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特表2024-539454改良された表面特性を有するトレランスリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】改良された表面特性を有するトレランスリング
(51)【国際特許分類】
   F16C 35/06 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
F16C35/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529697
(86)(22)【出願日】2022-12-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 EP2022088071
(87)【国際公開番号】W WO2023126516
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】63/266,229
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】310004529
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスティックス レンコール リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペナ,アレハンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ハルトマン,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ピッカリング,ルウェリン
(72)【発明者】
【氏名】チャイルズ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】フランシス,トーマス
【テーマコード(参考)】
3J117
【Fターム(参考)】
3J117AA01
3J117AA03
3J117CA02
3J117CA06
3J117DB10
(57)【要約】
【解決手段】 システム及び方法は、トレランスリング(100)の少なくとも1つの摩擦関連特性を増加させるために、トレランスリング(100)の少なくとも1つの表面上に摩擦強化機構(116)を有するトレランスリング(100)を提供することを含む。摩擦強化機構(116)は、トレランスリング(100)に増加した保持力を提供する一方で、トレランスリング(100)によって固定された構成要素が自由に移動することを可能にする最適な半径方向の力を提供しながら、構成要素の軸方向の移動を低減又は完全に防止する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレランスリングであって、
金属材料から形成された円環状の基板であって、前記基板の内面から半径方向内側に向かって、又は前記基板の外面から半径方向外側に向かって突出する複数の突出部を備える円環状の基板と、
前記基板の前記内面及び前記外面のうちの少なくとも1つに適用される摩擦強化機構とを備える、トレランスリング。
【請求項2】
前記基板の前記金属材料が、鋼、ばね鋼、又はステンレス鋼を含む、請求項1に記載のトレランスリング。
【請求項3】
前記摩擦強化機構が、コーティング、クラッディング、表面処理、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1又は2に記載のトレランスリング。
【請求項4】
前記コーティングがポリマーコーティングを含む、請求項3に記載のトレランスリング。
【請求項5】
前記ポリマーコーティングが、エラストマー系ポリマー、樹脂系ポリマー、ゴム、又はそれらの組み合わせを含む、請求項4に記載のトレランスリング。
【請求項6】
前記コーティングがセラミックコーテインングを含む、請求項3に記載のトレランスリング。
【請求項7】
前記コーティングが金属を含む、請求項3に記載のトレランスリング。
【請求項8】
前記金属が金属粉末充填樹脂コーティングを含む、請求項7に記載のトレランスリング。
【請求項9】
前記コーティングが接着剤を含む、請求項3に記載のトレランスリング。
【請求項10】
前記接着剤がメタクリレート系接着剤を含む、請求項9に記載のトレランスリング。
【請求項11】
前記コーティングが、第1の保持層及び第2の摩擦強化層を含む複数の層を含む、請求項3~10のいずれか一項に記載のトレランスリング。
【請求項12】
前記クラッディングが、アルミニウム、真鍮、青銅、銅、マグネシウム、亜鉛、それらの合金、酸化物を含まない耐食性金属材料、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項3に記載のトレランスリング。
【請求項13】
前記表面処理が、ショットピーニング、サンドブラスト、又はこれらの組み合わせを含む機械的表面処理を含む、請求項3に記載のトレランスリング。
【請求項14】
組立体であって、
筐体を含む外側構成要素と、
構成要素を含む内側構成要素と、
請求項1~13のいずれか一項に記載のトレランスリングであって、前記トレランスリングが、前記筐体内に配置され、前記構成要素を前記筐体内に保持又は固定するように構成されている、トレランスリングとを備える、組立体。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のトレランスリングを形成する方法であって、
金属材料から形成された実質的に平坦な基板を提供することと、
前記基板の内面及び外面のうちの少なくとも1つに摩擦強化機構を適用することと、
前記基板の前記内面から半径方向内向きに、又は前記基板の前記外面から半径方向外向きに突出する複数の突出部を前記基板に形成することと、
前記基板を円環状のトレランスリングに形成することとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
トレランスリングは、一般に、様々な産業界においてハードウェア構成要素間で使用される。いくつかのトレランスリング用途は、トレランスリングが、軸受などの構成要素を筐体又は他のハードウェア構成要素内に保持する一方で、構成要素の自由移動を可能にすることを要求する。しかしながら、筐体又は他のハードウェア構成要素内に構成要素を適切に保持するために必要とされる軸力は、構成要素に望ましくない軸力を与える可能性があり、これは、構成要素の自由移動を制限する可能性がある。そのため、産業界は、そのような用途のためのトレランスリング技術における改善を要求し続けている。
【図面の簡単な説明】
【0002】
実施形態の特徴及び利点が達成され、より詳細に理解され得るように、添付の図面に例解されるその実施形態を参照することによって、より具体的な説明が行われ得る。しかしながら、図面は、いくつかの実施形態のみを例解し、したがって、他の等しく有効な実施形態が存在し得るため、範囲を限定するものとみなされるべきではない。
図1図1は、本開示の一実施形態によるトレランスリングの断面図である。
図2A図2Aは、本開示の一実施形態による、組立体の断面図である。
図2B図2Bは、本開示の一実施形態による、組立体の上面図である。
図3図3は、本開示の一実施形態による、トレランスリングを形成する方法のフローチャートである。
【0003】
異なる図面における同じ参照符号の使用は、同様の又は同一の部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
図1は、本開示の一実施形態によるトレランスリング100の断面図である。トレランスリング100は、一般に、材料バンド又は円環状に形成された基板102を備え得る。いくつかの実施形態では、トレランスリング100は、基板102の第1の周方向端部106及び第2の周方向端部108を画定する間隙104を含み得る。いくつかの実施形態では、基板102は、弾性金属材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、金属材料は、アルミニウム、ベリリウム、青銅、銅、鉄、マグネシウム、鋼、ばね鋼、ステンレス鋼、スズ、チタン、タングステン、又はそれらの合金を含んでもよい。
【0005】
トレランスリング100は、基板102に形成された複数の突出部110(例えば、フィンガ、波など)を備えてもよい。いくつかの実施形態では、突出部110は、基板100の内面112から半径方向内向きに、又は外面114から半径方向外向きに突出することができる。いくつかの実施形態では、突出部110は、基板102の周りに円周方向に配置され得る。いくつかの実施形態では、突出部110は、互いに比較して同じ幾何学的形状及び/又はサイズを含んでもよい。他の実施形態では、いくつかの突出部110は、互いに比較して異なる幾何学的形状及び/又はサイズを有してもよい。更に他の実施形態では、突出部110の全てが、互いに比較して異なる幾何学的形状及び/又はサイズを有してもよい。突出部100は、所望の弾性/塑性変形特性、所望の力伝達特性を提供するように、及び/又はハードウェア構成要素の製造公差を考慮するように、及び/又は動作中にハードウェア構成要素間に生じ得る熱膨張及び摩耗を補償するように、選択され得ることが理解されるであろう。
【0006】
トレランスリング100はまた、摩擦強化機構116を備えてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、基板102の内面112及び/又は外面114に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116はコーティングを含むことができる。いくつかの実施形態では、コーティングは、エラストマー系ポリマー、樹脂系ポリマー、ゴム、又はそれらの組み合わせなどのポリマーコーティングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コーティングはセラミックコーティングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コーティングは、金属粉末充填樹脂コーティングなどの金属を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コーティングは、メタクリレート系接着剤などの接着剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コーティングは単一層を含んでもよい。他の実施形態では、コーティングは複数の層を含んでもよい。そのような実施形態では、複数の層は、第1の保持層及び第2の摩擦強化層を含んでもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、コーティングは、基板102の内面112、基板102の外面114、又はそれらの組み合わせに適用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、コーティングは、突出部110を覆って適用されてもよい。いくつかの実施形態では、コーティングは、少なくとも0.001mm(1ミクロン)、少なくとも0.01mm(10ミクロン)、少なくとも0.02mm(20ミクロン)、少なくとも0.03mm(30ミクロン)、少なくとも0.04mm(40ミクロン)、又は少なくとも0.05mm(50ミクロン)の厚さを含み得る。いくつかの実施形態では、コーティングは、0.50mm(500ミクロン)以下、0.25mm(250ミクロン)以下、0.20mm(200ミクロン)以下、0.15mm(150ミクロン)以下、又は0.10mm(100ミクロン)以下の厚さを含み得る。更に、コーティングは、少なくとも0.01mm(10ミクロン)から0.50mm(500ミクロン)以下など、これらの最小値及び最大値のいずれかの間の厚さを含んでもよいことが理解されよう。
【0008】
いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116はクラッディングを含むことができる。いくつかの実施形態では、クラッディングは、アルミニウム、真鍮、青銅、銅、マグネシウム、亜鉛、それらの合金、酸化物を含まない耐食性金属材料、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、クラッディングは単一層を含んでもよい。他の実施形態では、クラッディングは複数の層を含んでもよい。そのような実施形態では、複数の層は、第1の保持層及び第2の摩擦強化層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、クラッディングは、基板102の内面112、基板102の外面114、又はそれらの組み合わせに適用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、クラッディングは、突出部110を覆って適用されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、クラッディングは、少なくとも0.01mm(10ミクロン)、少なくとも0.02mm(20ミクロン)、少なくとも0.03mm(30ミクロン)、少なくとも0.04mm(40ミクロン)、又は少なくとも0.05mm(50ミクロン)の厚さを含み得る。いくつかの実施形態では、クラッディングは、0.50mm(500ミクロン)以下、0.25mm(250ミクロン)以下、0.20mm(200ミクロン)以下、0.15mm(150ミクロン)以下、又は0.10mm(100ミクロン)以下の厚さを含み得る。更に、クラッディングは、少なくとも0.01mm(10ミクロン)から0.50mm(500ミクロン)以下など、これらの最小値及び最大値のいずれかの間の厚さを含んでもよいことが理解されよう。
【0010】
いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は表面処理を含むことができる。いくつかの実施形態では、表面処理は、ショットピーニング、サンドブラスト、又はそれらの組み合わせなどの機械的表面処理を含むことができる。いくつかの実施形態では、表面処理は、基板102の内面112、基板102の外面114、又はそれらの組み合わせに適用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、表面処理は、突出部110を覆って適用されてもよい。いくつかの実施形態では、表面処理は、基板102の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%にわたって適用され得る。いくつかの実施形態では、表面処理は、基板102の95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、又は50%以下にわたって適用され得る。更に、表面処理は、基板102の少なくとも5%~95%以下など、これらの最小値及び最大値のいずれかの間で基板102上に適用されてもよいことが理解されよう。
【0011】
いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、トレランスリング100の少なくとも1つの性能特性を増加させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、トレランスリング100の少なくとも1つの摩擦関連特性を増加させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、トレランスリング100の摩擦係数を増加させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、又は少なくとも50%だけトレランスリング100の摩擦係数を増加させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、1000%以下、500%以下、200%以下、100%以下、75%以下、又は50%以下だけトレランスリング100の摩擦係数を増加させるように構成されてもよい。更に、摩擦強化機構116は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間で、例えば少なくとも1%から500%以下までトレランスリング100の摩擦係数を増加させるように構成されてもよいことが理解されよう。
【0012】
いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、少なくとも0.15、少なくとも0.20、少なくとも0.25、少なくとも0.3、少なくとも0.35、少なくとも0.40、少なくとも0.45、少なくとも0.50、少なくとも0.55、又は少なくとも0.60の摩擦係数をトレランスリング100に提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、0.95以下、0.90以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下、0.70以下、0.65以下、0.60以下、0.55以下、0.50以下、0.45以下、又は0.40以下の摩擦係数をトレランスリング100に提供するように構成されてもよい。更に、摩擦強化機構116は、少なくとも0.15から0.95以下など、これらの最小値及び最大値のいずれかの間の摩擦係数をトレランスリング100に提供するように構成されてもよいことが理解されよう。上述の実施形態において、トレランスリング10の摩擦係数は、アルミニウム、鋼、又はステンレス鋼に対して測定されてもよいことが更に理解されるであろう。
【0013】
いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、トレランスリング100の保持力を増加させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、所与の組立力に対して少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、又は少なくとも50%だけトレランスリング100の保持力を増加させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、所与の組立力に対して500%以下、200%以下、100%以下、75%以下、又は50%以下だけトレランスリングの保持力を増加させるように構成されてもよい。更に、摩擦強化機構116は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間で、例えば少なくとも1%から500%以下までトレランスリング100の保持力を増加させるように構成されてもよいことが理解されよう。
【0014】
いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、少なくとも150N、少なくとも250N、少なくとも500N、少なくとも1000N、少なくとも1500N、少なくとも2000N、少なくとも2250N、少なくとも2300N、少なくとも2350N、少なくとも2400N、少なくとも2450N、少なくとも2500N、少なくとも2550N、少なくとも2600N、少なくとも2650N、少なくとも2700N、少なくとも2750N、少なくとも2800N、少なくとも2850N、少なくとも2900N、少なくとも2950N、少なくとも3000N、少なくとも3050N、少なくとも3100N、少なくとも3150N、少なくとも3200N、少なくとも3250N、少なくとも3300N、少なくとも3350N、少なくとも3400N、少なくとも3450N、又は少なくとも3500Nの保持力をトレランスリング100に提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、6000N以下、5750N以下、5500N以下、5250N以下、5000N以下、4750N以下、4500N以下、4250N以下、4000N以下、3750N以下、3500N以下、3250N以下、3000N以下、2950N以下、2900N以下、2850N以下、2800N以下、2750N以下、2700N以下、2650N以下、2600N以下、2550N以下、又は2500N以下の保持力をトレランスリング100に提供するように構成されてもよい。更に、摩擦強化機構116は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間で、例えば、少なくとも2250Nから6000N以下の保持力をトレランスリング100に提供するように構成されてもよいことが理解されよう。
【0015】
いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、トレランスリング100の表面粗さ(Ra、Rz)を増加させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、又は少なくとも50%だけトレランスリング100の表面粗さを増加させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、500%以下、200%以下、100%以下、75%以下、又は50%以下だけトレランスリング100の表面粗さを増加させるように構成されてもよい。更に、摩擦強化機構116は、これらの最小値と最大値のいずれかの間で、例えば少なくとも1%から500%以下までトレランスリング100の表面粗さを増加させるように構成されてもよいことが理解されよう。
【0016】
いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3.0、少なくとも3.5、少なくとも4.0、少なくとも5.0、少なくとも5.5、又は少なくとも6.0の表面粗さ(Ra)をトレランスリング100に提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、25以下、20以下、19以下、18以下、17以下、16以下、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、又は5以下の表面粗さ(Ra)をトレランスリング100に提供するように構成されてもよい。更に、摩擦強化機構116は、少なくとも1.5から25以下など、これらの最小値及び最大値のいずれかの間の表面粗さ(Ra)をトレランスリング100に提供するように構成されてもよいことが理解されよう。
【0017】
いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも20、又は少なくとも25の表面粗さ(Rz)をトレランスリング100に提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、50以下、35以下、30以下、25以下、20以下、19以下、18以下、17以下、16以下、又は15以下の表面粗さ(Rz)をトレランスリング100に提供するように構成されてもよい。更に、摩擦強化機構116は、少なくとも5から50以下など、これらの最小値及び最大値のいずれかの間の表面粗さ(Rz)をトレランスリング100に提供するように構成されてもよいことが理解されよう。
【0018】
いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、以下の式によって定義される保持対組立比(RAR)をトレランスリング100に提供するように構成されてもよい。
【0019】
【数1】
【0020】
いくつかの実施形態では、ピーク組立力の代わりに分解保持力が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、少なくとも0.5、少なくとも0.51、少なくとも0.52、少なくとも0.53、少なくとも0.54、少なくとも0.55、少なくとも0.56、少なくとも0.57、少なくとも0.58、少なくとも0.59、少なくとも0.60、少なくとも0.65、少なくとも0.70、少なくとも0.75、少なくとも0.80、又は少なくとも0.85の保持対組立比(RAR)をトレランスリング100に提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、5以下、4以下、3以下、2以下、1以下、0.90以下、0.89以下、0.88以下、0.87以下、0.86以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下、0.70以下、又は0.65以下の保持対組立比(RAR)をトレランスリング100に提供するように構成されてもよい。更に、摩擦強化機構116は、少なくとも0.5から0.90以下など、これらの最小値及び最大値のいずれかの間の保持対組立比(RAR)をトレランスリング100に提供するように構成されてもよいことが理解されよう。
【0021】
いくつかの実施形態では、トレランスリング100の保持力は、温度に基づく変動を有し得る。いくつかの実施形態では、トレランスリング100の保持力は、-40℃から200℃の間、例えば-20℃から150℃の間、例えば-10℃から120℃の間、例えば0℃から100℃の間、又は例えば25℃から75℃の間の温度範囲に基づいて、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、又は少なくとも25%高い又は低い変動を有する。更に、トレランスリング100の保持力は、これらの最小値及び最大値のいずれかの間で、例えば少なくとも1%から100%以下までであってもよいことが理解されよう。
【0022】
図2Aは、本開示の一実施形態による、トレランスリング100を備える組立体200の断面図を示している。図2Bは、本開示の一実施形態による、トレランスリング100を備える組立体200の上面図を示している。組立体100は、一般に、外側構成要素202及び内側構成要素204を備えてもよい。いくつかの実施形態では、外側構成要素202は、筐体を備えてもよい。いくつかの実施形態では、外側構成要素202は、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼、又はチタンから形成されてもよい。いくつかの実施形態では、内側構成要素204は、軸受などの構成要素であってもよい。いくつかの実施形態では、内側構成要素204は、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼、又はチタンから形成されてもよい。トレランスリング100は、一般に、外側構成要素202内に配置され、内側構成要素204を外側構成要素202内に保持又は固定するように構成されてもよい。
【0023】
更に、本明細書で説明されるように、トレランスリング100は、トレランスリング100と外側構成要素202及び/又は内側構成要素204との間の摩擦係数を増加させ、トレランスリング100を外側構成要素202に設置及び/又は外側構成要素202から除去するためのピーク組立力を増加させ、内側構成要素204を外側構成要素202内に保持又は固定するためにトレランスリング100によって内側構成要素204に印加される保持力を増加させ、及び/又はトレランスリング100の表面粗さ(Ra、Rz)を増加させる、摩擦強化機構116を備えてもよい。前述の値の増加は、摩擦強化機構116を含まない従来のトレランスリングと比較され得る。更に、いくつかの実施形態では、摩擦強化機構116は、トレランスリング100によって固定された内側構成要素204が、内側構成要素204の軸方向移動を低減又は完全に防止しながら自由に移動することを可能にする最適な半径方向力を提供しながら、増加した保持力をトレランスリング100に提供することができる。
【0024】
図3は、本開示の一実施形態による、トレランスリング100を形成する方法300のフローチャートである。方法300は、ブロック302において、金属材料から形成された実質的に平坦な基板102を提供することによって開始することができる。方法300は、ブロック304において、基板102の内面112及び外面114のうちの少なくとも1つに摩擦強化機構116を適用することによって継続することができる。方法300は、ブロック306において、基板102の内面112から半径方向内向きに、又は基板102の外面114から半径方向外向きに突出する複数の突出部110を基板102に形成することによって継続することができる。いくつかの実施形態において、方法300は、ブロック304において基板102に摩擦強化機構116を適用する前に、ブロック306において複数の突出部110を形成することを含んでもよいことが理解されよう。方法は、基板102を円環状のトレランスリング100に形成することによって、ブロック308で継続することができる。
【実施例
【0025】
トレランスリング100の標準トレランスリングC1、並びに2つの例示的な実施形態S1及びS2が作成された。C1、S1、及びS2のそれぞれは、ステンレス鋼基板102から作成され、基板102内に形成された複数の突出部116を含んでいた。C1は、摩擦強化機構116を含まなかった。S1は、基板102の内径及び外径を覆う少なくとも1つのアルミニウム外層を含む摩擦強化機構116を含んでいた。S2は、基板102の上に配置された、Thermodur 600などの変性ポリエステル樹脂に基づく高温コーティングを含む摩擦強化機構116を含んでいた。C1、S1、及びS2を同一のアルミニウム筐体内に置き、軸受を組立体のそれぞれに設置した。最大組立力及び残りの組立力を組立中に測定した。表1は、0.905mmのクリアランス(ID 23.810mm)に対する最大組立力及び残りの組立力を示す。表2は、0.9705mmのクリアランス(ID 23.941mm)に対する最大組立力及び残りの組立力を示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
C1、S1、及びS2のそれぞれの追加の試料を作成した。表3は、試料の総数についての平均組立トルク、残りの組立力、保持力、及び保持対組立比(RAR)を示す。
【0029】
【表3】
【0030】
C1、S1、及びS2のそれぞれの追加の試料を作成した。試料を加熱条件及び非加熱条件で試験した。表4は、試料の総数についての非加熱時及び加熱時の保持力の比較を示す。注目すべきことに、C1の保持力は加熱時に減少したが、S1及びS2の保持力は加熱時に増加した。
【0031】
【表4】
【0032】
トレランスリング100、組立体200、及び/又はトレランスリング100を形成する方法300の実施形態は、以下のうちの1つ以上を含み得る。
【0033】
実施形態1:トレランスリングであって、金属材料から形成された円環状の基板であって、基板の内面から半径方向内側に向かって、又は基板の外面から半径方向外側に向かって突出する複数の突出部を備える円環状の基板と、基板の内面及び外面のうちの少なくとも1つに適用される摩擦強化機構とを備える、トレランスリング。
【0034】
実施形態2:基板の金属材料が、鋼、ばね鋼、又はステンレス鋼を含む、実施形態1に記載のトレランスリング。
【0035】
実施形態3:摩擦強化機構が、コーティング、クラッディング、表面処理、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1又は2に記載のトレランスリング。
【0036】
実施形態4:コーティングがポリマーコーティングを含む、実施形態3に記載のトレランスリング。
【0037】
実施形態5:ポリマーコーティングが、エラストマー系ポリマー、樹脂系ポリマー、ゴム、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態4に記載のトレランスリング。
【0038】
実施形態6:コーティングがセラミックコーティングを含む、実施形態3に記載のトレランスリング。
【0039】
実施形態7:コーティングが金属を含む、実施形態3に記載のトレランスリング。
【0040】
実施形態8:金属が、金属粉末充填樹脂コーティングを含む、実施形態7に記載のトレランスリング。
【0041】
実施形態9:コーティングが接着剤を含む、実施形態3に記載のトレランスリング。
【0042】
実施形態10:接着剤がメタクリレート系接着剤を含む、実施形態9に記載のトレランスリング。
【0043】
実施形態11:コーティングが複数の層を含む、実施形態3~10のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0044】
実施形態12:複数の層が、第1の保持層及び第2の摩擦強化層を含む、実施形態11に記載のトレランスリング。
【0045】
実施形態13:コーティングが、基板の内面、基板の外面、又はそれらの組み合わせに適用される、実施形態3~12のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0046】
実施形態14:コーティングが、突出部を覆って適用される、実施形態3~13のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0047】
実施形態15:コーティングが、少なくとも0.001mm(1ミクロン)、少なくとも0.01mm(10ミクロン)、少なくとも0.02mm(20ミクロン)、少なくとも0.03mm(30ミクロン)、少なくとも0.04mm(40ミクロン)、又は少なくとも0.05mm(50ミクロン)の厚さを含む、実施形態3~14のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0048】
実施形態16:コーティングが、0.50mm(500ミクロン)以下、0.25mm(250ミクロン)以下、0.20mm(200ミクロン)以下、0.15mm(150ミクロン)以下、又は0.10mm(100ミクロン)以下の厚さを含む、実施形態3~15のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0049】
実施形態17:クラッディングは、アルミニウム、真鍮、青銅、銅、マグネシウム、亜鉛、それらの合金、酸化物を含まない耐食性金属材料、又はそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態3に記載のトレランスリング。
【0050】
実施形態18:クラッディングが複数の層を含む、実施形態3及び17のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0051】
実施形態19:複数の層が、第1の保持層及び第2の摩擦強化層を含む、実施形態18に記載のトレランスリング。
【0052】
実施形態20:クラッディングが、基板の内面、基板の外面、又はそれらの組み合わせに適用される、実施形態3及び17~19のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0053】
実施形態21:クラッディングが、突出部を覆って適用される、実施形態3又は17~20のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0054】
実施形態22:クラッディングが、少なくとも0.01mm(10ミクロン)、少なくとも0.02mm(20ミクロン)、少なくとも0.03mm(30ミクロン)、少なくとも0.04mm(40ミクロン)、又は少なくとも0.05mm(50ミクロン)の厚さを含む、実施形態3及び17~21のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0055】
実施形態23:クラッディングが、0.50mm(500ミクロン)以下、0.25mm(250ミクロン)以下、0.20mm(200ミクロン)以下、0.15mm(150ミクロン)以下、又は0.10mm(100ミクロン)以下の厚さを含む、実施形態3及び17~22のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0056】
実施形態24:表面処理が機械的表面処理を含む、実施形態3に記載のトレランスリング。
【0057】
実施形態25:機械的表面処理が、ショットピーニング、サンドブラスト、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態24に記載のトレランスリング。
【0058】
実施形態26:表面処理が、基板の内面、基板の外面、又はそれらの組み合わせに適用される、実施形態3及び24又は25に記載のトレランスリング。
【0059】
実施形態27:表面処理が突出部を覆って適用される、実施形態3及び24~26のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0060】
実施形態28:摩擦強化機構が、トレランスリングの少なくとも1つの性能特性を増加させるように構成されている、実施形態1~27のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0061】
実施形態29:摩擦強化機構が、トレランスリングの少なくとも1つの摩擦関連特性を増加させるように構成されている、実施形態1~28のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0062】
実施形態30:摩擦強化機構が、トレランスリングの摩擦係数を増加させるように構成されている、実施形態29に記載のトレランスリング。
【0063】
実施形態31:摩擦強化機構が、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、又は少なくとも50%だけトレランスリングの摩擦係数を増加させるように構成されている、実施形態30に記載のトレランスリング。
【0064】
実施形態32:摩擦強化機構が、1000%以下、500%以下、200%以下、100%以下、75%以下、又は50%以下だけトレランスリングの摩擦係数を増加させるように構成されている、実施形態29~31のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0065】
実施形態33:摩擦強化機構が、少なくとも0.15、少なくとも0.20、少なくとも0.25、少なくとも0.3、少なくとも0.35、少なくとも0.40、少なくとも0.45、少なくとも0.50、少なくとも0.55、又は少なくとも0.60の摩擦係数をトレランスリングに提供するように構成されている、実施形態29~32のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0066】
実施形態34:摩擦強化機構が、0.95以下、0.90以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下、0.70以下、0.65以下、0.60以下、0.55以下、0.50以下、0.45以下、又は0.40以下の摩擦係数をトレランスリングに提供するように構成されている、実施形態29~33のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0067】
実施形態35:トレランスリングの摩擦係数が、アルミニウム、鋼、又はステンレス鋼に対して測定される、実施形態33又は34に記載のトレランスリング。
【0068】
実施形態36:摩擦強化機構が、トレランスリングの保持力を増加させるように構成される、実施形態29~35のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0069】
実施形態37:摩擦強化機構が、所与の組立力に対して、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、又は少なくとも50%だけトレランスリングの保持力を増加させるように構成されている、実施形態29~36のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0070】
実施形態38:摩擦強化機構が、所与の組立力に対して、500%以下、200%以下、100%以下、75%以下、又は50%以下だけトレランスリングの保持力を増加させるように構成されている、実施形態29~37のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0071】
実施形態39:摩擦強化機構が、少なくとも150N、少なくとも250N、少なくとも500N、少なくとも1000N、少なくとも1500N、少なくとも2000N、少なくとも2250N、少なくとも2500N、少なくとも2600N、少なくとも2650N、少なくとも2700N、少なくとも2750N、少なくとも2800N、少なくとも2850N、少なくとも2900N、少なくとも2950N、少なくとも3000N、少なくとも3050N、少なくとも3100N、少なくとも3150N、少なくとも3200N、少なくとも3250N、少なくとも3300N、少なくとも3350N、少なくとも3400N、少なくとも3450N、又は少なくとも3500Nの保持力をトレランスリングに提供するように構成されている、実施形態29~38のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0072】
実施形態40:摩擦強化機構が、6000N以下、5750N以下、5500N以下、5250N以下、5000N以下、4750N以下、4500N以下、4250N以下、4000N以下、3750N以下、3500N以下、3250N以下、3000N以下、2950N以下、2900N以下、2850N以下、2800N以下、2750N以下、2700N以下、2650N以下、2600N以下、2550N以下、又は2500N以下の保持力をトレランスリングに提供するように構成されている、実施形態29~39のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0073】
実施形態41:摩擦強化機構が、トレランスリングの表面粗さを増加させるように構成されている、実施形態29~40のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0074】
実施形態42:摩擦強化機構が、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、又は少なくとも50%だけトレランスリングの表面粗さを増加させるように構成されている、実施形態41に記載のトレランスリング。
【0075】
実施形態43:摩擦強化機構が、500%以下、200%以下、100%以下、75%以下、又は50%以下だけトレランスリングの表面粗さを増加させるように構成されている、実施形態41又は42に記載のトレランスリング。
【0076】
実施形態44:摩擦強化機構が、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3.0、少なくとも3.5、少なくとも4.0、少なくとも5.0、少なくとも5.5、又は少なくとも6.0の表面粗さ(Ra)をトレランスリングに提供するように構成されている、実施形態29~43のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0077】
実施形態45:摩擦強化機構が、25以下、20以下、19以下、18以下、17以下、16以下、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、又は5以下の表面粗さ(Ra)をトレランスリングに提供するように構成されている、実施形態29~44のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0078】
実施形態46:摩擦強化機構が、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも20、又は少なくとも25の表面粗さ(Rz)をトレランスリングに提供するように構成されている、実施形態29~45のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0079】
実施形態47:摩擦強化機構が、50以下、35以下、30以下、25以下、20以下、19以下、18以下、17以下、16以下、又は15以下の表面粗さ(Rz)をトレランスリングに提供するように構成されている、実施形態29~46のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0080】
実施形態48:トレランスリングが、少なくとも0.5、少なくとも0.51、少なくとも0.52、少なくとも0.53、少なくとも0.54、少なくとも0.55、少なくとも0.56、少なくとも0.57、少なくとも0.58、少なくとも0.59、少なくとも0.60、少なくとも0.65、少なくとも0.70、少なくとも0.75、少なくとも0.80、又は少なくとも0.85の保持対組立比(RAR)を含む、実施形態1~47のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0081】
実施形態49:トレランスリングが、5以下、4以下、3以下、2以下、1以下、0.90以下、0.89以下、0.88以下、0.87以下、0.86以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下、0.70以下、又は0.65以下の保持対組立比(RAR)を含む、実施形態1~47のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0082】
実施形態50:トレランスリングの保持力が、-40℃~200℃の温度範囲の間で+/-5%の変動を有する、実施形態1~49のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0083】
実施形態51:トレランスリングの保持力が、-40℃~200℃の温度範囲の間で+/-10%の変動を有する、実施形態1~49のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0084】
実施形態52:トレランスリングの保持力が、-40℃~200℃の温度範囲の間で+/-15%の変動を有する、実施形態1~49のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0085】
実施形態53:トレランスリングの保持力が、-40℃~200℃の温度範囲の間で+/-25%の変動を有する、実施形態1~49のいずれか1つに記載のトレランスリング。
【0086】
実施形態54:組立体であって、筐体を含む外側構成要素と、構成要素を含む内側構成要素と、実施形態1~53のいずれか1つに記載のトレランスリングであって、トレランスリングが、筐体内に配置され、構成要素を筐体内に保持又は固定するように構成されている、トレランスリングとを備える、組立体。
【0087】
実施形態55:筐体が、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼、又はチタンから形成されている、実施形態54に記載の組立体。
【0088】
実施形態56:構成要素が、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼、又はチタンから形成されている、実施形態54又は55に記載の組立体。
【0089】
実施形態57:構成要素が軸受を含む、実施形態54に記載の組立体。
【0090】
実施形態58:実施形態1~57のいずれか1つに記載のトレランスリングを形成する方法であって、金属材料から形成された実質的に平坦な基板を提供することと、基板の内面及び外面のうちの少なくとも1つに摩擦強化機構を適用することと、基板の内面から半径方向内向きに、又は基板の外面から半径方向外向きに突出する複数の突出部を基板に形成することと、基板を円環状のトレランスリングに形成することとを含む、方法。
【0091】
一般的な説明又は実施例において、上で説明された活動の全てが必要とされるわけではなく、特定の活動の一部が必要とされない場合があり、説明される活動に加えて1つ以上の更なる活動が行われ得ることに留意されたい。なおも更に、活動が列挙される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
【0092】
前述の明細書では、特定の実施形態を参照して概念を記載してきた。しかしながら、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に掲げる本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができることを理解する。そのため、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく、例解的な意味で考慮されるべきであり、全てのそのような修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0093】
本明細書で使用される場合、「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を網羅することが意図される。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されていないか、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置に固有の他の特徴を含み得る。更に、矛盾する記載がない限り、「又は/若しくは(or)」は、包含的な「又は/若しくは(or)」を指し、排他的な「又は/若しくは(or)」を指すものではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は存在し)、Bが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)、Bが真である(又は存在する)、及び、AとBとの両方が真である(又は存在する)。
【0094】
また、「1つの(a)」又は「1つの(an)」の使用は、本明細書に記載の要素及び構成成分を説明するために用いられる。これは、単に便宜上、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この記載は、1つ又は少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、単数はまた、そうでないことを意味することが明らかでない限り、複数も含む。
【0095】
利益、他の利点、及び問題の解決策は、特定の実施形態に関して上で説明されている。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、及び任意の利益、利点、又は解決策をもたらすかより顕著にする可能性がある任意の特徴は、請求項のいずれか又は全ての重要な、必要な、又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0096】
本明細書を読んだ後、当業者には、特定の特徴が、明確にするために、別個の実施形態の文脈において本明細書に記載されており、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることが理解されよう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、別個に又は任意の部分的な組み合わせで提供され得る。更に、範囲で述べられた値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。
図1
図2A
図2B
図3
【国際調査報告】