(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】リピータバッファを含むメモリアレイ
(51)【国際特許分類】
G11C 7/12 20060101AFI20241018BHJP
G11C 11/419 20060101ALI20241018BHJP
G11C 7/18 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G11C7/12
G11C11/419
G11C7/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527853
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 SG2022050843
(87)【国際公開番号】W WO2023091093
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521182560
【氏名又は名称】ブリルニクス シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】弁理士法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 光漢
【テーマコード(参考)】
5B015
【Fターム(参考)】
5B015HH01
5B015HH03
5B015JJ22
5B015KA37
(57)【要約】
本出願は、メモリアレイのためのリピータに関する。いくつかの実施形態では、複数のリピータは、複数のメモリセルのそれぞれに結合され得る。各リピータは、第1のビットラインに結合された第1の入力ノードおよび第2のビットラインに結合された第2の入力ノードと、
第1のビットラインに結合された第1の出力ノードおよび第2のビットラインに結合された第2の出力ノードと、
入力信号を受信したことに応答して第1のビットラインおよび第2のビットラインに結合するように構成された一対のスイッチと、
一対のスイッチに結合されたクロスカップルインバータセットと、を含み得、一対のスイッチおよびクロスカップルインバータセットは、入力信号が一対のスイッチによって受信されたことに応答して第1のビットラインと第2のビットラインとの間でシャント接続を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリアレイであって、
データを格納するように構成された複数のメモリセルと、
一対のビットラインに沿って前記複数のメモリセルのうちの少なくともいくつかにデータを書き込むために差動信号を供給するように構成された一対のビットラインドライバと、
前記複数のメモリセルのうちの少なくともいくつかによって格納されているデータを読み出すために前記ビットラインドライバに通信可能に結合されたセンス増幅器と、
前記複数のメモリセルに直列に接続された複数のリピータと、を備え、前記複数のリピータの各リピータは、それぞれのシャント接続を介して、前記一対のBLドライバに接続されており、前記複数のリピータの各リピータは、
各ビットラインに沿った入力ノードおよび出力ノードと、
前記差動信号を受信、再生、および出力するように構成されたクロスカップルインバータセットと、
ライトモードにあるとき前記差動信号を前記クロスカップルインバータセットに供給し、またはリードモードにあるとき前記クロスカップルインバータセットをバイパスするように構成された第1のスイッチおよび第2のスイッチと、を備え、
前記一対のビットラインは、第1のノードにおいて前記一対のBLドライバに接続しており、
各ビットラインに沿って前記第1のノードと前記複数のリピータの第1のリピータの前記入力ノードとの間に中間ノードが配置され、
各ビットラインに沿って所与のリピータの前記出力ノードと後続のリピータの前記入力ノードとの間に追加の中間ノードが配置される。
【請求項2】
請求項1に記載のメモリアレイであって、前記中間ノードおよび各追加の中間ノードは、それぞれのビットラインのバランスポイントに配置される。
【請求項3】
請求項1に記載のメモリアレイであって、前記複数のリピータの各リピータは、
8個のトランジスタを備えるデューティサイクル補正器(DCC)リピータ、または
6個のトランジスタを備えるSRAMリピータである。
【請求項4】
請求項3に記載のメモリアレイであって、
前記DCCリピータは、前記クロスカップルインバータセットと、それぞれがPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタを含む一対のトランスミッションゲートと、を含み、
前記SRAMリピータは、前記クロスカップルインバータセットと、NMOSトランジスタを含む一対のトランスミッションゲートと、を含む。
【請求項5】
メモリアレイのためのリピータであって、
第1のビットラインに結合された第1の入力ノードおよび第2のビットラインに結合された第2の入力ノードと、
前記第1のビットラインに結合された第1の出力ノードおよび前記第2のビットラインに結合された第2の出力ノードと、
入力信号を受信したことに応答して前記第1のビットラインおよび前記第2のビットラインに結合するように構成された一対のスイッチと、
前記一対のスイッチに結合されたクロスカップルインバータセットと、を備え、前記一対のスイッチおよび前記クロスカップルインバータセットは、前記入力信号が前記一対のスイッチによって受信されたことに応答して前記第1のビットラインと前記第2のビットラインとの間でシャント接続を形成する。
【請求項6】
請求項5に記載のリピータであって、前記第1の入力ノードおよび前記第2の入力ノードは、それぞれ第1の中間ノードおよび第2の中間ノードに結合され、前記第1の中間ノードおよび前記第2の中間ノードは、それぞれ第1の初期ノードおよび第2の初期ノードに結合され、前記第1の初期ノードおよび前記第2の初期ノードは、それぞれ第1のビットラインドライバおよび第2のビットラインドライバに結合される。
【請求項7】
請求項6に記載のリピータであって、前記第1のビットラインドライバおよび前記第2のビットラインドライバは、前記入力信号を出力するように構成され、前記入力信号は、それぞれ前記第1のビットラインおよび前記第2のビットラインを介して、前記第1の初期ノードおよび前記第2の初期ノードに供給され、前記入力信号は、前記一対のスイッチをそれぞれ前記第1のビットラインおよび前記第2のビットラインに結合させるために、前記一対のスイッチにも供給される。
【請求項8】
請求項6に記載のリピータであって、前記第1の中間ノードおよび前記第2の中間ノードは、前記第1の初期ノードと前記第1の入力ノードとの間で前記第1のビットラインおよび前記第2のビットラインの一部分に沿って第1の場所に配置され、前記第1の場所は、バランスポイントである。
【請求項9】
請求項6に記載のリピータであって、
前記入力信号は差動信号であり、
前記第1の初期ノードおよび前記第2の初期ノードにおいて、前記差動信号の立上りエッジは、第1の論理レベルから第2の論理レベルに進むために第1の時間量かかり、
前記第1の中間ノードおよび前記第2の中間ノードにおいて、前記差動信号の前記立上りエッジは、前記第1の論理レベルから前記第2の論理レベルに進むために第2の時間量かかり、前記第2の時間量は、前記第1の時間量より大きく、
前記第1の入力ノードおよび前記第2の入力ノードにおいて、前記差動信号の前記立上りエッジは、前記第1の論理レベルから前記第2の論理レベルに進むために第3の時間量かかり、前記第3の時間量は、前記第2の時間量未満またはそれより大きい。
【請求項10】
請求項9に記載のリピータであって、
前記第1の初期ノードおよび前記第2の初期ノードにおいて、前記差動信号の各成分は、前記第1の論理レベルと前記第2の論理レベルとの間の中間点において交差し、
前記第1の中間ノードおよび前記第2の中間ノードにおいて、前記差動信号の各成分は、ゼロ交差点において交差し、前記ゼロ交差点は、前記第1の論理レベルまたは前記第2の論理レベルに向かってスキューされており、
前記第1の入力ノードおよび前記第2の入力ノードにおいて、前記差動信号の各成分は、前記第1の論理レベルと前記第2の論理レベルとの間の前記中間点において交差し、
前記第1の出力ノードおよび前記第2の出力ノードにおいて、前記差動信号の各成分は、それぞれ前記第1の入力ノードおよび前記第2の入力ノードにおけるそれぞれの成分に等しい。
【請求項11】
請求項5に記載のリピータであって、
前記一対のスイッチの各スイッチは、PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタを備え、
前記リピータは、8個のトランジスタを含み、
前記リピータはデューティサイクル補正器(DCC)リピータである。
【請求項12】
請求項5に記載のリピータであって、
前記一対のスイッチの各スイッチは、NMOSトランジスタを備え、
前記リピータは、6個のトランジスタを含み、
前記リピータはSRAMリピータである。
【請求項13】
請求項5に記載のリピータであって、前記第1の出力ノードおよび前記第2の出力ノードは、メモリセルに結合され、前記メモリセルは、前記リピータの追加のインスタンスに結合される。
【請求項14】
請求項5に記載のリピータであって、
メモリセル内に格納されたデータを読み出すための手段と、
メモリセルにデータを書き込むための手段と、をさらに備える。
【請求項15】
メモリアレイのための縦続接続スタックであって、
複数のメモリセルと、
それぞれが前記複数のメモリセルのそれぞれの1つに結合された複数のリピータと、を備え、各リピータは、
第1のビットラインに結合された第1の入力ノードおよび第2のビットラインに結合された第2の入力ノードと、
前記第1のビットラインに結合された第1の出力ノードと、
前記第2のビットラインに結合された第2の出力ノードと、
入力信号を受信したことに応答して前記第1のビットラインおよび前記第2のビットラインに結合するように構成された一対のスイッチと、
前記一対のスイッチに結合されたクロスカップルインバータセットと、を備え、前記一対のスイッチおよび前記クロスカップルインバータセットは、前記入力信号が前記一対のスイッチによって受信されたことに応答して前記第1のビットラインと前記第2のビットラインとの間でシャント接続を形成する。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
メモリアレイは、それぞれがデータを格納するように構成されているいくつかのメモリセルを含む。データをメモリセルに書き込むために、信号(たとえば、ライト信号)がビットラインに沿っていくつかのメモリセルに送られる。メモリセルの数が多くなるほど、ビットラインは長くなる。典型的には、ビットラインは、非ゼロのインピーダンスを有するワイヤから作製され、その結果、信号は、メモリセルが各ビットラインのそれぞれのビットラインドライバから遠くなるにつれて劣化する可能性がある。したがって、n番目のメモリセルに信号が供給されても、そのメモリセルにデータが適切に書き込まれないことがあり得る。前述の問題に対する1つの解決策は、メモリアレイの各列内にリピータを挿入することである。リピータは、受信信号を再生、再形成、および出力するように機能する。このようにして、信号がビットラインの長さにわたって一貫したままであることが意図されている。
【0002】
しかし、リピータの使用は、追加的な問題を導入する可能性がある。たとえば、リピータは、典型的には、ビットラインを遮断し、遮断された端部の一方をリピータの入力に、他方の遮断された端部をリピータの出力に接続することによって挿入される。これは、メモリセルを作製するコストを増大し、メモリアレイのサイズを最小化することに伴う問題をも引き起こす可能性がある。たとえば、従来のリピータに必要とされるオンチップエリアはSRAMリピータに必要とされるオンチップエリアより大きいので、メモリセルを作製するためのコストは、より高くなり得る。さらに、リピータはメモリリードのために必要とされず、その結果、データをメモリセルから読み出すために、リピータをバイパスする、使用不能にする、または逆転させる必要がある。これらおよび他の欠点がある。
【発明の概要】
【0003】
以下は、本技法のいくつかの態様を非網羅的に一覧したものである。これらおよび他の態様が以下の開示に記載されている。
【0004】
いくつかの態様は、メモリアレイのためのリピータを含む。リピータは、
第1のビットラインに結合された第1の入力ノードおよび第2のビットラインに結合された第2の入力ノードと、
第1のビットラインに結合された第1の出力ノードおよび第2のビットラインに結合された第2の出力ノードと、
入力信号を受信したことに応答して第1のビットラインおよび第2のビットラインに結合するように構成された一対のスイッチと、
一対のスイッチに結合されたクロスカップルインバータセットと、を含み得、一対のスイッチおよびクロスカップルインバータセットは、入力信号が一対のスイッチによって受信されたことに応答して第1のビットラインと第2のビットラインとの間でシャント接続を形成する。
【0005】
いくつかの態様は、上記のリピータなど複数のリピータを含むメモリアレイを含む。
【0006】
いくつかの態様は、上記のリピータなど複数のリピータを含む撮像デバイスを含む。
【0007】
いくつかの態様は、上記のリピータなど複数のリピータを含むシステムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本技法の上述の態様および他の態様は、同様の番号が同様または同一の要素を示す以下の図に鑑みて本出願を読めばよりよく理解されるであろう。
【0009】
図1A~
図1Cは、様々な実施形態による例示的なメモリアレイを表す図である。
【0010】
図2A~
図2Bは、様々な実施形態による例示的なメモリアレイを表す図および概略図である。
【0011】
図3は、様々な実施形態による、リピータを含む例示的なメモリアレイである。
【0012】
図4は、様々な実施形態による、リピータを概略的に表す図を含む
図3のメモリアレイの例示的なメモリ列である。
【0013】
図5A~
図5Cは、様々な実施形態による、
図4のメモリ列の様々なノードにおけるスキューのない差動信号の例示的な信号図である。
【0014】
図6A~
図6Cは、様々な実施形態による、
図4のメモリ列の様々なノードにおけるスキューを有する差動信号の例示的な信号図である。
【0015】
図7Aおよび
図7Bは、それぞれ、様々な実施形態による、デューティサイクル補正(DCC)リピータを含むメモリアレイのための例示的なメモリ列、および例示的なDCCリピータの拡大概略図である。
【0016】
図8A~
図8Cは、様々な実施形態による、
図7Aのメモリ列の様々なノードにおけるスキューのない差動信号の例示的な信号図である。
【0017】
図9A~
図9Cは、様々な実施形態による、
図7Aのメモリ列の様々なノードにおけるスキューを有する差動信号の例示的な信号図である。
【0018】
図10Aおよび
図10Bは、それぞれ、様々な実施形態による、SRAMリピータを含むメモリアレイのための例示的なメモリ列、および例示的なSRAMリピータの拡大概略図である。
【0019】
図11は、様々な実施形態による、ソリッドステート撮像デバイスの例示的な構成を示す例示的なブロック図である。
【0020】
本技法は様々な修正および代替の形態が可能であるが、その特定の実施形態について図面に例として示されており、本明細書において詳細に述べる。これらの図面は、原寸に比例していないことがあり得る。しかし、図面およびそれに対する詳細な説明は、本技法を開示されている特定の形態に限定することは意図されておらず、逆に、添付の特許請求の範囲によって規定される本技法の精神および範囲内に入るすべての修正、均等物、および代替形態を包含することが意図されていることを理解されたい。
【0021】
図面では、「In±<0>」は、BLドライバのソースノードを示し、「In±<1>」は、BLドライバによって駆動される第1のリピータの入力ノードを、BLドライバから第1のリピータへのワイヤと共に示し、「In±<2>」は、第2のリピータを駆動するための第1のリピータの出力ノードを、第1のリピータから第2のリピータへのワイヤと共に示し、「In±<α>」は、BLドライバから第1のリピータへのワイヤ内の中間ノードを示し、これらの中間ノードは、BLドライバの強度が第1のリピータの強度と等価であるバランスポイントである。
図5A~
図5C、
図6A~
図6C、
図8A~
図8C、および
図9A~
図9Cでは、実線は、それぞれ「In+<0>」、「In+<1>」、「In+<2>」、および「In+<α>」における信号を表し、太い破線は、それぞれ「In-<0>」、「In-<1>」、「In-<2>」、および「In-<α>」における信号を表す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書に記載の問題を緩和するために、本発明者は、解決策を発明し、また場合によってはまさに重要なことに、メモリデバイスにおいて他者に見落とされている(または依然として予見されていない)問題を認識しなければならなかった。実際、生まれつつあり、業界の動向が本発明者の予想するように継続する場合、将来、はるかに明らかになるであろう問題を認識することの難しさを、本発明者は強調したい。さらに複数の問題に対処するので、いくつかの実施形態は問題特有のものであり、必ずしもすべての実施形態が本明細書に記載の従来のシステムに伴うあらゆる問題に対処することも、本明細書に記載のあらゆる利益を提供することもないことを理解されたい。したがって、これらの問題を様々に並べ替えたものを解決する改良が下記に記載されている。
【0023】
従来のメモリ回路は、物理的レイアウトにおいても電気的動作においても行および列に編成することができる。メモリセルの数が増えるにつれて、メモリアレイの物理的サイズも大きくなる。メモリセルの所与の行を選択するとき、多数のメモリセルが活性化される可能性がある。この活性化は、典型的には、本明細書で相互交換可能に「ワード」ラインとも称される行ライン上の行デコーダによって行われる。行を活性化すると、その行内のメモリセルがそれらのそれぞれのビットラインと接続され、活性化されたメモリセルからの読出し信号を検知するためにその行内のメモリセルをセンス増幅器(SA)と通信可能に結合する。所与の行内にますます多くのメモリセルが含まれるにつれて、その行を活性化するために必要とされる電力も増大する。たとえば、1024×1024メモリアレイの1つの行を活性化すると、1024個のメモリセルが活性化されることになり、これは大量の電力を必要とする。
【0024】
メモリアレイ内のメモリセルを活性化するために必要とされる電力量を削減するために、リピータが使用され得る。さらに、リピータは、干渉および/またはノイズ劣化なく正しくSRAMメモリセルにデータを書き込むことが可能であることを確実にするためにも使用することができる。リピータは、事前定義された時間量の間、活性化レベルの印加を維持するように構成される。いくつかの実施形態では、各リピータは、そのゲートがセレクト(SEL)ラインに接続されるnチャネルパスゲートを介して行ライン(RL)を受け取る。パスゲートは、インバータの入力に接続され得、インバータの出力は、バッファインバータを介して出力行ラインに接続される。ラッチが2つのインバータ(たとえば、それらはCMOSインバータとすることができる)を介して形成され得る。リピータは、nチャネルトランジスタをも含み得、そのソース-ドレイン経路はラッチのインバータのうちの1つの入力とグランドとの間に接続され、ゲートはリセットラインによって制御される。
【0025】
従来のイメージセンサ(たとえば、CMOSイメージセンサなど)は、ローリングスキャン(RS)動作を介してシーン情報を取り込み、処理する。RS動作の場合、シーン情報は、ラインごとに取り込まれ処理される。しかし、動く物体をシーンが含むとき、またはフラッシュが使用されるとき、RS動作では、画像アーチファクトが生み出される可能性がある。「グローバルシャッタ」動作は、RS動作のこれらの課題を克服する。グローバルシャッタ動作では、イメージセンサは、イメージセンサ内のピクセルのすべてをグローバルに取り込むように構成される(たとえば、イメージセンサは、並列ピクセル動作を介してシーン情報を取り込み、処理することができる)。ピクセル並列動作の1つのタスクは、すべてのセンサ信号を並列で取得し、変換することである。CMOSイメージセンサ(CIS)におけるデジタルピクセルセンサ応用例は、「インピクセル(in-pixel)」エリアにおけるセンサおよび信号チェインの集積を可能にし、従来の2DICまたは3DスタックICを使用して実装することができる。信号チェインは、アナログ-デジタル変換(ADC)、および読み出されることになるメモリを含む。
【0026】
ピクセル並列動作は、3つの部分に分けることができる。第1に、アナログ領域においてピクセルセンサによって生成された信号が取得される。第2に、信号のアナログ-デジタル変換が行われる。第3に、デジタル領域における変換された信号が読み出される。出力信号は、周辺読出し回路を使用して読み出され得る。しかし、読出し信号のスループットは、周辺読出し回路によって制限される。したがって、第1および第2のステップはピクセル並列動作で行うことができるが、読出しは、依然として行ごとまたは列ごとに行われることを必要とし得る。メモリ読出しは読出し回路が1つしかないために行ごとまたは列ごとに行われるので、メモリ読出しは、イメージセンサの性能に対するボトルネックになる可能性がある。
【0027】
利用可能なピクセルエリアの最も効率的な使用は、マルチピクセルグループ化の使用を必要とする。これは、共有されたアレイが十分に利用されることを可能にし、一方、物理的レイアウト制約をも満たす。メモリライトのためには、BLドライバは、即座に列内のメモリセルのすべてを書き込むことができる。BLドライバが即座に書き込むことができる最大ビット数は、列内のビットセルの数であり、ビットセルの最小数は、0ビットセルである。したがって、所与の列内のセルの数は、広範なビットセルに及ぶ可能性がある(たとえば、4以上、16以上、64以上、512以上、1024以上など)。一例として、
図1Aを参照すると、メモリアレイ100は、ビットセルの列102a~102lを含み得、各列は、m個のビットセルを含む(たとえば、メモリアレイ100は、ビットセルの行104a~104mを含み得る。各ビットセルは、nビットメモリセルであり得る。したがって、メモリアレイ100内のメモリセルの総数は、l×m(たとえば、X×Y)個のnビットメモリセルとなり得る。物理的レイアウトを最も効率的に使用するためには、nビットメモリセルのl行およびm列(たとえば、(X行×Y列)×nメモリビット)を含むメモリアレイ100を、
図1Bのメモリアレイ120でわかるように、異なるピクセルグループ化に割り振るとよい。
図1Bでわかるように、メモリアレイ120は、行124a~124mおよびビット列122a~122nを含み得る。したがって、メモリアレイ120では、行の数は、X×Yであり、メモリ列(たとえば、ビット列)の数はnであり、各ビット列は、X×Yビットセルを含む。メモリアレイ120は、さらに
図1Cのメモリアレイ140に縮小され得、これは、X×Yビットセル144のn個のメモリ列142a~142lを含み得る。したがって、メモリアレイ100のX行×Y列×nメモリビットが、(X×Y)行×nビット列)×(1ビットセル)として割り振られ、各ビット列は、物理的レイアウトにおいて1ビットセルの幅である。
【0028】
図2A~
図2Bからわかるように、データを読み出し、またメモリアレイのメモリセルに書き込むために周辺回路が必要とされる。たとえば、メモリアレイ200は、m個の行204a~204mおよびn個のビット列202a~202nを含む。各メモリセルは、
図1A~
図1Cに関連して上記で詳述したように、X×Yビットセルを含む。ピクセルの行204a~204mを駆動および検知するために、周辺回路が必要となり得る。場合によっては、X×Yビットセルのm個の行204a~204mの書込み/読出しのために、ビットごとの周辺回路が使用され得る。
図2A~
図2Bの例では、mは、総行数をXで割ったものに等しい。
図2Bでわかるように、メモリアレイ250は、センス増幅器(SA)210を含み得る。各ビット列(たとえば、ビット列252a~252c)は、センス増幅器210のインスタンスを含み得、これは、メモリリード動作を行うために使用され得、所与のビット列の各ビットセルによって格納されているデータが読み出され得る。センス増幅器は、ビットライン(BL)256aおよび252bの負荷量によって制限され得る。なぜなら、m行×(X×Y)ビットセル(たとえば、行254a~254m)と共に大量のRC負荷量があり得るからである。しかし、これは、通常、センサ動作時間にとってのボトルネックではない。メモリアレイ250の各ビット列は、ビットライン(BL)ドライバ208aおよび208bをも含み得る。BLドライバ208aおよび208bは、メモリライト動作のために使用され得る。BLドライバ208aおよび208bのそれぞれは、所与のビット列内のメモリセルのすべてに即座に書き込むことがあり得、したがって、ADC結果の点で大きな変動のあるビットセルを駆動し得る(たとえば、最大駆動信号は、m行×(X×Y)ビットセルを駆動するためのものであり、最小駆動信号は、駆動するビットセルがないものである)。さらに、BLドライバ208a、208bは、異なる数のSRAMセルを駆動し得るだけでなく、BLドライバ208a、208bは、BLワイヤ負荷量をも駆動し得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、各ビットラインの長さにわたって生じる可能性がある信号損失、信号変化、または駆動信号に対する他の変化を防止するために、1つまたは複数のリピータがメモリアレイ内に挿入され得る。一例として、
図3を参照すると、メモリアレイ300は、ビット列302a~302nおよびメモリセル304a~304mを含み得る。各メモリセルは、X×Yビットセルを含み得る。ビット列302a~302nのそれぞれは、m個のリピータ312a~312mを含み得る。場合によっては、所与のビット列は、他の量のリピータ(たとえば、m個未満のリピータ、m個を超えるリピータ)を含み得る。さらに、メモリアレイ300は、ビットライン(BL)ドライバ308aおよび308bを含み得、これらは、ビットライン(BL)306aおよび306bに沿ってメモリセル304a~304mに駆動信号を出力し得る。特に、BL306aおよび306bは、第1のリピータ312aにおいて入力ノードに結合し得、第1のリピータ312aの出力ノードは、第1のメモリセル304aおよび第2のリピータ312bの入力ノードに結合し得る。リピータメモリセルのこのグループ化は、各ビット列に沿って繰り返し得る。
【0030】
図4からわかるように、各リピータ(たとえば、リピータ312a~312m)は、BL306a、306bのそれぞれについて第1の回路408aおよび第2の回路408bを含み得る。第1の回路408aは、インバータ412a、414a、およびトランスミッションゲート410a、410bを含み得、第2の回路408bは、インバータ412b、414bおよびトランスミッションゲート410c、410dを含み得る。たとえば、
図4を参照するとわかるように、第1のリピータ312aの例示的な回路図が表現されている。第1のリピータ312aの入力ノード404a、404bは、BL306a、306bに沿って、それぞれ第1のノード402aおよび402bに接続し得る。場合によっては、第1のノード402a、402bと入力ノード404a、404bとの間のビットラインBL306a、306bのそれぞれは、長さLを有し得る。このとき、ビットライン306a、306bは、第2のノード406a、406bにおいてリピータ312aをメモリセル304aに接続するために使用され得る。インバータ412a、412b、414a、414bは、BLドライバ308a、308bによって駆動信号出力を整形するために使用され得る。トランスミッションゲート410a~410dは、リピータ312aを「使用可能にする」または「バイパスする」(たとえば、「リード」モードから「ライト」モードにする)ためのスイッチとして動作し得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、リピータは、信号がワイヤの1つの端部から別の端部に移動するのにかかる時間量である信号遅延時間に起因して使用され得る。特に、時間遅延は、距離に比例して増大する。したがって、長さL/2の2本の別々のワイヤを使用する方が長さLの信号ワイヤを使用するより時間がかからない可能性がある。回路(リピータ)は、1本のワイヤから別のワイヤに信号を移動させるために2本のワイヤ間に置かれ得る。ワイヤを切断およびセグメント化し(たとえば、半分に切断し)、リピータを挿入することによってワイヤの遅延を低減する処理は、「リピータ挿入」として知られている。
【0032】
いくつかの実施形態では、リピータ312a~312mは、BL306a、306bのそれぞれの信号経路における遮断部を必要とする。遮断部において、各リピータが挿入され、次いで、BL306a、306bがリピータに再接続され得る。いくつかの実施形態では、リピータは、メモリライト動作のために実装され得、メモリリード動作には必要とされないことがあり得る。したがって、メモリアレイの各ビット列にリピータ312a~312mを挿入することにより、ビットセルの負荷変動を小さいセグメントに均一に分散させることを可能にすることができ、BL負荷量を多数の小さいセグメントに分割することができるが、メモリアレイのための追加のアレイをも必要とし得、各ビットラインの信号経路内に遮断部が生み出されることを必要とし、リード動作中、バイパスする、使用不能にする、または逆転させる必要があり得る。
【0033】
上記のリピータ挿入に対していくらかの副作用がある。たとえば、
図5A~
図5Bを参照すると、これらはそれぞれノード402a、402bにおける(たとえば、BLドライバ308a、308bの出力における)差動信号のグラフ500、およびノード404a、404b(たとえば、リピータ312aの入力)における差動信号のグラフ520を表す。
図3および
図4のメモリアレイを参照して述べたバッファリピータ構成は、BLドライバ308a、308bによって出力される差動駆動信号を徐々におよび/または滑らかに遅くし得る。これは、デジタル領域においてnビットメモリの変換された信号におけるDNLの増大およびノイズの増大に通じる可能性がある。DNLは、実際のステップ幅と1LSBの理想値との間の差を表す誤差測定値である。差動非直線性がDNL=0LSBと一致する理想的なADCの場合、各アナログステップは、1LSBに等しく、ここで、
【数1】
【0034】
式1において、V
FSRはフルスケールレンジであり、NはADCの分解能である。場合によっては、遷移値は、ちょうど1LSBで離隔され得る。たとえば、DNL=-1の場合、これは、コードが欠落していることを示す。DNLは、式2を使用して表され得、以下のように定義される。
【数2】
【0035】
式2において、Dは、0<D<2N-2の間であり、VDは、デジタル出力コードDの物理値を表し、Nは、ADCの分解能を表し、VIdeal LSBは、2つの隣接するデジタルコードのための理想的な間隔を表す。
【0036】
さらに、
図5Bおよび
図5Cによってわかるように、差動信号は、急激に整形されることがあり得、より大きな不連続性を含み得、これは、固定パターンノイズ(FPN)を増大させる可能性があり、その場合、不連続性により行FPNがFPNより大きく激しいものとなり得る。たとえば、ノード404a、404bからノード406a、406bへの差動信号の整形は、交差点を時間的にシフトさせる可能性がある。したがって、差動信号のメタステーブルゾーンの幅は、ノード402a、402bとノード404a、404bとの間で著しく増大する可能性がある(たとえば、グラフ500のメタステーブルゾーン502の幅は、グラフ520のメタステーブルゾーン522に関してのように増大する)。したがって、リピータは、リピータの出力において差動信号を整形し得るが、(たとえば、ノード406a、406bにおける差動信号を表す
図5Cのグラフ540によってわかるように)メタステーブルゾーン542は、ノード402a、402bにおける差動信号を表すメタステーブルゾーン502に比べてシフトし得る。メタステーブルゾーンが増大しシフトするので、信号レベルが変化し、差動信号の論理レベルが変化し得る。これは、第1の回路408aおよび第2の回路408bが安定の0または1の論理状態に整定できなくなり得るので、メモリアレイによる誤った挙動に通じる可能性がある。これは、信号損失およびイメージセンサのシステム障害を引き起こす可能性がある。
【0037】
図5A~
図5Cは、スキューが存在しないシナリオにおけるリピータ挿入の副作用のうちのいくつかの例を表す。しかし、実際には、BL306a、306bの構造における自然な不完全(たとえば、ビットラインとして使用されるワイヤを形成する材料の不均一性など)によりスキューは存在する。また、スキューは、BLドライバ(たとえば、BLドライバ308a、308b)およびリピータ(たとえば、リピータ312a~312m)の構造における不完全により存在し得る。
図6A~
図6Cは、様々な実施形態による、
図4のメモリ列の様々なノードにおけるスキューを有する差動信号の例示的な信号図である。スキューしている場合、BL306a、306bにおける負荷量および/または駆動が不均衡であり、これは、スキューしているゼロ交差点をもたらす可能性がある。たとえば、
図6Aのグラフ600でわかるように、ノード402a、402bにおけるメタステーブルゾーン602は、
図5Aのグラフ500によって表現されているスキューしていない場合のものと実質的に同様となり得る。しかし、
図6Bのグラフ620からわかるように、メタステーブルゾーン622は、メタステーブルゾーン602に比べて幅が増大している。特に、メタステーブルゾーン622は、スキューによって誘導されたメタステーブルゾーン626a、626bを含み得、これは、スキューしていない場合についてノード404a、404bにおける差動信号を表すメタステーブルゾーン522の幅に比べて、メタステーブルゾーン622の幅を増大する。さらに、
図6Bによってわかるように、差動信号のゼロ交差点624もまたスキューしている(たとえば、ゼロ交差点624は、
図5Bに比べて下がっている)。整形/再生後、
図6Cのグラフ640によってわかるように、ノード406a、406bにおける差動信号は、スキューによって誘導されたメタステーブルゾーン646a、646bによってわかるように、スキューしているゼロ交差点および増大したメタステーブルゾーン642の幅を保持し得る。これは、DNLおよびノイズを、スキューしていない場合よりも増大させる可能性がある。さらに、スキューによって誘導されたメタステーブルゾーン646a、646bは、整形され、ビットライン306a、306bに沿って引き続き伝搬し得る。信号が伝搬するにつれて、スキューによって誘導されたメタステーブルゾーン646a、646bは拡大し続け、これは、DNL、ノイズ、FPN、行FPNを引き続き増大させる。ここで、行FPNは、FPNのサブセットである。
【0038】
いくつかの実施形態では、
図4に表現されているものなど、挿入されたリピータを含むメモリアレイ300に関連して上記で論じた技術的問題は、下記のメモリ列を使用して克服することができる。「メモリ列」は、本明細書で「ビット列」とも称されることがある。具体的には、いくつかの実施形態は、上記の技術的問題に対する技術的解決策について述べており、この技術的解決策は、(i)デューティサイクル補正器(DCC)リピータと、(ii)SRAMリピータとを含み、これらはそれぞれ、上記の技術的問題を克服する技術的効果を発揮する。下記のDCCリピータおよびSRAMリピータは、それだけには限らないが(これは、他のリストが限定するものであることを示唆するものではない)、メモリセルと直列にリピータを挿入するためにデータ経路内に遮断部を必要とすること、リピータの縦続接続スタックに起因して大きな伝搬遅延を引き起こすこと、差動信号のスキューを伝搬および蓄積させること、各リピータの近くにおいて(たとえば、ノード404a、404bおよびノード406a、406bに近接するBL306a、306bに沿って)急激な不連続性を引き起こすこと、ならびに読出しおよび書込みのために別々の経路を必要とすることを含む技術的問題を克服する。さらに、DCCリピータおよびSRAMリピータ両者の技術的利点は、下記で詳述されているように、下記のDCCリピータおよびSRAMリピータが共に、
図4に表現されているリピータより少ないトランジスタを使用し、作製をより経済的なものにすることである。たとえば、
図4のリピータ(たとえば、リピータ312a~312m)は、16個のトランジスタを含み得るが、下記のDCCリピータおよびSRAMリピータは、それぞれ8個のトランジスタおよび6個のトランジスタを含み得る。またさらに、下記のDCCリピータおよびSRAMリピータ両者についての有効駆動負荷は、
図4のリピータに必要とされるものより小さくなり得る。さらに、下記のSRAMリピータは、より少ない制御信号を含み得、(たとえば、追加の周辺回路がなく、信号経路遮断の必要がないことによる)可能な最もコンパクトなレイアウトを有する最適化されたメモリアレイに統合させることができ、同一の周囲のSRAMのようなリピータレイアウトで高いメモリ歩留まりを有することができる。
【0039】
図7Aおよび
図7Bは、それぞれ、様々な実施形態による、デューティサイクル補正(DCC)リピータを含むメモリアレイのための例示的なメモリ列、および例示的なDCCリピータの拡大概略図である。
図7Aは、メモリアレイの例示的なメモリ列702を示す。特に、メモリアレイは、メモリ列702と同じまたは同様であるn個の列を含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、メモリ列702は、それぞれビットライン(BL)ドライバ708a、708bによって駆動されるビットラインに直列に接続され得るメモリセル704aおよび704bなど、m個のメモリセルを含み得る。メモリ列702の各メモリセルは、X×Yビットセルを含み得る。さらに、各メモリ列は、メモリセルからデータを読み出すために使用され得るセンス増幅器(SA)710を含み得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、初期ノードN_0aおよびN_0bは、それぞれBLドライバ708a、708bに結合され得る。
図8Aのグラフ800によってわかるように、スキューしていない場合、初期ノードN_0a、N_0bは、メタステーブルゾーン802を有し得る。メタステーブルゾーン802の幅は、
図5Aのメタステーブルゾーン502のものと実質的に同様となり得、以前の説明が当てはまり得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、中間ノードN_αa、N_αbなど、中間ノードが各ビットラインに沿って挿入され得る。特に、中間ノードN_αa、N_αbは、初期ノードN_0a、N_0bと中間ノードN_αa、N_αbとの間のビットラインの長さ(L)を、αが1未満である長さαLを有する第1の部分706aa、706baと、長さ(1-α)Lを有する第2の部分706ab、706bbとにセグメント化し得る。ノードN_αaおよびN_αbは、差動信号のRC崩壊とDCC再生との間のバランスポイントに配置され得る。たとえば、αは、L/2に等しくなり得る。いくつかの実施形態では、αは、メモリアレイの所望の設計からの制約を使用してシミュレーションを介して決定され得る。それぞれ
図8Aおよび
図8Bのグラフ800および820からわかるように、初期ノードN_0aおよびN_0bから中間ノードN_αaおよびN_αbへの差動信号は、αL(たとえば、ここでαLは<L)での改善された有効長を有するので、徐々に/滑らかに遅くなり得る。それぞれ
図8Bおよび
図8Cのグラフ820および840から、差動信号は、徐々に/滑らかに再生し、これはDNLおよびノイズを低下させ、行FPNを生成しない。さらに、メタステーブルゾーン842の幅は、メタステーブルゾーン802のものと実質的に同様のままであり、ゼロ交差点のシフトは最小である。特に、ゼロ交差点には、y軸に沿ってスキューがなく、時間遅延(たとえば、x軸)のシフトは最小であるはずである。さらに、入力ノードN_1aおよびN_1bをまたぐ差動信号は、出力ノードN_2aおよびN_2bのものと等価である。したがって、リピータ712aの入力における差動信号は、リピータ712aの出力における差動信号と同じ(または実質的に同様)である。同様の特性が、メモリ列702の他方のリピータ(たとえば、リピータ712a~712c)について達成され得る。
【0043】
図8A~
図8Cは、メモリ列702の様々なノードをまたぐ差動信号のスキューしていない場合の例を表していたが、
図9A~
図9Cは、スキューしている場合の例を表す。スキューしている場合、BLドライバ708a、708bによって出力される負荷量/駆動信号は、不均衡になり得る。
図9Aのグラフ900からわかるように、メタステーブルゾーン902は、メタステーブルゾーン802のものと実質的に同様となり得、以前の説明が当てはまり得る。
図9Bのグラフ920では、メタステーブルゾーン922は、メタステーブルゾーン902の幅に対して依然として拡大し得るが、スキューによって誘導されたメタステーブルゾーン926a、926bのサイズは、
図4におけるリピータのものより小さくなり得る。
図9Cのグラフ940では、メタステーブルゾーン942はやはり再形成されるが、差動信号のシフトは、
図4におけるリピータによって誘導されたシフトに対して低減され得る。さらに、入力ノードN_1a、N_1bにおける差動信号は、出力ノードN_2a、N_2bにおけるものに等しいので、伝搬する信号は、
図4のリピータの場合より遅延が少なく劣化が少ないことになる。いくつかの実施形態では、初期ノードN_0a、N_0bと中間ノードN_αaおよびN_αbとの間のビットラインの有効長αLが長さL未満であるので(たとえば、初期ノードとリピータの入力ノードとの間の
図3のビットライン306a、306bの長さ)、メタステーブルゾーンの幅、DNL、およびノイズは、
図9A~
図9C、のグラフ900、920、940によってわかるように、スキューしている場合について増大し得るが、この増大は、
図3のリピータ312aのものより小さくなり得る。さらに、メモリ列702は、スキューによって誘導されたメタステーブルゾーン926a、926bを整形し、ゼロ交差点924を補正し得る。さらに、スキューは、DCCリピータ(たとえば、リピータ712a)によってリセットされクリアされ得る。いくつかの実施形態では、DCCリピータ(たとえば、リピータ712a)は、位相外れ差動信号を180度分離で引き戻し得る。さらに、DCCリピータは、ゼロ交差点を中央レールに引き戻すこともできる。たとえば、中央線にないことがあり得るグラフ920のゼロ交差点924は、グラフ940における中央線に引き戻され得る。
【0044】
図7Bは、メモリ列702からの例示的なリピータ712の拡大回路図である。特に、リピータ712は、入力ノードN_1a、N_1bおよび出力ノードN_2a、N_2bを含み得る。それぞれ入力ノードN_1a、N_1bおよび出力ノードN_2a、N_2bを接続するビットライン間に、DCCリピータ回路750が挿入され得る。たとえば、DCCリピータ回路750は、ビットラインに対するシャント接続を形成し得る。その結果、信号経路遮断部は、DCCリピータ回路750を使用するメモリ列702内に含まれることがない。
【0045】
DCCリピータ回路750は、第1のスイッチ752aおよび第2のスイッチ752bを含み得る。スイッチ752a、752bのそれぞれは、入力信号に応じて「オン」または「オフ」に切り替わり得る。入力信号は、BL駆動信号を指すことがあり、制御信号は、ライト信号を指すことがある。たとえば、入力信号(たとえば、BLドライバ708a、708bによって出力される信号)が供給されたとき、入力信号は、インバータ754a、754bに伝送され得る。いくつかの実施形態では、スイッチ752a、752bは、並列に接続されたPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタを使用して形成されたトランスミッションゲートであってよい。PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタのドレイン端子およびソース端子は接続され得、一方、ゲートは、インバータを介して互いに結合される。たとえば、入力信号が論理ハイ(たとえば、論理1)であるとき、デバイスは、ライトモードにあり得(たとえば、NMOSオン、PMOSオン)、一方、入力信号が論理ロー(たとえば、論理0)であるとき、デバイスは、リードモードにあり得る(たとえば、NMOSオフ、PMOSオフ)。場合によっては、トランスミッションゲートは、メモリ列702が「リード」モードにあるとき、「開(オフ)」であり得、各メモリセル704内に格納されているデータは、ビットラインをわたって読み出され、SA710によって検知され得る。トランスミッションゲート(たとえば、スイッチ752a、752b)をまたぐ信号が論理1であるとき、トランスミッションゲートは、「閉(オン)」であり得、トランスミッションゲートのトランジスタは、入力信号を導通し得る(たとえば、データが書き込まれ得る)。場合によっては、トランスミッションゲートは、メモリ列702が「ライト」モードにあるとき、「閉(オン)」であり得、BLドライバ708a、708bによって出力される差動入力信号に基づいてデータがメモリセル704に書き込まれ得る。DCCリピータ回路750はシャント接続を介してメモリ列702のBLに接続されるので、信号経路内に遮断部はできず、メモリリード動作中、リピータ712をバイパスまたは使用不能にする必要がない。さらに、シャント接続を介してDCCリピータ回路750を接続することによって、
図3および
図4のものとは異なって、メモリアレイのための物理的空間が最適化される。シャント接続は、回路(たとえば、DCCリピータ回路750)の1つまたは複数の構成要素が、信号が別の点を回って通るための代替のルートとして働く回路を指す。たとえば、DCCリピータ712がシャント接続を介して接続されたとき、差動信号は、DCCリピータ回路750をバイパスすることができる(たとえば、「リード」モードにあるとき、信号は、DCCリピータ回路750の構成要素によって導通されることなく入力ノードN_1a、N_1bから出力ノードN_2a、N_2bに伝わることができる)。
【0046】
いくつかの実施形態では、インバータ754a、754bは、クロスカップルインバータ対であってよい。たとえば、第1のインバータ754aの出力は、第2のインバータ754bの入力となるように駆動され得、第2のインバータ754bの出力は、第1のインバータ754aの入力となるように駆動され得る。これは、インバータ754a、754bの対がリピータ712のためのストレージとして働くことを可能にすることができ(たとえば、インバータ754a、754bの対は論理0、1を格納し得る)、後続のメモリセル(たとえば、電気的にリピータ712「後」のメモリセル704aに出力されることになる入力信号値を示す。いくつかの実施形態では、インバータ754a、754bのそれぞれは、2つのトランジスタから形成され得る。したがって、DCCリピータ回路750に含まれるトランジスタの総数は、8個のトランジスタであり得、これは、
図4のリピータ312aによって使用されているトランジスタの数(たとえば、これは、16個のトランジスタを含む)の半分である。
【0047】
図10Aおよび
図10Bは、それぞれ、様々な実施形態による、SRAMリピータを含むメモリアレイのための例示的なメモリ列、および例示的なSRAMリピータの拡大概略図である。
図10Aは、メモリアレイの例示的なメモリ列1002を示す。特に、メモリアレイは、メモリ列1002と同じまたは同様であるn個の列を含み得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、メモリ列1002は、それぞれビットライン(BL)ドライバ1008a、1008bによって駆動されるビットラインに直列に接続され得るメモリセル1004aおよび1004bなど、m個のメモリセルを含み得る。メモリ列1002の各メモリセルは、X×Y個のビットセルを含む。さらに、各メモリ列は、メモリセルからデータを読み出すために使用され得るセンス増幅器(SA)1010を含み得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、初期ノードN_0aおよびN_0bは、それぞれBLドライバ1008a、1008b、に結合され得る。いくつかの実施形態では、中間ノードN_αa、N_αbなど、中間ノード、が各ビットラインに沿って挿入され得る。特に、中間ノードN_αa、N_αbは、初期ノードN_0a、N_0bと中間ノードN_αa、N_αbとの間のビットラインの長さ(L)を、αが1未満である長さαLを有する第1の部分1006aa、1006baと、長さ(1-α)Lを有する第2の部分1006ba、1006bbとにセグメント化し得る。ノードN_αaおよびN_αbは、差動信号のRC崩壊とDCC再生との間のバランスポイントに配置され得る。たとえば、αは、L/2に等しくなり得る。いくつかの実施形態では、αは、メモリアレイの所望の設計からの制約を使用してシミュレーションを介して決定され得る。メモリ列1002は、リピータ1012aの入力における差動信号がリピータ1012aの出力における差動信号と同じ(または実質的に同様)であるため、メモリ列702のものと同じまたは同様に機能し得る。さらに、メモリ列1002内のノードのそれぞれにおける差動信号に対するスキューの作用は、
図8A~
図8Cおよび
図9A~
図9Cによって表現されているように、上記のメモリ列702のものと実質的に同様となり得、以前の説明が当てはまり得る。
【0050】
図10Bは、メモリ列1002からの例示的なリピータ1012の拡大回路図である。特に、リピータ1012は、入力ノードN_1a、N_1bおよび出力ノードN_2a、N_2bを含み得る。それぞれ入力ノードN_1a、N_1bおよび出力ノードN_2a、N_2bを接続するビットライン間に、SRAMリピータ回路1050が挿入され得る。たとえば、SRAMリピータ回路1050は、ビットラインに対するシャント接続を形成し得る。その結果、信号経路遮断は、SRAMリピータ回路1050を使用するメモリ列1002内に含まれることがない。
【0051】
SRAMリピータ回路1050は、第1のスイッチ1052aおよび第2のスイッチ1052bを含み得る。スイッチ1052a、1052bのそれぞれは、入力信号に応じて「オン」または「オフ」に切り替わり得る。たとえば、入力信号(たとえば、BLドライバ1008a、1008bによって出力される信号)が供給されたとき、この信号は、インバータ1054a、1054bに伝送され得る。いくつかの実施形態では、スイッチ1052a、1052bは、NMOSトランジスタを使用して形成されたトランスミッションゲートであってよい。たとえば、入力信号が論理ハイ(たとえば、論理1)であるとき、デバイスは、ライトモードにあり得(たとえば、NMOSオン、PMOSオン)、一方、入力信号が論理ロー(たとえば、論理0)であるとき、デバイスは、リードモードにあり得る(たとえば、NMOSオフ、PMOSオフ)。トランスミッションゲート(たとえば、スイッチ1052a、1052b)をまたぐ信号が論理1であるとき、トランスミッションゲートは、「閉(オン)」であり得、トランスミッションゲートのトランジスタは、入力信号を導通し得る(たとえば、データが書き込まれ得る)。場合によっては、トランスミッションゲートは、メモリ列1002が「ライト」モードにあるとき、「閉(オン)」であり得、BLドライバ1008a、1008bによって出力される差動入力信号に基づいてデータがメモリセル1004a、100bに書き込まれ得る。場合によっては、トランスミッションゲートは、メモリ列1002が「リード」モードにあるとき、「開(オフ)」であり得、各メモリセル704内に格納されているデータは、ビットラインをわたって読み出され、SA710によって検知され得る。トランスミッションゲート(たとえば、スイッチ1052a、1052b)をまたぐ信号が論理1であるとき、トランスミッションゲートは、「閉(オン)」であり得、各トランスミッションゲートのトランジスタは、入力信号を導通し得る(たとえば、データが書き込まれ得る)。場合によっては、トランスミッションゲートは、メモリ列1002が「ライト」モードにあるとき、「閉(オン)」であり得、BLドライバ1008a、1008bによって出力される差動入力信号に基づいてデータがメモリセル1004に書き込まれ得る。SRAMリピータ回路1050はシャント接続を介してメモリ列1002のBLに接続されるので、信号経路内に遮断部はできず、メモリリード動作中、リピータ1012をバイパスまたは使用不能にする必要がない。さらに、シャント接続を介してSRAMリピータ回路1050を接続することによって、
図3および
図4のものとは異なって、メモリアレイのための物理的空間が最適化される。DCCリピータ712aのものと同様に、SRAMリピータ1012がシャント接続を介して接続されたとき、差動信号は、SRAMリピータ回路1050をバイパスすることができる(たとえば、「リード」モードにあるとき、信号は、SRAMリピータ回路1050の構成要素によって導通されることなく入力ノードN_1a、N_1bから出力ノードN_2a、N_2bに伝わることができる)。
【0052】
いくつかの実施形態では、インバータ1054a、1054bは、クロスカップルインバータ対であってよい。たとえば、第1のインバータ1054aの出力は、第2のインバータ1054bの入力となるように駆動され得、第2のインバータ1054bの出力は、第1のインバータ1054aの入力となるように駆動され得る。これは、インバータ1054a、1054bの対がリピータ1012のためのストレージとして働くことを可能にすることができ(たとえば、インバータ1054a、1054bの対は論理0、1を格納し得る)、後続のメモリセル(たとえば、電気的にリピータ1012「後」のメモリセル1004aに出力されることになる入力信号値を示す。いくつかの実施形態では、インバータ1054a、1054bのそれぞれは、2つのトランジスタから形成され得る。したがって、SRAMリピータ回路1050に含まれるトランジスタの総数は、6個のトランジスタであり得、これは、
図4のリピータ312aによって使用されているトランジスタの数(たとえば、これは、16個のトランジスタを含む)の半分未満であり、DCCリピータ回路750より少ないトランジスタである。
【0053】
SRAMリピータ回路1050を含むSRAMリピータ1012は、より少ないトランジスタの使用(たとえば、それによりコストを削減すること)以上の
図3および
図4のリピータ312aの構成に勝る追加の改良を提供し得る。たとえば、SRAMリピータ1012のインスタンスを含むメモリ列1002などメモリ列を含むメモリアレイの構成は、相補的な制御信号の必要を削減または解消し得、メモリアレイによって必要とされる電力量を低減する。たとえば、シングルエンド制御信号が、必要とされる唯一の信号であり得る。別の例として、リピータ1012のSRAMのような構成は、SRAMメモリアレイへの単純な組込みを可能にする。リピータ1012は、最もコンパクトなレイアウトを有するSRAMビットセルのものと構成が同様であるレイアウトパターンを有し得、
図7Aのリピータ712aのものと同様に、シャント接続を介して接続され得、それにより、挿入のために信号経路を遮断する必要を解消する。したがって、SRAMメモリアレイに容易に統合させることができる。リピータ1012などSRAMリピータをSRAMメモリアレイに統合させることができることにより、同一の周囲のSRAMのようなリピータレイアウトを有する高歩留まりメモリセルを作り出すことができる(たとえば、メモリアレイは、それぞれが複数の(X×Y)ビットセル(たとえば、メモリセル1004a~1004)およびリピータ(たとえば、リピータ1012a~1012c)を含む、ビット列1002のものと同様の複数のビット列を含むことができる。
【0054】
表1は、
図7A~
図7Bに関連して上記したDCCリピータ、および
図10A~
図10Bによって上記したSRAMリピータのそれぞれによって提供される技術的改良および技術的効果を示す。
【0055】
【0056】
図11は、様々な実施形態による、ソリッドステート撮像デバイスの例示的な構成を示す例示的なブロック図である。この実施形態では、ソリッドステート撮像デバイス1100は、たとえば、CMOSイメージセンサによって構成される。CMOSイメージセンサは、たとえば、裏面照明イメージセンサ(BSI)に適用される。
【0057】
図11に示されているように、ソリッドステート撮像デバイス1100は、画像取込み部として働くピクセル部1120、垂直回路1130(行回路)、読出し回路1140(列読出し回路)、水平回路1150(列回路)、およびタイミング制御回路1160を含み得る。これらの構成要素のうち、たとえば、垂直回路1130、読出し回路1140、水平回路1150、およびタイミング制御回路1160は、ピクセル信号を読み出すための読出し部1170を構成し得る。一例として、ピクセル部1120は、それぞれ
図7Aおよび
図10Aのメモリ列702および1002など1つまたは複数のメモリ列を含むメモリアレイを含み得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、ソリッドステート撮像デバイス1100のピクセルは、ピクセル部1120内に行列パターンで配置され得、各マルチピクセルは、それぞれが光電変換領域を有する少なくとも2つのサブピクセルを含み得る。いくつかの実施形態では、マルチピクセルは、少なくともマルチピクセルの光電変換領域の光入射部分において複数の隣接するサブピクセルを互いに分離する裏面分離部と、少なくとも2つのサブピクセルの光電変換領域に光が入射することを可能にする単一のレンズ部とを含み得る。いくつかの実施形態では、レンズ部の光心は、裏面分離部が形成される場所に位置決めされ得、少なくとも裏面分離部の光心領域は、裏面分離部の他の領域より低い反射(高い吸収)を示す。いくつかの実施形態では、裏面分離部の光心領域は、裏面分離部の他の領域より低い反射(高い吸収)を示す。
【0059】
いくつかの実施形態では、マルチピクセルは、サブピクセルの単位群として働き、NIR-RGBセンサとして構成される。
【0060】
以下は、ソリッドステート撮像デバイス1100の一部の例示的な構成および機能について簡単に述べている。
【0061】
垂直回路1130は、シャッタ内のサブピクセルを駆動し、タイミング制御回路1160の制御下で行スキャニング制御ラインを通じて行を読み出し得る。さらに、垂直回路1130は、アドレス信号に従って、信号が読み出されることになる読出し行、およびフォトダイオードPDに蓄積された電荷がリセットされるシャッタ行の行アドレスのための行選択信号を出力し得る。
【0062】
通常のピクセル読出し動作では、読出し部1170の垂直回路1130は、シャッタスキャニング、次いで読出しスキャニングを行うためにピクセルを駆動し得る。
【0063】
読出し回路1140は、ピクセル部1120の列出力に対応して配置された複数の列信号処理回路を含み得、読出し回路1140は、複数の列信号処理回路が列の並列処理を行うことができるように構成され得る。読出し回路1140は、相関二重サンプリング(CDS)回路、アナログ-デジタルコンバータ(ADC)、増幅器(AMP)、サンプル/ホールド(S/H)回路などを含み得る。
【0064】
読出し回路1140は、電子シャッタとしてローリングシャッタを使用するソリッドステート撮像デバイス(CMOSイメージセンサ)だけでなく、電子シャッタとしてグローバルシャッタを使用するソリッドステート撮像デバイス(CMOSイメージセンサ)にも適用可能である。たとえば、電子シャッタとしてグローバルシャッタを使用するCMOSイメージセンサでは、たとえば、ピクセルは、光電変換読出し部から読み出される信号をサンプル/ホールドキャパシタ内に保持するための信号保持部を内蔵する。グローバルシャッタを使用するCMOSイメージセンサは、フォトダイオードからの電荷を同時に電圧信号の形態で信号保持部のサンプル/ホールドキャパシタに貯蔵し、後から電圧信号を順次読み出す。このようにして、画像全体にわたって同時性が確実に達成される。CMOSイメージセンサは、たとえば、スタックCMOSイメージセンサとして提供される。
【0065】
スタックCMOSイメージセンサは、たとえば、第1の基板(ピクセルダイ)および第2の基板(ASICダイ)がマイクロバンプ(接続部)を通じて接続されるスタック構造を有し得る。第1の基板は、形成された個々のピクセルのための光電変換読出し部を有し得、第2の基板は、形成された個々のピクセルのための信号保持部、信号ライン、垂直回路、水平回路、読出し回路などを有し得る。第1の基板に形成されたピクセルのそれぞれは、第2の基板に形成された信号保持部のうちの対応する1つに接続され得、信号保持部は、上記のADCおよびS/H回路を含む読出し回路1140に接続され得る。
【0066】
水平回路1150は、ADCなど読出し回路1140の複数の列信号処理回路内で処理された信号をスキャンし、信号を水平方向に転送し、信号を信号処理回路(図示せず)に出力し得る。
【0067】
タイミング制御回路1160は、ピクセル部1120、垂直回路1130、読出し回路1140、水平回路1150などにおける信号処理に必要とされるタイミング信号を生成し得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、読出し部1170は、浮遊拡散層FDがリセットされるリセット期間PRに続く読出し期間において、リセット状態において信号を読み出すこと、およびリセット期間に続く読出し期間後、第1のフォトダイオードまたは第2のフォトダイオードに貯蔵された電荷が第1の転送トランジスタまたは第2の転送トランジスタを通じて浮遊拡散層FDに転送され得る転送期間PTに続く読出し期間において、貯蔵された電荷によって決定される信号を読み出すことを含む読出しスキャニングを行うことができる。ここで、第1のフォトダイオードは、第1のウェルキャパシティおよび第1の応答度を有し得、第2のフォトダイオードは、第2のウェルキャパシティおよび第2の応答度を有し得る。読出し部1170は、1回の読出し期間における第1の変換ゲインモード読出し、および第2の変換ゲインモード読出しからなる群から選択された少なくとも1つを行うように構成され得る。第1の変換ゲインモード読出しでは、読出し部1170は、キャパシタンス充電部によって設定された第1のキャパシタンスに対応する第1の変換ゲイン(たとえば、高ゲインまたはHCG)を有するピクセル信号を読み出すことができる。第2の変換ゲインモード読出しでは、読出し部1170は、キャパシタンス充電部によって設定された第2のキャパシタンスに対応する第2の変換ゲイン(たとえば、低ゲインまたはLCG)を有するピクセル信号を読み出すことができる。
【0069】
ブロック図では、図の構成要素は、離散的な機能ブロックとして表現されているが、実施形態は、本明細書に記載の機能性が図のように編成されるシステムに限定されない。構成要素のそれぞれによって提供される機能性は、現在表現されているものとは異なるように編成されるソフトウェアまたはハードウェアモジュールによって提供されてもよく、たとえば、そのようなソフトウェアまたはハードウェアは、混ぜ合わされ、併合され、複製され、分割され、分散され(たとえば、データセンタ内で、または地理的に)、または別の形で異なるように編成されてもよい。本明細書に記載の機能性は、有形の非一時的な機械可読媒体上に格納されているコードを実行する1つまたは複数のコンピュータの1つまたは複数のプロセッサによって提供されてもよい。場合によっては、単数形の用語「medium(媒体)」の使用にかかわらず、命令は、異なるコンピューティングデバイスに関連付けられた異なるストレージデバイス上で、たとえば、各コンピューティングデバイスが命令の異なるサブセットを有する状態で分散されてもよく、本明細書における単数形の用語「medium(媒体)」の用法と一貫している実装である。
【0070】
読者は、本出願がいくつかの個々に有用な技法について述べていることを理解するはずである。これらの技法を複数の孤立した特許出願に分離するのではなく、出願人は、これらの技法を、それらの関連の主題が出願処理における経済性に役立つので単一の文書にグループ化した。しかし、そのような技法の明確な利点および態様は、1つにまとめられるべきでない。場合によっては、実施形態は、本明細書に記載の欠点のすべてに対処するが、これらの技法は、個々に有用であり、いくつかの実施形態は、そのような問題のサブセットだけに対処し、または本開示を検討する当業者に明らかになるであろう他の述べられていない利益を提供することを理解されたい。コスト制約のため、本明細書で開示されているいくつかの技法は、現在特許請求されていないことがあり、継続出願など、または本特許請求の範囲を補正することによって、後の出願で特許請求されることがある。同様に、スペースの制約のため、本書の要約の項も発明の概要の項も、そのような技法すべて、またはそのような技法の態様すべてを包括的に一覧したものを含むものと解釈されるべきでない。
【0071】
本説明および図面は、本技法を開示されている特定の形態に限定することは意図されておらず、逆に、添付の特許請求の範囲によって規定される本技法の精神および範囲内に入るすべての修正、均等物、および代替形態を包含することが意図されていることを理解されたい。さらに、本技法の様々な態様の修正および代替の実施形態は、この説明に鑑みて当業者に明らかになるであろう。したがって、本説明および図面は、例示的なものにすぎないと解釈されるべきであり、本技法を実施する一般的なやり方を当業者に教示するためのものである。本明細書に示され記載されている本技法の形態は、実施形態の例と解釈されるべきであることを理解されたい。本技法の本説明の利益を有した後には、すべて当業者に明らかになるように、要素および材料が本明細書に示され記載されているものに置き換わってもよく、部分および処理は、逆転または省略されてもよく、本技法のいくつかの特徴は、個々に利用されてもよい。以下の特許請求の範囲に記載されている本技法の精神および範囲から逸脱することなく本明細書に記載の要素に変更を加えることができる。本明細書で使用されている表題は、編成するためのものにすぎず、本説明の範囲を限定するために使用されることは意図されていない。
【0072】
本出願を通して使用されるとき、「may(~得る、~よい)」という語は、義務的な意味(すなわち、不可欠なものを意味する)ではなく、寛大な意味(すなわち、可能性を有することを意味する)で使用される。「include(含む)」、「including(含む)」、および「includes(含む)」などの語は、それだけには限らないが、含むことを意味する。本出願を通して使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段内容が明示的に示さない限り複数の指示対象を含む。したがって、たとえば、「an element(一要素)」または「a element(一要素)」に言及することは、「1つまたは複数の」など1つまたは複数の要素のための他の用語および句の使用にかかわらず2つ以上の要素の組合せを含む。「or(または)」という用語は、別段示されていない限り非排他的であり、すなわち、「and(および)」、および「or(または)」を共に包含する。条件関係について述べる用語、たとえば、「X、Yに応答して」、「X、Yに基づいて」、「X、Yである場合」、「X、Yであるとき」などは、前件が必要条件である、前件が十分条件である、または前件が結果の寄与条件である因果関係を包含し、たとえば、「状態Xは条件Yが成り立つとき生じる」は、「XがYだけに基づいて生じる」、および「XがYおよびZに基づいて生じる」の総称である。そのような条件関係は、前件が成り立つことに直ちに続く結果に限定されない。なぜなら、一部の結果は遅延されることがあり、条件文において、前件はそれらの結果に結び付けられる、たとえば、前件は結果が生じることの可能性に関連するからである。複数の属性または機能が複数の物体にマッピングされる文(たとえば、ステップA、B、C、Dを行う1つまたは複数のプロセッサ)は、別段示されていない限り、すべてのそのような物体にマッピングされるすべてのそのような属性または機能と、それらの属性または機能のサブセットにマッピングされるそれらの属性または機能のサブセットとを共に(たとえば、それぞれがステップA~Dを行うすべてのプロセッサと、プロセッサ1がステップAを行い、プロセッサ2がステップBおよびステップCの一部を行い、プロセッサ3がステップCの一部およびステップDを行う場合とを共に)包含する。さらに、別段示されていない限り、1つの値またはアクションが別の条件または値「に基づく」という文は、その条件または値が唯一の要因である場合と、その条件または値が複数の要因のうちの1つの要因である場合とを共に包含する。別段示されていない限り、何らかの集まりの「each(各)」インスタンスが何らかの特性を有するという文は、より大きな集まりのいくつかのそれ以外同一のまたは同様のメンバがその特性を有していない場合を除外するように読むべきでない。すなわち、each(各)は、必ずしもそれぞれあらゆるを意味しない。記載されたステップの順序に関する限定は、別段明示的に指定されていない限り特許請求の範囲の意味に読み取るべきでなく、たとえば、「Xを行った後、Yを行う」のような明確な文言は、「物品に対してXを行い、Xされた物品に対してYを行う」のような順序の限定を暗示するように不適切に論じられる可能性がある文とは対照的に、順序を指定するのではなく特許請求の範囲をより読みやすくするために使用される。「A、B、およびCのうちの少なくともZ」など(たとえば、「A、B、またはCのうちの少なくともZ」)に言及する文は、列挙されているカテゴリ(A、B、およびC)のうちの少なくともZを指し、各カテゴリにおける少なくともZ個の単位を必要としない。別段具体的に述べられていない限り、考察から明らかなように、本明細書を通して「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「決定」などという用語を利用する考察は、専用コンピュータまたは同様の専用電子処理/コンピューティングデバイスなど特定の装置のアクションまたは処理を指すことを理解されたい。「平行」、「垂直/直交」、「方形」、「円筒形」などのような幾何学的構造体を参照して述べられている特徴は、幾何学的構造体の特性を実質的に具体化する物品を包含すると解釈されるべきであり、たとえば、「平行」な表面に言及することは、実質的に平行な表面を包含する。これらの幾何学的構造体のプラトンの理想からの逸脱の許容範囲は、本明細書における範囲を参照して、またそのような範囲が述べられていない場合、使用の分野における業界標準を参照して、またそのような範囲が定義されていない場合、指定された特徴の製造の分野における業界標準を参照して決定されることになり、そのような範囲が定義されていない場合、幾何学的構造体を実質的に具体化する特徴は、その幾何学的構造体の定義する属性の15%以内でそれらの特徴を含むと解釈されるべきである。「第1の」、「第2の」、「第3の」、「所与の」などの用語は、特許請求の範囲で使用されている場合、区別するまたは別の形で識別するために使用され、順序的または数値的な限定を示すために使用されない。当分野における通常の用法における場合と同様に、人間に顕著な使用を参照して述べられているデータ構造およびフォーマットは、記載のデータ構造またはフォーマットを構成するために人間に理解できるフォーマットで提示される必要はなく、たとえば、テキストは、テキストを構成するためにUnicodeまたはASCIIでレンダリング、さらには符号化される必要はなく、画像、地図、およびデータ可視化は、それぞれ画像、地図、およびデータ可視化を構成するために表示または復号される必要はなく、話声、音楽、および他のオーディオは、それぞれ話声、音楽、または他のオーディオを構成するためにスピーカを通じて放出される、または復号される必要はない。
【0073】
当業者なら、本教示は様々な修正および/または向上が可能であることを理解するであろう。たとえば、上記の様々な構成要素の実装はハードウェアデバイスにおいて具体化され得るが、ソフトウェアのみの解決策-たとえば、既存のサーバ上のインストールとしても実装され得る。さらに、本明細書で開示されている会話管理技法は、ファームウェア、ファームウェア/ソフトウェアの組合せ、ファームウェア/ハードウェアの組合せ、またはハードウェア/ファームウェア/ソフトウェアの組合せとして実装され得る。
【0074】
前述は、本教示および/または他の例を構成すると考えられるものについて述べたが、様々な修正をそれらに加えることができること、ならびに本明細書で開示されている主題は、様々な形態および例で実装され得ること、ならびに本教示は、多数の応用例において適用され得、その一部が本明細書に記載されているにすぎないことを理解されたい。以下の特許請求の範囲により、本教示の真の範囲内に入る任意の、およびすべての応用例、修正、および変形を特許請求することが意図されている。
【0075】
本技法は、以下の列挙された実施形態を参照すればよりよく理解されるであろう。
1.リピータであって、
第1のビットラインに結合された第1の入力ノードおよび第2のビットラインに結合された第2の入力ノードと、
第1のビットラインに結合された第1の出力ノードおよび第2のビットラインに結合された第2の出力ノードと、
入力信号を受信したことに応答して第1のビットラインおよび第2のビットラインに結合するように構成された一対のスイッチと、
一対のスイッチに結合されたクロスカップルインバータセットと、を備え、一対のスイッチおよびクロスカップルインバータセットは、入力信号が一対のスイッチによって受信されたことに応答して第1のビットラインと第2のビットラインとの間でシャント接続を形成する。
2.実施形態1に記載のリピータであって、リピータの1つまたは複数のインスタンスがメモリアレイ内で使用される。
3.実施形態1~2のいずれか1つに記載のリピータであって、第1の入力ノードおよび第2の入力ノードは、メモリセルに結合される。
4.実施形態1~2のいずれか1つに記載のリピータであって、第1の出力ノードおよび第2の出力ノードは、メモリセルに結合される。
5.実施形態4に記載のリピータであって、メモリセルはnビットメモリセルである。
6.実施形態5に記載のリピータであって、nビットメモリセルは1ビットメモリセルである。
7.実施形態1~6のいずれか1つに記載のリピータであって、第1の入力ノードおよび第2の入力ノードは、それぞれ第1の中間ノードおよび第2の中間ノードに結合され、第1の中間ノードおよび第2の中間ノードは、それぞれ第1の初期ノードおよび第2の初期ノードに結合され、第1の初期ノードおよび第2の初期ノードは、それぞれ第1のビットラインドライバおよび第2のビットラインドライバに結合される。
8.実施形態7に記載のリピータであって、第1のビットラインドライバおよび第2のビットラインドライバは、入力信号を出力するように構成され、入力信号は、それぞれ第1のビットラインおよび第2のビットラインを介して第1の初期ノードおよび第2の初期ノードに供給される。
9.実施形態8に記載のリピータであって、入力信号は、一対のスイッチをそれぞれ第1のビットラインおよび第2のビットラインに結合させるために、一対のスイッチにさらに供給される。
10.実施形態7~9のいずれか1つに記載のリピータであって、第1の中間ノードおよび第2の中間ノードは、第1の初期ノードと第1の入力ノードとの間で第1のビットラインおよび第2のビットラインの一部分に沿って第1の場所に配置され、第1の場所は、バランスポイントである。
11.実施形態10に記載のリピータであって、バランスポイントは、リピータの機能のシミュレーションを介して決定される。
12.実施形態7~11のいずれか1つに記載のリピータであって、
入力信号は差動信号であり、
第1の初期ノードおよび第2の初期ノードにおいて、差動信号の立上りエッジは、第1の論理レベルから第2の論理レベルに進むために第1の時間量かかり、
第1の中間ノードおよび第2の中間ノードにおいて、差動信号の立上りエッジは、第1の論理レベルから第2の論理レベルに進むために第2の時間量かかり、第2の時間量は、第1の時間量より大きく、
第1の入力ノードおよび第2の入力ノードにおいて、差動信号の立上りエッジは、第1の論理レベルから第2の論理レベルに進むために第3の時間量かかり第3の時間量は、第2の時間量未満またはそれより大きい。
13.実施形態12に記載のリピータであって、
第1の初期ノードおよび第2の初期ノードにおいて、差動信号の各成分は、第1の論理レベルと第2の論理レベルとの間の中間点において交差し、
第1の中間ノードおよび第2の中間ノードにおいて、差動信号の各成分は、第1のゼロ交差点において交差し、第1のゼロ交差点は、第1の論理レベルまたは第2の論理レベルに向かってスキューされており、
第1の入力ノードおよび第2の入力ノードにおいて、差動信号の各成分は、第1の論理レベルと第2の論理レベルとの間の中間点において交差し、
第1の出力ノードおよび第2の出力ノードにおいて、差動信号の各成分は、それぞれ第1の入力ノードおよび第2の入力ノードにおけるそれぞれの成分に等しい。
14.実施形態1~13のいずれか1つに記載のリピータであって、
一対のスイッチの各スイッチは、PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタを備え、
リピータは、8個のトランジスタを含み、
リピータはデューティサイクル補正器(DCC)リピータである。
15.実施形態1~14のいずれか1つに記載のリピータであって、
一対のスイッチの各スイッチは、NMOSトランジスタを備え、
リピータは、6個のトランジスタを含み、
リピータはSRAMリピータである。
16.実施形態1~15のいずれか1つに記載のリピータであって、第1の出力ノードおよび第2の出力ノードは、メモリセルに結合され、メモリセルは、リピータの追加のインスタンスに結合される。
17.実施形態1~16のいずれか1つに記載のリピータであって、
データを読み出すための手段をさらに備える。
18.実施形態1~17のいずれか1つに記載のリピータであって、
データを書き込むための手段をさらに備える。
19.実施形態1~18のいずれか1つに記載のリピータであって、
入力信号を生成するための手段をさらに備える。
20.メモリアレイのための縦続接続スタックであって、
複数のメモリセルと、
それぞれが複数のメモリセルのそれぞれの1つに結合された複数のリピータと、を備え、各リピータは、実施形態1~19のいずれか1つに記載のリピータを含む。
21.メモリアレイであって、複数のリピータを備え、複数のリピータの各リピータは、実施形態1~19のいずれか1つに記載のリピータを含む。
22.メモリアレイであって、
データを格納するように構成された複数のメモリセルと、
複数のメモリセルのうちの少なくともいくつかにデータを書き込むために入力信号を供給するように構成された一対のビットライン(BL)ドライバと、
メモリセルのうちの少なくともいくつかによって格納されているデータを読み出すためにビットラインドライバに通信可能に結合されたセンス増幅器と、
複数のメモリセルに接続された複数のリピータと、を備え、複数のリピータの各リピータは、実施形態1~19のいずれか1つに記載のリピータを含む。
23.撮像デバイスであって、メモリセルに結合された複数のリピータを備え、複数のリピータの各リピータは、実施形態1~19のいずれか1つに記載のリピータを含む。
【国際調査報告】