312の電極材料の量よりも少ない。
【0084】
いくつかの実施形態において、第2発光ユニット270の中間層322は、第4材料をさらに備える。第4材料は、第2材料及び電極材料からの反応物であるか、又は第2材料及び電極材料をキレート化することにより形成される。第2発光ユニット270の中間層322は、中央領域と、中央領域を取り囲む周辺領域とを備えることができる。中間層322における中央領域の第4材料の量は、中間層312の周辺領域の第4材料の量よりも多い。
【0085】
いくつかの実施形態において、第2発光ユニット270の中間層322の厚さと第1発光ユニット260の中間層312の厚さの比は、0.001~0.2の範囲である。有機層269、279の厚さは、中間層312、322の厚さに関係し得る。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の有機層269の厚さは、第2発光ユニット270の有機層279の厚さより薄く、第1発光ユニット260の中間層312の厚さは第2発光ユニット270の中間層322の厚さよりも厚い。
【0086】
いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の中間層312の厚さの均一性は、第2発光ユニット270の中間層322の厚さの均一性よりも大きい。中間層312、322の厚さの均一性は、第2電極216の電極材料の拡散に関係し得る。いくつかの実施形態において、有機層269、279の厚さの均一性が大きいほど、電極材料の拡散の度合いが大きくなり、すなわち、中間層312、322の厚さが厚くなる。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の中間層312の厚さの均一性は、第2発光ユニット270の中間層322の厚さの均一性よりも大きく、第1発光ユニット260の中間層312の厚さは、第2発光ユニット270の中間層322の厚さよりも大きい。
【0087】
いくつかの実施形態において、第2電極216は、いくつかのブロックに分割され、各ブロックは発光ユニット内に配置される。いくつかの実施形態において、第1及び第2発光ユニット260、270は、共通の第2電極216を共有する。
【0088】
図12は、本発明の別の実施形態の発光素子を示す断面図である。いくつかの実施形態において、有機層269、279の各々は、有機発光層264、274と第1電極215との間にある第1キャリア輸送層262、272をさらに備える。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の第1キャリア輸送層262の厚さは、第2発光ユニット270の第1キャリア輸送層272の厚さよりも厚い。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の第1キャリア輸送層262の厚さの均一性は、第2発光ユニット270の第1キャリア輸送層272の厚さの均一性よりも小さい。いくつかの実施形態において、第1キャリア輸送層272は、第2正孔輸送層である。
【0089】
いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の第2キャリア輸送層263の厚さは、第2発光ユニット270の第2キャリア輸送層273の厚さと異なる。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の第1キャリア輸送層262と第2キャリア輸送層263の総厚は、第2発光ユニット270の第1キャリア輸送層272と第2キャリア輸送層273の総厚に実質上、等しい。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の第1キャリア輸送層262の厚さは、第2発光ユニット270の第1キャリア輸送層272の厚さよりも厚く、第1発光ユニット260の第2キャリア輸送層263の厚さは、第2発光ユニット270の第2キャリア輸送層273の厚さよりも薄い。
【0090】
第1発光ユニット260及び第2発光ユニット270は、第1発光ユニット260及び第2発光ユニット270の有機発光層264の上、及び第1発光ユニット260の中間層312の上に有機キャリア輸送層265を有し得る。いくつかの実施形態において、第1及び第2発光ユニット260、270は、共通の有機キャリア輸送層265を共有する。有機キャリア輸送層265は、第1及び第2発光ユニット260、270のバンプ210及び有機発光層264の上にある。いくつかの実施形態において、第2電極216は、中間層312及び有機キャリア輸送層265の露出部分の上に設けられる。
【0091】
いくつかの実施形態において、発光素子は、バンプ210及び第1電極215の上に設けられ、連続的にこれらを覆うキャリア注入層261(第1キャリア輸送層262と同じ種類)をさらに備える。第1発光ユニット260の有機発光層264は、第2キャリア輸送層263と対応する有機キャリア輸送層265との間に設けられ得る。第1発光ユニット260及び第2発光ユニット270の有機キャリア輸送層265は、電子輸送層であり得る。同様に、第2発光ユニット270の有機発光層274は、第2キャリア輸送層273と対応する有機キャリア輸送層265との間に設けられ得る。
【0092】
第1発光部260及び第2発光部270の各々は、点P1及び点P2を含む。点P1及びP2の各々は、第2キャリア輸送層263、273の一端が対応する有機発光層264、274及び第1キャリア輸送層262、272と合流する位置を表す。いくつかの実施形態において、断面図から見ると、第1発光ユニット260及び第2発光ユニット270の各々は、第2キャリア輸送層263、273の対向する両端にある点P1及びP2を含む。点P1及び点P2は、有機発光層264、274の対向する両端に位置する。
【0093】
点P1と第1発光ユニット260の基板100との間の垂直距離は、点P1と第2発光ユニット270の基板100との間の垂直距離と同じであっても、異なっていてもよい。同様に、点P2と第1発光ユニット260の基板100との間の垂直距離は、点P2と第2発光ユニット270の基板100との間の垂直距離と同じであってもよく、異なっていてもよい。第1発光ユニット260の点P1と点P2との間の距離は、第2発光ユニット270の点P1と点P2との間の距離と同じであっても、異なっていてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態において、第1の色が緑色で第2の色が赤色又は青色である場合、或いは第1の色が赤色で第2の色が青色である場合、第1発光ユニット260の第1キャリア輸送層262は、第2発光ユニット270の第1キャリア輸送層272よりも薄い。
【0095】
図13は、本発明の別の実施形態の発光素子を示す断面図である。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の中間層312は、複数の不連続セクション312aを備え、各セクション312aは第1発光ユニット260内に設けられる。セクション312aの形状及びサイズは、実際の必要に応じて同じであっても、異なっていてもよい。
【0096】
セクション312aは、上面313に設けられている。いくつかの実施形態において、上面313は粗さが変化する複数の領域を備え、セクション312aは上面313の比較的粗い領域上に形成される。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の予め形成された有機層269の上面313は、凹部、例えばV字形の凹部を備え得、セクション312aは該凹部内に設けられる。
【0097】
いくつかの実施形態において、第2発光ユニット270の中間層322は、複数の不連続セクション(図示せず)を備える。中間層322のセクションの形状及びサイズは、実際の必要に応じて同じであっても、異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第2発光ユニット270における中間層322のセクション312aの数は、第1発光ユニット260における中間層312のセクション312aの数よりも少ない。いくつかの実施形態において、第2発光ユニット270における中間層322のセクションのサイズは、第1発光ユニット260における中間層312のセクション312aのサイズより小さい。
【0098】
図14は、本発明の別の実施形態の発光素子を示す断面図である。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の有機層269は、有機層269の上面313と、上面313に形成された凹部314とを備える。第1発光ユニット260の中間層312は、凹部314内に設けられる。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の中間層312は、第1発光ユニット260の有機層269の上面313の一部をさらに覆う。いくつかの実施形態において、複数の凹部314が上面313に形成される。各凹部314の形状及びサイズは、実際の必要に応じて同じであっても、異なっていてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の中間層312の上面は、突起315を備える。突起315は、第2電極216を挿入することができる。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260の中間層312の上面は、複数の突起315を備える。
【0100】
いくつかの実施形態において、第2発光ユニット270の中間層322は、上面323を備える。第2発光ユニット270の中間層322の上面323とは反対に、第1発光ユニット260の中間層312の上面313は粗くてもよい。いくつかの実施形態において、第2発光ユニット270の中間層322の上面323とは反対に、第1発光ユニット260の中間層312の上面313は凹凸面となる。
【0101】
図15は、本発明の別の実施形態の発光素子を示す断面図である。いくつかの実施形態において、該発光素子は、第3発光ユニット280をさらに備える。第2及び第3の発光ユニット270、280は、同様の特徴を有するものとして図15に示されているが、これは例示のみを目的としており、これらの実施形態を限定する意図で用いられるものではない。第2発光ユニット270及び第3発光ユニット280は、所望の機能要件を満たすため、同様の構造を有しても、異なる構造を有してもよい。第1、第2及び第3の発光ユニット260、270、280は、少なくとも有機層269、279、289の厚さにおいて互いに異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260は緑色光を発し、第2発光ユニット270は赤色光を発し、第3発光ユニット280は青色光を発する。
【0102】
いくつかの実施形態において、発光ユニット260、270、280は、少なくとも3つの異なる群に分けられように構成され、各群は他の群とは異なる色を発する。各有機層269、279、289の厚さは、対応する発光ユニット260、270、280により表示される色に関係することができる。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260は、異なる色を発するように構成された他の発光ユニットと比較して緑色光を発し、第1発光ユニット260の有機層269は最小厚さを有することができる。いくつかの実施形態において、第2発光ユニット270は、異なる色を発するように構成された他の発光ユニットと比較して赤色光を発し、第2発光ユニット270の有機層279の厚さは、第1発光ユニット260の有機層269の厚さと第3発光ユニット280の有機層289の厚さとの間にあってもよい。いくつかの実施形態において、第3発光ユニット280は、異なる色を発するように構成された他の発光ユニットと比較して青色光を発し、第3発光ユニット280の有機層289は最大厚さを有して得る。
【0103】
いくつかの実施形態において、第3発光ユニット280は、有機層289と第2電極216との間にある中間層(図示せず)をさらに備える。第3発光ユニット280の有機層289の厚さは、第1発光ユニット260の中間層312の厚さよりも薄い。いくつかの実施形態において、第3発光ユニット280の有機層289の厚さは、第2発光ユニット270の中間層322の厚さよりも薄い。
【0104】
いくつかの実施形態において、第1、第2、及び第3の発光ユニット260、270、280は、少なくとも第1、第2、及び第3の発光ユニット260、270、280の第1キャリア輸送層262の厚さの差において互いに異なっていてもよい。
【0105】
いくつかの実施形態において、発光ユニット260、270、280は、少なくとも3つの異なる群に分けられるように構成され、各群は他の群とは異なる色を発する。第1キャリア輸送層262の厚さは、対応する発光ユニット260により表示される色に関係し得る。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット260は、異なる色を発するように構成された他の発光ユニットと比較して緑色光を発し、第1発光ユニット260の第1キャリア輸送層262は、最小厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2発光ユニット270は、異なる色を発するように構成された他の発光ユニットと比較して赤色光を発し、第2発光ユニット270の第1キャリア輸送層272の厚さは、第3発光ユニット280の第1キャリア輸送層262の厚さと第3発光ユニット280の第1キャリア輸送層282の厚さとの間にあることができる。いくつかの実施形態において、第3発光ユニット280は、異なる色を発するように構成された他の発光ユニットと比較して青色光を発し、第3発光ユニット280の第1キャリア輸送層は最大厚さを有し得る。
【0106】
上述したように、各発光ユニットは、第1電極215上に複数の有機発光層が第1電極215に垂直な方向に沿って積層されて形成された有機発光スタック層を有する。有機発光スタック層は電子顕微鏡の下で各有機発光層を明確に識別できない場合があることに留意されたい。有機発光スタック層は、総厚を有し、総厚は有機発光スタック層と第1電極215との界面から第1電極215に垂直な方向に沿って有機発光スタック層と第2電極216との間の界面までの距離計算するものとして定義される。
【0107】
一実施形態において、第1発光ユニット及び第2発光ユニットを有し、第1発光ユニットと第2発光ユニットは、それぞれ有機材料を含む有機発光スタック層を備え、それぞれ異なる色の光を発する。第1発光ユニットの有機発光スタック層の総厚は、第2発光ユニットの有機発光スタック層の総厚よりも厚い。一実施形態において、上記第1発光ユニットと第2発光ユニットとが互に隣り合う。
【0108】
一実施形態において、第1発光ユニットの総厚は、第2発光ユニットの総厚の1.5~2倍である。一実施形態において、第1発光ユニットの総厚は、第2発光ユニットの総厚の1.3~1.5倍である。一実施形態において、第1発光ユニットの総厚は、第2発光ユニットの総厚の1.2~1.3倍である。
【0109】
一実施形態において、第1発光ユニット、第2発光ユニット及び第3発光ユニットを有し、前記第1、第2及び第3の発光ユニットはそれぞれ有機材料を含む有機発光スタック層を備え、それぞれ異なる色の光を発する。第1発光ユニットの有機発光スタック層の総厚は、第2発光ユニットの有機発光スタック層の総厚よりも厚く、第2発光ユニットの有機発光スタック層の総厚は、第3発光ユニットの有機発光スタック層の総厚よりも厚い。一実施形態において、上記各発光ユニットが互に隣り合うことができる。
【0110】
図15Aにおいて、薄膜トランジスタ(TFT)アレイを含み得る基板250を用意する。基板250上には複数の第1電極215を設ける。各第1電極215は、一側が基板250に埋め込まれた回路に接続され、他側が発光材料に接触するように構成される。第1電極のアレイパターンは、画素の配置を考慮して設計される。感光層254は、第1電極215及び基板250上に設けられる。いくつかの実施形態において、感光層254を第1電極215及び基板250上にコーティングする。
【0111】
感光層254は、隣り合う第1電極215間の隙間を埋める。感光層254を所定の温度に加熱した後、特定の波長で露光させる。感光層254は可視光の90%以上を吸収することができ、本開示では黒体材料とも呼ばれる。露光後、感光層254は現像のため溶液中で湿潤される。図15Bに示すように、感光層254の一部が除去され、残りの部分は、隣り合う第1電極215間の隙間を実質上、覆う。この断面図では、残った感光層254は複数のバンプ251を形成しており、各バンプ251は隣り合う第1電極215間の隙間を埋める。バンプ251は、各第1電極215を部分的に覆う。パターン化されたバンプ251は、画素定義層(pixeldefinedlayer、PDL)とも呼ばれる。
【0112】
バンプ251は、異なる形状に形成されてもよい。図15Bにおいて、バンプ251は、曲面を有する。いくつかの実施形態において、バンプ251の形状は、台形である。バンプ251を形成した後、バンプ251及び第1電極215の露出面を洗浄するため、洗浄操作を実行し得る。一実施形態において、洗浄操作の間、脱イオン水を30℃~80℃の範囲の温度に加熱する。脱イオン水の温度が所定の温度まで上昇した後、脱イオン水をバンプ251及び第1電極215の露出面に導く。
【0113】
いくつかの実施形態において、洗浄操作の間に超音波を使用する。洗浄剤(例えば水又はイソプロピルアルコール(IPA)など)に超音波を加える。いくつかの実施形態において、二酸化炭素を洗浄剤に導入する。洗浄操作の後、加熱操作により露出面から洗浄剤を除去する。加熱操作の間、基板250及びバンプ251を80℃~110℃の範囲の温度に加熱し得る。いくつかの実施形態において、加熱しながら残留洗浄剤を除去するのを助けため、圧縮空気を露出面に導く。
【0114】
加熱操作の後O、N、又はArプラズマで露出面を処理できる。プラズマは露出面を粗くするために用いられる。いくつかの実施形態において、露出面の表面状態を調整するため、オゾンを使用する。
【0115】
図15cに示すように、バンプ251及び第1電極215の露出面上にキャリア注入層261を設ける。キャリア注入層261は、露出面に沿って連続的にライニング(lining)する。より具体的には、各第1電極215の露出面が発光ユニットの有効発光領域として構成される。この実施形態において、全ての発光ユニットが共通のキャリア注入層261を使用する。いくつかの実施形態において、キャリア注入層261は、正孔注入に用いられる。いくつかの実施形態において、キャリア注入層261は、電子注入に用いられる。キャリア注入層261は、複数のPDLバンプ251及び第1電極215を連続的に覆う。任意選択で、キャリア注入層261はPDLバンプ251と接触している。一実施形態において、キャリア注入層261は、第1電極215と接触している。いくつかの実施形態において、キャリア注入層261は有機物である。
【0116】
図15Dに示すように、バンプ251及び第1電極215の露出面上にキャリア輸送層262(第1種キャリア輸送層)を設ける。キャリア注入層261は、キャリア輸送層262の下に設けられる。キャリア輸送層262は、キャリア注入層261に沿って連続的にライニングする。この実施形態において、全ての発光ユニットが共通のキャリア輸送層262を使用する。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層262は、正孔注入に用いられる。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層262は、電子注入に用いられる。キャリア輸送層262は、複数のPDLバンプ251及び第1電極215を連続的に覆う。任意選択で、キャリア輸送層262は、キャリア注入層261と接触している。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層262は有機物である。
【0117】
いくつかの実施形態において、図15Eに示すように、キャリア輸送層262はセグメントに構成され、キャリア注入層261は露出したPDLバンプ251及び第1の電極215に沿って連続的にライニングする。各セグメントは、第1電極215に対して垂直に並べる。換言すれば、キャリア輸送層262は、キャリア注入層261に沿って連続してライニングしていない。各発光ユニットは、その上に設けられた個別のキャリア輸送層262を有する。
【0118】
いくつかの実施形態において、図15Fに示すように、キャリア注入層261はセグメントに構成され、キャリア輸送層262は露出したPDLバンプ251及び第1電極215に沿って連続的にライニングする。各セグメントは、第1電極215に対して垂直に並べる。換言すれば、キャリア注入層261は、露出したバンプ251及び第1電極215に沿って連続してライニングしていない。各発光ユニットは、その上に設けられた個別のキャリア輸送層261を有する。
【0119】
図16Aに示すように、バッファ層301は、PDLバンプ251上に設けられ、キャリア注入層261及びキャリア輸送層262も覆う。バッファ層301は、湿気がPDLバンプ251、キャリア注入層261、及びキャリア輸送層262に侵入するのを防ぐために用いられる。一実施形態において、スピンコーティングによりバッファ層301を設ける。さらにバッファ層301を温度T1まで加熱してもよい。いくつかの実施形態において、T1は約5℃~10℃で、キャリア注入層261及びキャリア輸送層262のガラス転移温度より低い。この加熱操作には1~10分程度かかる。いくつかの実施形態において、バッファ層301はフッ素を含む。
【0120】
いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバッファ層301の吸収率は30%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバッファ層301の吸収率は40%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバッファ層301の吸収率は50%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバッファ層301の吸収率は60%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバッファ層301の吸収率は70%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバッファ層301の吸収率は80%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバッファ層301の吸収率は90%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバッファ層301の吸収率は95%以上である。いくつかの実施形態において、特定の波長は、400nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、350nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、300nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、250nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、200nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、150nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、100nm以下である。
【0121】
図16Bでは、加熱動作の後、バッファ層301上に感光層302を設ける。バッファ層301の一部が溝312を通して露出されるように、フォトリソグラフィ工程によりさらに感光層302をパターン化することができる。図16Cでは、バッファ層301の一部を除去して溝313を形成して、キャリア輸送層262を露出させる。いくつかの実施形態において、図16Cの除去動作はウェットエッチングにより実施される。
【0122】
いくつかの実施形態において、特定の波長に対する感光層302の吸収率は30%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する感光層302の吸収率は40%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する感光層302の吸収率は50%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する感光層302の吸収率は60%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する感光層302の吸収率は70%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する感光層302の吸収率は80%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する感光層302の吸収率は90%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する感光層302の吸収率は95%以上である。いくつかの実施形態において、特定の波長は、400nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、350nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、300nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、250nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、200nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、150nm以下であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、100nm以下である。
【0123】
いくつかの実施形態において、除去動作は、少なくとも2つの手順を含む。手順1は、垂直方向除去であり、図16Cに示すように、溝312の開口幅のサイズにほぼ応じてバッファ層301を切り出す。凹溝313を形成した後、図16Dに示すように、手順2の横方向除去を実施する。凹溝313がバッファ層301内にさらに延びてPDLバンプ251の最高点に向けてより多くの表面を露出するように切り欠き314を形成する。
【0124】
有機発光(EM)層263は、凹溝313内に設けられ、キャリア伝達層262及び感光層302を覆う。図16Eにおいて、EM層263が露出したキャリア輸送層262を完全に覆っている。EM層263は、第1の色を発するように構成される。
【0125】
図16Fに示すように、EM層263上に有機キャリア輸送層264(又はタイプ2のキャリア輸送層とも呼ばれる)が設けられる。有機キャリア輸送層264は、正孔或いは電子輸送層264であってもよい。いくつかの実施形態において、有機キャリア輸送層264及びキャリア輸送層262はそれぞれ、逆的価数状態で構成される。
【0126】
図16Gにおいて、有機キャリア輸送層264上に第2電極265を設ける。感光層302の頂部表面も第2電極265により覆われる。第2電極265を形成した後、感光層302を除去することができる。第2電極265は、Ag、Mgなどの金属材料で作られてもよい。いくつかの実施形態において、第2電極265は、ITO(酸化インジウムスズ)或いはIZO(酸化インジウム亜鉛)を含む。いくつかの実施形態において、断面図から見ると、各発光ユニットは独立した第2電極265を有し、複数の発光ユニットが共通のキャリア輸送層264を共有する。
【0127】
図16A図16Gに示した操作を繰り返して異なる色の発光ユニットを形成することができる。図17Aは、第1の色とは異なる第2の色を発する別の発光ユニットを示す。第1発光ユニット21と第2発光ユニット22の第2電極265は連続している。各発光ユニットは、独立したキャリア輸送層264を有する。独立したキャリア輸送層264は、複数のセグメントに分割されており、各セグメントは1つの発光ユニット上に設けられる。いくつかの実施形態において、複数の発光ユニットが共通のキャリア輸送層264を共有する。
【0128】
図17Bに示すように、いくつかの実施形態において、各発光ユニットは、独立したキャリア輸送層262(キャリア輸送層264よりも第1電極215に近い)を有する。キャリア輸送層262は複数のセグメントに分割されており、各セグメントは発光ユニット上に設けられる。いくつかの実施形態において、複数の発光ユニットが共通のキャリア輸送層262を共有する。各発光ユニットは独立したキャリア注入層261を有する。独立したキャリア注入層261は、複数のセグメントに分割されており、各セグメントは発光ユニット上に設けられる。いくつかの実施形態において、複数の発光ユニットが共通のキャリア注入層261を共有する。
【0129】
いくつかの実施形態において、第2キャリア輸送層264は、少なくとも2つの二次層を有する。第1二次層は、第2二次層とEM層264との間に介在する。いくつかの実施形態において、第2二次層は、第1二次層と第2電極265との間に介在する。いくつかの実施形態において、2つの二次層はいずれも連続的であり、発光ユニット21、22は、共通の第1二次層及び共通の第2二次層を使用する。いくつかの実施形態において、1つの二次層はセグメント化され、別の二次層は連続的である。いくつかの実施形態において、第1二次層は連続しており、第2二次層はセグメント化されている。各発光ユニットは、独立した第2二次層を有する。いくつかの実施形態において、第2二次層は連続的であり、第1二次層はセグメント化されている。各発光ユニットは、独立した第1二次層を有する。
【0130】
図18は、バンプ210の実施態様を示す。バンプ210は、基板方向から離れた表面を含み、前記表面は波打ち部211を含み,波打ち部211は、基板100又は第1電極213に面する頂点213を含む。頂点213の設置により、積層間の熱膨張係数の調整、現像工程、バンプ210の形成の調整制御、第2電極216のパラメータの生成などを通じて波打ち部211を形成し、さらに基板100又は第1電極213に面する頂点213を形成する。波打ち部211及び頂点213の存在は、第2電極216とバンプ210の表面との間の付着力を向上して、第2電極216は後工程で発生する応力によりバンプ210から剥離することを防ぐことができる。
【0131】
図19は、有機発光ユニット21の一実施形態の上面図である。発光ユニット21は、サイズが各発光ユニットの下にある第1電極213の総面積に等しい有効発光領域2101を有する。各発光ユニットは、発光時に有効発光領域2101の内部にある暗い領域及び暗い領域2103を取り囲む環状の明るい領域2102を有する。前記暗い領域2103の総面積は、前記有効発光領域の50%未満である。図20は、別の実施形態を示しており、環状の暗い領域2103は有効発光領域2101の外側に位置し、明るい領域2102を取り囲んでいる。
【0132】
黒い領域と明るい領域の判断は、顕微鏡の助けを借りて行うことができ、輝度の比較は当業者の方法で測定して比較することができる。一実施形態において、暗い領域2103の総面積は、前記有効発光領域の45%未満である。一実施形態において、暗い領域2103の総面積は、前記有効発光領域の40%未満である。一実施形態において、暗い領域2103の総面積は、前記有効発光領域の35%未満である。一実施形態において、暗い領域2103の総面積は、前記有効発光領域の30%未満である。一実施形態において、暗い領域2103の総面積は、前記有効発光面積の25%未満である。一実施形態において、暗い領域2103の総面積は、前記有効発光面積の20%未満である。一実施形態において、暗い領域2103の総面積は、前記有効発光面積の15%未満である。一実施形態において、暗い領域2103の総面積は、前記有効発光面積の10%未満である。一実施形態において、暗い領域2103の総面積は、前記有効発光面積の5%未満である。
【0133】
上記は、いくつかの実施形態の特徴を概説したため、当業者が本開示の各態様をよりよく理解できる。本開示に基づいて他の製造工程及び構造を設計又は潤色して容易に本出願に記載された実施形態と同じ目的を達成し、及び/又は同じ利点を達成できることは当業者には明白になるであろう。当業者はまた、この均等な構造が本開示の精神及び範囲から逸脱せず、多種多様な変化、置換及び代替を行うことができるが、本開示の精神及び範囲に収まることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0134】
100 基板
10 発光素子
20 発光層
21 スペーサ
40 被覆層
100 基板
205 発光材料
210 バンプ
212 曲面
215 第1電極
215a 表面
215c 最上部
215b 側壁
215d 最下部
216 第2電極
260 第1発光ユニット
261 キャリア注入層
262 第1キャリア輸送層
263 第2キャリア輸送層
264 有機発光層
265 有機キャリア輸送層
266 電極輸送層
269 有機層
270 第2発光ユニット
272 第1キャリア輸送層
273 第2キャリア輸送層
274 有機発光層
275 電極輸送層
279 有機層
280 第3発光ユニット
289 有機層
312 中間層
312aセクション
313 上面
314 凹部
315 突起
322 中間層
323 上面
350 谷部
401 第1タイプの画素
402 第2タイプの画素
403 第3型画素
2151 導電膜
2152 透明導電膜
2611 界面
2621 界面
2622 凹部
2623 凹部
2631 中央領域
2632 周辺領域
2633 領域
AA 線
d 間隔
E 点
G1 厚さ
G2 厚さ
H 厚さ
I 変曲点
PQ 線
P1 点
P2 点
交点
交点
距離
距離
λ 垂直距離
δ 水平距離
δ 重なり幅
δ 重なり幅
δ 重なり幅
θ 角度
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図17A
図17B
図18
図19
図20
【国際調査報告】