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特表2024-539434グラファイトシート用ポリイミドフィルムおよびこれから製造されたグラファイトシート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】グラファイトシート用ポリイミドフィルムおよびこれから製造されたグラファイトシート
(51)【国際特許分類】
   C08G 73/10 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
C08G73/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529283
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 KR2022018054
(87)【国際公開番号】W WO2023090838
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0157397
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520160738
【氏名又は名称】ピーアイ・アドバンスド・マテリアルズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ヒョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,ドン ヨン
【テーマコード(参考)】
4J043
【Fターム(参考)】
4J043PA02
4J043QB26
4J043RA35
4J043SA06
4J043SA47
4J043SB01
4J043TA22
4J043TA71
4J043TB01
4J043UA032
4J043UA121
4J043UA122
4J043UA131
4J043UB011
4J043UB121
4J043UB122
4J043UB152
4J043UB302
4J043UB402
4J043VA021
4J043VA022
4J043VA041
4J043VA061
4J043VA062
4J043VA081
4J043XA03
4J043XA16
4J043XB19
4J043XB27
4J043YA06
4J043YA30
4J043ZA34
4J043ZB47
(57)【要約】
本願は、イミド化触媒としてキノリン(quinoline)およびβ-ピコリン(β-picoline)を含み、脱水剤として酢酸無水物(acetic anhydride)を含むポリアミック酸をイミド化反応させて得られたポリイミドフィルムおよびこれから製造されたグラファイトシートを開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イミド化触媒としてキノリン(quinoline)およびβ-ピコリン(β-picoline)を含み、
脱水剤として酢酸無水物(acetic anhydride)を含むポリアミック酸をイミド化反応させて得られた、
ポリイミドフィルム。
【請求項2】
前記キノリンを、前記ポリアミック酸中のアミック酸基1モルに対して、0.1モル%以上、1.5モル%以下で含み、
前記β-ピコリンを、前記ポリアミック酸中のアミック酸基1モルに対して、0.1モル%以上、1モル%以下で含む、
請求項1に記載のポリイミドフィルム。
【請求項3】
前記キノリンのモル%および前記β-ピコリンのモル%の比(キノリンのモル%/β-ピコリンのモル%)が1以上3以下である、
請求項1に記載のポリイミドフィルム。
【請求項4】
前記酢酸無水物を、前記ポリアミック酸中のアミック酸基1モルに対して、1モル%以上、4モル%以下で含む、
請求項1に記載のポリイミドフィルム。
【請求項5】
前記β-ピコリンのモル%および前記酢酸無水物のモル%の比(β-ピコリンのモル%/酢酸無水物のモル%)が0.11以上0.50以下である、
請求項1に記載のポリイミドフィルム。
【請求項6】
前記ポリアミック酸は、ジメチルホルムアミド(Dimethylformamide、DMF)を、前記ポリアミック酸中のアミック酸基1モルに対して、1モル%以上、3モル%以下で含む、
請求項1に記載のポリイミドフィルム。
【請求項7】
前記ポリイミドフィルムは、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、またはこれらの組み合わせを含む二無水物単量体、および
4,4’-オキシジアニリン、3,4’-オキシジアニリン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-メチレンジアニリン、3,3’-メチレンジアニリン、またはこれらの組み合わせを含むジアミン単量体から形成された、
請求項1に記載のポリイミドフィルム。
【請求項8】
前記ポリイミドフィルムは、グラファイトシート製造用である、
請求項1~7のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムを炭化、黒鉛化、または炭化および黒鉛化するステップを含む、
グラファイトシートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラファイトシート用ポリイミドフィルムおよびこれから製造されたグラファイトシートに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の電子機器は軽量化、小型化、薄型化および高集積化されており、これによって電子機器には多くの熱が発生している。このような熱は、製品の寿命を短縮させたり、故障、誤作動などを誘発することがある。したがって、電子機器に対する熱管理が重要な懸案として浮上している。
グラファイトシートは、銅やアルミニウムなどの金属シートより高い熱伝導率を有し、電子機器の放熱部材として注目されている。特に、薄型グラファイトシート(例えば、約40μm以下の厚さを有するグラファイトシート)に比べて熱収容量の面で有利な高厚度グラファイトシート(例えば、約50μm以上の厚さを有するグラファイトシート)に関する研究が活発に進められている。
グラファイトシートは多様な方法で製造できるが、例えば、高分子フィルムを炭化および黒鉛化させて製造できる。特に、ポリイミドフィルムは、これらの優れた機械的熱的寸法安定性、化学的安定性などによってグラファイトシート製造用高分子フィルムとして注目されている。
【0003】
高厚度グラファイトシートを製造するためには、高厚度ポリイミドフィルムの製造が先行されなければならないが、ポリアミック酸溶液をキャスティングし、熱処理してポリイミドフィルムを製造する通常の方法では内部、外部の均一な硬化が難しくて分層、気泡などが発生するため、高厚度ポリイミドフィルムの製造が難しい問題がある。
すなわち、高厚度ポリイミドフィルムの厚さによって、ポリイミドフィルムの表面と内部の乾燥速度が異なって内部発生ガスの排出が難しくなったり、表面と内部の配向程度が異なってグラファイトが製造される過程で生じる体積変化に耐えられず、形態が維持できない問題がある。
特に、同一組成のポリイミドフィルムは、厚さが厚くなるほど引張変形率が低下する。
【0004】
一方、グラファイト化が可能な高厚度ポリイミドフィルムを作るためには、一定水準以上の引張変形率を維持しなければならないが、全体的に引張変形率が低くなると、製膜工程で破断が多数発生して、工程効率が大きく低下する。
このような破断の発生を防止するために可塑剤を使用するが、可塑剤の使用時、グラファイトシートの発泡厚さの調節が難しく、グラファイトシートの熱拡散特性が低下する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2017-0049912号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、2種のイミド化触媒をともに用いることで、表面と内部特性の均一性が確保され、フィルムの製造時に破断が発生しない引張変形特性に優れたグラファイトシート用高厚度ポリイミドフィルムを提供することである。
本発明の他の目的は、前記ポリイミドフィルムからグラファイトシートの製造方法および
これから製造された優れた品質のグラファイトシートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための、本発明の一実施形態は、イミド化触媒としてキノリン(quinoline)およびβ-ピコリン(β-picoline)を含み、
脱水剤として酢酸無水物(acetic anhydride)を含むポリアミック酸をイミド化反応させて得られた、
ポリイミドフィルムを提供する。
本発明の他の実施形態は、前記ポリイミドフィルムを炭化、黒鉛化、または炭化および黒鉛化するステップを含む、
グラファイトシートの製造方法を提供する。
本発明のさらに他の実施形態は、前記グラファイトシートの製造方法により製造されるグラファイトシートを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、2種のイミド化触媒をともに用いることで、表面と内部特性の均一性が確保され、フィルムの製造時に破断が発生しない引張変形特性に優れたグラファイトシート用高厚度ポリイミドフィルム、前記ポリイミドフィルムからグラファイトシートを製造する方法およびこれから製造された優れた特性のグラファイトシートを提供する効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態および実施例を詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態および実施例に限定されない。本明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。本明細書中、単数の表現は、文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
構成要素を解釈するにあたり、別の明示的記載がなくても誤差範囲を含むと解釈する。
本明細書において、数値範囲を示す「a~b」の「~」は、≧aかつ≦bで定義する。
【0010】
本発明の一態様によるポリイミドフィルムは、イミド化触媒としてキノリン(quinoline)およびβ-ピコリン(β-picoline)を含み、
脱水剤として酢酸無水物(acetic anhydride)を含むポリアミック酸をイミド化反応させて得られる。
1種のイミド化触媒のみを用いる場合、イミド化反応初期の硬化温度が低く、硬化速度が速いイミド化触媒は、ポリイミドフィルムの硬化度を低下させにくいことがある。また、硬化速度が速すぎると、乾燥過程で収縮が発生するなどの工程トラブルが発生して後工程につながりにくいことがある。
【0011】
一方、イミド化反応初期の反応速度が遅くかつ長く残っているイミド化触媒や、イミド化反応初期の反応速度が速いものの早く蒸発するイミド化触媒は、初期のポリイミドのイミド化が不十分である問題が発生しうる。
したがって、反応速度が互いに異なり、初期および後期のイミド化反応にそれぞれ影響を与えることができる2種の触媒を混合して用いることにより、ポリイミドフィルムのイミド化を調節することができる。
【0012】
すなわち、初期のイミド化反応速度が速いイミド化触媒を用いてイミド化反応初期に基礎反応を起こし、表面と内部の均一性を確保しつつ、硬化度は後続工程に好適に維持することができる。
これと同時に、イミド化反応速度が遅く、反応温度が高いイミド化触媒をともに用いることで、ポリイミドフィルムの製膜後半部の工程まで残り、ポリイミドフィルムの機械的特性を向上させ、工程性を向上させることができる。
特に、キノリンは、ポリイミドフィルムの製造時、製造工程中の高温の区間においてもイミド化が進められて十分なイミド化時間の確保に寄与できるが、β-ピコリンとともに使用しなければゲルフィルムが形成されず、ポリイミドフィルムを得ることができない。
また、キノリンを用いず、β-ピコリンのみを用いる場合には、引張変形特性が大きく低下した。
すなわち、キノリンおよびβ-ピコリンをともに用いず、それぞれ使用する場合には、ポリイミドフィルムを得ることができなかったり、ポリイミドフィルムの物性(引張変形特性)が低下することがある。
【0013】
一実施形態において、前記キノリンは、ポリアミック酸中のアミック酸基1モルに対して、0.1モル%以上、1.5モル%以下で含まれ、前記β-ピコリンは、前記ポリアミック酸中のアミック酸基1モルに対して、0.1モル%以上、1モル%以下で含まれる。
一実施形態において、前記キノリンのモル%およびβ-ピコリンのモル%の比(キノリンのモル%/β-ピコリンのモル%)が1以上3以下であってもよい。
前記キノリンおよびβ-ピコリンの含有量範囲を外れる場合、ポリイミドフィルムの物性(引張変形特性)が低下したり、収縮が過度に発生してポリイミドフィルムが形成されない。
一実施形態において、前記酢酸無水物は、前記ポリアミック酸中のアミック酸基1モルに対して、1モル%以上、4モル%以下で含まれる。
前記酢酸無水物が前記範囲を上回るか、下回る場合、ポリイミドフィルムに収縮が発生したり、硬化反応が起こらず、ポリイミドフィルムが形成されない。
【0014】
一実施形態において、前記β-ピコリンのモル%および酢酸無水物のモル%の比(β-ピコリンのモル%/酢酸無水物のモル%)が0.11以上0.50以下であってもよい。
一実施形態において、前記ポリアミック酸は、ジメチルホルムアミド(Dimethylformamide、DMF)を、ポリアミック酸中のアミック酸基1モルに対して、1モル%以上、3モル%以下で含むことができる。
一方、前記ポリイミドフィルムは、二無水物単量体とジアミン単量体との反応によって形成されたポリアミック酸をイミド化して製造され、前記ポリアミック酸は、100,000~500,000の重量平均分子量を有することができる。前記範囲において、グラファイトシートの製造時、黒鉛化が容易になる。ここで、「重量平均分子量」は、ゲルクロマトグラフィー(GPC)を使用し、ポリスチレンを標準試料として用いて測定できる。ポリアミック酸の重量平均分子量は、例として150,000~500,000、他の例として100,000~400,000、さらに他の例として250,000~400,000であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0015】
二無水物単量体とジアミン単量体としては、ポリイミドフィルム製造分野にて通常用いられる多様な単量体が使用できる。例えば、二無水物単量体は、芳香族二無水物単量体であってもよく、ジアミン単量体は、芳香族ジアミン単量体であってもよい。二無水物単量体としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン-3,4,3’,4’-テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,3’,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、p-フェニ
レンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、p-ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、m-ターフェニル-3,4,3’,4’-テトラカルボン酸二無水物、p-ターフェニル-3,4,3’,4’-テトラカルボン酸二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2-ビス[(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-(2,2-ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、またはこれらの組み合わせを使用することができるが、これに限定されるものではない。ジアミン単量体としては、ベンゼン環を1個含むジアミン単量体(例えば、1,4-ジアミノベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、2,4-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノトルエン、3,5-ジアミノ安息香酸など)、ベンゼン環を2個含むジアミン単量体(例えば、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテルなどのジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジカルボキシ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ビス(4-アミノフェニル)スルフィド、4,4’-ジアミノベンズアニリド、3,3’-ジメチルベンジジン、2,2’-ジメチルベンジジン、3,3’-ジメトキシベンジジン、2,2’-ジメトキシベンジジン、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’-ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホキシドなど)、ベンゼン環を3個含むジアミン単量体(例えば、1,3-ビス(3-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェニル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)-4-トリフルオロメチルベンゼン、3,3’-ジアミノ-4-(4-フェニル)フェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジ(4-フェニルフェノキシ)ベンゾフェノン、1,3-ビス(3-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3-ビス[2-(4-アミノフェニル)イソプロピル]ベンゼン、1,4-ビス[2-(3-アミノフェニル)イソプロピル]ベンゼン、1,4-ビス[2-(4-アミノフェニル)イソプロピル]ベンゼンなど)、ベンゼン環を4個含むジアミン単量体(例えば、3,3’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、ビス[3-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[3-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[3-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[3-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[3-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[3-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[3-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、2,2-ビス[3-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(3-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパンなど)、またはこれらの組み合わせを使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0016】
特に、二無水物単量体としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、またはこれらの組み合わせが使用され、ジアミン単量体としては、4,4’-オキシジアニリン、3,4’-オキシジアニリン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-メチレンジアニリン、3,3’-メチレンジアニリン、またはこれらの組み合わせが使用できる。
一実施形態において、前記ポリイミドフィルムの厚さは、50μm以上であってもよい。ポリイミドフィルムの厚さは、例えば、50μm以上、60μm以上、70μm以上、80μm以上、90μm以上、100μm以上、110μm以上、120μm以上、130μm以上、140μm以上、150μm以上、200μm以上、250μm以上、300μm以上、350μm以上、400μm以上、450μm以上、500μm以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
すなわち、高厚度のポリイミドフィルムであってもよい。
【0017】
一実施形態において、前記ポリイミドフィルムの引張変形率が100%以上であってもよい。
前記ポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルム製造分野にて通常用いられる多様な方法で製造できる。例えば、ポリイミドフィルムは、1種以上の二無水物単量体および1種以上のジアミン単量体を溶媒中で重合してポリアミック酸溶液を製造した後、前記ポリアミック酸溶液にイミド化触媒、脱水剤、および選択的に昇華性無機充填剤、溶媒などを添加してポリイミドフィルム用組成物を形成し、前記組成物を製膜して製造できるが、これに限定されるものではない。
前記ポリアミック酸溶液をイミド化する過程は、熱イミド化法、化学イミド化法、または前記熱イミド化法と化学イミド化法とを併用する複合イミド化法など公知のイミド化法に
より行われる。
前記ポリイミドフィルムに含まれる昇華性無機充填剤全体の平均粒径(D50)は、0.1~5.0μmであり、昇華性無機充填剤全体の含有量は、ポリイミドフィルムの総重量を基準として0.07~0.4重量%であってもよい。
【0018】
前記昇華性無機充填剤は、ポリイミドフィルムの炭化および/または黒鉛化時に昇華して所定の発泡現象を誘導することができる。このような発泡現象は、炭化および/または黒鉛化時に発生する昇華ガスの排気を円滑にして良質のグラファイトシートが得られるようにし、発泡によって形成される所定の空隙はグラファイトシートの耐屈曲性(「柔軟性」)も向上させることができる。
ただし、過度な発泡現象とそれによる多数の空隙は、グラファイトシートの熱伝導度と機械的物性を大きく悪化させ、グラファイトシートの表面に欠陥をもたらすことがあるので、昇華性無機充填剤の種類、含有量および粒子サイズは慎重に選択されなければならない。
「平均粒径(D50)」は、昇華性無機充填剤をジメチルホルムアミド溶媒中に25℃で5分間超音波分散させた後、粒度測定器(laser diffraction particle size analyzer)(SALD-2201、Shimadzu)を用いて測定できる。
【0019】
ポリイミドフィルム中の昇華性無機充填剤全体の平均粒径(D50)は、例として0.5~4.0μm、他の例として0.1~2.5μm、さらに他の例として1.5~5.0μm、さらに他の例として1.5~2.5μm未満であってもよいが、これに限定されるものではない。ポリイミドフィルム中の昇華性無機充填剤全体の含有量は、ポリイミドフィルムの総重量を基準として、例として0.07~0.35重量%、他の例として0.1~0.3重量%、さらに他の例として0.15~0.3重量%であってもよいが、これに限定されるものではない。
前記昇華性無機充填剤は、平均粒径(D50)が0.1~2.0μmの第1昇華性無機充填剤および平均粒径(D50)が2.0超過~5.0μmの第2昇華性無機充填剤を含むことができる。
前記昇華性無機充填剤中の第1昇華性無機充填剤および第2昇華性無機充填剤の含有量は特に限定されないが、例えば、昇華性無機充填剤の総重量を基準として、第1昇華性無機充填剤は90~10重量%含まれ、第2昇華性無機充填剤は10~90重量%含まれる。例えば、昇華性無機充填剤の総重量を基準として、第1昇華性無機充填剤の含有量は、例として15~85重量%、他の例として20~80重量%、さらに他の例として30~80重量%、さらに他の例として50~80重量%であってもよく、第2昇華性無機充填剤の含有量は、例として85~15重量%、他の例として80~20重量%、さらに他の例として70~20重量%、さらに他の例として50~20重量%であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0020】
前記昇華性無機充填剤の例には、炭酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、硫酸バリウムなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記溶媒としては、ポリアミック酸を溶解させることができるものであれば特に限定されない。例えば、溶媒は、非プロトン性極性溶媒(aprotic polar solvent)を含むことができる。
特に、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒;N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドンなどのピロリドン系溶媒;フェノール、o-、m-、またはp-クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒;ヘキサメチルホスホルアミド、γ-ブチロラクト
ンなどの非プロトン性極性溶媒;などを単独でまたは2種以上組み合わせて使用可能であるが、これに限定されるものではない。
【0021】
前記脱水剤としては、酢酸無水物、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、安息香酸無水物などを単独でまたは2種以上組み合わせて使用可能であるが、これに限定されるものではない。
前記製膜は、ポリアミック酸溶液を基材上にフィルム形状に塗布し、30~200℃の温度で15秒~30分間加熱乾燥させてゲルフィルムを製造した後、基材を除去したゲルフィルムを250~600℃の温度で15秒~30分間熱処理して行われるが、これに限定されるものではない。
【0022】
一実施形態において、前記ポリイミドフィルムは、グラファイトシート製造用であってもよい。
前記ポリイミドフィルムとしてグラファイトシートの製造時、優れた特性のグラファイトシートの製造が可能である。
本発明の他の態様によるグラファイトシートの製造方法は、前記ポリイミドフィルムを炭化、黒鉛化、または炭化および黒鉛化するステップを含む。
前記炭化は、ポリイミドフィルムの高分子鎖を熱分解して非晶質炭素体、非結晶質炭素体および/または無定形炭素体を含む予備グラファイトシートを形成する工程で、例えば、ポリイミドフィルムを、減圧下または不活性気体雰囲気下、常温から最高温度の1,000℃~1,500℃の範囲の温度まで10時間~30時間かけて昇温および維持するステップを含むことができるが、これに限定されるものではない。選択的に、炭素の高配向性のために、炭化時、ホットプレスなどを用いてポリイミドフィルムに圧力を加えてもよいし、この時の圧力は、例として5kg/cm以上、他の例として15kg/cm以上、さらに他の例として25kg/cm以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0023】
前記黒鉛化は、非晶質炭素体、非結晶質炭素体および/または無定形炭素体の炭素を再配列してグラファイトシートを形成する工程で、例えば、予備グラファイトシートを、選択的に、不活性気体雰囲気下、常温から最高温度の2,500℃~3,000℃の範囲の温度まで2時間~30時間かけて昇温および維持するステップを含むことができるが、これに限定されるものではない。選択的に、炭素の高配向性のために、黒鉛化時、ホットプレスなどを用いて予備グラファイトシートに圧力を加えてもよいし、この時の圧力は、例として100kg/cm以上、他の例として200kg/cm以上、さらに他の例として300kg/cm以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【実施例
【0024】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。ただし、これは本発明の好ましい例として提示されたものであり、いかなる意味でもこれによって本発明が制限されるとは解釈され得ない。
【0025】
製造例1(ポリイミドフィルムの製造)
反応器に、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)205.0gを投入し、温度を23℃に合わせた。これに、ジアミン単量体として4,4’-オキシジアニリン(ODA)21.5gを添加し、次に、二無水物単量体としてピロメリット酸二無水物(PMDA)23.4gを添加して、粘度が230,000cPのポリアミック酸溶液を製造した。
次に、製造されたポリアミック酸溶液に、昇華性無機充填剤として第2リン酸カルシウム(平均粒径(D50):2.5μm)0.12gと適正量の酢酸無水物(AA)および適正量のジメチルホルムアミドを混合した。
また、適正量の2種のイミド化触媒(キノリン(quinoline、QL)およびβ-
ピコリン(β-picoline、BP))を添加して、ポリイミドフィルム前駆体溶液を製造した。
準備されたポリイミドフィルム前駆体溶液をSUS プレート(plate、100SA、Sandvik)にドクターブレードを用いて500μmにキャスティングし、100℃~200℃の温度範囲で乾燥させて、自己支持性を有するゲルフィルムを製造した。
次に、ゲルフィルムをSUS プレート(Plate)から剥離してピンフレームに固定させて高温テンターに搬送した。フィルムを高温テンターで200℃から700℃まで加熱した後、25℃で冷却させた後、ピンフレームから分離して、125μmの厚さのポリイミドフィルムを得た。
【0026】
製造例2(グラファイトシートの製造)
製造例1により製造されたポリイミドフィルムを、炭化可能な電気炉を用いて、窒素気体下、3.3℃/minの速度で1,210℃まで昇温し、1,210℃で約2時間維持させた(炭化)。
次に、黒鉛化可能な電気炉を用いて、アルゴン気体下、2.5℃/minの昇温速度で1,210℃から2,200℃まで昇温して第1焼成ステップを行った。
2,200℃に到達後、昇温速度を1.25℃/minの昇温速度に変更して2,500℃まで連続的に昇温して第2焼成ステップを行った。
2,500℃に到達後、昇温速度を10℃/minの昇温速度に変更して2,800℃まで連続的に昇温して第3焼成ステップを行い、2,800℃で数分間静置した後、黒鉛化を完了してグラファイトシートを製造した。
最後に、10℃/minの速度でグラファイトシートを冷却させた。
【0027】
実施例1~8および比較例1~3
製造例1によるポリイミドフィルムの製造時、2種のイミド化触媒(キノリン(QL)およびβ-ピコリン(BP))、脱水剤である酢酸無水物(AA)およびジメチルホルムアミド(DMF)を、下記表1に示しているように、それぞれポリアミック酸中のアミック酸基1モルに対する含有量を調節して添加した。以後、製造例2によりグラファイトシートを製造した。
【表1】
【0028】
実験例1
実施例1~実施例8および比較例1~3のポリイミドフィルムの引張変形率を測定した。ポリイミドフィルムの機械方向(MD)の引張変形率を、INSTRON 5564 EHP 9918を用いて、ASTM D882に準ずる方法で測定された。
すべての実施例のポリイミドフィルムの引張変形率は100%を超えた。
実施例1および2のポリイミドフィルムの引張変形率測定結果の比較により、DMFの含有量が増加すれば、引張変形率が減少することを確認することができた。
また、実施例2と3のポリイミドフィルムの引張変形率測定結果の比較により、脱水剤である酢酸無水物の含有量が増加すれば、引張変形率が増加することを確認することができた。
このような引張変形率の変化は、実施例1~3に比べてDMFの含有量を増加させ、脱水剤である酢酸無水物の含有量を減少させた実施例4のポリイミドフィルムの引張変形率の減少からも確認することができた。
【0029】
2種のイミド化触媒のモル%の比を変化させた実施例5および6により、キノリンのモル%とピコリンのモル%との比(キノリンのモル%/ピコリンのモル%)が大きくなるほどポリイミドフィルムの引張変形率が減少することを確認することができた。
また、2種のイミド化触媒(キノリン(QL)およびβ-ピコリン(BP))のモル%の比(キノリンのモル%/ピコリンのモル%)を1に維持しながら含有量を減少させた実施例7および8により、イミド化触媒、酢酸無水物およびDMFの適切な含有量と含有量比を調節して、優れた引張変形率特性を有するポリイミドフィルムが得られることを確認することができた。
その他にも、TGA-MS(Thermogravimetric analyzer-mass spectrometer)装置を用いて実施例1~8のポリイミドフィルムを分析した結果、分子量が129g/molの化合物が検出され、検出された化合物は実施例1~8のポリイミドフィルムに含まれているキノリンと判断された。
【0030】
一方、キノリンを含まない比較例1~3のポリイミドフィルムの引張変形率は大きく低下した。
例えば、実施例4においてキノリンを除いた比較例1は、引張変形率が大きく減少した。一方、2種のイミド化触媒のうちβ-ピコリン(BP)を使用しない場合には、ゲルフィルムの形成が適切に行われず、ポリイミドフィルムが形成されなかった。
すなわち、実施例1~8のように、2種のイミド化触媒(キノリン(QL)およびβ-ピコリン(BP))が適正量含まれ、また、脱水剤である酢酸無水物およびDMFと適正量に調節される時、優れた引張変形率のポリイミドフィルムを得ることができた。
【0031】
実験例2
製造例2により製造された実施例のポリイミドフィルムを用いたグラファイトシートの熱拡散係数および発泡厚さを測定した。
熱拡散係数は、測定装置(Netsch、LFA467)を用いて、レーザーフラッシュ(Laser Flash)法で平面方向の熱拡散率を測定し、発泡厚さはデジタルマイクロメーター(Digital Micrometer)、スタンダードタイプ ミツトヨ(Standard-type、Mitutoyo)によって測定された。
測定により実施例のポリイミドフィルムを用いる場合、熱拡散および発泡特性を有するグラファイトシートが製造されることを確認することができた。
本発明の製造方法の実施例は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する当業者が本発明を容易に実施できるようにする好ましい実施例に過ぎず、上述した実施例に限定されるものではないので、これによって本発明の権利範囲が限定されるものではない。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は添付した特許請求の範囲の技術的思想によって定められなければならない。また、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形および変更が可能であることが当業者にとって明らかであり、当業者によって容易に変更可能な部分も本発明の権利範囲に含まれることは自明である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、2種のイミド化触媒をともに用いることで、表面と内部特性の均一性が確保され、フィルムの製造時に破断が発生しない引張変形特性に優れたグラファイトシート用高厚度ポリイミドフィルム、前記ポリイミドフィルムからグラファイトシートを製造する方法およびこれから製造された優れた特性のグラファイトシートを提供する効果を有する。
【国際調査報告】