(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】インバータ及びインバータシステム
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20241018BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529258
(86)(22)【出願日】2023-01-31
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 CN2023073931
(87)【国際公開番号】W WO2023179200
(87)【国際公開日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】202220682108.3
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517112122
【氏名又は名称】陽光電源股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】呉 飛
(72)【発明者】
【氏名】王 暁虎
(72)【発明者】
【氏名】朱 其姚
(72)【発明者】
【氏名】丁 傑
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770DA11
5H770PA01
5H770QA06
5H770QA12
5H770QA14
5H770QA28
(57)【要約】
インバータ及びインバータシステムであって、インバータは、インバータモジュールと配電ユニットを含み、インバータモジュールは、互いに垂直な第1の方向と第2の方向を有し、インバータモジュールに直流入力端と交流出力端が設けられ、直流入力端と交流出力端は第1の方向に沿ってインバータモジュールの両側に分布され、配電ユニットは直流モジュールと交流モジュールを含み、直流モジュールと交流モジュールは、インバータモジュールの第2の方向に沿う同じ端に設けられ、直流入力端は、配電ユニットに向き、交流出力端は、配電ユニットに向き、直流モジュールは、直流入力端に電気的に接続され、交流モジュールは、交流出力端に電気的に接続される。本出願の技術案は、インバータのケーブル使用量を低減し、インバータに対する操作の安全性とメンテナンス性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバータであって、
互いに垂直な第1の方向と第2の方向を有するインバータモジュールであって、前記インバータモジュールに直流入力端と交流出力端が設けられ、前記直流入力端と前記交流出力端は前記第1の方向に沿って前記インバータモジュールの両側に分布されるインバータモジュールと、
直流モジュールと交流モジュールを含む配電ユニットであって、前記直流モジュールと前記交流モジュールは、前記インバータモジュールの前記第2の方向に沿う同じ端に設けられる配電ユニットと、
を含み、
前記直流入力端は、前記配電ユニットに向き、前記交流出力端は、前記配電ユニットに向き、前記直流モジュールは、前記直流入力端に電気的に接続され、前記交流モジュールは、前記交流出力端に電気的に接続される、
ことを特徴とするインバータ。
【請求項2】
前記直流モジュールは、直流スイッチと直流バスバーを含み、前記交流モジュールは、交流スイッチと交流バスバーを含み、
前記直流スイッチは、前記直流バスバーを介して前記直流入力端に電気的に接続され、前記交流出力端は、前記交流スイッチを介して前記交流バスバーに電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のインバータ。
【請求項3】
前記直流モジュールは、直流コンバイナボックスをさらに含み、前記交流モジュールは、交流コンバイナボックスをさらに含み、
前記直流コンバイナボックスと前記交流コンバイナボックスは、前記第1の方向に沿って並設され、前記直流コンバイナボックスは、前記交流出力端が位置する側に位置し、前記交流コンバイナボックスは、前記直流入力端が位置する側に位置し、
前記直流スイッチと前記交流スイッチはそれぞれ独立して前記直流コンバイナボックス内に設けられ、前記直流バスバーと前記交流バスバーはそれぞれ独立して前記交流コンバイナボックス内に設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載のインバータ。
【請求項4】
前記直流バスバーと前記交流バスバーは前記第2の方向に沿って配列され、前記交流バスバーは、前記直流バスバーの前記インバータモジュールから離れた側に位置する、
ことを特徴とする請求項3に記載のインバータ。
【請求項5】
前記インバータモジュールは、前記第1の方向及び前記第2の方向に垂直な第3の方向をさらに有し、前記直流スイッチと前記交流スイッチは前記第3の方向に沿って配列される、
ことを特徴とする請求項4に記載のインバータ。
【請求項6】
インバータシステムであって、
前記インバータシステムは、基体と、少なくとも2つの請求項1~5の何れか1項に記載のインバータとを含み、前記少なくとも2つのインバータは、第3の方向に前記基体に並べて設けられ、前記第3の方向は、前記第1の方向及び前記第2の方向に対して垂直である、
ことを特徴とするインバータシステム。
【請求項7】
前記インバータは2列設けられ、前記2列のインバータは、対称的に間隔をあけて設けられ、前記2列のインバータの直流入力端は、互いに対向し、前記2列のインバータの交流入力端は、後合わせになる、
ことを特徴とする請求項6に記載のインバータシステム。
【請求項8】
前記インバータモジュールは、前記インバータモジュールが前記基体に対して着脱可能になるように、前記基体に摺動接続されている、
ことを特徴とする請求項6に記載のインバータシステム。
【請求項9】
前記基体にスライドレールが設けられ、前記インバータモジュールにスライダが設けられ、前記インバータモジュールは、前記スライダを介して前記スライドレールに摺動嵌合される、
ことを特徴とする請求項8に記載のインバータシステム。
【請求項10】
前記スライドレールの端部に制限部材が設けられており、前記スライダは、前記インバータモジュールが前記基体に位置決めされるように、前記制限部材に当接可能である、
ことを特徴とする請求項9に記載のインバータシステム。
【請求項11】
前記インバータモジュールは、前記第2の方向に沿って第1の端と第2の端とを形成し、前記第1の端は、前記第2の端よりも前記配電ユニットに近く、
前記基体内に第1の放熱ダクトが設けられており、前記第1の放熱ダクトの流れ方向は、前記第1の方向に沿って前記第1の端に対応して前記基体に流入し、前記第2の方向に沿って前記第2の端に対応して前記基体から流出する方向である、
ことを特徴とする請求項6に記載のインバータシステム。
【請求項12】
前記基体内に第2の放熱ダクトが設けられており、前記第2の放熱ダクトの流れ方向は、前記第1の方向及び/又は前記第3の方向と平行であり、前記第2の放熱ダクトは、前記配電ユニットに対応する、
ことを特徴とする請求項6に記載のインバータシステム。
【請求項13】
前記第2の放熱ダクトの流れ方向は、前記第1の方向又は前記第3の方向に沿って前記基体を貫通して流れる方向であり、又は、
前記第2の放熱ダクトの流れ方向は、前記第1の方向及び前記第3の方向に沿って循環流を形成する方向であり、前記基体に熱交換器が設けられており、前記熱交換器の冷却端は、前記第2の放熱ダクト内に位置し、前記熱交換器の加熱端は、前記基体の外側に位置する、
ことを特徴とする請求項12に記載のインバータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年03月25日にて中国専利局に提出した、出願番号が202220682108.3であって、発明の名称が「インバータ及びインバータシステム」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、その全ての内容は、援用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は、インバータ装置の分野に関し、特にインバータ及びインバータシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、光起電力システムのインバータは、集中型インバータと組列型インバータ(ストリングインバータとも呼ばれる)を主とする。大型地上発電所について、組列型インバータは、MPPTの最適化の面で明らかな利点があるが、その分散式の配置方式は比較的に、取り付けとメンテナンスが不便であり、ケーブル経路が長く損失が大きいという欠陥がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、インバータのケーブル使用量を低減し、インバータに対する操作の安全性とメンテナンス性を向上させるインバータ及びインバータシステムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、上記の目的を達成するために、インバータを提供し、前記インバータは、
互いに垂直な第1の方向と第2の方向を有するインバータモジュールであって、前記インバータモジュールに直流入力端と交流出力端が設けられ、前記直流入力端と前記交流出力端は前記第1の方向に沿って前記インバータモジュールの両側に分布されるインバータモジュールと、
直流モジュールと交流モジュールを含む配電ユニットであって、前記直流モジュールと前記交流モジュールは、前記インバータモジュールの前記第2の方向に沿う同じ端に設けられる配電ユニットと、
を含み、
前記直流入力端は、前記配電ユニットに向き、前記交流出力端は、前記配電ユニットに向き、前記直流モジュールは、前記直流入力端に電気的に接続され、前記交流モジュールは、前記交流出力端に電気的に接続される。
【0006】
任意選択で、前記直流入力端は、前記配電ユニットに向き、前記交流出力端は、前記配電ユニットに向く。
【0007】
任意選択で、前記直流モジュールは、直流スイッチと直流バスバーを含み、前記交流モジュールは、交流スイッチと交流バスバーを含み、
前記直流スイッチは、前記直流バスバーを介して前記直流入力端に電気的に接続され、前記交流出力端は、前記交流スイッチを介して前記交流バスバーに電気的に接続される。
【0008】
任意選択で、前記直流モジュールは、直流コンバイナボックスをさらに含み、前記交流モジュールは、交流コンバイナボックスをさらに含み、
前記直流コンバイナボックスと前記交流コンバイナボックスは、前記第1の方向に沿って並設され、前記直流コンバイナボックスは、前記交流出力端が位置する側に位置し、前記交流コンバイナボックスは、前記直流入力端が位置する側に位置し、
前記直流スイッチと前記交流スイッチはそれぞれ独立して前記直流コンバイナボックス内に設けられ、前記直流バスバーと前記交流バスバーはそれぞれ独立して前記交流コンバイナボックス内に設けられる。
【0009】
任意選択で、前記直流バスバーと前記交流バスバーは前記第2の方向に沿って配列され、前記交流バスバーは、前記直流バスバーの前記インバータモジュールから離れた側に位置する。
【0010】
任意選択で、前記インバータモジュールは、前記第1の方向及び前記第2の方向に垂直な第3の方向をさらに有し、前記直流スイッチと前記交流スイッチは前記第3の方向に沿って配列される。
【0011】
本出願は、上記の目的を達成するために、インバータシステムを提供し、前記インバータシステムは、基体と、少なくとも2つの上記のようなインバータとを含み、前記少なくとも2つのインバータは、第3の方向に前記基体に並べて設けられ、前記第3の方向は前記第1の方向及び前記第2の方向に対して垂直である。
【0012】
任意選択で、前記インバータは2列設けられ、前記2列のインバータは、対称的に間隔をあけて設けられ、前記2列のインバータの直流入力端は、互いに対向し、前記2列のインバータの交流入力端は、後合わせになる。
【0013】
任意選択で、前記インバータモジュールは、前記インバータモジュールが前記基体に対して着脱可能になるように、前記基体に摺動接続されている。
【0014】
任意選択で、前記基体にスライドレールが設けられ、前記インバータモジュールにスライダが設けられ、前記インバータモジュールは、前記スライダを介して前記スライドレールに摺動嵌合される。
【0015】
任意選択で、前記スライドレールの端部に制限部材が設けられており、前記スライダは、前記インバータモジュールが前記基体に位置決めされるように、前記制限部材に当接可能である。
【0016】
任意選択で、前記インバータモジュールは、前記第2の方向に沿って第1の端と第2の端とを形成し、前記第1の端は、前記第2の端よりも前記配電ユニットに近く、
前記基体内に第1の放熱ダクトが設けられており、前記第1の放熱ダクトの流れ方向は、前記第1の方向に沿って前記第1の端に対応して前記基体に流入し、前記第2の方向に沿って前記第2の端に対応して前記基体から流出する方向である。
【0017】
任意選択で、前記基体内に第2の放熱ダクトが設けられており、前記第2の放熱ダクトの流れ方向は、前記第1の方向及び/又は前記第3の方向と平行であり、前記第2の放熱ダクトは、前記配電ユニットに対応する。
【0018】
任意選択で、前記第2の放熱ダクトの流れ方向は、前記第1の方向又は前記第3の方向に沿って前記基体を貫通して流れる方向であり、又は、
前記第2の放熱ダクトの流れ方向は、前記第1の方向及び前記第3の方向に沿って循環流を形成する方向であり、前記基体に熱交換器が設けられており、前記熱交換器の冷却端は、前記第2の放熱ダクト内に位置し、前記熱交換器の加熱端は、前記基体の外側に位置する。
【0019】
本出願の技術案では、配電ユニット、即ち、直流モジュールと交流モジュールをともにインバータモジュールの同じ端に置くことにより、インバータ全体の構造をコンパクトにすることができ、同時に、インバータモジュールの直流入力端と交流出力端をいずれも配電ユニットに向けて配置することにより、インバータモジュールと直流モジュール及び交流モジュールとの間の直流配線と交流配線を垂直接続の効果に達成させ、さらに、ケーブルの曲げ半径によるケーブル使用量を低減させて、インバータの全体的なケーブル使用量を少なくすることができる。ケーブルの曲げ半径を小さくすることで、インバータモジュールと配電ユニットとの間の距離をさらに小さくし、インバータモジュールの取り付け重心を低くすることができ、その結果、作業者の操作の安全性とメンテナンス性を高めることができる。
【0020】
本出願の実施例又は先行技術における技術案をより明確に説明するために、以下に実施例又は先行技術の記述において使用する必要がある図面について簡単に説明する。明らかに、以下の記述における図面は本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に示された構造に基づいて他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本出願のインバータシステムの一実施例の概略構成図
【
図2】本出願のインバータシステムの別の実施例の概略構成図
【
図3】
図1に示すインバータシステムのインバータの概略構成図
【
図4】
図1に示すインバータシステムのインバータの別の視角の概略構成図
【
図5】
図1に示すインバータシステムのインバータが基体に対して摺動する概略構成図
【
図6】
図1に示すインバータシステムのインバータが基体に対して摺動する別の視角の概略構成図
【
図7】
図1に示すインバータシステムの第1の放熱ダクトの概略構成図
【
図8】
図1に示すインバータシステムの第2の放熱ダクトの概略構成図
【符号の説明】
【0022】
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本出願の実施例における図面を結合して、本出願の実施例における技術案について、明確かつ完全に説明する。明らかに、記述された実施例は、本出願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得したその他のすべての実施例は、本出願の保護の範囲に属する。
【0024】
なお、本出願の実施例において方向性指示(例えば、上、下、左、右、前、後…)がある場合、この方向性指示は、(図面に示す)ある特定の姿勢における各部品間の相対的な位置関係、運動状況などを説明するためにのみ使用され、その特定の姿勢が変化すると、その方向性指示もそれに応じて変化する。
【0025】
また、本出願の実施例において「第1の」、「第2の」などの記述がある場合、この「第1の」、「第2の」などの記述は、説明の目的のためにのみ使用され、それらの相対的な重要性を示したり暗示したり、指示された技術的特徴の数を暗黙的に示したりするとは理解できない。由此、「第1の」、「第2の」で限定される特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示的または暗黙的に含むことができる。また、各実施例間の技術案は、互いに組み合わせてもよいが、当業者が実現できることを基礎としなければならず、技術案の組み合わせに矛盾が生じたり、実現できなかったりした場合、この技術案の組み合わせは存在せず、本出願が主張する保護範囲内に含まれないと考えるべきである。
【0026】
本出願は、インバータ10を提供する。
【0027】
本出願の実施例では、
図1及び4に示すように、当該インバータ10は、インバータモジュール11、配電ユニットを含み、インバータモジュール11は、互いに垂直な第1の方向と第2の方向を有し、インバータモジュール11は、直流入力端111と交流出力端112が設けられており、直流入力端111と交流出力端112は第1の方向に沿ってインバータモジュール11の両側に分布される。配電ユニットは、直流モジュール12と交流モジュール13を含み、直流モジュール12と交流モジュール13は、インバータモジュール11の第2の方向に沿う同じ端に設けられ、直流入力端111は配電ユニットに向き、交流出力端112は配電ユニットに向き、直流モジュール12は直流入力端111に電気的に接続され、交流モジュール13は交流出力端112に電気的に接続される。
【0028】
なお、
図1におけるX方向は第1の方向、Z方向は第2の方向、Y方向は第3の方向であり、以下の方向及び座標に関する記述は、
図1を参照することができる。説明の便宜上、以下では、第1の方向を前後方向、第2の方向を上下方向、第3の方向を左右方向として説明する。
【0029】
具体的に、インバータモジュール11と配電ユニットからなるインバータ10は、2層構造であり、インバータモジュール11は、上層に配置され、配電ユニット、即ち、直流モジュール12及び交流モジュール13は下層に配置される。直流モジュール12の入力端は、外部直流デバイス、例えばコンバイナボックス、エネルギー貯蔵デバイスなどに接続され、直流モジュール12の出力端は、インバータモジュール11の直流入力端111に接続され、交流モジュール13の入力端は、インバータモジュール11の交流出力端112に接続され、交流モジュール13の出力端は外部負荷またはトランスに接続される。インバータモジュール11は、入力された直流電力を交流電力に変換するモジュールである。上記の設置により、外部直流デバイスの直流電力を交流電力に変換して外部負荷に出力する機能を実現することができる。
【0030】
本技術案では、配電ユニット、即ち、直流モジュール12と交流モジュール13をともにインバータモジュール11の同じ端に置くことにより、インバータ10全体の構成をコンパクトにすることができる。同時に、インバータモジュール11の直流入力端111と交流出力端112をいずれも配電ユニットに向けて配置することにより、即ち、直流出力端と交流出力端112を上下方向(第2の方向)に設けることにより、直流出力端と交流出力端112を水平方向(第1の方向)に設ける場合と比較して、本インバータ10は、インバータモジュール11と直流モジュール12及び交流モジュール13との間の直流配線と交流配線を垂直接続の効果に達成させ、さらに、ケーブルの曲げ半径によるケーブル使用量を低減させて、インバータ10全体のケーブル使用量を少なくすることができる。ケーブルの曲げ半径を小さくすることで、インバータモジュール11と配電ユニットとの距離をさらに小さくし、インバータモジュール11の取り付け重心を低くすることができ、その結果、作業者の操作の安全性とメンテナンス性を高めることができる。
【0031】
一実施例では、
図3及び
図4を参照して、直流モジュール12は、直流スイッチ122と直流バスバー123を含み、交流モジュール13は、交流スイッチ132と交流バスバー133を含み、直流スイッチ122は、直流バスバー123を介して直流入力端111に電気的に接続され、交流出力端112は、交流スイッチ132を介して交流バスバー133に電気的に接続される。
【0032】
具体的に、直流モジュール12の入力端は、直流スイッチ122であり、直流モジュール12の出力端は、直流バスバー123であり、直流スイッチ122は、直流バスバー123に接続される。また、直流モジュール12は、直流接続ケーブル124をさらに含み、直流バスバー12は、直流接続ケーブル124によりインバータモジュール11の直流入力端111に接続され、交流モジュール13の入力端は、交流スイッチ132であり、交流モジュール13の出力端は、交流バスバー133であり、交流スイッチ132は、交流バスバー133に接続される。また、交流モジュール13は、交流接続ケーブル134をさらに含み、交流スイッチ132は、交流接続ケーブル134によりインバータモジュール11の交流出力端112に接続される。また、外部直流デバイスは、直流入力ケーブルを介して直流スイッチ122に接続されている。
【0033】
直流スイッチ122は、遮断器/負荷スイッチであってもよく、交流スイッチ132は、ヒューズ結合スイッチであってもよい。電流は、外部直流デバイスから入力された後、直流モジュール12における直流遮断器/負荷スイッチを経て直流バスバー123(銅ブスバー)で直列に接続された後、入インバータモジュール11の直流入力端111に入り、その後、インバータモジュール11の交流出力端112から交流モジュール13のヒューズ結合スイッチに出力され、最後に交流コンバイナボックス131に入り、交流バスバー133(銅ブスバー)を介して合流する。
【0034】
インバータモジュール11と直流モジュール12及交流モジュール13との間の垂直接続により、直流接続ケーブル124と交流接続ケーブル134の曲げ半径によるケーブル使用量を低減させて、インバータモジュール11全体のケーブル使用量を少なくすることができる。直流接続ケーブル124と交流接続ケーブル134の曲げ半径が小さくなることで、インバータモジュール11と配電ユニットとの間の距離をさらに小さくし、インバータモジュール11の取り付け重心を低くすることができ、その結果、作業者の操作の安全性とメンテナンス性を高めることができる。
【0035】
一実施例では、
図3及び
図4を参照して、直流モジュール12は、直流コンバイナボックス121をさらに含み、交流モジュール13は、交流コンバイナボックス131をさらに含み、直流コンバイナボックス121と交流コンバイナボックス131は第1の方向に並設され、直流コンバイナボックス121は、交流出力端112が位置する側に位置し、交流コンバイナボックス131は、直流入力端111が位置する側に位置し、直流スイッチ122と交流スイッチ132はそれぞれ独立して直流コンバイナボックス121内に設けられ、直流バスバー123と交流バスバー133はそれぞれ独立して交流コンバイナボックス131内に設けられる。
【0036】
具体的に、直流コンバイナボックス121と交流コンバイナボックス131は前後方向に並んでおり、交流モジュール13は、直流コンバイナボックス121及び交流コンバイナボックス131の両方の上方に位置している。直流コンバイナボックス121は、交流コンバイナボックス131から離れた側に、直流コンバイナボックス121を密閉又は露出させるように、開閉可能な可動ドアが設けられている。直流スイッチ122と交流スイッチ132を直流コンバイナボックス121内に共同で取り付けることにより、作業者がインバータ10の直流コンバイナボックス121が位置する側でスイッチデバイスを直接操作するのに便利であり、作業者の操作の安全性とメンテナンス性を高めることができる。
【0037】
一実施例では、
図4を参照して、直流バスバー123と交流バスバー133は第2の方向に配列され、交流バスバー133は、直流バスバー123のインバータモジュール11から離れた側に位置する。
【0038】
具体的に、直流バスバー123は、直流コンバイナボックス121の後部であって、交流コンバイナボックス131内の上方空間に配置され、即ち、直流バスバー123と交流バスバー133は、交流コンバイナボックス131内に共同で取り付けられており、直流バスバー123は、交流バスバー133の上方に位置する。両者が互いに干渉することを防止するために、両者の間に仕切りを設けることができる。これに対応して、直流スイッチ122の位置は、交流スイッチ132よりもわずかに高い。交流スイッチ132(ヒューズ結合スイッチ)は、上進下出の接続形態であるため、交流コンバイナボックス131を直流コンバイナボックス121の後側に配置し、ヒューズ結合スイッチは、線が引き出された後、交流コンバイナボックス131に入り交流バスバー133に接続し、経路を最短にしながら、交流経路と直流経路の交差を回避する。また、インバータモジュール11の直流入力端111は、後側側面に設計され、インバータモジュール11の交流出力端112は、前側側面に設計され、このように設計することで、直流モジュール12の出力端及び交流モジュール13の入力端とインバータモジュール11との配線経路を最短にするように、下方のデバイスレイアウトに合わせることができる。
【0039】
一実施例では、
図3を参照して、インバータモジュール11は第1の方向及び第2の方向に垂直な第3の方向をさらに含み、直流スイッチ122と交流スイッチ132は第3の方向に配列される。
【0040】
具体的に、直流スイッチ122は2つ設けられてもよく、2つの直流スイッチ122は中央に配置され、交流スイッチ132は2つ設けられてもよく、2つの交流スイッチ132は2つの直流スイッチ122の左右両側に配置される。このように設けることにより、交流スイッチ132と直流スイッチ122をずらして、交差配線を回避することができる。
【0041】
本出願はインバータシステム100をさらに提供し、当該インバータシステム100は、基体50と、少なくとも2つのインバータ10とを含み、当該インバータ10の具体的な構成は上記実施例を参照し、本インバータシステム100は、上記の全ての実施例の全ての技術案を採用しているので、少なくとも上記の実施例の技術案による全ての有益な効果を有しており、ここでは説明を省略する。少なくとも2つのインバータ10は、第3の方向に沿って基体50に並設され、第3の方向は、第1の方向及び第2の方向に対して垂直である。
【0042】
具体的に、基体50は、底部に位置するプラットフォーム51と、プラットフォーム51に接続された支持フレーム52を含む。プラットフォーム51は、複数のインバータ10を搭載するためのものであり、支持フレーム52は、プラットフォーム51上に各インバータ10を取り付けるための複数の構造空間を形成している。なお、支持フレーム52の外側は、基体50の内部に相対的に閉鎖された空間を形成するように囲い板で囲むことができ、これにより、インバータ10を保護して、インバータ10の異なるIPレベル(保護レベル、防塵、防水などの側面を含む)に対する要件を満たす。
【0043】
一実施例では、
図1を参照して、インバータ10は2列設けられ、2列のインバータ10は、対称的に間隔をあけて設けられ、2列のインバータ10の直流入力端111は互いに対向し、2列のインバータ10の交流入力端は後合わせになる。
【0044】
具体的に、各列の複数のインバータ10は左右方向に沿って順に配置され、2列のインバータ10は前後に配置され、2列のインバータ10の間に、引き回し空間が確保されるように、間隔が設けられている。2列のインバータ10のうち、各列のインバータ10の交流出力端112はいずれも基体50外側に位置し、それに対応して、各列のインバータ10の直流入力端111はいずれも基体50の内側に位置している。このように設けることにより、インバータ10を下方の配電ユニットのデバイスレイアウトに合わせて、直流スイッチ122と交流スイッチ132を基体50の外側に配置することができ、作業者が基体50の外側でスイッチデバイスを直接操作するのに便利であり、作業者の操作の安全性とメンテナンス性を高めることができる。同時に、直流モジュール12の出力端及び交流モジュール13の入力端とインバータモジュール11との配線経路を最短にすることができ、ケーブル使用量を低減することができる。
【0045】
本実施例における基体50は、輸送要件を満たすために、標準的な20フィートコンテナの外形寸法を採用することができる。基体50の空間寸法内で容量の最大化を実現するために、本実施例は、
図1に示すように2列のインバータ10が対称に配置されることを使用している。実際の運用では、
図2に示すように、基体50上に単列のインバータ10を配置する形式を採用することもできる。
【0046】
一実施例では、
図5及び
図6を参照して、インバータモジュール11は、基体50に対してインバータモジュール11が着脱可能になるように、基体50に摺動接続されている。
【0047】
具体的に、基体50は、プラットフォーム51と、プラットフォーム51に接続された支持フレーム52とを含み、インバータモジュール11は、当該支持フレーム52に着脱可能に取り付けられている。インバータモジュール11と支持フレーム52との着脱方式は、摺動接続である。このように、作業者が基体50上のインバータモジュール11を迅速に着脱するのに便利であり、基体50上のインバータモジュール11を迅速に交換し、メンテナンスするのにも便利である。
【0048】
一実施例では、
図5及び
図6を参照して、基体50にスライドレール53が設けられ、インバータモジュール11にスライダ14が設けられ、インバータモジュール11はスライダ14を介してスライドレール53に摺動嵌合している。
【0049】
具体的に、インバータモジュール11と支持フレーム52とは、摺動接続を採用し、支持フレーム52とインバータモジュール11との嵌合する上下面にスライディングバイスが設けられ、これにより、インバータシステム100の輸送中の各インバータ10と基体50との間の安定性を保証することができる。勿論、実際の運用では、インバータモジュール11の上面または下面または両側面に少なくとも1つのスライディングバイスを使用してもよい。
【0050】
一実施例では、
図5及び
図6を参照して、スライドレール53の端部に制限部材54が設けられており、スライダ14は、インバータモジュール11が基体50に位置決めされるように、制限部材54に当接することができる。
【0051】
具体的に、制限部材54は、スライドレール53の端部がスライドレール53の延在方向に対して垂直に突出するストッパ構造であってもよい。インバータ10を支持フレーム52に沿って所定の位置に摺動させると、インバータ10上のスライダ14は、スライドレール53の末端の制限部材54に当接し、インバータ10を所定の位置に停止させ、これにより、インバータモジュール11が正常な動作状態と輸送中に所定の位置から滑り落ちる問題が発生しないことを保証する。スライドレール53の両端にいずれも制限部材54を設けることができ、理解できるように、スライドレール53の一方の端部の制限部材54は、固定構造であり、スライドレール53の他方の端部の制限部材54は可動構造であり、可動の制限部材はインバータ10の着脱時に開き、インバータ10を正常に使用する時に固定される。
【0052】
一実施例では、
図7を参照して、インバータモジュール11は第2の方向に沿って第1の端と第2の端を形成し、第1の端は第2の端よりも配電ユニットに近く、基体50内に第1の放熱ダクト55が設けられており、第1の放熱ダクト55の流れ方向は、第1の方向に沿って第1の端に対応して基体50に流入し、第2の方向に沿って第2の端に対応して基体50から流出する方向である。
【0053】
具体的に、基体50は、プラットフォーム51と、プラットフォーム51に接続された支持フレーム52を含み、支持フレーム52の外側は、囲い板で囲むことができ、基体50の内部に相対的に閉鎖された空間を形成し、インバータ10を保護する。この場合、インバータ10を放熱する必要がある。本実施例では、放熱構造は、インバータモジュール11を個別に放熱する第1の放熱ダクト55を含む。第1の放熱ダクト55は、基体50の内部空間にバッフル板を設けることにより仕切られて構成することができる。また、基体50の表面に、第1の放熱ダクト55の第1の吸気口及び第1の排気口が開設され、第1の吸気口は、基体50のインバータモジュール11に対応する第1の端の側面に位置し、第1の排気口は、基体50のインバータモジュール11に対応する第2の端の上面に位置する。同時に、第1の放熱ダクト55内に第1のファンを取り付けて、第1の放熱ダクト55内の空気の流れを限定することができる。このように、第1の放熱ダクト55に下吸気上排気モードを形成させ、インバータモジュール11を効果的に放熱することができ、しかも、隣接するインバータ10間の排気口の熱影響を回避することができる。
【0054】
一実施例では、
図8を参照して、基体50内に第2の放熱ダクト56が設けられており、第2の放熱ダクト56の流れ方向は、第1の方向及び/又は第3の方向と平行であり、第2の放熱ダクト56は配電ユニットに対応する。
【0055】
本実施例では、基体50の放熱構造は、配電ユニットを個別に放熱する第2の放熱ダクト56をさらに含む。第2の放熱ダクト56により配電ユニット周りの空气の流れを速めて、配電ユニットを効率的に放熱することができる。第2の放熱ダクト56は水平に配置され、第1のダクトは下進上出の方式であり、即ち、本方案のシステム構造配置は、放熱形式上で両ダクトを空間的に垂直に配置する方式を使用して、2つの放熱ダクトの結合影響を最大限に回避することができる。
【0056】
一実施例では、第2の放熱ダクト56の流れ方向は、第1の方向又は第3の方向に沿って基体50を貫通して流れる方向である。
【0057】
一実施形態として、第2の放熱ダクト56は、一部の風口が水平方向に出入りする直通風の形態を採用し、即ち、第2の放熱ダクト56の第2の吸気口と第2の排気口はそれぞれ基体50の対向する両端部に位置する。第2の放熱ダクト56内に第2のファンを取り付け、外気を第2の放熱ダクト56に流入させて流出させることにより、配電ユニットの効率的な放熱を実現することができる。同時に、このような配置により、配電ユニットの熱風がインバータモジュール11の放熱効果に影響することを回避することができる。
【0058】
一実施例では、
図8を参照して、第2の放熱ダクト56の流れ方向は、第1の方向及び第3の方向に沿って循環流を形成する方向であり、基体50に熱交換器57が設けられおり、熱交換器57の冷却端は第2の放熱ダクト56内に位置し、熱交換器57の加熱端は基体50の外側に位置する。
【0059】
一実施形態として、第2の放熱ダクト56は熱交換器57の形態を採用する。第2の放熱ダクト56は、基体50の内部空間に設けられた閉ループ状のダクトであり、同時に、基体50に第2の放熱ダクト56に対応して熱交換器57が設けられている。このように、配電ユニットの熱を内部循環の形で持ち去り、熱交換器57で熱を交換して外部に伝達する。具体的な実施例では、
図8に示すように、熱交換器57は、基体50の第3の方向に沿う両端の位置に取り付けられてもよい。別の具体的な実施例では、インバータシステム100が間隔をあけて設けられた2列のインバータ10を含む場合、熱交換器57は、2列のインバータ10の間の通路の内側位置に取り付けられてもよい。
【0060】
第2の放熱ダクト56が直通風の形態を採用するか、それとも熱交換器57の形態を採用するかは、インバータシステム100のIPレベルの要件に依存する。熱交換器57の形態は、インバータシステム100のIPレベルに対するより高い要件を満たすことができることが理解される。
【0061】
以上の説明は、本出願の好ましい実施例に過ぎず、本出願の特許範囲を限定するものではない。本出願の発明構想の下で、本出願の明細書及図面の内容を利用して行った等価構造変換、あるいは直接/間接的に他の関連技術分野で使用することはすべて本出願の特許保護範囲内に含まれる。
【国際調査報告】