(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】方法及びＵＥ
(51)【国際特許分類】
H04W 36/08 20090101AFI20241018BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20241018BHJP
H04W 72/23 20230101ALI20241018BHJP
【ＦＩ】
H04W36/08
H04W16/28
H04W72/23
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526495
(86)(22)【出願日】2021-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 CN2021128496
(87)【国際公開番号】W WO2023077317
(87)【国際公開日】2023-05-11
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ダー
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【テーマコード（参考）】
5K067
【Ｆターム（参考）】
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH23
5K067JJ39
(57)【要約】
本開示の実施形態は、通信の方法、装置及びコンピュータ可読媒体に関する。セカンダリノード又はマスターノードである第１のネットワーク装置は、端末装置に、下位層シグナリングに基づいて第２のネットワーク装置のセル上のデータ送信を有効化するために適用される設定を送信する。端末装置は、この設定を、データ送信専用の端末装置の変数に記憶する。こうして、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャが有効化されてもよい。
【選択図】図２Ａ
【選択図】図２Ａ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信の方法であって、端末装置において、セカンダリノード又はマスターノードである第１のネットワーク装置から、下位層シグナリングに基づいて第２のネットワーク装置のセル上のデータ送信を有効化するために適用される設定を受信することと、
前記設定を、前記データ送信専用の前記端末装置の変数に記憶することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記設定は、前記設定のインデックス、
前記第２のネットワーク装置の前記セルの情報、又は
ビームの情報、
のうちの少なくとも１つに関連付けられている、請求項１に記載の方法。
【請求項3】
前記設定は、無線リソース設定、又は
アクセスストラタムセキュリティ設定、
のうちの少なくとも１つを含む、請求項１に記載の方法。
【請求項4】
前記無線リソース設定は、無線ベアラ設定、
メディアアクセス制御セルグループ設定、又は
物理チャネル設定、
のうちの少なくとも１つを含む、請求項３に記載の方法。
【請求項5】
前記記憶することは、前記設定が、サービングセルの変更なしで前記第２のネットワーク装置の前記セル上の第１のデータ送信を有効化するために適用されるとの決定に従って、前記設定を前記端末装置の第１の変数に記憶すること、又は
前記設定が、前記サービングセルの変更ありで前記第２のネットワーク装置の前記セル上の第２のデータ送信を有効化するために適用されるとの決定に従って、前記設定を前記端末装置の第２の変数に記憶すること、
を含む、請求項１に記載の方法。
【請求項6】
前記第１の変数と前記第２の変数とは同じ変数である、請求項５に記載の方法。
【請求項7】
前記第１の変数と前記第２の変数とは異なる変数である、請求項５に記載の方法。
【請求項8】
前記記憶することは、前記設定を前記マスターノードから受信したことに応じて、前記設定を前記端末装置の第３の変数に記憶すること、又は
前記設定を前記セカンダリノードから受信したことに応じて、前記設定を前記端末装置の第４の変数に記憶すること、
を含む、請求項１に記載の方法。
【請求項9】
前記第３の変数と前記第４の変数とは同じ変数である、請求項８に記載の方法。
【請求項10】
前記第３の変数と前記第４の変数とは異なる変数である、請求項８に記載の方法。
【請求項11】
前記第１のネットワーク装置から、前記設定が修正されることを示す第１のメッセージを受信することと、記憶された設定を前記第１のメッセージに基づいて修正することと、
をさらに含む、請求項１に記載の方法。
【請求項12】
前記第１のネットワーク装置から、前記設定が解放されることを示す第２のメッセージを受信することと、記憶された設定を前記第２のメッセージに基づいて解放することと、
をさらに含む、請求項１に記載の方法。
【請求項13】
前記第１のネットワーク装置から、前記データ送信が有効化されることを示す前記下位層シグナリングを受信することと、前記設定に基づいて前記データ送信を有効化することと、
をさらに含む、請求項１に記載の方法。
【請求項14】
前記データ送信を有効化することは、下位層から前記端末装置の無線リソース制御層へ、前記下位層シグナリングが受信されたことを通知することと、
前記無線リソース制御層により、前記下位層シグナリングにより示された有効化されるデータ送信に対応する前記設定を適用することと、
を含む、請求項１３に記載の方法。
【請求項15】
前記データ送信の有効化の後に、前記設定を前記変数から解放すること、又は前記データ送信の有効化の後に、前記設定を前記変数内に維持すること、
をさらに含む、請求項１３に記載の方法。
【請求項16】
前記データ送信が、サービングセルの変更なしで前記第２のネットワーク装置の前記セル上の第１のデータ送信であり、前記方法は、前記第１のネットワーク装置又は前記第２のネットワーク装置から、前記第２のネットワーク装置の前記セルが解放されることを示す第３のメッセージを受信することと、
前記第３のメッセージに基づいて、前記第２のネットワーク装置の前記セルを解放することと、
をさらに含む、請求項１に記載の方法。
【請求項17】
前記第３のメッセージは、メディアアクセス制御制御要素又はダウンリンク制御情報内に含まれる、請求項１６に記載の方法。
【請求項18】
前記第３のメッセージは、前記第２のネットワーク装置の前記セルのアイデンティティ、
ビームの情報、又は
前記第２のネットワーク装置の前記セルの送信設定インデックス状態が非アクティブ化されることを示す情報、
のうちの少なくとも１つを含む、請求項１６に記載の方法。
【請求項19】
前記解放することは、下位層から前記端末装置の無線リソース制御層へ、前記第３のメッセージが受信されたことを通知することと、
前記無線リソース制御層により前記設定を解放することと、
を含む、請求項１６に記載の方法。
【請求項20】
前記第３のメッセージは前記第２のネットワーク装置から受信され、前記方法は、
前記第１のネットワーク装置に、前記第２のネットワーク装置の前記セルが解放されたことを示す第４のメッセージを送信すること、
をさらに含む、請求項１９に記載の方法。
【請求項21】
前記端末装置のマスターセルグループについての障害を検出したことに応じて、セル選択を実行することにより、選択されたセルを決定することと、前記選択されたセルが前記第２のネットワーク装置の前記セルであるとの決定に従って、前記設定を前記選択されたセルについて適用してハンドオーバプロシージャを開始することと、
をさらに含む、請求項１に記載の方法。
【請求項22】
前記ハンドオーバプロシージャの開始が、前記第１のネットワーク装置から、前記設定が前記障害からの回復のために用いられたことを示す情報を受信したことに応じて行われる、請求項２１に記載の方法。
【請求項23】
前記端末装置のセカンダリセルグループについての障害を検出したことに応じて、事前決定された基準を満たす選択されたセルを決定することと、前記選択されたセルが前記第２のネットワーク装置の前記セルであるとの決定に従って、前記設定を前記選択されたセルについて適用して前記セカンダリセルグループについてプライマリセルの変更を実行することと、
をさらに含む、請求項１に記載の方法。
【請求項24】
前記セカンダリセルグループについての前記プライマリセルの前記変更の実行は、前記第１のネットワーク装置から、前記設定が前記障害からの回復のために用いられたことを示す情報を受信したことに応じて行われる、請求項２３に記載の方法。
【請求項25】
前記設定の適用時にタイマを開始することと、前記タイマが満了したとの決定に従って、前記データ送信における障害が発生したと決定することと、
をさらに含む、請求項１４に記載の方法。
【請求項26】
前記第２のネットワーク装置の前記セル上の前記データ送信が正常に有効化されたとの決定に従って、前記タイマを停止すること、をさらに含む、請求項２５に記載の方法。
【請求項27】
前記タイマの値が前記設定内で示される、請求項２５に記載の方法。
【請求項28】
前記データ送信が、サービングセルの変更なしで前記第２のネットワーク装置の前記セル上の第１のデータ送信であり、前記設定が前記第２のネットワーク装置の前記セル上のビーム障害検出又は無線リンク障害検出のための１組のパラメータを含み、前記方法は、
前記１組のパラメータに基づいて前記第２のネットワーク装置の前記セル上のビーム障害又は無線リンク障害を検出したことに応じて、前記データ送信における障害が発生したと決定すること、
をさらに含む、請求項１３に記載の方法。
【請求項29】
前記第１のネットワーク装置に、前記データ送信における前記障害の情報を送信すること、をさらに含む、請求項２５～２８の何れか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記障害の情報は、前記データ送信における障害が発生したことを示す指示、
前記設定のインデックス、
前記障害に関連付けられるセルの情報、又は
前記障害に関連付けられるビームの情報、
のうちの少なくとも１つを含む、請求項２９に記載の方法。
【請求項31】
前記障害の情報を送信することは、前記マスターノードに、前記障害の情報を無線リンク障害報告内で又は無線リソース制御メッセージ内で送信すること、
を含む、請求項２９に記載の方法。
【請求項32】
前記無線リソース制御メッセージは、前記セカンダリノードに送信される別の無線リソース制御メッセージを含み、前記別の無線リソース制御メッセージは、前記障害の情報を含む、
請求項３１に記載の方法。
【請求項33】
前記障害の情報を送信することは、前記セカンダリノードにシグナリング無線ベアラ３を介して、前記障害の情報を含む無線リソース制御メッセージを送信すること、
を含む、請求項２９に記載の方法。
【請求項34】
前記障害の情報を送信することは、前記下位層シグナリングを前記マスターノードから受信したことに応じて、前記マスターノードに、前記障害の情報を含むメディアアクセス制御制御要素又はダウンリンク制御情報を送信すること、又は
前記下位層シグナリングを前記セカンダリノードから受信したことに応じて、前記セカンダリノードに、前記障害の情報を含むメディアアクセス制御制御要素又はダウンリンク制御情報を送信すること、
を含む、請求項２９に記載の方法。
【請求項35】
通信の方法であって、セカンダリノード又はマスターノードである第１のネットワーク装置において、端末装置に、下位層シグナリングに基づいて第２のネットワーク装置のセル上のデータ送信を有効化するために適用される設定を送信すること、
を含む方法。
【請求項36】
前記設定は、前記設定のインデックス、
前記第２のネットワーク装置の前記セルの情報、又は
ビームの情報、
のうちの少なくとも１つに関連付けられている、請求項３５に記載の方法。
【請求項37】
前記設定は、無線リソース設定、又は
アクセスストラタムセキュリティ設定、
のうちの少なくとも１つを含む、請求項３５に記載の方法。
【請求項38】
前記無線リソース設定は、無線ベアラ設定、
メディアアクセス制御セルグループ設定、又は
物理チャネル設定、
のうちの少なくとも１つを含む、請求項３７に記載の方法。
【請求項39】
前記端末装置に、前記設定が修正されることを示す第１のメッセージを送信すること、をさらに含む、請求項３５に記載の方法。
【請求項40】
前記端末装置に、前記設定が解放されることを示す第２のメッセージを送信すること、をさらに含む、請求項３５に記載の方法。
【請求項41】
前記端末装置に、前記データ送信が有効化されることを示す前記下位層シグナリングを送信すること、をさらに含む、請求項３５に記載の方法。
【請求項42】
前記データ送信が、サービングセルの変更なしで前記第２のネットワーク装置の前記セル上の第１のデータ送信であり、前記方法は、
前記端末装置に、前記第２のネットワーク装置の前記セルが解放されることを示す第３のメッセージを送信すること、
をさらに含む、請求項４１に記載の方法。
【請求項43】
前記第３のメッセージは、メディアアクセス制御制御要素又はダウンリンク制御情報内に含まれる、請求項４２に記載の方法。
【請求項44】
前記第３のメッセージは、前記第２のネットワーク装置の前記セルのアイデンティティ、
ビームの情報、又は
前記セルの送信設定インデックス状態が非アクティブ化されることを示す情報、
のうちの少なくとも１つを含む、請求項４２に記載の方法。
【請求項45】
前記データ送信が、サービングセルの変更なしで前記第２のネットワーク装置の前記セル上の第１のデータ送信であり、前記方法は、
前記端末装置から、前記第２のネットワーク装置の前記セルが解放されたことを示す第４のメッセージを受信すること、
をさらに含む、請求項４１に記載の方法。
【請求項46】
前記端末装置に、前記設定が前記端末装置のマスターセルグループについての障害からの回復のために用いられたことを示す情報を送信すること、又は前記端末装置に、前記設定が前記端末装置のセカンダリセルグループについての障害からの回復のために用いられたことを示す情報を送信すること、
のうちの少なくとも１つをさらに含む、請求項３５に記載の方法。
【請求項47】
前記設定は、前記データ送信における障害の検出のために用いられるタイマの値を示す、請求項３５に記載の方法。
【請求項48】
前記端末装置から、前記データ送信における障害の情報を受信すること、をさらに含む、請求項４１に記載の方法。
【請求項49】
前記障害の情報は、前記データ送信における障害が発生したことを示す指示、
前記設定のインデックス、
前記障害に関連付けられるセルの情報、又は
前記障害に関連付けられるビームの情報、
のうちの少なくとも１つを含む、請求項４８に記載の方法。
【請求項50】
前記第１のネットワーク装置が前記マスターノードであり、前記障害の情報を受信することは、前記障害の情報を無線リンク障害報告内で又は無線リソース制御メッセージ内で前記端末装置から受信すること、
を含む、請求項４８に記載の方法。
【請求項51】
前記無線リソース制御メッセージは、前記セカンダリノードに送信される別の無線リソース制御メッセージを含み、前記別の無線リソース制御メッセージは、前記障害の情報を含む、請求項５０に記載の方法。
【請求項52】
前記第１のネットワーク装置が前記セカンダリノードであり、前記障害の情報を受信することは、前記端末装置からシグナリング無線ベアラ３を介して、前記障害の情報を含む無線リソース制御メッセージを受信すること、
を含む、請求項４８に記載の方法。
【請求項53】
前記障害の情報を受信することは、前記端末装置から、前記障害の情報を含むメディアアクセス制御制御要素又はダウンリンク制御情報を受信すること、
を含む、請求項４８に記載の方法。
【請求項54】
通信の方法であって、第２のネットワーク装置において、端末装置に、前記第２のネットワーク装置のセルが解放されることを示す第３のメッセージを送信することを含み、下位層シグナリングに基づいて前記セル上のデータ送信を有効化するために適用される設定が前記データ送信専用の前記端末装置の変数に記憶されている、
方法。
【請求項55】
前記第３のメッセージは、メディアアクセス制御制御要素又はダウンリンク制御情報内に含まれる、請求項５４に記載の方法。
【請求項56】
前記第３のメッセージは、前記第２のネットワーク装置の前記セルのアイデンティティ、
ビームの情報、又は
前記セルの送信設定インデックス状態が非アクティブ化されることを示す情報、
のうちの少なくとも１つを含む、請求項５４に記載の方法。
【請求項57】
請求項１～３４の何れか一項に記載の方法を実行するように設定されたプロセッサを備える、端末装置。
【請求項58】
請求項３５～５３の何れか一項、又は請求項５４～５６の何れか一項に記載の方法を実行するように設定されたプロセッサを備える、ネットワーク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、全体として電気通信の分野に関し、特に、下位層シグナリングに基づく通信の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在では、サービングセルの変更、追加又は解放は、無線リソース制御（ＲＲＣ：ｒａｄｉｏ ｒｅｓｏｕｒｃｅ ｃｏｎｔｒｏｌ）シグナリングに基づいて行われている。しかしながら、ＲＲＣシグナリングの送受信は、小さいカバレッジを有するセルのシナリオ、例えば周波数２（ＦＲ２：ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ ２）シナリオ及び集中ユニット（ＣＵ：ｃｅｎｔｒａｌ ｕｎｉｔ）／分散ユニット（ＤＵ：ｄｉｓｔｒｉｂｕｔｅｄ ｕｎｉｔ）アーキテクチャにおいて又は高速に移動する端末装置について、長い遅れ及び大きなシグナリングオーバーヘッドにつながる、長い遅延を引き起こしてしまう。
【0003】
上記問題のいくつかの解決策は、下位層シグナリング、例えばまとめてＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャと称されるレイヤ１（Ｌ１）又はレイヤ２（Ｌ２）シグナリングに基づいて提案されている。１つの解決策において、下位層シグナリングの受信時に、サービングセルの変更なしにデータ送信を実行し、これは、セル間ビーム管理とも称される。別の解決策において、下位層シグナリングの受信時に、サービングセルを変更してデータ送信を実行し、これは、Ｌ１／Ｌ２に基づくモビリティとも称される。しかしながら、これらの解決策の実現は未だ不完全であり、さらなる研究が待たれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全体として、本開示の例示的な実施形態は、下位層シグナリングに基づく通信の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第１の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、端末装置において、セカンダリノード又はマスターノードである第１のネットワーク装置から、下位層シグナリングに基づいて第２のネットワーク装置のセル上のデータ送信を有効化するために適用される設定を受信することと、前記設定を、前記データ送信専用の前記端末装置の変数に記憶することと、を含む。
【0006】
第２の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、セカンダリノード又はマスターノードである第１のネットワーク装置において、端末装置に、下位層シグナリングに基づいて第２のネットワーク装置のセル上のデータ送信を有効化するために適用される設定を送信することを含む。
【0007】
第３の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、第２のネットワーク装置において、端末装置に、前記第２のネットワーク装置のセルが解放されることを示す第３のメッセージを送信することを含み、下位層シグナリングに基づいてデータ送信を有効化するために適用される設定が前記データ送信専用の前記端末装置の変数に記憶されている。
【0008】
第４の態様において、端末装置が提供される。前記端末装置は、本開示の前記第１の態様にかかる方法を実行するように設定されたプロセッサを備える。
【0009】
第５の態様において、ネットワーク装置が提供される。前記ネットワーク装置は、本開示の前記第２の態様にかかる方法を実行するように設定されたプロセッサを備える。
【0010】
第６の態様において、別のネットワーク装置が提供される。前記ネットワーク装置は、本開示の前記第３の態様にかかる方法を実行するように設定されたプロセッサを備える。
【0011】
第７の態様において、命令を記憶しているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも一つのプロセッサ上で実行された場合、前記少なくとも１つのプロセッサに、本開示の第１の態様に記載の方法を実行させる。
【0012】
第８の態様において、命令を記憶しているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも１つのプロセッサ上で実行された場合、前記少なくとも１つのプロセッサに、本開示の第２の態様に記載の方法を実行させる。
【0013】
第９の態様において、命令を記憶したコンピュータ可読媒体が提供される。命令は、少なくとも１つのプロセッサ上で実行された場合、前記少なくとも１つのプロセッサに、本開示の第３の態様に記載の方法を実行させる。
【0014】
本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明することで、本開示の上述の及びその他の目的、特徴及び利点を、さらに明らかにする。
【0016】
【図1A】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワークを示す図である。
【0017】
【図1B】本開示のいくつかの実施形態にかかる装置においてユーザプレーン（ＵＰ：ｕｓｅｒ ｐｌａｎｅ）プロトコルスタックのために確立されてもよいネットワークプロトコル層エンティティを示す模式図である。
【0018】
【図1C】本開示のいくつかの実施形態にかかる装置において制御プレーン（ＣＰ：ｃｏｎｔｒｏｌ ｐｌａｎｅ）プロトコルスタックのために確立されてもよいネットワークプロトコル層エンティティを示す模式図である。
【0019】
【図1D】本開示のいくつかの実施形態にかかる装置においてＵＰプロトコルスタックのために確立されてもよいＣＵ／ＤＵアーキテクチャの模式図である。
【0020】
【図2A】本開示の実施形態にかかる、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャを有効化するために適用される設定を記憶するためのプロセスを示す模式図である。
【0021】
【図2B】本開示の実施形態にかかる、この設定に基づいてＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャを有効化するためのプロセスを示す模式図である。
【0022】
【図2C】本開示の実施形態にかかる、この設定に基づいて障害から回復するためのプロセスを示す模式図である。
【0023】
【図2D】本開示の実施形態にかかる、データ送信における障害を報告するためのプロセスを示す模式図である。
【0024】
【図3】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される例示的な通信方法を示す図である。
【0025】
【図4】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実現される例示的な通信方法を示す図である。
【0026】
【図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実現される別の例示的な通信方法を示す図である。
【0027】
【図6】本開示の実施形態を実現するのに適した装置の概略ブロック図である。
【0028】
図中、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで、いくつかの実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。これらの実施形態は、説明のためにのみ記載され、当業者が本開示を理解し、実施するのを助けるものであり、本開示の範囲に関するいかなる限定も示唆しないことを理解すべきである。本明細書で説明される開示内容は、以下で説明される方法とは異なる様々な方法で実施することができる。
【0030】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されていない限り、本文で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示の当業者が一般に理解するものと同一の意味を有する。
【0031】
本明細書で使用されるように、用語「端末装置」は、無線又は有線の通信能力を有する任意の装置を指す。端末装置の例は、ユーザ装置（ＵＥ）、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、携帯電話、セルラーフォン、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント（ＰＤＡ）、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブルデバイス、モノのインターネット（ＩｏＴ）装置、超信頼性低遅延通信（ＵＲＬＬＣ）装置、あらゆるモノのインターネット（ＩｏＥ：Ｉｎｔｅｒｎｅｔ ｏｆ Ｅｖｅｒｙｔｈｉｎｇ）装置、マシンタイプ通信（ＭＴＣ：ｍａｃｈｉｎｅ ｔｙｐｅ ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ）装置、Ｘが歩行者、車両、又はインフラストラクチャ／ネットワークを意味するＶ２Ｘ通信のための車載装置、統合アクセス及び統合アクセス及びバックホール（ＩＡＢ）のための装置、衛星及び無人航空機システム（ＵＡＳ：Ｕｎｍａｎｎｅｄ Ａｉｒｃｒａｆｔ Ｓｙｓｔｅｍ）を包含する高高度プラットフォーム（ＨＡＰ：Ｈｉｇｈ Ａｌｔｉｔｕｄｅ Ｐｌａｔｆｏｒｍ）を含む非地上系ネットワーク（ＮＴＮ）内の衛星搭載車両又は航空機搭載車両、拡張現実（ＡＲ）、混合現実（ＭＲ）、仮想現実（ＶＲ）などの、異なるタイプの現実を含むエクステンデッドリアリティ（ＸＲ：ｅｘｔｅｎｄｅｄ ｒｅａｌｉｔｙ）装置、人間の操縦者を持たない航空機でありドローンとして一般に称される無人航空車両（ＵＡＶ：ｕｎｍａｎｎｅｄ ａｅｒｉａｌ ｖｅｈｉｃｌｅ）、高速列車（ＨＳＴ：ｈｉｇｈ ｓｐｅｅｄ ｔｒａｉｎ）上の装置、又はデジタルカメラなどの画像取得装置、センサーゲーム装置、音楽保存及び再生装置、又は無線又は有線のインターネットアクセス及び閲覧などを可能とするインターネット家電など、を含むがこれらに限定されない。「端末装置」は、公共の安全及びミッションを最重要視する、Ｖ２Ｘアプリケーション、トランスペアレントＩＰｖ４／ＩＰｖ６マルチキャスト配信、ＩＰＴＶ、スマートＴＶ、無線サービス、無線を介するソフトウェア配信、グループ通信及びＩｏＴアプリケーションをサポートするために、「マルチキャスト／ブロードキャスト」機能をさらに有してもよい。また、マルチＳＩＭとして知られる１つ又は複数の加入者識別モジュール（ＳＩＭ：Ｓｕｂｓｃｒｉｂｅｒ Ｉｄｅｎｔｉｔｙ Ｍｏｄｕｌｅ ）を組み込んでもよい。用語「端末装置」は、ＵＥ、移動局、加入者局、移動端末、ユーザ端末、又は無線装置と互換的に使用されてもよい。
【0032】
用語「ネットワーク装置」は、端末装置が通信可能なセル又はカバレッジを提供又はホストすることができる装置を指す。ネットワーク装置の例は、ノードＢ（ＮｏｄｅＢ又はＮＢ）、進化型ノードＢ（ｅＮｏｄｅＢ又はｅＮＢ）、次世代ノードＢ（ｇＮＢ）、送受信ポイント（ＴＲＰ）、リモートラジオユニット（ＲＲＵ）、ラジオヘッド（ＲＨ）、リモートラジオヘッド（ＲＲＨ）、ＩＡＢノード、フェムトノード、ピコノード、再設定可能なインテリジェントサーフェス（ＲＩＳ：ｒｅｃｏｎｆｉｇｕｒａｂｌｅ ｉｎｔｅｌｌｉｇｅｎｔ ｓｕｒｆａｃｅ）などの低電力ノードを含むが、これらに限定されない。
【0033】
端末装置又はネットワーク装置は、人工知能（ＡＩ：Ａｒｔｉｆｉｃｉａｌ ｉｎｔｅｌｌｉｇｅｎｃｅ）又は機械学習の能力を有していてもよい。一般的に、特定の関数のために収集された多数のデータから訓練済みのモデルが含まれ、いくつかの情報を予測するために使用されることができる。
【0034】
端末装置又はネットワーク装置は、例えば、ＦＲ１（４１０ＭＨｚ～７１２５ＭＨｚ）、ＦＲ２（２４．２５ＧＨｚ～７１ＧＨｚ）、１００ＧＨｚより大きい周波数帯域、及びテラヘルツ（ＴＨｚ：Ｔｅｒａ Ｈｅｒｔｚ）などのいくつかの周波数範囲上で動作してもよい。さらに許可／無許可／共有スペクトル上で動作することができる。端末装置は、マルチ無線デュアル接続（ＭＲ－ＤＣ：Ｍｕｌｔｉ－Ｒａｄｉｏ Ｄｕａｌ Ｃｏｎｎｅｃｔｉｖｉｔｙ）アプリケーションシナリオの下で、ネットワーク装置と２つ以上の接続を有していてもよい。端末装置又はネットワーク装置は、全二重、フレキシブル二重、クロス分割二重モードで動作することができる。
【0035】
本開示の実施形態は、例えば、信号生成器、信号分析器、スペクトル分析器、ネットワーク分析器、テスト端末装置、テストネットワーク装置、チャネルエミュレータ等のテスト機器において実施されてもよい。
【0036】
一実施形態において、端末装置は、第１のネットワーク装置及び第２のネットワーク装置に接続することができる。第１のネットワーク装置と第２のネットワーク装置の一方をマスターノードとして、他方をセカンダリ―ノードとしてもよい。第１のネットワーク装置と第２のネットワーク装置は、異なる無線アクセス技術（ＲＡＴ）を使用してもよい。一実施形態において、第１のネットワーク装置は第１のＲＡＴ装置であってもよく、第２のネットワーク装置は第２のＲＡＴ装置であってもよい。一実施形態において、第１のＲＡＴ装置はｅＮＢであり、第２のＲＡＴ装置はｇＮＢである。異なるＲＡＴに関する情報は、第１のネットワーク装置又は第２のネットワーク装置の少なくとも一方から端末装置に送信されてもよい。一実施形態において、第１の情報は、第１のネットワーク装置から端末装置に送信されてもよく、そして第２の情報は、第２のネットワーク装置から直接又は第１のネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。一実施形態において、第２のネットワーク装置により設定された端末装置の設定に関する情報は、第２のネットワーク装置から第１のネットワーク装置を介して送信されてもよい。第２のネットワーク装置により設定された端末装置の再設定に関する情報は、第２のネットワーク装置から直接又は第１のネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。
【0037】
本明細書で使用される単数形「１つ」及び「前記」は、文脈に明示的に示されていない限り、複数形も含まれる。用語「含む」及びその変型は、「含むが、これらに限定されるものではない」を意味するオープンエンド用語として理解されるべきである。用語「に基づく」は、「に少なくとも部分的に基づく」と理解されるべきである。用語「一実施形態」及び「実施形態」は、「少なくとも１つの実施形態」と理解されるべきである。用語「別の実施形態」は、「少なくとも１つの他の実施形態」と理解されるべきである。「第１」、「第２」などの用語は、異なる又は同一の対象を指してもよい。以下では、その他の明示的及び暗黙的な定義を含む場合がある。
【0038】
いくつかの例において、値、プロシージャ、又は機器は、「最良」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」などと称される。このような説明は、多くの使用される機能的代替案の中から選択することができることを示すことを意図されており、そして、このような選択は、他の選択より良く、より小さく、より高い必要がなく、又はそのほかの点でより好ましい必要はないことが、理解できるはずである。
【0039】
上述したように、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャ、例えばセル間ビーム管理又はＬ１／Ｌ２に基づくモビリティは、実現においては未だ不完全である。例えば、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定を事前設定及び記憶する方法は不明である。また、Ｌ１／Ｌ２シグナリングの内容と、Ｌ１／Ｌ２シグナリングの受信時のＵＥ挙動については、不明確である。さらに、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャをトリガする前のマスターセルグループ（ＭＣＧ：ｍａｓｔｅｒ ｃｅｌｌ ｇｒｏｕｐ）又はセカンダリセルグループ（ＳＣＧ：ｓｅｃｏｎｄａｒｙ ｃｅｌｌ ｇｒｏｕｐ）における障害に対処する方法は不明である。追加として、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャにおける障害に対処する方法は不明である。
【0040】
本開示の実施形態は、上記の及び他の潜在的な問題を解決するために、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための通信の解決策を提供する。この解決策において、端末装置は、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャを有効化するための設定を、セカンダリノード（ＳＮ：ｓｅｃｏｎｄａｒｙ ｎｏｄｅ）又はマスターノード（ＭＮ：ｍａｓｔｅｒ ｎｏｄｅ）から受信し、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャ専用の該端末装置の変数に記憶する。Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャが有効化されることを示すＬ１／Ｌ２シグナリングを受信すると、端末装置は、記憶された設定に基づいてＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャを有効化してもよい。ＭＣＧ又はＳＣＧについての無線リンク障害を検出すると、端末装置は、Ｌ１／Ｌ２シグナリングを受信せずに、記憶された設定を直接適用してもよい。Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャにおける障害を検出すると、端末装置は、この障害をＭＮ又はＳＮに報告してもよい。こうして、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャをうまく実現することができる。
【0041】
以下、添付図面を参照して、本開示の原理及び実施態様について詳細に説明する。
通信ネットワークの例
通信ネットワークの例
【0042】
図１Ａは、本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワーク１００Ａを示す模式図である。図１Ａに示すように、通信ネットワーク１００Ａは、端末装置１１０と、複数のネットワーク装置１２０及び１３０（便宜上、本明細書において第１のネットワーク装置１２０及び第２のネットワーク装置１３０とも称される）を含んでもよい。ネットワーク装置１２０及び１３０は、それぞれのセル１２１及び１３１を提供して端末装置をサービングする。
【0043】
図１Ａにおける装置の数は説明の目的で与えられており、本開示に対するいかなる限定も暗示していないことを理解すべきである。通信ネットワーク１００Ａは、本開示の実施態様を実施するのに適した任意の適切な数のネットワーク装置及び／又は端末装置を含んでもよい。さらに、ネットワーク装置１２０及び１３０のそれぞれは、端末装置１１０により多くのセルを提供してもよい。
【0044】
図１Ａに示すように、端末装置１１０は、無線通信チャネル等のチャネルを介してネットワーク装置１２０又は１３０と通信してもよい。通信ネットワーク１００Ａにおける通信は、モバイル通信のためのグローバルシステム（ＧＳＭ：Ｇｌｏｂａｌ Ｓｙｓｔｅｍ ｆｏｒ Ｍｏｂｉｌｅ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎｓ）、ロングタームエボリューション（ＬＴＥ：Ｌｏｎｇ Ｔｅｒｍ Ｅｖｏｌｕｔｉｏｎ）、ＬＴＥ－Ｅｖｏｌｕｔｉｏｎ、ＬＴＥ－Ａｄｖａｎｃｅｄ（ＬＴＥ－Ａ）、Ｎｅｗ Ｒａｄｉｏ（ＮＲ）、広帯域符号分割多元接続（ＷＣＤＭＡ（登録商標）：Ｗｉｄｅｂａｎｄ Ｃｏｄｅ Ｄｉｖｉｓｉｏｎ Ｍｕｌｔｉｐｌｅ Ａｃｃｅｓｓ）、符号分割多元接続（ＣＤＭＡ：Ｃｏｄｅ Ｄｉｖｉｓｉｏｎ Ｍｕｌｔｉｐｌｅ Ａｃｃｅｓｓ）、ＧＳＭ ＥＤＧＥ無線アクセスネットワーク（ＧＥＲＡＮ：ＧＳＭ ＥＤＧＥ Ｒａｄｉｏ Ａｃｃｅｓｓ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、マシンタイプ通信（ＭＴＣ：Ｍａｃｈｉｎｅ Ｔｙｐｅ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ）などを含むが、これらに限定されない任意の適切な規格に準拠してもよい。本開示の実施形態は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されてもよい。通信プロトコルの例は、第１世代（１Ｇ）、第２世代（２Ｇ）、２．５Ｇ、２．７５Ｇ、第３世代（３Ｇ）、第４世代（４Ｇ）、４．５Ｇ、第５世代（５Ｇ）通信プロトコル、５．５Ｇ、５Ｇ－Ａｄｖａｎｃｅｄネットワーク、又は第６世代（６Ｇ）ネットワークを含むが、これらに限定されない。
【0045】
端末装置１１０からネットワーク装置１２０又は１３０に向かう方向の通信はＵＬ通信と称され、ネットワーク装置１２０又は１３０から端末装置１１０に向かう方向の通信はＤＬ通信と称される。端末装置１１０は、ネットワーク装置１２０、１３０、そして場合によっては他のネットワーク装置のセルの間を移動することができる。ＵＬ通信において、端末装置１１０は、ＵＬチャネルを介して、ＵＬデータ及び制御情報をネットワーク装置１２０又は１３０に送信してもよい。ＤＬ通信において、ネットワーク装置１２０又は１３０は、ＤＬチャネルを介して、ＤＬデータ及び制御情報を端末装置１１０に送信することができる。
【0046】
通信ネットワーク１００Ａにおける通信は、ＵＰ及びＣＰプロトコルスタックに従って行われてもよい。一般的に言うと、通信装置（例えば、端末装置又はネットワーク装置）の場合、プロトコルスタック内の複数のネットワークプロトコル層の複数のエンティティが存在し、これらのエンティティは、通信装置から送信され、通信装置により受信されるデータ又はシグナリングに、対応するプロセスを実施するように設定されてもよい。図１Ｂは、本開示のいくつかの実施形態にかかる装置においてＵＰプロトコルスタックのために確立されてもよいネットワークプロトコル層エンティティを示す模式図１００Ｂである。以下では、便宜上、端末装置１１０とネットワーク装置１２０との間の通信を例に挙げて説明する。以下の説明が端末装置１１０とネットワーク装置１３０との間の通信にも適していることを理解すべきである。
【0047】
図１Ｂに示すように、ＵＰにおいて、端末装置１１０及びネットワーク装置１２０のそれぞれは、Ｌ１層のエンティティ、つまり、物理（ＰＨＹ）層のエンティティ（ＰＨＹエンティティとも称される）と、上位層（Ｌ２層及びレイヤ３（Ｌ３）層、つまりより上位の層）の１つ又は複数のエンティティとを含んでもよく、この上位層の１つ又は複数のエンティティは、メディアアクセス制御（ＭＡＣ）層のエンティティ（ＭＡＣエンティティとも称される）、無線リンク制御（ＲＬＣ）層のエンティティ（ＲＬＣエンティティとも称される）、パケットデータコンバージェンスプロトコル（ＰＤＣＰ）層のエンティティ（ＰＤＣＰエンティティとも称される）、及びサービスデータアプリケーションプロトコル（ＳＤＡＰ）層のエンティティ（ＳＤＡＰエンティティとも称され、５Ｇ及びその後の世代のネットワークで確立される）を含む。場合によっては、ＰＨＹ、ＭＡＣ、ＲＬＣ、ＰＤＣＰ、及びＳＤＡＰエンティティは、スタック構造になっている。
【0048】
図１Ｃは、本開示のいくつかの実施形態にかかる装置においてＣＰプロトコルスタックのために確立されてもよいネットワークプロトコル層エンティティを示す模式図１００Ｃである。図１Ｃに示すように、ＣＰにおいて、端末装置１１０及びネットワーク装置１２０のそれぞれは、Ｌ１層のエンティティ、つまり、ＰＨＹ層のエンティティ（ＰＨＹエンティティとも称される）と、上位層（Ｌ２層及びＬ３層）の１つ又は複数のエンティティとを含んでもよく、この上位層（Ｌ２層及びＬ３層）の１つ又は複数のエンティティは、ＭＡＣ層のエンティティ（ＭＡＣエンティティとも称される）、ＲＬＣ層のエンティティ（ＲＬＣエンティティとも称される）、ＰＤＣＰ層のエンティティ（ＰＤＣＰエンティティとも称される）、及び無線リソース制御（ＲＲＣ）層のエンティティ（ＲＲＣエンティティとも称される）を含む。ＲＲＣ層はさらにアクセスストラタム（ＡＳ：ａｃｃｅｓｓ ｓｔｒａｔｕｍ）層と称されてもよく、そのために、ＲＲＣエンティティはさらにＡＳエンティティと称されてもよい。図１Ｃに示すように、端末装置１１０はさらに、非アクセスストラタム（ＮＡＳ）層のエンティティ（ＮＡＳエンティティとも称される）を含んでもよい。ネットワーク側のＮＡＳ層は、ネットワーク装置内ではなく、コアネットワーク（ＣＮ：ｃｏｒｅ ｎｅｔｗｏｒｋ、図示せず）内に配置される。いくつかのケースにおいては、これらのエンティティはスタック構造になる。
【0049】
本開示の背景において、Ｌ１はＰＨＹ層を指し、Ｌ２はＭＡＣ又はＲＬＣ又はＰＤＣＰ又はＳＤＡＰ層を指し、Ｌ３はＲＲＣ層を指す。本開示の背景において、Ｌ１又はＬ２はまとめて下位層と称されてもよく、Ｌ３は上位層と称されてもよい。したがって、Ｌ１又はＬ２シグナリングは下位層シグナリングと称されてもよく、Ｌ３シグナリングは上位層シグナリングと称されてもよい。
【0050】
一般的には、通信チャネル（communication channels）は、論理チャネルと、送信チャネル（transmission channels）と、物理チャネルとに分けられる。物理チャネルは、ＰＨＹ層が実際に情報を送信するチャネルである。例えば、物理チャネルは、物理アップリンク制御チャネル（ＰＵＣＣＨ：ｐｈｙｓｉｃａｌ ｕｐｌｉｎｋ ｃｏｎｔｒｏｌ ｃｈａｎｎｅｌ）と、物理アップリンク共有チャネル（ＰＵＳＣＨ：ｐｈｙｓｉｃａｌ ｕｐｌｉｎｋ ｓｈａｒｅｄ ｃｈａｎｎｅｌ）と、物理ランダムアクセスチャネル（ＰＲＡＣＨ：ｐｈｙｓｉｃａｌ ｒａｎｄｏｍ－ａｃｃｅｓｓ ｃｈａｎｎｅｌ）と、物理ダウンリンク制御チャネル（ＰＤＣＣＨ：ｐｈｙｓｉｃａｌ ｄｏｗｎｌｉｎｋ ｃｏｎｔｒｏｌ ｃｈａｎｎｅｌ）と、物理ダウンリンク共有チャネル（ＰＤＳＣＨ：ｐｈｙｓｉｃａｌ ｄｏｗｎｌｉｎｋ ｓｈａｒｅｄ ｃｈａｎｎｅｌ）と、物理ブロードキャストチャネル（ＰＢＣＨ：ｐｈｙｓｉｃａｌ ｂｒｏａｄｃａｓｔ ｃｈａｎｎｅｌ）とを含んでもよい。
【0051】
送信チャネルは、ＰＨＹ層とＭＡＣ層との間のチャネルである。例えば、送信チャネルは、ブロードキャストチャネル（ＢＣＨ：ｂｒｏａｄｃａｓｔ ｃｈａｎｎｅｌ）と、ダウンリンク共有チャネル（ＤＬ－ＳＣＨ：ｄｏｗｎｌｉｎｋ ｓｈａｒｅｄ ｃｈａｎｎｅｌ）と、ページングチャネル（ＰＣＨ：ｐａｇｉｎｇ ｃｈａｎｎｅｌ）と、アップリンク共有チャネル（ＵＬ－ＳＣＨ：ｕｐｌｉｎｋ ｓｈａｒｅｄ ｃｈａｎｎｅｌ）と、ランダムアクセスチャネル（ＲＡＣＨ）とを含んでもよい。
【0052】
論理チャネルは、ＭＡＣ層とＲＬＣ層との間のチャネルである。例えば、論理チャネルは、専用制御チャネル（ＤＣＣＨ：ｄｅｄｉｃａｔｅｄ ｃｏｎｔｒｏｌ ｃｈａｎｎｅｌ）と、共通制御チャネル（ＣＣＣＨ：ｃｏｍｍｏｎ ｃｏｎｔｒｏｌ ｃｈａｎｎｅｌ）と、ページング制御チャネル（ＰＣＣＨ：ｐａｇｉｎｇ ｃｏｎｔｒｏｌ ｃｈａｎｎｅｌ）と、ブロードキャスト制御チャネル（ＢＣＣＨ：ｂｒｏａｄｃａｓｔ ｃｏｎｔｒｏｌ ｃｈａｎｎｅｌ）と、専用トラフィックチャネル（ＤＴＣＨ：ｄｅｄｉｃａｔｅｄ ｔｒａｆｆｉｃ ｃｈａｎｎｅｌ）とを含んでもよい。
【0053】
一般的には、ＲＲＣ層とＰＤＣＰ層との間のチャネルは、無線ベアラと称される。端末装置１１０は、データプレーンデータを運搬するための少なくとも１つのデータ無線ベアラ（ＤＲＢ：ｄａｔａ ｒａｄｉｏ ｂｅａｒｅｒ）と、制御プレーンデータを運搬するための少なくとも１つのシグナリング無線ベアラ（ＳＲＢ：ｓｉｇｎａｌｉｎｇ ｒａｄｉｏ ｂｅａｒｅｒ）とを有するように設定されてもよい。ＲＲＣ層においては、ＳＲＢ０、ＳＲＢ１、ＳＲＢ２及びＳＲＢ３の４種類のＳＲＢが定義されてもよい。ＳＲＢ０はＲＲＣ接続の確立又は再確立にＣＣＣＨを使用する。ＳＲＢ１はＤＣＣＨを使用し、ＲＲＣ接続が確立されたときに確立される。ＳＲＢ２はＤＣＣＨを使用し、ＲＲＣ再設定中及び最初のセキュリティアクティブ化の後に確立される。ＳＲＢ３はＤＣＣＨを用い、デュアル接続が確立された場合に端末装置１１０とＳＮとの間で確立される。
【0054】
図１Ｄは、本開示のいくつかの実施形態にかかる装置においてＵＰプロトコルスタックのために確立されてもよいＣＵ／ＤＵアーキテクチャの模式図１００Ｄである。ＣＵ／ＤＵアーキテクチャはネットワーク装置において確立されてもよい。図示のために、以下では、ネットワーク装置１２０を例として説明する。
【0055】
図１Ｄに示すように、ＵＰにおいて、ネットワーク装置１２０は、１つ又は複数のＣＵを含んでもよい。ここでは、便宜上、１つのＣＵ １４１のみが示されている。各ＣＵ １４１は、複数のＤＵと通信してもよい。ここでは、図示のために、２つのＤＵ １５１及び１５２を示している。本開示の実施形態の実現のために、より多くのＤＵを提供してもよい。図示するように、ＣＵ １４１は、ＳＤＡＰエンティティ及びＰＤＣＰエンティティの機能を達成することを担当してもよく、ＤＵ １５１又は１５２は、ＲＬＣエンティティ、ＭＡＣエンティティ及びＰＨＹエンティティの機能を達成することを担当してもよい。
【0056】
ＤＵ １５１は、送受信ポイント（ＴＲＰ）１６１及び１６２と通信してもよい。ＤＵ １５２は、ＴＲＰ １６３及び１６４と通信してもよい。これは一例に過ぎず、任意のより多くの又は少ないＴＲＰも可能であることを理解すべきである。端末装置１１０は、ネットワーク装置１２０と通信するために、これらのＴＲＰのいずれと通信してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、同一のＣＵ及び同一のＤＵの制御下で、１つのＴＲＰから別のＴＲＰに切り替えてもよい。例えば、端末装置１１０は、ＴＲＰ １６１からＴＲＰ １６２にハンドオーバされてもよい。これは、ＤＵ内サービングセル変更と称される。いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、同一のＣＵ及び異なるＤＵの制御下で、１つのＴＲＰから別のＴＲＰに切り替えてもよい。例えば、端末装置１１０は、ＴＲＰ １６２からＴＲＰ １６３にハンドオーバされてもよい。この場合、ＤＵ １５１からＤＵ １５２へのセル変更が発生する。これは、ＤＵ間サービングセル変更と称される。別の例において、端末装置１１０は、異なるＣＵの制御下で、１つのＴＲＰから別のＴＲＰにハンドオーバされてもよい。この場合、ＣＵから別のＣＵへのハンドオーバが発生する。これはＣＵ間ハンドオーバと称される。
【0058】
図１Ａに戻り、いくつかの実施形態において、端末装置１１０はネットワーク装置１２０のセル１２１のカバレッジ内に位置してもよく、端末装置１１０は、ネットワーク設定に基づいてネットワーク装置１２０と通信してもよい。この場合、セル１２１は、端末装置１１０のサービングセルと称されてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、ネットワーク装置１２０及びネットワーク装置１３０とデュアル接続（即ち、同時接続）を確立してもよい。例えば、ネットワーク装置１２０はＭＮであり、ネットワーク装置１３０はＳＮである。いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、１組のサービングセルを介してネットワーク装置１２０と通信してもよい。該１組のサービングセルはＭＣＧを構成し、ＭＣＧ内のプライマリセルはＰＣｅｌｌと称される。いくつかのシナリオにおいて、ＰＣｅｌｌはセル１３１から別のセルに変更されてもよい。これはハンドオーバと称される。いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、別の１組のサービングセルを介してネットワーク装置１３０と通信してもよい。該別の１組のサービングセルはＳＣＧを構成し、ＳＣＧ内のプライマリセルはＰＳＣｅｌｌと称される。ＭＣＧ及びＳＣＧ内のセル数は、任意の正の整数であってもよいことを、理解すべきである。いくつかのシナリオにおいて、ＰＳＣｅｌｌはセル１３１から別のセルに変更されてもよい。いくつかのシナリオにおいて、ＰＳＣｅｌｌはセル１３１から別のセルに変更されてもよい。これはＰＳｃｅｌｌ変更と称される。
【0060】
いくつかのシナリオにおいて、端末装置１１０は、補助セル又は帯域幅パート（ＢＷＰ）又はビームを有するように設定されてもよい。便宜上、以下では、補助セルを例として説明する。補助セルがＬ１又はＬ２シグナリングによりアクティブ化された場合、端末装置１１０は、サービングセルを変更せずに、補助セル（非サービングセルとも称される）を介してデータ送信を実行してもよい。即ち、端末装置１１０は、補助セルとサービングセルとの両方を介してデータを送受信してもよい。このプロシージャは、セル間ビーム管理と称される。本開示の背景において、用語「データ送信」は、データの送受信を指す。
【0061】
いくつかのシナリオにおいて、端末装置１１０は、ネットワーク装置１２０から、サービングセルの追加又は変更又は解放を示すＬ１又はＬ２のシグナリングを受信してもよい。サービングセルの追加又は変更又は解放時に、端末装置１１０は、サービングセルの修正又は変更を行ってデータ送信を実行してもよい。このプロシージャは、Ｌ１／Ｌ２に基づくモビリティと称される。上述したように、これらのＬ１又はＬ２シグナリングに基づくプロシージャはＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャと称されてもよい。
【0062】
【0063】
図２Ａは、本開示の実施形態にかかる、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャを有効化するために適用される設定を記憶するためのプロセス２００Ａを示す模式図である。説明のために、図１Ａを参照してプロセス２００Ａを説明する。プロセス２００Ａには、図１Ａに示されるような端末装置１１０と第１のネットワーク装置１２０とが関与してもよい。第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０をサービングするＭＮ又はＳＮであってもよい。この例において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０のためのサービングセルを提供する。第２のネットワーク装置１３０は、端末装置１１０のためのサービングセルを提供しない。
【0064】
図２に示すように、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０に、下位層シグナリングに基づいて別のネットワーク装置（例えば、第２のネットワーク装置１３０）のセル上のデータ送信を有効化するために適用される設定を送信する（２０１）。換言すれば、第１のネットワーク装置１２０は、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのために適用されるＲＲＣ設定を事前設定してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、この設定は、無線リソース設定を含んでもよい。いくつかの実施形態において、無線リソース設定は、無線ベアラ設定、ＭＡＣセルグループ設定、又は物理チャネル設定、のうちの少なくとも１つを含んでもよい。例えば、ＣＵ間シナリオがサポートされるいくつかの実施形態において、無線ベアラ設定が設定されてもよい。これらは例に過ぎず、無線リソース設定がまた、任意の他の適切な設定又は設定の組み合わせを含んでもよいことを、理解すべである。
【0066】
いくつかの実施形態において、この設定はＡＳセキュリティ設定を含んでもよい。例えば、ＡＳセキュリティ設定は、ＣＵ間シナリオがサポートされるいくつかの実施形態において設定されてもよい。Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのために適用される設定は、任意の他の適切な設定又は設定の組み合わせを含んでもよいことを、理解すべきである。
【0067】
いくつかの実施形態において、設定は、設定のインデックス、セルの情報、又はビームの情報、のうちの少なくとも１つに関連付けられてもよい。例えば、第１のネットワーク装置１２０は、複数のセル又は候補セルについて、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための複数のＲＲＣ設定を事前設定してもよい。事前設定されるＲＲＣ設定は、１つのインデックス、セルの情報（例えば、アイデンティティ（ＩＤ：ｉｄｅｎｔｉｔｙ）、例えば物理セルアイデンティティ（ＰＣＩ：Ｐｈｙｓｉｃａｌ ｃｅｌｌ Ｉｄｅｎｔｉｔｙ）、セルＩＤ、セルグローバルアイデンティティ（ＣＧＩ：Ｃｅｌｌ Ｇｌｏｂａｌ Ｉｄｅｎｔｉｔｙ）又は任意の他の適切な情報）、又は、ビーム情報（例えば、同期信号ブロック（ＳＳＢ：Ｓｙｎｃｈｒｏｎｉｚａｔｉｏｎ Ｓｉｇｎａｌ ｂｌｏｃｋ）ＩＤ又は任意の他の適切な情報）に関連付けられてもよい。異なるセルについての異なる設定が任意の他の適切な情報により識別されてもよいことを、理解すべきである。
【0068】
設定を受信すると、端末装置１１０は、この設定を、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャ専用の端末装置１１０の変数に記憶する（２０２）。いくつかの実施形態において、サービングセルを変更しないデータ送信（本明細書では第１のデータ送信とも称される）のために設定が適用される場合、例えば、セル間ビーム管理のために設定が適用される場合、端末装置１１０は、設定を端末装置１１０の変数（本明細書では第１の変数とも称される）に記憶してもよい。サービングセルを変更するデータ送信（本明細書では第２のデータ送信とも称される）のために設定が適用される場合、例えば、Ｌ１／Ｌ２に基づくモビリティの場合、端末装置１１０は、設定を端末装置１１０の変数（本明細書では第２の変数とも称される）に記憶してもよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、第１の変数と第２の変数とは異なる変数であってもよい。こうして、端末装置１１０は、Ｌ１／Ｌ２に基づくモビリティとセル間ビーム管理とについて、設定を別々に記憶してもよい。そのため、端末装置１１０は、設定に対処しやすく、Ｌ１／Ｌ２に基づくモビリティとセル間ビーム管理とについて、異なる挙動を有してもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、第１の変数と第２の変数とは同じ変数であってもよい。こうして、端末装置１１０は、Ｌ１／Ｌ２に基づくモビリティとセル間ビーム管理とについて、設定を簡単且つ便利に記憶してもよい。
【0071】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０がＭＮから設定を受信した場合、端末装置１１０は、設定を端末装置１１０の変数（本明細書では第３の変数とも称される）に記憶してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置１１０がＳＮから設定を受信した場合、端末装置１１０は、設定を端末装置１１０の変数（本明細書では第４の変数とも称される）に記憶してもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、第３の変数と第４の変数とは異なる変数であってもよい。こうして、端末装置１１０は、ＭＮ及びＳＮにより設定されるＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定に別々に容易に処理することができる。
【0073】
いくつかの実施形態において、第３の変数と第４の変数とは同じ変数であってもよい。こうして、端末装置１１０は、ＭＮ及びＳＮにより設定されるＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定を簡単且つ便利に記憶することができる。
【0074】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、第１のネットワーク装置１２０から、設定が修正されることを示すメッセージ（本明細書では第１のメッセージとも称される）を受信してもよい（２０３）。例えば、第１のメッセージは、ＲＲＣメッセージであってもよい。もちろん、第１のメッセージは、任意の他の適切な形式を採用してもよい。いくつかの実施形態において、第１のメッセージは、修正される設定のインデックス、又はセル情報、又はビーム情報を示してもよい。第１のメッセージに基づいて、端末装置１１０は、変数に記憶された設定を、対応して修正又は更新してもよい（２０４）。
【0075】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、第１のネットワーク装置１２０から、設定が解放されることを示すメッセージ（本明細書では第２のメッセージとも称される）を受信してもよい。例えば、第２のメッセージは、ＲＲＣメッセージであってもよい。もちろん、第２のメッセージは、任意の他の適切な形式を採用してもよい。第２のメッセージに基づいて、端末装置１１０は、変数から、記憶された設定を、対応して解放又は破棄してもよい（２０６）。いくつかの実施形態において、第２のメッセージは、解放される設定のインデックス、又はセル情報、又はビーム情報を示してもよい。
【0076】
ここまで、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定の記憶及び更新が規定された。
Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャを有効化する実装例
Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャを有効化する実装例
【0077】
図２Ｂは、本開示の実施形態にかかる、この設定に基づいてＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャを有効化するためのプロセス２００Ｂを示す模式図である。説明のために、図１Ａを参照してプロセス２００Ｂを説明する。プロセス２００Ｂには、図１Ａに示すような端末装置１１０と、第１のネットワーク装置１２０と、第２のネットワーク装置１３０とが関与してもよい。第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０をサービングするＭＮ又はＳＮであってもよい。この例において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０のためのサービングセルを提供する。第２のネットワーク装置１３０は、端末装置１１０のためのサービングセルを提供しない。
【0078】
図２Ｂに示すように、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０に、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャが有効化されることを示すＬ１／Ｌ２シグナリングを送信してもよい（２１０）。いくつかの実施形態において、Ｌ１／Ｌ２シグナリングはＭＡＣ制御要素内で搬送されてもよい。いくつかの実施形態において、Ｌ１／Ｌ２シグナリングは、ダウンリンク制御情報（ＤＣＩ：ｄｏｗｎｌｉｎｋ ｃｏｎｔｒｏｌ ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ）内で搬送されてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態において、Ｌ１／Ｌ２シグナリングは、記憶された設定にマッピングされてもよい情報を含んでもよい。例えば、Ｌ１／Ｌ２シグナリングは、設定のインデックスを含んでもよい。別の例として、Ｌ１／Ｌ２シグナリングは、第２のネットワーク装置１３０のセルの情報を含んでもよい。代替として又は追加として、Ｌ１／Ｌ２シグナリングは、ビーム情報を含んでもよい。別の例において、Ｌ１／Ｌ２シグナリングは、送信設定インデックス（ＴＣＩ）状態がアクティブ化されることを示す情報を含んでもよい。Ｌ１／Ｌ２シグナリングが以上の情報の任意の組み合わせ及び任意の他の適切な情報又は情報の組み合わせを含んでもよい。
【0080】
Ｌ１／Ｌ２シグナリングを受信すると、端末装置１１０は、対応するＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャを有効化してもよい（２１１）。いくつかの実施形態において、端末装置１１０の下位層、例えばＭＡＣ層又はＰＨＹ層が、端末装置１１０のＲＲＣ層に、Ｌ１／Ｌ２シグナリングが受信されたことを通知し、端末装置１１０のＲＲＣ層が、Ｌ１／Ｌ２シグナリングにより示される設定を適用してもよい。例えば、Ｌ１／Ｌ２シグナリングを受信すると、第２のネットワーク装置１３０のセルについてのＴＣＩ状態がアクティブ化されてもよい。下位層は、Ｌ１／Ｌ２シグナリング内に含まれる情報をＲＲＣ層に通知し、ＲＲＣ層は、該情報に対応する記憶された設定を適用してもよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャの有効化の後に、記憶された設定を変数から解放してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、変数内に記憶された設定の全てのエントリを破棄してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、トリガされた対応の設定についてのエントリを破棄してもよい。こうして、古いサービングセルについて設定された設定を解除してもよく、設定の記憶リソースを削減してもよい。
【0082】
いくつかの代替の実施形態において、端末装置１１０は、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャの有効化の後に、記憶された設定を変数内に維持してもよい。こうして、記憶された設定はその後再利用されてもよい。この場合、セルを再設定するためにＲＲＣメッセージを送信する必要がないため、高速なＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャを有効化することができる。
【0083】
セル間ビーム管理についてのいくつかの実施形態において、第２のネットワーク装置１３０のセル（即ち、補助セル又は非サービングセル）を解放してもよい。いくつかの実施形態において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０に、第２のネットワーク装置１３０のセルが解放されることを示すメッセージ（本明細書では、第３のメッセージとも称される）を送信してもよい（２１２）。いくつかの代替の実施形態において、第２のネットワーク装置１３０は、第３のメッセージを端末装置１１０に送信してもよい（２１２’）。換言すれば、第１のネットワーク装置１２０のサービングセルと第２のネットワーク装置１３０のセルとの両方が第２のネットワーク装置１３０のセルの解放を示してもよい。
【0084】
いくつかの実施形態において、第３のメッセージはＭＡＣ ＣＥ内に含まれてもよい。いくつかの実施形態において、第３のメッセージはＤＣＩ内に含まれてもよい。いくつかの実施形態において、第３のメッセージはＲＲＣメッセージであってもよい。いくつかの実施形態において、第３のメッセージは、第２のネットワーク装置１３０のセルのアイデンティティ、ビームの情報、又は第２のネットワーク装置１３０のセルのＴＣＩ状態が非アクティブ化されることを示す情報、のうちの少なくとも１つを含んでもよい。もちろん、任意の他の適切な情報も可能であってもよい。
【0085】
第３のメッセージの受信時に、端末装置１１０は、第２のネットワーク装置１３０のセルを解放してもよい（２１３）。例えば、端末装置１１０の下位層は、端末装置１１０のＲＲＣ層に第３のメッセージを示してもよく、端末装置１１０のＲＲＣ層は、対応する設定を解放してもよい。
【0086】
第２のネットワーク装置１３０が第２のネットワーク装置１３０のセルの解放を示すいくつかの実施形態において、端末装置１１０は、第１のネットワーク装置１１０に、第２のネットワーク装置１３０のセルが解放されたことを示すメッセージ（本明細書では第４のメッセージとも称される）を送信してもよい（２１４）。即ち、端末装置１１０は、サービングセルに、第２のネットワーク装置１３０のセルが既に解放されたことを通知してもよい。いくつかの実施形態において、第４のメッセージはＭＡＣ ＣＥ内に含まれてもよい。いくつかの実施形態において、第４のメッセージはＤＣＩ内に含まれてもよい。いくつかの実施形態において、第４のメッセージはＲＲＣシグナリング内に含まれてもよい。
【0087】
ここまで、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのためのクロス層協調作業について説明してきた。上記プロセス２００Ｂにより、Ｌ１／Ｌ２シグナリングを用いて、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャをトリガ及び終了してもよい。
記憶された設定に基づく回復の実現例
記憶された設定に基づく回復の実現例
【0088】
いくつかのシナリオにおいて、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定を有するように既に事前設定された端末装置は、ＭＣＧ又はＳＣＧにおける通信障害、例えば、無線リンク障害（ＲＬＦ：ｒａｄｉｏ ｌｉｎｋ ｆａｉｌｕｒｅ）、ハンドオーバ障害、又はＰＳＣｅｌｌ変更障害を経験する可能性がある。この場合、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定がネットワーク側により事前設定されている場合には、無線リソースがネットワーク側において既に予約されているため、ネットワーク側からのＬ１／Ｌ２シグナリングを必要とせずに、既に事前設定されている設定を用いて回復プロシージャを行った方がよい。以下では、図２Ｃを参照していくつかの例示的な実施形態を説明する。
【0089】
図２Ｃは、本開示の実施形態にかかる、この設定に基づいて障害から回復するためのプロセス２００Ｃを示す模式図である。説明のために、図１Ａを参照してプロセス２００Ｃを説明する。プロセス２００Ｃには、図１Ａに示されるような端末装置１１０と第１のネットワーク装置１２０とが関与してもよい。第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０をサービングするＭＮ又はＳＮであってもよい。この例において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０のためのサービングセルを提供する。第２のネットワーク装置１３０は、端末装置１１０のためのサービングセルを提供しない。端末装置１１０は、第２のネットワーク装置１３０のセル上のデータ送信を有効化するために適用される設定（即ち、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定）を記憶する。
【0090】
図２Ｃに示すように、端末装置１１０は、ＭＣＧについての障害が検出されたことを決定してもよい（２２０）。例えば、端末装置１１０は、ＭＣＧについてのＲＬＦ障害を検出する可能性がある。別の例として、端末装置１１０は、ＭＣＧについてのハンドオーバ障害を検出する可能性がある。
【0091】
ＭＣＧについての障害の決定時に、端末装置１１０は、セル選択を実行することにより、選択されたセルを決定してもよい（２２１）。そして、端末装置１１０は、選択されたセルが、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定が事前設定されたセルであるか否かを決定してもよい（２２２）。換言すれば、端末装置１１０は、選択されたセルについてＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定が事前設定されているか否かを決定してもよい。
【0092】
選択されたセルが第２のネットワーク装置１３０のセルである、即ち、選択されたセルが、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定を有するように事前設定されていると決定された場合、端末装置１１０は、記憶された設定を選択されたセルについて適用してハンドオーバプロシージャを開始してもよい（２２４）。こうして、選択されたセルについてのＬ１／Ｌ２に基づくハンドオーバのための記憶された設定は、第１のネットワーク装置１２０からのＬ１／Ｌ２シグナリングなしに直接適用される。
【0093】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、第１のネットワーク装置１２０から、設定がＭＣＧについての障害からの回復のために用いられるか否かを示す情報を受信してもよい（２２３）。換言すれば、第１のネットワーク装置１２０は、Ｌ１／Ｌ２に基づくモビリティプロシージャのための記憶された設定を用いる障害回復がサポートされるか否かについて、端末装置１１０を設定してもよい。この情報が、障害回復がサポートされることを示す場合、端末装置１１０は、ＭＣＧについての障害が発生した後に、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための記憶された設定を用いてハンドオーバプロシージャを開始してもよい（２２４）。
【0094】
引き続き図２Ｃを参照し、端末装置１１０は、ＳＣＧについての障害が検出されたことを決定してもよい（２２５）。例えば、端末装置１１０は、ＳＣＧについてのＲＬＦ障害を検出する可能性がある。別の例として、端末装置１１０は、ＳＣＧについてのＰＳＣｅｌｌ変更障害を検出する可能性がある。
【0095】
ＳＣＧについての障害の決定時に、端末装置１１０は、事前決定された基準を満たす選択されるセルを決定してもよい（２２６）。例えば、選択されたセルは、ＩＤＬＥ／ＩＮＡＣＴＩＶＥ状態セル選択基準を満たすべきである。事前決定された基準がＰＳＣｅｌｌ変更についての任意の適切な基準であってもよく、本開示はこの側面を限定しないことを、理解すべきである。そして、端末装置１１０は、選択されたセルが、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定が事前設定されたセルであるか否かを決定してもよい（２２７）。換言すれば、端末装置１１０は、選択されたセルについてＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定が事前設定されているか否かを決定してもよい。
【0096】
選択されたセルが第２のネットワーク装置１３０のセルである、即ち、選択されたセルが、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定を有するように事前設定されていると決定された場合、端末装置１１０は、記憶された設定を選択されたセルについて適用してＳＣＧについてのＰＳＣｅｌｌ変更プロシージャを実行してもよい（２２９）。こうして、選択されたセルについてのＬ１／Ｌ２に基づくＰＳＣｅｌｌ変更のための記憶された設定は、第１のネットワーク装置１２０からのＬ１／Ｌ２シグナリングなしに直接適用される。
【0097】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、第１のネットワーク装置１２０から、設定がＳＣＧについての障害からの回復のために用いられたか否かを示す情報を受信してもよい（２２８）。換言すれば、第１のネットワーク装置１２０は、Ｌ１／Ｌ２に基づくモビリティプロシージャのための記憶された設定を用いる障害回復がサポートされるか否かについて、端末装置１１０を設定してもよい。この情報が、障害回復がサポートされることを示す場合、端末装置１１０は、ＳＣＧについての障害が発生した後に、記憶された設定を用いてＰＳＣｅｌｌ変更プロシージャを実行してもよい（２２９）。
【0098】
上記回復により、ネットワーク接続をより小さい遅延で回復させてもよい。
Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャにおける障害の報告の実現例
Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャにおける障害の報告の実現例
【0099】
いくつかのシナリオにおいて、端末装置はＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャにおける障害を経験する可能性がある。本開示の実施形態によれば、端末装置は、ネットワーク側が障害の原因を特定するのを助けるために、この障害をネットワーク側に通知してもよい。以下では、図２Ｄを参照していくつかの例示的な実施形態を説明する。
【0100】
図２Ｄは、本開示の実施形態にかかる、データ送信における障害を報告するためのプロセス２００Ｄを示す模式図である。説明のために、図１Ａを参照してプロセス２００Ｄを説明する。プロセス２００Ｄには、図１Ａに示されるような端末装置１１０と第１のネットワーク装置１２０とが関与してもよい。第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０をサービングするＭＮ又はＳＮであってもよい。この例において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０のためのサービングセルを提供する。第２のネットワーク装置１３０は、端末装置１１０のためのサービングセルを提供しない。端末装置１１０が、第２のネットワーク装置１３０のセル上のデータ送信を有効化するために適用される設定を適用してＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャを有効化すると仮定する。
【0101】
図２Ｄに示すように、端末装置１１０は、設定の適用時にタイマを開始してもよい（２３０）。いくつかの実施形態において、タイマはタイマＴ３０４であってもよい。もちろん、既存の、又は将来開発される任意の他の適切なタイマも可能である。いくつかの実施形態において、タイマはより短い値を有してもよい。いくつかの実施形態において、タイマの値がＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定内で示されてもよい。
【0102】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０はタイマが満了したか否かを決定してもよい（２３１）。いくつかの実施形態において、タイマが満了した場合、端末装置１１０は、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャにおける障害が発生したと決定してもよい（２３２）。
【0103】
いくつかの実施形態において、タイマの実行中に、第２のネットワーク装置１３０のセル上のデータ送信が正常に有効化された（即ち、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャが正常に有効化された）場合、端末装置１１０は、タイマを停止してもよい（２３３）。例えば、端末装置１１０がタイマの実行中にセルへのランダムアクセスプロシージャを完了した場合、端末装置１１０は、タイマを停止してもよい。別の例において、端末装置１１０が第２のネットワーク装置１３０のセルのＣ－ＲＮＴＩ宛てのＰＤＣＣＨ送信を正常に受信した場合、端末装置１１０は、タイマを停止してもよい。
【0104】
セル間ビーム管理についてのいくつかの実施形態において、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定は、第２のネットワーク装置１３０のセル上のビーム障害検出又はＲＬＦ検出のための１組のパラメータを含んでもよい。これらの実施形態において、端末装置１１０は、該１組のパラメータに基づいて、第２のネットワーク装置１３０のセル上のビーム障害又はＲＬＦが発生したか否かを検出してもよい（２３４）。端末装置１１０が第２のネットワーク装置１３０のセル上のビーム障害又はＲＬＦを検出した場合、端末装置１１０は、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャにおける障害が発生したと決定してもよい（２３５）。
【0105】
Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャにおける障害の決定２３２又は２３５の時に、端末装置１１０は、障害の情報２３６を第１のネットワーク装置１２０に送信してもよい（２３６）。いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、障害の情報をＲＲＣメッセージ、例えば、ＵＥＡｓｓｉｓｔａｎｃｅＩｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ又は任意の他の適切なメッセージにより送信してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、障害の情報を、Ｌ１／Ｌ２シグナリング、例えばＭＡＣ ＣＥ又はＤＣＩ、又は任意の他の適切なシグナリングにより送信してもよい。
【0106】
いくつかの実施形態において、障害の情報は、データ送信における障害が発生したことを示す指示を含んでもよい。いくつかの実施形態において、障害の情報は、設定のインデックスを含んでもよい。いくつかの実施形態において、障害の情報は、障害に関連付けられたセルの情報、即ち、障害したセルの情報を含んでもよい。いくつかの実施形態において、障害の情報は、障害に関連付けられたビームの情報、即ち、障害したビームの情報を含んでもよい。障害の情報が以上に挙げられた情報の任意の組み合わせ及び任意の他の適切な情報又は情報の組み合わせを含んでもよい。
【0107】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、ＭＮに、ＲＬＦ報告内で障害の情報を送信してもよい。例えば、端末装置１１０は、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャの障害の情報をＲＬＦ報告内に置き、ＲＬＦ報告をＭＮに報告してもよい。例えば、Ｌ１／Ｌ２シグナリングに基づくハンドオーバのタイマ満了の場合、端末装置１１０は、ＭＮに、ＲＬＦ報告内でＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャの障害の情報を送信してもよい。
【0108】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、ＭＮに、ＲＲＣメッセージ内で障害の情報を送信してもよい。例えば、ＲＲＣメッセージは、ＳＣＧＦａｉｌｕｒｅＩｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ、ＦａｉｌｕｒｅＩｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ又はＵＥＡｓｓｉｓｔａｎｃｅＩｎｆｏｒｍａｔｉｏｎメッセージであってもよい。なお、既存の、又は将来開発される任意の他の適切なメッセージも可能である。例えば、ＳＣＧについてのＬ１／Ｌ２に基づくモビリティのタイマ満了の場合、端末装置１１０は、ＭＮに、ＲＲＣメッセージ内でＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャの障害の情報を送信してもよい。
【0109】
いくつかの実施形態において、ＲＲＣメッセージは、障害の情報が含まれるＳＮ ＲＲＣメッセージ（本明細書では、別のＲＲＣメッセージとも称される）を含んでもよい。例えば、ＲＲＣメッセージは、ＵＬＩｎｆｏｒｍａｔｉｏｎＴｒａｎｓｆｅｒＭＲＤＣメッセージであってもよく、ＳＮ ＲＲＣメッセージはＦａｉｌｕｒｅＩｎｆｏｒｍａｔｉｏｎメッセージであってもよい。なお、既存の、又は将来開発される任意の他の適切なメッセージも可能である。例えば、ＳＲＢ３が設定されずにＳＣＧについてのセル上のビーム障害又はＲＬＦが発生した場合、端末装置１１０は、ＭＮに、ＳＮ ＲＲＣメッセージ内でＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャの障害の情報を送信してもよい。
【0110】
ＳＲＢ３が設定されているいくつかの実施形態において、端末装置１１０は、ＳＲＢ３を介してＳＮに、障害の情報を含むＲＲＣメッセージを送信してもよい。例えば、ＲＲＣメッセージは、ＦａｉｌｕｒｅＩｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ又はＵＥＡｓｓｉｓｔａｎｃｅＩｎｆｏｒｍａｔｉｏｎメッセージであってもよい。なお、既存の、又は将来開発される任意の他の適切なメッセージも可能である。例えば、ＳＲＢ３が設定されてＳＣＧについてのセル上のビーム障害やＲＬＦが発生した場合、端末装置１１０は、ＳＮに、ＳＲＢ３を介してＬ１／Ｌ２に基づくプロシージャの障害の情報を送信してもよい。
【0111】
いくつかの実施形態において、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャを有効化するためのＬ１／Ｌ２シグナリングがＭＮから受信された場合、端末装置１１０は、それに応じて、障害の情報を含むＬ１／Ｌ２シグナリングをＭＮに送信してもよい。例えば、端末装置１１０は、ＭＮに、障害の情報を含むＭＡＣ ＣＥ又はＤＣＩを送信してもよい。いくつかの実施形態において、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャを有効化するためのＬ１／Ｌ２シグナリングがＳＮから受信された場合、端末装置１１０は、それに応じて、障害の情報を含むＬ１／Ｌ２シグナリングをＳＮに送信してもよい。例えば、端末装置１１０は、ＳＮに、障害の情報を含むＭＡＣ ＣＥ又はＤＣＩを送信してもよい。これらの実施形態は、Ｌ１／Ｌ２に基づくモビリティのタイマ満了、又はＭＮ又はＳＮについてのビーム障害又はＲＬＦのために適用されてもよい。
【0112】
ここまで、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャにおける障害の報告について説明してきた。こうして、このサービングセルは、障害を認識し、ネットワーク実現をさらに最適化してもよい。
方法の実現例
方法の実現例
【0113】
したがって、本開示の実施形態は、端末装置とネットワーク装置において実現される通信方法を提供する。図３～５を参照し、以下にこれらの方法を説明する。
【0114】
図３は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される例示的な通信方法３００を示す図である。例えば、方法３００は、図１Ａに示すような端末装置１１０において実行されてもよい。以下、説明のために、図１Ａを参照して方法３００を説明する。方法３００は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ／又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。第１のネットワーク装置１２０が端末装置１１０をサービングするＭＮ又はＳＮであってもよいと仮定する。第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０のためのサービングセル（例えば、セル１２１）を提供する。第２のネットワーク装置１３０は、端末装置１１０のためのサービングセルを提供しない。
【0115】
ブロック３１０において、端末装置１１０は、第１のネットワーク装置１２０から、下位層シグナリングに基づいて第２のネットワーク装置１３０のセル１３１上のデータ送信を有効化するために適用される設定を受信する。
【0116】
いくつかの実施形態において、データ送信は、サービングセルを変更しないセル１３１上のデータ送信（本明細書では第１のデータ送信とも称される）、例えばセル間ビーム管理であってもよい。いくつかの実施形態において、データ送信は、サービングセルを変更するセル１３１上のデータ送信（本明細書では第２のデータ送信とも称される）、例えばＬ１／Ｌ２に基づくモビリティであってもよい。
【0117】
いくつかの実施形態において、設定は、設定のインデックス、第２のネットワーク装置１３０のセル１３１の情報、又はビームの情報、のうちの少なくとも１つに関連付けられてもよい。例えば、異なるセルについての複数の設定が事前設定されてもよく、該複数の設定は、設定の異なるインデックス、セルの情報、又はビームの情報に関連付けられてもよい。
【0118】
いくつかの実施形態において、設定は、無線リソース設定、又はアクセスストラタムセキュリティ設定、のうちの少なくとも１つを含んでもよい。いくつかの実施形態において、無線リソース設定は、無線ベアラ設定、メディアアクセス制御セルグループ設定、又は物理チャネル設定、のうちの少なくとも１つを含んでもよい。
【0119】
ブロック３２０において、端末装置１１０は、設定をデータ送信専用の端末装置１１０の変数に記憶する。いくつかの実施形態において、設定が、第１のデータ送信を有効化するために適用される場合、端末装置１１０は、この設定を、端末装置１１０の第１の変数に記憶してもよい。設定が、第２のデータ送信を有効化するために適用される場合、端末装置１１０は、この設定を、端末装置１１０の第２の変数に記憶してもよい。いくつかの実施形態において、第１の変数と第２の変数とは同じ変数であってもよい。いくつかの実施形態において、第１の変数と第２の変数とは異なる変数であってもよい。
【0120】
いくつかの実施形態において、設定がＭＮから受信された場合、端末装置１１０は、この設定を端末装置１１０の第３の変数に記憶してもよい。設定がＳＮから受信された場合、端末装置１１０は、この設定を端末装置１１０の第４の変数に記憶してもよい。いくつかの実施形態において、第３の変数と第４の変数とは同じ変数であってもよい。いくつかの実施形態において、第３の変数と第４の変数とは異なる変数であってもよい。
【0121】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、第１のネットワーク装置１２０から、設定が修正されることを示す第１のメッセージを受信し、記憶された設定を第１のメッセージに基づいて修正してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、第１のネットワーク装置１２０から、設定が解放されることを示す第２のメッセージを受信し、記憶された設定を第２のメッセージに基づいて解放してもよい。
【0122】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、第１のネットワーク装置１２０から、データ送信が有効化されることを示す下位層シグナリングを受信し、この設定に基づいてこのデータ送信を有効化してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、下位層から端末装置１１０のＲＲＣ層へ、下位層シグナリングが受信されたことを通知することと、ＲＲＣ層により、下位層シグナリングにより示された有効化されるデータ送信に対応する設定を適用することとにより、このデータ送信を有効化してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、データ送信の有効化の後に、設定を変数から解放してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、データ送信の有効化の後に、設定を変数内に維持してもよい。
【0123】
データ送信が第１のデータ送信であるいくつかの実施形態において、端末装置１１０は、第１のネットワーク装置１２０又は第２のネットワーク装置１３０から、第２のネットワーク装置１３０のセル１３１が解放されることを示す第３のメッセージを受信し、第３のメッセージに基づいて、第２のネットワーク装置１３０のセル１３１を解放してもよい。いくつかの実施形態において、第３のメッセージはＭＡＣ ＣＥ又はＤＣＩ内に含まれてもよい。いくつかの実施形態において、第３のメッセージは、第２のネットワーク装置１３０のセル１３１のアイデンティティ、ビームの情報、又は前記第２のネットワーク装置１３０のセルのＴＣＩ状態が非アクティブ化されることを示す情報、のうちの少なくとも１つを含んでもよい。
【0124】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、下位層から端末装置１１０のＲＲＣ層へ、第３のメッセージが受信されたことを通知することと、ＲＲＣ層により設定を解放することとにより、第２のネットワーク装置１３０のセル１３１を解放してもよい。
【0125】
第３のメッセージが第２のネットワーク装置１３０から受信されるいくつかの実施形態において、端末装置１１０は、第１のネットワーク装置１１０に、第２のネットワーク装置１３０のセルが解放されたことを示す第４のメッセージを送信してもよい。
【0126】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０のＭＣＧについての障害を検出したことに応じて、端末装置１１０は、セル選択を実行することにより、選択されるセルを決定してもよい。選択されたセルが第２のネットワーク装置１３０のセル１３１である場合、端末装置１１０は、選択されたセルについて設定を適用してハンドオーバプロシージャを開始してもよい。いくつかの実施形態において、ハンドオーバプロシージャの開始は、第１のネットワーク装置１２０から、設定が障害からの回復のために用いられたことを示す情報を受信したことに応じて行われる。
【0127】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０のＳＣＧについての障害を検出したことに応じて、端末装置１１０は、事前決定された基準を満たす選択されるセルを決定してもよい。選択されたセルが第２のネットワーク装置１３０のセル１３１である場合、端末装置１１０は、選択されたセルについて設定を適用してＳＣＧについてのＰＳＣｅｌｌ変更を開始してもよい。いくつかの実施形態において、ＳＣＧについてのＰＳＣｅｌｌ変更の実行は、第１のネットワーク装置１２０から、設定が障害からの回復のために用いられることを示す情報を受信したことに応じて行われる。
【0128】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、設定の適用時にタイマを開始してもよい。タイマが満了した場合、端末装置１１０は、データ送信における障害が発生したと決定してもよい。いくつかの実施形態において、第２のネットワーク装置１３０のセル１３１上のデータ送信が正常に有効化された場合、端末装置１１０は、タイマを停止してもよい。いくつかの実施形態において、タイマの値が設定内で示されてもよい。
【0129】
データ送信が第１のデータ送信であり、設定が第２のネットワーク装置１３０のセル１３１上のビーム障害検出又はＲＬＦ検出のための１組のパラメータを含むいくつかの実施形態において、該１組のパラメータに基づいて第２のネットワーク装置１３０のセル１３１上のビーム障害又はＲＬＦを検出したことに応じて、端末装置１１０は、データ送信における障害が発生したと決定してもよい。
【0130】
いくつかの実施形態において、データ送信における失敗の決定時に、端末装置１１０は、第１のネットワーク装置１２０に、データ送信における失敗の情報を送信してもよい。いくつかの実施形態において、障害の情報は、データ送信における障害が発生したことを示す指示、設定のインデックス、障害に関連付けられるセルの情報、又は障害に関連付けられるビームの情報、のうちの少なくとも１つを含んでもよい。
【0131】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、ＭＮに、ＲＬＦ報告内で又はＲＲＣメッセージ内で障害の情報を送信してもよい。いくつかの実施形態において、ＲＲＣメッセージは、ＳＮに送信される別のＲＲＣメッセージを含んでもよく、該別のＲＲＣメッセージは、障害の情報を含んでもよい。
【0132】
いくつかの実施形態において、端末装置１１０は、ＳＲＢ３を介してＳＮに、障害の情報を含むＲＲＣメッセージを送信してもよい。
【0133】
いくつかの実施形態において、ＭＮから下位層シグナリングを受信したことに応じて、端末装置１１０は、ＭＮに、障害の情報を含むＭＡＣ ＣＥ又はＤＣＩを送信してもよい。いくつかの実施形態において、ＳＮから下位層シグナリングを受信したことに応じて、端末装置１１０は、ＳＮに、障害の情報を含むＭＡＣ ＣＥ又はＤＣＩを送信してもよい。
【0134】
こうして、端末装置は、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための記憶された設定に基づいて、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャを有効化してもよい。また、端末装置は、記憶された設定に基づいて障害から回復し、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャの障害をネットワーク側に報告してもよい。
【0135】
図４は本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実現される例示的な通信方法４００を示す。例えば、方法４００は、図１Ａに示すような第１のネットワーク装置１２０において実行されてもよい。以下、説明のために、図１Ａを参照して方法４００を説明する。方法４００は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ／又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０をサービングするＭＮ又はＳＮであってもよい。第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０のためのサービングセル（例えば、セル１２１）を提供する。第２のネットワーク装置１３０は、端末装置１１０のためのサービングセルを提供しない。
【0136】
図４に示すように、ブロック４１０において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０に、下位層シグナリングに基づいて第２のネットワーク装置１３０のセル１３１上のデータ送信を有効化するために適用される設定を送信する。
【0137】
いくつかの実施形態において、設定は、設定のインデックス、第２のネットワーク装置１３０のセル１３１の情報、又はビームの情報、のうちの少なくとも１つに関連付けられてもよい。
【0138】
いくつかの実施形態において、設定は、無線リソース設定、又はアクセスストラタムセキュリティ設定、のうちの少なくとも１つを含んでもよい。いくつかの実施形態において、無線リソース設定は、無線ベアラ設定、ＭＡＣセルグループ設定、又は物理チャネル設定、のうちの少なくとも１つを含んでもよい。
【0139】
いくつかの実施形態において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０に、設定が修正されることを示す第１のメッセージを送信してもよい。いくつかの実施形態において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０に、設定が解放されることを示す第２のメッセージを送信してもよい。
【0140】
いくつかの実施形態において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０に、データ送信が有効化されることを示す下位層シグナリングを送信してもよい。データ送信が、サービングセルの変更なしで第２のネットワーク装置のセル上の第１のデータ送信であるいくつかの実施形態において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０に、第２のネットワーク装置１３０のセル１３１が解放されることを示す第３のメッセージを送信してもよい。いくつかの実施形態において、第３のメッセージはＭＡＣ ＣＥ又はＤＣＩ内に含まれてもよい。いくつかの実施形態において、第３のメッセージは、第２のネットワーク装置１３０のセル１３１のアイデンティティ、ビームの情報、又はセル１３１のＴＣＩ状態が非アクティブ化されることを示す情報、のうちの少なくとも１つを含んでもよい。
【0141】
データ送信が、サービングセルの変更なしで第２のネットワーク装置のセル上の第１のデータ送信であるいくつかの実施形態において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０から、第２のネットワーク装置１３０のセル１３１が解放されたことを示す第４のメッセージを受信してもよい。
【0142】
いくつかの実施形態において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０に、設定が端末装置１１０のＭＣＧについての障害からの回復のために用いられたことを示す情報を送信してもよい。いくつかの実施形態において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０に、設定が端末装置１１０のＳＣＧについての障害からの回復のために用いられたことを示す情報を送信してもよい。
【0143】
いくつかの実施形態において、設定は、データ送信における障害の検出のために用いられるタイマの値を示してもよい。
【0144】
いくつかの実施形態において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０から、データ送信における障害の情報を受信してもよい。いくつかの実施形態において、障害の情報は、データ送信における障害が発生したことを示す指示、設定のインデックス、障害に関連付けられるセルの情報、又は障害に関連付けられるビームの情報、のうちの少なくとも１つを含んでもよい。
【0145】
第１のネットワーク装置１２０がＭＮであるいくつかの実施形態において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０からのＲＬＦ報告内で又はＲＲＣメッセージ内で障害の情報を受信してもよい。いくつかの実施形態において、ＲＲＣメッセージは、ＳＮに送信される別のＲＲＣメッセージを含んでもよく、該別のＲＲＣメッセージは、障害の情報を含んでもよい。
【0146】
第１のネットワーク装置１２０がＳＮであるいくつかの実施形態において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０からＳＲＢ３を介して、障害の情報を含むＲＲＣメッセージを受信してもよい。
【0147】
いくつかの実施形態において、第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０から、障害の情報を含むＭＡＣ ＣＥ又はＤＣＩを受信してもよい。
【0148】
こうして、ネットワーク側は、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャのための設定を設定及び更新してもよい。さらに、ネットワーク側は、Ｌ１／Ｌ２に基づくプロシージャの障害の情報を取得し、関連するネットワーク実現を最適化してもよい。
【0149】
図５は本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実現される別の例示的な通信方法５００を示す図である。例えば、方法５００は、図１Ａに示すような第２のネットワーク装置１３０において実行されてもよい。以下、説明のために、図１Ａを参照して方法５００を説明する。方法５００は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ／又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０をサービングするＭＮ又はＳＮであってもよい。第１のネットワーク装置１２０は、端末装置１１０のためのサービングセル（例えば、セル１２１）を提供する。第２のネットワーク装置１３０は、端末装置１１０のためのサービングセルを提供しない。
【0150】
図５に示すように、ブロック５１０において、第２のネットワーク装置１３０は、端末装置１１０に、第２のネットワーク装置１３０のセル１３１が解放されることを示す第３のメッセージを送信する。下位層シグナリングに基づいてセル１３１上のデータ送信を有効化するために適用される設定がデータ送信専用の端末装置１１０の変数に記憶されている。
【0151】
いくつかの実施形態において、第３のメッセージはＭＡＣ ＣＥ又はＤＣＩ内に含まれてもよい。いくつかの実施形態において、第３のメッセージは、第２のネットワーク装置１３０のセル１３１のアイデンティティ、ビームの情報、又はセル１３１のＴＣＩ状態が非アクティブ化されることを示す情報、のうちの少なくとも１つを含んでもよい。
【0152】
こうして、ネットワーク側は、関連するネットワーク実現を最適化してもよい。
【0153】
【0154】
図６は本開示の実施形態を実現するのに適した装置６００の概略ブロック図である。装置６００は、図１Ａに示す端末装置１１０、第１のネットワーク装置１２０、又は第２のネットワーク装置１３０の別の例示的な実施態様として見なされることができる。したがって、装置６００は、端末装置１１０、第１のネットワーク装置１２０、又は第２のネットワーク装置１３０において、又はそれらの少なくとも一部として実現されることができる。
【0155】
図示されるように、装置６００は、プロセッサ６１０と、プロセッサ６１０に結合されたメモリ６２０と、プロセッサ６１０に結合された適切な送信機（ＴＸ）及び受信機（ＲＸ）６４０と、ＴＸ／ＲＸ ６４０に結合された通信インターフェースとを備える。メモリ６１０は、プログラム６３０の少なくとも一部を記憶する。ＴＸ／ＲＸ ６４０は双方向通信に用いられる。ＴＸ／ＲＸ ６４０は、通信を容易にするために少なくとも１つのアンテナを有するが、本明細書に言及されたアクセスノードは、実際には複数のアンテナを有してもよい。通信インターフェースは、ｅＮＢ／ｇＮＢ間の双方向通信のためのＸ２／Ｘｎインターフェース、モビリティ管理エンティティ（ＭＭＥ：Ｍｏｂｉｌｉｔｙ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ Ｅｎｔｉｔｙ）／アクセス及びモビリティ管理機能（ＡＭＦ：Ａｃｃｅｓｓ ａｎｄ Ｍｏｂｉｌｉｔｙ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ Ｆｕｎｃｔｉｏｎ）／ＳＧＷ／ＵＰＦとｅＮＢ／ｇＮＢとの間の通信のためのＳ１／ＮＧインターフェース、ｅＮＢ／ｇＮＢとリレーノード（ＲＮ：ｒｅｌａｙ ｎｏｄｅ）との間の通信のためのＵｎインターフェース、又はｅＮＢ／ｇＮＢと端末装置との間の通信のためのＵｕインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表してもよい。
【0156】
プログラム６３０は、図１Ａ～図５を参照して本明細書で説明したように、関連付けられるプロセッサ６１０により実行された場合、装置６００が本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むと仮定される。本明細書の実施形態は、装置６００のプロセッサ６１０により実行可能なコンピュータソフトウェアにより、又はハードウェアにより、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。プロセッサ６１０は、本開示の様々な実施形態を実施するように設定されてもよい。さらに、プロセッサ６１０とメモリ６２０との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実現するのに適したプロセッシング手段６５０を形成してもよい。
【0157】
メモリ６２０は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、また、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、半導体に基づくメモリ装置、磁気メモリ装置及びシステム、光学メモリ装置及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実現されてもよい。装置６００内には１つのメモリ６２０のみが示されているが、装置６００内にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ６１０は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ（ＤＳＰ）及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの１つ又は複数を含んでもよい。装置６００は、複数のプロセッサ、例えば、メインプロセッサを同期化するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有してもよい。
【0158】
いくつかの実施形態において、端末装置は回路を備え、前記回路は、セカンダリノード又はマスターノードである第１のネットワーク装置から、下位層シグナリングに基づいて第２のネットワーク装置のセル上のデータ送信を有効化するために適用される設定を受信し、前記設定を、前記データ送信専用の前記端末装置の変数に記憶するように設定されている。
【0159】
いくつかの実施形態において、設定は、設定のインデックス、第２のネットワーク装置のセルの情報、又はビームの情報、のうちの少なくとも１つに関連付けられている。
【0160】
いくつかの実施形態において、設定は、無線リソース設定、又はアクセスストラタムセキュリティ設定、のうちの少なくとも１つを含む。いくつかの実施形態において、無線リソース設定は、無線ベアラ設定、メディアアクセス制御セルグループ設定、又は物理チャネル設定、のうちの少なくとも１つを含む。
【0161】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記設定が、サービングセルの変更なしで前記第２のネットワーク装置の前記セル上の第１のデータ送信を有効化するために適用されるとの決定に従って、前記設定を前記端末装置の第１の変数に記憶すること、又は、前記設定が、前記サービングセルの変更ありで前記第２のネットワーク装置の前記セル上の第２のデータ送信を有効化するために適用されるとの決定に従って、前記設定を前記端末装置の第２の変数に記憶することにより、前記設定を記憶するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、第１の変数と第２の変数とは同じ変数である。いくつかの実施形態において、第１の変数と第２の変数とは異なる変数である。
【0162】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記設定を前記マスターノードから受信したことに応じて、前記設定を前記端末装置の第３の変数に記憶すること、前記設定を前記セカンダリノードから受信したことに応じて、前記設定を前記端末装置の第４の変数に記憶することにより、前記設定を記憶するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、第３の変数と第４の変数とは同じ変数である。いくつかの実施形態において、第３の変数と第４の変数とは異なる変数である。
【0163】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、第１のネットワーク装置から、設定が修正されることを示す第１のメッセージを受信し、記憶された設定を第１のメッセージに基づいて修正するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、第１のネットワーク装置から、設定が解放されることを示す第２のメッセージを受信し、記憶された設定を第２のメッセージに基づいて解放するように設定されてもよい。
【0164】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、第１のネットワーク装置から、データ送信が有効化されることを示す下位層シグナリングを受信し、この設定に基づいてこのデータ送信を有効化するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、前記回路は、下位層から端末装置の無線リソース制御層へ、下位層シグナリングが受信されたことを通知することと、無線リソース制御層により、下位層シグナリングにより示された有効化されるデータ送信に対応する設定を適用することとにより、データ送信を有効化するように設定されてもよい。
【0165】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記データ送信の有効化の後に、前記設定を前記変数から解放し、又は前記データ送信の有効化の後に、前記設定を前記変数内に維持するように設定されてもよい。
【0166】
データ送信が、サービングセルの変更なしで第２のネットワーク装置のセル上の第１のデータ送信であるいくつかの実施形態において、前記回路はさらに、第１のネットワーク装置又は第２のネットワーク装置から、第２のネットワーク装置のセルが解放されることを示す第３のメッセージを受信し、第３のメッセージに基づいて、第２のネットワーク装置のセルを解放するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、第３のメッセージは、メディアアクセス制御制御要素又はダウンリンク制御情報内に含まれる。いくつかの実施形態において、第３のメッセージは、第２のネットワーク装置のセルのアイデンティティ、ビームの情報、又は第２のネットワーク装置のセルの送信設定インデックス状態が非アクティブ化されることを示す情報、のうちの少なくとも１つを含む。
【0167】
いくつかの実施形態において、前記回路は、下位層から端末装置の無線リソース制御層へ、第３のメッセージが受信されたことを通知することと、無線リソース制御層により設定を解放することとにより、セルを解放するように設定されてもよい。
【0168】
前記第３のメッセージが前記第２のネットワーク装置から受信されるいくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記第１のネットワーク装置に、前記第２のネットワーク装置の前記セルが解放されたことを示す第４のメッセージを送信するように設定されてもよい。
【0169】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置のマスターセルグループについての障害を検出したことに応じて、セル選択を実行することにより、選択されたセルを決定し、前記選択されたセルが前記第２のネットワーク装置の前記セルであるとの決定に従って、前記設定を前記選択されたセルについて適用してハンドオーバプロシージャを開始するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、ハンドオーバプロシージャの開始は、第１のネットワーク装置から、設定が障害からの回復のために用いられたことを示す情報を受信したことに応じて行われる。
【0170】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置のセカンダリセルグループについての障害を検出したことに応じて、事前決定された基準を満たす選択されたセルを決定し、前記選択されたセルが前記第２のネットワーク装置の前記セルであるとの決定に従って、前記設定を前記選択されたセルについて適用して前記セカンダリセルグループについてプライマリセルの変更を実行するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、前記セカンダリセルグループについてのプライマリセルの変更の実行は、前記第１のネットワーク装置から、前記設定が前記障害からの回復のために用いられたことを示す情報を受信したことに応じて行われる。
【0171】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記設定の適用時にタイマを開始し、前記タイマが満了したとの決定に従って、前記データ送信における障害が発生したと決定するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記第２のネットワーク装置の前記セル上の前記データ送信が正常に有効化されたとの決定に従って、前記タイマを停止するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、タイマの値が設定内で示される。
【0172】
データ送信が、サービングセルの変更なしで第２のネットワーク装置のセル上の第１のデータ送信であり、且つ、前記設定が前記第２のネットワーク装置の前記セル上のビーム障害検出又は無線リンク障害検出のための１組のパラメータを含むいくつかの実施形態において、前記回路は、該１組のパラメータに基づいて前記第２のネットワーク装置の前記セル上のビーム障害又は無線リンク障害を検出したことに応じて、前記データ送信における障害が発生したと決定するように設定されてもよい。
【0173】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記第１のネットワーク装置に、前記データ送信における前記障害の情報を送信するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、障害の情報は、データ送信における障害が発生したことを示す指示、設定のインデックス、障害に関連付けられるセルの情報、又は障害に関連付けられるビームの情報、のうちの少なくとも１つを含む。
【0174】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記マスターノードに、前記障害の情報を無線リンク障害報告内で又は無線リソース制御メッセージ内で送信することにより、前記障害の情報を送信するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、前記無線リソース制御メッセージは、前記セカンダリノードに送信される別の無線リソース制御メッセージを含み、前記別の無線リソース制御メッセージは、前記障害の情報を含む。
【0175】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記セカンダリノードにＳＲＢ３を介して、前記障害の情報を含む無線リソース制御メッセージを送信することにより、前記障害の情報を送信するように設定されてもよい。
【0176】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記下位層シグナリングを前記マスターノードから受信したことに応じて、前記マスターノードに、前記障害の情報を含むメディアアクセス制御制御要素又はダウンリンク制御情報を送信すること、又は前記下位層シグナリングを前記セカンダリノードから受信したことに応じて、前記セカンダリノードに、前記障害の情報を含むメディアアクセス制御制御要素又はダウンリンク制御情報を送信することにより、前記障害の情報を送信するように設定されてもよい。
【0177】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置は回路を備え、前記回路は、セカンダリノード又はマスターノードである第１のネットワーク装置において、端末装置に、下位層シグナリングに基づいて第２のネットワーク装置のセル上のデータ送信を有効化するために適用される設定を送信するように設定されている。
【0178】
いくつかの実施形態において、設定は、設定のインデックス、第２のネットワーク装置のセルの情報、又はビームの情報、のうちの少なくとも１つに関連付けられている。
【0179】
いくつかの実施形態において、設定は、無線リソース設定、又はアクセスストラタムセキュリティ設定、のうちの少なくとも１つを含む。いくつかの実施形態において、無線リソース設定は、無線ベアラ設定、メディアアクセス制御セルグループ設定、又は物理チャネル設定、のうちの少なくとも１つを含む。
【0180】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置に、前記設定が修正されることを示す第１のメッセージを送信するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置に、前記設定が解放されることを示す第２のメッセージを送信するように設定されてもよい。
【0181】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置に、前記データ送信が有効化されることを示す前記下位層シグナリングを送信するように設定されてもよい。
【0182】
データ送信が、サービングセルの変更なしで第２のネットワーク装置のセル上の第１のデータ送信であるいくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置に、前記第２のネットワーク装置の前記セルが解放されることを示す第３のメッセージを送信するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、第３のメッセージは、メディアアクセス制御制御要素又はダウンリンク制御情報内に含まれる。いくつかの実施形態において、第３のメッセージは、第２のネットワーク装置のセルのアイデンティティ、ビームの情報、又はセルの送信設定インデックス状態が非アクティブ化されることを示す情報、のうちの少なくとも１つを含む。
【0183】
データ送信が、サービングセルの変更なしで第２のネットワーク装置のセル上の第１のデータ送信であるいくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置から、前記第２のネットワーク装置の前記セルが解放されたことを示す第４のメッセージを受信するように設定されてもよい。
【0184】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置に、前記設定が前記端末装置のマスターセルグループについての障害からの回復のために用いられたことを示す情報を送信すること、又は、前記端末装置に、前記設定が前記端末装置のセカンダリセルグループについての障害からの回復のために用いられたことを示す情報を送信すること、のうちの少なくとも１つを実行するように設定されてもよい。
【0185】
いくつかの実施形態において、設定は、データ送信における障害の検出のために用いられるタイマの値を示す。
【0186】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置から、前記データ送信における障害の情報を受信するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、障害の情報は、データ送信における障害が発生したことを示す指示、設定のインデックス、障害に関連付けられるセルの情報、又は障害に関連付けられるビームの情報、のうちの少なくとも１つを含む。
【0187】
前記第１のネットワーク装置が前記マスターノードであるいくつかの実施形態において、前記回路は、前記障害の情報を無線リンク障害報告内で又は無線リソース制御メッセージ内で前記端末装置から受信することにより、前記障害の情報を受信するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、前記無線リソース制御メッセージは、前記セカンダリノードに送信される別の無線リソース制御メッセージを含み、前記別の無線リソース制御メッセージは、前記障害の情報を含む。
【0188】
前記第１のネットワーク装置が前記セカンダリノードであるいくつかの実施形態において、前記回路は、前記端末装置からＳＲＢ３を介して、前記障害の情報を含む無線リソース制御メッセージを受信することにより、前記障害の情報を受信するように設定されてもよい。
【0189】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記端末装置から、前記障害の情報を含むメディアアクセス制御制御要素又はダウンリンク制御情報を受信することにより、前記障害の情報を受信するように設定されてもよい。
【0190】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置は回路を備え、前記回路は、第２のネットワーク装置において、端末装置に、前記第２のネットワーク装置のセルが解放されることを示す第３のメッセージを送信するように設定され、下位層シグナリングに基づいてデータ送信を有効化するために適用される設定が前記データ送信専用の前記端末装置の変数に記憶されている。
【0191】
いくつかの実施形態において、第３のメッセージは、メディアアクセス制御制御要素又はダウンリンク制御情報内に含まれる。いくつかの実施形態において、第３のメッセージは、第２のネットワーク装置のセルのアイデンティティ、ビームの情報、又はセルの送信設定インデックス状態が非アクティブ化されることを示す情報、のうちの少なくとも１つを含む。
【0192】
本明細書で使用される用語「回路」は、ハードウェア回路及び／又はハードウェア回路とソフトウェアとの組み合わせを意味してもよい。例えば、回路は、アナログ及び／又はデジタルハードウェア回路とソフトウェア／ファームウェアとの組み合わせであってもよい。さらに別の例として、回路は、端末装置又はネットワーク装置のような装置に様々な機能を実行させるために協働する、デジタル信号プロセッサ、ソフトウェア及び１つ又は複数のメモリを含むソフトウェアを有するハードウェアプロセッサの任意の部分であってもよい。さらに別の例において、回路は、オペレーションのためにソフトウェア／ファームウェアを必要とするハードウェア回路及び／又はマイクロプロセッサ又はその一部のようなプロセッサであってもよいが、オペレーションのために必要でない場合、ソフトウェアは存在しなくてもよい。本明細書で使用されるように、用語「回路」は、ハードウェア回路又は１つ又は複数のプロセッサのみ、又はハードウェア回路又は１つ又は複数のプロセッサの一部及びその（又はそれらの）付随するソフトウェア及び／又はファームウェアの実現も含む。
【0193】
全体として、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、論理、又はそれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。いくつかの態様は、ハードウェアで実現されてもよく、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、又は他のコンピューティング装置により実行できるファームウェア又はソフトウェアで実現されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート又は他の何らかの絵画的表現を用いて図示及び説明されているが、本明細書に記載されたブロック、機器、システム、技術、又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又は論理、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティング装置、又はそれらの何らかの組み合わせで実装されてもよいことを理解すべきである。
【0194】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に有形的に記憶された少なくとも１つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、図２Ａ～５を参照して上述したプロセス又は方法を実行するために、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上の装置内で実行される、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能な命令を含む。一般的には、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実現するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。様々な実施形態において、プログラムモジュールの機能は、必要に応じて、プログラムモジュール間で結合又は分割されてもよい。プログラムモジュールのマシンが実行可能な命令は、ローカル又は分散型装置内で実行されてもよい。分散型装置において、プログラムモジュールは、ローカル記憶媒体及びリモート記憶媒体内の両方に配置されていてもよい。
【0195】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、１つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器のプロセッサ又はコントローラに提供され、プロセッサ又はコントローラにより実行された場合、プログラムコードで、フローチャート及び／又はブロック図に指定された機能／動作を実現させる。プログラムコードは、完全にマシン上で、部分的にマシン上で、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にマシン上でかつ部分的にリモートマシン上で、又は完全にリモートマシン又はサーバ上で実行してもよい。
【0196】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で実装されてもよく、マシン可読媒体は、命令実行システム、機器、又は装置により利用されるか、又はそれらに関連するプログラムを含むか又は記憶することができる任意の有形媒体であってもよい。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体であってもよい。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、機器若しくは装置、又は前述の媒体の任意の適切な組み合せを含んでもよいが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のより具体的な例は、１つ又は複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）、リードオンリーメモリ（ＲＯＭ）、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ（ＥＰＲＯＭ又はフラッシュメモリ）、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ（ＣＤ－ＲＯＭ）、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は上述の任意の適切な組み合わせを含んでもよい。
【0197】
なお、動作について特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした動作を、示された特定の順序で実行するか若しくは連続する順序で実行し、又は、説明された全ての動作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。場合によっては、マルチタスクや並列処理が有利になることもある。同様に、いくつかの特定の実装の詳細が上記の議論に含まれているが、これらは、本開示の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、特定の実施形態に固有となり得る特徴の説明として解釈されるべきである。個々の実施形態の文脈で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わされて実現されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実装されてもよい。
【0198】
本開示は、構造的特徴及び／又は方法論的動作に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲において定義された本開示は、必ずしも上記の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解すべきである。むしろ、上述した特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【手続補正書】
【提出日】2024-07-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ＵＥ（Ｕｓｅｒ Ｅｑｕｉｐｍｅｎｔ）の方法であって、基地局から、Ｌａｙｅｒ１／Ｌａｙｅｒ２ ｔｒｉｇｇｅｒｅｄ Ｍｏｂｉｌｉｔｙのための候補セルに関する設定情報を含むＲＲＣ（Ｒａｄｉｏ ｒｅｓｏｕｒｃｅ ｃｏｎｔｒｏｌ）メッセージを受信し、
前記設定情報を変数に記憶し、
前記ＵＥが前記基地局から設定インデックスを含むＭＡＣ ＣＥ（Ｍｅｄｉｕｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｅｌｅｍｅｎｔ）を受信した場合に、前記設定インデックスにより示される、前記ＲＲＣメッセージの情報である記憶された前記設定情報を適用し、
ターゲットセルへのセル切替を実行する、
方法。
【請求項2】
前記ＵＥは、ＭＡＣエンティティをさらに含み、前記ＭＡＣエンティティが前記ＭＡＣ ＣＥを受信し、前記ＭＡＣ ＣＥに関する情報を上位層に示す場合に、前記ＵＥは前記記憶された設定情報を適用する、
請求項１に記載の方法。
【請求項3】
第２の候補セルに関する第２の設定情報を記憶し、前記ＵＥがＭａｓｔｅｒ Ｃｅｌｌ Ｇｒｏｕｐ（ＭＣＧ）の無線リンク障害（ＲＬＦ：ｒａｄｉｏ ｌｉｎｋ ｆａｉｌｕｒｅ）を検出した場合に、セルを選択し、
前記選択したセルが前記第２の候補セルである場合、前記選択したセルについて第２のセル切替をさらに実行する、
請求項１に記載の方法。
【請求項4】
前記ＵＥが前記設定情報を適用した場合、タイマＴ３０４を開始し、前記ＵＥが、セル無線ネットワーク一時識別子（Ｃ－ＲＮＴＩ：Ｃｅｌｌ Ｒａｄｉｏ Ｎｅｔｗｏｒｋ Ｔｅｍｐｏｒａｒｙ Ｉｄｅｎｔｉｆｉｅｒ）宛ての物理ダウンリンク制御チャネル（ＰＤＣＣＨ：Ｐｈｙｓｉｃａｌ Ｄｏｗｎｌｉｎｋ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｃｈａｎｎｅｌ）送信を受信した場合に、前記タイマＴ３０４を停止する、
請求項１に記載の方法。
【請求項5】
前記候補セルがサービングセルになる前に、前記候補セルの送信設定インジケータ（ＴＣＩ：Ｔｒａｎｓｍｉｓｓｉｏｎ Ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ Ｉｎｄｉｃａｔｏｒ）状態をアクティブ化する、請求項１に記載の方法。
【請求項6】
ＵＥ（Ｕｓｅｒ Ｅｑｕｉｐｍｅｎｔ）であって、基地局から、Ｌａｙｅｒ１／Ｌａｙｅｒ２ ｔｒｉｇｇｅｒｅｄ Ｍｏｂｉｌｉｔｙのための候補セルに関する設定情報を含むＲＲＣ（Ｒａｄｉｏ ｒｅｓｏｕｒｃｅ ｃｏｎｔｒｏｌ）メッセージを受信する手段と、
前記設定情報を変数に記憶する手段と、
前記ＵＥが前記基地局から設定インデックスを含むＭＡＣ ＣＥ（Ｍｅｄｉｕｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｅｌｅｍｅｎｔ）を受信した場合に、前記設定インデックスにより示される、前記ＲＲＣメッセージの情報である記憶された前記設定情報を適用する手段と、
ターゲットセルへのセル切替を実行する手段と、
を備えるＵＥ。
【請求項7】
ＭＡＣエンティティをさらに備え、前記ＭＡＣエンティティが前記ＭＡＣ ＣＥを受信し、前記ＭＡＣ ＣＥに関する情報を上位層に示す場合に、前記ＵＥは前記記憶された設定情報を適用する、
請求項６に記載のＵＥ。
【請求項8】
第２の候補セルに関する第２の設定情報を記憶する手段と、前記ＵＥがＭａｓｔｅｒ Ｃｅｌｌ Ｇｒｏｕｐ（ＭＣＧ）の無線リンク障害（ＲＬＦ：ｒａｄｉｏ ｌｉｎｋ ｆａｉｌｕｒｅ）を検出した場合に、セルを選択する手段と、
前記選択されたセルが前記第２の候補セルである場合、前記選択されたセルについて第２のセル切替を実行する手段と、
をさらに備える、請求項６に記載のＵＥ。
【請求項9】
前記ＵＥが前記設定情報を適用した場合、タイマＴ３０４を開始する手段と、前記ＵＥが、セル無線ネットワーク一時識別子（Ｃ－ＲＮＴＩ：Ｃｅｌｌ Ｒａｄｉｏ Ｎｅｔｗｏｒｋ Ｔｅｍｐｏｒａｒｙ Ｉｄｅｎｔｉｆｉｅｒ）宛てのＰＤＣＣＨ送信を受信した場合に、前記タイマＴ３０４を停止する手段と、
をさらに備える、請求項６に記載のＵＥ。
【請求項10】
前記候補セルがサービングセルになる前に、前記候補セルの送信設定インジケータ（ＴＣＩ：Ｔｒａｎｓｍｉｓｓｉｏｎ Ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ Ｉｎｄｉｃａｔｏｒ）状態をアクティブ化する手段、をさらに備える、請求項６に記載のＵＥ。
【国際調査報告】