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特表2024-539455ピロール誘導体又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩、及びそれを有効成分として含む胃腸疾患の予防、改善又は治療用の組成物
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  • 特表-ピロール誘導体又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩、及びそれを有効成分として含む胃腸疾患の予防、改善又は治療用の組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】ピロール誘導体又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩、及びそれを有効成分として含む胃腸疾患の予防、改善又は治療用の組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 207/335 20060101AFI20241018BHJP
   A61K 31/40 20060101ALI20241018BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20241018BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241018BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241018BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20241018BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20241018BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20241018BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20241018BHJP
【FI】
C07D207/335 CSP
A61K31/40
A61P1/04
A61P35/00
A61P43/00 111
C07D401/04
A61K31/4439
C07D401/12
A23L33/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529726
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 KR2022018323
(87)【国際公開番号】W WO2023090942
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0160052
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0075014
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521131605
【氏名又は名称】ハナ ファーム.カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ジェホ
(72)【発明者】
【氏名】イム,ソンイ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ギュヒャン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドンホン
(72)【発明者】
【氏名】オ,ウンヘ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ドンヨル
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ギムン
(72)【発明者】
【氏名】クァク,ダジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,イェリン
(72)【発明者】
【氏名】ミン,チャンホ
【テーマコード(参考)】
4B018
4C086
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018MD18
4B018ME11
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC05
4C086BC17
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA20
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA66
4C086ZA68
4C086ZB26
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、ピロール誘導体、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩、及びそれを有効成分として含む胃腸疾患の予防、改善又は治療用組成物に関する。その結果、本発明の化合物は、末端のメチルアミン部分の重水素化により、物動態パラメータ、経口バイオアベイラビリティ及び保存安定性が顕著に改善されたことが観察された。本発明のピロール誘導体、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩は、優れたプロトンポンプ抑制活性に加えて優れた抗癌活性を示し、薬物動態パラメータが及び化学的安定性が改善されているため、胃癌を含む胃腸疾患の予防、改善又は治療に有効に使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1:
【化1】
(式中、R1は、水素、フェニル、キノリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピペリジニル、チエニル又はイミダゾリルであり、ここで、水素を除くR1は、非置換であるか、又はC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニル及びハロフェニルからなる群から独立して選択される1~5個の置換基で置換されていてもよく、
2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素又はハロゲンであり、ただし、R2、R3及びR4は、同時に水素ではなく、
5は、水素、メトキシ、フルオロ、クロロ又はヒドロキシであり、
Xは、炭素又は窒素である)で示される化合物、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩。
【請求項2】
1は、フェニル、チエニル又はイミダゾリルであり、ここで、R1は、非置換であるか、又はC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニル及びハロフェニルからなる群から独立して選択される1~5個の置換基で置換されることを特徴とする請求項1に記載の化合物、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩。
【請求項3】
1は、フェニル、キノリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピペリジニル、チエニル又はイミダゾリルであり、ここで、R1は、非置換であるか、又はメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ及びフルオロフェニルからなる群から独立して選択される1~3個の置換基で置換されることを特徴とする請求項1に記載の化合物、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩。
【請求項4】
1は、フェニルであり、ここで、R1は、非置換であるか、又はメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ及びフルオロフェニルからなる群から選択される1若しくは2個の置換基で置換されることを特徴とする請求項1に記載の化合物、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩。
【請求項5】
1は、チエニル又はイミダゾリルであり、ここで、R1は、非置換であるか、又はクロロ及びメチルからなる群から選択される1若しくは2個の置換基で置換されることを特徴とする請求項1に記載の化合物、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩。
【請求項6】
2、R3、R4は、それぞれ独立して、水素又はフルオロであり、ただし、R2、R3、R4は、同時に水素ではないことを特徴とする請求項1に記載の化合物、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩。
【請求項7】
前記化合物は、下記化学式1-1:
【化2】
(式中、R1~R5は、請求項1で定義したものと同義である)で示されることを特徴とする請求項1に記載の化合物、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩。
【請求項8】
2及びR3は、それぞれ独立して、水素又はフルオロであり、
4は、フルオロであることを特徴とする請求項7に記載の化合物、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩。
【請求項9】
以下の化合物からなる群から選択される請求項1に記載の化合物、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩:
1)N-((5-2-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
2)N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
3)N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
4)4-((2-(2-フルオロフェニル)-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
5)N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
6)N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
7)N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
8)N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
9)N-((1-((4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
10)N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
11)N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
12)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
13)N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
14)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
15)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
16)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
17)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
18)4-((2-(2,4-ジフルオロフェニル-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
19)N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
20)N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
21)N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
22)4-((2-(3-フルオロフェニル)-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
23)N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
24)N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
25)N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
26)N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
27)N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
28)N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
29)N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
30)N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
31)4-((2-(4-フルオロフェニル)-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
32)N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
33)N-((1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
34)N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
35)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
36)N-((5-(2-フルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
37)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-((6-メトキシピリジン-3-イル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
38)N-((4-メトキシ-1-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)スルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
39)N-((4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;及び
40)N-((4-メトキシ-1-((6-メトキシピリジン-3-イル)スルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む胃腸疾患の予防又は改善用の医薬組成物。
【請求項11】
前記胃腸疾患が、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、胃粘膜損傷及び胃癌から選択される1種以上であることを特徴とする請求項10に記載の胃腸疾患の予防又は改善用の医薬組成物。
【請求項12】
請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物又はその栄養学的に許容される塩を含む胃腸疾患の予防又は改善用の健康機能性食品組成物。
【請求項13】
前記胃腸疾患が、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、胃粘膜損傷及び胃癌から選択される1種以上であることを特徴とする請求項12に記載の胃腸疾患の予防又は改善用の健康機能性食品組成物。
【請求項14】
化学式4のピロール誘導体の製造方法であって、以下の工程を含む方法:
1)有機溶媒及び塩基の存在下、下記化学式2の化合物及びスルホニル化合物(R1SO2Cl)を反応させて、下記化学式3の化合物を製造する工程;及び
2)有機溶媒及び還元剤存在下、前記化学式3の化合物及び重水素化メチルアミン(メチル-d3-アミン)を反応させて、下記化学式4の化合物を製造する工程:
【化3】
化学式2~4中、R1は、水素、フェニル、キノリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピペリジニル、チエニル又はイミダゾリルであり、ここで、水素を除くR1は、非置換であるか、又はC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニル及びハロフェニルからなる群から独立して選択される1~5個の置換基で置換されていてもよく、
2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素又はフルオロであり、ただし、R2、R3及びR4は、同時に水素ではなく、
5は、水素又はクロロであり、
Xは、炭素又は窒素である。
【請求項15】
化学式13のピロール誘導体の製造方法であって、以下の工程を含む方法:
1)クロロホルム有機溶媒及び塩基の存在下に、下記化学式9の化合物及びスルホニル化合物(R1SO2Cl)を反応させて、下記化学式10の化合物を製造する工程;
2)有機溶媒の存在下に、前記化学式10の化合物及び還元剤を反応させて、下記化学式11の化合物を製造する工程;
3)前記化学式11の化合物を酸化剤の存在下で反応させて、下記化学式12の化合物を製造する工程;及び
4)有機溶媒及び還元剤存在下に、前記化学式12の化合物を及び重水素化メチルアミン(メチル-d3-アミン)を反応させて、下記化学式13の化合物を製造する工程:
【化4】
(化学式9~14中、R1は、水素、フェニル、キノリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピペリジニル、チエニル又はイミダゾリルであり、ここで、水素を除くR1は、非置換であるか、又はC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニル及びハロフェニルからなる群から独立して選択される1~5個の置換基で置換されていてもよく、
2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素又はフルオロであり、ただし、R2、R3及びR4は、同時に水素ではない)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロール誘導体、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩、及びそれを有効成分として含む胃腸疾患の予防、改善又は治療用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代人が一般に引き起こす腸疾患の多くは、胃酸分泌調節を必要とする。これらの胃腸疾患には、ゾリンジャーエリソン(Zollinger-Ellison)症候群(ZES)、胃食道逆流性疾患(GERD)、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍、食道炎、胃癌などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に消化性潰瘍などの胃腸疾患は重篤な合併症が伴うことがあり、先進国で流行している。
【0003】
現在、GERD及び胃潰瘍などの胃腸疾患の治療としては、過剰な胃酸分泌を中和する制酸剤、胃酸分泌を抑える抗コリン薬、胃酸の放出を抑制するヒスタミンH2-レセプター拮抗剤、胃酸分泌を抑えるプロトンポンプ抑制剤(PPI)などが主に使用されている。特にPPIは、胃細胞の酸分泌機序であるH/K-ATPaseプロトンポンプ活性を抑制することによって作用する。PPIが、1988年に市場に初めて市場に導入され、数十年にわたって臨床適用されて以来、数多くのPPI製剤が胃酸分泌をコントロールする薬物として好まれ、販売されてきた。代表的なPPI製剤には、オメプラゾールがある。
【0004】
前記PPIは胃酸分泌を抑制する明確な効果を有する。しかし、食事の2時間前に服用しなければならないことと、酸性条件で不安定であること、薬物動態学的及び薬力学的の限界があることなど欠点があった。これらの欠点を克服したのが、新しい胃酸分泌抑制剤であるカリウム競合型胃酸分泌抑制剤である。
【0005】
新しいタイプの酸阻害剤として、カリウム競合型胃酸分泌抑制剤(P-CAB)は、Kの競争的結合によってH/K-ATPaseの活性を阻害することができ、PPIとは明らかに異なる作用機序を有することから、P-CABは胃酸ポンプ抑制剤と呼ばれている。P-CABは親油性、弱アルカリ性、高い解離定数、及び低いpH値でも安定という特性を有する。代表的なP-CABにはボノプラザンなどがある。
【0006】
現在、一連のカリウムイオン競合型胃酸分泌抑制剤(P-CAB)が利用可能であり、新規な薬効を有する化合物の開発が依然として求められている。
【0007】
例えば、ヘリコバクター・ピロリ除菌療法には、抗生剤との併用投与が必要な場合があり、高脂血症や高血圧の治療薬との併用投与が必要な場合もある。肝臓で代謝される位置の水素を重水素で置換すると、肝代謝の低下により血中濃度が上昇する可能性がある。重水素置換の利点は、投与間隔の延長による利便性の向上、薬物相互作用の可能性の低減、代謝産物による副作用の低減である。代用的な重水素置換の医薬品は、2017年にFDAから承認されたTEVA社製のAustedo(登録商標)である(非特許文献1)。Austedoに加えて、代謝安定性及び化合物の安定性の改善のために重水素を置換する方法が、非特許文献2に紹介されている。また、癌及びその関連疾患の治療効果を高めるために、重水素を置換した事例(特許文献1)及びボノプラザンに重水素を置換して薬効及びPK吸収性を改善させた事例(特許文献2)などが、化合物の代謝安定性及び化合物の安定性などを向上させる研究方法として紹介されている。本発明者らは、この化合物を重水素で置換することにより、化合物の安定性及びPK吸収性が向上した新規化合物を得、胃酸分泌抑制活性に加えて、新たな薬効を有する組成物を製造する研究を行った、その結果、下記化学式1で示されるピロール誘導体が、従来のPPI及びP-CAB薬物と比較して、優れたプロトンポンプ抑制活性に加えて、優れた抗腫瘍活性を有し、薬物動態パラメータ及び化学的安定性が改善されていることを見出し、胃腸疾患の予防、改善又は治療用組成物を完成するに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国特許 第10-2029135号
【特許文献2】米国特許 第10912769号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Drug Des Devel Ther. 2018; 12: 313-319
【非特許文献2】J. Med. Chem. 2019, 62, 11, 5276-5297
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、胃腸疾患の予防、改善又は治療効果を有するピロール誘導体及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記した目的を達成するために、本発明は、下記化学式1:
【化1】
(式中、R1は、水素、フェニル、キノリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピペリジニル、チエニル又はイミダゾリルであり、ここで、水素を除くR1は、非置換であるか、又はC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニル及びハロフェニルからなる群から独立して選択される1~5個の置換基で置換されていてもよく、
2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素又はハロゲンであり、ただし、R2、R3及びR4は、同時に水素ではなく、
5は、水素、メトキシ、フルオロ、クロロ又はヒドロキシであり、
Xは、炭素又は窒素である)で示される化合物、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩を提供する。
【0012】
また、本発明は、前記化学式1で示される化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む胃腸疾患の予防又は改善用の医薬組成物を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、前記化学式1で示される化合物又はその栄養学的に許容される塩を含む胃腸疾患を予防又は改善するための食品組成物を提供する。
【0014】
また、本発明は、化学式4のピロール誘導体の製造方法であって、以下の工程を含む方法:
1)有機溶媒及び塩基の存在下、下記化学式2の化合物及びスルホニル化合物(R1SO2Cl)を反応させて、下記化学式3の化合物を製造する工程;及び
2)有機溶媒及び還元剤存在下、前記化学式3の化合物及び重水素化メチルアミン(メチル-d3-アミン)を反応させて、下記化学式4の化合物を製造する工程:
【化2】
前記化学式2~4中、R1は、水素、フェニル、キノリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピペリジニル、チエニル又はイミダゾリルであり、ここで、水素を除くR1は、非置換であるか、又はC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニル及びハロフェニルからなる群から独立して選択される1~5個の置換基で置換されていてもよく、
2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素又はフルオロであり、ただし、R2、R3及びR4は、同時に水素ではなく、
5は、水素又はクロロであり、
Xは、炭素又は窒素である。
【0015】
さらに、本発明はピロール誘導体の製造方法であって、以下の工程を含む方法を提供する:
1)クロロホルム有機溶媒及び塩基の存在下に、下記化学式9の化合物及びスルホニル化合物(R1SO2Cl)を反応させて、下記化学式10の化合物を製造する工程;
2)有機溶媒の存在下に、前記化学式10の化合物及び還元剤を反応させて、下記化学式11の化合物を製造する工程;
3)前記化学式11の化合物を酸化剤の存在下で反応させて、下記化学式12の化合物を製造する工程;及び
4)有機溶媒及び還元剤存在下に、前記化学式12の化合物を及び重水素化メチルアミン(メチル-d3-アミン)を反応させて、下記化学式13の化合物を製造する工程:
【化3】
前記化学式9~13中、R1は、水素、フェニル、キノリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピペリジニル、チエニル又はイミダゾリルであり、ここで、水素を除くR1は、非置換であるか、又はC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニル及びハロフェニルからなる群から独立して選択される1~5個の置換基で置換されていてもよく、
2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素又はフルオロであり、ただし、R2、R3及びR4は、同時に水素ではない。
【発明の効果】
【0016】
本発明のピロール誘導体、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩は、優れたプロトンポンプ抑制活性及び抗癌活性を示し、半減期などの薬物動態パラメータが改善され、バイオアベイラビリティが向上され、化学的安定性が改善されているので、胃腸疾患の予防、改善又は治療に有効に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例及び対照薬物による化合物のヒト上癌細胞(AGS細胞)に対する増殖抑制効果を示すグラフである。
図2】本発明の実施例7の異種移植マウス腫瘍モデルにおける化合物の抗癌効果を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0019】
本発明者らは、優れたプロトンポンプ抑制活性を有する薬剤を開発すべく研究を進めていたところ、下記化学式1で示されるピロール誘導体化合物が、優れたプロトンポンプ抑制活性が有し、胃癌細胞の増殖を効果的に抑制し、動物モデルにおける薬物動態学的及び薬力学的プロファイルが改善され、経口バイオアベイラビリティが有意に向上し、保存安定性が有意に向上することが確認し、本発明を完成した。
【0020】
本発明の一側面は、下記化学式1:
【化4】
(式中、R1は、水素、フェニル、キノリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピペリジニル、チエニル又はイミダゾリルであり、ここで、水素を除くR1は、非置換であるか、又はC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニル及びハロフェニルからなる群から独立して選択される1~5個の置換基で置換されていてもよく、
2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素又はハロゲンであり、ただし、R2、R3及びR4は、同時に水素ではなく、
5は、水素、メトキシ、フルオロ、クロロ又はヒドロキシであり、
Xは、炭素又は窒素である。)で示される化合物、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩を提供する。
【0021】
前記化学式1において、R1は、好ましくは、フェニル、チエニル又はイミダゾリルであってもよく、より好ましくはフェニル、又はチエニル又はイミダゾリルであってもよく、さらに好ましくはフェニルであってもよい。
【0022】
また、前記R1は、好ましくは、非置換であるか、又はメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ及びフルオロフェニルからなる群から独立して選択される1~3個の置換基で置換されていてもよい。より好ましくは、非置換であるか、又はメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ及びフルオロフェニルからなる群から選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい。さらに好ましくは、フルオロ、クロロ及びブロモから選択される1又は2個の置換基であってもよい。さらに好ましくは、1個のフルオロ置換基で置換されていてもよい。
【0023】
また、前記R2、R3及びR4は、好ましくは、それぞれ独立して、水素又はフルオロ(ただし、R2、R3及びR4は、同時に水素ではない)であってもよく、より好ましくは、R2及びR3は、それぞれ水素であり、R4は、フルオロである。
【0024】
また、前記R5は、好ましくは、水素、メトキシ又はクロロであってもよく、より好ましくは水素であってもよい。
【0025】
一実施形態において、前記化合物は、下記化学式1-1:
【化5】
(式中、R1は、水素、フェニル、キノリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピペリジニル、チエニル又はイミダゾリルであり、ここで、水素を除くR1は、非置換であるか、又はC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニル及びハロフェニルからなる群から独立して選択される1~5個の置換基で置換されていてもよくて、
2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素又はハロゲンであり、ただし、R2、R3及びR4が、同時に水素ではなく、
5は水、素、メトキシ、フルオロ、クロロ又はヒドロキシであり、
Xは、炭素又は窒素である)で示さすことができる。
【0026】
好ましくは、前記化学式1-1で示される化合物において、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素又はフルオロであり、R4は、フルオロであってもよい。
【0027】
前記化学式1で示される化合物、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩の代表的な例は以下の通りである:
1)N-((5-2-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
2)N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
3)N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
4)4-((2-(2-フルオロフェニル)-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
5)N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
6)N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
7)N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
8)N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
9)N-((1-((4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
10)N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
11)N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
12)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
13)N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
14)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
15)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
16)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
17)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
18)4-((2-(2,4-ジフルオロフェニル-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
19)N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
20)N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
21)N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
22)4-((2-(3-フルオロフェニル)-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
23)N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
24)N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
25)N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
26)N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
27)N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
28)N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
29)N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
30)N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
31)4-((2-(4-フルオロフェニル)-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
32)N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
33)N-((1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
34)N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
35)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
36)N-((5-(2-フルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
37)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-((6-メトキシピリジン-3-イル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
38)N-((4-メトキシ-1-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)スルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
39)N-((4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;及び
40)N-((4-メトキシ-1-((6-メトキシピリジン-3-イル)スルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン。
【0028】
前記化学式1で示される化合物、又はその薬学的若しくは栄養学的に許容される塩のプロトンポンプ抑制活性及び抗腫瘍活性の観点から好ましい例は以下の通りである:
2)N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
3)N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
4)4-((2-(2-フルオロフェニル)-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
7)N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
35)N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン;
【0029】
前記化学式1で示される化合物又はその塩は、不斉原子を含む置換基を有してもよい。この場合、化学式1の化合物又はその塩は(R)、(S)、又はラセミ体(RS)などの光学異性体として存在することができる。従って、特に断らない限り、前記化学式1の化合物又はその塩は(R)、(S)、又はラセミ体(RS)などの全ての光学異性体を含む。
【0030】
前記化学式1で示される化合物は、薬学的若しくは栄養学的に許容される塩の形態であってもよい。前記塩は、通常の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、説パモン酸、リン酸、又は硝酸などの無機酸から誘導された塩及び酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ-安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンジスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、又はトリフルオロ酢酸などの有機酸から誘導された塩を含む。好ましくは、前記塩は、塩酸塩又はフマル酸塩であってもよい。
【0031】
前記化学式1で示される化合物は、例えば、以下の反応スキーム1~3から選択されるいずれか1つの方法によって製造することができる。
【0032】
以下の反応スキーム1~3において、各反応時間は15分~24時間、好ましくは30分~16時間であってもよい。また、反応温度は、約-78℃~120℃、好ましくは0℃~110℃、さらに好ましくは0℃~70℃であってもよい。
【0033】
この時、反応溶媒(有機溶媒)としては、アルコール(メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール)、エーテル(エチルプロピルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル、n-ブチルエーテル、アニソール、フェネトール、シクロヘキシルメチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ-n-ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジクロロジエチルエーテル及びエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのポリエーテル)、ハロ炭化水素(テトラクロロエチレン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン、塩化メチレン、ジクロロブタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ペンタクロロエタン、ジフルオロベンゼン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン、トリクロロベンゼン)、ニトロ炭化水素(ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン、クロロニトロベンゼン、o-ニトロトルエン)、芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、石油エーテル、リグロイン、オクタン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ニトロベンゼン、キシレン)、脂肪族炭化水素、シクロ脂肪族炭化水素、ニトリル(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル、m-クロロベンゾニトリル)、スルホン(ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジブチルスルホン、ジフェニルスルホン、ジヘキシルスルホン、メチルエチルスルホン、エチルプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホン及びペンタメチレンスルホン)、スルホキシド(テトラヒドロチオフェンジオキシド、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ベンジルメチルスルホキシド、ジイソブチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジイソアミルスルホキシド)、アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、n-メチルモルホリン、ピリジン及びテトラメチレンジアミン)、アミド(ヘキサメチルリン酸トリアミド、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジプロピルホルムアミド、N,N-ジブチルホルムアミド、N-メチルピロリジン、N-メチルカプロラクタム、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジン、オクチルピロリドン、オクチルカプロラクタム、1,3-ジメチル-2-イミダゾリンジオン、N-ホルミルピペリジン、N,N’-1,4-ジホルミルピパラジン)、ケトン(アセトン、アセトフェノン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、ブチルアセテイトゥ、イソ酢酸ブチル、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、及びエチレンカーボネート)から選択されるいずれか1つ又は2種以上の混合溶媒であってもよく、好ましくは、メタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン及びN,N-ジメチルホルムアミドから選択される1種以上の有機溶媒であってもよい。
【0034】
また、前記反応のための塩基は、特に限定されないが、N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)などのの有機塩基、又は炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、バリウムヒドロキシド、水素化ナトリウム(NaH)、炭酸カリウムなどの無機塩基を単独又は混合して、当量又は過剰量で使用することができる。
【0035】
また、前記反応のための酸化剤は、少なくとも1つの重金属又は重金属の塩を含む化合物、過酸化物、及びN-ハロイミド化合物から選択される1種であってもよい。好ましくは、少なくとも1つの重金属又は重金属の塩を含む化合物及び過酸化物から選択される1種であってもよい。前記の少なくとも1つの重金属又は重金属の塩を含む化合物及び過酸化物としては、具体的には、ヨウ素化合物、塩化物、クロム化合物、二酸化マンガン、過マンガン酸、過ホウ酸塩であってもよい。より具体的には、デス・マーチンペルヨージナン、塩化オキサリル、クロム酸無水物、三酸化クロム、二クロム酸カリウム、重クロム酸ナトリウム、クロム酸カリウム、クロム酸銀、クロム酸鉛、クロム酸バリウム、クロロクロム酸ピリジニウム、ジクロム酸ピリジニウム、二酸化マンガン、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸バリウム、過マンガン酸リチウム、過ホウ酸ナトリウムであってもよい。
【0036】
以下の反応スキーム1~3において、R1は、水素、フェニル、キノリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピペリジニル、チエニル又はイミダゾリルであってもよく、ここで、水素を除くR1は、非置換であるか、又はC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C4ハロアルキル、C1-C4ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニル及びハロフェニルからなる群から独立して選択される1~5個の置換基で置換されていてもよい。また、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素又はハロゲンであってもよく、ただし、R2、R3及びR4は、同時に水素あることではなく、好ましくは、それぞれ独立して、水素又はフルオロであってもよい。R5は、水素、メトキシ、フルオロ、クロロ又はヒドロキシであってもよく、好ましくは、水素又はクロロであってもよい。また、Xは、炭素又は窒素であってもよい。
【0037】
【化6】
前記反応スキーム1において、工程1は、前記化学式2で示される化合物を化学式3で示される製造する工程であり、クロロホルム及びテトラヒドロフランなどの有機溶媒と、塩基である水素化ナトリウム(NaH)存在下で、スルホニル化合物(R1SO2Cl)を用いてスルホン化基を導入する反応である。
【0038】
工程2は、還元性アミノ化反応であり、前記化学式3で示される化合物を重水素化メチルアミン(メチル-d3-アミン)と反応させ、化学式4で示される化合物に転換させる工程である。前記反応は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤及びメタノール、テトラヒドロフランなどの有機溶媒存在下で行うことができる。
【0039】
【化7】
反応スキーム2において、工程1は、前記化学式5で示される化合物とR-ボロン酸を金属触媒下で、化学式6で示される化合物を製造する工程であり、鈴木カップリングとも呼ばれる。前記反応は、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどの塩基及びN,N-ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒存在下で行うことができる。
【0040】
工程2は、前記化学式6で示される化合物を化学式7で示される化合物を製造する工程であり、クロロホルム及びテトラヒドロフランなどの有機溶媒と塩基である水素化ナトリウム存在下で、スルホニル化合物(R1SO2Cl)を用いてスルホン化基を導入する反応である。
【0041】
工程3は、還元性アミノ化反応で前記化学式7で示される化合物を重水素化メチルアミン(メチル-d3-アミン)と反応させ、化学式8で示される化合物に転換させる工程である。前記反応は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤及びメタノール、テトラヒドロフランなどの有機溶媒存在下で行うことができる。
【0042】
【化8】
反応スキーム3において、工程1は、前記化学式9で示される化合物を化学式10で示される化合物を製造する工程であり、クロロホルムなどの有機溶媒と塩基である水素化ナトリウム(NaH)存在下で、スルホニル化合物(R1SO2Cl)を使用いてスルホン化基を導入する反応である。
【0043】
工程2は、化学式10で示される化合物を還元剤である水素化アルミニウムリチウム(LAH)を用いて、テトラヒドロフランなどの有機溶媒存在下で化学式11で示される化合物に転換させる工程である。
【0044】
工程3は、化学式11で示される化合物をデス・マーチンペルヨージナンの酸化剤を用いて、化学式12のアルデヒド化合物に転換する酸化反応である。前記反応は、塩化メチレン、クロロホルムなどの有機溶媒存在下で行うことができる。
【0045】
工程4は、還元性アミノ化反応であり、化学式12で示される化合物を重水素化メチルアミン(メチル-d3-アミン)と反応させ、化学式13で示される化合物に転換させる工程である。前記反応は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤及びメタノール、テトラヒドロフランなどの有機溶媒存在下で行うことができる。
【0046】
また、本発明は、前記化学式1で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む胃腸疾患の予防又は改善用の医薬組成物を提供する。
【0047】
さらに、本発明は、前記化学式1で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む組成物を対象(subject)に投与する工程を含む胃腸疾患の予防、改善又は治療方法を提供する。
【0048】
また、本発明は、前記化学式1で示される化合物又はその薬学的に許容される塩の治療における使用を提供する。
【0049】
前記治療における使用は、胃腸疾患の治療であってもよい。
【0050】
前記胃腸疾患は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、胃粘膜損傷及び胃癌から選択される1種以上であってもよく、好ましくは、胃潰瘍及び十二指腸潰瘍から選択される1種以上の消化性潰瘍であってもよい。
【0051】
また、前記胃腸疾患は、胃酸過多分泌による疾患であってもよい。
【0052】
本発明において、「予防」とは、本発明の前記医薬組成物を個体に投与することにより、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、胃粘膜損傷及び胃癌の発病を抑制又は遅延させるすべての行為を意味し、「治療」とは、本発明の前記薬学的組成物を個体に投与することにより、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、胃粘膜損傷及び胃癌の症状を改善又は有益にするすべての行為を意味する。
【0053】
本発明による医薬組成物は、薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤をさらに含むことができる。
【0054】
本発明で使用される「薬学的に許容される」とは、投与時に生体を刺激せず、投与された化合物の生物学的活性及び特性を阻害しない、医薬分野で通常的に使用される化合物を指す。
【0055】
本発明において、「有効成分として含む」とは、本発明の化合物の胃腸疾患の予防、改善又は治療という有効性又は活性を達成するのに十分な量を含むことを意味する。
【0056】
本発明において、前記担体の種類は特に制限されず、当該技術分野において通常的に使用される任意の担体を使用することができる。前記担体の非制限的な例としては、食塩水、滅菌数、リンゲル液、緩衝食塩水、アルブミン注射溶液、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、マルチトール、マルトデキストリン、グリセロール、エタノールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0057】
また、本発明の前記医薬組成物は、必要に応じて、賦形剤、希釈剤、抗酸化剤、緩衝液又は静菌剤などの他の薬学的に許容される添加剤と併用してもよい。さらに、充填剤、増量剤、湿潤剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、結合剤又は潤滑剤と併用することができる。
【0058】
さらに、本発明の前記医薬組成物は、経口投与又は非経口投与に適した種々の製剤に製剤化して使用することができる。
【0059】
前記経口投与用製剤の非制限的な例としては、トローチ(troches)、トローチ剤(lozenge)、錠剤、水溶性懸濁液、油性懸濁液、調製粉末、顆粒、乳剤、硬カプセル剤、軟プセル、シロップ又はエリキシル剤などが挙げられる。
【0060】
本発明の前記医薬組成物を経口投与のために製剤化するために、結合剤(例えば、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アミロペクチン、セルロース又はゼラチン);賦形剤(例えば、リン酸二カルシウム);崩壊剤(例えば、コーンスターチ又はサツマイモデンプン);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム又はポリエチレングリコールワックス)を使用することができ、甘味剤、芳香剤、シロップ剤を使用することもできる。さらに、カプセル剤の場合には、前記言及した物質に加えて、脂肪油のような液体担体などをさらに使用することができる。
【0061】
前記非経口製剤の非制限的な例としては、注射液、坐剤、呼吸器吸入用粉末、スプレー用エアロゾル剤、軟膏、塗布用粉末、オイル、クリームなどが挙げられる。
【0062】
本発明の前記医薬組成物を非経口投与用に製剤化するために、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、外用剤などを使用することができる。前記非水性溶剤及び懸濁剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、オレイン酸エチルなどの注射用なエステルなどを使用することができる。
【0063】
また、より具体的には、本発明の前記医薬組成物を注射液として製剤化する場合、本発明の前記組成物を安定化剤又は緩衝剤とともに水に混合して溶液又は懸濁液を製造し、アンプル又はバイアルに単位投与できるように製剤化することができる。また、本発明の前記医薬組成物をエアロゾルとして製剤化する場合、水分散濃縮物又は湿潤粉末を分散させるために、添加剤ともに推進剤を添加してもよい。
【0064】
さらに、本発明の前記医薬組成物を軟膏、クリームなどに製剤化する場合には、担体として、動物油、植物油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルク、酸化亜鉛などを用いて製剤化することができる。
【0065】
本発明の前記医薬組成物の薬学的有効量及び有効投与量は、前記医薬組成物の製剤化方法、投与方法、投与時間及び/又は投与経路などによって異なり、いくつかの要因(例えば、前記医薬組成物の投与によって達成されるべき反応の種類と程度、投与される対象の種類、年齢、体重、一般的な健康状態、疾患の症状や重症度、性別、食餌、排泄、対象に同時又は異なる時期に使用される薬物及び他の組成物の成分)及び医療分野で周知の同様の要因によって変動し得る。当業者であれば、所望の治療に有効な投与量を容易に決定し、処方することができる。
【0066】
本発明の医薬組成物のより好ましい効果のための投与量は、1日当たり0.01~100mg/kg、より好ましくは0.01~50mg/kgである。このとき、前記医薬組成物中の内化学式1で示されるピロール誘導体又はその薬学的に許容される塩の濃度は、0.01~20mg/mL、より好ましくは0.01~10mg/mLである。本発明の前記医薬組成物は、1日1回投与してもよいし、数回に分けて投与してもよい。このとき、前記ピロール誘導体化合物の含量が、前記下限値未満であると、細胞生残率には優れるものの、胃腸疾患の改善又は治療効果が所望の程度に得られない場合がある。逆に、前記上限値を超えると、濃度が高くなるにつれて胃腸疾患の改善又は治療効果が高くないか、組成物が毒性を示す場合がある。
【0067】
本発明の薬学的組成物の総有効量は、単回投与として患者に投与してもよいし、長期間にわたって複数回投与する分割治療プロトコルによって投与してもよい。本発明の医薬組成物中の有効成分の含量は、疾患の重症度に応じて変化し得る。
【0068】
本発明の前記医薬組成物の投与経路及び投与方法は、それぞれ独立的していてもよく、特に限定されない。医薬組成物が所望の部位に到達し得る限り、任意の投与経路及び投与方法を用いることができる。前記医薬組成物は、経口投与又は非経口投与により投与することができる。
【0069】
前記非経口投与方法としては、例えば、腹腔内注射、直腸内周社、皮下注射、静脈内注射、筋肉内周社、子宮内髄腔内注射、脳血管内注射又は胸部内注射などが挙げられる。このような方法は、前記組成物を患部に塗布する方法、噴霧又は吸入する方法であってもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0070】
本発明の前記医薬組成物は、好ましくは経口投与又は注射投与することができ、より好ましくは経口投与することができる。
【0071】
また、前記医薬組成物は、単独で、又は手術、放射線療法、ホルモン療法、化学療法及び生物学的反応調節剤を使用する方法と組み合わせて使用することができる。
【0072】
さらに、本発明の医薬組成物の投与対象は、ヒトであっても動物であってもよい。
【0073】
また、本発明は、前記化学式1で示される化合物又はその栄養学的に許容される塩を含む胃腸疾患の予防又は改善のための健康機能性食品組成物を提供する。
【0074】
前記胃腸疾患は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、胃粘膜損傷及び胃癌から選択される1種以上であってもよい。
【0075】
本発明において、用語「予防」は、前記胃腸疾患を抑制又は遅延させることをいう。
【0076】
本発明において、用語「改善」は、治療される状態に関連するパラメータ、例えば、症状の重症度を少なくとも軽減する任意の行為を指す。
【0077】
本発明において、「健康機能性食品組成物」とは、法令基準(健康機能性食品に関する法律第3条第1号)に基づき、人体に有用な機能性を有する原料又は成分を用いて製造(加工を含む)された食品をいう。前記「健康機能性食品組成物」は、国によって用語や範囲が異なる場合があるが、米国では「栄養補助食品(Dietary Supplement)」、欧州では「栄養補助食品(Food Supplement)」、日本では「保健機能食品」又は「特定保健用食品(FOSHU)」、中国では、「保健食品」に該当する。
【0078】
前記健康機能性食品組成物は、さらに食品添加物を含んでいてもよく、食品添加物としての適性は、特に指定がないかがり、「韓国食品添加物コード」の一般規定及び一般試験法に従い、該当品目の仕様及び基準によって決定される。
【0079】
前記健康機能性食品は、本発明のピロール誘導体化合物を各種食品素材に添加するか、カプセル化、粉末化、懸濁液などして摂取することにより、特定の健康効果をもたらす食品をいう。しかし、本発明の健康機能性食品は、医薬と異なり、食品を原料としているため、医薬品を長期間服用した場合に生じる副作用がないという利点がある。このようにして得られた本発明の健康機能性食品組成物は、日常的に摂取することができるため、非常に有用である。このような健康機能性食品への前記ピロール誘導体化合物の添加量は、対象となる健康機能性食品の種類によって異なり、一律に規定することができない。しかし、この量は食品本来の味を損なわない範囲であればよく、通常、対象食品に対して0.001~50重量%、好ましくは0.01~10重量%の範囲である。また、丸剤、顆粒、錠剤又はカプセル剤の形態の健康機能性食品の場合、前記ピロール誘導体化合物は、通常0.1~100重量%、好ましくは0.5~50重量%の範囲で添加すれば良い。一実施形態において、本発明の健康機能性食品は、粉末、顆粒、錠剤、カプセル又は飲料の形態であってもよい。
【0080】
また、前記健康機能性食品は、当該技術分野で知られている従来の方法に従って、様々な形態で製造することができる。一般食品は、前記ピロール誘導体化合物を、飲料(例えば、アルコール飲料など)、果物及びその加工食品(例えば、果物の缶詰、瓶詰、ジャム、マーマレードなど)、魚類、肉類及びその加工食品(例えば、ハム、ソーセージコーンビーフなど)、パン類及び麺類(例えば、うどん、そば、ラーメン、スパゲティ、マカロニなど)、果汁、各種飲料、クッキー、飴、乳製品(例えば、バター、チーズなど)、食用植物油、マーガリン、植物性タンパク質、レトルト食品、冷凍食品、各種調味料(例えば、みそ、醤油、ソースなど)等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。さらに、前記ピロール誘導体化合物をカプセル剤、錠剤、丸薬に添加して栄養補助剤を製造してもよいが、本発明はこれらに限定されるものではない。さらに、本発明の健康機能性食品は、例えば、前記ピロール誘導体化合物自体を液状化することにより、お茶、ジュース、ドリンク剤(健康飲料)の形態に製造するか、本発明はこれらに限定されるものではない。これを顆粒化、カプセル化及び粉末化して摂取することができるが、さらに、前記ピロール誘導体化合物を食品添加剤の形態で使用するためには、粉末として製造してもよいし、濃縮液の形態で抽出して使用してもよい。
【0081】
本発明の胃腸疾患予防又は改善用健康機能性食品組成物を健康飲料組成物として使用する場合、前記健康飲料組成物には、通常の飲料と同様に、各種香味剤又は天然炭水化物などを副原料として含有させることができる。前述の天然炭水化物は、ブドウ糖、フルクトースのような単糖;マルトース、スクロースのような二糖;デキストリン、シクロデキストリンのような多糖;キシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールであってもよい。甘味剤は、タウマチン、ステビア抽出物などの天然甘味剤;サッカリン、アスパルタムなどの合成甘味剤などを使用することができる。前記天然炭水化物の割合は、一般に、本発明の組成物100mL当たり約0.01~0.04g、好ましくは約0.02~0.03gである。
【0082】
本発明のピロール誘導体化合物は、前記健康機能性食品組成物中に有効成分として含有させることができ、その量は、胃腸疾患の予防、改善又は治療効果を達成するのに有効な量とすることができる。
【0083】
前記健康機能性食品組成物のより好ましい効果のための投与量は、1日0.01~100mg/kg、より好ましくは0.01~50mg/kgであってもよい。このとき、前記健康機能性食品組成物中の化学式1で示されるピロール誘導体又はその栄養学的に許容される塩の濃度は、0.01~20mg/mLであり、より好ましくは0.01~10mg/mLである。このとき、前記ピロール誘導体の含量が前記下限値未満であると、細胞生残率には優れるものの、胃腸疾患の改善又は治療効果が所望の程度に得られない場合がある。逆に、前記上限値を超えると、濃度が高くなっても胃腸疾患の改善又は治療効果が高くならいか、組成物に毒性がある場合がある。
【0084】
以下、本発明を以下の実施例により詳細に説明する。ただし、以下の実施例は単に本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されないことは当業界にとって明らかである。
【0085】
<実施例及び製造例、比較例>
下記の実施例で製造された化合物の分析は以下のように行った:
核磁気共鳴(NMR)スペクトル分析は、Varian社の300MHz、JEOL社の500MHz、Bruker社の700MHzの分光計で行い、化学シフトはppmで分析し、カラムクロマトグラフィーはシリカゲル(Merck社製、70~230メッシュ)で行った。また、各実施例又は製造例の出発物質は、TCI社等から購入した既知の化合物であり、市販の化合物であった。
【0086】
<製造例1(反応スキーム1に相当)>
1-1:カルバルデヒド中間体
反応スキーム1の化学式2の化合物をテトラヒドロフラン又はクロロホルムに懸濁した。反応混合物を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(1.5eq)、スルホニルクロリド(1.5eq)を加え、20±5℃で30分間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル、精製水を加え、有機層を抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過後、ろ液を減圧下濃縮した。濃縮残渣をn-ヘキサン:酢酸エチル=3:1でカラムクロマトグラフィーに付し、反応スキーム1に示す化学式3を得た。
【0087】
1-2:最終化合物
製造例1-1の化合物をテトラヒドロフラン、メタノールに懸濁した。反応混合物に重水素化メチルアミン塩酸塩(6eq)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(3eq)を加え、20±5℃で30分間撹拌した。反応混合物に精製水、炭酸水素ナトリウム水溶液、酢酸エチルを加え、有機層を抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過後、ろ液を減圧下濃縮した。濃縮残渣を塩化メチレン:メタノール=10:1でカラムクロマトグラフィーに付し、反応スキーム1に示す化学式4を得た。
【0088】
<製造例2(反応スキーム2に相当)>
2-1.5-アリール-1H-ピロール-3-カルバルデヒド
N,N-ジメチルホルムアミドに、5-ブロモ-1H-ピロール-3-カルバルデヒド、アリールボロン酸(1.5eq)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.15eq)を加え、マイクロ波反応器内で、100±5℃で12時間撹拌した。反応混合物に精製水、酢酸エチルを加え、有機層を抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、ろ液を減圧下濃縮した。濃縮残渣をn-ヘキサン:酢酸エチル=7:3でカラムクロマトグラフィーに付し、反応スキーム2に示す化学式6を得た。
【0089】
2-2:カルバルデヒド中間体
製造例2-1の化合物をテトラヒドロフラン又はクロロホルムに懸濁した。反応混合物を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(1.5eq)、スルホニルクロリド(1.5eq)を加え、20±5℃で30分間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル、精製水を加え、有機層を抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過後、ろ液を減圧下濃縮した。濃縮残渣をn-ヘキサン:酢酸エチル=3:1でカラムクロマトグラフィーに付し、反応スキーム2に示す化学式7を得た。
【0090】
2-3:最終化合物
製造例2-2の化合物をテトラヒドロフラン、メタノールに懸濁した。反応混合物に重水素化メチルアミン塩酸塩(6eq)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(3eq)を加え、20±5℃で30分間撹拌した。反応混合物に精製水、炭酸水素ナトリウム水溶液、酢酸エチルを加え、有機層を抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過後、ろ液を減圧下濃縮した。濃縮残渣を塩化メチレン:メタノール=10:1でカラムクロマトグラフィーに付し、反応スキーム2に示す化学式8を得た。
【0091】
<製造例3(反応スキーム3に相当)>
3-1:カルボキシレート化合物
反応スキーム3の化学式9をテトラヒドロフランに加えた。反応混合物を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(2.0eq)、スルホニルクロリド(1.8eq)を加え、70±5℃で12時間撹拌した。反応混合物に1N塩酸水溶液、精製水を加えてpHを8以上に調節し、塩化メチレンを加え、有機層を抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過後、ろ液を減圧下濃縮した。濃縮残渣をn-ヘキサン:酢酸エチル=4:1でカラムクロマトグラフィーに付し、反応スキーム3に示す化学式10を得た。
【0092】
3-2:カルバルデヒド化合物
製造例3-1のカルボキシレート化合物を塩化メチレンに溶解した。反応混合物を0℃に冷却し、水素化アルミニウムリチウム(3.0eq)を投加え、0±5℃で10分間撹拌した。精製水、1N水酸化ナトリウム溶液で反応終結後、硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過後、ろ液を減圧下濃縮した。濃縮残渣を塩化メチレンに溶解した。反応混合物を0℃に冷却し、デス・マーチンペルヨージナン(2.0eq)を加え、20±5℃で30分間撹拌した。反応終結後、炭酸水素ナトリウム水溶液、精製水を加えてpHを8以上に調節した。混合物に塩化メチレンを加え、有機層を抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過後、ろ液を減圧下濃縮した。濃縮残渣を塩化メチレン:メタノール=8:1でカラムクロマトグラフィーに付し、反応スキーム3に示す化学式12を得た。
【0093】
3-3:最終化合物
製造例3-2の化合物をテトラヒドロフラン、メタノールに懸濁した。反応混合物に重水素化メチルアミン塩酸塩(6eq)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(3eq)を加え、20±5℃で30分間撹拌した。反応混合物に精製水、炭酸水素ナトリウム水溶液、酢酸エチルを加え、有機層を抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥及びろ過後ろ、液を減圧下濃縮した。濃縮残渣を塩化メチレン:メタノール=10:1でカラムクロマトグラフィーに付し、反応スキーム3に示す化学式13を得た。
【0094】
実施例1.N-((5-2-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム1に相当)
【0095】
1-1:5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例1-1に従って、表題化合物として、実施例1-1の化合物を得た(収率:41%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.90 (s, 1H), 8.12 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.48 - 7.39 (m, 2H), 7.33 - 7.29 (m, 1H), 7.25 (dd, J = 1.7, 1.0 Hz, 1H), 7.18 - 7.14 (m, 2H), 7.06 - 7.00 (m, 2H), 6.67 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0096】
1-2:N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
製造例1-2に従って、表題化合物として、実施例1の化合物を得た(収率:39%)
【化9】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.15 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.60 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.46 - 7.40 (m, 1H), 7.15 - 7.10 (m, 2H), 7.01 - 6.96 (m, 1H), 6.67 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.71 (s, 2H).
【0097】
実施例2.N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム1に相当)
2-1:5-(2-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例1-1に従って、表題化合物として、実施例2-1の化合物を得た(収率:67%)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.85 (s, 1H), 8.52 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.58 - 7.50 (m, 1H), 7.43 - 7.36 (m, 4H), 7.25 - 7.18 (m, 2H), 7.09 (td, J = 7.5, 1.7 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 2.38 (s, 3H).
【0098】
2-2:N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
製造例1-2に従って、表題化合物として、実施例2の化合物を得た(収率:55%)。
【化10】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.39 - 7.34 (m, 2H), 7.32 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.18 - 7.13 (m, 3H), 7.10 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.02 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 3.63 (s, 2H), 2.37 (s, 3H).
【0099】
実施例3.N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム1に相当)
3-1:5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例1-1に従って、表題化合物として、実施例3-1の化合物を得た(収率:70%)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.85 (s, 1H), 8.50 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.57 - 7.50 (m, 1H), 7.46 - 7.40 (m, 2H), 7.25 - 7.20 (m, 2H), 7.11 (td, J = 7.3, 1.5 Hz, 1H), 7.09 - 7.05 (m, 2H), 6.64 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.84 (s, 3H).
【0100】
3-2:N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例3-1の化合物を製造例1-2に従って、表題化合物として、実施例3の化合物を得た(収率:57%)。
【化11】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.39 - 7.33 (m, 4H), 7.20 - 7.15 (m, 1H), 7.10 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.02 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.24 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.65 (s, 2H).
【0101】
実施例4.4-((2-(2-フルオロフェニル)-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリルの製造(反応スキーム1に相当)
4-1:4-((2-(2-フルオロフェニル)-4-ホルミル-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル化合物の製造
製造例1-1に従って、表題化合物として、実施例4-1の化合物を得た(収率:64%)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.87 (s, 1H), 8.60 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.58 - 7.52 (m, 1H), 7.22 (q, J = 8.0 Hz, 2H), 7.11 (td, J = 7.5, 1.6 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 1.7 Hz, 1H).
【0102】
4-2:4-((2-(2-フルオロフェニル)-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル化合物の製造
実施例4-1の化合物を製造例1-2に従って、表題化合物として、実施例4の化合物を得た(収率:64%)。
【化12】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.68 - 7.64 (m, 2H), 7.54 - 7.50 (m, 2H), 7.43 - 7.35 (m, 2H), 7.20 - 7.10 (m, 2H), 7.03 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 6.26 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.62 (s, 2H).
【0103】
実施例5.N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム1に相当)
5-1:1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例1-1に従って、表題化合物として、実施例5-1の化合物を得た(収率:65%)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.86 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 7.81 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.55 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.26 - 7.19 (m, 2H), 7.13 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.69 (s, 1H).
【0104】
5-2:N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例5-1の化合物を製造例1-2に従って、表題化合物として、実施例5の化合物を得た(収率:37%)。
【化13】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.74 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.53 - 7.46 (m, 1H), 7.35 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.19 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.14 - 7.06 (m, 2H), 6.41 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.08 (s, 2H).
【0105】
実施例6.N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム1に相当)
6-1:1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例1-1に従って、表題化合物として、実施例6-1の化合物を得た(収率:69%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.88 (s, 1H), 8.10 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.44 (ddd, J = 13.2, 6.7, 3.8 Hz, 1H), 7.38 - 7.31 (m, 4H), 7.17 - 7.13 (m, 2H), 7.01 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0106】
6-2:N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例6-1の化合物を製造例1-2に従って、表題化合物として、実施例6の化合物を得た(収率:64%)。
【化14】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.54 - 7.28 (m, 6H), 7.18 - 6.99 (m, 3H), 6.26 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.63 (s, 2H).
【0107】
実施例7.N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム1に相当)
7-1:5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例1-1に従って、表題化合物として、実施例7-1の化合物を得た(収率:54%)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.86 (s, 1H), 8.56 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 8.7, 4.9 Hz, 2H), 7.56 - 7.51 (m, 1H), 7.44 (t, J = 8.7 Hz, 2H), 7.25 - 7.18 (m, 2H), 7.11 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 6.69 (s, 1H).
【0108】
7-2:N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例7-1の化合物を製造例1-2に従って、表題化合物として、実施例7の化合物を得た(収率:50%)。
【化15】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.41 - 7.29 (m, 4H), 7.16 - 7.05 (m, 2H), 7.05 - 6.99 (m, 3H), 6.23 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.61 (s, 2H).
【0109】
実施例8.N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム1に相当)
8-1:5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例1-1に従って、表題化合物として、実施例8-1の化合物を得た(収率:43%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.90 (s, 1H), 8.13 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.47 - 7.41 (m, 3H), 7.21 - 7.13 (m, 4H), 6.98 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0110】
8-2:N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例8-1の化合物を製造例1-2に従って、表題化合物として、実施例8の化合物を得た(収率:36%)。
【化16】
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.56 (ddd, J = 9.7, 4.7, 2.3 Hz, 2H), 7.52 - 7.40 (m, 2H), 7.36 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.19 - 7.01 (m, 3H), 6.34 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.78 (s, 2H).
【0111】
実施例9.N-((1-((4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム1に相当)
9-1:1-((4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例1-1に従って、表題化合物として、実施例9-1の化合物を得た(収率:62%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.87 (s, 1H), 8.59 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.89 - 7.83 (m, 2H), 7.83 - 7.76 (m, 2H), 7.60 - 7.51 (m, 3H), 7.40 - 7.31 (m, 2H), 7.27 - 7.18 (m, 2H), 7.17 - 7.09 (m, 1H), 6.69 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0112】
9-2:N-((1-((4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)スルホニル)-5-(2-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例9-1の化合物を製造例1-2に従って、表題化合物として、実施例9の化合物を得た(収率:34%)。
【化17】
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.72 - 7.60 (m, 4H), 7.56 - 7.37 (m, 4H), 7.26 - 7.01 (m, 5H), 6.30 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 3.65 (s, 2H).
【0113】
実施例10.N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
10-1:1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例10-1の化合物を得た(収率:33%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.88 (s, 1H) 8.09 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.37 - 7.27 (m, 5H), 7.13 (tdd, J = 8.4, 2.6, 0.9 Hz, 1H), 7.01 - 6.94 (m, 1H), 6.90 (ddd, J = 9.4, 2.5, 1.6 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 1.9 Hz, 1H).
【0114】
10-2::N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例10-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例10の化合物を得た(収率:35%)。
【化18】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.60 (dd, J = 8.6, 6.9 Hz, 2H), 7.44 - 7.38 (m, 4H), 7.28 - 7.20 (m, 1H), 7.07 - 7.00 (m, 2H), 6.37 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 3.49 (s, 2H).
【0115】
実施例11.N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
11-1:5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例11-1の化合物を得た(収率:42%)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.86 (s, 1H), 8.47 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.44 - 7.37 (m, 3H), 7.32 - 7.26 (m, 1H), 7.06 - 7.02 (m, 2H), 7.01 - 6.95 (m, 2H), 6.62 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H).
【0116】
11-2:N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例11-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例11の化合物を得た(収率:30%)。
【化19】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.45 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.40 (td, J = 8.0, 6.3 Hz, 1H), 7.36 - 7.32 (m, 2H), 7.24 (td, J = 8.8, 2.6 Hz, 1H), 7.05 - 6.98 (m, 4H), 6.36 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.59 (s, 2H).
【0117】
実施例12.N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
12-1:5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例12-1の化合物を得た(収率:94%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.89 (s, 1H), 8.12 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.51 - 7.41 (m, 2H), 7.16 (td, J = 8.3, 6.4 Hz, 1H), 7.13 - 7.08 (m, 2H), 6.93 - 6.87 (m, 1H), 6.78 (td, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 1.9 Hz, 1H).
【0118】
12-2:N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例12-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例12の化合物を得た(収率:35%)。
【化20】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.53 - 7.47 (m, 2H), 7.23 - 7.16 (m, 2H), 7.13 - 7.07 (m, 1H), 6.96 - 6.90 (m, 2H), 6.29 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.62 (s, 2H).
【0119】
実施例13.N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
13-1:1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例13-1の化合物を得た(収率:83%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.89 (s, 1H), 8.10 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.62 - 7.54 (m, 2H), 7.32 - 7.27 (m, 2H), 7.14 (td, J = 8.3, 6.3 Hz, 1H), 6.94 - 6.87 (m, 1H), 6.79 (td, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0120】
13-2:N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例13-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例13の化合物を得た(収率:30%)。
【化21】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.73 - 7.61 (m, 2H), 7.54 - 7.42 (m, 1H), 7.40 - 7.30 (m, 2H), 7.14 (ddd, J = 10.2, 7.2, 4.3 Hz, 1H), 6.96 (ddt, J = 9.8, 4.5, 2.6 Hz, 2H), 6.32 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.67 - 3.58 (m, 2H).
【0121】
実施例14.N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
14-1:5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例14-1の化合物を得た(収率:18%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.89 (s, 1H), 8.12 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.58 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.14 (td, J = 8.3, 6.4 Hz, 1H), 6.90 (td, J = 8.0, 2.4 Hz, 1H), 6.79 - 6.71 (m, 1H), 6.66 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0122】
14-2:N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例14-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例14の化合物を得た(収率:43%)。
【化22】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.84 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.61 - 7.48 (m, 1H), 7.22 - 7.11 (m, 1H), 7.04 - 6.89 (m, 2H), 6.36 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.67 (s, 2H).
【0123】
実施例15.N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
15-1:5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例15-1の化合物を得た(収率:81%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.90 (s, 1H), 8.13 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.52 - 7.46 (m, 2H), 7.24 (dd, J = 8.9, 0.8 Hz, 2H), 7.16 (td, J = 8.3, 6.4 Hz, 1H), 6.94 - 6.86 (m, 1H), 6.75 (td, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0124】
15-2:N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例15-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例15の化合物を得た(収率:45%)。
【化23】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.63 - 7.55 (m, 2H), 7.51 - 7.46 (m, 1H), 7.39 (dd, J = 8.9, 0.9 Hz, 2H), 7.15 (ddd, J = 12.2, 7.1, 4.4 Hz, 1H), 7.00 - 6.90 (m, 2H), 6.32 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.60 (s, 2H).
【0125】
実施例16.N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
16-1:5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例16-1の化合物を得た(収率:46%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.88 (s, 1H), 8.11 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.34 - 7.30 (m, 2H), 7.23 - 7.19 (m, 2H), 7.12 (td, J = 8.3, 6.4 Hz, 1H), 6.90 - 6.85 (m, 1H), 6.77 (td, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 6.63 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 2.42 (s, 3H).
【0126】
16-2:N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例16-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例16の化合物を得た(収率:37%)。
【化24】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.47 - 7.44 (m, 1H), 7.36 - 7.31 (m, 2H), 7.30 - 7.25 (m, 2H), 7.09 (ddd, J = 14.6, 7.3, 4.1 Hz, 1H), 6.93 (dq, J = 2.6, 1.9 Hz, 2H), 6.27 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.59 (d, J = 3.6 Hz, 2H), 2.40 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0127】
実施例17.N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
17-1:5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例17-1の化合物を得た(収率:76%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.93 - 9.83 (m, 1H), 8.11 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.38 - 7.33 (m, 2H), 7.15 (td, J = 8.3, 6.4 Hz, 1H), 6.92 - 6.83 (m, 3H), 6.77 (td, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H).
【0128】
17-2:N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例17-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例17の化合物を得た(収率:36%)。
【化25】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.48 - 7.45 (m, 1H), 7.41 - 7.37 (m, 2H), 7.14 - 7.08 (m, 1H), 6.98 - 6.91 (m, 4H), 6.27 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.62 (s, 2H).
【0129】
実施例18.4-((2-(2,4-ジフルオロフェニル-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリルの製造(反応スキーム2に相当)
18-1:4-((2-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-ホルミル-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例18-1の化合物を得た(収率:73%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.89 (s, 1H), 8.11 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.77 - 7.68 (m, 2H), 7.62 - 7.53 (m, 2H), 7.16 (td, J = 8.3, 6.3 Hz, 1H), 6.95 - 6.88 (m, 1H), 6.78 (td, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0130】
18-2:4-((2-(2,4-ジフルオロフェニル-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル化合物の製造
実施例18-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例18の化合物を得た(収率:45%)。
【化26】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.91 - 7.83 (m, 2H), 7.66 - 7.60 (m, 2H), 7.54 - 7.49 (m, 1H), 7.13 (ddd, J = 8.0, 7.3, 3.7 Hz, 1H), 7.01 - 6.94 (m, 2H), 6.35 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.64 - 3.61 (m, 2H).
【0131】
実施例19.N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
19-1:5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例19-1の化合物を得た(収率:71%)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.88 (s, 1H), 8.53 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.61 - 7.54 (m, 2H), 7.44 - 7.36 (m, 3H), 7.32 - 7.27 (m, 1H), 6.99 (dd, J = 9.2, 2.0 Hz, 2H), 6.66 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0132】
19-2:N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例19-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例19の化合物を得た(収率:27%)。
【化27】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.38 (ddd, J = 11.6, 6.7, 4.3 Hz, 3H), 7.27 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 1H), 7.03 (ddd, J = 26.0, 12.8, 5.3 Hz, 4H), 6.96 - 6.90 (m, 1H), 6.21 (s, 1H), 3.62 (s, 2H), 2.39 (s, 1H).
【0133】
実施例20.N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
20-1:1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例20-1の化合物を得た(収率:34%)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.87 (s, 1H), 8.52 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.82 - 7.75 (m, 2H), 7.45 - 7.38 (m, 3H), 7.30 (ddd, J = 8.6, 2.9, 1.5 Hz, 1H), 7.05 - 6.96 (m, 2H), 6.67 (d, J = 1.7 Hz, 1H).
【0134】
20-2:N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-あミン化合物の製造
実施例20-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例20の化合物を得た(収率:29%)。
【化28】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.60 - 7.57 (m, 2H), 7.47 - 7.45 (m, 1H), 7.34 - 7.29 (m, 1H), 7.29 - 7.25 (m, 2H), 7.11 (tdd, J = 8.7, 2.6, 0.9 Hz, 1H), 6.99 (ddd, J = 7.7, 1.4, 1.0 Hz, 1H), 6.95 (ddd, J = 9.9, 2.5, 1.6 Hz, 1H), 6.29 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.63 (s, 2H).
【0135】
実施例21.N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
21-1:5-(3-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例21-1の化合物を得た(収率:71%)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.86 (s, 1H), 8.49 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.43 - 7.34 (m, 5H), 7.31 - 7.26 (m, 1H), 7.01 - 6.98 (m, 1H), 6.98 - 6.94 (m, 1H), 6.63 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 2.36 (s, 3H).
【0136】
21-2:N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例21-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例21の化合物を得た(収率:10%)。
【化29】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.45 - 7.42 (m, 1H), 7.32 - 7.26 (m, 1H), 7.26 - 7.23 (m, 2H), 7.19 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.08 (tdd, J = 8.7, 2.6, 0.9 Hz, 1H), 7.00 - 6.96 (m, 1H), 6.90 (ddd, J = 10.0, 2.5, 1.6 Hz, 1H), 6.24 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.59 (s, 2H), 2.34 (s, 3H).
【0137】
実施例22.4-((2-(3-フルオロフェニル)-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリルの製造(反応スキーム2に相当)
22-1:4-((2-(3-フルオロフェニル)-4-ホルミル-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例22-1の化合物を得た(収率:89%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.90 (s, 1H), 8.11 (t, J = 2.2 Hz, 1H), 7.71 - 7.64 (m, 2H), 7.52 - 7.46 (m, 2H), 7.31 (tt, J = 10.6, 5.3 Hz, 1H), 7.16 (tdd, J = 8.4, 2.6, 1.0 Hz, 1H), 6.95 (ddd, J = 7.6, 1.5, 1.1 Hz, 1H), 6.91 (ddd, J = 9.3, 2.5, 1.6 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 1.9 Hz, 1H).
【0138】
22-2:4-((2-(3-フルオロフェニル)-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル化合物の製造
実施例22-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例22の化合物を得た(収率:12%)。
【化30】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.66 - 7.61 (m, 2H), 7.51 - 7.45 (m, 2H), 7.36 - 7.33 (m, 1H), 7.32 - 7.27 (m, 1H), 7.09 (tdd, J = 8.4, 2.6, 0.9 Hz, 1H), 7.03 - 6.99 (m, 1H), 6.95 (ddd, J = 9.6, 2.5, 1.6 Hz, 1H), 6.23 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.60 (s, 2H).
【0139】
実施例23.N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
23-1:5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例23-1の化合物を得た(収率:86%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.89 (s, 1H), 8.12 (t, J = 2.3 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.50 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.31 - 7.26 (m, 1H), 7.13 ( tdd, J = 8.4, 2.6, 1.0 Hz, 1H), 6.94 (ddd, J = 7.6, 1.5, 1.1 Hz, 1H), 6.87 (ddd, J = 9.4, 2.5, 1.6 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 1.9 Hz, 1H).
【0140】
23-2:N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例23-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例23の化合物を得た(収率:35%)。
【化31】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.61 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.43 - 7.38 (m, 1H), 7.31 - 7.26 (m ,1H), 7.08 (tdd, J = 8.4, 2.6, 0.9 Hz, 1H), 7.04 - 6.99 (m ,1H), 6.94 (ddd, J = 9.7, 2.5, 1.6 Hz, 1H), 6.25 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.64 (d, J = 0.4 Hz, 2H).
【0141】
実施例24.N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
24-1:5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例24-1の化合物を得た(収率:52%)。
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 9.84 - 9.78 (s, 1H), 8.32 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 9.1, 4.9 Hz, 2H), 7.19 - 7.13 (m, 4H), 7.05 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 6.54 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0142】
24-2:N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例24-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例24の化合物を得た(収率:50%)。
【化32】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.63 (s, 1H), 7.55 - 7.51 (m, 2H), 7.33 - 7.29 (m, 2H), 7.26 (td, J = 6.8, 3.5 Hz, 2H), 7.18 - 7.14 (m, 2H), 6.37 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.81 (s, 2H).
【0143】
実施例25.N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
25-1:1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例25-1の化合物を得た(収率:29%)。
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 9.85 (s, 1H), 8.40 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.88 - 7.84 (m, 1H), 7.57 - 7.51 (m, 2H), 7.46 - 7.41 (m, 2H), 7.20 (td, J = 7.6, 1.0 Hz, 1H), 7.12 - 7.07 (m, 2H), 6.64 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0144】
25-2:N-((1-((4-ブロモフェニル)スルホニル)-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例25-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例25の化合物を得た(収率:27%)。
【化33】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.61 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 3.0, 2.0 Hz, 2H), 7.27 - 7.23 (m, 2H), 7.20 - 7.16 (m, 2H), 7.06 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 6.28 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.89 (s, 2H).
【0145】
実施例26.N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
26-1:1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例26-1の化合物を得た(収率:33%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.88 (s, 1H), 8.08 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.36 - 7.31 (m, 2H), 7.28 - 7.26 (m, 1H), 7.25 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.18 - 7.13 (m, 2H), 7.06 - 7.00 (m, 2H), 6.57 (d, J = 1.9 Hz, 1H).
【0146】
26-2:N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例26-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例26の化合物を得た(収率:24%)。
【化34】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.94 (dd, J = 10.9, 8.9 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.47 - 7.42 (m, 2H), 7.36 - 7.32 (m, 2H), 7.20 - 7.15 (m, 2H), 7.08 - 7.04 (m, 2H), 6.29 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.96 (s, 2H).
【0147】
実施例27.N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2の製造)
27-1:5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例27-1の化合物を得た(収率:66%)。
1H NMR (700 MHz, CDCl3) δ 9.87 (s, 1H), 8.09 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.16 (dd, J = 8.7, 5.4 Hz, 2H), 7.00 (t, J = 8.6 Hz, 2H), 6.80 - 6.76 (m, 2H), 6.54 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H).
【0148】
27-2:N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-メトキシフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例27-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例27の化合物を得た(収率:30%)。
【化35】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.87 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.62 - 7.59 (m, 1H), 7.30 - 7.27 (m, 2H), 7.19 - 7.15 (m, 2H), 7.07 - 7.03 (m, 2H), 6.91 - 6.87 (m, 2H), 6.24 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 3.94 (s, 2H), 3.81 (s, 3H).
【0149】
実施例28.N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
28-1:5-(4-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例28-1の化合物を得た(収率:42%)。
1H NMR (700 MHz, CDCl3) δ 9.87 (s, 1H), 8.09 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.14 (ddd, J = 8.8, 3.3, 2.4 Hz, 4H), 6.99 (t, J = 8.7 Hz, 2H), 6.54 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 2.39 (s, 3H).
【0150】
28-2:N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-トシル-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例28-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例28の化合物を得た(収率:42%)。
【化36】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.83 (dd, J = 14.4, 8.4 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 1.3, 0.7 Hz, 1H), 7.25 - 7.20 (m, 4H), 7.17 - 7.13 (m, 2H), 7.06 - 7.01 (m, 2H), 6.26 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 3.98 (s, 2H), 2.35 (s, 3H).
【0151】
実施例29.N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
29-1:5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例29-1の化合物を得た(収率:64%)。
1H NMR (700 MHz, CDCl3) δ 9.89 (s, 1H), 8.10 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.39 - 7.37 (m, 2H), 7.16 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.15 - 7.12 (m, 2H), 7.02 - 6.98 (m, 2H), 6.58 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0152】
29-2:N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例29-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例29の化合物を得た(収率:20%)。
【化37】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 8.10 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.63 - 7.60 (m, 1H), 7.52 - 7.50 (m, 2H), 7.35 (dd, J = 8.9, 0.9 Hz, 2H), 7.23 - 7.19 (m, 2H), 7.10 - 7.05 (m, 2H), 6.32 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.86 (s, 2H).
【0153】
実施例30.N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
30-1:5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例30-1の化合物を得た(収率:63%)。
1H NMR (700 MHz, CDCl3) δ 9.89 (s, 1H), 8.11 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.14 (dd, J = 8.8, 5.3 Hz, 2H), 7.02 (t, J = 8.6 Hz, 2H), 6.59 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0154】
30-2:N-((5-(4-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例30-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例30の化合物を得た(収率:21%)。
【化38】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.78 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.60 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.57 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.26 - 7.21 (m, 2H), 7.12 - 7.06 (m, 2H), 6.31 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 3.75 (d, J = 9.5 Hz, 2H).
【0155】
実施例31.4-((2-(4-フルオロフェニル)-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリルの製造(反応スキーム2に相当)
31-1:4-((2-(4-フルオロフェニル)-4-ホルミル-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例31-1の化合物を得た(収率:57%)。
1H NMR (700 MHz, CDCl3) δ 9.89 (s, 1H), 8.09 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.68 - 7.63 (m, 2H), 7.46 - 7.43 (m, 2H), 7.15 (dd, J = 8.8, 5.3 Hz, 2H), 7.04 (t, J = 8.6 Hz, 2H), 6.60 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0156】
31-2:4-((2-(4-フルオロフェニル)-4-(((メチル-d3)アミノ)メチル)-1H-ピロール-1-イル)スルホニル)ベンゾニトリル化合物の製造
実施例31-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例31の化合物を得た(収率:12%)。
【化39】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.84 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.57 (s, 1H), 7.55 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.25 - 7.20 (m, 2H), 7.10 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 6.32 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 3.78 (s, 2H).
【0157】
実施例32.N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム2に相当)
32-1:5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例2-2に従って、表題化合物として、実施例32-1の化合物を得た(収率:26%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.90 (s, 1H), 8.12 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.45 - 7.40 (m, 2H), 7.32 - 7.27 (m, 1H), 7.18 (dd, J = 9.0, 0.9 Hz, 2H), 7.13 (tdd, J = 8.4, 2.6, 1.0 Hz, 1H), 6.96 (ddd, J = 7.6, 1.5, 1.1 Hz, 1H), 6.88 (ddd, J = 9.4, 2.5, 1.6 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 1.9 Hz, 1H).
【0158】
32-2:N-((5-(3-フルオロフェニル)-1-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例32-1の化合物を製造例2-3に従って、表題化合物として、実施例32の化合物を得た(収率:40%)。
【化40】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.63 - 7.58 (m, 1H), 7.53 - 7.45 (m ,2H), 7.36 - 7.27 (m, 3H), 7.13 (tdd, J = 8.6, 2.6, 0.9 Hz, 1H), 6.97 (ddd, J = 7.7, 1.4, 1.0 Hz, 1H), 6.91 (ddd, J = 9.8, 2.5, 1.6 Hz, 1H), 6.33 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.85 (d, J = 5.5 Hz, 2H).
【0159】
実施例33.N-((1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム1に相当)
33-1:1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例1-1に従って、表題化合物として、実施例33-1の化合物を得た(収率:66%)。
1H NMR (700 MHz, CDCl3) δ 9.89 (s, 1H), 8.31 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.75 (ddd, J = 9.2, 7.4, 1.9 Hz, 1H), 7.50 - 7.44 (m, 2H), 7.28 (ddd, J = 7.3, 4.9, 1.3 Hz, 1H), 7.16 - 7.09 (m, 2H), 6.72 (d, J = 1.7 Hz, 1H).
【0160】
33-2:N-((1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例33-1の化合物を製造例1-2に従って、表題化合物として、実施例33の化合物を得た(収率:33%)。
【化41】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 8.27 (ddd, J = 4.9, 1.9, 0.8 Hz, 1H), 7.72 (ddd, J = 9.3, 7.4, 2.0 Hz, 1H), 7.64 - 7.60 (m, 1H), 7.58 - 7.52 (m, 2H), 7.36 (ddd, J = 7.3, 5.0, 1.6 Hz, 1H), 7.29 - 7.22 (m, 2H), 6.45 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.81 (s, 2H).
【0161】
実施例34.N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム1に相当)
34-1:1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
製造例1-1に従って、表題化合物として、実施例34-1の化合物を得た(収率:86%)。
1H NMR (700 MHz, CDCl3) δ 9.89 (s, 1H), 8.32 (ddd, J = 4.8, 1.9, 0.8 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.74 (ddd, J = 9.3, 7.4, 2.0 Hz, 1H), 7.45 - 7.41 (m, 2H), 7.40 - 7.36 (m, 2H), 7.28 (ddd, J = 7.3, 4.9, 1.5 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
【0162】
34-2:N-((1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-5-(2-フルオロピリジン-3-イル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例34-1の化合物を製造例1-2に従って、表題化合物として、実施例34の化合物を得た(収率:37%)。
【化42】
1H NMR (700 MHz, CD3OD) δ 8.32 - 8.23 (m, 1H), 7.75 (ddd, J = 9.3, 7.4, 1.9 Hz, 1H), 7.57 - 7.53 (m, 3H), 7.51 - 7.46 (m, 2H), 7.38 (ddd, J = 7.2, 5.0, 1.5 Hz, 1H), 6.45 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.66 (s, 2H).
【0163】
実施例35.N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム3に相当)
35-1:メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-カルボキシレート化合物の製造
製造例3-1に従って、表題化合物として、実施例35-1の化合物を得た(収率:75%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.82 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.59 (dd, J = 2.4, 0.5 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.70 (ddd, J = 8.1, 2.4, 1.6 Hz, 1H), 7.38 (ddd, J = 8.2, 4.8, 0.8 Hz, 1H), 7.16 (td, J = 8.3, 6.4 Hz, 1H), 6.96 - 6.90 (m, 1H), 6.78 (td, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.62 (s, 3H).
【0164】
35-2:5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
実施例35-1の化合物を製造例3-2に従って、表題化合物として、実施例35-2の化合物を得た(収率:27%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.90 (s, 1H), 8.84 (dd, J = 4.8, 1.4 Hz, 1H), 8.59 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.70 (ddd, J = 8.1, 2.4, 1.6 Hz, 1H), 7.40 (ddd, J = 8.1, 4.8, 0.6 Hz, 1H), 7.23 - 7.17 (m, 1H), 6.97 - 6.92 (m, 1H), 6.77 (td, J = 8.9, 2.5 Hz, 1H), 3.63 (s, 3H).
【0165】
35-3:N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例35-2の化合物を製造例3-3に従って、表題化合物として、実施例35の化合物を得た(収率:31%)。
【化43】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.77 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.59 (dd, J = 2.4, 0.6 Hz, 1H), 7.73 (ddd, J = 8.1, 2.4, 1.6 Hz, 1H), 7.40 - 7.34 (m, 2H), 7.17 (td, J = 8.4, 6.4 Hz, 1H), 6.94 - 6.87 (m, 1H), 6.80 (td, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 3.68 (d, J = 1.2 Hz, 2H), 3.45 (s, 3H).
【0166】
実施例36.N-((5-(2-フルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム3に相当)
36-1:メチル5-(2-フルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-カルボキシレート化合物の製造
製造例3-1に従って、表題化合物として、実施例36-1の化合物を得た(収率:47%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.80 (dd, J = 4.8, 1.5 Hz, 1H), 8.54 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.69 - 7.65 (m, 1H), 7.48 - 7.43 (m, 1H), 7.35 (dd, J = 8.1, 4.8 Hz, 1H), 7.20 - 7.15 (m, 2H), 7.01 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.61 (s, 3H).
【0167】
36-2:5-(2-フルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
実施例36-1の化合物を製造例3-2に従って、表題化合物として、実施例36-2の化合物を得た(収率:32%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.91 (s, 1H), 8.82 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.52 (dd, J = 2.4, 0.6 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.67 (ddd, J = 8.1, 2.4, 1.6 Hz, 1H), 7.50 - 7.44 (m, 1H), 7.37 (ddd, J = 8.1, 4.8, 0.8 Hz, 1H), 7.24 - 7.16 (m, 2H), 7.02 - 6.97 (m, 1H), 3.61 (s, 3H).
【0168】
36-3:N-((5-(2-フルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例36-2の化合物を製造例3-3に従って、表題化合物として、実施例36の化合物を得た(収率:31%)。
【化44】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.76 (dd, J = 4.8, 1.2 Hz, 1H), 8.53 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.81 - 7.75 (m, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.49 - 7.39 (m, 2H), 7.21 - 7.12 (m, 2H), 7.02 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 3.93 (s, 2H), 3.42 (s, 3H).
【0169】
実施例37.N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-((6-メトキシピリジン-3-イル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム3に相当)
37-1:メチル5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-((6-メトキシピリジン-3-イル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルボキシレート化合物の製造
製造例3-1に従って、表題化合物として、実施例37-1の化合物を得た(収率:78%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.14 (dd, J = 2.6, 0.5 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.50 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.19 (td, J = 8.3, 6.4 Hz, 1H), 6.96 - 6.90 (m, 1H), 6.79 (td, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 6.71 (dd, J = 8.9, 0.6 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 3.62 (s, 3H).
【0170】
37-2:5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-((6-メトキシピリジン-3-イル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
実施例37-1の化合物を製造例3-2に従って、表題化合物として、実施例37-2の化合物を得た(収率:30%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.88 (s, 1H), 8.13 (dd, J = 2.7, 0.6 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.49 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.23 (td, J = 8.3, 6.4 Hz, 1H), 6.97 - 6.92 (m, 1H), 6.78 (td, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 6.72 (dd, J = 8.9, 0.6 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.64 (s, 3H).
【0171】
37-3:N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-((6-メトキシピリジン-3-イル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例37-2の化合物を製造例3-3に従って、表題化合物として、実施例37の化合物を得た(収率:16%)。
【化45】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.15 (dd, J = 2.6, 0.4 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 8.9, 2.6 Hz, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.20 (td, J = 8.4, 6.4 Hz, 1H), 6.93 - 6.87 (m, 1H), 6.80 (td, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 6.68 (dd, J = 8.9, 0.6 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H), 3.66 (d, J = 2.9 Hz, 2H), 3.45 (s, 3H).
【0172】
実施例38.N-((4-メトキシ-1-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)スルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム3に相当)
38-1:メチル4-メトキシ-1-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)スルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルボキシレート化合物の製造
製造例3-1に従って、表題化合物として、実施例38-1の化合物を得た(収率:48%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.78 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.04 (s, 1H), 8.00 (dd, J = 8.2, 2.2 Hz, 1H), 7.80 (dd, J = 8.3, 0.6 Hz, 1H), 6.73 (dd, J = 8.5, 7.1 Hz, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.68 (s, 3H).
【0173】
38-2:4-メトキシ-1-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)スルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
実施例38-1の化合物を製造例3-2に従って、表題化合物として、実施例38-2の化合物を得た(収率:31%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.93 (s, 1H), 8.78 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 8.03 (dd, J = 8.3, 2.2 Hz, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.84 (dd, J = 8.3, 0.5 Hz, 1H), 6.46 (d, J = 5.8, 1H), 3.70 (s, 3H).
【0174】
38-3:N-((4-メトキシ-1-((6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)スルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例38-2の化合物を製造例3-3に従って、表題化合物として、実施例38の化合物を得た(収率:14%)。
【化46】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.76 (s, 1H), 8.01 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 24.5 Hz, 1H), 6.72 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 3.64 (d, J = 31.1 Hz, 2H), 3.53 (s, 3H).
【0175】
実施例39.N-((4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム3に相当)
39-1:メチル4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルボキシレート化合物の製造
製造例3-1に従って、表題化合物として、実施例39-1の化合物を得た(収率:94%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.93 (dd, J = 4.8, 1.5 Hz, 1H), 8.77 - 8.67 (m, 1H), 8.19 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.10 (ddd, J = 8.2, 2.5, 1.5 Hz, 1H), 7.66 (ddd, J = 8.2, 4.8, 0.8 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 9.2, 7.5 Hz, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.54 (s, 3H).
【0176】
39-2:4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
実施例39-1の化合物を製造例3-2に従って、表題化合物として、実施例39-2の化合物を得た(収率:26%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.90 (s, 1H), 8.88 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.68 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.80 (ddd, J = 8.2, 2.4, 1.6 Hz, 1H), 7.45 (ddd, J = 8.2, 4.8, 0.7 Hz, 1H), 6.72 (dd, J = 8.5, 6.9 Hz, 2H), 3.68 (d, J = 5.3 Hz, 3H).
【0177】
39-3:N-((4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例39-2の化合物を製造例3-3に従って、表題化合物として、実施例39の化合物を得た(収率:40%)。
【化47】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.79 (d, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.66 (dd, J = 2.3, 0.4 Hz, 1H), 7.77 (ddd, J = 8.1, 2.4, 1.6 Hz, 1H), 7.38 (ddd, J = 8.1, 4.9, 0.8 Hz, 1H), 7.35 (s, 1H), 6.69 (dd, J = 8.6, 7.0 Hz, 2H), 3.61 (d, J = 0.8 Hz, 2H), 3.51 (s, 3H).
【0178】
実施例40.N-((4-メトキシ-1-((6-メトキシピリジン-3-イル)スルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造(反応スキーム3に相当)
40-1:メチル4-メトキシ-1-((6-メトキシピリジン-3-イル)スルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルボキシレート化合物の製造
製造例3-1に従って、表題化合物として、実施例40-1の化合物を得た(収率:48%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.27 - 8.20 (m, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.58 (dd, J = 8.9, 2.6 Hz, 1H), 6.74 (dd, J = 8.9, 0.6 Hz, 1H), 6.70 (dd, J = 8.6, 6.9 Hz, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.67 (s, 3H).
【0179】
40-2:4-メトキシ-1-((6-メトキシピリジン-3-イル)スルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド化合物の製造
実施例40-1の化合物を製造例3-2に従って、表題化合物として、実施例40-2の化合物を得た(収率:42%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.88 (s, 1H), 8.24 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.59 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 6.77 (dd, J = 8.9, 0.5 Hz, 1H), 6.72 (dd, J = 8.6, 6.8 Hz, 2H), 4.01 (s. 3H), 3.69 (s, 3H).
【0180】
40-3:N-((4-メトキシ-1-((6-メトキシピリジン-3-イル)スルホニル)-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミン化合物の製造
実施例40-2の化合物を製造例3-3に従って、表題化合物として、実施例40の化合物を得た(収率:39%)。
【化48】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.23 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 8.8, 2.5 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.74 - 6.60 (m, 3H), 3.98 (s, 3H), 3.64 (d, J = 22.5 Hz, 2H), 3.52 (s, 3H).
【0181】
実施例41.N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンフマレートの製造
実施例7の化合物をメタノールに懸濁した。反応混合物にフマル酸(1eq)を加え、60分間還流撹拌した。室温に冷却した後、減圧下濃縮した。濃縮残渣にジメチルエーテルを加え、5分間撹拌及びろ過し、表題化合物として、実施例41の化合物を得た(収率:85%)。
【化49】
1H NMR (700 MHz, DMSO-d6) δ 7.74 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.54 - 7.50 (m, 3H), 7.42 (t, J = 8.7 Hz, 2H), 7.22 (q, J = 8.2 Hz, 2H), 7.08 (td, J = 7.6, 1.5 Hz, 1H), 6.54 (s, 2H), 6.46 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.96 (s, 2H).
【0182】
【化50】
前記反応スキーム4において、工程1は、前記化学式14で示される化合物を化学式15に製造する工程であり、イソプロピルアルコール及びメタノールなどの有機溶媒とフマル酸を用いて反応させ、フマレート塩を製造する反応である。
【0183】
実施例42.5-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒドの製造
3-フルオロフェニルボロン酸を利用して製造例2-1に従って、表題化合物として、実施例42の化合物を得た(収率:60%)。
【化51】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.71 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.79 - 7.75 (m, 1H), 7.59 - 7.50 (m, 2H), 7.42 (dd, J = 14.3, 7.4 Hz, 2H), 7.08 (dd, J = 5.0, 3.8 Hz, 1H).
【0184】
実施例43.5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒドの製造
4-フルオロフェニルボロン酸を利用して製造例2-1に従って、表題化合物として、実施例43の化合物を得た(収率:32%)。
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 9.66 - 9.64 (m, 1H), 7.63 - 7.58 (m, 3H), 7.14 - 7.10 (m, 2H), 6.83 (d, J = 1.6 Hz, 1H).
【化52】
【0185】
実施例44.5-(2,4-ジフルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒドの製造
2,4-フルオロフェニルボロン酸を利用して製造例2-1に従って、表題化合物として、実施例44の化合物を得た(収率:58%)。
【化53】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 9.85 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 9.38 (s, 1H), 7.61 (td, J = 8.9, 6.2 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 3.1, 1.6 Hz, 1H), 7.02 - 6.87 (m, 3H).
【0186】
対照薬1.ボノプラザン
カリウム競合型アシッドブロッカー(P-CAB)の市販製剤であるボノプラザン(N-((5-(2-フルオロフェニル)-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタンアミン)は、GLPBio社(中国)から購入した。
【化54】
【0187】
対照薬2.エソメプラゾール
市販のプロトンポンプ抑制剤(PPI)であるエソメプラゾール(6-メトキシ-2-[(S)-(4-メトキシ-3,5-ジメチルピリジン-2-イル)メチルスルフィニル]-1H-ベンズイミダゾール)は、GLPBio社(中国)から購入した。
【化55】
【0188】
対照薬3.シスプラチン
【化56】
抗癌剤として使用されるシスプラチン(ジアミンジクロリド白金(II)は、Glentham life sciences社(英国)から購入した。
【0189】
比較例1.N-(5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-イル)-N-メチルメタンアミンの製造-実施例7の重水素非置換化合物
実施例7-1の5-(2-フルオロフェニル)-1-((4-フルオロフェニル)スルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド160mgをテトラヒドロフラン3mL、メタノール7mLに懸濁した。反応混合物にメチルアミン塩酸塩186mg(6eq)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム87mg(3eq)を加え、20±5℃で16時間撹拌した。反応混合物に精製水10mL、炭酸水素ナトリウム水溶液10mL、酢酸エチル10mLを加え、有機層を抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。濃縮残渣を塩化メチレン:メタノール=10:1のカラムクロマトグラフィーに付し、表題化合物57mgの化合物を得た(収率:34%)。
【化57】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.41 - 7.29 (m, 4H), 7.16 - 7.05 (m, 2H), 7.05 - 6.99 (m, 3H), 6.23 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.61 (s, 2H), 3.34 (s, 3H).
【0190】
比較例2.N-((5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-イル)メチル)メタン-d3-アミンの製造-実施例35の重水素非置換化合物
実施例35-2の5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-メトキシ-1-(ピリジン-3-イルスルホニル)-1H-ピロール-3-カルバルデヒド530mgをテトラヒドロフラン15mL、メタノール35mLに懸濁した。反応混合物にメチルアミン塩酸塩567mg(6eq)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム264mg(3eq)を加え、20±5℃で16時間撹拌した。反応混合物に精製水20mL、炭酸水素ナトリウム水溶液20mL、酢酸エチル20mLを鍬、有機層を抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過s、ろ液を減圧下濃縮した。濃縮残渣を塩化メチレン:メタノール=10:1のカラムクロマトグラフィーに付し、表題化合物184mgの化合物を得た(収率:35%)。
【化58】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.78 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.63 - 8.56 (m, 1H), 7.71 (ddd, J = 8.1, 2.3, 1.7 Hz, 1H), 7.36 (ddd, J = 8.2, 4.8, 0.7 Hz, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.17 (td, J = 8.4, 6.4 Hz, 1H), 6.95 - 6.87 (m, 1H), 6.80 (td, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 3.66 - 3.58 (m, 2H), 3.45 (s, 3H), 2.47 (s, 3H).
【0191】
<試験例>
試験例1.プロトンポンプ(H+/K+-ATPase)活性抑制活性
前記実施例に示した化合物について、文献に開示された方法を適用して、以下のように、プロトンポンプ(H+/K+-ATPase)活性に対する抑制活性を試験した。Nobuyuki TakahashiとYukinori Take[J Pharmacol Exp Ther. 2018 Feb;364(2):275-286]の方法に従い、ブタ胃から胃粘膜ミクロソーム画分を分離した。ブタから分離した胃をまず水道水で洗浄し、基底部のみを切り取った後、冷PBSで洗浄(2回目)した。胃粘膜を掻き取り分離し、250mMのスクロース溶液で均質化し、20,000g、4℃で30分間遠心分離した。上清のみを115,000g、4℃で30分間遠心分離し、沈殿物を250mMのスクロース溶液に懸濁し、7%フィコール溶液を加えて蓋をし、135,000g、4℃で60分間遠心分離した。界面に形成されたミクロソーム画分を回収し、250mMのスクロース溶液に懸濁し、135,000g、4℃60分間遠心分離し、沈殿物を0.9%NaClに溶解した。分離した胃粘膜ミクロソーム画分は、ビシンコニン酸(BCA)kit(Thermo社製)で定量した。
【0192】
96ウエルプレートの各ウエルに60μL の酵素反応液(所定濃度の試験化合物、3gの胃粘膜ミクロソーム、3mMのMgSO4、5mMのKCl、40mMのTris-HCl pH6.4、0.5mMのアデノシントリホスフェート)を加え、37℃で60分間反応させた後、30μLの10%SDSを加えて酵素反応を停止させた。200μLの検知液(H5.0のアスコルビン酸とH5.0の35mMのモリブデン酸アンモニウム四水和物/15mMの酢酸亜鉛を4:1の割合で混合したもの)を加え、37℃で30分間反応させた後、マイクロプレート読み取り機(MULTISKAN GO、Thermo社製)を使用して750nmで吸光度を測定した。プロトンポンプ活性抑制率は、Graph Pad Prism 5を使用して、酵素活性の50%阻害率であるIC50で表示した。結果を下記表1に示した。下記表1において、IC50値が100nM以下を「+++」、101~200nM以下を「++」、それ以上は「+」で示した。
【0193】
【表1】
【0194】
前記表1に示すように、本発明の実施例の化合物は、優れたプロトンポンプ活性抑制活性を示すことが確認された。
【0195】
試験例2.ヒト胃癌細胞(AGS細胞)の増殖抑制効果の確認
癌細胞の場合、ワールブルク効果により水素イオンが蓄積されて細胞室内に水素イオンが蓄積し、細胞内pHが低下する。細胞内(細胞質)が酸性になると、タンパク質の活性や働きが抑制される。ひどくなると細胞が死滅すため、癌細胞は、積極的に乳酸や水素イオンを細胞外に排出する。そのため、カリウ競合型アシッドブロッカー(P-CAB)が癌細胞の増殖を抑制する可能性がある[Cancers. 2020 Mar;12(3):640]。
【0196】
本発明の実施例に示した化合物のヒト胃癌細胞(AGS細胞)に対する増殖抑制効果を調べるために、MTSアッセイ実験をin vitroで行った。AGS細胞は、1%ペニシリン-ストレプトマイシン及び10%ウシ胎仔血清を含むRPMI1640培地を用いて、37℃、5%CO2インキュベータで培養した。培養中の細胞は、25%トリプシン-0.02%EDTAを用いて3~4日ごとに分離し、継代培養した。
【0197】
実験では、培養細胞を0.25%トリプシン-0.02%EDTA溶液で処理し、懸濁した細胞を1,200rpmで5分間遠心分離し、上清を捨て培養液を加え、培養液で細胞懸濁液を製造した。血球計数装置を使用して、96ウエルパレートに1ウエル当たり10,000個の細胞を分注し、培養した。24時間後、細胞がプレートに付着した時点で培養液を捨て、濃度別に調製した新しい培養液(試験濃度:500μm、250μm、125μm、63μm、31μm、16μm、8μm、4μm、2μm)で細胞を処理し、CO2インキュベータで48時間培養した。MTS溶液を処理した後、細胞をCO2インキュベータで1時間培養し、マイクロプレート読み取り機を使用して490nmで吸光度を測定した。細胞増殖抑制率は、Graph Pad Prism 5を使用して、細胞増殖の50%阻害率であるIC50で表示した。結果を下記表2に示した。下記表2において、IC50値が0~50μMの場合を「+++」、51~100μMの場合を「++」、101~400μMの場合を「+」で示した。
【0198】
【表2】
【0199】
前記表2に示すように、本発明の実施例における一部の化合物は、市販のPPI剤であるエソメプラゾールの胃癌細胞に対する増殖抑制効果よりも有意に高い胃癌細胞増殖抑制効果を示し、胃癌治療に使用されるシスプラチンと同等の胃癌細胞増殖抑制効果を示すことが確認された。以上の結果より、本発明の化合物は、優れたプロトンポンプ抑制効果を有するとともに、優れた胃癌の予防、改善又は治療効果が有することが分かった。
【0200】
試験例3.異種移植マウスにおける抗癌効能の評価
本試験は、本発明の実施例15の化合物の異種移植腫瘍モデルにおける抗癌効能を評価するために実施された。ヒト胃癌細胞(MKN-45細胞)を韓国細胞株銀行より購入し、1%ペニシリン-ストレプトマイシン及び10%ウシ胎仔血清を含むRPMI1640培地を使用して、37℃、5%CO2インキュベータで培養した。培養中の細胞は、3~4日ごとに0.25%トリプシン-0.02%EDTAで分離し、継代培養した。生後4週の齢雌ヌードマウスを購入し、実験室環境で1週間の馴化期間を経て、生後5週になったヌードマウスを実験に使用した。MKN-45細胞をマトリゲルとDPBSを用いて単一細胞懸濁液とし、1匹当り1×107個の濃度でヌードマウスに皮下移植した。MKN-45細胞の移植1週間後、特定のサイズの腫瘍を有する実験動物を選択し、1群当たり10匹で3群に分けた。実施例7の化合物を投与濃度10mg/kg、30mg/kgで1日1回経口投与下し、12日間実験を行った。実験条件は下記表3に示した。
【0201】
【表3】
【0202】
腫瘍サイズは、「短軸×短軸×長軸/2」の式で計算し、腫瘍サイズの変化の結果を図2に示した。12日目の結果、実施例7の化合物を10mg/kg投与した場合、対照群(ビヒクル)と比較して、腫瘍サイズが42%縮小したことが示された。
【0203】
試験例4.ビーグルにおける薬物動態学的及び薬力学的評価
動物モデル
平均体重9~11kgの雄性のビーグル犬(Marshall Beagle、Beijing)計18匹を入手し、純化させ、各試験群当たり3匹ずつ計6群に分けた。実験中、すべてのビーグル犬は標準化された固形食と水を供給した。飼育室は、温度18℃~26℃、湿度40%~70%、明暗サイクル12時間~12時間を維持しがら、管理・監視下においた。
【0204】
試験群は、ビヒクル(賦形剤)を投与したビーグル犬を対照群、対照薬1(ボノプラザン)を経口投与したビーグル犬を比較群、実施例7の化合物を経口投与したビーグル犬を試験群とした。試験群の分類及び投与量を下記表4に示した。
【0205】
【表4】
【0206】
薬物動態プロファイルの測定
血液サンプルは、薬物投与後、30分、1時間、2.5時間、4.5時間、7.5時間、25.5時間、49.5時間にそれぞれ末梢静脈から採取された。血液サンプルを遠心分離(2~8℃、3,200g、10分)して血漿を得た。血漿試料中の投与化合物の量をLC-MS/MSを用いて定量した。薬物動態パラメータは、Phoenix WinNonlin6.3ソフトウェア内の非コンパートメントモデルを用いて求めた。「AUC0-last」は時間曲線下面積、「Cmax」はピーク血漿濃度、「T」はピーク血漿濃度到達時間、「T1/2」は半減期を示す。結果を下記表5に示した。
【0207】
【表5】
【0208】
前記表5に示すように、本発明の実施例7の化合物を投与した群は、代表的なP-CAB市販製剤である対照薬1化合物(ボノプラザン)を投与した群(0.2mg/kg)と比較して、低用量(0.1mg/kg)であっても高い時間曲線下面積及び半減期を示し、2倍低い用量であってもボノプラザンと同等のピーク血漿濃度、ピーク血漿濃度到達時間を示した。すなわち、前記化合物の薬物動態プロファイルが大幅に改善されたことが確認された。特に、試験群3及び4では、半減期がボノプラザンの3倍長くなっていた。
【0209】
薬力学的プロファイルの測定(胃液のpH)
薬効評価のための胃酸の中和力を測定するために、各群に化合物を各用量投与した。次に、薬物投与1、3、6、24、48時間にヒスタミン二塩酸塩0.03mg/kgを皮下投与したた。化合物投与0、2.5、4.5、7.5、25.5、49.5時間に胃液のpHを測定た。結果を下記表6に示した。
【0210】
【表6】
【0211】
前記表6に示すように、本発明の実施例7の化合物を投与した群は、対照薬1化合物(ボノプラザン)を投与した群と同様に、優れた胃酸中和効果を示したことが確認された。
【0212】
試験例5.ビーグル犬における経口バイオアベイラビリティの評価
動物モデル
経口バイオアベイラビリティ評価のために、ビーグル犬に実施例7の化合物を静脈内又は経口投与した。試験群の分類及び投与量を下記表7に示した。
【0213】
【表7】
【0214】
バイオアベイラビリティの評価
静脈内投与群では、薬物投与後1分、5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、8時間、24時間後に末梢静脈から血液サンプルを採取した。経口投与群は、薬物投与後15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、24時間後に末梢静脈から血液サンプルを採取した。異なる時間に採取された血液サンプルはEDTAで処理し、遠心分離(2~8℃、3,200g、10分)して血漿を分離した。
【0215】
LC-MS/MSを用いて血漿試料中の投与化合物の量を定量した。薬物動態パラメータは、Phoenix WinNonlin6.3ソフトウェア内の非コンパートメントモデルを用いて求めた。
【0216】
「AUC0-last」は時間曲線下面積、「Cmax」はピーク血漿濃度、「T」はピーク血漿濃度到達時間、「T1/2」は半減期、「BA」はバイオアベイラビリティを示す。結果を下記表8に示した。
【0217】
【表8】
【0218】
前記表8に示すように、実施例7の化合物は、それぞれ1mg/mL、3mg/mL、10mg/mL濃度で少なくとも100%のバイオアベイラビリティを示した。
【0219】
試験例6.ラット(Rat)における急性経口毒性の評価
実施例7の化合物のフマル酸塩形態(実施例41)に対する急性毒性の評価を試みた。20匹の雌性ラット(Spragu-Dawley Rats)を入手し、純化させ、試験群当たり5匹ずつ計4群に分けた。飼料は放射線照射した固形飼料を自由に摂取させ、水は紫外線殺菌器及び微細ろ過装置で殺菌した水道数をポリカーボネート製飲料ボトルに入れて自由摂取させた。ラットは、温度23±3℃、相対湿度50±20%、喚起回数10~15回/時間、照明時間12時間(午前8時点灯、午後8時消灯)及び照度150-300ルクスに維持される動物飼育エリアで飼育した。投与経路は、臨床的に予定されている経口投与を選択し、投与量はボノプラザンの結果を参考に最高用量600mg/kgとした。投与条件は下記表9に示した。
【0220】
【表9】
【0221】
50mg/kg、200mg/kg、400mg/kg濃度で経口投与した場合、死亡は観察されず、生残率100%であった。600mg/kg濃度では、すべての個体が死亡し、生残率は0%であった。
【0222】
試験例7.重水素置換体によるラットでの薬物動態の評価
重水素置換体による薬物動態への影響を評価するために、ラットにおける実施例35と比較例2の血中濃度を測定し、比較した。6匹の雄性ラット(Sprague-Dawley Rats)を入手し、純化させ、試験群当たり3匹ずつ計2群に分けた。飼料は放射線照射した固形飼料を自由に摂取させ、水は紫外線殺菌器及び微細ろ過装置で殺菌した水道数をポリカーボネート製飲料ボトルに入れて自由摂取させた。ラットは、温度23±3℃、相対湿度50±20%、喚起回数10~15回/時間、照明時間12時間(午前8時点灯、午後8時消灯)及び照度150-300ルクスに維持される動物飼育エリアで飼育した。試験群の分類及び投与量は下記表10に示した。
【0223】
【表10】
【0224】
血液サンプルは、薬物投与後0.5、1、2.5、8時間にそれぞれ頸静脈から採取した。血液サンプルを遠心分離(2~8℃、3,200g、10分)して血漿を得た。血漿試料中の投化合物の量をLC-MS/MSを用いて定量した。
【0225】
【表11】
【0226】
前記表11に示すように、重水素置換体である実施例35は、比較例2と比較して、投与後0.5時間に5倍以上の血中濃度レベルを示し、1時間後及び2時間後には血中濃度が少なくとも2倍以上高いことが確認された。
【0227】
試験例8.重水素置換による保存安定性改善効果(類縁物質同定試験)
本発明の実施例7の化合物と比較例1の化合物(実施例7の化合物の重水素非置換体)について、重水素置換の有無による経時保存安定性の評価を試みた。各化合物は-2~8℃で3カ月間保存した際の安定性を測定し、その結果を下記表12に示した。
【0228】
【表12】
【0229】
前記表12に示すように、メチルメタンアミンの一部に重水素で置換した実施例7の化合物は、重水素で置換体していない比較例1の化合物に比べて、経時保存安定性が著しく改善されていることが確認された。
図1
図2
【国際調査報告】