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2024-539387防爆弁、トップカバーアセンブリ、及び電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】防爆弁、トップカバーアセンブリ、及び電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/342 20210101AFI20241018BHJP
【FI】
H01M50/342 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526684
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 CN2022116569
(87)【国際公開番号】W WO2023109196
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】202123183893.2
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520434178
【氏名又は名称】欣旺達動力科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sunwoda Mobility Energy Technology Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【弁理士】
【氏名又は名称】柱山 啓之
(72)【発明者】
【氏名】林建
(72)【発明者】
【氏名】胡春波
(72)【発明者】
【氏名】林秀徳
(72)【発明者】
【氏名】楊偉
(72)【発明者】
【氏名】張耀
【テーマコード(参考)】
5H012
【Fターム(参考)】
5H012AA07
5H012BB02
5H012DD05
5H012FF01
5H012GG01
(57)【要約】
本願は、動力電池の技術分野に属し、特に、防爆弁、トップカバーアセンブリ、及び電池に関する。該防爆弁は、取り付け部と主体部を含み、取り付け部は主体部の外周縁に設けられ、主体部は、脆弱部と第1緩衝部を含み、脆弱部は、取り付け部と第1緩衝部との間に設けられるか、第1緩衝部に設けられ、脆弱部は、防爆弁のうちバースト圧力値が最小の部位であり、トップカバーアセンブリの内部空間の気圧が防爆弁の開放閾値になったときに防爆弁を開放するものである。本願による防爆弁において、脆弱部に応力集中を生じさせ易い外部要因による影響を受けると、第1緩衝部は柔軟変形して、一定の柔軟変形量を与え、脆弱部に対して緩衝作用を果たすことで、脆弱部での過大の応力を回避し、防爆弁の受けた影響を低減させ、防爆弁の使用信頼性を確保し、防爆弁の使用寿命を延ばすという目的を達成させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り付け部と主体部を含む防爆弁であって、
前記取り付け部は前記主体部の外周縁に設けられ、前記取り付け部は前記防爆弁をトップカバーアセンブリに密封接続し、
前記主体部は、脆弱部と第1緩衝部を含み、前記脆弱部は、前記取り付け部と前記第1緩衝部との間に設けられるか、前記第1緩衝部に設けられ、
前記脆弱部は、前記防爆弁のうちバースト圧力値が最小の部位であり、トップカバーアセンブリの内部空間の気圧が前記防爆弁の開放閾値になったときに前記防爆弁を開放する、ことを特徴とする防爆弁。
【請求項2】
前記第1緩衝部は、前記主体部に形成され前記防爆弁の厚さ方向に凸出している凸起構造である、ことを特徴とする請求項1に記載の防爆弁。
【請求項3】
前記凸起構造の側部と前記凸起構造の頂部がなす角度の範囲は90°~180°の閉区間である、ことを特徴とする請求項2に記載の防爆弁。
【請求項4】
前記凸起構造の側部の肉厚が、前記主体部の最大肉厚以下である、ことを特徴とする請求項2に記載の防爆弁。
【請求項5】
前記凸起構造の側部の肉厚が、前記凸起構造の側部の、前記凸起構造の頂部から離れた側から前記凸起構造の頂部に近い側に向かうに従って均等に減少する、ことを特徴とする請求項2に記載の防爆弁。
【請求項6】
前記凸起構造の側部の肉厚が、前記凸起構造の頂部の肉厚以下である、ことを特徴とする請求項2に記載の防爆弁。
【請求項7】
前記脆弱部が前記取り付け部と前記第1緩衝部との間に設けられた場合、前記主体部は、前記脆弱部と前記第1緩衝部との間に設けられた接続部をさらに含み、前記第1緩衝部は、肉厚が前記接続部未満の薄肉構造である、ことを特徴とする請求項1に記載の防爆弁。
【請求項8】
前記主体部は、前記脆弱部と前記取り付け部との間に設けられ、柔軟変形可能な構造である第2緩衝部をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の防爆弁。
【請求項9】
前記主体部は、前記主体部において前記第1緩衝部により囲まれた領域内に形成され、前記防爆弁の厚さ方向に凸出している凸起構造である第3緩衝部をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の防爆弁。
【請求項10】
トップカバーアセンブリであって、
前記トップカバーアセンブリは、トップカバーと、請求項1~9のいずれか1項に記載の防爆弁と、を含み、前記トップカバーには、前記取り付け部にマッチングする防爆孔が設けられ、前記取り付け部は、前記防爆孔内に取り付けられて、前記防爆弁を前記トップカバーに密封接続する、ことを特徴とするトップカバーアセンブリ。
【請求項11】
前記防爆孔は段差孔であり、前記取り付け部は前記段差孔にマッチングする環状ボスであり、前記環状ボスの厚さが0.1~2.0mmである、ことを特徴とする請求項10に記載のトップカバーアセンブリ。
【請求項12】
前記環状ボスの厚さが0.3~1.0mmである、ことを特徴とする請求項11に記載のトップカバーアセンブリ。
【請求項13】
電池であって、
ケースと、ケースの内部に収納された電極群と、前記ケースを密封するトップカバーアセンブリと、を含み、前記トップカバーアセンブリは、請求項10~12のいずれか1項に記載のトップカバーアセンブリであり、前記トップカバーには、正極ポスト及び負極ポストが設けられ、前記電極群は、正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板との間に設けられたセパレータと、を含み、前記正極ポスト及び前記負極ポストは、それぞれ前記電極群の正極板及び負極板に電気的に接続する、ことを特徴とする電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、動力電池の技術分野に属し、特に防爆弁、トップカバーアセンブリ、及び電池に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、動力電池の電極群は、一般的に防爆弁を設置する方式を採用して、電極群の内圧が防爆弁の開放閾値になったときに防爆弁を開放して圧力を開放し、電極群の爆発を避けることを実現している。防爆弁は、肝心な機能部品として、電極群の乱用の場合に、良い防爆効果を発揮でき、動力電池をエネルギー源とする電気自動車の安全性を確保することができ、その機能の信頼性もますます人々に重要視されてきた。
【0003】
一方では、電極群の製造過程において、多くのプロセスは防爆弁に対して一定のマイナス影響を与える可能性がある。例えば、ピンとベア電極群との超音波溶接、トップカバーをケースに入れる際のXY方向の押し出し、トップカバーとケースとのレーザー溶接、注液時の正負圧の交互印加や高温焼成などは、防爆弁のバースト脆弱領域に応力集中を生じさせ易い。他方では、電極群の適用シナリオでは、防爆弁に振動、衝撃、内部ガス発生による内圧が作用し、防爆弁のバースト脆弱領域にも応力集中が容易に形成される。以上のような2種類の場合では、防爆弁のバースト脆弱領域に形成された応力集中は防爆弁の長期信頼性に影響し、防爆弁の急速な疲労をもたらし、防爆弁の使用寿命を短縮させることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願が解決しようとする技術的課題は以下のとおりである。防爆弁のバースト脆弱領域に形成された応力集中が防爆弁の長期信頼性に影響し、防爆弁の急速な疲労をもたらし、防爆弁の使用寿命を短縮させるという従来技術の問題に対して、防爆弁、トップカバーアセンブリ、及び電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本願の実施例は、
取り付け部と主体部を含む防爆弁であって、
前記取り付け部は前記主体部の外周縁に設けられ、前記取り付け部は前記防爆弁をトップカバーアセンブリに密封接続し、
前記主体部は、脆弱部と第1緩衝部を含み、前記脆弱部は、前記取り付け部と前記第1緩衝部との間に設けられるか、前記第1緩衝部に設けられ、
前記脆弱部は、前記防爆弁のうちバースト圧力値が最小の部位であり、トップカバーアセンブリの内部空間の気圧が前記防爆弁の開放閾値になったときに前記防爆弁を開放する、
防爆弁を提供する。
【0006】
任意選択で、前記第1緩衝部は、前記主体部に形成され前記防爆弁の厚さ方向に凸出している凸起構造である。
【0007】
任意選択で、前記凸起構造の側部と前記凸起構造の頂部がなす角度の範囲は90°~180°の閉区間である。
【0008】
任意選択で、前記凸起構造の側部の肉厚が、前記主体部の最大肉厚以下である。
【0009】
任意選択で、前記凸起構造の側部の肉厚が、前記凸起構造の側部の、前記凸起構造の頂部から離れた側から前記凸起構造の頂部に近い側に向かうに従って均等に減少する。
【0010】
任意選択で、前記凸起構造の側部の肉厚が、前記凸起構造の頂部の肉厚以下である。
【0011】
任意選択で、前記脆弱部が前記取り付け部と前記第1緩衝部との間に設けられた場合、前記主体部は、前記脆弱部と前記第1緩衝部との間に設けられた接続部をさらに含み、前記第1緩衝部は、肉厚が前記接続部未満の薄肉構造である。
【0012】
任意選択で、前記主体部は、前記脆弱部と前記取り付け部との間に設けられ、柔軟変形可能な構造である第2緩衝部をさらに含む。
【0013】
任意選択で、前記主体部は、前記主体部において前記第1緩衝部により囲まれた領域内に形成され、前記防爆弁の厚さ方向に凸出している凸起構造である第3緩衝部をさらに含む。
【0014】
本願の実施例の防爆弁によれば、脆弱部は取り付け部と第1緩衝部との間に設けられるか、第1緩衝部に直接設けられ、これにより、防爆弁が製造過程や適用シナリオにおいて脆弱部に応力集中を生じさせ易い外部要因の影響を受けた場合、第1緩衝部は柔軟変形して、一定の柔軟変形量を与え、脆弱部に対して緩衝作用を果たすことで、防爆弁の脆弱部での過大の応力を回避し、防爆弁の受けた影響を低減させ、防爆弁の使用信頼性を確保し、このような影響による迅速な疲労を回避し、防爆弁の使用寿命を延ばすという目的を達成させることができる。
【0015】
また、脆弱部が取り付け部と第1緩衝部との間に設けられた場合、第1緩衝部は脆弱部により囲まれた領域内に位置し、脆弱部により囲まれた領域は防爆弁の中央領域になり、このとき、第1緩衝部は、特に防爆弁の中央領域が受けた影響を低減させ、防爆弁の中央領域の厚さ方向における変形を小さくし、防爆弁の開放閾値の安定性をより向上させることができる。
【0016】
他方では、本願の実施例はまた、
トップカバーアセンブリであって、前記トップカバーアセンブリは、トップカバーと、上記の防爆弁と、を含み、前記トップカバーには、前記取り付け部にマッチングする防爆孔が設けられ、前記取り付け部は、前記防爆孔内に取り付けられて、前記防爆弁を前記トップカバーに密封接続するトップカバーアセンブリを提供する。
【0017】
任意選択で、前記防爆孔は段差孔であり、前記取り付け部は前記段差孔にマッチングする環状ボスであり、前記環状ボスの厚さが0.1~2.0mmである。
【0018】
任意選択で、前記環状ボスの厚さが0.3~1.0mmである。
【0019】
本願の実施例のトップカバーアセンブリによれば、そのトップカバーには上記の改良した防爆弁が設けられているので、製造過程や適用シナリオにおいて脆弱部に応力集中を生じさせ易い外部要因の影響を受けた場合、第1緩衝部は柔軟変形して、一定の柔軟変形量を与え、脆弱部に対して緩衝作用を果たすことで、防爆弁の脆弱部での過大の応力を回避し、防爆弁の受けた影響を低減させ、防爆弁の使用信頼性を確保し、このような影響による迅速な疲労を回避し、使用寿命を延ばすという目的を達成させることができる。
【0020】
別の態様では、本願の実施例はまた、電池であって、ケースと、ケースの内部に収納された電極群と、前記ケースを密封するトップカバーアセンブリと、を含み、前記トップカバーアセンブリは、上記のトップカバーアセンブリであり、前記トップカバーには、正極ポスト及び負極ポストが設けられ、前記電極群は、正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板との間に設けられたセパレータと、を含み、前記正極ポスト及び前記負極ポストは、それぞれ前記電極群の正極板及び負極板に電気的に接続する、電池を提供する。
【0021】
本願の実施例の電池によれば、上記の改良した防爆弁が含まれているので、製造過程や適用シナリオにおいて脆弱部に応力集中を生じさせ易い外部要因の影響を受けた場合、第1緩衝部は柔軟変形して、一定の柔軟変形量を与え、脆弱部に対して緩衝作用を果たすことで、防爆弁の脆弱部での過大の応力を回避し、防爆弁の受けた影響を低減させ、防爆弁の使用信頼性を確保し、このような影響による迅速な疲労を回避し、防爆弁の使用寿命を延ばすという目的を達成させ、その結果、電池の使用寿命や使用信頼性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本願の第1実施例による防爆弁の構造概略図である。
図2図1におけるA-A方向の断面概略図である。
図3】本願の第2実施例による防爆弁の構造概略図である。
図4図3におけるB-B方向の断面概略図である。
図5】本願の第3実施例による防爆弁の構造概略図である。
図6図5におけるC-C方向の断面概略図である。
図7】本願の第4実施例による防爆弁の構造概略図である。
図8図7におけるD-D方向の断面概略図である。
図9】本願の第5実施例による防爆弁の構造概略図である。
図10図9におけるE-E方向の断面概略図である。
図11】本願の第6実施例によるトップカバーアセンブリの分解図である。
図12】本願の第6実施例によるトップカバーアセンブリの構造概略図である。
図13図12におけるF-F方向の断面概略図である。
図14図13におけるG部の部分拡大図である。
図15】本願の第7実施例による電池の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本願で解決される技術的課題、技術案及び有益な効果をより明確にするために、以下では、図面及び実施例を参照して、本願をさらに詳細に説明する。本明細書に記載された具体的な実施例は、本願を説明するためにのみ使用され、本願を限定するために使用されないことを理解されたい。
【0024】
なお、本願の説明において、「頂」、「側」、「内」、「外」、「正面」、「背面」などの用語が示す方位または位置関係は、図面に示される方位または位置関係に基づくものであり、単に本願の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものに過ぎず、特定の方位を有したり、特定の方位で構成され、動作しなければならないことを指示または暗示するものではなく、したがって、本願を限定するものとは理解されない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、説明目的のみであり、相対的な重要性を指示したり示唆したりするものとは理解されない。
【0025】
第1実施例
図1~2に示すように、本願の第1実施例による防爆弁100は、取り付け部110と主体部120を含み、前記取り付け部110は前記主体部120の外周縁に設けられ、前記防爆弁100をトップカバーアセンブリに密封接続する。前記主体部120は、脆弱部124と第1緩衝部121を含み、前記脆弱部124は前記取り付け部110と前記第1緩衝部121との間に設けられる。前記脆弱部124は、前記防爆弁100のうちバースト圧力値が最小の部位であり、トップカバーアセンブリの内部空間の気圧が前記防爆弁100の開放閾値になったときに前記防爆弁100を開放し、トップカバーアセンブリの内部空間内の気体を排出し、爆発を防止するものである。前記第1緩衝部121は、柔軟変形可能な構造である。
前記脆弱部124は、前記主体部120に設けられた切り込みである。前記防爆弁100の全体の外輪郭が滑走路の形状であるため、前記切り込みも滑走路のような形状として構成され、これにより、トップカバーアセンブリの内部空間の気圧が前記防爆弁100の開放閾値になったときに前記脆弱部124が、前記切り込みを介して前記防爆弁100を開放することがより容易になる。前記切り込みは、閉環状ではなく、前記主体部120には、前記脆弱部124の構造強度が低すぎないように、前記切り込みを仕切る領域が設けられている。
第1実施例では、前記第1緩衝部121は、前記主体部120に形成され前記防爆弁100の厚さ方向に沿って前記防爆弁100の正面へ凸出している凸起構造である。前記第1緩衝部121の凸出方向がその柔軟変形能力に影響しないため、前記第1緩衝部121は、前記防爆弁100の背面へ凸出するように構成されてもよい。前記凸起構造は、前記主体部120にプレス成形されてもよく、実現されやすい他の加工方式によって形成されてもよい。
前記防爆弁100が、押し出しや熱影響により変形したりトップカバーアセンブリの内部気圧の作用を受けたりした場合、前記第1緩衝部121は、一定の柔軟変形量を与えることで、前記脆弱部124の過大の応力を回避し、前記防爆弁100の使用寿命を延ばすことができる。前記防爆弁100が振動や衝撃を受けたり、不意図に落ちたりした場合、前記第1緩衝部121は、一定の柔性緩衝を与えて、前記防爆弁100への影響を低減させ、前記防爆弁100の使用信頼性を確保することができる。
さらに、前記脆弱部124は、前記取り付け部110と前記第1緩衝部121との間に設けられ、すなわち、前記第1緩衝部121は、前記脆弱部124により囲まれた領域内に位置し、前記脆弱部124により囲まれた領域は前記防爆弁100の中央領域であるため、前記第1緩衝部121は、特に前記防爆弁100の中央領域が厚さ方向において外面や内面へ変形することを減少できる。
前記防爆弁100が電池のトップカバーアセンブリに取り付けられた場合、電池の内部の電極群によるガスが前記防爆弁100に拡散して、前記防爆弁100が電池の内部の気圧による作用を受けることになる。前記主体部120のうち前記脆弱部124の外周縁以外の部分が前記取り付け部110に直接接続され、前記取り付け部110は、厚さが大きく、構造強度も高く、このため、大きな気圧作用を受けた場合や前記防爆弁100の内側の気圧が変動した場合にも、前記主体部120のうち前記脆弱部124の外周縁以外の部分は、安定性が前記主体部120のうち前記脆弱部124により囲まれた領域内の部分よりも高い。したがって、前記第1緩衝部121が前記脆弱部124により囲まれた領域内に設けられることによって、前記主体部120のうち前記脆弱部124により囲まれた領域内の部分を良く保護し、前記防爆弁100全体の開放閾値の安定性を高めることができる。
第1実施例では、前記凸起構造の側部と前記凸起構造の頂部がなす角度の範囲は、90°~180°の閉区間である。
好ましくは、前記凸起構造の側部と前記凸起構造の頂部がなす角度は135°~175°の閉区間内にあり、前記凸起構造がこのような範囲に限定されることによって、前記第1緩衝部121は前記防爆弁100に要求される柔軟な緩衝をより確実に満たすことができる。
第1実施例では、前記凸起構造の側部の肉厚が前記主体部の最大肉厚(図示せず)以下であり、これによって、前記防爆弁が脆弱部に応力集中を生じさせ易い外部要因の影響を受けた場合に、前記凸起構造はより柔軟変形しやすくなる。
さらに、前記凸起構造の側部の肉厚と前記凸起構造の頂部の肉厚との大きさの関係には、以下の2つがある。
第1種:前記凸起構造の側部の肉厚が、前記凸起構造の側部の、前記凸起構造の頂部から離れた側から前記凸起構造の頂部に近い側に向かうに従って均等に減少するように設計され、前記凸起構造の頂部の肉厚が、前記凸起構造の最小肉厚として設計される。
第2種:前記凸起構造の側部を薄肉化し、前記凸起構造の側部の肉厚を前記凸起構造の頂部の肉厚よりも小さくする。このとき、前記凸起構造の側部の肉厚が均等に変化する必要がない。
本願の第1実施例による防爆弁では、脆弱部は、取り付け部と第1緩衝部との間に設けられ、第1緩衝部は、柔軟変形可能な凸起構造であり、これにより、防爆弁が製造過程や適用シナリオにおいて脆弱部に応力集中を生じさせ易い外部要因の影響を受けた場合、第1緩衝部は柔軟変形して、一定の柔軟変形量を与え、脆弱部に対して緩衝作用を果たすことで、防爆弁の脆弱部での過大の応力を回避し、防爆弁の受けた影響を低減させ、防爆弁の使用信頼性を確保し、このような影響による迅速な疲労を回避し、防爆弁の使用寿命を延ばすという目的を達成させることができる。
【0026】
第2実施例
図3~4に示すように、本願の第2実施例は、第1実施例と比べて以下の点が相違する防爆弁を提供する。前記脆弱部124は、前記取り付け部110と前記第1緩衝部121との間に設けられ、前記主体部120は、肉厚が前記主体部の最大肉厚である接続部125をさらに含む。前記接続部125は、前記脆弱部124と前記第1緩衝部121との間に設けられ、前記第1緩衝部121は、肉厚が前記接続部125未満の薄肉構造である。
本願第2実施例による防爆弁では、第1緩衝部は、肉厚が接続部未満の薄肉構造であり、これにより、防爆弁が脆弱部に応力集中を生じさせ易い外部要因の影響を受けた場合にも、第1緩衝部は柔軟変形して、一定の柔軟変形量を与え、脆弱部に対して緩衝作用を果たすことで、防爆弁の脆弱部での過大の応力を回避し、防爆弁の使用信頼性を確保し、防爆弁の使用寿命を延ばすという目的を達成させることができる。また、薄肉構造の第1緩衝部により前記防爆弁が軽量化し、このような防爆弁を取り付けた電池の質量エネルギー密度が向上する。
【0027】
第3実施例
図5~6に示すように、本願の第3実施例は、第1実施例と比べて以下の点が相違する防爆弁を提供する。前記主体部120は、前記脆弱部124と前記取り付け部110との間に設けられた第2緩衝部122をさらに含む。前記第1緩衝部121は、前記主体部120に形成され前記防爆弁100の厚さ方向に沿って前記防爆弁100の背面へ凸出している凸起構造であり、前記第2緩衝部122は、前記主体部120に形成され前記第1緩衝部121と同様な凸起構造である。
本願の第3実施例による防爆弁では、脆弱部と取り付け部との間に第2緩衝部が増設されることによって、防爆弁が脆弱部に応力集中を生じさせ易い外部要因の影響を受けた場合、第2緩衝部及び第1緩衝部は共同で柔軟変形して、一定の柔軟変形量を与える。第2緩衝部及び第1緩衝部のいずれも柔軟変形して、脆弱部に対して、優れた緩衝作用を果たすことで、防爆弁の脆弱部での過大の応力を回避し、防爆弁の使用信頼性を確保し、防爆弁の使用寿命を延ばすという目的を達成させることができる。
【0028】
第4実施例
図7~8に示すように、本願の第4実施例は、第1実施例と比べて以下の点が相違する防爆弁を提供する。前記主体部は、第3緩衝部123をさらに含み、前記第3緩衝部123は、前記主体部120において前記第1緩衝部121により囲まれた領域内に形成され前記防爆弁100の厚さ方向に凸出している凸起構造である。
図7~8に示すように、前記第3緩衝部123は前記第1緩衝部121の向きと反対し、前記第1緩衝部121は前記防爆弁100の正面に向かい、前記第3緩衝部123は前記防爆弁100の背面に向かっている。前記第1緩衝部121の加工において、前記第1緩衝部121は環状の凸起構造として形成される。この場合、前記主体部120の前記第1緩衝部121により囲まれた領域内の平面構造と環状の前記第1緩衝部121の環状内面との両方により窪み領域が形成され、この窪み領域は、前記第1緩衝部121の向きと反対する凸起構造、すなわち、前記第3緩衝部123である。
本願の第4実施例による防爆弁では、第1緩衝部により囲まれた領域内に第3緩衝部が設けられることによって、脆弱部により囲まれた領域内には二重緩衝構造が形成される。防爆弁が脆弱部に応力集中を生じさせ易い外部要因の影響を受けた場合、第3緩衝部及び第1緩衝部はいずれも柔軟変形して、一定の柔軟変形量を与えることができ、脆弱部に対してより優れた緩衝作用を果たすことで、防爆弁の脆弱部での過大の応力を回避し、防爆弁の使用信頼性を確保し、防爆弁の使用寿命を延ばすという目的を達成させることができる。
【0029】
第5実施例
図9~10に示すように、本願の第5実施例は、第1実施例と比べて以下の点が相違する防爆弁を提供する。前記脆弱部124は前記第1緩衝部121に設けられる。
本願の第5実施例による防爆弁では、脆弱部は第1緩衝部に直接設けられ、これにより、防爆弁が脆弱部に応力集中を生じさせ易い外部要因の影響を受けた場合、第1緩衝部は柔軟変形して、一定の柔軟変形量を与え、脆弱部に対して緩衝作用を果たすことで、防爆弁の脆弱部での過大の応力を回避し、防爆弁の使用信頼性を確保し、防爆弁の使用寿命を延ばすという目的を達成させることができる。脆弱部が第1緩衝部に直接設けられるため、第1緩衝部の柔軟変形は、脆弱部での応力を確実に小さくすることができる。
【0030】
第6実施例
図10~14に示すように、本願の第6実施例は、トップカバー200と、上記の実施例の防爆弁100とを含み、前記トップカバー200には、前記取り付け部110にマッチングする防爆孔210が設けられ、前記取り付け部110は、前記防爆孔210内に取り付けられて、前記防爆弁100を前記トップカバー200に密封接続する、トップカバーアセンブリを提供する。
第6実施例では、図13~14に示すように、前記防爆孔210は段差孔であり、前記取り付け部110は、前記段差孔にマッチングする環状ボスであり、前記環状ボスの厚さが0.1~2.0mmである。好ましくは、前記環状ボスの厚さが0.3~1.0mmである。
第6実施例では、図10~14に示すように、前記トップカバーアセンブリは、前記トップカバー200の外側面に貼り付けられ、前記防爆孔210を完全に覆って、電解液や他の不純物による前記防爆弁100の汚染を回避する防爆弁ダイヤフラム300をさらに含む。
前記トップカバー200は、長さ方向の両方には、正極ポスト400及び負極ポスト500がさらに設けられている。前記トップカバーアセンブリが電池のケースの開口部に取り付けられている場合、前記正極ポスト400及び前記負極ポスト500は、それぞれ、ケースの内部に位置する電極群の正極及び負極に電気的に接続する。
本願の第6実施例によるトップカバーアセンブリでは、トップカバーには上記の実施例の防爆弁が密封接続され、これにより、製造過程や適用シナリオにおいて脆弱部に応力集中を生じさせ易い外部要因の影響を受けた場合、第1緩衝部は柔軟変形して、一定の柔軟変形量を与え、脆弱部に対して緩衝作用を果たすことで、防爆弁の脆弱部での過大の応力を回避し、防爆弁の受けた影響を低減させ、防爆弁の使用信頼性を確保し、このような影響による迅速な疲労を回避し、使用寿命を延ばすという目的を達成させることができる。
【0031】
第7実施例
図15に示すように、本願の第7実施例は、電池であって、ケース600と、ケースの内部に収納された電極群(図示せず)と、前記ケース600を密封するトップカバーアセンブリと、を含み、前記トップカバーアセンブリは上記の第6実施例によるトップカバーアセンブリである、電池を提供する。前記電極群は、正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板との間に設けられたセパレータと、を含み、前記トップカバー200に取り付けられた前記正極ポスト400及び前記負極ポスト500は、それぞれ、前記電極群の正極板及び負極板に電気的に接続する。
本願の第7実施例による電池では、トップカバーアセンブリには上記の実施例の防爆弁が採用されており、これにより、製造過程や適用シナリオにおいて脆弱部に応力集中を生じさせ易い外部要因の影響を受けた場合、第1緩衝部は柔軟変形して、一定の柔軟変形量を与え、脆弱部に対して緩衝作用を果たすことで、防爆弁の脆弱部での過大の応力を回避し、防爆弁の受けた影響を低減させ、防爆弁の使用信頼性を確保し、このような影響による迅速な疲労を回避し、防爆弁の使用寿命を延ばし、その結果、電池の使用寿命を延ばし、信頼性を向上させることができる。
上記は、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、本願の精神及び原則の範囲内で行われた修正、均等置換及び改良などは、本願の特許範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0032】
100 防爆弁
110 取り付け部
120 主体部
121 第1緩衝部
122 第2緩衝部
123 第3緩衝部
124 脆弱部
125 接続部
200 トップカバー
210 防爆孔
300 防爆弁ダイヤフラム
400 正極ポスト
500 負極ポスト
600 ケース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
【国際調査報告】