(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】センサー及びセンシング方法
(51)【国際特許分類】
G01D 5/20 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
G01D5/20 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526905
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 IB2022060508
(87)【国際公開番号】W WO2023079435
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ZA
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524167256
【氏名又は名称】ランドマン,ヴェルナー
【氏名又は名称原語表記】LANDMAN, Werner
【住所又は居所原語表記】43 Maldon Street, 0081 Lynnwood Glen (ZA)
(71)【出願人】
【識別番号】524167267
【氏名又は名称】ランドマン,エイドリアン
【氏名又は名称原語表記】LANDMAN, Adrian
【住所又は居所原語表記】43 Maldon Street, 0081 Lynnwood Glen (ZA)
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ランドマン,エイドリアン
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA27
2F077CC02
2F077FF03
2F077FF13
2F077QQ15
(57)【要約】
本発明はセンサー(1)に関し、より具体的には、装置の第一移動部分の、装置の第二部分に対する位置を感知するためのモーションセンサーに関するが、これに限定されない。本発明は、静的磁場を生成するための静的な磁場発生器(2)と、静的磁場に影響を及ぼすように移動可能な可動の磁気伝導性部分(3)とを備え、影響の差が磁気伝導性部分(3)の位置を示すセンサーを開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静的磁場を発生させるための静的な磁場発生器と、前記静的磁場に影響を及ぼすように移動可能な可動の磁気伝導性部分とを備え、影響の差が前記磁気伝導性部分の位置を示す、センサー。
【請求項2】
前記静的な磁場発生器が永久磁石である、請求項1に記載のセンサー。
【請求項3】
前記静的な磁場発生器が電磁石である、請求項1に記載のセンサー。
【請求項4】
前記電磁石は、発振器の一部である、請求項3に記載のセンサー。
【請求項5】
前記電磁石は、マイクロプロセッサを用いた適応及び測定に適した発振周波数を生じさせ得る、請求項3又は4のいずれかに記載のセンサー。
【請求項6】
前記永久磁石は、マイクロプロセッサを用いた適応及び測定に適した発振周波数を生じさせ得る、請求項2に記載のセンサー。
【請求項7】
前記電磁石は、マイクロプロセッサを用いた適応及び測定に適した発振周波数を生じさせ得る、請求項3~6のいずれか一項に記載のセンサー。
【請求項8】
前記磁気伝導性部分は物体の第一部分に関連付けられ、前記物体の位置が検出されることになる、請求項1に記載のセンサー。
【請求項9】
前記第一部分は、前記物体の第二部分に対して移動する、請求項8に記載のセンサー。
【請求項10】
前記第一部分が軸である、請求項8又は9のいずれか一項に記載のセンサー。
【請求項11】
前記可動の磁気伝導性部分は、前記軸の一部の周りに配置される、請求項1又は8~10のいずれか一項に記載のセンサー。
【請求項12】
前記可動の磁気伝導性部分は、前記軸の周りに配置された磁気伝導性リングである、請求項1又は8~11のいずれか一項に記載のセンサー。
【請求項13】
前記可動の磁気伝導性リングは、前記軸の中心から外れている、請求項12に記載のセンサー。
【請求項14】
前記可動の磁気伝導性リングは、その表面の一部において傾斜している、請求項13に記載のセンサー。
【請求項15】
前記可動の磁気伝導性リングが、その表面の一部において不規則である、請求項13又は14のいずれか一項に記載のセンサー。
【請求項16】
前記可動の磁気伝導性リングは、その主側面で傾斜している、請求項13~15のいずれか一項に記載のセンサー。
【請求項17】
前記可動の磁気伝導性リングが、側面視で楔形である、請求項13~16のいずれか一項に記載のセンサー。
【請求項18】
前記可動の磁気伝導性リングがフェライトから構成される、請求項13~17のいずれか一項に記載のセンサー。
【請求項19】
前記磁石は、前記フェライトリングの少なくとも一方の側から離間している、請求項2又は6のいずれか一項に記載のセンサー。
【請求項20】
前記電磁石は、前記フェライトリングの少なくとも一方の側から離間している、請求項3~5又は7のいずれか一項に記載のセンサー。
【請求項21】
プリント回路基板が前記軸の少なくとも一部の周りに配置される、請求項10~20のいずれか一項に記載のセンサー。
【請求項22】
-静的な磁場発生器を用いて静的磁場を生成するステップと、
-可動の磁気伝導性部分を前記静的磁場の中で移動させることによって前記静的磁場に影響を及ぼすステップと、
-前記静的磁場に対して前記可動の部分によってなされる影響を、センサーを用いて検出するステップと、を含む感知方法。
【請求項23】
-起磁力を作り出す静的な磁場コイルと、
-低い磁気抵抗を有する静的な磁気伝導性部分と、
-低い磁気抵抗を有する可動の磁気伝導性部分と、
-前記静的な磁気伝導性部分と前記可動の磁気伝導性部分とを接続し、それにより磁路を作り出す、高い磁気抵抗を有するエアギャップ、
を有し、
-前記可動の磁気伝導部分は、それが移動するときに前記エアギャップを変化させ、磁束の流れに影響を及ぼし、
-所定の起磁力についての磁束の流れの差を検出するセンサー
をさらに有する、
感知方法。
【請求項24】
前記可動の磁気伝導性部分が、その位置が検出される物体の第一部分と共に移動するようにするステップを含む、請求項22又は23のいずれか一項に記載の感知方法。
【請求項25】
前記可動の磁気伝導性部分が、前記第一部分の周りで中心から外れて回転するようにするステップを含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の感知方法。
【請求項26】
前記静的な磁場コイルのインダクタンスを検出するステップを含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の感知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<発明の分野>
本発明はセンサーに関し、より具体的にはデバイスの第一移動部分の、デバイスの第二部分に対する位置を感知する(又は、センシングする/sensing)ためのモーションセンサーに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
<発明の背景>
モーションセンサー(「エンコーダ」)はデバイスの第一部分、例えば、軸の、デバイスの第二部分、例えば、本体に対する回転及び/又は直線変位を検出する。ロータリーエンコーダは回転を検出し、リニアエンコーダは直線変位を検出する。
【0003】
ロータリーエンコーダは、軸の回転角度、回転速度、回転方向、及び回転位置を検出する。ロータリーエンコーダには、機械式、光学式、磁気式、容量式、及び誘導式のエンコーダがある。
【0004】
磁気エンコーダは、ロータとセンサーとを有する。ロータは、軸に固定され、軸と共に回転する。ロータは一連の磁石であり、その周囲に交互に、均等に間隔を置いて配置されたN極及びS極を含む。ロータが固定された状態で軸が回転すると、センサーはロータのN極及びS極の位置の変化を検出する。下の
図1は、複数のN極及びS極が軸の周囲に均等に間隔を置いて配置された磁気エンコーダの図である。
図2は、磁石が1つのN極及びS極のみを有する磁気エンコーダの図である。
図1
図2
【0005】
乗松孝幸の名義で出願され、NTN(株)に譲渡された、「磁気エンコーダ及びそれを用いるホイールベアリングアセンブリ(Magnetic encoder and wheel bearing assembly using the same)」と題する米国特許出願第US6857782B2号は、磁気エンコーダであって、それと磁気センサーとの間のエアギャップを増大させ得る磁気エンコーダを開示している。これにより発生する磁力は、容易に質的制御できる。ホイールベアリングアセンブリは、磁気エンコーダを有する。磁気エンコーダは、金属コアと、金属コアとリング状に一体化された弾性部材とを有する。弾性部材は磁性材料の粉末が混合された弾性材料からなり、周方向に交互に配置された複数の異なる磁極を有する。また、弾性部材のショア硬度は、Hs90以上である。シールユニットの構成部品として磁気エンコーダを使用するホイールベアリングアセンブリも提供される。
【0006】
Infineon Technologies AGに譲渡された、「位置測定のための磁気エンコーダ要素(Magnetic Encoder Element for Position measurement)」と題する米国特許出願第US20110101964A1号は、第一方向に沿って位置を測定するための磁場センサーを含む位置測定システムで使用するための磁気エンコーダ要素を開示している。エンコーダ要素は第一方向に沿って磁気パターン(magnetic pattern)を提供する材料を含む少なくとも1つの第一トラックを含み、磁気パターンは、第一方向に沿った位置に依存する可変の大きさを有する残留磁化ベクトルによって形成される。残留磁化ベクトルの勾配は、第一トラックの上の、かつ平面の上の所定の距離にあるコリドー内の結果として生じる磁場が、第一方向に沿ってその符号が変化しない、第一方向に垂直な磁場成分を含むようなものである。
【0007】
Heinrich Ackerの名義で出願され、Continental Teves AGに譲渡された「距離及び速度の角度及び角速度を測定するための装置(Device for measuring angle and angular velocity of distance and speed)」と題する米国特許出願第20140116132A1号は、可動部の距離及び速度の角度及び角速度を測定するための装置を開示する。この装置は、静止して配置されるか又は配置されることができるセンサーと、可動部上に配置されるか又は配置されることができ、センサーと共に、センサーによって復調されるべき変調信号を生成するエンコーダとを有する。角速度(angular velocity/speed)を測定するために必要とされる周波数測定のために、エンコーダは、周期的なパターンを再現し、角度/距離測定のための少なくとも1つの指標領域によって中断される構造を有する。前記指標領域において、前記エンコーダは、前記センサーにより検出可能な少なくとも1つの物理変数による周期的なパターンと異なる代替パターンを有するが、前記指標領域における周波数測定も可能な構造を有する。
【0008】
吉村邦明の名義で出願され、日立金属株式会社に譲渡された、「バリウムフェライトを含む磁気記録媒体を有する磁気エンコーダ(Magnetic encoder having a magnetic recording medium containing barium-ferrite)」と題する米国特許第5302893A号は、非磁性基板と、非磁性基板上に担持された磁気記録媒体とを含む磁気エンコーダに使用される塗布型磁気記録部材を開示している。磁性バリウムフェライト粉末を含有する磁性塗料からなる磁性膜の磁気記録媒体。磁気エンコーダは、磁気記録が行われる磁気記録部材と、磁気記録媒体と対向して配置された磁気センサーとを備える。
【0009】
マーク・アンソニー・ハワード及びダラン・クレイトの名義で出願され、Zettlex(UK)リミテッドに譲渡された「誘導位置検出器(Inductive Position Detector)」と題する米国特許出願番号US10876861B2は、測定経路に沿った身体の相対位置を測定するために提供される誘導検出器を開示している。検出器は測定経路に沿って配置された誘導ターゲットと、ターゲットの一部分に面して配置された積層アンテナと、測定経路に沿って配置された電子回路とを含み、アンテナにおける少なくとも1つの巻線のインダクタンスは、ターゲットとアンテナとの相対位置に比例して連続的に変化する。
【0010】
Celera Motionは、非接触誘導方式を使用するZettlex誘導エンコーダ(https://www.celeramotion.com/Zettlex/)を開示する。従来の誘導センサーの変圧器の代わりに、Zettlexエンコーダはプリント回路を使用する。エンコーダはそれぞれが平らなリングのように形作られた2つの主要部分、すなわち、ステータとロータとを有する。ステータに電力が供給され、受動ロータの角度位置を測定する。大型エンコーダは全ての関連する電子機器をステータ内に収容し、一方、小型エンコーダの場合、これらの電子機器は、ステータと、ケーブルアセンブリ内に見られる別個の遠隔電子回路基板とにわたって分配される。大きな穴と低い軸方向高さは、スルーシャフト、スリップリング、ダイレクトドライブモータ、光ファイバ、パイプ又はケーブルとの容易な一体化を可能にする。
【0011】
分極磁石(又は、分極された磁石/polarised magnet)の難点の1つは、磁石を正確に分極できないことである。分極磁石が取り付けられるシャフトの正確な位置又は角度は、正確に測定することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
<本発明の対象>
本発明の目的は、上述の困難を少なくとも部分的に軽減するセンサーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
<発明の概要>
本発明によれば、静的磁場(又は、定常磁場/stationary magnetic field)を生成するための静的磁場発生器(又は、不動の磁場発生器stationary magnetic field generator)と、静的磁場に影響を及ぼすように移動可能な可動の磁気伝導性部分(magnetically conductive part)とを備え、影響の差が磁気伝導性部分の位置を示すセンサーが提供される。
【0014】
静的な(又は、不動の)磁場発生器が電磁石及び/又は磁石であることが提供される。
【0015】
プリント回路基板(「PCB」)に固定される電磁石及び/又は磁石が提供される。
【0016】
電磁石が電源を有することがさらに提供される。
【0017】
電磁石が発振器の一部であることが提供される。
【0018】
電磁石及び/又は磁石が、マイクロプロセッサを用いた適応(又は、適合/adaptation)及び測定に適した発振周波数を生じさせることが提供される。
【0019】
磁気伝導性部分は、物体(又は、オブジェクト/object)の第一部分に関連付けられるように設けられ、その位置が検出されることが提供される。
【0020】
第一部分は、物体の第二部分に対して移動することが提供される。
【0021】
第一部分が軸であることが提供される。
【0022】
さらに、上記磁気伝導性部品が、軸の少なくとも一部の周りに配置されることが提供される。
【0023】
さらに、可動の磁気伝導性部分が、軸の周りに配置される磁気伝導性リングであることが提供される。
【0024】
可動の磁気伝導性リングは、軸の中心から外れている(又は、軸に対して偏心している/off-centre with the axis)ように提供される。
【0025】
さらに、可動の磁気伝導性リングの表面の一部が傾斜及び/又は不規則であることが提供される。
【0026】
さらに、可動の磁気伝導性リングの主側の面が傾斜していることが提供される。
【0027】
可動の磁気伝導性リングは、側面視において楔形であることが提供される。
【0028】
可動の磁気伝導性リングがフェライトから構成されることがさらに提供される。
【0029】
さらに、磁石及び/又は電磁石が、フェライトリングの少なくとも一方の側から離間されることが提供される。
【0030】
プリント回路基板は、軸の少なくとも一部の周りに配置されることが提供される。
【0031】
-静的な(又は、不動の/stationary)磁場発生器が静的磁場を生成するステップと、
-可動の磁気伝導性部分が静的磁場に影響を及ぼすステップと、
-センサーが静的磁場に及ぼす影響の差を検出するステップと、を含む感知方法。
又は、
-静的磁場を生成する静的な磁場発生器と、
-静的磁場に影響を及ぼす可動の磁気伝導性部分と、
-静的磁場に及ぼす影響の差を検出するセンサーと、を含む感知方法。
【0032】
-静的磁場コイルが起磁力(Magneto Motive Force)を作り出すステップと、
-静止の磁気伝導性部分が低い磁気抵抗を有するステップと、
-可動の磁気伝導性部分が低い磁気抵抗を有するステップと、
-高い磁気抵抗を有するエアギャップが、静止の磁気伝導性部分と可動の磁気伝導性部分とを接続して、磁路(又は、磁気経路/magnetic path)を作り出すステップと、
-可動の磁気伝導性部分が、エアギャップを変化させて、磁束の流れに影響を及ぼすステップと、
-センサーが、所定の起磁力に対する磁束の流れの差を検出するステップと、を含む感知方法。
又は、
-起磁力を作り出す静的な磁場コイルと、
-低い磁気抵抗を有する静的な磁気伝導性部分と、
-低い磁気抵抗を有する可動の磁気伝導性部分と、
-前記静的な磁気伝導性部分と前記可動の磁気伝導性部分とを接続し、それにより磁路を作り出す、高い磁気抵抗を有するエアギャップ、
を有し、
-前記可動の磁気伝導部分は、それが移動するときに前記エアギャップを変化させ、磁束の流れに影響を及ぼし、
-所定の起磁力についてえの磁束の流れの差を検出するセンサー
をさらに有する、
感知方法。
【0033】
本発明のさらなるステップは、可動の磁気伝導性部分が物体の第一部分と一緒に移動し、その位置が検出されることを提供する。
【0034】
本発明のさらなるステップは、可動の磁気伝導性部分が第一部分の周りで中心から外れて回転することを提供する。
【0035】
本発明のさらなるステップは、検出されるべき静的な磁場コイルのインダクタンスを提供する。
【0036】
本発明のこれら及び他の特徴は、以下により詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の実施形態は、図面を参照して、単なる例として、以下に説明される:
【
図1】
図1は、センサーの第一実施形態の上面図を示す。
【
図3】
図3は、センサーの第二実施形態の上面斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
<図面の詳細な説明>
図1及び
図2を参照すると、センサーは、概して、参照番号1によって示される。
【0039】
センサー1は、3つの静的な磁場発生器2を有する。静的な磁場発生器2はこの場合、磁場コイルであり、それぞれが独立した発振器(又は、オシレータ/oscillator)の一部を形成する。発振器及び関連する磁場コイル2は、電源、例えばバッテリ(図示せず)に接続される。各発振器は固定コンデンサ及び磁場コイルによって形成されるタンク回路によって決定される5MHzの公称周波数で発振し、そのインダクタンスは、軸の回転に伴って変化する。コンデンサは固定容量を有する標準的な表面実装部品であり、可変インダクタは、関連する可変の磁束経路(magnetic flux path)に関連する磁場コイルの巻線によって確立される。
【0040】
発振器及び関連する磁場コイル2は、プリント回路基板(「PCB」)5に固定される。PCB5は軸の周りに容易に取り付けることができるように、上面図で概ねC字形である。磁場コイルは、PCB5の内縁の周りに90度の間隔で均等に離間される。
【0041】
磁気伝導部3が磁場コイル2の上面から離間して配置され、磁場コイルの上面と磁気伝導部3の下面との間にエアギャップ8を形成する。磁気伝導部3の一部は、磁場コイル2の部分(複数)の上に(又は、かぶさって/over)位置する。磁気伝導部3はフェライトリングであり、渦電流損失を回避する。フェライトリング3は、軸4の中心から外れて固定されている。
【0042】
軸4は、PCB5の中心を通って延びる。
【0043】
各発振器及び関連する磁場コイル2は、共通のマイクロプロセッサ(図示せず)内の32ビットバイナリカウンタに伝送するための高速デジタル信号を生成する電圧比較器でバッファリングされる(又は、バッファされる/バッファが設けられる/buffered)。
【0044】
センサー1の第二実施形態が
図3及び
図4に示されている。
【0045】
この実施形態では、フェライトリング3が、一緒に固定されてリングを形成する2つの半体(half)に分割される。フェライトリング3は、下側の面が傾斜している。フェライトリング3は、半径方向オフセットを有する(又は、半径方向オフセットを有して/with a radial offset)ボビン7に取り付けられる。ボビン7は、一緒に固定されてフェライトリングを保持するリング状のディスクを形成する2つの半体に分割される。
【0046】
また、3つの発振器の代わりに、6つの発振器がPCB5に固定される。
【0047】
使用中、発振器は、バッテリ又は任意の他の適切な電源から電力を受け取る。各発振器は、
図2に示されるように、その関連する磁場コイルを駆動して、エアギャップ及びフェライトリングを介して流れる磁束を有する局所磁気回路を形成する。
【0048】
フェライトリングが軸の中心から外れて固定されているため、フェライトリングは、磁場コイルの上に不均一に延在する。第一位置では、フェライトリングは、PCBの左側では磁場コイルの大きい部分の上に、及びPCBの右側では磁場コイルの小さい部分の上に広がる(
図1参照)。
【0049】
図2に示すように、各磁場コイルは局所的な磁力を発生し、これが局所的な磁気回路に磁束を流す。それぞれの磁路は特定の可変の磁気抵抗を持っており、その結果、磁場コイルに、関連する発振器の発振周波数に影響を与える特定の可変インダクタンスを持たせる。
【0050】
32ビットカウンタは、正確な期間中に各発振器によって生成されるパルスの数を決定する。マイクロプロセッサはこれらのカウント値を使用して、予測されたカウントと観察されたカウントとの間の最良の一致が生じるまでシステムのモデルを調整し、したがって、フェライトリングの角度位置、したがって、軸の角度位置を生成する。
【0051】
軸は所与の方向に回転し、フェライトリングを同調させて新しい位置に回転させる。磁場の変化を達成するための上述のプロセスは継続し、したがって、回転軸の角度位置は、リアルタイムで連続的に決定され得る。このプロセスは、高速で、時計回り方向と反時計回り方向の両方でリアルタイム動作が可能な絶対角度エンコーダをもたらす。
【0052】
本明細書に記載される第二実施形態は、使用するのに好都合であることが想定される。従来技術と比較して、本明細書に記載のシステム及び方法は、分極された永久磁石の代わりに電磁石を使用する点で、従来技術よりも正確である。また、複数のセンサーがシステムモデルと併せて使用され、アルゴリズムが、ロータ及びステータの半径方向及び軸方向のミスアライメント、温度ドリフト、ならびに経年劣化による長期変動に対する非常に高い耐性と精度を達成することを可能にする。
【0053】
本発明の範囲から逸脱することなく、回転位置センサー及び直線位置センサーの両方を含む本発明の多くの他の実施形態が可能であることが、当業者によって理解されるであろう。例えば、発振器がそれらの関連する磁場コイルを駆動する公称発振周波数は、5MHzである必要はなく、より低くても高くてもよい。分解能を10倍に上げるために50MHzまで上げることができ、又はEMI放出を低減するために低減し得る。同様に、マイクロプロセッサ内のバイナリカウンタのビットカウントは分解能を向上させるために増加させることができ、又は、素子数を下げるために減少させ得る。
【国際調査報告】