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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】装置送達ツール
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/865 20210101AFI20241018BHJP
   A61M 60/174 20210101ALI20241018BHJP
   A61M 60/237 20210101ALI20241018BHJP
   A61M 60/419 20210101ALI20241018BHJP
   A61M 60/804 20210101ALI20241018BHJP
   A61M 60/857 20210101ALI20241018BHJP
   A61F 2/02 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A61M60/865
A61M60/174
A61M60/237
A61M60/419
A61M60/804
A61M60/857
A61F2/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529256
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 US2022050223
(87)【国際公開番号】W WO2023091556
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/280,357
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ローガン、ブレイディ スコット
(72)【発明者】
【氏名】ジャンカリック、トーマス ピー.
(72)【発明者】
【氏名】リュー、チェン
(72)【発明者】
【氏名】グルフ、ジョエル エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】レイノルズ、ブライアン
【テーマコード(参考)】
4C077
4C097
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077DD10
4C077DD21
4C077FF04
4C097AA26
4C097BB01
4C097BB04
4C097MM09
(57)【要約】
経皮的循環補助システムは、インペラハウジング内に配置されたインペラを含む経皮的循環補助装置を含み、インペラは、インペラハウジングを通る血流を生じさせるためにインペラハウジングに対して回転可能である。システムは、インペラハウジングに結合されたカニューレと、カニューレを受け入れて半径方向に圧縮するように構成されたカニューレ送達ツールとをさらに含み、カニューレ送達ツールは、テーパ状部分に隣接して配置された近位部分と、テーパ状部分に隣接して配置された遠位部分とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングおよび前記ハウジングに結合されたカニューレを含む装置と、
前記カニューレを受け入れて半径方向に圧縮するように構成されたカニューレ送達ツールであって、テーパ状部分に隣接して位置付けられた近位部分、および前記テーパ状部分に隣接して位置付けられた遠位部分を含む、カニューレ送達ツールと、
を含む、経皮的循環補助システム。
【請求項2】
前記カニューレ送達ツールはレーザー切断されたチューブであり、前記カニューレ送達ツールは複数の閉鎖セルを備える、請求項1に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項3】
前記経皮的循環補助システムが前記カニューレ送達ツールおよび前記カニューレを受け入れるためのスタータチューブを含み、前記カニューレ送達ツールが前記スタータチューブ内に挿入されたときに圧縮するように構成されている、請求項1に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項4】
前記経皮的循環補助システムが導入器シースをさらに含み、前記導入器シースが内径を備え、前記カニューレ送達ツールが圧縮されるとき、前記カニューレ送達ツールが、前記導入器シースの前記内径よりも小さい外径によって画定される、請求項3に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項5】
前記カニューレ送達ツールは、ニチノールから構成される、請求項1に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項6】
前記カニューレ送達ツールの前記近位部分が、前記カニューレ送達ツールの第1の側に延在する湾曲プレートを備え、テザーが、前記湾曲プレートから延在し、前記導入器シースと結合するように近位に延在する、請求項1に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項7】
前記カニューレ送達ツールは、前記カニューレ送達ツールの表面に沿って表面コーティングを備える、請求項1に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項8】
前記カニューレと前記導入器シースとの間の摩擦係数は、前記カニューレ送達ツールと前記導入器シースとの間の摩擦係数よりも大きい、請求項4に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項9】
前記システムが、前記カニューレ送達ツールおよび前記カニューレ内に延在するガイドワイヤをさらに備え、前記ガイドワイヤが、前記カニューレ送達ツールの第2の側を通って延在し、前記第2の側が、前記カニューレ送達ツールの長手方向軸線に対して前記第1の側の反対側にある、請求項6に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項10】
カニューレに結合されたハウジングを少なくとも有する経皮的装置、経皮的補助システムを作動させるためのハンドル、前記経皮的補助システムのカテーテルに搭載されたスタータチューブ、前記カテーテルに搭載されたカニューレ送達ツール、および導入器シースを含む経皮的補助システムを提供するステップと、
前記カニューレ送達ツールを前記カニューレ上に延在させるステップと、
前記カニューレ送達ツールおよび前記経皮的補助装置を前記スタータチューブ内に後退させるステップと、
前記スタータチューブを前記導入器シース内に少なくとも部分的に挿入するステップと、
前記カニューレ送達ツールを前記スタータチューブの遠位部分から外に、かつ少なくとも部分的に前記導入器シースの遠位部分から外に延在させるステップと、
前記カニューレを前記カニューレ送達ツールから外に延在させるステップと、
を含む、経皮的装置を配備する方法。
【請求項11】
前記送達ツールを前記スタータチューブ内に後退させることにより、前記カニューレ送達ツールが前記導入器シースの内径よりも小さい外径を備えるように、カニューレ送達ツールが圧縮される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記経皮的補助システムがガイドワイヤをさらに含み、前記方法が、前記カニューレ送達ツールを前記カニューレの上に延在させる前に、前記カニューレ送達チューブおよび前記経皮的補助装置を通して前記ガイドワイヤを延在させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記経皮的補助システムが、前記導入器シースおよび前記カニューレ送達ツールに結合されたテザーをさらに備えることにより、前記テザーの長さが、前記カニューレ送達ツールが前記導入器シースから外にどれだけ遠くまで延在するかを決定付ける、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記導入器シースを通して前記スタータチューブ内に前記カニューレ送達ツールを後退させるために前記テザーを後退させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記カニューレ送達ツールが、テーパ状部分と、表面処理とを備え、両方とも、前記カニューレ送達ツールが前記スタートチューブ内に後退させられるときに圧縮することを可能にするように構成される、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療装置の血管内送達を容易にするために使用される装置に関する。より具体的には、本開示は、カニューレと、送達シースを通したカニューレの送達を容易にするための装置とを有する、経皮的循環補助システムに関する。
【背景技術】
【0002】
循環補助装置などの特定の医療装置は、血管内送達される。血管系へのそのような装置の導入は、多くの場合、1つ以上の送達シースを通して装置を通過させ、次いで、患者の血管系を通してその最終位置まで装置を誘導するステップを伴う。心臓の左側に配置される循環補助装置の場合、装置は一般的に大腿動脈に導入され、装置が大動脈に入るまで血管系を通過する。次に、装置に組み込まれたカニューレを大動脈弁に通して左心室に入れる。そのような装置、特に、循環補助装置に組み込まれるカニューレのサイズおよび構造に起因して、送達シースを通した装置の通過は、困難であり得る。
【発明の概要】
【0003】
例1では、経皮的循環補助システムは、ハウジングおよびハウジングに結合されたカニューレを含む装置と、カニューレを受け入れて半径方向に圧縮するように構成されたカニューレ送達ツールとを含み、カニューレ送達ツールは、テーパ状部分に隣接して位置づけられた近位部分と、テーパ状部分に隣接して位置づけられた遠位部分とを有する。
【0004】
例2では、例1のシステムは、カニューレ送達ツールがレーザー切断されたチューブであり、カニューレ送達ツールが複数の閉鎖セルを含むことをさらに含む。
例3では、例1のシステムは、経皮的循環補助システムがカニューレ送達ツールおよびカニューレを受け入れるためのスタータチューブを含み、カニューレ送達ツールがスタータチューブ内に挿入されたときに圧縮するように構成されていることをさらに含む。
【0005】
例4では、例3のシステムは、経皮的循環補助システムが導入器シースをさらに含み、導入器シースが内径を備え、カニューレ送達ツールが圧縮されるとき、カニューレ送達ツールが、導入器シースの内径よりも小さい外径によって画定されることをさらに含む。
【0006】
例5では、例1のシステムは、カニューレ送達ツールがニチノールから構成されることをさらに含む。
例6では、例1のシステムは、カニューレ送達ツールの近位部分が、カニューレ送達ツールの第1の側に延在する湾曲プレートを備え、テザーが、湾曲プレートから延在し、導入器シースと結合するように近位に延在することをさらに含む。
【0007】
例7では、例1のシステムは、カニューレ送達ツールがカニューレ送達ツールの表面に沿って表面コーティングを含むことをさらに含む。
例8では、例4のシステムは、カニューレと導入器シースとの間の摩擦係数が、カニューレ送達ツールと導入器シースとの間の摩擦係数よりも大きいことをさらに含む。
【0008】
例9では、例6のシステムは、システムが、カニューレ送達ツールおよびカニューレ内に延在するガイドワイヤをさらに備え、ガイドワイヤが、カニューレ送達ツールの第2の側を通って延在し、第2の側が、カニューレ送達ツールの長手方向軸線に対して第1の側の反対側にあることをさらに含む。
【0009】
例10では、経皮的装置を配備する方法は、カニューレに結合されたハウジングを少なくとも有する経皮的装置と、経皮的補助システムを作動させるためのハンドルと、経皮的補助システムのカテーテル上に搭載されたスタータチューブと、カテーテルに搭載されたカニューレ送達ツールと、導入器シースとを含む経皮的補助システムを提供するステップを含む。本方法はさらに、カニューレ送達ツールをカニューレ上に延在させるステップと、カニューレ送達ツールおよび経皮的補助装置をスタータチューブ内に後退させるステップと、スタータチューブを少なくとも部分的に導入器シースの中に挿入するステップとを含む。本方法はさらに、カニューレ送達ツールをスタータチューブの遠位部分から外に、かつ少なくとも部分的に導入器シースの遠位部分から外に延在させるステップと、カニューレをカニューレ送達ツールから外に延在させるステップとを含む。
【0010】
例11では、例10の方法は、送達ツールをスタータチューブ内に後退させることにより、カニューレ送達ツールが導入器シースの内径よりも小さい外径を備えるように、カニューレ送達ツールが圧縮されることをさらに含む。
【0011】
例12では、例10の方法は、経皮的補助システムがガイドワイヤをさらに含み、方法が、カニューレ送達ツールをカニューレの上に延在させる前に、カニューレ送達チューブおよび経皮的補助装置を通してガイドワイヤを延在させるステップをさらに含むことを、さらに含む。
【0012】
例13では、例12の方法は、経皮的補助システムが、導入器シースおよびカニューレ送達ツールに結合されたテザーをさらに備えることにより、テザーの長さが、カニューレ送達ツールが導入器シースから外にどれだけ遠くまで延在するかを決定付けることをさらに含む。
【0013】
例14では、例10の方法は、方法が、導入器シースを通してスタータチューブ内にカニューレ送達ツールを後退させるためにテザーを後退させるステップをさらに含むことをさらに含む。
【0014】
例15では、例11の方法は、カニューレ送達ツールが、テーパ状部分と、表面処理とを備え、両方とも、カニューレ送達ツールがスタートチューブ内に後退させられるときに圧縮することを可能にするように構成されることをさらに含む。
【0015】
例16では、経皮的循環補助システムは、インペラハウジング内に配置されたインペラを含む経皮的循環補助装置を含み、インペラは、インペラハウジングを通る血流を生じさせるためにインペラハウジングに対して回転可能である。システムは、インペラハウジングに結合されたカニューレと、カニューレを受け入れて半径方向に圧縮するように構成されたカニューレ送達ツールとをさらに含み、カニューレ送達ツールは、テーパ状部分に隣接して位置づけられた近位部分と、テーパ状部分に隣接して位置づけられた遠位部分とを有する。
【0016】
例17では、例16のシステムは、カニューレ送達ツールがレーザー切断されたチューブであり、カニューレ送達ツールが複数の閉鎖セルを含むことをさらに含む。
例18では、例16のシステムは、経皮的循環補助システムがカニューレ送達ツールおよびカニューレを受け入れるためのスタータチューブを含み、カニューレ送達ツールがスタータチューブ内に挿入されたときに圧縮するように構成されていることをさらに含む。
【0017】
例19では、例18のシステムは、経皮的循環補助システムが導入器シースをさらに含み、導入器シースが内径を備え、カニューレ送達ツールが圧縮されるとき、カニューレ送達ツールが、導入器シースの内径よりも小さい外径によって画定されることをさらに含む。
【0018】
例20では、例16のシステムは、カニューレ送達ツールがニチノールから構成されることをさらに含む。
例21では、例16のシステムは、カニューレ送達ツールの近位部分が、カニューレ送達ツールの第1の側に延在する湾曲プレートを備え、テザーが、湾曲プレートから延在し、導入器シースと結合するように近位に延在することをさらに含む。
【0019】
例22では、例21のシステムは、システムが、カニューレ送達ツールおよびカニューレ内に延在するガイドワイヤをさらに備え、ガイドワイヤが、カニューレ送達ツールの第2の側を通って延在し、第2の側が、カニューレ送達ツールの長手方向軸線に対して第1の側の反対側にあることをさらに含む。
【0020】
例23において、例16のシステムは、カニューレ送達ツールがカニューレ送達ツールの表面に沿って表面コーティングを含むことをさらに含む。
例24において、例23のシステムは、表面コーティングがシリコーンであることをさらに含む。
【0021】
例25では、例19のシステムは、カニューレと導入器シースとの間の摩擦係数が、カニューレ送達ツールと導入器シースとの間の摩擦係数よりも大きいことをさらに含む。
例26では、カニューレを送達するために構成されるカニューレ送達ツールは、遠位部分の反対側の近位部分と、その間に延在する本体部分とを含み、本体部分は、テーパ状部分と、シース内へのカニューレ送達ツールの導入を容易にするために構成される、近位部分から延在する湾曲プレートと、カニューレ送達ツールを形成するチューブをレーザー切断することによって形成される、本体部分に沿った複数の閉鎖セルとを含む。
【0022】
例27では、例26のカニューレ送達ツールは、テザーが、湾曲プレートに結合され、カニューレ送達ツールの湾曲プレートから近位に延在し、テザーが、湾曲プレートに溶接されることをさらに含む。
【0023】
例28では、例26のカニューレ送達ツールは、カニューレ送達ツールがニチノールおよびステンレス鋼のうちの1つから構成され、カニューレ送達ツールが表面処理を含むことをさらに含む。
【0024】
例29では、例26のカニューレ送達ツールは、カニューレ送達ツールが、拡張された外径を有する拡張形態から圧縮された外径を有する圧縮形態に圧縮するように構成されることをさらに含む。
【0025】
例30では、経皮的補助装置を配備する方法は、カニューレに結合されたインペラハウジングを少なくとも有する経皮的補助装置と、経皮的補助システムを作動させるためのハンドルと、経皮的補助システムのカテーテルに搭載されたスタータチューブと、カテーテルに搭載されたカニューレ送達ツールと、導入器シースとを含む経皮的補助システムを提供するステップを含む。本方法はさらに、カニューレ送達ツールをカニューレ上に延在させるステップと、カニューレ送達ツールおよび経皮的補助装置をスタータチューブ内に後退させるステップと、スタータチューブを少なくとも部分的に導入器シース内に挿入するステップとを含む。本方法はさらに、カニューレ送達ツールをスタータチューブの遠位部分から外に、かつ少なくとも部分的に導入器シースの遠位部分から外に延在させるステップと、カニューレをカニューレ送達ツールから外に延在させるステップとを含む。
【0026】
例31では、例30の方法は、送達ツールをスタータチューブ内に後退させるステップが、カニューレ送達ツールが導入器シースの内径よりも小さい外径を備えるように、カニューレ送達ツールを圧縮することをさらに含む。
【0027】
例32では、例30の方法は、経皮的補助システムがガイドワイヤをさらに含み、方法が、カニューレ送達ツールをカニューレ上に延在させる前に、カニューレ送達チューブおよび経皮的補助装置を通してガイドワイヤを延在させるステップをさらに含むことを、さらに含む。
【0028】
例33では、例32の方法は、経皮的補助システムが、導入器シースおよびカニューレ送達ツールに結合されたテザーをさらに備えることにより、テザーの長さが、カニューレ送達ツールが導入器シースから外にどれだけ遠くまで延在するかを決定付けることをさらに含む。
【0029】
例34では、例30の方法は、方法が、導入器シースを通してスタータチューブ内にカニューレ送達ツールを後退させるためにテザーを後退させるステップをさらに含むことをさらに含む。
【0030】
例35では、例31の方法は、カニューレ送達ツールが、テーパ状部分と、表面処理とを備え、両方とも、カニューレ送達ツールがスタートチューブ内に後退させられるときに圧縮することを可能にするように構成されることをさらに含む。
【0031】
複数の実施形態が開示されているが、本発明のさらに他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示し説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないとみなされたい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本明細書に開示される主題の実施形態による、循環補助システムの図を示す。
図2A】本明細書に開示される主題の実施形態による、循環補助システムの一部の断面図を示す。
図2B】本明細書に開示される主題の実施形態による、循環補助システムの一部の断面図を示す。
図3】本明細書に開示される主題の実施形態による、カニューレ送達ツールの上面図を示す。
図4】本明細書に開示される主題の実施形態による、図3のカニューレ送達ツールの側面図を示す。
図5】本明細書に開示される主題の実施形態による、図3のカニューレ送達ツールの一部の拡大上面図を示す。
図6】本明細書に開示される主題の実施形態による、図3のカニューレ送達ツールの一部の拡大図を示す。
図7】本明細書に開示される主題の実施形態による、循環補助装置を送達する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の範囲から逸脱することなく、説明した例示的な実施形態に対して様々な修正および追加を行うことができる。例えば、上述の実施形態は特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲はまた、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、および上述の特徴の全てを含まない実施形態を含む。
【0034】
図1は、本明細書に開示される主題の実施形態による例示的な経皮的循環補助システム100のいくつかの構成要素の側断面図を示す。全般的に、システム100は、経皮的循環補助装置102(本明細書では交換可能に「血液ポンプ」とも呼ばれる)と、カニューレ116と、導入器シース134(図2Aに示される)とを含む。いくつかの実施形態では、システム100はまた、ガイドワイヤ120(図2Aに示される)を含んでもよい。図7を参照して以下にさらに詳細に説明されるように、導入器シース134は、患者の心臓内等の患者内の標的場所への血液ポンプ102およびカニューレ116の経皮的送達を容易にする。
【0035】
引き続き図1を参照すると、システム100はまた、スタータチューブ止血弁106に接続されたハンドル104を含む。スタータチューブ止血弁106は、スタータチューブ108およびスタータチューブフラッシングライン110の両方に結合される。ハンドル104はまた、近位カテーテル112と結合してもよい。スタータチューブ108は、本明細書でさらに説明されるように、血液ポンプ102およびカニューレ116の送達前および送達中にカニューレ116を受け入れるように構成されるカニューレ送達ツール170に結合されるものとして図示される。これらの実施形態では、少なくともハンドル104、スタータチューブ108、スタータチューブ止血弁106、導入器シース134(図3)、およびカニューレ送達ツール170は、本明細書でさらに説明されるように、血液ポンプ102およびカニューレ116を患者内の標的場所に送達するために構成される。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ120(図2)はまた、経皮的循環補助装置102の送達を容易にするために使用されてもよい。経皮的循環補助システム100を参照して本明細書に説明されるが、カニューレ送達ツール170は、様々な他のタイプの医療装置の送達のために使用されてもよく、本明細書に説明される例に限定されない。
【0036】
図2Aに図示されるように、血液ポンプ102は、全般的に、インペラアセンブリハウジング140と、モータハウジング142とを含む。いくつかの実施形態では、インペラアセンブリハウジング140およびモータハウジング142は、一体的またはモノリシックに構築されてもよい。他の実施形態では、インペラアセンブリハウジング140およびモータハウジング142は、取り外し可能または恒久的に結合されるように構成される、別個の構成要素であってもよい。
【0037】
インペラアセンブリハウジング140は、その中にインペラアセンブリ144を担持する。インペラアセンブリ144は、インペラシャフト146と、インペラアセンブリハウジング140に対して回転し、血液ポンプ102を通して血液を駆動するインペラ148とを含む。より具体的には、インペラ148は、血液を、インペラアセンブリハウジング140上に形成された血液入口150から、インペラアセンブリハウジング140を通って、インペラアセンブリハウジング140上に形成された血液出口152から外に流す。いくつかの実施形態では、インペラシャフト146およびインペラ148は、一体化されてもよく、他の実施形態では、インペラシャフト146およびインペラ148は、別個の構成要素であってもよい。図1および図2に示すように、入口150および/または出口152は、各々複数の開口を含んでもよい。他の実施形態では、入口150および/または出口152は、各々単一の開口を含んでもよい。図2Aに示すように、入口150は、インペラアセンブリハウジング140の端部に形成されてもよく、出口152は、インペラアセンブリハウジング140の側部に形成されてもよい。他の実施形態では、入口150および/または出口152は、インペラアセンブリハウジング140の他の部分に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、インペラアセンブリハウジング140は、遠位に延在するカニューレ(図示せず)に結合してもよく、カニューレは、血液を受容し、入口150に送達してもよい。
【0038】
引き続き図2Aを参照すると、モータハウジング142は、モータ154を担持し、モータ154は、インペラアセンブリハウジング140に対してインペラ148を回転可能に駆動するように構成される。図示の実施形態では、モータ154は、駆動磁石158に結合された駆動シャフト156を回転させる。駆動磁石158の回転は、インペラアセンブリハウジング140に接続された被駆動磁石160の回転を引き起こす。より具体的には、インペラシャフト146を組み込む実施形態では、インペラシャフト146およびインペラ148は、被駆動磁石160とともに回転するように構成される。他の実施形態では、モータ154は、他の構成要素を介して、インペラアセンブリハウジング140に結合してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、コントローラ(図示せず)が、モータ154に動作可能に結合され、モータ154を制御するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、モータハウジング142内に配置されてもよい。他の実施形態では、コントローラは、モータハウジング142の外側(例えば、カテーテルハンドル、独立ハウジング等の中)に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、複数の構成要素を含んでもよく、そのうちの1つ以上は、モータハウジング142内に配置されてもよい。実施形態によれば、コントローラは、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ以上のプログラマブルロジックデバイス(PLD)、1つ以上の複合PLD(CPLD)、1つ以上のカスタム特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上の専用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、1つ以上の中央処理装置(CPU)、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらおよび/もしくは他の構成要素の任意の組み合わせであってもよく、それらを含んでもよく、またはそれらに含まれてもよい。コントローラは、本明細書では単数形で言及されるが、コントローラは、複数の例で実装されてもよく、複数の計算装置にわたって分散されてもよく、複数の仮想マシン内で作成されてもよく、および/または同様のものであってもよい。他の実施形態では、モータ154は、他の方法で制御されてもよい。
【0040】
図2Aは、血管Vの中への挿入後のシステム100の種々の構成要素の部分断面図を示し、そのプロセスは、図7を参照してさらに説明される。具体的には、図2Aは、血液ポンプ102の送達プロセスの少なくとも一部の間、導入器シース134がカニューレ送達ツール170を取り囲むように、導入器シース134内に位置付けられたカニューレ送達ツール170の近位部分172および経皮的循環補助装置102を図示する。例えば、導入器シース134は、カニューレ送達ツール170が導入器シース134内に円周方向に完全に嵌合するように、カニューレ送達ツール170の圧縮された外径194より大きい内径192を有する。このようにして、カニューレ送達ツール170は、導入器シース134と経皮的循環装置102の少なくとも一部との間に位置付けられる。
【0041】
図2Bは、血管Vの中への挿入後のシステム100の種々の構成要素の部分断面図を示す。具体的には、図2Bは、カニューレ116上に圧縮されたカニューレ送達ツール170の遠位部分174と、導入器シース134内に位置付けられたカニューレ送達ツール170とを図示する。図2Aの例示的な実施形態と同様に、カニューレ送達ツール170は、圧縮された外径194を有するように構成される。このようにして、カニューレ送達ツール170は、導入器シース134とカニューレ116との間に位置付けられ、したがって、カニューレ116は、導入器シース134と直接接触しない。これは、本明細書でさらに説明されるように、そうでなければ生じるであろう、導入器シース134とカニューレ116との間の摩擦力を低減させるという利益を提供し得る。カニューレ116およびカニューレ送達ツール170は、経皮的循環補助装置102との使用を参照して説明されるが、装置102と異なり得る種々の他の経皮的循環補助装置が使用されてもよい。さらに、カニューレ116およびカニューレ送達ツール170は、任意の種々の経皮的装置および送達システムとともに使用されてもよい。カニューレ送達ツール170は、本明細書でさらに詳細に説明される。
【0042】
図3は、図2の形態に示されるような圧縮された外径194よりも大きい拡張された外径196を有する拡張形態のカニューレ送達ツール170の上面図を示す。加えて、カニューレ送達ツール170は、近位部分172、遠位部分174、および長手方向軸Lに沿って近位部分172と遠位部分174との間に延在する本体部分176を備える。本体部分176の少なくとも一部分は、図7を参照してさらに説明されるように、スタータチューブ108(図1)の中へのカニューレ送達ツール170の後退を補助するように構成され得る、テーパ状部分178を備える。加えて、カニューレ送達ツール170の本体部分176は、カニューレ送達ツール170に機械加工された複数の閉鎖セル180によって画定される。いくつかの実施形態では、カニューレ送達ツール170は、複数の閉鎖セル180を形成するようにレーザー切断された、ニチノールまたはステンレス鋼等の金属材料から構成される。複数の閉鎖セル180をレーザー切断または別様に機械加工することの使用は、カニューレ送達ツール170の厚さを依然として最小限にしながら、カニューレ送達ツール170が圧縮可能および拡張可能である能力に寄与し得る開口部がカニューレ送達ツール170の中に形成されることを可能にする。例えば、従来の方法では、送達ツール内に複数の閉鎖セルを作成するために、編組設計が使用され得る。しかしながら、編組設計は、材料が織られ、材料の一部が互いの上に積み重ねられる交差部を形成しなければならないため、送達ツールの厚さを増加させる。これは、送達ツールが、例えば、本明細書に説明されるカニューレ送達ツール170の場合のように、付加的構造内に位置付けられる必要がある場合、不利であり得る。加えて、いくつかの実施形態では、カニューレ送達ツール170は、図7を参照してさらに説明されるように、送達中に表面特性を最適化するように、シリコーンまたはPET等の表面コーティングを有する。さらなる実施形態では、表面コーティングは、カニューレ送達ツール170の係数を低減し得る、任意の他の潤滑性コーティングまたは表面処理であってもよい。
【0043】
引き続き図3を参照すると、近位部分172はプレート182を備える。図示されるように、プレート182は、湾曲し、カニューレ送達ツール170の近位に延在し、テザー184に結合する。プレート182は、カニューレ送達ツール170からレーザー切断されるか、または別様に機械加工されてもよい。プレート182は、装置の第1の側186に延在する頂点185を有して示され、第1の側186は、カニューレ送達ツール170の長手方向軸線Lに対して装置の第1の側186として画定される。第1の側186は、カニューレ送達ツール170の上側と称され得る。本明細書の実施形態は、近位部分172にプレート182を備えるように示されているが、他の実施形態では、カニューレ送達ツール170は、プレート182を備えない。これらの実施形態では、送達ツール170は、遠位部分174の構成および/または本体部分176の構成と同様に形成された端部を有してもよい。
【0044】
図4は、図3のカニューレ送達ツール170の側面図を示し、プレート182から近位に延在するテザー184を示す。種々の実施形態では、テザー184は、プレート182に溶接される別個のワイヤであってもよい。溶接されると、テザー184は、テザー184の安定性を増加させるように、溶接保護表面コーティングを備えてもよい。例えば、テザー184の周りに熱収縮を組み込むことができる。さらなる実施形態では、テザー184は、カニューレ送達ツール170を形成する元のチューブをレーザー切断することによって形成されてもよい。これらの実施形態では、テザー184がカニューレ送達ツール170と一体に形成され、結合点における破損の可能性が低減されるという利点が提供され得る。テザーの種々の他の実施形態が組み込まれてもよく、さらなる製造方法が想定され得る。
【0045】
図5は、テザー184に結合されたプレート182を有するカニューレ送達ツール170の近位部分172の拡大断面図を示す。テザー184は、プレート182と同じ側、例示的には第1の側186に沿って延在する。テザー184は、加えて、送達の間、医師がテザー184、したがって、カニューレ送達ツール170の位置付けを識別することを補助するように、放射線不透過性マーカを備えてもよい。先に開示されたように、ガイドワイヤ120は、経皮的循環補助装置102およびカニューレ116を送達するために、例示的な経皮的循環補助システム100と組み合わせて使用され得る。例えば、図5は、ガイドワイヤ120と共に使用されるカニューレ送達ツール170を示す。カニューレ送達ツール170の第1の側186にのみ延在するプレート182の構成に起因して、ガイドワイヤ120は、カニューレ送達ツール170の第2の側188に、カニューレ送達ツール170の中への開放かつ比較的妨げられない通路を有する。第2の側188は、長手方向軸線Lに対して第1の側186の反対側に位置付けられる。これは、カニューレ送達ツール170内にガイドワイヤ120のために形成された一体化された開口部が存在し、ガイドワイヤ120の挿入中のガイドワイヤ120とカニューレ116とカニューレ送達ツール170との間の相互作用が低減され得るため、ガイドワイヤ120がカニューレ送達ツール170を通過し得る容易さを増加させ得る。しかしながら、上述したように、例示の経皮的循環補助システム100は、ガイドワイヤ120なしで使用することもできる。
【0046】
さらに、図6は、カニューレ送達ツール170の遠位部分174をより詳細に示す。具体的には、カニューレ送達ツール170の遠位部分174は、非外傷性端部174aを提供し、したがって、送達中のカニューレ送達ツール170による血管系への激しいおよび/または鋭い衝撃、または任意の損傷を低減させるように機能するように設計されてもよい。加えて、カニューレ送達ツール170は、遠位部分174が非外傷性端部174aを含む場合、血管壁に存在し得る石灰化を除去しない場合がある。例えば、図6の例示的な実施形態は、遠位部分174から遠位に延在する丸みを帯びた頂点190を有する複数の閉鎖セル180の様々な構成を示す。丸みを帯びた頂点190は、突出したまたは尖った端部が組み込まれた場合に存在するであろうものよりも、粗くないまたは鋭くない接触部という利点を提供する。丸みを帯びた頂点190を有するように図示されているが、遠位部分174は、この非外傷性端部174aを提供するように構成が変更されてもよい。
【0047】
図7は、経皮的循環補助装置、例えば、図1および図2を参照して説明した経皮的循環補助装置102を、カニューレ送達ツール170を使用して送達する方法200を示す。以下の方法200は、図7と、少なくとも図1および図2に示されるような構成要素とを参照して説明される。
【0048】
ブロック202において、方法は、最初に、経皮的補助システム、例えば、経皮的循環補助システム100を提供するステップを含む。さらに、ブロック204において、方法200は、例示的な経皮的循環補助システム100のカニューレ116上にカニューレ送達ツール170を延在させるステップを含む。カニューレ送達ツール170をカニューレ116上に延在させるステップは、カニューレ116の全体がカニューレ送達ツール170によって取り囲まれるように、カニューレ送達ツール170を位置付けることを含んでもよい。このステップの間、カニューレ送達ツール170は、カニューレ送達ツール170が拡張された外径196(図3)を有し、カニューレ116上に位置付けることを容易にするように、拡張形態にある。
【0049】
加えて、方法200は、カニューレ送達ツール170および経皮的循環補助装置102をスタータチューブ108内に後退させる、ブロック206に示されるステップを含む。したがって、カニューレ送達ツール170、カニューレ116、および経皮的循環補助装置102は、患者の体内への挿入に備えて、スタータチューブ108内に後退させられる。このステップの間、カニューレ送達ツール170は、拡張された外径196(図3)から圧縮された外径194(図2Aおよび図2B)に圧縮するように構成され、その結果、カニューレ送達ツール170は、スタータチューブ108内に、最終的には導入器シース134内に嵌合する。圧縮された外径194を有するように圧縮するカニューレ送達ツール170の能力は、少なくとも部分的に、プレート182の湾曲形状、カニューレ送達ツール170のテーパ状部分178、およびカニューレ送達ツール170を形成する材料に起因する。このステップの間、カニューレ送達ツール170は、カニューレ送達ツール170がカニューレ116と直接接触するように、圧縮された外径194まで圧縮されてもよい。
【0050】
ブロック208において、方法200は、カニューレ送達ツール170および循環補助装置102を含むスタータチューブ108を導入器シース134に挿入するステップを含む。種々の実施形態では、導入器シース134は、少なくとも部分的に、患者の動脈、例えば、患者の大腿動脈の中にすでに位置付けられている。
【0051】
ブロック210において、方法200は、カニューレ送達ツール170をスタータチューブ108から外に、および部分的に導入器シース134から外に延在させるステップをさらに含む。このステップは、例えば図2に示されるように、カニューレ送達ツール170がスタータチューブ108から押し出されるときに、カニューレ送達ツール170が導入器シース134の内部と直接接触するように、スタータチューブ108が導入器シース134の遠位部分から外に完全には延在されないことをさらに含む。カニューレ送達ツール170が圧縮された外径194に位置付けられた結果として、カニューレ送達ツール170は、スタータチューブ108から配備されたときに導入器シース134内に嵌合するように既に構成されている。前述のように、カニューレ送達ツール170は、カニューレ送達ツール170が導入器シース134内で摺動する容易性を増加させ得る、表面コーティングを含む。加えて、カニューレ送達ツール170内に形成されるレーザー切断された複数の閉鎖セル180はまた、編組構造の使用とは対照的に、カニューレ送達ツール170が、材料の積み重ねられた交点ではなく、材料の1つの主要層を備えるため、カニューレ送達ツール170がカニューレ送達ツール170内で摺動する容易性を増加させ得る。より具体的には、カニューレ送達ツール170は、導入器シース134と接触しているときに、導入器シース134とカニューレ116との接触の間に生じる摩擦係数よりも小さい摩擦係数を有することが可能である。このようにして、カニューレ送達ツール170の使用は、導入器シース134を通るカニューレ116の配備中に摩擦がより少ないという点で、例示的な経皮的循環補助システム100に利点を提供し、そうでなければ、構成要素への故障および損傷を含む、送達プロセスにおける欠陥を引き起こし得る。
【0052】
再び図7を参照すると、ブロック210におけるステップの間、カニューレ116を依然として取り囲むカニューレ送達ツール170は、導入器シース134の遠位部分から外に延在されるが、カニューレ送達ツール170が延在される程度は、テザー184がカニューレ送達ツール170と導入器シース134とを結合するため、テザー184によって制限される。テザー184はまた、所望されるとき、カニューレ送達ツール170を導入器シース134の中に後退させる能力を可能にする。カニューレ送達ツール170が導入器シース134の遠位部分から外に延在するにつれて、カニューレ送達ツール170は、半径方向に拡張する。種々の実施形態では、カニューレ送達ツール170は、カニューレ送達ツール170が拡張された外径196によって再び画定されるように、半径方向に拡張する。
【0053】
方法200は、次いで、カニューレ116をカニューレ送達ツール170から外に延在させることを含む、ブロック212におけるステップを含む。このステップの間、カニューレ116、したがってカニューレ116に結合された経皮的循環補助装置102は、カニューレ送達ツール170から解放される。次いで、循環補助装置102は、患者の血管系を通して患者の心臓の中に配備され得る。いったん循環補助装置102がカニューレ送達ツール170から出ると、カニューレ送達ツール170は、導入器シース134内に、さらにスタータチューブ108内に後退させることができる。導入器シース134の中に後退させられると、カニューレ送達ツール170の直径は、本明細書にさらに説明されるように、圧縮される。
【0054】
さらに、様々な実施形態では、例示的な経皮的循環補助システム100は、カニューレ116および102を配備する際に使用するためのガイドワイヤ120を含んでもよい。例えば、これらの実施形態では、カニューレ上にカニューレ送達ツールを延在させる前に、方法200は、カニューレ送達ツール170を通して、具体的には、図5を参照して議論されるように、第1の側186を通して、および経皮的循環補助装置102を通して、ガイドワイヤ120を延在させるステップを含む。ガイドワイヤ120は、カニューレ116および経皮的循環補助装置102の送達および位置付けを補助するために使用されてもよい。
【0055】
加えて、実施形態では、方法200は、除去のために、テザー184を後退させ、導入器シース134を通して、スタータチューブ108の中へカニューレ送達ツール170を後退させるステップを含んでもよい。このステップは、カニューレ送達ツール170のプレート182の湾曲形状によって最適化され、具体的には、プレート182の湾曲形状は、カニューレ送達ツール170が、導入器シース134内により容易に捕捉され、圧縮された外径196(図2Aおよび図2B)まで圧縮されて戻ることを可能にする。
【0056】
カニューレ送達ツール170およびカニューレ116は、経皮的循環補助装置102を送達するための経皮的循環補助システム100とともに使用されるものとして全体を通して説明されるが、カニューレ送達ツール170およびカニューレ116は、種々の異なるシステムとともに使用されてもよい。具体的には、カニューレ送達ツール170はまた、バルーン、ステント、または血管内に導入される他の半径方向に圧縮可能および拡張可能な装置を含む、装置等の種々の異なる医療装置とともに使用されてもよい。本明細書に説明される実施形態は、限定することを意図するものではなく、その例として提供される。
【0057】
本発明の範囲から逸脱することなく、説明した例示的な実施形態に対して様々な修正および追加を行うことができる。例えば、上述の実施形態は特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲はまた、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、および説明された特徴の全てを含まない実施形態を含む。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲内に入るすべてのそのような代替形態、修正形態、および変形形態を、そのすべての均等物とともに包含することが意図される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】