(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】半芳香族ポリエステルおよびその調製方法と応用
(51)【国際特許分類】
C08G 63/181 20060101AFI20241018BHJP
C08L 67/02 20060101ALI20241018BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
C08G63/181
C08L67/02
C08L101/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526880
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 CN2022124852
(87)【国際公開番号】W WO2023071796
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202111249166.3
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521568328
【氏名又は名称】ジャンスー・キンファ・サイ・アンド・テック・アドバンスト・マテリアルズ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU KINGFA SCI. & TECH. ADVANCED MATERIALS CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】524164163
【氏名又は名称】珠海金発生物材料有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】517393787
【氏名又は名称】金発科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【氏名又は名称】河部 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100221512
【氏名又は名称】山中 誠司
(72)【発明者】
【氏名】張伝輝
(72)【発明者】
【氏名】陳平緒
(72)【発明者】
【氏名】叶南▲ビャオ▼
(72)【発明者】
【氏名】欧陽春平
(72)【発明者】
【氏名】麦開錦
(72)【発明者】
【氏名】董学騰
(72)【発明者】
【氏名】曾祥斌
(72)【発明者】
【氏名】蘆昌利
(72)【発明者】
【氏名】蔡▲トン▼旻
【テーマコード(参考)】
4J002
4J029
【Fターム(参考)】
4J002AA00X
4J002AB01X
4J002AB04X
4J002CF03W
4J002CF03X
4J002CF05W
4J002CF08W
4J002CF18X
4J002CF19X
4J002GG01
4J029AA03
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4J029AE02
4J029AE03
4J029BA05
4J029CA01
4J029CA02
4J029CA03
4J029CA04
4J029CA05
4J029CA06
4J029CB05A
4J029CB06A
4J029CC05A
4J029FC03
4J029FC04
4J029FC05
4J029FC08
4J029FC12
4J029FC14
4J029FC16
4J029FC17
4J029HB02
4J029HB06
4J029JB222
4J029JC142
4J029JC152
4J029JC292
4J029JE092
4J029JE152
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4J029KC02
4J029KD02
4J029KD07
4J029KE02
4J029KE06
4J029KH08
(57)【要約】
本発明は半芳香族ポリエステルおよびその調製方法と応用を開示し、半芳香族ポリエステル中の水酸基含有量を制御し、特に半芳香族ポリエステル中の脂肪族ジカルボン酸に結合した水酸基の含有量を17~40mmol/kgに制御し、半芳香族ポリエステル中の芳香族ジカルボン酸に結合した水酸基の含有量を17~40mmol/kgに制御し、かつ水酸基の総含有量を35~80mmol/kgに制御することにより、半芳香族ポリエステルとポリ乳酸などの材料との適合性を著しく向上させることができ、これによって高強度および耐引裂性のフィルム材料が得られる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1成分Aの総モル量を基準として、
a1)40~60mol%の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体と、
a2)40~60mol%の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸またはその誘導体とを含む第1成分Aと、
第2成分B:1,4-ブタンジオールとからなる繰り返し単位から誘導される半芳香族ポリエステルであって、
半芳香族ポリエステル中の脂肪族ジカルボン酸に結合した水酸基の含有量が17~40mmol/kgであり、半芳香族ポリエステル中の芳香族ジカルボン酸に結合した水酸基の含有量が17~40mmol/kgであり、また、水酸基総含有量がは35~80mmol/kgであることを特徴とする、半芳香族ポリエステル。
【請求項2】
前記成分a1)が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、ウンデカン二酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカン二酸、エイコサン二酸もしくはテトラコサン二酸、またはそれらのエステル誘導体もしくはそれらの無水物誘導体のうちの1種または複数種の混合物から選択され、好ましくはアジピン酸、セバシン酸、またはそれらのエステル誘導体もしくはそれらの無水物誘導体のうちの1種または2種であることを特徴とする、請求項1に記載の半芳香族ポリエステル。
【請求項3】
前記成分a2)が、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、またはそれらのエステル誘導体もしくはそれらの無水物誘導体のうちの1種または複数種の混合物から選択され、好ましくはテレフタル酸またはそのエステル誘導体もしくはその無水物誘導体であることを特徴とする、請求項1に記載の半芳香族ポリエステル。
【請求項4】
第1成分Aの総モル量を基準として、前記半芳香族ポリエステルはまた、0.01~5.0mol%の第3成分Cと、0.01~5.0mol%の第4成分Dとを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の半芳香族ポリエステル。
【請求項5】
前記第3成分Cが、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ポリエーテルトリオール、グリセリン、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸無水物、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸、またはピロメリット酸二無水物のうちの1種または複数種から選択され、好ましくはトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールまたはグリセリンであることを特徴とする、請求項4に記載の半芳香族ポリエステル。
【請求項6】
前記第4成分Dが、2つ以上の官能基を含有するイソシアネート、イソシアヌレート、過酸化物、エポキシド、オキサゾリン、オキサジン、ラクタム、カルボジイミドまたはポリカルボジイミドのうちの1種または複数種から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の半芳香族ポリエステル。
【請求項7】
GB/T 17931-1999標準に従って、重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した前記半芳香族ポリエステルの粘度数が150~350ml/gであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の半芳香族ポリエステル。
【請求項8】
前記半芳香族ポリエステルのカルボキシル基含有量が5~50mmol/kg、好ましくは10~30mmol/kgであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の半芳香族ポリエステル。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の半芳香族ポリエステルの調製方法であって、
比率に従って第1成分A中のa1と第2成分Bをスラリー調合釜に加え、調合したスラリーを第1エステル化反応器に輸送し、還流した第2成分Bと触媒を別経路から第1エステル化反応器に加え、150~200℃、30~110kPaで2~4時間エステル化反応を行ってエステル化生成物Ba1を得て、そして、比率に従って第1成分A中のa2と第2成分Bをスラリー調合釜に加え、調合したスラリーを第2エステル化反応器に輸送し、還流した第2成分Bと触媒を別経路から第2エステル化反応器に加え、200~250℃、30~110kPaで2~4時間エステル化反応を行ってエステル化生成物Ba2を得る工程S1と、
反応温度170~220℃、圧力1~10kPaで工程S1のエステル化生成物Ba1に対して一次重縮合反応を行い、そして、反応温度230~270℃、圧力1~10kPaで工程S1のエステル化生成物Ba2に対して一次重縮合反応を行い、それぞれの反応生成物が、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数15~60ml/gに達するまで、両者に対してそれぞれ独立して一次重縮合反応を行って、それぞれ一次重縮合反応の生成物Pre-Ba1とPre-Ba2を得る工程S2と、
工程S2で得られた一次重縮合反応の生成物Pre-Ba1を反応温度180~230℃、圧力10~500Paの第1最終重合釜に移し、そして、工程S2で得られた一次重縮合反応の生成物Pre-Ba2を反応温度220~270℃、圧力10~500Paの第2最終重合釜に移し、反応生成物が、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数50~180ml/gに達するまで、両者に対してそれぞれ独立して重縮合反応を行って、それぞれ最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2を得る工程S3と、
工程S3で得られた最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2をミキサーで混合して反応させ、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数150~300ml/gに達した半芳香族ポリエステルを得る工程S4とを含むことを特徴とする、半芳香族ポリエステルの調製方法。
【請求項10】
S5をさらに含み、S5において、工程S4で得られた半芳香族ポリエステルを第4成分Dに加え、反応温度200~270℃で鎖延長反応を行い、反応滞留時間は0.5~15分、好ましくは2~5分であり、反応生成物が、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数150~350ml/gに達すると完了することを特徴とする、請求項9に記載の半芳香族ポリエステルの調製方法。
【請求項11】
重量百分率で、
5~95重量%の請求項1~8のいずれか一項に記載の半芳香族ポリエステルと、
5~95重量%の添加剤および/または他のポリマーと、
0~70重量%の強化材および/または充填剤とを含むことを特徴とする半芳香族ポリエステル成形用組成物。
【請求項12】
堆肥化可能な分解性製品の製造における請求項1~8のいずれか一項に記載の半芳香族ポリエステルの応用であって、前記堆肥化可能な分解性製品が繊維、フィルムまたは容器であることを特徴とする、応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性ポリエステルの分野に関し、具体的には、特定の水酸基含有量を有する半芳香族ポリエステルおよびその調製方法と応用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在産業や日常生活で広く使用されている熱可塑性芳香族ポリエステルは、優れた熱安定性および機械的特性を有し、加工が容易で安価である。例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)はすでに繊維、フィルム、および容器の製造に広く使用されている。しかし、これらの芳香族ポリエステルは使用廃棄後に分解しにくく、これまでにPETやPBTなどの芳香族ポリエステルの微生物によるいかなる明らかな直接分解も観察されなかった。芳香族ポリエステルの優れた特性を組み合わせるために、1980年代以降、当業者は脂肪族-芳香族コポリエステルの合成、すなわち脂肪族ポリエステルに芳香族セグメントを導入する研究に取り組んできた。
【0003】
芳香族ポリエステルの代表はPBATであるが、その引張強度が小さく、弾性率が低い。機械的強度の欠点により、PBATの応用が制限され、改質する必要がある。
【0004】
ポリ乳酸(PLA)は、ジャガイモ、キャッサバ、コーンスターチなどのバイオベース原料から生物発酵および化学合成により得られる脂肪族ポリエステルであり、良好な生体適合性および生分解性、優れた機械的強度、透明性および加工性を有するため、医薬、包装フィルム、使い捨て日用品などの分野で幅広く使用されている。しかし、ポリ乳酸は脆性が大きく、靭性に劣るため、多くの分野での普及や応用が困難である。
【0005】
PBATとPLAはまったく異なる機械的特性を示すため、両者は常に相補的な材料として混合されて改質されることがよくあり、すなわち、PLAをマトリックスとし、PBATを使用して改質ポリ乳酸を強化するか、またはPBATをマトリックスとし、PLAを使用して改質PBATを強化する。最終的な改質効果は、両者の適合性によって異なる。しかし、PBATとポリ乳酸との適合性が悪いため、これらの強化改質剤はPLAの衝撃強度をわずかしか高めることができず、PLAの延性を同時に高めることは多くの場合困難である。
【発明の概要】
【0006】
上記の問題を解決するために、本発明は、半芳香族ポリエステルを提供することを目的とし、この半芳香族ポリエステルは、特定の水酸基含有量を有するため、半芳香族ポリエステルとポリ乳酸などの材料との適合性を著しく向上させることができ、これによって高強度および耐引裂性のフィルム材料が得られる。
【0007】
本発明の別の目的は、上記半芳香族ポリエステルの調製方法を提供することである。
【0008】
本発明の上記の目的は、以下の技術的解決策によって達成される。
【0009】
半芳香族ポリエステルであって、
第1成分Aの総モル量を基準として、
a1)40~60mol%の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体と、
a2)40~60mol%の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸またはその誘導体とを含む第1成分Aと、
第2成分B:1,4-ブタンジオールとからなる繰り返し単位から誘導され、
半芳香族ポリエステル中の脂肪族ジカルボン酸に結合した水酸基の含有量は17~40mmol/kgであり、半芳香族ポリエステル中の芳香族ジカルボン酸に結合した水酸基の含有量は17~40mmol/kgであり、また、水酸基総含有量は35~80mmol/kgである。
【0010】
ポリエステルの合成プロセスでは、原料モノマーの構造または割合の違い、触媒、分岐剤および鎖延長剤の種類の違い、製造プロセス、反応時間、重合温度などの多くの要因の影響により、最終的に得られるポリエステルの分子構造には大きな違いがある。本発明では、研究により、半芳香族ポリエステル中の水酸基含有量が、半芳香族ポリエステルとポリ乳酸などの材料との適合性に影響を及ぼし得ることが判明した。水酸基含有量が多すぎたり低すぎたりすると、半芳香族ポリエステルとポリ乳酸などの材料との適合性が悪くなる。
【0011】
本発明では、研究により、半芳香族ポリエステル中の水酸基含有量を制御し、特に半芳香族ポリエステル中の脂肪族ジカルボン酸に結合した水酸基の含有量を17~40mmol/kgに制御し、半芳香族ポリエステル中の芳香族ジカルボン酸に結合した水酸基の含有量を17~40mmol/kgに制御し、かつ水酸基の総含有量を35~80mmol/kgに制御することにより、半芳香族ポリエステルとポリ乳酸などの材料との適合性を著しく向上させることができ、これによって高強度および耐引裂性のフィルム材料が得られることが意外にも判明した。
【0012】
本発明において、成分a1)である脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、ウンデカン二酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカン二酸、エイコサン二酸もしくはテトラコサン二酸、またはそれらのエステル誘導体もしくはそれらの無水物誘導体のうちの1種または複数種の混合物から選択される。
【0013】
具体的な選択例として、成分a1)は、シュウ酸、シュウ酸ジメチル、マロン酸、マロン酸ジメチル、コハク酸、コハク酸ジメチル、メチルコハク酸、グルタル酸、グルタル酸ジメチル、グルタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)、グルタル酸ビス(3-ヒドロキシプロピル)、グルタル酸ビス(4-ヒドロキシブチル)、2-メチルグルタル酸、3-メチルグルタル酸、アジピン酸、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ビス(2-ヒドロキシエチル)、アジピン酸ビス(3-ヒドロキシプロピル)、アジピン酸ビス(4-ヒドロキシブチル)、3-メチルアジピン酸、2,2,5,5-テトラメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アゼライン酸ジメチル、セバシン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、ウンデカン二酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカン二酸、エイコサン二酸、テトラコサン二酸、ダイマー酸、およびそれらのエステル誘導体またはそれらの無水物誘導体のうちの1種または複数種から選択され、好ましくは、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、およびそれらのエステル誘導体またはそれらの無水物誘導体のうちの1種または複数種であり、より好ましくは、アジピン酸、セバシン酸またはそれらのエステル誘導体もしくはそれらの無水物誘導体のうちの1種または2種であり、最も好ましくは、アジピン酸またはそのエステル誘導体もしくはその無水物誘導体である。
【0014】
本発明において、成分a2)である芳香族ジカルボン酸またはその誘導体は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、またはそれらのエステル誘導体もしくはそれらの無水物誘導体のうちの1種または複数種の混合物から選択され、好ましくは、テレフタル酸またはそのエステル誘導体もしくはその無水物誘導体である。
【0015】
具体的な選択例として、成分a2)は、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)、テレフタル酸ビス(3-ヒドロキシプロピル)、テレフタル酸ビス(4-ヒドロキシブチル)、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)、イソフタル酸ビス(3-ヒドロキシプロピル)、イソフタル酸ビス(4-ヒドロキシブチル)、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,6-フタル酸ジメチル、2,7-ナフタレンジカルボン酸、2,7-フタル酸ジメチル、3,4′-ジフェニルエーテルジカルボン酸、3,4′-ジフェニルエーテルジカルボン酸ジメチル、4,4′-ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′-ジフェニルエーテルジカルボン酸ジメチル、3,4′-フェニレンスルフィドジカルボン酸、3,4′-フェニレンスルフィドジカルボン酸ジメチル、4,4′-ジフェニルスルフィドジカルボン酸、4,4′-フェニレンスルフィドジカルボン酸ジメチル、3,4′-ジフェニルスルホンジカルボン酸、3,4′-ジフェニルスルホンジカルボン酸ジメチル、4,4′-ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4′-ジフェニルスルホンジカルボン酸ジメチル、3,4′-ベンゾフェノンジカルボン酸、3,4’-ベンゾフェノンジカルボン酸ジメチル、4,4′-ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4′-ベンゾフェノンジカルボン酸ジメチル、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、4,4′-メチレンビス(安息香酸)、4,4′-メチレンビス(安息香酸ジメチル)、またはそれらのエステル誘導体もしくはそれらの無水物のうちの1種または複数種から選択され、好ましくは、テレフタル酸またはそのエステル誘導体もしくはその無水物誘導体である。
本発明において、必要に応じて、半芳香族ポリエステルはまた、第3成分Cを含み、第3成分Cは好ましくは、少なくとも3つの官能基を有する化合物であり、好ましくは、3~6個の官能基を有する化合物である。好ましくは、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ポリエーテルトリオール、グリセリン、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸無水物、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸、およびピロメリット酸二無水物のうちの1種または複数種から選択され、より好ましくはトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールまたはグリセリンである。
【0016】
第1成分Aの総モル量を基準として、第3成分Cの含有量は、0.01~5.0mol%、好ましくは0.02~2.0mol%である。
【0017】
半芳香族ポリエステルは、鎖延長剤である第4成分Dをさらに含んでもよい。
【0018】
鎖延長剤は、2つ以上の官能基を含有するイソシアネート、イソシアヌレート、過酸化物、エポキシド、オキサゾリン、オキサジン、ラクタム、カルボジイミド、またはポリカルボジイミドのうちの1種または複数種の混合物である。
【0019】
2つ以上の官能基を含有するイソシアネートは、芳香族イソシアネートまたは脂肪族イソシアネートであってもよく、好ましくは芳香族ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネートである。好ましくは、芳香族ジイソシアネートは、トルエン2,4-ジイソシアネート、トルエン2,6-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネート、ナフタレン1,5-ジイソシアナートまたはキシレンジイソシアナートである。
【0020】
より好ましくは、芳香族ジイソシアネートは、ジフェニルメタン2,2’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,4’-ジイソシアネート、またはジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネートである。
【0021】
2つ以上の官能基を含有するイソシアネートは、3つの環を有するトリス(4-イソシアナト-フェニル)メタンであってもよい。
【0022】
好ましくは、脂肪族ジイソシアネートは、2~20個の炭素原子、より好ましくは3~12個の炭素原子を含む任意の直鎖状または分岐状のアルキレンジイソシアネートまたはシクロアルキレンジイソシアネートである。脂肪族ジイソシアネートは、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートまたはメチレンビス(4-イソシアナトシクロヘキサン)であってもよく、最も好ましくはヘキサメチレン1,6-ジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートである。
【0023】
好ましくは、2つ以上の官能基を有するイソシアヌレートは、2~20個の炭素原子、好ましくは3~12個の炭素原子を有するアルキレンジイソシアネートまたはシクロアルキレンジイソシアネートに由来する脂肪族イソシアヌレート、例えば、イソホロンジイソシアネートまたはメチレンビス(4-イソシアナトシクロヘキサン)である。アルキレンジイソシアネートは、直鎖状または分岐状の化合物であってもよい。特にヘキサメチレン1,6-ジイソシアナートなどのn-ヘキサメチレンジイソシアナートの環状三量体、五量体またはそれ以上のオリゴマーに基づくイソシアヌラートが好ましい。
【0024】
好ましくは、2つ以上の官能基を有する過酸化物は、好ましくは、過酸化ベンゾイル、1,1-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(tert-ブチルペルオキシ)メチルシクロドデカン、4,4-ジ(ブチルペルオキシ)ペンタン酸n-ブチル、過酸化ジクミル、ペルオキシ安息香酸tert-ブチル、過酸化ジブチル、α,α-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサ-3-イン、またはtert-ブチルクメンペルオキシドである。
【0025】
好ましくは、2つ以上の官能基を有するエポキシドは、好ましくは、ハイドロキノン、ジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル、フタル酸ジメチルジグリシジル、フェニレンジグリシジルエーテル、エチレンジグリシジルエーテル、トリメチレンジグリシジルエーテル、テトラメチレンジグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルまたはポリ1,4-ブチレングリコールジグリシジルエーテルである。
【0026】
2つ以上の官能基を有するエポキシドはまた、好ましくはスチレン、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをベースとし、かつエポキシ基を含むコポリマーであり、エポキシ基は好ましくはメタクリル酸グリシジルである。有利であることが判明した化合物は、コポリマー中のメタクリル酸グリシジルの割合が20重量%を超え、より好ましくは30重量%を超え、さらに好ましくは50重量%を超えるコポリマーである。これらのコポリマー中のエポキシ当量重量は、好ましくは150~3000g/当量であり、より好ましくは200~500g/当量である。コポリマーの重量平均分子量Mwは、好ましくは2000~25000であり、より好ましくは3000~8000である。コポリマーの数平均分子量Mnは、好ましくは400~6000であり、より好ましくは1000~4000である。多分散性指数(Q=Mw/Mn)は、好ましくは1.5~5である。
【0027】
2つ以上の官能基を有するオキサゾリンおよびオキサジンは、好ましくはジオキサゾリンまたはジオキサジンであり、その架橋部分は単結合、(CH2)z-アルキレン(ここでz=2、3または4である)、例えばメチレン、エト-1,2-ジイル、プロパ-1,3-ジイルもしくはプロパ-1,2-ジイル、またはフェニレンである。具体的には、ジオキサゾリンは、2,2’-ビス(2-オキサゾリン)、ビス(2-オキサゾリニル)メタン、1,2-ビス(2-オキサゾリニル)エタン、1,3-ビス(2-オキサゾリニル)プロパンまたは1,4-ビス(2-オキサゾリニル)ブタン、2,2’-ビス(2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4,4′-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-エチル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4,4’-ジエチル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-プロピル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-ブチル-2-オキサゾリン)、2,2′-ビス(4-ヘキシル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-フェニル-2-オキサゾリン)、2,2′-ビス(4-シクロヘキシル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-フェニルメチル-2-オキサゾリン)、2,2’-p-フェニレンビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-p-フェニレンビス(4,4’-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2’-m-フェニレンビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-m-フェニレンビス(4,4’-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2’-ヘキサメチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-オクタメチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-デカメチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-エチレンビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-テトラメチレンビス(4,4′-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2’-9,9’-ジフェノキシエタンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-シクロヘキシレンビス(2-オキサゾリン)または2,2’-ジフェニレン(2-オキサゾリン)である。
【0028】
より好ましくは、1,4-ビス(2-オキサゾリニル)ベンゼン、1,2-ビス(2-オキサゾリニル)ベンゼン、または1,3-ビス(2-オキサゾリニル)ベンゼンである。
具体的には、ジオキサジンは、2,2′-ビス(2-ジオキサジン)、ビス(2-ジオキサジニル)メタン、1,2-ビス(2-ジオキサジニル)エタン、1,3-ビス(2-ジオキサジニル)プロパン、1,4-ビス(2-ジオキサジニル)ブタン、1,4-ビス(2-ジオキサジニル)ベンゼン、1,2-ビス(2-ジオキサジニル)ベンゼンまたは1,3-ビス(2-ジオキサジニル)ベンゼンである。
【0029】
2つ以上の官能基を有するカルボジイミドまたはポリカルボジイミドは、好ましくは、N,N′-ジ-2,6-ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-o-トリルカルボジイミド、N,N′-ジフェニルカルボジイミド、N,N′-ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N′-ジ-2,6-ジメチルフェニルカルボジイミド、N-トリル-N′-シクロヘキシルカルボジイミド、N,N′-ジ-2,6-ジ-tert-ブチルフェニルカルボジイミド、N-トリル-N′-フェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-p-ニトロフェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-p-アミノフェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-p-ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N′-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N′-ジ-p-トリルカルボジイミド、p-フェニレンビスジ-o-トリルカルボジイミド、p-フェニレンビスジシクロヘキシルカルボジイミド、ヘキサメチレンビスジシクロヘキシルカルボジイミド、4,4′-ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、エチレンビスジフェニルカルボジイミド、N,N′-ベンジル-カルボジイミド、N-オクタデシル-N′-フェニルカルボジイミド、N-ベンジル-N′-フェニルカルボジイミド、N-オクタデシル-N′-トリルカルボジイミド、N-シクロヘキシル-N′-トリルカルボジイミド、N-フェニル-N′-トリルカルボジイミド、N-ベンジル-N′-トリルカルボジイミド、N,N′-ジ-o-エチルフェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-p-エチルフェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-o-イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-p-イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-o-イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-p-イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-2,6-ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-2-エチル-6-イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-2-イソブチル-6-イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-2,4,6-トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-2,4,6-トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′-ジ-2,4,6-トリイソブチルフェニルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、tert-ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジ-β-ナフチルカルボジイミドまたはジ-tert-ブチルカルボジイミドである。
【0030】
好ましくは、第4成分Dの含有量は、第1成分Aの総モル量を基準として0.01~5モル%である。
【0031】
好ましくは、GB/T 17931-1999標準に従って、重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した半芳香族ポリエステルの粘度数は150~350ml/gである。
【0032】
好ましくは、半芳香族ポリエステルのカルボキシル基含有量は5~50mmol/kg、好ましくは10~30mmol/kgである。
【0033】
本発明はまた、上記の半芳香族ポリエステルの調製方法を提供し、この調製方法は、
比率に従って第1成分A中のa1と第2成分Bをスラリー調合釜に加え、調合したスラリーを第1エステル化反応器に輸送し、還流した第2成分Bと触媒を別経路から第1エステル化反応器に加え、150~200℃、30~110kPaで2~4時間エステル化反応を行ってエステル化生成物Ba1を得て、そして、比率に従って第1成分A中のa2と第2成分Bをスラリー調合釜に加え、調合したスラリーを第2エステル化反応器に輸送し、還流した第2成分Bと触媒を別経路から第2エステル化反応器に加え、200~250℃、30~110kPaで2~4時間エステル化反応を行ってエステル化生成物Ba2を得る工程S1と、
反応温度170~220℃、圧力1~10kPaで工程S1のエステル化生成物Ba1に対して一次重縮合反応を行い、そして、反応温度230~270℃、圧力1~10kPaで工程S1のエステル化生成物Ba2に対して一次重縮合反応を行い、それぞれの反応生成物が、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数15~60ml/gに達するまで、両者に対してそれぞれ独立して一次重縮合反応を行って、それぞれ一次重縮合反応の生成物Pre-Ba1とPre-Ba2を得る工程S2と、
工程S2で得られた一次重縮合反応の生成物Pre-Ba1を反応温度180~230℃、圧力10~500Paの第1最終重合釜に移し、そして、工程S2で得られた一次重縮合反応の生成物Pre-Ba2を反応温度220~270℃、圧力10~500Paの第2最終重合釜に移し、反応生成物が、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数50~180ml/gに達するまで、両者に対してそれぞれ独立して重縮合反応を行って、それぞれ最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2を得る工程S3と、
工程S3で得られた最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2をミキサーで混合して反応させ、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数150~300ml/gに達した半芳香族ポリエステルを得る工程S4とを含む。
【0034】
本発明のプロセスに記載の圧力はすべて絶対圧力(絶対圧)である。
【0035】
好ましくは、S1において、Ba2エステル化生成物を調製するとき、最終的な半芳香族ポリエステルの重量の0.001~1%の触媒を加える。好ましくは、触媒の添加量は、最終的な半芳香族ポリエステルの重量の0.02~0.2%である。触媒の添加量を制御することで、後続の加工プロセスをより安定させることができる。さらに、触媒は、スズ化合物、アンチモン化合物、コバルト化合物、鉛化合物、亜鉛化合物、アルミニウム化合物またはチタン化合物であってもよく、より好ましくは亜鉛化合物、アルミニウム化合物またはチタン化合物であり、最も好ましくはチタン化合物である。オルトチタン酸テトラブチルまたはオルトチタン酸テトライソプロピルなどのチタン化合物が他の化合物に勝る利点は、製品または下流の製品に残留する残留量の毒性が低いことである。生分解性ポリエステルは堆肥袋または被覆フィルムの形で直接環境中に入るため、この特性は生分解性ポリエステルにおいて特に重要である。
【0036】
S1において、第2成分Bの総モル量は通常、第1成分Aの1.1~3.0倍であり、過剰の第2成分Bは、エステル化反応器に接続された精製装置(通常、蒸留塔)を通じて回収され、エステル化反応器に入る。回収された第2成分Bの量は、通常、新鮮な第2成分Bの量の20~50重量%である。
【0037】
S2において、Pre-Ba1プレポリマーを調製するとき、反応温度は、より好ましくは180~200℃であり、反応圧力は、より好ましくは2~5kPaである。
【0038】
S2において、Pre-Ba2プレポリマーを調製するとき、必要に応じて、S1での残りの触媒を工程S2で加えることができる。反応温度は、より好ましくは240~260℃であり、反応圧力は、より好ましくは2~5kPaである。
【0039】
S2において、Pre-Ba1とPre-Ba2をそれぞれ調製するとき、一般的な反応時間は2~5時間であり、通常の状況では、この反応時間の後、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数15~60ml/gの一次重縮合反応生成物Pre-Ba1およびPre-Ba2を生成することができる。S2反応後の一次重縮合反応生成物であるPre-Ba1およびPre-Ba2のカルボキシル基含有量は、通常10~60mmol/kgである。
【0040】
S3の重縮合反応工程において、必要に応じて、プレポリエステルに不動態化剤を混合することができる。使用可能な不動態化剤は通常、リン酸、亜リン酸およびそれらのエステルを含むリン化合物である。最終ポリエステルの重量を基準として、不動態化剤の用量は通常0.001~0.1重量%、好ましくは0.01~0.05重量%である。
【0041】
S3において、Poly-Ba1ポリエステルを調製するとき、反応温度は、より好ましくは190~220℃であり、反応圧力は、より好ましくは50~200Paである。
【0042】
S3において、Poly-Ba2ポリエステルを調製するとき、反応温度は、より好ましくは240~260℃であり、反応圧力は、より好ましくは20~100Paである。
【0043】
S3において、重縮合の反応時間は好ましくは1~5時間、より好ましくは2~4時間である。生成されたPoly-Ba1とPoly-Ba1ポリエステルは、GB/T 17931-1999標準に従って、重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数が50~180ml/gである。また、S3反応後のPoly-Ba1およびPoly-Ba1ポリエステルのカルボキシル基含有量は通常、5~60mmol/kgであり、より好ましくは10~30mmol/kgである。
【0044】
S4において、Poly-Ba1とPoly-Ba2の混合はミキサーで行われ、ミキサーは、原料注入システム、温度調整システム、高せん断均質化ポンプおよびホモジナイザーを含み、ミキサーの温度範囲は、200℃~280℃、好ましくは240℃~260℃であり、ミキサー内でのPoly-Ba1およびPoly-Ba2の滞留時間は1~4時間、好ましくは1.5~2時間である。ミキサーを通過した後、得られた反応生成物は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数150~300ml/gに達する。
【0045】
好ましくは、必要に応じて調製方法は、S5をさらに含み、S5におて、工程S4で得られた半芳香族ポリエステルを第4成分Dに加え、反応温度200~270℃で鎖延長反応を行い、反応滞留時間は0.5~15分、好ましくは2~5分であり、反応生成物が、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数150~350ml/gに達すると完了する。
【0046】
本発明はまた、堆肥化可能な分解性製品の製造における上記の半芳香族ポリエステルの応用を提供し、堆肥化可能な分解性製品は繊維、フィルムまたは容器などであってもよい。
【0047】
本発明はまた、半芳香族ポリエステル成形用組成物を提供し、これは、重量百分率で、
5~95重量%の上記の半芳香族ポリエステルと、
5~95重量%の添加剤および/または他のポリマーと、
0~70重量%の強化材および/または充填剤とを含む。
【0048】
具体的な選択として、添加剤および/または他のポリマーは、脂肪族ポリエステル、ポリカプロラクトン、デンプン、セルロース、ポリヒドロキシアルカノエートおよびポリ乳酸から選択される少なくとも1種または複数種の成分であってもよい。
【0049】
従来技術と比較して、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0050】
本発明は半芳香族ポリエステルを提供し、半芳香族ポリエステル中の水酸基含有量を制御し、特に半芳香族ポリエステル中の脂肪族ジカルボン酸に結合した水酸基の含有量を17~40mmol/kgに制御し、半芳香族ポリエステル中の芳香族ジカルボン酸に結合した水酸基の含有量を17~40mmol/kgに制御し、かつ水酸基の総含有量を35~80mmol/kgに制御することにより、半芳香族ポリエステルとポリ乳酸などの材料との適合性を著しく向上させることができ、これによって高強度および耐引裂性のフィルム材料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】テレフタル酸、アジピン酸、および1,4-ブタンジオールの反応で得られたPBATをBruker社製AV 500核磁気共鳴分光計で測定して得られた1H NMRである。
【
図2】PBAT中のアジピン酸に結合した水酸基とテレフタル酸に結合した水酸基のCH2に対応するピークである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
特に断りのない限り、本発明で使用した原料、試薬、および溶媒は、何の処理もせずに商業的に購入されたものである。以下、実施例と合わせて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の実施形態は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の精神的本質および原理から逸脱しない他のいかなる変更、修正、置換、組み合わせ、および簡略化は、いずれも等価な置換形態であるべきであり、すべて本発明の保護範囲内に含まれる。なお、本明細書中における「部」および「%」は、特に断りのない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を意味する。
【0053】
性能試験方法:
半芳香族ポリエステル中の水酸基含有量試験(実施例1で得られたポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)を例とする):
半芳香族ポリエステルサンプル20mgを重水素化クロロホルム0.6mlに溶解し、Bruker社製AV 500核磁気共鳴分光計を使用して室温で1 H NMRを測定し、クロロホルム溶媒のピークを7.26ppmに標定した。
【0054】
文献(Chen,X.;Chen,W.;Zhu,G.;Huang,F.;Zhang,J.,Synthesis,1H-NMR characterization,and biodegradation behavior of aliphatic-aromatic random copolyester.J.Appl.Polym.Sci.2007,104(4):2643-2649.)を参照すると、テレフタル酸繰り返し単位中のベンゼン環の4つの水素原子は8.10ppm付近に現れ、アジピン酸繰り返し単位中のカルボニル基に隣接する2つのCH
2単位の4つの水素原子は2.33ppm付近に現れることがわかる。これは
図1に示すとおりである。このように、二酸成分のモル含有量は、8.10ppmと2.33ppmの2つのピークの積分面積(ITとIA)で表すことができる。
PBAT中のテレフタル酸モル含有量=IT/(IT+IA)×100%
PBAT中のアジピン酸モル含有量=IA/(IT+IA)×100%
【0055】
文献(Herrera,R.;Franco,L.;Rodriguez-Galan,A.;Puiggali,J.,Characterization and degradation behavior of poly(butylene adipate-co-terephthalate)s.J.Polym.Sci.,Part A:Polym.Chem.2002,40(23):4141-4157)を参照すると、アジピン酸に結合した水酸基に隣接するCH2は3.68ppm付近に現れ、テレフタル酸に結合した水酸基に隣接するCH2は3.74ppm付近に現れることがわかる。
【0056】
【0057】
半芳香族ポリエステルPBAT中の脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸)に結合した水酸基の含有量XA(単位mmol/kg)は以下であり、
【数1】
半芳香族ポリエステルPBAT中の芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸)に結合した水酸基の含有量XT(単位mmol/kg)は以下であり、
【数2】
水酸基総含有量Xは以下であり、
X=XA+XT
式中、
I1は、テレフタル酸に結合した水酸基に隣接するCH
2上の2つの水素原子ピークの積分面積であり、
I2は、アジピン酸に結合した水酸基に隣接するCH
2上の2つの水素原子ピークの積分面積であり、
ITはテレフタル酸繰り返し単位中のベンゼン環上の4つの水素原子の積分面積であり、
ITはアジピン酸繰り返し単位中のカルボニル基に結合した2つの-CH
2-上の4つの水素原子の積分面積であり、
Mは半芳香族ポリエステルPBATの繰り返し単位の平均分子量であり、実施例1では、テレフタル酸とアジピン酸のモル比が0.468:0.532であるため、繰り返し単位の平均分子量MはM=0.468*MPBT+0.532*MPBAである。ここで、MPBTは、PBT繰り返し単位分子量220g/molであり、MPBAは、PBA繰り返し単位分子量200g/molであり、実施例1における半芳香族ポリエステルPBAT繰り返し単位の平均分子量M=209g/molである。
【0058】
半芳香族ポリエステルの粘度数:
GB/T 17931-1999標準に従って、重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定したサンプル濃度は5mg/mlであった。
【0059】
カルボキシル基含有量:
まず、1998年10月のDIN EN 12634に従って酸価AN(mg KOH/g)を決定し、次にカルボキシル基含有量(mmol/kg)=(AN/56)×103を決定した。使用した溶媒混合物は、1体積部のDMSO、8体積部のイソプロピルアルコール、および7体積部のトルエンを含み、溶媒体積は100mlであった。半芳香族ポリエステル3~6gを取り、70℃に加熱してすべてのポリマーを溶解して澄んだ溶液にし、滴定プロセスでポリマーの析出を避けるために溶液温度を60~70℃に保った。毒性の高い水酸化テトラメチルアンモニウムの使用を避けるために、水酸化テトラブチルアンモニウムを滴定液とした。同時に、混合溶媒が空気中のCO2を吸収し、ブランク溶媒が消費する滴定液の量に影響を与えるのを防ぐために、ブランク溶媒が消費する滴定液の量を試験するとき、ブランク溶媒を70℃に加熱した後、恒温で0.5時間保持し、加熱後のブランク溶媒がさらに空気中のCO2を吸収することを防止するために、その後すぐにアルカリ液を使用してブランク溶媒の滴定を行った。
【0060】
引裂強度:
得られたポリエステル組成物をダブルエアリング式フィルムブロー機で吹き込み、フィルム厚さを20μmとし、内側エアリングと外側エアリングの風量を1:1~1:3の間に制御し、ブローアップ比を2.5~4.0とした。
【0061】
GB/T 1040.3-2006のプラスチック引張特性測定の第3部分:フィルムおよびシートの試験条件に従って、横方向の引張強度と縦方向の引張強度をそれぞれ測定した。
【0062】
GB/T 16578.2-2009のプラスチックフィルムおよびシートの耐引裂性測定の第2部分:エルメンドルフ法に従って、横方向の引裂強度と縦方向の引裂強度をそれぞれ測定した。
【0063】
実施例1:
S1.アジピン酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール328kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第1エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を109kg/hとし、同時にグリセリン0.49kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.179kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を190℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba1を得た。
【0064】
テレフタル酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール289kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第2エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を96kg/hとし、同時にグリセリン0.43kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.331kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を240℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba2を得た。
【0065】
S2.エステル化生成物Ba1を第1予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.077kg/hおよびリン酸トリフェニル0.198kg/hを加え、温度を200℃、反応釜の圧力を4kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数45ml/gに達した。
【0066】
エステル化生成物Ba2を第2予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.142kg/hおよびリン酸トリフェニル0.356kg/hを加え、温度を250℃、反応釜の圧力を2kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数35ml/gに達した。
【0067】
S3.プレポリマーPre-Ba1をメルトポンプを通して第1最終重合釜に供給し、第1最終重合釜の温度を220℃、圧力を120Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数146ml/gに達した。
【0068】
プレポリマーPre-Ba2をメルトポンプを通して第2最終重合釜に供給し、第2最終重合釜の温度を250℃、圧力を20Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数135ml/gに達した。
【0069】
S4.2つの最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2をミキサーに連続的に供給し、ミキサーの温度を250℃、滞留時間を1.5時間とした。次に、得られたポリエステルを二軸スクリュー押出機に導入し、同時にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)4.2kg/hを計量して加え、温度を250℃に設定した。3分間の滞留時間の後、水中造粒機を使用して上記ポリエステルを造粒し、次いで乾燥させて最終ポリエステル生成物を得た。
【0070】
実施例2:
S1.セバシン酸491kg/hおよび1,4-ブタンジオール328kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第1エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を109kg/hとし、同時にグリセリン0.49kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.179kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を190℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba1を得た。
【0071】
テレフタル酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール289kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第2エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を96kg/hとし、同時にグリセリン0.43kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.331kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を240℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba2を得た。
【0072】
S2.エステル化生成物Ba1を第1予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.077kg/hおよびリン酸トリフェニル0.198kg/hを加え、温度を200℃、反応釜の圧力を4kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数46ml/gに達した。
【0073】
エステル化生成物Ba2を第2予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.142kg/hおよびリン酸トリフェニル0.356kg/hを加え、温度を250℃、反応釜の圧力を2kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数37ml/gに達した。
【0074】
S3.プレポリマーPre-Ba1をメルトポンプを通して第1最終重合釜に供給し、第1最終重合釜の温度を220℃、圧力を120Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数151ml/gに達した。
【0075】
プレポリマーPre-Ba2をメルトポンプを通して第2最終重合釜に供給し、最終重合反応釜の温度を250℃、圧力を20Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数132ml/gに達した。
【0076】
S4.2つの最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2をミキサーに連続的に供給し、ミキサーの温度を250℃、滞留時間を1.5時間とした。次に、得られたポリエステルを二軸スクリュー押出機に導入し、同時にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)4.2kg/hを計量して加え、温度を250℃に設定した。3分間の滞留時間の後、水中造粒機を使用して上記ポリエステルを造粒し、次いで乾燥させて最終ポリエステル生成物を得た。
【0077】
実施例3:
S1.アジピン酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール328kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第1エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を109kg/hとし、同時にチタン酸n-ブチル0.179kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を190℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba1を得た。
【0078】
テレフタル酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール289kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第2エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を96kg/hとし、同時にチタン酸n-ブチル0.331kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を240℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba2を得た。
【0079】
S2.エステル化生成物Ba1を第1予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.077kg/hおよびリン酸トリフェニル0.198kg/hを加え、温度を200℃、反応釜の圧力を4kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数33ml/gに達した。
【0080】
エステル化生成物Ba2を第2予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.142kg/hおよびリン酸トリフェニル0.356kg/hを加え、温度を250℃、反応釜の圧力を2kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数27ml/gに達した。
【0081】
S3.プレポリマーPre-Ba1をメルトポンプを通して第1最終重合釜に供給し、第1最終重合釜の温度を220℃、圧力を120Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数134ml/gに達した。
【0082】
プレポリマーPre-Ba2をメルトポンプを通して第2最終重合釜に供給し、第2最終重合釜の温度を250℃、圧力を20Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数128ml/gに達した。
【0083】
S4.2つの最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2をミキサーに連続的に供給し、ミキサーの温度を250℃、滞留時間を1.5時間とした。次に、得られたポリエステルを二軸スクリュー押出機に導入し、同時にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)4.2kg/hを計量して加え、温度を250℃に設定した。3分間の滞留時間の後、水中造粒機を使用して上記ポリエステルを造粒し、次いで乾燥させて最終ポリエステル生成物を得た。
【0084】
実施例4:
S1.アジピン酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール328kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第1エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を109kg/hとし、同時にグリセリン0.49kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.179kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を190℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba1を得た。
【0085】
テレフタル酸500kg/hおよび1,4-ブタンジオール407kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第2エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を136kg/hとし、同時にグリセリン0.61kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.466kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を240℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba2を得た。
【0086】
S2.エステル化生成物Ba1を第1予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.077kg/hおよびリン酸トリフェニル0.198kg/hを加え、温度を200℃、反応釜の圧力を4kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数44ml/gに達した。
【0087】
エステル化生成物Ba2を第2予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.200kg/hおよびリン酸トリフェニル0.501kg/hを加え、温度を250℃、反応釜の圧力を2kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数29ml/gに達した。
【0088】
S3.プレポリマーPre-Ba1をメルトポンプを通して第1最終重合釜に供給し、第1最終重合釜の温度を220℃、圧力を120Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数142ml/gに達した。
【0089】
プレポリマーPre-Ba2をメルトポンプを通して第2最終重合釜に供給し、第2最終重合釜の温度を250℃、圧力を20Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数133ml/gに達した。
【0090】
S4.2つの最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2をミキサーに連続的に供給し、ミキサーの温度を250℃、滞留時間を1.5時間とした。次に、得られたポリエステルを二軸スクリュー押出機に導入し、同時にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)5.03kg/hを計量して加え、温度を250℃に設定した。3分間の滞留時間の後、水中造粒機を使用して上記ポリエステルを造粒し、次いで乾燥させて最終ポリエステル生成物を得た。
【0091】
実施例5:
S1.アジピン酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール328kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第1エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を109kg/hとし、同時にグリセリン0.49kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.179kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を190℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba1を得た。
【0092】
テレフタル酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール289kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第2エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を96kg/hとし、同時にグリセリン0.43kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.331kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を240℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba2を得た。
【0093】
S2.エステル化生成物Ba1を第1予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.077kg/hおよびリン酸トリフェニル0.198kg/hを加え、温度を200℃、反応釜の圧力を8kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数31ml/gに達した。
【0094】
エステル化生成物Ba2を第2予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.142kg/hおよびリン酸トリフェニル0.356kg/hを加え、温度を250℃、反応釜の圧力を8kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数21ml/gに達した。
【0095】
S3.プレポリマーPre-Ba1をメルトポンプを通して第1最終重合釜に供給し、第1最終重合釜の温度を220℃、圧力を300Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数116ml/gに達した。
【0096】
プレポリマーPre-Ba2をメルトポンプを通して第2最終重合釜に供給し、第2最終重合釜の温度を250℃、圧力を200Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数105ml/gに達した。
【0097】
S4.2つの最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2をミキサーに連続的に供給し、ミキサーの温度を250℃、滞留時間を1.5時間とした。次に、得られたポリエステルを二軸スクリュー押出機に導入し、同時にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)4.2kg/hを計量して加え、温度を250℃に設定した。3分間の滞留時間の後、水中造粒機を使用して上記ポリエステルを造粒し、次いで乾燥させて最終ポリエステル生成物を得た。
【0098】
実施例6:
S1.アジピン酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール219kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第1エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を66kg/hとし、同時にグリセリン0.49kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.179kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を190℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba1を得た。
【0099】
テレフタル酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール193kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第2エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を58kg/hとし、同時にグリセリン0.43kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.331kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を240℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba2を得た。
【0100】
S2.エステル化生成物Ba1を第1予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.077kg/hおよびリン酸トリフェニル0.198kg/hを加え、温度を200℃、反応釜の圧力を4kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数28ml/gに達した。
【0101】
エステル化生成物Ba2を第2予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.142kg/hおよびリン酸トリフェニル0.356kg/hを加え、温度を250℃、反応釜の圧力を2kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数21ml/gに達した。
【0102】
S3.プレポリマーPre-Ba1をメルトポンプを通して第1最終重合釜に供給し、第1最終重合釜の温度を220℃、圧力を120Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数96ml/gに達した。
【0103】
プレポリマーPre-Ba2をメルトポンプを通して第2最終重合釜に供給し、第2最終重合釜の温度を250℃、圧力を20Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数83ml/gに達した。
【0104】
S4.2つの最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2をミキサーに連続的に供給し、ミキサーの温度を250℃、滞留時間を1.5時間とした。次に、得られたポリエステルを二軸スクリュー押出機に導入し、同時にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)4.2kg/hを計量して加え、温度を250℃に設定した。3分間の滞留時間の後、水中造粒機を使用して上記ポリエステルを造粒し、次いで乾燥させて最終ポリエステル生成物を得た。
【0105】
実施例7:
S1.アジピン酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール328kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第1エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を109kg/hとし、同時にグリセリン0.49kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.179kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を190℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba1を得た。
【0106】
テレフタル酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール289kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第2エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を96kg/hとし、同時にグリセリン0.43kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.331kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を240℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba2を得た。
【0107】
S2.エステル化生成物Ba1を第1予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.077kg/hおよびリン酸トリフェニル0.198kg/hを加え、温度を200℃、反応釜の圧力を4kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数43ml/gに達した。
【0108】
エステル化生成物Ba2を第2予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.142kg/hおよびリン酸トリフェニル0.356kg/hを加え、温度を250℃、反応釜の圧力を2kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数37ml/gに達した。
【0109】
S3.プレポリマーPre-Ba1をメルトポンプを通して第1最終重合釜に供給し、第1最終重合釜の温度を220℃、圧力を120Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数136ml/gに達した。
【0110】
プレポリマーPre-Ba2をメルトポンプを通して第2最終重合釜に供給し、第2最終重合釜の温度を250℃、圧力を20Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数129ml/gに達した。
【0111】
S4.2つの最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2をミキサーに連続的に供給し、ミキサーの温度を250℃、滞留時間を2時間とした。次に、得られたポリエステルを二軸スクリュー押出機に導入し、水中造粒機を使用して上記ポリエステルを造粒し、次いで乾燥させて最終ポリエステル生成物を得た。
【0112】
実施例8:
S1.アジピン酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール328kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第1エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を109kg/hとし、同時にグリセリン0.49kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.179kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を190℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba1を得た。
【0113】
テレフタル酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール289kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第2エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を96kg/hとし、同時にグリセリン0.43kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.331kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を240℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba2を得た。
【0114】
S2.エステル化生成物Ba1を第1予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.077kg/hおよびリン酸トリフェニル0.198kg/hを加え、温度を200℃、反応釜の圧力を2kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数51ml/gに達した。
【0115】
エステル化生成物Ba2を第2予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.142kg/hおよびリン酸トリフェニル0.356kg/hを加え、温度を250℃、反応釜の圧力を1kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数43ml/gに達した。
【0116】
S3.プレポリマーPre-Ba1をメルトポンプを通して第1最終重合釜に供給し、第1最終重合釜の温度を220℃、圧力を80Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数163ml/gに達した。
【0117】
プレポリマーPre-Ba2をメルトポンプを通して第2最終重合釜に供給し、第2最終重合釜の温度を250℃、圧力を10Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数147ml/gに達した。
【0118】
S4.2つの最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2をミキサーに連続的に供給し、ミキサーの温度を250℃、滞留時間を1.5時間とした。次に、得られたポリエステルを二軸スクリュー押出機に導入し、同時にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)4.2kg/hを計量して加え、温度を250℃に設定した。3分間の滞留時間の後、水中造粒機を使用して上記ポリエステルを造粒し、次いで乾燥させて最終ポリエステル生成物を得た。
【0119】
実施例9:
S1.アジピン酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール328kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第1エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を109kg/hとし、同時にグリセリン0.49kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.179kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を190℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba1を得た。
【0120】
テレフタル酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール289kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第2エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を96kg/hとし、同時にグリセリン0.43kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.331kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を240℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba2を得た。
【0121】
S2.エステル化生成物Ba1を第1予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.077kg/hおよびリン酸トリフェニル0.198kg/hを加え、温度を200℃、反応釜の圧力を4kPa、滞留時間を2~2.5時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数29ml/gに達した。
【0122】
エステル化生成物Ba2を第2予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.142kg/hおよびリン酸トリフェニル0.356kg/hを加え、温度を250℃、反応釜の圧力を2kPa、滞留時間を2~2.5時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数18ml/gに達した。
【0123】
S3.プレポリマーPre-Ba1をメルトポンプを通して第1最終重合釜に供給し、第1最終重合釜の温度を220℃、圧力を120Pa、反応時間を2~3時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数106ml/gに達した。
【0124】
プレポリマーPre-Ba2をメルトポンプを通して第2最終重合釜に供給し、第2最終重合釜の温度を250℃、圧力を20Pa、反応時間を2~3時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数95ml/gに達した。
【0125】
S4.2つの最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2をミキサーに連続的に供給し、ミキサーの温度を250℃、滞留時間を1時間とした。次に、得られたポリエステルを二軸スクリュー押出機に導入し、同時にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)4.2kg/hを計量して加え、温度を250℃に設定した。3分間の滞留時間の後、水中造粒機を使用して上記ポリエステルを造粒し、次いで乾燥させて最終ポリエステル生成物を得た。
【0126】
比較例1:
S1.テレフタル酸355kg/h、アジピン酸355kg/h、1,4-ブタンジオール617kg/h、グリセリン0.92kg/h、およびオルソチタン酸テトラブチル0.51kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーをエステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を206kg/hとし、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を240℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物BAを得た。
【0127】
S2.エステル化生成物BAを重力により予備重縮合反応釜に導入し、同時にチタン酸n-ブチル0.22kg/hおよびリン酸トリフェニル0.55kg/hを加え、温度を250℃、反応釜の圧力を2kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-BAは、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数35ml/gに達した。
【0128】
S3.プレポリマーPre-BAをメルトポンプを通してディスク型反応器(すなわち、最終重合反応釜)に供給し、最終重合反応釜の温度を250℃、圧力を20Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Poly-BAは、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数133ml/gに達した。
【0129】
S4.得られたポリエステルを二軸スクリュー押出機に導入し、同時にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)4.2kg/hを計量して加え、温度を250℃に設定した。3分間の滞留時間の後、水中造粒機を使用して上記ポリエステルを造粒し、次いで乾燥させて最終ポリエステル生成物を得た。
【0130】
比較例2:
S1.アジピン酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール153kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第1エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を66kg/hとし、同時にグリセリン0.49kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.179kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を190℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba1を得た。
【0131】
テレフタル酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール135kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第2エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を58kg/hとし、同時にグリセリン0.43kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.331kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を240℃、滞留時間を2~4時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba2を得た。
【0132】
S2.エステル化生成物Ba1を第1予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.077kg/hおよびリン酸トリフェニル0.198kg/hを加え、温度を200℃、反応釜の圧力を4kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数15ml/gに達した。
【0133】
エステル化生成物Ba2を第2予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.142kg/hおよびリン酸トリフェニル0.356kg/hを加え、温度を250℃、反応釜の圧力を2kPa、滞留時間を2~3時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数10ml/gに達した。
【0134】
S3.プレポリマーPre-Ba1をメルトポンプを通して第1最終重合釜に供給し、第1最終重合釜の温度を220℃、圧力を120Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数83ml/gに達した。
【0135】
プレポリマーPre-Ba2をメルトポンプを通して第2最終重合釜に供給し、第2最終重合釜の温度を250℃、圧力を20Pa、反応時間を3~4時間とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数62ml/gに達した。
【0136】
S4.2つの最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2をミキサーに連続的に供給し、ミキサーの温度を250℃、滞留時間を1.5時間とした。次に、得られたポリエステルを二軸スクリュー押出機に導入し、同時にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)4.2kg/hを計量して加え、温度を250℃に設定した。3分間の滞留時間の後、水中造粒機を使用して上記ポリエステルを造粒し、次いで乾燥させて最終ポリエステル生成物を得た。
【0137】
比較例3:
S1.アジピン酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール328kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第1エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を109kg/hとし、同時にグリセリン0.49kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.179kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を190℃、滞留時間を2~3時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba1を得た。
【0138】
テレフタル酸355kg/hおよび1,4-ブタンジオール289kg/hをスラリー調合釜に連続的に加え、調合したスラリーを第2エステル化反応器に連続的に供給し、プロセス塔底部からの別経路の1,4-ブタンジオールの流量を96kg/hとし、同時にグリセリン0.43kg/hおよびチタン酸n-ブチル0.331kg/hを加え、反応器の圧力を40kPa(絶対圧)、温度を240℃、滞留時間を2~3時間に制御し、反応により生成した水、テトラヒドロフラン、およびブタンジオールを除去してエステル化生成物Ba2を得た。
【0139】
S2.エステル化生成物Ba1を第1予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.077kg/hおよびリン酸トリフェニル0.198kg/hを加え、温度を200℃、反応釜の圧力を4kPa、滞留時間を1~2時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数25ml/gに達した。
【0140】
エステル化生成物Ba2を第2予備重縮合反応釜に移し、同時にチタン酸n-ブチル0.142kg/hおよびリン酸トリフェニル0.356kg/hを加え、温度を250℃、反応釜の圧力を2kPa、滞留時間を1~2時間とし、過剰のブタンジオールを抽出し、この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数13ml/gに達した。
【0141】
S3.プレポリマーPre-Ba1をメルトポンプを通して第1最終重合釜に供給し、第1最終重合釜の温度を220℃、圧力を120Pa、反応時間を30~60分とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba1は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数95ml/gに達した。
【0142】
プレポリマーPre-Ba2をメルトポンプを通して第2最終重合釜に供給し、第2最終重合釜の温度を250℃、圧力を20Pa、反応時間を30~60分とした。この時点で、反応生成物Pre-Ba2は、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数76ml/gに達した。
【0143】
S4.2つの最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2をミキサーに連続的に供給し、ミキサーの温度を250℃、滞留時間を30~60分とした。次に、得られたポリエステルを二軸スクリュー押出機に導入し、同時にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)4.2kg/hを計量して加え、温度を250℃に設定した。2分間の滞留時間の後、水中造粒機を使用して上記ポリエステルを造粒し、次いで乾燥させて最終ポリエステル生成物を得た。
【表1】
【0144】
以上の結果からわかるように、比較例1では、全プロセスにおいて混合エステル化工程を使用し、重合温度が比較的高いため、半芳香族ポリエステル中の脂肪族ポリエステルに由来する部分が熱劣化しやすく、副反応が比較的多く、カルボキシル基や他のいくつかの非ヒドロキシルカルボキシル基の末端(二重結合など)が生成され、得られた半芳香族ポリエステル中の水酸基含有量が比較的低い。
【0145】
比較例2では、アルコール対酸の比がわずか1.0であるため、予備重合および重縮合生成物の粘度数が非常に低く、鎖延長が困難であり、また、得られた半芳香族ポリエステルの水酸基が非常に少なく、カルボキシル基が非常に多く、粘度数が低い。
【0146】
比較例3では、重合工程の反応時間が短いため、半芳香族ポリエステル中の水酸基含有量が高く、粘度数が低く、反応時間が短いため、熱劣化が少なく、カルボキシル基含有量が低い。
【0147】
実施例10~18、比較例4~6:
以下の重量部で:
半芳香族ポリエステル:67
PLA:10
炭酸カルシウム:22
エポキシコポリマー:0.5
エルカ酸アミド:0.2
上記各原料を混合して二軸スクリュー押出機に投入し、170~210℃で押出し、造粒して半芳香族ポリエステル組成物を得た。
【0148】
PLAは米国のNatureworks社から購入し、番号は4060Dである。炭酸カルシウムは江蘇億豊粉体原料有限会社から購入し、番号はYF-2350である。エポキシコポリマーはBASF社から購入し、番号はJoncryl(登録商標)ADR 4370である。エルカ酸アミドは、江西威科油脂化学有限会社から購入し、番号はWK1890である。
【表2】
【0149】
上記の結果からわかるように、実施例10~18では、適切な水酸基を有するPBAT樹脂が使用され、得られた半芳香族ポリエステル組成物の引張強度は300MPa以上であり、引裂強度は1000mN以上であり、いずれも使用要件を満たすことができる。比較例4および5では、使用されたPBAT樹脂の水酸基含有量が低いため、PBATとPLAとの適合性が悪く、得られた半芳香族ポリエステル組成物の引張強度および引裂強度が大幅に低下する。比較例6では、使用されたPBAT樹脂の水酸基含有量が高すぎるため、得られた半芳香族ポリエステル組成物の引張強度および引裂強度も同様に非常に低かった。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
S3において、重縮合の反応時間は好ましくは1~5時間、より好ましくは2~4時間である。生成されたPoly-Ba1とPoly-Ba2ポリエステルは、GB/T 17931-1999標準に従って、重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数が50~180ml/gである。また、S3反応後のPoly-Ba1およびPoly-Ba2ポリエステルのカルボキシル基含有量は通常、5~60mmol/kgであり、より好ましくは10~30mmol/kgである。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1成分Aの総モル量を基準として、
a1)40~60mol%の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体と、
a2)40~60mol%の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸またはその誘導体とを含む第1成分Aと、
第2成分B:1,4-ブタンジオールとからなる繰り返し単位から誘導される半芳香族ポリエステルであって、
半芳香族ポリエステル中の脂肪族ジカルボン酸に結合した水酸基の含有量が17~40mmol/kgであり、半芳香族ポリエステル中の芳香族ジカルボン酸に結合した水酸基の含有量が17~40mmol/kgであり、また、水酸基総含有量がは35~80mmol/kgであることを特徴とする、半芳香族ポリエステル。
【請求項2】
前記成分a1)が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、ウンデカン二酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカン二酸、エイコサン二酸もしくはテトラコサン二酸、またはそれらのエステル誘導体もしくはそれらの無水物誘導体のうちの1種または複数種の混合物から選択され、好ましくはアジピン酸、セバシン酸、またはそれらのエステル誘導体もしくはそれらの無水物誘導体のうちの1種または2種であることを特徴とする、請求項1に記載の半芳香族ポリエステル。
【請求項3】
前記成分a2)が、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、またはそれらのエステル誘導体もしくはそれらの無水物誘導体のうちの1種または複数種の混合物から選択され、好ましくはテレフタル酸またはそのエステル誘導体もしくはその無水物誘導体であることを特徴とする、請求項1に記載の半芳香族ポリエステル。
【請求項4】
第1成分Aの総モル量を基準として、前記半芳香族ポリエステルはまた、0.01~5.0mol%の第3成分Cと、0.01~5.0mol%の第4成分Dとを含むことを特徴とする、請求項
1に記載の半芳香族ポリエステル。
【請求項5】
前記第3成分Cが、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ポリエーテルトリオール、グリセリン、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸無水物、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸、またはピロメリット酸二無水物のうちの1種または複数種から選択され、好ましくはトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールまたはグリセリンであることを特徴とする、請求項4に記載の半芳香族ポリエステル。
【請求項6】
前記第4成分Dが、2つ以上の官能基を含有するイソシアネート、イソシアヌレート、過酸化物、エポキシド、オキサゾリン、オキサジン、ラクタム、カルボジイミドまたはポリカルボジイミドのうちの1種または複数種から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の半芳香族ポリエステル。
【請求項7】
GB/T 17931-1999標準に従って、重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した前記半芳香族ポリエステルの粘度数が150~350ml/gであることを特徴とする、請求項
1に記載の半芳香族ポリエステル。
【請求項8】
前記半芳香族ポリエステルのカルボキシル基含有量が5~50mmol/kg、好ましくは10~30mmol/kgであることを特徴とする、請求項
1に記載の半芳香族ポリエステル。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の半芳香族ポリエステルの調製方法であって、
比率に従って第1成分A中のa1と第2成分Bをスラリー調合釜に加え、調合したスラリーを第1エステル化反応器に輸送し、還流した第2成分Bと触媒を別経路から第1エステル化反応器に加え、150~200℃、30~110kPaで2~4時間エステル化反応を行ってエステル化生成物Ba1を得て、そして、比率に従って第1成分A中のa2と第2成分Bをスラリー調合釜に加え、調合したスラリーを第2エステル化反応器に輸送し、還流した第2成分Bと触媒を別経路から第2エステル化反応器に加え、200~250℃、30~110kPaで2~4時間エステル化反応を行ってエステル化生成物Ba2を得る工程S1と、
反応温度170~220℃、圧力1~10kPaで工程S1のエステル化生成物Ba1に対して一次重縮合反応を行い、そして、反応温度230~270℃、圧力1~10kPaで工程S1のエステル化生成物Ba2に対して一次重縮合反応を行い、それぞれの反応生成物が、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数15~60ml/gに達するまで、両者に対してそれぞれ独立して一次重縮合反応を行って、それぞれ一次重縮合反応の生成物Pre-Ba1とPre-Ba2を得る工程S2と、
工程S2で得られた一次重縮合反応の生成物Pre-Ba1を反応温度180~230℃、圧力10~500Paの第1最終重合釜に移し、そして、工程S2で得られた一次重縮合反応の生成物Pre-Ba2を反応温度220~270℃、圧力10~500Paの第2最終重合釜に移し、反応生成物が、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数50~180ml/gに達するまで、両者に対してそれぞれ独立して重縮合反応を行って、それぞれ最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2を得る工程S3と、
工程S3で得られた最終重合生成物Poly-Ba1とPoly-Ba2をミキサーで混合して反応させ、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数150~300ml/gに達した半芳香族ポリエステルを得る工程S4とを含むことを特徴とする、半芳香族ポリエステルの調製方法。
【請求項10】
S5をさらに含み、S5において、工程S4で得られた半芳香族ポリエステルを第4成分Dに加え、反応温度200~270℃で鎖延長反応を行い、反応滞留時間は0.5~15分、好ましくは2~5分であり、反応生成物が、GB/T 17931-1999標準に従って重量比1:1のフェノール/o-ジクロロベンゼン溶液中、25±0.05℃の恒温水浴中で測定した粘度数150~350ml/gに達すると完了することを特徴とする、請求項9に記載の半芳香族ポリエステルの調製方法。
【請求項11】
重量百分率で、
5~95重量%の請求項1~8のいずれか一項に記載の半芳香族ポリエステルと、
5~95重量%の添加剤および/または他のポリマーと、
0~70重量%の強化材および/または充填剤とを含むことを特徴とする半芳香族ポリエステル成形用組成物。
【請求項12】
堆肥化可能な分解性製品の製造における請求項1~8のいずれか一項に記載の半芳香族ポリエステルの応用であって、前記堆肥化可能な分解性製品が繊維、フィルムまたは容器であることを特徴とする、応用。
【国際調査報告】