(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】デュアル燃料燃焼のための噴射器、方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
F02M 43/04 20060101AFI20241021BHJP
F02M 61/10 20060101ALI20241021BHJP
F02M 61/04 20060101ALI20241021BHJP
F02M 21/02 20060101ALI20241021BHJP
F02D 19/08 20060101ALI20241021BHJP
F02D 19/06 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
F02M43/04
F02M61/10 A
F02M61/04 G
F02M21/02 S
F02D19/08 C
F02D19/06 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528496
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 US2022051922
(87)【国際公開番号】W WO2023091802
(87)【国際公開日】2023-05-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524179972
【氏名又は名称】クワントロジック コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】524179983
【氏名又は名称】ホウ,デヤン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ホウ,デヤン
【テーマコード(参考)】
3G066
3G092
【Fターム(参考)】
3G066AA07
3G066AB05
3G066BA46
3G066CA23Z
3G066CA26Z
3G066CC01
3G066CC13
3G066CC14
3G066CC18
3G066CC26
3G066CD06
3G066DB06
3G092AA02
3G092AB03
3G092AB06
3G092AB12
3G092BB01
3G092DE03S
3G092EA01
3G092EA02
3G092EA11
3G092FA13
3G092GA03
(57)【要約】
適応型デュアル燃料噴射のための燃料噴射器は、気体及び液体又は液体及び液体であり得る2つのタイプの燃料を単一ノズルを介し独立的に及び協力的に直接噴射する手段を有する。燃料噴射方法及びシステムもまた、これらを使用する燃焼方法と共に、開示される。開示される噴射器、方法及びシステムは、ディーゼル、ガソリン、天然ガス、プロパンなどの従来の気体燃料及び液体燃料だけでなく再生可能液体燃料及び気体燃料全般(バイオディーゼル、メタノール、エタノール、水素、バイオメタンなどのようなe燃料を含む)にも適用可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)燃料の通路を含むノズル本体(3)、2つの縦方向移動可能同軸ニードル弁(1、2)を収容するための内側円筒穴(307)、前記ノズル本体内の燃料噴噴射口(301、309)の少なくとも1つのグループ、燃料を阻止するために前記ニードル弁(1、2)を偏位着座位置内へ駆り立てる少なくとも1つのバネ(5’、5)、制御弁を保持するための弁ブロック(8)であって、2つの加圧燃料貯蔵槽(12、13)へ接続され得る燃料入口を有する弁ブロック(8)、加圧燃料及び減圧燃料へ接続することを介しニードル弁を押圧及び解放し得る圧力制御室(382、125)を含む燃料噴射器であって、
前記2つのニードル弁(1、2)の前記2つの圧力制御室(382、125)は、前記加圧燃料貯蔵槽(12、13)の中でもより高い潤滑性を有する燃料を含む同じ燃料貯蔵槽へ接続され、より高い潤滑性を有する液体燃料は、活性化を制御するために及び低潤滑性燃料の前記ニードル弁を潤滑化するために使用される、燃料噴射器。
【請求項2】
以下のものを含む請求項1に記載の燃料噴射器:
(i)燃料を環状燃料出口(121)及び燃料噴噴射口(301)を介し少なくとも1つの加圧燃料貯蔵槽から噴射するためにノズル本体大端部(306)に対し離れる方向に移動する開口位置と、燃料流を阻止するための着座位置とを有する外方開口ニードル弁(1)、
(ii)前記ノズル本体(3)内に完全に含まれる内方開口ニードル弁(2)であって、前記内方開口ニードル弁(2)は、燃料を噴射するために少なくとも1つの加圧燃料貯蔵槽(13)と燃料噴噴射口(309、301)とを接続するために前記ノズル本体大端部(306)に近づくことによる開口位置であって、前記内方開口ニードル弁(2)の持ち上げは、前記外方開口ニードル弁(1)の位置に無関係である、開口位置と、燃料入口から燃料噴噴射口(309)への燃料流を阻止するためにノズル本体の密封面に接触する着座位置とを有し、着座位置における密封面(201)は噴射出口(309)の上流側に在る、内方開口ニードル弁(2)、
(iii)「前記外方開口ニードル弁(1)は、前記内方開口ニードル弁(2)内に部分的に含まれており、及び前記内方開口ニードル弁(2)上の偏位着座位置を有する」ということを特徴とし、前記外方開口ニードル弁(1)の持ち上げは前記内方開口ニードル弁(2)の位置に無関係であり、燃料噴射器は、圧力制御室(382、125)内の圧力差を生成することを介し前記内方開口及び外方開口ニードル弁(1、2)上の持ち上げ力及び閉鎖力を生成するために高圧燃料貯蔵槽(13、12)から低圧燃料シンク(15)への少なくとも一方のタイプの燃料を阻止する又は少なくとも一方のタイプの燃料を高圧燃料貯蔵槽(13、12)から低圧燃料シンク(15)へ接続するための少なくとも2つの制御弁(9、10)を含む。
(iv)異なる燃料チャネルサイズは、液体状態又は気体状態における異なる燃料濃度の所望燃料質量を配送する必要性を満足するように、前記外方開口ニードル弁(1)及び前記内方開口ニードル弁(2)を囲むように選択される。前記燃料噴射器は、異なる熱的物理的状態における異なる燃料を独立的に及び集合的に噴射する手段を有する。
【請求項3】
気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される請求項1に記載の燃料噴射器であって、気体は主燃料であり、気体流を阻止するための大きなニードル弁(2)の前記制御室(382)は加圧液体燃料貯蔵槽(12)へ接続され、前記液体燃料は、前記ニードル弁(2)と前記ノズル本体(3)との間の整合した滑り面(234)に沿って気体ニードル弁(2)を潤滑化する一方で前記気体ニードル弁(2)を下に押す、燃料噴射器。
【請求項4】
気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される請求項1に記載の燃料噴射器であって、気体は主燃料であり、気体流を阻止するための大きなニードル弁(2)の前記制御室(382)は加圧液体燃料源(12)へ接続され、前記ノズルはオリフィスの2つの行を有し、一方の行のオリフィス(309)はノズル先端の隣の別の下側列のオリフィス(301)より実質的に大きく、前記大きなニードル(2)が着座されると前記より大きなオリフィス(309)は前記大きなニードル弁(2)により実質的に覆われる、燃料噴射器。
【請求項5】
気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される請求項1に記載の燃料噴射器であって、気体は副燃料であり、液体を阻止するための大きなニードル弁(2)の前記制御室(382)は加圧液体燃料貯蔵槽(13’)へ接続される、燃料噴射器。
【請求項6】
燃料の通路(603、562、602)を含むノズル本体(6)、軸方向に上下に移動し得るコンポジットニードル弁(I)を収容するための内側円筒穴、前記ノズル本体内の燃料噴噴射口(601)の少なくとも1つのグループ、燃料を阻止するために前記コンポジットニードル弁(I)を偏位着座位置内へ駆り立てる少なくとも1つのバネ(15)、制御弁(9、13)を保持し及び加圧燃料貯蔵槽(10、12)の少なくとも1つへ接続された燃料入口を有する弁ブロック(8)、前記加圧燃料貯蔵槽(10、12)の中でより高い潤滑性燃料を含む同じ加圧燃料貯蔵槽へ接続される圧力制御室(581)を含む燃料噴射器であって、前記制御室(581)は前記コンポジットニードル弁(I)を押圧し解放するために使用され得、前記コンポジットニードル弁は一方向逆止め弁(4)を含む、燃料噴射器。
【請求項7】
気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される請求項6に記載の燃料噴射器であって、気体は主燃料であり、気体流を阻止するために使用される大きなニードル弁(5)の前記制御室(581)は常に加圧液体燃料源(10)へ接続され、前記制御室(581)内の前記液体燃料は前記気体ニードル弁(5)を潤滑化する一方で気体ニードル弁を下に押す、燃料噴射器。
【請求項8】
気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される請求項6に記載の燃料噴射器であって、気体は副燃料であり、液体阻止大ニードル弁(5)の前記制御室(581)は常に加圧液体燃料貯蔵槽へ接続される、燃料噴射器。
【請求項9】
独立に制御される燃料貯蔵槽(10)へ接続された内側燃料チャネル(501、502、351)、T形状部品(3)により支持される一方向逆止め弁(4)及び前記逆止め弁(4)をその座部(503)に対し駆り立てるバネ(2)であって、燃料出口(101)を有するニードル先端(1)により覆われ、燃料噴噴射口(101、601)を介し少なくとも1つの加圧燃料貯蔵槽から燃料を噴射するためにノズル大端部に向かって上昇する開口位置と燃料流を阻止するための着座位置とを有するバネで構成されたコンポジットニードル弁を含む請求項6に記載の燃料噴射器。
【請求項10】
前記外方開口ニードル弁(1)を持ち上げることにより燃料噴噴射口(301)を介し一方のタイプの液体燃料を噴射し、及び前記内方開口ニードル弁(2)を持ち上げることにより複数のジェット燃料出口(309)及び(301)を介し別のタイプの液体燃料を独立に噴射する手段を有する、請求項1又は6に記載の燃料噴射器であって、2つのタイプの燃料の前記噴射は独立に又は同時に行われ得る、燃料噴射器。
【請求項11】
前記外方開口ニードル弁(1)を持ち上げることにより燃料噴噴射口(301)を主に介し一方のタイプの液体燃料を噴射し、及び前記内方開口ニードル弁(2)を持ち上げることにより複数のジェット燃料出口(309)及び(301)を介し別のタイプの気体燃料を独立に噴射する手段を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の燃料噴射器であって、気体燃料(309)の前記主燃料出口は液体燃料(301)の燃料出口より実質的に大きく、2つのタイプの燃料の前記噴射は独立に又は同時に行われ得る、燃料噴射器。
【請求項12】
液体燃料及び気体燃料の両方を要求に応じ直接噴射する燃料噴射方法であって、2つのタイプの燃料の前記噴射は、同じノズル先端を介し独立に又は同時に行われ得、液体燃料は、気体燃料噴射活性化を制御し、冷却及び密閉を強化し、気体噴射ニードル弁を潤滑化するために使用される、方法。
【請求項13】
前記液体燃料はディーゼルであり前記気体燃料は天然ガスである、請求項12に記載の燃料噴射方法。
【請求項14】
一方のタイプの燃料はディーゼルであり別のタイプの燃料は水素である、請求項12に記載の燃料噴射方法。
【請求項15】
一方のタイプの燃料はジメチルエーテルであり別のタイプの燃料は水素である、請求項12に記載の燃料噴射方法。
【請求項16】
内燃エンジンアプリケーションのための請求項12に記載の燃料噴射方法であって、部分的気体燃料が、高負荷中に及び中負荷中にエンジンポートを介し噴射され、すべての気体燃料は軽負荷中に燃焼室内へ直接噴射される、燃料噴射方法。
【請求項17】
燃焼方法であって、一方の燃料ストリームはより高い化学反応性を有する液体燃料のようなディーゼルであり、一方のストリームは、天然ガス、水素、アンモニア蒸気などのより低い化学反応性を有する気体燃料であり、前記方法は、前記2つのストリームをノズル外で及び燃焼室内で要求に応じ混合することを介し異なる動作条件下で燃焼を最適化する手段を有し、2つのタイプの燃料の前記噴射は連続的であり、気体燃料の一時的拡散を緩和するために重ねられ、液体燃料のより高い反応性混合物は、完全気体燃料燃焼を保証するために気体燃料混合物の漏れを防ぐ、燃焼方法。
【請求項18】
より低い反応性を有する燃料ストリームの部分的燃料は低反応性を有する部分的燃料がその燃焼プロセスを促進するために燃焼室の内側に再形成されるように燃焼ゾーン内へ意図的に注がれる、請求項17に記載の燃焼方法。
【請求項19】
2つのタイプの燃料の前記噴射は、気体燃料の完全燃焼を保証するために気体燃料の一時的拡散を緩和するためにラジカルで包まれた混合物クラウドを形成するために共噴射され混合される、請求項17に記載の燃焼方法。
【請求項20】
前記液体燃料はディーゼル又はバイオディーゼルであり、前記気体燃料は水素であり、ディーゼルの燃料噴射量は、エネルギー比率による合計噴射燃料の3%未満である、請求項17に記載の燃焼方法。
【請求項21】
既存エンジン又は新エンジンを改造するための改造キットとして使用され得るデュアル燃料噴射のための燃料噴射システムであって、二次燃料システムはパルス加圧燃料を第1の噴射システムの燃料噴射器へ配送し、第1の燃料システムは、結合されたデュアル燃料噴射の要望に応じた二次燃料を導入するために受動的活性化内側噴射弁を含むニードル弁を担う燃料噴射器を有する、燃料噴射システム。
【請求項22】
以下のものを含む請求項1に記載の燃料噴射器:
(i)燃料の通路を含むノズル本体(3)、2つの縦方向移動可能同軸内方開口ニードル弁(1、2)(外側内方開口ニードル弁内に保持される内側内方開口ニードル弁)を収容するための内側円筒穴(307)、前記ノズル本体内の燃料噴噴射口(301、309)の少なくとも1つのグループ、燃料を阻止するために前記ニードル弁(1、2)を偏位着座位置内へ駆り立てる少なくとも1つのバネ(5’、5)、制御弁を保持するための弁ブロック(8)であって、2つの加圧燃料貯蔵槽(13、15’)へ接続され得る燃料入口を有する弁ブロック(8)、加圧燃料及び減圧燃料を適用することを介しニードル弁を押圧及び解放し得る圧力制御室(382、125)、
(ii)1つの内側燃料噴噴射口(208)と外側燃料噴噴射口(301)の別のグループとを介し燃料を少なくとも1つの加圧貯蔵槽(15’)から噴射するためにノズル本体大端部(306)に近づくことによる開口位置と燃料流を阻止するための偏位着座位置とを有する内側内方開口ニードル弁(1)、
(iii)前記ノズル本体(3)内に完全に含まれる前記外側内方開口ニードル弁(2)は、燃料を噴射するために少なくとも1つの加圧燃料貯蔵槽(13)と燃料噴噴射口(208、301)とを接続するためにノズル本体大端部に近づくことによる開口位置を有し、及び燃料流を阻止するためにノズル本体の前記密封面に接しているその密封面(201)を有する偏位着座位置を有し着座位置における前記密封面(201)は噴射出口(309)の上流側に在り、前記外側開口ニードル弁(2)の持ち上げは、前記内側内方開口ニードル弁(1)の位置に無関係であり;
(iv)前記外側内方開口ニードル弁(2)は、前記内側内方開口ニードル弁(1)の内側座部(202)を有し、前記内側ニードル弁(1)は前記外側ニードル弁(2)内に完全に含まれ、前記内側内方開口ニードル弁(1)の持ち上げは前記外側内方開口ニードル弁(2)の位置に無関係である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、スパーク点火エンジン若しくは圧縮点火エンジンに適用可能な又は概して燃焼室又はタービンなどの燃焼デバイスに適用可能な燃料噴射器及び燃料噴射システム並びにこれらを使用する燃料噴射方法及び燃焼方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
世界中の二酸化炭素の放出低減の必要性は、化石燃料消費の著しい低減を必要としている。しかし、太陽エネルギー及び風エネルギーなどの再生可能エネルギーは断続的であり、従って廉価なエネルギー貯蔵及び電力変換が必要とされる。内燃エンジン及びタービンを走らす再生可能燃料は、エネルギー貯蔵及び電力変換を容易にする一方で炭素放出低減のための実現可能方法を提供する。
【0003】
再生可能エネルギーの断続的性質及び再生可能燃料供給のためのインフラストラクチャ制限に対処するために、従来燃料と再生可能燃料との要望に応じた2つのタイプの燃料を直接噴射し得る燃料噴射器であって、噴射圧相、分子構造相及び熱力学的相のうちの少なくとも1つのパラメータにより差別化される燃料噴射器を有することが望ましい。更に、様々なエンジン負荷及び速度条件における様々な噴射タイミングに適合化された様々な噴霧角度において2つのタイプの燃料を噴射することが望ましい。
【0004】
しかし、多くの発明がデュアル燃料噴射器と可変オリフィスを有する噴射器とに関して開示されてきたとしても、製造複雑性、耐久性及び燃料漏れに関する課題が、多くの発明が大量生産実現可能となるのを妨げてきた。これらの課題は、コンパクトなノズルを有する共通レール噴射器に特に当てはまり、ここでは、複雑な燃料通路の配置が挑戦的タスクになる。これらの課題は気体燃料噴射に特に当てはまる。更に、以前開示された技術のほとんどは、異なる燃料を噴射する動作間で互いに干渉すること無く異なる燃料を選択的及び集合的に直接噴射する噴射能力を提示し得ない。以前の技術は、特にデュアル燃料噴射のために通常使用されるデュアルニードル動作を同期するための著しい制御複雑性を要求する。
【0005】
更に、気体燃料及び液体燃料の噴射は、液体及び気体の濃度差に起因してオリフィス領域を意図的にサイジングするための特別な課題だけでなく、気体ニードル弁を密閉化、潤滑化、冷却化するための特別な課題ももたらす。直接噴射気体ニードル弁の従来設計は信頼性及び耐久性の重大な課題をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の概要
本発明の我々のゴールは、気体及び液体直接噴射に直面するキー課題(気体密閉、ニードル弁冷却、信頼性及び耐久性、オンデマンドデュアル燃料噴射及び混合など)に対処することである。具体的には、本発明は、燃焼を最適化するためのエンジン運転条件に基づく要求に応じ、2つの供給された燃料のうちのいずれかの燃料又は2つの供給された燃料の組み合わせを噴射するための自由度を与えるために選択的に及び集合的にの両方で動作し得る共軸ニードル弁設計を提示する。液体燃料は気体噴射弁の活性化、密閉化及び冷却化のために使用される。本作業はPCT/US20/62960号に開示された我々の以前の作業の延長と考えられ得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
適応型デュアル燃料噴射のための燃料噴射器は、気体及び液体又は液体及び液体であり得る2つのタイプの燃料を単一ノズルを介し独立的に及び協力的に直接噴射する手段を有する。燃料噴射方法及びシステムもまた、これらを使用する燃焼方法と共に、開示される。開示される噴射器、方法及びシステムは、ディーゼル、ガソリン、天然ガス、プロパンなどの従来の気体燃料及び液体燃料だけでなく再生可能液体燃料及び気体燃料全般(バイオディーゼル、メタノール、エタノール、水素、バイオメタンなどのようなe燃料を含む)にも適用可能である。排出を低減しそして安全課題を緩和するために水素及び天然ガスなどの気体燃料一過性を緩和又は無くすための新規燃焼方法も開示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面の簡単な説明
【
図1】本発明の噴射器の第1の例示的実施形態の部分断面図であり、ここでは、キー部品だけがマーキングされており、本実施形態は、主燃料として気体燃料を、そして副燃料として液体燃料を意図しており、気体燃料は大ニードル弁(2)を介し噴射される。
【
図2】マーキングされたキー部品、キー燃料通路、キー面及びキー圧力制御室の詳細表記を除き
図1と同じである。
【
図3】本発明の噴射器の第2の例示的実施形態の別の部分断面図であり、ここでは、キー部品だけがマーキングされ、本実施形態は、主燃料として液体燃料を、そして副燃料として気体燃料を意図しており、気体燃料は小ニードル弁(1)を介し噴射される。
【
図4】マーキングされたキー部品、キー燃料通路、キー面及びキー圧力制御室の詳細表記を除き
図3と同じである。
【
図5】本発明の噴射器の例示的実施形態の別の部分断面図であり、ここではキー部品だけがマーキングされ、気体燃料は主燃料である。
【
図6】マーキングされたキー部品、キー燃料通路、キー面及びキー圧力制御室の詳細表記を除き
図5と同じである。
【
図12a】気体燃料及び液体燃料直接噴射戦略を示し、ここで:I-液体オン、II-気体オフ。
【
図12b】気体燃料及び液体燃料直接噴射戦略を示し、ここで:I-液体オン、II-気体オン。
【
図12c】気体燃料及び液体燃料直接噴射戦略を示し、ここで:I-液体オフ、II-気体オン。
【
図13a】気体燃料及び液体燃料直接噴射戦略を示し、ここで:I-液体Aオン、II-液体Bオフ。
【
図13b】気体燃料及び液体燃料直接噴射戦略を示し、ここで:I-液体Aオン、II-液体Bオン。
【
図13c】気体燃料及び液体燃料直接噴射戦略を示し、ここで:I-液体Aオフ、II-液体Bオン。
【
図14】気体/液体燃料ハイブリッド噴射戦略を示し、
図14は、気体-液体噴射戦略であり、部分的気体が中~高エンジン負荷の吸気ポート(I)を介し噴射され、部分的気体は燃焼室内(II)へ直接噴射される。
【
図15】液体/液体燃料ハイブリッド噴射戦略を示し、
図15は、液体/液体噴射戦略であり、部分的液体が中~高エンジン負荷の吸気ポート(I)を介し噴射され、部分的液体は燃焼室(II)内へ直接噴射される。
【
図16a】燃料噴射器のノズル先端構造及び燃料噴射状態を示し、液体弁及び気体弁を個々にそして同時に活性化することによる燃料噴射の状態を示す。
【
図16b】燃料噴射器のノズル先端構造及び燃料噴射状態を示し、液体弁及び気体弁を個々にそして同時に活性化することによる燃料噴射の状態を示す。
【
図16c】燃料噴射器のノズル先端構造及び燃料噴射状態を示し、液体弁及び気体弁を個々にそして同時に活性化することによる燃料噴射の状態を示す。
【
図16d】燃料噴射器のノズル先端構造及び燃料噴射状態を示し、液体弁及び気体弁を個々にそして同時に活性化することによる燃料噴射の状態を示す。
【
図17a】燃料噴射器のノズル先端構造及び燃料噴射状態を示し、液体弁及び気体弁を個々にそして同時に活性化することによる燃料噴射の状態を示す。
【
図17b】燃料噴射器のノズル先端構造及び燃料噴射状態を示し、液体弁及び気体弁を個々にそして同時に活性化することによる燃料噴射の状態を示す。
【
図17c】燃料噴射器のノズル先端構造及び燃料噴射状態を示し、液体弁及び気体弁を個々にそして同時に活性化することによる燃料噴射の状態を示す。
【
図17d】燃料噴射器のノズル先端構造及び燃料噴射状態を示し、液体弁及び気体弁を個々にそして同時に活性化することによる燃料噴射の状態を示す。
【
図19】新燃焼方法を示し、ここで、1-高反応性を有する液体燃料;2-低反応性を有する気体燃料;3-高反応性を有する液体燃料;気体燃料混合物は液体燃料混合物により挟まれる;4-燃焼室。
【
図20】新燃焼方法を示し、1-高反応性を有する液体燃料;2-低反応性を有する気体燃料;気体燃料混合物は液体ラジカルにより包まれる、3-燃焼室。 特に規定されない限り、すべての
図1~4において:
図1~4では:1-内側外方開口ニードル弁;101-内側ニードル弁ヘッド、121-ニードル弁1を持ち上げることにより形成された内側燃料噴噴射口、102-1のヘッド表面、103-内側ニードル弁の密封面、104-1のニードルガイド、122-燃料通路、124-滑り面、125-圧力制御室、161-1と6間でしっかりとフィットされた表面、
図5~6では:1-内側内方開口ニードル弁;101-内側ニードル弁、121-ニードル弁2上の着座位置内へニードル1を押すことにより形成される密封面、121’(示されない)-内側ニードル弁の密封面、125-圧力又は換気室;2-外側内方開口ニードル弁;201-2の密封面、202-ニードル弁1の2上の密封面、203-2のニードルガイド(示されない)、204-2の差し込み面、205-圧力室の燃料入口、206-2の頂面、207-燃料換気出口、208-内側燃料噴噴射口、231-ニードル弁2が着座位置にあるときのニードル2とノズル本体3との間の接触密封面、231’-持ち上げられたときの2のニードル座部下の燃料通路、232-燃料通路、233-圧力室、234-2と3との間の部分的滑り整合面、122-燃料通路、123-1と2との間の部分的滑り整合面;3-ノズル本体;301-燃料噴噴射口;302-ノズル本体上の内側円錐状表面;303-燃料を圧力室233ヘ導くための高圧燃料通路、304-滑り面、305-燃料を燃料貯蔵槽15’から圧力制御室125へ導く燃料通路、306-ノズル大端部、307-3の内側口径、308-燃料チャネル、381、382-圧力室;4-噴射器本体蓋;341-3と4との間の接触面;5’、5-ニードル弁1及び2を着座位置内へ駆り立てるバネ;6-ニードル弁1を保持するためのクリップリング;7-ニードル弁2の圧力制御室の密封蓋;8-弁及び燃料通路を保持する弁ブロック、801-弁9への燃料通路、802-換気弁10への圧力通路、803-高圧通路;804-弁ブロック8の底部、805、806-燃料通路;9-流量制御弁;10-換気調節弁(その下のスロットル弁を802へ接続する単一弁又は調節弁であり得る);12-液体又は気体高圧燃料貯蔵槽;13-気体又は液体高圧燃料貯蔵槽;13’-液体高圧燃料貯蔵槽;12、13は一方のタイプの燃料を保持する共通レールとしての、又は異なる燃料の2つの共通レールを保持する共通レールとしての、又は異なる圧力レベルを有する一方の燃料を保持する共通レールとしての貯蔵槽であり得る;15-低圧燃料シンク;15’-高圧燃料貯蔵槽;a1-燃料噴噴射口301の複数のジェット噴射角度の1/2;a2-燃料噴噴射口309の複数のジェット噴射角度の1/2。
【
図7】本発明の噴射器の別の例示的実施形態の部分断面図であり、キー部品だけがマーキングされ、気体燃料は主燃料である。
【
図8】マーキングされたキー部品、キー燃料通路、キー面及びキー圧力制御部屋の詳細表記を除き
図7と同じである。
【
図9】本発明の噴射器の別の例示的実施形態の部分断面図であり、キー部品だけがマーキングされ、液体燃料は主燃料である。
【
図10】マーキングされたキー部品、キー燃料通路、キー面及びキー圧力制御部屋の詳細表記を除き
図9と同じである。
【
図11b】ノズル先端構造及び開放状態を示す。 特に規定されない限り、すべての
図7~11では:I-コンポジットニードル弁;1-コンポジットニードル弁Iの先端;101-Iの出口、102、103-Iの先端表面断面;2-I内のバネ;3-T部品;4-一方向逆止め弁;5-ニードル弁の頂部断面I;501、502、351-ニードル弁内の燃料通路;503-一方向逆止め弁の弁座;6-ノズル本体;601-燃料出口;602、603、562-燃料通路;604-ノズル先端に近い内側ノズル表面;7-締付けナット;8-弁及び燃料通路を保持する弁ブロック、801-制御弁9への高圧燃料通路、802-換気弁13への燃料通路、803-制御弁11への高圧通路;804-圧力制御室581への高圧燃料通路;9-流量制御弁;10-液体又は気体高圧燃料貯蔵槽;11-燃料がノズル内から12へ流れ込むことを阻止するための一方向逆止め弁;12-液体又は気体高圧燃料貯蔵槽;13-圧力解放制御弁;10、12は、一方のタイプの燃料を保持する共通レールとしての、又は異なる燃料の2つの共通レールを保持する共通レールとしての、又は異なる圧力レベルを有する一方の燃料を保持する共通レールとしての貯蔵槽であり得る;14-低圧燃料貯蔵槽又は燃料シンク;a1-燃料噴噴射口601の複数のジェット噴射角度の1/2
【発明を実施するための形態】
【0009】
好ましい実施形態の詳細な説明
第1の実施形態が
図1~
図2に示される。
図1~2は、いかなる燃料も噴射されていない外方開口弁1及び内方開口弁2の両方が着座位置に在る時の状態Iを示す。状態Iに在る間、弁10は閉じられそして弁9は閉じられる。
【0010】
第2の実施形態が
図3~
図4に示される。
図3~4は、いかなる燃料も噴射されていない内側内方開口弁1及び外側外方開口弁2の両方が着座位置に在る時の状態Iを示す。状態Iに在る間、弁10は閉じられそして弁9は閉じられる。
【0011】
他の実施形態を
図5~
図10に示す。
図5、
図6は、
図6内の詳細番号付け以外は同じである。
図5及び6、
図7及び8は主燃料として気体燃料のためのものである。
図9及び
図10は、
図10内の詳細番号付け以外は同じである。
図9及び10は、主要燃料として液体燃料のためのものである。
【0012】
図11a、11bは、異なる開口位置におけるニードル弁の状態を示す。
【0013】
図12は、液体弁及び気体弁を個々にそして同時に活性化することによる燃料噴射(気体/液体デュアル燃料噴射)の状態を示す。
【0014】
図13は、液体弁及び液体弁を個々にそして同時に活性化することによる燃料噴射(液体/液体デュアル燃料噴射)の状態を示す。
【0015】
図14は気体燃料及び液体燃料噴射戦略を示し、ここでは、気体燃料は、エンジン負荷に従って吸気ポート及び直接噴射の何れかから又は両方から燃焼室内へ選択的に噴射され得る。軽エンジン負荷に関して、気体燃料は排出及び気体燃料一過性を低減するために燃焼室内へ直接噴射される。中負荷から高負荷に関して、気体燃料は十分な気体燃料流量の必要性に対処するために吸気ポート及び直接噴射器の両方を介し噴射される。
【0016】
図15は、液体/液体燃料噴射戦略を示し、ここでは、低反応性を有する一方の液体燃料は、エンジン負荷に従って吸気ポート噴射及び直接噴射により燃焼室内へ選択的に噴射され得る。軽エンジン負荷に関して、すべての液体燃料は排出を低減しそして効率を改善するために燃焼室内へ直接噴射される。中負荷から高負荷に関して、より低い反応性を有する一方の液体燃料は吸気ポート噴射器及び直接噴射器の両方を介し噴射される一方で、より高い反応性を有する一方の液体燃料は選択されたタイミングで燃焼室内へ直接噴射され、すべての直接噴射燃料はあらゆる燃焼室の単一デュアル燃料噴射器を介し噴射される。
【0017】
図16a、16b、16c、16dは、気体/液体噴射に関する燃料噴射器の噴射弁の先端構造及び噴射動作状態を示す。
図16a、16b、16c、16dは、異なる噴霧角度及び異なる流れ領域を有する2行の穴を有する。
図16a、16b、16c、16dではより大きなニードルが着座位置に在ると上側行のより大きな穴が実質的に覆われるということに留意されたい。
【0018】
図17a、17b、17c、17dは、液体/液体噴射のための燃料噴射器の噴射弁の先端構造及び噴射動作状態を示す。
図17a、17b、17c、17dは、異なる噴霧角度を有するが同様な流れ領域を有する2行の穴を有する。
図17a、17b、17c、17dではより大きなニードルが着座位置に在ると上側行の噴射穴は実質的に覆われるということに留意されたい。
【0019】
図18はデュアル燃料噴射システムを示す。両ループ内の燃料に関して、燃料は液体燃料又は気体燃料のいずれかであり得る。
F1-高潤滑性燃料の高圧共通レール;F2-高圧燃料ポンプ;F3-フィルタ;F4-高潤滑性燃料の低圧燃料ポンプ;F5-燃料冷却器;F6-高潤滑性燃料の燃料タンク;F7-低潤滑性燃料の共通レール;F8-低潤滑性燃料の燃料タンク;F9-低潤滑性燃料の燃料ポンプ;F10-燃料噴射器;F11-燃焼室;F100-高潤滑性燃料の低圧配送ループ部;F200-高潤滑性燃料の高圧配送ループ部;F300-使用済み戻り高潤滑性燃料の低圧配送ループ部;F400-低潤滑性燃料の圧力配送ループ部;F500-使用済み戻り低潤滑性燃料の低圧配送ループ部;
【0020】
図19は気体燃料混合物が近隣液体燃料混合物の間に挟まれる新燃焼方法を示す。
【0021】
図20は気体燃料混合物が液体燃料混合物により包まれる新燃焼方法を示す。
【0022】
図19及び20の燃焼方法は、気体燃料の一時的拡散を無くすためにより高い反応性液体燃料ラジカルを使用するように意図されている。
【0023】
我々は本明細書では多くの実施形態を示した。当業者にとって、同じ動作機構に基づく代替案を与えるのは容易である。ここで示された実施形態は本発明の範囲を制限しない例として考えられるべきである。同じキー特性を有する他の実施形態が本発明の範囲下で考えられる。例えば、第1の燃料及び第2の燃料は同じ燃料であり、したがって噴射器は単一燃料噴射器となる。別の例に関して、一方の燃料ストリームは、燃焼プロセスを強化するために水又は二酸化炭素などの液体により置換される可能性がある。以下の特徴は、本発明のキー特性と考えられる。
【0024】
1.陳述A:(i)燃料の通路を含むノズル本体(3)、2つの縦方向移動可能同軸ニードル弁(1、2)を収容するための内側円筒穴(307)、前記ノズル本体内の燃料噴噴射口(301、309)の少なくとも1つのグループ、燃料を阻止するために前記ニードル弁(1、2)を偏位着座位置内へ駆り立てる少なくとも1つのバネ(5’、5)、制御弁を保持するための弁ブロック(8)であって、2つの加圧燃料貯蔵槽(12、13)へ接続され得る燃料入口を有する弁ブロック(8)、加圧燃料及び減圧燃料へ接続することを介しニードル弁を押圧及び解放し得る圧力制御室(382、125)を含むデュアル燃料噴射の燃料噴射器(
図2を参照)であって:2つのニードル弁(1、2)の2つの圧力制御室(382、125)は、加圧燃料貯蔵槽(12、13)の中でもより高い潤滑性を有する燃料を含む同じ燃料貯蔵槽へ接続され、より高い潤滑性を有する液体燃料は、活性化を制御するために及び低潤滑性燃料のニードル弁を潤滑化するために使用される、燃料噴射器。
【0025】
2.以下のものを含む陳述Aの燃料噴射器(
図1、2を参照):(i)外方開口ニードル弁(1)は、燃料を環状燃料出口(121)及び燃料噴噴射口(301)を介し少なくとも1つの加圧燃料貯蔵槽から噴射するためにノズル本体大端部(306)に対し離れる方向に移動する開口位置と、燃料流を阻止するための着座位置とを有し、
(ii)前記ノズル本体(3)内に完全に含まれる内方開口ニードル弁(2)は、燃料を噴射するために少なくとも1つの加圧燃料貯蔵槽(13)と燃料噴噴射口(309、301)とを接続するために前記ノズル本体大端部(306)に近づくことによる開口位置であって、内方開口ニードル弁(2)の持ち上げは、外方開口ニードル弁(1)の位置とは無関係である、開口位置と、燃料入口から燃料噴噴射口(309)への燃料流を阻止するためにノズル本体の密封面に接触する着座位置とを有し、着座位置における密封面(201)は噴射出口(309)の上流側に在る、
(iii)「前記外方開口ニードル弁(1)は、前記内方開口ニードル弁(2)内に部分的に含まれており、そして前記内方開口ニードル弁(2)上の偏位着座位置を有する」ということを特徴とし、外方開口ニードル弁(1)の持ち上げは前記内方開口ニードル弁(2)の位置に無関係であり、燃料噴射器は、圧力制御室(382、125)内の圧力差を生成することを介し前記内方開口及び外方開口ニードル弁(1、2)上の持ち上げ力及び閉鎖力を生成するために高圧燃料貯蔵槽(13、12)から低圧燃料シンク(15)への少なくとも一方のタイプの燃料を阻止する又は少なくとも一方のタイプの燃料を高圧燃料貯蔵槽(13、12)から低圧燃料シンク(15)へ接続するための少なくとも2つの制御弁(9、10)を含む、
(iv)異なる燃料チャネルサイズは、液体状態又は気体状態における異なる燃料濃度の所望燃料質量を配送する必要性を満足するように外方開口ニードル弁(1)及び内方開口ニードル弁(2)を囲むように選択される。前記燃料噴射器は、異なる熱的物理的状態における異なる燃料を独立的にそして集合的に噴射する手段を有する。
【0026】
3.気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される陳述Aの燃料噴射器(
図1、2を参照)であって、気体は主燃料であり、気体流を阻止するための大きなニードル弁(2)の制御室(382)は加圧液体燃料貯蔵槽(12)へ接続され、液体燃料は、ニードル弁(2)とノズル本体(3)との間の整合した滑り面(234)に沿って気体ニードル弁(2)を潤滑化する一方で気体ニードル弁(2)を下に押す。
【0027】
以下のものを含む陳述Aの燃料噴射器(
図5、6を参照):
(i)燃料の通路を含むノズル本体(3)、2つの縦方向移動可能同軸内方開口ニードル弁(1、2)(外側外方開口ニードル弁内に保持される内側内方開口ニードル弁)を収容するための内側円筒穴(307)、ノズル本体内の燃料噴噴射口(208、309)の少なくとも1つのグループ、燃料を阻止するためにニードル弁(1、2)を偏位着座位置内へ駆り立てる少なくとも1つのバネ(5、5’)、制御弁を保持するための弁ブロック(8)であって、2つの加圧燃料貯蔵槽(13、15’)へ接続され得る燃料入口を有する弁ブロック(8)、加圧燃料及び減圧燃料を適用することを介しニードル弁を押圧及び解放し得る圧力制御室(382、125)、
(ii)内側内方開口ニードル弁(1)は1つの内側燃料噴噴射口(208)と外側燃料噴噴射口(301)の別のグループとを介し燃料を少なくとも1つの加圧貯蔵槽(15’)から噴射するためにノズル本体大端部(306)に近づくことによる開口位置と燃料流を阻止するための偏位着座位置とを有し、
(iii)ノズル本体(3)内に完全に含まれる外側内方開口ニードル弁(2)は、燃料を噴射するために少なくとも1つの加圧燃料貯蔵槽(13)と燃料噴噴射口(309、301)とを接続するためにノズル本体大端部に近づくことによる開口位置を有し、そして燃料流を阻止するためにノズル本体の密封面に接しているその密封面(201)を有する偏位着座位置を有し、着座位置における密封面(201)は噴射出口(309)の上流側に在り、外側開口ニードル弁(2)の持ち上げは、内側内方開口ニードル弁(1)の位置に無関係である;
(iv)外側内方開口ニードル弁(2)は、内側内方開口ニードル弁(1)の内側座部(202)を有し、内側ニードル弁(1)は外側ニードル弁(2)内に完全に含まれ、内側内方開口ニードル弁(1)の持ち上げは外側内方開口ニードル弁(2)の位置に無関係である;
(v)異なるチャネルサイズが、液体状態又は気体状態における異なる燃料濃度の所望燃料質量を配送する必要性を満足すように外方開口ニードル弁(1)及び内方開口ニードル弁(2)を囲むために選択される。
【0028】
4.気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される陳述Aの燃料噴射器(
図1、2、16a、16bを参照)であって、気体は主燃料であり、気体流を阻止するための大きなニードル弁(2)の制御室(382)は加圧液体源(12)へ接続され、そして、ノズルはオリフィスの2つの行を有し、一方の行のオリフィス(309)はノズル先端の隣の別の下側列のオリフィス(301)より実質的に大きく、大きなニードル(2)が着座されると前記より大きなオリフィス(309)は前記大きなニードル弁(2)により実質的に覆われる。
【0029】
5.気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される陳述Aの燃料噴射器(
図3、4を参照)であって、気体は副燃料であり、液体を阻止するための大きなニードル弁(2)の制御室(382)は加圧液体燃料貯蔵槽(13’)へ接続される。
【0030】
6.陳述B:ノズル本体(6)を含むデュアル燃料噴射の燃料噴射器(
図7を参照)であって:ノズル本体(6)は、燃料のための通路(603、562、602)、軸方向に上下に移動し得るコンポジットニードル弁(I)を収容するための内側円筒穴、前記ノズル本体内の燃料噴噴射口(601)の少なくとも1つのグループ、燃料を阻止するために前記コンポジットニードル弁(I)を偏位着座位置内へ駆り立てる少なくとも1つのバネ(15)、制御弁(9、13)を保持しそして加圧燃料貯蔵槽(10、12)の少なくとも1つへ接続された燃料入口を有する弁ブロック(8)、加圧燃料貯蔵槽(10、12)の中でより高い潤滑性燃料を含む同じ加圧燃料貯蔵槽へ接続される圧力制御室(581)を含み、前記制御室(581)は前記コンポジットニードル弁(I)を押圧し解放するために使用され得、前記コンポジットニードル弁は一方向逆止め弁(4)を含む。
【0031】
7.気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される陳述Bの燃料噴射器(
図7、8を参照)であって、気体は主燃料であり、気体流を阻止するために使用される大きなニードル弁(5)の制御室(581)は常に加圧液体燃料源(10)へ接続され、制御室(581)内の液体燃料は前記気体ニードル弁(5)を潤滑化する一方で気体ニードル弁を下に押す。
【0032】
8.気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される陳述Bの燃料噴射器(
図9、10を参照)であって、気体は副燃料であり、液体阻止大ニードル弁(5)の制御室(581)は常に加圧液体燃料貯蔵槽(
図9及び
図10の(12))へ接続される。
【0033】
9.コンポジットニードル弁を含む陳述Bの燃料噴射器(
図7、9を参照)であって:コンポジットニードル弁は、独立に制御される燃料貯蔵槽(10)へ接続された内側燃料チャネル(501、502、351)、T形状部品(3)により支持される一方向逆止め弁(4)及び前記逆止め弁(4)をその座部(503)に対し駆り立てるバネ(2)であって、燃料出口(101)を有するニードル先端(1)により覆われ、そして燃料噴噴射口(101、601)を介し少なくとも1つの加圧燃料貯蔵槽から燃料を噴射するためにノズル大端部に向かって上昇する開口位置と燃料流を阻止するための着座位置とを有するバネで構成される、燃料噴射器。
【0034】
10.陳述A又は陳述Bによる燃料噴射器(
図17a、17b、17c、17dを参照)であって、燃料噴射器は、前記外方開口ニードル弁(1)を持ち上げることにより燃料噴噴射口(301)を介し一方のタイプの液体燃料を噴射しそして前記内方開口ニードル弁(2)を持ち上げることにより複数のジェット燃料出口(309)及び(301)を介し別のタイプの液体燃料を独立に噴射する手段を有し、2つのタイプの燃料の噴射は独立に又は同時に行われ得る。
【0035】
11.パラグラフ1-5のいずれかの陳述に記載の燃料噴射器(
図16a、16b、16c、16d図を参照)であって、燃料噴射器は、前記外方開口ニードル弁(1)を持ち上げることにより燃料噴噴射口(301)を主に介し一方のタイプの液体燃料を噴射しそして前記内方開口ニードル弁(2)を持ち上げることにより複数のジェット燃料出口(309)及び(301)を介し別のタイプの気体燃料を独立に噴射する手段を有し、気体燃料(309)の主燃料出口は液体燃料(301)の燃料出口より実質的に大きく、2つのタイプの燃料の噴射は独立に又は同時に行われ得る。
【0036】
12.陳述C:液体燃料及び気体燃料の両方を要求に応じ直接噴射する燃料噴射方法(
図12a、12b、12c、13a、13b、13c、16a、16b、16c、16dを参照)であって、本方法は、一方のタイプの液体燃料を直接噴射する手段を有し、2つのタイプの燃料の噴射は、同じノズル先端を介し独立に又は同時に行われ得、液体燃料は、気体燃料噴射活性化を制御し、冷却及び密閉を強化し、そして気体噴射ニードル弁を潤滑化するために使用される。冷却は、気体ニードル弁の内側及びその上の液体燃料チャネルを通って提供され、強化型密閉及び潤滑効果は、滑り面又は整合面間に満たされた薄い流体膜により提供される。
【0037】
13.液体燃料はガソリンであり気体燃料は天然ガスである陳述Cに記載の燃料噴射方法。
【0038】
14.液体燃料はディーゼルであり気体燃料は天然ガスである陳述Cに記載の燃料噴射方法。
【0039】
15.一方のタイプの燃料はディーゼルであり別のタイプの燃料は水素である陳述Cに記載の燃料噴射方法。
【0040】
16.一方のタイプの燃料はジメチルエーテルであり別のタイプの燃料は天然ガスである陳述Cに記載の燃料噴射方法。
【0041】
17.一方のタイプの燃料はジメチルエーテルであり別のタイプの燃料は水素である陳述Cに記載の燃料噴射方法。
【0042】
18.内燃エンジンアプリケーションのための陳述Cに記載の燃料噴射方法(
図14を参照)であって、部分的気体燃料が、高負荷及び中負荷中にエンジンポート(I)を介し噴射され、気体燃料は軽負荷中にだけ燃焼室(II)内へ直接噴射される。
【0043】
19.陳述D:燃焼方法(
図19、20参照)であって、一方の燃料ストリームはより高い化学反応性を有する液体燃料のようなディーゼルであり、一方のストリームは、天然ガス、水素、アンモニア蒸気などのより低い化学反応性を有する気体燃料であり、本方法は、2つのストリームをノズル外で及び燃焼室内で要求に応じ混合することを介し異なる動作条件下で燃焼を最適化する手段を有し、2つのタイプの燃料の噴射は連続的であり、そして気体燃料の一時的拡散を緩和するために重ねられ、液体燃料のより高い反応性混合物は、完全気体燃料燃焼を保証するために気体燃料混合物の漏れを防ぐ。
【0044】
20.より低い反応性を有する燃料ストリームの部分的燃料が、低反応性を有する部分的燃料がその燃焼プロセスを促進するために燃焼室の内側に再形成されるように燃焼ゾーン内へ意図的に注がれる陳述Dの燃焼方法。
【0045】
21.2つのタイプの燃料の噴射が、気体燃料の完全燃焼を保証するために気体燃料の一時的拡散を緩和するためにラジカルで包まれた混合物クラウドを形成するために共噴射され混合される陳述Dの燃焼方法。
【0046】
22.液体燃料はディーゼル又はバイオディーゼルであり、気体燃料は水素であり、ディーゼルの燃料噴射量は、エネルギー比率による合計噴射燃料の3%未満である陳述Dの燃焼方法。
【0047】
陳述E:既存エンジン又は新エンジンを改造するための改造キットとして使用され得るデュアル燃料噴射の燃料噴射システム(
図18、14、15、16a、16b、16c、16d、17a、17b、17c、17dを参照)であって、二次燃料システムはパルス加圧燃料を第1の噴射システムの燃料噴射器へ配送し、第1の燃料システムは、結合されたデュアル燃料噴射の要望に応じた二次燃料を導入するために受動的活性化内側噴射弁を含むニードル弁を担う燃料噴射器を有する。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)燃料の通路を含むノズル本体(3)、2つの縦方向移動可能同軸ニードル弁(1、2)を収容するための内側円筒穴(307)、前記ノズル本体内の燃料噴噴射口(301、309)の少なくとも1つのグループ、燃料を阻止するために前記ニードル弁(1、2)を偏位着座位置内へ駆り立てる少なくとも1つのバネ(5’、5)、制御弁を保持するための弁ブロック(8)であって、2つの加圧燃料貯蔵槽(12、13)へ接続され得る燃料入口を有する弁ブロック(8)、加圧燃料及び減圧燃料へ接続することを介しニードル弁を押圧及び解放し得る圧力制御室(382、125)、を含む燃料噴射器であって、
前記2つのニードル弁(1、2)の前記2つの圧力制御室(382、125)は、前記加圧燃料貯蔵槽(12、13)の中でもより高い潤滑性を有する燃料を含む同じ燃料貯蔵槽へ接続され、
より高い潤滑性を有する液体燃料は、活性化を制御するために及び低潤滑性燃料の前記ニードル弁を潤滑化するために使用される、燃料噴射器。
【請求項2】
以下のものを含む、請求項1に記載の燃料噴射器:
(i)燃料を環状燃料出口(121)及び燃料噴噴射口(301)を介し少なくとも1つの加圧燃料貯蔵槽から噴射するためにノズル本体大端部(306)に対し離れる方向に移動する開口位置と、燃料流を阻止するための着座位置とを有する外方開口ニードル弁(1)、
(ii)前記ノズル本体(3)内に完全に含まれる内方開口ニードル弁(2)であって、前記内方開口ニードル弁(2)は、燃料を噴射するために少なくとも1つの加圧燃料貯蔵槽(13)と燃料噴噴射口(309、301)とを接続するために前記ノズル本体大端部(306)に近づくことによる開口位置であって、前記内方開口ニードル弁(2)の持ち上げは、前記外方開口ニードル弁(1)の位置に無関係である、開口位置と、燃料入口から燃料噴噴射口(309)への燃料流を阻止するためにノズル本体の密封面に接触する着座位置とを有し、着座位置における密封面(201)は噴射出口(309)の上流側に在る、内方開口ニードル弁(2)、
(iii)「前記外方開口ニードル弁(1)は、前記内方開口ニードル弁(2)内に部分的に含まれており、及び前記内方開口ニードル弁(2)上の偏位着座位置を有する」ということを特徴とし、前記外方開口ニードル弁(1)の持ち上げは前記内方開口ニードル弁(2)の位置に無関係であり、燃料噴射器は、圧力制御室(382、125)内の圧力差を生成することを介し前記内方開口及び外方開口ニードル弁(1、2)上の持ち上げ力及び閉鎖力を生成するために高圧燃料貯蔵槽(13、12)から低圧燃料シンク(15)への少なくとも一方のタイプの燃料を阻止する又は少なくとも一方のタイプの燃料を高圧燃料貯蔵槽(13、12)から低圧燃料シンク(15)へ接続するための少なくとも2つの制御弁(9、10)を含む、
(iv)異なる燃料チャネルサイズは、液体状態又は気体状態における異なる燃料濃度の所望燃料質量を配送する必要性を満足するように、前記外方開口ニードル弁(1)及び前記内方開口ニードル弁(2)を囲むように選択され、前記燃料噴射器は、異なる熱的物理的状態における異なる燃料を独立的に及び集合的に噴射する手段を有する。
【請求項3】
気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される、請求項1に記載の燃料噴射器であって、
気体は主燃料であり、
気体流を阻止するための大きなニードル弁(2)の前記制御室(382)は加圧液体燃料貯蔵槽(12)へ接続され、
前記液体燃料は、前記ニードル弁(2)と前記ノズル本体(3)との間の整合した滑り面(234)に沿って気体ニードル弁(2)を潤滑化する一方で前記気体ニードル弁(2)を下に押す、燃料噴射器。
【請求項4】
気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される、請求項1に記載の燃料噴射器であって、
気体は主燃料であり、
気体流を阻止するための大きなニードル弁(2)の前記制御室(382)は加圧液体燃料源(12)へ接続され、
前記ノズルはオリフィスの2つの行を有し、一方の行のオリフィス(309)はノズル先端の隣の別の下側列のオリフィス(301)より実質的に大きく、前記大きなニードル(2)が着座されると前記より大きなオリフィス(309)は前記大きなニードル弁(2)により実質的に覆われる、燃料噴射器。
【請求項5】
気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される、請求項1に記載の燃料噴射器であって、
気体は副燃料であり、
液体を阻止するための大きなニードル弁(2)の前記制御室(382)は加圧液体燃料貯蔵槽(13’)へ接続される、燃料噴射器。
【請求項6】
燃料の通路(603、562、602)を含むノズル本体(6)、軸方向に上下に移動し得るコンポジットニードル弁(I)を収容するための内側円筒穴、前記ノズル本体内の燃料噴噴射口(601)の少なくとも1つのグループ、燃料を阻止するために前記コンポジットニードル弁(I)を偏位着座位置内へ駆り立てる少なくとも1つのバネ(15)、制御弁(9、13)を保持し及び加圧燃料貯蔵槽(10、12)の少なくとも1つへ接続された燃料入口を有する弁ブロック(8)、前記加圧燃料貯蔵槽(10、12)の中でより高い潤滑性燃料を含む同じ加圧燃料貯蔵槽へ接続される圧力制御室(581)、を含む燃料噴射器であって、
前記制御室(581)は前記コンポジットニードル弁(I)を押圧し解放するために使用され得、
前記コンポジットニードル弁は一方向逆止め弁(4)を含む、燃料噴射器。
【請求項7】
気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される、請求項6に記載の燃料噴射器であって、
気体は主燃料であり、
気体流を阻止するために使用される大きなニードル弁(5)の前記制御室(581)は常に加圧液体燃料源(10)へ接続され、
前記制御室(581)内の前記液体燃料は前記気体ニードル弁(5)を潤滑化する一方で気体ニードル弁を下に押す、燃料噴射器。
【請求項8】
気体/液体デュアル燃料噴射のために使用される、請求項6に記載の燃料噴射器であって、
気体は副燃料であり、
液体阻止大ニードル弁(5)の前記制御室(581)は常に加圧液体燃料貯蔵槽へ接続される、燃料噴射器。
【請求項9】
独立に制御される燃料貯蔵槽(10)へ接続された内側燃料チャネル(501、502、351)、T形状部品(3)により支持される一方向逆止め弁(4)及び前記逆止め弁(4)をその座部(503)に対し駆り立てるバネ(2)であって、燃料出口(101)を有するニードル先端(1)により覆われ、燃料噴噴射口(101、601)を介し少なくとも1つの加圧燃料貯蔵槽から燃料を噴射するためにノズル大端部に向かって上昇する開口位置と燃料流を阻止するための着座位置とを有するバネ、で構成されたコンポジットニードル弁を含む、請求項6に記載の燃料噴射器。
【請求項10】
前記外方開口ニードル弁(1)を持ち上げることにより燃料噴噴射口(301)を介し一方のタイプの液体燃料を噴射し、及び前記内方開口ニードル弁(2)を持ち上げることにより複数のジェット燃料出口(309)及び(301)を介し別のタイプの液体燃料を独立に噴射する手段を有する、請求項1又は6に記載の燃料噴射器であって、
2つのタイプの燃料の前記噴射は独立に又は同時に行われ得る、燃料噴射器。
【請求項11】
前記外方開口ニードル弁(1)を持ち上げることにより燃料噴噴射口(301)を主に介し一方のタイプの液体燃料を噴射し、及び前記内方開口ニードル弁(2)を持ち上げることにより複数のジェット燃料出口(309)及び(301)を介し別のタイプの気体燃料を独立に噴射する手段を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の燃料噴射器であって、
気体燃料(309)の前記主燃料出口は液体燃料(301)の燃料出口より実質的に大きく、2つのタイプの燃料の前記噴射は独立に又は同時に行われ得る、燃料噴射器。
【請求項12】
液体燃料及び気体燃料の両方を要求に応じ直接噴射する燃料噴射方法であって、
2つのタイプの燃料の前記噴射は、同じノズル先端を介し独立に又は同時に行われ得、
液体燃料は、気体燃料噴射活性化を制御し、冷却及び密閉を強化し、気体噴射ニードル弁を潤滑化するために使用される、方法。
【請求項13】
前記液体燃料はディーゼルであり前記気体燃料は天然ガスである、請求項12に記載の燃料噴射方法。
【請求項14】
一方のタイプの燃料はディーゼルであり別のタイプの燃料は水素である、請求項12に記載の燃料噴射方法。
【請求項15】
一方のタイプの燃料はジメチルエーテルであり別のタイプの燃料は水素である、請求項12に記載の燃料噴射方法。
【請求項16】
内燃エンジンアプリケーションのための請求項12に記載の燃料噴射方法であって、
部分的気体燃料が、高負荷中に及び中負荷中にエンジンポートを介し噴射され、すべての気体燃料は軽負荷中に燃焼室内へ直接噴射される、燃料噴射方法。
【請求項17】
以下のものを含む、請求項1に記載の燃料噴射器:
(i)燃料の通路を含むノズル本体(3)、2つの縦方向移動可能同軸内方開口ニードル弁(1、2)(外側内方開口ニードル弁内に保持される内側内方開口ニードル弁)を収容するための内側円筒穴(307)、前記ノズル本体内の燃料噴噴射口(301、309)の少なくとも1つのグループ、燃料を阻止するために前記ニードル弁(1、2)を偏位着座位置内へ駆り立てる少なくとも1つのバネ(5’、5)、制御弁を保持するための弁ブロック(8)であって、2つの加圧燃料貯蔵槽(13、15’)へ接続され得る燃料入口を有する弁ブロック(8)、加圧燃料及び減圧燃料を適用することを介しニードル弁を押圧及び解放し得る圧力制御室(382、125)、
(ii)1つの内側燃料噴噴射口(208)と外側燃料噴噴射口(301)の別のグループとを介し燃料を少なくとも1つの加圧貯蔵槽(15’)から噴射するためにノズル本体大端部(306)に近づくことによる開口位置と燃料流を阻止するための偏位着座位置とを有する内側内方開口ニードル弁(1)、
(iii)前記ノズル本体(3)内に完全に含まれる前記外側内方開口ニードル弁(2)は、燃料を噴射するために少なくとも1つの加圧燃料貯蔵槽(13)と燃料噴噴射口(208、301)とを接続するためにノズル本体大端部に近づくことによる開口位置を有し、及び燃料流を阻止するためにノズル本体の前記密封面に接しているその密封面(201)を有する偏位着座位置を有し、着座位置における前記密封面(201)は噴射出口(309)の上流側に在り、前記外側開口ニードル弁(2)の持ち上げは、前記内側内方開口ニードル弁(1)の位置に無関係であり;
(iv)前記外側内方開口ニードル弁(2)は、前記内側内方開口ニードル弁(1)の内側座部(202)を有し、前記内側ニードル弁(1)は前記外側ニードル弁(2)内に完全に含まれ、前記内側内方開口ニードル弁(1)の持ち上げは前記外側内方開口ニードル弁(2)の位置に無関係である。
【国際調査報告】