IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 寧波興隆巨創機電科技有限公司の特許一覧

特表2024-539361揺動可能なシャフトドライブ式三輪車
<>
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図1
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図2
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図3
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図4
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図5
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図6
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図7
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図8
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図9
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図10
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図11
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図12
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図13
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図14
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図15
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図16
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図17
  • 特表-揺動可能なシャフトドライブ式三輪車 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】揺動可能なシャフトドライブ式三輪車
(51)【国際特許分類】
   B62K 5/10 20130101AFI20241018BHJP
   B62M 17/00 20060101ALI20241018BHJP
   B62K 5/06 20060101ALI20241018BHJP
   B62K 5/027 20130101ALI20241018BHJP
   B62M 6/60 20100101ALI20241018BHJP
【FI】
B62K5/10
B62M17/00 C
B62K5/06
B62K5/027
B62M6/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525822
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 CN2022079728
(87)【国際公開番号】W WO2023077702
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】202111315926.6
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522241181
【氏名又は名称】寧波興隆巨創機電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO XINGLONG JUCHUANG ELECTRICAL TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】XIJIAO INDUSTRIAL ZONE, SIMEN TOWN, YUYAO, ZHEJIANG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】方 建華
【テーマコード(参考)】
3D011
【Fターム(参考)】
3D011AA04
3D011AC01
3D011AD11
3D011AD18
(57)【要約】
揺動可能なシャフトドライブ式三輪車であって、フロントシャーシ(1)、リアシャーシ(2)及び伝動機構を備え、フロントシャーシ(1)が揺動機構(3)によりリアシャーシ(2)に接続され、伝動機構はフロントシャーシ(1)に設けられる第1トルク出力アセンブリ(4)と、リアシャーシに設けられる第2トルク出力アセンブリ(5)とを含み、第1トルク出力アセンブリ(4)が伝動軸(6)によりトルクを第2トルク出力アセンブリ(5)に伝達し、第2トルク出力アセンブリ(5)が2つの後車輪(72)のうちの少なくとも1つに連動係合する。該三輪車は、従来技術におけるフロントシャーシとリアシャーシとの間に揺動が発生する場合に伝動システムがシャーシに従って揺動する必要があることによる伝動の信頼性が低いという問題を解決したとともに、従来技術におけるチェーンが揺れや振動により脱落しやすくて、乗り体験に影響し、ひいては安全に影響してしまうという問題を解決した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺動可能なシャフトドライブ式三輪車であって、
フロントシャーシ、リアシャーシ及び伝動機構を備え、前記フロントシャーシに前車輪が設けられ、前記リアシャーシに2つの後車輪が対称設置され、前記フロントシャーシが揺動機構により前記リアシャーシに接続される揺動可能なシャフトドライブ式三輪車において、
前記伝動機構は前記フロントシャーシに設けられる第1トルク出力アセンブリと、前記リアシャーシに設けられる第2トルク出力アセンブリとを含み、前記第1トルク出力アセンブリが伝動軸によりトルクを前記第2トルク出力アセンブリに伝達し、前記第2トルク出力アセンブリが2つの後車輪のうちの少なくとも1つに連動係合し、
前記揺動機構の中央に伝動用貫通孔が設けられ、前記伝動軸が前記伝動用貫通孔を貫通し、前記伝動用貫通孔内に位置する伝動軸の軸心線が前記揺動機構の軸心線と重なり合うことを特徴とする揺動可能なシャフトドライブ式三輪車。
【請求項2】
前記揺動機構は第1揺動部材、第2揺動部材、接続軸及び弾性ブロックを含み、前記弾性ブロックが第1揺動部材と第2揺動部材との間に係着され、前記第1揺動部材と第2揺動部材とが接続軸により回転可能に接続され、前記第1揺動部材が前記フロントシャーシに接続され、前記第2揺動部材が前記リアシャーシに接続され、前記接続軸の中央に前記伝動用貫通孔が設けられることを特徴とする請求項1に記載の揺動可能なシャフトドライブ式三輪車。
【請求項3】
前記伝動軸は少なくとも2つの段付き伝動軸を含み、隣接する2つの段付き伝動軸同士がユニバーサルジョイントにより接続されることを特徴とする請求項1に記載の揺動可能なシャフトドライブ式三輪車。
【請求項4】
前記伝動軸は第1段付き伝動軸、第2段付き伝動軸及び第3段付き伝動軸を含み、前記第1段付き伝動軸と第2段付き伝動軸とが第1ユニバーサルジョイントにより接続され、前記第2段付き伝動軸と前記第3段付き伝動軸とが第2ユニバーサルジョイントにより接続され、前記第1段付き伝動軸が前記第1トルク出力アセンブリに係合し、前記第3段付き伝動軸が前記第2トルク出力アセンブリに係合することを特徴とする請求項1に記載の揺動可能なシャフトドライブ式三輪車。
【請求項5】
前記フロントシャーシはアセンブリ取付箱と、前記アセンブリ取付箱に設けられる中空接続梁とを含み、前記中空接続梁の一端がアセンブリ取付箱に接続され、前記中空接続梁の他端が揺動機構に接続され、前記伝動軸が前記中空接続梁に穿設され、前記第1トルク出力アセンブリが前記アセンブリ取付箱内に設けられることを特徴とする請求項1に記載の揺動可能なシャフトドライブ式三輪車。
【請求項6】
前記リアシャーシは車輪枠と、前記車輪枠に設けられるギアボックスとを含み、前記ギアボックスが前記揺動機構に接続され、前記第2トルク出力アセンブリが前記ギアボックス内に設けられ、前記後車輪が前記車輪枠に設けられることを特徴とする請求項1に記載の揺動可能なシャフトドライブ式三輪車。
【請求項7】
前記車輪枠はフレームと、前記フレームに対称に設けられる2つの車輪取付部材と、前記車輪取付部材に設けられる車輪伝動軸とを含み、前記後車輪が前記車輪伝動軸に設けられ、前記第2トルク出力アセンブリが少なくとも1つの車輪伝動軸に接続されることを特徴とする請求項6に記載の揺動可能なシャフトドライブ式三輪車。
【請求項8】
前記第1トルク出力アセンブリはフロントシャーシに回転可能に設けられる中軸と、前記中軸の両端に設けられるクランクとを含み、前記中軸が第1歯車対により前記伝動軸に連動することを特徴とする請求項1に記載の揺動可能なシャフトドライブ式三輪車。
【請求項9】
前記第1トルク出力アセンブリは前記フロントシャーシに回転可能に設けられる中軸及び後軸と、前記中軸に設けられるフロントスプロケットと、前記中軸の両端に設けられるクランクと、前記後軸に設けられるリアスプロケット及び第1かさ歯車とを含み、前記フロントスプロケットとリアスプロケットとがチェーンにより連動係合し、前記伝動軸に第2かさ歯車が設けられ、前記第1かさ歯車が前記第2かさ歯車と噛み合うことを特徴とする請求項1に記載の揺動可能なシャフトドライブ式三輪車。
【請求項10】
前記第2トルク出力アセンブリは前記リアシャーシに設けられるトルク出力軸を含み、前記伝動軸が第2歯車対により前記トルク出力軸に連動し、前記伝動軸と前記第2歯車対との間又は前記トルク出力軸と前記第2歯車対との間にクラッチアセンブリが設けられ、前記トルク出力軸が2つの後車輪のうちの少なくとも1つに連動係合することを特徴とする請求項1に記載の揺動可能なシャフトドライブ式三輪車。
【請求項11】
前記第2歯車対は噛み合っている第3かさ歯車及び第4かさ歯車を含み、前記第4かさ歯車が前記トルク出力軸に設けられ、前記伝動軸がクラッチアセンブリにより前記第3かさ歯車に連動することを特徴とする請求項10に記載の揺動可能なシャフトドライブ式三輪車。
【請求項12】
前記クラッチアセンブリは前記第3かさ歯車に設けられるトルク入力軸と、前記トルク入力軸に設けられる第1フェースラチェットと、前記伝動軸に摺動可能に係着される内歯スプラインスリーブと、前記第1フェースラチェットへ当接するように前記内歯スプラインスリーブを押動する弾性部材とを含み、前記トルク入力軸の一端が前記第3かさ歯車に接続され、前記トルク入力軸の他端に前記第1フェースラチェットが設けられ、前記伝動軸の外壁に外歯スプラインが設けられ、前記内歯スプラインスリーブが前記外歯スプラインに摺動可能に係着係合し、前記内歯スプラインスリーブの前記第1フェースラチェットに対向する端に第2フェースラチェットが設けられ、前記第1フェースラチェットが前記第2フェースラチェットに係合することを特徴とする請求項11に記載の揺動可能なシャフトドライブ式三輪車。
【請求項13】
前記フロントシャーシ又はリアシャーシに設けられる蓄電池と、前記前車輪に設けられるパワーアシストモータと、前記第1トルク出力アセンブリ内に設けられるトルクセンサとを更に備え、前記トルクセンサが前記パワーアシストモータに電気的に接続され、前記蓄電池が前記トルクセンサ及び前記パワーアシストモータに接続されることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の揺動可能なシャフトドライブ式三輪車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は三輪車の分野に関し、特に揺動可能なシャフトドライブ式三輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
足踏み三輪車は日常生活においてよく使用される軽便な交通機関であり、自転車と同じ軽便型を有するとともに、より多くの物品を積み込むことができる。技術の進歩に従って、乗り手の体力を節約するために、電動アシスト三輪車が現れてきており、それは主にクランク軸におけるトルクセンサによりクランク軸の回転信号を検出して、その後でコントローラは三輪車の駆動輪に動力を供給するようにモータを制御し、これにより、乗り手の体力を節約する。このようなパワーアシスト三輪車は電動オートバイ三輪車と本質的な相違があり、例えばモータの回転を制御する手段が異なり、電動アシスト三輪車は、ハンドルに絞り弁が設置されておらず、乗り手はペダルでクランク軸を駆動してクランク軸によりトルクセンサを作動させることでコントローラにより三輪車の駆動輪を駆動するようにモータを制御し、安全性がより確実になる。
【0003】
三輪車がカーブする際に転覆しやすい理由は主に、三輪車がカーブするとき、その重心が前輪とカーブ時の外側後輪との間に移動することとなって、遠心力の作用下で三輪車が非常に傾斜や転覆しやすくなるためである。現在、三輪車の後部通過幅がフロントハンドルの幅よりも大きくてはいけないという強制規定がある国はいくつかあり、ハンドルの幅寸法が大きすぎてはいけないため、三輪車の2つの後輪間の輪距が比較的狭く、且つ2つの後輪が同軸駆動され、カーブ時に非常に傾斜や横転しやすい。例えば、日本市場に求められる三輪車は以下の2つの要件がある。第1としては、三輪車の総幅が600mm以内にある。第2としては、三輪車のシャーシはフロント・リアシャーシで構成され、フロントシャーシがサイクリング時に軸方向に左右揺動する機能を有する必要があり、且つ後車体が水平に保持される。このような三輪車はカーブするとき、フロントシャーシがリアシャーシに対して一定の角度だけ揺れて三輪車の重心をカーブの内側へ移動させることにより、カーブ時に三輪車をより安定且つ確実にすることができる。フロントシャーシはサイクリング時に揺動するとき、更に従来のチェーンを用いて直接に後輪を駆動するため、チェーンが8字形を呈するように捩じられることとなり、且つ左右に捩じられたトルクが異なる。これはサイクリングの安全に影響して、ハンドルが制御されにくくなってしまう。従って、このような三輪車は多段伝動システムとして設計される。図1及び図2に示すように、三輪車はフロントシャーシ101及びリアシャーシ102を備え、リアシャーシ102に下向きに延在する支持フレーム1021が設けられ、支持フレーム1021に揺動機構111が設けられ、フロントシャーシ101が揺動機構111に接続され、フロントシャーシ101の後部の片側に第1伝動スプロケット103が設置され、リアシャーシ102の前部の他側に第2伝動スプロケット104が設置され、第1伝動スプロケット103と第2伝動スプロケット104とが対向して設置され、且つ多段ユニバーサルジョイント105により接続され、第1伝動スプロケット103が第1チェーン106によりフロントシャーシ101のクランク軸上の駆動スプロケット107に伝動接続され、第2伝動スプロケット104が第2チェーン108により一方の後車輪110上のリアスプロケット109に伝動接続される。フロントシャーシ101が揺動機構111により傾斜するとき、第1チェーン106、第1伝動スプロケット103及び駆動スプロケット107がいずれもそれに従って傾斜し、多段ユニバーサルジョイント105に形態変化が発生し、それにより第2伝動スプロケット104がフロントシャーシ101の傾斜による応力を受けないことが確保され、動力の通常伝達が維持される。しかしながら、上記技術案において、動力が第1チェーン106、第1伝動スプロケット103、多段ユニバーサルジョイント105、第2伝動スプロケット104、第2チェーン108、リアスプロケット109を通過しなければ、後車輪110を駆動して回転させることができず、多段伝達に属し、伝動損失が比較的大きく、且つ従来のシステムにおける部品が大幅に増加し、組立過程が複雑で、同一のチェーンにより連動される2つのスプロケットの輪距が比較的大きく、且つチェーン伝動機構が2組あるため、信頼性が低く、伝動システムの地上高が小さく、サイクリング過程において地上の物体に擦りや衝突しやすく、チェーンが脱落する潜在的な危険を解決できず、信頼性が低く、伝動部材の数が多く、組立効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的問題は、上記従来技術の欠陥を克服して、揺動可能なシャフトドライブ式三輪車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明に係る揺動可能なシャフトドライブ式三輪車が用いる主な技術案は、揺動可能なシャフトドライブ式三輪車であって、フロントシャーシ、リアシャーシ及び伝動機構を備え、前記フロントシャーシに前車輪が設けられ、前記リアシャーシに2つの後車輪が対称設置され、前記フロントシャーシが揺動機構により前記リアシャーシに接続される揺動可能なシャフトドライブ式三輪車において、前記伝動機構は前記フロントシャーシに設けられる第1トルク出力アセンブリと、前記リアシャーシに設けられる第2トルク出力アセンブリとを含み、前記第1トルク出力アセンブリが伝動軸によりトルクを前記第2トルク出力アセンブリに伝達し、前記第2トルク出力アセンブリが2つの後車輪のうちの少なくとも1つに連動係合し、前記揺動機構の中央に伝動用貫通孔が設けられ、前記伝動軸が前記伝動用貫通孔を貫通し、前記伝動用貫通孔内に位置する伝動軸の軸心線が前記揺動機構の軸心線と重なり合うことを特徴とする、ということである。
【0006】
発明に係る揺動可能なシャフトドライブ式三輪車は更に以下の付属の技術案を用いる。
【0007】
前記アセンブリ取付箱にフロントビームが設けられ、前記フロントビームにフロントフォーク及びハンドルが設けられ、前記前車輪が前記フロントフォークに設けられる。
【0008】
前記伝動軸の一端が前記第1トルク出力アセンブリに係合し、前記伝動軸の他端が前記伝動用貫通孔を貫通して前記第2トルク出力側アセンブリに係合する。
【0009】
前記揺動機構は第1揺動部材、第2揺動部材、接続軸及び弾性ブロックを含み、前記弾性ブロックが第1揺動部材と第2揺動部材との間に係着され、前記第1揺動部材と第2揺動部材とが接続軸により回転可能に接続され、前記第1揺動部材が前記フロントシャーシに接続され、前記第2揺動部材が前記リアシャーシに接続され、前記接続軸の中央に前記伝動用貫通孔が設けられる。
【0010】
前記第1揺動部材は揺動軸と、前記揺動軸の一端に設けられる第1接続部とを含み、前記第2揺動部材は軸スリーブと、前記軸スリーブに嵌着される接続カバーとを含み、前記接続カバーに第2接続部が設けられ、前記揺動軸の外壁に外係止溝が設けられ、前記軸スリーブの内壁に内係止溝が設けられ、前記揺動軸の他端が前記軸スリーブに挿入され、前記外係止溝が前記内係止溝に対向し、前記弾性ブロックの一端が前記内係止溝に挿入され、前記弾性ブロックの他端が前記外係止溝に挿入され、前記揺動軸の中央に第1挿入孔が設けられ、前記接続カバーに第2挿入孔が設けられ、前記接続軸が前記第2挿入孔及び前記第1挿入孔を貫通して前記第1揺動部材と前記第2揺動部材とを回転可能に接続し、前記接続軸の中央に前記伝動用貫通孔が設けられる。
【0011】
前記伝動軸は少なくとも2つの段付き伝動軸を含み、隣接する2つの段付き伝動軸同士がユニバーサルジョイントにより接続される。
【0012】
前記伝動軸は第1段付き伝動軸、第2段付き伝動軸及び第3段付き伝動軸を含み、前記第1段付き伝動軸と第2段付き伝動軸とが第1ユニバーサルジョイントにより接続され、前記第2段付き伝動軸と前記第3段付き伝動軸とが第2ユニバーサルジョイントにより接続され、前記第1段付き伝動軸が前記第1トルク出力アセンブリに係合し、前記第3段付き伝動軸が前記第2トルク出力アセンブリに係合する。
【0013】
前記フロントシャーシはアセンブリ取付箱と、前記アセンブリ取付箱に設けられる中空接続梁とを含み、前記中空接続梁の一端がアセンブリ取付箱に接続され、前記中空接続梁の他端が揺動機構に接続され、前記伝動軸が前記中空接続梁に穿設され、前記第1トルク出力アセンブリが前記アセンブリ取付箱内に設けられる。
【0014】
前記リアシャーシは車輪枠と、前記車輪枠に設けられるギアボックスとを含み、前記ギアボックスが前記揺動機構に接続され、前記第2トルク出力アセンブリが前記ギアボックス内に設けられ、前記後車輪が前記車輪枠に設けられる。
【0015】
前記車輪枠はフレームと、前記フレームに対称に設けられる2つの車輪取付部材と、前記車輪取付部材に設けられる車輪伝動軸とを含み、前記後車輪が前記車輪伝動軸に設けられ、前記第2トルク出力アセンブリが少なくとも1つの車輪伝動軸に接続される。
【0016】
前記車輪取付部材にブレーキライニング機構が設けられ、前記後車輪にブレーキドラム又はブレーキディスクが設けられ、前記ブレーキライニング機構が前記ブレーキドラム又はブレーキディスクに係合する。ディスクブレーキとドラムブレーキとがいずれも従来技術におけるより成熟した機構であるため、ここで詳細な説明は省略する。
【0017】
前記第1トルク出力アセンブリはフロントシャーシに回転可能に設けられる中軸と、前記中軸の両端に設けられるクランクとを含み、前記中軸が第1歯車対により前記伝動軸に連動する。
【0018】
前記第1トルク出力アセンブリは前記フロントシャーシに回転可能に設けられる中軸及び後軸と、前記中軸に設けられるフロントスプロケットと、前記中軸の両端に設けられるクランクと、前記後軸に設けられるリアスプロケット及び第1かさ歯車とを含み、前記フロントスプロケットとリアスプロケットとがチェーンにより連動係合し、前記伝動軸に第2かさ歯車が設けられ、前記第1かさ歯車が前記第2かさ歯車と噛み合う。
【0019】
前記中軸が後軸と平行に設置され、前記伝動軸が前記後軸に垂直である。
【0020】
前記第1トルク出力アセンブリは前記チェーンに圧着係合するテンションスプロケットを更に含む。
【0021】
前記第2トルク出力アセンブリは前記リアシャーシに設けられるトルク出力軸を含み、前記伝動軸が第2歯車対により前記トルク出力軸に連動し、前記伝動軸と前記第2歯車対との間又は前記トルク出力軸と前記第2歯車対との間にクラッチアセンブリが設けられ、前記トルク出力軸が2つの後車輪のうちの少なくとも1つに連動係合する。
【0022】
前記第2歯車対は噛み合っている第3かさ歯車及び第4かさ歯車を含み、前記第4かさ歯車が前記トルク出力軸に設けられ、前記伝動軸がクラッチアセンブリにより前記第3かさ歯車に連動する。
【0023】
前記クラッチアセンブリは前記第3かさ歯車に設けられるトルク入力軸と、前記トルク入力軸に設けられる第1フェースラチェットと、前記伝動軸に摺動可能に係着される内歯スプラインスリーブと、前記第1フェースラチェットへ当接するように前記内歯スプラインスリーブを押動する弾性部材とを含み、前記トルク入力軸の一端が前記第3かさ歯車に接続され、前記トルク入力軸の他端に前記第1フェースラチェットが設けられ、前記伝動軸の外壁に外歯スプラインが設けられ、前記内歯スプラインスリーブが前記外歯スプラインに摺動可能に係着係合し、前記内歯スプラインスリーブの前記第1フェースラチェットに対向する端に第2フェースラチェットが設けられ、前記第1フェースラチェットが前記第2フェースラチェットに係合する。
【0024】
前記弾性部材は伝動軸に嵌着されるばねである。
【0025】
前記トルク入力軸の前記伝動軸に対向する端に位置決め挿入孔が設けられ、前記伝動軸の端部が前記位置決め挿入孔に挿入される。
【0026】
前記第3かさ歯車、トルク入力軸及び第1フェースラチェットが一体成形構造である。
【0027】
前記フロントシャーシ又はリアシャーシに設けられる蓄電池と、前記前車輪に設けられるパワーアシストモータと、前記第1トルク出力アセンブリ内に設けられるトルクセンサとを更に備え、前記トルクセンサが前記パワーアシストモータに電気的に接続され、前記蓄電池が前記トルクセンサ及び前記パワーアシストモータに接続される。
【0028】
前記トルクセンサにトルク作動孔が設けられ、前記中軸が前記トルク作動孔に穿設され、中軸が回転して前記トルクセンサを作動させる。
【発明の効果】
【0029】
従来技術に比べて、発明に係る揺動可能なシャフトドライブ式三輪車は以下の利点を有する。本発明は従来技術に比べて、従来の三輪車のチェーン伝動をシャフトドライブで代替し、且つ伝動軸がシャーシの中線の位置する平面にあり、まず、従来技術におけるフロントシャーシとリアシャーシとの間に揺動が発生する場合に伝動システムがシャーシに従って揺動する必要があることによる伝動の信頼性が低いという問題を解決する。次に、従来技術におけるチェーンが揺れや振動により脱落しやすくて、乗り体験に影響し、ひいては安全に影響してしまうという問題を解決し、ついでに、シャフトドライブは従来技術におけるチェーンの多段伝動によるトルク伝達損失が大きいという問題を解決する。最後に、伝動用貫通孔内に位置する一部の伝動軸の中心線が揺動機構の回転中心線と重なり合うことにより揺動機構が揺動する場合に伝動軸がいかなる力を受けることがなく、本願の伝動性能が確保される。要するに、従来技術におけるチェーン伝動機構に比べて、本願のシャフトドライブ機構は構造が簡単で、組み立てやすく、信頼性が高く、伝動機構が保守される必要がないという優位性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】従来技術におけるシャーシが揺動可能な三輪車の構造図である。
図2】従来技術におけるシャーシが揺動可能な三輪車の底面図である。
図3】本発明に係る揺動可能なシャフトドライブ式三輪車の構造図である。
図4】本発明に係るフロントシャーシ、揺動機構及びリアシャーシが一体に組み立てられる構造図である。
図5】本発明に係る揺動機構の構造図である。
図6】本発明に係る揺動機構から接続カバーを除去した構造図である。
図7】本発明に係る揺動機構の接続カバーの構造図である。
図8】本発明に係る揺動機構の第1揺動部材の構造図である。
図9】本発明に係る一部のフロントシャーシ、揺動機構及び一部のリアシャーシが一体に組み立てられる構造図である。
図10図9におけるAの拡大図である。
図11】本発明に係る一部のフロントシャーシ、揺動機構及び一部のリアシャーシが一体に組み立てられる側面図である。
図12図11におけるBの拡大図である。
図13】本発明に係る一部のフロントシャーシ、揺動機構及び一部のリアシャーシが一体に組み立てられる部分断面図である。
図14】本発明に係る一部のフロントシャーシ、揺動機構及び一部のリアシャーシが一体に組み立てられる平面図である。
図15図14におけるCの拡大図である。
図16】本発明に係るクラッチアセンブリの第1構造分解図である。
図17】本発明に係るクラッチアセンブリの第2構造分解図である。
図18】本発明に係る揺動可能なシャフトドライブ式三輪車に蓄電池が追加して設置された後の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<実施例1>
図3図15を参照し、発明に係る揺動可能なシャフトドライブ式三輪車の実施例はフロントシャーシ1、リアシャーシ2及び伝動機構を備え、前記フロントシャーシ1に前車輪71(図中の前車輪が構造模式図である)が設けられ、前記リアシャーシ2に2つの後車輪72(図中の後車輪が構造模式図である)が対称設置され、前記フロントシャーシ1が揺動機構3により前記リアシャーシ2に揺動可能に接続され、前記伝動機構は前記フロントシャーシ1に設けられる第1トルク出力アセンブリ4と、前記リアシャーシ2に設けられる第2トルク出力アセンブリ5とを含み、前記第1トルク出力アセンブリ4が伝動軸6によりトルクを前記第2トルク出力アセンブリ5に伝達し、前記第2トルク出力アセンブリ5が2つの後車輪72のうちの少なくとも1つに連動係合し、前記揺動機構3の中央に伝動用貫通孔331が設けられ、前記伝動軸6が前記伝動用貫通孔331を貫通し、前記伝動用貫通孔331内に位置する伝動軸6の軸心線が前記揺動機構3の軸心線と重なり合う。
【0032】
従来技術に比べて、本発明は従来の三輪車のチェーン伝動をシャフトドライブで代替し、且つ伝動軸6がシャーシの中線の位置する平面にあり、まず、従来技術におけるフロントシャーシ1とリアシャーシ2との間に揺動が発生する場合に伝動システムがシャーシに従って揺動する必要があることによる伝動の信頼性が低いという問題を解決する。次に、従来技術におけるチェーンが揺れや振動により脱落しやすくて、乗り体験に影響し、ひいては安全に影響してしまうという問題を解決し、ついでに、シャフトドライブは従来技術におけるチェーンの多段伝動によるトルク伝達損失が大きいという問題を解決する。最後に、伝動用貫通孔331内に位置する一部の伝動軸6の中心線が揺動機構3の回転中心線と重なり合うことにより揺動機構3が揺動する場合に伝動軸6がいかなる力を受けることがなく、本願の伝動性能が確保される。要するに、従来技術におけるチェーン伝動機構に比べて、本願のシャフトドライブ機構は構造が簡単で、組み立てやすく、信頼性が高く、伝動機構が保守される必要がないという優位性を有する。
【0033】
図5図8を参照し、発明の上記実施例によれば、前記揺動機構3は第1揺動部材31、第2揺動部材32、接続軸33及び弾性ブロック34を含み、前記第1揺動部材31は揺動軸311と、前記揺動軸311の一端に設けられる第1接続部312とを含み、前記第2揺動部材32は軸スリーブ321と、前記軸スリーブ321に嵌着される接続カバー322とを含み、前記接続カバー322に第2接続部3222が設けられ、前記揺動軸311の外壁に外係止溝313が設けられ、前記軸スリーブ321の内壁に内係止溝3211が設けられ、前記揺動軸311の他端が前記軸スリーブ321に挿入され、前記外係止溝313が前記内係止溝3211に対向し、前記弾性ブロック34の一端が前記内係止溝3211に挿入され、前記弾性ブロック34の他端が前記外係止溝313に挿入され、前記揺動軸311の中央に第1挿入孔314が設けられ、前記接続カバー322に第2挿入孔3221が設けられ、前記接続軸33が前記第2挿入孔3221及び前記第1挿入孔314を貫通して前記第1揺動部材31と前記第2揺動部材32とを回転可能に接続し、前記接続軸33の中央に前記伝動用貫通孔331が設けられる。上記弾性ブロック34はゴム弾性ブロックを用いてもよい。上記外係止溝313は複数あって揺動軸311の外壁に均一に設けられ、上記内係止溝3211は複数あって前記軸スリーブ321の内壁に均一に設けられる。前記接続軸33はロックナット332が更に設けられ、ロックナット322に係合することにより第1揺動部材31と第2揺動部材32とを回転可能に接続する。前記接続軸33の外壁と前記第1挿入孔314の内壁との間に軸受35が設けられる。揺動機構が静止状態にある場合、弾性ブロック34が変形せず、第1揺動部材31が第2揺動部材32に対して揺らされる場合、弾性ブロック34の中央が押し出されて変形し、弾性ブロック34の自動回復につれて、第1揺動部材31もそれに従って初期状態に回復する。第1揺動部材31と第2揺動部材32とが接続軸33に沿って揺らされるため、接続軸33の軸心線が揺動機構3の軸心線である。該揺動機構3の第1接続部312が三輪車のフロントシャーシ1に接続され、第2接続部3222が三輪車のリアシャーシ2に接続され、特に伝動用貫通孔331の設置によって伝動軸6が貫通可能であり、揺動機構3と伝動軸6の2つの回転部材の有機結合を実現し、シャフトドライブ式の揺動式三輪車の加工生産のために有利な条件を提供し、このような三輪車の伝動機構を簡素化することに寄与するとともに、上記揺動機構は構造が簡単且つコンパクトで、部材が少なく、組み立てやすく、生産コストが低い。
【0034】
図13を参照し、発明の上記実施例によれば、前記伝動軸6は少なくとも2つの段付き伝動軸6を含み、隣接する2つの段付き伝動軸6同士がユニバーサルジョイントにより接続される。上記構造を用いる伝動軸6は、第1トルク出力アセンブリ4及び第2トルク出力アセンブリ5の位置設定の柔軟性を向上させ、即ち、第1トルク出力アセンブリ4の出力端と第2トルク出力アセンブリ5の入力端とが同じ高さにあるかどうか、又は両者間の接続線が直線であるかどうかにかかわらず、いずれもトルクの伝達に影響することがなく、シャーシの設定柔軟性を向上させ、伝動軸6とシャーシとの適合性を向上させるとともに、シャーシの精度要件を低減し、製品の歩留まりを向上させる。
【0035】
図12及び図13を参照し、発明の上記実施例によれば、前記伝動軸6は第1段付き伝動軸61、第2段付き伝動軸62及び第3段付き伝動軸63を含み、前記第1段付き伝動軸61と第2段付き伝動軸62とが第1ユニバーサルジョイント64により接続され、前記第2段付き伝動軸62と前記第3段付き伝動軸63とが第2ユニバーサルジョイント65により接続され、前記第1段付き伝動軸61が前記第1トルク出力アセンブリ4に係合し、前記第3段付き伝動軸63が前記第2トルク出力アセンブリ5に係合する。本実施例は上記3段式の伝動軸6を用い、シャーシの設計に影響しない前提で少なくともユニバーサルジョイントを使用する必要があり、伝動過程の順調性及び伝動の信頼性が確保される。
【0036】
図3図4図9図11図13及び図14を参照し、発明の上記実施例によれば、前記フロントシャーシ1はアセンブリ取付箱11と、前記アセンブリ取付箱11に設けられる中空接続梁12とを含み、前記中空接続梁12の一端がアセンブリ取付箱11に接続され、前記中空接続梁12の他端が揺動機構3に接続され、前記伝動軸6が前記中空接続梁12に穿設され、前記第1トルク出力アセンブリ4が前記アセンブリ取付箱11内に設けられる。上記フロントシャーシ1の構造によって、第1トルク出力アセンブリ4と伝動軸6とがいずれもフロントシャーシ1により被覆されるようにし、伝動軸6が中空接続梁12に穿設され、シャーシの基本構造を変えない場合に本発明のトルク出力アセンブリ及び伝動軸6がいずれもシャーシ内に密閉されるようにし、外部の雨水や砂礫による汚染を回避し、伝動システムの信頼性及び安全性が確保される。前記アセンブリ取付箱11にフロントビーム13が設けられ、前記フロントビーム13にフロントフォーク及びハンドルが設けられ、前記前車輪71が前記フロントフォークに設けられる。前記伝動軸6の一端が前記第1トルク出力アセンブリ4に係合し、前記伝動軸6の他端が前記伝動用貫通孔331を貫通して前記第2トルク出力側アセンブリに係合し、サドルと、クランクに設けられるペダルなどの部材とを更に備え、それらはいずれも三輪車の従来技術であるため、ここで詳細な説明は省略する。
【0037】
図3図4図9図11図13及び図14を参照し、発明の上記実施例によれば、前記リアシャーシ2は車輪枠21と、前記車輪枠21に設けられるギアボックス22とを含み、前記ギアボックス22が前記揺動機構3に接続され、前記第2トルク出力アセンブリ5が前記ギアボックス22内に設けられ、前記後車輪72が前記車輪枠21に設けられる。ギアボックス22の設置によって、第2トルク出力アセンブリ5が密閉された環境にあることが確保され、上記第1トルク出力アセンブリ4と伝動軸6とがいずれもシャーシ内に密閉されることと組み合わせて、本発明の伝動システムが完全にシャーシ内に密閉されるようにし、シャーシが外力で損傷されていない場合、永久に保守される必要がないことが実現され、三輪車の信頼性を大幅に向上させ、製品の耐用年数を延ばす。
【0038】
図3及び図4を参照し、発明の上記実施例によれば、前記車輪枠21はフレーム211と、前記フレーム211に対称に設けられる2つの車輪取付部材212と、前記車輪取付部材212に設けられる車輪伝動軸213とを含み、車輪伝動軸213が車輪取付部材212に回転可能に設けられ、前記後車輪72が前記車輪伝動軸213に設けられ、前記第2トルク出力アセンブリ5が少なくとも1つの車輪伝動軸213に接続される。このような車輪枠21は構造が簡単で、組み立てやすく、車輪伝動軸213によりトルクを後車輪72に伝達するのであり、従来技術における車輪軸が回転せず、後車輪72にスプロケットを取り付けることでチェーン48により駆動されて自転する場合に比べて、後車輪72の着脱には伝動機構におけるいかなる部品も着脱する必要がなく(例えば、従来技術においてチェーン48を着脱する必要があるなど)、後車輪72、特に、駆動された後車輪72の組立過程を簡素化し、組立効率を向上させる。
【0039】
図3及び図4を参照し、発明の上記実施例によれば、前記車輪取付部材212にブレーキライニング機構214が設けられ、前記後車輪72にブレーキドラム又はブレーキディスクが設けられ、前記ブレーキライニング機構214が前記ブレーキドラム又はブレーキディスクに係合する。ディスクブレーキとドラムブレーキとがいずれも従来技術におけるより成熟した機構であるため、ここで詳細な説明は省略する。本実施例は後車輪72にブレーキドラムを設置することが好ましく、上記ブレーキライニング機構214を用いることにより本発明のブレーキの信頼性が確保され、それにより乗り手の安全が確保される。
【0040】
図9図12を参照し、発明の上記実施例によれば、前記第1トルク出力アセンブリ4は前記フロントシャーシ1に回転可能に設けられる中軸41及び後軸42と、前記中軸41に設けられるフロントスプロケット43と、前記中軸41の両端に設けられるクランク44と、前記後軸42に設けられるリアスプロケット45及び第1かさ歯車46とを含み、前記フロントスプロケット43とリアスプロケット45とがチェーン48により連動係合し、前記伝動軸6に第2かさ歯車47が設けられ、前記第1かさ歯車46が前記第2かさ歯車47と噛み合う。このような第1トルク出力アセンブリ4は構造が簡単で、柔軟に組み立てられ、特に異なる直径の後車輪72を有する三輪車に適用され、被駆動輪の大きさが変化する場合、フルセットの第1トルク出力アセンブリ4を調整することを必要とせずに、適合するリアスプロケット45を取り替えるだけで伝動比の調整を実現でき、このような構造は、様々な異なる型番のものを生産する三輪車メーカーにとって部品の種類を減少させ、アセンブリ組立ラインの標準化設定に寄与し、生産効率を向上させ、部品の研究開発コストを削減する。
【0041】
図9図12を参照し、発明の上記実施例によれば、前記中軸41が後軸42と平行に設置され、前記伝動軸6が前記後軸42に垂直である。部品の組立を容易にし、伝動機構の信頼性及び安定性が確保される。前記第1トルク出力アセンブリ4は前記チェーン48に圧着係合するテンションスプロケット49を更に含む。テンションスプロケット49の設置によって緩んでいるチェーン48を圧着することができ、チェーン48と様々な異なる大きさのスプロケットとの適合性が確保され、第1トルク出力アセンブリ4におけるチェーン48がフロント・リアスプロケットと適合してから緩んでいる状態にあり、テンションスプロケット49を用いて弾性圧着することにより、チェーン48の脱落を回避することができる一方、リアスプロケット45又はフロントスプロケット43の直径が変化する場合にチェーン48の長さを調整することを必要とせずに依然として元のチェーン48を用いることができる。
【0042】
図4図9図13図17を参照し、発明の上記実施例によれば、前記第2トルク出力アセンブリ5は前記リアシャーシ2に設けられるトルク出力軸51を含み、前記伝動軸6が第2歯車対により前記トルク出力軸51に連動し、前記伝動軸6と前記第2歯車対との間又は前記トルク出力軸51と前記第2歯車対との間にクラッチアセンブリが設けられ、本実施例のクラッチアセンブリが前記伝動軸6と前記第2歯車対との間に設けられ、前記トルク出力軸51が2つの後車輪72のうちの少なくとも1つに連動係合する。前記トルク出力軸51がユニバーサル伝達軸57により2つの後車輪72のうちの少なくとも1つに連動係合し、前記ユニバーサル伝達軸57の一端が第3ユニバーサルジョイント58によりトルク出力軸51に接続され、前記ユニバーサル伝達軸57の他端が第4ユニバーサルジョイント59により車輪伝動軸312に接続される。本実施例のトルク出力軸51が一方の後車輪72に連動係合し、上記第2トルク出力アセンブリ5がトルクを伝動軸6からそれに垂直であるトルク出力軸51に効果的に伝達し、それと同時に、構造が簡単で、部材が少なく、組み立てやすく、信頼性が高く、クラッチアセンブリの設置によって、伝動軸6が静止状態にある場合に後車輪72が依然として前向きに回転できることが確保され、従来の伝動機構に対するサイクリング習慣に合う。
【0043】
図13図17を参照し、発明の上記実施例によれば、前記第2歯車対は噛み合っている第3かさ歯車53及び第4かさ歯車54を含み、前記第4かさ歯車54が前記トルク出力軸51に設けられ、前記伝動軸6がクラッチアセンブリにより前記第3かさ歯車53に連動する。前記クラッチアセンブリは前記第3かさ歯車53に設けられるトルク入力軸52と、前記トルク入力軸52に設けられる第1フェースラチェット521と、前記伝動軸6に摺動可能に係着される内歯スプラインスリーブ55と、前記第1フェースラチェット521へ当接するように前記内歯スプラインスリーブ55を押動する弾性部材56とを含み、前記トルク入力軸52の一端が前記第3かさ歯車53に接続され、前記トルク入力軸52の他端に前記第1フェースラチェット521が設けられ、前記伝動軸6の外壁に外歯スプライン66が設けられ、前記内歯スプラインスリーブ55が前記外歯スプライン66に摺動可能に係着係合し、前記内歯スプラインスリーブ55の前記第1フェースラチェット521に対向する端に第2フェースラチェット551が設けられ、前記第1フェースラチェット521が前記第2フェースラチェット551に係合する。伝動軸6は正回転し、即ち伝動軸6は第2トルク伝達アセンブリを駆動して前向きに回転するように後車輪72を動かせる場合、第1フェースラチェット521と第2フェースラチェット551とが噛み合っている状態にあり、且つ第2フェースラチェット551がそれに伴って回転するように動かすことができ、伝動軸6が逆転する場合、第1フェースラチェット521は第2フェースラチェット551と噛み合うことができず、従って第2フェースラチェット551がそれに従って回転するように動かすこともできず、それと同時に、前向きに回転している後車輪72は第2フェースラチェット551が回転するように動かす場合、第2フェースラチェットは第1フェースラチェット521と噛み合うことができず、従って第1フェースラチェット521が回転するように動かすこともできない。上記クラッチアセンブリは構造が簡単且つコンパクトで、設計が巧みで、部品が少ない。前記弾性部材56は伝動軸6に嵌着されるばねである。弾性部材56はばねを用い、組み立てやすく、コストが低く、信頼性が高い。前記トルク入力軸52の前記伝動軸6に対向する端に位置決め挿入孔522が設けられ、前記伝動軸6の端部が前記位置決め挿入孔522に挿入される。該構造により伝動軸6、クラッチ及びトルク入力軸52の連動の信頼性が確保される。前記第3かさ歯車53、トルク入力軸52及び第1フェースラチェット521が一体成形構造である。部材の加工及び組立を容易にするとともに、部品の精度が確保される。
【0044】
図1及び図2を参照し、発明の上記実施例によれば、前記フロントシャーシ1又はリアシャーシ2に設けられる蓄電池8と、前記前車輪71に設けられるパワーアシストモータ(図示せず)と、前記第1トルク出力アセンブリ4内に設けられるトルクセンサ9とを更に備え、前記トルクセンサ9が前記パワーアシストモータに電気的に接続され、前記蓄電池8が前記トルクセンサ9及び前記パワーアシストモータに接続される。本実施例の蓄電池8が前記フロントシャーシ1に設けられ、上記構造を電動アシスト三輪車に応用すれば、電動アシスト三輪車の信頼性を大幅に向上させ、サイクリング体験が大幅に向上する。
【0045】
発明の上記実施例によれば、前記トルクセンサ9にトルク作動孔が設けられ、前記中軸41が前記トルク作動孔に穿設され、中軸41が回転して前記トルクセンサを作動させる。このような構造のトルクセンサは、直接に回転軸により作動でき、即ち電動アシスト三輪車と極度に適合し、第1トルク出力アセンブリ4の全体構造を簡素化することに寄与する。
【0046】
<実施例2>
本実施例は上記実施例1の構造とほぼ同じであり、第1トルク出力アセンブリの構造のみが異なり、前記第1トルク出力アセンブリ4はフロントシャーシ1に回転可能に設けられる中軸41と、前記中軸41の両端に設けられるクランク44とを含み、前記中軸41が第1歯車対により前記伝動軸6に連動する。該第1トルク出力アセンブリ4は構造が簡単で、部材が少なく、組み立てやすい。
【0047】
本発明の実施例を表示及び説明したが、当業者であれば理解されるように、本発明の原理及び主旨を逸脱せずに、これらの実施例を変更することができ、本発明の範囲は添付の請求項及びその均等物により限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】