(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】点火プラグ
(51)【国際特許分類】
H01T 13/20 20060101AFI20241018BHJP
H01T 13/46 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H01T13/20 Z
H01T13/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526977
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 EP2022082157
(87)【国際公開番号】W WO2023094243
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】102021213239.1
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ヴォナウ,コリンナ
(72)【発明者】
【氏名】サブコウ,セルゲイ
【テーマコード(参考)】
5G059
【Fターム(参考)】
5G059AA01
5G059BB10
5G059CC03
5G059DD19
5G059EE19
5G059EE23
(57)【要約】
長軸を有する点火プラグ(1)において、#燃焼室側の端面(27)を有するハウジング(2)と、#少なくとも部分的にハウジング(2)の内部に配置された絶縁体(3)と、#電極本体および電極本体の燃焼室側の端部に配置されて点火面としての役目を果たす点火部材(41)を備える、少なくとも部分的に絶縁体(3)の内部に配置された中心電極(4)とを有し、点火部材(41)は、円形の底面と、点火プラグ長軸に対して平行に延びる長軸とを備えた円筒状の形態を有し、および、#ハウジング(2)の内部でハウジング(2)に配置された、点火面を備える少なくとも1つの接地電極(5)を有し、#少なくとも1つの接地電極(5)と中心電極(4)とは、少なくとも1つの接地電極(5)が中心電極(4)とともに、点火プラグ長軸に対して径方向に延びる点火ギャップ(54)を形成するように配置され、#点火ギャップ(54)の幅は少なくとも1つの接地電極(5)に対する中心電極(4)の電極間隔によって与えられ、#少なくとも1つの接地電極(5)に対する中心電極(4)の電極間隔は0.3mmよりも大きくなく、点火ギャップ(54)は完全にハウジング(2)の内部に形成され、#少なくとも1つの接地電極(5)の点火面の投影(54a)は軸方向で中心電極(4)の点火部材(41)に完全に適合する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長軸xを有する点火プラグ(1)において、
燃焼室側の端面(27)を有するハウジング(2)と、
少なくとも部分的に前記ハウジング(2)の内部に配置された絶縁体(3)と、
電極本体および前記電極本体の燃焼室側の端部に配置されて点火面としての役目を果たす点火部材(41)を備える、少なくとも部分的に前記絶縁体(3)の内部に配置された中心電極(4)とを有し、前記点火部材(41)は、円形の底面と、点火プラグ長軸xに対して平行に延びる長軸とを備えた円筒状の形態を有し、および、
前記ハウジング(2)の内部で前記ハウジング(2)に配置された、点火面を備える少なくとも1つの接地電極(5)を有し、
少なくとも1つの前記接地電極(5)と前記中心電極(4)とは、少なくとも1つの前記接地電極(5)が前記中心電極(4)とともに、点火プラグ長軸xに対して径方向に延びる点火ギャップ(54)を形成するように配置され、
前記点火ギャップ(54)の幅は少なくとも1つの前記接地電極(5)に対する前記中心電極(4)の電極間隔によって与えられ、
少なくとも1つの前記接地電極(5)に対する前記中心電極(4)の電極間隔は0.3mmよりも大きくなく、前記点火ギャップ(54)は完全に前記ハウジング(2)の内部に形成され、
少なくとも1つの前記接地電極(5)の前記点火面の投影(54a)は軸方向で前記中心電極(4)の前記点火部材(41)に完全に適合する、点火プラグ。
【請求項2】
前記中心電極(4)の前記点火部材(41)の上での少なくとも1つの前記接地電極(5)の点火面の投影(54a)の、燃焼室と反対を向くほうの端部は、前記中心電極(4)の前記点火部材(41)の、燃焼室と反対を向くほうの端部から軸方向で間隔をおいており、特に、前記間隔(45)は前記点火部材(41)の長さの少なくとも5%であることを特徴とする、請求項1に記載の点火プラグ(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの前記接地電極(5)の前記点火面の投影(54a)は、点火プラグ長軸xに対して垂直の方向で、前記中心電極(4)の前記点火部材(41)に完全に適合することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の点火プラグ(1)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記接地電極(5)の、前記中心電極(4)のほうを向く点火面は平坦な表面であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の点火プラグ(1)。
【請求項5】
少なくとも1つの前記接地電極(5)の、前記中心電極(4)のほうを向く点火面は凹面状であり、特に前記中心電極・点火部材(41)に対して相補的な輪郭を有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の点火プラグ(1)。
【請求項6】
前記電極間隔は0.2mmよりも大きくなく、特に0.15mmよりも大きくなく、および/または前記電極間隔は少なくとも0.05mmであり、特に0.1mmよりも小さくないことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の点火プラグ(1)。
【請求項7】
前記点火ギャップ(54)は前記ハウジング(2)の燃焼室側の端面(27)に対して0mmよりも大きく最大で-15mmの、特に-1mmよりも小さくない、および/または-4mmよりも大きくない、間隔(81a)を有し、前記ハウジング(2)の燃焼室側の端面(27)を通って広がる、前記点火プラグ(1)の長軸xに対して垂直の平面が値0mmを有する基準平面であり、前記基準平面からの前記間隔(81a)は、前記点火プラグ(1)の、燃焼室と反対を向くほうの端部の方向で、次第に増えていく負の値をとることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の点火プラグ(1)。
【請求項8】
前記点火プラグ(1)は前記中心電極(4)とともに点火ギャップ(54)をそれぞれ形成する少なくとも2つの接地電極(5)を有し、特に、前記接地電極(5)は前記中心電極(4)の周りに対称に配置されることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の点火プラグ(1)。
【請求項9】
少なくとも1つの前記接地電極(5)および/または前記中心電極(4)は、向かい合う前記電極(4,5)とともに、ないしはその点火部材とともに、前記点火ギャップ(54)を形成するそれぞれ1つの点火部材(41,51)を有し、この/これらの点火部材(41,51)は貴金属または貴金属合金からなり、特にPt、Ir、Rh、Pd、Re、Au、またはこれらの合金からなることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の点火プラグ(1)。
【請求項10】
少なくとも1つの前記接地電極(5)および/または前記中心電極(4)はそれぞれ1つの点火部材(41,51)を有し、前記点火部材は丸められた、または面取りされた、エッジを有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の点火プラグ(1)。
【請求項11】
前記点火プラグ(1)は、水素により駆動されるエンジンで使用される、点火可能な水素を含む燃料・空気・混合気を点火するためにセットアップされた水素・点火プラグであることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の点火プラグ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載されている点火プラグに関する。特に、本発明による点火プラグは、水素により駆動されるエンジンでの使用に好適である。
【背景技術】
【0002】
従来、大半の車両は、すなわちたとえば乗用車やトラックは、ガソリンやディーゼルを燃料として利用する内燃機関によって駆動されている。天然ガスや水素を燃料として利用する、移動型や定置型の内燃機関も増えてきている。その場合、ガソリン駆動式の内燃機関の場合と同じように、水素駆動式の内燃機関でも空気・燃料・混合気が外部点火されなければならない。そのために、典型的には点火プラグが利用される。
【0003】
水素駆動式の内燃機関では、通常、法律上のエミッション設定を順守するために、非常に希薄な空気・燃料・混合気(ラムダ>1.8)が調整される。そのため、水素の低い混合気・熱値と相まって、いっそう高い電荷密度、およびそれに応じていっそう高い圧力が点火時点で生じる。それに応じて、点火プラグ電極のロバスト性に関わる要求も高くなる。内燃機関での水素燃焼における別の特殊性は、点火のために必要となる点火エネルギーが低いことにある。
【0004】
これまで知られている点火プラグは、通常、ガソリン駆動式の内燃機関での動作に合わせて最適化されており、したがって、水素駆動式の内燃機関での適用には適しておらず、ないしは、適用された場合には劣ったパフォーマンスをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それに応じて本発明の課題は、水素駆動式の内燃機関で適用されるときの点火プラグに関わる要求事項を充足する、ロバスト性の高い電極を有する点火プラグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は本発明の点火プラグによって解決される。長軸を有する本発明による点火プラグは、燃焼室側の端面を有するハウジングと、少なくとも部分的にハウジングの内部に配置された絶縁体とを有し、ならびに、少なくとも部分的に絶縁体の中に配置された中心電極を有する。中心電極は、電極本体と、電極本体の燃焼室側の端部に配置された、点火面としての役目を果たす点火部材とを有する。点火部材は、円形の底面と、点火プラグ長軸に対して平行にアライメントされた長軸とを備えた円筒状の形態を有する。点火プラグは、ハウジングの内部でハウジングに配置された少なくとも1つの接地電極も有し、少なくとも1つの接地電極と中心電極とは、少なくとも1つの接地電極が中心電極とともに、点火プラグ長軸に対して径方向に延びる点火ギャップを形成するように配置される。このとき点火ギャップの幅は、少なくとも1つの接地電極に対する中心電極の電極間隔によって生じ、少なくとも1つの接地電極に対する中心電極の電極間隔は0.3mmよりも大きくなく、点火ギャップは完全にハウジングの内部に形成される。さらに、少なくとも1つの接地電極の点火面の投影は軸方向で中心電極の点火部材に完全に適合する。換言すると、中心電極・点火部材の投影は、接地電極・点火面を軸方向で完全に覆う。
【0007】
本発明によると、点火ギャップは0.3mmよりも大きくない電極間隔を有することが意図される。このことは、点火のために低い電圧しか必要とされず、点火プラグの耐用期間を通じての電極間隔の増大が小さくなるという利点がある。さらに、ハウジング内部の設計スペースは当然ながら限られているので、狭い電極間隔により、電極およびこれに伴って点火ギャップも、ハウジングの内部に配置する可能性がもたらされるという利点が生じる。それにより、電極が燃焼室内へさほど突入せず、そのようにして燃焼室からの熱を少なくしか吸収せず、それによって電極の摩耗が減るという利点が生じる。
【0008】
中心電極・点火部材の投影によって軸方向で接地電極・点火面が覆われることで、軸方向で、接地電極の点火面が均一に利用されて摩耗していくという利点が生じる。それにより、局所的な温度上昇およびこれと結びついた電極の摩耗の低減がもたらされる。それに応じて電極のロバスト性と耐用期間が向上する。
【0009】
円形の底面を有する円筒状の点火部材が中心電極で利用されることにより、エッジでの局所的な電界増強が回避されるという利点が生じ、それによってエッジでの過度の摩耗、ならびに電極・点火面での局所的な溶融およびビードの形成が防止される。このことは、電極のロバスト性ならびに耐用期間が向上することに帰結する。
【0010】
このように、本発明に基づく構成要件の組み合わせは、各構成要件がそれぞれの技術的利点のもとで相互に補い合って強化されることから特別に好ましい。
【0011】
本発明のその他の好ましい実施形態は、従属請求項の対象である。
【0012】
本発明の1つの好ましい発展形態では、中心電極の点火部材の上での少なくとも1つの接地電極の点火面の投影の、燃焼室と反対を向くほうの端部は、中心電極の点火部材の、燃焼室と反対を向くほうの端部から軸方向で間隔をおいており、特に、この間隔は点火部材の長さの少なくとも5%であり、特に最大で50%であることが意図される。中心電極・点火部材の長さは、点火プラグの長軸に対して平行に測定される。中心電極・点火部材の、燃焼室と反対を向くほうの端部は、たとえば、点火部材が中心電極の電極本体に配置されている、特に物質接合式に結合されている、点火部材の端部である。このとき物質接合式の結合によって生じる、点火部材と中心電極の電極本体との間の領域は、点火部材には算入しない。
【0013】
中心電極・点火部材への接地電極・点火面・投影の、燃焼室と反対を向くほうの端部が、中心電極・点火部材の、燃焼室と反対を向くほうの端部に対して間隔をおくことで、点火部材と中心電極の電極本体との間の境界面での、ないしは、物質接合式の結合の結果として生じる、点火部材と中心電極の電極本体の間の領域での、火花発生が回避されるという利点が生じる。このことが重要である理由は、電極本体が、および物質接合式の結合の結果として生じる、点火部材と中心電極の電極本体との間の領域が、通常、点火部材よりもロバスト性の低い材料でできており、そのため、火花発生時に点火部材よりも大幅に早く摩耗するからである。点火部材の全長の少なくとも5%の間隔が順守されると、電極本体での、および物質接合式の結合の結果として生じる、点火部材と電極本体との間の領域での、火花発生が確実に防止される。最大で50%の間隔という制限により、点火部材が長くなりすぎることが回避される。点火部材が長くなりすぎることは、たとえば点火部材が高価な材料からなる場合に不都合になる。
【0014】
本発明の別の好ましい発展形態では、少なくとも1つの接地電極の点火面の投影が、点火プラグ長軸に対して垂直の方向で、中心電極の点火部材に完全に適合するのが好ましいことが判明している。換言すると、中心電極・点火部材の投影は、点火プラグの長軸に対して垂直の方向でも接地電極の点火面を完全に覆う。
【0015】
中心電極・点火部材の投影によって、点火プラグ長軸に対して垂直の方向で接地電極・点火面が覆われることで、点火プラグの長軸に対して垂直の方向でも、接地電極の点火面が均等に利用されて摩耗するという利点が生じる。それにより、局所的な温度上昇およびこれと結びついた電極の摩耗の低減がもたらされる。それに応じて電極のロバスト性と耐用期間が向上する。
【0016】
本発明による点火プラグの1つの実施形態では、少なくとも1つの接地電極の、中心電極のほうを向く点火面が平坦な表面であることが意図される。このことは、電極を容易に製造し、容易に相互にアライメントできるという利点がある。
【0017】
本発明による点火プラグの別の実施形態では、少なくとも1つの接地電極の、中心電極のほうを向く点火面が凹面状であり、特に、特に面取りされたエッジを有する中心電極・点火部材に対して相補的な輪郭を有することが意図される。それにより、点火プラグの長軸に対して軸方向および垂直の方向で、中心電極と少なくとも1つの接地電極とが互いに非常に均等な電極間隔を有するという利点が生じ、それにより、電極がその点火面全体にわたって非常に均等に摩耗する。このことは、電極のロバスト性およびそれに応じて点火プラグの耐用寿命の向上となる。
【0018】
たとえば電極間隔は0.2mmよりも大きくなく、特に0.15mmよりも大きくないのが好ましい。電極間隔が小さくなるほど、点火火花の生成のための所要電圧は低くなる。
【0019】
電極間隔が少なくとも0.05mmであり、特に0.1mmよりも小さくないのも好ましい。それにより、電極間隔が狭すぎないことがもたらされる。非常に狭い電極間隔は、点火プラグの製造時における精度に関して特別なチャレンジとなる。電極・点火面のできる限り平行なアライメントからの誤差は、電極間隔が狭い場合には電極間隔が広い場合よりも、たとえば点火面の不均等な摩耗などの大きな影響を及ぼす。したがって電極間隔についての下限は、一方における、所要点火電圧および摩耗の低減のための小さい電極間隔と、他方における、点火プラグ生産時の点火面相互のアライメントの均等で良好な品質のために是認できるコストとの、良好な妥協である。
【0020】
本発明による点火プラグの別の好ましい実施形態では、点火ギャップはハウジングの燃焼室側の端面に対して少なくとも0mmかつ最大で-15mmの、特に-1mmよりも小さくない、および/または-4mmよりも大きくない、間隔を有する。このときハウジングの燃焼室側の端面を通って広がる、点火プラグの長軸に対して垂直の平面が、値0mmの基準平面となる。基準平面からの間隔は、点火プラグの、燃焼室と反対を向くほうの端部の方向で次第に負の値を増やしていき、燃焼室の方向は増えていく正の値をとる。
【0021】
点火ギャップは、電極相互の向かい合う点火面の互いに覆い合う投影の間で生じる、接地電極と中心電極の間の容積部である。すなわち、中心電極の点火面が接地電極の点火面に投影され、およびその逆に投影される。両方の投影が通過する容積部が、点火ギャップの容積部となる。このとき容積部は、1つの次元ではそれぞれの点火面によって区切られ、別の次元では、投影された点火面の相互の覆い合いによって区切られる。上記の間隔は、点火ギャップの燃焼室側の端部から、ハウジングの燃焼室側の端面まで測定される。
【0022】
ハウジングの燃焼室側の端面に対する点火ギャップの間隔が少なくとも0mmであるという構成要件は、点火ギャップが完全にハウジングの内部に配置され、すなわち点火プラグがニュートラルないし負の火花位置を有することを意味する。このことは、電極が可能な限り燃焼室から遠くへ引き出され、したがって、燃焼室内で行われる燃焼プロセスに由来する熱を可能な限りわずかしか吸収しないという利点がある。それによって電極の摩耗が低減される。
【0023】
可能な限り低温の点火プラグのための1つの好ましい方策は、絶縁体脚部を可能な限り短く設計することにある。絶縁体脚部は、絶縁体の燃焼室側の端部から、絶縁体がハウジングの上に載る絶縁体シートまで延びる。絶縁体脚部は、7mmよりも長くない、特に4mmよりも長くない、長さを有するのが好ましいことが判明している。このとき絶縁体脚部の長さは、点火プラグの長軸に対して平行に測定される。
【0024】
絶縁体脚部は短ければ短いほど、点火プラグの通気室の中へと少ししか突入しなくなる。点火プラグの通気室は、燃焼室内にあるガス混合気で充填される。絶縁体脚部が通気室に少ししか突入しないほど、絶縁体脚部は高温のガス混合気との接触面が少なくなり、それに応じてガス混合気から少ない熱しか吸収しない。
【0025】
別の好ましい実施形態では、中心電極は絶縁体から突出している。このとき中心電極は、絶縁体の燃焼室側の端面から中心電極の燃焼室側の端部まで測定される突出寸法を有する。中心電極の突出寸法は6.0mmよりも大きくなく、特に4.0mmよりも大きくなく、特に0.5mmよりも小さくなく、好ましくは1.1mmよりも小さくない。
【0026】
突出寸法が6.0mmの最大長さに制限されることは、中心電極が通気室の中へ大きく突き出しすぎず、そのようにして、通気室内のガス混合気から多量の熱を吸収することがないので、点火プラグが低い熱値を有するという利点がある。突出寸法の最小長さの利点は、0.5mmの最小長さのもとで、中心電極に関して接地電極が径方向側方で調整されるときの絶縁体に沿った沿面火花を排除するために、絶縁体の燃焼室側の端面に対する間隔が十分に大きくなることにある。
【0027】
点火プラグは、ハウジングの燃焼室側の端面からハウジング内部の絶縁体脚部スロートまで延びる通気室を有し、中心電極と絶縁体脚部は通気室の内部に配置され、少なくとも1つの接地電極は少なくとも部分的に、特に完全に、通気室の内部に配置される。特に通気室は、点火プラグが内燃機関に組み付けられているとき、ハウジング端面を通って点火プラグの長軸に対して垂直に広がる平面で、燃焼室と接触する。通気室は500mm3よりも大きくない、特に300mm3よりも大きくない、特に50mm3よりも小さくない、容積を有することが意図されるのが好ましい。容積の計算では、電極と絶縁体の容積は算入されない。
【0028】
通気室の容積が制限されることで、通気室が大きくなりすぎず、そのようにして、点火によって消費されたガス混合気が通気室内に多く溜まりすぎないようにするために、新気のガス混合気で良好に洗流できるという利点が生じる。一方では、それによって燃焼時に発生する煤などの粒子堆積が回避され、他方では、新気のガス混合気は消費済みのガス混合気よりも低い温度を有しており、それに伴い、通気室を通じての点火プラグへの熱流入が低減される。
【0029】
本発明の1つの好ましい発展形態では、点火プラグは、中心電極とともに点火ギャップをそれぞれ形成する少なくとも2つの接地電極を有することが意図され、複数の接地電極は中心電極に関して同一または別様に配置され、すなわち各点火ギャップは同一または別様であってよく、ただし好ましくはすべての点火ギャップが、ハウジングの燃焼室側の端面との関係における位置や電極間隔など、ここに記載している好ましい構成要件を満たす。
【0030】
点火プラグが複数の接地電極を有することで、点火面の摩耗を複数の接地電極に分散させることができ、個々の接地電極の点火面が、単一の接地電極の場合ほどには高い耐摩耗性材料からなる容積を必要としない。点火プラグの耐用期間が長くなる。
【0031】
本発明の特別に好ましい実施形態では、少なくとも2つの接地電極はハウジングの内面に対称に配置される。このとき点火プラグの長軸が、接地電極を配置するときの対称軸となる。接地電極の対称の配置に基づき、通気室の内部での燃料・空気・混合気の流動が非常に均等に行われるという技術的効果が生じ、それにより、点火プラグでの燃料・空気・混合気の良好な発火と良好な発火安定性がいっそう促進される。
【0032】
本発明の代替的な実施形態では、複数の接地電極はハウジングの内面に非対称に配置されていてもよい。たとえば点火プラグでの複数の接地電極の非対称の配置が好ましいのは、点火プラグがシリンダの中でシリンダ軸に対して非中心的に配置されている場合である。
【0033】
たとえば少なくとも1つの接地電極および/または中心電極は、向かい合う電極とともに点火ギャップを形成する、残りの電極とは異なる材料からなるそれぞれ1つの点火部材を有するのが好ましく、この/これらの点火部材は貴金属または貴金属合金からなり、特にPt、Ir、Rh、Pd、Re、Au、またはこれらの合金からなる。このときIr割合の高い合金が特別に好ましく、すなわち、Irは合金で最大の個別割合を有する元素である。このような元素、ないしこのような元素を含む合金は、特別に耐摩耗性である。
【0034】
接地電極および/または中心電極のための点火部材は、丸められた、または面取りされた、エッジを有するのが好ましい。丸められたエッジを有する点火部材における丸め半径rはd/10≦r≦d/2であり、ここでdは点火部材の円筒直径である。面取りされたエッジを有する点火部材では、面取部は幅bと高さhとを有し、点火部材の円筒直径dのもとで、d/10≦b≦d/2および/またはd/10≦h≦d/2が成り立つ。
【0035】
本発明による点火プラグとその発展形態は、たとえば、水素を含む燃料により駆動されるエンジンで使用される、点火可能な水素を含む燃料・空気・混合気を点火するためにセットアップされた水素・点火プラグである。この燃料は最大で100%の水素を含むことができ、すなわち、燃料は水素のみであってよく、または水素・ガス・混合気であってよい。
【0036】
しかしながら本発明の点火プラグは、水素での駆動だけに限定されるものではない。本発明による点火プラグは、天然ガス内燃機関やガソリン内燃機関にも適用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図2】本発明による点火プラグの電極の第1の例である。
【
図3】本発明による点火プラグの電極の第2の例である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、点火プラグ1を半断面図で示している。点火プラグ1はハウジング2を含んでいる。ハウジング2の中に絶縁体3が挿入されている。ハウジング2と絶縁体3は、それぞれの長軸に沿ってボアを有している。ハウジング2は、外面24と内面23を有している。ハウジング2の長軸、絶縁体3の長軸、および点火プラグ1の長軸xは一致する。絶縁体3に中心電極4が挿入されている。さらに絶縁体3の中に、点火プラグの電気接触のための接続ボルト8が延びていて、これを介して点火プラグ1が電圧源と電気接触する。この電気接触部は、点火プラグ1の、燃焼室と反対を向くほうの端部を形成する。電気接触部は本例のように一体的であってよく、または、複数のコンポーネントから構成されていてもよい。
【0039】
絶縁体3は、典型的には3つの領域に下位区分される。絶縁体脚部31、絶縁体本体、および絶縁体頭部である。これら3つの領域は、たとえば相違する直径によって区別される。絶縁体脚部31は、絶縁体3の、燃焼室のほうを向く端部である。絶縁体脚部31の内部に中心電極4が配置されている。絶縁体脚部31は、ここでは完全にハウジング2の内部に配置されている。通常、絶縁体脚部31は絶縁体3で最小の外径を有する。絶縁体脚部は、ここでは最大7mmの長さを有している。
【0040】
絶縁体脚部31に隣接して、通常は完全にハウジング2で包囲される絶縁体本体が配置されている。絶縁体本体は、絶縁体脚部31よりも大きい外径を有している。絶縁体脚部31と絶縁体本体との間の移行部は、肩部として、いわゆる絶縁体シート35として、構成される。絶縁体シート35と絶縁体脚部31との間の移行部は、絶縁体脚部スロートと呼ばれる。
【0041】
絶縁体頭部は、絶縁体本体の、燃焼室と反対を向くほうの端部に隣接しており、絶縁体3の、燃焼室と反対を向くほうの端部を形成する。絶縁体頭部はハウジング2から突出する。絶縁体頭部の外径は、絶縁体脚部31と絶縁体本体の外径の間であり、これらの領域は典型的にはその長さにわたって一定の外径を有するのでなく、外径が変動していてよい。
【0042】
ハウジング2はその内面にシート25を有している。絶縁体はその肩部ないし絶縁体シート35をもって、ハウジングシート25の上に載る。絶縁体シート35とハウジングシート25の間には、内部シール材10が配置されている。
【0043】
中心電極4と、点火プラグの電気接触のための接続ボルト8との間には、抵抗部材7が絶縁体3の中にある。抵抗部材7は、中心電極4を接続ボルト8と導電接続する。抵抗部材7は、たとえば第1の接触層7a、抵抗層7b、および第2の接触層7aからなる層システムとして構成される。抵抗部材の各層は、その材料組成およびその結果として生じる電気抵抗によって区別される。第1の接触層7aと第2の接触層7aは、それぞれ相違する、または同一の、電気抵抗を有することができる。
【0044】
ハウジング2の内面23に、本例では2つの接地電極5がそれぞれボア52の中に配置され、接地電極5が径方向にハウジング内面23からボアの中へ、ハウジング2の長軸Xに沿って突入するようになっている。接地電極5と中心電極4は、点火ギャップ54を共同でそれぞれ形成する。中心電極とそれぞれ接地電極との間のそれぞれの点火ギャップは、長軸xに対して径方向に延びている。それぞれの点火ギャップ54の幅が電極間隔であり、0.05mmから0.3mmの範囲内にある。ボア52は、外面24からハウジング壁を通ってハウジング2の内面23まで延びている。
【0045】
その代替として点火プラグ1は、1つだけよりも多い、または2つよりも多い、接地電極5を有することもできる。
【0046】
図1に示す本例では、中心電極4と2つの接地電極5との間にそれぞれ点火ギャップ54がある。このとき中心電極4の点火部材41の投影は、それぞれの接地電極5の点火面を軸方向で、特に点火プラグ長軸に対して垂直の方向に、それぞれ完全に覆う。点火ギャップの燃焼室側の端部は、接地電極5の点火面の燃焼室側の端部とともに、長軸xに対して垂直の平面に位置する。ハウジング2の燃焼室側の端面27を通って長軸xに対して垂直に広がる平面に対する、点火ギャップの間隔81aは、ここでは0より大きく、-15cmに等しいか、またはこれよりも小さい。
【0047】
中心電極4は絶縁体脚部31から突出して、少なくとも0.5mmから最大6.0mmの突出寸法を有する。
【0048】
ハウジング2はシャフトを有している。このシャフトに、多角形21、収縮溝、およびねじ山22が形成されている。ねじ山22は、エンジンに点火プラグ1をねじ込むための役目を果たす。
【0049】
ハウジング壁にあるボア52は、ねじ山22の領域に形成されている。このとき接地電極5のためのボア52は、およびこれに伴って接地電極5も、ねじ山22の領域でどのような任意の高さに配置されていてもよい。ねじ山22の領域における接地電極5の位置に応じて、相応に中心電極4が、およびそれに伴って絶縁体脚部31も、通気室81の中に突入する程度が増減する。点火プラグ1の所望の使用目的に応じて、ねじ山22の領域におけるボアの、およびハウジング2の内面23での接地電極5の、位置を選択することができる。
【0050】
ボア52はたとえばそれぞれ凹部510に、たとえばテーパ状または円形の溝に、配置される。このとき凹部でのハウジング2の外径は、ねじ山22の主要直径よりも小さい。
【0051】
凹部510は、たとえば点火プラグ1を製造するときのハウジング2の打抜きによって生じさせることができる。このとき凹部510の領域におけるハウジング2の外径だけでなく、凹部510の領域におけるハウジング2の内径も縮小され、それによりハウジングの内部では突起26が凹部510ごとに生じる。
【0052】
ハウジング2の内部には、容積部を有する通気室81がある。通気室81はハウジングの燃焼室側の端面27からハウジング2の中へ、およびハウジング2の内部で、ハウジングシート25の上に載る絶縁体シート35に隣接する絶縁体脚部スロートまで延びている。ハウジング2と絶縁体3の間の中間スペースは、この個所で内部シール材10により気密に封止されている。接地電極5、中心電極4、および絶縁体脚部31の容積は、通気容積部の計算にあたって差し引かれる。通気室81の容積は最大で500mm3である。
【0053】
ハウジング2は、または接地電極5のためのボア52は、製造によって溝または刻み目を有することがあり、それによって表面粗さが生じる。溝および刻み目は、たとえば、ハウジング2の表面または内部のボアが旋削プロセスによって加工され、そのときハウジング2から材料が剥離された場合に生じる。
【0054】
図2は、本発明による点火プラグ1の電極4,5の配置についての第1の例を示している。上半分には、燃焼室の方向から見た電極の平面図が示されており、下半分には、電極の配置を断面図で見た側面図が示されている。
中心電極4は、電極本体と、その燃焼室側の端部にある点火部材41とを有している。点火部材41は、たとえば溶接などの物質接合式の結合によって、電極本体と結合される。点火部材41は、円形の底面を有する円筒状である。点火部材41は、その円形の底面に対して垂直に長軸を有しており、この長軸は点火プラグ1の長軸xに対して平行に延びる。
【0055】
本例では2つの接地電極5が示されているが、これより多くても少なくてもよい。以下においては、図面の説明において便宜上1つの接地電極について述べる。この説明は両方の接地電極に当てはまる。
【0056】
接地電極5はハウジングの内部でハウジング2に配置され、中心電極4に対して側方電極を形成する。それに応じて径方向の点火ギャップ54が形成される。点火ギャップ54は、中心電極4の点火部材41と、接地電極5の点火面とによって区切られる。本例では接地電極5は、点火面を形成する点火部材51も有している。接地電極5の点火部材51は中心電極4の方向に平坦な表面を有し、それに応じて平坦な点火面を有する。電極間隔は、ここでは両方の電極4,5の点火面の間の最小間隔である。接地電極5の点火面の投影54aは、軸方向で、および点火プラグ長軸xに対して垂直の方向で、中心電極4の点火部材41に適合する。換言すると中心電極点火部材41の投影は、軸方向および垂直方向で、接地電極5の点火面を完全に覆う。このとき接地電極点火面の投影54aの、燃焼室と反対を向くほうの端部は、中心電極4の電極本体から、ないしは電極本体と中心電極4の点火部材41との間の結合領域から、間隔45を有している。
【0057】
図3は、本発明による点火プラグ1の電極4,5の配置についての第2の例を示している。上半分には、燃焼室の方向から見た電極4,5の平面図が示されており、下半分には、電極の配置を断面図で見た側面図が示されている。
【0058】
この例は、接地電極5の点火部材51の構成によってのみ、
図2の第1の例と相違している。このことは平面図で特別に良く見ることができる。接地電極5の点火部材51は、平坦な表面ではなく凹面状の表面を有している。このとき凹面状の表面の輪郭は、中心電極点火部材41に対して相補的に構成される。それにより、軸方向で、および点火プラグ長軸に対して垂直の方向で、電極間隔が一定になり、そのようにして電極4,5が均等に摩耗することがもたらされる。
【符号の説明】
【0059】
1 点火プラグ
2 ハウジング
3 絶縁体
4 中心電極
5 接地電極
27 燃焼室側の端面
41 点火部材
45 間隔
51 点火部材
54 点火ギャップ
54a 投影
81a 間隔
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長軸xを有する点火プラグ(1)において、
燃焼室側の端面(27)を有するハウジング(2)と、
少なくとも部分的に前記ハウジング(2)の内部に配置された絶縁体(3)と、
電極本体および前記電極本体の燃焼室側の端部に配置されて点火面としての役目を果たす点火部材(41)を備える、少なくとも部分的に前記絶縁体(3)の内部に配置された中心電極(4)とを有し、前記点火部材(41)は、円形の底面と、点火プラグ長軸xに対して平行に延びる長軸とを備えた円筒状の形態を有し、および、
前記ハウジング(2)の内部で前記ハウジング(2)に配置された、点火面を備える少なくとも1つの接地電極(5)を有し、
少なくとも1つの前記接地電極(5)と前記中心電極(4)とは、少なくとも1つの前記接地電極(5)が前記中心電極(4)とともに、点火プラグ長軸xに対して径方向に延びる点火ギャップ(54)を形成するように配置され、
前記点火ギャップ(54)の幅は少なくとも1つの前記接地電極(5)に対する前記中心電極(4)の電極間隔によって与えられ、
少なくとも1つの前記接地電極(5)に対する前記中心電極(4)の電極間隔は0.3mmよりも大きくなく、前記点火ギャップ(54)は完全に前記ハウジング(2)の内部に形成され、
少なくとも1つの前記接地電極(5)の前記点火面の投影(54a)は軸方向で前記中心電極(4)の前記点火部材(41)に完全に適合する、点火プラグ。
【請求項2】
前記中心電極(4)の前記点火部材(41)の上での少なくとも1つの前記接地電極(5)の点火面の投影(54a)の、燃焼室と反対を向くほうの端部は、前記中心電極(4)の前記点火部材(41)の、燃焼室と反対を向くほうの端部から軸方向で間隔をおいており、特に、前記間隔(45)は前記点火部材(41)の長さの少なくとも5%であることを特徴とする、請求項1に記載の点火プラグ(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの前記接地電極(5)の前記点火面の投影(54a)は、点火プラグ長軸xに対して垂直の方向で、前記中心電極(4)の前記点火部材(41)に完全に適合することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の点火プラグ(1)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記接地電極(5)の、前記中心電極(4)のほうを向く点火面は平坦な表面であることを特徴とする、請求項1
または請求項2に記載の点火プラグ(1)。
【請求項5】
少なくとも1つの前記接地電極(5)の、前記中心電極(4)のほうを向く点火面は凹面状であり、特に前記中心電極・点火部材(41)に対して相補的な輪郭を有することを特徴とする、請求項1
または請求項2に記載の点火プラグ(1)。
【請求項6】
前記電極間隔は0.2mmよりも大きくなく、特に0.15mmよりも大きくなく、および/または前記電極間隔は少なくとも0.05mmであり、特に0.1mmよりも小さくないことを特徴とする、請求項1
または請求項2に記載の点火プラグ(1)。
【請求項7】
前記点火ギャップ(54)は前記ハウジング(2)の燃焼室側の端面(27)に対して0mmよりも大きく最大で-15mmの、特に-1mmよりも小さくない、および/または-4mmよりも大きくない、間隔(81a)を有し、前記ハウジング(2)の燃焼室側の端面(27)を通って広がる、前記点火プラグ(1)の長軸xに対して垂直の平面が値0mmを有する基準平面であり、前記基準平面からの前記間隔(81a)は、前記点火プラグ(1)の、燃焼室と反対を向くほうの端部の方向で、次第に増えていく負の値をとることを特徴とする、請求項1
または請求項2に記載の点火プラグ(1)。
【請求項8】
前記点火プラグ(1)は前記中心電極(4)とともに点火ギャップ(54)をそれぞれ形成する少なくとも2つの接地電極(5)を有し、特に、前記接地電極(5)は前記中心電極(4)の周りに対称に配置されることを特徴とする、請求項1
または請求項2に記載の点火プラグ(1)。
【請求項9】
少なくとも1つの前記接地電極(5)および/または前記中心電極(4)は、向かい合う前記電極(4,5)とともに、ないしはその点火部材とともに、前記点火ギャップ(54)を形成するそれぞれ1つの点火部材(41,51)を有し、この/これらの点火部材(41,51)は貴金属または貴金属合金からなり、特にPt、Ir、Rh、Pd、Re、Au、またはこれらの合金からなることを特徴とする、請求項1
または請求項2に記載の点火プラグ(1)。
【請求項10】
少なくとも1つの前記接地電極(5)および/または前記中心電極(4)はそれぞれ1つの点火部材(41,51)を有し、前記点火部材は丸められた、または面取りされた、エッジを有することを特徴とする、請求項1
または請求項2に記載の点火プラグ(1)。
【請求項11】
前記点火プラグ(1)は、水素により駆動されるエンジンで使用される、点火可能な水素を含む燃料・空気・混合気を点火するためにセットアップされた水素・点火プラグであることを特徴とする、請求項1
または請求項2に記載の点火プラグ(1)。
【国際調査報告】