(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】洗濯機の制御方法及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 33/42 20200101AFI20241018BHJP
B01D 33/06 20060101ALI20241018BHJP
B01D 37/04 20060101ALI20241018BHJP
D06F 33/38 20200101ALI20241018BHJP
D06F 33/36 20200101ALI20241018BHJP
D06F 33/30 20200101ALI20241018BHJP
D06F 33/32 20200101ALI20241018BHJP
【FI】
D06F33/42
B01D33/06 A
B01D37/04
D06F33/38
D06F33/36
D06F33/30
D06F33/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525799
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 CN2022124557
(87)【国際公開番号】W WO2023078037
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】202111287493.8
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523331692
【氏名又は名称】青島海爾洗滌電器有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】呂艶芬
【テーマコード(参考)】
3B167
4D116
【Fターム(参考)】
3B167AE01
3B167AE04
3B167AE07
3B167BA52
3B167BA53
3B167BA56
3B167BA82
3B167JA01
3B167JA11
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3B167LF15
3B167LG04
4D116AA26
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4D116QA06A
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4D116QA06D
4D116QA06E
4D116QC22A
4D116QC23A
4D116QC32A
4D116QC36A
4D116UU08
4D116VV07
(57)【要約】
本発明は、洗濯機の制御方法及び洗濯機を開示する。前記洗濯機は、貯水槽と、ポンプ組立体が設けられる循環濾過管路と、循環濾過管路に設けられ、入水口、濾過水出口及び汚染排出口を有する濾過装置と、汚染排出口から排出される汚水を受け付けるための汚染排出管路と、制御弁組立体、を含む。前記洗濯機は、洗浄/すすぎ過程で、ポンプ組立体が起動状態となり、制御弁組立体が、ポンプ組立体と入水口を開通させるとともに、汚染排出口と汚染排出管路を遮断して、貯水槽内の水につき循環濾過を行う循環濾過動作と、ポンプ組立体が停止状態となり、制御弁組立体が、ポンプ組立体と入水口を遮断するとともに、汚染排出口と汚染排出管路を開通させて、濾過装置内の汚水が汚染排出管路に排出される汚染排出動作、を交互に実行する。本発明の洗濯機は、循環濾過動作と汚染排出動作を交互に実行し、濾過装置内に残留した濾過異物を速やかに排出可能とすることで、濾過異物の堆積による濾過効率への影響を回避する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水槽と、
入水端及び吐水端がそれぞれ貯水槽と連通し、ポンプ組立体が設けられる循環濾過管路と、
循環濾過管路に設けられ、入水口、濾過水出口及び汚染排出口を有する濾過装置と、
汚染排出口から排出される汚水を受け付けるための汚染排出管路と、
制御弁組立体、を含む洗濯機の制御方法であって、
前記洗濯機は、洗浄/すすぎ過程で、
ポンプ組立体が起動状態となり、制御弁組立体が、ポンプ組立体と入水口を開通させるとともに、汚染排出口と汚染排出管路を遮断して、貯水槽内の水につき循環濾過を行う循環濾過動作と、
ポンプ組立体が停止状態となり、制御弁組立体が、ポンプ組立体と入水口を遮断するとともに、汚染排出口と汚染排出管路を開通させて、濾過装置内の汚水が汚染排出管路に排出される汚染排出動作、
を交互に実行することを特徴とする洗濯機の制御方法。
【請求項2】
循環濾過動作を実行する過程で、ポンプ組立体を間欠的に起動するよう制御し、
好ましくは、前記循環濾過動作は、
S1:制御弁組立体が、ポンプ組立体と入水口を開通させるとともに、汚染排出口と汚染排出管路を遮断し、
S2:ポンプ組立体を起動して、一定の時間長だけ継続させ、
S3:ポンプ組立体を停止して、一定の時間長だけ継続させ、
S4:今回の循環濾過動作におけるステップS2の実行回数が所定の回数に達した場合には、循環濾過動作を終了し、達していない場合にはステップS2に戻る、
とのステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項3】
1回の循環濾過動作の実行過程で、ポンプ組立体は、最初の起動後は第1の所定時間長T
1だけ継続的に動作し、その後は、起動するたびに第2の所定時間長T
2だけ継続的に動作し、前記第1の所定時間長T
1は第2の所定時間長T
2よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項4】
前記濾過装置は、
入水口、濾過水出口及び汚染排出口が設けられる濾過チャンバと、
回動可能に濾過チャンバ内に設けられる濾過機構と、
前記濾過機構を濾過チャンバ内で回動させるための駆動機構、を含み、
ステップS3は、更に、ポンプ組立体の停止期間に、駆動機構を起動して濾過機構を濾過チャンバ内で回動させることを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項5】
ステップS3において、濾過機構は、ポンプ組立体の停止期間に継続的に回動し、且つ、濾過機構の継続回動時間長は、駆動機構が起動するたびに同じであり、
好ましくは、ステップS2において、ポンプ組立体の起動後の継続動作時間長は少なくとも第2の所定時間長T
2であり、ステップS3において、濾過機構の継続回動時間長は第3の所定時間長T
3であり、且つ、第3の所定時間長T
3は第2の所定時間長T
2よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項6】
前記洗濯機は、更に、外部に排水するための外部排出管路を含み、前記制御弁組立体は、汚染排出口と汚染排出管路を開通させるのと同時に、ポンプ組立体と外部排出管路も開通させ、
洗浄/すすぎ過程の終了後は、制御弁組立体がポンプ組立体と外部排出管路を開通させ、ポンプ組立体が起動することで、貯水槽内の水が外部排出管路を通じて洗濯機から排出されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項7】
洗浄/すすぎ時の給水前に、制御弁組立体は、ポンプ組立体と入水口を開通させるとともに、汚染排出口と汚染排出管路を遮断し、
貯水槽への給水が開始され、貯水槽内の水位が予め定められた水位よりも大きくなったあと、ポンプ組立体を起動して循環濾過動作を実行し、循環濾過動作の終了後に汚染排出動作を実行し、
前記循環濾過動作と汚染排出動作は、洗浄/すすぎ過程が終了するまで交互に実行されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の洗濯機の制御方法を用いることを特徴とする洗濯機。
【請求項9】
前記制御弁組立体は、
互いに独立した第1弁室及び第2弁室を内部に有し、前記第1弁室に、ポンプ組立体と連通する水入口と、入水口と連通する循環水出口が設けられ、前記第2弁室に、汚染排出口と連通する汚水入口と、汚染排出管路と連通する汚水出口が設けられる弁体と、
動作可能に弁体の内部に設けられ、循環水出口を開放し且つ汚水入口を閉塞する第1位置と、循環水出口を閉塞し且つ汚水入口を開放する第2位置を有する切替機構、を含み、
好ましくは、前記洗濯機は、更に、外部に排水するための外部排出管路を含み、前記第1弁室には、更に、外部排出管路と連通する排水出口が設けられ、
前記切替機構は、第1位置にあるときに排水出口を閉塞し、切替機構は、第2位置にあるときに排水出口を開放することを特徴とする請求項8に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記濾過装置は、
入水口、濾過水出口及び汚染排出口が設けられる濾過チャンバと、
回動可能に濾過チャンバ内に設けられる濾過機構と、
濾過チャンバ内に設けられ、水流に付随して摩擦及び衝突を生じて濾過チャンバの内壁及び濾過機構の外壁を洗浄する洗浄粒子、を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機の技術分野に属し、具体的に、洗濯機の制御方法及び洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機で衣類を洗浄する過程では、衣類と衣類の間、及び、衣類と洗濯機自体の間に摩擦が存在するため、衣類から糸屑が抜け落ちて洗浄水中に混入する。洗浄水中の糸屑を除去できなかった場合には、洗濯完了後に衣類の表面に付着して衣類の洗浄効果に影響を及ぼす可能性が高い。そのため、従来の洗濯機には糸屑を濾過するためのフィルタが取り付けられており、洗濯過程で洗浄水を絶えずフィルタに通すことで洗浄水から糸屑を除去している。
【0003】
一般的に、従来の洗濯機のフィルタは、内槽又は排水ポンプの内部に設けられており、洗浄水中の糸屑及び異物を濾過するために用いられる。しかし、洗濯機を長期間使用しているうちに、フィルタ内には糸屑や異物が充満し、フィルタの濾過効果に影響を及ぼす。これにより、排水弁/排水ポンプに詰まりが生じ、且つ、細菌が極めて繁殖しやすくなることから、直ちにクリーニングしなければ、洗浄水が汚染されて衣類に二次汚染が発生し、ユーザの健康に影響を及ぼしてしまう。しかし、大多数の洗濯機では、ユーザがフィルタを取り外して手動でクリーニングする必要があり、操作上不便である。
【0004】
そこで、従来技術では、濾過過程の完了後に、内部に付着した糸屑等の濾過異物を自動でクリーニングし、クリーニングした濾過異物を水流により排出可能とする自動クリーニング機能を備えた濾過装置が提供されている。しかし、大多数の洗濯機は、洗浄又はすすぎ段階の終了後、ひいては、洗濯プログラム全体を1回実行したあとにのみ濾過装置のクリーニング及び汚水排出を1回実施する。よって、水中の糸屑含有量が多い場合には、濾過異物が濾過装置内のフィルタメッシュを覆って濾過異物の濾過効率に影響を及ぼす恐れがある。また、深刻な場合には、濾過異物が詰まり、循環濾過を継続不可能となって、ユーザエクスペリエンスに影響を及ぼす恐れもある。
【0005】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、洗濯機が洗浄/すすぎ過程で循環濾過動作と汚染排出動作を交互に実行し、循環濾過動作の実行過程で濾過装置の内部に残留した濾過異物を速やかに排出可能とすることで、濾過異物が濾過装置の内部に堆積して濾過効率に影響を及ぼすとの事態を回避する洗濯機の制御方法及び洗濯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0008】
洗濯機の制御方法であって、前記洗濯機が、貯水槽と、入水端及び吐水端がそれぞれ貯水槽と連通し、ポンプ組立体が設けられる循環濾過管路と、循環濾過管路に設けられ、入水口、濾過水出口及び汚染排出口を有する濾過装置と、汚染排出口から排出される汚水を受け付けるための汚染排出管路と、制御弁組立体、を含む。
【0009】
前記洗濯機は、洗浄/すすぎ過程で、ポンプ組立体を起動し、制御弁組立体が、ポンプ組立体と入水口を開通させるとともに、汚染排出口と汚染排出管路を遮断して、貯水槽内の水につき循環濾過を行う循環濾過動作と、ポンプ組立体が停止状態となり、制御弁組立体が、ポンプ組立体と入水口を遮断するとともに、汚染排出口と汚染排出管路を開通させて、濾過装置内の汚水が汚染排出管路に排出される汚染排出動作、を交互に実行する。
【0010】
更に、循環濾過動作を実行する過程で、ポンプ組立体を間欠的に起動するよう制御する。
【0011】
好ましくは、前記循環濾過動作は以下のステップを含む。
【0012】
S1:制御弁組立体が、ポンプ組立体と入水口を開通させるとともに、汚染排出口と汚染排出管路を遮断する。
【0013】
S2:ポンプ組立体を起動して、一定の時間長だけ継続させる。
【0014】
S3:ポンプ組立体を停止して、一定の時間長だけ継続させる。
【0015】
S4:今回の循環濾過動作におけるステップS2の実行回数が所定の回数に達した場合には、循環濾過動作を終了し、達していない場合にはステップS2に戻る。
【0016】
更に、1回の循環濾過動作の実行過程で、ポンプ組立体は、最初の起動後は第1の所定時間長T1だけ継続的に動作し、その後は、起動するたびに第2の所定時間長T2だけ継続的に動作する。前記第1の所定時間長T1は第2の所定時間長T2よりも大きい。
【0017】
更に、前記濾過装置は、入水口、濾過水出口及び汚染排出口が設けられる濾過チャンバと、回動可能に濾過チャンバ内に設けられる濾過機構と、前記濾過機構を濾過チャンバ内で回動させるための駆動機構、を含む。
【0018】
ステップS3は、更に、ポンプ組立体の停止期間に、駆動機構を起動して濾過機構を濾過チャンバ内で回動させることを含む。
【0019】
更に、ステップS3において、濾過機構は、ポンプ組立体の停止期間に継続的に回動する。且つ、濾過機構の継続回動時間長は、駆動機構が起動するたびに同じである。
【0020】
好ましくは、ステップS2において、ポンプ組立体の起動後の継続動作時間長は少なくとも第2の所定時間長T2である。ステップS3において、濾過機構の継続回動時間長は第3の所定時間長T3である。且つ、第3の所定時間長T3は第2の所定時間長T2よりも小さい。
【0021】
更に、前記洗濯機は、外部に排水するための外部排出管路も含む。前記制御弁組立体は、汚染排出口と汚染排出管路を開通させるのと同時に、ポンプ組立体と外部排出管路も開通させる。
【0022】
洗浄/すすぎ過程の終了後は、制御弁組立体がポンプ組立体と外部排出管路を開通させ、ポンプ組立体が起動することで、貯水槽内の水が外部排出管路を通じて洗濯機から排出される。
【0023】
更に、洗浄/すすぎ時の給水前に、制御弁組立体は、ポンプ組立体と入水口を開通させるとともに、汚染排出口と汚染排出管路を遮断する。
【0024】
貯水槽への給水が開始され、貯水槽内の水位が予め定められた水位よりも大きくなったあと、ポンプ組立体を起動して循環濾過動作を実行し、循環濾過動作の終了後に汚染排出動作を実行する。
【0025】
前記循環濾過動作と汚染排出動作は、洗浄/すすぎ過程が終了するまで交互に実行される。
【0026】
本発明の別の目的は、上述した洗濯機の制御方法を用いる洗濯機を提供することである。
【0027】
更に、前記制御弁組立体は、互いに独立した第1弁室及び第2弁室を内部に有し、前記第1弁室に、ポンプ組立体と連通する水入口と、入水口と連通する循環水出口が設けられ、前記第2弁室に、汚染排出口と連通する汚水入口と、汚染排出管路と連通する汚水出口が設けられる弁体と、動作可能に弁体の内部に設けられ、循環水出口を開放し且つ汚水入口を閉塞する第1位置と、循環水出口を閉塞し且つ汚水入口を開放する第2位置を有する切替機構、を含む。
【0028】
好ましくは、前記洗濯機は、更に、外部に排水するための外部排出管路を含み、前記第1弁室には、更に、外部排出管路と連通する排水出口が設けられる。
【0029】
前記切替機構は、第1位置にあるときに排水出口を閉塞し、切替機構は、第2位置にあるときに排水出口を開放する。
【0030】
更に、前記濾過装置は、入水口、濾過水出口及び汚染排出口が設けられる濾過チャンバと、回動可能に濾過チャンバ内に設けられる濾過機構と、濾過チャンバ内に設けられ、水流に付随して摩擦及び衝突を生じて濾過チャンバの内壁及び濾過機構の外壁を洗浄する洗浄粒子、を含む。
【発明の効果】
【0031】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0032】
本発明において、洗濯機は、洗浄/すすぎ過程で循環濾過動作と汚染排出動作を交互に実行する。これにより、循環濾過動作の実行過程で濾過装置の内部に残留した濾過異物を速やかに排出可能とすることで、濾過異物が濾過装置の内部に堆積して濾過効率に影響を及ぼすとの事態を回避する。よって、洗浄/すすぎが終了するまで循環濾過動作を実行し続ける方式と比較して、濾過異物が過剰に堆積して濾過装置を詰まらせるとの事態が防止される。
【0033】
本発明において、ポンプ組立体は、洗濯機が循環濾過動作を実行する過程で間欠的に起動する。ポンプ組立体の停止は、濾過装置の内部に付着した濾過異物に対し脱落の機会を提供するため、濾過異物があまりにも堅固に濾過装置の内部に付着する結果、汚染排出動作の実行時に十分に排出できなくなるとの事態が回避される。また、ポンプ組立体の停止期間に、駆動機構により濾過機構を回動させて、濾過チャンバ内の水を攪動可能とすることで、攪乱水流を発生させる。これにより、濾過機構の外壁に付着した濾過異物を回動に伴い発生する遠心力及び攪乱水流の2つの作用で剥がせるため、濾過異物のクリーニング効率を向上させるのに有利である。
【0034】
本発明において、制御弁組立体は、1つの一体構造として、切替機構の位置の変化により複数の独立した水路の開閉を同時に制御可能とし、水路の開閉状況によって、洗濯機が、循環濾過動作、汚染排出動作及び排水動作をそれぞれ実行するよう制御する。これにより、洗濯機内部における水路の制御構造及び制御ロジックが簡略化されるため、生産コストを低下させるのに有利である。
【0035】
本発明では、濾過チャンバ内に洗浄粒子が設けられる。濾過過程において、洗浄粒子は、水流に付随して濾過チャンバの内壁及び濾過機構の外壁を絶えず摩擦する。これにより、濾過異物の堆積を更に防止可能となるため、濾過装置の詰まりによる濾過効率への影響が回避される。濾過機構を濾過チャンバ内で回動させるよう制御する際に、洗浄粒子が水流に付随して運動することは、水流の攪動を更に強化して、付着した濾過異物をより容易に脱落させ、濾過装置の自動クリーニング効率を向上させるのに有利である。
【0036】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0037】
図面は、本発明の一部として、本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要さないことを前提に、これらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】
図1は、本発明の実施例における制御弁組立体の切替機構が第1位置にあるときの水路連通の概略構造図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例における制御弁組立体の切替機構が第2位置にあるときの水路連通の概略構造図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例における制御弁組立体の概略構造図である(切替機構が第2位置)。
【
図4】
図4は、本発明の
図3におけるA-A断面の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例における洗濯機の概略構造図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例1における制御方法のフローチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の
図5におけるB部分の概略拡大図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例3における濾過装置の概略構造図である。
【
図9】
図9は、本発明の
図8におけるC-C断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0040】
本発明の実施例の目的、技術方案及び利点をより明瞭とすべく、以下では、本発明の実施例における図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであるが、本発明の範囲を制限するものではない。
【0041】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと解釈すべきではない。
【0042】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定している場合を除き、「取り付ける」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【実施例1】
【0043】
図1~
図5に示すように、本実施例で記載する洗濯機は、貯水槽100と、入水端及び吐水端がそれぞれ貯水槽100と連通し、ポンプ組立体400が設けられる循環濾過管路と、循環濾過管路に設けられ、入水口6101、濾過水出口6102及び汚染排出口6103を有する濾過装置600と、汚染排出口6103から排出される汚水を受け付けるための汚染排出管路240と、制御弁組立体700、を含む。
【0044】
具体的に、制御弁組立体700は、互いに独立した第1弁室711及び第2弁室712を内部に有し、第1弁室711に、ポンプ組立体400と連通する水入口701と、入水口6101と連通する循環水出口702が設けられ、第2弁室712に、汚染排出口6103と連通する汚水入口704と、汚染排出管路240と連通する汚水出口705が設けられる弁体710と、動作可能に弁体710の内部に設けられ、循環水出口702を開放し且つ汚水入口704を閉塞する第1位置と、循環水出口702を閉塞し且つ汚水入口704を開放する第2位置を有する切替機構720、を含む。
【0045】
本実施例において、第1弁室711の水入口701及び第2弁室712の汚水出口705は常時開放状態となっている。切替機構720が第1位置にあるときには、水入口701及び循環水出口702がいずれも開放状態となって、ポンプ組立体400と濾過装置600の入水口6101が開通する。且つ、汚水入口704が閉塞状態となって、濾過装置600の汚染排出口6103と汚染排出管路240が遮断される。
【0046】
切替機構720が第2位置にあるときには、循環水出口702が閉塞状態となって、ポンプ組立体400と濾過装置600の入水口6101が遮断される。且つ、汚水入口704と汚水出口705がいずれも開放状態となって、濾過装置600の汚染排出口6103と汚染排出管路240が開通する。
【0047】
本実施例の制御弁組立体700は、切替機構720の異なる位置にそれぞれ対応する2種類の動作状態を有する。具体的に、制御弁組立体700の第1動作状態では、切替機構720が第1位置となって、ポンプ組立体400と入水口6101が開通するとともに、汚染排出口6103と汚染排出管路240が遮断される。また、制御弁組立体700の第2動作状態では、切替機構720が第2位置となって、ポンプ組立体400と入水口6101が遮断されるとともに、汚染排出口6103と汚染排出管路240が開通する。
【0048】
上記の方案において、制御弁組立体700は、ポンプ組立体400と濾過装置600の入水口6101との間の開閉、及び、濾過装置600の汚染排出口6103と汚染排出管路240との間の開閉を同時に制御可能である。制御弁組立体700の動作状態を切り替えることで、濾過及び汚染排出という2種類の動作過程の間での濾過装置600の切り替えを実現できる。制御弁組立体700は、互いに独立した2本の水路それぞれの開閉状況を同時に制御可能である。このことは、洗濯機内部の水路構造のレイアウトを簡略化するとともに、水路開閉の制御ロジックをより簡単にするのに有利である。
【0049】
本実施例において、洗濯機は、洗浄/すすぎ過程で循環濾過動作と汚染排出動作を交互に実行する。
【0050】
循環濾過動作は、ポンプ組立体400が起動状態となり、制御弁組立体700が、ポンプ組立体400と入水口6101を開通させるとともに、汚染排出口6103と汚染排出管路240を遮断する第1動作状態となって、貯水槽100内の水につき循環濾過を行うことを含む。
【0051】
汚染排出動作は、ポンプ組立体400が停止状態となり、制御弁組立体700が、ポンプ組立体400と入水口6101を遮断するとともに、汚染排出口6103と汚染排出管路240を開通させる第2動作状態となって、濾過装置600内の汚水が汚染排出管路240に排出されることを含む。
【0052】
上記の方案では、洗濯機の洗浄/すすぎ段階で循環濾過動作と汚染排出動作を交互に実行し、循環濾過過程で濾過装置600の内部に残留した糸屑等の濾過異物を速やかに排出可能とすることで、濾過異物が濾過装置600の内部に堆積して濾過効率に影響を及ぼすとの事態を回避する。特に、水中における糸屑等の濾過異物の含有量が高い場合、本実施例の方案は、洗浄/すすぎが終了するまで循環濾過動作を実行し続ける方式と比較して、濾過異物が過剰に堆積して濾過装置600を詰まらせるとの事態が有効に防止される。
【0053】
本実施例において、ポンプ組立体400は吸水ポンプとしてもよく、吸引力を発生させて貯水槽100内の水を吸引することで循環濾過を行う。
【0054】
本実施例の更なる方案では、洗濯機が循環濾過動作を実行する過程で、ポンプ組立体400を間欠的に起動するよう制御する。ポンプ組立体400の間欠的起動によって、ポンプ組立体400の停止期間は、貯水槽100内の水が濾過装置600に対する通過を一時的に停止する。濾過装置600の内部に付着した濾過異物は、この期間に脱落して水中に混入可能となり、汚染排出動作の実行時に水流とともに排出される。こうすることで、水流が濾過装置600を通過して濾過される際の継続時間が長過ぎるために、濾過異物が濾過装置600の内部にあまりにも堅固に付着して、汚染排出動作の実行時に十分に排出できなくなるとの事態が回避される。
【0055】
理解し得るように、循環濾過動作と汚染排出動作を交互に実行する頻度を向上させることで、濾過異物の付着があまりにも堅固になるのを回避するとの目的も達成可能となる。ただし、循環濾過動作と汚染排出動作を交互に実行するには、制御弁組立体700の動作状態の切り替えを制御する必要がある。制御弁組立体700にとっては、動作状態の切り替えがあまりにも頻繁になると、使用寿命が短縮する恐れがある。
【0056】
本実施例では、循環濾過動作の実行過程でポンプ組立体400を間欠的に起動するよう制御することで、ポンプ組立体400が長時間にわたり継続的に動作するとの事態を回避し得るため、ポンプ組立体400の使用寿命を延長させられる。且つ、制御弁組立体700の動作状態の頻繁な切り替えも回避されるため、制御弁組立体700に対して保護作用が奏される。
【0057】
本実施例の具体的方案において、前記循環濾過動作は以下のステップを含む。
【0058】
S1:制御弁組立体700が、ポンプ組立体400と入水口6101を開通させるとともに、汚染排出口6103と汚染排出管路240を遮断する。
【0059】
S2:ポンプ組立体400を起動して、一定の時間長だけ継続させる。
【0060】
S3:ポンプ組立体400を停止して、一定の時間長だけ継続させる。
【0061】
S4:今回の循環濾過動作におけるステップS2の実行回数が所定の回数に達した場合には、循環濾過動作を終了し、達していない場合にはステップS2に戻る。
【0062】
更に、1回の循環濾過動作の実行過程で、ポンプ組立体400は、最初の起動後は第1の所定時間長T1だけ継続的に動作し、その後は、起動するたびに第2の所定時間長T2だけ継続的に動作する。前記第1の所定時間長T1は第2の所定時間長T2よりも大きい。
【0063】
上記の方案において、濾過装置600の内部にはフィルタメッシュが設けられ、フィルタメッシュのメッシュにより濾過過程が実現される。前記第1の所定時間長T1と第2の所定時間長T2の具体的な値は、予め大量の実験を通じて取得するとともに、洗濯機の制御プログラムに直接書き込んでもよい。具体的に、第1の所定時間長T1とは、濾過装置600が継続的に濾過を行う際に、フィルタメッシュのメッシュの大部分が濾過異物により覆われるまでに経過する時間長である。
【0064】
1回の循環濾過動作において、ポンプ組立体400が最初に起動するときには、基本的にフィルタメッシュ上に濾過異物は付着していないため、第1の所定時間長T1の値は大きくてもよい。一方、フィルタメッシュ上に付着した濾過異物は、ポンプ組立体400の停止期間に完全に脱落し得るとは限らない。即ち、その後、ポンプ組立体400が起動するたびに、フィルタメッシュ上には濾過異物の一部が付着している可能性がある。そのため、第2の所定時間長T2の値を第1の所定時間長T1よりも小さくして、フィルタメッシュの詰まりによる濾過過程への影響を回避する。
【0065】
本実施例において、濾過装置600は、入水口6101、濾過水出口6102及び汚染排出口6103が設けられる濾過チャンバ610と、回動可能に濾過チャンバ610内に設けられる濾過機構620と、濾過機構620を濾過チャンバ610内で回動させるための駆動機構660、を含む。
【0066】
ステップS3は、更に、ポンプ組立体400の停止期間に、駆動機構660を起動して濾過機構620を濾過チャンバ610内で回動させることを含む。
【0067】
具体的に、濾過機構620は、濾過チャンバ610の内部を外収容室と内収容室に分割する。入水口6101は前記外収容室と連通し、濾過水出口6102は内収容室と連通する。貯水槽100内の水は、ポンプ組立体400の作用で、入水口6101を経由して外収容室に進入し、濾過機構620を通過して内収容室に進入することで濾過が実現される。なお、水中に含まれる糸屑は濾過機構620の外壁に付着する。
【0068】
本実施例では、ポンプ組立体400の停止期間に駆動機構660を起動し、駆動機構660が濾過機構620を回動させることで、濾過チャンバ610内の水流を攪動可能とする。これにより、濾過機構620の外壁に付着した濾過異物を遠心力及び攪乱水流の2つの作用で剥がし、濾過チャンバ610内の水中に混入させる。このことは、濾過機構620の外壁に付着した濾過異物を十分に脱落させるのに有利である。
【0069】
本実施例において、濾過チャンバ610内には、更に、洗浄粒子680が設けられる。洗浄粒子680は、水流に付随して摩擦及び衝突を生じ、濾過チャンバ610の内壁及び濾過機構620の外壁を洗浄するために用いられる。ポンプ組立体400の起動期間は、水流が濾過装置600を継続的に通過し、洗浄粒子680が水流に付随して濾過チャンバ610の内壁及び濾過機構620の外壁を絶えず摩擦することで、濾過異物の堆積速度を低減可能とする。これにより、ポンプ組立体400の継続起動時間長を適切に延長することが可能となる。駆動機構660が濾過機構620を回動させる際に、洗浄粒子680が水流に付随して運動することは、水流の攪動を更に強化して、付着した濾過異物をより容易に脱落させるのに有利である。
【0070】
更に、本実施例のステップS3において、濾過機構620は、ポンプ組立体400の停止期間に継続的に回動する。且つ、濾過機構620の継続回動時間長は、駆動機構660が起動するたびに同じである。
【0071】
好ましくは、ステップS3において、濾過機構620の継続回動時間長は第3の所定時間長T3である。且つ、第3の所定時間長T3は第2の所定時間長T2よりも小さい。
【0072】
前記第3の所定時間長T3の具体的な値は、予め大量の実験を通じて取得するとともに、洗濯機の制御プログラムに直接書き込んでもよい。これにより、濾過機構620に付着した糸屑等の濾過異物を十分に脱落させられるよう保証する。
【0073】
本実施例の更なる方案において、前記洗濯機は、更に、外部に排水するための外部排出管路250を含む。制御弁組立体700は、汚染排出口6103と汚染排出管路240を開通させるのと同時に、ポンプ組立体400と外部排出管路250も開通させる。
【0074】
具体的に、制御弁組立体700の第1弁室711には、外部排出管路250と連通する排水出口703が設けられる。制御弁組立体700の第1動作状態において、即ち、切替機構720が第1位置にあるときに、切替機構720は排水出口703を閉塞する。また、制御弁組立体700の第2動作状態において、切替機構720は第2位置となり、排水出口703を開放する。
【0075】
洗浄/すすぎ過程の終了後は、制御弁組立体700がポンプ組立体400と外部排出管路250を開通させ、ポンプ組立体400が起動することで、貯水槽100内の水が外部排出管路250を通じて洗濯機から排出される。
【0076】
詳細には、本実施例における洗濯機の循環濾過管路は、具体的に、貯水槽100とポンプ組立体400の入水端を接続する貯水槽排水管260と、一端がポンプ組立体400の吐水端に接続され、他端が制御弁組立体700の水入口701に接続される排水管路210と、一端が制御弁組立体700の循環水出口702に接続され、他端が濾過装置600の入水口6101に接続される循環管路220と、一端が濾過装置600の濾過水出口6102に接続され、他端が貯水槽100と連通し、濾過された水を貯水槽100内に搬送する環水管路230、を含む。
【0077】
外部排出管路250は、一端が制御弁組立体700の排水出口703に接続され、他端が洗濯機の外部と連通する。
【0078】
上記の方案において、ポンプ組立体400は、貯水槽100内の水の循環濾過に用いられるとともに、洗濯機から外部への排水にも用いられる。且つ、循環濾過と排水が管路構造の一部を共用することで、洗濯機内部の水路構造のレイアウトが簡略化されるため、洗濯機内部を省スペース化するのに有利である。
【0079】
洗浄/すすぎの終了後は、制御弁組立体700が第2動作状態に切り替えられることで、第1弁室711の水入口701と排水出口703の間、及び、第2弁室712の汚水入口704と汚水出口705の間が同時に開通する。そして、貯水槽100から洗濯機の外部に向かって排水されるのと同時に、濾過装置600の汚染排出口6103と汚染排出管路240が開通する。これにより、排水と同時に濾過装置600内の汚水を継続的に排出可能となるため、汚水の排出率が確実に保証される。また、貯水槽100からの排水と濾過装置600からの汚染排出が同時に行われるため、洗濯機の動作効率が向上し、ユーザエクスペリエンスが改善される。
【0080】
本実施例において、具体的に、環水管路230は、貯水槽100の槽口の窓パッキン110に接続される。
【0081】
濾過装置600の汚染排出口6103は連通管路280に接続され、連通管路280は制御弁組立体700の汚水入口704に接続される。また、汚染排出管路240の入水端は制御弁組立体700の汚水出口705に接続される。これにより、濾過装置600内の汚水の排出経路が形成される。
【0082】
好ましくは、環水管路230には、環水管路230の開閉を制御するための還水制御弁231が設けられる。制御弁組立体700が第2動作状態に切り替えられるときには、還水制御弁231が閉止されて環水管路230が遮断されることで、濾過チャンバ610内の水が濾過水出口6102から流出しないよう確実に保証される。このことは、濾過装置600内に残留した濾過異物を水流とともに十分に排出するのに有利である。
【0083】
本実施例において、制御弁組立体700の具体的な構造は
図3及び
図4に示す通りである。切替機構720は、回動可能に弁体710の内部に取り付けられるとともに、背向する第1の面741及び第2の面742を有するフラップ740と、フラップ740の第1の面741に設けられるとともに、第1弁室711の内部に位置して、排水出口703を閉塞するために用いられる排水シール部材733と、フラップ740の第1の面741に設けられるとともに、第2弁室712の内部に位置して、汚水入口704を閉塞するために用いられる汚染排出シール部材と、フラップ740の第2の面742に設けられるとともに、第1弁室711の内部に位置して、循環水出口702を閉塞するために用いられる循環シール部材732、を含む。
【0084】
排水出口703及び汚水入口704は弁体710の同一側の面に設けられる。切替機構720が第1位置にあるとき、排水シール部材733及び汚染排出シール部材は、それぞれ、排水出口703及び汚水入口704を然るべく閉塞する。また、切替機構720が第2位置にあるとき、フラップ740は、1つ前の状態に対して、循環シール部材732が循環水出口702を閉塞するまで、排水出口703及び汚水入口704から離隔する方向に回動する。
【0085】
フラップ740は、弁体710内でフラップ740を回動させるための駆動モータ750に接続される。駆動モータ750は弁体710の外部に設けられるため、水との接触リスクが回避され、より安全である。制御弁組立体700は、1つの駆動モータ750でフラップ740を運動させることで、循環水出口702、排水出口703及び汚水入口704それぞれの開放/閉塞状態の切り替えを同時に制御可能とするため、構造がシンプルである。また、従来技術における独立した水路ごとに駆動する制御弁をそれぞれ設ける方案と比較して、有効にコストが抑えられる。
【0086】
本実施例において、制御弁組立体700の第1弁室711と第2弁室712は左右に延伸しており、且つ、互いに平行に設けられる。排水出口703は、第1弁室711の長さの延伸方向における右端面の室壁に設けられ、汚水入口704は、第2弁室712の右端面の室壁に設けられる。
【0087】
好ましくは、水入口701は、第1弁室711の左端面の室壁に設けられるとともに、排水出口703の向きと平行且つ逆向きである。また、汚水出口705は、第2弁室712の左端面の室壁に設けられるとともに、汚水入口704の向きと平行且つ逆向きである。制御弁組立体700が第2動作状態の場合、水流は、第1弁室711内では左から右に流動し、第2弁室712内では右から左に流動する。よって、水流が受ける抗力が小さくなり、洗濯機の排水及び濾過装置600の汚染排出がより円滑となる。
【0088】
循環水出口702の向きと排水出口703の向きは互いに垂直である。よって、制御弁組立体700が第1動作状態から第2動作状態に切り替えられる際に、フラップ740は回転軸周りに90°回動することで、第1位置から第2位置まで運動する。
【0089】
具体的に、本実施例では、
図3の向きで例示すると、第1弁室711が第2弁室712の上方に設けられ、循環水出口702が第1弁室711の前側の室壁に設けられる。
【0090】
切替機構720が第1位置にあるとき、フラップ740は、第1弁室711及び第2弁室712における右端面の室壁とほぼ平行となり、排水シール部材733に排水出口703を閉塞させ、汚染排出シール部材に汚水入口704を閉塞させる。また、切替機構720が第1位置から第2位置に運動する際には、駆動モータ750がフラップ740を前方へ90°回動させて、循環シール部材732に循環水出口702を閉塞させる。このとき、排水シール部材733が排水出口703から分離して、排水出口703が開放される。また、汚染排出シール部材が汚水入口704から分離して、汚水入口704が開放される。
【0091】
本実施例の更なる方案において、洗浄/すすぎ時の給水前に、制御弁組立体700は第1動作状態に切り替えられる。即ち、ポンプ組立体400と入水口6101が開通するとともに、汚染排出口6103と汚染排出管路240が遮断される。
【0092】
貯水槽100への給水が開始され、貯水槽100内の水位が予め定められた水位よりも大きくなったあと、ポンプ組立体400を起動して循環濾過動作を実行する。そして、循環濾過動作の終了後に汚染排出動作を実行する。
【0093】
前記循環濾過動作と汚染排出動作は、洗浄/すすぎ過程が終了するまで交互に実行される。
【0094】
本実施例の循環濾過動作において、ステップS4で記載した所定の回数は3回とする。即ち、洗濯機は、1回の循環濾過動作において、ポンプ組立体400を都合3回起動する。そして、ポンプ組立体400が3回目に停止し、駆動機構660が起動して、第3の所定時間長T3に達するまで濾過機構620を濾過チャンバ610内で継続的に回動させたあと、制御弁組立体700が第2動作状態に切り替えられて汚染排出動作が実行される。
【0095】
図6は、本実施例の洗濯機が洗濯プログラム全体を1回実行する際のフローチャートを示す。これには以下のステップが含まれる。
【0096】
1)洗濯機が起動する。
【0097】
2)制御弁組立体が第1動作状態に切り替えられて、循環濾過管路が開通する。
【0098】
3)洗浄時の給水が開始される。
【0099】
4)ポンプ組立体を起動して、第1の所定時間長T1だけ継続させる。
【0100】
5)ポンプ組立体を停止し、駆動機構を起動して、第3の所定時間長T3だけ継続させる。
【0101】
6)駆動機構を停止し、ポンプ組立体を起動して、第2の所定時間長T2だけ継続させる。
【0102】
7)ポンプ組立体を停止し、駆動機構を起動して、第3の所定時間長T3だけ継続させる。
【0103】
8)駆動機構を停止し、ポンプ組立体を起動して、第2の所定時間長T2だけ継続させる。
【0104】
9)ポンプ組立体を停止し、駆動機構を起動して、第3の所定時間長T3だけ継続させる。
【0105】
10)駆動機構を停止する。また、制御弁組立体が第2動作状態に切り替えられて、濾過装置から汚水が排出される。
【0106】
11)洗浄過程が終了するまで、ステップ4)~ステップ10)を繰り返し実行する。
【0107】
12)制御弁組立体が第2動作状態に切り替えられ、ポンプ組立体が起動して、洗濯機が外部に排水する。
【0108】
13)排水が完了し、すすぎ時の給水が開始される。
【0109】
14)すすぎ過程が終了するまで、ステップ4)~ステップ10)を繰り返し実行する。
【0110】
15)制御弁組立体が第2動作状態に切り替えられ、ポンプ組立体が起動して、洗濯機が外部に排水する。
【0111】
16)排水が完了し、脱水動作が行われる。
【0112】
17)脱水が完了し、洗濯プログラムが終了する。
【0113】
本実施例では、洗濯機が洗浄及びすすぎ過程で循環濾過動作と汚染排出動作を交互に実行し、濾過装置600の内部に残留した濾過異物を速やかに汚染排出口6103から排出可能とすることで、濾過異物の堆積による濾過効率への影響を回避する。また、循環濾過動作を実行する過程では、ポンプ組立体400を間欠的に起動するよう制御する。且つ、ポンプ組立体400の停止期間は、駆動機構660により濾過機構620を回動させることで、濾過機構620上に付着した糸屑等の濾過異物を十分に脱落させて、汚染排出動作の実行過程で十分に排出する。上記の過程により、濾過装置600は、洗濯プログラムの実行中に自動クリーニングを随時実施可能となる。これにより、濾過装置600における詰まりの発生が回避され、洗濯機による水の濾過効率が保証される。
【0114】
制御弁組立体700の構造設計によれば、1つの駆動モータ750で、ポンプ組立体400により吸引された水を濾過装置600に搬送するか、外部排出管路250に搬送するかを制御可能であるとともに、濾過装置600の汚染排出口6103から外部に汚水を排出するか否かについても同時に制御可能である。洗濯機が実行する循環濾過動作、汚染排出動作及び排水動作はいずれも同一の制御弁組立体700により制御が実現される。よって、洗濯機内部の水路構造が簡略化され、いっそう省ペース化されるとともに、コストが低下する。
【実施例2】
【0115】
図5及び
図7に示すように、本実施例では上記実施例1を更に限定する。上記の洗濯機は、更に、回収装置500を含む。回収装置500は、汚染排出管路240の吐水端に接続されて、濾過装置600から排出される汚水を収集するために用いられる。
【0116】
具体的に、回収装置500は、汚水とともに排出される糸屑等の濾過異物501を収集するために用いられる。
【0117】
濾過異物501には微細な糸屑が存在する可能性がある。よって、濾過異物501を伴う汚水をそのまま洗濯機の排水水流に合流させ、洗濯機の排水とともに排出すると、前記微細な糸屑が生態系循環に進入して、生態環境や人体の健康に害を及ぼす。
【0118】
本実施例の洗濯機には回収装置500が設けられている。濾過異物501を伴う汚水は、汚染排出口6103から排出されたあと、排水水流に進入して排水水流とともに洗濯機から排出されるのではなく、汚染排出管路240経由で回収装置500に進入し、収集され得る。
【0119】
本実施例の更なる方案において、回収装置500は、内部に回収チャンバを有するハウジング510と、前記回収チャンバ内に設けられて、前記回収チャンバを第1チャンバ531と第2チャンバ532に分割する濾過アセンブリ520、を含む。
【0120】
濾過装置600の汚染排出口6103は第1チャンバ531と連通する。濾過異物501を伴う汚水は、第1チャンバ531に進入し、濾過アセンブリ520を通過して濾過されたあと第2チャンバ532に進入する。また、濾過異物501は第1チャンバ531内に収集される。
【0121】
上記の方案では、回収装置500内に、濾過装置600から排出された汚水を濾過することで水中から濾過異物501を分離するための濾過アセンブリ520が設けられる。濾過アセンブリ520により回収装置500の内部を第1チャンバ531と第2チャンバ532に分割し、汚水中の濾過異物501を濾過アセンブリ520により堰き止める。これにより、濾過異物501を第1チャンバ531内の濾過アセンブリ520の上面に収集し、濾過により得られた清浄な水を第2チャンバ532内に収集する。ユーザは、分離された濾過異物501を直接収集して処理することが可能なため、濾過異物501が水中に混ざって有効に処理できなくなるとの事態が回避される。
【0122】
具体的に、濾過アセンブリ520は、回収チャンバ内の一定の高さに水平に設置されるフレームと、前記フレーム上に敷設されるフィルタメッシュとしてもよい。濾過異物501を伴う汚水が第1チャンバ531に進入したあと、水は濾過アセンブリ520を通過して第2チャンバ532に進入可能であるが、濾過異物501は、フィルタメッシュにより堰き止められて濾過アセンブリ520の上面に残留する。
【0123】
本実施例において、前記洗濯機は、更に、筐体10を含む。貯水槽100及び濾過装置600はいずれも筐体10内に設けられる。回収装置500は、挿入/抜き出し可能に筐体10に設けられる。ユーザは、回収装置500を筐体10内から抜き出してクリーニングすることが可能である。
【0124】
具体的に、回収装置500のハウジング510は、挿入/抜き出し可能に筐体10に設けられる。また、ハウジング510の上側には開口が備わっている。ユーザは、ハウジング510を筐体10内から抜き出したとき、濾過アセンブリ520の上面に付着した濾過異物501をハウジング510の上側の開口を通じてクリーニング可能である。好ましくは、濾過アセンブリ520は、ハウジング510に取り外し可能に接続される。この場合、ユーザは、濾過アセンブリ520をハウジング510の内部から解体して取り出し、クリーニングすることが可能なため、操作がいっそう容易となる。
【0125】
本実施例の好ましい方案において、第2チャンバ532には、濾過した清浄な水を排出するための吐水口が設けられる。第2チャンバ532に吐水口を設けることで、第2チャンバ532に進入した清浄な水を速やかに回収装置500から排出可能となる。これにより、濾過装置600から流れ込む汚水量が大きい場合に、回収装置500にオーバーフローが生じるとの事態が回避される。こうしなければ、第2チャンバ532の容量を増大させる必要が生じ、回収装置500の体積を増大させねばならなくなるため、洗濯機内部で大きなスペースを占有することになり、洗濯機全体の体積を小型化するのに不利となる。
【0126】
また、第2チャンバ532内の水は吐水口から自動的に排出可能なため、ユーザが回収装置500をクリーニングする際には、濾過アセンブリ520上の濾過異物501をクリーニングするだけでよく、手動で第2チャンバ532内の清浄な水を捨てる必要はない。また、濾過アセンブリ520が取り外し可能にハウジング510内に取り付けられている場合、ユーザは、ハウジング510を洗濯機の筐体10から完全に取り外さなくても、濾過アセンブリ520を取り出してクリーニングするだけでよいため、いっそう操作しやすい。
【0127】
本実施例の好ましい方案において、第2チャンバ532の吐水口は貯水槽100と連通し、第2チャンバ532内に収集された水は貯水槽100内に搬送される。例えば、第2チャンバ532の吐水口は環水管路230と連通してもよいし、管路を通じて貯水槽100と直接連通してもよい。或いは、第2チャンバ532の吐水口は回収装置500の各方向の洗剤ケース300と連通する。洗剤ケース300は管路を通じて貯水槽100と連通するため、第2チャンバ532内に収集された水は、洗剤ケース300を経由して貯水槽100内に進入可能となる。
【0128】
回収装置500に進入した汚水は、回収装置500内で濾過アセンブリ520により濾過されて、濾過異物501が除去される。よって、第2チャンバ532内に収集されるのは濾過異物501を含まない清浄な水である。これを貯水槽100内に送れば、この部分の清浄な水の再利用を実現可能となるため、洗濯機が運転を継続する際に必要な給水量が減少し、洗濯機の水の使用量を節約するとの目的が実現される。
【0129】
本実施例の別の好ましい方案において、第2チャンバ532の吐水口は、直接的又は間接的に洗濯機の外部と連通してもよい。例えば、第2チャンバ532の吐水口を管路を通じて外部排出管路250と連通させて、第2チャンバ532内に収集された水を外部排出管路250経由で洗濯機から排出する。
【0130】
第2チャンバ532内に収集されるのは濾過異物501を含まない清浄な水である。よって、これを直接排出したとしても微細な糸屑が生態系循環に進入するとの問題は生じない。
【0131】
本実施例では、洗濯機の内部に回収装置500が設けられる。濾過装置600から排出される濾過異物501を含む汚水は、連通管路280、制御弁組立体700及び汚染排出管路240を順に通過したあと、洗濯機の排水水流に合流して直接排出されるのではなく、回収装置500を通過して収集され得る。これにより、濾過異物501内の微細な糸屑が排水水流とともに生態系循環に進入することで生態環境や人体の健康に影響を及ぼすとの事態が回避される。回収装置500に濾過アセンブリ520を設け、収集された汚水を濾過することで濾過異物501を水から分離すれば、濾過異物501のクリーニングが容易となる。
【実施例3】
【0132】
図8及び
図9に示すように、本実施例では、上記実施例1又は2の濾過装置600を更に限定する。前記濾過装置600の濾過水出口6102の外周は、濾過チャンバ610の外部に向かって延伸することで密封支持部611を形成している。また、前記濾過機構620の一端には、密封支持部611内に挿設される吐水継手621が備わっている。吐水継手621は、密封支持部611に回動可能に密封状に接続される。吐水継手621には第1軸受631が覆設される。第1軸受631における濾過チャンバ610の内部に面する側には、吐水継手621と密封支持部611との隙間を閉塞するための第1シール部材641が設けられる。
【0133】
具体的に、濾過機構620は、フィルタメッシュホルダ及びフィルタメッシュ625を含む。フィルタメッシュホルダは、濾過チャンバ610の内部に位置し、フィルタメッシュ625により表面が覆われるフィルタメッシュ支持部623と、フィルタメッシュ支持部623の左端に設けられて、回動可能に密封支持部611内に挿設される吐水継手621と、フィルタメッシュ支持部623の右端に設けられて、濾過チャンバ610に回動可能に接続される回動支持部622、を含む。
【0134】
上記の方案において、吐水継手621と密封支持部611の間には、吐水継手621を支持する第1軸受631が設けられる。これにより、密封支持部611内における吐水継手621の回動がより円滑になるとともに、構造が安定するため、濾過チャンバ610内における濾過機構620の安定的な回動を保証可能となる。また、第1軸受631の右側には第1シール部材641が設けられるため、濾過チャンバ610内の洗浄水は吐水継手621と密封支持部611との隙間に進入不可能となる。これにより、第1軸受631と水との接触が防止されて、第1軸受631の機能喪失が回避されるため、第1軸受631の作用・効果が保証される。且つ、第1シール部材641は、更に、濾過されていない洗浄水が濾過水出口6102から密封支持部611を経由して流出し、濾過装置600による糸屑の除去効率に影響を及ぼすとの事態も防止する。
【0135】
本実施例の具体的方案において、第1シール部材641は吐水継手621に覆設される。これにより、第1シール部材641の内壁と吐水継手621の外壁が密封状に接続され、第1シール部材641の外壁と密封支持部611の内壁が回動可能に密封状に接続される。
【0136】
本実施例の更なる方案において、濾過装置600は、更に、第2シール部材642を含む。第2シール部材642は、第1軸受631における濾過チャンバ610の内部とは反対の側に設けられて、吐水継手621と密封支持部611との隙間を閉塞する。
【0137】
具体的に、第2シール部材642は吐水継手621に覆設される。これにより、第2シール部材642の内壁と吐水継手621の外壁が密封状に接続され、第2シール部材642の外壁と密封支持部611の内壁が回動可能に密封状に接続される。
【0138】
上記の方案において、吐水継手621から流出する水は第2シール部材642により堰き止め可能であり、第1軸受631と接触することがない。第1軸受631は、第1シール部材641と第2シール部材642の間に設けられるため、第1軸受631の取り付け環境に水が存在しないよう最大限保証される。これにより、第1軸受631が水に触れて錆び付き、濾過機構620の回動の円滑性に影響を及ぼすとの事態が回避されるる。
【0139】
本実施例の更なる方案において、密封支持部611の内壁は段差構造を有しており、密封支持部611の一端から濾過チャンバ610の外部に向かって、順に、環状構造を有し且つ内径が徐々に縮小する第1位置規制面601、第2位置規制面602及び第3位置規制面603が形成されている。
【0140】
第1シール部材641における濾過チャンバ610の外側に面する表面は第1位置規制面601に当接し、第1軸受631における濾過チャンバ610の外側に面する表面は第2位置規制面602に当接し、第2シール部材642における濾過チャンバ610の外側に面する表面は第3位置規制面603に当接する。
【0141】
上記の方案では、段差構造の密封支持部611の内壁に縦向きの環状位置規制面を複数形成し、第1シール部材641、第1軸受631及び第2シール部材642の各々の左側の表面にそれぞれ当接させることで、吐水継手621の軸方向におけるそれらの移動を規制可能としている。これにより、濾過機構620の回動過程において、吐水継手621と密封支持部611との嵌め合い構造がぐらつくとの事態が防止される。
【0142】
本実施例の好ましい方案において、吐水継手621における濾過チャンバ610の外部に近接する一端の外径は他端の外径より小さくなっている。これにより、吐水継手621の外壁には、環状構造を有し、且つ、吐水継手621の軸線と垂直な第4位置規制面604が形成されている。第1軸受631における濾過チャンバ610の内側に面する表面は第4位置規制面604に当接する。
【0143】
吐水継手621の左端の外径を右端よりも小さくすることで、外径が突然変化している箇所に左側を向く第4位置規制面604を形成し、第1軸受631の右側の表面に当接させる。こうすることで、第1軸受631の両側がいずれも位置規制構造を有するため、構造が更に安定する。
【0144】
本実施例において、密封支持部611における濾過チャンバ610から離隔する一端、即ち、密封支持部611の左端は濾過チャンバフランジ650に接続される。濾過チャンバフランジ650の中央部には、吐水継手621と連通する貫通口653が備わっている。貫通口653の外周は、密封支持部611とは反対側に延伸して接続部651を形成している。
【0145】
好ましくは、濾過チャンバフランジ650における密封支持部611に面する側の表面には、突出する挿接部652が備わっている。挿接部652は、密封支持部611の左端の開口内に挿設される。
【0146】
上記の方案において、密封支持部611の左端は濾過チャンバフランジ650に接続される。且つ、濾過チャンバフランジ650には接続部651が形成されている。接続部651の外径は密封支持部611の外径よりも小さい。また、接続部651の内径は吐水継手621の内径と等しいことが好ましい。濾過装置600は、洗濯機内に取り付けられるとき、濾過チャンバフランジ650の接続部651を介して環水管路に接続される。これにより、環水管路を密封支持部611の左端に直接接続する方式と比べて、取り付けがいっそう容易となる。
【0147】
濾過チャンバフランジ650の右側には、密封支持部611の左端の開口に挿入される挿接部652が備わっている。このことは、濾過チャンバフランジ650と密封支持部611を組み付ける際の位置決めに都合がよい。濾過チャンバフランジ650と密封支持部611の外周には、いくつかの固定部がそれぞれ設けられており、ネジを前記固定部に挿通することで濾過チャンバフランジ650と密封支持部611との固定が実現される。
【0148】
本実施例の更なる方案において、濾過機構620の右端の回動支持部622は、回動軸線に沿って濾過チャンバ610の外部に延伸している。また、濾過チャンバ610には、回動支持部622を挿通するための取付口6104が設けられている。回動支持部622は、取付口6104に回動可能に密封状に接続される。
【0149】
本実施例において、濾過機構620は駆動機構の駆動を受けて回動するが、駆動機構が洗浄水と接触するのを回避するために、駆動機構は濾過チャンバ610の外部に設けられる。よって、回動支持部622は濾過チャンバ610の右端から伸出している。また、回動支持部622の右端には、例えばモータといった駆動機構を接続するためのモータ取付部624が設けられる。
【0150】
更に、取付口6104の外周は、回動支持部622の軸線に沿って濾過チャンバ610の外部に延伸することでスリーブ部612を形成している。また、回動支持部622には第3シール部材643が覆設される。第3シール部材643の内壁と回動支持部622の外壁は密封状に接続され、第3シール部材643の外壁とスリーブ部612の内壁は回動可能に密封状に接続される。
【0151】
スリーブ部612と回動支持部622の間には、更に、第2軸受632が設けられる。第2軸受632は回動支持部622に覆設されて、第3シール部材643における濾過チャンバ610の外部に面する側に位置する。
【0152】
上記の方案では、第3シール部材643を設けているため、濾過チャンバ610内の水が取付口6104から漏出するとの事態が防止される。また、第2軸受632を設けることで、回動支持部622に対し支持作用を奏し得るため、回動支持部622とスリーブ部612との相対的な回動が更に円滑となるよう保証される。第2軸受632は第3シール部材643の右側に設けられるため、濾過チャンバ610内の水と接触することがなく、機能喪失が回避される。
【0153】
本実施例の好ましい方案において、スリーブ部612における濾過チャンバ610の外部に近接する一端の内径は他端の内径よりも小さくなっている。これにより、スリーブ部612の内壁には、環状構造を有し、且つ、回動支持部622の軸線と垂直な第5位置規制面605が形成されている。第3シール部材643における濾過チャンバ610の外側に面する表面は第5位置規制面605に当接する。
【0154】
回動支持部622における濾過チャンバ610の外部に近接する一端の外径は他端の外径よりも小さくなっている。これにより、回動支持部622の外壁には、環状構造を有し、且つ、回動支持部622の軸線と垂直な第6位置規制面606が形成されている。第2軸受632における濾過チャンバ610の内側に面する表面は第6位置規制面606に当接する。
【0155】
上記の方案において、スリーブ部612の右端の内径は左端の内径よりも小さくなっており、内径が突然変化している箇所に、第3シール部材643の右側の表面に当接する左側を向く第5位置規制面605が形成されている。また、回動支持部622の右端の外径は左端の外径よりも小さくなっており、外径が突然変化している箇所に、第2軸受632の左側の表面に当接する右側を向く第6位置規制面606が形成されている。以上の構造によって、回動支持部622の軸方向における第3シール部材643及び第2軸受632の移動が規制されるため、構造が安定する。
【0156】
本実施例において、第1シール部材641、第2シール部材642及び第3シール部材643はいずれもオイルシールである。また、濾過チャンバ610の右壁と周側壁は別体として設けられる。まず、濾過機構620と、左端の第1シール部材641、第2シール部材642及び第1軸受631全体を濾過チャンバ610の内部に取り付けてから、その右端に第3シール部材643及び第2軸受632を取り付ける。そして、最後に濾過チャンバ610の右壁を周側壁に掛合すればよい。
【0157】
本実施例において、フィルタメッシュ支持部623は、中央部領域の横断面積は一定であるが、左右両端には錐状構造を有している。こうして、フィルタメッシュ625の一部の表面を傾斜状に設けることで、付着した糸屑を脱落させるのに有利となる。
【0158】
本実施例において、濾過チャンバ610の入水口6101及び汚染排出口6103の向きは濾過機構620の軸方向と垂直である。
【0159】
好ましくは、濾過チャンバ610は円柱状構造を有している。また、入水口6101は濾過チャンバ610の右端に近接して設けられ、汚染排出口6103は濾過チャンバ610の左端に近接して設けられる。且つ、濾過チャンバ610の周方向における入水口6101と汚染排出口6103の位置は対称である。
【0160】
上記の方案では、フィルタメッシュ625の面積を十分に活用できるよう、入水口6101の位置を吐水継手621からできるだけ離隔させている。また、入水口6101と汚染排出口6103は上下に設けられるとともに、濾過チャンバ610の軸方向においてずらされている。このことは、濾過チャンバ610内における濾過装置600を洗浄したあとの汚水を十分に排出するのに有利である。
【0161】
本実施例の更なる方案において、密封支持部611の外壁には、密封支持部611の径方向に延伸する補強リブ613が設けられる。補強リブ613は、濾過チャンバ610における濾過水出口6102が存在する表面に接続される。
【0162】
密封支持部611は濾過チャンバ610の左側の端面から一定の長さだけ伸出しているため、補強リブ613を設けて外部から周側壁を支持することで、密封支持部611の強度を保証する。
【0163】
本実施例の濾過装置600では、濾過機構620の両端に第1軸受631及び第2軸受632をそれぞれ設けて支持することで、濾過機構620が濾過チャンバ610内で円滑且つ安定的に回動するよう保証している。且つ、第1シール部材641、第2シール部材642及び第3シール部材643を設けることで、第1軸受631及び第2軸受632と水との接触が防止されるため、これらの機能喪失が回避される。
【0164】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変更或いは改変は、同等に変形された等価の実施例であって、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び改変は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0165】
10 筐体
100 貯水槽
110 窓パッキン
210 排水管路
220 循環管路
230 環水管路
231 還水制御弁
240 汚染排出管路
250 外部排出管路
260 貯水槽排水管
280 連通管路
300 洗剤ケース
400 ポンプ組立体
500 回収装置
501 濾過異物
510 ハウジング
520 濾過アセンブリ
531 第1チャンバ
532 第2チャンバ
600 濾過装置
601 第1位置規制面
602 第2位置規制面
603 第3位置規制面
604 第4位置規制面
605 第5位置規制面
606 第6位置規制面
610 濾過チャンバ
6101 入水口
6102 濾過水出口
6103 汚染排出口
6104 取付口
611 密封支持部
612 スリーブ部
613 補強リブ
620 濾過機構
621 吐水継手
622 回動支持部
623 フィルタメッシュ支持部
624 モータ取付部
625 フィルタメッシュ
631 第1軸受
632 第2軸受
641 第1シール部材
642 第2シール部材
643 第3シール部材
650 濾過チャンバフランジ
651 接続部
652 挿接部
653 貫通口
660 駆動機構
680 洗浄粒子
700 制御弁組立体
701 水入口
702 循環水出口
703 排水出口
704 汚水入口
705 汚水出口
710 弁体
711 第1弁室
712 第2弁室
720 切替機構
732 循環シール部材
733 排水シール部材
740 フラップ
741 第1の面
742 第2の面
750 駆動モータ
【国際調査報告】