(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】拡散バリヤ及び拡散バリヤの形成方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20241018BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20241018BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20241018BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H01L21/02 B
H01L21/88 J
H01L21/90 A
H01L21/88 R
H01L21/90 L
H01L21/60 311Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525304
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 US2022048060
(87)【国際公開番号】W WO2023076495
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518065991
【氏名又は名称】アデイア セミコンダクター ボンディング テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】カトカー ラジェシュ
(72)【発明者】
【氏名】ウゾー シプリアン エメカ
【テーマコード(参考)】
5F033
5F044
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
素子が開示され、この素子は、別の素子に結合するよう構成されている。素子は、誘電体ボンディング層を有するのがよく、誘電体ボンディング層は、誘電体ボンディング層の表面から誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有する。素子は、キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた特徴部をさらに有するのがよい。素子は、導電特徴部と誘電体ボンディング層の一部分との間に拡散バリヤ層を有するのがよい。バリヤ層は、バリヤ金属を含む。拡散バリヤ層のバリヤ金属は、導電特徴部の酸化傾向よりも高い酸化傾向を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子であって、
誘電体ボンディング層を有し、前記誘電体ボンディング層は、前記誘電体ボンディング層の表面から前記誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有し、
前記キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部を有し、前記導電特徴部は、接触面を有し、
前記導電特徴部と前記誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられた拡散バリヤ層を有し、前記拡散バリヤ層は、バリヤ金属を含み、
前記拡散バリヤ層の前記バリヤ金属は、前記導電特徴部の酸化傾向よりも高い酸化傾向を有する、素子。
【請求項2】
前記バリヤ金属は、前記誘電体ボンディング層に対するタンタル又は窒化タンタルの拡散度よりも高い誘電体ボンディング層に対する拡散度を有する、請求項1記載の素子。
【請求項3】
前記バリヤ金属の厚さは、2nmから50nmまでの範囲にある、請求項1記載の素子。
【請求項4】
前記バリヤ金属の厚さは、1nmから100nmまでの範囲にある、請求項1記載の素子。
【請求項5】
前記誘電体ボンディング層の前記表面は、別の素子の誘電体層にダイレクトに結合するよう構成されたボンディング表面からなる、請求項1記載の素子。
【請求項6】
前記導電特徴部の前記接触面は、前記別の素子の接触パッドにダイレクトに結合するよう構成されている、請求項5記載の素子。
【請求項7】
前記導電特徴部は、銅からなる、請求項1記載の素子。
【請求項8】
前記拡散バリヤ層は、アニールステップに応答して前記誘電体ボンディング層中に拡散する材料からなる、請求項1記載の素子。
【請求項9】
前記誘電体ボンディング層は、酸化シリコンからなる、請求項1記載の素子。
【請求項10】
前記拡散バリヤ層は、前記バリヤ金属及び前記誘電体ボンディング層の材料を含むバリヤ化合物からなる、請求項9記載の素子。
【請求項11】
前記バリヤ化合物は、ケイ酸マンガン又はマンガン化合物からなる、請求項10記載の素子。
【請求項12】
前記拡散バリヤ層の一部分はさらに、前記誘電体ボンディング層の前記表面上に設けられ、前記拡散バリヤ層の前記一部分は、別の素子の誘電体層に結合するよう構成されている、請求項1記載の素子。
【請求項13】
前記拡散バリヤ層と前記導電特徴部との間に少なくとも部分的に設けられたバリヤ層をさらに有する、請求項1記載の素子。
【請求項14】
前記バリヤ層は、前記キャビティの底面上には設けられていない、請求項13記載の素子。
【請求項15】
前記バリヤ層は、前記誘電体ボンディング層の前記表面から前記キャビティの側壁に沿って部分的に設けられている、請求項14記載の素子。
【請求項16】
前記バリヤ層は、前記バリヤ層が前記導電特徴部と前記拡散バリヤ層を完全に隔てるよう設けられている、請求項13記載の素子。
【請求項17】
前記バリヤ層は、窒化タングステン、窒化タンタル及び/又は窒化チタンからなる、請求項13記載の素子。
【請求項18】
前記接触面と反対側に位置する前記導電特徴部の底面の下に設けられた再配線層(RDL)をさらに有する、請求項1記載の素子。
【請求項19】
前記バリヤ金属は、前記導電特徴部と前記RDLとの間に設けられている、請求項18記載の素子。
【請求項20】
前記バリヤ金属は、前記導電特徴部と合金を作るよう構成されている、請求項1記載の素子。
【請求項21】
前記導電特徴部の前記接触面には前記バリヤ金属が存在しない、請求項1記載の素子。
【請求項22】
前記導電特徴部は、基板貫通ビアである、請求項1記載の素子。
【請求項23】
前記基板貫通ビアは、前記誘電体層の厚みを貫通して延びている、請求項22記載の素子。
【請求項24】
前記拡散バリヤ層は、前記バリヤ金属の元素金属層からなり、前記素子は、非ボンデッド状態である、請求項1記載の素子。
【請求項25】
前記拡散バリヤ層は、前記バリヤ金属を含む金属ケイ酸塩材料からなり、前記素子は、第2の素子にダイレクトハイブリッドボンディングされている、請求項1記載の素子。
【請求項26】
前記バリヤ金属は、マンガンからなる、請求項1記載の素子。
【請求項27】
前記バリヤ金属は、ニッケルからなる、請求項1記載の素子。
【請求項28】
ダイレクトハイブリッドボンディング表面を有する素子であって、前記素子は、
誘電体ボンディング層を有し、前記誘電体ボンディング層は、前記誘電体ボンディング層の表面から前記誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有し、
前記キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部を有し、前記導電特徴部は、接触面を有し、
前記導電特徴部と前記誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられた拡散バリヤ層を有し、前記拡散バリヤ層は、マンガンを含み、
前記導電特徴部の前記接触面は、前記ダイレクトハイブリッドボンディング表面の一部分となっている、素子。
【請求項29】
前記拡散バリヤ層は、マンガン濃度の勾配を有する拡散済み金属層からなる、請求項28記載の素子。
【請求項30】
前記誘電体ボンディング層の前記表面は、別の素子の誘電体層にダイレクトに結合するよう構成されたボンディング表面からなる、請求項28記載の素子。
【請求項31】
前記導電特徴部の前記接触面は、前記別の素子の接触パッドにダイレクトに結合するよう構成されている、請求項30記載の素子。
【請求項32】
前記導電特徴部は、銅からなる、請求項28記載の素子。
【請求項33】
前記誘電体ボンディング層は、酸化シリコンからなる、請求項28記載の素子。
【請求項34】
前記拡散バリヤ層は、ケイ酸マンガン又は酸化マンガンからなり、前記素子は、第2の素子にダイレクトハイブリッドボンディングされている、請求項33記載の素子。
【請求項35】
前記拡散バリヤ層の一部分はさらに、前記第2の素子とのボンディングインターフェースのところで前記誘電体ボンディング層の前記表面上に設けられている、請求項34記載の素子。
【請求項36】
前記拡散バリヤ層と前記導電特徴部との間に少なくとも部分的に設けられたバリヤ層をさらに有する、請求項28記載の素子。
【請求項37】
前記バリヤ層は、前記キャビティの底面上には設けられていない、請求項36記載の素子。
【請求項38】
前記バリヤ層は、前記キャビティの側壁に沿って前記誘電体ボンディング層の前記表面から部分的に設けられている、請求項37記載の素子。
【請求項39】
前記バリヤ層は、前記バリヤ層が前記導電特徴部と前記拡散バリヤ層を完全に隔てるよう設けられている、請求項36記載の素子。
【請求項40】
前記バリヤ層は、金属窒化物層からなる、請求項36記載の素子。
【請求項41】
前記接触面と反対側に位置する前記導電特徴部の底面の下に設けられた再配線層(RDL)をさらに有する、請求項28載の素子。
【請求項42】
前記素子は、非ボンデッド状態である、請求項41記載の素子。
【請求項43】
ボンデッド構造体であって、
第1の素子を有し、前記第1の素子は、
誘電体ボンディング層を有し、前記誘電体ボンディング層は、前記誘電体ボンディング層の表面から前記誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有し、
前記キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部を有し、前記導電特徴部は、接触面を有し、
前記導電特徴部と前記誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられた拡散バリヤ層を有し、前記拡散バリヤ層は、前記誘電体ボンディング層中に拡散して前記誘電体ボンディング層と結合するバリヤ金属を含み、
第2の素子を有し、前記第2の素子は、
前記第1の素子の前記誘電体ボンディング層にダイレクトボンディングされた第2の誘電体層を有し、
介在する接着剤なしで前記第1の素子の前記導電特徴部の接触面にダイレクトボンディングされた第2の導電特徴部を有する、ボンデッド構造体。
【請求項44】
前記第1の素子の前記誘電体ボンディング層は、前記第2の素子の前記第2の誘電体層にダイレクトボンディングされている、請求項43記載のボンデッド構造体。
【請求項45】
前記導電特徴部及び前記第2の導電特徴部は、銅からなる、請求項43記載のボンデッド構造体。
【請求項46】
前記バリヤ金属は、マンガンからなる、請求項43記載のボンデッド構造体。
【請求項47】
前記誘電体ボンディング層は、酸化シリコンからなる、請求項46記載のボンデッド構造体。
【請求項48】
前記拡散バリヤ層は、ケイ酸マンガン又はマンガン化合物からなる、請求項47記載のボンデッド構造体。
【請求項49】
前記バリヤ金属は、ニッケルからなる、請求項43記載のボンデッド構造体。
【請求項50】
前記拡散バリヤ層と前記導電特徴部との間に少なくとも部分的に設けられたバリヤ層をさらに有する、請求項43記載のボンデッド構造体。
【請求項51】
前記バリヤ層は、前記キャビティの底面上には設けられていない、請求項50記載のボンデッド構造体。
【請求項52】
前記バリヤ層は、前記誘電体ボンディング層の前記表面から前記キャビティの側壁に沿って部分的に設けられている、請求項51記載のボンデッド構造体。
【請求項53】
前記バリヤ層は、前記バリヤ層が前記導電特徴部と前記拡散バリヤ層を完全に隔てるよう設けられている、請求項50記載のボンデッド構造体。
【請求項54】
前記バリヤ層は、金属窒化物からなる、請求項50記載のボンデッド構造体。
【請求項55】
前記接触面と反対側に位置する前記導電特徴部の底面の下に設けられた再配線層(RDL)をさらに有する、請求項43記載のボンデッド構造体。
【請求項56】
前記バリヤ金属は、前記導電特徴部と前記RDLとの間のインターフェースのところに存在する、請求項55記載のボンデッド構造体。
【請求項57】
前記バリヤ金属と前記導電特徴部は、合金を作る、請求項43記載のボンデッド構造体。
【請求項58】
ボンデッド構造体であって、
第1の素子を有し、前記第1の素子は、
誘電体ボンディング層を有し、前記誘電体ボンディング層は、前記誘電体ボンディング層の表面から前記誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有し、
前記キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部を有し、前記導電特徴部は、接触面を有し、
前記導電特徴部と前記誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられた拡散バリヤ層を有し、前記拡散バリヤ層は、マンガンを含み、
第2の素子を有し、前記第2の素子は、
前記第1の素子の前記誘電体ボンディング層にボンディングされた第2の誘電体層を有し、
介在する接着剤なしで前記第1の素子の前記導電特徴部の接触面にダイレクトボンディングされた第2の導電特徴部を有する、ボンデッド構造体。
【請求項59】
前記第1の素子の前記誘電体ボンディング層は、前記第2の素子の前記第2の誘電体層にダイレクトボンディングされている、請求項58記載のボンデッド構造体。
【請求項60】
前記導電特徴部は、銅からなる、請求項58記載のボンデッド構造体。
【請求項61】
前記誘電体ボンディング層は、酸化シリコンからなる、請求項58記載のボンデッド構造体。
【請求項62】
前記拡散バリヤ層は、ケイ酸マンガン又はマンガン化合物からなる、請求項61記載のボンデッド構造体。
【請求項63】
前記拡散バリヤ層と前記導電特徴部との間に少なくとも部分的に設けられたバリヤ層をさらに有する、請求項58記載のボンデッド構造体。
【請求項64】
前記バリヤ層は、前記キャビティの底面上には設けられていない、請求項61記載のボンデッド構造体。
【請求項65】
前記バリヤ層は、前記誘電体ボンディング層の前記表面から前記キャビティの側壁に沿って部分的に設けられている、請求項64記載のボンデッド構造体。
【請求項66】
前記バリヤ層は、前記バリヤ層が前記導電特徴部と前記拡散バリヤ層を完全に隔てるよう設けられている、請求項63記載のボンデッド構造体。
【請求項67】
前記バリヤ層は、金属窒化物からなる、請求項63記載のボンデッド構造体。
【請求項68】
前記接触面と反対側に位置する前記導電特徴部の底面の下に設けられた再配線層(RDL)をさらに有する、請求項58記載のボンデッド構造体。
【請求項69】
前記導電特徴部と前記RDLとの間のインターフェースのところにマンガンが存在する、請求項68記載のボンデッド構造体。
【請求項70】
前記マンガンと前記導電特徴部は、合金を作る、請求項58記載のボンデッド構造体。
【請求項71】
素子を形成する方法であって、
誘電体層内に形成されたキャビティの表面上にバリヤ金属層を設けるステップを含み、前記バリヤ金属層は、前記誘電体層中に拡散するよう構成されたバリヤ金属を含み、前記キャビティは、前記誘電体層の上面から前記誘電体層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延び、
前記バリヤ金属層を覆って前記キャビティ内に導電特徴部を設けるステップを含み、
前記素子の表面をダイレクトボンディング可能に前処理するステップを含み、
前記バリヤ金属は、少なくとも3nmだけ前記誘電体層中に拡散する、方法。
【請求項72】
前記バリヤ金属層を設ける前記ステップは、前記バリヤ金属層を前記キャビティの前記表面上にコンフォーマルに設けるステップからなる、請求項71記載の方法。
【請求項73】
前記バリヤ金属は、前記導電特徴部の酸化傾向よりも高い酸化傾向を有する、請求項71記載の方法。
【請求項74】
前記バリヤ金属層を設ける前記ステップは、5nm~100nmのバリヤ金属厚さを有するよう前記バリヤ金属層を設けるステップからなる、請求項71記載の方法。
【請求項75】
前記バリヤ金属層を設ける前記ステップは、1nm~100nmのバリヤ金属厚さを有するよう前記バリヤ金属層を設けるステップからなる、請求項71記載の方法。
【請求項76】
前記素子をアニールして前記バリヤ金属を前記誘電体層中に拡散させてバリヤ拡散層を形成するステップをさらに含む、請求項71記載の方法。
【請求項77】
前記アニールステップは、150℃~400℃でアニールするステップからなる、請求項76記載の方法。
【請求項78】
前記アニールステップは、150℃~350℃でアニールするステップからなる、請求項77記載の方法。
【請求項79】
前記バリヤ金属層を設ける前記ステップは、前記バリヤ金属の元素金属層を被着させるステップからなる、請求項71記載の方法。
【請求項80】
前記バリヤ金属層を設ける前記ステップは、前記バリヤ金属層を前記誘電体層の前記上面上に設けるステップからなる、請求項71記載の方法。
【請求項81】
前記バリヤ金属層を設けた後で、かつ前記導電特徴部を設ける前に、前記キャビティをバリヤ層で内張りするステップをさらに含む、請求項71記載の方法。
【請求項82】
前記バリヤ層は、前記バリヤ層が前記導電特徴部と前記拡散バリヤ層を完全に隔てるよう設けられている、請求項81記載の方法。
【請求項83】
前記バリヤ層は、金属窒化物からなる、請求項81記載の方法。
【請求項84】
前記導電特徴部の側壁に沿って前記導電特徴部と前記バリヤ金属との間に合金を作るステップをさらに含む、請求項71記載の方法。
【請求項85】
化学的機械的研磨によって前記導電特徴部の少なくとも一部分を除去するステップをさらに含む、請求項71記載の方法。
【請求項86】
前記拡散バリヤ層を前記誘電体層の前記上面から除去するステップをさらに含む、請求項85記載の方法。
【請求項87】
前記導電特徴部をダイレクトハイブリッドボンディングに備えて前記誘電体層の前記上面の下に凹ませるステップをさらに含む、請求項85記載の方法。
【請求項88】
前記導電特徴部への前記バリヤ金属の被着が行われない、請求項71記載の方法。
【請求項89】
ボンデッド構造体を形成する方法であって、
請求項71記載の前記素子を別の素子にボンディングするステップと、
前記素子及び前記別の素子をアニールするステップと、を含む、方法。
【請求項90】
前記アニールステップにより前記バリヤ金属が前記誘電体層中に拡散して拡散バリヤ層を形成する、請求項89記載の方法。
【請求項91】
前記アニールステップにより前記バリヤ金属と前記導電特徴部が合金を作る、請求項89記載の方法。
【請求項92】
素子を形成する方法であって、
誘電体層内に形成されたキャビティの表面上にマンガン層を設けるステップを含み、前記キャビティは、前記誘電体層の上面から前記誘電体層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延び、
前記マンガン層を覆って前記キャビティ内に導電特徴部を設けるステップを含み、
前記素子の表面をダイレクトボンディング可能に前処理するステップを含む、方法。
【請求項93】
前記マンガン層をアニールしてケイ酸マンガン又はマンガン化合物を生じさせるステップをさらに含む、請求項92記載の方法。
【請求項94】
前記アニールステップは、前記導電特徴部の側壁に沿って銅‐マンガン合金を作る、請求項93記載の方法。
【請求項95】
前記アニールステップは、150℃~250℃でアニールするステップからなる、請求項93記載の方法。
【請求項96】
前記マンガン層を設ける前記ステップは、マンガン元素を被着させるステップからなる、請求項92記載の方法。
【請求項97】
前記マンガン層を設ける前記ステップは、前記マンガン層を前記誘電体層の前記上面上に設けるステップからなる、請求項92記載の方法。
【請求項98】
前記マンガン層を設けた後で、かつ前記導電特徴部を設ける前に、バリヤ層を被着させるステップをさらに含む、請求項92記載の方法。
【請求項99】
前記バリヤ層は、前記バリヤ層が前記導電特徴部と前記拡散バリヤ層を完全に隔てるよう設けられている、請求項98記載の方法。
【請求項100】
前記バリヤ層は、金属窒化物からなる、請求項98記載の方法。
【請求項101】
化学的機械的研磨によって前記導電特徴部の少なくとも一部分を除去するステップをさらに含む、請求項92記載の方法。
【請求項102】
前記マンガン層を前記誘電体層の前記上面から除去するステップをさらに含む、請求項101記載の方法。
【請求項103】
前記導電特徴部を前記誘電体層の前記上面の下に凹ませるステップをさらに含む、請求項101記載の方法。
【請求項104】
ボンデッド構造体を形成する方法であって、
請求項92記載の前記素子を別の素子にボンディングするステップと、
前記素子及び前記別の素子をアニールするステップと、を含む、方法。
【請求項105】
前記アニールステップによりマンガンが前記マンガン層から前記誘電体層中に拡散する、請求項104記載の方法。
【請求項106】
前記アニールステップにより前記マンガン層と前記導電特徴部が合金を作る、請求項104記載の方法。
【請求項107】
ボンデッド構造体を形成する方法であって、
第1の素子を用意するステップを含み、前記第1の素子は、誘電体ボンディング層を有し、前記誘電体ボンディング層は、前記誘電体ボンディング層の表面から前記誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有し、前記第1の素子は、前記キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部と、前記導電特徴部と前記誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられたバリヤ金属を含む拡散バリヤ層とをさらに有し、前記導電特徴部は、接触面を有し、前記誘電体ボンディング層に対する前記拡散バリヤ層の前記バリヤ金属の拡散度は、少なくとも5nmであり、
第2の素子を用意するステップを含み、前記第2の素子は、第2の誘電体ボンディング層及び第2の導電特徴部を有し、
前記第1の素子の前記誘電体ボンディング層を前記第2の素子の前記誘電体ボンディング層にダイレクトボンディングするステップを含み、
前記第1の素子の前記導電特徴部の前記接触面を介在する接着剤なしで前記第2の素子の前記第2の導電特徴部にダイレクトボンディングするステップを含む、方法。
【請求項108】
前記ボンデッド構造体をアニールし、それにより前記バリヤ金属を前記誘電体ボンディング層中に拡散させて前記バリヤ拡散層を形成するステップをさらに含む、請求項107記載の方法。
【請求項109】
前記導電特徴部の前記接触面を前記第2の導電特徴部にダイレクトボンディングする前記ステップは、150℃~250℃の温度でアニールするステップからなる、請求項108記載の方法。
【請求項110】
前記第1の素子は、前記導電特徴部と前記拡散バリヤ層との間に設けられたバリヤ層をさらに有する、請求項107記載の方法。
【請求項111】
前記バリヤ層は、前記バリヤ層が前記導電特徴部と前記拡散バリヤ層を完全に隔てるよう設けられている、請求項110記載の方法。
【請求項112】
前記バリヤ層は、金属窒化物からなる、請求項110記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術分野は、電子デバイス内の接触パッド用の拡散バリヤに関する。
【0002】
〔関連出願の引照〕
本願は、2021年10月28日に出願された米国特許仮出願第63/272,891号(発明の名称:DIFFUSION BARRIERS AND METHOD OF FORMING SAME)の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
エレクトロニクスでは、金属特徴部、例えば銅ビア、線路(ライン)及びパッドは、金属特徴部とその周りの誘電体、例えば酸化シリコンとの間に介在するバリヤ材料によって封じ込められる場合が多い。バリヤ材料なしでは、銅のような金属は、誘電体中に容易に拡散する場合があり、特に、誘電体は、隣り合う金属特徴部の電子の漏れ又はそれどころか金属特徴部相互間の短絡を生じさせる危険のある低k材料である。
【0004】
半導体素子、例えば集積デバイスダイ、又はチップは、他の素子上に取り付けられ又は積層される場合がある。例えば、半導体素子は、キャリヤ、例えばパッケージサブストレート(基板)、インターポーザ、再構成ウエハ又は素子などの上に取り付けられる場合がある。もう1つの例として、半導体素子は、もう1つの半導体素子の頂部上に積層される場合があり、例えば、第1の集積デバイスダイを第2の集積ダイ上に積層する場合がある。半導体素子の各々は、半導体素子を互いに機械的にかつ電気的にボンディングするための導電パッドを有する場合がある。ハイブリッドボンディングでは2つの素子の絶縁ボンディング層が互いにダイレクトボンディングされ、絶縁体内に埋め込まれた導電接触パッドもまた、ダイレクトボンディングされる。しかしながら、絶縁ボンディング材料の選択にあたっては、典型的には、誘電体中への金属の拡散を阻止することと、強固な低温ボンドを得ることとの間にはトレードオフの関係が見出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
信頼性のあるボンディングを可能にするための導電パッドを形成する改良方法が要望され続けている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によれば、素子であって、
誘電体ボンディング層を有し、誘電体ボンディング層は、誘電体ボンディング層の表面から誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有し、
キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部を有し、導電特徴部は、接触面を有し、
導電特徴部と誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられた拡散バリヤ層を有し、拡散バリヤ層は、バリヤ金属を含み、
拡散バリヤ層のバリヤ金属は、導電特徴部の酸化傾向よりも高い酸化傾向を有することを特徴とする素子が提供される。
【0007】
本発明の別の観点によれば、ダイレクトハイブリッドボンディング表面を有する素子であって、素子は、
誘電体ボンディング層を有し、誘電体ボンディング層は、誘電体ボンディング層の表面から誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有し、
キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部を有し、導電特徴部は、接触面を有し、
導電特徴部と誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられた拡散バリヤ層を有し、拡散バリヤ層は、マンガンを含み、
導電特徴部の接触面は、ダイレクトハイブリッドボンディング表面の一部分となっていることを特徴とする素子が提供される。
【0008】
本発明の別の観点によれば、ボンデッド構造体であって、
第1の素子を有し、第1の素子は、
誘電体ボンディング層を有し、誘電体ボンディング層は、誘電体ボンディング層の表面から誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有し、
キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部を有し、導電特徴部は、接触面を有し、
導電特徴部と誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられた拡散バリヤ層を有し、拡散バリヤ層は、誘電体ボンディング層中に拡散して誘電体ボンディング層と結合するバリヤ金属を含み、
第2の素子を有し、第2の素子は、
第1の素子の誘電体ボンディング層にダイレクトボンディングされた第2の誘電体層を有し、
介在する接着剤なしで第1の素子の導電特徴部の接触面にダイレクトボンディングされた第2の導電特徴部を有することを特徴とするボンデッド構造が提供される。
【0009】
本発明の別の観点によれば、ボンデッド構造体であって、
第1の素子を有し、第1の素子は、
誘電体ボンディング層を有し、誘電体ボンディング層は、誘電体ボンディング層の表面から誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有し、
キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部を有し、導電特徴部は、接触面を有し、
導電特徴部と誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられた拡散バリヤ層を有し、拡散バリヤ層は、マンガンを含み、
第2の素子を有し、第2の素子は、
第1の素子の誘電体ボンディング層にボンディングされた第2の誘電体層を有し、
介在する接着剤なしで第1の素子の導電特徴部の接触面にダイレクトボンディングされた第2の導電特徴部を有することを特徴とするボンデッド構造体が提供される。
【0010】
本発明の別の観点によれば、素子を形成する方法であって、
誘電体層内に形成されたキャビティの表面上にバリヤ金属層を設けるステップを含み、バリヤ金属層は、誘電体層中に拡散するよう構成されたバリヤ金属を含み、キャビティは、誘電体層の上面から誘電体層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延び、
バリヤ金属層を覆ってキャビティ内に導電特徴部を設けるステップを含み、
素子の表面をダイレクトボンディング可能に前処理するステップを含み、
バリヤ金属は、少なくとも3nmだけ誘電体層中に拡散することを特徴とする方法が提供される。
【0011】
本発明の別の観点によれば、ボンデッド構造体を形成する方法であって、
本発明の上記素子を別の素子にボンディングするステップと、
素子及び別の素子をアニールするステップと、を含むことを特徴とする方法が提供される。
【0012】
本発明の別の観点によれば、素子を形成する方法であって、
誘電体層内に形成されたキャビティの表面上にマンガン層を設けるステップを含み、キャビティは、誘電体層の上面から誘電体層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延び、
マンガン層を覆ってキャビティ内に導電特徴部を設けるステップを含み、
素子の表面をダイレクトボンディング可能に前処理するステップを含むことを特徴とする方法が提供される。
【0013】
本発明の別の観点によれば、ボンデッド構造体を形成する方法であって、
本発明の上記素子を別の素子にボンディングするステップと、
素子及び別の素子をアニールするステップと、を含むことを特徴とする方法が提供される。
【0014】
本発明の別の観点によれば、ボンデッド構造体を形成する方法であって、
第1の素子を用意するステップを含み、第1の素子は、誘電体ボンディング層を有し、誘電体ボンディング層は、誘電体ボンディング層の表面から誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有し、第1の素子は、キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部と、導電特徴部と誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられたバリヤ金属を含む拡散バリヤ層とをさらに有し、導電特徴部は、接触面を有し、誘電体ボンディング層に対する拡散バリヤ層のバリヤ金属の拡散度は、少なくとも5nmであり、
第2の素子を用意するステップを含み、第2の素子は、第2の誘電体ボンディング層及び第2の導電特徴部を有し、
第1の素子の誘電体ボンディング層を第2の素子の誘電体ボンディング層にダイレクトボンディングするステップを含み、
第1の素子の導電特徴部の接触面を介在する接着剤なしで第2の素子の第2の導電特徴部にダイレクトボンディングするステップを含むことを特徴とする方法が提供される。
【0015】
詳細な説明を添付の図を参照して行う。図中、参照符号の最も左側の数字は、この参照符号が最初に表れる図を意味している。互いに異なる図に同一の参照符号を用いることは、アイテムが類似し又は同一であることを示している。
【0016】
この説明のため、図示のデバイス及びシステムは、多数のコンポーネントを含むものとして示されている。本明細書において説明するデバイス及び/又はシステムの種々の具体化例は、比較的少ないコンポーネントを含む場合があるが、本発明の範囲内に留まる。変形例として、デバイス及び/又はシステムの他の具体化例は、追加のコンポーネント、又は説明するコンポーネントの種々の組み合わせを含む場合があるが、本発明の範囲内に留まる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】ダイレクトハイブリッドボンディングに先立つ2つの素子の概略断面側面図である。
【
図1B】ダイレクトハイブリッドボンディング後における
図1Aに示す2つの素子の概略断面側面図である。
【
図2A】一実施形態としての素子の概略断面側面図である。
【
図2B】別の実施形態としての素子の概略断面側面図である。
【
図2C】別の実施形態としての素子の概略断面側面図である。
【
図2D】別の実施形態としての素子の概略断面側面図である。
【
図2E】別の実施形態としての素子の概略断面側面図である。
【
図2F】別の実施形態としての素子の概略断面側面図である。
【
図3A】一実施形態としてのボンデッド構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図3B】一実施形態としてのボンデッド構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図3C】一実施形態としてのボンデッド構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図3D】一実施形態としてのボンデッド構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図3E】一実施形態としてのボンデッド構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図3F】一実施形態としてのボンデッド構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図3G】一実施形態としてのボンデッド構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図4A】もう1つの実施形態としてのボンディング構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図4B】もう1つの実施形態としてのボンディング構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図4C】もう1つの実施形態としてのボンディング構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図4D】もう1つの実施形態としてのボンディング構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図4E】もう1つの実施形態としてのボンディング構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図4F】もう1つの実施形態としてのボンディング構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図4G】もう1つの実施形態としてのボンディング構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図4H】もう1つの実施形態としてのボンディング構造体を製造する方法の種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図5A】もう1つの実施形態としてのボンデッド構造体を製造するプロセスの種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図5B】もう1つの実施形態としてのボンデッド構造体を製造するプロセスの種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図5C】もう1つの実施形態としてのボンデッド構造体を製造するプロセスの種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図5D】もう1つの実施形態としてのボンデッド構造体を製造するプロセスの種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図5E】もう1つの実施形態としてのボンデッド構造体を製造するプロセスの種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図5F】もう1つの実施形態としてのボンデッド構造体を製造するプロセスの種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図5G】もう1つの実施形態としてのボンデッド構造体を製造するプロセスの種々のステップのうちの1つを示す図である。
【
図6】一実施形態としてのボンデッド構造体の概略断面側面図である。
【
図7】もう1つの実施形態としてのボンデッド構造体の概略断面側面図である。
【
図8】もう1つの実施形態としてのボンデッド構造体の概略断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、誘電体層内に埋め込まれた導電特徴部、例えば導電パッドを形成する方法を説明する。本明細書において開示される種々の実施形態は、ダイレクト金属ボンディング、例えばダイレクトハイブリッドボンディングをする上では有利な場合がある。例えば、2つ以上の半導体(例えば、集積デバイスダイ、ウエハなど)は、ボンデッド構造体を形成する互いに積層され又はボンディングされるのがよい。1つの素子の導電接触パッドは、もう1つの素子の対応の導電接触パッドに電気的に接続されるのがよい。任意適当な数の素子をボンデッド構造体中に積層することができる。本明細書において説明する方法及びボンドパッドは、他の文脈においても有用な場合がある。
【0019】
本明細書において開示する種々の実施形態は、2つ以上の素子を介在する接着剤なしでダイレクトボンディングすることができるダイレクトボンデッド構造体に関する。
図1A及び
図1Bは、幾つかの実施形態に従って介在する接着剤なしでダイレクトハイブリッドボンデッド構造体を形成するプロセスを概略的に示している。
図17A及び
図17Bでは、ボンデッド構造体100が、介在する接着剤なしでボンドインターフェース118のところで互いにダイレクトボンディングできる2つの素子102,104を有する。2つ以上のマイクロ電子素子102,104(例えば、集積デバイスダイ、ウエハ、パッシブデバイス、個々のアクティブデバイス、例えばパワースイッチなどを含む半導体素子)がボンデッド構造体100を構成するよう互いに積層され又はボンディングされるのがよい。第1の素子102の導電特徴部106a(例えば、接触パッド、トレンチ(溝)、トレース、ビア(例えば、TSV)の露出端部、又は基板貫通電極)が第2の素子104の対応の導電特徴部106bに電気的に接続されるのがよい。任意適当な数の素子をボンデッド構造体100内に積層することができる。例えば、第3の素子(図示せず)を第2の素子104上に積層することができ、第4の素子(図示せず)を第3の素子上に積層することができ、その他同様である。追加的に又は代替的に、1つ以上の追加の素子(図示せず)を第1の素子102に沿って互いに横方向に隣接して積層することができる。幾つの実施形態では、横方向に積層される追加の素子は、第2の素子よりも小さいのがよい。幾つかの実施形態では、横方向に積層される追加の素子は、第2の素子の1/2倍であるのがよい。
【0020】
幾つかの実施形態では、素子102,104は、接着剤なしで互いにダイレクトボンディングされている。種々の実施形態では、非導電又は誘電材料を含む非導電フィールド領域は、第1の素子102の第1のボンディング層108aとしての役目を果たすのがよく、第1のボンディング層108aは、接着剤なしで第2の素子104の第2のボンディング層108bとしての役目を果たす非導電又は誘電材料を含む対応の非導電フィールド領域にダイレクトボンディングされるのがよい。非導電ボンディング層108a,108bは、デバイス部分110a,110b、例えば素子102,104の半導体(例えば、シリコン)部分のそれぞれの前面114a,114b上に設けられるのがよい。アクティブデバイス及び/又は回路をデバイス部分110a,110b内又は上にパターン化するとともに/あるいは違ったやり方で設けるのがよい。アクティブデバイス及び/又は回路は、デバイス部分110a,110bの前面114a,114bのところ又はその近くに、かつ/あるいはデバイス部分110a,110bの反対の裏側116a,116bのところに又はその近くに設けられてもよい。ボンディング層が素子の表側及び/又は裏側上に設けられるのがよい。非導電材料を第1の素子102の非導電ボンディング領域又はボンディング層108aという場合がある。幾つかの実施形態では、第1の素子102の非導電ボンディング層108aは、誘電体間ボンディング技術を用いて第2の素子104の対応の非導電ボンディング層108bにダイレクトボンディングされるのがよい。例えば、誘電体間ボンドは、少なくとも米国特許第9,564,414号明細書、同第9,391,143明細書、及び同第10,434,749号明細書に開示されているダイレクトボンディング技術を用いて接着剤なしで形成でき、これら米国特許を参照により引用し、あらゆる目的に関しこれらの各々の記載内容全体を本明細書の一部とする。理解されるべきこととして、種々の実施形態では、ボンディング層108a及び/又は108bは、非導電材料、例えば誘電体、例えば酸化シリコン、又はアンドープ半導体材料、例えばアンドープシリコンからなるのがよい。ダイレクトボンディングのための適当な誘電体ボンディング表面又は材料は、無機誘電体、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、オキシ窒化シリコンを含むが、これには限定されず、あるいは、炭素、例えば炭化シリコン、オキシ炭窒化シリコン、低K(low-k)誘電体、SiCOH誘電体、炭窒化シリコンもしくはダイヤモンド状炭素又はダイヤモンド表面を含む材料を含んでもよい。かかる炭素含有セラミック材料は、炭素が含まれているにもかかわらず、無機と見なされる場合がある。
【0021】
幾つかの実施形態では、デバイス部分110a,110bは、異質又は不均質(heterogenous)構造を定める著しく異なる熱膨張率(CTE)を有するのがよい。デバイス部分110a,110b相互間、特にバルク半導体、代表的にはデバイス部分110a,110bの単結晶部分相互間のCTEの差は、5ppmを超え、又は10ppmを超えるのがよい。例えば、デバイス部分110a,110b相互間のCTEの差は、5ppmから100ppmまでの範囲、5ppmから40ppmまで範囲、10ppmから100ppmまでの範囲、又は10ppmから40ppmまでの範囲にあるのがよい。幾つかの実施形態では、デバイス部分110a,110bのうちの1つは、光圧電又は焦電用途に有用な光電子単結晶材料(ペロブスカイト材料を含む)からなるのがよく、デバイス部分110a,110bのうちの他方は、より従来の基板材料からなる。例えば、デバイス部分110a,110bは、リチウムタンタレート(LiTaO3)又はニオブ酸リチウム(LiNbO3)からなり、デバイス部分110a,110bのうちのもう1つは、シリコン(Si)、石英、溶融石英ガラス、サファイア、又はガラスからなる。他の実施形態では、デバイス部分110a,110bのうちの1つは、III~V属単一半導体材料、例えばガリウムヒ素(GaAs)又はガリウムナイトライド(GaN)からなり、デバイス部分110a,110bのうちの他の1つは、非III~V属半導体材料、例えばシリコン(Si)からなるのがよく、又は類似のCTEを持つ他の材料、例えば石英、溶融石英ガラス、サファイア、又はガラスからなるのがよい。
【0022】
種々の実施形態では、ダイレクトハイブリッドボンドは、介在する接着剤なしで形成できる。例えば、非導電ボンディング表面112a,112bを高い平滑度に研磨することができる。例えば、化学的機械的研磨(CMP)を用いて非導電ボンディング112a,112bを研磨するのがよい。研磨済みボンディング表面112a,112bの粗さは、15Årms未満であるのがよい。例えば、ボンディング表面112a,112bの粗さは、約0.1Årmsから15Årmsまでの範囲、0.5Årmsから10Årmsまでの範囲、又は1Årmsから5Årmsまでの範囲にあるのがよい。ボンディング表面112a,112bを清浄化してプラズマ及び/又はエッチング剤に当てると、表面112a,112bを活性化することができる。幾つかの実施形態では、これら表面112a,112bは、活性化後又は活性化中(例えば、プラズマ及び/又はエッチングプロセス中)、化学種で末端基化するができる。理論に束縛されるものではないが、幾つかの実施形態では、活性化プロセスは、ボンディング表面のところでの化学結合を壊すために実施されるのがよく、末端基化プロセスは、ダイレクトボンディング中におけるボンディングエネルギーを向上させる1種類以上の追加の化学種をボンディング表面112a,112bのところに提供することができる。幾つかの実施形態では、活性化及び末端基化は、同一のステップで提供され、例えば、プラズマを用いて表面112a,112bを活性化して末端基化することができる。他の実施形態では、ボンディング表面112a,112bを別個の処理で末端基化を行ってダイレクトボンディングのための追加の化学種を提供することができる。種々の実施形態では、末端基化化学種は、窒素を含むのがよい。例えば、幾つかの実施形態では、ボンディング表面112a,112bを窒素含有プラズマに当てるのがよい。さらに、幾つかの実施形態では、ボンディング表面112a,112bをフッ素にさらすのがよい。例えば、第1の素子102と第2の素子104との間のボンドインターフェース118のところ又はその近くに1つ又は多数のフッ素ピークが生じるのがよい。かくして、ダイレクトボンデッド構造体100では、2つの非導電材料(例えば、ボンディング層108a,108b)相互間のボンドインターフェース118は、ボンドインターフェース118のところに高い窒素含有量及び/又はフッ素ピークを有する極めて滑らかなインターフェースを構成することができる。活性化及び/又は末端基化処理の追加の実施例が米国特許第9,564,414号明細書、同第9,391,143号明細書、及び同第10,434,749号明細書を通して見受けられ、これら米国特許の各々を参照により引用し、全ての目的に関してその記載内容全体を本明細書の一部とする。研磨済みボンディング表面112a,112bの粗さは、アクチべーションプロセス後、僅かに粗くてもよい(例えば、約1Årms~30Årms、3Årms~20Årms、又は場合によってはこれよりも粗い)。
【0023】
種々の実施形態では、第1の素子102の導電特徴部106aもまた、第2の素子104の対応の導電特徴部106bにダイレクトボンディングされるのがよい。例えば、ダイレクトハイブリッドボンディング技術を用いると、上述したように前処理された共有直接結合状態の非導電体間(例えば、誘電体間)表面を含むボンドインターフェース118に沿って導体間ダイレクトボンドを提供することができる。種々の実施形態では、導体間(例えば、導電特徴部106a‐導電特徴部106b間)ダイレクトボンド及び誘電体間ハイブリッドボンドは、少なくとも米国特許第9,716,033号明細書及び同第9,852,988号明細書に開示されたダイレクトボンディング技術を用いて形成でき、これら米国特許の各々を参照により引用し、全ての目的についてその記載内容全体を本明細書の一部とする。本明細書において説明したダイレクトハイブリッドボンディング実施形態では、導電特徴部が非導電ボンディング層内に設けられ、導電特徴部と被動伝導特徴部の両方が例えば上述した平坦化は、アクチベーション及び/又は末端基化処理によりダイレクトボンディング可能に前処理する。かくして、ダイレクトボンディング可能に前処理されたボンディング表面は、導電特徴部と非導電特徴部の両方を有する。
【0024】
例えば、非導電(誘電)ボンディング表面112a,112b(例えば、無機誘電表面を含む)を前処理して、上述のように介在接着剤なしで互いにダイレクトボンディングすることができる。導電接触特徴部(例えば、導電特徴部106a,106b)(これは、ボンディング層108a,108b内の非導電性の誘電フィールド領域によって少なくとも部分的に包囲されるのがよい)もまた、介在接着剤なしで互いにダイレクトボンディングすることができる。種々の実施形態では、導電特徴部106a,106bは、非導電フィールド領域内に少なくとも部分的に埋め込まれた別々のパッド又はトレースを含むのがよい。幾つかの実施形態では、導電接触特徴部は、基板貫通ビア(例えば、シリコン貫通ビアTSV)の露出接触面を有するのがよい。幾つかの実施形態では、導電特徴部106a,106bをそれぞれ、誘電フィールド領域又は非導電ボンディング層108a,108bの外面(例えば、上面)の下に.凹ませるのがよく、例えば30nm未満、20nm未満、15nm未満、又は10nm未満だけ凹ませるのがよく、例えば、2nmから20nmまでの範囲又は4nm~10nmの範囲で凹ませるのがよい。種々の実施形態では、ダイレクトボンディングに先立って、対向した素子の凹部は、対向した接触パッド相互間の全ギャップが15nm未満、又は10nm未満であるように寸法決めされるのがよい。非導電ボンディング層108a,108bを室温で接着剤なしで互いにダイレクトボンディングするのがよく、その後、ボンデッド構造体100をアニールするのがよい。アニーリング時、導電特徴部106a,106bは、膨張して互いに接触し、それにより金属間ダイレクトボンドを形成することができる。有益には、カリフォルニア州サンノゼ所在のアデイア(Adeia)社から商業的に入手できるダイレクトボンドインターコネクト(Direct Bond Interconnect)、すなわち、DBI(登録商標)技術の使用により、ダイレクトボンドインターフェース118を横切って高密度の導電特徴部106a,106bを接続することができる(例えば、規則的なアレイについては小さな又は細かいピッチで)。幾つかの実施形態では、導電特徴部106a,106b、例えばボンデッド素子のうちの一方のボンディング表面内に埋め込まれた導電トレースのピッチは、100ミクロン未満、10ミクロン未満であるのがよく、それどころか2ミクロン未満であってもよい。幾つかの用途に関し、導電特徴部106a,106bのピッチとボンディングパッドの寸法のうちの1つ(例えば、直径)の比は、20未満、10未満、5未満、3未満、場合によっては望ましくは2未満である。他の用途では、ボンデッド素子のうちの一方のボンディング表面内に埋め込まれた導電トレースの幅は、0.3ミクロンから20ミクロンまでの範囲、例えば、0.3ミクロンから3ミクロンまでの範囲にあるのがよい。種々の実施形態では、導電特徴部106a,106bは、銅又は銅合金からなるのがよいが、他の金属が適している場合がある。例えば、本明細書において開示した導電特徴部、例えば導電特徴部106a,106bは、微細粒金属(例えば、微細粒銅)からなるのがよい。
【0025】
かくして、ダイレクトボンディングプロセスでは、第1の素子102を介在接着剤なしで第2の素子104にダイレクトボンディングすることができる。幾つかの構成例では、第1の素子102は、単体化された素子、例えば単体化集積化デバイスダイからなるのがよい。他の構成例では、第1の素子102は、単体化されたときに複数の集積化デバイスダイを形成する複数の(例えば、数十個、数百個、又はそれ以上)のデバイス領域を含むキャリヤ又は基板(例えば、ウエハ)からなるのがよい。同様に、第2の素子104は、単体化素子、例えば単体化集積化デバイスダイからなるのがよい。他の構成例では、第2の素子104は、キャリヤ又は基板(例えば、ウエハ)からなるのがよい。したがって、本明細書において開示する実施形態は、ウエハ‐ウエハ(W2W)ボンディングプロセス、ダイ‐ダイ(D2D)ボンディングプロセス、又はダイ‐ウエハ(D2W)ボンディングプロセスに適用できる。ウエハ‐ウエハ(W2W)プロセスでは、2枚以上のウエハを互いにダイレクトボンディング(例えば、ダイレクトハイブリッドボンディング)し、そして適当な単体化プロセスを用いて単体化するのがよい。単体化後、単体化構造体の側縁(例えば、2つのボンデッド素子の側縁)は、互いに実質的に同一平面上に位置するのがよく、そしてかかる側縁は、ボンデッド構造体向きのありふれた単体化プロセスを表す目印(例えば、のこぎりによる単体化プロセスが用いられた場合、のこぎりマーク)を含むのがよい。
【0026】
本明細書において説明するように、第1の素子102と第2の素子104を接着剤なしで互いにダイレクトボンディングすることができ、これは、蒸着プロセスとは異なっており、その結果、蒸着と比較して構造的に異なるインターフェースが得られる。1つの用途では、ボンデッド構造体中の第1の素子102の幅は、第2の素子104の幅とほぼ同じである。幾つかの他の実施形態では、ボンデッド構造体100中の第1の素子102の幅は、第2の素子104の幅とは異なる。同様に、ボンデッド構造体中の大きい方の素子の幅又は面積は、小さい方の素子の幅又は面積よりも少なくとも10%大きいのがよい。したがって、第1及び第2の素子102,104は、非被着素子からなってもよい。さらに、ダイレクトボンデッド構造体100は、被着層とは異なり、、ボンドインターフェース118に沿って、ナノスケールのボイド(ナノボイド)が存在する欠陥領域を含む場合がある。ナノボイドは、ボンディング表面112a,112bの活性化(例えば、プラズマへの曝露)に起因して形成される場合がある。上述したように、ボンドインターフェース118は、活性化及び/又は最後の化学処理プロセスから生じる物質の濃縮を含む場合がある。例えば、活性化のために窒素プラズマを利用する実施形態では、窒素ピークがボンドインターフェース118のところに形成される場合がある。窒素ピークは、二次イオン質量分析計を用いて検出可能である。種々の実施形態では、例えば、窒素末端基化処理(例えば、結合層を窒素含有プラズマに当てる)により、加水分解(OH末端化)表面に代えてNH2分子を用いることができ、それにより窒素末端基化表面が生じる。活性化のために酸素プラズマを利用する実施形態では、酸素ピークがボンドインターフェース118のところに形成される場合がある。幾つかの実施形態では、ボンドインターフェース118は、オキシ窒化シリコン、オキシ炭窒化シリコン、又は炭窒化シリコン4らなるのがよい。本明細書において説明したように、ダイレクトボンドは、共有結合を含み、この共有結合は、ファンデルワールス結合よりも強固である。ボンディング層108a,108bは、高い平滑度まで平坦化された研磨表面をさらに有するのがよい。研磨済み非導電フィールド領域の粗さは、30Årms未満であるのがよく、好ましくは、15Årms未満、10Årms未満、又は5Årms未満である。例えば、研磨済み非導電フィールド領域38の粗さは、0.1Årmsから15Årmsまでの範囲、0.1Årmsから10Årmsまでの範囲、0.1Årmsから5Årmsまでの範囲、1Årmsから10Årmsまでの範囲、又は1Årmsから10Årmsまでの範囲にあるのがよい。研磨済み非導電フィールド領域の粗さは、アクチベーションプロセス後ではこれよりもわずかに粗くてもよい(例えば、10Årms、15Årms、又は20Årms以上)。
【0027】
種々の実施形態では、導電特徴部106a,106b相互間の金属間ボンドは、金属結晶粒がボンドインターフェース118を横切って互いの中に成長するよう接合されるのがよい。幾つかの実施形態では、金属は、銅であり又は銅を含み、これは、ボンドインターフェース118を横切る銅の拡散を向上させるために、111結晶面に沿って配向した結晶粒を有するのがよい。幾つかの実施形態では、導電特徴部106a,106bは、ナノ双晶銅結晶構造を含むのがよく、これは、高温アニール中における導電特徴部の合体を助けることができる。ボンドインターフェース118は、ボンデッド導電特徴部106a,106bの少なくとも一部分まで実質的に完全に延びるのがよく、その結果、ボンデッド導電特徴部106a,106bのところ又はその近くに非導電ボンディング層108a,108b相互間に実質的にギャップが生じないようになっている。幾つかの実施形態では、バリヤ層を、導電特徴部106a,106b(例えば、銅を含むのがよい)の下に又はこれらを横方向に包囲した状態で設けるのがよい。しかしながら、他の実施形態では、例えば、米国特許第11,195,748号明細書に記載されているように、導電特徴部106a,106bの下にバリヤ層がなくてもよく、この米国特許を参照により引用し、その記載内容全体を全ての目的に関して本明細書の一部とする。
【0028】
有益には、本明細書において説明するハイブリッドボンディング技術の使用により、隣り合う導電特徴部106a,106bの極めて微細なピッチ、及び/又は小さなパッドサイズの実現が可能になる。例えば、種々の実施形態では、隣り合う導電特徴部106a(又は106b)相互間のピッチp(すなわち、
図1Aに示すように、縁から縁まで、又は中心から中心までの距離)は、0.5ミクロンから50ミクロンまでの範囲、0.75ミクロンから25ミクロンまでの範囲、1ミクロンから25ミクロンまでの範囲、1ミクロンから10ミクロンまでの範囲、又は1ミクロンから5ミクロンまでの範囲にあるのがよい。さらに、主要な横方向寸法(例えば、パッド直径)もまた、小さいのがよく、例えば0.25ミクロンから30ミクロン、0.25ミクロンから5ミクロンまでの範囲、又は0.5ミクロンから5ミクロンまでの範囲にある。
【0029】
上述したように、非導電ボンディング層108a,108bは、接着剤なしで互いにダイレクトボンディングされるのがよく、その後、ボンデッド構造体100をアニールするのがよい。例えば80℃~400℃の高温でのアニール時、導電特徴部106a,106bは、膨張して互いに接触し、それにより金属間ダイレクトボンドを形成することができる。幾つかの実施形態では、導電特徴部106a,106bの材料は、アニールプロセス中、相互拡散することができる。
【0030】
種々の実施形態では、接触パッド相互間の金属間ボンドは、銅結晶粒がボンドインターフェースを横切って互いの中に成長するよう接合されるのがよい。幾つかの実施形態では、銅は、ボンドインターフェースを横切る銅拡散具合を向上させるために111結晶平面に沿って垂直方向に配向した結晶粒を有するのがよい。幾つかの実施形態では、導電材料中の111の結晶平面の配向不良は、導電材料の表面から見て垂直方向に対して±30°の範囲にあるのがよい。幾つかの実施形態では、結晶配向不良度は、垂直方向に対して±20°の範囲、又は±15°の範囲にあるのがよい。ボンドインターフェースは、実質的に全体がボンデッド接触パッドの少なくとも一部分まで延びるのがよく、その結果、ボンデッド接触パッドのところ又はその近くの非導電ボンディング領域相互間には実質的に隙間が生じないようになっている。幾つかの実施形態では、バリヤ層は、接触パッド(例えば、これは、銅を含むのがよい)の下に設けられるのがよい。しかしながら、他の実施形態では、例えば米国特許出願公開第2019/0096741号明細書に記載されているように接触パッドの下にはバリヤ層が設けられなくてもよく、この米国特許出願公開を参照により引用し、全ての目的についてその記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0031】
金属間ダイレクトボンドを形成するためのアニール温度及びアニール持続時間は、アニールによる熱量の消費に影響を及ぼす場合がある。アニール温度及び/又はアニール持続時間を減少させて熱(エネルギー)量の消費量を最小限に抑えることが望ましい場合がある。111結晶面(〈111〉)に沿う原子の表面拡散は、100結晶面又は110結晶面に沿う場合よりも3桁ないし4桁早い場合がある。また、結晶粒が111結晶面に沿って配向した金属(例えば、Cu)は、従来のバックエンドオブライン(back end of line:BEOL)銅と比較して、高い表面移動度を有する場合がある。さらに、低温ダイレクト金属間ボンディングは、ナノテクスチャ表面のナノツイン化Cuの111平面上のクリープによって実現可能である。したがって、ボンディング表面上に111結晶平面を有することが有利な場合があり、その目的は、ダイレクトボンディング(例えば、ダイレクトハイブリッドボンディング)のためのアニール時間を短縮するとともに/あるいは、アニール温度を減少させることにある。111結晶平面を提供した場合の利点は、特に低温で顕著であると言え、と言うのは、金属表面拡散(例えば、Cu表面拡散)もまた、アニール温度を減少させたときに遅くなるからである。したがって、本明細書において開示する種々の実施形態では、結晶構造は、ダイレクトボンディング中、金属拡散(例えば、銅拡散)を促進するよう111結晶面に沿って垂直に配向した結晶粒を有するのがよい。
【0032】
111結晶方位(配向)の銅(Cu)を含むCu層をめっき被着させるよう選択されたプロセスを用いて、金属層を形成するのがよい。Cu層は、例えば、ダイレクトハイブリッドボンディング中に生じるダイレクト金属間ボンディングを最適化するためではなく、基板中のボイド(例えば、ビア、トレンチ)の効果的なフィリング(充填)を最適化するよう選択されためっき化学的方法により、非スーパーフィリング又はスーパーフィリング電気めっき浴から被着されるのがよい。以下において説明する次の熱処理は、任意の望ましいめっき化学的方法を採用して他の検討事項、例えば上述のフィリングを最適化することができるよう次のボンディングを容易にすることができる。被着又は被覆金属層の微細構造(例えば、粒径)は、例えば後で起こるダイレクトハイブリッドボンディングのアニールステップとは別個のアニーリングステップによって研磨ステップ(例えば、CMPステップ)の前に安定化されるのがよい。
【0033】
一素子が接触パッドと誘電体層との間に設けられたバリヤ層を有するのがよい。バリヤ層は、誘電体層又は隣の非導電材料中への銅の拡散を軽減し又は阻止する役目を果たすことができる。例えば、バリヤ層は、例えばバリヤ層が比較的低品質又は不連続性を有する場合、材料、例えば金属層(例えば、タンタル、チタン、又はタングステン)及び/又は遷移金属窒化物(例えば、窒化タングステン、窒化チタン、窒化タンタルなど)を含むのがよい。接触パッドの接触寸法及び隣り合うパッド相互間のピッチが比較的小さい場合、導電又は非導電バリヤ層の厚さは、パッド直径及びピッチに対する追加の制約をもたらす場合がある。
【0034】
本明細書において開示する種々の実施形態は、拡散バリヤ層を有する素子、例えばマイクロ電子素子(例えば、集積デバイスダイ、ウエハなど)に関する。拡散バリヤ層は、導電特徴部、例えば接触パッド又は貫通ビアから素子の誘電体層中への物質(例えば金属)の拡散を阻止し又は軽減することができる。誘電体層は、無機誘電体からなるのがよく、かかる無機誘電体としては、例えば、酸化シリコン、窒化炭素シリコン、及び/又はオキシ窒化シリコンが挙げられるが、これらには限定されない。本明細書で用いる「拡散バリヤ層」という用語は、アニールに先立つバリヤ金属かアニール後におけるバリヤ金属と誘電体層の拡散複合材かのいずれかを意味している。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層のバリヤ金属は、誘電体層中に拡散して余剰のバリヤ層として働くことができる複合材料を形成することができる。
【0035】
図1Cは、金属窒化物(例えば、窒化タングステン、窒化タンタル又は窒化チタン)層を接触パッド12と誘電体層14との間のバリヤ層10として有する素子1の概略断面側面図である。
図1Cでは、誘電体層14は、酸化シリコンを主成分とする材料からなり、この誘電体層をより簡単に酸化物層という場合がある。酸化物層は、別の酸化物層と共に低温で比較的高いボンディング強度を有するが、酸化物層は、導電材料、特に酸化物層を通って酸化シリコンにくっつく度合いが貧弱な銅の離層を生じやすい場合があるので、導電パッド12を誘電体層14に強固に結合するために接着層又はバリヤ層が必要とされる。かくして、バリヤ層10、酸化物層14、及び導電パッド12を堆積させると、素子1の耐エレクトロマイグレーション(電子移動)性を高めることができる。
【0036】
図2Aは、一実施形態としての素子2の概略断面側面図である。素子2には、キャビティ21を備えた誘電体層20、キャビティ21内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部22、及び拡散バリヤ層24を有するのがよい。誘電体層20は、酸化シリコンを主成分とする材料からなるのがよい。拡散バリヤ層24の少なくとも一部分は、誘電体層20の一部分と導電特徴部22との間に設けられるのがよい。拡散バリヤ層24のこの部分は、キャビティ21の表面に沿ってコンフォーマルに設けられるのがよい。拡散バリヤ層24はまた、誘電体層20の上面20a上に設けられるのがよい。素子2は、比較的従来のバリヤ層26(これは、多数のサブレーヤ(下層)を含むのがよい)及び再配線層(RDL)28を有するのがよい。バリヤ層26は、導電特徴部22と拡散バリヤ層24との間でキャビティ21内に設けられるのがよい。幾つかの実施形態では、再配線層28は、キャビティ21の底面を構成するのがよい。導電特徴部22と再配線層28は、互いに電気的に接続されるのがよい。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24及び/又はバリヤ層26のバリヤ金属は、導電特徴部22とRDL28との間に設けられるのがよい。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24のバリヤ材料は、アニールプロセスに応答してRDL28の材料と合金を作るのがよい。
【0037】
幾つかの実施形態では、導電特徴部22は、接触パッド、トレンチ、又は貫通ビア(例えば、シリコン貫通ビア又は基板貫通ビア)を含むのがよい。導電特徴部22は、銅からなるのがよい。幾つかの実施形態では、導電特徴部22は、別の素子の導電特徴部へのダイレクトボンディングをするよう構成されているのがよい。かくして、導電特徴部は、上述した平坦化及びアクチべーション/末端基化ステップを受けるのがよく、そして誘電体層20の上面20aの下に引っ込められるのがよい。
【0038】
拡散バリヤ層24は、導電特徴部22と誘電体層20との間における拡散を阻止し又は軽減するよう構成されているのがよい。拡散バリヤ層24は、バリヤ金属からなるのがよい。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24のバリヤ金属は、酸化傾向の比較的高い物質からなるのがよい。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24のバリヤ金属は、導電特徴部22の酸化傾向よりも高い酸化傾向を有するのがよい。例えば、拡散バリヤ層24のバリヤ金属は、マンガン、ニッケル、チタン、又はマンガン、ニッケル、及びチタンとほぼ同じ酸化傾向を有する金属からなるのがよい。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24のバリヤ金属は、導電特徴部22及び/又はRDL28の材料と合金を作ることができる合金化材料からなるのがよい。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24は、元素金属層又は金属ケイ酸化塩物質からなるのがよい。
【0039】
幾つかの実施形態では、幾分直観と相容れない考えではあるが、拡散バリヤ層24のバリヤ金属は、アニールプロセスを受けると、誘電体層20中に拡散する場合がある。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24のバリヤ金属(例えば、Ni、Mn、又はTi)は、誘電体層中に拡散される場合があり、それにより、拡散済み金属層又はバリヤ化合物が形成される。例えば、誘電体層20が酸化シリコンを含み、しかも拡散バリヤ層24がマンガンを含む場合、拡散済みの金属層は、ケイ酸マンガン(MnxSiyOz)からなるのがよく、この場合、x、y、及びzは、数値である。追加相、例えば酸化マンガン(MnO、これは、特定の化学量論的組成、例えばMn2O3又はMn3O4を含む)が存在している場合があるが、拡散済みのバリヤ層は、非化学量論的組成であるのがよい。例えば、拡散済みバリヤ層は、金属の化合物のラミネートを含むのがよい。誘電体層20の上面20aのところの拡散済み金属層は、ダイレクトボンディング可能に研磨されるのがよい。拡散済み金属層の研磨後の表面は、2nm未満、例えば、1nm未満、0.5nmなどの二乗平均値(rms)表面粗さまで研磨されるのがよい。幾つかの実施形態では、拡散済み金属層は、アニールプロセスに応答して形成されるのがよい。アニールプロセスは、素子2を例えば150℃から400℃までの範囲の温度で加熱するステップを含むのがよい。拡散バリヤ層24の拡散済み金属層は、バリヤ層26(存在している場合)、導電特徴部22又は誘電体層20の上面20aから次第に弱くなるバリヤ金属濃度の勾配を有するのがよい。拡散バリヤ層24は、少なくとも3nmだけ誘電体層中に拡散することができる。例えば、拡散バリヤ層24は、例えば3nmから100nmまでの範囲、5nmから100nmまでの範囲、10nmから100nmまでの範囲、3nmから50nmまでの範囲、3nmから30nmまでの範囲、又は3nmから10nmまでの範囲で誘電体層中に拡散することができる。3nmを超える拡散バリヤ層24の物質濃度(原子個数密度)は、約1017個/cm3であるのがよい。例えば、3nmを超える拡散バリヤ24の物質濃度は、1017個/cm3から約1019個/cm3までの範囲、又は約1017個/cm3から約1018個/cm3までの範囲にあるのがよい。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24の拡散済み金属層は、ケイ酸マンガン及び/又は酸化マンガンからなるのがよい。拡散済みバリヤ層は、例えば、誘電体層20の非化学量論的組成化合物及びマンガン金属からなるのがよい。
【0040】
図2Bは、一実施形態としての素子3の概略断面側面図である。素子3は、素子3の拡散バリヤ層24がキャビティ21内にのみ設けられている点を除き、
図2Aに示す素子2とほぼ同じである。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24は、誘電体層20の上面20aに被着されてはいない。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24は、誘電体層20の上面20aに被着されるのがよく、そして研磨、エッチング、又は他の方法のうちの1つ以上によって完全に又は部分的に除去されるのがよい。幾つかの実施形態では、キャビティ壁と上面20aとの交差部は、拡散バリヤ層24からなるのがよいが、上面20aの大部分には拡散層24がないのがよい。誘電体層20の上面20aは、2nm未満、例えば1nm未満、0.5nm未満などの二乗平均値(rms)表面粗さまで研磨されるのがよい。
図4Gの以下の説明から明らかなように、
図2Bの構造は、アニール前におけるバリヤ金属材料又はアニール後における拡散金属層の誘電体層20の上面20a上からの除去に起因して得られる。
【0041】
図2Cは、一実施形態としての素子4の概略断面側面図である。素子4は、
図2Aに示すバリヤ層26が素子4では省かれている点を除き、
図2Aに示す素子2とほぼ同じである。幾つかの実施形態では、バリヤ層24のバリヤ金属は、導電特徴部22及び/又はRDL28の材料と少なくとも部分的に合金を作ることができる。かくして、バリヤ金属は、導電特徴部22とRDL28との間の交差部のところで、アニール後の合金として検出できる。したがって、バリヤ層24は、バリヤ層24が当接するのが何であるかに応じて互いに異なる形態で存在することができる。例えば、
図2Bのバリヤ層24は、導電特徴部22に接触しないで絶縁体として働く。他方、
図2Cのバリヤ層24は、導電特徴部22に接触して導電特徴部22と合金を作ることができる。
【0042】
図2Dは、一実施形態としての素子4′の概略側面図である。素子4′は、素子4′の拡散バリヤ層24がキャビティ21内にのみ設けられている点を除き、
図2Cに示す素子4とほぼ同じである。バリヤ層26が省かれた実施形態、例えば素子4,4′は、金属窒化物を省いたことによりキャビティ21内に導電特徴部22の高い導電率を得るための広い空間が後に残されるので、複数の導電特徴部が比較的細かいピッチで誘電体層20内に形成される場合に特に有益であると言える。導電特徴部22の直径は、1μmに満たないのがよい。
【0043】
図2Eは、一実施形態としての素子5の概略断面側面図である。素子5は、素子5のバリヤ層26がキャビティ21の側壁に沿って部分的に設けられているに過ぎないという点で、
図2Bに示す素子3とほぼ同じである。キャビティ21の底面にはバリヤ層26がないのがよく、それによりバリヤ層26が導電特徴部22とRDL28との間に介在する場合よりも、導電特徴部22とRDL28との間の接触抵抗が良好になる。
図2Bを参照して注目されることとして、バリヤ層24のバリヤ金属は、導電特徴部22及び/又はRDL28の材料と合金を作ることができる。かくして、バリヤ金属は、導電特徴部22とRDL28との間のインターフェースのところで、アニール後における合金として検出できる。
【0044】
図2Fは、一実施形態としての素子5′の概略断面側面図である。素子5′は素子5′のバリヤ層26が側壁に沿ってさらに下方に延び、例えば、キャビティ21の側壁全体を覆っているという点を除き、
図2Eに示す素子5とほぼ同じである。しかしながら、
図2Eの場合と同様、バリヤ層26は、キャビティ21の底部から省かれている。バリヤ層26を最小限に抑える実施形態、例えば素子5,5′は、キャビティ21内に導電特徴部22の高い導電率を得るための広い空間的余地を後に残すことができる。
【0045】
図3A~
図3Gは、一実施形態に従ってボンデッド構造体を製造するプロセスの種々のステップを示している。
図3Aでは、再配線層(RDL)28を備えた誘電体層20を用意するのがよく、そして誘電体層20の厚みを少なくとも部分的に貫通してキャビティ21を形成するのがよい(例えば、エッチングするのがよい)。幾つかの実施形態では、RDL28の一部分は、キャビティ21の底面21aを構成するのがよい。幾つかの実施形態では、RDL28に代えて、形成中の導電特徴部に対する電気的接触を可能にするための他の構造体を用いてもよい。幾つかの実施形態では、キャビティ21は、誘電体層20の厚み全体を貫通して延びるのがよい。
【0046】
図3Bでは、拡散バリヤ層24をキャビティ21の表面及び誘電体層20の上面20aに被着させるのがよい。幾つかの実施形態では、この段階では、拡散バリヤ層24は、被着後の導電層(例えば、バリヤ金属)であり、これは、元素金属層であるのがよい。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24のバリヤ金属をキャビティ21の表面及び誘電体層20の上面20aにコンフォーマルに被着させるのがよい。拡散バリヤ層24のバリヤ金属はマンガン、ニッケル、又はチタンを含むのがよい。拡散バリヤ層24のバリヤ金属が
図3Bで設けられる場合、バリヤ金属は、2nmから0.3μmまでの範囲、10nmから0.15μmまでの範囲、2nmから100nmまでの範囲、又は10nmから100nmまでの範囲にあるバリヤ金属厚さを有するのがよい。
【0047】
図3Cでは、バリヤ層26を拡散バリヤ層24に被着させるのがよい。幾つかの実施形態では、バリヤ層26を拡散バリヤ層24の表面にコンフォーマルに被着させるのがよい。幾つかの実施形態では、バリヤ層26は、金属及び/又は金属窒化物層、特に遷移金属(例えば、Ta、W)、及び/又は遷移金属窒化物(例えば、窒化タングステン、窒化タンタル、及び/又は窒化チタン層)を含むのがよい。幾つかの実施形態では、拡散層24のバリヤ金属は、金属窒化物層、遷移金属窒化物層、タンタルと金属窒化物のバイレーヤ(二重層)、又はタングステンと金属窒化物又は金属化合物、例えばニッケルバナジウム合金のバイレーヤを含むのがよい。バリヤ層26は、幾つかの用途では、酸化物ラウンディング(rounding)現象の発生を減少させるのを助けることができる。幾つかの実施形態では、バリヤ層26は、シード層としての役目を果たすことができる。
【0048】
図3Dでは、導電特徴部22の材料をキャビティ21内のバリヤ層26に被着させるのがよい。幾つかの実施形態では、導電特徴部22の材料をバリヤ層26に被着させるのがよく、特にめっきするのがよい。幾つかの実施形態では、導電特徴部22の材料は、銅からなるのがよい。
【0049】
図3Eでは、導電特徴部20の材料の少なくとも一部分を除去するのがよい。幾つかの実施形態では、導電特徴部22の材料のこの部分を平坦化、例えば化学機械的研磨(CMP)プロセスによって除去するのがよい。
図3Eでは、バリヤ層26の少なくとも一部分もまた、除去するのがよく、それにより拡散バリヤ層24が露出し、この拡散バリヤ層は、図示の実施形態では、バリヤ金属層としてアニールされていない状態のままである。CMPは、多数の相を含むのがよく、この場合、化学的性質及び/又はパッドは、互いに異なる材料が表れるときに切り換えられる。幾つかの実施形態では、導電特徴部22は、導電特徴部22が拡散バリヤ層24の上面に対して引っ込められるよう研磨されるのがよい。
図3Eでは、バリヤ層24のバリヤ金属の少なくとも一部を除去するのがよく、誘電体層20の表面20aに被着されたバリヤ金属のバリヤ金属厚さは、1nmから0.2μmまでの範囲、10nmから0.1μmまでの範囲、又は1nmから30nmまでの範囲にあるのがよい。幾つかの実施形態では、バリヤ層24は、素子のボンディング表面上で不連続であるのがよい。
【0050】
図3Fでは、
図3Eのところで形成された構造と同一又はほぼ同じ構造を有するもう1つの素子(例えば、第2の素子)が提供される。第2の素子は、第2の素子のボンディング表面上に拡散バリヤ層24′を有するのがよい。拡散バリヤ層24,24′(依然として、アニールされていないバリヤ金属の形態を取る)を互いに接触させる。拡散バリヤ層24,24′をボンディングインターフェース30に沿う接触時に互いにダイレクトボンディングするのがよい。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24,24′は、金属(例えば、Mn)を含むのがよく、そして金属間ダイレクトボンドを形成するのがよい。かかる金属間ダイレクトボンディングでは、熱を加えるのがよい。熱を加えると、金属は、誘電体層20中に拡散することができ、それにより誘電体ボンド(例えば、非導電ボンドインターフェース)が作られる。金属間ダイレクトボンディングは、外部圧力を加えないで達成できる。幾つかの実施形態では、バリヤ層24をボンディング操作に先立って素子のボンディング表面にのみ被着させるのがよい。
【0051】
図3Gでは、
図3Fで形成された構造体をアニールしてボンデッド接触部(ボンデッド接触特徴部22,22′)を形成するのがよく、それによりボンデッド構造体6が形成される。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24は、誘電体層20中に拡散することができる。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24は、導電特徴部22のエッジのところで導電特徴部22中に拡散することができる。例えば、拡散バリヤ層24と導電特徴部22は、合金を作ることができる。バリヤ金属を拡散済み金属に変換することに加えて、誘電体層との化合物、例えばケイ酸マンガンを形成し、そしてボンディングインターフェースから次第に弱くなるバリヤ金属濃度の勾配を持たせると、アニールはまた、導電特徴部22,22′を膨張させ、それにより導電特徴部22,22′が互いに接触し、それにより介在する接着剤なしでダイレクト金属間ボンドが得られる。拡散バリヤ層24,24′を互いにボンディングするために加えられる熱の温度は、導電特徴部22,22′をボンディングするためのアニール温度よりも低いのがよい。
【0052】
図4A~
図4Hは、一実施形態に従ってボンド構造体6′の製造プロセスの種々のステップを示している。
図4Aでは、再配線層(RDL)28付きの誘電体層24を用意するのがよく、そしてキャビティ21を誘電体層20の厚みを少なくとも部分的に貫通して形成して(例えば、エッチングして)下に位置するRDL28を露出させるのがよい。幾つかの実施形態では、RDL28の一部分は、キャビティ21の底面21aを構成することができる。幾つかの実施形態では、RDL28に代えて、形成中の導電特徴部に対する電気的接触を可能にするための他の構造体を用いてもよい。幾つかの実施形態では、キャビティ21は、誘電体層20の厚み全体を貫通して延びるのがよい。
【0053】
図4Bでは、拡散バリヤ層24をキャビティ21の表面及び誘電体層20の上面20aに被着させるのがよい。幾つかの実施形態では、この段階では、拡散バリヤ層24は、被着後の導電層(例えば、バリヤ金属)であり、これは、元素金属層であるのがよい。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24をキャビティ21の表面及び誘電体層20の上面20aにコンフォーマルに被着させるのがよい。拡散バリヤ層24のバリヤ金属はマンガン、ニッケル、又はチタンを含むのがよい。
【0054】
図4Cでは、バリヤ層26を拡散バリヤ層24に被着させるのがよい。幾つかの実施形態では、バリヤ層26を拡散バリヤ層24の表面にコンフォーマルに被着させるのがよい。バリヤ層26は、上述したように、金属及び/又は金属窒化物層を含むのがよい。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24のバリヤ金属は、誘電体層20内へのバリヤ層26の金属の拡散度よりも高い誘電体層20内への拡散度を有するのがよく、このバリヤ金属は、銅と比較して容易に酸化することができる。
【0055】
図4Dでは、導電特徴部22をバリヤ層26に被着させるのがよい。幾つかの実施形態では、導電特徴部22をバリヤ層26に被着させるのがよい。幾つかの実施形態では、導電特徴部を堆積、特にめっきによって設けるのがよい。幾つかの実施形態では、導電特徴部22は、銅からなるのがよい。
【0056】
図4Eでは、
図4Dで形成した構造体をアニールするのがよい。例えば、
図4Dで形成した構造体を約300℃のアニール温度、例えば、150℃から300℃までの範囲、175℃から300℃までの範囲、150℃から250℃までの範囲、又は175℃から250℃までの範囲あるアニール温度でアニールするのがよい。当初、金属の拡散バリヤ層24は、この構造体がアニールされたとき、誘電体層20及び/又は再配線層28中に拡散することができる。アニールは、拡散バリヤ層24の物質と誘電体層20の物質の化合物、例えば、例えばケイ酸マンガンを生じさせることができるとともに、拡散バリヤ層24と誘電体層20との間の初期インターフェースから次第に弱くなるバリヤ金属勾配を生じさせることができる。アニールは、この構造体が金属間ダイレクトボンディングのために
図4Hにおいて別のアニールを受けることになるので、バリヤ金属を完全に拡散させる必要はなく、あるいはバリヤ金属を誘電体層20と完全に化合させる必要はない。
【0057】
図4Fでは、導電特徴部22の少なくとも一部分を除去するのがよい。幾つかの実施形態では、導電特徴部22のこの部分を化学機械的研磨プロセスにより除去するのがよい。
【0058】
図4Gでは、バリヤ層26及び拡散バリヤ層24を除去するのがよい。幾つかの実施形態では、バリヤ層26及び拡散バリヤ層24は、バリヤ層26及び拡散バリヤ層24の材料の除去が可能であり、そして誘電体層20の材料上で停止する化学的性質を備えた1種類又は多種類のバリヤスラリにより除去されるのがよい。
【0059】
図4Hでは、
図4Gで形成した構造と同一又はほぼ同一の構造を有するもう1つの素子(例えば、第2の素子)を設け、2つの素子を互いに接触させ、それによりボンデッド構造体6′が形成される。誘電体層20,20′の表面をボンディングインターフェース32に沿う接触時に互いにダイレクトボンディングするのがよく、それにより室温であっても、かつ圧力なしで強固な共有結合が形成される。ボンデッド構造体6′を初期ボンディング後にアニールし、それにより導電特徴部22,22′を膨張させるとともに、ダイレクトハイブリッドボンド(ボンデッド導電特徴部22,22′を含む)を形成するのがよく、それにより誘電体間ボンドを強化することができる。
【0060】
図5A~
図5Gは、一実施形態に従ってボンデッド構造体7を製造するプロセスの種々のステップを示している。
図5A~
図5Gのプロセスは、
図4A~
図4Gのプロセスとほぼ同じであり、プロセス相互間の差のうちの幾つかについて説明する。
【0061】
図5Cを参照すると、バリヤ層26を拡散バリヤ層24に部分的にしか被着させない。幾つかの実施形態では、キャビティ21の底面21aにはバリヤ層26がないのがよい。当業者には知られているように、これは、例えば、非コリメーティング(non-collimating)条件によってバリヤ層26をスパッタすることによって達成されるのがよく、その結果、バリヤ層は、下側部分又は底面21aを被覆せずあるいは底面21aを部分的にしか被覆しないで(例えば、これを不連続に被覆して)キャビティの側壁を被覆するようになっている。幾つかの実施形態では、キャビティ21の側壁の少なくとも下側部分にはバリヤ層26がないのがよい。
図4Eの場合と同様、拡散バリヤ層24をこの段階では短時間のかつ/あるいは低温のアニールによって拡散させるのがよい。アニールは、誘電体層との化合物、例えばケイ酸マンガンを生じさせることができるとともに、誘電体層20と拡散バリヤ層24との間の初期インターフェースから次第に弱くなるバリヤ金属勾配を生じさせることができる。アニールは、この構造体が金属間ダイレクトボンディングのために
図5Gにおいて別のアニールを受けることになるので、バリヤ金属を完全に拡散させる必要はなく、あるいはバリヤ金属を誘電体層20と完全に化合させる必要はない。
【0062】
幾つかの実施形態では、バリヤ層26をキャビティ21の側壁と直接接触した状態で不連続に被着させるのがよい。拡散バリヤ層24をバリヤ層26上に被覆させるとともに、バリヤ層26と導電特徴部22との間に設けるのがよい(
図5D参照)。誘電体キャビティ21内において、拡散バリヤ層24の第1の部分は、バリヤ層26の幾つかの部分と接触状態にあるのがよく、拡散バリヤ24の第2の部分は、誘電体層20の一表面及びキャビティ21の下面21a又は再配線層28の頂面と接触状態にあるのがよい。さらに、幾つかの他の実施形態(図示せず)では、バリヤ層26は、キャビティ21の側壁に接触するのがよく、拡散済みバリヤ層24は、キャビティ21の下面21aに接触するのがよい。
【0063】
図5Fでは、導電特徴部22の少なくとも一部分及びバリヤ層26の残りの部分を誘電体層20の上面から除去するのがよい。幾つかの実施形態では、導電特徴部22のこの部分及びバリヤ層26のこの部分を平坦化、例えば化学機械的研磨(CMP)プロセスによって除去するのがよい。幾つかの実施形態では、拡散バリヤ層24,24′を平坦化、例えば化学機械的研磨(CMP)プロセスによって部分的に又は完全に除去するのがよい。
【0064】
図5Gでは、拡散バリヤ層24,24′を互いにボンディングする。
図4Hを参照して説明したように、拡散後、拡散バリヤ層24,24′を含む誘電体層20,20′を室温で圧力なしに互いに直接共有結合させるのがよい。次に、ボンデッド構造体7をアニールして導電特徴部22,22′を膨張させるとともにボンディングする一方で、誘電体ダイレクトボンドを強化するとともに、バリヤ金属の拡散及び化合を向上させて誘電体化合物、例えばケイ酸マンガン及び酸化マンガンを形成するのがよい。
【0065】
図6~
図8は、種々の実施形態としてのボンデッド構造体の種々の実施形態を示しており、ダイレクトハイブリッドボンデッド構造体の1つ又は両方の素子は、本明細書において説明したような拡散バリヤ層を含む。
【0066】
図6は、一実施形態としてのボンデッド構造体6″の概略断面側面図である。ボンデッド構造体6″は、
図3E及び
図4Gの素子を含むのがよい。
図7は、もう1つの実施形態としてのボンデッド構造体7′の概略断面側面図である。ボンデッド構造体7′は、ボンデッド構造体7′において拡散バリヤ層24,24′がボンディング中の素子相互間のボンデッドインターフェースから省かれている点を除き、
図5Gに示すボンデッド構造体7とほぼ同じであるのがよい。
図8は、もう1つの実施形態としてのボンデッド構造体8の概略断面側面図である。
図8に示すように、ボンデッド構造体8は、導電特徴部22″(例えば、貫通ビア)を有する素子にボンディングされた導電特徴部22(例えば、導電パッド)を有する素子を含むのがよい。貫通ビアは、誘電体層20′の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるシリコン貫通ビア(TSV)からなるのがよい。
【0067】
当業者であれば、本明細書において開示した原理及び利点を任意適当な仕方で組み合わせることができることを理解するであろう。例えば、本明細書において開示した素子の任意適当な組み合わせは、ボンデッド構造体を構成することができる。
【0068】
1つの観点では、素子が開示される。素子は、誘電体ボンディング層を有するのがよく、誘電体ボンディング層は、誘電体ボンディング層の表面から誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有する。素子は、キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部を有すまくするのがよい。導電特徴部は、接触面を有する。素子は、導電特徴部と誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられた拡散バリヤ層を有するのがよい。拡散バリヤ層は、バリヤ金属を含む。拡散バリヤ層のバリヤ金属は、導電特徴部の酸化傾向よりも高い酸化傾向を有する。
【0069】
1つの実施形態では、バリヤ金属は、誘電体ボンディング層に対するタンタル又は窒化タンタルの拡散度よりも高い誘電体ボンディング層に対する拡散度を有する。
【0070】
1つの実施形態では、バリヤ金属の厚さは、2nmから50nmまでの範囲にある。
【0071】
1つの実施形態では、バリヤ金属の厚さは、1nmから100nmまでの範囲にある。
【0072】
1つの実施形態では、誘電体ボンディング層の表面は、別の素子の誘電体層にダイレクトに結合するよう構成されたボンディング表面を含む。導電特徴部の接触面は、別の素子の接触パッドにダイレクトに結合するよう構成されているのがよい。
【0073】
1つの実施形態では、導電特徴部は、銅を含む。
【0074】
1つの実施形態では、拡散バリヤ層は、アニールステップに応答して誘電体ボンディング層中に拡散する材料を含む。
【0075】
1つの実施形態では、誘電体ボンディング層は、酸化シリコンを含む。拡散バリヤ層は、バリヤ金属及び誘電体ボンディング層の材料を含むバリヤ化合物を含むのがよい。バリヤ化合物は、ケイ酸マンガン又はマンガン化合物を含むのがよい。
【0076】
1つの実施形態では、拡散バリヤ層の一部分はさらに、誘電体ボンディング層の表面上に設けられ、拡散バリヤ層の一部分は、別の素子の誘電体層に結合するよう構成されている。
【0077】
1つの実施形態では、素子は、拡散バリヤ層と導電特徴部との間に少なくとも部分的に設けられたバリヤ層をさらに含む。バリヤ層は、キャビティの底面上には設けられていないのがよい。バリヤ層は、誘電体ボンディング層の表面からキャビティの側壁に沿って部分的に設けられるのがよい。バリヤ層は、バリヤ層が導電特徴部と拡散バリヤ層を完全に隔てるよう設けられるのがよい。バリヤ層は、窒化タングステン、窒化タンタル及び/又は窒化チタンを含むのがよい。
【0078】
1つの実施形態では、素子は、接触面と反対側に位置する導電特徴部の底面の下に設けられた再配線層(RDL)をさらに有する。バリヤ金属は、導電特徴部とRDLとの間に設けられるのがよい。
【0079】
1つの実施形態では、バリヤ金属は、導電特徴部と合金を作るよう構成されている。
【0080】
1つの実施形態では、導電特徴部の接触面にはバリヤ金属が存在しない。
【0081】
1つの実施形態では、導電特徴部は、基板貫通ビアである。基板貫通ビアは、誘電体層の厚みを貫通して延びるのがよい。
【0082】
1つの実施形態では、拡散バリヤ層は、バリヤ金属の元素金属層を含み、素子は、非ボンデッド状態である。
【0083】
1つの実施形態では、拡散バリヤ層は、バリヤ金属を含む金属ケイ酸塩材料を含み、素子は、第2の素子にダイレクトハイブリッドボンディングされている。
【0084】
1つの実施形態では、バリヤ金属は、マンガンを含む。
【0085】
1つの実施形態では、バリヤ金属は、ニッケルからなる。
【0086】
1つの観点では、ダイレクトハイブリッドボンディング表面を有する素子が開示される。素子は、誘電体ボンディング層を有するのがよく、誘電体ボンディング層は、誘電体ボンディング層の表面から誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有する。素子は、キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部を有するのがよい。導電特徴部は、接触面を有する。素子は、導電特徴部と誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられた拡散バリヤ層を有するのがよい。導電特徴部の接触面は、ダイレクトハイブリッドボンディング表面の一部分となっている。
【0087】
1つの実施形態では、拡散バリヤ層は、マンガン濃度の勾配を有する拡散済み金属層を含む。
【0088】
1つの実施形態では、誘電体ボンディング層の表面は、別の素子の誘電体層にダイレクトに結合するよう構成されたボンディング表面を含む。導電特徴部の接触面は、別の素子の接触パッドにダイレクトに結合するよう構成されているのがよい。
【0089】
1つの実施形態では、導電特徴部は、銅を含む。
【0090】
1つの実施形態では、誘電体ボンディング層は、酸化シリコンを含む。拡散バリヤ層は、ケイ酸マンガン又は酸化マンガンを含むのがよく、素子は、第2の素子にダイレクトハイブリッドボンディングされている。拡散バリヤ層の一部分はさらに、第2の素子との間のボンディングインターフェースのところで誘電体ボンディング層の表面上に設けられるのがよい。
【0091】
1つの実施形態では、素子は、拡散バリヤ層と導電特徴部との間に少なくとも部分的に設けられたバリヤ層をさらに有する。バリヤ層は、キャビティの底面上には設けられないのがよい。バリヤ層は、キャビティの側壁に沿って誘電体ボンディング層の表面から部分的に設けられるのがよい。バリヤ層は、バリヤ層が導電特徴部と拡散バリヤ層を完全に隔てるよう設けられるのがよい。バリヤ層は、金属窒化物層を含むのがよい。
【0092】
1つの実施形態では、素子は、接触面と反対側に位置する導電特徴部の底面の下に設けられた再配線層(RDL)をさらに有する。素子は、非ボンデッド状態であるのがよい。
【0093】
1つの観点では、ボンデッド構造体が開示される。ボンデッド構造体は、第1の素子を有するのがよい。第1の素子は、誘電体ボンディング層を有するのがよく、誘電体ボンディング層は、誘電体ボンディング層の表面から誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有し、第1素子は、キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部と、導電特徴部と誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられた拡散バリヤ層とをさらに有するのがよい。導電特徴部は、接触面を有する。拡散バリヤ層は、誘電体ボンディング層中に拡散して誘電体ボンディング層と結合するバリヤ金属を含むのがよい。ボンデッド構造体は、第2の素子を有するのがよい。第2の素子は、第1の素子の誘電体ボンディング層にダイレクトボンディングされた第2の誘電体層と、介在する接着剤なしで第1の素子の導電特徴部の接触面にダイレクトボンディングされた第2の導電特徴部とを有するのがよい。
【0094】
1つの実施形態では、第1の素子の誘電体ボンディング層は、第2の素子の第2の誘電体層にダイレクトボンディングされている。
【0095】
1つの実施形態では、導電特徴部及び第2の導電特徴部は、銅を含む。
【0096】
1つの実施形態では、バリヤ金属は、マンガンを含む。誘電体ボンディング層は、酸化シリコンを含むのがよい。拡散バリヤ層は、ケイ酸マンガン又はマンガン化合物を含むのがよい。
【0097】
1つの実施形態では、バリヤ金属は、ニッケルを含む。
【0098】
1つの実施形態では、ボンデッド構造体は、拡散バリヤ層と導電特徴部との間に少なくとも部分的に設けられたバリヤ層をさらに有する。バリヤ層は、キャビティの底面上には設けられないのがよい。バリヤ層は、誘電体ボンディング層の表面からキャビティの側壁に沿って部分的に設けられるのがよい。バリヤ層は、バリヤ層が導電特徴部と拡散バリヤ層を完全に隔てるよう設けられるのがよい。バリヤ層は、金属窒化物を含むのがよい。
【0099】
1つの実施形態では、ボンデッド構造体は、接触面と反対側に位置する導電特徴部の底面の下に設けられた再配線層(RDL)をさらに有するのがよい。バリヤ金属は、導電特徴部とRDLとの間のインターフェースのところに存在するのがよい。
【0100】
1つの実施形態では、バリヤ金属と導電特徴部は、合金を作る。
【0101】
1つの観点では、ボンデッド構造体が開示される。ボンデッド構造体は、第1の素子を有するのがよい。第1の素子は、誘電体ボンディング層を有し、誘電体ボンディング層は、誘電体ボンディング層の表面から誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有し、第1の素子は、キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部と、導電特徴部と誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられた拡散バリヤ層とをさらに有する。導電特徴部は、接触面を有する。拡散バリヤ層は、マンガンを含む。ボンデッド構造体は、第2の素子を有するのがよい。第2の素子は、第1の素子の誘電体ボンディング層にボンディングされた第2の誘電体層と、介在する接着剤なしで第1の素子の導電特徴部の接触面にダイレクトボンディングされた第2の導電特徴部とを有する。
【0102】
1つの実施形態では、第1の素子の誘電体ボンディング層は、第2の素子の第2の誘電体層にダイレクトボンディングされている。
【0103】
1つの実施形態では、導電特徴部は、銅を含む。
【0104】
1つの実施形態では、誘電体ボンディング層は、酸化シリコンを含む。拡散バリヤ層は、ケイ酸マンガン又はマンガン化合物を含むのがよい。ボンデッド構造体は、拡散バリヤ層と導電特徴部との間に少なくとも部分的に設けられたバリヤ層をさらに有するのがよい。バリヤ層は、キャビティの底面上には設けられないのがよい。バリヤ層は、誘電体ボンディング層の表面からキャビティの側壁に沿って部分的に設けられるのがよい。バリヤ層は、バリヤ層が導電特徴部と拡散バリヤ層を完全に隔てるよう設けられるのがよい。バリヤ層は、金属窒化物を含むのがよい。
【0105】
1つの実施形態では、ボンデッド構造体は、接触面と反対側に位置する導電特徴部の底面の下に設けられた再配線層(RDL)をさらに有する。導電特徴部とRDLとの間のインターフェースのところにマンガンが存在するのがよい。
【0106】
1つの実施形態では、マンガンと導電特徴部は、合金を作る。
【0107】
1つの観点では、素子を形成する方法が開示される。本方法は、誘電体層内に形成されたキャビティの表面上にバリヤ金属層を設けるステップを含むのがよい。バリヤ金属層は、誘電体層中に拡散するよう構成されたバリヤ金属を含む。キャビティは、誘電体層の上面から誘電体層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びる。本方法は、バリヤ金属層を覆ってキャビティ内に導電特徴部を設けるステップを含むのがよい。本方法は、素子の表面をダイレクトボンディング可能に前処理するステップとをさらに含むのがよい。誘電体層中へのバリヤ金属の拡散度は、少なくとも3nmである。
【0108】
1つの実施形態では、バリヤ金属層を設けるステップは、バリヤ金属層をキャビティの表面上にコンフォーマルに設けるステップを含む。
【0109】
1つの実施形態では、バリヤ金属は、導電特徴部の酸化傾向よりも高い酸化傾向を有する。
【0110】
1つの実施形態では、バリヤ金属層を設けるステップは、5nm~100nmのバリヤ金属厚さを有するようバリヤ金属層を設けるステップを含む。
【0111】
1つの実施形態では、バリヤ金属層を設けるステップは、1nm~100nmのバリヤ金属厚さを有するようバリヤ金属層を設けるステップを含む。
【0112】
1つの実施形態では、本方法は、素子をアニールしてバリヤ金属を誘電体層中に拡散させてバリヤ拡散層を形成するステップをさらに含む。アニールステップは、150℃~400℃でアニールするステップを含むのがよい。アニールステップは、150℃~350℃でアニールするステップを含むのがよい。
【0113】
1つの実施形態では、バリヤ金属層を設けるステップは、バリヤ金属の元素金属層を被着させるステップを含む。
【0114】
1つの実施形態では、バリヤ金属層を設けるステップは、バリヤ金属層を誘電体層の上面上に設けるステッを含む。
【0115】
1つの実施形態では、本方法は、バリヤ金属層を設けた後で、かつ導電特徴部を設ける前に、キャビティをバリヤ層で内張りするステップをさらに含む。バリヤ層は、バリヤ層が導電特徴部と拡散バリヤ層を完全に隔てるよう設けられるのがよい。バリヤ層は、金属窒化物を含むのがよい。
【0116】
1つの実施形態では、本方法は、導電特徴部の側壁に沿って導電特徴部とバリヤ金属との間に合金を作るステップをさらに含む。
【0117】
1つの実施形態では、本方法は、化学的機械的研磨によって導電特徴部の少なくとも一部分を除去するステップをさらに含む。本方法は、拡散バリヤ層を誘電体層の上面から除去するステップをさらに含むのがよい。本方法は、導電特徴部をダイレクトハイブリッドボンディングに備えて誘電体層の上面の下に凹ませるステップをさらに含むのがよい。
【0118】
1つの実施形態では、本方法では、導電特徴部へのバリヤ金属の被着が行われない。
【0119】
1つの観点では、ボンデッド構造体を形成する方法が素子を別の素子にボンディングするステップと、素子及び別の素子をアニールするステップとを含む。アニールステップによりバリヤ金属が誘電体層中に拡散して拡散バリヤ層を形成することができる。アニールステップによりバリヤ金属と導電特徴部が合金を作ることができる。
【0120】
1つの観点では、素子を形成する方法が開示される。本方法は、誘電体層内に形成されたキャビティの表面上にマンガン層を設けるステップを含むのがよい。キャビティは、誘電体層の上面から誘電体層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びる。本方法は、マンガン層を覆ってキャビティ内に導電特徴部を設けるステップと、素子の表面をダイレクトボンディング可能に前処理するステップとを含むのがよい。
【0121】
1つの実施形態では、本方法は、マンガン層をアニールしてケイ酸マンガン又はマンガン化合物を生じさせるステップをさらに含む。アニールステップは、導電特徴部の側壁に沿って銅‐マンガン合金を作る。アニールステップは、150℃~250℃でアニールするステップを含む。
【0122】
1つの実施形態では、マンガン層を設けるステップは、マンガン元素を被着させるステップを含む。
【0123】
1つの実施形態では、マンガン層を設けるステップは、マンガン層を誘電体層の上面上に設けるステップを含む。
【0124】
1つの実施形態では、本方法は、マンガン層を設けた後で、かつ導電特徴部を設ける前に、バリヤ層を被着させるステップをさらに含む。バリヤ層は、バリヤ層が導電特徴部と拡散バリヤ層を完全に隔てるよう設けられるのがよい。バリヤ層は、金属窒化物であるのがよい。
【0125】
1つの実施形態では、本方法は、化学的機械的研磨によって導電特徴部の少なくとも一部分を除去するステップをさらに含む。本方法は、マンガン層を誘電体層の上面から除去するステップをさらに含むのがよい。本方法は、導電特徴部を誘電体層の上面の下に凹ませるステップをさらに含むのがよい。
【0126】
1つの実施形態では、ボンデッド構造体を形成する方法が素子を別の素子にボンディングするステップと、素子及び別の素子をアニールするステップとを含む。アニールステップによりマンガンがマンガン層から誘電体層中に拡散することができる。アニールステップによりマンガン層と導電特徴部が合金を作ることができる。
【0127】
1つの観点では、ボンデッド構造体を形成する方法が開示される。本方法は、第1の素子を用意するステップを含むのがよく、第1の素子は、誘電体ボンディング層を有し、誘電体ボンディング層は、誘電体ボンディング層の表面から誘電体ボンディング層の厚みを少なくとも部分的に貫通して延びるキャビティを有し、第1の素子は、キャビティ内に少なくとも部分的に設けられた導電特徴部と、導電特徴部と誘電体ボンディング層の一部分との間に設けられたバリヤ金属を含む拡散バリヤ層とをさらに有する。導電特徴部は、接触面を有する。誘電体ボンディング層に対する拡散バリヤ層のバリヤ金属の拡散度は、少なくとも5nmである。本方法は、第2の素子を用意するステップを含むのがよく、第2の素子は、第2の誘電体ボンディング層及び第2の導電特徴部を有し、本方法は、第1の素子の誘電体ボンディング層を第2の素子の誘電体ボンディング層にダイレクトボンディングするステップと、第1の素子の導電特徴部の接触面を介在する接着剤なしで第2の素子の第2の導電特徴部にダイレクトボンディングするステップとをさらに含む。
【0128】
1つの実施形態では、本方法は、ボンデッド構造体をアニールし、それによりバリヤ金属を誘電体ボンディング層中に拡散させてバリヤ拡散層を形成するステップをさらに含む。導電特徴部の接触面を第2の導電特徴部にダイレクトボンディングするステップは、150℃~250℃の温度でアニールするステップを含む。
【0129】
1つの実施形態では、第1の素子は、導電特徴部と拡散バリヤ層との間に設けられたバリヤ層をさらに有する。バリヤ層は、バリヤ層が導電特徴部と拡散バリヤ層を完全に隔てるよう設けられるのがよい。バリヤ層は、金属窒化物を含むのがよい。
【0130】
文脈上別段の明示の必要がなければ、原文明細書及び原文特許請求の範囲全体を通じて、“comprise”(訳文では「~を有する」としている場合が多い)、“comprising”、“include”(「~を含む」)、“including”などの用語は、排他的又は網羅的な意味とは異なり、包括的な意味に、すなわち“including, but not limited to”(「~を含むが、これには限定されない」)の意味に解されるべきである。本明細書に一般的に用いられている「結合され」という用語は、互いに直接的に( ダイレクトに) 連結されるか、1つ以上の中間要素により互いに連結される2つ以上の要素を意味している。同様に、本明細書において一般的に用いられている「連結され」という用語は、互いに直接的に連結されるか、1つ以上の中間要素により互いに連結される2つ以上の要素を意味している。加うるに、原語出願において用いられている“herein”(訳文では「本明細書において」としている場合が多い)、“above”(「上述の」の意)、“below”(「後述の」の意)、及び同様な趣旨の用語は、本願を全体として意味しており、本願の何らかの特定の部分を意味しているわけではない。さらに、本明細書で用いられているように、第1の素子が第2の素子の「上(on)」又は「覆って(over)」位置すると説明されている場合、第1の素子は、第1の素子と第2の素子は、互いに直接的に接触するよう、第2の素子上に又はこれを覆って直接位置する場合があり、あるいは第1の素子は、1つ以上の素子が第1の素子と第2の素子の間に介在するよう、第2の素子上又はこれを覆って間接的に位置する場合がある。文脈上許容される場合には、単数形又は複数形を用いた上記の詳細な説明中の用語は、それぞれ複数又は単数を含む場合がある。2つ以上のアイテムのリストに関して「又は」という用語は、この用語についての以下の解釈、すなわち、リスト中のアイテムのうちの任意のもの、リスト中のアイテムの全て、及びリスト中のアイテムの任意の組み合わせの全てを含む。
【0131】
さらに、原文明細書で用いられている条件語、とりわけ“can”(「~のがよい」、「~でもよい」又は「~することができる」)、“could”、“might”、“may”、“e.g.”、“for example”、“such as”などは、別段の明示の指定がなければ、又は用いられている文脈内で違ったやり方で理解されない場合、一般に、ある特定の実施形態がある特定の特徴、要素、及び/又は状態を含み、他の実施形態がある特定の特徴、要素、及び/又は状態を含まないということを意味するようになっている。かくして、かかる条件語は、一般的には、特徴、要素、及び/又は状態が、1つ以上の実施形態について必要な何らかの仕方で存在することを意味するようにはなってはいない。
【0132】
ある特定の実施形態を説明したが、これら実施形態は、例示としてのみ提供されており、本発明の範囲を限定するものではない。確かに、本明細書において説明した新規な装置、方法、及びシステムは、種々の他の形態で具体化でき、さらに、本明細書において説明した方法及びシステムの形態における種々の省略、置換、及び変更は、本発明の範囲から逸脱することなく実施できる。例えば、ブロックが所与の配置で示されているが、変形実施形態は、異なるコンポーネント及び/又は回路トポロジでほぼ同じ機能を実行することができ、幾つかのブロックを削除し、動かし、追加し、分割し、組み合わせ、かつ/あるいは改造することができる。これらブロックの各々は、多種多様な仕方で具体化できる。上述の種々の実施形態の要素及び作用の任意適当な組み合わせは、別の実施形態を提供するよう組み合わせ可能である。添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及びその均等範囲は、本発明の範囲及び精神に含まれるかかる形態又は改造を含むものである。
【国際調査報告】