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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】マルチプル・ダイ・アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/04 20230101AFI20241018BHJP
【FI】
H01L25/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527353
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 IB2022061279
(87)【国際公開番号】W WO2023094990
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】17/535,664
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ファルーク、ムクタ
(72)【発明者】
【氏名】ニッカーボッカー、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 克幸
(57)【要約】
1つまたは複数の基板接続を備える1つまたは複数の基板層を備える基板を有する半導体ダイ・パッケージ。基板層は、1つまたは複数の再配線層(RDL)を含むことができる。1つまたは複数のダイ(例えば、多数のダイ)が上側基板層上に配置されている。ダイは、1つまたは複数のダイ外部接続を有する。ダイ外部接続の幾つかは、1つまたは複数の基板接続に電気的に接続されている。1つまたは複数の金属ダム・スティフナは、上側基板層上に配置されかつ上側基板層に物理的に接続されたダム・エンクロージャを形成している。ダム・エンクロージャは、ダイの1つまたは複数を包囲している。金属ダム・エンクロージャは、金属ダム・エンクロージャが基板水平接続の1つまたは複数に電気的に接続されている1つまたは複数の電気的に接続された領域と、金属ダム・エンクロージャが基板水平接続および基板ビア接続の1つまたは複数から電気的に絶縁されている1つまたは複数の電気的に絶縁された領域とを有する。異なる実施形態では、ダム・エンクロージャは、製造、組立て、および動作の間、基板/パッケージを剛性化し、アンダーフィル塗布のための閉じ込めを提供し、熱除去のための熱伝導路を提供する。ダイ・パッケージを製造しかつ組み立てる方法が開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ダイ(ダイ)パッケージであって、
1つまたは複数の基板層を有する基板であって、前記基板層の1つまたは複数は、1つまたは複数の基板接続を有し、前記基板接続は、基板水平接続および基板ビア接続のうちの1つであり、前記基板は、上側基板層および下側基板層を有する、前記基板と、
1つまたは複数の再配線層(RDL)であって、前記RDLは、前記基板層のうちの1つであり、前記RDLは、1つまたは複数のRDL接続を有し、前記RDL接続は、前記基板水平接続のうちの1つであるRDL水平接続および前記基板ビア接続であるRDLビア接続のうちの1つである、前記1つまたは複数の再配線層(RDL)と、
前記上側基板層上に配置された1つまたは複数のダイであって、前記ダイのそれぞれは、1つまたは複数のダイ外部接続を有し、前記ダイ外部接続の1つまたは複数は、対応する基板接続である、前記基板接続の1つまたは複数に電気的に接続されている、前記1つまたは複数のダイと、
1つまたは複数の金属ダム・スティフナであって、前記金属ダム・スティフナは、金属ダム・エンクロージャを形成するように接続されており、前記金属ダム・エンクロージャは、前記上側基板層上に配置されかつ物理的に取り付けられており、前記金属ダム・エンクロージャは、前記ダイの1つまたは複数を包囲しており、前記金属ダム・エンクロージャは、前記金属ダム・エンクロージャが前記基板水平接続の1つまたは複数に電気的および物理的に接続されている1つまたは複数の電気的に接続された領域と、前記金属ダム・エンクロージャが前記基板水平接続および前記基板ビア接続の1つまたは複数から電気的に絶縁されているが物理的には接続されている1つまたは複数の電気的に絶縁された領域とを有する、前記1つまたは複数の金属ダム・スティフナと、
を備える、半導体ダイ(ダイ)パッケージ。
【請求項2】
前記電気的に接続された領域の1つまたは複数は、前記金属ダム・エンクロージャが前記RDL水平接続の1つまたは複数に電気的に接続されているところである、請求項1に記載のダイ・パッケージ。
【請求項3】
前記RDL水平接続は、前記RDLの1つにおけるグラウンド・プレーンおよび前記基板層の1つにおけるグラウンド・プレーンのうちの1つである、請求項2に記載のダイ・パッケージ。
【請求項4】
前記電気的に絶縁された領域の1つまたは複数において、前記金属ダム・エンクロージャは、RDL水平接続、RDLビア、基板水平接続、基板ビア接続、ファンアウト接続、電位を有する接続、および信号を伝送する接続のうちの1つまたは複数から絶縁層によって電気的に絶縁されている、請求項1に記載のダイ・パッケージ。
【請求項5】
前記絶縁層は、熱伝導性であるが電気的に絶縁性の材料、電気的に絶縁性の接着剤、エポキシ、樹脂、誘電性ポリマー、電気的に絶縁性の熱伝導材料(TIM)、ポリマー接着剤、誘電体、ポリマー、およびドープされていない半導体のうちの1つまたは複数から形成されている、請求項4に記載のダイ・パッケージ。
【請求項6】
前記ダイの1つまたは複数のダイ下面と前記上側基板層との間にクリアランスが存在しない、請求項1に記載のダイ・パッケージ。
【請求項7】
前記ダイ外部接続の1つまたは複数および前記対応する基板接続の1つまたは複数は、ハイブリッド結合によって接続された金属パッド接続である、請求項6に記載のダイ・パッケージ。
【請求項8】
前記ダイの1つまたは複数は、高粘度アンダーフィルによって取り囲まれており、前記高粘度アンダーフィルは、前記金属ダム・エンクロージャによって収容されている、請求項6に記載のダイ・パッケージ。
【請求項9】
前記高粘度アンダーフィルは、40パスカル秒(Pa・s)よりも高い粘度を有し、最大フィラーサイズは、10μmよりも大きい可能性がある、請求項8に記載のダイ・パッケージ。
【請求項10】
前記金属ダム・エンクロージャは、400μm~5mmの高さおよび1.2mm2よりも大きな断面積を有する、請求項1に記載のダイ・パッケージ。
【請求項11】
前記金属ダム・エンクロージャは、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、およびグラファイトのうちの1つまたは複数から形成されている、請求項1に記載のダイ・パッケージ。
【請求項12】
半導体ダイ(ダイ)パッケージであって、
1つまたは複数の基板層を有する基板であって、前記基板層の1つまたは複数は、1つまたは複数の基板接続を有し、前記基板接続は、基板水平接続および基板ビア接続の1つであり、前記基板は、上側基板層および基板下側層を有する、前記基板と、
1つまたは複数の再配線層(RDL)であって、前記RDLは、前記基板層のうちの1つであり、前記RDLは、1つまたは複数のRDL接続を有し、前記RDL接続は、前記基板水平接続のうちの1つであるRDL水平接続および前記基板ビア接続であるRDLビア接続のうちの1つである、前記1つまたは複数の再配線層(RDL)と、
前記上側基板層上に配置された1つまたは複数のダイであって、前記ダイのそれぞれは、ダイ下面および1つまたは複数のダイ外部接続を有し、前記ダイ外部接続の1つまたは複数は、対応する基板接続である前記基板接続の1つまたは複数に電気的に接続されており、前記ダイ下面と前記上側基板層との間にダイ・クリアランスが存在する、前記1つまたは複数のダイと、
1つまたは複数の金属ダム・スティフナであって、前記金属ダム・スティフナは、ダム・エンクロージャを形成するように互いに接続されており、前記ダム・エンクロージャは、前記上側基板層上に配置されておりかつ前記ダイの1つまたは複数を包囲している、前記1つまたは複数の金属ダム・スティフナと、を備え、
前記金属ダム・エンクロージャは、前記金属ダム・エンクロージャが前記基板水平接続の1つまたは複数に電気的および物理的に接続されている1つまたは複数の電気的に接続された領域と、前記金属ダム・エンクロージャが前記基板水平接続および前記基板ビア接続の1つまたは複数から電気的に絶縁されているが物理的には接続されている1つまたは複数の電気的に絶縁された領域とを有する、半導体ダイ(ダイ)パッケージ。
【請求項13】
より低粘度のアンダーフィルが、前記ダイ・クリアランスを充填しており、前記ダイの1つまたは複数を取り囲み、前記ダム・エンクロージャによって収容されている、請求項12に記載のダイ・パッケージ。
【請求項14】
前記より低粘度のアンダーフィル上に配置されたより高粘度のアンダーフィルをさらに備え、前記より高粘度のアンダーフィルは、前記ダイの1つまたは複数を取り囲んでおり、前記ダム・エンクロージャによって収容されている、請求項13に記載のダイ・パッケージ。
【請求項15】
前記より低粘度のアンダーフィルは、2~40パスカル秒(Pa・s)のより低い粘度を有し、前記最大フィラーサイズは、10μm未満であり、前記より高粘度のアンダーフィルは、40Pa・sよりも高い、より高い粘度を有し、前記最大フィラーサイズは、10μmよりも大きい可能性がある、請求項14に記載のダイ・パッケージ。
【請求項16】
前記金属ダム・スティフナの1つまたは複数は、前記ダイの1つまたは複数から熱を逃がすように伝導する1つまたは複数の熱伝導路を提供する、請求項12に記載のダイ・パッケージ。
【請求項17】
前記ダム・エンクロージャに熱的に接続されたヒート・スプレッダと、
前記ヒート・スプレッダーに熱的に接続されたヒートシンクと、をさらに備え、
前記ダム・エンクロージャは、前記ダイ・パッケージから前記ヒートシンクへ熱を伝導するための熱経路の一部である、請求項12に記載のダイ・パッケージ。
【請求項18】
半導体ダイ(ダイ)パッケージを製造する方法であって、
平坦でかつ剛性の初期基板上にリリース層を形成するステップと、
前記リリース層上に1つまたは複数の外部パッケージ接続を形成するステップと、
前記リリース層上に基板を形成するステップであって、前記基板は、1つまたは複数の基板層を有し、前記基板層の1つまたは複数は、1つまたは複数の基板接続を有し、前記基板接続は、基板水平接続および基板ビア接続のうちの1つであり、前記基板は、上側基板層を有する、前記ステップと、
前記上側基板層上に1つまたは複数のダイを接続するステップと、
前記上側基板層上にダム・エンクロージャを形成しかつ接続するステップであって、前記ダイは、前記ダム・エンクロージャ内に包囲されている、前記ステップと、
前記ダム・エンクロージャ内に1つまたは複数のアンダーフィルを堆積させるステップであって、前記アンダーフィルは、前記ダイを取り囲む、前記ステップと、
を含む、半導体ダイ(ダイ)パッケージを製造する方法。
【請求項19】
前記初期基板上の1つまたは複数のダイ・パッケージをダイシングするステップであって、前記ダイ・パッケージのそれぞれは、前記ダム・エンクロージャおよびそれぞれの前記ダム・エンクロージャ内に包囲された前記ダイの1つまたは複数を含む、前記ステップと、
レーザ・アブレーションによってハンドラを取り外すステップと、
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記1つまたは複数のアンダーフィルを堆積させるステップは、
ダイ下面と前記上側基板層との間のクリアランスを充填する低粘度アンダーフィルを堆積させるステップと、
前記低粘度アンダーフィル上に高粘度アンダーフィルを堆積させるステップと、を含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体回路のパッケージ、即ち半導体チップ/ダイ・パッケージに関する。より具体的には、本発明は、マルチプル・ダイを含むダイ・パッケージの構造的完全性、信頼性、および動作の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイ・パッケージ内のダイの数を増やすことで、ダイ・パッケージの機能および有用性を高めることができる。したがって、全体的な小さなダイ・パッケージ・フットプリントを維持しつつ、多数のダイを含むダイ・パッケージにより多くの機能を含めることができる。
【0003】
しかしながら、ダイ・パッケージ内のダイの数が増えると、ダイとパッケージ内の他のコンポーネントとの相互接続の数および複雑さも増大する。ダイ・パッケージにおけるダイの数が増えると、製造上の問題が生じる。こうした困難は、ダイおよびその他のコンポーネントのサイズが小さくなるほど、解決が困難となる。
【0004】
半導体チップまたはダイは、莫大な数の内部電気コンポーネントおよび回路(ダイ内のダイ・デバイスなど)を含み、よく知られている。一般に、ダイは、C4/はんだバンプ接続または導電性/金属、例えば、銅のパッド接続あるいはその両方など、複数の電気的ダイ外部接続を有する。
【0005】
ダイ外部接続の一部は、各ダイ・パッケージ内の1つまたは複数の基板上の1つまたは複数の対応する基板外部接続に電気的および物理的に接続されている。基板は、エポキシ、樹脂、誘電体ポリマー、ポリイミド、ポリイミド合金または化合物、セラミック、シリコン、または他の同様の材料あるいはその組合せから形成することができる。基板はラミネートから形成することもできる。基板は、それぞれの基板に(時にはそれぞれの基板内に)取り付けられたダイ(およびその他のコンポーネント)を構造化、保持および支持する。これらの基板の2つ以上は、ダイ・パッケージを形成するように物理的に配置、整列、および接続される。
【0006】
ダイ・パッケージにおいて、ダイ外部接続は、ハイブリッド結合、Cu-Cu直接結合、マイクロバンプはんだ結合、C4はんだボールリフロー結合などによって、パッケージ内の1つまたは複数の基板上の対応する基板外部接続に接続される。基板層内の基板内部接続は、i.(2つ以上のダイの)内部ダイ回路内のダイ・デバイス、ii.基板内の基板回路、iii.パッケージの基板内のまたはパッケージの基板に取り付けられた基板コンポーネント、またはiv.パッケージ外部接続を介して接続された外部回路、あるいはその組合せの間の/中での電気的相互接続を可能にするために、パッケージ上のそれぞれの基板外部接続に電気的に接続される。幾つかの実施形態では、パッケージ外部接続は、基板外部接続のインスタンス化である。
【0007】
幾つかのダイ・パッケージは、1つまたは複数の再配線層(RDL)を有する。RDLは、基板内のメタライズされた層である。RDLの1つの機能は、1つまたは複数のダイの接点を「ファンアウト」することである。RDLは、基板上のダイの投影されたフットプリントの外側にあるそれぞれの基板外部接続に1つまたは複数のダイ外部接続を接続するRDL接続を有することによって、このファンアウトを可能にする。したがって、ファンアウトは、ダイから離れたより多くの基板外部接続において、例えば、それぞれのダイの下にない基板上の1つまたは複数の位置において利用可能となるように1つまたは複数のダイ外部接続への接続を可能にする。これらのファンアウトされた接続は、ダイ外部接続へのおよび基板上のよりアクセス可能な位置におけるより多くのより容易な接続を可能にする。ファンアウト接続は知られている。
【0008】
前述のように、ダイ・パッケージの基板のうち1つまたは複数は、パッケージ外部接続でもある基板外部接続を有する。これらの外部パッケージ接続は、パッケージ全体をパッケージの外部の回路に接続している。多くの場合、ダイ・パッケージは、プリント回路基板やラミネート基板などの他の基板に電気的および物理的に接続され、これらの他の基板によって支持されることができる。
【0009】
ダイ・パッケージがより多くの回路(より高い回路密度)を含むのに従い、例えば、コンポーネントおよびダイのサイズが縮小するのに従い、ダイ・パッケージ内の寸法およびクリアランスがより小さくなる。加えて、高い回路密度を有するダイ・パッケージは通常、ダイ・パッケージ内により薄い基板を有する。例えば、RDLの厚さは1~200ミクロンであることができ、その場合、RDLにおけるRDL接続は、のピッチ値は1~50ミクロンのピッチを有する。
【0010】
より薄い基板、基板のより薄い層(例えば、RDL)、ならびにより小さなダイおよびコンポーネントは、より壊れやすく、取扱いが難しく、組立て、製造、および動作中に曲げ/ひずみまたはクラックあるいはその組合せが発生しやすい。
【0011】
ダイ・パッケージ内の回路および機能は、ダイ・パッケージ内の基板および基板層(例えば、RDL)の表面積を増大させることによって、増大させることもできる。与えられた基板厚さの場合、より大きな表面積を有するダイ・パッケージ内の基板は、より小さな表面積を有する基板よりもさらに壊れやすい。したがって、より大きな表面積を有する基板のより薄い層(例えば、RDL)は、ますます壊れやすくなり、取扱いが難しくなり、組立て/製造および動作中の両方において曲げ/ひずみまたはクラックあるいはその組合せが発生しやすい。より大きな表面積の基板は、ウェハ・レベルの製造および組立てにおいて出現する。
【0012】
接着剤およびアンダーフィルのようなパッケージ材料の体積は、小さなクリアランスを有するダイ・パッケージにおいてより困難となる。小さなクリアランス空間内へのアンダーフィルまたは接着剤層あるいはその両方の均一な塗布は、より高い圧力を加えることを必要とする場合がある。より高い圧力は、ダイ・パッケージ内の基板層(RDLのような)またはコンポーネント/ダイあるいはその両方に機械的応力を加える。これらの機械的応力は、特にダイおよびコンポーネントが小さく、基板が薄くてより大きな面積を有するときに、ダイ・パッケージの組立て/製造中およびさらに後のダイ・パッケージ動作中に層/コンポーネント/ダイを損傷する可能性がある。より高い圧力/力を加えることは、ダイ・パッケージの組立て/製造中に基板上でコンポーネント/ダイを移動させる傾向があり、これは、不整列、不十分な接続または接続の欠如、またはコンポーネント干渉問題あるいはそれらの組合せを生じる。平坦性から逸脱する基板のひずみも、これらの問題を引き起こす可能性がある。
【0013】
熱応力は、組立て/製造および動作中にダイ・パッケージにおける材料の熱サイクルによって生じる。異なる熱膨張係数を有するパッケージ材料は、熱/温度サイクル中に異なる速度で膨張する。これらの熱応力は、基板/基板層の曲げまたはクラックあるいはその両方を生じさせ、その結果、ダイ・パッケージ組立て問題、接続不良、全体的なパッケージ故障、パッケージ寿命の短縮などを生じる。この場合も、これらの問題は、基板がより薄くなり、より大きな面積を有し、コンポーネント/ダイがより小さくなるにつれて大きくなる。
【0014】
従来技術は、アンダーフィル塗布などを制御するために、スティフナの使用、材料選択、アンダーフィル塗布を制御するための型などによってこれらの問題を解決してきた。しかしながら、サイズおよびクリアランスがより小さくなり、層がより薄くなり、パッケージにおけるダイの数が増加し、パッケージ内の接続がより複雑になり、基板表面積が増大するにつれ、従来技術の解決手段を改善する必要がある。ダイ・パッケージの製造および組立て中の基板硬化ならびに基板、コンポーネント、およびダイの取扱いを改善する必要があり、基板スティフネスを改善し、応力レベルを低下させ、(熱応力を低減するための)動作中のダイ・パッケージからの熱減少を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0015】
本発明の実施形態は、1つまたは複数の基板層を備える基板を有する半導体ダイ・パッケージを含む。基板層の1つまたは複数は、1つまたは複数の基板内部接続および1つまたは複数の基板外部接続を有する。基板接続は、基板水平接続および基板ビア接続を含む。基板は、上側基板層および下側基板層を有する。
【0016】
基板または基板層は、1つまたは複数の再配線層(RDL)を含むことができる。したがって、各RDLは、基板層のうちの1つであると考えられる。RDLは、RDL水平接続およびRDLビア接続を含む1つまたは複数のRDL接続を有する。RDL水平接続は基板水平接続であり、RDLビア接続は基板ビア接続である。基板(RDL)水平接続は、基板内部接続または基板外部接続のいずれかであることができる。
【0017】
1つまたは複数の半導体ダイ(ダイ)は、上側基板層上に配置されている。幾つかの実施形態において、多数のダイが、上側基板層上に配置されている。各ダイは、1つまたは複数のダイ外部接続、例えば、C4はんだボール接続または金属パッド接続あるいはその両方を有する。ダイ外部接続の1つまたは複数は、対応する基板接続とも呼ばれる基板外部接続の1つまたは複数に電気的に接続されている。基板外部接続の例は、マイクロバンプはんだ接続またはC4はんだボール接続または金属パッド接続あるいはその組合せを含む。
【0018】
1つまたは複数の金属ダム・スティフナは、上側基板層上に配置されかつ上側基板層に物理的に接続されたダム・エンクロージャを形成している。ダム・エンクロージャは、ダイの1つまたは複数を包囲している。ダム・エンクロージャ(例えば、金属ダム・エンクロージャ)は、1つまたは複数の電気的に接続された領域および1つまたは複数の電気的に絶縁された領域を有する。電気的に接続された領域は、基板水平接続の1つまたは複数の電気的および物理的に接続されたダム・エンクロージャの領域である。電気的に絶縁された領域は、物理的な接続はあるが、基板水平接続の1つまたは複数から電気的に絶縁されたダム・エンクロージャの領域である。
【0019】
幾つかの実施形態において、ダイを包囲しかつダム・エンクロージャによって含まれた2つのアンダーフィル層が設けられている。低粘度アンダーフィルは、ダイ下面および上側基板層のうちの1つまたは複数の間のクリアランスを充填している。高粘度アンダーフィルが低粘度アンダーフィル上に配置されている。ダイのクリアランスが非常に小さいかまたは全くない代替的な実施形態において、ダイ下面と上側基板層との間にアンダーフィルは存在しない。
【0020】
ダイ・パッケージを製造しかつ組み立てる方法が開示されている。
【0021】
以下、ここで簡単に説明される添付図面を参照しながら本発明の様々な実施形態をより詳細に説明する。図面は、本発明の様々な装置、構造、および関連する方法ステップを示す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】上側基板層、例えば、再配線層(RDL)に物理的に接続された金属ダム・エンクロージャ/スティフナを備える暫定的ダイ・パッケージにおけるマルチプル・ダイ・アセンブリの等角図であり、金属ダム・エンクロージャは、1つまたは複数の電気的に接続された領域および1つまたは複数の電気的に絶縁された領域を有する。
図2】上側基板層に物理的に接続され、金属ダム・エンクロージャに含まれる低粘度アンダーフィルによって覆われた金属ダム・エンクロージャを備えたダイ・パッケージにおけるマルチプル・ダイ・アセンブリの等角図である。
図3】低粘度アンダーフィル上に配置された高粘度アンダーフィルを含むスティフナから形成された金属ダム・エンクロージャを備えたダイ・パッケージにおけるマルチプル・ダイ・アセンブリの等角図である。
図4】上側基板層、例えば、RDLに物理的に接続された金属ダム・エンクロージャを形成する1つまたは複数の金属ダム・スティフナから形成されたダイ・パッケージにおけるマルチプル・ダイ・アセンブリの1つの実施形態の立面断面図である。
図5】上側基板層、例えば、RDLに物理的/機械的に接続されかつ多数の基板層を有する金属ダム・エンクロージャを備えるダイ・パッケージにおけるマルチプル・ダイ・アセンブリの1つの実施形態の立面断面図である。
図6】ダイ底部と基板上側層との間にクリアランスがほとんどまたは全く存在しない、金属ダム・エンクロージャを備えるダイ・パッケージの1つの代替的な実施形態の立面断面図である。
図7】金属ダム・スティフナが、ヒート・スプレッダおよびヒート・シンクを通る熱伝導路としても機能する、マルチプル・ダイ・アセンブリのダイ・パッケージ実施形態の立面断面図である。
図8】ダイ・パッケージを形成するステップにおける構造を示すプロセス・フロー図である。
図9】ダイ・パッケージを形成するプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態は、本明細書に開示された例示的な方法、装置、構造、システムおよびデバイスに限定されるものではなく、その代わり、本開示が与えられた当業者に明らかになるその他の代替的かつより広範な方法、装置、構造、システムおよびデバイスにより広く適用可能であることを理解されたい。
【0024】
加えて、添付の図面に示されている様々な層、構造または領域あるいはその組合せは、縮尺どおりに描かれているのではなく、一般的に使用されるタイプの1つまたは複数の層、構造または領域あるいはその組合せは、与えられた図面に明示的に示されていない場合があることを理解されたい。これは、明示的に示されていない層、構造または領域あるいはその組合せが実際のデバイスから省略されていることを示唆するものではない。
【0025】
加えて、ある要素は、説明が必ずしもこのような省略された要素に焦点を合わせているわけではない場合、明瞭さまたは簡素化あるいはその両方のために、図面から省略されている場合がある。さらに、図面全体を通して使用される同一または類似の参照番号は、同一または類似の特徴、要素、または構造を示すために使用され、したがって、同一または類似の特徴、要素、または構造の詳細な説明は、各図面について繰り返されない場合がある。
【0026】
本発明の実施形態に従って開示される半導体デバイス、構造、および方法は、アプリケーション、ハードウェア、または電子システムあるいはその組合せにおいて採用することができる。本発明の実施形態を実装するための適切なハードウェアおよびシステムは、パーソナル・コンピュータ、通信ネットワーク、エレクトロニック・コマース・システム、ポータブル通信デバイス(例えば、携帯電話およびスマートフォン)、ソリッド・ステート・メディア記憶デバイス、エキスパートおよび人工知能システム、機能回路、ニューラル・ネットワークなどを含んでよいが、これらに限定されない。半導体デバイスおよび構造を組み込んだシステムおよびハードウェアは、本発明の想定される実施形態である。
【0027】
本明細書において使用される「高さ」とは、要素の下面から上面まで測定された、またはその要素が配置されている面に関して測定されたあるいはその両方である、断面図または立面図における要素(例えば、層、トレンチ、ホール、開口部など)の垂直方向サイズを指す。
【0028】
逆に、「深さ」とは、要素の上面から下面まで測定された、断面図または立面図における要素(例えば、層、トレンチ、ホール、開口部など)の垂直方向サイズを指す。「厚い」、「厚さ」、「薄い」などの用語またはそれらの派生語は、それが示されている場所では「高さ」の代わりに使用されている場合がある。
【0029】
本明細書において、「横方向」、「横方向側」、「側部」、および「横方向面」は、図面における左または右の側面などの、要素(例えば、層、開口部など)の側面を指す。
【0030】
本明細書において使用される場合、「幅」または「長さ」とは、要素の側面から反対側の面まで測定された、図面における要素(例えば、層、トレンチ、ホール、開口部など)のサイズを指す。「厚い」、「厚さ」、「薄い」などの用語またはそれらの派生語は、それが示されている場所では「幅」または「長さ」の代わりに使用されている場合がある。
【0031】
本明細書において使用される場合、「上側」、「下側」、「右」、「左」、「垂直方向」、「水平方向」、「上部」、「下部」などの用語、およびそれらの派生語は、図面に示された向きでの、開示された構造および方法に関する。例えば、本明細書において使用される場合、「垂直方向」は、立面図において基板の上面に対して垂直な方向を指し、「水平方向」は、立面図において基板の上面に対して平行な方向を指す。
【0032】
本明細書で使用される場合、特に指定がない限り、「上に」、「上にある」、「頂上に」、「上部に」、「上に位置決めされている」または「頂上に位置決めされている」などの用語は、第1の要素が第2の要素の上に存在することを意味し、第1の要素と第2の要素との間に介在する要素が存在してもよい。本明細書で使用される場合、特に指定がない限り、「上に」、「上にある」、「頂上に」、「上部に」、「上に位置決めされている」、「頂上に位置決めされている」、「上に配置されている」という用語に関連して使用される「直接に」という用語、もしくは「接触して」または「直接接触」という用語は、第1の要素と第2の要素とが、例えば、中間の伝導性、絶縁性または半導体の層などのいかなる介在する要素も第1の要素と第2の要素との間に存在することなく接続されていることを意味する。
【0033】
これらの用語は、説明されるデバイスの向きによって影響される場合があることを理解されたい。例えば、デバイスが上下逆さまに回転させられた場合、これらの記述の意味は変わる場合があるが、その記述は、本発明の特徴間の相対的な関係を説明しているため有効なままである。
【0034】
1つまたは複数の金属ダム・スティフナは、上側基板層上に配置されかつ上側基板層に物理的に接続されたダム・エンクロージャを形成している。ダム・エンクロージャは、1つまたは複数のダイを包囲している。ダム・エンクロージャは、1つまたは複数の電気的に接続された領域および1つまたは複数の電気的に絶縁された領域を有する。ダム・エンクロージャの電気的に接続された領域は、基板水平接続の1つまたは複数に電気的および物理的に接続されている。電気的に絶縁された領域は、基板水平接続の1つまたは複数から電気的に絶縁されている(しかしまだ物理的には接続されている)。ダム・エンクロージャは、製造、組立て、および動作の間、基板およびパッケージを硬化させる。
【0035】
図1は、1つまたは複数のスティフナ151から形成された金属ダム・エンクロージャ150を備える暫定的なダイ・パッケージ100におけるマルチプル・ダイ150アセンブリの等角図である。金属ダム・エンクロージャ150は、上側基板層131、例えば、RDL130に物理的に接続されており、金属ダム・エンクロージャ150は、1つまたは複数の電気的に接続された領域、例えば、166、および1つまたは複数の電気的に絶縁された領域、例えば、164/175/175Aを有する。
【0036】
ダイ・パッケージは、1つまたは複数の基板層120/130を含む基板110を有する。(図5における層120、130、502、504なども参照されたい)。多くの実施形態において、金属層(金属基板層)および誘電層(誘電性基板層)は、互いに上下に交互に積層されている。幾つかの実施形態において、ワイヤ、接続、またはその他の金属/導電性コンポーネントの間または周囲あるいはその両方における空間は、誘電性/絶縁材料で充填されている。
【0037】
基板層120/130/502/504のうちの1つまたは複数、典型的には120は、1つまたは複数の基板接続135/133/137/510/525/160、典型的には137を有する。基板層のうちの1つにおける基板接続のうちの1つまたは複数、典型的には137は、基板水平接続、例えば、133、135、137/510である。基板接続の1つまたは複数は、基板垂直接続または基板ビア接続525である。接続135/137/160は、基板外部接続の例であるのに対し、接続510は、基板内部接続の例であることに留意されたい。
【0038】
基板110の上側基板層131が存在する。1つの基板層120のみが存在する例では、上側基板層131は、基板層120と同じである。幾つかの実施形態において、上側基板層131は、RDL130である。
【0039】
幾つかの実施形態において、ダイ105の下面105Bと上側基板層131との間には小さなクリアランス108が存在する。クリアランス108は、幾つかのタイプのダイ外部接続106、例えば、C4はんだボールの高さによって生じている。代替的なダイ外部接続106、例えば、金属パッドが、例えば、ハイブリッドボンディングによって、やはり金属パッドである基板(外部)接続160に接続するために使用される場合、クリアランス108はゼロであるまたはゼロに近づく。
【0040】
幾つかの実施形態において、再配線層(RDL)130は、上側基板層である。幾つかの実施形態において、RDL130は、上側基板層、即ち1つまたは2つの基板層120もしくは上側基板層131の下の多くの基板層120の近くにある。
【0041】
RDL130は、基板層120のうちの1つである。RDLは、複数の接続、つまり基板水平接続(RDLではRDL水平接続とも呼ばれる)137/510および基板ビア接続(RDLではRDLビア接続とも呼ばれる)525の両方を有する。典型的には、RDL130は、高度にメタライズされており、即ち、RDL130内に非常に高いピッチまたは高い密度で多くのRDL水平方向接続137(また、幾つかの実施形態では、多くのRDLビア接続525)が存在する。
【0042】
RDL水平接続137/510およびRDLビア接続525の高い密度は、ダイ・パッケージ100におけるダイ105の1つまたは複数におけるダイ外部接続106の間および中での相互接続、また、その他のコンポーネント520および基板接続(対応する基板接続)160および、以下で説明される外部パッケージ接続、例えば、206の間および中での相互接続を可能にする。
【0043】
ダイ105の1つまたは複数は、上側基板層131上に配置されている。図1は、上側基板層120/131としてのRDL130を示す。しかしながら、前述のように、RDL130は、上側基板層131の下の1~3つの層であることができると想定されている。その他の構成も可能である。
【0044】
1つのダイ105を上側基板層131、例えば、130上に配置することができるが、本発明は、複数のダイ105または多数のダイ105が上側基板層131上に配置されかつダム・エンクロージャ150によって包囲されることを可能にする。
【0045】
ダイ105の数、各ダイの内部回路内の内部ダイ・デバイス(図示せず)の数、およびダイ外部接続106の数が増加するにつれて、RDL相互接続、例えば、133/135/137/510/525/160の数/密度も増加する。これらの相互接続は、密度が増大するにつれて微細に/薄くなる。それにより、RDL、例えば、130およびその他の基板層、典型的には120はより薄くなり、RDL130/層120は、より低い剛性を有し、より脆く、取り扱うのがより難しく、曲げ、変形、ひずみ、およびクラックをより生じやすい。前述のように、RDL、例えば、130は、1~200ミクロンのRDL厚さ109を有することができ、RDL130におけるRDL接続、典型的には137は、1~50ミクロンのピッチを有する。
【0046】
ダイ105は、1つまたは複数のダイ外部接続106を有する。ダイ外部接続106は、C4はんだボール106またははんだマイクロバンプ(図示せず)106または金属パッド(図示せず)106のようなあらゆる公知の接続であることができる。ダイ外部接続106の1つまたは複数は、1つまたは複数の基板(外部)接続、例えば、160に電気的に接続されている。ダイ外部接続106が基板接続160に電気的に接続165されているとき、それぞれの基板接続160は、対応する接続165と呼ばれる。
【0047】
ダイ外部接続106へのこれらの電気的接続165は、あらゆる公知の電気接続であることができる。例えば、電気接続は、C4ダイ外部接続106のはんだリフローまたは金属パッド対金属パッド接続、即ちハイブリッド結合165であることができる。これらの接続165は公知である。
【0048】
図1は、2つの別々のダイ105上のダイ外部接続106を接続するRDL水平接続133を示す。多くの場合、C4 106が接続されているパッド133以外の領域は、誘電性材料で被覆されている。
【0049】
図1は、それぞれのRDL水平接続137に近接するダイ外部接続106から絶縁体182によって電気的に絶縁されたRDL水平(外部)接続137も示す。この例では、水平接続137は、それぞれのダイ外部接続106を物理的に閉鎖しているが、パッケージ100の電気的設計により水平外部接続137から電気的に絶縁される必要がある。その他の位置(図示せず)において、その他のダイ外部接続106は、水平接続137との電気接続を有してよい。
【0050】
絶縁体182は、誘電体、ポリマー、およびドープされていない半導体のうちの1つまたは複数を含む材料から形成することができる。
【0051】
ダム・エンクロージャ150は、ダム・エンクロージャ150の内側に包囲された容積158を作るように形成された、1つまたは複数のダム・スティフナ、典型的には151、から形成されている。ダム・エンクロージャは、包囲された容積158内にあるダイ105の1つまたは複数を取り囲みかつ包囲する。
【0052】
ダム・スティフナ151は、堅い材料、または堅いコンポーネントまたは構造に形成されることができる材料から形成されている。堅い材料とは、堅いコンポーネントが基板110または上側基板層131あるいはその両方に物理的に取り付けられたとき、結果として生じる構造100が、目標とされる設計基準または仕様の範囲で曲げ、変形、およびひずみ、またはクラックあるいはその組合せを生じることなくまたは減じながら、取り扱われかつ機械的および熱的応力に曝されることができるように十分に堅いコンポーネントを意味する。さらに、1つまたは複数のスティフナの使用は、基板または層あるいはその両方の上面に取り付けられてよい、または基板層または層に埋め込まれてよい、または基板の下面に取り付けられてよい、あるいはその組合せである。1つまたは複数のスティフナは、それらの材料および構造特性、基板、チップおよびその他のコンポーネント、リッドまたはヒートシンクに対する熱膨張係数(CTE)、厚さ、幅および形状のための設計、基板層における配線/金属ローディング、誘電材料に対する基板層における金属ローディングのバランスまたはバランスの欠如、および基板または代替的なタイプの基板および基板層および材料のハイブリッドコンポジットにおけるコア層のそれぞれの側における堆積層における金属ローディングなどの、しかしこれらに限定されないCTEに基づいて反り制御に役立つ場合がある。高い堅さまたは剛性を有する材料の例は、典型的には、セラミック材料、ガラス材料、1つの層により基板の反りを最小限にするもしくは排除する場合があるまたは2つ以上の層とともに使用される場合がある設計厚さおよび幅、あるいは基板に接合もしくは接着されたまたは基板に埋め込まれたスティフナに基づいて基板のたわみまたは反りを最小限にするまたは減じるのに役立つ設計を有する鋼などの、高い係数を有する材料である。プロセシングの間または温度逸脱を通じて非平坦になるための基板平坦度または抵抗は、基板サイズ、チップ、相互接続仕様に依存し、したがって、1~数ミクロンに保持される場合があるまたは数十ミクロン以上のより高い非共平面性に対応することができる場合がある。加えて、スティフナの設計および接着剤の選択は、接着剤故障、基板故障および相互接続故障を回避しながらプロセシングおよび製品使用中に基板およびコンポーネントの目標とする平坦度の両方を提供する必要がある。
【0053】
幾つかの実施形態において、ダム・スティフナ151は、熱伝導性でもある。幾つかの実施形態において、ダム・スティフナ151の1つまたは複数は、金属である。
【0054】
ダム・スティフナ151の材料は、銅、ニッケル、ニッケルコーティングを有するインバー(Fe-Ni合金)銅、はんだ、アルミニウム、ステンレス鋼、グラファイト、セラミック、ガラス、シリコンまたはハイブリッド混合構造および熱伝導材料(TIM)などの、金属および合金を含む。代替的なスティフナは、幾つかの用途のために電流伝達を回避するための薄い電気絶縁層を提供しながら、共平面性を提供し、熱伝導による熱除去をサポートするための、薄い誘電層、酸化物層、窒化物層または代替的なコーティングを有する金属または合金を含んでよい。
【0055】
幾つかの実施形態において、ダム・スティフナ151は、スティフナ断面積(図示せず)を結果として生じる、スティフナ高さ153およびスティフナ深さ155を有する。幾つかの実施形態において、スティフナ高さ153は、400μm~5mmであり、スティフナ深さ155は、基板X-Yサイズおよび厚さならびにスティフナおよび対応する基板のCTEに応じて基板厚さの割合以上に対応してよい。図1におけるダム・スティフナ151の断面積は、矩形として示されているが、以下で論じられるように、その他の形状が想定されている。
【0056】
図1は、矩形の包囲された容積158を形成するように構成されたダム・スティフナ151を備えるダム・エンクロージャ150を示す。ダム・スティフナ151のその他の包囲された容積158の形状および構成が想定されている。例えば、1つのダム・スティフナ151は、円形または楕円形の包囲された容積158を生じるように形成されることができる。
【0057】
幾つかの実施形態において、ダム・スティフナ151は、例えば、電気的に非伝導性の接着剤によって、基板110の上側層131に物理的に取り付けられている。例えば、ダム・スティフナ151が金属である幾つかの実施形態において、ダム・スティフナは、基板接続の1つまたは複数、例えば、135にはんだ付けまたはその他の方法で結合される。さらに他の実施形態において、ダム・スティフナ151の1つまたは複数は、基板接続のうちの1つ、例えば、135と同じコンポーネントであるが、基板接続、例えば、135の長さにわたって、構造ビームと類似の堅さを可能にするための断面積を備えて形成されている。例えば、ダム・スティフナ151の断面積は、I型、H型、バー型、L型、ボックス型、T型、ロッド型、窓枠型などを含むがこれらに限定されない異なる輪郭形状であることができる。
【0058】
絶縁領域、例えば、164/164A/175/175Aが存在し、ダム・エンクロージャ150は、上側基板層131に物理的に接続されているが、電気的には接続されていない。例えば、ダム・スティフナ151(および結果としてダム・エンクロージャ150)は、絶縁領域164/175において水平接続137に物理的に接続されているが、ダム・エンクロージャ150と水平接続137とを互いに分離する絶縁層180により電気接続は存在しない。幾つかの絶縁領域164A/175Aにおいて、ダム・エンクロージャ150が基板110/131の非導電性部分と物理的に接触/接続164A/175Aしているため、電気的接続は存在しない。
【0059】
例を続けると、ダム・エンクロージャ150は、2つの物理的接続164および175において上側基板層131における水平接続137上を通過している。両位置164/175において、ダム・エンクロージャ150と、上側基板層131、例えば、RDL130との間に物理的接続が存在する。この物理的接続は、非導電性接着剤またはその他の取付け方法によって形成することができる。
【0060】
しかしながら、物理的接続は、物理的接続164/175においてダム・エンクロージャ150と水平接続137との間で電気的に絶縁180されている。したがって、ダム・エンクロージャ150と上側基板層131とが互いに近く、物理的に接続されているとしても、物理的接続164/175において電気的接続は存在しない。
【0061】
絶縁層180は、絶縁領域164/175においてダム・エンクロージャ150と水平接続137との間に配置されている。絶縁層180は、上述のように、エポキシ、樹脂、誘電体、ポリマーなどの非伝導性材料から形成することができる。
【0062】
物理的接続164/175において電気的接続は存在しないが、これらの物理的接続164/175における物理的接続は、ダム・エンクロージャ150と上側基板層131との間の合計物理的接続に加わる。これは、ダム・エンクロージャ150と水平接続/基板外部接続137との間の電気的短絡を生じることなくダイ・パッケージ100をより堅くする。
【0063】
代替的な実施形態において、ダム・エンクロージャ150と上側基板層131との間に1つまたは複数の絶縁領域164/175が存在する。なぜならば、上側基板層131はこれらの絶縁領域164A/175Aにおいて導電性ではないからである。これらの絶縁領域164A/174Aにおいて、ダム・エンクロージャ150は、例えば、接着剤によって上側基板層131に直接に物理的に取り付けられている。
【0064】
幾つかの実施形態において、RDL面131は概して、電気パッド、例えば160および基板外部接続、例えば137を除いて絶縁膜で被覆されている。その他の実施形態において、以下で説明されるように、ダム・スティフナ151が冷却のために使用される場合にダム・スティフナ151がラミネート/層130の金属領域135に直接に接続される例外が存在する。
【0065】
しかしながら、ダム・スティフナ151が水平(基板外部)接続、例えば135に電気的に接続されている場合、特に上側基板層131がRDL130であり、ダム・スティフナ151が伝導性材料、例えば、金属ダム・スティフナ151から形成されているとき、電気的に接続された領域166における制約が存在する。
【0066】
例えば、上側基板層131においてダム・エンクロージャ150と水平接続、例えば135との間に物理的接続および電気的接続が存在する。これらの実施形態において、物理的/電気的接続は、はんだ付けまたはその他の結合技術によって形成することができる。その他の実施形態において、水平接続135およびダム・エンクロージャ150は、導電性であるとともに、材料選択と、これらの物理的/電気的位置、例えば166における組み合わされた水平接続、例えば135およびダム・エンクロージャ150のダム・スティフナ151の設計断面とによって生じた剛性を有する、1つの統合された要素である。
【0067】
これらの物理的/電気的に接続された領域166において、ダイ・パッケージ100の設計は、i.ダム・エンクロージャ150が、例えば、短絡が生じるところで、水平接続の一部、典型的には137、または水平接続135に接続されない垂直接続525に電気的に接続しないこと、およびii.接続された水平接続135が、ダム・エンクロージャ150も配置することができる電位にあること、を保証しなければならない。
【0068】
幾つかの実施形態において、水平接続135は、グラウンド・プレーンである。したがって、金属ダム・エンクロージャ150を水平グラウンド・プレーン接続135に物理的および電気的に接続することは、金属ダム・エンクロージャ150も地電位にもたらす。また、これらの例において、金属ダム・エンクロージャ150が地電位にあるので、金属ダム・エンクロージャ150は、ダイ・パッケージ100に剛性を提供するとともに、適切なところで、上側基板層131における水平接続510および垂直接続525に電気的な接地接続を提供することができる。
【0069】
言い換えれば、ダイ・パッケージ100の幾つかの実施形態において、ダイ・パッケージ100の上側層131に物理的に接続し、かつ電気的に接続された領域166において上側基板層131における1つまたは複数の水平な、基板外部接続、典型的には135に電気的に接続する、金属ダム・エンクロージャ150を形成する1つまたは複数の金属ダム・スティフナ151が存在する。したがって、幾つかの実施形態において、金属ダム・エンクロージャ150は、電気的に接続された領域166および電気的に接続されていないまたは絶縁された領域164/175/175Aを有する。
【0070】
代替的な実施形態において、ダム・スティフナ151およびダム・エンクロージャ150は、非導電性材料から形成されている。これらの実施形態において、水平接続137の電気的絶縁または適切な電位135、例えば、グラウンド・プレーン135における直接的な電気接続あるいはその両方は、不要である場合がある。
【0071】
ダム・スティフナ151またはダム・エンクロージャ150の設計および配置は、ダイ・パッケージに剛性を提供するのに役立ち、ダイ・パッケージ100の組立ておよび動作中にパッケージを平坦に保持する。ダイ・パッケージ100の反り量は、60μm未満~500μmである。例として、許容できる反り値は、基板880(図8参照)と取り付けられるダイ・パッケージ100との間に使用されるはんだの高さ/量によって決定される。これは、ダイ・パッケージ100のより容易な取扱いを可能にし、ダイ105およびその他のコンポーネント520をより正確に上側基板層131上に位置決めすることを可能にし、ダイ105およびその他のコンポーネント520のより良い電気的接続を可能にする。
【0072】
以下により詳細に説明するように、より高い剛性および熱伝導/放散を提供することに加え、ダム・エンクロージャ150は、機械的および熱的応力を減じるためにダイ・パッケージ100に追加的な剛性、平坦度、剛性、および強度を提供する1つまたは複数のアンダーフィル層の堆積を可能にする型として働く。
【0073】
図2は、スティフナ151から形成された金属ダム・エンクロージャ150を備えるマルチプル・ダイ・アセンブリのダイ・パッケージ200の等角図である。金属ダム・エンクロージャ150は、上側基板層131に物理的に接続されており、上側基板層131を被覆する低粘度アンダーフィル250を含む。
【0074】
金属ダム・エンクロージャ150は、上側基板層131、例えば、RDL130に物理的に接続されており、(選択的に)電気的に接続された領域166において上側基板層131における1つまたは複数の水平接続135に電気的に接続されている。また、金属ダム・エンクロージャ150は、ダム・エンクロージャ150の1つまたは複数の電気的に絶縁された領域164/164A/175/175Aにおいて上側基板層131における1つまたは複数の水平接続137/510および垂直接続515から電気的に絶縁180されている。電気的に接続された領域166および電気的に絶縁された領域164/164A/175/175A/180の位置については図1を参照されたい。幾つかの実施形態において、これらの領域は、図2に示された低粘度アンダーフィル250によって被覆されている。
【0075】
低粘度アンダーフィル250は、ダム・エンクロージャ150によって包囲された、包囲された容積158に堆積225させられている。したがって、低粘度アンダーフィル250は、ダム・エンクロージャ150によって収容されており、ダイ105を取り囲んでいる。幾つかの実施形態において、低粘度アンダーフィル250は、例えば、ダイ外部接続106がC4はんだボール106である場合、ダイ105の下面105Bと上側基板層131との間の小さなクリアランス108を充填する。
【0076】
幾つかの実施形態において、低粘度アンダーフィル250の充填レベルは、クリアランス108を完全に充填するように十分に高いが、ダイ105を被覆するほど十分に高くはない。ダイ105の1つまたは複数がダイ・スタックであることができることに留意されたい。典型的には、低粘度アンダーフィル250は、ダイ105の高さの下側3分の1~下側3分の2または低粘度アンダーフィル250が硬化した後にダイが不動のままであるように十分なだけダイ105を被覆している。例として、低粘度UFは、チップの外側に隅肉だけが形成されるようにチップとRDL層の上側との間の領域を充填するだけでよく、低粘度UFは、必ずしもスティフナが配置されている場所に達するわけではない。
【0077】
典型的には、低粘度アンダーフィル250は、25℃において2~40パスカル秒(Pa・s)の粘度を有する。幾つかの実施形態において、低粘度アンダーフィル250は、小さな粒径の粒子を有する。(最大フィラーサイズは10μm未満である)。これにより、低粘度アンダーフィルは、ダイ105、基板110、または基板層120/130あるいはその組合せに非常に低い圧力/力を加えながらクリアランス108に浸透し、充填することができる。
【0078】
幾つかの実施形態において、低粘度アンダーフィル250のフィラーサイズは、十分に小さく、低粘度アンダーフィル250の粘度が低い分配温度において分配されることができるように十分に制御される。幾つかの実施形態において、低粘度アンダーフィル250は、圧力を加える必要なく、毛管作用によってチップ底部105Bと基板上側131との間の間隙/クリアランス108を自然に充填する。例えば、これらの低粘度アンダーフィル250を使用すると、圧力を加えることなく20μmの小さい間隙/クリアランス108を充填することができる。
【0079】
硬化後、低粘度アンダーフィル250は、ダイ・パッケージ200に追加的な剛性を提供し、上側基板層131上のダイ105およびあらゆるその他のコンポーネントの位置および整列を維持する。これは、低粘度アンダーフィル250の低粘度および小さな粒径が最小限の力/圧力でのこのアンダーフィル250の堆積を可能にすることにより可能となる。
【0080】
図3は、上記で説明された低粘度アンダーフィル250上に高粘度アンダーフィル350が配置された、スティフナ151から形成された金属ダム・エンクロージャ150を備えるダイ・パッケージ300におけるマルチプル・ダイ・アセンブリの等角図である。断面図A-A310が図4に示されている。
【0081】
高粘度アンダーフィル350は、40Pa・sよりも高い粘度を有し、低粘度アンダーフィル250におけるこれらの粒子よりも大きな粒子を有する。幾つかの実施形態において、最大フィラーサイズは10μmよりも高い。
【0082】
高粘度アンダーフィル350は、ダム・エンクロージャ150によって収容されており、ダイ105を取り囲んでいる。幾つかの実施形態において、高粘度アンダーフィル350は、ダイ105を被覆している。
【0083】
高粘度アンダーフィル350は高い粘度(およびより大きな粒子サイズ)を有するので、高粘度アンダーフィル350の塗布325は、一般的に、低粘度アンダーフィル250を塗布するための圧力/力よりも高い圧力/力を加えることを必要とする。しかしながら、高粘度アンダーフィル350は、狭いクリアランスを充填していないので、アンダーフィル350の塗布325の圧力/力を減じることができる。加えて、硬化した低粘度アンダーフィル250がダイ105およびその他のコンポーネントをシフトさせることなく所定の位置に維持し、また、ダイ・パッケージ300の剛性、平坦度、剛性、および強度も維持するため、構造体300は、高粘度アンダーフィル325のより大きな塗布力に耐えることができる。幾つかの実施形態において、高粘度アンダーフィル350は、滴下し、ダム・スティフナ151とチップ105との間に広がりながら、自然に広がる。幾つかの実施形態において、高粘度アンダーフィル350は、ダム・エンクロージャ150内に存在し、ダイ105を取り囲んでいる。
【0084】
ダム・スティフナ151/ダム・エンクロージャ150、低粘度アンダーフィル250、および高粘度アンダーフィル350によって提供される組み合わされた剛性は、ダイ・パッケージ300に、平坦なまま保たれ、かつ製造および組立てのより後の段階(例えば、搬送、ダイシング、位置決め、および積層基板への取付け)における応力に抵抗するために十分な剛性および安定性を提供する。これらの利点は、例えば、300ミリメートルスケールで、パネル上の基板のためのより大きなサイズにおいてウェハ上に形成された基板を備える、大面積の、ウェハ・レベル回路にさえ残る。一時的なハンドル・ウェハおよびパネルを使用するウェハおよびパネル・プロセシングの使用は、スティフナ、ハイブリッド基板またはリッド付きモジュールあるいはその組合せを備える集積されたモジュールの構築および統合を補足することができる。さらに、反り最小化/共平面性マネジメントのためにパッケージ構築および統合を補足することは、プロセシングの間および熱温度逸脱を通して共平面性制御を最も良くサポートするCTE、係数および厚さ/構造を備えるハンドルの選択により行うことができる。
【0085】
図4は、上側基板層131、例えば、RDL130に物理的に接続された金属ダム・エンクロージャ150を形成する1つまたは複数の金属ダム・スティフナ151から形成されたダイ・パッケージ400におけるマルチプル・ダイ・アセンブリの1つの実施形態の立面断面図(断面A-A310における)である。
【0086】
金属ダム・エンクロージャ150は、電気的に接続された領域166において上側基板層131、例えば、130における1つまたは複数の水平接続135または垂直接続(典型的には525、後述する)に電気的に接続されている。金属ダム・エンクロージャ150は、ダム・エンクロージャ150の1つまたは複数の電気的に絶縁された領域164/164A/175/175A/466/475において、上側基板層131、例えば、130上の他の水平および垂直接続ならびにその他の領域から電気的に絶縁されている(しかしながら、依然として物理的に接続されている)。例えば、電気的に絶縁された領域175および475において、水平接続137および137Aは、それぞれ電気絶縁体180および180Aによって金属ダム・エンクロージャ150から電気的に絶縁されている。(電気的に絶縁された領域175の一部は、図4の「前方および外側」に配置されることができ、したがって、この立面断面図では見えていないことに留意されたい。また、金属ダム・エンクロージャ150の例示的な矩形の断面451が示されていることにも留意されたい)。前述のように、電気的および物理的である接続、例えば、C4 106へのはんだ接続のような、106への電気的接続も、構造体400に剛性および強度を追加する。
【0087】
高粘度アンダーフィル層350は、低粘度アンダーフィル層250上に配置されている。この実施形態では、アンダーフィル層250/350の両方が、金属ダム・エンクロージャ150によって収容されている。高粘度アンダーフィル層350および低粘度アンダーフィル層250は、ダイ・パッケージ400における1つまたは複数の(多数の)ダイ105を取り囲んでいる。低粘度アンダーフィル層250は、5um~100μmの低粘度アンダーフィル層厚さ250Tを有する。(主な目的はチップ105とRDL層130との間の間隙/クリアランス108を充填することなので、これはバンプ高さに依存する)。幾つかの実施形態において、高粘度アンダーフィル層350は、10μm~4mmの高粘度アンダーフィル層厚さ350Tを有する。(高粘度アンダーフィル層厚さ350Tはスティフナ高さ153よりも小さくなければならない)。
【0088】
この非限定的な実例400において、低粘度アンダーフィル層250および高粘度アンダーフィル層350の厚さ250T/350Tは、ダイ105を示すために減じられている。図4では、層厚さ250T/350Tは縮尺通りに示されていない。
【0089】
基板層120のうちの1つ、例えば、下側基板層120Bは、1つまたは複数の基板外部接続206を有する。これらの基板外部接続206は、下側基板層120Bがパッケージ400の下側層でもある例示においてパッケージ外部接続160/206でもある。基板外部接続206は、C4はんだボールまたはBGAはんだボールまたは金属パッド206を含むあらゆる公知の接続タイプであることができる。
【0090】
図5は、上側基板層131、例えば、RDL130に物理的/機械的に接続された金属ダム・エンクロージャ150を備えるダイ・パッケージ500におけるマルチプル・ダイ・アセンブリの1つの実施形態の立面断面図である。ここで、基板110は、多数の基板層120/120B/130/502/504、典型的には120を有する。
【0091】
図5は、上側基板層131、例えば、RDL130に物理的/機械的に接続された金属ダム・エンクロージャ150を備えるダイ・パッケージ500におけるマルチプル・ダイ・アセンブリの1つの実施形態の立面断面図である。この実施形態では、金属ダム・エンクロージャ150は、電気的に接続された領域166において1つまたは複数の水平接続135、例えば、グラウンド・プレーン135に電気的に接続されている。金属ダム・エンクロージャ150は、1つまたは複数の電気的に絶縁された領域466/180において、上側基板層131、例えば130における水平接続137/510および垂直接続525から電気的に絶縁されている。
【0092】
ダイ・パッケージ500は、下側基板層120Bと上側基板層131との間に1つまたは複数の基板層120が存在する代替的な実施形態も示している。これらの基板層、典型的には120の例は、基板層502および504を含む。これらの基板層120/502/504の幾つかは、RDL130の下側にある。幾つかの実施形態において、RDL130は、上側基板層131である。幾つかの実施形態において、RDL130は、基板層120の1つまたは複数の下にある。幾つかの実施形態において、RDL130は、基板層120/502/504を含む、これらの層の1つまたは複数の組合せである。
【0093】
基板層120/502/504の1つまたは複数の内側に存在する水平基板接続510、垂直基板接続525、およびコンポーネント520も示されている。コンポーネント520は、トランジスタ、抵抗器、コンデンサなどの公知の能動的および受動的コンポーネント520を含む。水平基板接続(または基板内部水平接続)510は、基板層、典型的には120内に延びる、伝導性、例えば金属コネクタである。垂直基板接続525、例えば、ビア525は、水平基板接続510および基板層120に対して垂直に延びておりかつ基板層120の間に接続を形成する伝導性/金属コネクタである。基板層120内の水平基板接続510、垂直基板接続525、およびコンポーネント520は公知である。
【0094】
図6は、ダイ底部105Bと基板上側層131との間にほとんどまたは全くクリアランス650が存在しない、金属ダム・エンクロージャ150を備えるダイ・パッケージ600の1つの代替的な実施形態の立面断面図である。
【0095】
前述のように、この実施形態において、金属ダム・エンクロージャ150は上側基板層131、例えば、RDL130に物理的/機械的に接続されており、金属ダム・エンクロージャ150は、電気的に接続された領域166において1つまたは複数の水平接続135、例えば、グラウンド・プレーン135に電気的に接続されている一方で、金属ダム・エンクロージャ150は、1つまたは複数の電気的に絶縁された領域180/180A/466などにおいて、上側基板層131、例えば130における水平接続137/510および垂直接続525から電気的に絶縁180されている。
【0096】
この実施形態600において、ダイ外部接続606は、パッド接続636でもある基板接続636にハイブリッド結合されたパッド接続606である。その結果、ダイ底部105Bと上側基板層131/130との間にゼロまたはほぼゼロのクリアランス650が存在する。加えて、ダイ105は、ハイブリッド結合が形成されると所定の位置に保持される。
【0097】
これらの理由から、この実施形態600では低粘度アンダーフィル層250は使用されていない。クリアランス650が全くまたはほとんど存在しないため、アンダーフィルは、ダイ底部105Bと上側基板層131/130との間に浸透しない。したがって、1つのアンダーフィル層670が、金属ダム・エンクロージャ150によって収容されており、ダイ150を取り囲んでいる。
【0098】
幾つかの実施形態において、1つのアンダーフィル層670は、上記で説明された高粘度アンダーフィル350と同じものである高粘度材料から形成されている。
【0099】
図7は、金属ダム・エンクロージャ150が、ヒート・スプレッダ730およびヒート・シンク750を通る熱伝導路775としても働く、マルチプル・ダイ・アセンブリのダイ・パッケージ実施形態700の立面断面図である。
【0100】
図7は、金属ダム・エンクロージャ150が、ダイ105および基板層、典型的には120からヒート・スプレッダ730およびヒート・シンク750のような放熱コンポーネントを通じて熱を逃がす熱伝導路775としても働く、マルチプル・ダイ・アセンブリのダイ・パッケージ実施形態700の立面断面図である。
【0101】
幾つかの実施形態において、ヒート・スプレッダ730は、ダイ105の1つまたは複数のダイ上面105Tおよび金属ダム・エンクロージャ150と物理的に接触したヒート・スプレッダ下面730Bを有する。一般的に、これらの物理的接触は、2つの接触面の間に配置された熱伝導材料(TIM)705を含む。例えば、物理的および熱的接点735においてダイ上面105Tとヒート・スプレッダ下面730Bとの間にTIM(図示せず)が存在する。金属ダム・エンクロージャ150と、例えば、ヒート・スプレッダ・レッグ731の下側のヒート・スプレッダ下面730Bとの間にもTIM705が存在する。熱伝導路775は、これらの熱的接点705/735を通って形成されている。熱は、これらの熱伝導路775を通ってダイ105およびその他の基板層、例えば120からヒート・スプレッダ730を通り、最終的にヒート・シンク750を通って流れる。
【0102】
幾つかの実施形態において、ヒート・スプレッダ730は、ヒート・スプレッダ下面730Bと金属ダム・エンクロージャ150とによって包囲された、包囲された空間720であるヒート・スプレッダ容積720を形成している。
【0103】
図8は、マルチプル・ダイ・アセンブリのダイ・パッケージ、例えば、300/400/500/600/700を形成するステップにおける構造体を示すプロセス・フロー800である。
【0104】
ステップ8Aにおいて、リリース層805が初期基板810上に堆積させられる。
【0105】
初期基板810は、プロセス・フロー800のステップ中にゆがみまたは曲げを生じないように十分に厚い厚さを有する平坦なシリコンまたはガラスのような材料から形成されている。幾つかの実施形態において、初期基板厚さ811は、725~775ミクロンである。以下で説明されるように、その他の厚さが想定されている。
【0106】
幾つかの実施形態において、初期基板810は、大表面積、例えば、300mmを超える直径のウェハ・レベル表面積である。これらの大表面積の使用は、本開示に開示された構造および方法によって可能となる。
【0107】
リリース層(レーザ・アブレーション層)805は、ダイ・パッケージ300/400/500/600/700のコンポーネントおよびその他の回路をその上に構築することができる材料から形成されている。リリース層805は、コンポーネントおよびその他の回路が初期基板810上の所定の位置に維持されることを保証する。しかしながら、リリース層805の材料は、プロセス・フロー800において後でダイ・パッケージ構築物を初期基板810から除去することができるように、除去可能である。
【0108】
幾つかの実施形態において、リリース層805は、リリース層805上に構築されたコンポーネントおよび回路に影響を与えない溶剤によって溶解させることができる接着剤から形成されている。その他の実施形態において、リリース層805は、特定の周波数範囲を有するレーザが除去することができる材料から形成されている。幾つかの実施形態において、初期基板810は、与えられたエネルギ・レベルにおいてレーザ807に対して透過性の材料から形成されている。レーザ・リリース材料は、何らかの標準的な方法、例えば、スピン・コーティングの後にベーキングを行うことによってハンドラ上に塗布または堆積させられる。レーザ・リリース層は、ガラス/シリコンの両方に対しておよびそれによってガラス/シリコンがリリース材料805の上に形成される多数の接着材料または誘電材料のいずれかに対して優れた接着を有し、レーザ・リリース層は、それと共にレーザ・リリース層が使用される接着剤または誘電材料のものと一致するまたはこれを超える熱安定性を有さなければならず、レーザ・リリース層は、剥離作業のために選択されたレーザ(または溶剤)の波長(例えば、355nm)に対して敏感でなければならない。例として、幾つかの材料は、300℃をかなり超えても熱安定性を有する。スピン塗布および硬化させられると、約250nmの厚さの硬化した膜が、入射する355nmのレーザ・アブレーション807の約85%を吸収するのに十分であり、約100mJ/cm2のオーダにおける影響しきい値においてクリーンに除去する。
【0109】
ステップ8Bにおいて、外部パッケージ接続206が、リリース層805上に堆積させられる。幾つかの実施形態において、外部パッケージ接続206は、金属、例えば、銅、パッドである。
【0110】
加えて、ステップ8Bにおいて、基板層120(層130、502、504を含む)を含むパッケージ基板110が、リリース層805の上に形成される。このステップ8Bにおいて、基板層120内に水平基板接続510、垂直基板接続525、およびコンポーネント520が形成される。絶縁層180も、RDL130のように、このステップにおいて形成される。したがって、電気的に接続された領域166および電気的に絶縁された領域175/180/466などは、このステップ8Bにおいて配置および形成される。
【0111】
基板110の層120/130/502/504、コンポーネント520、水平基板接続510、垂直基板接続525、および絶縁層180などのダイ・パッケージ特徴が初期基板810上に形成されることに留意されたい。初期基板810は、その上にこれらの層/コンポーネント/接続を形成し、組み立て、整列させ、接続して配置させることなどができる剛性、平坦、およびゆがみのない表面を提供する。したがって、初期基板810は、薄く、脆く、変形可能な、機械的および熱的応力を受けるダイ・パッケージ特徴の場合であっても、これらのダイ・パッケージ特徴のための正確かつサポートされた配置、形成、および接続を可能にする。
【0112】
ステップ8Cにおいて、ダイ105が配置および電気的に接続され、金属ダム・エンクロージャ150が形成される。金属ダム・エンクロージャ150は、形成され、例えば、接着剤、はんだ付け、TIM材料などによって、上記で説明したように上側基板層131/130に取り付けられる。
【0113】
ステップ8Cにおいて、ダイ・パッケージ特徴が依然として平坦で剛性の初期基板810に取り付けられている間に、アンダーフィル250/350(実施形態に応じて、低粘度アンダーフィル250または高粘度アンダーフィル350あるいはその両方)が堆積および硬化させられる。アンダーフィルの堆積は、ステップ8Cにおいて構造体に追加的な強度および剛性を加える。金属ダム・エンクロージャ150が取り付けられ、アンダーフィル250/350が堆積および硬化させられる間、ダイ・パッケージ特徴は平坦で、剛性で、堅い初期基板810上に維持されているので、構造体はここで、より後のプロセスステップの機械的応力または熱的応力あるいはその両方を受ける可能性がある。アンダーフィル250のために、毛管アンダーフィルの代わりに予め塗布されたアンダーフィルを使用することができる。この場合、アンダーフィル材料は、チップ・ボンディングの前にRDL層の表面に塗布される。その場合、非伝導性ペースト(NCP)アンダーフィルまたは非伝導性膜(NCF)を使用することができる。さらに、NCFの場合、チップ・バンプ(およびスティフナ)が配置されているところで膜にビアを形成する方法が、バンプとパッドとの間のフィルタ・バイトを防止するために使用されることができる。
【0114】
ステップCにおいて、各構造体、例えば、ダイ・パッケージ400/500/600は平坦で、剛性で、頑強であるので、ダイ・パッケージは、例えば、ダイシング・レーザ、ソー、またはその他の公知の方法825によって、より大きなウェハ810または初期基板810においてダイシング825されることができる。開示された構造および方法は、より大きな表面積を有する初期基板810、例えば、300ミリメートル(mm)よりも大きな直径を有するシリコンまたはガラス初期基板810上において多数のダイ・パッケージ400/500/600の製造を可能にする。これらのダイ・パッケージ400/500/600の強度、平坦度、および剛性を維持しながら大きな初期基板810上におけるダイ・パッケージ400/500/600の組立て/製造を可能にすることは、結果として組立ておよび製造コストの削減(ダイ・パッケージ当たり)およびより高い品質制御を生じる。
【0115】
幾つかの実施形態において、ハンドラ850を取り付ける前に、図面の前側から層110および120に切り込みを形成するためにダイシング・マシンが使用される。この時点では、810に裁断するかまたはウェハ810を裁断しないことができる。次に、例えば、テープ/ハンドラ850が前側(ダイ150を有する側)に提供され、構造体全体が反転させられ、レーザ・アブレーション・プロセス807が実行され(溶剤が提供され)、これにより、リリース層805がレーザ(溶剤)と反応し、ダイ・パッケージ構造体400/500/600がハンドリング基板(810)から剥離される。必要であれば、レーザ・アブレーション(溶剤)プロセス中に生じた残留物がクリーニングされる。このプロセスにより、ダイ・パッケージ400/500/600を個々に準備する代わりにまとめて準備することができる。
【0116】
幾つかの実施形態において、ハンドラ850は、ダイ・パッケージ400/500/600の金属ダム・エンクロージャ150側に取り付けられる。ダム・エンクロージャ150が取り付けられ、アンダーフィル250/350が堆積および硬化させられた後、ダイ・パッケージ400/500/600は平坦で、頑強で、剛性であるため、幾つかの実施形態においてハンドラ850として柔軟なテープが使用される。リッジ付きハンドラ850、例えば、ガラスまたはシリコンから形成されたもの、を使用することもできる。
【0117】
ハンドラ850は、プロセスのさらに後のステップにおいてダイ・パッケージ400/500/600の1つまたは複数を搬送および位置決めすることができる。幾つかの実施形態において、ハンドラ850は、ダイ・パッケージ400/500/600の1つまたは複数を向き付けるまたは「反転させる」865ことができる。
【0118】
ステップ8Cにおいて、ダイシングされたダイ・パッケージ400/500/600の1つまたは複数を初期基板810から取り外すためにリリース層805が除去806される。これにより、ダイ・パッケージ400/500/600をハンドラ850によって個別に取り扱うことも可能になる。
【0119】
リリース層805は、リリース層805の材料によって決定されるプロセスによって除去806される。例えば、接着剤リリース層805は、溶剤によって除去806することができる。幾つかのリリース層805は、アブレーション・レーザ807によって除去806される。幾つかの実施形態において、アブレーション・レーザ807は、リリース層805における材料を除去するエネルギ・レベルを有する。幾つかの実施形態において、初期基板810は、アブレーション・レーザ807が初期基板810を通過することができるようにアブレーション・レーザ807の周波数に対して透過性の材料から形成されている。
【0120】
ステップ8Dにおいて、ダイ・パッケージ400/500/600がダイシングされ、初期基板810から分離され、ハンドラ/テープ850に取り付けられ、選択的に回転または反転865させられる。ハンドラ/テープ850は、ダイ・パッケージ400/500/600をステップ8Eにおける次の位置へ搬送し、向き付け、または位置決めしあるいはその組合せを行う。
【0121】
ステップ8Eにおいて、幾つかの実施形態において、ダイ・パッケージ400/500/600は、積層基板880上に個々に搬送および位置決めされる。一般性を失わずに、積層基板をダイ・パッケージ400/500/600上に位置決めすることもできることに留意されたい。ダイ・パッケージ400/500/600および積層基板880のその他の搬送、位置決め、および相対的配置が想定されている。例えば、パッケージ400/500/600が十分に剛性化されている場合、ハンドラ/テープ850は選択的であることができる。
【0122】
幾つかの実施形態において、ダイ・パッケージ400/500/600は、金属(例えば、銅)パッドである外部パッケージ接続206を有し、積層またはPCB基板880は、C4はんだボールまたはBGAはんだボール接続885を有する。その他の接続が想定されている。幾つかの実施形態において、外部パッケージ接続206は、100~500ミクロンのピッチを有する。
【0123】
ステップ8Fにおいて、ダイ・パッケージ400/500/600は、例えば、公知のはんだ付け/リフロー法によって、積層またはPCB基板880上に物理的に配置され、電気的に接続される。
【0124】
その他の取付け方法が想定されていることに留意されたい。また、その他の基板880、例えば、シリコン基板、ガラス基板、セラミック基板、ブリッジなどが想定されている。
【0125】
図9は、マルチプル・ダイ・アセンブリのダイ・パッケージ、例えば、400/500/600を形成するプロセス900のフローチャートである。
【0126】
プロセス900は、リリース層が平坦で剛性の初期基板810上に堆積させられるまたは形成されるステップ910から始まる。幾つかの実施形態において、平坦で剛性の初期基板810は、半導体またはガラス材料である。幾つかの実施形態において、初期基板810の厚さ811は、200μm~4mmである。幾つかの実施形態において、初期基板は、300ミリメートル(mm)を超える寸法、例えば、半径を有する大きな表面積を有する。幾つかの実施形態において、剛性の初期基板は、大面積シリコン・ウェハである。
【0127】
上記で説明したように、リリース層805は、リリース層805上に構築された構造が、例えば、化学溶剤またはレーザ・アブレーション807によって後で初期基板810から分離されることを可能にするリリース層材料から形成されている。
【0128】
ステップ920において、1つまたは複数の外部パッケージ接続206が、公知の技術を使用してリリース層805上に形成される。幾つかの実施形態において、外部パッケージ接続206は、伝導性金属(例えば、銅)パッドである。
【0129】
ステップ920において、基板110もリリース層805上に形成される。上述したように、基板110は、1つまたは複数の基板層120/130/502/504を有する。基板120/130/502/504の1つまたは複数は、1つまたは複数の基板接続135/137/510/525を有する。基板接続135/137/510/525は、基板水平接続、例えば、135/137、または基板ビア接続25のいずれかである。基板110に上側基板層131が存在する。
【0130】
ステップ930において、1つまたは複数のダイ105が、上側基板層131上で接続133される。
【0131】
ステップ930において、上記で説明したように、ダム・エンクロージャ150も上側基板層131に取り付けられる。ダム・エンクロージャ150は、ダイ105をダム・エンクロージャ150内に包囲158する。
【0132】
ステップ940において、1つまたは複数のアンダーフィル250/350が、ダム・エンクロージャ150内に堆積させられる。アンダーフィル250/350は、ダイ105を取り囲んでいる。低粘度アンダーフィル250が最初に堆積させられる。低粘度アンダーフィル250は、ダイ105の下面105Bと上側基板層131との間のクリアランス108を充填する。より高粘度のアンダーフィル350が、低粘度アンダーフィル250上に堆積させられる。クリアランスが非常に小さいかまたはクリアランス108が存在しない(例えば、パッド対パッドハイブリッド結合が存在する)幾つかの実施形態において、低粘度アンダーフィルは使用されない。例えば、NCFなどの予め塗布されたアンダーフィルの場合、アンダーフィルは、チップ・ボンディングまたはスティフナ取付けの前に塗布することができる。
【0133】
ステップ950において、ダイ・パッケージ400/500/600は、初期基板810上でダイシングされる。幾つかの実施形態において、ダイ・パッケージ400/500/600は、各ダイ・パッケージ400/500/600がダム・エンクロージャ150およびそれぞれのダム・エンクロージャ150内に包囲されたダイ105の1つまたは複数を含むようにダイシングされる。幾つかの実施形態において、ハンドラを表面から取り付けた後、反転させられ、810を剥離するために810の裏側からレーザ除去される。
【0134】
ステップ960において、ダイ・パッケージ400/500/600は、掴まれ、搬送され、位置決めされ、配置される。上記で説明したように、幾つかの実施形態においてダイ・パッケージ400/500/600は、別の基板、例えば、積層基板880上に配置される。ダイは、積層基板880に電気的および物理的に接続される。例えば、ダイ外部接続106、例えば、金属パッドは、公知の方法によって積層またはPCB基板880上のC4はんだボールまたはBGAはんだボール接続885に接続される。
【0135】
本発明の様々な実施形態の説明は、図解の目的で提示されたものであるが、網羅的であることまたは開示された実施形態に限定されることは意図されていない。説明された実施形態の範囲および思想から逸脱することなく、当業者には多くの修正および変形が明らかとなるであろう。例えば、本発明の実施形態に従って開示される半導体デバイス、構造、および方法は、アプリケーション、ハードウェア、または電子システムあるいはその組合せにおいて採用することができる。本発明の実施形態を実装するための適切なハードウェアおよびシステムは、パーソナル・コンピュータ、通信ネットワーク、エレクトロニック・コマース・システム、ポータブル通信デバイス(例えば、携帯電話およびスマートフォン)、ソリッド・ステート・メディア記憶デバイス、エキスパートおよび人工知能システム、機能回路などを含んでよいが、これらに限定されない。半導体デバイスを組み込んだシステムおよびハードウェアは、本発明の想定される実施形態である。
【0136】
本明細書において使用される用語は、実施形態の原理および実用的用途または市場において見られる技術に対する技術的改良を説明し、またはその他に当業者が本明細書に開示された実施形態を理解することを可能にするために選択されている。実質的に同じ機能を実行し、実質的に同じ形式で働き、実質的に同じ使用法を有し、または類似のステップを実行するあるいはその組合せである異なる用語を用いて説明されたデバイス、コンポーネント、要素、特徴、装置、システム、構造、技術、および方法が、本発明の実施形態として想定されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】