(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】新規なベンジルトリプタミン化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 209/16 20060101AFI20241018BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20241018BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20241018BHJP
A61P 25/32 20060101ALI20241018BHJP
A61P 25/34 20060101ALI20241018BHJP
A61P 25/36 20060101ALI20241018BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20241018BHJP
A61P 25/06 20060101ALI20241018BHJP
A61K 31/4045 20060101ALI20241018BHJP
C07D 405/12 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
C07D209/16 CSP
A61P25/28
A61P25/24
A61P25/32
A61P25/34
A61P25/36
A61P29/00
A61P25/06
A61K31/4045
C07D405/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525923
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 CA2022051608
(87)【国際公開番号】W WO2023070228
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524161405
【氏名又は名称】レユニオン ニューロサイエンス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン・ブライソン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZC39
(57)【要約】
式(I)の化合物:及びその任意の薬学的に許容しうる塩又は双性イオンが開示され;式中:Rは、水素、メチル又はエチルであり;R
1は水素又はC
1-C
2アルコキシであり;R
2は、メチル、又は飽和でも不飽和でも、分枝でも直鎖でもよいC
2-C
4基であり;そしてR
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、ヒドロキシで場合により置換されたメチル、メトキシ、エトキシ、及びヒドロキシルで場合により置換されてもよい飽和又は不飽和C
2-C
3から選択され、ただし:(i)R
4、R
5、R
6及びR
7の少なくとも2つは水素でなければならず、かつ(ii)R
3、R
4、R
5及びR
6は、その隣接する対が少なくとも5員を有する環を一緒に形成するように選択され得る。式(I)の化合物は、5HT2Aアゴニストにより軽減され得る対象における疾患又は障害(例えば、対象におけるCNS障害並びに抑うつ、アルコール依存、タバコ嗜癖、コカイン嗜癖、炎症、群発頭痛及びPTSDのいずれか1つの1つ又はそれ以上の症状)を処置する際に有用であると考えられる。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
の化合物及びその任意の薬学的に許容しうる塩もしくは双性イオンであって;
式中:
Rは、水素、メチル又はエチルであり;
R
1は、水素又はC
1-C
2アルコキシであり;
R
2は、メチル、又は飽和でも不飽和でも、分枝でも直鎖でもよいC
2-C
4基であり;そして
R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、ヒドロキシで場合により置換されたメチル、メトキシ、エトキシ、及びヒドロキシルで場合により置換されてもよい飽和又は不飽和C
2-C
3から選択され、ただし:(i)R
4、R
5、R
6及びR
7の少なくとも2つは水素でなければならず、かつ(ii)R
3、R
4、R
5及びR
6は、その隣接する対が少なくとも5員を有する環を一緒に形成するように選択され得る、上記化合物。
【請求項2】
化合物は、チェン-プルソフ式に従って決定された、約500nM未満もしくは約300nM未満、又は約0.1nM~約100nmの範囲もしくは約0.1nM~約30nMの範囲もしくは約0.1nM~約5nMの範囲の5-HT2A結合定数(Ki)を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
1及びR
3はそれぞれメトキシであり;
R
2はメチルであり;そして
R
4、R
5及びR
6はそれぞれ水素である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R
1及びR
3はそれぞれメトキシであり;
R
2はエチルであり;そして
R
4、R
5及びR
6はそれぞれ水素である、
請求項1に記載される化合物。
【請求項5】
R
1及びR
3はそれぞれメトキシであり;
R
2はi-プロピルであり;そして
R
4、R
5及びR
6はそれぞれ水素である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R
1及びR
3はそれぞれメトキシであり;
R
2は2-プロペニルであり;そして
R
4、R
5及びR
6はそれぞれ水素である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
R
1、R
3、R
5及びR
6はそれぞれ水素であり;
R
2はメチルであり;そして
R
4はメトキシである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R
1、R
3、R
4及びR
6はそれぞれ水素であり;
R
2はメチルであり;そして
R
5はメトキシである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R
1、R
5及びR
6はそれぞれ水素であり;
R
2はメチルであり;そして
R
3及びR
4はそれぞれメトキシである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
R
1、R
5及びR
6はそれぞれ水素であり;
R
2はi-プロピルであり;そして
R
3及びR
4はそれぞれメトキシである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
R、R
1、R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれ水素であり;
R
2はメチルである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
R、R
1、R
3、R
5及びR
6はそれぞれ水素であり;
R
2は2-ブテニル(cis)であり;そして
R
4はメトキシである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
R、R
1、R
3、R
5及びR
6はそれぞれ水素であり;
R
2は2-ブテニル(trans)であり;そして
R
4はメトキシである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
R、R
1、R
3、R
5及びR
6はそれぞれ水素であり;
R
2は2-メチル-2-プロペニルであり;そして
R
4はメトキシである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
R、R
1、R
3、R
5及びR
6はそれぞれ水素であり;
R
2はメチルであり;そして
R
4はエチルである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
R、R
1、R
3、R
5及びR
6はそれぞれ水素であり;
R
2はメチルであり;そして
R
4はヒドロキシルである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
R、R
1、R
3、R
5及びR
6はそれぞれ水素であり;
R
2はメチルであり;そして
R
4は臭素である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
R、R
1、R
3、R
5及びR
6はそれぞれ水素であり;
R
2はメチルであり;そして
R
4はヒドロキシエチルである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
R、R
1、R
3、R
5及びR
6はそれぞれ水素であり;
R
2はメチルであり;そして
R
4は2-プロピニルである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
R、R
1、R
5及びR
6はそれぞれ水素であり;
R
2はメチルであり;そして
R
3はメトキシであり、R
4はヒドロキシルであり、そしてR
3及びR
4は一緒に1,3-ジオキソラン基を形成する、
請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1項に記載の化合物を、薬学的に許容しうる担体と一緒に含む、医薬組成物。
【請求項22】
有効量の請求項1~20のいずれか1項に記載の化合物又は請求項21に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、対象においてCNS障害の1つ又はそれ以上の症状を処置する方法。
【請求項23】
有効量の請求項1~20のいずれか1項に記載の化合物又は請求項21に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、対象において抑うつ、アルコール依存、タバコ嗜癖、コカイン嗜癖、炎症、群発頭痛及びPTSDのいずれか1つの1つ又はそれ以上の症状を処置する方法。
【請求項24】
有効量の請求項1~20のいずれか1項に記載の化合物又は請求項21に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、5HT2Aアゴニストにより軽減され得る対象における疾患又は障害を処置する方法。
【請求項25】
CNS障害の1つ又はそれ以上の症状を処置するための、請求項1~20のいずれか1項に記載の化合物又は請求項21に記載の医薬組成物の使用。
【請求項26】
対象において、抑うつ、アルコール依存、タバコ嗜癖、コカイン嗜癖、炎症、群発頭痛及びPTSDのいずれか1つの1つ又はそれ以上の症状を処置するための、請求項1~20のいずれか1項に記載の化合物又は請求項21に記載の医薬組成物の使用。
【請求項27】
5HT2Aアゴニストにより軽減され得る対象における疾患又は障害を処置するための、請求項1~20のいずれか1項に記載の化合物又は請求項21に記載の医薬組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で仮特許出願第63/273,720号(2021年10月29日出願)及び仮特許出願第63/334,443号(2022年4月25日出願)(これらの各々の内容は参照により本明細書に加入される)の利益を主張する。
【0002】
発明の背景
発明の分野
その態様の1つにおいて、本開示は、新規なベンジル-トリプタミン化合物、好ましくは新規なN-メトキシベンジル-トリプタミン化合物に関する。その態様の別のものにおいて、本開示は、ベンジル-トリプタミン化合物、好ましくはN-メトキシベンジル-トリプタミン化合物を製造するための方法に関する。その態様のさらに別のものにおいて、本開示は、新規な医薬組成物に関する。その態様のさらに別のものにおいて、本開示はCNS障害の処置に関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術の記載
シロシビンは、まとめてシロシビンキノコとして知られる200種より多くのキノコにより生成される天然に存在する幻覚作用のあるプロドラッグ化合物である。プロドラッグとして、シロシビンは身体によりすぐに代謝されて生理活性化合物シロシンを生成し、これはリゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)、メスカリン及びN,N-ジメチルトリプタミン(DMT)により生じる作用に似た向精神作用を有する。これらの作用としては、特に、多幸感、視覚的及び心理的幻覚、知覚の変化、歪んだ時間の感覚、及び超自然的な経験が挙げられ、そして悪心及びパニック発作のような可能な有害反応も含まれ得る。
【0004】
精神医学におけるLSDのような他の幻覚作用のある薬物の治療的可能性と併せて、シロシビン及びその治療的可能性は、50年以上前に認識され、そしてHofmann及び共同研究者らによりSandozにおいて研究されていたが(例えば、特許文献1及び2)、シロシビン及び関連幻覚剤(例えば、LSD)の娯楽的使用についてのその後の調査は、1970年代初めに縮小された。それ以来、シロシビンは、多くの国の薬物法により大部分の国において指定乱用薬物として分類されたままである。
【0005】
しかし近年、臨床的検討は、特に満たされていない医学的必要性であるCNS疾患を処置するための画期的な治療としての、幻覚剤及びシロシビンの可能性に対する認識の増加をもたらした。取り組まれ得るこれらの疾患は、アルコール依存並びにコカイン及びタバコ嗜癖とともに、治療抵抗性うつ病(TRD)のような重大な病的状態に関連する治療が困難な心の健康の障害(非特許文献1)に加えて、重大な関連する病的状態も有する群発性頭痛のような神経障害の両方を含む。
【0006】
リン酸フェノール性プロドラッグとして、シロシビンは摂取されると生理活性成分シロシンへと急速に代謝され、次いでこれが脳においてセロトニン受容体に対して作用する。
【化1】
【0007】
5-ヒドロキシトリプタミン受容体(5-HT)受容体、又はセロトニン受容体は、中枢神経系及び末梢神経系の両方において見出されるGタンパク質共役型受容体及びリガンド開口型イオンチャネルの一群である。これらは興奮性神経伝達及び抑制性神経伝達の両方に介在する。5-HT受容体は、天然リガンドであるセロトニンとしてより一般的に知られる神経伝達物質5-ヒドロキシトリプタミンにより活性化される。
【0008】
他のプロドラッグ連結が、非特許文献2及び非特許文献3のような文献において教示される。
【0009】
新規な抗うつ薬として、シロシビンで処置されたがん患者を含む小規模臨床試験において、高用量シロシビンが、生活の質、人生の意義、及び楽観の増加とともに、抑うつ気分及び不安の臨床医評価尺度及び自己評価尺度における大きな減少、並びに死恐怖症の減少をもたらすということがわかった。6か月間の経過観察において、これらの変化は持続され、参加者の約80%が抑うつ気分及び不安の臨床的に有意な減少を示し続けた。
【0010】
DSM-IVに従ってアルコール依存と診断された10人の患者が参加した、アルコール依存の処置における使用のためのシロシビンについての概念実証試験において、患者の間でシロシビン投与後のアルコール使用の有意な減少が観察された(非特許文献4)。
【0011】
シロシビンを用いたタバコ嗜癖の処置に関する研究において、研究者等は、参加者の80パーセントが6か月の経過観察で生物学的に実証された7日間時点禁煙率を示すことを見出した。12か月経過観察は、参加者の67%が禁煙していると生物学的に実証されたことを示した。対象中止日後2.5年の経過観察は、75%が禁煙していることを示した(非特許文献5)。
【0012】
薬理学的には、生理活性成分のシロシンは、以下の表1にまとめられるようにインビトロ受容体結合及び機能的アッセイから、多数のセロトニン受容体サブタイプで作用することが示されており、これはセロトニンとのその構造的類似性と一致する(非特許文献6)。
【0013】
【0014】
シロシンは、(LSDと異なり)ドパミン受容体に対する有意な効果を示さず、非常に高い投薬量ではノルアドレナリン作動系に対してのみ作用するようである。治療的有用性及び制限との特定の関連性がある多様な薬理効果は、機能的アゴニストとして具体的に5-HT2A、5-HT2B、及び5-HT2C受容体のシロシンの活性化により説明され得る。
【0015】
受容体結合アッセイは、受容体分子と任意の可能性のあるリガンドとの間の相互作用を特徴づけるために使用される。このようなアッセイは、リガンドの受容体に対する固有の親和性、結合/解離速度、そして組織又は細胞における受容体の密度も決定することができる。受容体結合アッセイは、典型的には、受容体からの下流シグナル伝達を含まない多くのGPCR(5HT受容体はGタンパク質共役型受容体(G-Protein Coupled Receptors)である)スクリーニングに適した無細胞法である。この種のアッセイは、候補化合物がアゴニストか、アンタゴニストか、又は逆アゴニストかを区別することができず、それが受容体に結合するか否かのみを識別する。化合物結合後の生物学的応答の分析は、機能的アッセイを必要とする。リガンドが結合すると、GPCRはそれらのコンホメーションを変化させ、そして共役Gタンパク質を活性化し、これが続いて下流エフェクターを介して第2のメッセンジャー産生を促進する。機能的アッセイは、Gタンパク質活性化又は第2メッセンジャー生成及びレポーター活性を含むGタンパク質介在性事象のいずれかを測定し、それ故、Gタンパク質依存性機能的アッセイと定義される。(非特許文献7)。
【0016】
シロシビンについての治療的能力に対する公知の制限は、5-HT2B受容体でのシロシンの強力なアゴニスト活性から予測され得る深刻な毒性学的安全性の不利益、すなわち心弁膜症である。従って、5-HT2B受容体アゴニスト活性を有する以前の薬物は、心弁膜症(非特許文献8;非特許文献9)及び肺高血圧症(非特許文献10)のような生命を脅かす副作用を有することが見出された。さらに、潜在する心血管系の問題を有する人物は、5-HT2B受容体を活性化する幻覚作用を有する分子の低頻度の使用でも生じ得る望ましくない心血管系の変化により感受性であるので、幻覚作用のある化合物及び薬剤の著しく有効な能力にアクセスすることから除外され得る。
【0017】
脳において作用する5-HT2C受容体アゴニストの開発は、肥満を処置することに集中された(非特許文献11;非特許文献12)。5-HT2Bに対して5-HT2Cの選択的アゴニストであるロカセリン(Locaserin)は、患者において心弁膜症の増加した危険性を有していないことが示され、そして肥満の処置についてFDAに承認された(非特許文献13)。
【0018】
Sardらは、シロシンアナログの合成及び5-HT2受容体活性の特徴づけを記載した(非特許文献14;特許文献3;特許文献4)。これらの研究の目的は5-HT2C選択的アゴニストを同定することであり、そして5-HT2Bアゴニスト機能的活性を欠いている強力な5-HT2Cアゴニスト機能的活性を有するシロシンアナログが同定された。
【0019】
このプロフィールを有する選択されたアナログは、活性参照化合物としてシロシビン及びシロシンと対比して、強迫性障害(OCD)マウス挙動モデルにおいても試験された(非特許文献15)。この報告において、シロシンの1-メチルアナログ化合物である化合物1は、5-HT2A及び5-HT2B受容体と対比してヒト5-HT2C受容体でのホスホイニシトール(phosphoinisitol)加水分解の活性化に関して高い機能的アゴニスト選択性を有することが見出された。ヒト5-HT2C受容体について化合物1は、セロトニン(100%に設定される)と対比して約45%の機能的有効性応答で12nMの効力を有すると報告された。ヒト5-HT2A受容体では、化合物Aはセロトニンと対比して約30%の機能的有効性応答で633nMの効力を有すると報告された。化合物1は、5-HT2B受容体でアゴニストとして不活性であるが、強力なアンタゴニスト(38nM)であることが報告された。最後に、化合物1について実証されたマウスOCDモデルにおける有効性は、5-HT2C受容体アゴニスト活性が原因とされた。化合物1は、後に5-HT2A活性についてのマウス頭部れん縮アッセイモデルにおいて有効であることが見出されたが、シロシンと比べてかなり低かった(非特許文献16)。化合物6、シロシンの1-ブチルアナログは、5-HT2Cアゴニストに選択的であることが報告されたが、効力はかなり低く(約600nM)、インドール1位窒素での基置換のサイズが増大するにつれて効力が劇的に失われることを示す。
【0020】
【0021】
シロシビンは、治療抵抗性うつ病(TRD)、アルコール依存、喫煙、及び群発頭痛を含む多様なCNS疾患及び障害を処置するための認められている治療的効力を有するが、5-HT2A受容体アゴニスト活性を維持するが心毒性の5-HT2Bアゴニスト活性を欠いている、より安全な薬物及びシロシンのアナログの満たされていない必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】Hofmann、A.、Troxler、F.米国特許第3,075,992号
【特許文献2】米国特許第3,078,214号
【特許文献3】Sardら、Indole Compounds Useful as Serotonin Selective Agents;国際公開第WO 2006/047302A1号
【特許文献4】Sardら、Indole Compounds and Methods of Use Thereof、米国特許出願公開第US2009/033822号
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】Daniel J、Haberman M. Clinical potential of psilocybin as a treatment for mental health conditions. Ment. Health Clin. 2017、7(1)、24-8
【非特許文献2】Wiemerら Top Curr Chem. 2015; 360:115-160
【非特許文献3】Mahatoら Adv Drug Deliv Rev. 2011 Jul 18; 63(8):659-670
【非特許文献4】Bogenschutz MPら、Psilocybin-assisted treatment for alcohol dependence:a proof-of-concept study. J. Psychopharmacol. 2015、29(3)、289-99
【非特許文献5】Johnson、M. W.及びGriffiths、R. R. (2017) Potential Therapeutic Effects of Psilocybin. Neurotherapeutics. 14、734
【非特許文献6】Geiger H. A.、Wurst M. G.、Daniels R. N.、「DARK Classics in Chemical Neuroscience:Psilocybin」, ACS Chem. Neurosci. 2018、9(10)、2438-2447
【非特許文献7】Zhang R、Xie X Acta Pharamaca Sinica 2012、33,372
【非特許文献8】Rothman、R.、Baumann、M.、Savage、J.、Rauser、L、McBride、A.、Hufeisen、S.、Roth、B.L.「Evidence for Possible Involvement of 5-HT2B Receptors in the Cardiac Valvulopathy Associated with Fenfluramine and other Serotonergic Medications」 Circulation 2000、102、2836
【非特許文献9】Fitzgerald、L.、Bum、T.、Brown、B.、Patterson、J.、Corjay、M.、Valentine、P.、Sun、J-H.、Link、J.、Abbaszade、I.、Hollis、J.、Largent、B.、Hartig、P.、Hollis、G.、Meunier、P.、Robichaud、A.、Robertson、D. 「Possible Role of Valvular Serotonin 5-HT2B Receptors in the Cardiopathy Associated with Fenfluramine」 Mol. Pharmacol. 2000、57、75
【非特許文献10】Launay、J.、Herve、P.、Peoc’h、K.、Toumois、C.、Callebert、J.、Nebigil、C.、Etienne、N.、Drouet、L.、Humbert、M.、Simonneau、G.、Maroteaux、L.「Function of the Serotonin 5-Hydroxytryptamine 2B Receptor in Pulmonary Hypertension」 Nature Med.2002、8、1129
【非特許文献11】Bickerdike、M.、Vickers、S.、Dourish、C. 「5-HT2C Receptor Modulation and the Treatment of Obesity」Diabetes Obes.Metab.1999、1、207
【非特許文献12】Martin、J.、Bos、M.、Jenck、F.、Moreau、J-L.、Mutel、V.、Sleight、A.、Wichmann、J.、Andrews、J.、Berendsen、H.、Broekkamp、C.、Ruight、G.、Kohler、C.、van Delft、A.M.L.「5-HT2C Receptor Agonists:Pharmacological Characteristics and Therapeutic Potential」J.Pharm. Exp Ther.1998、286、913
【非特許文献13】Shukla AP、Kumar RB、Aronne LJ (2015).「Lorcaserin HCI for the treatment of obesity」.Expert Opinion on Pharmacotherapy.76(16):2531-8
【非特許文献14】Sard H.、Kumaran G.、Morency C.、Roth B.L.、Toth B.A.、He P.、Shuster L.「SAR of psilocybin analogs:discovery of a selective 5-HT2C agonist」 Bioorg. Med. Chem. Lett.2005、75(20)、4555-9
【非特許文献15】Sard H.、Kumaran G.、Morency C.、Roth B.L、Toth B.A.、He P.、Shuster L.「SAR of psilocybin analogs:discovery of a selective 5-HT2C agonist」Bioorg. Med.Chem.Lett.2005、15(20)、4555-9
【非特許文献16】Halberstadt、A.L.、Koedood、L. Powell、S.B.and Geyer、M.A.「Differential contributions of serotonin receptors to the behavioral effects of indoleamine hallucinogens in mice」 Journal of Psychopharmacology、2011、25、1548-1561
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
5-HT2Bと対比して5-HT2Aに対するこの選択性プロフィールを有する化合物は、様々なCNS疾患を処置するための幅広い効力を有すると記載される。しかし、シロシビンはこの特定のプロフィールに合わないので、薬物治療としてのその可能性のある適用は限定されたままである。シロシンと同じ薬理特性の一部を有するが、心弁膜症のような望ましくない副作用と関連付けられたその5-HT2Bアゴニスト活性を欠いているトリプタミン5HT2Aアゴニストを作製することが望ましいだろう。
【課題を解決するための手段】
【0025】
発明の要旨
先行技術の上述の不利な点のすくなくとも1つを取り除くか又は軽減することが本開示の目的である。
【0026】
新規なベンジル-トリプタミン化合物、好ましくは新規なN-メトキシベンジル-トリプタミン化合物を提供することが本開示の別の目的である。
【0027】
本開示のベンジル-トリプタミン化合物、好ましくは本開示のN-メトキシベンジル-トリプタミン化合物を製造するための新規な方法を提供することが、本開示の別の目的である。
【0028】
従って、その態様の1つにおいて、本開示は、式(I):
【化3】
の化合物及びその任意の薬学的に許容しうる塩又は双性イオンを提供し;
式中:
Rは、水素、メチル又はエチルであり;
R
1は、水素又はC
1-C
2アルコキシであり;
R
2は、メチル、又は飽和でも不飽和でも、分枝でも直鎖でもよいC
2-C
4基であり;そして
R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、ヒドロキシで場合により置換されたメチル、メトキシ、エトキシ、及びヒドロキシルで場合により置換されてもよい飽和又は不飽和C
2-C
3から選択され、ただし:(i)R
4、R
5、R
6及びR
7の少なくとも2つは水素でなければならず、かつ(ii)R
3、R
4、R
5及びR
6は、その隣接する対が少なくとも5員を有する環を一緒に形成するように選択され得る。
【0029】
その態様の別のものにおいて、本開示は、式(I):
【化4】
[式中:
Rは、水素、メチル又はエチルであり;
R
1は、水素又はC
1-C
2アルコキシであり;
R
2は、メチル、又は飽和でも不飽和でも、分枝でも直鎖でもよいC
2-C
4基であり;そして
R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、ヒドロキシで場合により置換されたメチル、メトキシ、エトキシ、及びヒドロキシルで場合により置換されてもよい飽和又は不飽和C
2-C
3から選択され、ただし:(i)R
4、R
5、R
6及びR
7の少なくとも2つは水素でなければならず、かつ(ii)R
3、R
4、R
5及びR
6は、その隣接する対が少なくとも5員を有する環を一緒に形成するように選択され得る];
の化合物及びその任意の薬学的に許容しうる塩又は双性イオン
を含む医薬組成物を提供する。
【0030】
本発明者らは、式(I)の化合物が、5HT2B受容体に結合するがそれを活性化しないということを予期せず発見し、そしてそれらは、5-HT2B受容体においてセロトニンに関連するアンタゴニストであることが示され、従ってそれらは弁膜症(valvopathies)に関して潜在的に安全であり、そしてさらに上記化合物は5-HT2A受容体におけるアゴニスト活性を維持しており、それ故治療剤として広い有用性を有すると期待される。従って、式(I)の化合物は、5-HT2Bと対比して5-HT2Aに対する選択性プロフィールを有すると思われ、シロシビンの上記の欠点を克服しながら様々なCNS疾患を処置する広い可能性を有すると考えられる。本発明者等は、式(I)の化合物の重大な利点は、それらが5-HT2Bのアゴニストとして作用しないだろうということであると考える。
【0031】
一般に好ましい実施形態において、式(I)の化合物は、チェン-プルソフ式に従って決定された、約500nM未満もしくは約300nM未満又は約0.1nM~約100nmの範囲もしくは約0.1nM~約30nMの範囲もしくは約0.1nM~約5nMの範囲の5-HT2A結合定数(Ki)を有する。さらに、本発明の化合物は、5-HT2Aの活性化が5-HT2Bよりも10倍又はそれ以上、20倍又はそれ以上、50倍又はそれ以上、100倍又はそれ以上優っている選択性を示す。いくつかの実施形態において、これらの分子は、5-HT2Aの強力な活性化因子であるが、5-HT2Bを活性化せず、アンタゴニスト又は不活性であり、なお5-HT2B受容体に結合する。
【0032】
図面の簡単な説明
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して記載され、ここで類似した参照番号は類似した部分を示す:
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、実施例9において観察された結果に関連する血漿プロフィールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
好ましい実施形態の詳細な説明
本明細書において使用されるように、用語「約」は、記載された値を説明するために使用される場合、記載された値の5%以内を意味する。
【0035】
本明細書において使用される場合、用語「担体」は、希釈剤、アジュバント、又は賦形剤を指し、本明細書に記載されるシロシビンアナログは、これらとともに投与され得る。このような医薬担体は、水及び油のような液体であり得、これらとしては、石油、動物、植物又は合成起源のもの、例えば落花生油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などが挙げられる。担体は、食塩水、アカシアゴム、ゼラチン、デンプン糊、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素などであり得る。さらに、補助剤、安定化剤、増粘剤、滑沢剤、及び着色剤が使用され得る。薬学的に許容しうる担体は無菌である。
【0036】
本明細書において使用される場合、用語「化学実体」は、その「遊離」形態(例えば、「遊離化合物」又は該当する場合は「遊離塩基」もしくは「遊離酸」形態)であろうと、又は塩形態、特に薬学的に許容しうる塩形態であろうと、そしてさらに固体状態形態であろうとなかろうと、示された構造を有する化合物を指す。いくつかの実施形態において、固体状態形態は非定形(すなわち、非晶質)形態であり;いくつかの実施形態において、固体状態形態は結晶形態である。いくつかの実施形態において、結晶形態(例えば、多形、擬水和物(pseudohydrate)、又は水和物)である。同様に、この用語は、固体形態でもその他の形態で提供されてもその化合物を包含する。別段特定されていなければ、「化合物」に関して本明細書において記述される全ての記述は、定義されるような関連する化学実体に適用される。
【0037】
本明細書において使用されるように、用語「含むこと(comprising)」、「有すること」、「含むこと(including)」及び「含有すること」、並びにそれらの文法的変形は包括的又はオープンエンドであり、かつ追加の記述されていない要素及び/又は方法工程を除外しない。組成物、使用又は方法に関連して本明細書において使用される場合の用語「本質的に~からなる」は、追加の要素、方法工程又は追加の要素及び方法工程の両方が存在していてもよいが、これらの追加は、記述される組成物、方法又は使用が機能する様態に実質的に影響を及ぼさないということを示す。組成物、使用又は方法に関して本明細書において使用される場合の用語「からなる」は、追加の要素及び/又は方法工程の存在を除外する。
【0038】
本明細書において使用される場合、用語「薬学的に許容しうる塩」は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを伴わずにヒト及び下等動物の組織と接触する使用に適しており、かつ合理的なベネフィット・リスク比に見合う塩を指す。薬学的に許容しうる塩は当該分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences、1977、66、1-19において薬学的に許容しうる塩を詳細に記載する。本開示の化合物の薬学的に許容しうる塩は、適切な無機及び有機酸及び塩基から誘導されたものを含む。
【0039】
薬学的に許容しうる非毒性酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸のような無機酸と、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸のような有機酸と形成された、又はイオン交換のような当該分野で使用される他の方法を使用することにより形成されたアミノ基の塩である。他の薬学的に許容しうる塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、カンホラート、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコナート、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチナート(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が挙げられる。適切な塩基から誘導された塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及びN+(C1-4アルキル)4塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。さらなる薬学的に許容しうる塩としては、適切な場合、ハロゲン化物、ヒドロキシド、カルボキシラート、サルファート、ホスファート、ナイトラート、低級アルキルスルホナート、及びアリールスルホナートのような対イオンを使用して形成された非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、及びアミンカチオンが挙げられる。
【0040】
本明細書において使用される場合、用語「対象」は、哺乳動物(例えば、ヒト、いくつかの実施形態では出生前ヒト形態を含む)を含む。いくつかの実施形態において、対象は関連する疾患、障害、又は状態に罹患している。いくつかの実施形態において、対象は、疾患、障害、又は状態に罹りやすい。いくつかの実施形態において、対象は、疾患、障害、又は状態の1つ又はそれ以上の症状又は特徴を示す。いくつかの実施形態において、対象は、疾患、障害、又は状態のいずれの症状又は特徴も示さない。いくつかの実施形態において、対象は、疾患、障害、又は状態に対する感受性又はそれらの危険性の1つ又はそれ以上の特徴を有する者である。いくつかの実施形態において、対象は患者である。いくつかの実施形態において、対象は診断及び/又は治療が行われ、かつ/又は行われたことがある個体である。いくつかの実施形態において、対象は、胎児、乳児、小児、ティーンエイジャー、成人、又は高齢者(すなわち、対象は50歳より上のような高齢である)である。いくつかの実施形態において、小児は2歳と18歳との間のヒトを指す。いくつかの実施形態において、成人は18歳又はそれ以上のヒトを指す。
【0041】
式(I)の化学実体
本開示は、式(I):
【化5】
の化合物及びその任意の薬学的に許容しうる塩又は双性イオンを提供し;
式中:
Rは水素、メチル又はエチルであり;
R
1は水素又はC
1-C
2アルコキシであり;
R
2は、メチル、又は飽和でも不飽和でも、分枝でも直鎖でもよいC
2-C
4基であり;そして
R
3、R
4、R
5及びR
6はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、ヒドロキシで場合により置換されたメチル、メトキシ、エトキシ、及びヒドロキシルで場合により置換されていてもよい飽和又は不飽和のC
2-C
3から選択され、ただし:(i)R
4、R
5、R
6及びR
7の少なくとも2つは水素でなければならず、かつ(ii)R
3、R
4、R
5及びR
6は、それらの隣接する対が、少なくとも5員を有する環を一緒に形成するように選択され得る。
【0042】
好ましい実施形態において、R2は、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、2-ブテニル(trans)及び2-ブテニル(cis)からなる群から選択される。
【0043】
好ましい実施形態において、R3、R4、R5及びR6は、それらの隣接する対が、少なくとも5員、好ましくは5~8員、好ましくは5又は6員、好ましくは5員を有する環を一緒に形成するように選択され得る。好ましい実施形態において、環は好ましくは少なくとも1個、好ましくは1個又は2個の酸素原子を含有する。
【0044】
好ましい実施形態において:
R1及びR3はそれぞれメトキシであり;
R2はメチルであり;そして
R、R4、R5及びR6それぞれ水素である。
【0045】
好ましい実施形態において:
R1及びR3はそれぞれメトキシであり;
R2はエチルであり;そして
R、R4、R5及びR6はそれぞれ水素である。
【0046】
好ましい実施形態において:
R1及びR3はそれぞれメトキシであり;
R2はi-プロピルであり;そして
R、R4、R5及びR6はそれぞれ水素である。
【0047】
好ましい実施形態において:
R1及びR3はそれぞれメトキシであり;
R2は2-プロペニルであり;そして
R、R4、R5及びR6はそれぞれ水素である。
【0048】
好ましい実施形態において:
R、R1、R3、R5及びR6はそれぞれ水素であり;
R2はメチルであり;そして
R4はメトキシである。
【0049】
好ましい実施形態において:
R、R1、R3、R4及びR6はそれぞれ水素であり;
R2はメチルであり;そして
R5はメトキシである。
【0050】
好ましい実施形態において:
R、R1、R5及びR6はそれぞれ水素であり;
R2はメチルであり;そして
R3及びR4はそれぞれメトキシである。
【0051】
好ましい実施形態において:
R、R1、R5及びR6はそれぞれ水素であり;
R2はi-プロピルであり;そして
R3及びR4はそれぞれメトキシである。
【0052】
好ましい実施形態において:
R、R1、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ水素であり;
R2はメチルである。
【0053】
好ましい実施形態において:
R、R1、R3、R5及びR6はそれぞれ水素であり;
R2は2-ブテニル(cis)であり;そして
R4はメトキシである。
【0054】
好ましい実施形態において:
R、R1、R3、R5及びR6はそれぞれ水素であり;
R2は2-ブテニル(trans)であり;そして
R4はメトキシである。
【0055】
好ましい実施形態において:
R、R1、R3、R5及びR6はそれぞれ水素であり;
R2は2-メチル-2-プロペニルであり;そして
R4はメトキシである。
【0056】
好ましい実施形態において:
R、R1、R3、R5及びR6はそれぞれ水素であり;
R2はメチルであり;そして
R4はエチルである。
【0057】
好ましい実施形態において:
R、R1、R3、R5及びR6はそれぞれ水素であり;
R2はメチルであり;そして
R4はヒドロキシルである。
【0058】
好ましい実施形態において:
R、R1、R3、R5及びR6はそれぞれ水素であり;
R2はメチルであり;そして
R4は臭素である。
【0059】
好ましい実施形態において:
R、R1、R3、R5及びR6はそれぞれ水素であり;
R2はメチルであり;そして
R4はヒドロキシエチルである。
【0060】
好ましい実施形態において:
R、R1、R3、R5及びR6は水素であり;
R2はメチルであり;そして
R4は2-プロピニルである。
【0061】
好ましい実施形態において:
R、R1、R5及びR6はそれぞれ水素であり;
R2はメチルであり;そして
R3はメトキシであり、R4はヒドロキシルであり、そしてR3及びR4は1,3-ジオキソラン基を一緒に形成する。
【0062】
別段記述されていなければ、本明細書において示される構造は、その構造の全ての異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー、及び幾何(又は配座))形態;例えば、各不斉中心についてのR及びS配置、Z及びE二重結合異性体、並びにZ及びE配座異性体を含むことも意図される。従って、本開示の化合物の単一の立体化学異性体、さらには鏡像異性体、ジアステレオマー、及び幾何(又は配座)混合物は本発明の範囲内である。別段記述されていなければ、本発明の化合物の全ての互変異性体形態は、本発明の範囲内である。さらに、別段記述されていなければ、本明細書において示される構造は、1つ又はそれ以上の同位体濃縮原子の存在のみが異なる化合物を含むことも意図される。例えば、水素、炭素、窒素、酸素、塩素、又はフッ素のそれぞれ2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、17O、18O、36Cl又は18Fとの置き換えを含む本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。このような化合物は、例えば、分析ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、又は本開示に従う治療剤として有用である。さらに、重水素(2H)のようなより重い同位体の組み込みは、より高い代謝安定性から生じる特定の治療的利点、例えば、インビボ半減期の増加又は減少した投薬量必要量を与えることができる。
【0063】
別段記述されていなければ、ジアステレオマー過剰率は%deと表され、すなわち、ジアステレオマーX及びYについて、Xのジアステレオマー過剰率=((x-y)/(x+y))*100であり、ここでx及びyはそれぞれX及びYの割合である。
【0064】
別段記述されていなければ、鏡像異性体過剰率は%eeと表され、すなわち、鏡像異性体X及びYについて、Xの鏡像異性体過剰率=((x-y)/(x+y))*100であり、ここでx及びyはそれぞれX及びYの割合である。
【0065】
製剤化及び組成物
本開示はまた、1つ又はそれ以上の薬学的に許容しうる担体(添加剤)及び/又は希釈剤、並びに場合により、1つ又はそれ以上のさらなる治療剤と一緒に製剤化された、治療有効量の本明細書において記載される化合物の1つ又はそれ以上を含む薬学的に許容しうる組成物を提供する。本明細書において記載される化合物が単独で投与されることは可能であるが、化合物を医薬組成物として投与することが好ましい。
【0066】
用語「医薬組成物」は、少なくとも1つのさらなる薬学的に許容しうる担体と組み合わせて本開示の化合物を含む組成物を意味する。「薬学的に許容しうる担体」は、動物、特に哺乳動物への生物学的に活性な薬剤の送達について当該分野において一般的に認められた媒体を指し、すなわち、投与様式及び投薬形態の性質に依存して、アジュバント、賦形剤又は希釈剤のようなビヒクル、浸透圧補完剤、(osmotic complement)、保存剤、増量剤、流動性調節剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、矯味剤、芳香剤、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤、ポリマー、可溶化剤、安定化剤、抗酸化剤及び分散剤が挙げられる。各担体は、製剤の他の成分と適合性であるという意味で「許容しうる」ものでなければならず、かつ患者に対して有害であってはならない。
【0067】
本明細書において使用されるように、「経口」投与は、胃又は腸における摂取のための嚥下を含み、そしてさらに、舌、舌下、頬側及び中咽頭投与を含む。本開示の化合物は、任意の適切な手段、例えば、錠剤、カプセル剤(これらは各々、徐放又は持続放出の製剤を含み得る)、丸剤、散剤、顆粒、エリキシル剤、懸濁剤(ナノ懸濁剤、マイクロ懸濁剤、噴霧乾燥分散を含む)、シロップ剤、及び乳剤のような経口;舌下(例えば、薄膜、発泡性錠剤又は舌下で自然に溶解する錠剤);皮下、静脈内、筋肉内注射、又は注入技術(例えば、無菌注射可能水性又は非水性の液剤又は懸濁剤)によるような非経口;鼻粘膜への投与を含む吸入スプレーによるような経鼻;又は坐剤の形態におけるような直腸により、本明細書において記載される使用又は方法のいずれかのために投与され得る。
【0068】
本明細書において記載される化合物についての投薬レジメンは、当然のことながら、特定の薬剤の薬物動態及び薬力学的特徴、並びにその投与様式及び投与経路;レシピエントの種、年齢、性別、健康、医学的状態、及び体重;症状の性質及び程度;同時処置の種類;処置の頻度;投与経路、患者の腎臓及び肝臓の機能;並びに、所望される効果のような既知の因子によって変わる。選択された投薬レベルもまた、本明細書において記載される特定の化合物及び医薬組成物の活性、化合物のエステル、塩又はアミド置換基が使用されるかどうか、投与の時間、使用される特定の化合物の排出又は代謝の速度、吸収の速度及び程度、処置期間、患者に投与され得る他の薬物、使用される特定の化合物と組み合わせて使用される化合物及び/又は材料を含むさらなる因子に依存し得、そして同様の因子が医学技術分野において周知である。
【0069】
一般に、示された効果のために使用される場合、治療セッションのためのプロドラッグの投薬量は、10、20、30、40、50、100又は200mgのような、1用量あたり約0.001~約500mgの間、好ましくは1用量あたり約0.01~約200mgの間、及び最も好ましくは1用量あたり約1~約50mgの間の範囲に及ぶ。静脈内では、最も好ましい用量は、一定速度の注入の間、約0.01~約10mg/kg/分の範囲に及ぶ。
【0070】
本開示の化合物は単一日用量で投与され得、又は1日に2回、3回、もしくは4回のような複数回に分けられた用量で合計日用量が投与され得る。あるいは、用量は、毎週、2週間毎、又は毎月提供され得る。好ましい実施形態において、1、2、3又は6か月、又はそれ以上延長され得るよりも、抗うつ効果のために1回又は2回の用量しか必要としない。
【0071】
錠剤投薬形態について、用量に依存して、薬物は、投薬形態の1質量%~80質量%、より典型的には投薬形態の5質量%~60質量%を構成し得る。薬物に加えて、錠剤は一般的には崩壊剤を含有する。崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン及びアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般に、崩壊剤は投薬形態の1質量%~25質量%、好ましくは5質量%~20質量%を構成する。
【0072】
結合剤は、一般的には錠剤製剤に凝集性を付与するために使用される。適切な結合剤としては、微結晶セルロース、ゼラチン、糖類、ポリエチレングリコール、天然及び合成ゴム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。錠剤は、乳糖(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、微結晶セルロース、デンプン及びリン酸水素カルシウム二水和物のような希釈剤を含有していてもよい。
【0073】
錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベート80のような界面活性剤、及び二酸化ケイ素及びタルクのような流動促進剤を場合により含んでいてもよい。存在する場合、界面活性剤は典型的には錠剤の0.2質量%~5質量%の量で、そして流動促進剤は典型的には錠剤の0.2質量%~1質量%の量である。
【0074】
錠剤はまた、一般的には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムのラウリル硫酸ナトリウムとの混合物のような滑沢剤を含有する。滑沢剤は、一般的には錠剤の0.25質量%~10質量%、好ましくは0.5質量%~3質量%の量で存在する。
【0075】
他の従来の成分としては、抗酸化剤、着色剤、矯味剤、保存料及び味覚マスキング剤が挙げられる。
【0076】
例となる錠剤は、薬物約80質量%まで、結合剤約10質量%~約90質量%、希釈剤約0質量%~約85質量%、崩壊剤約2質量%~約10質量%、及び滑沢剤約0.25質量%~約10質量%を含有する。
【0077】
錠剤ブレンドは、直接又はローラーにより圧縮されて錠剤を形成し得る。あるいは、錠剤ブレンド又はブレンドの一部は、湿式、乾式、もしくは溶融造粒、溶融凝固、又は打錠前に押し出し造粒され得る。最終製剤は1つ又はそれ以上の層を含んでいてもよく、そしてコーティングされていてもされていなくてもよく;又はカプセル封入されていてもよい。
【0078】
錠剤の製剤化は、H.Lieberman及びL.Lachmanにより「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets、Vol.1」、Marcel Dekker、N.Y.、N.Y.、1980(ISBN 0 8247 6918 X)において詳細に考察される。
【0079】
経口投与のための典型的なカプセル剤は、少なくとも1つの本開示の化合物(例えば、25mg)、乳糖(例えば、75mg)、及びステアリン酸マグネシウム(例えば、15mg)を含有する。この混合物は60メッシュ篩に通し、そしてNo.1ゼラチンカプセルに詰められる。
【0080】
液体製剤は、懸濁剤、液剤、シロップ及びエリキシル剤を含む。このような製剤は、軟又は硬カプセル中のフィラーとして使用され得、そして典型的には、担体、例えば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、又は適切な油、及び1つ又はそれ以上の乳化剤及び/又は懸濁化剤を含む。液体製剤はまた、例えばサシェからの固体の再構成により調製され得る。
【0081】
本開示の化合物は、血流中へ、筋肉中へ、又は内蔵中へ直接投与されてもよい。非経口投与のための適切な手段としては、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内及び皮下が挙げられる。非経口投与のための適切なデバイスとしては、針(マイクロニードルを含む)注射器、針なし注射器及び注入技術が挙げられる。
【0082】
非経口製剤は、典型的には塩、炭水化物及びpH調整剤又は緩衝剤(好ましくは3.0~7.0、好ましくは4.0~6.0、そしてより好ましくは4.5~5.5のpHに)のような賦形剤を含有し得る水溶液であるが、いくつかの適用については、これらは無菌非水性液剤として又は滅菌、パイロジェンフリー水もしくは予め作製された、成分調合済み水性緩衝液のような適切なビヒクルと併せて使用される乾燥形態としてより適切に製剤化され得る。浸透圧性薬剤は、浸透圧を制御するために含まれ得る。
【0083】
例えば凍結乾燥による無菌条件下でのポイントオブケアでの再構成のための非経口キットの製造は、当業者に周知の標準的な製薬技術を使用して容易に達成され得る。
【0084】
典型的な注射可能製剤は、少なくとも1つの本開示の化合物(例えば、25mg)を滅菌ろ過溶液としてバイアル中に無菌で入れ、無菌で凍結乾燥し、そして密閉することにより製造され得る。使用のために、バイアルの内容物を、わずかに酸性から中性pH(例えば、pH4~7)を達成するために場合により適切な量の浸透圧補完及びpH調整剤とともに、例えば注射用生理食塩水2mLと混合して、低刺激であるがプロドラッグの溶解性及び/又は安定性は保持した注射可能製剤を製造する。
【0085】
本開示の化合物は、上述の投与様式のいずれかにおける使用のために、それらの溶解性、溶解速度、味覚マスキング、バイオアベイラビリティ及び/又は安定性を改善するために、シクロデキストリン及びその適切な誘導体又はポリエチレングリコール含有ポリマーのような可溶性高分子実体と組み合わせされ得る。
【0086】
例えば、薬物シクロデキストリン複合体は、大部分の投薬形態及び投与経路のために一般的に有用であることが分かっている。包摂錯体及び非包摂錯体の両方が使用され得る。薬物との直接複合体化の代替として、シクロデキストリンは、補助添加剤として、すなわち、担体、希釈剤又は可溶化剤として使用され得る。アルファ、ベータ及びガンマシクロデキストリンがこれらの目的のために最も一般的に使用され、これらの例は、国際公開第WO91/11172号、同第WO94/02518号及び同第WO98/55148号において見出され得る。
【0087】
選択された投与経路にかかわらず、適切な水和形態で使用され得る本開示の化合物、及び/又は本開示の医薬組成物は、当業者に公知の従来の方法により薬学的に許容しうる投薬形態に製剤化される。本開示の医薬組成物中の活性成分の実際の投薬レベルは、特定の患者、組成物及び投与様式について望ましい治療応答を達成するために有効な活性成分の量を得るように変更され得る。
【0088】
当該分野において通常の技術を有する医師又は獣医は、必要とされる医薬組成物の有効量を容易に決定し、そして処方することができる。例えば、医師又は獣医は、所望の治療効果を達成するために必要とされるレベルより低いレベルで医薬組成物において使用される本開示の化合物の投薬を開始し、そして所望の効果が達成されるまで徐々に投薬量を増加させ得る。
【0089】
一般に、本開示の化合物の日用量は、治療効果を生じるために有効な最も低い用量である化合物の量である。このような有効用量は、一般的に上記の因子に依存する。
【0090】
本明細書において使用されるように、「治療有効量」は、処置される障害の症状の1つ又はそれ以上をある程度まで軽減する、投与される化合物の量を指す。抑うつの処置に関して、治療有効量は、抑うつの重症度を低減する効果を有する量を指す。抑うつの重症度は、DSM-5のための構造化面接(Structured Clinical Interview)(SCID-5)及びGRID-ハミルトンうつ病評価尺度(Hamilton Depression Rating Scale)(GRID-HAMD)のような周知の構造化評価ツールを使用して評価され得る。治療有効量は、幻覚状態に必要な量より少ない量であり得る。
【0091】
有効投薬量は、1回又はそれ以上の投与で投与され得る。本開示の目的のために、薬物、化合物又は医薬組成物の有効投薬量は、直接的又は間接的に、予防的又は治療的処置を達成するために十分な量である。臨床の文脈において理解されるように、薬物、化合物又は医薬組成物の有効投薬量は、別の治療、薬物、化合物又は医薬組成物と併せて達成されるかもしれないし、達成されないかもしれない。
【0092】
治療方法及び使用
本開示の新規な化合物を用いた処置は、特に抑うつの処置のための精神療法と組み合わせて使用される場合、臨床的又は無症候性の抑うつを実質的に軽減し得、そして再発を回避し得る。有効用量のシロシビンの投与が抑うつ症状の急速な大きな減少をもたらすことが知られており、そして多くの対象は4週間の経過観察を通して寛解を達成する(Davisら)。理論に制限されないが、幻覚状態は有利な効果と関連していると考えられるが、しかし5HT2Aアゴニストであるいくつかの化合物は、幻覚状態を伴わずに望ましい治療効果をもたらし得る。本開示の一態様は、有益な治療状態を提供する5HT2Aアゴニストのプロドラッグを含む。
【0093】
一般に、本開示は、5HT2Aアゴニストにより軽減され得る任意の疾患もしくは障害を処置するための、本明細書における本開示の化合物の使用、又は5HT2Aアゴニストにより軽減され得る任意の疾患又は障害を処置するための薬剤を製造するための、本明細書における本開示の化合物の使用、又は5HT2Aアゴニストにより軽減され得る任意の疾患又は障害を処置する方法を含む。
【0094】
いくつかの実施形態において、本発明は、精神障害を処置するための本開示の化合物の使用を含み得る。いくつかの実施形態において、本発明は、抑うつ、及び特に薬剤抵抗性うつ病を処置するための本開示の化合物の使用を含み得る。処置され得る他の状態としては:進行期の疾病(例えば、がん)における不安に加えて全般不安症を含む不安症、うつ病、産後うつ病を含む抑うつ、群発頭痛、強迫性障害、素行症を含むパーソナリティ障害、アルコール依存、ニコチン依存、オピオイド依存、コカイン依存を含む薬物障害及びギャンプル障害を含む他の嗜癖、摂食障害及び醜形恐怖症、慢性疼痛又は慢性疲労が挙げられる。
【0095】
いくつかの実施形態において、本発明は、代謝症候群及びインスリン抵抗性を処置するための本開示の化合物の使用を含み得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、本発明は、治療有効量の本開示の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、精神障害を処置する方法を含み得る。一実施形態において、治療有効量の本開示の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、抑うつを処置する方法が提供される。抑うつは、薬剤抵抗性うつ病又はうつ病であり得る。
【0097】
例えば、抑うつと診断された患者は処置の前にスクリーニングされ得、次いで訓練された心理療法士による投薬セッションの準備をする。投薬セッション内で、本開示の化合物は、無菌液剤の注射により0.01~0.3mg/kgの比率で患者に投与され得る。患者は好ましくは目隠しをしながらセッションの期間の間座っている。安全性のために、訓練されたヘルスケア専門家が投薬セッションの間患者をモニタリングし得、これは12時間まで続き得る。いくつかの場合、患者のために音楽を流してもよい。ヘルスケア専門家が、薬物物質が除去されたと決定できる場合、心理療法士は、幻覚経験に関連する任意の質問を用いて患者を支援し、その後患者は退院してもよい。
【0098】
治療に関連して生じ得る任意の不安をさらに軽減するために、医師は、完全な効果を達成するための投薬量の完全な補完を適用する前に、治療量を分割し、それにより精神活性(psychoactivity)の初期開始を減少させることを選ぶかもしれない。
【0099】
いくつかの実施形態において、本開示の化合物を用いた処置は、同時に又は連続して、別の抗うつ薬を用いた併用処置と組み合わせられ得る。好ましい実施形態において、本開示の化合物を用いた処置は精神療法と組み合わされ、これは処置の前に適用されても後に適用されてもよい。前の場合、セッションは患者を処置の意図に集中させ得る。後の場合、好ましくは、セッションの間に起こったかもしれない感情、情動、展望又は思考を患者が統合するのを助けるために、さらには抗うつアウトカムを改善するように思考又は行動パターンをいかに最も良く変化させるかに関して心理療法士が助言を提供し得ることを可能にするために、精神療法を投薬セッションの48時間以内に行う。精神療法は、投薬セッションの間に患者に起こった任意の経験又は学習を患者が統合することを助けるために、投薬セッション後必要に応じて、例えばさらに3か月まで継続し得る。
【実施例】
【0100】
実施例
本開示の態様は、以下の実施例を参照して記載され得る。これらの実施例は、例示の目的のみのために提供されるものであり、かつ本発明の範囲を解釈するためにも限定するためにも使用されるべきではない。全ての用語、名称、略語又は頭字語は、当業者により一般的に理解されるものである。それらの双性イオン形態で示される化合物は、当業者によりそれらの中性形態で容易に想定され得、逆もまた同様である。
【0101】
実施例1- 2-(N-(2-メトキシベンジル)-N-メチル)アミノエチル)-5-メトキシ-1H-インドールの合成
【化6】
【0102】
工程1. 攪拌子を入れた150mL RBFに、5-メトキシインドール-3-酢酸(1.0当量)、続いて無水ACN(25mL)をN2下で加えた。次いでこの溶液に、2-メトキシ-N-メチルベンジルアミン(2.0当量)、次いでトリエチルアミン(4.0当量)をゆっくりと加えた。次いで反応混合物に、n-プロピルホスホン酸環状無水物(TP3)(8.68g、EtOAc中50%質量/質量)を加えた。反応混合物を終夜室温で撹拌して放置し、そしてTLCによりモニタリングした。溶媒を真空下で除去した。残留物をDCM(40mL)で希釈し、そしてブライン(30mL)で洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固して橙色油状物(粗製橙色油状物6.73g)を得た。EtOAc中MeOH0~5%グラジエントを使用するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SNAP KP-SIL 340gカートリッジ)により、純粋な生成物2.3gを黄色粘性固体として得た(収率99%)。
【0103】
工程2. THF(100ml)中のLiAlH4(5.0当量)に、THF(60mL)中の工程1からの生成物3.38gを含有する溶液を0℃(氷浴)で滴下した。反応混合物を2日間撹拌放置し、ゆっくりと室温まで昇温させた。出発物質の消失について反応をUPLCによりモニタリングした。混合物を0℃に冷却した後、MTBE(60mL)をゆっくりと加え、続いて0.5M NaOH(60mL)を注意深くゆっくりと加えることにより反応をクエンチした。MgSO4を加え、そして白色沈殿物が形成されるまでこの混合物を撹拌した。沈殿物をCeliteのパッドに通してろ過し、そしてDCMで洗浄した。ろ液を蒸発乾固し、緑がかった油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(Biotage SNAP KP-SIL 340gカートリッジ) EtOAc中MeOH 0~5%グラジエントにより、粗製橙色油状物3.78g(ほぼ定量的な収率)を得た。純度UPLC=96%、QNMR(1,4-ジニトロベンゼン;実施例における化合物からの6.7のピーク(1H)を使用)=96%(2つの別々の分析において決定された)。LCMSによる正確な質量(MH+)325.16。1H NMR:2.3ppm(s、3H、NMe)、2.6ppm(m、2H、-CH2N)、2.8ppm(m、2H、インドール-CH2-)、3.5ppm(s、2H、NCH2Ph)、3.7ppm(s、3H、OMe)、3.75ppm(s、3H、OMe)、6.7ppm(m、1H、芳香族CH)、6.9ppm(m、2H、芳香族CH)、6.95ppm(d、1H、芳香族CH)、7.1ppm(s、1H、芳香族CH)、7.2ppm(m、2H、芳香族CH)、7.4ppm(m、1H、芳香族CH)、10.7ppm(m、1H、NH)。
【0104】
アドレナリン作動性アルファ1A及びアルファ2Aについて機能的GCPRアッセイにおいて阻害を決定した:IC50(A1A):1800nM;IC50(A2A):1700nM。
【0105】
実施例2- 5HT1A競合結合アッセイ
競合結合アッセイ(Eurofins Cerep)を、HEK-293細胞にトランスフェクトされたヒト組み換え5-HT1A、[3H]8-OHDPAT(0.5nM)を使用して行い、そして実施例1からの試験化合物を、0.01mMから30mMの範囲に及ぶ8つの濃度で試験した(Choi DSら FEBS Letters 1994、352、393)。Cerepで開発されたソフトウェア(Hillソフトウェア)を使用して分析を行い、そしてWindows(R)用市販ソフトウェアSigmaPlot(R)4.0((C)1997 SPSS Inc)により生成されたデータと比較することにより検証した。結合定数(Ki 540nM)をチェン-プルソフ式を使用して計算した。化合物は5HT1A受容体において中程度のアゴニストであるが、5HT2A受容体の選択性(Ki 110nM)は約5倍優る。
【0106】
実施例3- 5HT2A競合結合アッセイ
競合結合アッセイ(Eurofins Cerep)を、HEK-293細胞にトランスフェクトしたヒト組み換え5-HT2A、125I-DOI(0.1nM)を使用して行い、そして実施例1からの試験化合物を、0.01mM~30mMの範囲に及ぶ8つの濃度で試験した(Choi DSら FEBS Letters 1994、352、393)。Cerepで開発されたソフトウェア(Hillソフトウェア)を使用して分析を行い、そしてWindows(R)用市販ソフトウェアSigmaPlot(R)4.0((C)1997 SPSS Inc)により生成されたデータと比較することにより検証した。結合定数(Ki 110nM)をチェン-プルソフ式を使用して計算した。http:/PDSP.unc.edu/databases/pdsp.phpからのデータに基づいて、化合物はシロシビンとほぼ等効力である。
【0107】
実施例4- 5HT2A機能的アッセイ
競合結合アッセイ(Eurofins Cerep)を、HEK-293細胞にトランスフェクトしたヒト組み換え5-HT2A、セロトニン(30nM)を使用して行い、そしてそして実施例1からの試験化合物を、0.01mM~30mMの範囲に及ぶ8つの濃度で試験した(Choi DSら FEBS Letters 1994、352、393)。Cerepで開発されたソフトウェア(Hillソフトウェア)を使用して分析を行い、そしてWindows(R)用市販ソフトウェアSigmaPlot(R)4.0((C)1997 SPSS Inc)により生成されたデータと比較することにより検証した。結果はEC50 520nMで5HT2Aでのアゴニズムを示し、最も高い濃度で80%最大有効性に達した。
【0108】
実施例5- 5HT2B競合結合アッセイ
競合結合アッセイを、CHO細胞にトランスフェクトしたヒト組み換え5-HT1A、125I-DOI(0.2nM)を使用して行い(Eurofins Cerep)、そして実施例1からの試験化合物を、0.01mM~30mMの範囲に及ぶ8つの濃度で試験した(Choi DSら FEBS Letters 1994、352、393)。Cerepで開発されたソフトウェア(Hillソフトウェア)を使用して分析を行い、そしてWindows(R)用市販ソフトウェアSigmaPlot(R)4.0((C)1997 SPSS Inc)により生成されたデータと比較することにより検証した。チェン-プルソフ式を使用して結合定数を決定することができなかった(Ki 180nM)。化合物は5HT2B受容体に、5HT2A受容体(Ki 110nM)と類似した強度で結合する。
【0109】
実施例6- 5HT2B(イソトールリン酸(isotol phosphate)、IP1)機能的アッセイ
機能的アッセイを、CHO細胞にトランスフェクトされたヒト組み換え5-HT2Bを使用して行い(Eurofins Cerep)、そして実施例1からの試験化合物を、0.01mM~30mMの範囲に及ぶ8つの濃度で試験した(Porter、RHPら Brit. J.Pharmacol. 1999、128、13を参照のこと)。セロトニン(1uM)を対照として使用した。ミオイノシトール1リン酸の定量を、HTRFを使用して行った。Cerepで開発されたソフトウェア(Hillソフトウェア)を使用して分析を行い、そしてWindows(R)用市販ソフトウェアSigmaPlot(R)4.0((C)1997 SPSS Inc)により生成されたデータと比較することにより検証した。受容体での化合物の活性が無いことからEC50は決定できなかった。実施例4の結果と合わせて、このことは、化合物が5HT2B受容体に結合するが、受容体のいずれの機能的活性も生じず、従って、治療的レベルでの中性アゴニスト又はアンタゴニストとして作用しているということを示唆する。
【0110】
実施例7- 5HT2B機能的アンタゴニストアッセイ
アンタゴニスト機能的アッセイを、バックグラウンドセロトニン(10uM)を用いて、CHO細胞にトランスフェクトされたヒト組み換え5-HT2Bを使用して行い(Eurofins Cerep)、実施例1からの試験化合物を、0.01mM~30mMの範囲に及ぶ8つの濃度で試験した(Porter、RHPら Brit. J. Pharmacol. 1999、128、13を参照のこと)。ミオイノシトール-1-リン酸の定量を、HTRFを使用して行った。Cerepで開発されたソフトウェア(Hillソフトウェア)を使用して分析を行い、そしてWindows(R)用市販ソフトウェアSigmaPlot(R)4.0((C)1997 SPSS Inc)により生成されたデータと比較することにより検証した。これらの結果は、実施例1からの化合物が、チェン-プルソフ式を使用して決定した場合、IC50<10uMを有する完全アンタゴニストであることを示す。
【0111】
実施例8- 5HT2C競合結合アッセイ
競合結合アッセイを、CHO細胞にトランスフェクトされたヒト組み換え5-HT1A、125I-DOI(0.2nM)を使用して行い(Eurofins Cerep)、そして実施例1からの試験化合物を、0.01mM~30mMの範囲に及ぶ8つの濃度で試験した(Choi DSら FEBS Letters 1994、352、393)。Cerepで開発されたソフトウェア(Hillソフトウェア)を使用して分析を行い、そしてWindows(R)用市販ソフトウェアSigmaPlot(R)4.0((C)1997 SPSS Inc)により生成されたデータと比較することにより検証した。チェン-プルソフ式を使用して結合定数を決定することができなかった(Ki 680nM)。化合物は5HT2C受容体で中程度のアゴニストであるが、5HT2A受容体の選択性(Ki 110nM)は約6倍優る。
【0112】
実施例9- ラットにおける静脈内(i.v.)投与後の薬物動態
実施例1の化合物を、リン酸緩衝化食塩水を含有する水中に1mg/mlの比率で分散させ、次いでpH4に酸性化して溶液を生成した。この溶液を3匹のラットの各々に1.0mg/kgの比率で(およそ投与量0.33ml、投与体積0.33mg)頸動脈に設置したカテーテルを介して投与した(それぞれ約300g)。10分間のヘドトゥイッチ動作の各累積回数を2時間まで、その後3、3.5及び4時間目にそれぞれ10分間計数しながら12時間にわたって動物を観察した。1mlシリンジを使用してカテーテルを介して血液サンプル(0.25ml)を0.8ml K2EDTAチューブ中に、投与の0.0833、0.25、0.5、0.75、1、2、4、6時間後に集め、そして処理まで氷水上に置いた。生理食塩水(0.25ml)を各採血後に動物にカテーテルを介して再注入して、カテーテルを洗い流して血液量を補充した。集めた血液サンプルを、集めて5分以内に遠心分離し(3200g、5分、4C)、そして血漿を回収し、そしてクライオバイアル中に入れて液体窒素中で凍結させて、その後の分析まで-80Cで保存した。標準的LCシステムを備えたSciex 6500 Q-trap MSMSを使用して実施例の化合物を用いて較正した後に、血漿中の化合物を定量するための生物分析法を開発した。
【0113】
血漿プロフィールを
図1に示す。平均血漿半減期は66分であった。ラット静脈内PK実験の期間の間、重大なヘッドトゥイッチ動作はなく、5HT2A受容体結合及び機能的アッセイ(上記の実施例3及び4)を示したにもかかわらず、化合物の減少した幻覚発現性を示した。非幻覚発現性5HT2Aアゴニストは、気分障害を処置する際に重大な潜在的有用性を有し得、そして幻覚発現性状態を生じる同じクラスの類似した5HT2Aアゴニストに典型的なモニタリング要件の必要性を克服し得る。
【0114】
実施例10- 2-(N-(3-メトキシベンジル)-N-メチル)アミノエチル)-1H-インドールの合成
【化7】
実施例1におけるアミドカップリング、続いて還元の2工程合成プロセスを、実施例1に記載される2-メトキシ修飾アミンの代わりに3-メトキシ-N-メチルベンジルアミン(2.0当量)を使用して行った。工程1の収率:85%;工程2の収率:20%。純度UPLC:98%、QNMR(1,4-ジニトロベンゼン;実施例における化合物からの6.7(1H)におけるピークを使用):96%。MSによる正確な質量(MH+):295.0。1H NMR(dmso-d6):2.3ppm(s、3H、NMe)、2.6ppm(m、2H、-CH2N)、2.8ppm(m、2H、インドール-CH2-)、3.5ppm(s、2H、NCH2Ph)、3.7ppm(s、3H、OMe)、3.75ppm(s、3H、OMe)、6.8ppm(m、1H、芳香族CH)、6.9ppm(m、2H、芳香族CH)、6.95ppm(m、1H、芳香族CH)、7.05ppm(s、1H、芳香族CH)、7.13ppm(m、2H、芳香族CH)、7.2(d、1H、芳香族CH)、7.4ppm(m、1H、芳香族CH)、10.7ppm(m、1H、NH)。5HT1A結合Ki 510nM。5HT2A Ki 14nM。5HT2B結合Ki 380nM。5HT2B機能的アゴニストモードIC50 1050nM(効率<20% 30uMまで)。5HT2C結合Ki 42nM。
【0115】
実施例11-29
以下の化合物の合成及び試験に関する詳細を以下に示す。以下の様々な化合物の試験の結果を以下の表1において報告する(表1における全ての単位はnMである)。
【0116】
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
実施例11- N-エチル-2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N-(2-メトキシベンジル)エタン-1-アミンの合成
以下の反応スキームを使用した:
【化8】
【0124】
2-メトキシベンズアルデヒド(3.0g、1.0当量)のEtOH(20mL)中の撹拌溶液に、エチルアミン(0.99g、1.0当量)を室温で加えた。反応混合物を0℃に冷却し、5分間攪拌し、NaBH4(1.63g、2.0当量)を少しずつ加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を真空濃縮し、水(50mL)で希釈し、EtOAc(2x100mL)で抽出し、無水Na2SO4で乾燥し、そして真空濃縮してN-(2-メトキシベンジル)エタンアミン(2、2.7g、74%)を無色粘性シロップとして得た。
【0125】
1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δppm7.29 (dd、J=7.25、0.88Hz、1H、芳香族CH)、7.15 - 7.23(m、1H、芳香族CH)、6.95(d、J=8.13Hz、1H、芳香族CH)、6.89(t、J=7.38Hz、1H、芳香族CH)、3.77(s、3H、OMe)、3.66(s、2H、-CH2N)、2.53(q、J=7.21Hz、2H、-CH2N)、1.02(t、J=7.13Hz、3H、-CH2Me)。
【0126】
2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)酢酸(0.62g、1.0当量)及びN-(2-メトキシベンジル)エタンアミン(0.5g、1.0当量)のCH3CN(10mL)中の撹拌溶液に、TEA(1.8mL、12.12mmol)を室温で加えた。反応混合物を0℃に冷却して5分間攪拌し、そしてEtOAc中50%T3P溶液(3.9mL、2.0当量)を滴下した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を真空濃縮し、水(30mL)で希釈し、EtOAc(2x50mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空濃縮した。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィー(ヘプタン中20~30%EtOAc)により精製して、N-エチル-2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N-(2-メトキシベンジル)アセトアミド(0.7g、65%)を無色粘性シロップとして得た。LCMS:行っていない。
【0127】
N-エチル-2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N-(2-メトキシベンジル)-アセトアミド(0.7g、1.0当量)のTHF(8mL)中の撹拌溶液に、2M LiAlH4(2.0当量)のTHF(2mL)中の溶液を0℃で滴下した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を0℃に冷却し、そして飽和Na2SO4溶液(10mL)でクエンチし、白色沈殿物をCeliteのパッドに通してろ過し、そしてEtOAc(100mL)で抽出した。ろ液を水(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をヘプタン(10mL)を用いてトリチュレーションしてN-エチル-2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N-(2-メトキシベンジル)エタン-1-アミン(0.45g、67%)をオフホワイト固体として得た。
【0128】
MS(ESI) m/e[M+H]+:339;HPLC純度:99.84%(RT=5.9分)、1H NMR (400MHz、DMSO-d6) δppm10.56(s、1H、インドール-NH) 7.40 (dd、J=7.38、1.38Hz、1H、芳香族CH) 7.15 - 7.21(m、2H、芳香族CH)、7.05(d、J=2.13Hz、1H、芳香族CH)、6.81 - 6.98(m、3H、芳香族CH)、6.68(dd、J=8.76、2.38Hz、1H、芳香族CH)、3.77(s、3H、OMe)、3.70(s、3H、OMe)、3.63(s、2H、CH2)、2.77-2.84(m、2H、CH2)、2.65-2.71(m、2H、CH2)、2.59(q、J=7.05Hz、2H、CH2)、1.04(t、J=7.07Hz、3H、-CH2Me)。
【0129】
実施例12- N-(2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-(2-メトキシベンジル)プロパン-2-アミンの合成
以下の反応スキームを使用した:
【化9】
【0130】
N-イソプロピル-2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N-(2-メトキシベンジル)アセトアミド(1.0g、1.0当量)のTHF(40mL)中の撹拌溶液に、THF中の2M LiAlH4の溶液(6.8mL、5.03当量)を0℃で滴下した。反応混合物を室温で16時間で攪拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を0℃に冷却し、そして飽和Na2SO4水溶液(10mL)でクエンチした。白色沈殿物をCeliteのパッドに通してろ過し、EtOAc(100mL)で洗浄した。ろ液を水(50mL)で洗浄し、分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィー(EtOAc中1~5%MeOH)により精製して、N-(2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-(2-メトキシベンジル)プロパン-2-アミン(0.34g、35%)を無色粘性油状物として得た。
【0131】
MS(ESI) m/e [M+H]+:353;HPLC純度:97.03%(RT=1.8分);1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δppm10.54(s、1H、インドールNH)、7.49(dd、J=7.50、1.50Hz、1H、芳香族CH)、7.14-7.22(m、2H、芳香族CH)、7.03(d、J=2.25Hz、1H、芳香族CH)、6.87-6.96(m、2H、芳香族CH)、6.81(d、J=2.38Hz、1H、芳香族CH)、6.67(dd、J=8.69、2.44Hz、1H、芳香族CH)、3.77(s、3H、OMe)、3.69(s、3H、OMe)、3.61(s、2H、CH2)、2.97-3.05(m、1H、CH)、2.62-2.76(m、4H、CH2)、1.01(d、J=6.63Hz、6H、CH(CH3)2)。
【0132】
実施例13- N-(2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-(2-メトキシベンジル)プロパ-2-エン-1-アミンの合成
以下の反応スキームを使用した:
【化10】
【0133】
2-メトキシベンズアルデヒド(1.0g、1.0当量)のEtOH(6mL)中の撹拌溶液に、プロパ-2-エン-1-アミン(0.46g、1.1当量)を加え、そして室温で12時間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、5分間攪拌し、NaBH4(0.45g、1.6当量)を少しずつ加えた。反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を水(10mL)でクエンチし、そして有機層を真空で濃縮し、水(50mL)で希釈し、そしてEtOAc(2x100mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮してN-(2-メトキシベンジル)プロパ-2-エン-1-アミン(0.7g、54%)を無色粘性シロップとして得た。
【0134】
1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δppm7.28-7.33(m、1H、芳香族CH) 7.18-7.27(m、1H、芳香族CH) 6.88-6.99(m、2H、芳香族CH) 5.87(ddt、J=16.93、11.07、5.32、5.32Hz、1H、アルケンCH) 5.11-5.25(m、1H、アルケンCH) 5.07(d、J=10.27Hz、1H、アルケンCH) 3.79(s、3H、OMe) 3.66(s、2H、NCH2) 3.17(d、J=4.89Hz、2H、NCH2)。
【0135】
N-(2-メトキシベンジル)プロパ-2-エン-1-アミン(0.7g、1.0当量)及び2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)酢酸(0.81g、1.0当量)のACN(10mL)中の撹拌溶液に、TEA(2.1mL、4.0当量)を室温で加えた。反応混合物を0℃に冷却し、5分間攪拌し、そしてEtOAc中50%T3P溶液(5.0mL、2.0当量)を滴下した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を真空で濃縮して粗製物質を得、水(30mL)で希釈し、EtOAc(2x50mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィー(ヘプタン中20~30%EtOAc)により精製して、N-アリル-2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N-(2-メトキシベンジル)アセトアミド(0.8g、55%)を無色粘性シロップとして得た。MS(ESI) m/e [M+H]:365。
【0136】
THF(50mL)中のLAH(THF中2M、7.7mL、3.9当量)の撹拌溶液に、AlCl3(2.04g、4.0当量)を0℃で少しずつ加えた。この溶液を30分間0℃で撹拌した。THF(25mL)中のN-アリル-2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N-(2-メトキシベンジル) アセトアミド(1.4g、1当量)を加えた。反応混合物を1時間0℃で撹拌し、次いで室温で12時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了した後、反応混合物を0℃に冷却し、そして20%NaOH溶液(10mL)でクエンチした。沈殿物をCeliteのパッドに通してろ過し、EtOAc(100mL)で洗浄した。ろ液を水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をcombi flash(ヘプタン中50~100%EtOAc)により精製してN-エチル-2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N-(2-メトキシベンジル)エタン-1-アミン(0.8g、59%)をオフホワイト固体として得た。
【0137】
MS(ESI) m/e [M+H]+:351;HPLC純度:99.43%(RT=6.06分)1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δppm10.55(s、1H、インドールNH)、7.40(d、J=7.38Hz、1H、芳香族CH)、7.19(d、J=8.76Hz、2H、芳香族CH)、7.00-7.06(m、1H、芳香族CH)、6.96(d、J=8.13Hz、1H、芳香族CH)、6.90(t、J=7.38Hz、1H、芳香族CH)、6.85(d、J=2.13Hz、1H、芳香族CH)、6.67(dd、J=8.69、2.31Hz、1H、芳香族CH)、5.86-5.97(m、1H、アルケンCH)、5.24(s、1H、アルケンCH)、5.14(d、J=10.26Hz、1H、アルケンCH)、3.77(s、3H、OMe)、3.70(s、3H、OMe) 3.65(s、2H、CH2)、3.19(d、J=6.13Hz、2H、CH2)、2.78-2.87(m、2H、CH2)、2.63-2.73(m、2H、CH2)。
【0138】
実施例14- 2-(1H-インドール-3-イル)-N-(4-メトキシベンジル)-N-メチルエタン-1-アミンの合成
以下の反応スキームを使用した:
【化11】
【0139】
2-(1H-インドール-3-イル)酢酸(0.85g、1.0当量)及び1-(4-メトキシフェニル)-N-メチルメタンアミン(0.88g、1.2当量)のCH3CN(40mL)中の撹拌溶液に、TEA(2.58mL、4.04当量)を室温で加えた。反応混合物を0℃に冷却し、5分間撹拌し、EtOAc中50%T3P溶液(6.1mL、2.02当量)を滴下した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を真空で濃縮し、水(30mL)で希釈し、EtOAc(2x50mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィー(ヘプタン中20~30%EtOAc)により精製して、2-(1H-インドール-3-イル)-N-(4-メトキシベンジル)-N-メチルアセトアミド(3、1.1g、73%)を無色油状物として得た。
【0140】
MS(ESI) m/e [M+H]+:308.9;1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δppm8.24(s、1H、インドールNH)、7.58-7.67(m、1H、芳香族CH)、7.35(d、J=8.00Hz、1H、芳香族CH)、7.05-7.22(m、5H、芳香族CH)、6.82(d、J=8.25Hz、2H、芳香族CH)、4.33-4.62(m、2H、CH2)、3.89(s、2H、CH2)、3.79(s、3H、OMe)、2.93(s、3H、NMe)。
【0141】
2-(1H-インドール-3-イル)-N-(4-メトキシベンジル)-N-メチルアセトアミド(1.1g、1.0当量)のTHF(40mL)中の撹拌溶液に、THF中の2M LiAlH4溶液(4.46mL、2.5当量)を0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を0℃に冷却し、そして飽和Na2SO4溶液(10mL)でクエンチした。白色沈殿物をCeliteのパッドに通してろ過し、EtOAc(100mL)で洗浄した。ろ液を水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をn-ヘプタン(10mL)を用いてトリチュレートして2-(1H-インドール-3-イル)-N-(4-メトキシベンジル)-N-メチルエタン-1-アミン(FT165、0.47g、44%)をオフホワイト固体として得た。
【0142】
MS(ESI) m/e [M+H]+:295;HPLC純度:98.04%(RT=5.2分);1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δppm10.73(s、1H、インドールNH)、7.42(d、J=7.8Hz、1H、芳香族CH)、7.31(d、J=8Hz、1H、芳香族CH)、7.28-7.17(m、2H、芳香族CH)、7.11(s、1H)、7.04(t、J=7.6Hz、1H、芳香族CH)、6.93(t、J=7.6Hz、1H、芳香族CH)、6.86(d、J=7.8Hz、2H、芳香族CH)、3.73(s、3H、OMe)、3.48(s、2H、CH2)、2.94-2.77(m、2H、CH2)、2.67-2.55(m、2H、CH2)、2.21(s、3H、NMe)。
【0143】
実施例15- N-(2,3-ジメトキシベンジル)-2-(1H-インドール-3-イル)-N-メチルエタン-1-アミンの合成
以下の反応スキームを使用した:
【化12】
【0144】
2-(1H-インドール-3-イル)酢酸(0.87g、1.0当量)及び化合物2(0.9g、4.97mmol)のCH3CN(10mL)中の撹拌溶液に、TEA(2.9mL、4.0当量)を室温で加えた。反応混合物を0℃に冷却し、5分間撹拌し、そしてEtOAc50%T3P溶液(3.16mL、2.0当量)を滴下した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を真空で濃縮し、水(50mL)で希釈し、EtOAc(2x100mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮して粗製物質を得た。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィー(ヘプタン中20~30%EtOAc)により精製して、N-(2,3-ジメトキシベンジル)-2-(1H-インドール-3-イル)-N-メチルアセトアミド(3、1.0g、59%)を無色油状物として得た。
【0145】
MS(ESI) m/e [M+H]+:339;1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δppm10.88(d、J=9.78Hz、1H、インドールNH)、7.53-7.61(m、1H、芳香族CH)、7.49(d、J=7.34Hz、1H、芳香族CH)、7.27-7.40(m、1H、芳香族CH)、7.19(d、J=13.20Hz、1H、芳香族CH)、6.87-7.10(m、3H、芳香族CH)、6.54-6.67(m、1H、芳香族CH)、4.45-4.65(m、2H、CH2)、3.76-3.85(m、6H、OMe)、3.70(d、J=15.16Hz、3H、NMe)、2.96(s、2H、CH2)。
【0146】
N-(2,3-ジメトキシベンジル)-2-(1H-インドール-3-イル)-N-メチルアセトアミド(1.5g、1.0当量)のTHF(50mL)中撹拌溶液に、THF中2M LiAlH4の溶液(4.88mL、2.02当量)を0℃で滴下した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を0℃に冷却し、そして飽和Na2SO4溶液(10mL)によりクエンチして、白色沈殿物をCeliteのパッドに通してろ過し、EtOAc(70mL)で洗浄した。ろ液を水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィー(ヘプタン中40~60%EtOAc)により精製して、N-(2,3-ジメトキシベンジル)-2-(1H-インドール-3-イル)-N-メチルエタン-1-アミン(0.37g、38%)を無色粘性油状物として得た。
【0147】
MS(ESI) m/e [M+H]+:325;HPLC純度:97.62%(RT=5.9分);1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δppm10.73(s、1H、インドールNH)、7.43(d、J=7.88Hz、1H、芳香族CH)、7.31(d、J=8.13Hz、1H、芳香族CH)、7.09-7.13(m、1H、芳香族CH)、6.97-7.06(m、2H、芳香族CH)、6.90-6.97(m、3H、芳香族CH)、3.78(s、3H、OMe)、3.68(s、3H、OMe)、3.53(s、2H、CH2)、2.81-2.93(m、2H、CH2)、2.59-2.70(m、2H、CH2)、2.24(s、3H、NMe)。
【0148】
実施例16- N-(2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-N-(2,3-ジメトキシベンジル)プロパ-2-アン-1-アミンの合成
以下の反応スキームを使用した:
【化13】
【0149】
2,3-ジメトキシベンズアルデヒド(3.0g、1.0当量)のEtOH(90mL)中の撹拌溶液に、イソプロピルエチルアミン(1.5g、1.5当量)を加えた。反応混合物を室温で12時間撹拌し、0℃に冷却し、そしてNaBH4(1.33g、2.0当量)を少しずつ加えた。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を水(10mL)でクエンチし、有機層を真空で濃縮し、水(50mL)で希釈し、EtOAc(2x100mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮してN-(2,3-ジメトキシベンジル)プロパン-2-アミン(2.4g、63%)を無色油状物として得た。
【0150】
N-(2,3-ジメトキシベンジル)プロパン-2-アミン(2.4g、1.0当量)及び化合物3(2.0g、1.0当量)のCH3CN(30mL)中の撹拌溶液に、TEA(6.1mL、4.0当量)を室温で加えた。反応混合物を0℃に冷却し、5分間撹拌し、そしてEtOAc中50%T3P溶液(14.6mL、2.0当量)を滴下した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を真空で濃縮して粗製物質を得、水(50mL)で希釈し、EtOAc(2x100mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮して粗製物質を得た。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィー(ヘプタン中20~30%EtOAc)により精製して、N-(2,3-ジメトキシベンジル)-2-(1H-インドール-3-イル)-N-イソプロピルアセトアミド(2.5g、59%)を無色粘性油状物として得た。
【0151】
N-(2,3-ジメトキシベンジル)-2-(1H-インドール-3-イル)-N-イソプロピルアセトアミド(1.5g、1.0当量)のTHF(50mL)中の撹拌溶液に、THF中2M LiAlH4(10.2mL、5.1当量)の溶液を0℃で滴下した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を0℃に冷却し、そして飽和Na2SO4溶液(10mL)を用いてクエンチした。白色沈殿物が形成され、これをCeliteのパッドに通してろ過し、ケークをEtOAc(100mL)で洗浄した。ろ液を水(50mL)で洗浄し、分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮して粗製物質を得た。得られた粗製物質を分取HPLCにより精製し、これをMeOH(5mL)を用いてトリチュレートして、N-(2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-N-(2,3-ジメトキシベンジル)プロパン-2-アミン(0.4g、28%)をオフホワイト固体として得た。
【0152】
MS(ESI) m/e [M+H]+:353;HPLC純度:98.36%(RT=8.23分);1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δppm10.70(s、1H、インドールNH)、7.21-7.38(m、2H、芳香族CH)、6.93-7.11(m、4H、芳香族CH)、6.87-6.93(m、2H、芳香族CH)、3.77(s、3H、OMe)、3.69(s、3H、OMe)、3.61(s、2H、CH2)、2.90-3.04(m、1H、NCH)、2.68-2.77(m、2H、CH2)、2.60-2.67(m、2H、CH2)、0.99(d、J=6.85Hz、6H、NCHMe)。
【0153】
実施例17- N-(2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-N-(ベンジル)メタン-1-アミンの合成
以下の反応スキームを使用した:
【化14】
【0154】
2-(1H-インドール-3-イル)酢酸(1g、1.0当量)のACN 10ml中の撹拌溶液に、N-メチル-1-フェニルメタンアミン(0.8g、1.2当量)、続いてT3P(3.6g、2.0当量)及びEt3N(1.7g、3.0当量)を室温で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を真空で濃縮し、水(30mL)で希釈し、EtOAc(2x50mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を白色固体として得た(1.2g、収率75%)。
【0155】
N-ベンジル-2-(1H-インドール-3-イル)-N-メチルアセトアミド(1.2g、1.0当量)のTHF 3ml中の撹拌溶液に、2M LAH(0.3g、2.0当量)の溶液を滴下した。反応混合物を0℃で4時間N2雰囲気下にて撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を飽和Na2SO4溶液(10mL)でクエンチし、白色沈殿物をCeliteのパッドに通してろ過し、そしてEtOAc(100mL)で洗浄した。ろ液を水(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィーにより精製して、N-ベンジル-2-(1H-インドール-3-イル)-N-メチルエタン-1-アミン(FT232、0.6g、52%)を褐色固体として得た。
【0156】
MS(ESI) m/e [M+H]+:265;HPLC純度:99.6%(RT=5.7分)、1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ=10.74(s、1H、インドールNH)、7.42(d、J=7.75Hz、1H、芳香族CH)、7.39-7.26(m、5H、芳香族CH)、7.25(s、1H、芳香族CH)、7.12(d、J=2.0Hz、1H、芳香族CH)、7.04(dt、J=2.0Hz、8.0Hz、1H、芳香族CH)、6.93(dt、J=2.0Hz、8.0Hz、1H、芳香族CH)、3.56(s、2H、CH2)、2.88(t、J=4.0Hz、2H、CH2)、2.64(s、2H、CH2)、2.24(s、3H、NMe)。
【0157】
実施例18- N-(2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-N-(3-エチルベンジル)プロパ-2-エン-1-アミンの合成
3-(アミノエチル)-1H-インドール(1当量)を3-メトキシ安息香酸無水物(1.,2当量)とエタノール中65Cで7時間反応させて、中間体イミンを形成し、次いでこれを室温まで冷却し、そしてNaBH4(2当量)を加えることによりそのまま反応させた。クエンチした後、抽出して溶媒をエバポレートし、所望の3-(3-メトキシベンジルアミノエチル)-1H-インドール(1.1g、62%)を得た。次いでこれ(0.6g、1当量)をtrans-1-ブロモ-2-ブテン(1.1当量)と最少量のDMF中でK2CO3(2当量)を使用して室温で2時間反応させた。生成物を抽出し、続いてフラッシュクロマトグラフィーの後単離し、半固体(0.48g、57%)を得た。純度(UPLC):97.4%。MS MH+ 335。1H-NMR(dmso-d6):1.7(d、3H)、2.7(m、2H)、2.84(m、2H)、3.2(m、2H)、3.6(m、2H)、3.73(s、3H)、5.6(m-m、2H)、6.8(dd、1H)、6.9(m、3H)、7.05(t、1H)、7.08(m、1H)、7.2(t、1H)、7.3(d、1H)、7.4(d、1H)、10.7(br s、1H)。
【0158】
実施例19-(Z)-N-(2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-N-(3-メトキシベンジル)ブタ-2-エン-1-アミンの合成
以下の反応スキームを使用した:
【化15】
【0159】
2-(1H-インドール-3-イル)エタン-1-アミン(1.5g、1.0当量)のエタノール40mL中の撹拌溶液に、3-メトキシベンズアルデヒド(1.5g、1.2当量)を室温で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、そしてNaBH4(0.7g、2.0当量)を少しずつ加え、そしてさらに4時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を氷水でクエンチし、そして酢酸エチルで抽出した(50ml×2)。有機層をブラインで洗浄し、そして無水Na2SO4で乾燥し、そしてろ過し、真空下で濃縮した。100%DCM~DCM中2%MeOHを使用するフラッシュクロマトグラフィー(Combi-Flashカラム、24g redisepカートリッジ)により粗製物質を精製し、所望の生成物を粘性橙色シロップ(1.8g、収率69%)として得た。
【0160】
ブタ-2-イン-1-オール(2.0g、1.0当量)のメタノール50mL中の溶液に、リンドラー触媒(0.2g、0.04当量)を室温で50psiの水素雰囲気下で加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物をCeliteのパッドに通してろ過した。ろ液を真空下で濃縮して粗製化合物((Z)-ブタ-2-エン-1-オール)を得た(1.8g、収率67%)。粗製化合物を次の工程にそのまま使用した。
【0161】
(Z)-ブタ-2-エン-1-オール(1.8g、1.0当量)のジエチルエーテル40ml中の撹拌溶液に、0℃でPBr3(0.9ml、0.4当量)を滴下した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を氷水でクエンチし、そして水層をジエチルエーテル(50ml×2)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、そして無水Na2SO4で乾燥し、そしてろ過し、真空下で濃縮して黄色液体を得、これを次の工程にそのまま使用した(0.6g、収率16%)。
【0162】
2-(1H-インドール-3-イル)-N-(3-メトキシベンジル)エタン-1-アミン(1.0g、1.0当量)のDMF 8ml中の撹拌溶液に、K2CO3を加え、そして(Z)-1-ブロモブタ-2-エン(0.5g、1.1当量)を滴下した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応の完了をTLCにより確認した。反応混合物を水(30ml)及びDCM(50ml)で希釈した。有機層を分離し、そして水(30ml×2)で洗浄した。次いで有機層を無水Na2SO4で乾燥し、そしてろ過し、真空で濃縮した。粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(Combi-Flashカラム、24g redisepカートリッジ)により100%DCM~DCM中2%MeOHを使用して精製し、所望の生成物を粘性橙色シロップ(0.5g、収率37%)として得た。
【0163】
MS(ESI) m/e [M+H]+:335;HPLC純度:98%(RT=6.2分)、1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ=10.74(s、1H、インドールNH)、7.39-7.29(m、2H、芳香族CH)、7.23(s、1H、芳香族CH)、7.12-6.99(m、2H、芳香族CH)、6.93(d、J=6.8Hz、3H、芳香族CH)、6.81(s、1H、芳香族CH)、5.82-5.46(m、2H、アルケンCH)、3.72(s、3H、OMe)、3.62(s、2H、CH2)、3.11(s、2H、CH2)、2.86(s、2H、CH2)、2.70(s、2H、CH2)、1.73-1.55(m、3H、アルケンMe)。
【0164】
実施例20- N-(2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-N-(3-メトキシベンジル)2-メチルプロパ-2-エン-1-アミンの合成
実施例18の3-(3-メトキシベンジルアミノエチル)-1H-インドール(0.61当量、1当量)を、実施例18に記載される方法と同じやり方で3-ブロモ-2-メチルプロペン(1.1当量)を用いてアルキル化して、所望の化合物(0.5g、60%)を得た。純度(UPLC)99.8%。MS MH+335。1H-NMR(dmso-d6):1.7(s、1H)、2.6(m、2H)、2.88(m、2H)、3(s、2H)、3.6(s、2H)、3.7(s、3H)、4.85(s、1H)、4.95(s、1H)、6.8(d、1H)、6.9(mm、3H)、7.1(mm、2H)、7.2(t、1H)、7.3(d、1H)、7.35(d、1H)、10.7(br s、1H)。
【0165】
実施例21- 2-(1H-インドール-3-イル)-N-(3-エチルベンジル)-N-メチルエタン-1-アミンの合成
3-エチルベンズアルデヒド(1当量)をメチルアミン(1.2当量)と室温でエタノール中にて終夜反応させ、続いてNaBH4(2.5当量)を使用して還元的アミノ化を室温で2時間行った。過剰のヒドリドをクエンチした後、アミンを水性酸中に抽出した後に回収し、DCMで繰り返し洗浄し、DCM中に抽出して戻し、塩基性炭酸水素塩溶液で洗浄した後、K2CO3で乾燥し、そして溶媒を蒸発乾燥して油状物(1g、91%)を得た。アミン(1,2当量)の3-インドール酢酸(1当量)とのカップリングを、ポリホスホン酸無水物(2当量)及びトリエチルアミン(4当量)を使用してアセトニトリル中で0Cで行い、これを終夜室温まで自然に昇温させた。後処理は、溶媒のエバポレーション、DCM中への再溶解、出発物質を除去するための弱酸及び弱塩基水溶液での洗浄、K2CO3での乾燥、そして溶媒のエバポレーションを含んでおり、半固体(1.1g、54%)を得、次いでこれをLIAlH4(2当量)でTHF中にて0Cで4時間にわたって還元した。溶媒を減らした後、化合物をフラッシュクロマトグラフィー EtOAc/ヘプタングラジエントにより分離して、所望の化合物を半固体(0.26g、29%)として得た。純度(UPLC:95.9%)。MS MH+ 293。1H-NMR(dmso-d6):1.17(t、3H)、2.23(s、3H)、2.6(m-m、4H)、2.87(t、2H)、3.52(s、2H)、6.9(t、1H)、7.0-7.17(mm、5H)、7.2(t、1H)、7.3(t、1H)、7.4(t、1H)、10.75(br s、1H)。
【0166】
実施例22- 3-(((2-(1H-インドール-3-イル)エチル)(メチル)アミノ)メチル)フェノール
以下の反応スキームを使用した:
【化16】
【0167】
2-(1H-インドール-3-イル)-N-メチルエタン-1-アミン(0.7g、1.0当量)のDCE 25ml中の撹拌溶液に、3-メトキシベンズアルデヒド(0.6g、1.0当量)及びNaBH(OAc)3(1.3g、1.5当量)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物をDCMで希釈し、そして飽和NaHCO3溶液でクエンチした。有機層を分離し、そして水層をDCM(30ml×2)で抽出した。次いで、有機層をブラインで洗浄し、そして無水Na2SO4で乾燥し、そしてろ過し、真空で濃縮した。粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(Combi-Flashカラム、24g redisepカートリッジ)により100%DCM~DCM中2%MeOHを使用して精製し、所望の生成物を粘性橙色シロップとして得た(0.5g、収率44%)。
【0168】
2-(1H-インドール-3-イル)-N-(3-メトキシベンジル)-N-メチルエタン-1-アミン(0.5g、1.0当量)のDCM 25ml中の撹拌溶液に、BBr3(0.5ml、3.0当量)を0℃で滴下した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を飽和NaHCO3溶液でクエンチし、そして水層をDCM(50ml×2)で抽出した。次いで有機層をブラインで洗浄し、そして無水Na2SO4で乾燥し、そしてろ過し、真空で濃縮した。粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(Combi-Flashカラム、24g redisepカートリッジ)により100%DCM~DCM中5%MeOHを使用して精製し、n-ヘプタンで洗浄して、所望の生成物をオフホワイト固体として得た(0.1g、収率25%)。
【0169】
MS(ESI) m/e [M+H]+:281;HPLC純度:97.5%(RT=7.9分)、1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ=10.76(s、1H、インドールNH)、9.28(s、1H、芳香族OH)、7.44(d、J=7.9Hz、1H、芳香族CH)、7.32(d、J=7.9Hz、1H、芳香族CH)、7.28-6.98(m、3H、芳香族CH)、6.97-6.90(m、1H、芳香族CH)、6.88-6.71(m、2H、芳香族CH)、6.65(d、J=6.1Hz、1H、芳香族CH)、3.52(s、2H、CH2)、2.90(s、2H、CH2)、2.67(s、2H、CH2)、2.27(s、3H、NMe)。
【0170】
実施例23- N-(3-ブロモベンジル)-2-(1H-インドール-3-イル)-N-メチルエタン-1-アミンの合成
以下の反応スキームを使用した:
【化17】
【0171】
2-(1H-インドール-3-イル)エタン-1-アミン(5g、1.0当量)のDCM 50ml中の撹拌溶液に、Et3N(13ml、3.0当量)及びクロロギ酸メチル(2.9ml、1.2当量)を0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、氷水を用いて反応をクエンチし、そして水層をDCM(50ml×2)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、そしてろ過し、真空で濃縮した。粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(Combi-Flashカラム、24g redisepカートリッジ)によりn-ヘプタン中30%酢酸エチルを使用して精製し、所望の生成物を白色固体として得た(4.8g、収率70%)。
【0172】
N-(2-(1H-インドール-3-イル)エチル)プロピオンアミド(4.8g、1.0当量)のTHF 100ml中の撹拌溶液に、LAHの2M溶液(3.9ml、3.0当量)を0℃で滴下した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を飽和Na2SO4溶液(10mL)を用いてクエンチし、白色沈殿物をCeliteのパッドに通してろ過し、そしてEtOAc(100mL)で洗浄した。ろ液を水(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィーにより精製して、2-(1H-インドール-3-イル)-N-メチルエタン-1-アミン(3.2g、収率82%)を粘性橙色シロップとして得た。
【0173】
2-(1H-インドール-3-イル)-N-メチルエタン-1-アミン(1.0g、1.0当量)のDCE 25ml中の撹拌溶液に、3-ブロモベンズアルデヒド(1.3g、1.2当量)及びNaBH(OAc)3(1.8g、1.5当量)を室温で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物をDCMで希釈し、そして飽和NaHCO3溶液を用いてクエンチした。有機層を分離し、そして水、続いてブラインで洗浄し、そして無水Na2SO4で乾燥し、そしてろ過し、真空で濃縮した。粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(Combi-Flashカラム、24g redisepカートリッジ)によりn-ヘプタン中10~40%酢酸エチルを使用して精製し、所望の生成物を粘性橙色シロップ(0.6g、収率30%)として得た。
【0174】
MS(ESI) m/e [M+H]+:343;HPLC純度:98.6%(RT=5.4分)、1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ=10.75(s、1H、インドールNH)、7.51(s、1H,芳香族CH)、7.43(d、J=7.9Hz、2H、芳香族CH)、7.37-7.17(m、3H、芳香族CH)、7.12(s、1H、芳香族CH)、7.04(t、J=7.5Hz、1H、芳香族CH)、6.94(t、J=8.0Hz 1H、芳香族CH)、3.56(s、2H、CH2)、2.88(t、J=8.0Hz、2H、CH2)、2.63(t、J=8.0Hz、2H、CH2)、2.24(s、3H、NMe)。
【0175】
実施例24- N-(2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-N-(3-ヒドロキシメチルベンジル)メタン-1-アミンの合成
2-(1H-インドール-3-イル)-N-メチルエタン-1-アミン(0.9g、1.2当量)及びイソフタル酸モノメチルエステル(1.0当量)及びトリエチルアミン(4当量)のACN 25ml中の0℃撹拌溶液に、ポリホスホン酸無水物(2当量)を加え、そして反応混合物を16時間かけてゆっくりと室温まで昇温させた。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を真空で濃縮し、水(30mL)で希釈し、EtOAc(2x50mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物をオフホワイト固体(1.3g、76%)として得た。第2の工程において、固体を30ml THF中でLiAlH4(3当量)を用いて16時間還流して還元した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を飽和Na2SO4溶液(10mL)を用いてクエンチし、白色沈殿物をCeliteのパッドに通してろ過し、そしてEtOAc(100mL)で洗浄した。ろ液を水(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質を、combi flashクロマトグラフィーにより精製して、2-(1H-インドール-3-イル)-N-(3-ヒドロキシメチルベンジル)-N-メチルエタン-1-アミンを半固体(0.35g、30%)として得た。
【0176】
MS(ESI) m/e [MH+] 295. HPLC純度:98%(RT=7.56分)、1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ=2.2(br、2H)、2.4(s、3H)、2.85(t、2H)、3.08(t、2H)、3.7(s、2H)、4.7(s、2H)、7.05(s、1H)、7.13(t、1H)、7.22(t、1H)、7.29-7.4(重なった多重線、5H)、7.56(d、1H)、8.1(br s、1H)。
【0177】
実施例25- 2-(1H-インドール-3-イル)-N-(3-エチニルベンジル)-N-メチルエタン-1-アミンの合成
室温で終夜撹拌された、2-(1H-インドール-3-イル)-N-メチルエタン-1-アミン(0.5g、1.2当量、実施例23において製造されたとおり)及び3-エチニル-ベンズアルデヒド(1.1当量)を含有するエタノール溶液に、NaBH4(2.5当量)を加えた。この混合物をさらに2時間撹拌した後、後処理した。反応混合物を氷水を用いてクエンチし、そして酢酸エチル(50ml×2)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、そして無水Na2SO4で乾燥し、そしてろ過し、真空で濃縮した。粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(Combi-Flashカラム、24g redisepカートリッジ)により100%DCM~DCM中2%MeOHを使用して精製し、所望の生成物を粘性橙色シロップとして得た(0.3g、収率22%)。MS(ESI) m/e[MH+] 289.2。純度HPLC99.56%。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):構造に一致。
【0178】
実施例26- 2-(1H-インドール-3-イル)-N-(2,3-メチレンジオキシベンジル)-N-メチルエタン-1-アミンの合成
2-(1H-インドール-3-イル)-N-メチルエタン-1-アミン(0.5g、1.2当量、実施例23において製造された)のアセトニトリル25ml中の撹拌溶液に、2,3-メチレンジオキシ-安息香酸(1.0当量)、ポリホスホン酸無水物(1.5当量)及びトリエチルアミン(3当量)を0℃で加え、そして反応混合物を撹拌しながら終夜室温まで昇温させてた。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物をDCMで希釈し、そして飽和NaHCO3溶液を用いてクエンチした。有機層を分離し、そして水、続いてブラインで洗浄し、そして無水Na2SO4で乾燥し、そしてろ過し、真空で濃縮した。粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(Combi-Flashカラム、24g redisepカートリッジ)によりn-ヘプタン中酢酸エチル10~40%を使用して精製し、所望の生成物(0.7g、収率69%)を得た。次いで得られた半固体を、LiAlH4 2当量をTHF中で0Cにて16時間使用して還元して所望の生成物を得、これを再びフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(0.3g、42%)。純度(HPLC):98.7%。MS(ESI) m/e MH+ 309。1H-NMR(dmso-d6):2.25(3H、Me)、2.65(m、2H)、2.87(m、2H)、3.55(s、2H)、6.0(s、2H)、6.8(m-m、3H)、6.95(t、(1H)、7.05(t、1H)、7.13(m、1H)、7.3(d、1H)、7.45(d、1H)、10.75(br s、1H)。
【0179】
実施例27- 2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N-(3-メトキシベンジル)-N-メチルエタン-1-アミンの合成
以下の反応スキームを使用した:
【化18】
【0180】
2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)酢酸(0.5g、1.0当量)のACN中の撹拌溶液に、1-(3-メトキシフェニル)-N-メチルメタンアミン(0.4g、1.2当量)、続いてT3P(1.6g、2.0当量)及びEt3N(0.8g、3.3当量)を室温で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を真空で濃縮し、水(30mL)で希釈し、EtOAc(2x50mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィー(Combi-Flashカラム、24g redisepカートリッジ)により5%DCM:MeOHを使用して精製し、生成物を褐色固体(0.62g、収率75%)として得た。
【0181】
2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N-(3-メトキシベンジル)-N-メチルアセトアミド(0.62g、1.0当量)のTHF中の撹拌溶液に、2M LAH溶液(0.14g、2.0当量)を滴下した。反応混合物を0℃で4時間N2雰囲気下で撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を飽和Na2SO4溶液(10mL)を用いてクエンチし、白色沈殿物をCeliteのパッドに通してろ過し、そしてEtOAc(100mL)で洗浄した。ろ液を水(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィーにより精製して、2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N-(3-メトキシベンジル)-N-メチルエタン-1-アミン(FT230、0.35g、60%)をオフホワイト固体として得た。
【0182】
MS(ESI) m/e [M+H]+:325;HPLC純度:96.44%(RT=4.0分)、1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ=10.59(s、1H、インドールNH)、7.27-7.12(m、2H、芳香族CH)、7.08(d、J=2.0Hz、1H、芳香族CH)、6.88(d、J=5.4Hz、3H、芳香族CH)、6.80(d、J=7.8Hz 、1H、芳香族CH)、6.68(dd、J=2.4、8.8Hz、1H、芳香族CH)、3.70(d、J=2.0Hz、6H、OMe)、3.53(s、2H、CH2)、2.84(t、、J=4.0Hz 2H、CH2)、2.62(s、2H,CH2)、2.26(s、3H、NMe)。
【0183】
実施例28- 2-(1H-インドール-3-イル)-N-(2-メトキシベンジル)-N-メチルエタン-1-アミンの合成
以下の反応スキームを使用した:
【化19】
【0184】
2-(1H-インドール-3-イル)酢酸(1g、1.0当量)のACN溶媒中の撹拌溶液に、1-(2-メトキシフェニル)-N-メチルメタンアミン(1.6g、2.0当量)、続いてT3P(3.6g、2.0当量)及びEt3N(1.7g、3.0当量)を室温で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を真空で濃縮し、水(30mL)で希釈し、EtOAc(2x50mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.2g、収率68%)を得た。
【0185】
2-(1H-インドール-3-イル)-N-(2-メトキシベンジル)-N-メチルアセトアミド(1.2g、1.0当量)のTHF中撹拌溶液に、2M LAH溶液(0.3g、2.0当量)溶液を滴下した。反応混合物を0℃で4時間N2雰囲気下にて撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後に、反応混合物を飽和Na2SO4溶液(10mL)を用いてクエンチし、白色沈殿物をCeliteのパッドに通してろ過し、そしてEtOAc(100mL)で洗浄した。ろ液を水(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィーにより精製して、2-(1H-インドール-3-イル)-N-(2-メトキシベンジル)-N-メチルエタン-1-アミン(FT231、0.31g、27%)をオフホワイト固体として得た。
【0186】
MS(ESI) m/e [M+H]+:295;HPLC純度:98%(RT=5.9分)、1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ=10.74(s、1H、インドールNH)、7.44(d、J=8.0Hz、1H、芳香族CH)、7.36-7.29(m、2H、芳香族CH)、7.25-7.17(m、1H、芳香族CH)、7.12(d、J=2.3Hz、1H、芳香族CH)、7.08-7.01(m、1H、芳香族CH)、6.99-6.86(m、3H、芳香族CH)、3.76(s、3H、OMe)、3.55(s、2H、CH2)、2.88(s、J=4.0Hz 2H、CH2)、2.65(s、、J=8.0Hz、2H、CH2)、2.26(s、3H、NMe)。
【0187】
実施例29- N-(2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-N-(3-メトキシベンジル)プロパ-2-エン-1-アミンの合成
以下の反応スキームを使用した:
【化20】
【0188】
2-(1H-インドール-3-イル)酢酸(0.6g、1.0当量)の10ml ACN溶媒中の撹拌溶液に、N-(3-メトキシベンジル)プロパ-2-エン-1-アミン(0.7g、1.2当量)、続いてT3P(2.2g、2.0当量)及びEt3N(1.0g、3.0当量)を室温で加えた。反応混合物を室温で16時間N2雰囲気下にて撹拌した。完了後に、反応混合物を減圧下で濃縮し、そしてDCMで希釈し、そしてDCM及び水(40ml)で抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、そして真空で濃縮した。粗製物質をcombi flashクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物をオフホワイト固体(1.1g、収率96%)として得た。
【0189】
LAH(0.5g、4.0当量)のTHF 10ml中の撹拌溶液に、AlCl3(1.9g、4.0当量)を少しずつ加えた。次いで、反応混合物を0℃から室温で1時間継続して撹拌した。1時間後、THF中のN-アリル-2-(1H-インドール-3-イル)-N-(3-メトキシベンジル)アセトアミド(1.1g、1.0当量)を滴下し、そして反応混合物を室温で12時間撹拌した。完了後に、反応混合物を飽和Na2SO4溶液(10mL)を用いてクエンチし、白色沈殿物をCeliteのパッドに通してろ過し、そしてEtOAc(100mL)で洗浄した。ろ液を水(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして真空で濃縮した。得られた粗製物質をcombi flashクロマトグラフィーにより精製して、N-(2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-N-(3-メトキシベンジル)プロパ-2-エン-1-アミン(FT233、0.6g、59%)を褐色固体として得た。
MS(ESI) m/e [M+H]+:321;HPLC純度:99%(RT=5.8分)、1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ=10.73(s、1H、インドールNH)、7.38(d、J=7.75Hz、1H、芳香族CH)、7.3(d、J=8.0Hz、1H、芳香族CH)、7.22(t、J=7.88Hz、1H、芳香族CH)、7.11-6.98(m、2H、芳香族CH)、6.91(s、3H、芳香族CH)、6.8(d、J=7.5Hz、1H、芳香族CH)、6.00-5.80(m、1H、アルケンCH)、5.24(d、J=17.3Hz、1H、アルケンCH)、5.15(d、J=10.26Hz、1H、アルケンCH)、3.71(s、3H、OMe)、3.63(s、2H、CH2)、3.17(d、J=5.75Hz、2H、CH2)、2.86(t、J=8.0Hz、2H、CH2)、2.69(t、J=8.0Hz、2H、CH2)。
【0190】
比較例A~C
実施例1及び8の化合物について上に記載された方法と同様の方法を使用して、以下の化合物を合成し、そして試験した:
【0191】
【0192】
【0193】
比較例A~Cの化合物は、本発明の範囲外である。結果を表1において報告する。
【0194】
【0195】
従って、セロトニン-2Aアゴニストを試験し、そして新しい作用機序により多数の気分障害を処置し、その結果、現在の医療選択肢では処置可能ではない患者を救助し得るということが提案される。しかし、セロトニン2Aのアゴニストは、ほとんど相同なセロトニン-2B受容体のアゴニストであることがよくある。上述のように、セロトニン2B受容体のアゴニズムは線維化機構による弁の硬化を生じ得、そして過体重患者におけるこの有害反応に起因して体重減少製薬市場から撤回された化合物フェンフルラミンで例示された。本発明は、強力なセロトニン-2A受容体アゴニズムを示し、かつ非定型的セロトニン-2Bアンタゴニストであり、それ故心毒性有害反応の可能性を示さないベンジル-官能化トリプタミンに基づく新しい分子、それら分子の方法及び使用を提供する。本発明は、新規な気分適応症、神経回復/修復(神経可塑性)における有用性、及び患者により頻繁に使用されるか又は慢性的な毎日の医薬としての可能性を見出し得る。さらに、本発明は、既存の心血管脆弱性を有する患者が、及びそれ以外で、より伝統的にセロトニン-2Bを活性化する古典的なセロトニンアゴニストの使用を除外される患者が、脳のこれらの障害を処置するための有効性及び安全性が適切に実証された後、これらの分子を使用することを可能にし得る。
【0196】
本発明は、例示的実施形態及び実施例を参照して記載されてきたが、この記載は限定する意味で解釈されることを意図されない。従って、例示的実施形態、さらには本発明の他の実施形態の様々な改変は、この記載を参照すれば当業者に明らかだろう。従って、添付の特許請求の範囲がいずれのこのような改変も実施形態も包含することが企図される。
【0197】
本明細書において参照される全ての刊行物、特許及び特許出願は、各個々の刊行物、特許又は特許出願が具体的かつ個別にその全体として参照により加入されると示される程度と同じ程度まで、それら全体として参照により加入される。
【国際調査報告】