(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】コネクタ、コネクタアセンブリ、およびコネクタアセンブリを組み立てるためのツールおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01R 4/2406 20180101AFI20241018BHJP
H01R 12/77 20110101ALI20241018BHJP
H01R 43/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H01R4/2406
H01R12/77
H01R43/00 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525594
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2022080536
(87)【国際公開番号】W WO2023078917
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】102021128871.1
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523441706
【氏名又は名称】エルニ インタナツィオナール アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゼーミリア,カイレーネ
(72)【発明者】
【氏名】ガーファンダ,ゼバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】クリストマン,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ツィーゲレ,クルト
(72)【発明者】
【氏名】カミンスキー,シュテフェン
【テーマコード(参考)】
5E012
5E223
【Fターム(参考)】
5E012AA22
5E012AA38
5E012AA42
5E012AA43
5E223AA21
5E223AB18
5E223AB19
5E223AC05
5E223AC27
5E223AC28
5E223BA04
5E223BB11
5E223CB58
5E223CC15
5E223EA33
(57)【要約】
プラグコネクタは、複数のブレード(33、34)が導電可能に接続される少なくとも1つのプラグコンタクト要素(31)を有する第1のハウジング部(30)を有し、第2のハウジング部(40)が、導体箔(20)のための受入れ領域(41)を有する。ハウジング部(30、40)は、はめ込まれる。第2のハウジング部(40)は、少なくとも1つの第1の隆起部(42)を有し、第1の隆起部(42)は、ハウジング部(30、40)のはめ込み中に、受入れ領域(41)に配置されている導体箔(20)をブレード(33、34)の方向に押圧するように構成されている。これはまた、第1のブレード(33)の第1の領域(331)が第1の隆起部(42)の方向に屈曲した場合に第1のブレード(33)と密着して係合するように構成されている。
【選択図】
図3b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箔絶縁導体を有する可撓性導体箔(20)のためのプラグコネクタ(10)であって、
- 複数のブレード(33、34)が導電可能に接続されている少なくとも1つのプラグコンタクト要素(31)を有する第1のハウジング部(30)と、
- 前記導体箔(20)のための受入れ領域(41)を有する第2のハウジング部(40)と
を有し、
前記第1のハウジング部(30)および前記第2のハウジング部(40)は、互いに押し込まれている、プラグコネクタ(10)において、
前記第2のハウジング部(40)は、少なくとも1つの第1の隆起部(42)を有し、
前記第1の隆起部(42)は、前記ハウジング部(30、40)の押し込み中に、前記受入れ領域(41)に配置されている導体箔(20)を前記ブレード(33、34)の方向に押圧するように構成されているとともに、第1のブレード(33)の第1の領域(331)が前記第1の隆起部(42)の方向に屈曲した場合に前記第1のブレード(33)と密着して係合するように構成されている
ことを特徴とするプラグコネクタ(10)。
【請求項2】
前記第1のハウジング部(30)は、少なくとも1つの第1のブレード(33)および少なくとも1つの第2のブレード(34)を有し、前記第1のブレード(33)は、前記第2のブレード(34)よりも長い
ことを特徴とする、請求項1に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項3】
前記第1のハウジング部(30)は、ブレード(33、34)の少なくとも1つの列(32)を有し、前記列(32)は、2つの第1のブレード(33)および少なくとも2つの第2のブレード(34)を備える
ことを特徴とする、請求項2に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項4】
前記第1のハウジング部(30)は、複数の第2のブレード(34)が2つの第1のブレード(33)の間に配置されているブレード(33、34)の少なくとも1つの列(32)を有する
ことを特徴とする、請求項2または3に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項5】
各第1の隆起部(42)は、第1のブレード(33)と第2のブレード(34)との間に配置されている
ことを特徴とする、請求項3または4に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項6】
前記第2のハウジング部(40)は、少なくとも1つの第2の隆起部(43)を有し、
前記第2の隆起部(43)は、2つのブレード(33、34)の間に配置されており、
前記第2の隆起部(43)は、前記ハウジング部(30、40)の押し込み中に、前記受入れ領域(41)に配置されている導体箔(20)を前記ブレード(33、34)の方向に押圧するように構成されている
ことを特徴とする、請求項3から5のいずれか一項に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項7】
前記第2のハウジング部(40)は、少なくとも1つの第2の隆起部(43)を有し、
前記第2の隆起部(43)は、2つの第2のブレード(34)の間に配置されており、
前記第2の隆起部(43)は、前記ハウジング部(30、40)の押し込み中に、前記受入れ領域(41)に配置されている導体箔(20)を前記ブレード(33、34)の方向に押圧するように構成されている
ことを特徴とする、請求項6に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項8】
前記第1のブレード(33)の前記第1の領域(331)は、前記第1のブレード(33)の第2の領域(332)よりも小さい幅を有する
ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項9】
前記第1の隆起部(42)は、表面曲率を有する
ことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項10】
前記第2のハウジング部(40)は、各第1の隆起部(42)の上方の、前記第1のハウジング部(30)とは反対側の面に開口部(44)を有する
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のプラグコネクタ(10)と、
少なくとも1つのブレード(33、34)が交差し、少なくとも1つの第1の隆起部(42)により前記第1のハウジング部(30)の方向に押圧されるように前記受入れ領域(41)に配置されている、箔絶縁導体を有する可撓性導体箔(20)と
を有し、
第1のブレード(33)が、前記第1の隆起部(42)に密着し、これを前記導体箔(20)の方向に押圧する、
プラグコネクタアセンブリ。
【請求項12】
前記第1のブレード(33)は、その第1の領域(331)において少なくとも80°屈曲する
ことを特徴とする、請求項11に記載のプラグコネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のブレード(33)は、その第1の領域(331)において実質的に円弧状に屈曲する
ことを特徴とする、請求項11または12に記載のプラグコネクタアセンブリ。
【請求項14】
屈曲した各々の第1のブレード(33)の先端部が、第2のブレード(34)の先端部の上方に配置されている
ことを特徴とする、請求項12または13に記載のプラグコネクタアセンブリ。
【請求項15】
請求項10に記載のプラグコネクタ(10)の開口部(44)に係合するように構成され、前記プラグコネクタ(10)の第1の隆起部(42)の表面曲率に対応する表面曲率を有する少なくとも1つの凹状屈曲領域(51)
を有する、請求項11から14のいずれか一項に記載のプラグコネクタアセンブリを組み立てるためのツール(50)。
【請求項16】
前記プラグコネクタ(10)の第1の隆起部(42)ごとにそれぞれ別個の凹状屈曲領域(51)を有する
ことを特徴とする、請求項15に記載のツール(10)。
【請求項17】
請求項11から14のいずれか一項に記載のプラグコネクタアセンブリを組み立てるための方法であって、
a)請求項1から7のいずれか一項に記載のプラグコネクタの第1のハウジング部(30)および第2のハウジング部(40)を準備するステップと、
b)箔絶縁導体を有する可撓性導体箔(20)を前記第2のハウジング部(40)の前記受入れ領域(41)に挿入するステップと、
c)前記少なくとも1つの第1の隆起部(42)が前記導体箔(20)を前記少なくとも1つのブレード(33、34)の方向に押圧するように、前記ハウジング部(30、40)を押し込むステップであって、前記ブレード(33、34)が前記導体箔(20)と交差する、押し込むステップと、
d)前記第1のブレード(33)の前記第1の領域(331)を、前記第1の隆起部(42)と密着して係合するまで、前記第1の隆起部(42)の方向に屈曲させるステップと
を有する方法。
【請求項18】
前記屈曲は、請求項11または12に記載のツール(50)が、その屈曲領域(51)により前記第1のブレード(33)が屈曲するように前記第2のハウジング部(40)の少なくとも1つの開口部(44)に挿入されることで生じる
ことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記押し込みおよび前記屈曲は、同時に行われる
ことを特徴とする、請求項17または18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性導体箔のためのプラグコネクタに関する。加えて、本発明は、プラグコネクタを有するプラグコネクタアセンブリ、ならびにプラグコネクタアセンブリを組み立てるためのツールおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
箔絶縁導体を有する可撓性導体箔は、今日、娯楽および民生用電子機器の様々な領域に加えて、車両製造においても用いられている。導体箔は、特に、可能な限り小さい重量および制限された空間要件を伴う、非常に可撓性の高い導体構造が要求される場合に用いられる。可撓性導体箔は、複数の分離した導体経路を順序付けて並列に引回すことを可能にし、より大きい屈曲も可能であるため、極々制限された設置スペースに配置される部品同士を導電可能に接続することができる。特に車両製造において、このタイプの導体箔は、例えば振動などの大きい機械的影響に耐えることができる必要もある。
【0003】
よって、特に個々の箔絶縁導体の接触が、特に重要なものとなっている。特に車両製造において、この接触は、外部の機械的影響に加えて様々なタイプの温度影響および環境影響に対しても安定であり耐性を有するように構成される必要がある。
【0004】
DE 10 2015 100 401 B4は、少なくとも1つのプラグコンタクト要素が配置されるプラグコネクタハウジングを有する、箔絶縁導体を有する可撓性導体箔のためのプラグコネクタについて記載している。1つの接続領域において、少なくとも1つのプラグコンタクト要素と導電可能に接続されるブレードが、電気コンタクトの製造中に、少なくとも1つの箔絶縁導体を貫通し固定することができる。プラグコネクタハウジングは、互いに差し込み可能な2つのハウジング部を備える。第1のハウジング部は、ブレード、およびこれと導電可能に接続される少なくとも1つのプラグコンタクト要素を格納する。第2のハウジング部は、可撓性導体箔を受け入れ、これを格納する。
加えて、第2のハウジング部は、ブレードに適合する少なくとも1つのブレード受入れ部を有し、その境界面は、2つのハウジング部の押し込み中にブレードの少なくともいくつかが箔絶縁導体の方向に屈曲するように形成される。ブレードを屈曲させることにより、ブレードと導体箔との間の接触面に圧力が及ぼされ、それにより電気的接触面が大きくなる。同時に、ブレードがプラグコネクタハウジング内で一定の張力下に保たれる。これにより、電気的に良好かつ気密な接触をプラグコネクタにおいて実現することができる。
【0005】
しかしながら、ブレードがオス型コネクタから突出する点で屈曲し、よってその全長にわたってオス型コネクタに向かって曲がった状態では、導体箔とブレードとの間の接触点において、一定の機械的荷重が導体箔に及ぼされる。特に、プラグコネクタが、自動車工学での使用の際、振動に継続的にさらされる場合、これは導体箔に損傷をもたらし得る。屈曲したブレードを介して第2のハウジング部の境界面に及ぼされる圧力によってさらに、振動の影響により第1のハウジング部が第2のハウジング部から外れる可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、プラグコンタクトの電気的に優れかつ気密な接触を形成し、それにより大きい機械的荷重に耐えることも可能なプラグコネクタおよびプラグコネクタアセンブリを提供することである。本発明のさらなる目的は、組立てを自動的に実行することができるように、1つの作業ステップでのプラグコネクタアセンブリの組立てを可能とするためのツールおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの目的は、本発明の第1の態様において、箔絶縁導体を有する可撓性導体箔のためのプラグコネクタにより解決される。このプラグコネクタは、第1のハウジング部および第2のハウジング部を有する。第1のハウジング部は、複数のブレードが導電可能に接続されている少なくとも1つのプラグコンタクト要素を有する。第2のハウジング部は、導体箔のための受入れ領域を有する。2つのハウジング部は、互いに押し込まれる。
【0008】
第2のハウジング部の少なくとも1つの第1の隆起部は、ハウジング部の押し込み中に、受入れ領域に配置されている導体箔をブレードの方向に押圧するように構成されている。この第1の隆起部は、第1のリブと称されてもよい。第1の隆起部は、第1のブレードの第1の領域が第1の隆起部の方向に屈曲した場合にブレードと密着して係合するように構成されている。特に、第1の隆起部は、表面曲率を有する。第1の領域は屈曲することが意図される一方で、第1のブレードは、屈曲しないことが意図される第2の領域をさらに有する。第1のブレードは、可撓性導体箔の導体が第1のブレードの第2の領域において静止するように、導体と交差することができる。それにより、導体は、第1の隆起部によりこの位置に固定されることで、第1のブレードの第1の領域の方向に後退することができなくなる。
第1のブレードの第1の領域は第1の隆起部に密着するように屈曲するので、第1の隆起部が導体箔から離れてその位置を脱することも防止される。プラグコネクタが大きい機械的荷重にさらされる場合であっても、第1のブレードの屈曲領域が第1の隆起部をその位置に安定的に保持し、また第1の隆起部が導体箔の位置を固定する。よって、プラグコネクタにおける漏出の発生が確実に防止される。第1のブレードの第2の領域は屈曲しないので、静止時において、第1のブレードの第2の領域と導体箔との間の接触領域には力が働かない。よって、第1のブレードが不必要に可撓性導体箔により深く食い込むことで振動の終了までに電気的接触の劣化を招き得ることなく、振動に耐えることもできる。
【0009】
第1のハウジング部が、少なくとも1つの第1のブレードおよび少なくとも1つの第2のブレードを有することが好ましい。第1のブレードは、第2のブレードよりも長い。第1のブレードは、第1の隆起部と密着して係合するためにその第1の領域において屈曲することが意図される一方、第2のブレードは、専ら導体箔と交差しこれに電気的に接触するように機能する。複数の第1のブレードおよび第2のブレードを互いに前後一列に配置することにより、導体とプラグコンタクト要素とのそのような多重の電気的接触を確実にするために、導体箔の導体と複数の箇所で交差させることができる。
【0010】
したがって、より好ましくは、一列でのブレードの配置は、当該列が2つの第1のブレードおよび少なくとも2つの第2のブレードを備えるように行われる。最も好ましくは、複数の第2のブレードが2つの第1のブレードの間に配置される。第1のブレードを列の両端部に配置することにより、それらが第1のハウジング部と第2のハウジング部との間の特に安定した機械的接続を実現することができる。この場合、各第1のブレードの第1の領域が第2のブレードの方向に屈曲することがさらに好ましい。これにより、第1のブレードの屈曲が、そのために第1の列に沿って追加のスペースを空ける必要性を生じさせることなく可能となる。よって、第1のブレードは第2のブレードよりも長いので、第1のブレードが第2のブレードの上方に屈曲することができるという利点が得られる。
【0011】
本発明の一実施形態においては、各列に2つの第1のブレードおよび2つの第2のブレードが存在する。本発明の別の実施形態においては、各列に2つの第1のブレードおよび3つの第2のブレードが存在する。
【0012】
そこで、各第1の隆起部は、第1のブレードと第2のブレードとの間に配置されることが好ましい。このとき、第1のブレードの第1の領域は、第2のブレードの方向に屈曲した場合、第1の隆起部において静止し、これと密着して係合する。それにより、第1のブレードの第1の領域は、第2のハウジング部に向く第1の隆起部の側からこれを押圧し、よって、第1の隆起部が第1のハウジング部から離れ、それと共に導体箔から離れることを確実に防止する。
【0013】
第2のハウジング部が少なくとも1つの第2の隆起部を有することがさらに好ましく、第2の隆起部は、第2のリブと称されてもよい。第2の隆起部は、2つのブレードの間に配置されている。特に、第2の隆起部は、2つの第2のブレードの間に配置されている。これは、ハウジング部の押し込み中に、受入れ領域に配置されている導体箔をブレードの方向に押圧するように構成されている。よって、それにより、各第2の隆起部は、第1の隆起部を支持して導体箔をその位置に固定する。
【0014】
全ての第1の隆起部および全ての潜在的に利用可能な第2の隆起部は、ブレードの摺動面として構成されることが好ましい。
【0015】
第1のブレードの第1の領域は、その第2の領域よりも小さい幅を有することが好ましい。第1のブレードの幅の変化、およびこれと接続される第1の領域における事前の中心合わせに起因して、第2の領域における導体の持続的かつ安定な接触を確実にすることができる。さらに、これにより、コンタクトに配置されるジオメトリによる歪み緩和が生じ、それにより、プラグコネクタの装着済み状態において箔導体の締め付けが生じる。同時に、第1の領域における第1のブレードの屈曲が、その幅がごく小さいことにより簡単になる。原則として、2つの異なる幅を有するジオメトリは、より大きい幅の領域における接触を向上させるために、2つのブレードに提供されてもよい。ただし、より幅狭の領域における2つのブレードの屈曲は提供されない。
一方の幅から次の幅への移行は、段差および連続的移行のいずれとして行われてもよい。原則として、さらに大きい幅を有するさらに別の領域が、最初の2つの領域に加えて設けられてもよい。よって、領域の幅は、第2のハウジング部に向く第1の領域からさらなる領域まで、徐々に増大する。
【0016】
好ましくは、第2のハウジング部は、各第1の隆起部の上方の、第1のハウジング部とは反対側の面に開口部を有する。そのような開口部は、特に、複数の隆起部にわたって延びる開口部として形成されてよい。開口部により、これらのブレードを屈曲させるために、第2のハウジング部の、第1のハウジング部とは反対側の面から、ツールを用いて第1のハウジング部の第1のブレードに力を及ぼすことが可能となる。
【0017】
本発明の第2の態様において、本発明の第1の態様に係るプラグコネクタと、箔絶縁導体を有する可撓性導体箔とを有するプラグコネクタアセンブリが提供される。導体箔の幅は、特に、受入れ領域の幅に実質的に対応する。導体箔は、少なくとも1つのブレードが交差するように、プラグコネクタの受入れ領域に配置される。この場合、これは、少なくとも1つの第1のブレードである。ただし、プラグコネクタが第2のブレードも有する場合、これも導体箔と交差する。導体箔は、少なくとも1つの第1の隆起部により、第1のハウジング部の方向にプラグコネクタアセンブリへと押圧される。プラグコネクタが第2の隆起部を有する場合、導体箔は、これらによっても第1のハウジング部の方向に押圧される。第1のブレードは、各第1の隆起部に密着し、これを導体箔の方向に押圧する。
【0018】
第1のブレードは、その第1の領域において少なくとも80°屈曲することが好ましい。特に好ましくは、これは90°屈曲し、よって、第1のハウジング部に向く第2のハウジング部の一方側に実質的に平行に延びる。
【0019】
プラグコネクタが少なくとも1つの第1のブレードおよび少なくとも1つの第2のブレードを有する場合、屈曲した第1のブレードの端部は、特に第2のブレードの端部の上方に位置する。
【0020】
第1のブレードが、その第1の領域において実質的に円弧状に屈曲することがさらに好ましい。プラグコネクタアセンブリのこの実施形態は、適したツールによる第1のブレードの緩やかな屈曲により、第1のブレードが破損し得るというここで存在する危険なしで実現することができる。本発明の第3の態様において、プラグコネクタアセンブリを組み立てるためのツールが提供される。これは、プラグコネクタの開口部に係合するように構成されている少なくとも1つの凹状屈曲領域を有する。屈曲領域は、特に、ツールの本体から突出する。開口部を通して、屈曲領域がプラグコネクタの第1のブレードと接触することができる。屈曲領域は、プラグコネクタの第1の隆起部の表面曲率に対応する表面曲率を有する。第1の領域の第1のブレードにおける圧力に起因して、それが屈曲領域の表面曲率を取るように屈曲領域が屈曲することにより、プラグコネクタの第1のブレードと第1の隆起部との間の密着が生じる。
【0021】
2つの第1のブレードが互いに前後一列に並ぶ場合、本発明の一実施形態においては、第1のブレードの先端部が互いに向き合う。本発明の別の実施形態においては、先端部が互いに反対側を向く。本発明のさらに別の実施形態においては、先端部が同じ方向を向く。
【0022】
好ましくは、屈曲した各々の第1のブレードの先端部は、第2のブレードの先端部の上方に配置される。
【0023】
原則として、プラグコネクタの第2のハウジング部における共通の開口部を通して到達可能な全ての第1の隆起部が、単一の集合的な凹状屈曲領域を提供することが可能である。ただし、第1のブレードの特に正確な屈曲を可能とするために、プラグコネクタの第1の隆起部ごとに、ツールの別個の凹状屈曲領域が設けられることが好ましい。
【0024】
本発明の第4の態様は、プラグコネクタアセンブリを組み立てるための方法に関する。最初に、プラグコネクタの第1のハウジング部および第2のハウジング部が準備される。したがって、これらはまだ、第1のハウジング部のブレードが第2のハウジング部の受入れ領域へと突出するほど深くは互いに押し込まれていない。これに加えてさらに、箔絶縁導体を有する可撓性導体箔が、第2のハウジング部の受入れ領域に挿入される。したがって、導体箔およびプラグコネクタは、導体箔の各導体が、各々が厳密に1つのプラグコンタクト要素と電気的に接続されるブレードの上方でのみ静止するように選択されているべきである。これに続いて、ハウジング部が互いに押し込まれる。
それにより、プラグコネクタの少なくとも1つの第1の隆起部および任意選択的にさらに2つの隆起部が、導体箔を少なくとも1つのブレードの方向に押圧することで、最終的にブレードが導体箔と交差する。2つのハウジング部および導体箔をこの位置に固定するために、第1のブレードの第1の領域が、第1のブレードが第1の隆起部と密着して係合するまで第1の隆起部の方向に屈曲する。
【0025】
第1のブレードのこの屈曲は、特に、本発明の第2の態様に係るツールを用いて行うことができる。
【0026】
基本的には最初にハウジング部を互いに押し込んでからでないと全ての第1のブレードの第1の領域を屈曲させることができない場合であっても、押し込みおよび屈曲が同時に行われることが好ましい。よって、方法のステップの数が減少し、それにより方法の自動化が簡単になる。同時の押し込みおよび屈曲は、特に、ハウジング部が互いに押し込まれる前に、本発明の第3の態様に係るツールがプラグコネクタと既に係合していることで、実現することができる。このとき、押し込み中に、第1のブレードはまず導体箔と交差し、その後ツールの屈曲領域に当たり、屈曲プロセスが第1のブレードと第1の隆起部との間の密着により停止するまで屈曲する。屈曲プロセス中、両方のハウジング部は互いに向かって移動し続け、それにより、第1のブレードよりも短い潜在的に利用可能な第2のブレードが、屈曲プロセス中に導体箔と交差することができる。
【0027】
本発明の例示的実施形態を図面に示し、以下の説明においてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1a】第1の組立てステップにおける本発明の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリの構成要素を示す等角図である。
【
図1b】第1の組立てステップにおける本発明の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリの構成要素を示す切取等角図である。
【
図1c】第1の組立てステップにおける本発明の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリの構成要素を示す切取側面図である。
【
図2a】第2の組立てステップにおける本発明の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す等角図である。
【
図2b】第2の組立てステップにおける本発明の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す切取等角図である。
【
図2c】第2の組立てステップにおける本発明の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す切取側面図である。
【
図3a】第3の組立てステップにおける本発明の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す等角図である。
【
図3b】第3の組立てステップにおける本発明の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す切取等角図である。
【
図3c】第3の組立てステップにおける本発明の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す切取側面図である。
【
図4】本発明に係るツールの例示的実施形態を示す図である。
【
図5】本発明に係るツールの別の例示的実施形態を示す図である。
【
図6a】第2の組立てステップにおける本発明の例示的実施形態に係るツールおよびプラグコネクタアセンブリを示す等角図である。
【
図6b】第2の組立てステップにおける本発明の例示的実施形態に係るツールおよびプラグコネクタアセンブリを示す切取等角図である。
【
図6c】第2の組立てステップにおける本発明の例示的実施形態に係るツールおよびプラグコネクタアセンブリを示す切取側面図である。
【
図7a】第3の組立てステップにおける本発明の例示的実施形態に係るツールおよびプラグコネクタアセンブリを示す等角図である。
【
図7b】第3の組立てステップにおける本発明の例示的実施形態に係るツールおよびプラグコネクタアセンブリを示す切取等角図である。
【
図7c】本発明の例示的実施形態に係るツールおよびプラグコネクタアセンブリを示す切取側面図である。
【
図8】第2の組立てステップにおける本発明の別の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す切取側面図である。
【
図9】第3の組立てステップにおける本発明の別の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す切取側面図である。
【
図10】第2の組立てステップにおける本発明の別の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す切取側面図である。
【
図11】第3の組立てステップにおける本発明の別の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す切取側面図である。
【
図12】第2の組立てステップにおける本発明の別の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す切取側面図である。
【
図13】第3の組立てステップにおける本発明の別の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す切取側面図である。
【
図14】第2の組立てステップにおける本発明の別の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す切取側面図である。
【
図15】第3の組立てステップにおける本発明の別の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す切取側面図である。
【
図16】第2の組立てステップにおける本発明の別の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す切取側面図である。
【
図17】第3の組立てステップにおける本発明の別の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリを示す切取側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1a~
図1cには、本発明の第1の例示的実施形態に係るプラグコネクタアセンブリの第1の組立てステップが示されている。プラグコネクタ10および箔絶縁導体を有する平板状の可撓性導体箔20が準備される。プラグコネクタ10は、第1のハウジング部30および第2のハウジング部40を有する。ばね要素として構成されている複数のプラグコンタクト要素31が、第1のハウジング部30に配置される。各プラグコンタクト要素31は、切断刃として構成されているブレードの列32にわたって、各々2つの第1のブレード33、および2つの第1のブレード33の間に配置される3つの第2のブレード34と導電可能に接続される。第1のブレード33は、第2のブレード34よりも長い。ブレード33、34の各々はそれぞれ、列32の反対側の第1の領域331、341と、列32側の第2の領域332、342とを有する。
各第1の領域331、341は、それぞれの第2の領域332、342よりも幅狭である。第2のハウジング部40は、導体箔20のための受入れ領域41を有する。この受入れ領域は、導体箔20の挿入を容易にするために、漏斗状にプラグコネクタ10の外側に向かって幅が広がっている。2つの第1の隆起部42が、各々が2つのハウジング部30、40の押し込み中に第1のブレード33と第2のブレード34との間で静止するように配置される。それらは、第1のハウジング部30の反対側において、各々、外形が第1のブレード33から第2のブレード34まで円弧状に湾曲する面を有する。さらに、第2のハウジング部40は、2つの第2の隆起部43を有する。これらは、各々がハウジング部30、40の押し込み中に2つの第2のブレード34の間で静止するように配置される。
第2のハウジング部40の頂部における2つの開口部44がそれぞれ、ブレード33、34の列32に垂直に延びる第1の隆起部42の列へのアクセスを可能とする。よって、各開口部44はまた、それぞれ2つのハウジング部30、40の押し込み中に、第1の隆起部42に沿って延びる第1のブレード32へのアクセスを可能とする。
【0030】
図2a~
図2cに示す第2の組立てステップにおいて、導体箔20が、プラグコネクタ10の受入れ領域41に押し込まれることで、これに装着される。それにより、導体箔20の各導体が、ブレード33、34の列32の上方で静止する。
【0031】
図3a~
図3cには、第3の組立てステップにおいて2つのハウジング部30、40が共に押し込まれる様子が示されている。それにより、第1の隆起部42および第2の隆起部43が導体箔20をブレード33、34に押し付け、ブレード33、34は、導体箔と、まず第1の領域331、341で交差し、次いで第2の領域332、342で交差する。最後に、隆起部42、43が導体箔20をその所期の最終位置に固定する。第1のブレード33の第1の領域331は、第1の隆起部42の曲面に密着して静止するまで、それぞれの第1の隆起部42の方向に90°円弧状に屈曲する。両方の屈曲した第1のブレード33の先端部は、互いに向き合う。よって、2つのハウジング部30、40を互いから取り外すことが不可能となる。それにより、隆起部42、43が導体箔20から緩むことが防止され、それにより、プラグコネクタ10が導体箔20と持続的かつ気密な接続で係合する。
【0032】
第1のブレード33の第1の領域331を屈曲させるためのツール50の第1の例示的実施形態を、
図4に示す。これは、ツール50の本体から突出する円弧状の外形を有する2つの凹状屈曲領域51を有する。これらは、第1のブレード33の第1の領域331を屈曲させるべき形状に対応し、また第1の隆起部42の表面曲率と合致する。ツール50は、第2のハウジング部40に装着可能であるように設計される。よって、各屈曲領域51は、開口部44のうちの1つに係合する。これにより、ツールは、第1の隆起部42の上方に突出する第1のブレード33の第1の領域331に力を及ぼし、これらを第1の隆起部42の方向に屈曲させることができる。
【0033】
本発明に係るツール50の第2の例示的実施形態を、
図5に示す。これは、プラグコネクタ10の第1のブレード33ごとに別個の屈曲領域51を有する。第2のハウジング部40の2つの開口部44のうちの1つに係合することが意図される全ての屈曲領域51は、ツール50の本体から突出する共通の支持部52における凹状の窪みとして設計される。第2のハウジング部40へのツール50の配置中に、各支持部52が、これらの開口部44のうちの1つに係合する。
【0034】
組立て方法の1つの例示的実施形態においては、
図1a~
図3cに示す組立てステップがまず行われ、次いで、第1のブレード33の第1の領域331を
図3bおよび
図3cに示す形状を取るように屈曲させるために、本発明に係るツールのうちの1つが第2のハウジング部40に配置される。
【0035】
組立て方法の第2の例示的実施形態においては、ツール50が、第1の組立てステップまたは第2の組立てステップにおいて既に第2のハウジング部40に配置されている。
図6a~
図6cには、この場合に第2の組立てステップが進行する様子が示されており、
図7a~
図7cには、この場合に第3の組立てステップが進行する様子が示されている。それにより、第3の組立てステップにおいて、第1のブレード33の第1の領域331がまず導体箔20と交差する。次いで、それらがツール50の屈曲領域51に当たる。導体箔20が列32の方向にさらに移動され、それにより第1のブレード33の2つの領域332が導体箔20と交差し、さらに第2のブレード34の第1の領域341、次いで第2の領域342が、引き続いて導体箔20と交差する間、第1のブレード33の第1の領域331に及ぼされるツール50の圧力が、それぞれの第1の隆起部42の方向にこれを変形させ、それにより、各第1のブレード33の第1の領域331とそれぞれの第1の隆起部42との間の密着が生じる。
図7bに示すように、それにより、各第1のブレード33の第1の領域331が、その第1の隆起部42とツール50の屈曲領域51との間で締め付けられる。ツール50が最終的に取り外される場合、
図3a~
図3cに示すプラグコネクタアセンブリの組立て済み状態が生じる。
【0036】
本発明のさらなる実施形態によれば、プラグコネクタ第1のハウジング部30は、切断刃として構成されているブレード33、34の異なる列32を備え得る。ブレードの別の列32を用いる場合、2つの第1の隆起部42および任意の第2の隆起部43が、第1のブレード33および第2のブレード34の配置に応じて配置される。
【0037】
第2の組立てステップにおけるプラグコネクタアセンブリの第2の実施形態を、
図8に示す。これは、各列32に2つの第2のブレード34のみを有する点で、第1の実施形態に係るプラグコネクタアセンブリと異なる。第1の実施形態における2つのさらなる第2のブレード34に隣接する中間の第2のブレード34は取り除かれている。各列32における2つの第2のブレード34に各々隣接する2つの第2の隆起部43に代えて、本実施形態は、第3の組立てステップにおいて2つのハウジング部30、40が共に押し込まれたときに、第1の実施形態の省略された2つの第2の隆起部43および省略された第2のブレード34が占めるスペースを埋めるように幅広である1つの第2の隆起部43を備える。これを
図9に示す。
プラグコネクタアセンブリの第1の実施形態と同様に、第1のブレード33の第1の領域331は、それらが第1の隆起部42の曲面に密着して静止し、両方の第1のブレード33の先端部が互いに向き合うまで、それぞれの第1の隆起部42の方向に90°円弧状に屈曲する。
【0038】
第2の組立てステップにおけるプラグコネクタアセンブリの第3の実施形態を、
図10に示す。各列32には、2つの第1のブレード33および3つの第2のブレード34が存在する。1つの第2のブレード34が2つの第1のブレード34の間に配置されるように、各第1のブレード33が2つの第2のブレード34の間に配置される。第3の組立てステップにおいて2つのハウジング部30、40が共に押し込まれると、2つの第1の隆起部42が各々、第1のブレード33と外側の第2のブレード34のうちの1つとの間で静止する。ハウジング部30、40の押し込み中に、2つの第2の隆起部43が各々、第1のブレード33と中間の第2のブレード34との間で静止する。
これを
図11に示す。第1のブレード33の第1の領域331は、それらが第1の隆起部42の曲面に密着して静止し、両方の第1のブレード33の先端部が互いに反対側を向くまで、それぞれの第1の隆起部42の方向に90°円弧状に屈曲する。
【0039】
図12は、第2の組立てステップにおけるプラグコネクタアセンブリの第4の実施形態を示す。これは、各列32に2つの第2のブレード34のみを有する点で、第3の実施形態に係るプラグコネクタアセンブリと異なる。第3の実施形態における第1のブレード33の間に配置される中間の第2のブレード34は取り除かれている。各列32における第1のブレード33および第2のブレード34に各々隣接する2つの第2の隆起部43に代えて、本実施形態は、第3の組立てステップにおいて2つのハウジング部30、40が共に押し込まれたときに、第3の実施形態の省略された2つの第2の隆起部43および省略された第2のブレード34が占めるスペースを埋めるように幅広である1つの第2の隆起部43を備える。したがって、これは、2つの第1のブレード33の間で静止する。
これを
図13に示す。プラグコネクタアセンブリの第3の実施形態と同様に、第1のブレード33の第1の領域331は、それらが第1の隆起部42の曲面に密着して静止し、両方の第1のブレード33の先端部が互いに反対側を向くまで、それぞれの第1の隆起部42の方向に90°円弧状に屈曲する。
【0040】
図14は、第2の組立てステップにおけるプラグコネクタアセンブリの第5の実施形態を示す。各列32において、第1のブレード33に、2つの第2のブレード34、1つのさらなる第1のブレード33および1つのさらなる第2のブレード34が連続して後続する。
図15に示すように、第3の組立てステップにおいて2つのハウジング部30、40が共に押し込まれると、第1の隆起部42が、列32の先頭の第1のブレード33と連続する第2のブレード34との間で静止する。1つの第2の隆起部42が、2つの隣接する第2のブレード34の間に配置され、さらなる第2の隆起部が、さらなる第1のブレード33とその前方の第2のブレードとの間に配置される。さらなる第1の隆起部が、このさらなる第1のブレード33と列32の終端の第2のブレード34との間で静止する。
前出の4つの実施形態の各々において、第1の隆起部41は、両方の第1のブレード33の先端部が互いに向き合うまたは互いに反対側を向くように、異なる方向に湾曲している。これに対し、第5の実施形態に係るプラグコネクタアセンブリの第2のハウジング部40の第1の隆起部41は、両方の第1のブレード33の先端部がそれぞれの第1の隆起部42の方向に90°円弧状に屈曲した後に同じ方向を向くように、同じ方向に湾曲している。
【0041】
第2の組立てステップにおけるプラグコネクタアセンブリの第6の実施形態を、
図16に示す。これは、各列32において第1のブレード33の間に1つの第2のブレード34のみを有する点で、第5の実施形態に係るプラグコネクタアセンブリと異なる。2つの第2の隆起部43に代えて、本実施形態は、第3の組立てステップにおいて2つのハウジング部30、40が共に押し込まれたときに、第4の実施形態の省略された2つの第2の隆起部43および省略された第2のブレード34が占めるスペースを埋めるように幅広である1つのみの第2の隆起部43を備える。したがって、これは、第1のブレード33と第2のブレード34との間で静止する。
これを
図17に示す。プラグコネクタアセンブリの第5の実施形態と同様に、第1のブレード33の第1の領域331は、それらが第1の隆起部42の曲面に密着して静止し、両方の第1のブレード33の先端部が同じ方向を向くまで、それぞれの第1の隆起部42の方向に90°円弧状に屈曲する。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箔絶縁導体を有する可撓性導体箔(20)のためのプラグコネクタ(10)であって、
- 複数のブレード(33、34)が導電可能に接続されている少なくとも1つのプラグコンタクト要素(31)を有する第1のハウジング部(30)と、
- 前記
可撓性導体箔(20)のための受入れ領域(41)を有する第2のハウジング部(40)と
を有し、
前記第1のハウジング部(30)および前記第2のハウジング部(40)は、互いに押し込まれている、プラグコネクタ(10)において、
前記第2のハウジング部(40)は、少なくとも1つの第1の隆起部(42)を有し、
前記第1の隆起部(42)は、前記
第1のハウジング部(30
)および前記第2のハウジング部(40)の押し込み中に、前記受入れ領域(41)に配置されている
可撓性導体箔(20)を前記ブレード(33、34)の方向に押圧するように構成されているとともに、第1のブレード(33)の第1の領域(331)が前記第1の隆起部(42)の方向に屈曲した場合に前記第1のブレード(33)と密着して係合するように構成されている
ことを特徴とするプラグコネクタ(10)。
【請求項2】
前記第1のハウジング部(30)は、少なくとも1つの第1のブレード(33)および少なくとも1つの第2のブレード(34)を有し、前記第1のブレード(33)は、前記第2のブレード(34)よりも長い
ことを特徴とする、請求項1に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項3】
前記第1のハウジング部(30)は、ブレード(33、34)の少なくとも1つの列(32)を有し、前記列(32)は、2つの第1のブレード(33)および少なくとも2つの第2のブレード(34)を備える
ことを特徴とする、請求項2に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項4】
前記第1のハウジング部(30)は、複数の第2のブレード(34)が2つの第1のブレード(33)の間に配置されているブレード(33、34)の少なくとも1つの列(32)を有する
ことを特徴とする、請求項
2に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項5】
各第1の隆起部(42)は、第1のブレード(33)と第2のブレード(34)との間に配置されている
ことを特徴とする、請求項
3に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項6】
前記第2のハウジング部(40)は、少なくとも1つの第2の隆起部(43)を有し、
前記第2の隆起部(43)は、2つのブレード(33、34)の間に配置されており、
前記第2の隆起部(43)は、前記
第1のハウジング部(30
)および前記第2のハウジング部(40)の押し込み中に、前記受入れ領域(41)に配置されている
前記可撓性導体箔(20)を前記
第1のブレード(33
)および前記第2のブレード(34)の方向に押圧するように構成されている
ことを特徴とする、請求項
3に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項7】
前記第2のハウジング部(40)は、少なくとも1つの第2の隆起部(43)を有し、
前記第2の隆起部(43)は、2つの第2のブレード(34)の間に配置されており、
前記第2の隆起部(43)は、前記
第1のハウジング部(30
)および前記第2のハウジング部(40)の押し込み中に、前記受入れ領域(41)に配置されている
前記可撓性導体箔(20)を前記
第1のブレード(33
)および前記第2のブレード(34)の方向に押圧するように構成されている
ことを特徴とする、請求項6に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項8】
前記第1のブレード(33)の前記第1の領域(331)は、前記第1のブレード(33)の第2の領域(332)よりも小さい幅を有する
ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項9】
前記第1の隆起部(42)は、表面曲率を有する
ことを特徴とする、請求項1から
7のいずれか一項に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項10】
前記第2のハウジング部(40)は、各第1の隆起部(42)の上方の、前記第1のハウジング部(30)とは反対側の面に開口部(44)を有する
ことを特徴とする、請求項1から
7のいずれか一項に記載のプラグコネクタ(10)。
【請求項11】
請求項1から
7のいずれか一項に記載のプラグコネクタ(10)と、
少なくとも1つのブレード(33、34)が交差し、少なくとも1つの第1の隆起部(42)により前記第1のハウジング部(30)の方向に押圧されるように前記受入れ領域(41)に配置されている、箔絶縁導体を有する可撓性導体箔(20)と
を有し、
第1のブレード(33)が、前記第1の隆起部(42)に密着し、これを前記
可撓性導体箔(20)の方向に押圧する、
プラグコネクタアセンブリ。
【請求項12】
前記第1のブレード(33)は、その第1の領域(331)において少なくとも80°屈曲する
ことを特徴とする、請求項11に記載のプラグコネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のブレード(33)は、その第1の領域(331)において実質的に円弧状に屈曲する
ことを特徴とする、請求項
11に記載のプラグコネクタアセンブリ。
【請求項14】
屈曲した各々の第1のブレード(33)の先端部が、第2のブレード(34)の先端部の上方に配置されている
ことを特徴とする、請求項
12に記載のプラグコネクタアセンブリ。
【請求項15】
前記プラグコネクタ(10)の前記第2のハウジング部(40)は、各第1の隆起部(42)の上方の、前記第1のハウジング部(30)とは反対側の面に開口部(44)を有し、
ツール(50)は、前記プラグコネクタ(10)の
前記開口部(44)に係合するように構成され、前記プラグコネクタ(10)の
前記第1の隆起部(42)の表面曲率に対応する表面曲率を有する少なくとも1つの凹状屈曲領域(51)
を有する、請求項
11に記載のプラグコネクタアセンブリを組み立てるためのツール(50)。
【請求項16】
前記プラグコネクタ(10)の
前記第1の隆起部(42)ごとにそれぞれ別個の凹状屈曲領域(51)を有する
ことを特徴とする、請求項15に記載のツール(
50)。
【請求項17】
請求項
11に記載のプラグコネクタアセンブリを組み立てるための方法であって、
a)
前記プラグコネクタの
前記第1のハウジング部(30)および
前記第2のハウジング部(40)を準備するステップと、
b)箔絶縁導体を有する可撓性導体箔(20)を前記第2のハウジング部(40)の前記受入れ領域(41)に挿入するステップと、
c)前記少なくとも1つの第1の隆起部(42)が前記
可撓性導体箔(20)を前記少なくとも1つのブレード(33、34)の方向に押圧するように、前記ハウジング部(30、40)を押し込むステップであって、前記ブレード(33、34)が前記
可撓性導体箔(20)と交差する、押し込むステップと、
d)前記第1のブレード(33)の前記第1の領域(331)を、前記第1の隆起部(42)と密着して係合するまで、前記第1の隆起部(42)の方向に屈曲させるステップと
を有する方法。
【請求項18】
前記屈曲は
、ツール(50)が、その屈曲領域(51)により前記第1のブレード(33)が屈曲するように前記第2のハウジング部(40)の少なくとも1つの開口部(44)に挿入されることで生じる
ことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記押し込みおよび前記屈曲は、同時に行われる
ことを特徴とする、請求項
17に記載の方法。
【国際調査報告】