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特表2024-539399流体取扱システムのための自動化されたピペット先端編成
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】流体取扱システムのための自動化されたピペット先端編成
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
G01N35/10 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526842
(86)(22)【出願日】2022-11-07
(85)【翻訳文提出日】2024-07-01
(86)【国際出願番号】 US2022049165
(87)【国際公開番号】W WO2023086302
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/277,396
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510005889
【氏名又は名称】ベックマン コールター, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Beckman Coulter, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 S. Kraemer Boulevard, Brea, CA 92821, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】サウアーバーガー, マーク エフ.
(72)【発明者】
【氏名】モシェル, レイチェル エレン
(72)【発明者】
【氏名】ネイ, ピーター ロバート
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー, ジョン エス.
(72)【発明者】
【氏名】デイビス, マシュー エス.
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ペン
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058EA07
2G058ED02
2G058ED35
2G058ED36
(57)【要約】
流体取扱システムのメモリ内に記憶されたプロトコルによって定義されるプロシージャの実施の間に、ピペット先端を先端トレイ内で自動的にデフラグメントするための方法であって、ピペット先端が存在しない、先端トレイ内の空いている受器の場所を決定するステップと、ピペット先端が存在する、先端トレイ内の充填された受器の場所を決定するステップと、流体取扱システムを使用し、ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させるステップとを含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体取扱システムのメモリ内に記憶されたプロトコルによって定義されるプロシージャの実施の間に、ピペット先端を先端トレイ内で自動的にデフラグメントするための方法であって、前記方法は、
ピペット先端が存在しない前記先端トレイ内の空いている受器の場所を決定することと、
ピペット先端が存在する前記先端トレイ内の充填された受器の場所を決定することと、
前記流体取扱システムを使用し、ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、前記先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記流体取扱システムのピペット操作デバイスの1つまたはそれを上回る先端マンドレルを使用して、前記先端トレイ内の充填された受器からピペット先端を除去することと、
除去されたピペット先端を使用して前記ピペット操作デバイスを用いてピペット操作動作を実施することであって、前記ピペット操作動作は、前記プロトコルに従って実施される、ことと、
前記ピペット操作動作を実施し、前記先端トレイ内に前記空いている受器を生成することの後に、前記除去されたピペット先端を処分することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記先端トレイ内の前記空いている受器および充填された受器の場所を決定することは、
カメラを用いて前記空いている受器および充填された受器の場所を視認することと、
前記先端トレイの画像内で前記先端トレイ内の空いている受器および充填された受器を認識することと、
前記空いている受器および充填された受器を前記流体取扱システムのメモリ内に記憶される先端トレイマップにマッピングすることと
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記先端トレイ内の前記空いている受器および充填された受器の場所を決定することは、
前記先端トレイ内の充填された受器の場所を示す前記流体取扱システムのメモリ内に記憶された前記プロトコルから先端トレイマップを取得することと、
ピペット先端が前記ピペット操作動作の間に使用されるにつれて、前記充填された受器からピペット先端を取り除き、前記先端トレイマップ内に空いている受器を生成することと
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記先端トレイマップは、前記プロシージャの開始時に前記先端トレイの充填容量にデフォルト状態にされる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記先端トレイマップは、前記プロトコル内に示される初期ステータスに従って設定される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記先端トレイ内の前記空いている受器および充填された受器の場所を決定することは、前記先端トレイ内の各受器におけるピペット先端の存在に関して感知することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
各受器における前記ピペット先端の存在は、前記流体取扱システムと関連付けられる静電容量感知システムを使用して決定される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
各受器における前記ピペット先端の存在は、前記プロシージャの開始時および終了時に、前記流体取扱システムと関連付けられる前記静電容量感知システムを使用して決定される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記先端トレイ内の前記空いている受器および充填された受器の場所を決定することは、前記プロシージャの開始時に実施される、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記先端トレイ内の前記空いている受器および充填された受器の場所を決定することは、前記プロシージャの終了時に実施される、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記先端トレイ内の前記空いている受器および充填された受器の場所を決定することは、前記プロシージャの間に実施される、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記先端トレイ内の前記空いている受器および充填された受器の場所を決定することの前に、前記プロシージャの連続する時間制約的ピペット操作動作を実施することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記先端トレイ内の連続する充填された受器の数が、前記ピペット操作動作のステップを実施するために不十分であることを決定することと、
ピペット先端を前記先端トレイ内の充填された受器から空いている受器に移動させ、前記ピペット操作動作のステップを実施するために十分な数の連続する充填された受器を前記ステップを実施する前に提供することと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、前記先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させることは、
ピペット先端を前記先端トレイ内のあまり遮られていない場所に移動させること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、前記先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させることは、
前記先端トレイ内の部分的な行または列内の全ての前記ピペット先端を、前記先端トレイ内の別の行または列の連続し、空いている受器に移動させること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、前記先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させることは、
前記先端トレイ内の受器の部分的な行または列を、前記先端トレイ内の他の行または列からのピペット先端で完全に充填すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
流体取扱システムのメモリ内に記憶されたプロトコルによって定義されるプロシージャの実施の間に、ピペット先端を先端トレイ内で自動的にデフラグメントするための方法であって、前記方法は、
ピペット先端が存在しない前記先端トレイ内の空いている受器の場所を決定することと、
ピペット先端が存在する前記先端トレイ内の充填された受器の場所を決定することと、
前記流体取扱システムを使用し、ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、前記プロトコル内で定義されるような先端の使用法に従って、前記先端トレイの列内に充填された受器のパターンを生成することと
を含む、方法。
【請求項19】
流体取扱システムのメモリ内に記憶されたプロトコルによって定義されるプロシージャの実施の間に、第1の先端トレイ内でピペット先端を自動的にデフラグメントするための方法であって、前記方法は、
ピペット先端が存在しない前記第1の先端トレイ内の空いている受器の場所を決定することと、
ピペット先端が存在する前記第1の先端トレイ内の充填された受器の場所を決定することと、
前記流体取扱システムを使用し、ピペット先端を第2の先端トレイの充填された受器から空いている受器に移動させ、前記第1の先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させることと
を含む、方法。
【請求項20】
ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、前記第2の先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させることは、
ピペット先端を前記流体取扱システムのプラットフォームの異なる階層に移動させること
を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全内容が参照することによって本明細書に組み込まれる、2021年11月9日に出願された、米国仮特許出願第63/277,396号の利益および優先権を主張する。
【0002】
本願は、概して、限定ではないが、試薬(例えば、液体試薬および溶媒)または他の流体を組み合わせるための種々の用途において使用され得るもの等の流体取扱システムに関する。より具体的には、本願は、流体取扱システムの可動部品によってピペット先端へのアクセスを改良し、流体取扱システムによって実施されるプロトコルおよび動作の実施を促すこと等のために、ロボット流体取扱システムの中に装填されるピペット先端を配列するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの流体取扱システムは、複数の試薬および溶媒を使用してライブラリ構築(例えば、シーケンシングのためのDNAまたはRNAフラグメントのライブラリ)を実施するために、液体のコンテナが装填されるように構成される。液体取扱器等の流体取扱システムを使用して、サンプルに対してライブラリ構築を実施するために、流体取扱システムは、典型的には、オペレータまたはユーザによって設定される。設定は、ライブラリ構築を実施するために流体取扱システムの中にプログラムされたプロトコルに従って、サンプルと、ライブラリ構築試薬と、ピペット先端、プレート蓋、およびリザーバ、マイクロタイタプレート、試験管、バイアル、微量高速遠心機管、および同等物を含む、種々のタイプおよび構成の液体コンテナ等の実験器具の種々の物品とを含む、種々の物品を流体取扱システムのデッキの上に装填することを含み得る。
【0004】
ピペット先端は、箱、トレイ、またはラック内に、製造業者によって提供される、またはユーザによって配列されることができる。典型的配列は、ラック内の個々のソケットまたは受器の中に装填される、ピペット先端の行および列の長方形アレイを含む。ピペット先端は、適切に離間され、流体取扱システムの多重チャネルピペット操作器具の複数のマンドレルのそれぞれがピペット先端にアクセスすることを可能にすることができる。単一または多重チャネルピペット操作器具の各マンドレルは、ピペット操作動作内でピペット操作器具を使用する前に、ラックから清浄なピペット先端が装填されることができる。使用済みピペット先端は、次いで、ピペット操作器具がラックに戻るように移動され、未使用の使用されていないピペット先端を取得する前に、廃物コンテナの中に落下されることができる。未使用ピペット先端は、種々の数においてラックから、および異種の場所から除去され、異なるピペット操作器具を使用して、異なるピペット操作動作を実行することができる。したがって、流体取扱システムが完全なプロトコルを実施した後、ピペット先端のラックは、使用されていないピペット先端を、ラックの全体を通してランダムな場所に残しながら、部分的に使用されることができる。後続の動作のための使用されていないピペット先端の使用は、典型的には、ユーザが、手動で箱またはトレイを十分なピペット先端で再装填し、次の動作を実施することを要求する。そのようなタスクは、労働集約的であり、時間がかかり得、それらの手動の取扱に起因する、使用されていないピペット先端の汚染につながり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、とりわけ、ピペット操作動作を伴うプロトコルを実施するために流体取扱システムを調製するステップにおいて解決されるべき問題が、プロトコルの開始時または終了時のいずれかにおいて、部分的なピペット先端コンテナ、例えば、ラック、箱、およびトレイに関して流体取扱システムをチェックし、コンテナを容量まで再装填するために要求される、直接的なオペレータ相互作用の必要性を含むことを認識している。高頻度で、1つの部分的に充填されたピペット先端コンテナが、別の部分的に充填されたピペット先端コンテナを再度取り込むために使用される。
【0006】
本主題は、ピペット先端-コンテナデフラグメンテーションおよび再フォーマットプロシージャを自動的に実施し、コンテナ内の空のピペット先端場所を低減または排除する、またはプロトコルの実施を促進する、またはピペット先端に対するアクセスを改良する、ピペット先端の一連のものを方略的に生成し得る、流体取扱システムを提供すること等によって、これらの問題および他の問題に対する解決策を提供することができる。種々の実施例では、デフラグメントおよび再フォーマット動作は、プロトコルの前、間、または後に起動されることができる。種々の実施例では、デフラグメントおよび再フォーマット動作は、使用されていないピペット先端が空の場所の中に装填され得るように、ピペット先端の消費をリアルタイムで追跡およびマッピングするステップを含むことができる。種々の実施例では、デフラグメントおよび再フォーマット動作は、撮像を利用し、使用されていないピペット先端で再充填される必要性がある空の場所を識別することができる。種々の実施例では、デフラグメントおよび再フォーマット動作は、ピペット先端が位置するピペット先端コンテナ内の場所の存在を感知し、使用されていないピペット先端が再装填される必要がある場所を決定することができる。
【0007】
ある実施例では、流体取扱システムのメモリ内に記憶されたプロトコルによって定義されるプロシージャの実施の間に、ピペット先端を先端トレイ内に自動的にデフラグメントするための方法は、ピペット先端が存在しない、先端トレイ内の空いている受器の場所を決定するステップと、ピペット先端が存在する、先端トレイ内の充填された受器の場所を決定するステップと、流体取扱システムを使用し、ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させるステップとを含むことができる。
【0008】
ある実施例では、流体取扱システムのメモリ内に記憶されたプロトコルによって定義されるプロシージャの実施の間に、ピペット先端を先端トレイ内に自動的にデフラグメントするための方法は、ピペット先端が存在しない、先端トレイ内の空いている受器の場所を決定するステップと、ピペット先端が存在する、先端トレイ内の充填された受器の場所を決定するステップと、流体取扱システムを使用し、ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、プロトコル内で定義されるような先端の使用法に従って、先端トレイの列内に充填された受器のパターンを生成するステップとを含むことができる。
【0009】
別の実施例では、流体取扱システムのメモリ内に記憶されたプロトコルによって定義されるプロシージャの実施の間に、第1の先端トレイ内にピペット先端を自動的にデフラグメントするための方法は、ピペット先端が存在しない、第1の先端トレイ内の空いている受器の場所を決定するステップと、ピペット先端が存在する、第1の先端トレイ内の充填された受器の場所を決定するステップと、流体取扱システムを使用し、ピペット先端を第2の先端トレイの充填された受器から空いている受器に移動させ、第1の先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させるステップとを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示のある実施例による、ロボット流体取扱システムのブロック図である。
【0011】
図2図2は、デッキに対して位置する、筐体と、カルーセルと、反応容器と、熱循環器モジュールと、撮像デバイスとを備える、図1の例示的ロボット流体取扱システムの斜視図である。
【0012】
図3図3は、図4および5にさらに図示される、デッキに対して位置付けられる、実験器具の物品、実験器具受器、搬送デバイス、および撮像デバイスを図示する、概略図である。
【0013】
図4図4は、デッキ上に位置付けられる、反応容器と、カルーセルと、熱循環器反応容器保持器とを含む、実験器具の種々の物品を伴う、図2の筐体の中に装填するための、図3のデッキの平面図である。
【0014】
図5図5は、バルク反応容器保持器、反応容器のための実験器具保持器、ピペット先端コンテナまたはマイクロプレートのための実験器具保持器、および熱循環器反応容器保持器を示すために、その上に装填される実験器具の物品を伴わない、図4のデッキの平面図である。
【0015】
図6図6は、本開示の流体取扱システムの搬送デバイスに結合され得る、マニホールドの斜視図である。
【0016】
図7図7は、回路基板、マンドレル、ピペット先端、プランジャ、およびコネクタピンを示す、断面7-7において得られる、図6のマニホールドの断面図である。
【0017】
図8図8は、使用されていないピペット先端の満杯容量における、ピペット先端ラックの斜視図である。
【0018】
図9A図9A-9Eは、プロトコルを起動するステップの後のデフラグメントするステップの実施例を示す、図8のピペット先端ラックの概略マップを図示する。
図9B図9A-9Eは、プロトコルを起動するステップの後のデフラグメントするステップの実施例を示す、図8のピペット先端ラックの概略マップを図示する。
図9C図9A-9Eは、プロトコルを起動するステップの後のデフラグメントするステップの実施例を示す、図8のピペット先端ラックの概略マップを図示する。
図9D図9A-9Eは、プロトコルを起動するステップの後のデフラグメントするステップの実施例を示す、図8のピペット先端ラックの概略マップを図示する。
図9E図9A-9Eは、プロトコルを起動するステップの後のデフラグメントするステップの実施例を示す、図8のピペット先端ラックの概略マップを図示する。
【0019】
図10A図10A-10Fは、プロトコルの起動の間のデフラグメントするステップの実施例を示す、図8のピペット先端ラックの概略マップを図示する。
図10B図10A-10Fは、プロトコルの起動の間のデフラグメントするステップの実施例を示す、図8のピペット先端ラックの概略マップを図示する。
図10C図10A-10Fは、プロトコルの起動の間のデフラグメントするステップの実施例を示す、図8のピペット先端ラックの概略マップを図示する。
図10D図10A-10Fは、プロトコルの起動の間のデフラグメントするステップの実施例を示す、図8のピペット先端ラックの概略マップを図示する。
図10E図10A-10Fは、プロトコルの起動の間のデフラグメントするステップの実施例を示す、図8のピペット先端ラックの概略マップを図示する。
図10F図10A-10Fは、プロトコルの起動の間のデフラグメントするステップの実施例を示す、図8のピペット先端ラックの概略マップを図示する。
【0020】
図11A図11A-11Cは、プロトコルの起動の前のデフラグメントするステップの実施例を示す、図8のピペット先端ラックの概略マップを図示する。
図11B図11A-11Cは、プロトコルの起動の前のデフラグメントするステップの実施例を示す、図8のピペット先端ラックの概略マップを図示する。
図11C図11A-11Cは、プロトコルの起動の前のデフラグメントするステップの実施例を示す、図8のピペット先端ラックの概略マップを図示する。
【0021】
図12A図12Aおよび12Bは、図1-7のロボット流体取扱システムを使用して図8-11Cのピペット先端ラック上でピペット先端デフラグメンテーションまたは再フォーマットを自動的に実施するためのステップを示す、線図を図示する。
図12B図12Aおよび12Bは、図1-7のロボット流体取扱システムを使用して図8-11Cのピペット先端ラック上でピペット先端デフラグメンテーションまたは再フォーマットを自動的に実施するためのステップを示す、線図を図示する。
【0022】
図13A図13Aは、マニホールドによるアクセスを促進するために競技場構成に配列される、先端ラックのための場所を示すためにY方向に沿って得られる、図4のデッキの側面図である。
【0023】
図13B図13Bは、マニホールドによるアクセスを促進するために競技場構成の階層に配列される、先端ラックのための場所を示すためにX方向に沿って得られる、図4のデッキの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
図1は、本開示のある実施例による、処理システム100の高レベルブロック図である。処理システム100は、それを用いて本開示のピペット先端デフラグメンテーションまたは再フォーマットプロシージャが実行され得る、液体または流体取扱システムを備えることができる。処理システム100は、構造140、搬送デバイス141、処理装置101、および熱循環器システム107に動作可能に結合される、制御コンピュータ108を備えることができる。入力/出力インターフェースが、これらのデバイスのそれぞれの中に存在し、図示されるデバイスと外部デバイスとの間のデータ伝送を可能にすることができる。処理システム100は、本明細書に説明されるようなロボット流体取扱システムを備えることができる。流体は、試薬および同等物等の種々の液体を含むことができる。本開示が実装され得る、例示的処理システムは、そのそれぞれがBeckman Coulter, Inc.(Brea, California)によって市販されている、Biomek i7自動化ワークステーションおよびBiomek NGeniuS自動化ワークステーションである。
【0025】
説明の目的のために、処理システム100は、主に、次世代シーケンシング(NGS)ライブラリを含む、核酸フラグメントのライブラリ(例えば、DNAまたはRNA分子から導出されるフラグメントのライブラリ)の調製等、生物学的サンプルを処理および分析するためのシステムとして説明されるであろう。例えば、本開示の実施例は、熱循環システムの中に装填された反応容器内で試薬を熱循環させ、インキュベートするステップを含むことができ、単一の反応容器および単一の熱循環システムが、その中に装填される異なる液体のために、複数の異なる加熱機能を実施することができる。処理システム100は、加えて、他のタイプの流体取扱システムを表すことができる。
【0026】
システム処理モジュール(例えば、反応容器)内で試薬および試料を適切に処理し、流体取扱システムの他の機能性を提供するために、液体が、マンドレルを介してピペット操作器具またはマニホールドに取り付けられたピペット先端を使用して、流体取扱システムの周囲で移動され、その中で組み合わせられることができる。典型的には、ピペット先端は、使い捨て可能であり、汚染を回避するために1回使用されるように構成される。したがって、ピペット操作器具またはマニホールドは、流体取扱システム内で貯蔵コンテナから清浄な使用されていないピペット先端を繰り返して自己装填し、ピペット操作動作を実施し、汚れた使用済みピペット先端を廃物コンテナの中に処分し、新しいピペット先端を再装填している。本開示は、ピペット先端コンテナからのピペット先端の消費を監視し、他のコンテナから使用されていないピペット先端を取得し、コンテナ内に使用されていないピペット先端を再配列させ、現在のプロトコルの迅速な実施を促進し、後続のプロトコルの実施を加速させ得る配列に使用されていないピペット先端を編成するためのシステムおよび方法を説明する。したがって、処理システム100は、使用されていないピペット先端がピペット先端コンテナ内に追加および編成され、後続の動作およびプロトコルを促進し得るように、ピペット先端の場所を検証し、ピペット先端の消費を監視し、空いているピペット先端受器および充填されたピペット先端受器の場所を追跡するために使用されることができる。部分的に使用済みのピペット先端コンテナが、再フォーマットまたはデフラグメントされることができる。再フォーマットは、ピペット先端コンテナを容量まで完全に再充填するステップまたはプロトコル内の種々のピペット操作動作の実施を促進するためのピペット先端のパターンを含むようにコンテナを配列するステップを含むことができる。デフラグメントは、連続するピペット先端のブロックまたは一連のものを空き空間を排除または低減させるように配列するステップを含むことができる。
【0027】
構造140は、筐体(例えば、図2の筐体202)と、筐体を支持するための脚部またはキャスタと、電源と、筐体内に装填可能なデッキ105と、任意の他の好適な特徴とを含むことができる。デッキ105は、次世代シーケンシングのためにライブラリ構築において使用され得るもの等の複数のサンプル調製またはアッセイの自動化された実施のために恒久的に取り付けられたモジュール(処理装置101)を保持することができる。加えて、デッキ105は、その上に構成要素が、実験、分析、およびプロセスのために可逆的に設置され、アクセスされ得る、平面状の物理的表面等の物理的表面(例えば、図2のプラットフォーム212)を含むことができる。いくつかの事例では、デッキ105は、床またはテーブルトップ表面であることができる。デッキ105は、異なる構成要素を設置するために、複数の離散デッキ場所(例えば、図4の場所L1-L16)に細分割されることができる。場所は、直接、隣接することができる、または相互から離間されることができる。各デッキ場所は、図5に示されるように、異なるデッキ場所を分離し、構成要素を含有するための仕切、挿入体、および/または任意の他の支持構造を含むことができる。例示的目的のために、図1は、デッキ105上の第1の場所105Aと、第2の場所105Bと、第3の場所105Cとを示すが、付加的場所も、含まれることができる。場所105A-105Cのうちの1つまたはそれを上回るものが、カルーセル(例えば、図2のカルーセル204)、または液体または液体のバイアル等の1つまたはそれを上回る構成要素を保持するための空間を含み得る、1つまたはそれを上回るマイクロタイタプレートまたは反応容器(例えば、図2の反応容器205)が装填されることができる。本願に関して、デッキ105は、ピペット先端箱、ラック、またはトレイの設置のための1つまたはそれを上回る場所を含むことができる。
【0028】
搬送デバイス141は、XおよびY方向における移動能力と、Z方向における巻上能力とを有する、車輪付き担架、橋部、または搬器システムを備えることができる(図3参照)。搬送デバイス141は、複数の搬送デバイスを表すことができる、構成要素をデッキ105と処理装置101との間およびデッキ105上の異なる場所間で調製および/または搬送することができる。搬送デバイスの実施例は、コンベヤ、クレーン、サンプルトラック、ピックアンドプレースグリッパ、独立して移動し得る、実験室用搬送要素(例えば、パック、ハブ、または台座)、ロボットアーム、および他の管または構成要素運搬機構を含むことができる。搬送デバイス141は、マンドレル(例えば、図3の先端マンドレル256)を備えることができる。マンドレルは、作業器具および静電容量センサ等の存在感知能力を装備することができる。いくつかの実施例では、搬送デバイス141に搭載される作業器具は、液体を搬送するように構成される、ピペット操作ヘッド等の流体分注器を備える。ピペット操作ヘッドは、ピペッタのピペット先端マンドレルに可逆的に取り付けられるピペット先端を使用して液体を搬送するように構成される、単一チャネルピペッタまたは多重チャネルピペッタを備えることができる。多重チャネルピペッタは、マニホールドへの結合を介して各チャネルを同時に作動させるように構成される、単一の変位可能ピストンを含むことができる。ピペット先端は、ピペット操作ヘッドに取り付けられることができ、各使用の後に捨てられることができる。ピペット操作ヘッドはまた、マイクロウェルプレート等の他の実験器具を握持または解放するために好適なグリッパを含むことができる。
【0029】
処理装置101は、任意の好適なプロセスを実行するための任意の数の機械または器具を含むことができる。例えば、処理装置101は、分析器を含むことができ、これは、生物学的サンプル等のサンプルを分析することが可能である、任意の好適な器具を含むことができる。分析器の実施例は、分光光度計、輝度計、質量分析計、免疫分析器、血液学分析器、微生物学分析器、フローサイトメータ、および/または分子生物学分析器を含む。いくつかの実施例では、処理装置101は、サンプル段階分類装置を含むことができる。サンプル段階分類装置は、生物学的サンプルを伴うサンプル管を受容するためのサンプル提示ユニットと、サンプル管またはサンプル保定容器を一時的に貯蔵するためのサンプル貯蔵ユニットと、アリコータ等のサンプルを分取するための手段またはデバイスと、分析器のために必要とされる試薬を備える、少なくとも1つの試薬パックを保持するための手段と、任意の他の好適な特徴とを含むことができる。処理装置101はさらに、試料を混合するためのデバイスと、液体および試薬等を攪拌または混合するための震盪器または撹拌器とを含むことができる。
【0030】
熱循環器システム107は、デッキ105に対して位置付けられることができ、反応容器205(図2)等の液体容器を受容するように構成されることができる。液体容器は、手動で熱循環器システム107の中に、または搬送デバイス141を介して装填されることができる。熱循環器システム107は、反応容器205の異なる部分を異なる温度まで加熱し得る、複数の異なる加熱区域を提供するように構成されることができる。したがって、例えば、反応容器205内に配置される液体の量およびタイプに応じて、異なる量の加熱が、印加され、熱循環およびインキュベートプロセス等を実施することができる。
【0031】
処理システム100は、デッキ105上に装填される実験器具の物品の存在、先端トレイの中に装填されるピペット先端の存在を視認し、実験器具の物品上に装填される試薬バイアルのラベルを読み取るための撮像システム、例えば、撮像デバイス206(図2)等のカメラを具備することができる。撮像システムは、デッキ105の作業空間の全ての部分が少なくとも1つのカメラの視野内にあることを確実にすることができる。撮像デバイスは、デッキ105およびデッキ105上の任意の構成要素、または構造140の全体の画像を捕らえるための、任意の好適なデバイスであることができる。撮像デバイスは、構造140に、またはその近傍に搭載され、デッキ105上に配置される実験器具および試薬バイアルの複数のビューを取得するための複数の撮像デバイスのうちの1つを備えることができる。例えば、撮像デバイスは、光カメラ、ビデオカメラ、3次元画像カメラ、赤外線カメラ等の任意の好適なタイプのカメラであることができる。いくつかの実施例はまた、3次元レーザスキャナ、赤外線光深度感知技術、または物体および/または部屋の3次元表面マップを作成するための他の器具を含むことができる。実施例では、撮像デバイスは、筐体(例えば、図2の筐体202)内またはデッキ105上の実験器具または他の構成要素の適切な場所を検証すること等によって、制御コンピュータ108に実験器具または構成要素の存在または位置に関する入力を提供すること等によって、処理システム100の設定を促進するために使用されることができる。付加的な実施例では、1つまたはそれを上回る撮像デバイス206は、プロトコル実施の前、間、および後にピペット先端の場所および消費を監視し、デフラグメントおよび再フォーマットプロシージャを促進するために使用されることができ、プロトコルは、流体取扱システムがピペット操作動作を含む、プロシージャを実施するための命令のリストである。
【0032】
制御コンピュータ108は、記憶されたプロトコルに従って、処理装置101を使用し、搬送デバイス141を含む、デッキ105上に装填されるピペット先端のためのピペット先端編成を行い、かつ処理システム100上で起動されるプロセスを制御することができる。制御コンピュータ108は、処理装置101、搬送デバイス141、および/または熱循環器システム107を制御する、および/またはそれらにメッセージを伝送することができる。制御コンピュータ108は、データプロセッサ108Aと、データプロセッサ108Aに結合される、非一過性コンピュータ可読媒体108Bおよびデータ記憶構成要素108Cと、1つまたはそれを上回る入力デバイス108Dと、1つまたはそれを上回る出力デバイス108Eとを備えることができる。制御コンピュータ108は、図1では、単一のエンティティとして描写されるが、制御コンピュータ108が、分散型システム内またはクラウドベースの環境内に存在し得ることを理解されたい。加えて、実施例は、制御コンピュータ108、処理装置101、搬送デバイス141、および/または熱循環器システム107のうちのいくつかまたは全てが、単一デバイス内の構成部品として組み合わせられることを可能にする。
【0033】
出力デバイス108Eは、データを出力し得る、任意の好適なデバイスを備えることができる。出力デバイス108Eの実施例は、表示画面と、ビデオモニタと、スピーカと、オーディオおよび視覚アラームと、データ伝送デバイスとを含むことができる。入力デバイス108Dは、データを制御コンピュータ108の中に入力することが可能な任意の好適なデバイスを含むことができる。入力デバイスの実施例は、ボタンと、キーボードと、マウスと、タッチスクリーンと、タッチパッドと、マイクロホンと、ビデオカメラと、センサ(例えば、光センサ、位置センサ、速度センサ、近接センサ)とを含むことができる。加えて、入力デバイス108Dは、搬送デバイス141からの入力を受信し得る、センサを備えることができる。実施例では、入力デバイス108Dは、搬送デバイス141の先端マンドレル256(図3)と電子通信し得る、静電容量センサ(例えば、図7の静電容量センサ616)を備えることができる。したがって、先端マンドレル256またはその中に装填される器具において感知される電気容量は、制御コンピュータ108の中に位置する静電容量センサに中継される、またはそれと連動して感知されることができる。付加的な実施例では、入力デバイス108Dは、搬送デバイス141に位置し、デッキ105の作業空間に対する、先端マンドレル256およびその中に装填される器具の場所に関する、X、Y、Z座標等の場所情報を、制御コンピュータ108に提供するための1つまたはそれを上回るエンコーダを備えることができる。
【0034】
データプロセッサ108Aは、任意の好適なデータ算出デバイスまたはそのようなデバイスの組み合わせを含むことができる。例示的データプロセッサは、所望の機能を遂行するために協働する、1つまたはそれを上回るマイクロプロセッサを備えることができる。データプロセッサ108Aは、ユーザおよび/またはシステム発生要求を実行するためのプログラム構成要素を実行するために適正な少なくとも1つの高速データプロセッサを備える、CPUを含むことができる。CPUは、AMD製Athlon、Duron、および/またはOpteron、IBMおよび/またはMotorola製PowerPC、IBMおよびSony製Cellプロセッサ、Intel製Celeron、Itanium、Pentium(登録商標)、Xeon、および/またはXScale、および/または同様のプロセッサ等のマイクロプロセッサであることができる。データプロセッサシステムは、Beckman Connect器具診断サービス等のユーザパネルまたはサービスをロードするためにUSBドライブ等の外部デバイスに通信する手段を含むことができる。
【0035】
コンピュータ可読媒体108Bおよびデータ記憶構成要素108Cは、電子データを記憶し得る、任意の好適なデバイスまたは複数のデバイスであることができる。メモリの実施例は、1つまたはそれを上回るメモリチップ、ディスクドライブ等を含むことができる。そのようなメモリは、任意の好適な電気、光学、および/または磁気動作モードを使用して動作することができる。
【0036】
コンピュータ可読媒体108Bは、データプロセッサ108Aによって実行可能なコードを備え、任意の好適な方法を実施することができる。例えば、コンピュータ可読媒体108Bは、処理システム100に、ピペット先端デフラグメンテーションおよび再フォーマットプロセスを含む、自動化されたプロセスを実施させ、かつ本明細書に説明される1つまたはそれを上回るプロセス、特に、ピペット先端デフラグメンテーションおよび再フォーマット方法を説明する、図8-14Bおよび下記の実施例の節を参照して説明されるもののためのプロセスステップを実行するように熱循環器システム107、構造140、搬送デバイス141、および/または処理装置101を制御させるための、プロセッサ108Aによって実行可能なコードを備えることができる。
【0037】
コンピュータ可読媒体108Bは、1つまたはそれを上回るピペット先端編成プロシージャ(例えば、1つまたはそれを上回るコンテナ内にピペット先端を配列または再配列、フォーマットまたは再フォーマット、および/またはデフラグメントするためのプロシージャ)のためのプロセスステップを受信し、記憶するためにデータプロセッサ108Aによって実行可能なコードを備えることができる。したがって、コンピュータ可読媒体108Bは、デッキ105の上に装填されるピペット先端コンテナのための個々のピペット先端ソケットまたは受器の場所に関する、下記に説明されるX、Y、Z座標等の3次元場所データを含むことができる。
【0038】
コンピュータ可読媒体108Bはまた、処理装置101からの結果(例えば、生物学的サンプルを分析することからの結果)を受信するため、および結果を転送する、または付加的分析の(例えば、患者を診断する)ために結果を使用するための、データプロセッサ108Aによって実行可能なコードを含むことができる。
【0039】
加えて、コンピュータ可読媒体108Bは、デッキ105の画像を取得し、デッキ105の画像内の情報(例えば、実験器具の存在またはピペット先端の場所)を識別し、コンピュータ可読媒体108B内の記憶された場所情報と撮像プロセスから取得された場所情報を比較することによってデッキ105上の実験器具のピースまたはピペット先端を確認し、それに応じて処理システム100のピペット先端編成プロセスを実施するための、データプロセッサ108Aによって実行可能なコードを備えることができる。
【0040】
データ記憶構成要素108Cは、制御コンピュータ108の内部または外部にあることができる。データ記憶構成要素108Cは、1つまたはそれを上回るメモリチップ、ディスクドライブ等を含む、1つまたはそれを上回るメモリを含むことができる。データ記憶構成要素108Cはまた、Microsoft SQL、OracleTM、またはSybaseTMから市販のもの等、従来の、フォルトトレラントであって、相関的であって、拡張可能であって、セキュアなデータベースを含むことができる。いくつかの実施例では、データ記憶構成要素108Cは、プロトコル108Fと、画像108Gとを記憶することができる。データ記憶構成要素108Cは、加えて、プロトコルを含む、データプロセッサ108Aのための命令を含むことができる。コンピュータ可読媒体108Bおよびデータ記憶構成要素108Cは、不揮発性メモリ、磁気メモリ、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、プログラマブル読取専用メモリ、および同等物等の任意の好適な記憶デバイスを備えることができる。
【0041】
データ記憶構成要素108C内のプロトコル108Fは、1つまたはそれを上回るプロトコルについての情報を含むことができる。プロトコルは、完了するための1つまたはそれを上回る処理ステップ(例えば、ピペット操作プロセス、プロシージャ、または動作)、プロセスの間に使用される構成要素(例えば、ピペット先端)、構成要素場所レイアウト(例えば、ピペット先端のためのX、Y、Z座標場所)、熱循環器システム107の装填、熱循環器システム107の加熱レベルについての情報、および/またはプロセスを完了するための任意の他の好適な情報を含むことができる。例えば、プロトコルは、生物学的サンプルを処理する、またはDNAライブラリを処理するための1つまたはそれを上回る順序付けられたステップを含むことができる。プロトコルはまた、各ピペット操作動作において使用されることになるピペット先端の数等、プロセスを開始する前に構成要素のリストを調製するためのステップを含むことができる。構成要素は、搬送デバイス141が、構成要素またはそれらが中に装填されるコンテナを処理装置101または熱循環器システム107に搬送するためにそれらを取得し得る、反応容器(例えば、図2の反応容器205)内、またはカルーセル(例えば、図2のカルーセル204)またはデッキ(例えば、デッキ105)またはピペット先端コンテナ(例えば、図8の先端ラック700内のピペット先端702)内の具体的場所にマッピングされることができる。本マッピングは、ピペット先端を含む、ピペッタを、ある体積の液体をカルーセル内の反応容器から吸引し、その体積を所定の目的地に分注するように指令する命令等、搬送デバイス141を動作させるための命令として、エンコーディングされることができ、マッピングはまた、ユーザが構成要素をデッキ105、反応容器、およびカルーセル上に設置し得るように、ユーザに示される仮想画像によって表されることができる。実施例は、処理システム100が、複数のプロセス(例えば、複数の異なるサンプルプロセスまたは調製プロシージャ)のために使用されることを可能にする。故に、複数のプロトコル108Fについての情報は、必要とされるときに、記憶され、読み出されることができる。本明細書に説明されるように、デッキ105上の構成要素、特に、ピペット先端、反応容器、およびカルーセルは、プロトコル内で第1のプロセスから第2のプロセスに変化するとき、またはプロトコル内で第1のプロセスを再開する、または第1のプロトコルから第2のプロトコルに変化するときに必要に応じて自動的に再配列、変更、および/または補充されることができる。プロトコルを適切に実行するために、制御コンピュータ108が、作業器具をデッキ105の作業空間内の所望の3次元場所に移動させるために搬送デバイス141を操作する方法を把握することが、望ましい。
【0042】
データ記憶構成要素108C内の画像108Gは、デッキ105、ピペット先端、反応容器、およびカルーセル、およびデッキ105、ピペット先端コンテナ、反応容器、およびカルーセル上または内に配置される構成要素、およびそれらの構成要素上に配置されるラベルの実世界視覚表現を含むことができる。各画像内では、デッキ105、反応容器、およびカルーセルは、搬送デバイス141にアクセス可能な場所に設置されたプロトコルを実行するための構成要素とともに、あるプロセスを開始するための準備完了状態に示されることができる。画像108Gはそれぞれ、記憶されたプロトコル108Fからの具体的プロトコルと関連付けられることができる。いくつかの実施例では、あるプロトコルのために単一の画像が、存在することができる。他の実施例では、あるプロトコルのための(例えば、異なる角度からの、異なる照明レベルを伴う、または容認可能な実験器具代用物をいくつかの場所に含有する)複数の画像が、存在することができる。画像108Gは、JPEG、TIFF、GIF、BMP、PNG、および/またはRAW画像ファイル、およびAVI、WMV、MOV、MP4、および/またはFLVビデオファイルを含む、種々のタイプまたはフォーマットの画像ファイルとして記憶されることができる。したがって、画像108Gは、デッキ105上の実験器具およびピペット先端の存在およびそのような構成要素の適切な位置付け、および利用可能である、そのような構成要素の数量、およびそのような構成要素のための空いている場所または受器の数に関する情報を制御コンピュータ108に提供することができる。
【0043】
デッキ105は、異なる構成要素を段階分類するために、複数の離散デッキ場所に細分割されることができる。離散場所は、任意の好適なサイズであることができる。複数の場所を伴うデッキ105のある実施例が、図4に、実験器具が装填された状態で、図5に、装填解除された状態で示される。図4のデッキ220は、L1-L16と付番された別個のエリアおよび熱循環器システム208を示し、これは、別個のタイプの構成要素または構成要素のパッケージのための別個の場所として動作することができる。デッキ105は、所望に応じて、付加的場所またはより少ない場所を有することができる。これらの場所は、付番または命名されることができるが、それらは、本システムの物理的実施形態では、デッキ105上で物理的にラベル貼付またはマーキングされることができる、またはできない場合もある。
【0044】
本明細書において議論されるように、処理システム100は、搬送デバイス141(図2)およびピペット操作デバイス600(図6)を使用して再フォーマットおよびデフラグメントプロシージャを実施するステップを含む、処理システム100のためのピペット先端編成プロシージャを実行することができる。特に、図14Aおよび14Bを参照してより詳細に説明されるように、処理システム100は、1)プロトコルのために使用されることになるピペット先端の開始セットを決定し、2)開始セット内の全てのピペット先端の場所を決定し、3)プロトコルの実施の間のピペット先端の消費を監視し、4)ピペット先端コンテナ内の未充填または空いているピペット先端受器の場所を記録し、5)ピペット先端をピペット先端受器内から異なる受器に移動させ、6)ピペット先端を異なるピペット先端コンテナ内からピペット先端コンテナ内の受器に移動させ、7)ピペット先端をピペット先端コンテナの受器内で編成し、空き空間を縮小し、ピペット操作デバイスの上への効率的なピペット先端装填を増加させることができる。本明細書に説明される編成プロシージャは、処理システム100によって、オペレータ介入の補助を伴うことなく、またはその最小限の補助を用いて、かつ典型的プロシージャと比較して削減された時間を伴って行われることができる。
【0045】
図2は、図2の処理システム100のある実施例を備え得る、流体取扱システム200の斜視図である。流体取扱システム200は、筐体202と、カルーセル204と、反応容器205と、撮像デバイス206と、熱循環器システム208とを備えることができる。図2の構成要素が、例証的目的のために、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないことに留意されたい。筐体202は、その中にカルーセル204および反応容器205が位置付けられ得るエンクロージャを形成する、複数の壁またはパネルを備えることができる。エンクロージャは、それにわたってカバーパネル210が、カルーセル204、撮像デバイス206、および熱循環器システム208をエンクロージャ内にカプセル化するように位置付けられ得る、開口部を有することができる。筐体202は、加えて、その上にデッキ105(図1)またはデッキ220(図3)等のデッキが位置付けられ得る、プラットフォーム212を含むことができる。デッキは、カルーセル204と、反応容器205、ピペット先端ラック、および同等物のうちの1つまたはそれを上回るものとを受容するための、種々のソケット、スロット、または受器(例えば、図5の受器300、302、304、および306)を含むことができる。実施例では、ソケット、スロット、または受器は、カルーセル204、反応容器205、ピペット先端、および同等物を搬送デバイス141(図1図3)および撮像デバイス206に対して所定または既知の位置に保持するように構成されることができる。プラットフォーム212は、デッキおよびその中の内容物を筐体202に対して所定または既知の位置に保持することができる。筐体202は、加えて、制御コンピュータ108(図1)のもの等のコントローラ214を保持するための空間を備えることができる。コントローラ214は、無線または有線通信回線等を介してネットワーク216と通信するように構成されることができる。
【0046】
撮像デバイス206は、定常場所において、筐体202内に位置することができる。しかしながら、撮像デバイス206は、移動可能である、または調節可能な視野を有することができる。1つまたはそれを上回る撮像デバイス206が、筐体202内の単一の場所または複数の場所に向くように構成されることができる。同時に、搬送デバイス141の分注器先端258(図3)および処理装置101(図1)が、プラットフォーム212上の場所にアクセスするように、筐体202内に位置することができる。搬送デバイス141は、加えて、反応容器205を熱循環器システム208の中に、および実験器具の他の物品を場所L1-L16(図4)のうちのいずれかに移動させるように構成されることができる。カルーセル204は、旋回または回転し、異なる場所を流体分注器、例えば、分注器先端258(図3)またはピペット先端608(図6)、および撮像デバイス206に提示することができる。他の実施例では、単一の撮像デバイス206は、筐体202内に搭載され、視認エリアを筐体202の内部の異なる部分にわたって移動させることができる。
【0047】
流体取扱システム200はさらに、図3-5を参照して説明されるように、流体分注器を筐体202内の異なる3次元場所に移動させるためのシステムを備え得る、搬送デバイス141(図1)を備えることができる。本明細書に説明される編成プロシージャは、筐体202内で流体分注器を移動させ、使用されていないピペット先端を1つまたはそれを上回るピペット先端コンテナ内の場所間で移動させ、フラグメント化されたピペット先端を集合させる、またはピペット先端を、図8-14Bを参照してより詳細に説明されるように、プロトコルの実施に起因して1つまたはそれを上回るピペット先端コンテナ内で散乱され得るピペット先端から、有用なパターンにフォーマットする、搬送デバイス141によって実施されることができる。
【0048】
図3は、デッキ220の受器232内に位置付けられ、搬送デバイス141および撮像デバイス206に対して位置付けられる実験器具ピース230を伴う、図4および5のプラットフォーム212を図示する、概略図である。受器232は、壁234A-234Dを備えることができる。搬送デバイス141は、プラットフォーム212の長さを横断して延設されるレール240Aおよび240Bと、プラットフォーム212の幅に跨架し得る橋部242とを有する、頭上クレーンシステムを備えることができる。橋部242は、車輪244Aおよび244B等を介してレール240Aおよび240B上で摺動するように構成されることができる。搬器246が、橋部242に結合されることができ、プラットフォーム212の幅を横断して橋部242に沿って移動するように構成されることができる。橋部242および搬器246は、1つまたはそれを上回るモータ248および電源(図示せず)およびコントローラ214(図2)または制御コンピュータ108(図1)に動作可能に結合され、再フォーマットまたはデフラグメンテーションプロシージャに従って移動することができる。搬器246は、車輪252Aと、252Bとを有する車輪付き担架250と、流体分注器254と、先端マンドレル256とを備えることができる。図示される実施例では、先端マンドレル256は、分注器先端258に可逆的に結合される。実施例では、分注器先端258は、図8のピペット先端702等のピペット先端を備えることができる。分注器先端258は、先端マンドレル256の伸縮自在アクションを介してZ方向における軸方向に移動するように構成されることができ、搬器246は、橋部242上でX方向における軸方向に移動するように構成されることができ、橋部242は、レール240Aおよび240B上でY方向における軸方向に移動するように構成されることができる。いくつかの実施例では、流体分注器254は、流体分注器254をZ方向における軸方向に移動させ、分注器先端258の垂直移動および位置付けを提供するように構成される、ロボットアームに結合される。したがって、分注器先端258は、受器232および実験器具ピース230に係合し、液体を実験器具ピース230からデッキ220上の他の場所に、およびデッキ220上の他の場所から実験器具ピース230に移動させるように移動されることができる。モータ248は、車輪252Aおよび252Bをアクティブ化することによって車輪付き担架250を移動させ、車輪244Aおよび244Bをアクティブ化することによって橋部242を移動させ、線形アクチュエータを移動させること等によって先端マンドレル256を流体分注器254に対して移動させるための、1つまたはそれを上回るモータを備えることができる。モータ248は、モータ248の残部に対するモータ248の構成要素の位置が座標系内のX、Y、またはZ位置に変換され得る、ステッパモータを含むことができる。
【0049】
本開示によると、搬送デバイス141は、分注器先端258が静電容量感知システム等を使用することによって液体、実験器具、およびピペット先端等のデッキ220上に位置する物品の存在を感知するために先端マンドレル256内に配設されていない場合、分注器先端258の先端または流体分注器254の先端マンドレル256に係合するように、コントローラ214によって動作されることができる。流体分注器254、そこから延在する先端マンドレル256、および分注器先端258、および先端マンドレル256に取り付けられる他の伝導性または半導体器具は、例えば、コントローラ214(図2)、搬器250、流体分注器254内、または筐体202内またはその上の別の場所に位置する、静電容量センサと電気連通するように構成されることができる。ある実施例では、流体分注器254および関連付けられる静電容量センサは、図6および7の先端マンドレル606および静電容量センサ616として構成されることができる。実施例では、静電容量センサは、Cypress Semiconductor製のCapSense(登録商標)センサを含むことができる。付加的な実施例では、先端マンドレル256に取り付けられるピペットまたはピペット先端は、伝導性材料が注入または埋め込まれるプラスチックから加工されることができる。したがって、処理システム100は、先端と測定される伝導性流体のコンテナとの間の静電容量の大きさを感知するために伝導性先端を利用することができる。本大きさは、液体表面のレベルを決定するために、処理システム100に対して利用可能なメモリ内に記憶されるデータと相関されることができる。同様に、処理システム100は、ピペット先端コンテナ内の場所(例えば、X、Y、Z座標位置)におけるピペット先端の存在または不在を決定するために、先端マンドレル256が伝導性ピペット先端と接触しているかどうかを決定することができる。容量感知回路の実施例は、発明者Labiola, IIの「Liquid level sensing apparatus」と題された、米国特許第4,912,976号、発明者らOkawa et al.の「Liquid level sensor」と題された、米国特許第4,736,638号、Zuleta et al.の「Method and apparatus for detecting liquid levels in liquid-storage containers」と題された、米国特許第7,275,430号(そのそれぞれは、本参照によってそれらの全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。他の実施例では、処理システム100は、本明細書の他所において説明されるように、撮像デバイス206を使用してピペット先端コンテナ内の場所(例えば、X、Y、Z座標位置)におけるピペット先端の存在または不在を決定することができる。なおも他の実施例では、具体的場所におけるピペット先端の存在または不在は、先端マンドレル256がその具体的場所においてピペットに係合するように低下される際の先端マンドレル256の運動の抵抗の変化を検出することによって、決定されることができる。抵抗の本変化は、圧力センサによって、コマンドされた移動と比較して移動の低減を示す、位置エンコーダによって、または任意の他の好適な手段によって検出されることができる。さらに他の実施例では、ピペット先端コンテナ内の空いているピペット先端受器および充填される先端受器の場所は、ピペット先端コンテナが起動の開始時に満杯であったと仮定し、起動されているプロトコルに従って、ピペット先端の消費を監視することによって決定されてもよい。
【0050】
下記により詳細に議論されるように、コントローラ214(図2)は、コンテナの中に装填されるピペット先端が、プロトコルが起動した後にオペレータが手動で残されたピペット先端を補充または編成する必要性を低減または排除するためにピペット先端デフラグメンテーションまたは再フォーマットプロシージャを実行するように構成されることができる。実施例では、コントローラ214は、プラットフォーム212またはデッキ220の上に装填されるコンテナ内のピペット先端と搬送デバイス141に接続される、またはその上に搭載されたセンサを接触させるように搬送デバイス141を動作させるように構成されることができる。例えば、流体分注器254または分注器先端258は、静電容量センサ等のセンサを具備することができる。デッキ220上に配置される先端トレイの中に装填される、ピペット先端の固有の構造的特徴が、接触されることができ、3次元のX、Y、Z座標における先端マンドレル256の場所は、コントローラ214がその具体的場所におけるピペット先端の場所を把握し得るように記録されることができる。流体分注器254が、ピペット先端に接触しない場合、静電容量読取値は、生じず、コントローラ214は、ピペット先端がその場所に存在しないことを把握することができる。
【0051】
したがって、ピペット先端の接触は、コンテナ内の受器が占有されていることを確立することができ、ピペット先端との接触の不在は、コンテナ内の受器が空であることを確立することができる。これらのセンサから読み取られる占有/空情報は、制御コンピュータ108(図1)に接続され、ネットワーク216(図2)から取得される、または図1の媒体108B等のコンピュータ可読媒体内に記憶される、または動作方法によって提供される情報等の情報と比較されることができる。コンピュータ可読媒体内に記憶される情報は、プロトコルにおいて使用されることになるピペット先端の数および場所と、それらが読み出されるべき場所と、プロトコルが実施された後またはプロトコルの実施の間の任意の時点において残される、または留まり得るピペット先端の数または場所とを含む、プロトコル情報を含むことができる。加えて、受器300、302、304、および306のそれぞれの中に位置付けられ得る実験器具のピースおよびピペット先端に関する完全な幾何学形状情報(例えば、寸法、サイズ、公差等)が、図1の媒体108B内に記憶される、またはネットワーク216(図2)を介して利用可能にされることができる。
【0052】
コントローラ214(図2)は、コンテナの充填、コンテナの受器アレイ内の行または列の充填、プロトコルのステップの実施を促進する、パターンまたはグルーピングへのピペット先端のフォーマット、およびピペット先端間の間隙を排除または低減させるためのピペット先端の群または個々のピペット先端のデフラグメント等の異なるピペット先端編成プロシージャを実施するように構成されることができる。編成プロシージャの実施例が、図8-14Bを参照して議論される。
【0053】
図4は、その上に装填される実験器具を伴う、図2の筐体202のプラットフォーム212の上に装填するためのデッキ220の平面図である。図5は、その上に装填された実験器具を伴わない、図3のデッキ220の平面図である。具体的に別様に記載されない限り、図4および5は、並行して議論される。
【0054】
デッキ220は、カルーセル204と、反応容器205と、ピペット先端ラック(または微小先端ラック)218と、ミリ先端ラック221と、バルクリザーバ222と、廃棄物入物224とを含む、種々の構成要素のための空間または場所L1-L16を含むことができる。他の場所もまた、管保持器および試薬管保持器等の実験器具の他の物品のために提供されることができる。デッキ220はまた、所定の固定された動作可能な場所を伴う複数のモジュールを備える実施例を表すように構成されることができ、これらのモジュールは、専用の機能を実施する、完全なサブシステムを備えてもよい。例えば、モジュールは、試料または調製されたサンプルの洗浄を実施してもよい一方、別のものは、試料アリコートのために一次試料を搬送デバイス141に提示してもよい。
【0055】
1つまたはそれを上回る撮像デバイス206が、撮像デバイスがプラットフォーム212の全てを網羅する視野を生成し得るように、プラットフォーム212に対して筐体202内に搭載されることができる。同様に、図1および3の搬送デバイス141等の搬送システムが、プラットフォーム212の全体の周囲で流体分注器254を移動させるように構成されることができる。
【0056】
図4は、別個のタイプの構成要素または構成要素のパッケージのための別個の場所として動作し得る、Ll-L16と付番された場所および熱循環器システム208等の他の構成要素を含む、デッキ220を示す。デッキ220の実施例は、所望に応じて、付加的場所またはより少ない場所を有することができる。これらの場所は、付番または命名されることができるが、場所は、流体取扱システム200の物理的実施形態では、デッキ220上で物理的にラベル貼付またはマーキングされてもされなくてもよい。流体取扱システム200の実施例では、場所のいくつかまたは全てが、あるプロトコルに従って、予め定義されたタイプの構成要素によって占有されることができる。例えば、場所L1-L10は、微小先端ラックまたはピペット先端ラックが装填されることができる。具体的には、実施例では、場所L1-L4は、ピペット先端ラックまたは微小先端ラック218のための貯蔵場所を備えることができ、場所L5-L10は、パッケージの構成要素または試薬キットまたはプロトコルによって規定されるような構成要素が装填され得る、ミリ先端ラック221のための貯蔵場所を備えることができ、場所L11は、カルーセル204が装填されることができる。ラック218および221は、図2を参照すると、反応容器205の代わりに、図3を参照すると、実験器具ピース230の代わりに使用されることができる。ラック218および221は、加えて、図8のピペット先端ラック700の事例を備えることができ、その事例では、ラック218および221は、使用されていないピペット先端の源および/または使用済みピペット先端の受容または廃棄のための場所としての役割を果たし得る。場所L12は、反応容器205のための低温試薬貯蔵エリアを備えることができる。場所L13は、反応容器205のための暖温試薬貯蔵エリアを備えることができる。場所L15は、バルクリザーバ222のための貯蔵エリアを備えることができる。場所L14は、反応容器205のためのRVスタック貯蔵エリアを備えることができる。場所L14およびL15は、種々のシステム内で置換されることができる。場所L16は、使用済みピペット先端等が捨てられ得る、または使用済みピペット先端からの液体が捨てられ得るもの等の、入物224のための廃棄物貯蔵エリアを備えることができる。実施例では、使用済みピペット先端は、使用済みピペット先端のために指定される先端トレイ等の実験器具の他の物品内に捨てられることができる。場所L1-L16のうちのいくつかは、同一のタイプの構成要素を含むことができる。構成要素は、試験管、マイクロウェルまたはマイクロタイタプレート、ピペット先端、プレート蓋、リザーバ、または任意の他の好適な実験器具構成要素を備えることができる。構成要素はまた、震盪器、撹拌器、ミキサ、温度インキュベータ、真空マニホールド、磁気プレート、熱循環器、または同等物等の実験室機器の物品を含むことができる。
【0057】
場所L1-L16のうちの1つまたはそれを上回るものは、ピペット先端のトレイ、箱、またはラックを受容するための場所であるように処理システム100に対してプログラムされることができる。そのような受容トレイ、箱、またはラックは、ピペット操作動作を実施するための使用されていないピペット先端を含有してもよい、またはピペット操作動作の後に受容トレイ、箱、またはラックの中に設置される使用済みピペット先端を含有してもよい。処理システム100は、場所L1-L16のX、Y、Z座標と、場所L1-L16内に格納されるように構成される、実験器具の幾何学形状とを具備することができる。例えば、ピペット先端のためのソケットまたは受器を含む、ピペット先端ラックの幾何学形状は、メモリ内に記憶される、X、Y、Z座標に転換されることができる。したがって、処理システム100は、ソケットまたは受器内のピペット先端の位置またはそのようなソケットまたは受器におけるピペット先端の不在が、流体分注器の撮像システムまたは感知システム等を使用することによって、決定され、メモリ内に記録され得るように、デッキ220に対するソケットまたは受器の3次元位置を把握するように構成されることができる。
【0058】
場所L1-L16はそれぞれ、搬送デバイス141(図1)によってアクセスされることができる。例えば、場所LI-L16および熱循環器システム208は、構造140またはデッキ220と物理的に別個であることができる。図5に示されるように、場所L1-L16は、その中に他の構成要素、例えば、実験器具および先端トレイが位置付けられ、搬送デバイス141に対して公知の場所に定常状態で保持され得る、ソケット、スロット、または受器を備えることができる。
【0059】
例えば、バルクリザーバ222(図4)は、バルク反応容器受器300(図5)内に位置付けられることができ、反応容器205(図3)は、反応容器受器302(図5)内に位置付けられることができ、ミリ先端ラック221(図4)は、ラック受器304(図5)内に位置付けられることができ、熱循環器リザーバ205T(図4)は、熱循環器反応容器受器306(図5)内に位置付けられることができる。加えて、図8のピペット先端ラック700は、ラック受器304(図5)のうちの1つの中に位置付けられることができる。
【0060】
撮像デバイス206は、例えば、場所L1-L16のそれぞれにおける1つまたはそれを上回る構成要素の存在を、場所L11におけるカルーセル204の存在を、場所L12、L13、およびL14における反応容器205の存在を認識するように構成されることができる。構成要素、例えば、液体のバイアルが、所望の様式において、例えば、プロトコルに従って、カルーセル204の中に装填されることができ、そこから、または別の場所からの液体が、プロトコルに従って熱循環器システム208の中に装填するために、反応容器205のうちの1つの中に装填されることができる。撮像デバイス206は、デッキ220の上に装填される構成要素を識別し、識別された構成要素が期待される構成要素であることを検証するために使用されることができる。さらなる実施例では、撮像デバイス206は、期待される構成要素以外の構成要素が装填されていること、または期待される構成要素が不適切に装填されていること(曲がっていること等)を示すことができる。実施例では、撮像デバイス206は、構成要素の存在、形状、および適切な装填を確認するために使用されることができる。
【0061】
実施例では、撮像デバイス206は、Davis et al.の第WO 2021/041216号(本参照によってその全体として本明細書に組み込まれる)内で説明されている原理および方法に従って、デッキ220上の物品およびデッキ220上のそのような物品の場所を識別するために使用されることができる。
【0062】
構成要素検証の特定の非限定的な実施例として、デッキ設定構成は、96または384-ピペット先端箱等の特定のサイズおよび/またはタイプのピペット先端コンテナが、デッキ220上の特定の場所に配列されることを要求することができる。機械学習または人工ニューラルネットワークが、ピペット先端コンテナが所望される場所に対するデッキ220の画像を精査するために使用されることができる。機械学習または人工ニューラルネットワークは、物品がデッキ220上の特定の場所に位置付けられているかどうかを決定するために、訓練、プログラム、または別様に構成されることができる。特に、機械学習または人工ニューラルネットワークは、デッキ220上の物品が、96-ピペット先端箱である、(2)384-ピペット先端箱である、または(3)異なる物品であるかどうかを決定することができる。物品が、96-ピペット先端箱であると決定される場合、場所は、満たされると決定されることができる。物品が、異なる物品であると決定される場合、エラーが、記録され、物品が不正確であることをオペレータに警告することができる。
【0063】
加えて、いくつかの実施例では、機械学習または人工ニューラルネットワークは、デッキ220上の物品が構成要素の特定の構成または配列が要求または所望される場所に正確に構成または配列されるかどうかを決定することができる。例えば、デッキ220上の物品が(1)蓋を伴わない96-ピペット先端箱であること、(2)蓋を伴う96-ピペット先端箱であること、(3)蓋を伴わない384-ピペット先端箱であること、(4)蓋を伴う384-ピペット先端箱であること、または(5)異なる物品であるかどうかが、決定されることができる。デッキ220上の物品は正しい箱であるが、蓋または他の被覆物を含有することが決定される場合、エラーが、記録され、オペレータに処理のために蓋を除去するように警告することができる。
【0064】
加えて、デッキ設定構成が、箱が特定の数および/または構成の先端または先端を伴わない開口部を含有することを要求する場合、テンプレートマッチングが、例えば、使用され、箱の画像内で先端または開口部を識別し、その数をカウントすることができる。図9Aは、いくつかの先端702と、先端702を保持するための受器706とを有する、例示的ピペット先端ラックの拡大図を示す。テンプレートマッチングが、デッキ220の画像と先端または先端開口部の1つまたはそれを上回る記憶されたテンプレート画像を比較するために使用されることができる。したがって、例えば、テンプレートマッチングは、デッキ220の画像と先端または先端開口部のx個の記憶されたテンプレート画像を比較するために使用されることができ、「x」は、先端または先端開口部の数に対応する。x個の記憶されたテンプレート画像を使用することは、例えば、デッキ照明が同一の先端箱内の先端上に異なる陰影を投じる、および/またはカメラの遠近歪曲が同一の先端箱内の先端の異なるビューをもたらす状況において役立つことができる。したがって、テンプレートマッチングは、デッキ220上の物品の各空いている受器706を識別し、開口部の総数をカウントし、箱が正しい数および/またはパターンの開口部(したがって、転じて、正しい数および/またはパターンの先端)を含有しているかどうかを決定するために採用されることができる。他の実施例では、先端702が、開口部の代わりに、またはそれに加えて、識別およびカウントされてもよい。当業者は、開口部の総数をカウントするための能力が、少なくとも部分的に、カメラ搭載の角度によって決定され得ることを認識するであろう。例えば、カメラ角度に応じて、先端開口部のうちのいくつかが、隣接する先端によって遮断され得る。結果として、1つまたはそれを上回る先端に1つまたはそれを上回る隣接する開口部のビューを遮断させる、カメラ角度が使用されるとき、先端箱内の開口部の代わりに先端をテンプレートとして使用することが、役立ち得る。
【0065】
いくつかの実施例では、デッキ設定命令が、構成要素検証に応答して動的に修正されてもよい。例えば、オペレータが特定の数の先端をデッキの上に装填するように命令され、オペレータが、特定の数より少ない数の先端を装填する場合、本開示のシステムは、依然として必要とされる先端の付加的数を計算し、オペレータに付加的数の先端を装填するように命令してもよい。特定の実施例として、実施されるべき特定の起動または方法が、96個の先端を要求し、オペレータが、それぞれが48個の先端を含有する、2つの箱を装填する場合、本システムは、デッキ上のその構成要素または場所のために適切なデッキ設定を検証してもよい。しかしながら、オペレータが、各箱が20個のみの先端を含有する、2つの部分的な箱を装填する場合、本システムは、存在する先端の数をカウントするステップに応じて、56個の先端が、依然として必要とされることを計算することができる。本システムは、次いで、オペレータに付加的な56個の先端を装填するように命令してもよい。
【0066】
構成要素検証の別の特定の非限定的な実施例として、デッキ設定構成は、384-ピペット先端箱等の特定のサイズおよび/またはタイプのピペット先端コンテナがデッキ220上の特定の場所に配列されることを要求し得る。機械学習または人工ニューラルネットワークは、ピペット先端コンテナが要求される、デッキ220上の場所に関するデッキ画像を精査するために使用されてもよい。機械学習または人工ニューラルネットワークは、デッキ220上の場所内に配列される物品が(1)蓋を伴わない384-ピペット先端箱である、(2)蓋を伴う384-ピペット先端箱である、または(3)異なる物品であるかどうかを識別するように訓練、プログラム、または別様に構成されることができる。テンプレートマッチングは、箱が正しい数および/またはパターンの開口部を含有するかどうかを決定するために箱内の各先端内で識別およびカウントするために使用されることができる。他の実施例では、各開口部は、テンプレートマッチングを使用して識別およびカウントされることができる。
【0067】
図6は、搬送デバイス141に結合され得る、ピペット操作デバイス600の斜視図である。実施例では、ピペット操作デバイス600は、流体取扱システム200(図2)内の作業空間内で可動式であるように搬器250(図3)に接続されることができる。ピペット操作デバイス600は、ピペット操作デバイス600およびそれらの構成要素をコントローラ214に電子的に結合させるための種々のケーブルと、コネクタとを含むことができる。例えば、ピペット操作デバイス600は、回路基板604をコントローラ214に接続し得る、ケーブル602を備えることができる。先端マンドレル606は、複数のピペット先端608に結合するための空間を含み得る、ピペット操作デバイス600に接続されることができる。図示される実施例では、ピペット操作デバイス600は、8つのピペット先端608を保持することができる。
【0068】
図7は、回路基板604、先端マンドレル606、ピペット先端608、プランジャ610、およびコネクタピン612を示す、断面7-7において得られる、図6のピペット操作デバイス600の断面図である。図6および7は、並行して議論される。
【0069】
先端マンドレル606は、それにピペット先端608が接続され得るデバイスを備えることができる。実施例では、図3の先端マンドレル256は、先端マンドレル606と同様に構成されることができる。先端マンドレル606は、それを通してプランジャ610のシャフト611が延在され得る、シールされたキャップ614を含むことができる。プランジャ610は、コントローラ214等を介してピペット操作デバイス600によってアクティブ化され、シリンジと同様にピペット先端608内で真空に引くことができる。各先端マンドレル606は、ピペット先端608の全てが、それらがそれぞれ実際にピペット操作機能を実施しているかどうかにかかわらず、同時に作動され得るように、プランジャ610に接続されることができる。したがって、搬送デバイス141は、ピペット先端608がある体積の液体の中に挿入され得るように作業空間の周囲でピペット操作デバイス600を移動させることができ、プランジャ610は、後退され(図7を参照すると、上向きに移動され)、ピペット先端608の中に液体を引き込み、別の位置に移動され、プランジャ610の下向きの移動によって液体を分注することができる。
【0070】
回路基板604は、静電容量を感知するように構成される、液体レベルセンサ基板を備えることができる。したがって、回路基板604は、コネクタピン612と電気連通し得る、静電容量センサ616を備えることができる。コネクタピン612は、先端マンドレル606とそれに結合されるピペット先端608との間に電気接続を提供することができる。ある実施例では、コネクタピン612は、ポゴピンを含むことができる。例えば、静電容量センサ616は、当業者によって理解され得るように、その中にピペット先端が挿入される、バイアルまたはコンテナ内の液体のレベルを感知するために使用されることができる。さらに、静電容量センサ616は、伝導性表面に接触されるときに先端マンドレル606の位置を感知するために使用されることができる。加えて、伝導性ピペット先端608が、マンドレル606に結合される場合、静電容量感知が、ピペット先端608を使用して行われることができる。
【0071】
図6に見られ得るように、ピペット操作デバイス600はさらに、それぞれ、枢動点620Aおよび620Bにおいてピペット操作デバイス600に結合され得る、グリッパアーム618Aおよび618Bを備えることができる。グリッパアーム618Aおよび618Bは、それぞれ、実験器具の物品に結合し得る、歯、フランジ、またはフィンガ等の把持特徴622Aおよび622Bを含むことができる。例えば、把持特徴622Aおよび622Bは、搬送デバイス141が作業空間の周囲で実験器具の物品を移動させるために使用され得るように、実験器具の物品の縁上に掛止することができる。グリッパアーム618Aおよび618Bは、静電容量センサ616に電子的に結合されることができる。グリッパアーム618Aおよび618Bは、プロトコルを実施するために制御コンピュータ108(図1)を用いて自動的に制御されるように動力化されることができる。
【0072】
先端マンドレル606と電気連通するように静電容量センサ616をピペット操作デバイス600の中に組み込むことは、再フォーマットおよびデフラグメントプロセスを含む、本明細書に説明される種々の特徴の実行を促進する構成を可能にすることができる。
【0073】
図6および7に示されるように、本開示のいくつかの実施例は、複数のチャネルを含む、ピペッタまたは液体分注器を含むことができる。これらの液体伝導性チャネルはそれぞれ、異なる静電容量センサ、例えば、静電容量センサ616の別個のインスタンスに結合され、各チャネルの独立したチェックまたは較正を可能にすることができる。例えば、図6に示されるピペット先端608はそれぞれ、静電容量センサ616のインスタンスに電子的に結合され、独立した機能チェック動作が各ピペット先端608を用いて行われることを可能にすることができる。
【0074】
図8は、使用されていないピペット先端702の満杯容量における、ピペット先端ラック700の斜視図である。ピペット先端ラック700は、受器706を有する本体704を備えることができる。ピペット先端ラック700は、ピペット操作デバイス600が制御コンピュータ108によって、ピペット先端702が寄せ集められ得る位置まで誘導され得るように、複数のピペット先端702を所定のアレイまたはパターンに保持するように構成されることができる。図示される実施例では、ラック700は、ピペット先端受器706の8×12長方形アレイを含む。
【0075】
ラック700の本体704は、例えば、直線的空間L1-L10のうちの1つの中にフィットするように構成される、直線的本体を備えることができる。本体704の外周は、本体704がデッキ220上の同一の場所に再現可能に位置付けられ得るように、受器304(図5)のうちの1つの障壁または壁間で入れ子になるように構成されることができる。したがって、ピペット先端ラック700が空にされる、またはピペット先端702を消耗するにつれて、清浄な使用されていないピペット先端702を満載している新しいピペット先端ラック700が、ピペット先端702が同一のX、Y、Z場所にある地理的場所においてデッキ220上に据え付けられることができる。
【0076】
ピペット先端702は、ピペット操作シャフト708と、カラー710とを備えることができる。カラー710は、先端マンドレル606(図7)に係合するように構成される内径を有する、ピペット先端702の近位端を備えることができる。ピペット操作デバイス600(図6)または先端マンドレル606は、Z方向に上下に移動され、カラー710に係合し、ラック700からピペット先端702を除去することができる。ピペット操作デバイスは、加えて、先端マンドレル606からピペット先端702を除去するための特徴を含むことができる。例えば、プランジャ610のシャフト611が、完全に延在され、ピペット先端を先端マンドレル606から押し出すことができる。代替として、ピペット操作デバイス600は、カラー710に係合し、ピペット先端を先端マンドレル606から押し出すように構成される、シャックプレートを含むことができる。シャフト708は、先端マンドレル606内の流体通路に流体的に接続するように構成される内部管腔を有する、ピペット先端702の遠位端を備えることができる。プランジャ610のシャフト611(図7)は、シャフト708の中に挿入され、ピペット操作を実施するために流体をシャフト708の中に引き込むことができる。
【0077】
受器706は、本体704内に、ピペット先端702のシャフト708を受容し得る、円筒形のスロットまたはボアを備えることができる。ピペット先端702のカラー710は、先端マンドレル606によって係合可能であるように、本体704上に静置することができる。受器706は、ピペット先端702のサイズを前提として、可能な限り多くのピペット先端702を受容するために本体704の断面積を最大限化するようにパターン内に配列されることができる。実施例では、受器706は、行および列の長方形アレイ内に配列されることができる。図示される実施例では、受器706は、図9Aに示されるように、8行および12列のアレイ内に配列されることができる。
【0078】
図9Aは、ピペット先端ラック700内への使用されていないピペット先端702の設置のための受器706の場所を示す、図8のピペット先端ラック700の概略マップである。図9Aはまた、8つの先端マンドレル606を有する、ピペット操作デバイス600のある実施例を図式的に図示する。ピペット操作デバイス600は、先端マンドレル606がY方向に整合されるように配向される。ピペット操作デバイス600は、XおよびY方向に移動し、受器706の上方に先端マンドレル606を位置付けることができる。いくつかの実施例では、図示される実施例のピペット操作デバイス600は、Z方向に移動され、受器706内に位置する8つのピペット先端702に同時に係合し、捕捉することができる。他の実施例では、図示されるピペット操作デバイス600の各先端マンドレル606は、8つの先端マンドレル606のうちの任意の数のものが、低下され、ピペット先端702に同時に係合し、捕捉し得るように、独立してZ方向に移動可能である。
【0079】
図9Aに示されるように、列は、1-12と標識され、行は、A-Hと標識される。グリッド線が、例証的目的のために図9Aに示されることに留意されたい。図9Aに見られ得るように、受器706はそれぞれ、斜交平行線によって示される、ピペット先端702によって占拠されているものとして図式的に示される。図9Aは、ピペット先端ラック700の状態を、受器706がそれぞれ、ピペット先端702によって占拠されるような、満杯にある、または最大容量にあるものとして図示することができる。したがって、図9Aは、ピペット先端702の満杯アレイを伴う、パッケージ化された、製造業者からの新品の箱、またはオペレータによって部分的なピペット先端箱、ラック、またはトレイを使用して充填されている、ピペット先端トレイまたはラック700を表すことができる。図9Aは、処理システム100および流体取扱システム200によって実施されるべきプロトコルの開始時におけるピペット先端ラック700のための開始セットの典型的構成、すなわち、満杯状態を図示する。したがって、ピペット先端ラック700は、完全にフォーマットされ、ピペット先端702は、フラグメント化されない。しかしながら、プロトコルを実施するステップの過程にわたって、ピペット先端702が消費されるにつれて、ピペット先端ラック700は、異種かつ接続されていない、例えば、非隣接の受器706の全体を通してフラグメント化されたピペット先端702が部分的に取り込まれた状態に成り得る。
【0080】
ピペット先端デフラグメントおよび再フォーマットの実施例が、図9B-11Cに関連して下記に説明される。
【0081】
図9Bは、例示的プロトコルによる、図9Aの完全に装填されたピペット先端ラック700内でのピペット先端702の使用法を図示する。したがって、ピペット先端ラック700は、充填された受器706と、空いている受器706とを含む。充填された受器706は、斜交平行線が付けられた丸によって示され、流体取扱システム200がプロトコルの実施の間にピペット先端702の完全アレイからピペット先端702を除去しなかった場所を表すことができる。空いている受器706は、未充填の丸によって示され、流体取扱システム200がプロトコルのピペット操作プロシージャを実施するためにアレイからピペット先端702を除去した場所を表すことができる。
【0082】
本例示的プロトコルでは、異なるピペット先端702が、ステップ毎に使用され、それによって、ピペット先端A1およびB1をピペット先端ラック700から除去する、単一チャネルピペット操作デバイス600を使用する2つの連続するピペット操作ステップを含む、第1のピペット操作動作が、実施される。
【0083】
列1-12が、プロトコル内で求められるものより少ないピペット先端702を利用可能にする状況が、生じ得る。したがって、ピペット操作デバイス600は、ピペット先端702が直前の列内に留まる場合でも、十分なピペット先端が次のピペット操作動作のために利用可能である、異なる列に移動する必要があり得る。例えば、プロトコルの第2のピペット操作動作において、8-チャネルピペット操作デバイス600が、8つのピペット先端702を除去するために使用される。しかしながら、列1は、不十分なピペット先端702を有する。したがって、ピペット操作デバイス600は、列2まで移動し、それによって、ピペット先端ラック700内のピペット先端の列A2-H2を除去する。
【0084】
最後に、プロトコルの第3のピペット操作動作では、ピペット先端ラック700の列3内の1つおきのピペット先端702を除去するように構成される、多重チャネルピペット操作デバイス600が、使用される。実施例では、本第3のピペット操作動作を実施するために使用される、多重チャネルピペット操作デバイス600は、低下された先端マンドレル606のみがピペット先端ラック700内のピペット先端702に係合するように、1つおきの先端マンドレル606が8-チャネルピペッタの他の先端マンドレル606に対して独立してZ方向に低下される、8-チャネルピペッタである。図9Bは、本例示的プロトコルの完了に応じたピペット先端ラック700のステータスを図示する。
【0085】
したがって、図9Bのピペット先端ラック700は、異なるタイプのピペット操作デバイスを用いて3つの異なるピペット操作動作を実施する、図示される実施例において遂行されたように、フラグメント化される。
【0086】
ピペット先端ラック700がフラグメント化された状態になり得る方法の付加的実施例では、ピペット操作デバイス600がラック700内のピペット先端702にアクセスすることが可能であり、次いで、その後、デッキ220上の実験器具の中に装填されたピペット先端702を挿入することが可能である必要性に起因して、使用されていないピペット先端702が列1-12の底部縁に、または中央部分に残されることが、可能性として考えられ得る。例えば、実験器具は、(図9Aの配向に対して)ピペット操作デバイス600の底部側に装填されたピペット先端702が、場所L13におけるデッキ220上の他の反応容器205の存在に起因して、場所L13における反応容器205内の所望の場所にアクセスすることが可能ではない場合があるように、デッキ220上に配列されてもよい。したがって、ピペット操作デバイス600がマンドレル606の上部部分をピペット先端702で充填することが、有利であり得る。
【0087】
また、ロードされるプロトコルのピペット操作動作は、図9Bの列4-12によって示されるように、完全なピペット先端列が残るように、列1-12の全てが使用されることを要求しない場合がある。
【0088】
したがって、プロトコルのための全てのピペット操作動作を終了させる終了時において、ピペット先端ラック700は、列1-12および行A-Hによって画定される受器のマトリクス内でのピペット先端702の散乱とともに残されることができる。ピペット先端702は、別のプロトコルを実施するには少なすぎる、または使用されていないピペット先端を捕捉するために追加の操作を行うためのマニホールド600を要求し、それによって、プロトコルのための実施時間を減速させるであろう、ピペット先端702を残す、塊状または個々のピペット先端にフラグメント化され得る。したがって、ピペット先端ラック70内のピペット先端702の配列をデフラグメントまたは再フォーマットすること等によってピペット先端702を編成することが、望ましくあり得る。
【0089】
再フォーマットは、図9C-9Eを参照して議論されるように、プロトコルが実行された後に実施されることができる。再フォーマットは、図10A-10Fを参照して議論されるように、プロトコルの実行の間に実施されることもできる。再フォーマットは、図11A-11Cを参照して議論されるように、プロトコルが実行される前に実施されることもできる。加えて、再フォーマットステップは、プロトコルを完了するために要求される時間を延長させることを最小限化するために、システム100または流体取扱システム200のロボット工学部品がアイドル状態であるときの間に実施されることができる。同様に、再フォーマットステップは、時間制約的ピペット操作動作を中断しないように実施されることができる。すなわち、再フォーマットは、動作の合間の最小限の時間遅延を伴って実施されるべきである、そうされる必要がある、または有利にはそうされる、順次的または連続するピペット操作動作を中断しないように実施されることができる。「時間制約的」は、再フォーマットステップを実施するために要する時間より短い、化学反応時間として定義されることができる。デフラグメントは、ロボット工学部品がアイドル状態である、反応インキュベーションまたは任意の他の時間等の間のプロシージャの実行時間のいかなる増加も最小限化または排除する時間において実施されることができる。
【0090】
図9C-9Eは、例示的プロトコルを実施した後にピペット先端ラック700をデフラグメントおよび/または再フォーマットするステップの3つの実施例を図示する。
【0091】
図9Cでは、ピペット先端ラック700の列11および12内の充填された受器706からの使用されていない(ピペット先端C11-H12)が、移動され、ピペット先端ラック700の列1および3内の空いている受器706を充填する。これは、A1から開始する、充填された受器706の連続的な一連のものと、完全に充填された最大数の列とを有する、再フォーマットされたピペット先端ラック700を提供する。
【0092】
図9Dでは、ピペット先端ラック700の列1および3内の使用されていないピペット先端が、移動され、列2および3内の空いている受器706を充填し、ピペット先端ラック700がH12におけるピペット先端ラックの端部から先端G2に戻るような充填された受器706の連続的な一連のものを有するように、ピペット先端ラック700を再フォーマットする。これは、ピペット先端ラック700が、本または別のプロトコルを開始する前にユーザによって180度回転され、デッキ220の上に再装填された後に、図9Cのものと同等である、再フォーマットされたピペット先端ラック700を提供する。
【0093】
図9Eでは、列1、3、および12内の使用されていないピペット先端702が、図9Bに図示されるように、移動され、例示的プロトコルによって利用される、充填された受器706のパターンを生成する。このように、再フォーマットされたピペット先端ラック700は、例示的プロトコルをもう一度実施するために最適にフォーマットされる。
【0094】
図10A-10Eは、図9Bの例示的プロトコルの実施の間にピペット先端ラック700をデフラグメントおよび/または再フォーマットするステップのある実施例を図示する。
【0095】
図10Aは、図9Bの例示的プロトコルが開始される前のピペット先端ラック700のある実施例を図示する。本実施例では、ピペット先端ラック700は、ピペット先端ラック700の列1および2を占有する、16個の使用されていないピペット先端702から開始する。図10Bは、単一チャネルピペット操作デバイス600が場所A1およびA2における受器706を占有していたピペット先端702を除去している、例示的プロトコルの第1のピペット操作動作が実施された後のピペット先端ラック700のステータスを図示する。図10Cは、ピペット先端ラック700の列2を占有していたピペット先端702を除去するために8-チャネルピペット操作デバイス600を使用して第2のピペット操作動作を実施した後のピペット先端ラック700のステータスを図示する。本段階において、本多重チャネルピペット操作デバイス600は、ピペット先端ラック700の列内の1つおきのピペット先端702を除去するように構成されるため、本プロトコルの第3のピペット操作動作のために使用される多重チャネルピペット操作デバイス600にアクセス可能なピペット先端ラック700内には、使用されていないピペット先端702のいかなる部分的列も、存在しない。故に、ピペット操作デバイス600は、場所D1における使用されていないピペット先端702をピペット先端ラック700の場所A1における空いている受器に移動させることによって、ピペット先端ラック700を再フォーマットする。したがって、本再フォーマットの後、本例示的プロトコルの第3のピペット操作動作が、実施され、ピペット先端ラック700の場所A1、C1、E1、およびG1におけるピペット先端702の除去をもたらすことができる。図10Eは、例示的プロトコルの完了の後のピペット先端ラック700のステータスを図示する。
【0096】
別の実施例では、図10Fに図示されるように、図10Cのピペット先端ラック700は、ピペット先端ラック700の列1内の使用されていないピペット先端702のうちの4つをピペット先端ラック700の列3内の交互の位置A3、C3、E3、およびG3に移動させることによって、例示的プロトコルの第2のピペット操作動作を実施した後に再フォーマットされることができる。このように、例示的プロトコルの第3のピペット操作動作は、元々、図9Bに図示されるもののように(すなわち、ピペット操作先端ラック700の列3を使用して)実施されることができる。しかしながら、本実施例では、ピペット先端ラック700は、ピペット先端ラック700の列3内の1つおきの受器706を空にさせるように再フォーマットされているため、例示的プロトコルの第3のピペット操作動作は、典型的8-チャネルピペッタを用いて実施され(すなわち、各先端マンドレル606は、他の先端マンドレル606に対して固定されたZ位置に留まる)、それによって、Z方向に独立して移動可能である先端マンドレル606を有する多重チャネルピペット操作デバイス600の必要性を排除することができる。
【0097】
本明細書に説明されるような、プロトコルの実施の間に実施される、ピペット先端ラック700を再フォーマットまたはデフラグメントする方法は、また、本明細書に説明されるような、プロトコルの実施の後に実施される、ピペット先端ラック700を再フォーマットまたはデフラグメントする任意の好適な方法と組み合わせられることができる。
【0098】
図11A-11Cは、図9Bの例示的プロトコルを実施する前にピペット先端ラック700をデフラグメントおよび/または再フォーマットするステップのある実施例を図示する。本実施例では、ピペット先端ラック700は、図11Aに図示されるように、ピペット先端ラック700の列1および2を占有する、16個の使用されていないピペット先端702から開始する。プロトコルを開始する前に、ピペット操作デバイス600は、図11Bに図示されるように、ピペット先端ラック700の場所E1-H1から4つの使用されていないピペット先端702を場所A3、C3、E3、およびG3に移動させる。本再フォーマットに続いて、プロトコルの第3のピペット操作動作内でピペット先端ラック700の列3内の1つおきのピペット先端702を除去するように構成される、多重チャネルピペット操作デバイス600の使用を含む、図9Bに関連して説明される例示的プロトコルが、実施され、プロトコルの完了の後の、図11Cに図示されるような、ピペット先端ラック700のステータスをもたらす。別の実施例では、図11Bに図示される再フォーマットに続いて、典型的8-チャネルピペッタが、具体的には、ピペット先端ラック700の列内の1つおきのピペット先端702を除去するように構成される、多重チャネルピペット操作デバイス600の代わりに第3のピペット操作動作を実施するために使用される点を除いて、例示的プロトコルが、実施される。より一般的には、本開示の再フォーマット方法は、ピペット先端702を多重チャネルピペット操作デバイス600の先端マンドレル606の任意の数および組み合わせに取り付けるために使用され、それによって、Z(またはXまたはY)方向に独立して移動可能である、先端マンドレル606を有する別個のピペット操作デバイス600の必要性を排除することができる。
【0099】
プロトコルを実施するステップの前、間、および/または後のいずれかにおいてピペット先端ラック700を再フォーマットおよび/またはデフラグメントする、本明細書に説明される方法が、任意の好適な様式または組み合わせにおいて組み合わせられてもよい。
【0100】
いくつかの実施例では、ピペット先端ラック700は、選択されたプロトコルのための使用されていないピペット先端702の源として使用される。いくつかの実施例では、ピペット先端ラック700は、使用されていないピペット先端702から使用済みピペット先端702を受容し、隔離するために使用される。いくつかの実施例では、本明細書に説明される再フォーマットおよび/またはデフラグメント方法は、使用されていないピペット先端702の源として使用されるピペット先端ラック700上、および使用済みピペット先端702を受容するために使用されるピペット先端ラック700上で、任意の好適な組み合わせにおいて別個に使用されることができる。
【0101】
図12Aおよび12Bは、図9Aのピペット先端ラック700内でピペット先端702のピペット先端編成を自動的に実施するためのステップおよび動作を示す、線図800を図示する。線図800は、上記に解説される、再フォーマットおよびデフラグメンテーションの実施例を説明することができる。線図800を参照して説明されるプロシージャは、コンピュータ可読媒体108B内に記憶される命令を用いて制御コンピュータ108(図1)によって制御されること等によって、図1-7の処理システム100およびロボット流体取扱システム200を使用して実行されることができる。
【0102】
ステップ802は、流体取扱システム200(図2)を開始するステップを含むことができる。オペレータは、プロトコルまたは別の動作の実施のために流体取扱システム200の電源をオンにする、または別様に流体取扱システム200を調製することができる。オペレータは、入力デバイス108D(図1)またはコントローラ214(図2)とインターフェースをとり、流体取扱システム200を開始することができる。
【0103】
ステップ804は、ピペット操作を伴うプロシージャを実施するために流体取扱システム200を調製するステップを含むことができる。したがって、プロトコルは、入力デバイス108D(図1)またはコントローラ214(図2)の中にプログラムされることができる。プロトコルは、ピペット先端702の異なるセットが各ピペット操作動作において利用され、それによって、各ピペット操作動作において使用されるべき必要な数のピペット先端702を取得するために、ピペット操作デバイス600を、先端ラック700(図8)まで複数回行き来させることをもたらす、ピペット操作デバイス600を用いたピペット操作動作を含む、1つまたはそれを上回るサブステップを含むことができる。したがって、先端マンドレル606は、ピペット操作動作を実施するために異なる組み合わせにおいて、繰り返してピペット先端702を装填し、装填解除することができる。
【0104】
ステップ806は、流体取扱システム200の中に装填されるピペット先端702の開始セットを決定するステップを含むことができる。制御コンピュータ108は、ステップ806A-806Dを参照して説明されるように、複数の方法においてピペット操作先端702の開始セットを決定することができる。制御コンピュータ108は、開始セットを決定するためにステップ806A-806Dのうちの1つ、複数のもの、または全てを行うことができる。ピペット先端702の開始セットは、正しい数のピペット先端702が適切に決定されることを確実するために役立つための冗長性に関して、異なる方法において決定されることができる。
【0105】
ステップ806Aは、処理システム100が、デッキ220上に装填されるピペット先端ラック700が満杯であることを仮定するステップを含むことができる。実施例では、処理システム100は、撮像デバイス206を使用してデッキ220のピペット先端ラック700の存在を認識し、次いで、使用されていないピペット先端702をピペット先端ラック700内の各受器706に割り当てることができる。実施例では、処理システム100は、コンピュータ可読媒体108B内に記憶されるプロトコル内で使用されるピペット先端ラック700のタイプを読み取り、コンピュータ可読媒体108Bから、ピペット先端ラック700内のピペット先端702のための受器706の数および場所を決定し、次いで、使用されていないピペット先端702をピペット先端ラック700内の各受器706に割り当てることができる。
【0106】
ステップ806Bは、処理システム100が、コンピュータ可読媒体108B内に記憶されるプロトコルからデッキ220上に装填されるピペット先端702の数および場所を読み取るステップを含むことができる。例えば、コンピュータ可読媒体108B内に記憶されるプロトコルは、ピペット先端ラック700のための受器706の数および場所を直接列挙し、さらに、使用されていないピペット先端702を含む、受器706を列挙することができる。
【0107】
ステップ806Cは、処理システム100がラック700内のピペット先端702の数をカウントするために画像認識ソフトウェア、アルゴリズム、またはプロシージャを利用し得るように、撮像デバイス206(図2および3)を使用し、ピペット先端ラック700内のピペット先端702を視認するステップを含むことができる。例えば、デッキ220のデジタル画像は、ピペット先端702のコンピュータ可読媒体108B内の記憶された形状およびパターンに合致する、形状またはパターンに関して分析されることができる。したがって、デジタル画像内の形状またはパターンの数が、ピペット先端702の開始セットを決定するためにカウントされることができる。
【0108】
ステップ806Dは、ピペット先端ラック700内のピペット先端702の数を感知するステップを含むことができる。処理システム100は、ピペット操作デバイス600をピペット先端ラック700の場所に移動させ、先端マンドレル606のうちの1つとピペット先端ラック700内の受器706のそれぞれを接触させることができる。先端マンドレル606が、ピペット先端ラック700の期待される場所において静電容量読取値を取得する場合、コンピュータ可読媒体108Bは、ピペット先端702の場所を記録するように更新されることができる。先端マンドレル606が、ピペット先端ラック700の期待される場所において静電容量読取値を取得しない場合、コンピュータ可読媒体108Bは、ピペット先端702の不在を記録するように更新されることができる。付加的な実施例では、処理システム100は、ピペット先端702が位置するより高いZ場所または空の受器706との接触が行われるより低いZ場所を区別するための静電容量信号の読取値に関する、Z高さの差異を認識することができる。さらに、処理システム100は、圧力センサの使用を介してZ高さの差異を認識することができる。
【0109】
ステップ808は、ピペット操作デバイス600を使用して新しいピペット先端702を取得するステップを含むことができる。処理システム100は、ステップ804からのプロトコルの第1のピペット操作動作を実施することを開始することができる。ピペット操作デバイス600は、ピペット先端702を取得するためにピペット先端ラック700の場所に移動されることができる。ピペット操作デバイス600は、Z方向に下向きに移動され、先端マンドレル606とピペット操作デバイス600上に装填されることになる選択された数のピペット先端702のカラー710を係合させ、ピペット操作プロシージャを実施することができる。
【0110】
ステップ810は、先端マンドレル606上に装填される新しいピペット先端702を使用して、ピペット操作動作を実施するステップを含むことができる。ステップ808において寄せ集められたピペット先端702は、デッキ220(図4)上に装填される実験器具の1つまたはそれを上回る物品にわたって移動されることができる。流体または液体が、上向きに移動するプランジャ610によって先端マンドレル606上に装填されるピペット先端702を用いて実験器具のそれらの物品から引き出され、次いで、プランジャ610が下向きに押動され、流体または液体を実験器具の第2の物品の中に分注し得る、実験器具の別の物品に輸送されることができる。そのような分注プロセスの結果として、先端マンドレル606上に装填されるピペット先端702は、汚れた状態になり、それによって、汚染等を回避するために、次のピペット操作動作のための使用されていない、清浄なピペット先端702のために、そのようなピペット先端702を装填解除することを望ましくさせることができる。
【0111】
ステップ812は、ステップ810において使用された汚れたピペット先端702を処分するステップを含むことができる。ピペット操作デバイス600は、ステップ810における実験器具の第2の物品から入物224(図4)のための廃棄物貯蔵エリアL16に移動されることができる。先端マンドレル606が、プランジャ610をさらに下向きに移動させ、先端マンドレル606の使用済みピペット先端702を押動することによって、汚れたピペット先端702を入物224の中に排出することができる。
【0112】
ステップ814は、使用済みピペット先端を取り除くためにステップ806のピペット先端702の開始セットを更新するステップを含むことができる。ピペット先端の開始セットは、ステップ814A-814Dを参照して説明される、複数の方法において更新されることができる。制御コンピュータ108は、更新されたセットを決定するためにステップ814A-814Dのうちの1つ、複数のもの、または全てを行うことができる。ピペット先端702の更新されたセットは、正しい数のピペット先端702が適切に決定されることを確実するために役立つための冗長性に関して、異なる方法において決定されることができる。
【0113】
ステップ814Aは、ステップ806A-806D等によって提供されるピペット先端の開始または完全なセットから、ステップ810および812において使用および処分された数のピペット先端702を取り除くステップを含むことができる。ステップ808において使用されるピペット先端702の数は、コンピュータ可読媒体108B内に記憶されるプロトコルから読み取られることができる。プロトコルは、プロトコルの各サブステップまたはピペット操作動作において使用される、ピペット先端702の数のリストを含むことができる。したがって、制御コンピュータ108は、開始総数から使用済みピペット先端の数を持続的に減算することによって、ピペット先端の実行台帳を維持することができる。コンピュータ可読媒体108Bは、清浄かつ使用されていないピペット先端702の残りの数および場所で更新されることができる。
【0114】
ステップ814Bは、ステップ810において特定のピペット操作プロシージャが実施された後に残る、ピペット先端702の数を決定するために流体取扱システム200のメモリを読み取るステップを含むことができる。例えば、制御コンピュータ108は、ステップ804においてロードされるプロトコルを参照し、ステップ810および812が実施された後に残るべきであるピペット先端702の数およびそれらの場所を決定することができる。プロトコルは、プロトコルの各サブステップまたはピペット操作動作の後にプロトコルのためのピペット先端の実行台帳を維持することができる。コンピュータ可読媒体108Bは、清浄かつ使用されていないピペット先端702の残りの数および場所で更新されることができる。
【0115】
ステップ814Cは、ステップ808のピペット先端702が取得された、ピペット先端ラック700のデジタル写真を撮影するために撮像デバイス206(図2)を使用するステップを含むことができる。制御コンピュータ108は、コンピュータ可読媒体108B内に記憶される画像認識ソフトウェアアルゴリズムを使用し、ステップ806Cを参照して説明されるもの等、占有されるピペット先端ラック700内の受器706を認識することができる。コンピュータ可読媒体108Bは、清浄かつ使用されていないピペット先端702の残りの数および場所で更新されることができる。
【0116】
ステップ814Dは、先端マンドレル606を使用し、ピペット先端ラック700内のピペット先端を感知するステップを含むことができる。ステップ806Dを参照して説明されるように、ピペット操作デバイス600は、ピペット先端ラック700の周囲で移動され、先端マンドレル606とピペット先端702および受器706を係合させ、占有される受器706を決定することができる。コンピュータ可読媒体108Bは、清浄かつ使用されていないピペット先端702の残りの数および場所で更新されることができる。
【0117】
ステップ814の後、ステップ808-814は、全ての必要なピペット操作動作が実施されるまで、ステップ804においてロードされたプロトコルを完了するために、必要に応じて繰り返されることができる。
【0118】
ステップ816は、ステップ804においてロードされたプロトコルおよびその中で求められる全てのピペット操作プロシージャを完了させるステップを含むことができる。処理システム100は、ユーザがコントローラ214およびカバーパネル210を動作させ、プロトコルの所望の結果、例えば、ライブラリ構築を取得し得る、完了状態に切り替えられることができる。しかしながら、処理システム100の動作がユーザ制御に引き継がれる前または後に、制御コンピュータ108は、本明細書に説明されるピペット先端編成プロシージャを実施するために使用されることができる。そのようなピペット先端編成プロシージャは、ユーザ介入を伴うことなく制御コンピュータ108によって自動的に実施されることができる。しかしながら、実施例では、ユーザは、新しい、完全または部分的に充填されたピペット先端ラック700を処理システム100の中に装填し、新しいピペット先端を編成プロシージャのために利用可能にすることができる。いずれの場合も、流体取扱システム200は、画像認識等を使用することによってデッキ220上の使用されていないピペット先端の場所を探索する、マンドレル606を用いて感知を実施する、またはコンピュータ可読媒体108B内に記憶される情報を参照するように動作されることができる。
【0119】
ステップ818は、ピペット操作デバイス600を、使用されていないピペット先端702がステップ816において決定される場所から位置する、ピペット先端ラック700における空間に移動させるステップを含むことができる。
【0120】
ステップ820は、先端マンドレル606とピペット先端702を係合させることによって使用されていないピペット先端702を収集するためにピペット操作デバイス600を移動させるステップを含むことができる。新しい、または清浄なピペット先端702は、ステップ820Aにおいて、同一のピペット先端ラック700内の占有された受器706から収集されることができる、またはステップ820Bにおいて、ステップ806-816を実施するために使用された異なるピペット先端ラック700内の占有された受器706から収集されることができる。実施例では、ピペット先端702が部分的または完全に装填された付加的なピペット先端ラック700が、プロトコルの実施が中断されないように、ステップ802においてデッキ220上に位置付けられることができる。付加的な実施例では、ピペット先端702が部分的または完全に装填された付加的なピペット先端ラック700が、ステップ816の後にデッキ220上に位置付けられることができる。
【0121】
ステップ822は、ピペット操作デバイス600をピペット先端が位置していないピペット先端ラック700における空間に移動させるステップを含むことができる。ピペット操作デバイス600は、次いで、マンドレル606を使用し、820において収集されたピペット先端702を占有されていない受器706の中に排出することができる。
【0122】
ステップ824は、ステップ818-822を繰り返すことによって、ステップ806-816において使用されたピペット先端ラック700のピペット先端702をデフラグメントするステップを含むことができる。ステップ824Aは、ステップ806-816において使用されたピペット先端ラック700の行または列を充填することによってピペット先端702をデフラグメントするステップを含むことができる。ステップ824Bは、ピペット先端702の一連のものを完成させることによってピペット先端702をデフラグメントするステップを含むことができる。ステップ824Cは、選択されたプロトコルに従ってピペット操作デバイスによってアクセスされるピペット先端のパターン等のピペット先端702のパターンを生成することによってピペット先端702をデフラグメントするステップを含むことができる。他のデフラグメントおよび再フォーマットプロシージャも、加えて、実施されることができる。
【0123】
ステップ826は、処理システム100の動作を終了させるステップを含むことができる。したがって、ステップ818-824のデフラグメンテーションプロセスは、完了されることができる。ステップ808-814のピペット操作動作の全てが、完了されることができ、ステップ804においてロードされたプロトコルが、完了されることができる。したがって、処理システム100は、ピペット先端702を手動で再編成、再フォーマット、またはデフラグメントする必要を伴うことなく、直前に完了したプロトコルの結果を取得し、後続のプロトコルのために処理システム100を調製すること等のためにユーザ制御に戻されることができる。
【0124】
図13Aは、ピペット操作デバイス600によるアクセスを促進するために競技場構成において配列される先端ラック221のための場所L2-L10を示すために、Y方向に沿って得られる、図4のデッキ220の側面図である。図13Bは、ピペット操作デバイス600によるアクセスを促進するために競技場構成のための階層に配列される、先端ラック221のための場所L4、L7、およびL10を示すためにX方向に沿って得られる、図4のデッキ220の側面図である。図13Aおよび13Bは、並行して議論される。
【0125】
デッキ220は、プラットフォーム212上に位置付けられることができる。デッキ220は、カルーセル204、熱循環器システム208、バルク反応容器保持器300、および本明細書に説明される他の物品およびデバイス等の種々の物品へのピペット操作デバイス600のアクセスを提供するために、隆起エリアを提供することができる。反応容器205は、バルク反応容器保持器300の中に位置することができる。ミリ先端ラック221が、受器304の中に装填されることができる。
【0126】
図13Bに見られ得るように、場所L10、L7、およびL4は、場所L10がプラットフォーム212に最近接し、場所L4がプラットフォーム212から最遠であり、場所L7がZ方向において場所L10とL4との間に位置付けられる、階層に配列されることができる。図11Aに見られ得るように、場所L2、L5、およびL8およびL3、L6、およびL9はそれぞれ、加えて、そのような階層化された配列にグルーピングされることができる。さらに、他の実施例では、場所L1-L10の全ては、プラットフォーム212からZ方向に同一の距離において提供されることができる。しかしながら、プラットフォーム212上の場所の階層化は、ピペット操作デバイス600による、先端ラック221内のより多くの受器へのアクセスを促進し得る。上記に解説されるように、先端マンドレル606の一連のものの配向(図9Aおよび13B参照)およびアクセスされることが所望される先端ラック221に対する隣接する先端ラック221の存在に起因して、ピペット操作デバイス600の各先端マンドレル606が、先端ラック221内に位置するあらゆるピペット先端にアクセスすることは、困難であり得る。例えば、(図13Bの配向に対して)マニホールド600のX方向において右端にある先端マンドレル606が、場所L4の左端におけるピペット先端を捕捉することは、場所L7の右端におけるピペット先端に干渉する、ピペット操作デバイス600の左端における先端マンドレル606間の干渉に起因して、不可能ではないにしても、困難であり得る。したがって、図13Bに示されるような、場所L7の右端におけるピペット先端が、ピペット操作デバイス600の左端に先端マンドレル606の下方に位置付けられるような場所L10、L7、およびL4の階層化は、本問題を緩和することができる。
【0127】
本開示の再フォーマットおよびデフラグメント方法は、ピペット操作動作を伴うプロトコルに限定されない。本明細書に説明されるデフラグメントおよび再フォーマット方法、動作、およびプロシージャは、より一般的には、専用の再フォーマットおよびデフラグメントプロトコルにおいて使用されることができる。実施例では、本開示の再フォーマットおよびデフラグメントプロトコルは、カメラまたは静電容量または圧力感知等を使用することによって、デッキ上に装填される先端箱のタイプおよび数、各箱内の先端の数および位置を認識することができ、蓋の有無を問わず先端箱を認識および取り扱うことができ、将来の使用のためにより最適化された完全または部分的な箱を生成するために自動的に再フォーマットまたはデフラグメントすることができる。実施例では、再フォーマットおよびデフラグメントプロトコルは、本明細書に説明される液体または流体取扱システム以外の他の機械によっても起動されることができる。
【0128】
実施例
実施例1は、流体取扱システムのメモリ内に記憶されたプロトコルによって定義されるプロシージャの実施の間に、ピペット先端を先端トレイ内で自動的にデフラグメントするための方法であって、ピペット先端が存在しない、先端トレイ内の空いている受器の場所を決定するステップと、ピペット先端が存在する、先端トレイ内の充填された受器の場所を決定するステップと、流体取扱システムを使用し、ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させるステップとを含む、方法である。
【0129】
実施例2では、実施例1の主題は、随意に、流体取扱システムのピペット操作デバイスの1つまたはそれを上回る先端マンドレルを使用して、先端トレイ内の充填された受器からピペット先端を除去するステップと、除去されたピペット先端を使用してピペット操作デバイスを用いてピペット操作動作を実施するステップであって、ピペット操作動作は、プロトコルに従って実施される、ステップと、ピペット操作動作を実施し、先端トレイ内に空いている受器を生成するステップの後に、除去されたピペット先端を処分するステップとを含む。
【0130】
実施例3では、実施例2の主題は、随意に、先端トレイ内の空いている受器および充填された受器の場所を決定するステップが、カメラを用いて空いている受器および充填された受器の場所を視認するステップと、先端トレイの画像内で先端トレイ内の空いている受器および充填された受器を認識するステップと、空いている受器および充填された受器を流体取扱システムのメモリ内に記憶される先端トレイマップにマッピングするステップとを含むことを含む。
【0131】
実施例4では、実施例2-3のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものの主題は、随意に、先端トレイ内の空いている受器および充填された受器の場所を決定するステップが、先端トレイ内の充填された受器の場所を示す、流体取扱システムのメモリ内に記憶されたプロトコルから先端トレイマップを取得するステップと、ピペット先端がピペット操作動作の間に使用されるにつれて、充填された受器からピペット先端を取り除き、先端トレイマップ内に空いている受器を生成するステップとを含むことを含む。
【0132】
実施例5では、実施例4の主題は、随意に、先端トレイマップが、プロシージャの開始時に先端トレイの充填容量にデフォルト状態にされることを含む。
【0133】
実施例6では、実施例4-5のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものの主題は、随意に、先端トレイマップが、プロトコル内に示される初期ステータスに従って設定されることを含む。
【0134】
実施例7では、実施例2-6のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものの主題は、随意に、先端トレイ内の空いている受器および充填された受器の場所を決定するステップが、先端トレイ内の各受器におけるピペット先端の存在に関して感知するステップを含むことを含む。
【0135】
実施例8では、実施例7の主題は、随意に、各受器におけるピペット先端の存在が、流体取扱システムと関連付けられる静電容量感知システムを使用して決定されることを含む。
【0136】
実施例9では、実施例8の主題は、随意に、各受器におけるピペット先端の存在が、プロシージャの開始時および終了時に、流体取扱システムと関連付けられる静電容量感知システムを使用して決定されることを含む。
【0137】
実施例10では、実施例2-9のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものの主題は、随意に、先端トレイ内の空いている受器および充填された受器の場所を決定するステップが、プロシージャの開始時に実施されることを含む。
【0138】
実施例11では、実施例2-10のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものの主題は、随意に、先端トレイ内の空いている受器および充填された受器の場所を決定するステップが、プロシージャの終了時に実施されることを含む。
【0139】
実施例12では、実施例2-11のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものの主題は、随意に、先端トレイ内の空いている受器および充填された受器の場所を決定するステップが、プロシージャの間に実施されることを含む。
【0140】
実施例13では、実施例12の主題は、随意に、先端トレイ内の空いている受器および充填された受器の場所を決定するステップの前に、プロシージャの連続する時間制約的ピペット操作動作を実施するステップを含む。
【0141】
実施例14では、実施例12-13のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものの主題は、随意に、先端トレイ内の連続する充填された受器の数が、ピペット操作動作のステップを実施するために不十分であることを決定するステップと、ピペット先端を先端トレイ内の充填された受器から空いている受器に移動させ、ピペット操作動作の該ステップを実施するために十分な数の連続する充填された受器を該ステップを実施する前に提供するステップとを含む。
【0142】
実施例15では、実施例1-14のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものの主題は、随意に、ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させるステップが、ピペット先端を先端トレイ内のあまり遮られていない場所に移動させるステップを含むことを含む。
【0143】
実施例16では、実施例1-15のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものの主題は、随意に、ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させるステップが、先端トレイ内の部分的な行または列内の全てのピペット先端を、先端トレイ内の別の行または列の連続し、空いている受器に移動させるステップを含むことを含む。
【0144】
実施例17では、実施例1-16のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものの主題は、随意に、ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させるステップが、先端トレイ内の受器の部分的な行または列を、先端トレイ内の他の行または列からのピペット先端で完全に充填するステップを含むことを含む。
【0145】
実施例18は、流体取扱システムのメモリ内に記憶されたプロトコルによって定義されるプロシージャの実施の間に、ピペット先端を先端トレイ内で自動的にデフラグメントするための方法であって、ピペット先端が存在しない、先端トレイ内の空いている受器の場所を決定するステップと、ピペット先端が存在する、先端トレイ内の充填された受器の場所を決定するステップと、流体取扱システムを使用し、ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、プロトコル内で定義されるような先端の使用法に従って、先端トレイの列内に充填された受器のパターンを生成するステップとを含む、方法である。
【0146】
実施例19は、流体取扱システムのメモリ内に記憶されたプロトコルによって定義されるプロシージャの実施の間に、第1の先端トレイ内にピペット先端を自動的でデフラグメントするための方法であって、ピペット先端が存在しない、第1の先端トレイ内の空いている受器の場所を決定するステップと、ピペット先端が存在する、第1の先端トレイ内の充填された受器の場所を決定するステップと、流体取扱システムを使用し、ピペット先端を第2の先端トレイの充填された受器から空いている受器に移動させ、第1の先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させるステップとを含む方法である。
【0147】
実施例20では、実施例19の主題は、随意に、ピペット先端を充填された受器から空いている受器に移動させ、第2の先端トレイ内に充填された受器の一連のものを完成させるステップが、ピペット先端を流体取扱システムのプラットフォームの異なる階層に移動させるステップを含むことを含む。
【0148】
(種々の注記)
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する、付随の図面の参照を含む。図面は、例証として、本発明が実践され得る、具体的実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では、「実施例」とも称される。そのような実施例は、示される、または説明されるものに加えて、要素を含み得る。しかしながら、本発明者はまた、示される、または説明されるそれらの要素のみが提供される、実施例も検討する。また、本発明者はまた、本明細書において示される、または説明される特定の実施例(またはその1つまたはそれを上回る側面)に関して、または他の実施例(またはその1つまたはそれを上回る側面)に関してのいずれかにおいて、示される、または説明されるそれらの要素(またはその1つまたはそれを上回る側面)の任意の組み合わせまたは順列を使用する、実施例も検討する。
【0149】
参照することによってそのように組み込まれる、本書と任意の文書との間に矛盾する使用法が生じた場合には、本書での使用法が、優先される。
【0150】
本書では、用語「a」または「an」が、特許文書において一般的であるように、「at least one(少なくとも1つ)」または「one or more(1つまたはそれを上回る)」の任意の他の事例または使用法から独立して、「one or more than one(1つまたは1つを上回る)」を含むために使用される。本書では、用語「or(または)」は、別様に示されない限り、「AまたはB」が、「BではなくA」と、「AではなくB」と、「AおよびB」とを含むように、非排他的「または」を指すために使用される。本書では、用語「including(~を含む)」および「in which(その中で)」は、個別の用語「comprising(~を備える)」および「wherein(その中で)」の平易な英語の均等物として使用される。また、以下の請求項では、用語「including(~を含む)」および「comprising(~を備える)」は、非制約的であり、すなわち、請求項内でそのような用語の後にリスト化されるものに加えて、要素を含む、システム、デバイス、物品、組成物、調合物、またはプロセスも、依然として、その請求項の範囲内にあると見なされる。また、以下の請求項では、用語「第1」、「第2」、および「第3」等は、標識として使用されるにすぎず、それらの目的に数値要件を課すことを意図していない。
【0151】
本明細書に説明される方法実施例は、少なくとも部分的に、機械またはコンピュータ実装されることができる。いくつかの実施例は、上記の実施例に説明されるような方法を実施するための電子デバイスを構成するように動作可能な命令を用いてエンコードされる、コンピュータ可読媒体または機械可読媒体を含むことができる。そのような方法の実装は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、より高レベルな言語コード、または同等物等のコードを含むことができる。そのようなコードは、種々の方法を実施するためのコンピュータ可読命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラム製品の一部を形成し得る。さらに、ある実施例では、コードは、実行の間または他の時間等に、1つまたはそれを上回る揮発性、非一過性、または不揮発性の有形コンピュータ可読媒体上に有形に記憶されることができる。これらの有形コンピュータ可読媒体の実施例は、限定ではないが、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、および同等物を含むことができる。
【0152】
上記の説明は、例証的であり、制限的ではないことを意図している。例えば、上記に説明される実施例(またはそれらの1つまたはそれを上回る側面)は、相互との組み合わせにおいて使用され得る。他の実施形態も、上記の説明の精査に応じて、当業者等によって使用されることができる。要約は、37C.F.R.§1.72(b)に準拠し、読者が、本技術開示の性質を迅速に確認することを可能にするために提供される。これが、請求項の範囲または意味を解釈または限定するために使用されないであろうという理解を伴って思量されたい。また、上記の詳細な説明では、種々の特徴が、本開示を簡潔にするために、ともにグルーピングされている場合がある。これは、請求されていない開示された特徴がいずれの請求項にも不可欠であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ないものにあり得る。したがって、以下の請求項は、本明細書において、実施例または実施形態として詳細な説明の中に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として独立し、そのような実施形態が、種々の組み合わせまたは順列において相互と組み合わせられ得ることが考慮される。本発明の範囲は、そのような請求項が享有する均等物の全範囲とともに、添付される請求項を参照して決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
【国際調査報告】