(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】フィルタ装置
(51)【国際特許分類】
B01D 35/30 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
B01D35/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526713
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 IB2022060351
(87)【国際公開番号】W WO2023079423
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524062087
【氏名又は名称】ソルベンタム インテレクチュアル プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】アブー イクバル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジー.コルゼブ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン フィリップ エール.ジ.ヌリー
(72)【発明者】
【氏名】ローラン ジ.セ.マルコット
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA05
4D116AA07
4D116BB02
4D116DD01
4D116QA44C
4D116QA44F
4D116QB19
4D116QB25
4D116QB36
(57)【要約】
フィルタホルダは、(a)基部端及び遠位端と、(b)基部端に近接した圧縮プレートと、(c)遠位端に近接した保持プレートと、(d)その長さに沿って分布した複数のプレート位置決め溝を備える前部及び後部支持棒と、(e)保持プレートをホルダアーム上の所定の位置にロックするため、前部及び後部支持棒に沿ってともに移動可能であり、前部及び後部支持棒の一方又は両方のプレート位置決め溝にロック可能であるロック機構と、を備えるホルダアームを備える。ロック機構は、左側ロックアセンブリ及び右側ロックアセンブリを備え、ロック位置とロック解除位置との間でロック機構を変更するために両手操作を必要とする。ホルダアームは傾斜可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタホルダであって、
前記フィルタホルダを作業表面で支持するための基部と、
前記基部に取り付けられた傾斜機構と、
傾斜軸において前記傾斜機構に取り付けられたホルダアームであって、
(a)基部端及び遠位端と、
(b)前記基部端に近接する圧縮プレートと、
(c)前記遠位端に近接する保持プレートと、
(d)前記基部端から前記遠位端まで延在する前部及び後部支持棒であって、前記支持棒のうち少なくとも1つが、その長さに沿って分布する複数のプレート位置決め溝を備える、前部及び後部支持棒と、
(e)前記保持プレートを前記ホルダアーム上の所定の位置にロックするために、前記前部及び後部支持棒に沿ってともに移動可能であり、前記前部及び後部支持棒の一方又は両方のプレート位置決め溝にロック可能であるロック機構であって、左側ロックアセンブリ及び右側ロックアセンブリを備え、ロック位置とロック解除位置との間で前記ロック機構を変更するために両手操作を必要とする、ロック機構と、を備え、
前記ホルダアームが前記傾斜軸の周りでサービス位置まで傾斜可能であり、前記ホルダアームが前記作業表面及び人間工学的ロード位置に対して直角に配向され、前記ホルダアームが前記作業表面と平行に配向されている、フィルタホルダ。
【請求項2】
前記ロック機構がバネロード式である、請求項1に記載のフィルタホルダ。
【請求項3】
前記ロック機構が自動ロック機構であり、前記ホルダアームが前記傾斜軸の周りで前記人間工学的ロード位置から前記サービス位置まで傾斜すると、前記保持プレートが、前記前部及び後部支持棒の一方又は両方のプレート位置決め溝に自動的にロックされる、請求項1又は2に記載のフィルタホルダ。
【請求項4】
前記左側ロックアセンブリ及び前記右側ロックアセンブリが両方ともハンドル及び軸受/カムロックアセンブリを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルタホルダ。
【請求項5】
前記傾斜軸の周りで前記ホルダアームを傾斜させるための傾斜機構であって、取り外し可能なクランクハンドルを備えるクランクと、前記取り外し可能なクランクハンドルの下の六角ハブと、を備える、傾斜機構、を更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のフィルタホルダ。
【請求項6】
前記傾斜軸の周りで前記ホルダアームを傾斜させるための傾斜機構であって、ステッパモータを備える、傾斜機構、を更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルタホルダ。
【請求項7】
前記ステッパモータがリチウムイオンバッテリ電源を有する、請求項6に記載のフィルタホルダ。
【請求項8】
前記圧縮プレートがフィルタ圧縮調整装置によって連続的に調整可能である、請求項1~7のいずれか一項に記載のフィルタホルダ。
【請求項9】
前記フィルタホルダが可動である、請求項1~8のいずれか一項に記載のフィルタホルダ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のフィルタホルダと、前記ホルダアーム上にロードされたフィルタカプセルスタックと、を備える、フィルタシステム。
【請求項11】
フィルタホルダを動作させる方法であって、
ホルダアームを人間工学的ロード位置に傾斜させることであって、前記ホルダアームがほぼ水平配向である、傾斜させることと、
フィルタカプセルスタックを前記ホルダアーム上にロードすることと、
前記ホルダアームを傾斜軸の周りでサービス位置まで傾斜させることであって、前記ホルダアームがほぼ垂直配向にある、傾斜させることと、を含み、
フィルタカプセルスタックを前記ホルダアームにロードすることが、(i)両手操作を使用して保持プレートをロック解除することと、(ii)前記フィルタカプセルスタックをオルダアーム上に配置することと、(iii)圧縮プレートと前記保持プレートとの間で前記フィルタカプセルスタックを圧縮することと、(ii)前記保持プレートが摺動しないようにロックすることと、を含む、方法。
【請求項12】
前記保持プレートをロックすることが、前記保持プレートを前記ホルダアームの支持棒上のプレート位置決め溝にロックすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記保持プレートをロック解除するために両手操作を使用することが、2つのロックハンドルをロック解除位置まで回転させることを含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記ホルダアームを前記サービス位置から前記人間工学的ロード位置に傾斜させて戻すことと、両手操作を使用して前記保持プレートをロック解除することと、前記フィルタカプセルスタックを前記ホルダアームからアンロードすることと、を更に含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記保持プレートをロック解除するために両手操作を使用することが、2つのロックハンドルをロック解除位置まで回転させることを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ装置及びフィルタ装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層されたディスク型レンチキュラーフィルタは、商業用途のための流体の処理に使用されてきた。このようなフィルタを採用する典型的なろ過システムでは、フィルタは、周囲環境から密閉可能な衛生ハウジング内で動作するように組み立てられる。衛生ハウジングは、典型的には、流体の出入りのための構造を有するほぼ円筒形の圧力容器である。
【0003】
通常の動作では、ろ過されるべき加圧流体は、流体入口を通って衛生ハウジングに入り、ディスク型レンチキュラーフィルタを取り囲む領域を満たす。次いで、流体は、フィルタ要素を通してろ過され、その後、ろ過された流体は、積層された内側コアに入る。積層された内側コアは、ろ過された流体(ろ液)を下流の配管に経路指定することができる流体出口に流体接続される。
【0004】
米国特許第9,242,193号(Bryan et al.)に記載されているように、サービス位置にあるホルダアームを備えたフィルタホルダを動作させることにより、フィルタカプセルスタックがフィルタ動作の前に液体で充填されるとき、フィルタカプセルスタックからの過剰なガスをより簡単かつ効率的に排出することを可能にする。過剰なガスは、フィルタカプセルスタックの上部に位置決めされた既存の流体接続ポートを通って上方に逃げることができるので、通気はより容易である。フィルタカプセルは、各使用後に処分することができ、それによって、処理時間を節約し、消毒剤のコストを低減又は排除する。更に、フィルタカプセルは、カプセル間にかさばる結合プレートを必要とせずに、フィルタカプセルスタック内で互いに直接接続することができる。したがって、フィルタカプセルスタック全体は、結合プレートを洗浄又は取り扱う必要なく処分され得るフィルタカプセルを直接インターフェース接続して、より容易に組み立てられ得る。更に、サービス位置は典型的には実質的に垂直配向であるので、フィルタホルダは、水平配向に固定されるユニットよりもはるかに小さい床面積を占めることができる。
【0005】
しかしながら、フィルタカプセルは、ホルダアームがサービス位置にある間にロード及びアンロードすることが依然として面倒であり得る。この困難性は、使用済みフィルタカプセルがしばしば残留流体を含有し、それがフィルタカプセルをはるかに重くする可能性があるので、アンロードステップ中に増幅される可能性がある。
【0006】
例えば、使い捨てフィルタカプセルを垂直にロードしてアンロードする必要がある場合、オペレータは、スタック内の最下位のフィルタカプセルを扱うためにかがむ必要があり得、スタック内の最高位のフィルタカプセルを扱うために、はしご又はスツールに登る必要があり得る。更に、スタック内の最も高いフィルタカプセルを操るために、オペレータは、ロード又はアンロードのために頭の上の高いところに手を伸ばし、次にフィルタカプセルを横方向に動かしてスタックから離す必要がある場合がある。
【0007】
上記の懸念に加えて、垂直スタックからフィルタカプセルをアンロードすることは、各積層されたフィルタカプセルの底部のポートを通して残留流体の漏出をもたらす可能性がある。
【0008】
使い捨てフィルタハウジングが固定された水平ラック上に水平にロード及びアンロードされ得る固定水平設計も可能である。しかしながら、そのような設計は、垂直に動作するシステムと比較して、比較的大きな床面積を消費する傾向がある。より大きな床面積要件を緩和する1つの方法は、使い捨てフィルタハウジングの複数の水平列を上下に保持するように設計を構成することである。しかしながら、そのようにすると、これらの水平列の少なくともいくつかが、オペレータによる容易なロード及びアンロードのために高すぎるか又は低すぎるかのいずれかに位置することになる。したがって、オペレータは、依然として、最も低い列をロード及びアンロードするためにかがむ必要がある場合があり、最も高い列のためにはしご又はスツールを登る必要がある場合がある。
【0009】
更に、固定された水平設計はまた、システムに流体を充填しながら過剰なガスをパージ又は排出することがより困難であり得る。重力によって流体がフィルタハウジングの底部に溜まるので、過剰なガスは水平に配向されたフィルタハウジングの上部に集まる。これは、ハウジングの中心部内に設けられた典型的な流体入口及び出口に加えて、フィルタハウジングの「上部」に沿って別個の排出配管を設けなければならないことを意味する。そのようなより複雑な配管は、例えば、より多くの配管接続がなされること、及びシールが破損する可能性があるより多くの潜在的な場所を意味する可能性がある。
【発明の概要】
【0010】
上記に鑑みて、ホルダアームがサービス位置にあるフィルタホルダの動作は、固定された水平位置での動作に有利であり得ることが認識される。更に、サービス位置及び人間工学的ロード位置に傾斜可能なホルダアームを備えるフィルタホルダは、更なる利点に加えて、サービス位置に固定されたものに関して上述した利点の全てを享受する。
【0011】
簡単に言えば、一態様では、本発明は、フィルタホルダを作業表面上に支持するための基部と、基部に取り付けられた傾斜機構と、傾斜軸において傾斜機構に取り付けられたホルダアームとを備えるフィルタホルダを提供する。ホルダアームは、(a)基部端及び遠位端と、(b)基部端に近接した圧縮プレートと、(c)遠位端に近接した保持プレートと、(d)基部端から遠位端まで延在する前部及び後部支持棒であって、支持棒のうちの少なくとも1つが、その長さに沿って分布した複数のプレート位置決め溝を備える、支持棒と、(e)保持プレートをホルダアーム上の所定の位置にロックするため、前部及び後部支持棒に沿ってともに移動可能であり、前部及び後部支持棒の一方又は両方のプレート位置決め溝にロック可能であるロック機構と、を備える。ロック機構は、左側ロックアセンブリ及び右側ロックアセンブリを備え、ロック位置とロック解除位置との間でロック機構を変更するために両手操作を必要とする。ホルダアームは、傾斜軸の周りでサービス位置まで傾斜可能であり、ホルダアームは、作業表面及び人間工学的ロード位置に対して直角に配向され、ホルダアームは、作業表面と平行に配向されている。
【0012】
別の態様では、本発明は、フィルタホルダを動作させる方法を提供する。本方法は、(a)ホルダアームを、ホルダアームがほぼ水平配向にある人間工学的ロード位置に傾斜させるステップと、(b)フィルタカプセルスタックをホルダアーム上にロードするステップと、(c)ホルダアームを、傾斜軸を中心として、ホルダアームがほぼ垂直配向にあるサービス位置に傾斜させるステップとを含む。ホルダアーム上にフィルタカプセルスタックをロードすることは、(i)両手操作を使用して保持プレートをロック解除することと、(ii)フィルタカプセルスタックをオルダアーム上に配置することと、(iii)圧縮プレートと保持プレートの間でフィルタカプセルスタックを圧縮することと、(ii)保持プレートが摺動しないようにロックすることと、を含む。
【0013】
本発明のフィルタホルダ及び方法は、改善された安全性及び人間工学を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本明細書を通して、同様の参照番号が同様の要素を示す添付の図面が参照される。
【
図1】人間工学的ロード位置にあるホルダアームを備えた本開示によるフィルタホルダの正面図である。
【
図2】本開示によるフィルタホルダに有用な取り外し可能なハンドルの斜視図である。
【
図3】本開示によるフィルタホルダに有用な六角ハブの斜視図である。
【
図4】人間工学的ロード位置にあるホルダアームを備えた本開示によるフィルタホルダの正面図であり、ホルダアームはフィルタカプセルスタック内の1つ以上のフィルタカプセルを備える。
【
図5】本開示によるフィルタホルダに有用なロック機構の斜視図である。
【
図6】ホルダアームがサービス位置にある、本開示によるフィルタホルダの正面図である。
【
図7】本開示によるフィルタカプセルの斜視図である。
【
図8】本開示によるフィルタカプセルの斜視図である。
【
図9】本開示によるフィルタカプセルスタックの上面図である。
【
図10】本開示によるフィルタカプセルスタックの斜視図である。
【
図11】本開示によるフィルタカプセルスタックの
図9の12-12における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本開示による例示的なフィルタホルダ100を描写する。図示のように、フィルタホルダ100は、作業表面W上でフィルタホルダ100を支持する基部104を備える。図示の実施形態では、フィルタホルダ100は、傾斜軸112を備える傾斜機構110を備える。ホルダアーム120は、ホルダアーム120がサービス位置及び人間工学的ロード位置に傾斜可能であるように、傾斜軸112において傾斜機構110に取り付けられる。
図1に示すように、ホルダアーム120は、人間工学的ロード位置にある。例えば、
図6は、サービス位置にあるホルダアーム120を描写する。
【0016】
本明細書で使用される場合、「サービス位置」は、ろ過システムとしてのフィルタホルダ100の実際の動作に対応するホルダアーム120の位置を意味する。サービス位置にあるとき、ホルダアーム120はほぼ垂直に配向される。しかしながら、サービス位置は、例えば、水平から約75度~約105度、より典型的には水平から約85度~約95度の範囲の、垂直配向からの角度偏差を含む。いくつかの実施形態では、ホルダアーム120は、サービス位置にあるとき、作業表面Wに直交して配向される。
【0017】
本明細書で使用される場合、「人間工学的ロード位置」は、フィルタカプセル200(例えば、
図7~
図10に例示されるような)のホルダアーム120へのロード又はそこからのアンロードに対応するホルダアーム120の位置を意味する。人間工学的ロード位置にあるとき、ホルダアーム120は、ほぼ水平に配向される。しかしながら、人間工学的ロード位置は、例えば、水平から約-15度~約+15度、より典型的には水平から約-5度~約+5度の範囲の、平行からの角度偏差を含む。人間工学的ロード位置は、サービス位置とは異なる。一実施形態では、ホルダアーム120は、人間工学的ロード位置にあるとき、作業表面Wに平行に配向される。
【0018】
フィルタカプセル200は、フィルタカプセルが全て、かがむ必要も登る必要もない人間工学的な高さでオペレータに提示されるので、ホルダアーム120に対してはるかに容易にロード及びアンロードすることができる。ホルダアームを傾斜させることは、オペレータの便宜のために人間工学的に配置される傾斜機構110によって容易に達成される。更に、フィルタカプセルスタック250をホルダアーム120上の所定の位置にロック又はロック解除すること、使用済みのフィルタカプセル200を廃棄すること、フィルタカプセルスタック250の圧縮を調整すること、配管接続を作成又は切断することなどの全てのルーチンステップは、快適で人間工学的な高さをオペレータに利用可能にする。
【0019】
基部104は、作業表面Wの上でフィルタホルダ100の重量を支持するように適合された任意の形態の構造を備えることができる。作業表面Wは、フィルタホルダ100の一部を形成するものではなく、単にフィルタホルダ100の特徴について適切なコンテキストを提供するために説明されているだけであることを理解されたい。
図1、
図4及び
図6に示すように、基部104は、フィルタホルダ100を作業表面Wの周りで又は製造施設内の他の部屋に移動させることを可能にするキャスタ106を備える。
【0020】
図1に示される図では見えないが、基部104は、ホルダアーム120の基部端122が揺動して作業表面Wに可能な限り近いサービス位置に静止することを可能にする貫通側部を備えてもよい。そのような構成は、フィルタホルダ100のための有利なロード及び動作条件を可能にする。
【0021】
例えば、第2の距離Bを大きくすることができるほど、より多くのフィルタカプセル200(
図1には図示せず)を傾斜軸112と基部端122との間に配置することができる。しかしながら、同時に、ホルダアーム120が人間工学的ロード位置にある間にフィルタカプセル200のより容易なロード及びアンロードを可能にするために、傾斜軸112は、作業表面Wにわたる快適な高さ(第1の距離A)に位置決めされることが好ましい。第2の距離Bは実質的にホルダアーム120の基部端122の揺動半径であるため、第2の距離Bが第1の距離Aよりも大きい場合、ホルダアーム120がサービス位置に傾斜している間に基部端122が作業表面Wと干渉することは明らかである。したがって、第1の距離Aを作業表面Wの上の快適なレベルに固定し、基部端122と作業表面Wとの干渉を防止しながら、第2の距離Bを第1の距離Aにできるだけ近くなるように選択することが望ましい。第2の距離Bを最大にするために、基部104の貫通側部105は、ホルダアーム120が干渉することなく基部を通って揺動できるようにする。したがって、貫通側部105は、(1)作業表面Wにわたる傾斜軸112の人間工学的位置決めと、(2)フィルタカプセル200を保持するホルダアーム120の増大した能力とを同時に可能にするのに役立つことができる。
【0022】
傾斜機構110は、典型的には、
図1に示すように、基部104上に据え付けられ、ホルダアーム120を傾斜軸112の周りに傾斜させるように機能する。ホルダアーム120は、フィルタカプセル200がロードされたとき、特にろ過媒体が流体で飽和しているときに非常に重くなり得るため、傾斜機構110は、傾斜軸112の周りに実質的なトルクを生成することができなければならない。これは、ホルダアームが人間工学的ロード位置にあるときにホルダアーム120の重心が傾斜軸112からずれているときに特にそうである。負荷が傾斜軸112の周りでアンバランスであるそのような状態では、ホルダアーム120を上向きにサービス位置に傾斜させるために克服されるべき実質的な力のモーメントが存在し得る。
【0023】
本開示の実施形態では、(i)傾斜軸112の配置、及び(ii)基部端122と遠位端124との間のホルダアーム120の長さを最適化することができる(例えば、ホルダアーム120の揺動半径[第2の距離B]を最大化し、更に、実際的な数のフィルタカプセル200をホルダアーム120上にロードすることを可能にする)。このため、ホルダアーム120にフィルタカプセル200をロードすると、ホルダアーム120の重心が傾斜軸112から実質的にオフセットしてしまうことがある。
【0024】
例えば、ホルダアーム120の基部端122と遠位端124との間のスペースをフィルタカプセル200で効果的に満たすことが望ましい場合がある。
図1に見るように(再びフィルタカプセル200なしで示されている)、このようなロードは、傾斜軸の左側に重心をオフセットする可能性がある。従来の設計では、回転負荷の重心を回転軸のできるだけ近くに固定する傾向があるため、このオフセット重心構成の望ましさは直感的ではない。しかしながら、この従来の負荷バランス手法からの脱却により、フィルタホルダ100のロード及びアンロードが容易になると同時に、動作中のろ過能力を最大化し、システム全体の設置面積を最小化するという二重の利点が可能になる。
【0025】
傾斜軸112とホルダアーム120の遠位端124との間の距離は、必須ではないが、典型的には、
図6に明確に示されるように、第2の距離Bより大きい。これは、基部化端122が傾斜しながら下方に揺動する際に作業表面Wをクリアしなければならない一方で、遠位端124そのように拘束されないためである。したがって、遠位端124がサービス位置に揺動するときに頭上の天井がそこと干渉しない限り、フィルタホルダに同時にロードすることができるフィルタカプセル200の数を増加させるために、ホルダアーム120の全長(基部化端122と遠位端124との間の距離)を増加させることが望ましい場合がある。もちろん、ホルダアーム120の全長と第2の距離Bとの間の差が大きくなり、ホルダアーム120上にロードされるフィルタカプセル200の数が多くなるほど、ホルダアーム120によって運ばれる荷重が傾斜軸112の周りで著しくアンバランスになり得る可能性が高くなる。
【0026】
しかしながら、傾斜軸112の周りで荷重がアンバランスであるホルダアーム120がサービス位置に傾斜した後、フィルタカプセル200でロードされたホルダアーム120の重心は、実質的に垂直に傾斜軸112と位置合わせされて静止するようになることが理解されるであろう。本書で使用される場合、「実質的に垂直に位置合わせされる」ことは、略位置合わせの条件を含む。例えば、ホルダアーム120がサービス位置にある間にそのような重心を通って引かれた垂直線は、傾斜軸112と正確に交差しない可能性があるが、約1インチ、2インチ、3インチ、4インチ、更には5インチを含む最大約6インチまで傾斜軸112のどちらかの側にオフセットされ得る。重心と傾斜軸112とがこのように実質的に垂直に位置合わせされると、傾斜軸112の周りに重力誘導モーメント又はトルクが実質的に存在しないか、又はそのような重力誘導モーメント又はトルクが最小限に抑えられる。
【0027】
一実施形態では、傾斜機構110はギアボックス(見えない)を備える。典型的には、傾斜軸112における傾斜シャフト(図示せず)は、ギアボックスを介して、ホルダアーム120をサービス位置及び人間工学的ロード位置に傾斜させるように動作可能なクランクハンドル114に結合される。また、傾斜機構110は、モータ(例えば、ステッパモータ)を備え得るか、又は油圧作動され得ることも想定される。例えば、リチウムイオン電池電源とともにステッパモータを利用することができる。
【0028】
一実施形態では、クランクハンドル114は取り外し可能なハンドル160を備え、
図2及び
図3に例示するように、取り外し可能なハンドル160の下に六角ハブ170がある。一実施形態において、取り外し可能なハンドル160は、ハンドクランクアーム172及び周転ハンドル173を備える。ハンドルが取り外されると、外部ドリルを使用して、ホルダアーム120を人間工学的ロード位置からサービス位置に、またその逆に傾斜させることができる。
【0029】
図1に示すように、ホルダアーム120は、前部支持棒126及び後部支持棒128によって接続された基部端122及び遠位端124を備える。いくつかの実施形態では、
図1に示すように、前部支持棒126及び後部支持棒128に平行に配置された少なくとも1つのクレードル棒127及び任意選択で耐荷重棒125を更に採用することができる。一実施形態では、ホルダアーム120は、ホルダブラケット115によって傾斜機構に結合される。
【0030】
「前部」及び「後部」などの用語は、本明細書では、ある特徴の別の特徴に対する相対的な位置を明確にするためだけに使用されており、そのような特徴の場所をフィルタホルダ100の特定の部分に限定すること、又はフィルタホルダ100を任意の特定の配向に限定することを意図していないことを理解されたい。例えば、前部支持棒126及び後部支持棒128は、フィルタホルダ100の両側に位置し得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのクレードル棒127は、フィルタカプセル200の支持及び位置合わせを提供して、フィルタカプセルスタック250の第1の軸251をホルダアーム軸121と位置合わせし続けることができ、同時に、ホルダアーム120が人間工学的ロード位置にあるときにフィルタカプセル200が前部支持棒126と後部支持棒128との間の空間を通って落下するのを防止することができる。しかしながら、他の実施形態では、前部支持棒126及び後部支持棒128を使用してフィルタカプセル200を位置合わせさせることが有利であり得る。例えば、各フィルタカプセル200は、前部支持棒126及び後部支持棒128のうちの1つ以上と摺動可能に係合するように、1つ以上の位置合わせウィング203を備えて構成され得る。2つの対向する位置合わせウィング203を備える例示的なフィルタカプセル200が
図8に描写されている。位置合わせウィング203は、例えば、前部支持棒126及び/又は後部支持棒128の直径に対応する半円形のボアを含むことができ、その中に前部支持棒126及び/又は後部支持棒128が嵌合することができる。したがって、位置合わせウィング203を有するフィルタカプセル200を、対向する位置合わせウィング203が前部及び後部支持棒126、128に嵌合されるホルダアーム120上に配置すると、フィルタカプセルスタック250の第1の軸251がホルダアーム軸121と位置合わせして保持されることを保証することができる。そのような実施形態では、例えば、ホルダアーム120に改善された剛性を提供するために、1つ以上のクレードル棒127が依然として採用されてもよい。
【0032】
前部支持棒126及び後部支持棒128は各々、それらのそれぞれの長さに沿って分布した複数のプレート位置決め溝129を備えることができる。一実施形態では、プレート位置決め溝129は、ホルダアーム120にロードされ得るフィルタカプセルスタック250の異なる構成の高さに対応する間隔で、前部及び後部支持棒126、128の長さに沿って離間配置されている。プレート位置決め溝129は、例えば、
図1、
図4及び
図6に明確に見ることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、ホルダアーム120は、圧縮プレート130と、圧縮プレート130の反対側に配置された保持プレート140とを備える。圧縮プレート130及び保持プレート140は、前部及び後部支持棒126、128の長さに沿って移動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、圧縮プレート130はホルダアーム120上に固定されてもよく、保持プレート140は移動可能である。他の実施形態では、保持プレート140及び圧縮プレート130の両方が移動可能である。このような実施形態では、保持プレート140は、典型的には、プレート位置決め溝129の場所に対応する位置まで段階的に移動可能であり、一方、圧縮プレート130は、保持プレート140が所定の位置に移動されると、フィルタカプセルスタックに圧縮力を提供するために、より狭い範囲にわたって連続的に調整可能である。
図1に描写された実施形態は、ホルダアーム120の基部端122に近接した圧縮プレート130を描写しているが、保持プレート140が基部端124に近接するように、圧縮プレート130及び保持プレート140を裏返すことも想定される。いくつかの実施形態では、保持プレート140及び圧縮プレート130のうちの1つ以上は、前部支持棒126及び後部支持棒128に摺動可能に接続される。保持プレート140又は圧縮プレート130の前部及び後部支持棒126、128への摺動可能な接続は、例えば、1つ以上の線形軸受によって達成されてもよい。
【0034】
保持プレート140は、前部支持棒126及び後部支持棒128に沿ってともに移動可能なロック機構150を更に備える。ロック機構150は、
図5に例示するように、左側ロックアセンブリ151と、右側ロックアセンブリ152と、補強棒158とを備えることができる。いくつかの実施形態では、ロックアセンブリ151、152は、それぞれ、左側ロックハンドル153及び軸受/カムロックアセンブリ154と、右側ロックハンドル155及び軸受/カムロックアセンブリ156とを備える。
図5では、左側ロックハンドル151がロック解除位置で示されており、右側ロックハンドル152がロック位置で示されている。ロック機構150は、それをロック解除するために両手操作を必要とする。この特徴は、ピンチポイントを排除し、ロック機構を誤ってロック解除することを不可能にすることによって、更なる安全性を提供する。いくつかの実施形態では、ロック機構150は、バネロード式である。
【0035】
ロック機構150は、前部支持棒126及び後部支持棒128の一方又は両方のプレート位置決め溝129にロックすることができ、それによって保持プレート140をホルダアーム120上のプリセット位置に確実にロックする。ロック位置では、ロック機構150は、前部支持棒126及び後部支持棒128の両方のプレート位置決め溝129に同時に係合され得る。ロック機構150は、ホルダアーム120が、それが誤ってロック解除されたままになった場合に、人間工学的ロード位置からサービス位置まで傾斜軸112の周りに傾斜するとき、前部及び後部支持棒126、128の一方又は両方のプレート位置決め溝129に自動的にロックすることができる。
【0036】
図1は、圧縮プレート130に結合されたフィルタ圧縮調整装置134を更に示す。ここではホルダアーム120の基部端122に示されているが、フィルタ圧縮調整装置は、遠位端124に位置してもよい。フィルタ圧縮調整装置134は、圧縮プレート130を前部支持棒126及び後部支持棒128に沿って調整して、フィルタカプセルスタック250に圧縮力を適用する。このような圧縮の適用は、例えば、フィルタカプセルスタック250内でろ過されたものに対する流体に高圧で提供される可能性があるため、必要となり得、フィルタカプセルスタック250の端部に対する保持プレート140及び圧縮プレート130の圧縮接触は、フィルタカプセル200の変形、分離、又は破裂を防ぐのに役立ち得る。フィルタ圧縮調整装置134は、例えば、ある点で圧縮プレート130に固定され、別の点でホルダアームにしっかりと固定された部材にねじ結合された回転可能なアクメネジ又はボールネジを備え得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、フィルタ圧縮調整装置134には、フィルタカプセルスタック250に適用され得る圧縮力を制限するためのプロキシとして機能するトルクリミッタ138が設けられる。トルクリミッタ138は、例えば、摩擦基部又は磁気スリップクラッチであってもよい。トルクリミッタ138を設けることは、例えば、米国特許第9,474,992号(Bryan et al.)及び同第10,918,985号(Marks et al.)に記載されているように、フィルタカプセル200が流体相互接続208及び流体シールを有する場合に有利であり得る。このようなフィルタカプセルを設けることにより、フィルタホルダ100を安全に動作させるために必要であり得る圧縮力がはるかに小さくなる。
【0038】
図示のフィルタホルダ100は、サービス位置及び人間工学的ロード位置に傾斜可能なホルダアーム120を備える。描写されているように、フィルタアーム120は、人間工学的ロード位置に傾斜される。見られるように、ホルダアーム120は、オペレータがフィルタカプセル200をロード及びアンロードすることができるように快適な高さに位置決めされている。より具体的には、図示の実施形態では、作業表面Wから傾斜軸112までの第1の距離Aは、オペレータの腰の高さに概略対応する。典型的には、第1の距離Aは、約28インチ~約40インチの範囲であり、例えば、その範囲内の各1インチの増分を含む。人間工学的ロード位置にあるときにホルダアーム120をそのような快適な高さに配置することにより、オペレータは、例えばかがんだり、頭の上に手を伸ばしたりすることなく、人間工学的に効率的な方式でフィルタカプセル200をロード及びアンロードすることができるようになる。
【0039】
前部支持棒126は、傾斜軸112のわずかに下方に位置決めされ、ホルダアーム軸121の下方にも位置決めされる。例えば、前部支持棒は、ホルダアーム軸121の下方約1インチ~約6インチの範囲内に位置決めされてもよく、その範囲内の1インチ増分を含む。前部支持棒126のこの低い位置により、ホルダアーム軸121と位置合わせされるフィルタカプセル200を、より少ない持ち上げでホルダアーム120にロードしたり、そこからアンロードしたりすることができ、すなわち、ホルダアーム軸121に対して前部支持棒126が低ければ低いほど、その上を通過するために各フィルタカプセル200を持ち上げなければならない距離は短くなる。
【0040】
更に、フィルタカプセル200が支点ラグ230を備える実施形態では、フィルタカプセル200は、支点ラグ230が下げられた前部支持棒126に接触するまで、オペレータに向かって回転させることができる。例えば、
図9を参照。回転が続くと、支点ラグ230と前部支持棒126との間の接触により、フィルタカプセル200が前部支持棒126を中心に旋回し、これにより、オペレータにより大きなレバーアームが与えられ、したがって、フィルタカプセル200をホルダアーム120に設置したり、そこから取り外したりする際の機械的利点が増大する。ホルダアーム120が概略腰の高さに位置決めされているので、使用済みフィルタカプセル200は、ホルダアーム120から直接廃棄物容器(図示せず)に都合よく巻き取られ得る。
【0041】
ホルダアーム120が人間工学的ロード位置にある間に使用済みフィルタカプセル200をアンロードする更なる利点は、使用済みフィルタカプセル200内に残留流体を封じ込めることである。動作中、フィルタカプセル200の内部は、流体で満たされ、飽和される。各フィルタカプセル200内に同伴される流体の量を最小限に抑え、更に使用後に過剰な流体を除去する努力がなされているが、典型的には、動作後にいくらかの量の残留流体が残る。したがって、フィルタホルダ100から各フィルタカプセル200を取り外す際に、残留流体がフィルタカプセルの露出された流体ポートを通って漏出し得るリスクがある。側部にある間(すなわち、ホルダアームが人間工学的ロード位置にある間)のフィルタカプセル200の除去は、残留流体がフィルタカプセル200内に含有されるため、有利である。対照的に、垂直位置でアンロードされたフィルタカプセル200は、露出された流体ポートがフィルタカプセル200の底部に配向されるため、残留流体を漏出させる可能性がある。
【0042】
傾斜機構110のクランクハンドル114もまた、保持プレート140、ロックアセンブリ150、圧縮プレート130、及びフィルタ圧縮調整装置134と同様に、オペレータにとって都合の良い高さに配置される。したがって、ホルダアーム120が人間工学的ロード位置にあるとき、オペレータによって日常的にアクセスされなければならない全ての特徴は、好都合な人間工学的高さに位置決めされる。
【0043】
図4は、ホルダアーム120が、2つのマニホールド部材280の間に挟まれた2つのフィルタカプセル200を備えるフィルタカプセルスタック250がロードされている、人間工学的ロード位置にあるフィルタホルダ100を描写する。示されるように、マニホールド部材は、任意選択で、供給流体入口210又はろ液出口214のうちの1つ以上を備えてもよい。図から分かるように、フィルタカプセルスタック250は、圧縮プレート130と保持プレート140との間で圧縮される。例示的なフィルタカプセルスタック250は、例えば、
図4及び
図10に見ることができる。また、
図4に示す実施形態では、前部支持棒126がホルダアーム軸121の下方に位置決めされて、上述したように、フィルタカプセル200のより容易なロード及びアンロードを促進することが明確に分かり得る。
【0044】
図4に示すように、保持プレート140は、フィルタカプセルスタック250に接触するように前部及び後部支持棒126、128に沿って位置決めされており、図示のロック機構150は、前部支持棒126のプレート位置決め溝129に係合して、保持プレート140をホルダアーム120上の所定の位置にロックする。
【0045】
図10は、本開示によるフィルタカプセルスタック250の一実施形態を描写する。
図10に描写されるフィルタカプセルスタック250は、流体相互接続208によって互いに接続された3つのフィルタカプセル200を備える。
図10はピストンシールを有利に使用できる流体相互接続208を描写しているが、隣接するフィルタカプセル200が、単純な面シール、又はピストンシールと面シールの組み合わせによって互いに流体接続できることも想定される。面シールが採用される実施形態では、フィルタカプセルスタック250の圧縮は、フィルタカプセル200間の面シール部材に係合して圧縮するように作用し、それによって各フィルタカプセル200を隣接するフィルタカプセル200に流体的にシールする。
【0046】
各フィルタカプセル200は、その中に配置された1つ以上のフィルタ要素202を備えることができる。いくつかの実施形態では、各フィルタカプセル200は、異なるタイプのフィルタ要素202を備える。例えば、各フィルタカプセル200は、例えば、深層ろ過、スケール低減、抗菌処理、抗ウイルス処理、風味強化、又はその他のうちの1つのためのフィルタ要素202を備えてもよい。そのようなフィルタ要素202は、単独で、又は他のフィルタ要素202と組み合わせて使用されてもよい。このようにして、フィルタカプセルスタック250は、用途固有のろ過を提供するようにカスタマイズすることができる。
【0047】
いくつかの用途では、(i)フィルタカプセルスタック250の一方の端部に位置する供給流体入口210とろ液出口214の両方、又は(ii)一端に供給流体入口210、反対端にろ液出口214、のいずれかを有するフィルタカプセルスタック250を提供することが望ましい場合がある。供給流体入口210及び位置するろ液出口214を一方の端に位置させることにより、関連する配管をフィルタカプセルスタック250の長さによって分離するのではなく、単一のエリアに位置させることが可能になる。その結果、アセンブリをよりコンパクトにすることができる。いくつかの実施形態では、フィルタカプセルスタック250は、
図12に描写されるように、1つ以上のマニホールド部材280を備えてもよい。
図12に示されるように、「D」は、供給流体入口210への汚れた、又はろ過されていない流体の流れを描写し、「C」は、ろ液出口214からの清浄な、又はろ過された流体の流れを描写している。マニホールド部材280の目的は、採用される場合、フィルタカプセルスタック250の終端に流体の流れを向けることである。マニホールド部材280は、ろ液のための行き止まりとして動作することができ、ろ液が方向を逆転し、ろ液出口214に向かって戻り、フィルタカプセルスタック250を出ることを可能にする。マニホールド部材280はまた、フィルタカプセルスタック250の単一端上に流体入口210及びろ液出口214の両方を提供してもよい。マニホールド部材280は、より単純に、供給流体入口210のみ、又はろ液出口214のみを提供してもよい。これらの実施形態の組み合わせも想定される。例えば、上述したような流れ構成を利用して、直列又は並列ろ過を達成することができる-例えば、1つのフィルタカプセル200が、隣接するフィルタカプセル200と直列又は並列のいずれかである。そのような流れ構成はまた、特定のフィルタカプセル200が並列で動作され、他のものが直列で動作されるように、単一のフィルタカプセルスタック250内で組み合わせられてもよい。マニホールド部材280は、例えばポリカーボネート又はポリプロピレンから構築されてもよい。
【0048】
示されるように、
図11は、汚れた流体「D」がフィルタカプセルスタックの上部を通って流入し、清浄な流体「C」が底部を通って流出するように配設されたフィルタカプセルスタック250を描写する。しかしながら、そのような入口及び出口流は、複数の方法で構成されてもよいことを理解されたい。例えば、一実施形態では、供給流体入口210とろ液出口214の両方がフィルタカプセルスタック250の底部に位置決めされた単一のマニホールド部材280内で発生し、一方、過剰ガスの排出のみがフィルタカプセルスタック250の上部に位置決めされたマニホールド部材280を介して発生する。
【0049】
フィルタカプセルスタック250は、典型的には、動作中にフィルタホルダ100のホルダアーム120内に位置決めされる。圧縮プレート130及び対向する保持具プレート140を備えるホルダアーム120は、例えば、フィルタカプセルスタック250内の最も外側に位置するフィルタカプセル200の端壁を保持するために必要とされる場合がある。そのような最も外側に位置する端壁は、隣接するフィルタカプセル200に対して支持されていないので、圧縮プレート130又は保持プレート140との接触は、内部流体圧力下での壁の撓みを防止するのに役立ち得る。フィルタホルダ100は、フィルタカプセルスタック250の第1の軸251(典型的にはホルダアーム軸121と位置合わせしている)の方向に沿って、圧縮プレート130及び保持プレート140に力を適用することができる。
【0050】
典型的には、圧縮プレート130及び保持プレート140は、フィルタカプセルスタック250の一端又は他端でフィルタカプセル200に当接する。典型的に、フィルタカプセルスタック250内の各フィルタカプセル200は、隣接するフィルタカプセル200と軸受点で接触し、力を適用する既知の剛性基準を提供する。いくつかの実施形態では、フィルタホルダ100は更に、供給流体入口210及びろ液出口214のための装置を提供してもよい。いくつかの実施形態では、フィルタホルダ100の部品は、例えば、ステンレス鋼から構築されてもよい。
【0051】
使用方法において、本開示によるフィルタホルダ100は、典型的には、ホルダアーム120上にフィルタカプセルスタック250を形成するために、任意選択で1つ以上のマニホールド部材280を含む1つ以上のフィルタカプセル200がロードされる。フィルタカプセルスタック250は、保持プレート140と圧縮プレート130との間で圧縮される。次いで、フィルタホルダは、サービス位置においてろ過システムとして動作される。
【0052】
いくつかの実施形態では、フィルタカプセル200をホルダアーム120にロードすることは、フィルタカプセルの位置合わせウィング203を前部又は後部支持棒126、128の一方に嵌合させてフィルタカプセルスタック250の第1の軸251をホルダアーム軸121と位置合わせすることを含む。
【0053】
ホルダアーム120は、典型的には、人間工学的ロード位置に傾斜され、任意選択で1つ以上のマニホールド部材280を含む、1つ以上のフィルタカプセル200がロードされ、ホルダアーム120上にフィルタカプセルスタック250を形成する。次いで、ホルダアーム120は、フィルタホルダがろ過システムとして動作され得るサービス位置に傾斜される。
【0054】
フィルタカプセルスタック250をホルダアーム120上にロードすることは、保持プレート140をロック解除するために両手操作を使用することを含む。いくつかの実施形態では、ロックハンドル151、152は、ロック解除位置に回転される。保持プレート140は、ホルダアーム120の遠位端に摺動され得る。カプセルスタック250は、一度にホルダアーム120カプセル内にロードされてもよい。カプセルスタック250の最後のカプセルが設置されると、ロック機構xxがカプセルスタックに最も近いプレート位置決め溝129に係合し、ロックハンドル151、152がロック位置になるまで、保持プレート140を基部端に向かって摺動させることができる。
【0055】
典型的に、フィルタホルダをろ過システムとして動作させることは、フィルタカプセルスタック250に流体を充填すること、フィルタカプセルスタック250から過剰なガスをパージすること、フィルタカプセル200を通して流体をろ過すること、及びフィルタカプセルスタック250から残留流体を排出すること、のうちの1つ以上を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、フィルタアーム120は、傾斜軸112においてギアボックスを介して傾斜シャフトに結合されたクランクハンドル114をオペレータが回すことによって傾斜させることができる。いくつかの実施形態では、クランクハンドルが取り外されてもよく、ハンドドリルが、クランクを回転させるのを助けるために、標準的な六角ハブを介して接続されてもよい。
【0057】
フィルタホルダ100を動作させる方法は、フィルタカプセルスタック250が保持プレート140と圧縮プレート130との間で圧縮されることを更に含む。保持プレートは、摺動するのを防止するために所定位置にロックされる。一実施形態では、ロックは、前部支持棒126及び後部支持棒128のうちの1つ以上の上のプレート位置決め溝129と係合するロック機構xxによって達成される。
【0058】
一実施形態では、方法は、保持プレート140と圧縮プレート130との間のフィルタカプセルスタック250の圧縮を調整することを更に含む。いくつかの実施形態では、これは、オペレータがフィルタ圧縮調整装置134を調整することによって行われる。一実施形態では、オペレータは、トルクリミッタ138が作動して更なる圧縮を制限するまで、フィルタカプセルスタック250の圧縮を増加させることによって、フィルタ圧縮調整装置134を調整する。上述したように、フィルタカプセルスタック250において使用されるフィルタカプセル200のタイプ及び量に応じて、トルクリミッタ138のトルク限界は、任意の適切なトルクに設定され得る。
【0059】
一実施形態では、本方法は、ホルダアーム120をサービス位置から人間工学的ロード位置に戻すように傾斜させることを更に含む。典型的には、ホルダアーム120をサービス位置から人間工学的ロード位置に傾斜させることは、ホルダアーム120をサービス位置に傾斜させるための上述のステップを逆にすることによって行われる。
【0060】
本方法は、両手操作を使用して保持プレート140をロック解除し、次にフィルタカプセルスタック250をホルダアーム120からアンロードすることを更に含むことができる。保持プレート140をロック解除することは、左側及び右側ロックハンドル153、155をロック解除位置に回転させることを含んでもよい。次いで、保持プレート140は、ホルダアーム120の遠位端まで摺動され得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、各フィルタカプセル200は、オペレータに向かって取り外されるフィルタカプセル200を回転させながら、隣接するフィルタカプセル200を保持することによって、隣接するフィルタカプセル200から係合解除される。このステップを実行する際に、オペレータの横方向の動きはほとんど必要とされない。むしろ、オペレータは、フィルタカプセル200をオペレータの身体に向かって回転させ、フィルタカプセル200をホルダアームから静かに持ち上げるだけでよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、フィルタカプセルスタック250をホルダアーム120からアンロードすることは、フィルタカプセル200を前部支持棒126にわたって回転させることを含む。支点ラグ230がフィルタカプセル上に更に設けられる場合、フィルタカプセル200を前部支持棒126にわたって回転させることは、支点ラグ230を前部支持棒126に係合させることと、フィルタカプセル200を支点ラグ230の周りで回転させてフィルタカプセル200を前部支持棒126にわたって転がすことと、を含むことができる。
【0063】
フィルタカプセル200がハンドル204を更に備える場合、ハンドルは、フィルタカプセルをオペレータに向けて回転させること、及びまた、1つのフィルタカプセル200を他から脱係合するときに隣接するフィルタカプセル200が回転しないように保持することを補助するためにオペレータによって握られ得る。ハンドル204は、例えば
図9及び
図10に明確に示されている。同様に、本方法は、フィルタカプセル200のハンドル204を把持して、フィルタカプセル200をホルダアーム120上に持ち上げたり、そこから持ち上げたりすることを含んでもよい。
【0064】
一実施形態では、この方法は、ホルダアーム120の重心が傾斜軸112から垂直方向にずれている位置から、ホルダアーム120の重心が実質的に傾斜軸112と垂直方向に位置合わせされる位置までホルダアーム120を傾斜させることを含む。
【0065】
本明細書に引用した出版物の完全な開示は、あたかもそれぞれが個別に組み込まれているかのように、その全体が参照により組み込まれる。本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本発明に対する様々な修正及び変更が当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書に記載される例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されることを意図するものではなく、そのような実施例及び実施形態は例としてのみ提示されており、本発明の範囲は本明細書で以下のように規定される特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図されていることが理解されるべきである。
【国際調査報告】