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特表2024-539363タガント識別を有するエアロゾル発生システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】タガント識別を有するエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20241018BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241018BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525863
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 EP2022081352
(87)【国際公開番号】W WO2023083904
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/129558
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ベッサン ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ビラ ステファーヌ
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン ファブリス
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC34
4B162AD20
4B162AD40
(57)【要約】
エアロゾル発生システムを制御する方法が提供される。システムは、光放射を放射するために、光によって励起可能であるタガントを備えるエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生物品に係合し、それから係合解除するように構成されたエアロゾル発生装置と、を備える。装置は、装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するための光源と、装置に係合したエアロゾル発生物品によって放射された光を受信するための光レシーバと、を備える。方法は、光放射を放射するために、タガントを励起するように、光源が、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射すること、光源が、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、光レシーバが、光放射を受信すること、および物品の特性を決定するために、光レシーバによって受信された光放射を分析すること、を含む。エアロゾル発生装置およびコントローラも提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムを制御する方法であって、前記システムが、
識別可能な分光学的特徴を有するタガントを備えるエアロゾル発生物品であって、前記タガントが、光放射を放射するために光によって励起可能である、エアロゾル発生物品と、
前記エアロゾル発生物品に係合し、それから係合解除するように構成されたエアロゾル発生装置であって、
前記装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するための光源と、
前記装置に係合したエアロゾル発生物品によって放射された光を受信するための光レシーバと、を備える、エアロゾル発生装置と、を備え、
前記方法が、
前記光放射を放射するために、前記タガントを励起するように、前記光源が、前記エアロゾル発生装置に係合した前記エアロゾル発生物品を照射すること、
前記光源が、前記エアロゾル発生装置に係合した前記エアロゾル発生物品を照射することを終了すること、
前記光源が、前記エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、前記光レシーバが、前記光放射を受信すること、および
前記エアロゾル発生物品の特性を決定するために、前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析すること、を含む、方法。
【請求項2】
前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析することは、経時的な前記光放射の強度を分析することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析することは、経時的な前記光放射の強度の時間導関数を分析することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析することは、経時的な前記光放射の強度の少なくとも二つの異なる時間導関数を分析することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析することは、経時的な前記光放射の強度および経時的な前記光放射の強度の少なくとも一つの時間導関数の両方を分析することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析することは、前記光レシーバによって受信された前記光放射を、経時的な前記光放射の強度を示す電気信号に変換することを含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析することは、複数の時点の各々における前記光放射の強度を示す値を決定することを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析することは、前記複数の時点の各々における前記光放射の前記強度を示す前記値の組み合わせを、保存データと比較することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析することは、複数の時点の各々における前記光放射の強度の時間導関数を示す値を決定すること、および前記複数の時点の各々における前記光放射の強度の前記時間導関数を示す前記値の組み合わせを、保存データと比較すること、を含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析することは、前記光源が、前記エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、所定の長さの時間で生じる少なくとも一つの特性時点における前記光放射の強度、または強度の時間導関数を示す値を決定することを含む、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析することは、
ある時点またはn個の時点の各々における前記光放射の一つ以上の特性を決定または推定すること、
および、
前記一つ以上の特性のうちのある特性を、対応する閾値と比較すること、および
前記一つ以上の特性のうちのある特性が、対応する範囲内に含まれるかどうかを判定すること、のうちの一方または両方を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析することは、
n個の時点の各々における前記光放射の一つ以上の特性を決定または推定すること、
および、
前記一つ以上の特性のうちの少なくとも二つの特性の関数を、対応する閾値と比較すること、
前記一つ以上の特性のうちの少なくとも二つの特性の第一の関数を、前記一つ以上の特性のうちの少なくとも二つの特性の第二の関数と比較すること、および
前記一つ以上の特性のうちの少なくとも二つの特性の関数が、対応する範囲内に含まれるかどうかを判定すること、のうちの一つ以上を含む、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析することは、
ある時点またはn個の時点の各々における前記光放射の一つ以上の特性を決定または推定すること、および
前記一つ以上の特性のうちのある特性が、第一のレベルから第二のレベルまで増加または減少するのにかかる時間を決定または推定すること、を含む、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記光レシーバによって受信された光放射を分析することは、
前記光放射に基づいて、データを収集および記録することのうちの一方または両方、および
このデータを、所定の基準データと比較すること、を含む、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
識別可能な分光学的特徴を有するタガントを備えるエアロゾル発生物品に係合し、それから係合解除するように構成されたエアロゾル発生装置であって、前記タガントが、光放射を放射するために、光によって励起可能であり、前記エアロゾル発生装置が、
前記装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するための光源と、
前記装置に係合したエアロゾル発生物品によって放射された光を受信するための光レシーバと、
コントローラと、を備え、
前記コントローラが、
前記光レシーバによって受信される前記光放射を放射するために、前記タガントを励起するように、前記エアロゾル発生装置に係合した前記エアロゾル発生物品を照射するために、前記光源を起動する、
前記エアロゾル発生装置に係合した前記エアロゾル発生物品を照射することを終了するために、前記光源を停止する、および
前記エアロゾル発生物品の特性を決定するために、前記光源が、前記エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析する、ように構成される、エアロゾル発生装置。
【請求項16】
エアロゾル発生装置のためのコントローラであって、前記エアロゾル発生装置が、識別可能な分光学的特徴を有するタガントを備えるエアロゾル発生物品に係合し、それから係合解除するように構成され、前記タガントが、光放射を放射するために、光によって励起可能であり、前記エアロゾル発生装置が、
前記装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するための光源と、
前記装置に係合したエアロゾル発生物品によって放射された光を受信するための光レシーバと、を備え、
前記コントローラが、
前記光放射を放射するために、前記タガントを励起するように、前記エアロゾル発生装置に係合した前記エアロゾル発生物品を照射するために、前記光源を起動する、
前記エアロゾル発生装置に係合した前記エアロゾル発生物品を照射することを終了するために、前記光源を停止する、および
前記エアロゾル発生物品の特性を決定するために、前記光源が、前記エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、前記光レシーバによって受信された前記光放射を分析する、ように構成される、コントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生システムを制御する方法に関する。本開示はまた、エアロゾル発生装置に関する。本開示はまた、エアロゾル発生装置のためのコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムは、典型的には、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を備える。エアロゾル発生物品は、使用時に、エアロゾル発生装置に係合し、エアロゾル発生システムのヒーター、例えば、装置のヒーターは、エアロゾルを発生させるように、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成体を有するエアロゾル形成基体を加熱する。その発生されたエアロゾルは、その後、気流経路を介して、装置または物品のマウスピースまたは空気出口に運ばれ得る。エアロゾルは、ユーザーによる吸入のためのものであり得る。
【0003】
一部のエアロゾル発生装置は、多くの異なるエアロゾル発生物品で使用可能であり得るが、特定のエアロゾル発生物品で使用される場合、より良好またはより安全なユーザー体験を提供し得る。例えば、一部のエアロゾル発生装置は、ユーザーにとって最適な体験を提供するために、特定のエアロゾル発生物品を特定の方法で、または特定の長さの時間、または特定の温度範囲まで加熱するように構成され得る。したがって、ユーザーが、一部のエアロゾル発生装置により、一部のエアロゾル発生物品を使用可能なことを防止または妨げることは、有益であろう。
【発明の概要】
【0004】
本開示によると、エアロゾル発生システムを制御する方法が提供される。システムは、エアロゾル発生物品を備え得る。物品は、タガントを備え得る。タガントは、識別可能な分光学的特徴を有し得る。タガントは、光放射を放射するために、光によって励起可能であり得る。システムは、エアロゾル発生装置を備え得る。装置は、エアロゾル発生物品に係合し、それから係合解除するように構成され得る。装置は、例えば、装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するための光源を備え得る。装置は、例えば、装置に係合したエアロゾル発生物品によって放射された光を受信するための光レシーバを備え得る。方法は、例えば、光放射を放射するために、タガントを励起するように、光源が、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射することを含み得る。方法は、光源が、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射することを終了することを含み得る。方法は、任意選択で、光源が、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、光レシーバが、光放射を受信することを含み得る。方法は、例えば、タガントの分光学的特徴を識別し、任意選択で、エアロゾル発生物品の特性を決定するために、光レシーバによって受信された光放射を分析することを含み得る。
【0005】
本発明の第一の態様によれば、エアロゾル発生システムを制御する方法が提供される。システムは、識別可能な分光学的特徴を有し、光放射を放射するために、光によって励起可能である、タガントを備えるエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生物品に係合し、それから係合解除するように構成されたエアロゾル発生装置と、を備え、装置は、装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するための光源と、装置に係合したエアロゾル発生物品によって放射された光を受信するための光レシーバと、を備える。方法は、光放射を放射するために、タガントを励起するように、光源が、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射すること、光源が、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射することを終了すること、光源が、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、光レシーバが、光放射を受信すること、および、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定するために、光レシーバによって受信された光放射を分析すること、を含み得る。
【0006】
有利なことに、光レシーバによって受信された光放射を分析する前に、光源が、物品を照射することを終了することによって、分析は、タガントの減衰率とも時には称される時間応答のみに焦点を当て得る。これにより、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定するために、正確で信頼できる方法が提供され得る。
【0007】
有利なことに、方法は、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定するために、励起されたタガントの時間応答を利用し得る。具体的には、方法は、励起されたタガントからの光放射の強度、または強度の時間導関数が経時的にどのように変化するかなどの、時間応答の様々な特性を決定し得、その後、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定するために、これらの特性を、例えば、予想特性または基準特性を含む保存データなどの保存データと比較し得る。これについては、以下でさらに詳細に説明する。
【0008】
方法は、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定することを含み得る。決定され得る物品の一つの特性は、物品が装置で使用するために構成、設計、または何らかの方法で、最適化されるかどうかである。装置で使用するために構成、設計、または何らかの方法で、最適化される物品は、最適化された物品と称され得る。装置で使用するために構成、設計、または何らかの方法で、最適化されていない物品は、最適化されていない物品と称され得る。したがって、物品の特性を決定することは、物品が最適化された物品であるかどうかを判定することを含み得る。
【0009】
決定され得る物品の他の特性は、エアロゾル発生物品の種類、エアロゾル形成基体の種類、製造日、製造場所、バッチ番号、その他の製造の詳細、および消費期限を含む。
【0010】
方法は、タガントの分光学的特徴およびエアロゾル発生物品の一つ以上の決定された特性のうちの一方または両方に応じて、エアロゾル発生装置の機能を有効化または無効化すること、例えば、システムのヒーターの加熱を有効化または無効化することを含み得る。したがって、有利なことに、方法は、ユーザーが装置で最適化されていない物品を使用する可能性を低減し得る。これにより、ユーザーにとって最適化された体験を確保するのに役立ち得る。
【0011】
方法は、タガントの識別された分光学的特徴およびエアロゾル発生物品の一つ以上の決定された特性のうちの一方または両方に応じて、システムの機能を調整すること、例えば、加熱段階中に、システムのヒーターの加熱プロファイルを調整することを含み得る。したがって、有利なことに、方法により、システムがユーザーの体験を最適化可能にし得る。
【0012】
物品は、エアロゾル形成基体を備え得る。エアロゾル形成基体は、固形のエアロゾル形成基体であってもよい。エアロゾル形成基体は、ゲルであってもよい。エアロゾル形成基体は、液体であってもよい。
【0013】
本明細書で使用する用語「エアロゾル形成基体」は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指し得る。揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱または燃焼することによって、放出され得る。
【0014】
エアロゾル形成基体は、医薬的に活性な薬剤を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、医薬的に活性な薬剤の組み合わせを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、ニコチンを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料を含んでもよい。たばこ含有材料は、揮発性たばこ風味化合物を含有してもよい。これらの化合物は、加熱に伴い、エアロゾル形成基体から放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および、風味剤などの成分を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味の一つ以上を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体を含んでもよい。好適なエアロゾル形成体の例は、グリセリン、グリセロール、およびプロピレングリコールである。
【0015】
エアロゾル発生物品は、中空の管状要素を備えてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル冷却要素を備えてもよい。エアロゾル発生物品は、マウスピースを備えてもよい。エアロゾル発生物品は、外側ラッパー、例えば、紙ラッパーを備え得る。
【0016】
エアロゾル発生物品は、同軸に整列して順番どおりに配置され、外側ラッパーによって囲まれた、エアロゾル形成基体、中空の管状要素、エアロゾル冷却要素およびマウスピースを備え得る。
【0017】
装置は、ハウジングを備えてもよい。エアロゾル発生装置は、空洞を備えてもよい。ハウジングは、空洞を画定してもよい。ハウジングは、使用時に保持されるように構成され得る。空洞は、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受容するためであり得る。物品を装置に係合することは、物品の少なくとも一部分を装置の空洞内に受容することであり得、または受容することを含み得る。
【0018】
装置は、空気吸込み口を備えてもよい。例えば、ハウジングは、空気吸込み口を画定してもよい。気流経路は、空気吸込み口から装置の空洞まで形成され得る。気流経路は、空気吸込み口から装置の空洞まで、さらに空気出口まで形成され得る。
【0019】
装置は、例えば、電力を装置の電気構成要素に供給するための電源を備えてもよい。装置は、コントローラを備え得る。コントローラは、電源に結合され得る。コントローラは、電源から装置の電気構成要素までの電力供給を制御し得る。
【0020】
システムは、ヒーターを備えてもよい。ヒーターは、発熱体を備えてもよい。ヒーターは、発熱体を加熱するための手段を備えてもよい。
【0021】
装置は、ヒーターを備え得る。装置は、ピン、ブレード、またはロッドの形態の発熱体を含み得る。発熱体は、電源に電気的に接続され得る。装置の発熱体は、例えば、空洞を画定するチャンバの基部から、空洞内で長軸方向に延びてもよい。発熱体は、使用時のエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を貫通するように構成され得る。発熱体は、物品が空洞内に受容される場合、物品のエアロゾル形成基体を貫通するように構成され得る。発熱体は、エアロゾル発生物品を加熱するために、抵抗発熱体であり得る。発熱体は、サセプタを加熱するために、およびエアロゾル発生物品を加熱するために、磁場を発生するための装置内のコイルと磁気的に結合されるように設計された誘導発熱体またはサセプタであり得る。
【0022】
物品は、空気出口を備え得る。例えば、物品のマウスピースは、空気出口を備え得る。
【0023】
物品が装置に係合する場合、空気吸込み口と空気出口の間に気流経路が画定され得る。ユーザーは、使用時に、装置の空洞内に受容された物品を吸入し得、この吸入により、空気が装置の空気吸込み口を通して、その後、装置の空洞の中に、その後、装置に係合された物品を通って流れ、その後、物品のマウスピースの空気出口を通って、その後、ユーザーの口内に流れ得る。
【0024】
物品は、使用時に、装置に係合し得、例えば、装置の空洞内に受容され得る。物品が空洞内に受容される際に、例えば、空洞の基部から長軸方向に延びる加熱ブレードの形態の発熱体は、物品のエアロゾル形成基体を貫通し得る。その後、ユーザーは、光放射を放射するために、タガントを励起するように、ボタンを押し得、装置の光源に物品を一時的に照射させる。この照射が終了した後、光レシーバは、その後、光放射を受信し得る。その後、光レシーバによって受信された光放射は、エアロゾル発生物品の特性を決定するために、分析され得る。この分析により、例えば、物品が装置での使用に適していると判定され得る。これに応答して、装置は、装置の機能を有効化または無効化し得る。例えば、装置は、したがって、発熱体の動作を可能にし得る。ユーザーは、その後、物品のマウスピースで吸入し得る。これにより、空気が装置の空気吸込み口を通って流れ得る。この気流は、装置の吸煙検出機構によって検出され得る。これにより、発熱体が動作し得る。あるいは、発熱体は、例えば、ボタンを使用して、ユーザーによって手動で起動され得る。その後、発熱体は、加熱し得る。これにより、物品のエアロゾル形成基体が加熱され得、その結果、揮発性化合物は、エアロゾル形成基体により放出される。ユーザーの吸入により、空気吸込み口を通る気流が、その後、エアロゾル形成基体を通って流れ得る。エアロゾル形成基体により放出された揮発性化合物は、気流中に同伴され得る。その後、空気および同伴された化合物は、中空の管状要素およびエアロゾル冷却要素を通って流れ得る。この時間の間、揮発性化合物は、冷却および凝縮し得、エアロゾルを形成する。その後、エアロゾルは、物品のマウスピースを通って、ユーザーの口内に流れ得る。
【0025】
当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、上記の段落は、特定のシステムの使用を説明するが、他のシステムも、本発明を実施し得る。
【0026】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度を分析することを含み得る。有利なことに、経時的な光放射の強度を分析することは、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定するために、正確で信頼できる方法を提供し得る。
【0027】
本明細書で使用する用語「強度」は、電力を指し得、または電力を示し得る。強度は、ワットで測定され得る。
【0028】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度の少なくとも一つの時間導関数を分析することを含み得る。有利なことに、経時的な光放射の強度の時間導関数を分析することは、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定するために、正確で信頼できる方法を提供し得る。
【0029】
本明細書で使用する用語「強度の時間導関数(time derivative of intensity)」は、時間に関する強度の任意の導関数を指し得る。用語「強度の時間導関数(intensity time derivative)」は、同一対象を意味するために使用され得る。本明細書で使用する用語「強度の時間のn次導関数(time nth derivative of intensity)」または「強度時間のn次導関数(intensity time nth derivative)」は、時間に関する強度のn次導関数を指し得る。例えば、用語「強度の時間の一次導関数」および「強度時間の一次導関数」は、時間に関する強度の一次導関数を指し得、これは、時間に関する強度の変化率であり得る。用語「強度の時間の二次導関数」および「強度時間の二次導関数」は、時間に関する強度の二次導関数を指し得、これは、時間に関する強度の変化率であり得る。用語「強度の時間の三次以上の導関数」および「強度時間の三次以上の導関数」は、時間に関する強度の三次以上の高次の導関数であり得る。
【0030】
任意の所与の時間tにおける光放射の強度Vは、数学的に以下のように記述され得る。
強度=V(t)
【0031】
したがって、任意の所与の時間における強度の時間の一次導関数は、数学的に以下のように記述され得る。
【数1】
【0032】
また、任意の所与の時間における強度の二次導関数は、数学的に以下のように記述され得る。
【数2】
【0033】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度の時間の一次導関数を分析すること、または計算および分析することを含み得る。方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度の時間の二次導関数を分析すること、または計算および分析することを含み得る。方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度の時間の三次以上の導関数を分析すること、または計算および分析することを含み得る。
【0034】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度の複数の時間導関数を分析することを含み得る。例えば、方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度の時間の一次導関数および経時的な光放射の強度の時間の二次導関数の両方を分析することを含み得る。第二の例として、方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度の時間の一次導関数および経時的な光放射の強度の時間の三次以上の導関数の両方を分析することを含み得る。第三の例として、方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度の時間の二次導関数および経時的な光放射の強度の時間の三次以上の導関数の両方を分析することを含み得る。
【0035】
有利なことに、経時的な光放射の強度の複数の時間導関数を分析することは、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定する精度および信頼性を改善し得る。
【0036】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度および経時的な光放射の強度の少なくとも一つの時間導関数の両方を分析することを含み得る。例えば、方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度および経時的な光放射の強度の時間の一次導関数の両方を分析することを含み得る。第二の例として、方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度および経時的な光放射の強度の時間の二次導関数の両方を分析することを含み得る。第三の例として、方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度および経時的な光放射の強度の時間の三次以上の導関数の両方を分析することを含み得る。
【0037】
有利なことに、経時的な光放射の強度および経時的な光放射の強度の少なくとも一つの時間導関数の両方を分析することは、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定する精度および信頼性を改善し得る。
【0038】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度および経時的な光放射の強度の複数の時間導関数を分析することを含み得る。例えば、方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度、経時的な光放射の強度の時間の一次導関数、および経時的な光放射の強度の時間の二次導関数を分析することを含み得る。第二の例として、方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度、経時的な光放射の強度の時間の一次導関数、および経時的な光放射の強度の時間の三次以上の導関数を分析することを含み得る。第三の例として、方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度、経時的な光放射の強度の時間の二次導関数、および経時的な光放射の強度の時間の三次以上の導関数を分析することを含み得る。第四の例として、方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、経時的な光放射の強度、経時的な光放射の強度の時間の一次導関数、経時的な光放射の強度の時間の二次導関数、および経時的な光放射の強度の時間の三次以上の導関数を分析することを含み得る。
【0039】
有利なことに、経時的な光放射の強度および経時的な光放射の強度の複数の時間導関数を分析することは、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定する精度および信頼性を改善し得る。
【0040】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、光レシーバによって受信された光放射を、経時的な光放射の強度を示す電気信号、例えば、電圧または電流信号に変換することを含み得る。任意の所与の時間における電気信号の値は、その時間における光放射の強度に比例し得る。これは、光レシーバによって達成され得る。例えば、フォトダイオードであり得る光レシーバは、光レシーバによって受信された光放射を、例えば、経時的な光放射の強度を示す、例えば、それに比例する電圧または電流信号などの電気信号に変換し得る。有利なことに、これにより、光放射の分析が簡略化され得る。
【0041】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、光レシーバによって受信された光放射、または経時的な光放射の強度を示す電気信号を、経時的な光放射の強度を示すデジタル信号に変換することを含み得る。任意の所与の時間におけるデジタル信号の値は、その時間における光放射の強度に比例し得る。有利なことに、これにより、光放射の分析が簡略化され得る。
【0042】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、光レシーバによって受信された光放射の大きさを正規化することを含み得る。光レシーバによって受信された光放射を分析することは、経時的な光放射の強度を示す電気信号の大きさを正規化することを含み得る。光レシーバによって受信された光放射を分析することは、経時的な光放射の強度を示すデジタル信号の大きさを正規化することを含み得る。
【0043】
放射または信号の大きさを正規化することは、最大の大きさを設定することを含み得る。放射または信号の大きさを正規化することは、所定の大きさよりも大きい放射または信号の任意の大きさを、最大の大きさに設定することを含み得る。放射または信号の大きさを正規化することは、放射または信号の初期の大きさを、所定の大きさに設定することを含み得る。
【0044】
有利なことに、放射または信号の大きさを正規化することは、物品からの光放射の相対強度に関係なく、分析精度を維持可能にし得る。これは、例えば、光源が充電を失い始め、物品をより少量分照射し、後続の光放射をより低強度にする場合に、重要であり得る。
【0045】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値を決定すること、および任意選択で、これらの値の各々を記録すること、を含み得る。これは、例えば、電気信号の電圧または電流値などの値を記録することを含み得、値が、複数の時点の各々における光放射の強度を示す。
【0046】
時点は、数学的にtnとして記述され得る。第一の時点は、数学的に、tinitialまたはt0として記述され得る。最終時点は、tfinalとして記述され得る。任意の時点における光放射の強度を示す値は、V(tn)として記述され得る。任意の時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す値は、V’(tn)として記述され得る。任意の時点における光放射の強度の時間の二次導関数を示す値は、V’’(tn)として記述され得る。
【0047】
任意の時点における光放射の強度の時間導関数を示す値は、光放射の強度を示す記録された値に基づいて、計算または推定され得る。例えば、任意の時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す値は、以下の式を使用して、計算または推定され得る。
【数3】
【0048】
また、任意の時点における光放射の強度の時間の二次導関数を示す値は、以下の式を使用して、計算または推定され得る。
【数4】
【0049】
当技術分野で理解され得るように、これらは単なる例であり、値は、他の多くの方法で計算または推定され得る。
【0050】
複数の時点は、少なくとも10、20、50、100、200、500、または1,000時点を含み得る。有利なことに、時点がより多くなれば、タガントの分光学的特徴を識別する精度および信頼性が増加し得る。
【0051】
時点は、定期的な時間間隔で発生し得る。時点は、時間間隔、例えば、少なくとも1、2、5、10、20、または50マイクロ秒の規則的な時間間隔で発生し得る。時点は、時間間隔、例えば、100、50、20、10、5、または2マイクロ秒以下の規則的な時間間隔で発生し得る。時点は、時間間隔、例えば、1~100マイクロ秒の規則的な時間間隔で発生し得る。有利なことに、このような時間間隔は、不必要に多数の値の決定を必要とすることなく、光放射の時間応答を適切に捕捉し得る。
【0052】
複数の時点が生じる期間は、2,000、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.9、または0.5ミリ秒以下であり得る。有利なことに、このような期間により、不必要に多数の値の決定を必要とすることなく、システムが光放射の時間応答を適切に捕捉可能にし得る。
【0053】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の組み合わせを計算または別の方法で提供することを含み得る。複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の組み合わせは、強度の組み合わせと称され得る。光レシーバによって受信された光放射を分析することは、例えば、強度の組み合わせに基づいて、強度のスコアを計算または別の方法で提供することを含み得る。強度のスコアは、以下でより詳細に説明するように、強度の組み合わせを、保存データと比較することによって、取得され得る。有利なことに、このような強度のスコアを使用することで、タガントの分光学的特徴の正確で信頼できる表示が提供され得る。
【0054】
本明細書に記載される他の組み合わせと同様に、強度の組み合わせは、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の加算、乗算、積分、または他の関数に基づき得る。
【0055】
例えば、強度の組み合わせは、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の各々を加算することによって、計算され得る。これは、数学的に以下のように記述され得る。
【数5】
式中、V(tn)は、任意の所与の時点tnにおける光放射の強度の値であり、tinitialは、V(tn)値が加算される複数の時点のうちの最初の時点であり、tfinalは、V(tn)値が加算される複数の時点のうちの最終時点である。
【0056】
強度の組み合わせは、本明細書に記載される他の組み合わせと同様に、積分または積分の推定値に基づき得る。例えば、強度の組み合わせは、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値を時間に対してプロットすることによって形成される関数の積分の推定値に基づき得る。この文脈では、用語「積分」は、その通常の数学的意味を持ち得る。したがって、二つの極限間の関数の積分は、関数と、関数がプロットされるグラフのx軸との間の面積に等しい数を指し得る。このような積分を推定する方法は、複数存在する。一つの方法は、例えば、以下の式を使用して、複数のより小さい面積を加算することを含み得る。
【数6】
【0057】
複数の時点が規則的であり、したがって一定の時間間隔t初期を有する場合、上記の式は、簡略化され、以下のように記述され得る。
【数7】
【0058】
上記の式では、乗算の表示にピリオドを使用する。
【0059】
当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、強度時間導関数の組み合わせなどの他の組み合わせは、同様の様式で、計算または推定され得る。例えば、強度時間の一次導関数の組み合わせの推定値は、以下のように計算され得る。
【数8】
【0060】
式中、V’(tn)は、任意の所与の時点tnにおける光放射の強度の時間の一次導関数を示す値であり、tinitialは、V’(tn)値が加算される複数の時点のうちの最初の時点であり、tfinal-1は、V’(tn)値が加算される複数の時点のうちの最終時点である。
【0061】
組み合わせが、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の合計である、またはそれに基づくことは、特に有益であり得る。有利なことに、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の各々を加算することは、タガントの分光学的特徴の識別の精度および信頼性を、もしあれば、その多くを犠牲にすることなく、他の組み合わせと比較して、比較的少ない計算能力を必要とし得る。
【0062】
強度のスコアを提供することは、強度の組み合わせを、保存データと比較することを含み得る。組み合わせと保存データとの比較の結果に応じて、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。
【0063】
保存データは、一つ以上の特定のタガントの平均または予想強度の組み合わせに関連するデータを含み得る。
【0064】
保存データは、統計分散データ、例えば、一つ以上のタガントの強度の組み合わせのための統計分散データを含み得る。保存データは、一つ以上の特定のタガントの平均または予想強度の組み合わせから変化する強度の組み合わせの可能性を示すデータを含み得る。例えば、保存データは、一つ以上の特定のタガントの平均または予想強度の組み合わせの標準偏差を示すデータを含み得る。
【0065】
強度のスコアは、強度の組み合わせが一つ以上の特定のタガントの平均または予想強度の組み合わせに近いほど、大きくなり得る。強度のスコアは、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定するために使用され得る。平均または予想強度の組み合わせから遠くにある強度の組み合わせは、低強度のスコアをもたらし得、物品が最適化された物品ではない可能性が高いことを示し得る。平均または予想強度の組み合わせから遠くにある強度の組み合わせは、低強度のスコアをもたらし得、物品が最適化されていない物品である可能性が高いことを示し得る。強度の組み合わせが平均または予想強度の組み合わせから遠すぎる場合、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。強度のスコアが強度のスコア閾値よりも小さい場合、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。例えば、装置のアラーム機能は、最適化された物品ではない物品が検出されたことをユーザーに警告するために有効化され得る。例えば、装置のアラーム機能は、最適化されていない物品が検出されたことをユーザーに警告するために有効化され得る。別の例として、システムのヒーターは、無効化され得る。
【0066】
強度の組み合わせは、最小予想強度の組み合わせと比較され得る。最小予想強度の組み合わせは、保存データ、例えば、統計的分散データに基づき得る。強度の組み合わせが最小予想強度の組み合わせよりも小さい場合、これは、物品が最適化されていない物品であることを示し得る。強度の組み合わせが最小予想強度の組み合わせよりも小さい場合、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。例えば、装置のアラーム機能は、最適化されていない物品が検出されたことをユーザーに警告するために有効化され得る。別の例として、システムのヒーターは、無効化され得る。
【0067】
強度の組み合わせは、最大予想強度の組み合わせと比較され得る。最大予想強度の組み合わせは、保存データ、例えば、統計分散データに基づき得る。強度の組み合わせが最大予想強度の組み合わせよりも大きい場合、これは、物品が最適化されていない物品であることを示し得る。強度の組み合わせが最大予想強度の組み合わせよりも小さい場合、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。例えば、装置のアラーム機能は、最適化されていない物品が検出されたことをユーザーに警告するために有効化され得る。別の例として、システムのヒーターは、無効化され得る。
【0068】
保存データは、一つ以上のルックアップテーブルを含み得、またはその形態であり得る。保存データがルックアップテーブルを含む、またはその形態である場合、ルックアップテーブルは、例えば、最小予想強度の組み合わせと最大予想強度の組み合わせとの間に広がる、複数の強度の組み合わせの各々、または複数の強度の組み合わせの範囲の各々に対する強度のスコアを含み得る。その後、本ルックアップテーブルは、上述のように使用され得る。すなわち、決定された強度の組み合わせは、ルックアップテーブルと比較され得る。決定された強度の組み合わせが、最小予想強度の組み合わせよりも小さい、または最大予想強度の組み合わせよりも大きい場合、決定された強度の組み合わせは、強度のスコアを受領し得ない。物品は、その代わりに、拒否され得る。別の方法で、決定された強度の組み合わせは、ルックアップテーブルの強度のスコアに基づいて、強度のスコアが割り当てられ得る。例えば、決定された強度の組み合わせは、決定された強度の組み合わせに最も近いルックアップテーブル内の強度の組み合わせ、または決定された強度の組み合わせが含まれるルックアップテーブル内の強度の組み合わせの範囲に対する強度のスコアに基づいて、強度のスコアが割り当てられ得る。
【0069】
当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、強度の組み合わせおよび強度のスコアに関する上記の一節は、任意の組み合わせおよび関連するスコアに適用可能であり得る。例えば、上記の一節は、強度時間導関数の組み合わせおよび関連スコア、例えば、強度時間の一次導関数の組み合わせおよび関連スコア、強度時間の二次導関数の組み合わせおよび関連スコア、または強度時間の三次以上の導関数の組み合わせおよび関連スコア、部分強度の組み合わせおよびスコア、ならびに部分強度時間導関数の組み合わせおよび関連スコアのうちのいずれか一つ以上に適用可能であり得る。
【0070】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値を決定することを含み得る。
【0071】
例えば、方法、または光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、複数の時点の各々における光放射の強度の時間の一次導関数を示す値を決定することを含み得る。あるいは、または追加的に、方法、または光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、複数の時点の各々における光放射の強度の時間の二次導関数を示す値を決定することを含み得る。あるいは、または追加的に、方法、または光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、複数の時点の各々における光放射の強度の時間の三次以上の導関数を示す値を決定することを含み得る。
【0072】
複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値は、複数の時点の各々における光放射の強度を示す記録された値に基づいて、計算または別の方法で決定され得る。例えば、特定の時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す値は、〔特定の時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す値と、後続の時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す値との差〕を、〔特定の時点と後続の時点との時間差〕で割って計算され得る。言い換えれば、強度の時間の一次導関数は、対応する時間の変化にわたる強度の変化として計算され得る。当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、複数の時点の各々における光放射の強度を示す記録された値に基づいて、複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値を計算するための様々な方法がある。
【0073】
複数の時点は、少なくとも10、20、50、100、200、500、または1,000時点を含み得る。有利なことに、時点がより多くなれば、タガントの分光学的特徴を識別する精度および信頼性が増加し得る。
【0074】
時点は、定期的な時間間隔で発生し得る。時点は、時間間隔、例えば、少なくとも1、2、5、10、20、または50マイクロ秒の規則的な時間間隔で発生し得る。時点は、時間間隔、例えば、100、50、20、10、5、または2マイクロ秒以下の規則的な時間間隔で発生し得る。時点は、時間間隔、例えば、1~100マイクロ秒の規則的な時間間隔で発生し得る。有利なことに、このような時間間隔は、不必要に多数の値の決定を必要とすることなく、光放射の時間応答を適切に捕捉し得る。
【0075】
複数の時点が生じる期間は、2,000、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.9、または0.5ミリ秒以下であり得る。有利なことに、このような期間により、不必要に多数の値の決定を必要とすることなく、システムが光放射の時間応答を適切に捕捉可能にし得る。
【0076】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の組み合わせを計算または別の方法で提供することを含み得る。複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の組み合わせは、強度の時間導関数の組み合わせと称され得る。また、複数の時点の各々における光放射の強度の時間のn次導関数を示す値の組み合わせは、強度n次時間導関数の組み合わせと称され得る。
【0077】
したがって、方法は、強度時間の一次導関数の組み合わせを計算または別の方法で提供することを含み得る。あるいは、または追加的に、方法は、強度時間の二次導関数の組み合わせを計算または別の方法で提供することを含み得る。あるいは、または追加的に、方法は、強度時間の三次以上の導関数の組み合わせを計算または別の方法で提供することを含み得る。
【0078】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、例えば、強度n次時間導関数の組み合わせに基づいて、強度n次時間導関数のスコアを計算または別の方法で提供することを含み得る。例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析することは、強度の一次時間導関数のスコア、強度の二次時間導関数のスコア、および強度の三次以上の時間導関数のスコアのうちのいずれか一つ、二つ、またはそれ以上を計算または別の方法で提供することを含み得る。任意の強度時間導関数のスコアは、以下でより詳細に説明するように、それぞれの強度時間導関数の組み合わせを、保存データと比較することによって、取得され得る。
【0079】
有利なことに、このような強度時間導関数のスコアを使用することで、タガントの分光学的特徴の正確で信頼できる表示が提供され得る。
【0080】
強度時間導関数の組み合わせのいずれか、例えば、強度時間の一次導関数の組み合わせ、強度時間の二次導関数の組み合わせ、および強度時間の三次以上の導関数のうちのいずれか一つ以上は、複数の時点の各々における光放射の強度のそれぞれの時間導関数を示す値の加算、乗算、積分、または他の関数に基づき得る。
【0081】
例えば、n次強度時間導関数の組み合わせは、複数の時点の各々における光放射の強度のn次時間導関数を示す値の各々を加算することによって、計算され得る。任意の強度時間導関数の組み合わせが、複数の時点の各々における光放射の強度のそれぞれの時間導関数を示す値の合計である、またはそれに基づくことは、特に有益であり得る。有利なことに、複数の時点の各々における光放射の強度のそれぞれの時間導関数を示す値の各々を加算することは、タガントの分光学的特徴の識別の精度および信頼性を、もしあれば、その多くを犠牲にすることなく、他の組み合わせと比較して、比較的少ない計算電力を必要とし得る。
【0082】
強度時間導関数のスコア、例えば、一次強度時間導関数のスコア、二次強度時間導関数のスコア、および三次強度時間導関数のスコアのうちのいずれか一つ以上を提供することは、加算、乗算、積分、または他の関数に基づき得る強度時間導関数の組み合わせを、保存データと比較することを含み得る。強度時間導関数のスコアは、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定するために使用され得る。強度時間導関数の組み合わせと保存データとの比較の結果に応じて、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。
【0083】
保存データは、一つ以上の特定のタガントの平均または予想強度時間導関数の組み合わせに関連するデータを含み得る。
【0084】
保存データは、統計分散データ、例えば、一つ以上のタガントの強度時間導関数の組み合わせのための統計分散データを含み得る。保存データは、一つ以上の特定のタガントの平均または予想強度時間導関数の組み合わせから変化する強度時間導関数の組み合わせの可能性を示すデータを含み得る。例えば、保存データは、一つ以上の特定のタガントの平均または予想強度時間導関数の組み合わせの標準偏差を示すデータを含み得る。
【0085】
強度時間導関数のスコアは、強度時間導関数の組み合わせが、一つ以上の特定のタガントの平均または予想強度時間導関数の組み合わせに近いほど、大きくなり得る。平均または予想強度時間導関数の組み合わせから遠くにある強度時間導関数の組み合わせは、低強度の時間導関数のスコアをもたらし得、物品が最適化されていない物品である可能性を示し得、物品は、拒否され得る。強度時間導関数の組み合わせが、平均または予想強度時間導関数の組み合わせから遠すぎる場合、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。強度時間導関数のスコアが強度時間導関数のスコア閾値よりも小さい場合、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。例えば、装置のアラーム機能は、最適化されていない物品が検出されたことをユーザーに警告するために有効化され得る。別の例として、システムのヒーターは、無効化され得る。
【0086】
強度n次時間導関数の組み合わせは、最小予想強度n次時間導関数の組み合わせと比較され得る。最小予想強度n次時間導関数の組み合わせは、保存データ、例えば、統計的分散データに基づき得る。強度n次時間導関数の組み合わせが最小予想強度n次時間導関数の組み合わせよりも小さい場合、これは、物品が最適化されていない物品であることを示し得、物品は、拒否され得る。強度n次時間導関数の組み合わせが最小予想強度n次時間導関数の組み合わせよりも小さい場合、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。例えば、装置のアラーム機能は、最適化されていない物品が検出されたことをユーザーに警告するために有効化され得る。別の例として、システムのヒーターは、無効化され得る。
【0087】
強度n次時間導関数の組み合わせは、最大予想強度n次時間導関数の組み合わせと比較され得る。最大予想強度n次時間導関数の組み合わせは、保存データ、例えば、統計的分散データに基づき得る。強度n次時間導関数の組み合わせが最大予想強度n次時間導関数の組み合わせよりも大きい場合、これは、物品が最適化されていない物品であることを示し得、物品は、拒否され得る。強度時間導関数の組み合わせが最大予想強度n次時間導関数の組み合わせよりも小さい場合、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。例えば、装置のアラーム機能は、最適化されていない物品が検出されたことをユーザーに警告するために有効化され得る。別の例として、システムのヒーターは、無効化され得る。
【0088】
保存データは、一つ以上のルックアップテーブルを含み得、またはその形態であり得る。保存データがルックアップテーブルを含む、またはその形態である場合、ルックアップテーブルは、例えば、最小予想強度時間導関数の組み合わせと最大予想強度時間導関数の組み合わせとの間に広がる、複数の強度時間導関数の組み合わせの各々、または複数の強度時間導関数の組み合わせの範囲の各々に対する強度時間導関数のスコアを含み得る。その後、本ルックアップテーブルは、上述のように使用され得る。すなわち、決定された強度時間導関数の組み合わせは、ルックアップテーブルと比較され得る。決定された強度時間導関数の組み合わせが、最小予想強度時間導関数の組み合わせよりも小さい、または最大予想時間導関数強度の組み合わせよりも大きい場合、決定された強度時間導関数の組み合わせは、強度時間導関数のスコアを受領し得ない。物品は、その代わりに、拒否され得る。別の方法で、決定された強度時間導関数の組み合わせは、ルックアップテーブルの強度時間導関数のスコアに基づいて、強度時間導関数のスコアが割り当てられ得る。例えば、決定された強度時間導関数の組み合わせは、決定された強度時間導関数の組み合わせが最も近いルックアップテーブルにおける強度時間導関数の組み合わせ、または決定された強度時間導関数の組み合わせが含まれるルックアップテーブルにおける強度時間導関数の組み合わせの範囲に対する強度時間導関数のスコアに基づいて、強度時間導関数のスコアが割り当てられ得る。
【0089】
当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、上記の段落が、時間導関数(例えば、時間導関数が時間の一次導関数であるかどうか)を指定することなく、時間導関数またはn次時間導関数に一般的に関連する特徴を記述する場合、特徴は、時間の一次導関数、時間の二次導関数、および時間の三次以上の導関数のうちのいずれか一つ、二つ、またはそれ以上またはすべてに適用可能であり得る。
【0090】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、少なくとも一つの特性時点における光放射の強度を示す値を決定することを含み得る。
【0091】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、少なくとも一つの特性時点における光放射の強度の時間導関数を示す値を決定することを含み得る。
【0092】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、少なくとも一つの特性時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す値を決定することを含み得る。
【0093】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、少なくとも一つの特性時点における光放射の強度の時間の二次導関数を示す値を決定することを含み得る。
【0094】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、少なくとも一つの特性時点における光放射の強度の時間の三次以上の導関数を示す値を決定することを含み得る。
【0095】
単一のまたは各特性時点は、光源が、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、所定の時間の長さで発生し得る。
【0096】
特性時点は、特性時点における予想強度、または強度時間導関数に基づいて、選択され得る。特性時点における強度、または強度時間導関数は、同一タガントを含む異なる物品間で比較的安定であり得る。例えば、特性時点における強度または強度時間導関数は、同一タガントを同一濃度で含む物品の80%超が、光源からの光の同一照射に曝露される場合、特定の値の50、30、20、10、または5%以内の特性時点における強度または強度時間導関数を有する光放射を放射するという意味で、異なる物品間で比較的安定的であり得る。
【0097】
例えば、特定のタガントからの光放射の強度の一次時間導関数が、例えば、光源の電力またはタガントの濃度などに関係なく、タガントを含む物品を照射することを終了した後の特定の時点において、特に安定し、例えば、非常に類似することが見出される場合、物品を照射することを終了した後の特定の時間は、特性時点として選択され得る。その後、その特性時点において一次時間導関数を決定することによって、そのタガントが物品内に存在するかどうか、ひいては物品が最適化された物品であるかどうかを確実に判定可能であり得る。これは、光放射の強度の一次時間導関数以外の特性にも等しく適用可能である。
【0098】
特定の特性時点における光放射の強度、または強度の時間導関数を示す決定値は、保存データと比較され得る。
【0099】
保存データは、一つ以上のタガントに対する特定の特性時点における光放射の強度、または強度の時間導関数を示す平均または予想値に関連するデータを含み得る。保存データは、統計的分散データを含み得る。保存データは、一つ以上の特定のタガントに対する平均または予想値から変化する決定値の可能性を示すデータを含み得る。例えば、保存データは、一つ以上の特定のタガントに対する決定値の標準偏差を示すデータを含み得る。保存データは、ルックアップテーブルを含み得る。
【0100】
スコアは、例えば、決定値が平均または予想値にどの程度近いかに基づいて、決定値に割り当てられ得る。スコアは、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定するために使用され得る。
【0101】
決定値と保存データとの比較の結果に応じて、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。決定値に割り当てられたスコアに応じて、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。
【0102】
決定値は、最小予想決定値と比較され得る。最小予想決定値は、保存データ、例えば、統計分散データに基づき得る。決定値が最小予想決定値よりも小さい場合、これは、物品が最適化されていない物品であることを示し得、物品は、拒否され得る。決定値が最小予想決定値よりも小さい場合、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。例えば、装置のアラーム機能は、最適化されていない物品が検出されたことをユーザーに警告するために有効化され得る。別の例として、システムのヒーターは、無効化され得る。
【0103】
決定値は、最大予想決定値と比較され得る。最大予想決定値は、保存データ、例えば、統計分散データに基づき得る。決定値が最大予想決定値よりも大きい場合、これは、物品が最適化されていない物品であることを示し得、物品は、拒否され得る。決定値が最大予想決定値よりも大きい場合、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。例えば、装置のアラーム機能は、最適化されていない物品が検出されたことをユーザーに警告するために有効化され得る。別の例として、システムのヒーターは、無効化され得る。
【0104】
保存データは、一つ以上のルックアップテーブルを含み得、またはその形態であり得る。保存データがルックアップテーブルを含む、またはその形態である場合、ルックアップテーブルは、各特性時点における複数の決定値の各々、または、例えば、最小予想決定値と最大予想決定値との間に広がる、各特性時点における決定値の複数の範囲の各々に対するスコアを含み得る。その後、本ルックアップテーブルは、上述のように使用され得る。すなわち、決定値は、ルックアップテーブルと比較され得る。決定値が、最小予想決定値よりも小さい、または最大予想決定値よりも大きい場合、決定値は、スコアを受領し得ない。物品は、その代わりに、拒否され得る。別の方法で、決定値は、ルックアップテーブル内のスコアに基づいて、スコアが割り当てられ得る。例えば、決定値は、決定値が最も近いルックアップテーブル中の決定値、または決定値が含まれるルックアップテーブル中の決定値の範囲に対するスコアに基づいて、スコアが割り当てられ得る。方法は、一つ以上の部分強度の組み合わせを計算または別の方法で提供することを含み得る。部分強度の組み合わせは、タガントの時間応答の一部分のみに基づいて計算される、または別の方法で提供され得る。
【0105】
各部分強度の組み合わせは、他の部分強度の組み合わせとは異なる期間に基づき得る。期間は、完全に別個であり得、または重複していてもよい。
【0106】
方法は、第一の部分強度の組み合わせおよび第二の部分強度の組み合わせを計算または別の方法で提供することを含み得る。第一の部分強度の組み合わせは、複数の時点の各々、例えば、特定の時点前の複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の組み合わせに基づき得る。特定の時間は、光源が、物品を照射することを終了した後の所定の時間であり得る。第二の部分強度の組み合わせは、複数の時点の各々、例えば、特定の時点後の複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の組み合わせに基づき得る。第一の部分強度の組み合わせは、第二の部分強度の組み合わせとは異なる期間に基づき得る。第一の部分強度の組み合わせは、第二の部分強度の組み合わせよりもタガントの時間応答の早い部分に基づき得る。
【0107】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、部分強度の組み合わせの各々に対する部分強度のスコアを計算または別の方法で提供することを含み得る。
【0108】
当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、強度の組み合わせに関する上述の特徴は、複数の部分強度の組み合わせの各々、例えば、第一および第二の部分強度の組み合わせのうちの一方または両方に適用され得る。また、強度のスコアに関連して上述した特徴は、部分強度のスコアの各々、例えば、第一および第二の部分強度のスコアのうちの一方または両方に適用可能であり得る。
【0109】
したがって、強度の組み合わせと同様に、各部分強度のスコアは、保存データと比較され得、この比較は、部分強度のスコアを提供するために使用され得る。各部分強度のスコアは、強度のスコアと同一の様式で使用され得る。各部分強度の組み合わせは、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の加算、乗算、積分、または他の関数に基づき得る。単一のまたは各々の部分強度の組み合わせと保存データとの比較の結果に応じて、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。保存データは、一つ以上の特定のタガントの平均または予想部分強度の組み合わせに関連するデータを含み得る。
【0110】
有利なことに、部分強度の組み合わせの使用は、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定する精度および信頼性を改善し得る。
【0111】
方法は、複数の部分強度時間導関数の組み合わせを計算または別の方法で提供することを含み得る。部分強度時間導関数の組み合わせは、タガントの時間応答の一部分のみに基づいて計算され得、または別の方法で提供され得る。
【0112】
各部分強度時間導関数の組み合わせは、他の部分強度時間導関数の組み合わせとは異なる期間に基づき得る。期間は、完全に別個であり得、または重複していてもよい。
【0113】
方法は、一次部分強度時間導関数の組み合わせおよび二次部分強度時間導関数の組み合わせを計算または別の方法で提供することを含み得る。各部分強度時間導関数の組み合わせは、部分強度時間の一次、二次、または三次以上の導関数の組み合わせのうちの一つであり得る。部分強度時間導関数の組み合わせは、同一の時間導関数に関連し得、または関連しない場合がある。例えば、方法は、部分強度時間の一次導関数の組み合わせをゼロ、一つ以上で、部分強度時間の二次導関数の組み合わせをゼロ、一つ以上で、部分強度時間の三次以上の導関数の組み合わせをゼロ、一つ以上で計算または別の方法で提供することを含み得る。
【0114】
一次部分強度時間導関数の組み合わせは、二次部分強度時間導関数の組み合わせとは異なる期間に基づき得る。例えば、一次部分強度時間導関数の組み合わせおよび二次部分強度時間導関数の組み合わせが、同一の時間導関数、例えば、時間一次導関数、時間二次導関数、または時間三次以上の時間導関数に関連する場合、一次部分強度時間導関数の組み合わせは、二次部分強度時間導関数の組み合わせとは異なる期間に基づき得る。一次部分強度時間導関数の組み合わせは、特定の時間前の複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の組み合わせに基づき得る。二次部分強度時間導関数の組み合わせは、特定の時間後の複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の組み合わせに基づき得る。一次部分強度時間導関数の組み合わせは、二次部分強度時間導関数の組み合わせよりもタガントの時間応答の早い部分に基づき得る。
【0115】
方法、例えば、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程は、部分強度時間導関数の組み合わせの各々に対する部分強度時間導関数のスコアを計算または別の方法で提供することを含み得る。
【0116】
当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、強度時間導関数の組み合わせに関連して上述した特徴は、複数の部分強度時間導関数の組み合わせの各々、例えば、一次および二次の部分強度時間導関数の組み合わせのうちの一方または両方に適用可能であり得る。また、強度時間導関数のスコアに関連して上述した特徴は、部分強度時間導関数のスコアの各々、例えば、一次および二次の部分強度時間導関数のスコアのうちの一方または両方に適用可能であり得る。
【0117】
したがって、強度時間導関数の組み合わせと同様に、各部分強度時間導関数のスコアは、保存データと比較され得、この比較は、部分強度時間導関数のスコアを提供するために使用され得る。各部分強度時間導関数のスコアは、強度時間導関数のスコアと同一の様式で使用され得る。各部分強度時間導関数の組み合わせは、複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の加算、乗算、積分、または他の関数に基づき得る。単一のまたは各々の部分強度時間導関数と保存データとの比較の結果に応じて、エアロゾル発生装置の機能は、有効化または無効化され得る。保存データは、一つ以上の特定のタガントの平均または予想部分強度時間導関数の組み合わせに関連するデータを含み得る。
【0118】
有利なことに、部分強度時間導関数の組み合わせの使用は、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定する精度および信頼性を改善し得る。
【0119】
上述のように、方法は、一つ以上の組み合わせを計算または別の方法で提供することを含み得る。例えば、方法は、強度の組み合わせを提供することを含み得、一つ以上の強度時間導関数の組み合わせを提供することを含み得る。方法はまた、例えば、一つ以上のスコアを提供するために、一つ以上の組み合わせを、一つ以上の他の組み合わせ、または保存データと比較することを含み得る。例えば、方法は、強度のスコアを提供するために、強度の組み合わせを、保存データと比較すること、および強度n次時間導関数のスコアを提供するために、強度n次時間導関数の組み合わせを、保存データと比較することのうちの一方または両方を含み得る。方法はまた、少なくとも一つの特性時点における一つ以上の値を決定することを含み得る。値のうちの一つ以上は、少なくとも一つの特性時点における光放射の強度を示し得る。値のうちの一つ以上は、少なくとも一つの特性時点における光放射の強度の時間導関数、例えば、強度の一次の時間導関数、二次の時間導関数、および三次以上の時間導関数のうちの一つ以上を示し得る。値のうちの一つ以上は、例えば、一つ以上のスコアを提供するために、保存データと比較され得る。
【0120】
方法は、複数のスコアの各々、例えば、上記で論じたスコアのいずれかを、それぞれのスコア閾値、例えば、保存データに基づくそれぞれのスコア閾値と比較することを含み得る。方法は、組み合わせスコアを形成するために、複数のスコア、例えば、上記で論じた任意のスコアを組み合わせることを含み得る。方法は、組み合わせスコアを、組み合わせスコア閾値、例えば、保存データに基づく組み合わせスコア閾値と比較することを含み得る。方法は、複数の組み合わせスコアを形成するために、複数のスコアを組み合わせることを含み得る。方法は、組み合わせスコアを、それぞれの組み合わせスコア閾値、例えば、保存データに基づく組み合わせスコア閾値と比較することを含み得る。
【0121】
複数のスコアが提供される場合、装置の機能は、有効化または無効化され得、またはエアロゾル発生物品の一つ以上の特性は、スコアの少なくとも一つ、二つ、三つ、それ以上または各々がそれぞれのスコア閾値よりも大きい場合にのみ、決定され得る。例えば、装置の機能は、強度のスコアが強度のスコア閾値よりも大きく、強度一次時間導関数のスコアが強度一次時間導関数のスコア閾値よりも大きい場合にのみ、有効化または無効化され得る。第二の例として、装置の機能は、強度のスコアが強度のスコア閾値よりも大きく、強度二次時間導関数のスコアが強度二次時間導関数のスコア閾値よりも大きい場合にのみ、有効化または無効化され得る。第三の例として、装置の機能は、強度の一次時間導関数のスコアが強度の一次時間導関数のスコア閾値よりも大きく、強度の二次時間導関数のスコアが強度の二次時間導関数のスコア閾値よりも大きい場合にのみ、有効化または無効化され得る。第四の例として、装置の機能は、強度のスコアが強度のスコア閾値よりも大きく、強度の一次時間導関数のスコアが強度の一次時間導関数のスコア閾値よりも大きく、強度の第二の時間導関数のスコアが強度の第二の時間導関数のスコア閾値よりも大きい場合にのみ、有効化または無効化され得る。第五の例として、装置は、強度のスコア、強度時間の一次導関数のスコアおよび強度時間の二次導関数のスコアを決定し得、装置の機能は、これらの三つのスコアのうちのいずれか二つがそれぞれのスコア閾値よりも大きい場合、有効化または無効化され得る。物品の特性を決定するために、または装置の機能を有効化または無効化するために、それらのそれぞれの閾値よりも大きい必要がある任意の数のスコア、および任意の特定のスコアは、選択され得る。
【0122】
あるいは、または追加的に、複数のスコアが提供される場合、方法は、組み合わせスコアを提供するために、スコアの二つ以上または各々を組み合わせることを含み得る。組み合わせスコアは、例えば、複数のスコアが加算された合計スコアであり得る。その後、組み合わせスコアは、組み合わせスコア閾値と比較され得る。組み合わせスコアは、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定するために使用され得る。組み合わせスコアが組み合わせスコア閾値よりも大きいと判定することは、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定するために使用され得る。装置の機能は、組み合わせスコアが組み合わされた合計スコア閾値よりも大きい場合にのみ、有効化または無効化され得る。
【0123】
複数のスコアを組み合わせる前に、各スコアは、乗数が割り当てられ得る。乗数は、重み付けとして考えられ得、スコアのうちの一つが別のスコアよりも重要であるとみなされる場合に、使用され得る。各スコアは、複数の加重スコアを決定するために、そのそれぞれの乗数が乗じられ得る。その後、加重スコアは、加重組み合わせスコア、例えば、加重合計スコアを提供するために、組み合わせられ得、例えば、加算され得る。その後、加重組み合わせスコアは、加重組み合わせスコア閾値と比較され得る。加重組み合わせスコアは、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定するために使用され得る。加重組み合わせスコアが加重組み合わせスコア閾値よりも大きいと判定することは、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性を決定するために使用され得る。装置の機能は、加重組み合わせスコアが加重組み合わせスコア閾値よりも大きい場合にのみ、有効化または無効化され得る。
【0124】
したがって、要約すると、当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、方法は、以下の特徴のうちのいずれか一つ、二つ、三つ、それ以上、またはすべてを分析することを含み得る:
経時的な光放射の強度、
経時的な光放射の強度の時間の一次導関数、
経時的な光放射の強度の二次時間の導関数、
経時的な光放射の強度の時間の三次以上の導関数、および
少なくとも一つの特性時点における光放射の強度、または強度の時間導関数、例えば、強度の一次時間導関数、二次時間導関数、および三次以上の時間導関数のうちの一方または両方。
【0125】
方法は、複数の時点の各々において、直前に列挙された最初の四つの特性のいずれかを示す値を計算または別の方法で決定することを含み得る。方法は、一つ以上の組み合わせを計算または別の方法で決定することを含み得、各組み合わせが、複数の時点の各々において、上記に列挙された最初の四つの特性のうちの一つの値の組み合わせである。組み合わせは、複数の時点の各々において、上記に列挙された最初の四つの特性のうちの一つの値の合計であり得、またはそれに基づき得る。方法は、複数の時点の各々において、上記に列挙された最初の四つの特性のうちの一つの値のうちのいずれか一つ以上に対する一つ以上の部分組み合わせを計算または別の方法で決定することを含み得る。
【0126】
方法は、任意の一つ以上、または各々の決定された組み合わせ、または決定された部分組み合わせを、組み合わせまたは部分組み合わせに関連する統計的分散データを含む、保存データなどの保存データと比較することを含み得る。任意の決定された組み合わせ、または決定された部分組み合わせが、最小予想組み合わせを下回る、または最大予想組み合わせを上回る場合、物品は、最適化された物品ではないと識別され得る。任意の一つ以上のまたは各々の比較は、スコアを提供するために、使用され得る。スコアは、決定された組み合わせが、予想または平均の組み合わせ、例えば、保存データに係る予想または平均の組み合わせに近いほど、大きくなり得る。
【0127】
方法は、少なくとも一つの特性時点において、光放射の強度、または強度の時間導関数を示す一つ以上の値を計算するまたは別の方法で決定することを含み得る。
【0128】
方法は、少なくとも一つの特性時点における強度、または強度の時間導関数を示す値のうちの一つ以上を、少なくとも一つの特性時点における強度、または強度の時間導関数を示す値に関連する統計分散データを含む、保存データなどの保存データと比較することを含み得る。任意の値が、最小予想値を下回る、または最大予想値を上回る場合、物品は、拒否され得る。任意の一つ以上のまたは各々の値は、スコアを提供するために、使用され得る。
【0129】
方法は、任意の一つ以上のまたは各々のスコアを、それぞれのスコア閾値と比較することを含み得る。所定の数の、例えば、一つのスコアがそのスコア閾値より低い場合、物品は、拒否され得る。スコアは、決定値が、予想または平均値、例えば、保存データに係る予想または平均値に近いほど、大きくなり得る。
【0130】
各スコアは、それぞれのスコア閾値、例えば、保存データのスコア閾値と比較され得る。スコアがそのスコア閾値よりも小さい場合、物品は、拒否され得る。所定の数のスコアがそれぞれのスコア閾値よりも小さい場合、物品は、拒否され得る。
【0131】
方法は、組み合わせスコアを提供するために、任意の二つ以上のスコアを組み合わせることを含み得る。方法は、複数の組み合わせスコアを提供するために、スコアを組み合わせることを含み得る。例えば、方法は、第一の組み合わせスコアを提供するために、二つ以上のスコアを、第二の組み合わせスコアを提供するために、二つ以上の異なる、または重複するスコアを、組み合わせることを含み得る。スコアを組み合わせることは、例えば、合計スコアを提供するために、スコアを加算することであり得、または加算することを含み得る。
【0132】
組み合わせスコアは、それぞれの組み合わせスコア閾値、例えば、保存データの組み合わせスコア閾値と比較され得る。組み合わせスコアが組み合わせスコア閾値よりも小さい場合、物品は、拒否され得る。
【0133】
複数の組み合わせスコアがある場合で、所定の数の組み合わせスコアがそれぞれの組み合わせスコア閾値よりも小さい場合、物品は、拒否され得る。
【0134】
光源は、発光ダイオードを備え得る。光源は、赤外線の光源であってもよい。光源は、赤外線発光ダイオードを備え得る。物品を照射することは、物品を赤外線照射することを含み得る。
【0135】
光レシーバは、フォトダイオードを含み得る。
【0136】
光源が、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射する工程は、光源が、所定の時間、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射することであり得、またはそれを含み得る。
【0137】
物品は、タガントを少なくとも一つの構成要素の材料内に組み込む少なくとも一つの構成要素を備え得る。物品の構成要素の材料内に組み込まれたタガントを使用することで、有利なことに、製造後にタガントの構成要素からの取り外しが防止され得る。このようにして、物品の不正開封防止、およびエアロゾル発生装置で最適化されていない物品を使用することの困難さが、改善され得る。
【0138】
タガントは、紙(ラッパー紙など)、フィルター、チッピングペーパー、たばこ、たばこラップ、コーティング、結合剤、定着剤、接着剤、インク、発泡体、中空アセテートチューブ、ラップ、およびラッカーを含むがこれに限定されない、エアロゾル発生物品の任意の構成要素に組み込まれ得る。タガントは、例えば、タガントを、乾燥前に紙スラリーまたはのりに追加するなど材料の製造中に追加する、またはそれを構成要素に塗布するまたは噴霧するのいずれかの方法で、構成要素中に組み込まれ得る。一般に、タガントは、ほんのわずかなナノグラム単位の量で構成要素中に組み込まれる。例えば、タガントが表面上に噴霧される場合、噴霧される溶液は、タガントを1ppm~1000ppmの濃度で組み込み得る。
【0139】
タガントは、放射において識別可能な分光学的特徴を備え得る。タガントが光源によって照射される場合、光は、好ましくは、タガントを励起し、タガントは、好ましくは、照射光の波長からずれた少なくとも一つの波長の光を放射する。これは、光ルミネッセンスの一形態であり得、リン光であり得る。タガントの物理的および化学的な構造を制御することにより、分光学的特徴は、制御され得る。
【0140】
ある好ましい実施形態では、タガントにより放射された光の波長は、可視スペクトル内にはない。タガントにより放射された光の波長は、赤外線または紫外線の範囲のうちの一方または両方にあることが好ましい。
【0141】
ある好ましい実施形態で、タガントは、材料全体に分布される。タガントを材料全体に分布させることにより、エアロゾル発生装置内のエアロゾル発生物品の配向は、重要ではない場合がある。これにより、システムの使用がユーザーにとってより簡単なものとなり得る。さらに、タガントを材料全体に分布させることにより、物品の不正開封防止は、タガントを完全に取り外すことがより困難であり得るため、改善され得る。特に好ましい実施形態において、タガントは、材料全体に実質的に均一に分布される。
【0142】
異なる物品は、異なるタガント、または異なる組み合わせのタガントを含み得る。これらのタガントまたはタガントの組み合わせは、異なる識別可能な分光学的特徴を有し得る。これにより、装置が、異なる種類の物品を区別し、それに応じて、動作可能になり得る。
【0143】
タガントは、少なくとも500、1,000または1,500℃の高温で、安定することが好ましい。本明細書で使用する用語「安定」は、タガントが一貫性のある分光学的特徴を持ち、タガントが分解しないことを意味する。高温で安定性を保つタガントを提供することにより、標準的な製造プロセスは、エアロゾル発生物品を製造する場合に使用され得る。
【0144】
タガントを組み込むエアロゾル発生構成要素の材料は、タガントを、材料を作製するのに使用されるスラリーの成分として追加することで、製造され得る。その後、スラリーは、紙またはラッパー材料などの材料を製造するために、(例えば成形によって)形成され、乾燥され得る。
【0145】
タガントは、エアロゾル発生物品の通常の使用温度で、タガントが不活性化されるように構成され得る。本明細書で使用する「不活性化」は、タガントが識別可能な分光学的特徴をもはや有していないことを意味する。エアロゾルを発生させるのに必要な温度は、使用時に、タガントを不活性化させるのに必要な温度よりも高い場合がある。このように、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品がそれ以前に使用されたかどうか、またそれにしたがって動作したかどうかを判定し得る。通常動作時のエアロゾル発生物品構成要素の温度範囲は、エアロゾル発生装置の構成要素の位置および種類に応じて、約50℃~約300℃であることが好ましい。したがって、タガントは、約50℃~約500℃の温度で不活性化されることが好ましい。タガントは、約70℃~約100℃の温度で不活性化されることがより好ましい。
【0146】
タガントは、もはや識別可能な分光学的特徴有しないように、上記の高温で分解することによって、不活性化され得る。あるいは、タガントは、追加的な温度依存性の添加物によって覆われることにより、不活性化され得る。追加的な添加物は、高温で不透明になり得、変色し得、タガントの特徴を隠す。
【0147】
タガントが高温で安定している上記の説明と同様に、タガントは、化学的に安定することが好ましい。タガントは、材料または構成要素の製造時に分解しないように、十分化学的に安定することが好ましい。したがって、タガントは、液体水に晒される場合、水蒸気に晒される場合、一般に使用されるその他の溶媒に晒される場合、乾燥する時、構成要素を形成するために、材料の物理的変形の時、温度上昇に晒される時、および温度低下に晒される時に、安定することが好ましい。したがって、上述の材料製造プロセス時に、タガントは、分解せず、タガントは、識別可能な分光学的特徴を維持する。
【0148】
タガントは、粉末の形態であることが好ましい。タガントの粉末は、有利なことに、タガントが材料により容易に組み込まれ得る。タガントは、希土類、アクチニド金属酸化物、セラミックのうち少なくとも一つからなる粉末であることが好ましい。希土類は、ランタニドが好ましい。
【0149】
タガントの識別可能な分光学的特徴は、エアロゾル発生物品の種類、エアロゾル形成基体の種類、製造日、製造場所、バッチ番号およびその他の製造の詳細、ならびに消費期限と関連付けられ得る。
【0150】
当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、光レシーバによって受信された光放射を分析する工程の目的は、光放射が特定のタガントまたはタガントの種類に由来する、またはそれらに由来する可能性が高いかを判定することであり得る。これにより、タガントまたはタガントの種類が識別可能になり、したがって、エアロゾル発生物品の一つ以上の特性が識別可能になり得る。発明者らは、光放射の特定の分析が、信頼性があり得、計算が効率的であり得ることの両方を見出した。このような分析の一部の可能な工程を、以下に記載する。当業者であれば、本開示を読んだ後に、タガントを許容可能なレベルの確実性に識別することを目的とする実施形態に、このような分析を実装することは困難ではないであろう。
【0151】
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、光放射の少なくとも一つの特性を決定または推定することを含み得る。光レシーバによって受信された光放射を分析することは、n個の時点の各々における光放射の少なくとも一つの特性を決定または推定することを含み得る。すなわち、光レシーバによって受信された光放射を分析することは、第一の時間における光放射の少なくとも第一の特性、第二の時間における少なくとも第二の特性...、およびn番目の時間における少なくともn番目の特性を決定または推定することを含み得る。nが少なくとも2であることは、特に好ましい場合がある。しかしながら、nは、2、5、10、20、50、または100より大きくてもよい。n個の時点は、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後であり得る。したがって、決定または推定された特性は、好適には、エアロゾル発生物品からの光放射の減衰を特徴付け得る。
【0152】
特定の時間における光放射の特定の特性は、その時間における光放射の強度、その時間における光放射の強度の時間の一次導関数、その時間における光放射の強度の時間の二次導関数、およびその時間における光放射の強度の時間の三次以上の導関数のうちの一つ、またはそのうちの一つ以上の関数であり得る。したがって、時間T1における特性の例は、時間T1における光放射の強度であり得る。第二の例は、時間T1における光放射の強度の一次時間導関数の二乗であり得る。
【0153】
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、特性(上述のように、特定の時点において決定または推定される光放射の特性である)を、対応する閾値、例えば、所定の閾値と比較すること、および特性が、対応する範囲、例えば、所定の範囲内に含まれるかどうかを決定すること、のうちの一方または両方を含み得る。
【0154】
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、二つ以上の特性の関数を、対応する閾値、例えば、所定の閾値と比較すること、およびこれらの特性のうちの二つ以上の関数が、対応する範囲内、例えば、所定の範囲内に含まれるかどうかを決定すること、のうちの一方または両方を含み得る。光レシーバによって受信された光放射を分析することは、二つ以上の特性の第一の関数を、二つ以上の特性の第二の関数と比較することを含み得る。第一の関数に関与する二つ以上の特性は、第二の関数に関与する二つ以上の特性と重複しても重複しなくてもよい。すなわち、一つ以上の特性は、第一の関数および第二の関数の両方に関与し得る。
【0155】
二つ以上の特性の関数は、異なる時点に対応する同一の種類の少なくとも二つの特性の関数であり得る。一例として、特性の種類は、光放射の強度の時間の一次導関数であり得る。したがって、二つ以上の特性の関数は、時間T1における光放射の強度の時間の一次導関数に、時間T2における光放射の強度の時間の一次導関数を乗じたものであり得る。あるいは、二つ以上の特性の関数は、異なる種類の二つの特性の関数であり得る。この場合、二つの特性が異なる種類である場合、二つの特性は、同一の時点または異なる時点において推定または決定され得る。第一の関数と第二の関数との比較を使用し得、タガントを識別する、またはタガント識別を補助する方法の一例として、特定のタガントについて、光放射の強度が、タガントの照射を終了した直後に非常に迅速に減衰することが知られている場合がある。この場合、第一および第二の時点における光放射の強度の第一の増量を、後続の第三および第四の時点における光放射の強度の第二の増量と比較し得る。その後、第一の増量が少なくとも、例えば、第二の増量の二倍である場合、これは、光放射の強度が非常に迅速に減衰したことを示し得、したがって、タガントが特定のタガントであることを示す、または示すのに役立ち得る。
【0156】
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、光放射の特性が第一のレベルから第二のレベルまで増加または減少するのにかかる時間を決定または推定することを含み得る。例えば、光放射の特性は、第一の時間において第一のレベルXであると決定され得る。この第一の時間は、光源が、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後の所定の時間であり得る。その後、特性が第一のレベルから第二のレベルYまで増加または減少するのにかかる時間は、推定または決定され得る。
【0157】
光レシーバによって受信された光放射を分析することはまた、光放射の特性が第二のレベルから第三のレベルまで増加または減少するのにかかる時間を決定または推定することを含み得る。光レシーバによって受信された光放射を分析することはまた、光放射の特性が第三のレベルから第四のレベルまで、第四のレベルから第五のレベルまで、以下同様に増加または減少するのにかかる時間を決定または推定すること、および光放射の特性が(n-1)番目のレベルからn番目のレベルまで減少するのにかかる時間を決定または推定することを含み得る。
【0158】
一般的に、任意の所与のレベルは、一つ以上の先行するレベルの関数であり得る。例えば、第三のレベルは、第二のレベル±所定の値など、第二のレベルおよび第一のレベルのうちの一方または両方の関数であり得る。
【0159】
当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、上記のいくつかの段落に記載のかかる時間の任意の一つ以上の、または一つ以上の関数は、タガントからの光放射を好適に特徴付け得る。これにより、タガントまたはタガントの種類が識別可能になり得る。したがって、かかる時間の任意の一つ以上は、エアロゾル発生物品の特性を決定するために、単独で、または他の要因と組み合わせて使用され得る。例えば、光放射を分析することは、上記の二つの段落で論じたかかる時間のうちのいずれか一つ以上が、一つ以上の対応する範囲内、例えば、所定の対応する範囲内に含まれるかどうかを判定することを含み得る。かかる特定の時間が対応する範囲内に含まれる場合、または単に例示的な例として、かかる7つの特定の時間のうち6つがそれらの対応する範囲内に含まれる場合、これにより、タガントを好適な程度の確実性まで識別可能になり得る。
【0160】
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、光放射に基づいて、データを収集および記録することのうちの一方または両方を含み得る。光レシーバによって受信された光放射を分析することは、このデータを所定の基準データと比較することを含み得る。基準データは、エアロゾル発生装置のメモリなどのメモリに保存され得る。
【0161】
データは、上記で論じたように、n個の時点の各々において決定または推定された光放射の一つ以上の特性であり得、それらを含み得、またはそれらに基づき得る。基準データは、n個の時点の各々における光放射の一つ以上の対応する予想特性であり得、それらを含み得、またはそれらに基づき得る。
【0162】
予想特性は、例えば、実験室の条件で、特定のタガントの光放射から取得されることが予想される特性を指し得る。予想特性は、例えば、実験室の条件で、特定のタガントからの光放射から元々取得され得たものである。基準データは、異なるタガントに関連する複数の組の基準データを含み得る。したがって、光レシーバによって受信された光放射を分析することは、データを複数の組の基準データの各々と比較することを含み得、任意選択で、複数の組の基準データの各々は、異なるタガントに関する。これにより、存在する場合、複数のタガントのうちのどれがエアロゾル発生物品内に存在するかの識別が可能になり得る。
【0163】
対応する特性は、同一の種類の特性を指し得る。したがって、一例として、決定または推定された光放射の特定の特性が、光放射の強度である場合、対応する予想特性は、光放射の予想強度であり得る。そのため、データの少なくとも一部分は、n個の時間の各々において決定または推定された光放射の強度に基づき得、このデータは、n個の時間の各々における光放射の予想強度に基づいて、基準データと比較され得る。あるいは、または追加的に、n個の時点における光放射の強度の任意の一つ以上の時間導関数は、n個の時点における光放射の強度の任意の一つ以上の対応する予想時間導関数と比較され得る。
【0164】
特定の時点において決定または推定された特性は、対応する時点における対応する予想特性と比較され得る。当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、基準データのどの時点がデータの時点に対応するかを判定する複数の方法がある。例示的な例として、エアロゾル発生物品の照射が終了する時間は、データおよび基準データに対して整列され得る。あるいは、または追加的に、データおよび基準データの両方に対する第一の時点は、整列され得る。その後、基準データの対応する時間は、エアロゾル発生物品の照射の終了後、または第一の時点後、同一または最も類似した時間であり得る。
【0165】
比較は、複数の時点に対して繰り返され得る。したがって、n個の時点の各々において決定または推定された特性は、n個の対応する時点の各々における対応する予想特性と比較され得る。
【0166】
比較は、複数の特性に対して実施され得る。したがって、ある時点において決定または推定された複数の特性は、対応する時点における複数の対応する予想特性と比較され得る。またはn個の時点の各々において決定または推定された複数の特性は、n個の対応する時点の各々における複数の対応する予想特性と比較され得る。
【0167】
データの決定または推定された特性と、基準データの対応する予想特性との比較は、決定または推定された特性が、対応する予想特性を含む範囲内に含まれるかどうかを判定すること、例えば、推定または決定された特性が、対応する予想特性の+/-10%以内に含まれるかどうかを判定することを含み得る。このような比較は、n個の時点のうちの複数またはすべてに対して繰り返され得る。所定の割合の推定または決定された特性が、それらの対応する予想範囲内に含まれる場合、これにより、タガントの識別が、合理的な程度の確実性まで可能になり、したがって、エアロゾル発生物品の特性が決定可能になり得る。
【0168】
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、n個の時点における決定または推定された特性と、n個の対応する時点における対応する予想特性との差を決定または推定することを含み得る。これらの差、またはこれらの差の大きさなどのこれらの差の関数は、閾値と比較され得る。これにより、タガントが識別可能になり得る。例えば、n個の時点における決定または推定された特性と、n個の対応する時点における対応する予想特性との差の大きさの合計が閾値未満である場合、これは、タガントが、基準データが妥当な程度の確実性に関連する特定のタガントであることを示し得る。
【0169】
本開示によると、エアロゾル発生装置が提供される。装置は、エアロゾル発生物品に係合し、それから係合解除するように構成され得る。物品は、タガントを備え得る。タガントは、識別可能な分光学的特徴を有し得る。タガントは、例えば、光放射を放射するために、光によって励起可能であり得る。装置は、装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するための光源を備え得る。装置は、装置に係合したエアロゾル発生物品によって放射された光を受信するための光レシーバを備え得る。装置は、コントローラを備え得る。コントローラは、光放射を放射するために、タガントを励起するよう、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するために、光源を起動するように構成され得る。コントローラは、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射することを終了するために、光源を停止するように構成され得る。コントローラは、例えば、タガントの分光学的特徴を識別し、任意選択で、エアロゾル発生物品の特性を決定するために、光源が、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、光レシーバによって受信された光放射を分析するように構成され得る。
【0170】
したがって、本開示の第二の態様によれば、識別可能な分光学的特徴を有するタガントを備えるエアロゾル発生物品に係合し、それから係合解除するように構成されたエアロゾル発生装置が提供され、タガントが、光放射を放射するために、光によって励起可能である。エアロゾル発生装置は、装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するための光源と、装置に係合したエアロゾル発生物品によって放射された光を受信するための光レシーバと、コントローラと、を備える。コントローラは、光放射を放射するために、タガントを励起するように、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するために、光源を起動する、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射することを終了するために、光源を停止する、およびエアロゾル発生物品の特性を決定するために、光源が、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、光レシーバによって受信された光放射を分析する、ように構成される。
【0171】
装置またはコントローラは、本明細書に記載の方法の工程のいずれかを実行するように構成され得る。装置またはコントローラは、第一の態様に係る方法を実行するように構成され得る。
【0172】
本開示によると、エアロゾル発生装置のためのコントローラが提供される。装置は、エアロゾル発生物品に係合し、それから係合解除するように構成され得る。物品は、識別可能な分光学的特徴を有するタガントを備え得る。タガントは、例えば、光放射を放射するために、光によって励起可能であり得る。装置は、装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するための光源を備え得る。装置は、装置に係合したエアロゾル発生物品によって放射された光を受信するための光レシーバを備え得る。コントローラは、光放射を放射するために、タガントを励起するよう、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するために、光源を起動するように構成され得る。コントローラは、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射することを終了するために、光源を停止するように構成され得る。コントローラは、例えば、タガントの分光学的特徴を識別し、任意選択で、エアロゾル発生物品の特性を決定するために、光源が、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、光レシーバによって受信された光放射を分析するように構成され得る。
【0173】
本開示の第三の態様によると、エアロゾル発生装置のためのコントローラが提供される。装置は、エアロゾル発生物品に係合し、それから係合解除するように構成される。物品は、識別可能な分光学的特徴を有するタガントを備える。タガントは、光放射を放射するために、光によって励起可能である。装置は、装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するための光源を備える。装置は、装置に係合したエアロゾル発生物品によって放射された光を受信するための光レシーバを備える。コントローラは、光放射を放射するために、タガントを励起するように、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するために、光源を起動するように構成される。コントローラは、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射することを終了するために、光源を停止するように構成される。コントローラは、エアロゾル発生物品の特性を決定するために、光源が、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、光レシーバによって受信された光放射を分析するように構成される。
【0174】
コントローラは、本明細書に記載の方法の工程のいずれかを実行するように構成され得る。コントローラは、第一の態様に係る方法を実行するように構成され得る。
【0175】
本開示の一つの態様に関して記載の特徴は、本開示の他の任意の態様にも適用され得る。方法の工程として記載の特徴は、本明細書に記載の装置またはコントローラに適用可能であり得る。装置またはコントローラは、本明細書に記載の方法の工程のいずれかを実行するように構成され得る。
【0176】
本明細書で使用する用語「物品を拒否する」は、物品の特性が決定される場合に取られる措置を指し得る。例えば、物品がタガントを含まない、または複数の特定のタガントのうちの一つを含まないと判定され得る。これは、物品が最適化されていない物品であることを示し得る。このような物品は、拒否され得る。物品を拒否することは、装置の機能を有効化または無効化することを含み得る。例えば、装置は、ヒーターまたは発熱体の動作を無効化し得る。別の実施例として、装置は、例えば、物品が最適化されていない物品であることを、視覚的、聴覚的、または触覚的な警報により、ユーザーに通知し得る。
【0177】
本明細書で使用する用語「物品を受け入れる」は、物品の特性が決定される場合に取られる措置を指し得る。例えば、物品がタガントを含む、または複数の特定のタガントのうちの一つ以上を含むと判定され得る。これは、物品が最適化された物品であることを示し得る。このような物品は、受け入れられ得る。物品を受け入れることは、装置の機能を有効化または無効化することを含み得る。例えば、装置は、ヒーターまたは発熱体の動作を有効化し得る。別の実施例として、装置は、例えば、物品が最適化された物品であることを、視覚的、聴覚的、または触覚的な警報により、ユーザーに通知し得る。
【0178】
本明細書で使用する用語「~を示す」は、示すこと、または~に関連することを意味し得る。例えば、第一の値が第二の値を示す場合、第一の値は、第二の値に比例し得る。
【0179】
時間導関数、または特定の時間導関数(例えば、時間導関数が時間の一次導関数であるか、または時間の二次導関数であるか)を指定することなく、時間導関数に関連付けられた任意のもの(例えば、強度時間導関数の組み合わせ、スコア、または閾値スコア)に関して本明細書に記載の特徴は、任意の一つ、二つ、三つ、またはそれ以上の特定の時間導関数に適用可能であり得る。例えば、時間導関数、または特定の時間導関数を指定することなく、時間導関数に関連付けられた任意のものに関して本明細書に記載の特徴は、一次時間導関数、二次時間導関数、および三次以上の時間導関数の任意の一つ以上に適用可能であり得る。
【実施例
【0180】
本発明は、特許請求の範囲に定義される。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わせられ得る。
【0181】
実施例1.
エアロゾル発生システムを制御する方法であって、システムが、
識別可能な分光学的特徴を有するタガントを備えるエアロゾル発生物品であって、タガントが、光放射を放射するために、光によって励起可能である、エアロゾル発生物品と、
エアロゾル発生物品に係合し、それから係合解除するように構成されたエアロゾル発生装置であって、
装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するための光源と、
装置に係合したエアロゾル発生物品によって放射された光を受信するための光レシーバと、を備える、エアロゾル発生装置と、を備え、
光放射を放射するために、タガントを励起するように、光源が、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射すること、
光源が、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射することを終了すること、
光源が、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、光レシーバが、光放射を受信すること、および
エアロゾル発生物品の特性を決定するために、光レシーバによって受信された光放射を分析すること、を含む、方法。
実施例2.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、経時的な光放射の強度を分析することを含む、実施例1に記載の方法。
実施例3.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、経時的な光放射の強度の少なくとも一つの時間導関数を分析することを含み、例えば、
経時的な光放射の強度の時間の一次導関数、
経時的な光放射の強度の時間の二次導関数、
経時的な光放射の強度の時間の三次以上の導関数、
経時的な光放射の強度の時間の一次導関数および経時的な光放射の強度の時間の二次導関数の両方、
経時的な光放射の強度の時間の一次導関数および経時的な光放射の強度の時間の三次以上の導関数の両方、
経時的な光放射の強度の時間の二次導関数および経時的な光放射の強度の時間の三次以上の導関数の両方、または
経時的な光放射の強度の時間の一次導関数、経時的な光放射の強度の時間の二次導関数、および経時的な光放射の強度の時間の三次以上の導関数の全て、を分析することを含む、実施例1および2のいずれかに記載の方法。
実施例4.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、経時的な光放射の強度および経時的な光放射の強度の少なくとも一つの時間導関数の両方を分析することを含み、例えば、
経時的な光放射の強度および経時的な光放射の強度の時間の一次導関数の両方、
経時的な光放射の強度および経時的な光放射の強度の時間の二次導関数の両方、
経時的な光放射の強度および経時的な光放射の強度の時間の三次以上の導関数の両方、または
経時的な光放射の強度、経時的な光放射の強度の時間の一次導関数、および経時的な光放射の強度の時間の二次導関数、を分析することを含む、実施例1~3のいずれかに記載の方法。
実施例5.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、光レシーバによって受信された光放射を、経時的な光放射の強度を示す電気信号に変換することを含む、実施例1~4のいずれかに記載の方法。
実施例6.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値を決定することを含む、実施例1~5のいずれかに記載の方法。
実施例7.
光レシーバによって受信される光放射を分析することは、組み合わせ、例えば、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の加算、乗算、積分、または他の関数である、またはそれに基づく、組み合わせを計算または別の方法で提供すること、および任意選択で、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の組み合わせを、保存データ、例えば、統計分散体データおよび一つ以上の特定のタガントの平均または予想組み合わせのうちの一方または両方を含む、保存データと比較することを含む、実施例6に記載の方法。
実施例8.
複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の組み合わせを、保存データと比較することは、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の組み合わせを、最小予想組み合わせと比較すること、および任意選択で、物品を拒否すること、例えば、組み合わせが最小予想組み合わせよりも小さい場合、装置の機能を有効化または無効化すること、を含む、実施例7に記載の方法。
実施例9.
複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の組み合わせを、保存データと比較することは、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の組み合わせを、最大予想組み合わせと比較すること、および任意選択で、物品を拒否すること、例えば、組み合わせが最大予想組み合わせよりも大きい場合、装置の機能を有効化または無効化すること、を含む、実施例7または8に記載の方法。
実施例10.
複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の組み合わせを、保存データと比較することは、強度のスコアを提供するために、使用される、実施例7~9のいずれかに記載の方法。
実施例11.
強度のスコアは、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の組み合わせが、保存データに係る複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の平均または予想組み合わせに近いほど大きい、実施例10に記載の方法。
実施例12.
方法は、強度のスコアを、閾値強度のスコア、例えば、保存データに基づく閾値強度のスコアと比較することを含む、実施例10または11に記載の方法。
実施例13.
方法は、強度のスコアと閾値強度のスコアとの比較の結果に応じて、物品を拒否すること、例えば、装置の機能を有効化または無効化することを含む、実施例12に記載の方法。
実施例14.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数、例えば、時間の一次導関数、または時間の二次導関数、または時間の三次以上の導関数を示す値を決定することを含む、実施例1~13のいずれかに記載の方法。
実施例15.
光レシーバによって受信される光放射を分析することは、複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の組み合わせを計算または別の方法で提供することを含む、実施例14に記載の方法。
実施例16.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の組み合わせを、保存データと比較することを含み、任意選択で、組み合わせは、複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の加算、乗算、積分、または他の関数に基づく、実施例15に記載の方法。
実施例17.
複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の組み合わせを、保存データと比較することは、複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の組み合わせを、最小予想組み合わせと比較すること、および任意選択で、物品を拒否すること、例えば、組み合わせが最小予想組み合わせよりも小さい場合、装置の機能を有効化または無効化すること、を含む、実施例16に記載の方法。
実施例18.
複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の組み合わせを、保存データと比較することは、複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の組み合わせを、最大予想組み合わせと比較すること、および任意選択で、物品を拒否すること、例えば、組み合わせが最大予想組み合わせよりも大きい場合、装置の機能を有効化または無効化すること、を含む、実施例16または17に記載の方法。
実施例20.
方法は、強度時間導関数のスコアを提供するために、複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の組み合わせを、保存データと比較することを含む、実施例16~18のいずれかに記載の方法。
実施例21.
強度時間導関数のスコアは、複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の組み合わせが、保存データに係る複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の平均または予想組み合わせに近いほど大きい、実施例20に記載の方法。
実施例22.
方法は、強度時間導関数のスコアを、閾値強度時間導関数のスコア、例えば、保存データに基づく閾値強度時間導関数のスコアと比較することを含む、実施例20または21に記載の方法。
実施例23.
方法は、強度時間導関数のスコアと閾値強度時間導関数のスコアとの比較の結果に応じて、物品を拒否すること、例えば、装置の機能を有効化または無効化することを含む、実施例22に記載の方法。
実施例24.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、
複数の時点の各々における光放射の強度を示す値を決定すること、
複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値を決定すること、
強度のスコアを決定するために、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の組み合わせを、保存データと比較すること、
強度時間導関数のスコアを決定するために、複数の時点の各々における光放射の強度の時間導関数を示す値の組み合わせを、保存データと比較すること、および
エアロゾル発生物品の特性を決定するために、強度のスコアおよび強度時間導関数のスコアの両方を使用すること、を含む、実施例1~23に記載の方法。
実施例25.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、光源が、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、所定の長さの時間で生じる少なくとも一つの特性時点における光放射の強度を示す値、または強度の時間導関数を示す値を決定することを含む、実施例1~24のいずれかに記載の方法。
実施例26.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、ある時点または複数の時点における光放射の一つ以上の特性を決定または推定することを含む、実施例1~25のいずれかに記載の方法。
実施例27.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、n個の時点の各々における光放射の一つ以上の特性を決定または推定することを含む、実施例1~26のいずれかに記載の方法。
実施例28.
ある時点における光放射の一つ以上の特性のうちの少なくとも一つは、その時点における光放射の強度、その時点における光放射の強度の時間の一次導関数、その時点における光放射の強度の時間の二次導関数、およびその時点における光放射の強度の時間の三次以上の導関数のうちの一つ、またはそれらのうちの一つ以上の関数である、実施例26または27に記載の方法。
実施例29.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、一つ以上の特性のうちのある特性を、対応する閾値、例えば、所定の閾値と比較すること、および一つ以上の特性のうちのある特性が、対応する範囲内、例えば、所定の範囲内に含まれるかどうかを判定すること、のうちの一方または両方を含む、実施例26~28のいずれかに記載の方法。
実施例30.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、一つ以上の特性の少なくとも二つの特性の関数を、対応する閾値、例えば、所定の閾値と比較すること、および一つ以上の特性の少なくとも二つの特性の関数が、対応する範囲内、例えば、所定の範囲内に含まれるかどうかを判定すること、のうちの一方または両方を含む、実施例26~29のいずれかに記載の方法。
実施例31.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、一つ以上の特性の少なくとも二つの特性の第一の関数を、一つ以上の特性の少なくとも二つの特性の第二の関数と比較することを含む、実施例26~30のいずれかに記載の方法。
実施例32.
第一の関数に関与する少なくとも二つの特性は、第二の関数に関与する少なくとも二つの特性に重複する、実施例31に記載の方法。
実施例33.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、一つ以上の特性のうちのある特性が第一のレベルから第二のレベルまで増加または減少するのにかかる時間を決定または推定することを含む、実施例1~32のいずれかに記載の方法。
実施例34.
第二のレベルは、第一のレベルの関数である、実施例33に記載の方法。
実施例35.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、光放射に基づいて、データを収集および記録すること、およびこのデータを、所定の基準データと比較することのうちの一方または両方を含む、実施例1~34のいずれかに記載の方法。
実施例36.
実施例27に直接または間接的に従属する場合、データは、n個の時点の各々において決定または推定された光放射の一つ以上の特性である、それを含む、またはそれに基づく、実施例35に記載の方法。
実施例37.
基準データは、例えば、n個の時点の各々における光放射の一つ以上の対応する予想特性である、それらを含む、またはそれらに基づく、実施例35~36のいずれかに記載の方法。
実施例38.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、対応する時点における対応する予想特性と比較される、特定の時点において決定または推定された特性を含む、実施例1~37のいずれかに記載の方法。
実施例39.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、複数の、例えばn個の時点の各々における対応する予想特性と比較される、複数の、例えばn個の時点の各々において決定または推定された特性を含む、実施例1~38のいずれかに記載の方法。
実施例40.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、決定されたまたは推定された特性が、対応する予想特性を含む範囲内に含まれるかどうかを判定することを含む、実施例1~39のいずれかに記載の方法。
実施例41.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、複数の、例えば、n個の時点における決定または推定された特性と、複数の、例えば、n個の対応する時点における対応する予想特性との差を決定または推定することを含む、実施例1~40のいずれかに記載の方法。
実施例42.
光レシーバによって受信された光放射を分析することは、閾値と比較される、差、またはこれらの差の大きさなどの差の関数を含む、実施例41に記載の方法。
実施例43.
識別可能な分光学的特徴を有するタガントを備えるエアロゾル発生物品に係合し、それから係合解除するように構成されたエアロゾル発生装置であって、タガントが、光放射を放射するために、光によって励起可能であり、エアロゾル発生装置が、
装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するための光源と、
装置に係合したエアロゾル発生物品によって放射された光を受信するための光レシーバと、
コントローラと、を備え、
コントローラが、
光放射を放射するために、タガントを励起するように、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するために、光源を起動する、
エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射することを終了するために、光源を停止する、および
エアロゾル発生物品の特性を決定するために、光源が、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、光レシーバによって受信された光放射を分析する、ように構成される、エアロゾル発生装置。
実施例44.
コントローラは、実施例1~42のいずれかに記載の方法を実行するように構成される、実施例43に記載のエアロゾル発生装置。
実施例45.
エアロゾル発生装置のためのコントローラであって、エアロゾル発生装置が、識別可能な分光学的特徴を有するタガントを備えるエアロゾル発生物品に係合し、それから係合解除するように構成され、タガントが、光放射を放射するために、光によって励起可能であり、エアロゾル発生装置が、
装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するための光源と、
装置に係合したエアロゾル発生物品によって放射された光を受信するための光レシーバと、を備え、
コントローラが、
光放射を放射するために、タガントを励起するように、エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射するために、光源を起動する、
エアロゾル発生装置に係合したエアロゾル発生物品を照射することを終了するために、光源を停止する、および
エアロゾル発生物品の特性を決定するために、光源が、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後に、光レシーバによって受信された光放射を分析する、ように構成される、コントローラ。
実施例46.
コントローラは、実施例1~42のいずれかに記載の方法を実行するように構成される、実施例45に記載のコントローラ。
【0182】
ここで、以下の図を参照しながら、実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0183】
図1図1は、エアロゾル発生システムを示す。
図2図2は、タガントからの光放射の強度を示す値を時間に対してプロットしたグラフを示す。
図3図3は、タガントからの光放射の強度の時間の一次導関数を示す値を時間に対してプロットしたグラフを示す。
図4図4は、タガントからの光放射の強度の時間の二次導関数を示す値を時間に対してプロットしたグラフを示す。
図5図5は、保存データおよびスコアリング方法を視覚的に描写するグラフを示す。
図6図6は、方法の主な工程を示すフローチャートを示す。
図7図7は、光放射を分析する工程の主な工程を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0184】
図1は、エアロゾル発生システム100を示す。システム100は、エアロゾル発生装置200と、エアロゾル発生物品300と、を備える。
【0185】
エアロゾル発生装置200は、エアロゾル発生物品300の一部分を受容するための空洞204を画定するハウジング202を備える。図1において、エアロゾル発生物品300は、エアロゾル発生装置200に係合される、またはその空洞204内に受容される。
【0186】
装置200は、電源206と、コントローラ208と、実質的にブレード形状の発熱体210と、を備える。発熱体210は、基体上に支持された電気抵抗トラックを備える。コントローラ208は、電源206および発熱体210に接続される。コントローラ208は、発熱体210の加熱を制御するために、電流の供給を、電源206から発熱体210の電気抵抗トラックを通って制御する。
【0187】
装置200は、光源214、特に、赤外線発光ダイオード(IR LED)、および光レシーバ216、特に、フォトダイオードを備える識別子212を備える。
【0188】
装置200は、空気が空洞204内に流れることを可能にするための空気吸込み口218と、ユーザーが装置200を操作可能にするボタン220と、をさらに備える。
【0189】
エアロゾル発生物品300は、外側ラッパー308内に順番どおりに配置されたエアロゾル形成基体302と、中空管状の移動要素304と、マウスピース306と、を備える。外側ラッパー308は、識別可能な分光学的特徴を有するタガント310を備える。タガント310は、ラッパー材料の製造時にラッパーに組み込まれる。
【0190】
本実施例でのラッパー材料は、スラリーが紙に形成され乾燥される前に、タガント310を粉末の形態でラッパー紙材料スラリーに組み込むことにより、製造される。タガント310は、製造時に使用される温度および条件で熱的および化学的に安定性があり、その結果、タガント310は、組み立てられた物品300に望ましいように機能する。あるいは、タガント310は、噴霧、印刷、塗布またはこれに類する方法により、溶液中のラッパー材料に適用され得る。
【0191】
ラッパーの材料内に組み込まれたタガント310の使用により、製造後にタガント310のラッパーからの取り外しが防止される。このようにして、物品の不正開封防止、およびエアロゾル発生装置で最適化されていない物品を使用することの困難さは、改善され得る。
【0192】
タガント310は、光放射を放射するために、光によって励起可能である。タガントの時間応答(すなわち、経時的な光放射の強度の変化)は、光レシーバ216によって識別可能である。時間応答は、分光学的特徴として作用する。したがって、タガント310の分光学的特徴を識別することは、物品300の少なくとも一つの特性の決定を可能にし得る。
【0193】
ここで、エアロゾル発生システム100を制御する方法を記載する。
【0194】
最初に、装置200は、アイドル状態にある。その後、物品300は、装置200の空洞204内に受容される。その後、ユーザーは、識別子212を動作させるために、装置200上のボタン220を押す。
【0195】
ボタン220を押すと、コントローラ208は信号を光源214に送信し、光源214に、装置200に係合する物品300を赤外線照射させる。
【0196】
タガント310は、光放射を放射するように、この光によって励起される。タガント310は、励起後の時間の間、この光放射を放射し続けるように構成される。本実施形態では、タガントは、励起後約1秒間、光放射を放射し続けるように構成される。
【0197】
その後、コントローラ208は、光源214による物品300の照射を終了し、光レシーバ216を起動する。
【0198】
その後、光レシーバ216は、タガント310によって放射された光を受信する。光レシーバ216は、この受信された光を、電気信号、特に、コントローラ208に提供された電圧が光レシーバ216によって受信された光の強度に比例する電圧信号に変換する。
【0199】
コントローラ208は、タガント310からの光放射の強度を示す値である電圧信号の電圧値、および所定の期間にわたる複数の時点の各々における対応する時間を記録する。複数の時点は、約20マイクロ秒の規則的な時間間隔で発生する。複数の時点が生じる期間は、約700ミリ秒である。
【0200】
その後、コントローラ208は、各記録された電圧値を、記録された最大電圧値で割ることによって、電圧値を正規化する。これにより、正規化電圧値1が提供される。
【0201】
第一の時点は、t0と称され得、第二の時点は、t1と称され得、最終時点tfinalまで同様に称され得る。時点t0に対応する正規化電圧値である第一の正規化電圧値は、V(t0)と称され得る。時点t1に対応する正規化電圧値である第二の正規化電圧値は、V(t1)と称され得時点tfinalに対応する正規化電圧値であり、V(tfinal)と称され得る、最終の正規化電圧値まで同様に称され得る。この場合、第一の電圧値は、電気信号が最大であり、第一の正規化電圧値は、したがって1に等しい。
【0202】
その後、コントローラ208は、図2に示すグラフのようなグラフを取得するために、数学的にV(t)として記述され得る、正規化電圧値を時間に対してプロットし得る。時点t0、t1、およびtfinalを、それらの対応する正規化電圧値V(t0)、V(t1)、およびV(tfinal)と共に、図2に示す。明確にするために、これらの点を、実際よりもさらに間隔をあけて示す。しかしながら、コントローラ208が、このグラフが基づく生データを記録したことを考慮すると、コントローラ208がこのようなグラフ、または生データに基づく任意のグラフを取得する必要がない場合がある。
【0203】
図2に示すグラフは、タガント310の時間応答を示す。具体的には、図2に示すグラフは、タガント310からの光放射の強度を示す値1200(正規化電圧値)を、物品300を照射することを終了する光源214から700ミリ秒の所定の期間にわたって、時間1202に対してプロットする。
【0204】
その後、コントローラ208は、複数の時点の各々におけるタガント310からの光放射の強度の時間の一次導関数を示す値を計算する。各値は、後続の正規化電圧値と現在の正規化電圧値との差を、後続の正規化電圧値が測定された時点と現在の正規化電圧値が測定された時点との差で割ったものとして計算される。この場合、時点間の時間間隔がすべて20マイクロ秒であるため、これは単に、後続の正規化電圧値と現在の正規化電圧値との差を20マイクロ秒で割ったものとして表され得る。そのため、時間t0における一次導関数は、(V(t0)-V(t1))を20マイクロ秒で割ったものとして計算される。
【0205】
時間t0における時間の一次導関数を示す値は、V’(t0)と称され得、時間t1における時間の一次導関数を示す値は、V’(t1)と称され得、以下同様である。後続の正規化電圧値がないため、最終時点における時間の一次導関数を示す値は計算されない。
【0206】
コントローラ208は、光放射の強度の一次導関数を示すこれらの値を、時間に対してプロットし得、これは、図3に示すグラフのようなグラフを得るために、数学的にV’(t)として記述され得る。時点t0およびt1を、それらの対応する強度時間の一次導関数値V’(t0)およびV’(t1)と共に、図3に示す。明確にするために、これらの点を、実際よりもさらに間隔をあけて示す。図3に示すグラフは、タガント310からの光放射の強度の一次導関数を示す値1300を、物品300を照射することを終了する光源214から700ミリ秒の所定の期間にわたって、時間1302に対してプロットする。図3に示すグラフは、図2に示すグラフの変化率を示すグラフに近似する。
【0207】
その後、コントローラ208は、複数の時点の各々におけるタガント310からの光放射の強度の時間の二次導関数を示す値を計算する。各値は、一次時間導関数を示す後続の値と、一次時間導関数を示す現在の値との差を20マイクロ秒で割ったものとして計算される。そのため、時間t0における時間の二次導関数は、(V’(t0)-V’(t1))を20マイクロ秒で割ったものとして計算される。
【0208】
時間t0における時間の二次導関数を示す値は、V’’(t0)と称され得、時間t1における時間の二次導関数を示す値は、V’’(t1)と称され得、以下同様である。最終時点または最後から二番目の時点について、二次導関数を示す値は計算されない。
【0209】
コントローラ208は、光放射の強度の時間の二次導関数を示すこれらの値を、時間に対してプロットし得、これは、図4に示すグラフのようなグラフを得るために、数学的にV’’(t)として記述され得る。時点t0およびt1を、対応する強度時間の二次導関数V’’(t0)およびV’’(t1)と共に、図4に示す。明確にするために、これらの点を、実際よりもさらに間隔をあけて示す。図4に示すグラフは、タガント310からの光放射の強度の時間の二次導関数を示す値1400を、物品300を照射することを終了する光源214から700ミリ秒の所定の期間にわたって、時間1402に対してプロットする。図4に示すグラフは、図3に示すグラフの変化率を示すグラフに近似する。
【0210】
コントローラ208は、タガント310の分光学的特徴の識別を補助するために、光放射の強度の時間導関数を、必要に応じて多く計算し得る。
【0211】
コントローラ208は、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値(正規化電圧値)のすべてを加算することによって、強度の組み合わせを計算する。すなわち、コントローラ208は、強度の組み合わせを以下のように計算する。
【数9】
【0212】
前述のように、この合計は、特定の強度の組み合わせの一例に過ぎない。組み合わせは、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値の別の合計、または乗算、または別の関数に基づき得る。組み合わせは、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値を、時間に対してプロットする関数の積分の推定値に基づき得る。すなわち、組み合わせは、t0とtfinalとの間のV(t)の積分として計算され得る。
【0213】
コントローラ208は、各可能な時点における光放射の強度時間の一次導関数を示す値のすべてを加算することによって、強度時間の一次導関数の組み合わせを計算する。すなわち、コントローラ208は、強度時間の一次導関数の組み合わせを以下のように計算する。
【数10】
【0214】
コントローラ208は、複数の時点の各々における光放射の強度時間の二次導関数を示す値のすべてを加算することによって、強度時間の二次導関数の組み合わせを計算する。すなわち、コントローラ208は、強度時間の二次導関数の組み合わせを以下のように計算する。
【数11】
【0215】
コントローラ208は、所定の期間の開始後100ミリ秒に対応する時点まで、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値(正規化電圧値)のすべてを加算することによって、第一の部分強度の組み合わせを計算する。すなわち、コントローラ208は、第一の部分強度の組み合わせを以下のように計算する。
【数12】
【0216】
この第一の部分強度の組み合わせは、光放射の初期部分の間のタガント310の時間応答の表示を与える。
【0217】
コントローラ208は、所定の期間の開始後300ミリ秒に対応する時点と、所定の期間の開始後400ミリ秒に対応する時点との間の複数の時点の各々における光放射の強度を示す値(正規化電圧値)のすべてを加算することによって、第二の部分強度の組み合わせを計算する。すなわち、コントローラ208は、第二の部分強度の組み合わせを以下のように計算する。
【数13】
【0218】
この第二の部分強度の組み合わせは、光放射の中間部分の間のタガント310の時間応答の表示を与える。
【0219】
装置200またはコントローラ208は、保存データを含む。保存データは、特定のタガントについて、および上述の五つの組み合わせの各々について、最小予想組み合わせ、最大予想組み合わせ、平均または予想組み合わせ、および平均または予想組み合わせとは異なる特定の組み合わせの可能性を示す統計的分散データを含む。保存データは、最小予想組み合わせから最大予想組み合わせまでの複数の組み合わせの各々に対するスコアを含む。スコアは、統計的分散データに基づく。利用可能な最高スコアは、平均または予想組み合わせに対応する。この情報は、ルックアップテーブルに保存される。ルックアップテーブルは、以下のように表示されるであろう。
【表1】
【0220】
当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、保存データは、複数のタガントに対し、その情報を含み得る。
【0221】
コントローラ208は、強度の組み合わせを、タガントの最小予想強度の組み合わせと比較する。強度の組み合わせがタガントの最小予想強度の組み合わせよりも小さい場合、物品は、最適化されないと判定される。または、強度の組み合わせがタガントの最小予想強度の組み合わせよりも小さい場合、物品は、装置で使用するように構成されないと判定される。物品が最適化されない、または装置で使用するように構成されないと判定される場合、物品は。拒否され得る。この文脈では、物品を拒否することは、識別子212が、物品300が装置200で使用するように構成されることを示し得るタガントを物品が含まないと判定したことを意味し得る。拒否は、例えば、発熱体210の動作が無効化されることを意味し得る。または、拒否は、例えば、物品300が装置200で使用するように構成されないことをユーザーがディスプレイ(図示せず)により通知されることを意味し得る。または、拒否は、例えば、発熱体210が無効化され、物品300が装置200で使用するように構成されないことをユーザーがディスプレイ(図示せず)により通知されることを意味し得る。
【0222】
コントローラ208は、強度の組み合わせを、タガントの最大予想強度の組み合わせと比較する。強度の組み合わせがタガントの最大予想強度の組み合わせよりも大きい場合、物品は、拒否される。
【0223】
強度の組み合わせが、最小予想強度の組み合わせと最大予想強度の組み合わせとの間に含まれる場合、強度のスコアが、強度の組み合わせに与えられる。強度のスコアは、強度の組み合わせがタガントの予想または平均強度の組み合わせに近いほど大きい。強度のスコアは、ルックアップテーブル内のどの強度の組み合わせが決定された強度の組み合わせに最も近いかを判定し、その後、決定された強度の組み合わせに、ルックアップテーブル内のその強度の組み合わせに対応する強度のスコアを与えることによって、決定される。
【0224】
コントローラ208は同様に、強度時間の一次導関数の組み合わせ、強度時間の二次導関数の組み合わせ、第一の部分強度の組み合わせ、および第二の部分強度の組み合わせの各々を、タガントに対するそれぞれの最小および最大予想組み合わせと比較する。強度の組み合わせと同様に、任意の組み合わせが、その最小予想組み合わせよりも小さい、またはその最大予想組み合わせよりも大きい場合、物品は、拒否される。
【0225】
五つの組み合わせの各々がその最小と最大予想組み合わせとの間に含まれる場合、スコアが、組み合わせの各々に対して受領される。強度のスコアと同様に、各スコアは、組み合わせがタガントに対する予想または平均的な組み合わせに近いほど大きい。これは、各組み合わせの統計的分散データを使用して、決定される。
【0226】
図5は、上述のように、強度の組み合わせに関連する保存データおよび決定された強度の組み合わせのスコアリング方法を視覚的に描写するグラフの例を示す。図5に示すグラフ、または少なくともこのグラフの根拠となるデータを得るために、同一タガントを含む異なる物品に対して数百の試験を実施した。各試験は、物品を、装置200の光源214に類似した光源からの光により照射すること、この照射を終了すること、およびその後、装置200の光レシーバ216に類似した光レシーバによってその後に受信された光を分析すること、を含む。各試験について、強度の組み合わせを記録した。
【0227】
図5に示す各バーは、異なる物品に対する数百回の試験中に、強度の組み合わせが特定の範囲の強度の組み合わせ内に含まれた頻度を示す。具体的には、X軸1500上の各バーの幅は、特定の範囲の強度の組み合わせの下限および上限を示し、Y軸1502上の各バーの高さは、試験される場合、強度の組み合わせを特定の範囲内に戻した物品の数に比例する。線1504は、取得された強度の組み合わせの分布を示すために、これらのバーに基づいてプロットされた。図5から分かるように、得られた強度の組み合わせは、実質的に正規分布、またはガウス分布を有した。これは、強度の組み合わせの統計的分散データの一例である。
【0228】
X軸はまた、選択された最小予想強度の組み合わせ1506を示す。本実施形態では、最小予想強度の組み合わせ1506は、物品の1%のみが最小予想強度の組み合わせ1506よりも小さい強度の組み合わせを有するように、選択された。X軸はまた、選択された最大予想強度の組み合わせ1508を示す。本実施形態では、最大予想強度の組み合わせ1508は、物品の1%のみが最大予想強度の組み合わせ1508よりも大きい強度の組み合わせを有するように、選択された。X軸はまた、平均または予想強度の組み合わせ1510を示す。本実施形態では、平均または予想強度の組み合わせ1510は、分布が実質的に正規、またはガウスであるため、分布の平均、中央値、およびモードと一致する。
【0229】
さらなる線1512も、グラフ上にプロットされた。線1512は、任意の特定の決定された強度の組み合わせに対して与えられる強度のスコアを示す。線1512について、X軸1500は、上述のように決定された強度の組み合わせを示し、Y軸1502は、決定された強度の組み合わせに与えられたスコアを示す。したがって、図5から分かるように、特定の物品300に与えられる強度のスコアは、決定された強度の組み合わせが予想または平均強度の組み合わせ1510に近いほど大きい。したがって、利用可能な最高スコア1514は、予想または平均強度の組み合わせ1510に等しい、決定された強度の組み合わせに対応する。上述のように、決定された強度の組み合わせが、最小予想強度の組み合わせ1506よりも小さい、または最大予想強度の組み合わせ1508よりも大きい場合、物品300は、スコアを受領せず、拒否される。
【0230】
保存データは、光放射の強度、および光放射の強度の組み合わせに関連するデータを参照して、上記で説明された。しかし、当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、保存データは、例えば、強度時間の一次導関数の組み合わせ、強度時間の二次導関数の組み合わせ、強度時間の三次以上の導関数の組み合わせ、第一の部分強度の組み合わせ、第二の部分強度の組み合わせ、一次部分強度時間導関数の組み合わせ、二次部分強度時間導関数の組み合わせのうちのいずれか一つ以上を含む、光放射の他の様々な特性に関連する類似のデータを含み得る。
【0231】
保存データはまた、特定のタガントについて、特性時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す最小予想値、特性時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す最大予想値、特性時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す平均または予想値、特性時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す値が、特性時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す平均または予想値から変化する可能性を示す、統計的分散データを含む。
【0232】
保存データは、最小予想値から最大予想値までの複数の値の各々に対するスコアを含む。スコアは、統計的分散データに基づく。利用可能な最高スコアは、平均または予想値に対応する。この情報は、ルックアップテーブルに保存される。ルックアップテーブルは、以下のように表示されるであろう。
【表2】
【0233】
当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、保存データは、複数のタガントに対し、その情報を含み得る。
【0234】
この特定の場合、特性時点は、光源が、エアロゾル発生物品を照射することを終了した後の150ミリ秒である。上記で論じた組み合わせと同様に、この特性時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す値は、タガントに対するその最小および最大予想値と比較される。強度の組み合わせと同様に、特性時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す値が、その最小予想値よりも小さい、またはその最大予想値よりも大きい場合、物品は、拒否される。
【0235】
特性時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す値が、その最小と最大予想値との間に含まれる場合、この特性時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す値に対し、スコアが受領される。強度のスコアと同様に、スコアは、値がタガントの予想または平均値に近いほど大きい。スコアは、ルックアップテーブル内のどの値が決定値に最も近いかを判定し、その後、決定値にルックアップテーブル内のその値に対応するスコアを与えることによって決定される。したがって、これらの工程の後、物品300が拒否されていないと仮定すると、コントローラ208は、物品300に対し六つのスコアを決定した。
【0236】
その後、これら六つのスコアの各々を、それぞれのスコア閾値と比較する。本実施形態では、六つのスコアのうちの二つ以上がそれぞれのスコア閾値を下回る場合、物品は、拒否される。
【0237】
物品が拒否されない場合、六つのスコアは、その後、加算され、本実施形態では、各々が等しい重み付けを有し、合計スコアを提供する。その後、この合計スコアを合計スコア閾値と比較する。合計スコアが合計スコア閾値よりも大きい場合、コントローラ208は、タガント310が、保存データが関連するタガントと同一の分光学的特徴を有し、したがって、物品300が、保存データが関連するタガントを含み、したがって、物品300が装置200で使用するように構成される最適化された物品であると、ある合理的な程度の確実性を持って判定する。
【0238】
したがって、コントローラ208は、物品300がディスプレイ(図示せず)により受け入れられたことをユーザーに通知し、電力を電源206から発熱体210に供給可能にし、装置200の吸煙検出機構(図示せず)を起動する。
【0239】
当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、保存データは、複数のタガントに関連するデータを含み得る。この場合、上記で論じた比較は、複数のタガントのうちのどれが、もしあれば、物品内に存在するかを識別するために、各タガントに対して実施され得る。
【0240】
その後、ユーザーは、物品300で吸入し得る。これにより、空気が空気吸込み口218を通って、空洞204内に流れる。この吸入は、装置200の吸煙検出機構(図示せず)によって検出される。吸煙検出機構は、吸煙が行われたことをコントローラ208に通知し、コントローラ208は、それに応じて、電力を発熱体210に供給するために、電源206を制御する。具体的には、電力は、発熱体210を加熱するように、発熱体210に、したがって、揮発性化合物をエアロゾル形成基体302から放出するように、物品300に送られる。空気は、基体302を通って流れ、これらの化合物を同伴する。その後、空気および同伴した化合物は、管状移動要素304を通って流れる。同伴された化合物は、冷却および凝縮し、エアロゾルを発生させる。エアロゾルは、マウスピース306を通って引き出され、ユーザーの口内に入る。ユーザーは、その後、エアロゾルを吸入し得る。発熱体210の温度は、装置200がユーザーに体験が終了したことを警告するまで、同様の方法で、物品300での各吸入または吸煙に応答して、上昇される。これは、最初の吸入の後の所定の時間で発生し得る。
【0241】
その後、装置200は、アイドル状態に戻り得、物品300が別の未使用の物品と交換される準備が整う。
【0242】
タガント310の分光学的特徴を識別し、エアロゾル発生物品300の特性を決定するために、光レシーバ216によって受信された光放射を分析するための一つの特定の方法が、上述された。この方法は、図6に示すように、フローチャートとして示され得、以下に再び要約され得る。
【0243】
最初に、装置200は、アイドル状態にある。これは、フローチャートの初期位置である。その後、物品300は、装置200の空洞204内に受容され、ユーザーは、その後、装置200上のボタン220を押す。
【0244】
ボタン220を押すことに応答して、コントローラ208は、光源214を起動して、装置200に係合した物品300を赤外線照射し、タガント310を励起する。
【0245】
その後、コントローラ208は、光源214を停止することによって、物品300の照射を終了し、光レシーバ216を起動する。
【0246】
その後、光レシーバ216は、タガント310によって放射された光を受信する。
【0247】
光レシーバ216は、この受信された光を、電気信号、特に、コントローラ208に提供された電圧が光レシーバ216によって受信された光の強度に比例する電圧信号に変換する。
【0248】
コントローラ208は、タガント310からの光放射の強度を示す値である電圧信号の電圧値、および所定の期間にわたる複数の時点の各々に対する対応する時間を記録する。
【0249】
その後、コントローラ208は、記録された電圧値を正規化する。
【0250】
その後、コントローラ208は、物品300の特性を決定するために、光放射、特に、光放射に基づく電気信号の記録された正規化電圧値を分析する。簡略化のために、図6では、本分析は、単一の工程として示される。しかしながら、本分析は、以下に記載し、図7に別個に示すように、複数の工程を含む。
【0251】
コントローラ208は、複数の時点の各々に対する光放射の強度の時間の一次導関数を示す値を計算する。
【0252】
その後、コントローラ208は、複数の時点の各々に対する光放射の強度の時間の二次導関数を示す値を計算する。
【0253】
その後、コントローラ208は、記録された正規化電圧値に基づいて、光放射の強度の組み合わせを計算する。
【0254】
その後、コントローラ208は、計算された強度の組み合わせを、強度の組み合わせに基づくルックアップテーブルと比較する。計算された強度の組み合わせが、ルックアップテーブル内の最小予想強度の組み合わせよりも小さい、またはルックアップテーブル内の最大予想強度の組み合わせよりも大きい場合、物品は、拒否される。別の方法で、強度の組み合わせは、ルックアップテーブルに従って強度のスコアが与えられる。
【0255】
その後、コントローラ208は、複数の時点の各々における光放射の強度の時間の一次導関数を示す値に基づいて、光放射の強度時間の一次導関数の組み合わせを計算する。
【0256】
その後、コントローラ208は、計算された強度時間の一次導関数の組み合わせを、強度時間の一次導関数の組み合わせに基づくルックアップテーブルと比較する。計算された強度時間の一次導関数の組み合わせが、ルックアップテーブル内の最小予想強度の時間の一次導関数の組み合わせよりも小さい、またはルックアップテーブル内の最大予想強度の時間の一次導関数の組み合わせよりも大きい場合、物品は、拒否される。別の方法で、強度時間の一次導関数の組み合わせには、ルックアップテーブルに従って強度時間の一次導関数のスコアが与えられる。
【0257】
その後、コントローラ208は、複数の時点の各々における光放射の強度の時間の二次導関数を示す値に基づいて、光放射の強度時間の二次導関数の組み合わせを計算する。
【0258】
その後、コントローラ208は、計算された強度時間の二次導関数の組み合わせを、強度時間の二次導関数の組み合わせに基づくルックアップテーブルと比較する。計算された強度時間の二次導関数の組み合わせが、ルックアップテーブル内の最小予想強度の時間の二次導関数の組み合わせよりも小さい、またはルックアップテーブル内の最大予想強度の時間の二次導関数の組み合わせよりも大きい場合、物品は、拒否される。別の方法で、強度時間の二次導関数の組み合わせには、ルックアップテーブルに従って強度時間の二次導関数のスコアが与えられる。
【0259】
その後、コントローラ208は、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値に基づいて、光放射の第一の部分強度の組み合わせを計算する。
【0260】
その後、コントローラ208は、計算された第一の部分強度の組み合わせを、第一の部分強度の組み合わせに基づくルックアップテーブルと比較する。計算された第一の部分強度の組み合わせが、ルックアップテーブル内の最小予想第一の部分強度の組み合わせよりも小さい、またはルックアップテーブル内の最大予想第一の部分強度の組み合わせよりも大きい場合、物品は、拒否される。別の方法で、第一の部分強度の組み合わせには、ルックアップテーブルに従って第一の部分強度のスコアが与えられる。
【0261】
その後、コントローラ208は、複数の時点の各々における光放射の強度を示す値に基づいて、光放射の第二の部分強度の組み合わせを計算する。
【0262】
その後、コントローラ208は、計算された第二の部分強度の組み合わせを、第二の部分強度の組み合わせに基づくルックアップテーブルと比較する。計算された第二の部分強度の組み合わせが、ルックアップテーブル内の最小予想第二の部分強度の組み合わせよりも小さい、またはルックアップテーブル内の最大予想第二の部分強度の組み合わせよりも大きい場合、物品は、拒否される。別の方法で、第二の部分強度の組み合わせには、ルックアップテーブルに従って第二の部分強度のスコアが与えられる。
【0263】
その後、本実施形態では既に計算されている、特性時点における光放射の強度の時間の一次導関数を示す決定値を、特性時点に基づくルックアップテーブルにおける光放射の強度の時間の一次導関数を示す値と比較する。決定値が、ルックアップテーブル内の最小予想値よりも小さい、またはルックアップテーブル内の最大予想値よりも大きい場合、物品は、拒否される。別の方法で、決定値は、ルックアップテーブルに従ってスコアが与えられる。
【0264】
この段階では、物品300が拒否されていない場合、コントローラ208は、六つのスコアを取得している。
【0265】
その後、これら六つのスコアの各々を、それぞれのスコア閾値と比較する。本実施形態では、六つのスコアのうちの二つ以上がそれぞれのスコア閾値を下回る場合、物品は、拒否される。
【0266】
物品が拒否されない場合、六つのスコアは、その後、加算され、本実施形態では、各々が等しい重み付けを有し、合計スコアを提供する。その後、この合計スコアを合計スコア閾値と比較する。合計スコアが合計スコア閾値よりも大きい場合、コントローラ208は、物品の特性を決定する。具体的には、コントローラ208は、タガント310が、保存データが関連するタガントと同一の分光学的特徴を有し、したがって、物品300が、保存データが関連するタガントを含み、したがって、物品300が装置200で使用するように構成される最適化された物品であると、ある合理的な程度の確実性を持って判定する。これは、光放射、特に、光放射に基づく電気信号の正規化電圧値を分析するコントローラ208の工程の終了を示す。
【0267】
したがって、コントローラ208は、物品300がディスプレイ(図示せず)により受け入れられたことをユーザーに通知し、電力を電源206から発熱体210に供給可能にし、吸煙検出機構を起動する。
【0268】
その後、ユーザーは、物品300で吸入し得る。これにより、空気が空気吸込み口218を通って、空洞204内に流れる。
【0269】
この吸入は、装置200の吸煙検出機構(図示せず)を使用して、検出される。吸煙検出機構は、吸煙が行われたことをコントローラ208に通知し、コントローラ208は、それに応じて、電力を発熱体210に供給するために、電源206を制御する。具体的には、電力は、発熱体210を加熱するように、発熱体210に、したがって、揮発性化合物をエアロゾル形成基体302から放出するように、物品300に送られる。空気は、基体302を通って流れ、これらの化合物を同伴する。その後、空気および同伴した化合物は、管状移動要素304を通って流れる。同伴された化合物は、冷却および凝縮し、エアロゾルを発生させる。エアロゾルは、マウスピース306を通って引き出され、ユーザーの口内に入る。ユーザーは、その後、エアロゾルを吸入し得る。発熱体210の温度は、装置200がユーザーに体験が終了したことを警告するまで、同様の方法で、物品300での各吸入または吸煙に応答して、上昇される。これは、最初の吸入の後の所定の時間で発生し得る。
【0270】
その後、装置200は、アイドル状態に戻り得、物品300が別の未使用の物品と交換される準備が整う。タガント310の分光学的特徴を識別し、エアロゾル発生物品300の特性を決定するために、光レシーバ216によって受信された光放射を分析する一つの特定の方法が、上述された。この方法では、六つのスコアが取得され、六つの個々のスコア閾値と比較した。さらに、六つのスコアを加算し、合計を閾値と比較した。しかしながら、当業者が本開示を読んだ後に、理解し得るように、他の多くの方法も可能である。
【0271】
例えば、方法は、スコアを異なって重み付けすることを含み得る。方法は、二つ以上の合計、例えば、三つのスコアの第一の合計、三つの異なるスコアの第二の合計、および五つのスコアの第三の合計を計算することであって、第三の合計が、第一の合計および第二の合計の両方と重複するスコアを有する、計算すること、およびそれらの合計をそれぞれの閾値と比較すること、を含み得る。物品300は、三つのすべての合計がそれぞれの閾値より低い場合、または合計のうちの二つ以上がそれぞれの閾値より低い場合、または合計のうちの一つ以上がそれぞれの閾値より低い場合、拒否され得る。異なる組み合わせ、例えば、本明細書に記載される組み合わせのいずれかを使用し得る。異なるスコアリング技術は、使用され得る。
【0272】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、数量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての事例において、用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは、本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字Aは、A±10%として理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の事例において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは、本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】