IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デール キムの特許一覧

<図1>
  • 特表-可撓性カバー 図1
  • 特表-可撓性カバー 図2
  • 特表-可撓性カバー 図3
  • 特表-可撓性カバー 図4
  • 特表-可撓性カバー 図5
  • 特表-可撓性カバー 図6
  • 特表-可撓性カバー 図7
  • 特表-可撓性カバー 図8
  • 特表-可撓性カバー 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】可撓性カバー
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/64 20060101AFI20241018BHJP
   B29C 65/48 20060101ALI20241018BHJP
   B29C 65/02 20060101ALI20241018BHJP
   B29C 63/02 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B29C65/64
B29C65/48
B29C65/02
B29C63/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526881
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-07-01
(86)【国際出願番号】 US2021057560
(87)【国際公開番号】W WO2023075800
(87)【国際公開日】2023-05-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524166776
【氏名又は名称】デール キム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デール キム
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AD03
4F211AD15
4F211AG03
4F211AH34
4F211SA07
4F211SC07
4F211SD01
4F211SJ13
4F211SP01
4F211SP21
4F211SW26
4F211TA01
4F211TA03
4F211TC20
4F211TD11
4F211TD18
4F211TJ13
4F211TJ15
4F211TW26
(57)【要約】
ワイヤ、ケーブルなどのあらゆるタイプの物体用の可撓性カバーは、部分的に巻かれた自然な状態で巻き戻せる可撓性スリーブと、可撓性スリーブを物体に巻き付けたまま、可撓性スリーブを曲げた形状にしっかりと保持できる、可撓性スリーブの全長の少なくとも一部を貫通する少なくとも1つの柔軟なロッドまたはインサートを含む。可撓性カバーを製造する方法は、少なくとも2つのカバー層と中間の柔軟な層を提供するステップと、次いで、カバー層を結合して、柔軟な層を少なくとも部分的に封入するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性カバーを形成する方法であって、
少なくとも1つの柔軟なインサートを提供するステップと、
前記柔軟なインサートの反対側に少なくとも1つの第1のカバー層および少なくとも1つの第2のカバー層を提供するステップと、
第1の方向に第1の端部と第2の端部の間にあらかじめ定められた長さを有する可撓性の包みを形成するように前記少なくとも1つの第1のカバー層と前記少なくとも1つの第2のカバー層とを一緒に結合するステップと、
を含み、
前記少なくとも1つの柔軟なインサートは、前記可撓性の包みに少なくとも部分的に埋め込まれ、前記柔軟なインサートは、前記可撓性の包みが前記第1の方向とは異なる第2の方向に折り曲げられた際に、前記可撓性の包みを俺曲げた状態に維持するように構成され、前記可撓性の包みは、第2状態に展開することができる、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの柔軟なインサートは、前記可撓性の包みの全長さを通って進むロッドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの柔軟なロッドは、金属から形成されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの柔軟なロッドは、前記可撓性の包みの全長さを通って斜めに進む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの柔軟なロッドは、前記可撓性の包みの全長さを通って進む柔軟なメッシュを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの柔軟なロッドは、前記可撓性の包みの全長さを通って平行に配置された2つ以上の柔軟なロッドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記可撓性の包みの少なくとも1つの前記第1のカバー層または前記第2のカバー層は非導電性ゴムから形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記可撓性の包みの前記少なくとも1つの前記第1のカバー層または前記第2のカバー層は、メッシュタイプの材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1のカバー層と前記少なくとも1つの第2のカバー層とを一緒に結合するステップは、第1のカバー層および第2のカバー層の間に前記柔軟なインサートを配置した後、フックアンドループコネクタ、ジッパー、留め具、スナップクロージャの少なくとも1つを使用して前記第1のカバー層と前記第2のカバー層を結合するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1のカバー層と前記少なくとも1つの第2のカバー層とを一緒に結合するステップは、前記少なくとも1つの第1のカバー層と前記少なくとも1つの第2のカバー層を一緒に接合するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1のカバー層と前記少なくとも1つの第2のカバー層とを一緒に結合するステップは、前記第1のカバー層上の第1の継ぎ目部分と、前記第2のカバー層上の第2の継ぎ目部分とを提供するステップと、前記第1の継ぎ目部分と前記第2の継ぎ目部分とを結合し、前記少なくとも1つの第1のカバー層と前記少なくとも1つの第2のカバー層を一緒に結合するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の継ぎ目部分および前記第2の継ぎ目部分は、前記少なくとも1つの柔軟なインサートの部分の縁部で前記継ぎ目を形成するように提供される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の継ぎ目部分は、フックアンドループファスナのフック部分またはループ部分のうちの一つを含み、前記第2の継ぎ目部分は前記フックアンドループファスナのフック部分またはループ部分の他方を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記可撓性の包みに取り付けデバイスを結合するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記取り付けデバイスは、前記可撓性の包みに取り外し可能に結合される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、任意のタイプの物体を受け入れるための可撓性カバーまたはスリーブに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤおよびケーブルなどの様々な形態の結合および束ねる物体は、テープ、ツイストタイ、ジップストリップ、および他の柔軟なカバーなど、当技術分野で既知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これらのツールのそれぞれには、束からケーブルまたはワイヤを追加または減じることが困難であるなどの欠点が存在する。さらに、ワイヤの束は、混乱を低減したり、特定の空間に束を効果的にパッケージングしたりするために、便利な柔軟で固定された位置に容易に操作されない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
単一または複数のワイヤ、ケーブル、ロッド、または任意の他の物体を包むために、それ自体を部分的に重なり合わせ得る可撓性カバーまたはスリーブが記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
実施形態は、同様の参照番号が同様の要素を指し、以下の図面を参照して詳細に説明される。
図1図1は、(a)スリーブを通る内部ワイヤの例、及び(b)スリーブを通るワイヤの別の例を示す斜視図である。
図2図2は、(a)スリーブの細長いバージョン、及び(b)スリーブの別の例を示す斜視図である。
図3図3は、(a)メッシュ型インサートの実施形態、及び(b)メッシュ構造の例を示す斜視図である。
図4図4は、本出願の特定の実施態様における可撓性カバーを製造するための方法の例を示す。
図5図5は、本出願の特定の実施態様における可撓性カバーを製造するためのデバイスの例を示す。
図6図6は、図4に示される方法に従って、本出願の特定の実施態様で製造された可撓性カバーの構成要素の例を示す。
図7図4に示される方法に従って、本出願の特定の実施態様で製造された可撓性カバーの例を示す。
図8図4に示される方法に従って、本出願の特定の実施態様で製造された可撓性カバーの例を示す。
図9図4に示される方法に従って、本出願の特定の実施態様で製造された可撓性カバーの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
単一または複数のワイヤ、ケーブル、ロッド、または任意の他の物体を包むために、それ自体を部分的に重なり合わせ得る可撓性カバーまたはスリーブが記載されている。物体が包まれると、ユーザは、次いで、特定の用途に必要に応じて、物体を含むカバーを所定の程度に曲げ得、その時点で、カバーは、カバーを通って走る1つまたは複数の柔軟なロッドまたはワイヤを使用して、物体を曲がった状態にしっかりと保持し得る。
【0007】
図1に示されるように、カバーまたはスリーブ1は、ワイヤまたはケーブルのグループ化など、対象物を包装または包むことができるロール形状を有してもよい。カバー1は、可撓性ゴム、プラスチック、シリコーン、または非導電性であり得る他の柔軟な中実材料で作製され得る。カバー1は、部分的にロールされた形状を保持するための一定の剛性を有してもよく、その結果、縁部は自然な状態で重なり合い、1つまたは複数のワイヤまたはケーブルを挿入するために一時的に巻き戻されてもよい。1つまたは複数のワイヤまたはケーブルなどの物体が挿入されると、カバー1は、物体を一緒に包み込むために、それの部分的にロールされた状態に戻り得る。カバー1は、カバー1をロールされた状態で囲むための別個の固定手段を必要としない場合がある。
【0008】
1つまたは複数の柔軟なロッドまたはシャフト2は、カバー1の長さに挿入され、部分的または全体的に貫通することができる。ロッド2は、柔軟な金属で作られてもよいが、材料はそれに限定されない。ロッド2は、互いに平行に配向されてもよく、カバー1の縁部に平行であってもよく、またはカバー1の縁部に対して所定の程度に配向されてもよい。
【0009】
ワイヤまたはケーブルなどの1つまたは複数の物体が挿入されると、ユーザは、カバー1を所定の程度に曲げ得る。柔軟なロッド2は、カバーを曲がった位置に保持し得る。カバー1は、カバー1が曲がった位置にあるときでさえ、カバー1内に囲まれたワイヤまたはケーブルなどの1つまたは複数の物体を保持するのに十分な剛性であってもよい。
【0010】
カバー1は、電気的に絶縁されてもよく、低い熱伝導率、すなわち、高い熱抵抗を有してもよい。平坦であっても、丸みを帯びていてもよいロッド2は、それらを封じ込めるために、カバー1の内側に、またはカバー材料の2つの層の間に埋め込まれてもよい。2つのロッドのみが示されているが、追加のロッドが提供されてもよい。ロッド2はまた、カバー1が曲がった状態に維持されることを可能にするための任意の断面を有してもよい。さらに、薄いシートまたは複数の内部ワイヤ、ロッド、またはシートを使用してもよく、これは、中実またはメッシュのようなものであってもよい。
【0011】
カバー1は、ユーザが単一または複数のワイヤ、ケーブル、コード、および他の同様のタイプの物体を一緒にカバーしまたは束にし、それらを曲げることを可能にし得る。ロッド2、シート、またはメッシュは、カバー材料に埋め込まれてもよく、カバー1が曲げ可能であり、広範囲の角度で位置を保持することを可能にしてもよい。金属ロッド2、シート、またはメッシュは、カバー1が曲がった後にその角度付きの形状を維持することを可能にするのに十分な構造的剛性を有し得る。
【0012】
図2に示すように、カバー1は、事前に測定された長さで製造されてもよく、使用要件に応じてさらにサイズにカットされてもよい。予め切断された部分の端部は、内部補強ロッド2、メッシュ、またはシートが露出しないように囲まれ得る。ロッド2には一般的に金属材料を使用することができるが、所定の形状に曲げた後に材料が十分な剛性を維持する限り、他の種類の柔軟な材料を使用することができる。
【0013】
カバー1はまた、多数のサイズで製造されてもよい。例えば、カバー1は、家庭またはオフィス、自動車、一般的な建物構造、または吊り下げられた電話ケーブルなどの複数の用途で使用され得る。曲げがカバー1に適用されるときに安定性を確保するために、必要に応じて追加のロッド2を挿入してもよい。追加のロッド2は、第1のロッド2に対して任意の角度で挿入され得る。
【0014】
添付の図は、周囲に巻かれているカバー1を示しているが、カバー1は、ワイヤの束などの物体の周りに部分的に巻かれている場所に設けられ得る。代替の実施形態では、カバー1は、図2に示されるように、パターンを有し得るか、またはパターンの一部であってもよい。ワイヤは埋め込まれるように図に示されているが、ワイヤはカバーの外面に設けられてもよい。カバー1はまた、柔軟なメッシュタイプであってもよく、これは、カバー1を通して挿入される追加のロッド2を必要とせずに、曲げおよび安定性を可能にし得る。
【0015】
図3に示すように、インサート2は、カバー1の全長にわたって貫通する柔軟なメッシュタイプであってもよい。メッシュインサート2はまた、剛性を改善するために、カバー1の幅全体を通ってもよい。メッシュインサート2はまた、材料の使用を減らすために、カバー1の一部のみを通ってもよい。
【0016】
図4に示すように、本出願の特定の実施態様における可撓性カバーを製造するための方法400は、少なくとも1つの柔軟なインサート層を提供すること(S410)、柔軟なインサート層の反対側の表面上に内側カバー層及び外側カバー層を提供すること(S420)、ならびにそれらの間に配置された少なくとも1つの柔軟なインサート層を部分的または完全に封入するためにカバー層を一緒に結合すること(S430)を含み得る。方法400は、可撓性カバーの製造における追加のステップ、より少ないステップ、および/または異なるステップを含み得ることを理解されたい。例えば、可撓性カバーが複数の柔軟なインサート層を含む場合、方法400は、柔軟なインサート層の追加の処理および接合を含み得る。他の例では、柔軟なインサート層とカバー層との間に追加の層を設けて、柔軟なインサート層とカバー層の少なくとも1つとの間に中間のシールド層、絶縁層、成形層、または保護層を提供することができる。さらに、外側カバー層、内側カバー層、および内側カバー層と外側カバー層との間にインサート層を有する構造が以下の実施例で説明されているが、複数のインサート層をさらに含む可撓性カバー、および2つ以上のインサート層の間に設けられた少なくとも1つの中間カバー層など、本出願の可撓性カバーのために他の構造が形成され得ることを理解されたい。
【0017】
ステップS410で少なくとも1つの柔軟なインサート層を提供することは、平らな形状に展開された柔軟なインサートのためのメッシュ、ワイヤ、または他の構造のロールを提供することを含み得る。例えば、前述のように、柔軟なインサートは、金属または他の柔軟な材料で作られ得る1つまたは複数の柔軟なロッドまたはシャフト2を含み得、ロッド2は、互いに平行に配向され得、カバー1の縁部に平行に配向され得、および/またはカバー1の縁部に対して所定の程度に配向され得る。別の例では、柔軟なインサートは、第1のロッド2に対して任意の角度で挿入され得る追加のロッド2であってもよい。これらの例では、ロッド2は、ロッドを所望の向きおよび間隔で保持する布地などのいくつかの種類の接続材料上に提供され得、ステップS410で柔軟なメッシュを提供することは、柔軟なインサートで接続材料を展開することを含み得る。別の例では、柔軟なインサートは柔軟なメッシュを含み得、ステップS410で柔軟なメッシュを提供することは、メッシュ材料を実質的に肉付きの良い形(fat)に展開することを含み得る。別の例では、ステップS410で柔軟なメッシュを提供することは、第1の方向に延びる第1のロッドまたはワイヤを提供することと、第1の方向と交差する第2の方向に延びる第2のロッドまたはワイヤを提供することと、次いで、第1のロッドまたはワイヤおよび第2のロッドまたはワイヤを接合してメッシュを形成することとを含み得る。
【0018】
図4中の方法400に続き、ステップS420において、柔軟なインサート層の反対側の表面に内側カバー層及び外側カバー層を提供することは、第1のカバー層の第1のロール(例えば、内側カバー層)を提供することと、平らな形状に展開される第2のカバーの第2のロール(例えば、外側カバー層)を後で提供することとを含み得る。2つ以上のカバー層は、類似の物理的特性を有する同じ材料であってもよく、異なるテクスチャ、厚さ、または他の特性を有する同じ材料であってもよく、または完全に異なる材料および異なるテクスチャであってもよい。
【0019】
しかしながら、ステップS420で提供されるカバー層は、強化された特性または特性、例えば、限定されないが、絶縁、熱、伝導性、柔軟性などを必要とし得る異なる目的に最適に適合するように選択され得ることを理解されたい。例えば、前述のように、カバー1の層は、可撓性ゴム、プラスチック、シリコーンまたは他の柔軟な固体材料で作られてもよく、これは、非導電性であってもよく、電気絶縁性であってもよく、低い熱伝導率、すなわち、高い熱抵抗を有してもよく、カバー1の層は、部分的にロールされた形態を保持するために一定の剛性を有するように結合されてもよく、その結果、縁部が自然な状態で重複する。例えば、内部カバー層(例えば、可撓性ラップに保持されるケーブルまたはワイヤなどの1つまたは複数の物体に隣接して配置される材料)は、保持された物体を特定の方向に配向するための隆起を含んでもよく、または通気された発泡材料などの変形可能なパッドを含んでもよく、受容された物体への損傷を防止し、物体のより安全な保持を提供する。同時に、第2の外部カバー層は、可撓性カバーが適用されるときに保持された物体を封止するための粘着性材料を含むなど、異なる材料または構造を含み得る。
【0020】
図4中の方法400に続き、ステップS430において、カバー層を一緒に結合することは、カバー層の間に柔軟なインサートを配置した後、マジックテープ(商標)、ジッパー、留め金、スナップクロージャ、または同様のデバイスなどのフックアンドループコネクタのような何らかのタイプのクロージャと共にカバー層を封止することを含み得る。別の例では、カバー層は、接着剤を使用して一緒に結合されてもよく、またはカバー層は、カバー層を一緒に結合するために加熱または化学プロセスを通して一緒に結合されてもよい。
【0021】
ステップS430で少なくとも1つの柔軟なインサート層を少なくとも部分的に封入するためにカバー層を一緒に結合することによって接続する際に、カバー層またはインサート層の1つまたは複数は、単一または複数の柔軟なインサート(ロッド、可撓性パネル、シート部分など)がカバー層の間に配置されるように配置またはトリミングされ得、インサートは、カバー層が接続されたときにインサートが部分的に露出するようにカバー層を超えて延在するようにサイズ設定され、またはカバー層が一緒に接続されたときにインサートがカバー層に完全に封入されるように、カバー層よりも短くサイズ設定され得る。例えば、インサートの少なくともある位置が露出されて、インサートがカバーとは別に操作および使用されることを可能にし得る。例えば、インサートの露出部分は、可撓性カバーに保持される物体の部分の周りを別々に巻き付けるように曲げられ得る。別の例では、インサートの露出した部分は、可撓性カバーおよび保持された物体を別の物体に結合するなど、可撓性カバーに保持されていない別の物体を巻き付けるように曲げられてもよく、例えば、カバーおよび保持された物体をポールまたは他の固定具に配置および固定する。別の例では、ステップS430でカバー層を柔軟なインサート層に一緒に結合することは、可撓性インサートの部分の部分の間に継ぎ目を提供することを含み得る。例えば、特定の方向(例えば、保持された物体の長さ方向)に延在するロッドまたはワイヤに対応する1つまたは複数のインサートがある場合、継ぎ目はまた、インサートの1つまたは複数の側面に提供されるように、インサートの延長方向に沿って進んでもよい。例えば、継ぎ目が延在されたインサートの側面に提供される場合、継ぎ目は、これらの側面でインサートを部分的に封入するように機能し得る。継ぎ目は、例えば、カバー層の間に柔軟なインサートを配置した後、内側カバー層と外側カバー層を一緒に縫製、接着、接合することによって、またはフックアンドループコネクタ、ジッパー、留め金、スナップクロージャ、または同様のデバイスのような何らかのタイプのクロージャを使用することによって形成され得る。インサートが2つ以上の方向に延在する場合、継ぎ目はまた、2つ以上の方向に提供されてもよい。例えば、インサートが、2つの挿入方向に延在するワイヤを備えたメッシュとして形成されたメッシュを含む場合、継ぎ目は、メッシュのワイヤに平行に提供され得る。したがって、継ぎ目は、可撓性カバーが物体を受容するために展開されて、物体を固定するために折りたたまれるか、保持された物体およびカバーを位置決めおよび成形するために曲げられている場合でも、メッシュまたは他のインサートの位置決めを固定するために、およびカバーに対するインサートの移動を防止するために使用され得る。
【0022】
図4中の方法400に続き、取り付けデバイス(図9に関して以下に説明される)をカバーに結合してよい(ステップS440)。例えば、可撓性カバーおよびその中に保持された物体を別の物体に取り付けるために使用され得るクランプ、ブレース、バンド、留め金などの二次取り付けデバイスは、外側カバー層の外面に結合され得る。取り付けデバイスは、接着剤、縫製、ボルト、コネクタなどを使用して可撓性カバーに恒久的に取り付けられてもよく、または加熱または化学プロセスを介して一緒に結合されて、取り付けデバイスをカバーに結合してもよい。あるいは、取り付けデバイスは、フックアンドループコネクタ、ジッパー、留め具、スナップクロージャ、または同様のデバイスなどのある種の半永久的な接続で可撓性カバーに取り外し可能に結合されてもよい。
【0023】
図5は、本出願の特定の実施態様における可撓性カバーを製造するためのデバイス500の例を示す。例えば、デバイス500は、少なくとも1つの第1のカバー層1A(例えば、少なくとも1つの内部カバー層)を提供するための第1のコンベヤライン510、少なくとも1つのインサート層2を提供するための第2のコンベヤライン520、および少なくとも1つの第2のカバー層1A(例えば、少なくとも1つの外部カバー層)を提供するための第3のコンベヤライン530を含み得る。例えば、第2のコンベアライン520は、インサート層2を提供し、平坦にし得、第1および第3のコンベアライン510、530は、インサート層2の反対側の表面上で第1および第2のカバー層1A、1Bを提供し、平坦にし得る。第1および第2のカバー層1A、1Bと、それらの間に配置されたインサート層との組み合わせは、第1および第2のカバー層1A、1Bを一緒に接続して、複合可撓性カバー550内のインサート2を少なくとも部分的に封入する組立機540に受容され得る。例えば、前述のように、組立機540は、カバー層の間に柔軟なインサートを配置した後、フックアンドループコネクタ、ジッパー、留め具、スナップクロージャ、または同様のデバイスのような何らかのタイプのクロージャでカバー層1A、1Bを封止し得る。別の例では、組立機540は、接着剤を使用して、または加熱プロセスを介してカバー層1A、1Bを結合するためにカバー層1A、1Bを結合するシーラーを含み得る。
【0024】
組立機540はさらに、可撓性インサートの隣接する部分の間に継ぎ目を形成し得る。例えば、組立機540は、可撓性インサートの部分間で内側カバー層および外側カバー層の部分を一緒に結合して、可撓性インサートの部分を分離し、可撓性インサートの部分を少なくとも部分的に封入し得る。したがって、継ぎ目は、可撓性インサートの一部を電気的に分離することによって可撓性カバーの安全性を改善し得、その結果、可撓性インサートの一部が露出したワイヤまたは電流を運ぶ他の物体に接触しても、継ぎ目は、電流が可撓性インサートの他の部分に沿って運ばれるのを防ぐ。さらに、継ぎ目は、金属ワイヤまたはメッシュなどの導電性インサート層2を電気的に絶縁して、可撓性カバー内に保持された物体を電磁的に遮蔽し、可撓性カバーを通って電波、電磁界、および静電界を遮断するための電気的に絶縁された導電層を提供する。
【0025】
図6は、図4に示される方法に従って、本出願の特定の実施態様で製造された可撓性カバーの構成要素の例を示す。例えば、少なくとも1つの第1のカバー層1Aおよび少なくとも1つの第2のカバー層1Bは、柔軟なインサート2の反対側に配置され得る。描写される例では、柔軟なインサート2は、第1の方向に延在する1つまたは複数のロッドを含み得、少なくとも1つの第1のカバー層1Aおよび少なくとも1つの第2のカバー層1Bは、結果として生じるカバー1が、ワイヤまたはケーブルのグループ化などの物体を包み込むか、または包むことができるロールされた形状を有し得るように配置され得る。例えば、前述のように、可撓性カバーは、複数の柔軟なインサート層、柔軟なインサート層とカバー層との間に設けられた少なくとも1つの追加の層、および/または2つ以上のインサート層の間に設けられた少なくとも1つの中間カバー層を含み得る。
【0026】
図7は、図4に示される方法に従って、本出願の特定の実施態様で製造された可撓性カバー550の例を示す。例えば、少なくとも1つの第1のカバー層1Aおよび少なくとも1つの第2のカバー層1Bは、ワイヤまたはケーブルのグループ化などの少なくとも1つの物体を包み込むまたは包むことができるロールされた形状を有するカバー1を形成するように接続され得る。同時に、カバー1は、柔軟なインサート2を少なくとも部分的に封入し、柔軟なインサート2を配向して、柔軟なインサートの1つまたは複数のロッドまたはワイヤを、カバー1のロールされた方向と交差する方向に延在するように配置することができる。
【0027】
図8は、図4に示される方法に従って、本出願の特定の実施態様で製造された可撓性カバー550の例を示す。図8の部分(A)で示すように、可撓性カバー550は、インサート層2の部分間でカバー層1A、1Bを接続するために提供される1つまたは複数の継ぎ目を含み得る。例えば、図8のセクション(B)に示されるように、フックアンドループファスナ(面ファスナ)のフック部分などのコネクタの第1の部分は、第1のカバー層1A上に設けられてもよく、面ファスナのフック部分などのコネクタの第2の部分は、第2のカバー層1B上に設けられてもよく、コネクタのこれらの第1及び第2の部分は、柔軟なインサート2の部分のための受容ポケットを提供するように配置されてもよい。したがって、継ぎ目810は、柔軟なインサート2を部分的に封入するように機能し得る。さらに、継ぎ目810は、柔軟なインサート2の部分の長さ方向に延在し得るので、継ぎ目は、柔軟なインサート2の長さ方向に柔軟なカバー550の追加の強度および剛性を提供するように機能し得る一方で、柔軟なカバー550が柔軟なインサート2の反対側の幅方向により容易に折り畳まれまたは展開されて、1つまたは複数のワイヤなどの保持された物体を受容しまたは解放することを可能にする。
【0028】
図9は、図4に示される方法に従って、本出願の特定の実施態様で製造された可撓性カバー550の例を示す。例えば、少なくとも1つの取り付けデバイス910がカバーに結合されてもよい(ステップS440)。描写される例では、取り付けデバイス910は、可撓性カバー550の中間セクションに設けられて、可撓性カバー550の端部部分およびその中に保持された物体が、所望のように曲げられ、形作られることを可能にしてもよく、取り付けデバイス910は、可撓性カバー550を曲げて保持された物体を所望の位置に取り付けるために使用されてもよい。
【0029】
特定の例において、可撓性カバーおよびその中に保持された物体を別の物体に取り付けるために使用され得るクランプ、ブレース、バンド、留め金などの取り付けデバイス910は、外側カバー層の外面に結合され得る。別の例では、取り付けデバイス910は、可撓性カバー550を表面または他の位置に結合するために使用される留め具、そのような釘または接着剤を含み得る。取り付けデバイス910は、接着剤、縫製、ボルト、コネクタなどを使用して可撓性カバーに恒久的に取り付けられてもよく、または加熱または化学プロセスを通して一緒に結合されて、取り付けデバイスをカバーに結合してもよい。あるいは、取り付けデバイス910は、フックアンドループコネクタ、ジッパー、留め金、スナップクロージャ、または同様のデバイスなどの可撓性カバー550に取り外し可能に結合され得る。したがって、可撓性カバー550は、デバイスの有用性を高めるために、様々な異なる取り付けデバイス910またはスタンド、万力、クリップ、延長グリップ、または他の装置などの端部または中間部分に取り付けることができる他の付属品に選択的に結合される能力を有し得る。
【0030】
本明細書全体において、「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、「例示的実施形態(example embodiment)」などへの参照は、その実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所におけるそのようなフレーズの出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が任意の実施形態に関連して説明されるとき、そのような特徴、構造、または特性を実施形態の他の実施形態に関連してもたらすことは、当業者の範囲内であると考えられる。
【0031】
実施形態は、そのいくつかの例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、本開示の原理の精神および範囲内に入る多くの他の修正および実施形態が当業者によって考案され得ることを理解されたい。より具体的には、本開示、図面、および添付の特許請求の範囲内で、主題の組み合わせ構成の構成部品および/または構成において、様々な変形および修正が可能である。構成部品及び/または構成における変形及び修正に加えて、代替的な使用は、当業者にも明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-08-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性カバーを形成する方法であって、
少なくとも1つの柔軟なインサートを提供するステップと、
前記柔軟なインサートの反対側に少なくとも1つの第1のカバー層および少なくとも1つの第2のカバー層を提供するステップと、
第1の方向に第1の端部と第2の端部の間にあらかじめ定められた長さを有する可撓性の包みを形成するように前記少なくとも1つの第1のカバー層と前記少なくとも1つの第2のカバー層とを一緒に結合するステップと、
を含み、
前記少なくとも1つの柔軟なインサートは、前記可撓性の包みに少なくとも部分的に埋め込まれ、前記柔軟なインサートは、前記可撓性の包みが前記第1の方向とは異なる第2の方向に折り曲げられた際に、前記可撓性の包みを俺曲げた状態に維持するように構成され、前記可撓性の包みは、第2状態に展開することができる、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの柔軟なインサートは、前記可撓性の包みの全長さを通って進むロッドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの柔軟なロッドは、金属から形成されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの柔軟なロッドは、前記可撓性の包みの全長さを通って斜めに進む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの柔軟なロッドは、前記可撓性の包みの全長さを通って進む柔軟なメッシュを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの柔軟なロッドは、前記可撓性の包みの全長さを通って平行に配置された2つ以上の柔軟なロッドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記可撓性の包みの少なくとも1つの前記第1のカバー層または前記第2のカバー層は非導電性ゴムから形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記可撓性の包みの前記少なくとも1つの前記第1のカバー層または前記第2のカバー層は、メッシュタイプの材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1のカバー層と前記少なくとも1つの第2のカバー層とを一緒に結合するステップは、第1のカバー層および第2のカバー層の間に前記柔軟なインサートを配置した後、フックアンドループコネクタ、ジッパー、留め具、スナップクロージャの少なくとも1つを使用して前記第1のカバー層と前記第2のカバー層を結合するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1のカバー層と前記少なくとも1つの第2のカバー層とを一緒に結合するステップは、前記少なくとも1つの第1のカバー層と前記少なくとも1つの第2のカバー層を一緒に接合するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1のカバー層と前記少なくとも1つの第2のカバー層とを一緒に結合するステップは、前記第1のカバー層上の第1の継ぎ目部分と、前記第2のカバー層上の第2の継ぎ目部分とを提供するステップと、前記第1の継ぎ目部分と前記第2の継ぎ目部分とを結合し、前記少なくとも1つの第1のカバー層と前記少なくとも1つの第2のカバー層を一緒に結合するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の継ぎ目部分および前記第2の継ぎ目部分は、前記少なくとも1つの柔軟なインサートの部分の縁部で前記継ぎ目を形成するように提供される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の継ぎ目部分は、フックアンドループファスナのフック部分またはループ部分のうちの一つを含み、前記第2の継ぎ目部分は前記フックアンドループファスナのフック部分またはループ部分の他方を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記可撓性の包みに取り付けデバイスを結合するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記取り付けデバイスは、前記可撓性の包みに取り外し可能に結合される、請求項14に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
ステップS410で少なくとも1つの柔軟なインサート層を提供することは、平らな形状に展開された柔軟なインサートのためのメッシュ、ワイヤ、または他の構造のロールを提供することを含み得る。例えば、前述のように、柔軟なインサートは、金属または他の柔軟な材料で作られ得る1つまたは複数の柔軟なロッドまたはシャフト2を含み得、ロッド2は、互いに平行に配向され得、カバー1の縁部に平行に配向され得、および/またはカバー1の縁部に対して所定の程度に配向され得る。別の例では、柔軟なインサートは、第1のロッド2に対して任意の角度で挿入され得る追加のロッド2であってもよい。これらの例では、ロッド2は、ロッドを所望の向きおよび間隔で保持する布地などのいくつかの種類の接続材料上に提供され得、ステップS410で柔軟なメッシュを提供することは、柔軟なインサートで接続材料を展開することを含み得る。別の例では、柔軟なインサートは柔軟なメッシュを含み得、ステップS410で柔軟なメッシュを提供することは、メッシュ材料を実質的に平坦な形(fat)に展開することを含み得る。別の例では、ステップS410で柔軟なメッシュを提供することは、第1の方向に延びる第1のロッドまたはワイヤを提供することと、第1の方向と交差する第2の方向に延びる第2のロッドまたはワイヤを提供することと、次いで、第1のロッドまたはワイヤおよび第2のロッドまたはワイヤを接合してメッシュを形成することとを含み得る。
【国際調査報告】