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特表2024-539456直接電気出力を有する機能デバイス、及びこのような機能デバイスを製造するためのプロセス
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  • 特表-直接電気出力を有する機能デバイス、及びこのような機能デバイスを製造するためのプロセス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】直接電気出力を有する機能デバイス、及びこのような機能デバイスを製造するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/048 20140101AFI20241018BHJP
   H01L 31/044 20140101ALI20241018BHJP
   H02S 40/34 20140101ALI20241018BHJP
【FI】
H01L31/04 560
H01L31/04 520
H02S40/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529770
(86)(22)【出願日】2022-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-07-11
(86)【国際出願番号】 EP2022082559
(87)【国際公開番号】W WO2023089161
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】2112321
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510132347
【氏名又は名称】コミサリア ア レネルジ アトミク エ オウ エネルジ アルタナティヴ
(71)【出願人】
【識別番号】521371946
【氏名又は名称】コラ
(74)【代理人】
【識別番号】100074734
【弁理士】
【氏名又は名称】中里 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100086265
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100076451
【弁理士】
【氏名又は名称】三嶋 景治
(72)【発明者】
【氏名】ブランジェ アマンディーヌ
(72)【発明者】
【氏名】エスリンガ ディック
(72)【発明者】
【氏名】ロディエール ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ ベティニエ レミ
(72)【発明者】
【氏名】コケル エリック
(72)【発明者】
【氏名】ルリエーヴル パトリック
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251AA02
5F251AA03
5F251BA03
5F251BA05
5F251EA06
5F251EA17
5F251JA03
5F251JA04
5F251JA05
5F251JA08
5F251JA12
(57)【要約】
本発明は、機能デバイス(100)であって、
-前記デバイス(100)の表側に位置する第1の保護膜(101)と、
-封入アセンブリ(107)と、
-デバイスの裏側に位置する第2の保護膜(105)と、
-封入アセンブリに埋め込まれた少なくとも1つの電気的、又は光学的能動素子(110)と、
-前記電気的、又は光学的能動素子に直接接続された、前記電気的、又は光学的能動素子から、或いは前記電気的、又は光学的能動素子へと、電気を移送するのに適した電気接続素子(160)であって、一方の端部(162)が前記機能デバイスから直接外に出ている前記電気接続素子と、
を連続して含む多層スタックを含む機能デバイス(100)に関する。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能デバイス(100)であって、
-前記デバイス(100)の表側に配置された第1の、透明な保護膜(101)と、
-封入アセンブリ(107)と、
-前記デバイスの裏側に配置された、透明又は不透明な、第2の保護膜(105)と、
-前記封入アセンブリ(107)に埋め込まれた少なくとも1つの電気的、又は光学的能動素子(110)と、
-前記電気的、又は光学的能動素子(110)に接続された、前記電気的、又は光学的能動素子(110)から、或いは前記電気的、又は光学的能動素子(110)へと、電気を移送するのに適した電気接続素子(160)と、
を連続して含む多層スタックを含み、
前記電気接続素子(160)が前記多層スタックの中に組み込まれることを特徴とし、
前記電気接続素子(160)が、ハロゲン元素を含まない外側シースを含み、前記電気接続素子(160)の端部(162)が、前記機能デバイス(100)から直接外に出ていることで、前記機能デバイス(100)の前記表側又は前記裏側の中間接続箱が不要になるようにすることを特徴とする機能デバイス(100)。
【請求項2】
前記電気的、又は光学的能動素子(110)が、光起電セルであって、前記封入アセンブリ(107)に埋め込まれた少なくとも1つのバイパスダイオードに接続されている前記光起電セルである、請求項1に記載の機能デバイス(100)。
【請求項3】
前記電気接続素子(160)の前記外側シースが、フルオロポリマー、及び/又はクロロポリマー、及び/又はブロモポリマーを含まない、請求項1又は2に記載の機能デバイス(100)。
【請求項4】
前記封入アセンブリ(107)が、前記電気接続素子(160)が前記封入アセンブリ(107)を貫通して前記機能デバイス(100)の外部に出るための通路を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の機能デバイス(100)。
【請求項5】
前記封入アセンブリ(107)が、
-第1の外側封入膜(102)と、
-内側封入膜(103)と、
-第2の外側封入膜(104)と、
を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の機能デバイス(100)。
【請求項6】
前記電気接続素子(160)が、前記機能デバイス(100)を貫通するその通路に沿って、封入材料であって、前記第1の外側封入膜(102)、前記内側封入膜(103)又は前記第2の外側封入膜(104)を形成する材料のうちの1つ又は複数の中から選ばれる前記封入材料に埋め込まれている、請求項5に記載の機能デバイス(100)。
【請求項7】
前記第2の外側封入膜(104)が第1のオリフィス(104a)を含み、前記第2の保護膜(105)が第2のオリフィス(105a)を含み、前記第1のオリフィス(104a)及び前記第2のオリフィス(105a)が、前記電気接続素子(160)が前記第2の外側封入膜(104)、及び前記第2の保護膜(105)を通り抜けるための貫通オリフィス(180)を形成するように位置合わせされている、請求項5又は6に記載の機能デバイス(100)。
【請求項8】
前記貫通オリフィス(180)の壁と、前記貫通オリフィス(180)を通り抜ける前記電気接続素子(160)との間の空間が、前記第2の外側封入膜(104)を形成する材料と同じ材料で満たされる、請求項7に記載の機能デバイス(100)。
【請求項9】
前記第1の外側封入膜(102)が第3のオリフィス(102a)を含み、前記第1の保護膜(101)が第4のオリフィス(101a)を含み、前記第3のオリフィス(102a)及び前記第4のオリフィス(101a)が、前記電気接続素子(160)が前記第1の外側封入膜(102)、及び前記第1の保護膜(101)を通り抜けるための貫通オリフィス(182)を形成するように位置合わせされている、請求項5又は6に記載の機能デバイス(100)。
【請求項10】
前記貫通オリフィス(182)の壁と、前記貫通開口部(182)を通り抜ける前記電気接続素子(160)との間の空間が、前記第1の外側封入膜(102)を形成する材料と同じ材料で満たされる、請求項9に記載の機能デバイス(100)。
【請求項11】
前記電気接続素子が前記内側封入膜(103)を貫通して外に出るための通路が、前記内側封入膜(103)に、又は前記第1の外側封入膜(102)と前記内側封入膜(103)との間に、又は前記内側封入膜(103)と前記第2の外側封入膜(104)との間に含まれる、請求項5又は6に記載の機能デバイス(100)。
【請求項12】
前記電気接続素子(160)の皮剥き処理された金属端部が、前記電気的、又は光学的能動素子(110)の導電性部分(150)に直接溶接される、請求項1~11のいずれか一項に記載の機能デバイス(100)。
【請求項13】
前記電気接続素子(160)の皮剥き処理された金属端部が、中間接続素子(190)、例えば、平形銅テープを用いて前記電気的、又は光学的能動素子(110)の導電性部分(150)に接続される、請求項1~11のいずれか一項に記載の機能デバイス(100)。
【請求項14】
前記中間接続素子(190)が端子を含む、請求項12に記載の機能デバイス(100)。
【請求項15】
前記電気接続素子(160)が丸形電気ケーブルである、請求項1~14のいずれか一項に記載の機能デバイス(100)。
【請求項16】
前記電気接続素子(160)が、熱収縮性シースで覆われた平形金属編組線である、請求項1~14のいずれか一項に記載の機能デバイス(100)。
【請求項17】
前記電気接続素子(160)が2.5mm以下の断面を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の機能デバイス(100)。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の機能デバイス(100)が固定された交通用車道、又は歩行者用道路を含む、機能化された交通用車道、又は歩行者用道路。
【請求項19】
請求項1~17のいずれか一項に記載の機能デバイス(100)を含む輸送車両。
【請求項20】
請求項1~17のいずれか一項に記載の機能デバイス(100)を含む建物封体部分。
【請求項21】
請求項1~17のいずれか一項に記載の機能デバイス(100)を製造するための方法であって、
-前記電気接続素子(160)を前記電気的、又は光学的能動素子(110)に接続するステップと、
-前記電気的、又は光学的能動素子(110)を、前記第1の保護膜(101)と前記第2の保護膜(105)との間の前記封入アセンブリ(107)の中に埋め込み、前記電気接続素子(160)の端部(162)が前記機能デバイス(100)から直接外に出るための前記多層スタックを形成するステップと、
を含む方法。
【請求項22】
前記多層スタックを形成する前記ステップが高温積層によって行われる、請求項21に記載の製造方法。
【請求項23】
前記封入アセンブリ(107)の中に通路であって、前記電気接続素子(160)が前記封入アセンブリ(107)を貫通して外に出ることを可能にする前記通路を形成するステップを含む、請求項21又は22に記載の製造方法。
【請求項24】
前記電気接続素子(160)が前記機能デバイス(100)を通り抜けるための、前記封入アセンブリ(107)及び前記第2の保護膜(105)を貫通する貫通オリフィス(180)を形成するステップを含む、請求項21~23のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項25】
前記電気接続素子(160)が前記機能デバイス(100)を通り抜けるための、前記封入アセンブリ(107)及び前記第1の保護膜(101)を貫通する貫通開口部(180)を形成するステップを含む、請求項21~23のいずれか一項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能デバイス、例えば、光起電セル、発光ダイオード又は抵抗膜などの電気的、又は光学的能動素子を含む多層構造の技術分野に関する。
【0002】
本発明は、ソーラロード分野に好適な用途を見出す。本発明は、例えば、車道(roadway)又は道路(road)、自転車道、工業用又は空港のプラットホーム、広場、舗装道路又は駐車場など、歩行者、及び/又は、電動かどうかを問わず車両が交通可能な車道に組み込むことができる。
【0003】
本発明は、機能デバイスを固定することが可能な輸送車両(例えば、自動車、トラック、列車若しくはボート)、又は建物封体部分にも好適な用途を見出す。
【0004】
本発明は、特に、車道に組み込まれることを意図した、直接の電気差し込み口を有する機能デバイス、及びこのような機能デバイスを製造するための方法、並びにこのようなデバイスを含む機能化された交通用車道、又は歩行者用道路に関する。
【背景技術】
【0005】
機能化された車道とは、光起電セルなどの電気的、又は光学的能動素子、又は、発光ダイオード(LED)、電気的、電子的、光学的、光電的、圧電的及び/又は熱電的素子など、他の電気的、又は光学的能動素子を含む車道である。これらの素子により、データを生成、受信、及び/又は通信すること、又は同様にエネルギーを生成及び伝達することも可能になる場合もある。
【0006】
特に、ソーラロードの原理は、日中の太陽光照射から電気エネルギーを生み出すための手段として道路又は車道を使用するものである。
【0007】
こうした目的のために、ソーラモジュールがいわゆる交通用車道(道路、舗装道路、等々)に挿入され、車両の交通に耐え、道路及びその他の交通区域に適用可能なグリップ要件を満たす透明なテクスチャ表面によって覆われる。
【0008】
従来、光起電モジュールは:
-モジュールの表側であって、モジュールを所定の場所に植え込んだときに入射する日射にさらされる側である表側にある、概してガラス製の透明プレートと、
-封入層に埋め込まれた相互接続された光起電セルのセットと、
-光起電力モジュールの裏側にある、概してガラス製のプレート、又は多層ポリマーで形成された「後板(backsheet)」と、
を含む。
【0009】
これらの光起電モジュールは概して、主に裏側に、接続箱を含む。特に、接続箱は、光起電モジュールの内部の電気接続(概して、平形銅テープ)と、光起電モジュールの外部の電気接続(概して、丸形又は平形ケーブル)との間の移行を可能にする。この接続箱は概して、特に、光起電モジュールに含まれている光起電セルが故障した場合に、このモジュールの良好な動作、及び保護に必要な1つ又は複数のバイパスダイオードもまた収容している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、光起電モジュールを車道に設置する場合、モジュールに接続箱が存在すると、特に、接続箱を車道に埋め込むためにそこに溝を作る必要があるため、設置コストが高くなる。この溝は、次に、車道及び交通の流れに適合する材料で埋めなければならない。同様の問題は、その裏面全体にわたって支持体に固定されるあらゆる用途の光起電モジュールに存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これに関連して、本発明は、関連する支持体に設置するコストを下げるように、機能デバイス、特に、車道に組み込まれることを意図した機能デバイスの製造を改善することを提案する。この支持体は、優先的には、交通用車道である。この支持体は、建物、ボート、自動車の表面など任意の支持体、及びより大まかに言えば、接着剤又は任意の他の固定手段を使用して機能デバイスを付けることが可能な任意の表面であってもまたよい。
【0012】
特に、本発明は、多層スタックを含む機能デバイスに関する。この多層スタックは、
-前記デバイスの表側に配置された第1の、透明な保護膜と、
-封入アセンブリと、
-デバイスの裏側に配置された、透明又は不透明な、第2の保護膜と、
-封入アセンブリに埋め込まれた少なくとも1つの電気的、又は光学的能動素子と、
-前記電気的、又は光学的能動素子に接続された、前記電気的、又は光学的能動素子から、或いは前記電気的、又は光学的能動素子へと、電気を移送するのに適した電気接続素子と、
を連続して含む。
【0013】
本発明によれば、電気接続素子は多層スタックの中に組み込まれている。さらに、電気接続素子は、ハロゲン元素を含まない外側シースを含み、電気接続素子の端部は、前記機能デバイスから直接外に出ることで、機能デバイスの表側又は裏側の中間接続箱が不要になるようにする。
【0014】
したがって、電気接続素子、例えば、電気ケーブルの外側シースにハロゲン素子がないことにより、機能デバイスの封入アセンブリと電気接続素子の外側シースとの間に、良好な接着を得ることが可能になる。これは、良好な密封を確保し、電気接続素子の機能デバイスからの出口での層間剥離の危険を回避するために重要な要因である。
【0015】
さらに、電気接続素子を機能デバイスに直接組み込み、この電気接続素子もまた直接このデバイスの外部に出るこの配置により、機能デバイスの表側又は裏側の中間接続箱が不要になる。これにより、このデバイスの周囲条件、特に、デバイスが受ける物理的、機械的又は化学的影響に関しての機能デバイスの信頼性を確保することもまた可能になる。
【0016】
個々に、又は技術的に可能なすべての組み合せに従って解釈される本発明によるデバイスの他の非限定的、且つ、有利な特徴は、以下の通りである。すなわち、
-電気的、又は光学的能動素子は光起電セルであり、前記光起電セルは、封入アセンブリに埋め込まれた少なくとも1つのバイパスダイオードに接続されている。
-電気接続素子の外側シースは、フルオロポリマー、及び/又はクロロポリマー、及び/又はブロモポリマーを含まない。
-封入アセンブリは、電気接続素子が封入アセンブリを貫通して機能デバイスの外部に出るための通路を含む。
-封入アセンブリは、
a)第1の外側封入膜と、
b)内側封入膜と、
c)第2の外側封入膜と、
を含み、
-電気接続素子は、前記機能デバイスを貫通するその通路に沿って、封入材料であって、第1の外側封入膜、内側封入膜、又は第2の外側封入膜を形成する材料のうちの1つ又は複数の中から選ばれる前記封入材料に埋め込まれている。
-第2の外側封入膜は、第1のオリフィスを含み、第2の保護膜は、第2のオリフィスを含み、第1のオリフィス及び第2のオリフィスは、電気接続素子が第2の外側封入膜、及び第2の保護膜を通り抜けるための貫通オリフィスを形成するように位置合わせされている。
-前記貫通オリフィスの壁と、前記貫通オリフィスを通り抜ける電気接続素子との間の空間は、第2の外側封入膜を形成する材料と同じ材料で満たされる。
-第1の外側封入膜は、第3のオリフィスを含み、第1の保護膜は、第4のオリフィスを含み、第3のオリフィス及び第4のオリフィスは、電気接続素子が第1の外側封入膜、及び第1の保護膜を通り抜けるための貫通オリフィスを形成するように位置合わせされている。
-前記貫通オリフィスの壁と、前記貫通オリフィスを通り抜ける電気接続素子との間の空間は、第1の外側封入膜を形成する材料と同じ材料で満たされる。
-電気接続素子が内側封入膜を貫通して外に出るための通路は、内側封入膜に含まれる。
-電気接続素子が内側封入膜を貫通して外に出るための通路は、第1の外側封入膜と内側封入膜との間に配置される。
-電気接続素子が内側封入膜を貫通して外に出るための通路は、内側封入膜と第2の外側封入膜との間に配置される。
-前記電気接続素子の皮剥き処理された金属端部は、前記電気的、又は光学的能動素子の導電性部分に直接溶接される。
-電気接続素子の皮剥き処理された金属端部は、中間接続素子、例えば、平形銅テープを用いて前記電気的、又は光学的能動素子の導電性部分に接続される。
-中間接続素子は、端子を含む。
-電気接続素子は、丸形又は平形電気ケーブルである。
-電気接続素子は、熱収縮性シースで覆われた平形金属編組線である。
-電気接続素子は、2.5mm以下の断面を有する。
【0017】
本発明は、前述の部分において定義されたような機能デバイスを製造するための方法にもまた関する。方法は、
-電気接続素子を電気的、又は光学的能動素子に接続するステップと、
-電気的、又は光学的能動素子を、第1の保護膜と第2の保護膜との間の封入アセンブリの中に埋め込み、電気接続素子の端部が前記機能デバイスから直接外に出るための多層スタックを形成するステップと、
を含む。
【0018】
個々に、又は技術的に可能なすべての組み合せに従って解釈される本発明による製造方法の他の非限定的、且つ、有利な特徴は、以下の通りである。すなわち、
-多層スタックを形成するステップは、高温積層(hot lamination)によって行われる。
-前記封入アセンブリの中に通路であって、電気接続素子が前記封入アセンブリを貫通して外に出ることを可能にする前記通路を形成するステップが提供される。
-電気接続素子が前記機能デバイスを通り抜けるための、前記封入アセンブリ及び前記第2の保護膜を貫通する貫通オリフィスを形成するステップが提供される。
-電気接続素子が前記機能デバイスを通り抜けるための、前記封入アセンブリ及び前記第1の保護膜を貫通する貫通オリフィスを形成するステップが提供される。
【0019】
本発明は、前述の部分において定義されたような機能デバイスが固定された交通用車道、又は歩行者用道路を含む機能化された交通用車道、又は歩行者用道路にもまた関する。
【0020】
本発明は、前述の部分において定義されたような機能デバイスを含む輸送車両にもまた関する。
【0021】
本発明は、最後に、前述の部分において定義されたような機能デバイスを含む建物封体部分に関する。
【0022】
明らかに、本発明の異なる特徴、代替案及び実施形態は、それらが互いに対して適合性もなく、排他的でもない限り、様々な組み合わせに従って互いに関連付けさせることができる。
【0023】
さらに、本発明の様々な他の特徴が、本発明の非限定的な実施形態を図示する添付の図面を参照しながらなされる説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1の実施形態による、機能デバイスの断面図を概略的に示しており、電気接続素子が機能デバイスの裏側を貫通して外に出ている。
図2】本発明の第2の実施形態による、機能デバイスの断面図を概略的に示しており、電気接続素子が機能デバイスの表側を貫通して外に出ている。
図3】本発明の第3の実施形態による、機能デバイスの断面図を概略的に示しており、電気接続素子が機能デバイスの側面側を貫通して外に出ている。
図4】本発明による、電気接続素子と導電性コネクタとの間の電気接続の一例を概略的に示している。
図5】本発明の第1の実施形態による、機能デバイスの断面図を概略的に示しており、電気接続素子が機能デバイスの裏側を貫通して外に出ているとともに、光起電セル、及び少なくとも1つのバイパスダイオードを含んでいる。
図6】光起電セル及びバイパスダイオードの配置を示している電気図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
前置き事項として、異なった図に示されている本発明の様々な実施形態の同一又は同様の要素は、可能な限り、同じ参照符号によって参照され、その都度説明されないことに留意されたい。
【0026】
図1は、機能デバイス100の断面図を概略的に示している。この機能デバイス100は、例えば、交通用車道、又は歩行者用道路など交通用区域に組み込まれる。
【0027】
図1に示されているように、機能デバイス100は、
-機能デバイス100の表側に配置された、透明な、第1の厚さeを有し、第1のヤング率E及び第1の熱膨張率CTEを有する第1の材料で作られた、第1の保護膜101とも呼ばれる第1のプレートと、
-少なくとも1つの電気的、又は光学的能動素子110(本明細書の以下の記述では能動素子110とも呼ばれる)を埋め込む封入アセンブリ107と、
-機能デバイス100の裏側に配置された、透明又は不透明な、第2の厚さeを有し、第2のヤング率E及び第2の熱膨張率CTEを有する第2の材料で作られた、第2の保護膜105とも呼ばれる第2のプレートと、
を連続的に含む多層スタックを含む。
【0028】
優先的には、本発明によれば、封入アセンブリ107は、
-第3の厚さeを有し、第3のヤング率E及び第3の熱膨張率CTEを有する第3の材料で作られた第1の外側封入膜102と、
-能動素子110を埋め込む内側封入膜103であって、第4の厚さeを有し、第4のヤング率E及び第4の熱膨張率CTEを有する第4の材料で作られた内側封入膜103と、
-第5の厚さeを有し、第5のヤング率E及び第5の熱膨張率CTEを有する第5の材料で作られた第2の外側封入膜104と、
を含む。
【0029】
代替案(図示せず)として、封入アセンブリは、2つの封入膜だけによって形成することができる。別の代替案(図示せず)として、封入アセンブリは、単一の封入膜によって形成することができる。
【0030】
本明細書の説明において、ヤング率及び熱膨張率の値はすべて、周囲温度(20~25°C)で得られるものである。
【0031】
第1のプレート101及び第2のプレート105:
第1のプレート101及び第2のプレート105は、外部環境と直接接触している機能デバイス100の素子である。
【0032】
プレート101、105の材料は、高いヤング率を有する材料である。好ましくは、それらの材料のヤング率Eは、2GPaよりも高く、有利には、5GPaよりも高く、さらにより有利には、10GPaよりも高い。ヤング率は、少なくとも機能デバイス100の動作温度の全範囲(-40°Cから+85°Cまで)にわたって高いままである。
【0033】
第1のプレート101及び第2のプレート105は、機械的剛性が高く、変形性が低く、且つ、耐衝撃性を有する。
【0034】
第1のプレート101及び第2のプレート105は、低い熱膨張率を有する材料で作られている。好ましくは、それらの材料の熱膨張率CTEは、200x10-6/K未満であり、より優先的には、100x10-6/K未満であり、さらにより優先的には、50x10-6/K未満である。それらの材料は、温度の変動下で高い寸法安定性を有する。
【0035】
好ましくは、第1のプレート101及び第2のプレート105のヤング率は、10GPaよりも高く、それらの熱膨張率は、50×10-6/K未満である。
【0036】
有利には、加熱の影響下で他方よりも大きく膨張する材料、及び/又は冷却の影響下で他方よりも大きく収縮する材料を使用しないようにするために、したがって、アセンブリにおいて不均一な機械的応力を誘発しないようにするために、可能な限り互いに最も近いヤング率(E)及び熱膨張率(CTE)の数値を有する材料が、第1のプレート101及び第2のプレート105に使用されることになる。「最も近い」とは、これらの数値の差が最大で0~30%、好ましくは、0~20%、より好ましくは、0~10%であり、有利には、それらが同一になることを意味する。
【0037】
2つの保護プレート(又は膜)101、105は、外部環境と接触しているので、それらは、外部の影響(特に湿気)に対するバリアとしてもまた作用することができる。それらは有利には、以下の、
-水分の浸透に対する耐性が高く、
-水分子による構造的な劣化に対する安定性が本来備わっており、
-化学的流体への暴露に対する耐性が高い、
という追加の特性を有する。
【0038】
例えば、第1のプレート101及び第2のプレート105は、可能な限り最も低い水蒸気透過率(WVTR:Water Vapor Transmission Rate)を有する材料で作られている。
【0039】
有利には、第1のプレート101及び第2のプレート105は、熱機械的パラメータE及びCTEの要件を可能な限り厳密に満たすように、50重量%~70重量%のガラスを含む材料で作られている。
【0040】
例えば、第1のプレート101及び第2のプレート105は、ガラス繊維と樹脂の複合材料、又はガラス繊維とポリマーの複合材料で作られている。例えば、それはエポキシ又はアクリル樹脂、ポリプロピレン(PP)のような熱可塑性ポリオレフィンなどの熱可塑性ポリマー、イオノマー、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、(メタ)クリレート、ポリカーボネート、フルオロポリマー、又はポリエチレンテレフタレート(PET又はPETG)などのポリエステルである。
【0041】
ガラス繊維は、有利には、複合材料の55重量%~65重量%である。それらは織布(一方向若しくは両方向)又は不織布とすることができる。
【0042】
第1のプレート及び第2のプレートの材料は、それらがヤング率E及び熱膨張率CTEに関して同様のままであれば、相互に異なるものとすることができる。
【0043】
優先的には、第1のプレート及び第2のプレートの材料は同一である。
【0044】
第1のプレート101及び第2のプレート105の厚さは、0.25~3.0ミリメートル(mm)、有利には、0.5~1.5mmである。
【0045】
第1のプレート101及び第2のプレート105は、同じ厚さを有することもできるし、異なる厚さを有することもできる。優先的には、それらは同じ厚さを有する。
【0046】
能動素子110の能動側に面する表側の第1のプレート101は、太陽光線を通すために透明である。本明細書の説明において、「透明」とは、第1のプレート101が、可視スペクトルにおいて入射放射線の70%超を通過させ、好ましくは、入射放射線の少なくとも80%を通過させる材料によって形成されることを意味する。
【0047】
裏側に位置決めされた第2のプレート105は、不透明とすることもできるし、透明とすることもできる。
【0048】
第1の外側封入膜102及び第2の外側封入膜104:
第1の外側封入膜102及び第2の外側封入膜104は、中程度のヤング率、好ましくは、100~800MPa、より優先的には、200~600MPaのヤング率を有する材料で作られている。
【0049】
外側封入膜102、104は、中程度の機械的剛性を有し、適度に変形可能であり、且つ、耐衝撃性を有する。
【0050】
それらは、200x10-6/K~700x10-6/Kの、好ましくは、300x10-6/K~600x10-6/Kの中程度の熱膨張率を有する材料で作られている。それらの材料は、温度の変動下で中程度の寸法安定性を有する。
【0051】
外側封入膜102、104の材料は、それらがヤング率E及び熱膨張率CTEに関して同様のままであれば、相互に異なるものとすることができる。
【0052】
優先的には、外側封入膜102、104は、500MPaのオーダーのヤング率E、及び400x10-6/Kのオーダーの熱膨張率CTEを有する。
【0053】
外側封入膜102、104は、有利には、保護プレート(又は膜)の材料の、外部の影響(特に湿気)に対するバリア機能を強化するための材料で作られている。
【0054】
例えば、外側封入膜102、104はポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)、エチレンメチルアクリレート(EMA)、エチレンブチルアクリレート(EBA)、エチレンプロピレン(EPDM)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリジメチルシロキサン、ポリウレタン(PU)、熱可塑性ポリオレフィン、イオノマー、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、フッ化ポリマー、又はポリエチレンテレフタレート(PET若しくはPETG)などのポリエステルからなるホモポリマー又はコポリマーで作られている。好ましくは、材料はイオノマーである。
【0055】
本明細書では、好ましくは、2つの外側封入膜の材料は同一である。
【0056】
第1の外側封入膜102及び第2の外側封入膜104は、0.25mmから1.0mmの間の厚さ、好ましくは、0.25mmから0.75mmの間の厚さを有する。
【0057】
優先的には、第1の外側封入膜102及び第2の外側封入膜104は、同じ厚さを有する。
【0058】
内側封入膜103:
内側封入膜103の材料はヤング率が低く、外側封入膜102、104のヤング率よりも低い。そのヤング率Eは、本明細書では、5から100MPaの間であり、好ましくは、10から50MPaの間である。
【0059】
内側封入膜103は、機械的剛性が低く、機械的応力及び衝撃を吸収できるようにするために、変形能力に優れている。構造全体の機械的安定性は、機能デバイス100の他の層によって確保される。
【0060】
内側封入膜103の材料は、高い熱膨張率、好ましくは、800から2000x10-6/Kの間の、さらにより優先的には、800から1400x10-6/Kの間の熱膨張率を有する。
【0061】
好ましくは、材料は、ヤング率Eが20MPaのオーダーであり、熱膨張率CTEが900x10-6/Kのオーダーであることを特徴とする。
【0062】
内側封入膜103は、例えば、光起電分野で一般に使用されている封入材料である。
【0063】
封入材料は、ポリマー材料、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)、エチレンメチルアクリレート(EMA)、エチレンブチルアクリレート(EBA)、エチレンプロピレン(EPDM)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリジメチルシロキサン、ポリウレタン(PU)、熱可塑性ポリオレフィン、イオノマー、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、フッ化ポリマー、又はポリエチレンテレフタレート(PET若しくはPETG)などのポリエステルからなるホモポリマー又はコポリマーとすることができる。封入材料はまた、(メタ)クリルタイプの樹脂、又は熱若しくは光化学的に架橋可能なシリコーンであってもよい。好ましくは、それは熱可塑性ポリオレフィン(TPO)である。
【0064】
内側封入膜103は、0.4から2.0mmの間の厚さ、好ましくは、0.8から1.4mmの間の厚さを有する。
【0065】
内側封入膜103は、水分の浸透に対する高い耐性、水分子による構造的な劣化に対して本来備わっている高い安定性、及び化学的流体への暴露に対する高い耐性を有することができる。
【0066】
有利には、本明細書では、表側及び裏側で、水分の浸透に対する様々な材料の耐性は、内側封入膜103から保護プレート(又は膜)101及び105にかけて高くなる。
【0067】
電気的、又は光学的能動素子110:
図1に示されているように、機能デバイス100は、少なくとも1つの電気的、又は光学的能動素子110を含むか、或いは好ましくは、複数の電気的、又は光学的能動素子110を含む。
【0068】
本明細書の説明において、「電気的能動素子」とは、電気的信号を送信及び/又は受信する素子を意味する。「光学的能動素子」とは、光学的信号を送信及び/又は受信する素子、又は光学的信号を電気的信号に、或いはその逆に変換する素子を意味する。
【0069】
第1の実施形態によれば、電気的、又は光学的能動素子110は、内側封入膜103と第2の外側封入膜104との間に配置される。
【0070】
代替案として、電気的、又は光学的能動素子110は、内側封入膜103と第1の外側封入膜102との間に配置される。
【0071】
別の代替案として、(図1図3に示されているように)電気的、又は光学的能動素子110は、中心に位置するか否かを問わず、内側封入膜103の厚みの中に完全に埋め込まれる。
【0072】
電気的、又は光学的能動素子は、別の代替案によれば、第2の外側封入膜104に埋め込むこともまた可能であろう。別の代替案としてならば、電気的、又は光学的能動素子は、第1の外側封入膜102に埋め込むことが可能であろう。
【0073】
光学的能動素子は、例えば、発光ダイオード、又は感光性のセンサ(フォトダイオードなど)である。
【0074】
特定の一実施形態によれば、本明細書では、能動素子110は、例えば、光起電セルである。それらは、例えば、単結晶、多結晶、又は「単結晶様」ウェーハとしても知られている擬単結晶シリコンウェーハをベースにしている。
【0075】
光起電セルは並んで配置されている。有利には、本明細書では、光起電セルは、互いに等間隔に配置されている。
【0076】
光起電セルは概して、相互に、光起電セルによって生成された電気を収集するように意図された導電性金属接続によって相互接続されている。導電性コネクタは、本明細書の説明では導電性部分とも呼ばれ、セルのメタライゼーションに取り付けられた金属接続である。例えば、これらは平形のリボン又は銅線である。接続は、例えば、溶接又は固着によってなされている。光起電セルとコネクタによって形成されているアセンブリは、相互接続された光起電セルの骨組みを形成している。
【0077】
有利には、本発明によれば、光起電セルの骨組みのこれらの導電性コネクタのうちの1つ(図1図3、及び図5に導電性コネクタ150として表されている)は、発生した電気を能動素子110から、又はその能動素子へと移送するために、電気接続素子160に電気接続されている。
【0078】
図1図3、及び図5に示されているように、電気接続素子160の自由端部162は、機能デバイス100から直接外に出ている。言いかえれば、この電気接続素子160により、機能デバイス100の裏側、又は表側に中間接続箱がなくても、能動素子110と、機能デバイス100の外部との間で電気の直接移送が可能になる。
【0079】
したがって、有利には、本発明によれば、電気接続素子160は、能動素子110に接続されている。それは、多層スタックに組み込まれ、やはり直接、機能デバイス100の裏側、又は表側に中間接続箱なしに、機能デバイス100から外に出ている。
【0080】
能動素子110が光起電セルである場合、機能デバイス100は、少なくとも1つのバイパスダイオード120(図5)もまた含む。好ましくは、機能デバイスは、複数のバイパスダイオードを含む。
【0081】
これらのバイパスダイオード120は、封入アセンブリ107の内部での能動素子110の位置決めについて前述の部分において説明した異なる実施形態に従って、能動素子110と同じ水平面で封入アセンブリ107に埋め込まれている。
【0082】
代替案として、バイパスダイオードは、例えば、プリント回路基板(PCB)などの支持体に装着することができる。
【0083】
有利には、使用されるバイパスダイオードは厚みが小さく、すなわち、封入アセンブリ107の厚さに適合する厚さを有する。好ましくは、バイパスダイオードの厚さは、能動素子110の厚さに近似している。
【0084】
前述の部分において言及した、バイパスダイオードが装着されたプリント回路を使用する代替案の場合、プリント回路及びバイパスダイオードによって形成されたアセンブリは、有利には、厚みが小さく、すなわち、封入アセンブリの厚さに適合する厚さを有し、同様に好ましくは、能動素子の厚さに近似した厚さを有する。
【0085】
これらのバイパスダイオードは、光起電セルの骨組みに接続されている。より詳細には、図6に示されているように、バイパスダイオード120は、電気図で光起電セルと並列に配置されている(光起電モジュールの従来の図と同様)。
【0086】
有利には、本発明によれば、いくつかのバイパスダイオードは、電気図で互いに並列に相互接続されている(図6)。この複数の並列のバイパスダイオードによって電流が分割されているおかげで、この配置によって、個々のバイパスダイオードそれぞれのオーム加熱を低減することが可能になる。これにより、全熱負荷がより広い面積にわたって拡張することで、封入アセンブリの材料内で到達する最高温度を制限することもまた可能になる。
【0087】
したがって、この配置により、電気接続素子及びバイパスダイオードを直接機能デバイスに、より詳細には、多層スタックに組み込んだおかげで、機能デバイスの機能を保ちつつ、機能デバイスの外部の封体部分の従来の中間接続箱を不要にすることが可能になる。
【0088】
電気接続素子160は、例えば、電気ケーブルである。従来、電気ケーブル160は、例えば、導電性材料で作られた数本のワイヤによって形成された導電性部分と、導電性材料で作られた様々なワイヤを埋め込む絶縁性部分である外側シースと、によって形成されている。例えば、本明細書では、電気ケーブルは金属導電性部分を含み、外側シースは、ポリマー材料で形成されている。
【0089】
本明細書の説明において、電気ケーブルの皮剥き処理された金属端部とは、このケーブルの外側シースのない部分を指す。したがって、電気ケーブル160の導電性コネクタ150への電気接続は、電気ケーブル160の皮剥き処理された金属端部を使用してなされる。この皮剥き処理された金属端部は、例えば、電気接続するように導電性コネクタ150に溶接される。
【0090】
図1図3、及び図5に示されているように、電気ケーブル160は、能動素子110と、機能デバイス100の外部との間で直接電気接続させるために、機能デバイス100の異なる層に組み込まれている。電気ケーブル160は、機能デバイス100の様々な層を貫通して延びている。より詳細には、有利には、本発明によれば、封入アセンブリ107は、封入アセンブリ107を貫通して、電気接続素子160が機能デバイス100の外部に出るための通路を含む。本明細書の説明において、「通路」とは、電気接続素子160が通り抜けていく封入アセンブリの区域を意味する。
【0091】
図1図3、及び図5に示されているように、電気接続素子160は、機能デバイス100を通り抜けるように材料に埋め込まれている。実際には、この埋め込み材料は、例えば、封入アセンブリ107を形成している材料のうちの1つ又は複数(したがって、本明細書では、第1の外側封入膜102、内側封入膜103、又は第2の外側封入膜104を形成している材料のうちの1つ又は複数)の中から選ばれる。
【0092】
図1、又は図5に示されている第1の実施形態によれば、第1のオリフィス104aが第2の外側封入膜104に形成され、第2のオリフィス105aが第2の保護プレート105に形成されている。この第1のオリフィス104a及びこの第2のオリフィス105aは、第2の外側封入膜104及び第2の保護プレート105を貫通する貫通オリフィス180を形成するように位置合わせされている(単一の、且つ、連続的な貫通オリフィス180がこのように形成されている)。この貫通オリフィス180が、次に、電気ケーブル160を通過させる。したがって、図1及び図5に示されているように、この実施形態では、電気ケーブル160は、機能デバイス100から機能デバイスの裏側を貫通して外に出ている。
【0093】
本明細書の説明において、「オリフィス」とは、機能デバイスの内部をその外部に接続する導管の形態をした開口部を意味する。
【0094】
本明細書では、貫通オリフィス180は、スロット又は穴の形状を有する。この貫通オリフィス180は、例えば、実際には、ドリルを使用して作られ、第2の外側封入膜104及び第2の保護プレート105を貫通して導入される。代替案として、この貫通オリフィス180は、切断工具を使用するか、又は同様に超高圧水流切断機を使用しても作ることができる。
【0095】
したがって、この第1の実施形態によれば、電気ケーブル160はまた、内側封入膜103にも組み込まれる。代替案として、電気ケーブルは、内側封入膜及び第2の外側封入膜に組み込むことができる。別の代替案として、電気ケーブルは、第2の外側封入膜に組み込むことができる。
【0096】
特に、電気ケーブル160と能動素子110の導電性コネクタ150との間の電気接続もまた、内側封入膜103に組み込まれている。代替案として、この接続は、内側封入膜及び第2の外側封入膜に組み込むことができる。別の代替案として、この接続は、第2の外側封入膜に組み込むことができる。
【0097】
電気ケーブル160と、貫通オリフィス180の壁との間の空間は、本明細書では、第2の外側封入膜104の材料と同じ材料で満たされる。これにより、機能デバイスの密封もまた確保される。機能デバイスの中へと水分が浸透し易そうな区域が存在しなくなる。
【0098】
代替案として、図2に示されている第2の実施形態によれば、第3のオリフィス102aが第1の外側封入膜102に形成され、第4のオリフィス101aが第1の保護プレート101に形成されている。この第3のオリフィス102a及びこの第4のオリフィス101aは、第1の外側封入膜102及び第1の保護プレート101を貫通する貫通オリフィス182を形成するように位置合わせされている。この貫通オリフィス182が、次に、電気ケーブル160を通過させる。したがって、図2に示されているように、この実施形態では、電気ケーブル160は、機能デバイス100から機能デバイスの表側を貫通して外に出ている。
【0099】
前述の部分において説明した第1の実施形態に関しては、本明細書での貫通オリフィス182は、スロット又は穴の形状を有する。この貫通オリフィス182は、例えば、実際には、ドリルを使用して作られ、第1の外側封入膜102及び第1の保護プレート101を貫通して導入される。代替案として、この貫通オリフィス182は、切断工具を使用するか、又は同様に超高圧水流切断機を使用しても作ることができる。
【0100】
したがって、この第2の実施形態によれば、電気ケーブル160はまた、内側封入膜103にも組み込まれる。
【0101】
代替案として、電気ケーブルは、内側封入膜と第1の外側封入膜との間に組み込むことができる。別の代替案として、電気ケーブルは、第1の外側封入膜に組み込むことができる。
【0102】
特に、電気ケーブル160と能動素子110の導電性コネクタ150との間の電気接続は、内側封入膜103に組み込まれている。
【0103】
代替案として、この接続は、内側封入膜及び第1の外側封入膜に組み込むことができる。別の代替案として、この接続は、第1の外側封入膜に組み込むことができる。
【0104】
電気ケーブル160と、貫通オリフィス182の壁との間の空間は、本明細書では、第1の外側封入膜102の材料と同じ材料で満たされる。これにより、機能デバイスの密封もまた確保される。したがって、機能デバイスの中へと水分が浸透し易そうな区域が存在しなくなる。
【0105】
この第2の実施形態は、その支持体に機能デバイスを装着すると、電気ケーブルが裏側を貫通して外に出ることができない使用法に特に有利である。
【0106】
別の代替案として、図3に示されている第3の実施形態によれば、電気ケーブル160は、機能デバイス100の縁部を貫通して機能デバイス100から外に出すことができる。より正確には、この例では、封入アセンブリ107は、電気ケーブル160が機能デバイス100の外部に出るための通路を含む。これら2つの第1の実施形態とは異なり、この第3の実施形態では、オリフィスが貫通していない(ケーブルは機能デバイスから直接外に出ている)。
【0107】
この場合、電気ケーブル160だけでなく、その能動素子110への接続点もまた、内側封入膜103を貫通して延びている。この例では、電気ケーブル160は、このように機能デバイス100の側面側から直接外に出ている。
【0108】
代替案として、電気ケーブル及びその能動素子への接続点は、内側封入膜及び第2の外側封入膜に組み込むことができる。別の代替案として、電気ケーブル及びその能動素子への接続点は、内側封入膜と第1の外側封入膜との間に組み込むことができる。
【0109】
有利には、本発明によれば、電気ケーブル160は、材料が(例えば、塩素、フッ素又は臭素のような)ハロゲン元素を含まない外側シースを有する。特に、ケーブルの外側シースは、フルオロポリマーを含まない。代替案として、電気ケーブルの外側シースは、クロロポリマー、及び/又はブロモポリマーを含まない。これにより、機能デバイス100の封入アセンブリの異なる材料と、電気ケーブル160の外側シースとの間に良好な接着を確保することが可能になる。これは、良好な密封を確保し、電気ケーブルの機能デバイスからの出口での層間剥離の危険を回避するために重要な要因である。
【0110】
機能デバイス100に組み込まれた電気ケーブル160の断面は、ケーブルが持ちこたえなければならない電流のレベルの関数として求められる。有利には、この断面は、2.5mm以下であるか、又は同様に有利には、1.5mm以下である。
【0111】
実際には、本発明のために選ばれる電気ケーブルは、機能デバイスを使用する実際の条件に適合する範囲(-40°Cから+85°Cまで)の動作温度を有する。選ばれる電気ケーブルは、光起電モジュールに使用される一般的な積層方法(例えば、130~170°Cのオーダーの積層温度、及び1バールのオーダーの圧力を用いる)にもまた適合する。選ばれる電気ケーブルは、紫外線、湿気、オゾン、並びに石油、ガソリン及び酸などの化学製品に対する優れた耐性もまた有する。
【0112】
電気ケーブルは、使用中の発火を遅らせるために遅燃剤もまた含むことができる。
【0113】
本発明において使用されがちな適切な電気ケーブルの例には、例えば、以下の、ケーブルEnergyflex(Nexans)2.5mm、ケーブルFlamex EN 50264-3-1 1.5mm~2.5mm(Nexans)、ケーブルVarpren ST 1.5mm~2.5mm(Omerin)、ケーブルVarpren 155 UL 1.5mm~2.5mm(Omerin)がある。
【0114】
電気ケーブルの代替案として、平形金属編組線を使用することができる。この平形編組線は、有利には、2mm未満の断面を有する。それは、例えば、30A接地編組線である。
【0115】
この場合、平形編組線は、樹脂製熱収縮シース、例えば、TE Connectivity熱収縮シース、直径4.8mm Black shrink 3:1、300mmで覆われている。これにより、湿気から平形編組線を保護し、アセンブリに機械的保護を提供することが可能になる。
【0116】
電気ケーブル160を導電性コネクタ150に直接接続する代替案として、端子(又は、「ラグ端子(lug)」)190などの中間素子を使用して電気接続することができる。
【0117】
図4は、ラグ端子190を用いたこのような電気接続を概略的に示す。例えば、導電性素子が平形金属テープ155である場合、平形テープ155の端部がラグ端子190の第1の平坦な部分192に圧着されている。この接合は、平形リボン155の表側及び裏側にスズを加えることによって強化される。特に、これにより、平形テープ155とラグ端子190との間に良好な電気接触が確保される。
【0118】
ラグ端子190のもう一方の側では、電気ケーブル160の皮剥き処理された金属端部は、ラグ端子190の第2の部分194に圧着されている。ラグ端子190のこの第2の部分194は、例えば、4.5mmのオーダーの直径を有する。
【0119】
ラグ端子190などの中間素子の使用により、例えば、特に、電気ケーブル160と導電性コネクタ150との間の接続の製造性(すなわち、工業用製造)を向上させることが可能になる。電気ケーブルの皮剥き処理された金属端部を導電性素子に直接溶接することを回避することが可能になるからである。
【0120】
本発明に適合するラグ端子の例には、例えば、以下の、RS PRO非絶縁メス端子4~6mm(RS)、Flag Krimptite Quick Disconnect、メス端子、10~12(3.30~5.00mm)ワイヤ用、Tab 6.35×0.81mm(Molex)があり、又はRS PRO圧着レセプタクル、6.35×0.8mm、2.5mm~6mm、14AWG~10AWG、スズめっき(RS)、RS PRO非絶縁メス端子1.5~2.5mm(RS)もある。
【0121】
機能デバイス100を製造するための方法:
概して、機能デバイス100を製造するための方法は、以下の連続的ステップ、すなわち、
-電気接続素子160を電気的、又は光学的能動素子110に接続するステップと、
-電気的、又は光学的能動素子110を、第1の保護膜101と第2の保護膜105との間の封入アセンブリ107の中に埋め込み、電気接続素子160の端部162が前記機能デバイス100から直接外に出るための多層スタックを形成するステップと、
を含む。
【0122】
電気的、又は光学的能動素子が光起電セルである場合、方法は、多層スタックを形成するステップの前に、少なくとも1つのバイパスダイオード120を光起電セルに接続するステップもまた含む。このバイパスダイオード120は、プリント回路支持体に装着されたり、されなかったりする。
【0123】
次に、バイパスダイオード120もまた、多層スタックを形成するステップの間に封入アセンブリ107に埋め込まれる。
【0124】
多層スタックを形成するステップは、例えば、高温積層によって行われる。代替案として、それは、熱圧縮、注入によって、又は同様に樹脂トランスファー成形(RTM:Resin Transfer Moulding)によってもまた、実装することができる。
【0125】
より正確には、機能デバイス100を製造するための方法の第1の実施形態(図1に示されている)の場合、機能デバイス100を製造するための方法は、以下のステップ、すなわち、
-前記機能デバイス100の裏側に配置される第2の保護膜105を位置決めするステップと、
-封入アセンブリを位置決めするステップと、
-電気接続素子160が前記機能デバイス100を通り抜けるための、前記封入アセンブリ及び前記第2の保護膜105を貫通する貫通オリフィス180を形成するステップと、
-電気接続素子160及び電気的、又は光学的能動素子110を位置決めし、電気接続素子160が貫通オリフィス180を通り抜けることで、電気接続素子160の端部162が、機能デバイスから直接外に出るようにするステップと、
-電気接続素子160を電気的、又は光学的能動素子110に接続するステップと、
-前記機能デバイス100の表側に配置される第1の保護膜101を位置決めするステップと、
-アセンブリを高温積層するステップと、
をこの順序で含む。
【0126】
この第1の実施形態によれば、機能デバイス100は、このように、デバイスの裏側から表側へと積み重ねることによって製造される。
【0127】
この実施形態では、方法は、積層中に一時的に、第2の保護膜105と、前記動作デバイス100から外に出ている電気接続素子160の一部分と、の間に位置決めされたテフロン(登録商標)層を提供するステップもまた含む。このテフロン(登録商標)層は、製造プロセス中に電気接続素子160が第2の保護膜105に埋め込まれ、元に戻せなくなるのを防ぐ。
【0128】
機能デバイス100を製造するための方法の第2の実施形態(図2に示されている)によれば、機能デバイス100を製造するための方法は、以下のステップ、すなわち、
-前記機能デバイス100の表側に配置される第1の保護膜101を位置決めするステップと、
-封入アセンブリ107を位置決めするステップと、
-電気接続素子160が前記機能デバイスを通り抜けるための、前記封入アセンブリ107及び前記第1の保護膜102を貫通する貫通オリフィス182を形成するステップと、
-電気接続素子160及び電気的、又は光学的能動素子110を位置決めし、電気接続素子160が貫通オリフィス182を通り抜けることで、電気接続素子160の端部162が、機能デバイスから直接外に出るようにするステップと、
-電気接続素子160を電気的、又は光学的能動素子110に接続するステップと、
-前記機能デバイス100の裏側に配置される第2の保護膜105を位置決めするステップと、
-アセンブリを高温積層するステップと、
をこの順序で含む。
【0129】
この第2の実施形態によれば、機能デバイス100は、このように、機能デバイス100の表側から裏側へと積み重ねることによって製造される。
【0130】
機能デバイス100を製造するための方法の第3の実施形態(図3に示されている)によれば、機能デバイス100を製造するための方法は、以下のステップ、すなわち、
-前記機能デバイス100の裏側に配置される第2の保護膜105を位置決めするステップと、
-通路であって、電気接続素子が機能デバイス100の外部に出ることができる通路を封入アセンブリに形成するように、封入アセンブリを位置決めするステップと、
-電気接続素子160及び電気的、又は光学的能動素子110を位置決めし、電気接続素子160が封入アセンブリに形成された通路を貫通して延びることで、電気接続素子160の端部162が、機能デバイスから直接外に出るようにするステップと、
-電気接続素子160を電気的、又は光学的能動素子110に接続するステップと、
-前記機能デバイス100の表側に配置される第1の保護膜101を位置決めするステップと、
-アセンブリを高温積層するステップと、
をこの順序で含む。
【0131】
代替案として、機能デバイス100を製造するための方法のこの第3の実施形態(図3に示されている)の場合、機能デバイス100を製造するための方法は、以下のステップ、すなわち、
-前記機能デバイス100の表側に配置される第1の保護膜101を位置決めするステップと、
-通路であって、電気接続素子が機能デバイス100の外部に出ることができる通路を封入アセンブリに形成するように、封入アセンブリを位置決めするステップと、
-電気接続素子160及び電気的、又は光学的能動素子110を位置決めし、電気接続素子160が封入アセンブリに形成された通路を貫通して延びることで、電気接続素子160の端部162が、機能デバイスから直接外に出るようにするステップと、
-電気接続素子160を電気的、又は光学的能動素子110に接続するステップと、
-前記機能デバイス100の裏側に配置される第2の保護膜105を位置決めするステップと、
-アセンブリを高温積層するステップと、
をこの順序で含む。
【0132】
言いかえれば、製造方法のこの第3の実施形態は、デバイスの裏側から表側へと積み重ねること、又はその逆に積み重ねること、のどちらによっても区別なく実装することができる。
【0133】
貫通オリフィスによって、電気接続素子が通ることができるようになることで、電気接続素子の自由端部162が、機能デバイス100から外に出るようにする(もう一方の端部は、電気的、又は光学的能動素子に連結された導電性素子に接続されている)。貫通オリフィスは、前述の部分において言及したように、例えば、ドリル若しくは切断工具、又は超高圧水流切断機を使用した穿孔作業によって、関係する層に作られる。
【0134】
アセンブリの高温積層(ラミネート加工とも呼ばれる)により、ポリマー材料を溶融し、次に、架橋、又は重合するだけでなく、全構造を形成するすべての層、電気的、又は光学的能動素子、及び電気接続素子の間に良好な接着もまた確保される。
【0135】
各封入膜102、103及び104だけでなく、保護プレート又は保護膜101及び105も同様に、積層の後の最終状態においてそれぞれの膜又はプレートごとに所望の厚さを得るために、同じ材料からなる1つ又は複数のスタック層から得ることができる。
【0136】
積層は、いわゆるラミネータ(ロールミルとも呼ばれる)を使用して実行されるが、これは、例えば、真空プレス(membrane press)又はダブルプレートプレスとすることができる。
【0137】
積層プロセスは、高温で、真空、且つ、機械的圧力の下で行われる。積層温度は、120°Cから200°Cの間であり、有利には、140°Cから170°Cの間であり、プロセス時間は調節可能である。このプロセス時間は、例えば、15分から30分の間である。印加される圧力は、通常、1バールのオーダーである。
【0138】
用途
本発明は、有利には、ソーラロード用の機能デバイス、及び特に、光起電モジュールに関する。本発明は、同様に有利には、車道に位置決めされることを意図した機能デバイス、及び組み込んでいる他の電気的、又は光学的能動素子又は受動素子に適用される。
【0139】
特に、機能デバイス100は、あらゆる電動及び/又は非電動の車輪走行移送手段、及び/又は歩行者移送手段のための、交通用車道の表面に組み込むことができる。このような車道の特性に関するより詳細な説明は、文献仏国特許第3093116号明細書に見出すことができる。
【0140】
本発明は、同様に有利には、自動車、列車又はボートなどの輸送車両に適用される。本発明による機能デバイスは、例えば、輸送車両の外表面に組み込まれる。
【0141】
最後に、本発明は、特に、光起電モジュールが含まれているあらゆる通常の分野においても適用される。特に、本発明による機能デバイスは、建物封体部分の表面に組み込むことができる。「建物封体部分」とは、本明細書では、建物の屋根又はファサードを意味する。本発明による機能デバイスは、有利には、平らな屋根又は傾斜した屋根に設置することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能デバイス(100)であって、
-前記デバイス(100)の表側に配置された第1の、透明な保護膜(101)と、
-封入アセンブリ(107)と、
-前記デバイスの裏側に配置された、透明又は不透明な、第2の保護膜(105)と、
-前記封入アセンブリ(107)に埋め込まれた少なくとも1つの電気的、又は光学的能動素子(110)と、
-前記電気的、又は光学的能動素子(110)に接続された、前記電気的、又は光学的能動素子(110)から、或いは前記電気的、又は光学的能動素子(110)へと、電気を移送するのに適した電気接続素子(160)と、
を連続して含む多層スタックを含み、
前記電気接続素子(160)が前記多層スタックの中に組み込まれることを特徴とし、
前記電気接続素子(160)が、ハロゲン元素を含まない外側シースを含み、前記電気接続素子(160)の端部(162)が、前記機能デバイス(100)から直接外に出ていることで、前記機能デバイス(100)の前記表側又は前記裏側の中間接続箱が不要になるようにすることを特徴とする機能デバイス(100)。
【請求項2】
前記電気的、又は光学的能動素子(110)が、光起電セルであって、前記封入アセンブリ(107)に埋め込まれた少なくとも1つのバイパスダイオードに接続されている前記光起電セルである、請求項1に記載の機能デバイス(100)。
【請求項3】
前記電気接続素子(160)の前記外側シースが、フルオロポリマー、及び/又はクロロポリマー、及び/又はブロモポリマーを含まない、請求項1に記載の機能デバイス(100)。
【請求項4】
前記封入アセンブリ(107)が、前記電気接続素子(160)が前記封入アセンブリ(107)を貫通して前記機能デバイス(100)の外部に出るための通路を含む、請求項1に記載の機能デバイス(100)。
【請求項5】
前記封入アセンブリ(107)が、
-第1の外側封入膜(102)と、
-内側封入膜(103)と、
-第2の外側封入膜(104)と、
を含む、請求項1に記載の機能デバイス(100)。
【請求項6】
前記電気接続素子(160)が、前記機能デバイス(100)を貫通するその通路に沿って、封入材料であって、前記第1の外側封入膜(102)、前記内側封入膜(103)又は前記第2の外側封入膜(104)を形成する材料のうちの1つ又は複数の中から選ばれる前記封入材料に埋め込まれている、請求項5に記載の機能デバイス(100)。
【請求項7】
前記第2の外側封入膜(104)が第1のオリフィス(104a)を含み、前記第2の保護膜(105)が第2のオリフィス(105a)を含み、前記第1のオリフィス(104a)及び前記第2のオリフィス(105a)が、前記電気接続素子(160)が前記第2の外側封入膜(104)、及び前記第2の保護膜(105)を通り抜けるための貫通オリフィス(180)を形成するように位置合わせされている、請求項5に記載の機能デバイス(100)。
【請求項8】
前記貫通オリフィス(180)の壁と、前記貫通オリフィス(180)を通り抜ける前記電気接続素子(160)との間の空間が、前記第2の外側封入膜(104)を形成する材料と同じ材料で満たされる、請求項7に記載の機能デバイス(100)。
【請求項9】
前記第1の外側封入膜(102)が第3のオリフィス(102a)を含み、前記第1の保護膜(101)が第4のオリフィス(101a)を含み、前記第3のオリフィス(102a)及び前記第4のオリフィス(101a)が、前記電気接続素子(160)が前記第1の外側封入膜(102)、及び前記第1の保護膜(101)を通り抜けるための貫通オリフィス(182)を形成するように位置合わせされている、請求項5に記載の機能デバイス(100)。
【請求項10】
前記貫通オリフィス(182)の壁と、前記貫通開口部(182)を通り抜ける前記電気接続素子(160)との間の空間が、前記第1の外側封入膜(102)を形成する材料と同じ材料で満たされる、請求項9に記載の機能デバイス(100)。
【請求項11】
前記電気接続素子が前記内側封入膜(103)を貫通して外に出るための通路が、前記内側封入膜(103)に、又は前記第1の外側封入膜(102)と前記内側封入膜(103)との間に、又は前記内側封入膜(103)と前記第2の外側封入膜(104)との間に含まれる、請求項5に記載の機能デバイス(100)。
【請求項12】
前記電気接続素子(160)の皮剥き処理された金属端部が、前記電気的、又は光学的能動素子(110)の導電性部分(150)に直接溶接される、請求項1に記載の機能デバイス(100)。
【請求項13】
前記電気接続素子(160)の皮剥き処理された金属端部が、中間接続素子(190)、例えば、平形銅テープを用いて前記電気的、又は光学的能動素子(110)の導電性部分(150)に接続される、請求項1に記載の機能デバイス(100)。
【請求項14】
前記中間接続素子(190)が端子を含む、請求項12に記載の機能デバイス(100)。
【請求項15】
前記電気接続素子(160)が丸形電気ケーブルである、請求項1に記載の機能デバイス(100)。
【請求項16】
前記電気接続素子(160)が、熱収縮性シースで覆われた平形金属編組線である、請求項1に記載の機能デバイス(100)。
【請求項17】
前記電気接続素子(160)が2.5mm2以下の断面を有する、請求項1に記載の機能デバイス(100)。
【請求項18】
請求項1に記載の機能デバイス(100)が固定された交通用車道、又は歩行者用道路を含む、機能化された交通用車道、又は歩行者用道路。
【請求項19】
請求項1に記載の機能デバイス(100)を含む輸送車両。
【請求項20】
請求項1に記載の機能デバイス(100)を含む建物封体部分。
【請求項21】
請求項1に記載の機能デバイス(100)を製造するための方法であって、
-前記電気接続素子(160)を前記電気的、又は光学的能動素子(110)に接続するステップと、
-前記電気的、又は光学的能動素子(110)を、前記第1の保護膜(101)と前記第2の保護膜(105)との間の前記封入アセンブリ(107)の中に埋め込み、前記電気接続素子(160)の端部(162)が前記機能デバイス(100)から直接外に出るための前記多層スタックを形成するステップと、
を含む方法。
【請求項22】
前記多層スタックを形成する前記ステップが高温積層によって行われる、請求項21に記載の製造方法。
【請求項23】
前記封入アセンブリ(107)の中に通路であって、前記電気接続素子(160)が前記封入アセンブリ(107)を貫通して外に出ることを可能にする前記通路を形成するステップを含む、請求項21に記載の製造方法。
【請求項24】
前記電気接続素子(160)が前記機能デバイス(100)を通り抜けるための、前記封入アセンブリ(107)及び前記第2の保護膜(105)を貫通する貫通オリフィス(180)を形成するステップを含む、請求項21に記載の製造方法。
【請求項25】
前記電気接続素子(160)が前記機能デバイス(100)を通り抜けるための、前記封入アセンブリ(107)及び前記第1の保護膜(101)を貫通する貫通開口部(180)を形成するステップを含む、請求項21に記載の製造方法。
【国際調査報告】