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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】射出成形システム
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/64 20060101AFI20241018BHJP
   B29C 33/34 20060101ALI20241018BHJP
   B29C 45/12 20060101ALI20241018BHJP
   B29C 45/17 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B29C45/64
B29C33/34
B29C45/12
B29C45/17
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527261
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 US2022079900
(87)【国際公開番号】W WO2023091914
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/282,092
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520449345
【氏名又は名称】キヤノンバージニア, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Canon Virginia, Inc.
【住所又は居所原語表記】12000 Canon Blvd., Newport News, Virginia, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島 智宏
(72)【発明者】
【氏名】田代 瑞穂
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AJ08
4F202AM15
4F202AM19
4F202AR02
4F202AR07
4F202CA11
4F202CB01
4F202CC01
4F202CL28
4F202CL42
4F202CL50
4F202CR03
4F202CR10
4F206AJ08
4F206AM15
4F206AM19
4F206AR02
4F206AR07
4F206JA07
4F206JL05
4F206JQ06
4F206JQ83
(57)【要約】
金型内に樹脂を射出する射出ユニット、および前記金型の固定型板と可動型板とを結合するための結合部材を備える射出成形システムであって、前記射出成形システムに対する改良は、前記結合部材によって前記固定型板と前記可動型板とを結合したときに前記可動型板を移動することで、前記固定型板を固定プラテンから離間するための駆動部材を含む。

【選択図】図4G
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型内に樹脂を射出する射出ユニットと、
前記金型の固定型板と可動型板とを結合するための結合部材と、
を備える射出成形システムであって、
前記射出成形システムに対する改良は、前記結合部材によって前記固定型板と前記可動型板とを結合したときに前記可動型板を移動することで、前記固定型板を固定プラテンから離間するための駆動部材を含む、
射出成形システム。
【請求項2】
前記結合部材は、前記固定型板と前記可動型板とを磁力によって結合するためのマグネットを含む、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項3】
前記結合部材は、前記固定型板と前記可動型板とを弾性力によって結合するためのバネを含む、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項4】
前記バネは、前記固定型板と前記固定プラテンとの間に位置する、
請求項3に記載の射出成形システム。
【請求項5】
前記結合部材は、前記金型の可動取付板と固定取付板とにそれぞれ配置されたボールプランジャを含む、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項6】
前記可動取付板と可動プラテンとの間、または前記固定取付板と前記固定プラテンとの間に、前記固定プラテンの硬度よりも高い硬度を有する板をさらに備える、
請求項5に記載の射出成形システム。
【請求項7】
前記駆動部材は、前記射出ユニットによる前記樹脂の射出方向に前記可動型板を移動する、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項8】
前記金型を射出方向とは異なる搬送方向に搬送するための搬送部材をさらに備え、前記駆動部材は、前記金型内に樹脂を射出後かつ前記金型を搬送前に、前記可動型板を移動する、
請求項7に記載の射出成形システム。
【請求項9】
前記駆動部材は、型締め処理において前記可動型板を移動し、前記固定型板を前記固定プラテンから離間するための前記可動型板の移動方向は、前記型締め処理における前記可動型板の移動方向とは逆である、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項10】
可動取付板と可動プラテンとの結合を維持するための可動クランプ機構をさらに備え、
前記駆動部材は、前記可動クランプ機構によって前記可動取付板と前記可動プラテンとの前記結合を維持したときに、前記可動プラテンに対して力を付与することで、前記可動型板を移動する、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項11】
前記駆動部材は、前記可動型板を移動後に前記結合を解除し、次いで、前記移動方向とは逆方向に前記可動型板を移動することで、前記可動型板を前記可動プラテンから離間する、
請求項10に記載の射出成形システム。
【請求項12】
請求項1に記載の前記射出成形システムを用いて前記金型内に樹脂を射出すること、および
前記樹脂の射出後に、前記結合部材によって前記固定型板と前記可動型板とを結合したときに前記可動型板を移動することで、前記固定型板を前記固定プラテンから離間すること、
を含む成形品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年11月22日に出願された米国仮出願63/282,092号の利益を主張する。
【0002】
本明細書の開示は、プラスチック部品を製造するための射出成形システムに関する。
【背景技術】
【0003】
射出成形機による成形品の製造は、金型の型締め、金型内への樹脂の射出、樹脂の固化による体積減少を補うための高圧での金型への樹脂の押し込み、樹脂が固化するまでの金型内での成形品の保持、および金型からの成形品の取り出しが含まれる。射出成形工程を繰り返し行い、所望の数の成形品を得る。ある金型で所定数の成形を行った後、射出成形機からその金型を排出し、次の金型の段取りをして射出成形機に挿入する。次いで、この次の金型で所定数の射出成形を行う。
【0004】
上述の工程には時間と資源がかかることがあり、通常、この工程中は射出成形機は待機状態のままである。これにより、全体的な生産性に影響が及ぶ可能性がある。金型は重く、使用中に加熱されるため、操作者の安全に配慮する必要がある。
【0005】
上述の成形手法において、1台の射出成形機に対して、2つの金型を用いる方法が提案されている。例えば、米国特許第2018/0009146号/日本特許公開第2018-001738号/VN20160002505号では、射出成形機の両側に搬送装置を配置するシステムが論じられている。このシステムでは、1台の射出成形機に対して、搬送装置によって複数の金型を入れ替えながら成形品を製造する。
【0006】
米国特許第2018/0009146号/日本特許公開第2018-001738号/VN20160002505号に記載の射出成形システムは、射出成形機の固定プラテンおよび可動プラテンの内面に埋設されたバネローラを含む。バネローラは、射出成形機からの金型搬出時に固定プラテン面を金型取付面から離間することを可能にし、射出成形機への金型の搬入出時のガイド機能を可能にする。これを達成するためには、射出成形機のプラテン内にバネローラを埋設し、複数のバネローラを配置するための溝が形成されることとなり、これが射出成形システムのコストに影響を与えている。
【0007】
より効率的にプラテンを離間可能にする射出成形システムが求められる。
【発明の概要】
【0008】
本開示の例示的一態様は、金型内に樹脂を射出する射出ユニットと、前記金型の固定型板と可動型板とを結合するための結合部材と、前記結合部材によって前記固定型板と前記可動型板とを結合した状態で前記可動型板を移動することで、前記固定型板を固定プラテンから離間するための駆動部材とを備える射出成形システムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の様々な実施形態、目的、特徴、および利点を示す。
【0010】
図1図1は、例示的な一実施形態における射出成形システムをZ軸方向から見た図である。
【0011】
図2図2は、例示的な射出成形システムをX軸方向から見た図である。
【0012】
図3図3は、例示的な一実施形態における固定プラテンをY軸方向から見た図である。
【0013】
図4A図4A図4Iは、本例示的実施形態における型開閉動作の流れを示す。
図4B】同上
図4C】同上
図4D】同上
図4E】同上
図4F】同上
図4G】同上
図4H】同上
図4I】同上
【0014】
図5図5は、本例示的実施形態における射出成形システムの動作フローチャートを示す。
【0015】
図6A図6A図6Bは、例示的な一実施形態における射出成形システムをX軸方向から見た図である。
図6B】同上
【0016】
図7図7は、例示的な一実施形態における射出成形システムをX軸方向から見た図である。
【0017】
図8A図8A図8Bは、例示的な一実施形態における射出成形システムをX軸方向から見た図である。
図8B】同上
【0018】
図9図9は、例示的な一実施形態におけるボールプランジャのバネ部を示す。
【0019】
図面全体を通して、別段の記載がない限り、同一の参照番号および符号は、図示する実施形態の同様の特徴、要素、構成要素、または部分を示すために用いられる。図面を参照して本開示を詳細に説明するが、これは説明のための例示的な実施形態に関連して行われる。添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の真の範囲および趣旨を逸脱することなく、説明される例示的な実施形態に対して変更および修正を加えることができることを意図する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、いくつかの実施形態を説明しており、当業者に既知の詳細については、特許、特許出願、および他の参考文献に依拠する。したがって、本明細書において、特許、特許出願、または他の参考文献が引用される、または繰り返されるとき、それらは、記載されている提案だけでなくあらゆる目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれることを理解されたい。
【0021】
図面を参照して、本開示の一実施形態における射出成形システムについて説明する。各図中において、矢印XおよびYは、互いに直交する水平方向を示し、矢印Zは、上下(鉛直)方向を示す。
【0022】
図1は、例示的な一実施形態における射出成形システム1をZ軸方向から見た図である。図2は、射出成形システム1をX軸方向から見た図である。図5は、射出成形システム1の動作を説明するフローチャートを示す。図5に示す各ステップは、射出成形システム1のプロセッサ(図示せず)が、メモリ(図示せず)に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0023】
射出成形システム1は、射出ノズル2、射出シリンダ3およびホッパ4を含む横型の射出ユニット5を備える。射出ユニットは、金型に対して樹脂を射出する。射出位置の両側には、射出位置に金型6と金型7とを交互に搬入出する金型搬送装置8がX軸方向に設置されている。射出位置とは、射出ユニット5による射出処理に適した位置のことである。金型搬送装置8には、駆動源(図示せず)と、連結部材9と、金型6および金型7の搬送をガイドするガイドローラ10とが装備されている。図1においては、これらの要素を図1中の上部に示しているが、下部は鏡像であり、同一の参照番号が適用される。
【0024】
射出成形システム1はまた、射出位置への金型の搬入時に、金型を底面を介して支持する固定底面ローラ11および可動底面ローラ12を備える。固定プラテン13、可動プラテン14、および型締力発生装置15も射出成形システム1の一部である。金型6と金型7は共に、固定取付板16、固定型板17、可動取付板18、可動型板19、および固定型板17と可動型板19との境界に設けられたマグネットロック22を備える。図1は、これらの要素を金型6に関して示しているが、金型7にも適用可能である。
【0025】
図3は、本実施形態における固定プラテンをY軸方向から見た図である。固定底面ローラ11は、固定金型クランプ21とタイバー22との間に配置され、金型搬送時のガイド機能を果たす。固定側には、ロケートリング穴23が空いている。
【0026】
図4A図4Iは、本実施形態における型開閉動作の流れを示す。より具体的には、図4A図4Iは、金型を射出位置に搬入してから、成形品を取り出し、射出充填し、金型を射出位置から搬出するまでの状態を示す。
【0027】
図4Aは、金型を射出位置に搬入時の状態を示す。図4Bは、可動プラテン14が閉じた型閉状態を示す。図4Cは、固定金型クランプ21と可動金型クランプ24とを同時に締めた状態を示す。図4Dは、可動プラテン14が開いて、成形品を取り出した状態を示す。図4Eは、可動プラテン14が閉じて、樹脂を射出充填した状態を示す。図4Fは、射出充填後に固定金型クランプ21のみを解除した状態を示す。図4Gは、可動プラテン14が僅かに開いて、金型の固定取付板16と固定プラテン13とが離間した状態を示す。図4Hは、可動金型クランプ24を解除した状態を示す。図4Iは、可動プラテン14が再度僅かに開いて、可動プラテン14と金型の可動取付板18とが離間した状態を示す。
【0028】
図5は、本実施形態における射出成形システム1の動作フローチャートを示す。
【0029】
ステップS101では、金型搬送装置8の駆動源(図示せず)と金型6の連結部材9とによって、射出成形システム1の固定プラテン13と可動プラテン14との間の空間に、金型6をX軸方向に搬入する。図4Aは、金型6を射出位置に搬入時の状態をX軸方向から見た図である。
【0030】
ステップS103では、金型6を型締めする。次いで、ステップS105では、固定金型クランプ21と可動金型クランプ24とを作動させ、金型6を固定プラテン13と可動プラテン14とに固定する。図4Cは、この状態を示す。
【0031】
前に金型6内に射出した樹脂の冷却時間が経過すると、ステップS107では、可動プラテン14を開いて、金型6から成形品を取り出す。図4Dは、金型6を型開きし、成形品を取り出した状態を示す。最初の成形動作を行っている場合には、まだ成形品がないため、この処理は省略することができる。
【0032】
ステップS109では、射出ノズル2を介して、射出シリンダ3内の溶融樹脂を金型6内に射出する。図4Eは、この状態を示す。
【0033】
ステップS111では、射出および保圧処理の完了後、金型Aを射出位置から搬出するために、固定金型クランプ21を解除する。図4Fは、固定金型クランプ21を解除時の状態を示す。このとき、可動金型クランプ24は、金型6に対する型締力を維持している。
【0034】
次いで、ステップS113では、可動プラテン14が僅かに開く。金型Aの可動取付板18を挟持した状態で可動プラテン14が僅かに開くことで、固定プラテン13と固定取付板16とが離間する。すなわち、可動金型クランプ24によって固定取付板16と可動プラテン14との結合を維持した状態で、可動プラテン14に対して移動力を付与する。図4Gは、可動プラテン14が移動した後の状態を示す。
【0035】
マグネットロック20は、金型6と固定底面ローラ11との間に生じる摩擦力よりも強い密着力を有しており、このことにより、固定型板17と可動型板19とが離間することなく、金型6を一体化して移動することが可能となる。すなわち、マグネットロック20は、金型6の固定型板17と可動型板19とを磁力によって結合するための結合部材として機能する。マグネットロック20によって固定型板17と可動型板19とを結合した状態で可動型板19を移動することにより、固定取付板16を固定プラテン13から離間することができる。マグネットロック20は、固定型板17および可動型板19のどの側面に固定してもよい。別の例示的実施形態では、マグネットロック20の代わりに油圧ジャッキ等の別の固定部材を設けてもよい。
【0036】
図4A図4Iに示すように、ステップS113における可動型板19の移動方向は、射出ユニット5による樹脂の射出方向に平行である。ステップS113における可動型板19の移動方向は、ステップS103の型締め処理における可動型板19の移動方向とは逆である。
【0037】
ステップS115では、可動金型クランプ24を解除する。図4Hは、この状態を示す。
【0038】
ステップS117では、可動プラテン14が再度僅かに開き、可動プラテン14と可動取付板18とが離間する。可動プラテン14と可動取付板18とをより確実に離間するために、本実施形態では、固定金型クランプ21または固定底面ローラ11の縁部またはツバ部に固定取付板16が引っ掛かるようにしている。可動プラテン14と可動取付板18との間に隙間が生じると、これにより、射出位置からの金型搬出時に可動プラテン14と可動取付板18とが擦れて摩耗することを防止することが可能となる。図4Iは、この状態を示す。
【0039】
ステップS119では、金型6と、固定プラテン13および可動プラテン14とが互いに接触していない状態で、金型6を射出位置から搬出する。
【0040】
金型6を射出位置から搬出後、図5のステップS101~S119を金型7に対して行う。
【0041】
ステップS101~S119は、金型6、金型B7、金型6、金型7等の順に、金型ごとの成形品の目標生産数量に達するまで繰り返される。
【0042】
上述の実施形態によれば、プラテンにバネローラを組み込む必要なしに、射出位置からの金型搬出時に金型とプラテンとを離間することが可能となる。
【0043】
上述の実施形態におけるガイド機能は、金型の搬送速度を向上させるとともに、より安全な金型の搬送処理を実現するのに有用である。底面ローラのツバ部を介して、搬送時に金型を底面ローラのツバ部に積極的に当接させることで、これを達成することができる。
【0044】
図6A図6Bは、別の例示的実施形態2における射出成形システム1を、射出成形システム1のプラテン部および金型部に着目してX軸方向から見た図である。図6Aは、金型を固定プラテン13と可動プラテン14との間の空間に搬入出時の状態を示す。図6Bは、可動プラテン14の型閉動作によって、金型が閉じたときの状態を示す。
【0045】
図6Aに示すように、金型の固定取付板16と可動取付板18とには、固定ボールプランジャ25と可動ボールプランジャ26とがそれぞれ埋設されている。固定ボールプランジャ25および可動ボールプランジャ26のボール部分(図示せず)が、それぞれ固定プラテン13または可動プラテン14と摺動しながら、金型を射出位置に搬入出する。
【0046】
射出位置への金型搬入後は、図9に示すように、可動プラテン14の型閉動作に伴って、固定ボールプランジャ25および可動ボールプランジャ26のバネ部32が圧縮されることで収縮し、固定ボールプランジャ25および可動ボールプランジャ26が金型取付板16内に後退することになり、その結果、射出充填動作に支障が生じることはない。
【0047】
図5において説明したように、固定側および可動側のクランプが別々に解除されることはない。より具体的には、ステップS109の後に、固定金型クランプ21と可動金型クランプ24とを同時に解除する。可動プラテン14が開き、固定ボールプランジャ25および可動ボールプランジャ26のバネ部32の力で金型を押し上げ、固定プラテン13および可動プラテン14から金型取付板16が離間する。
【0048】
前述の実施形態では、マグネットロック20が固定型板17と可動型板19とを結合するための結合部材として機能していたが、本実施形態では、固定ボールプランジャ25および可動ボールプランジャ26のバネ部32が付与する弾性力によって、固定型板17と可動型板19とを結合する。より具体的には、固定型板17と固定プラテン13との間に設けられた固定ボールプランジャ25のバネ部32による弾性力と、可動型板19と可動プラテン14との間に設けられた可動ボールプランジャ26のバネ部32による弾性力とを用いて、固定型板17と可動型板19とを結合する。
【0049】
例えば、プラテン内にバネローラを埋設するときは、部品選定時にその射出成形システムで使用する最大金型重量を想定する必要がある。しかし、金型内にボールプランジャを埋設するときは、金型の重量に適した部品を選定すれば十分であり、その結果、過剰な金型押し上げ力が発生することもなく、コストを抑えた設計が可能となる。金型の取付板の厚さを利用することで、金型厚さを損なうことなく、金型取付板に摺動機能を持たせることが可能である。
【0050】
例示的な一実施形態では、ボールプランジャのボール部とプラテンとの摺動による摩耗の問題に対処するために、摩耗量に基づいて金型取付板を交換できるように、プラテンと金型取付板との間にプラテンよりも高い硬度を有する薄板を挿入してもよい。
【0051】
別の例示的実施形態では、金型厚さの損失を回避するために、プラテン内に薄板を埋設することができる空間を形成し、そこに薄板を固定できるようにしてもよい。
【0052】
図7は、別の例示的実施形態における射出成形システム1を、射出成形システム1の固定プラテン13と可動プラテン14との間の部分に着目してX軸方向から見た図である。より具体的には、図7は、固定プラテン13と可動プラテン14との間の空間に、固定金型クランプ21および可動金型クランプ24によって金型を固定した状態を示す。図7に示すように、金型にはシリンダ固定部27およびシリンダ28が設けられている。固定金型クランプ21および可動金型クランプ24を解除して可動プラテン14が開いた後、シリンダ28が駆動することで固定プラテン12および可動プラテン14を押し、固定プラテン13と可動プラテン14とが固定取付板16と可動取付板18とから離間する。これにより、金型搬送時の金型と固定プラテンおよび可動プラテンとの摺動による摩耗を回避することが可能である。
【0053】
シリンダ28の駆動機構(図示せず)は、油圧、エア等、どのような種類の駆動源であってもよい。
【0054】
別の例示的実施形態では、シリンダ28が固定プラテンおよび可動プラテンを直接押すことを回避するために、シリンダ28と固定プラテン13および可動プラテン14との間に薄い受け板(図示せず)を設けることができる。
【0055】
図8Aおよび図8Bは、別の例示的実施形態における射出成形システム1を、プラテン部および金型部に着目してX軸方向から見た図である。図8Aは、固定取付板16および可動取付板18内にそれぞれ埋設されたシリンダ29を示す。図8Bは、固定取付板16と固定プラテン13との間に位置する板30を示し、その中にシリンダ29を埋設できるようになっている。
【0056】
図8Aでは、固定取付板16および固定取付板18内にシリンダ29を埋設しているので、金型厚さに影響を及ぼすことがない。シリンダ29は、射出成形機1の固定プラテン13および可動プラテン14ではなく、固定取付板16および可動取付板18内に埋設することができるので、例えば金型の重量に基づいてシリンダ29を選定することができる。
【0057】
図8Aに示す構成によれば、固定金型クランプ21および可動金型クランプ24を解除して可動プラテン14が開いた後、シリンダ29が駆動することで固定プラテン13および可動プラテン14を押し、その結果、固定プラテン13と可動プラテン14とが固定金型取付板16と可動金型取付板18とから離間する。すなわち、固定取付板16内に埋設されたシリンダ29が、固定プラテン13を押すことで固定取付板16と固定プラテン13とが離間する。可動取付板18内に埋設されたシリンダ29が、可動プラテン14を押すことで可動取付板18と可動プラテン14とが離間する。これにより、金型搬送時の金型と固定プラテン13および可動プラテン14との摺動による摩耗を回避することが可能である。
【0058】
シリンダ28の駆動機構(図示せず)は、油圧、エア等、どのような種類の駆動源であってもよい。
【0059】
図8Bでは、固定取付板16と固定プラテン13との間の固定装着板30内にシリンダ29を埋設しているが、シリンダ29は、可動取付板18と可動プラテン14との間の可動装着板31内に埋設することもできる。
【0060】
図8Bに示す構成によれば、固定金型クランプ21および可動金型クランプ24を解除して可動プラテン14が開いた後、固定取付板16と固定プラテン13との間の固定装着板30内に埋設されたシリンダ29が、固定取付板16を押すことで固定取付板16と固定装着板30とが離間し、可動取付板18と可動プラテン14との間の可動装着板31内に埋設されたシリンダ29が、可動取付板18を押すことで可動取付板18と可動装着板31とが離間する。これにより、金型搬送時の金型と固定装着板30および可動装着板31との摺動による摩耗を回避することが可能である。
(定義)
【0061】
説明においては、開示する実施例が完全に理解されるように、具体的な詳細を記載している。他の例では、周知の方法、手順、構成要素、および回路については、本開示を不要に長くすることを避けるために、詳細には説明していない。
【0062】
本明細書では、ある要素または部分が、別の要素または部分「の上にある」、「に接している」、「に接続されている」、または「に結合されている」と言及される場合、それは、直接にその別の要素または部分「の上にある」、「に接している」、「に接続されている」、または「に結合されている」こともあるし、あるいは介在する要素または部分が存在することもあることを理解されたい。これに対して、ある要素が、別の要素または部分「の上に直接にある」、「に直接に接続されている」、または「に直接に結合されている」と言及される場合には、介在する要素または部分は存在しない。「および/または」という用語を用いるときには、関連して列挙されている項目があれば、そのうちの1つまたは複数のあらゆる組合せを含む。
【0063】
本明細書では、「の下(under)」、「の真下(beneath)」、「の下方(below)」、「の下側(lower)」、「の上方(above)」、「の上側(upper)」、「近位(proximal)」、「遠位(distal)」等の空間的に相対的な用語を、様々な図面に示すある要素または特徴の別の(1つまたは複数の)要素または特徴に対する関係を記述する際に、説明を容易にするために用いることがある。しかし、これらの空間的に相対的な用語は、図面に示す配向に加えて、使用時または動作時における装置の様々な配向をも包含することを意図するものと理解されたい。例えば、図中の装置を反転した場合には、別の要素または特徴の「下方(below)」または「真下(beneath)」と記述された要素が、それらの別の要素または特徴の「上方(above)」に配向されることになる。したがって、「の下方(below)」等の相対的な空間用語は、上および下の両方の配向を包含することができる。装置は、その他の配向にすることもでき(90度またはその他の配向に回転させることもでき)、本明細書で用いる空間的に相対的な記述語は、それに応じて解釈されるものとする。同様に、「近位(proximal)」および「遠位(distal)」という相対的な空間用語も、適用可能な場合には、入れ換えることができることもある。
【0064】
本明細書で用いる「約」という用語は、例えば、10%以内、5%以内、またはそれ未満を意味する。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、測定誤差内を意味することもある。
【0065】
本明細書では、第1、第2、第3等の用語を、様々な要素、構成要素、領域、部分、および/または区画を説明するために用いることがある。これらの要素、構成要素、領域、部分、および/または区画は、これらの用語によって限定されないものと理解されたい。これらの用語は、単にある要素、構成要素、領域、部分、または区画を、別の領域、部分、または区画と区別するために用いているに過ぎない。したがって、以下に論じる第1の要素、構成要素、領域、部分、または区画は、本明細書の教示を逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、部分、または区画と呼ぶこともできる。
【0066】
本明細書で用いる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することは意図していない。本開示を説明する文脈における(中でも、添付の特許請求の範囲の文脈における)「1つの(a,an)」および「前記/その(the)」という用語ならびに類似の指示語の使用は、本明細書で別段の指示がない限り、またはそうでないことが文脈から明らかでない限り、単数形および複数形の両方を含むと解釈されるものとする。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」および「含有する(containing)」という用語は、別段の言及がない限り、非限定用語(すなわち、「含むが、それに限定されない」を意味する)と解釈されるものとする。具体的には、本明細書でこれらの用語を用いるとき、記載する特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを指定するが、明示的には述べられていない1つまたは複数のその他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループが存在すること、あるいは追加されることを排除するものではない。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書で別段の指示がない限り、単にその範囲に該当する各別個の値について個々に言及する簡略表記法として機能するよう意図するものに過ぎず、各別個の値は、それが本明細書においては個々に記載されたかのごとく本明細書に組み込まれる。例えば、10~15の範囲を開示する場合には、11、12、13および14もまた開示される。本明細書に記載する全ての方法は、本明細書で別段の指示がない限り、またはそうでないことが文脈から明らかでない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書に提示するあらゆる例または例示的な言葉(例えば「等の(such as)」)の使用は、単に本開示をより明確にすることを意図するものに過ぎず、別段に特許請求の範囲に記載がない限り、本開示の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言葉も、特許請求の範囲に記載のない任意の要素が、本開示の実施に必須であることを示すものではないと解釈されたい。
【0067】
本開示の方法および構成は、様々な実施形態の形で組み込むことができ、そのほんの一部が本明細書に開示されているに過ぎないことを理解されたい。それらの実施形態の変形形態は、上述の説明を読めば、当業者には明白であろう。本発明者らは、当業者がそのような変形形態を必要に応じて採用するものと想定しており、また、本開示が、本明細書に具体的に記載されたものとは別様に実施されることを意図している。したがって、本開示は、適用法により許容されるように、本明細書に添付される特許請求の範囲に記載される主題の全ての修正形態および均等物を含む。さらに、本明細書で別段の指示がない限り、またはそうでないことが文脈から明らかでない限り、その全ての可能な変形形態における上記要素の任意の組み合わせが、本開示に包含される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型内に樹脂を射出する射出ユニットと、
前記金型の固定型板と可動型板とを結合するための結合部材と、
を備える射出成形システムであって、
前記射出成形システムに対する改良は、前記結合部材によって前記固定型板と前記可動型板とを結合したときに前記可動型板を移動することで、前記固定型板を固定プラテンから離間するための駆動部材を含む、
射出成形システム。
【請求項2】
前記結合部材は、前記固定型板と前記可動型板とを磁力によって結合するためのマグネットを含む、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項3】
前記結合部材は、前記固定型板と前記可動型板とを弾性力によって結合するためのバネを含む、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項4】
前記バネは、前記固定型板と前記固定プラテンとの間に位置する、
請求項3に記載の射出成形システム。
【請求項5】
前記結合部材は、前記金型の可動取付板と固定取付板とにそれぞれ配置されたボールプランジャを含む、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項6】
前記可動取付板と可動プラテンとの間、または前記固定取付板と前記固定プラテンとの間に、前記固定プラテンの硬度よりも高い硬度を有する板をさらに備える、
請求項5に記載の射出成形システム。
【請求項7】
前記駆動部材は、前記射出ユニットによる前記樹脂の射出方向に前記可動型板を移動する、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項8】
前記金型を前記射出方向とは異なる搬送方向に搬送するための搬送部材をさらに備え、前記駆動部材は、前記金型内に樹脂を射出後かつ前記金型を搬送前に、前記可動型板を移動する、
請求項7に記載の射出成形システム。
【請求項9】
前記駆動部材は、型締め処理において前記可動型板を移動し、前記固定型板を前記固定プラテンから離間するための前記可動型板の移動方向は、前記型締め処理における前記可動型板の移動方向とは逆である、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項10】
可動取付板と可動プラテンとの結合を維持するための可動クランプ機構をさらに備え、
前記駆動部材は、前記可動クランプ機構によって前記可動取付板と前記可動プラテンとの前記結合を維持したときに、前記可動プラテンに対して力を付与することで、前記可動型板を移動する、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項11】
前記駆動部材は、前記可動型板を移動後に前記結合を解除し、次いで、前記移動方向とは逆方向に前記可動型板を移動することで、前記可動型板を前記可動プラテンから離間する、
請求項10に記載の射出成形システム。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の前記射出成形システムを用いて前記金型内に樹脂を射出すること、および
前記樹脂の射出後に、前記結合部材によって前記固定型板と前記可動型板とを結合したときに前記可動型板を移動することで、前記固定型板を前記固定プラテンから離間すること、
を含む成形品の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
射出成形システム1は、射出ノズル2、射出シリンダ3およびホッパ4を含む横型の射出ユニット5を備える。射出ユニット5は、金型に対して樹脂を射出する。射出位置の両側には、射出位置に金型6と金型7とを交互に搬入出する金型搬送装置8がX軸方向に設置されている。射出位置とは、射出ユニット5による射出処理に適した位置のことである。金型搬送装置8には、駆動源(図示せず)と、連結部材9と、金型6および金型7の搬送をガイドするガイドローラ10とが装備されている。図1においては、これらの要素を図1中の上部に示しているが、下部は鏡像であり、同一の参照番号が適用される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
ステップS111では、射出および保圧処理の完了後、金型6を射出位置から搬出するために、固定金型クランプ21を解除する。図4Fは、固定金型クランプ21を解除時の状態を示す。このとき、可動金型クランプ24は、金型6に対する型締力を維持している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
次いで、ステップS113では、可動プラテン14が僅かに開く。金型6の可動取付板18を挟持した状態で可動プラテン14が僅かに開くことで、固定プラテン13と固定取付板16とが離間する。すなわち、可動金型クランプ24によって固定取付板16と可動プラテン14との結合を維持した状態で、可動プラテン14に対して移動力を付与する。図4Gは、可動プラテン14が移動した後の状態を示す。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
ステップS101~S119は、金型6、金型7、金型6、金型7等の順に、金型ごとの成形品の目標生産数量に達するまで繰り返される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
図6A図6Bは、別の例示的実施形態における射出成形システム1を、射出成形システム1のプラテン部および金型部に着目してX軸方向から見た図である。図6Aは、金型を固定プラテン13と可動プラテン14との間の空間に搬入出時の状態を示す。図6Bは、可動プラテン14の型閉動作によって、金型が閉じたときの状態を示す。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
図6Aに示すように、金型の固定取付板16と可動取付板18とには、固定ボールプランジャ25と可動ボールプランジャ26とがそれぞれ埋設されている。固定ボールプランジャ25および可動ボールプランジャ26のボール部分が、それぞれ固定プラテン13または可動プラテン14と摺動しながら、金型を射出位置に搬入出する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
射出位置への金型搬入後は、図9に示すように、可動プラテン14の型閉動作に伴って、固定ボールプランジャ25および可動ボールプランジャ26のバネ部32が圧縮されることで収縮し、固定ボールプランジャ25および可動ボールプランジャ26が金型取付板(固定取付板16および可動取付板18)内に後退することになり、その結果、射出充填動作に支障が生じることはない。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
図5において説明したように、固定側および可動側のクランプが別々に解除されることはない。より具体的には、ステップS109の後に、固定金型クランプ21と可動金型クランプ24とを同時に解除する。可動プラテン14が開き、固定ボールプランジャ25および可動ボールプランジャ26のバネ部32の力で金型を押し上げ、固定プラテン13および可動プラテン14から金型取付板(固定取付板16および可動取付板18)が離間する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
図7は、別の例示的実施形態における射出成形システム1を、射出成形システム1の固定プラテン13と可動プラテン14との間の部分に着目してX軸方向から見た図である。より具体的には、図7は、固定プラテン13と可動プラテン14との間の空間に、固定金型クランプ21および可動金型クランプ24によって金型を固定した状態を示す。図7に示すように、金型にはシリンダ固定部27およびシリンダ28が設けられている。固定金型クランプ21および可動金型クランプ24を解除して可動プラテン14が開いた後、シリンダ28が駆動することで固定プラテン13および可動プラテン14を押し、固定プラテン13と可動プラテン14とが固定取付板16と可動取付板18とから離間する。これにより、金型搬送時の金型と固定プラテン13および可動プラテン14との摺動による摩耗を回避することが可能である。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
シリンダ29の駆動機構(図示せず)は、油圧、エア等、どのような種類の駆動源であってもよい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6A
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6A
【手続補正書】
【提出日】2024-10-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型の固定型板(17)と前記金型の可動型板(19)とを結合するように構成された結合部材(20)と、
固定取付板(16)と固定プラテン(13)との結合を維持するように構成された固定金型クランプ(21)であって、前記固定取付板(16)は前記固定型板(17)に接続されている、固定金型クランプ(21)と、
可動取付板(18)と可動プラテン(14)との結合を維持するように構成された可動金型クランプ(24)であって、前記可動取付板(18)は前記可動型板(19)に接続されている、可動金型クランプ(24)と、
(1)前記固定型板(17)と前記可動型板(19)が前記結合部材(20)によって結合され、かつ(2)前記可動金型クランプ(24)が前記可動取付板(18)と前記可動プラテン(14)との結合を維持する、という状態において、前記固定金型クランプ(21)が前記固定取付板(16)と前記固定プラテン(13)との前記結合を解除した後に、前記可動プラテン(14)を移動することによって前記固定取付板(16)を前記固定プラテン(13)から離間するように構成された駆動部材(15)と、を含む、
射出成形システム。
【請求項2】
前記結合部材(20)は、前記固定型板(17)と前記可動型板(19)とを磁力によって結合するように構成されたマグネットを含む、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項3】
前記結合部材(20)は、前記固定型板(17)と前記可動型板(19)とを弾性力によって結合するように構成されたバネを含む、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項4】
前記バネは、前記固定取付板(16)と前記固定プラテン(13)との間に位置する、
請求項3に記載の射出成形システム。
【請求項5】
前記結合部材(20)は、前記金型の前記可動取付板(18)前記固定取付板(16)とにそれぞれ配置されたボールプランジャ(26)を含む、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項6】
前記固定プラテン(13)の硬度よりも高い硬度を有する板をさらに備え、前記板は、前記可動取付板(18)と前記可動プラテン(14)との間、または前記固定取付板(16)と前記固定プラテン(13)との間に設けられる、
請求項5に記載の射出成形システム。
【請求項7】
前記駆動部材(15)、射出ユニット(5)による樹脂の射出方向に前記可動プラテン(14)を移動するように構成されている、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項8】
前記金型を前記射出方向とは異なる搬送方向に搬送するように構成された搬送部材をさらに備え、前記駆動部材(15)は、前記金型内に樹脂を射出後かつ前記搬送部材によって前記金型を搬送する前に、前記可動プラテン(14)を移動するように構成されている
請求項7に記載の射出成形システム。
【請求項9】
前記駆動部材(15)は、型締め処理において前記可動プラテン(14)を移動するように構成され、前記固定取付板(16)を前記固定プラテン(13)から離間するための前記可動プラテン(14)の移動方向は、前記型締め処理における前記可動プラテン(14)の移動方向とは逆である、
請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項10】
前記可動金型クランプ(24)は、前記可動プラテン(14)を移動後に前記結合を解除するように構成され、次いで、前記駆動部材(15)は前記可動プラテン(14)を移動することで、前記可動取付板(18)を前記可動プラテン(14)から離間するように構成されている
請求項1から9のいずれか一項に記載の射出成形システム。
【請求項11】
樹脂を金型に射出するように構成された射出ユニット(5)と、
前記金型の固定型板(17)と前記金型の可動型板(19)とを結合するように構成された結合部材(20)と、
固定取付板(16)と固定プラテン(13)との結合を維持するように構成された固定金型クランプ(21)であって、前記固定取付板(16)は前記固定型板(17)に接続されている、固定金型クランプ(21)と、
可動取付板(18)と可動プラテン(14)との結合を維持するように構成された可動金型クランプ(24)であって、前記可動取付板(18)は前記可動型板(19)に接続されている、可動金型クランプ(24)と、
(1)前記固定型板(17)と前記可動型板(19)が前記結合部材(20)によって結合され、かつ(2)前記可動金型クランプ(24)が前記可動取付板(18)と前記可動プラテン(14)との結合を維持する、という状態において、固定金型クランプ(17)が前記固定取付板(16)と前記固定プラテン(13)との前記結合を解除した後に、前記可動プラテン(14)を移動することによって前記固定取付板(16)を前記固定プラテン(13)から離間するように構成された駆動部材(15)と、を含む、
射出成形装置。
【請求項12】
前記結合部材(20)は、前記固定型板(17)と前記可動型板(19)とを磁力によって結合するように構成されたマグネットを含む、
請求項11に記載の射出成形装置。
【請求項13】
前記結合部材(20)は、前記固定型板(17)と前記可動型板(19)とを弾性力によって結合するように構成されたバネを含む、
請求項11に記載の射出成形装置。
【請求項14】
前記バネは、前記固定取付板(16)と前記固定プラテン(13)との間に位置する、
請求項13に記載の射出成形装置。
【請求項15】
前記結合部材(20)は、前記金型の前記可動取付板(18)と前記固定取付板(16)とにそれぞれ配置されたボールプランジャ(26)を含む、
請求項11に記載の射出成形装置。
【請求項16】
前記固定プラテン(13)の硬度よりも高い硬度を有する板をさらに備え、前記板は、前記可動取付板(18)と前記可動プラテン(14)との間、または前記固定取付板(16)と前記固定プラテン(13)との間に設けられる、
請求項15に記載の射出成形装置。
【請求項17】
前記駆動部材(15)は、前記射出ユニット(5)による前記樹脂の射出方向に前記可動プラテン(14)を移動するように構成されている、
請求項11に記載の射出成形装置。
【請求項18】
前記金型を前記射出方向とは異なる搬送方向に搬送するように構成された搬送部材を用いて動作する射出成形装置であって、前記駆動部材(15)は、前記金型内に樹脂を射出後かつ前記搬送部材によって前記金型を搬送する前に、前記可動プラテン(14)を移動するように構成されている、
請求項17に記載の射出成形装置。
【請求項19】
前記駆動部材(15)は、型締め処理において前記可動プラテン(14)を移動するように構成され、前記固定取付板(16)を前記固定プラテン(13)から離間するための前記可動プラテン(14)の移動方向は、前記型締め処理における前記可動プラテン(14)の移動方向とは逆である、
請求項11に記載の射出成形装置。
【請求項20】
前記可動金型クランプ(24)は、前記可動プラテン(14)を移動後に前記結合を解除するように構成され、次いで、前記駆動部材(15)は前記可動プラテン(14)を移動することで、前記可動取付板(18)を前記可動プラテン(14)から離間するように構成されている、
請求項11から19のいずれか一項に記載の射出成形装置。
【国際調査報告】