(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】医療装置の洗浄方法ならびに対応する洗浄装置および洗浄器具
(51)【国際特許分類】
A61B 1/12 20060101AFI20241021BHJP
【FI】
A61B1/12 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529914
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-07-05
(86)【国際出願番号】 EP2022082499
(87)【国際公開番号】W WO2023089141
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524190531
【氏名又は名称】プラズマバイオティクス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンテラー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】デュルシュウ,ティモテ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161FF43
4C161GG05
4C161GG08
4C161GG09
4C161JJ11
(57)【要約】
本発明は、a.霧化室(16)の第1の入力部(16i1)を通して連続ガス流を霧化室(16)内に射出する工程と、b.前記霧化室(16)の第2の入力部(16i2)を通して複数の連続液体吐出物を霧化室(16)内に導入する工程であって、各吐出物がそれぞれの量の液体を含み、2回の連続吐出物間の期間は真にゼロよりも大きい工程とを含み、それにより前記霧化室(16)の出力部(16o)において、ガスに懸濁された液滴を含む洗浄流を経時的に連続的に生成し、この洗浄流を医療装置の表面に向かって方向づける汚染物質除去段階を含む、医療装置の表面を洗浄するための洗浄方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置の表面を洗浄するための洗浄方法であって、
a.霧化室(16)の第1の入力部(16i1)を通して連続ガス流を前記霧化室(16)内に射出する工程と、
b.前記霧化室(16)の第2の入力部(16i2)を通して複数の連続液体吐出物を前記霧化室(16)内に導入する工程であって、各吐出物がそれぞれの量の液体を含み、2回の連続吐出物間の期間は真にゼロよりも大きい工程と、
を含み、
それにより前記霧化室(16)の出力部(16o)において、ガスに懸濁された液滴を含む洗浄流を経時的に連続的に生成し、前記洗浄流を前記医療装置の表面に向かって方向づける、汚染物質除去段階(104)を含む、
洗浄方法。
【請求項2】
工程b)は、前記複数の連続吐出物を周期的に供給することを含み、各吐出の期間は、0.1秒~10秒の間に含まれると共に、頻度は、1分当たり1~1000回の吐出に含まれる、請求項1に記載の洗浄方法。
【請求項3】
前記霧化室の出力部におけるガス流は、汚染物質除去段階(102)中に、乱流である、請求項1または2に記載の洗浄方法。
【請求項4】
前記霧化室(16)の第1の入力部(16i1)におけるガスの圧力は、前記汚染物質除去段階(102)中に、前記霧化室(16)の第2の入力部(16i2)における液体の圧力よりも大きい、請求項1~3のいずれか1項に記載の洗浄方法。
【請求項5】
前記液体中の界面活性剤の濃度は、前記汚染物質除去段階(102)中に、2mg/L未満、好ましくは200μg/L未満、例えば100μg/L未満である、請求項1~4のいずれか1項に記載の洗浄方法。
【請求項6】
前記ガスは、空気、二酸化二窒素または二酸化炭素である、請求項1~5のいずれか1項に記載の洗浄方法。
【請求項7】
前記汚染物質除去段階(102)の前に、前記霧化室(16)の出力部(16o)において初期ガス流を供給することを含む予備段階(100)をさらに含み、前記予備段階(100)の最後における前記初期ガス流は、乱流である、請求項1~6のいずれか1項に記載の洗浄方法。
【請求項8】
前記汚染物質除去段階(102)の後に、
・前記霧化室(16)の出力部(16o)において排ガス流を出力する工程と、
・前記排ガス流を前記医療装置の表面に供給して残留液体を排出する工程であって、前記排ガス流は、排出段階(104)中に、乱流である工程と、
を含む排出段階(104)をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の洗浄方法。
【請求項9】
前記汚染物質除去段階(102)の後に、前記医療装置を消毒するために洗浄消毒装置を使用することを含む消毒段階(106)をさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の洗浄方法。
【請求項10】
前記医療装置は、内視鏡である、請求項1~9のいずれか1項に記載の洗浄方法。
【請求項11】
医療装置の表面を洗浄するための洗浄装置(4)であって、
ガス入力部(4iG)および液体入力部(4iL)と、
第1の入力部(16i1)、第2の入力部(16i2)および出力部(16o)を備えた霧化室(16)と、
前記ガス入力部(4iG)と前記霧化室(16)の第1の入力部(16i1)との間に流体接続されたガスライン(12)と、
前記液体入力部(4iL)と前記霧化室(16)の第2の入力部(16i1)との間に流体接続された液体ライン(14)と、
汚染物質除去段階中に、
a.前記ガスライン(12)は、その第1の入力部(16i1)を通して連続ガス流を前記霧化室(16)内に射出するために、前記ガス入力部(4iG)から前記霧化室(16)の第1の入力部(16i1)へのガスの循環を可能にし、
b.前記液体ライン(14)は、その第2の入力部(16i2)を通して複数の連続液体吐出物を前記霧化室(16)内に導入するために、前記液体入力部(4iL)から前記霧化室(16)の第2の入力部(16i2)への液体の循環を可能にし、各吐出物がそれぞれの量の液体を含み、2回の連続吐出物間の期間は、真にゼロよりも大きくなり、
それにより、前記霧化室(16)の出力部(16o)において、ガスに懸濁された液滴を含む洗浄流を経時的に連続的に生成し、前記洗浄流を前記医療装置の表面に向かって方向づけることを目的とするように前記ガスライン(12)および前記液体ライン(14)を制御するように構成された制御装置(20)と、
を備える、洗浄装置(4)。
【請求項12】
前記制御装置(20)は、前記霧化室(16)の出力部(16o)におけるガス流が、前記汚染物質除去段階(102)中に、乱流になるように、前記ガスライン(12)を制御するように構成されている、請求項11に記載の洗浄装置。
【請求項13】
前記ガス流の経路内に配置された1組の電極をさらに備え、前記制御装置(20)は、前記電極間の電圧を前記ガス流をイオン化するのに適したレベルに制御するように構成されている、請求項11または12に記載の洗浄装置。
【請求項14】
前記洗浄装置(4)の前記液体入力部(4iL)に流体接続された液体供給部(8)と、前記洗浄装置(4)の前記ガス入力部(4iG)に流体接続されたガス供給部(6)とをさらに備える、請求項11~13のいずれか1項に記載の洗浄装置(4)を備えた、洗浄アセンブリ(2)。
【請求項15】
請求項11~14のいずれか1項に記載の洗浄装置(4)を備えた、洗浄消毒装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置の表面を洗浄するための洗浄方法に関する。
【0002】
本発明は洗浄に適用され、より具体的には医療装置の表面からの汚染物質の除去に適用される。
【背景技術】
【0003】
内視鏡などの医療装置の表面からの汚染物質の除去は、前記装置を洗浄および消毒し、こうしてその再利用性を保証し、交差汚染を防止するプロセスにおいて不可欠な工程である。
【0004】
本開示において「汚染物質」という表現は、バイオフィルムおよび/またはバイオロジカルソイルを指す。
【0005】
内視鏡などの医療装置の表面から汚染物質を除去するために、前記医療装置を一般に噴射の形態の1種以上の溶液に曝すことが知られている。前記溶液としては典型的に水、水と界面活性剤との混合物または酸性溶液が挙げられる。例えば内視鏡のチャネルを洗浄するために(より一般に、医療装置に含まれている管の内面を洗浄するために)、水および界面活性剤の溶液を前記チャネルに通して循環させて汚染物質を除去する。これは一般にブラッシングの工程の後に行う。適当なブラシ直径を有する内視鏡チャネルのブラッシングは1.2mm超のチャネルの場合には必須であるが、より小さいチャネルでは一般にブラッシングは行わない。
【0006】
しかし、そのような方法は完全に満足の得られるものではない。
【0007】
実際にそのような方法は、医療装置と相互作用し、それを劣化させ得るブラシ、界面活性剤および他の化学薬品の使用に依存している。前記化学薬品の使用は環境問題も提起し、ブラシは一般に使い捨て装置であるため廃棄物を生じさせる。さらに、そのようなブラシおよび化学薬品はコストがかかり得る。
【0008】
特開第2003145064号に記載されているような他の方法は、安定な圧力で連続ガス流により霧化された連続液体流を使用する。しかしそのような方法は満足の得られるものではない。実際にこれらの方法では、より効率的な洗浄は医療装置を劣化させ得る高い圧力によってのみ達成され、これらの方法は大量の液体を消費する。
【0009】
従って本発明の目的は、公知の方法よりも環境に優しく、費用対効果が高く、医療装置に損傷を与えるリスクが低いものでありながらも有効な洗浄方法を提供することにある。
【発明の概要】
【0010】
この目的を達成するために、本発明は、
a.霧化室の第1の入力部(input)を通して連続ガス流を霧化室内に射出する工程と、
b.霧化室の第2の入力部を通して複数の連続液体吐出物を霧化室内に導入する工程であって、各吐出物がそれぞれの量の液体を含み、2回の連続吐出物間の期間は真にゼロよりも大きい工程と
を含み、
それにより霧化室の出力部(output)において、ガスに懸濁された液滴を含む洗浄流を経時的に連続的に生成し、洗浄流を医療装置の表面に向かって方向づける汚染物質除去段階を含む、上記種類の方法に関する。
【0011】
実際に、連続ガス流内への液体吐出物の導入により前記液体の液滴への霧化、すなわち分散が生じる。これらの液滴は洗浄される表面に向かってガス流によって運ばれる。それらの小さいサイズにより、ガスから液滴へのエネルギー伝達が効率的になり、これにより、さらなる化学薬品を必要とすることなく前記液滴により汚染物質を前記表面から容易に除去することが可能になる。これにより本開示に係る方法は環境に優しいものとなる。
【0012】
さらに、連続液体流の代わりに何回かの連続液体吐出物を射出することにより、液体の霧化に害を与える過剰なガス圧力降下を防止する。実際に液体吐出物が射出された場合、それは気流を遮断し、それによりガスの流速を低下させ、液滴が生成される。吐出が停止された場合、気流はもはや遮断されないため流速が上昇する。当該流速を上昇させることにより、新しく生成される液滴の加速も生じる。当該流速を連続的に低下および上昇させることにより、液滴は連続加速を受ける。洗浄表面に到達した場合、液滴は大きく加速されている。結果として、ガス流の圧力を医療装置を損傷し得るレベルまで上昇させることを必要とすることなく、良好な洗浄効率を達成することができる。例えば内視鏡管の内腔を洗浄する場合、ガス流の圧力を内視鏡の仕様に示されている公称範囲内に維持することができる。さらに連続ガス流と組み合わせたそのような吐出物の使用により、より少ない液体の消費、すなわち費用対効果が高い洗浄方法が得られる。
【0013】
逆に、従来の霧化プロセスと同様に一定の液滴流を使用した場合、ガスの圧力は低下する傾向があり、前記液滴の速度は低下する。これが高剪断応力の発生を妨げ、それにより洗浄効率は低下する。
【0014】
本開示の方法は、所定の頻度および所定の期間で複数回の連続液体吐出物を供給することにより、ガス流中の液滴の速度を劇的に上昇させ、向上した洗浄効率を達成するのに十分な剪断応力を発生させることができる。
【0015】
本開示の他の有利な態様によれば、本洗浄方法は、単独またはあらゆる可能な組み合わせで用いられる以下の特徴:
・工程b)は、所定の頻度および所定の期間に従って複数の連続吐出物を周期的に供給することを含む;
汚染物質除去段階中に霧化室の出力部におけるガス流は乱流である;
・汚染物質除去段階中に霧化室の第1の入力部におけるガスの圧力は、霧化室の第2の入力部における液体の圧力よりも大きい;
・汚染物質除去段階中に、当該液体中の界面活性剤の濃度は2mg/L未満、好ましくは200μg/L未満、例えば100μg/L未満である;
・当該ガスは空気、二酸化二窒素または二酸化炭素である;
・本洗浄方法は汚染物質除去段階の前に、霧化室の出力部において初期ガス流を供給することを含む予備段階をさらに含み、予備段階の最後における初期ガス流は乱流である;
・本洗浄方法は汚染物質除去段階の後に、
・霧化室の出力部において排ガス流を出力する工程と、
・排ガス流を医療装置の表面に供給して残留液体を排出する工程であって、排出段階中の排ガス流は乱流である工程と
を含む排出段階をさらに含む;
・本洗浄方法は汚染物質除去段階の後に、医療装置を消毒するために洗浄消毒装置を使用することを含む消毒段階をさらに含む;
・当該医療装置は内視鏡である
という特徴のうちの1つ以上を含む。
【0016】
本発明は、医療装置の表面を洗浄するための洗浄装置であって、
ガス入力部および液体入力部と、
第1の入力部、第2の入力部および出力部を備えた霧化室と、
ガス入力部と霧化室の第1の入力部と間に流体接続されたガスラインと、
液体入力部と霧化室の第2の入力部と間に流体接続された液体ラインと、
汚染物質除去段階中に、
a.その第1の入力部を通して連続ガス流を霧化室内に射出するために、ガスラインはガス入力部から霧化室の第1の入力部へのガスの循環を可能にし、
b.その第2の入力部を通して複数の連続液体吐出物を霧化室内に導入するために、液体ラインは液体入力部から霧化室の第2の入力部への液体の循環を可能にし、各吐出物がそれぞれの量の液体を含み、2回の連続吐出物間の期間は真にゼロよりも大きくなり、
それにより霧化室の出力部において、ガスに懸濁された液滴を含む洗浄流を経時的に連続的に生成し、この洗浄流を医療装置の表面に向かって方向づけることを目的とするようにガスラインおよび液体ラインを制御するように構成された制御装置と、を備える、
洗浄装置にも関する。
【0017】
本開示の他の有利な態様によれば、本洗浄装置は単独またはあらゆる可能な組み合わせで用いられる以下の特徴:
・制御装置は、汚染物質除去段階中に霧化室の出力部におけるガス流が乱流になるようにガスラインを制御するように構成されている、
・本洗浄装置はガス流の経路内に配置された1組の電極をさらに備え、制御装置は電極間の電圧をガス流をイオン化するのに適したレベルに制御するように構成されている
という特徴のうちの1つ以上を備える。
【0018】
本発明は、上に記載されている洗浄装置を備えた洗浄アセンブリであって、本洗浄装置の液体入力部に流体接続された液体供給部および本洗浄装置のガス入力部に流体接続されたガス供給部をさらに備えた洗浄アセンブリにも関する。
【0019】
本発明は、上に記載されている洗浄装置を備えた洗浄消毒装置にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本開示に係る洗浄アセンブリの第1の実施形態の概略図である。
【
図2】
図2は、
図1の洗浄アセンブリの洗浄装置に接続された医療装置の概略図である。
【
図3】
図3は、
図1の洗浄アセンブリを用いて実行される洗浄方法のフローチャートである。
【
図4】
図4は、
図1の洗浄アセンブリの霧化室に経時的に供給されるガスおよび液体流の時間的変化を示すグラフである。
【
図5】
図5Aおよび
図5Bはそれぞれ、
図1の洗浄アセンブリを用いて洗浄した管に沿ったいくつかの測定位置における、バイオフィルムおよびソイルの両方のタンパク質濃度および総有機炭素レベルをそれぞれ示すグラフである。
【
図6】
図6は、本開示に係る洗浄アセンブリの第2の実施形態の概略図である。
【
図7】
図7Aおよび
図7Bはそれぞれ、1バール未満もしくは超の(0~1バールに含まれているか2~7バールに含まれている)ガスの圧力および液体のいくつかの圧力値ならびに吐出比をそれぞれ考慮した洗浄効率を示すグラフである。
【
図8】
図8は、公知の方法と比較した本開示の方法の洗浄効率を示すグラフである。
【
図9A】
図9Aは、3つのチャネルを有する第1のファミリーの内視鏡に対する本開示の方法の洗浄効率を示す。
【
図9B】
図9Bは、4つのチャネルを有する第2のファミリーの内視鏡に対する本開示の方法の洗浄効率を示す。
【
図9C】
図9Cは、2つのチャネルを有する第3のファミリーの内視鏡に対する本開示の方法の洗浄効率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示に係る洗浄アセンブリ2が
図1に示されている。
【0022】
本洗浄アセンブリは洗浄装置4、ガス供給部6および液体供給部8を備える。
【0023】
洗浄装置4は、ガス供給部6および液体供給部8からガスおよび液体をそれぞれ受け取り、医療装置の表面を洗浄するのに適した少なくとも1つのガスおよび/または液体流を出力するように構成されている。
【0024】
本開示の文脈における「洗浄」という表現は、医療装置の表面からの汚染物質の除去を指す。さらに先に記載されているように、「汚染物質」という表現はバイオフィルムおよび/またはバイオロジカルソイルを指す。
【0025】
当該医療装置は、例えば内視鏡、経食道(TEE)プローブおよび腔内プローブなどである。さらに、医療用アセンブリ2によって洗浄される医療装置の表面は、内面(医療装置の管の内腔など)または外面(外壁またはレンズの表面など)であってもよい。
【0026】
ガスおよび液体供給部
ガス供給部6は、ガスを供給するために洗浄装置4のガス入力部4iGに流体接続されている。さらに液体供給部8は、洗浄装置4の液体入力部4iLに流体接続されている。
【0027】
好ましくは、ガス供給部6または液体供給部8はいずれも洗浄装置4と一体化されていない。この場合、洗浄装置4へのガス供給部6および液体供給部8の接続はそれぞれ逆にすることができる。従って洗浄装置4は、別のガス供給部および別の液体供給部のそれぞれへの接続のために、および/または洗浄装置4の再配置を可能にするために、ガス供給部6および液体供給部8のそれぞれから取り外すことができる。
【0028】
ガス供給部6は、例えばガス配管設備またはガス容器である。
【0029】
好ましくは、ガス供給部6によって供給されるガスは空気、二酸化二窒素または二酸化炭素である。
【0030】
好ましくは、ガス流量は10L/分~100L/分、好ましくは40L/分~80L/分に含まれる。当該流量は洗浄される表面積によって決まる。実際に、洗浄される表面が大きくなる程、効率的な洗浄に到達するために必要とされる流量は大きくなる。同じように、同時に洗浄する表面の数が多くなる場合、例えば内視鏡の複数のチャネルを同時に洗浄する場合、効率的な洗浄に到達するために必要とされる流量は大きくなる。
【0031】
さらに液体供給部8は、例えば液体供給網(水供給網など)または液体タンクである。
【0032】
好ましくは、液体供給部8によって供給される液体は水である。例えば、前記水は浸透水(osmosed water)、蒸留水または脱イオン水あるいはII類実験室グレード(type II laboratory grade)精製水または同様のものである。
【0033】
一例として液体供給部8によって供給される液体は、欧州連合によって公布された欧州飲料水指令(European Drinking Water Directive)、米国環境保護庁によって公布された安全飲料水法、中国環境保護部によって公布された基準GB3838-2002(II類)、および世界保健機関によって公布された飲料水に関するガイドラインのうちの1つ以上に準拠している飲料水、好ましくは液体水である。
【0034】
有利には液体供給部8は、液体中の界面活性剤の濃度が2mg/L未満、好ましくは200μg/L未満、例えば100μg/L未満になるように構成されている。実際に、後で示されてるように、洗浄装置4は界面活性剤または他の化学薬剤に頼ることなく効率的な洗浄が達成されるように構成されている。2mg/Lの値は、例えば欧州規則によって推奨されている飲料水中の総有機炭素の最大値に対応している。界面活性剤のみの最大濃度値は一般にそのような値よりも低く、200μg/L未満、例えば100μg/L未満の値が環境にとって安全であると考えられている。そのような値であれば、洗浄効率に対する界面活性剤の影響はごく僅かである。
【0035】
洗浄装置4
図1に示すように洗浄装置4は、ガスライン12、液体ライン14、霧化室16、出力ステージ18および制御装置20を収容する筐体10を備える。
【0036】
ガスライン12
ガスライン12は霧化室16の第1の入力部16i1に流体接続されている。さらに液体ライン14は霧化室16の第2の入力部16i2に流体接続されている。さらに出力ステージ18は霧化室16の出力部16oに流体接続されている。最後に制御装置20は、ガスライン12、液体ライン14および出力ステージ18のそれぞれを制御するように構成されている。
【0037】
ガスライン12は、霧化室16に所定の特性(流速度、圧力および/または期間など)を有するガス流を供給するように構成されている。言い換えるとガスライン12は、霧化室16の第1の入力部16i1において射出されるガス流の現在の所望の特性を表す制御装置20の制御に基づき、ガス供給部6によって供給されるガスの特性を調整するように構成されている。
【0038】
好ましくはガスライン12は、直列に接続されたガス調整器(a gas regulator)22、流量計24、比例弁(a proportioning valve)26および逆止弁28を備える。
【0039】
ガス調整器22の入力部は、洗浄装置4のガス入力部4iGに接続されている。ガス調整器22は、ガス入力部4iGで受け取ったガスの圧力を所定のガス圧まで低下させるように構成されている。例えば所定のガス圧は2バール~4バール、好ましくは3バールであり、ガス入力部4iGにおけるガスの圧力は最大10バールに到達することができる。結果としてガス調整器22は、ガス入力部4iGにおけるガスの圧力を低下させ、その結果、ガス流に対して下流に位置している要素の劣化を防止することにより前記要素を保護するのを助ける。
【0040】
さらに流量計24は、ガス調整器22によって出力されたガスの流量測定値を制御装置20に提供するように構成されている。これは、洗浄装置4の設計パラメータ(洗浄装置4の内部にあるガスが流れるパイプの直径など)は公知であるため、比例弁26の入力部におけるガスの圧力の非接触測定値を提供し、それにより比例弁26の制御を可能にする。
【0041】
代わりまたは追加として、比例弁26の入力部におけるガスの圧力の直接測定値を提供するために、ガス調整器22と比例弁26との間にガス圧センサ(図示せず)が設けられており、それにより、そのような圧力測定値に基づくガスライン12の制御を可能にする。
【0042】
さらに比例弁26は、流量計24から受け取ったガスの流量を制御装置20から受け取った制御に基づき、標的流量(すなわち、流量および圧力に関連しているため標的ガスの圧力)に調整するように構成されている。そのような比例弁は例えば電磁弁である。
【0043】
最後に逆止弁28は、比例弁26から霧化室16へのガスの流れを可能にしながらも霧化室16からガスライン12への方向の流体の流れを防止するように構成されている。逆止弁28の出力部は霧化室16の第1の入力部16i1に接続されている。
【0044】
液体ライン14
液体ライン14は、所定の特性(流速度、圧力および/または期間など)を有する液体流を霧化室16に供給するように構成されている。言い換えると液体ライン14は、霧化室16の第2の入力部16i2において射出される液体流の現在の所望の特性を表す制御装置20の制御に基づき、液体供給部8によって供給される液体の特性を調整するように構成されている。
【0045】
好ましくは液体ライン14は液体調整器30、制御可能弁32および液体逆止弁34を備え、これらはこの順番で直列に流体接続されている。
【0046】
液体調整器30は、液体入力部4iLにおいて液体供給部8から受け取った液体の圧力を所定の液圧まで低下させるように構成されている。結果として液体調整器30は、液体入力部4iLにおいて利用可能な液体の圧力を低下させることにより、液体流に対して下流に位置している要素を保護するのを助ける。例えば所定の液圧は1バール~4バール、好ましくは2バール~3バールである。
【0047】
開放状態および閉鎖状態を有し得る制御可能弁32は、所定の量の液体(以後、「吐出物」)を霧化室16に送出するために、制御装置20から受け取った制御に応じて液体供給部8から霧化室16への液体の流れを選択的に許可または防止するように構成されている。
【0048】
さらに液体逆止弁34は、制御可能弁32から霧化室16への液体の流れを可能にしながらも、霧化室16から液体ライン14への方向の流体の流れを防止するように構成されている。液体逆止弁34の出力部は霧化室16の第2の入力部16i2に流体接続されている。
【0049】
霧化室16
霧化室16は、第1および第2の入力部16i1、16i2においてそれぞれ射出されたガス流と吐出物とを混合し、その出力部16oにおいて少なくともガスを含む流れを供給するように構成されている(弁32が閉鎖または開放されているか否かに応じる)。より詳細には、好適な流量および/または圧力でガス流および液体吐出物が供給された場合、霧化室16はその出力部16oにおいて、ガス流に懸濁された液滴を含む洗浄流を供給するように構成されている。液体吐出物は不連続的に射出されるため、出力部16oにおいて連続的に利用可能な洗浄流は、液滴を含まないガスおよびその中に懸濁されている液滴を含むガスを含む。
【0050】
好ましくは、霧化室16はT字型接続を形成している。
【0051】
あるいは、霧化室16はいくつかの出力部を備える。この場合、各出力部は出力ステージ18のそれぞれの弁Vi(後述)に接続されている。
【0052】
出力ステージ18
出力ステージ18は、N個の弁V1~VN(Nは真にゼロよりも大きい整数である)などの少なくとも1つの弁を備える。各弁は、霧化室16の出力部16oに流体接続された入力部と、洗浄装置4のそれぞれの出口に流体接続された出力部とを有する。結果として、霧化室16から洗浄装置4の出口への流体の流れを、各弁の状態(制御装置20または操作者によって制御される)に応じて選択的に許可または防止することができる。
【0053】
例えば
図1の例では、出力ステージ18はそれぞれが霧化室16の出力部16oに流体接続されたその入力部と、洗浄装置4の出口4o1、4o2、4o3にそれぞれ流体接続されたその出力部とを有する3つの弁V
1、V
2、V
3を備える。
【0054】
好ましくは、各弁Viの出力部に圧力センサが設けれている。制御装置20はそのような圧力測定に基づいて警報を与えるように構成することができるため、これは有利である。例えば制御装置は、測定された圧力が所定の閾値圧力よりも低いこと(これは洗浄装置4の故障に起因し得る)を示す警報を生成するように構成されていてもよい。
【0055】
あるいは、霧化室16がいくつかの出力部を備える場合、出力ステージ18の各弁の入力部は、霧化室16の複数の出力部のそれぞれの出力部に流体接続されている。
【0056】
任意に出力ステージ18は、洗浄装置4の液体入力部4iLと洗浄装置4の対応する液体出口4oLとの間に直接流体接続された液体弁VLを備える。結果として、液体弁VLの閉鎖もしくは開放状態(制御装置20または操作者によって制御される)に応じて、洗浄装置4の液体出口において加圧された液体流を供給することができる。
【0057】
そのような液体出口4oLは比較的高い圧力で液体へのアクセスを与えるため、この特徴は有利であり、それにより操作者は例えば専用ノズルを使用することにより、例えば医療装置の外面の予備洗浄を行うことができる。
【0058】
制御装置20
先に記載されているように、制御装置20はガスライン12および液体ライン14のそれぞれを制御するように構成されている。
【0059】
より詳細には制御装置20は汚染物質除去段階中に、霧化室16の第1の入力部16i1を通して前記霧化室16内に連続ガス流を射出するためにガスライン12を制御するように構成されている。
【0060】
制御装置20は前記汚染物質除去段階中に、その第2の入力部16i2を通して霧化室16内に複数の連続液体吐出物を導入(すなわち送出)するために液体ライン14を制御するようにさらに構成されている。より詳細には、各吐出物は所定のそれぞれの量の液体を含む。例えば液体の量は、現在洗浄されている医療装置の表面によって決まる。
【0061】
さらに制御装置20は前記汚染物質除去段階中に、2回の連続吐出物間の期間が真にゼロよりも大きくなるように液体ライン14を制御するように構成されている。言い換えると制御装置20は、制御可能弁32を経時的に連続的に閉鎖するように制御するように構成されている。
【0062】
好ましくは、制御装置20は汚染物質除去段階中に、連続吐出物が所定の頻度および所定の期間に従って霧化室16の第2の入力部16i2に周期的に供給されるように液体ライン14を制御するように構成されている。
【0063】
有利には制御装置20は汚染物質除去段階中に、霧化室16の出力部16oにおけるガス流が乱流になるようにガスライン12を制御するように構成されている。前記ガスの乱流は液体の液滴への霧化に好都合であり、これにより洗浄効率が高められるため、これは有利である。さらに、そのような乱流のガス流は、半径方向および接線方向(各出口4o1~4o3における流れの長手方向に対して)の速度成分を前記液滴に与え、洗浄効率をさらに高める。
【0064】
「乱流」とは本開示の文脈では、2300よりも高いレイノルズ数を有する流れを意味する。
【0065】
さらにより有利には、制御装置20は汚染物質除去段階中に、霧化室16の出力部16oにおけるガスの圧力が液体の圧力よりも大きくなるようにガスライン12および/または液体ライン14を制御するように構成されている。そのような特徴は液体の液滴への霧化をさらに促進する。
【0066】
好ましくは、制御装置20は汚染物質除去段階の前の予備段階中に、霧化室16の出力部16oにおいて初期ガス流が供給され、予備段階の最後における初期ガス流が乱流になるようにガスライン12および液体ライン14を制御するようにさらに構成されている。言い換えると制御装置20は、制御可能弁32が前記予備段階中に閉鎖されたままであるようにそれを制御するように構成されている。さらに制御装置20は、少なくとも予備段階の最後に初期ガス流が乱流になるようにガスライン12を制御するように構成されている。
【0067】
そのような予備段階は、洗浄される表面に有機物の破片および凝集塊が存在すれば、それらを除去することができる。
【0068】
好ましくは、制御装置20は汚染物質除去段階の後の排出段階中に、霧化室16の出力部16oにおいて乱流の排ガス流が供給されるようにガスライン12を制御するようにさらに構成されている。言い換えると制御装置20は、前記排出段階中に制御可能弁32が閉鎖されたままになるようにそれを制御するように構成されている。そのような排出段階は、洗浄された表面に残り得る残留液体を吹き飛ばし、それによりより迅速な乾燥を可能にするので有利である。
【0069】
動作
次に
図2~
図4を参照しながら、洗浄アセンブリ2の動作について説明する。
【0070】
最初に、洗浄装置4の入力部4iGおよび4iLをそれぞれガス供給部6および液体供給部8に接続する。
【0071】
次いで医療装置を用意し、洗浄装置4の出口4o1~4oNの少なくとも一部(以後、「アクティブな出口(active outlet)」)を医療装置の洗浄される対応する表面に向かって方向づける。例えば医療装置が内視鏡である場合、内視鏡のチャネルの少なくとも一部を洗浄装置4(
図2の例)のそれぞれの出口に接続する。
【0072】
次いで制御装置20は任意の予備段階100中に、初期ガス流が霧化室16の出力部16oにおいて供給されるようにガスライン12および液体ライン14を制御する。より詳細には制御装置20は、予備段階100の最後における初期ガス流が乱流になるようにガスライン12を制御する。さらに予備段階100中に制御装置20は、各弁が開放状態にあり、それにより霧化室16の出力部16oから各アクティブな出口へのガス流を許可するように、アクティブな出口に関連づけられた各弁を制御する。
【0073】
図4に示すように、予備段階100中に霧化室16の第1の入力部16i1におけるガス流(破線110)は上昇するが、霧化室16の第2の入力部16i2における液体流(実線112)はゼロに等しいままである(液体流は存在しない)。
【0074】
図4では、線110および112(霧化室16の対応する入力部におけるガス流および液体流をそれぞれ表す)は異なるスケールで表されている。
【0075】
任意の予備段階100は汚染物質除去段階102の前に行う。
【0076】
汚染物質除去段階102中に、制御装置20は、
・第1の入力部16i1を通して連続ガス流が霧化室16内に射出され、
・第2の入力部16i2を通して複数の連続液体吐出物が霧化室16に導入される
ように、ガスライン12および液体ライン14のそれぞれを制御する。
【0077】
図4では、前記吐出物の霧化室16内への導入は実線112の連続ピークに対応している。
【0078】
先に記載されているように、各吐出物はそれぞれの量の液体を含む。1回の吐出当たりの液体の量は60cm3/分~600cm3/分、好ましくは300cm3/分~600cm3/分の範囲である。600cm3/分を超える液体の量により液滴の十分な加速が妨げられ、表面の洗浄効率は低下する。さらに2回の連続吐出物間の期間は真にゼロよりも大きい。
【0079】
好ましくは、各吐出の期間は0.1秒~10秒の間に含まれると共に、頻度は1分当たり1~1000回の吐出、例えば1分当たり3~300回の吐出に含まれる。より好ましくは、各吐出の期間は0.1秒~5秒、最も好ましくは0.5秒~2.5秒の間に含まれる。より好ましくは、当該頻度は1分当たり1回の吐出~1分当たり50回の吐出、最も好ましくは1分当たり2回の吐出~1分当たり25回の吐出の間に含まれる。例えば1分当たり20回の液体吐出の頻度は、3秒ごとに開始する液体吐出を指す。この頻度範囲およびこの期間範囲で連続液体吐出物を供給することにより、本開示の方法は、ガス流中の液滴の速度を劇的に上昇させることを可能にし、向上した洗浄効率を達成するのに十分な剪断応力を発生させる。実際に、吐出中に供給される液体の量(吐出物の流量および期間に応じる)が多過ぎる場合、液滴の速度を十分に上昇させることができず、洗浄効率の減衰が生じる。逆に、吐出中に供給される液体の量が少な過ぎる場合、当該表面に対する液滴の衝撃速度が低過ぎるため最適な洗浄効率が達成されない。本開示の吐出の期間および頻度により、必要とされる剪断応力が達成されるように最適なサイズを有する液滴の生成および前記液滴の速度の最適な上昇を可能にする。
【0080】
また吐出の頻度および期間は、吐出の期間:当該吐出の終了と次の吐出の開始時間との間の期間の比として表してもよい。例えば1分当たり2回の吐出頻度および10秒間の吐出期間の場合、当該吐出の終了と次の吐出の開始時間との間の期間は20秒であり、1:2の比となる。言い換えると、1:2の比は1シークエンスの時間、例えば10秒間の液体およびガスの射出(ここでは液滴がガス流内に吐出される)の後に2シークエンスの時間、例えば20秒間のガスのみの射出が続き、従って1分で2回の液体吐出があり、各吐出が10秒間続くことを意味する。さらに、汚染物質除去段階102の全期間は好ましくは60秒~600秒の間に含まれる。そのようなパラメータは、液体吐出物を液滴に霧化するのを可能にし、従って洗浄のために使用される液体の量を最小限に抑えながらも満足な洗浄効率が得られるため有利である。
【0081】
好ましくは、当該デューティ比は10%~50%、好ましくは20%~40%の範囲である。当該デューティ比は、吐出期間:洗浄サイクル(すなわち吐出物+その後のガス流のみによって定められるサイクル)の全期間の比を指す。洗浄サイクルの全期間は吐出物の期間とガス流のみの期間との合計に対応しており、言い換えるとそれは吐出の開始と次の吐出の開始との間の期間に対応している。
【0082】
そのような汚染物質除去段階102中に、霧化室16の出力部を洗浄される医療装置の表面に向かって方向づける。
【0083】
好ましくは、汚染物質除去段階102中に霧化室16の出力部におけるガス流は乱流である。例えばこれは、以下のパラメータ:10L/分~100L/分、好ましくは40L/分~80L/分の間に含まれるガス流量および1mm~10mmの間に含まれる管直径により達成される。これらのパラメータにより、霧化室16において射出される液体の量に応じて3500~100000のレイノルズ数が得られる。これは乱流に対応している。
【0084】
さらに、霧化室16の第1の入力部16i1におけるガスの圧力は好ましくは、霧化室16の第2の入力部16i2における液体の圧力よりも大きい。
【0085】
有利には、汚染物質除去段階102中に所定の頻度および所定の期間に従って、霧化室16の第2の入力部16i2において複数の連続吐出物が周期的に供給される。
【0086】
汚染物質除去段階102の後に、任意の排出段階104を行ってもよい。そのような排出段階104中に、制御装置20は、霧化室16の出力部において排ガス流(液体を含まない)が供給されるようにガスライン12および液体ライン14を制御する。制御装置20はさらに、医療装置の表面に排ガス流が供給されるように弁V1~VNを制御する。これにより残留液体の排出が可能になる。さらに排出段階104中に排ガス流は乱流である。
【0087】
図4に示すように、排出段階104中に霧化室16の第2の入力部16i2における液体流112はゼロに等しい(液体流は存在しない)が、霧化室16の第1の入力部16i1におけるガス流110は真にゼロよりも大きい。
【0088】
次いで、汚染物質除去段階102または任意の排出段階104の後に行うことができる任意の消毒段階106中に、医療装置を洗浄消毒装置内に配置し消毒する。
【0089】
結果
次に
図5を参照しながら、本開示に係る洗浄方法の洗浄結果について説明する。
図5で使用されているデューティ比は33%である。
【0090】
150cm長さのポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluorethylene)管を細菌性バイオフィルムで汚染させた。より詳細には、ニュートリエントブロスを当該管を通して循環させてバイオフィルム形成を引き起こし、次いでこれに細菌(緑膿菌CIP A22)を接種し、インキュベートした。さらにソイル(ISO15883-5規格の附属書Iに記載されているように「ドイツのソイル(German soil)」ともいう)を、注射器を用いて当該管内に機械的に導入した。
【0091】
次いで、この管の一部をISO15883-4規格の附属書HブロックB2に従って代行装置(surrogate device)に挿入し、本開示に係る洗浄方法に供した。次いで、前記管に沿った様々な位置でバイオフィルムおよびソイルタンパク質濃度を測定した。
【0092】
図5Aに示すように、全ての測定位置におけるソイルタンパク質濃度(△)は、多くとも2.7μg/cm
2に等しく、その警報レベルは3.4μg/cm
2に設定されている。
【0093】
さらに、全ての利用可能な測定位置についてのバイオのフィルムタンパク質濃度(〇)は0μg/cm2に等しく、その警報レベルは3.4μg/cm2に設定されている。
【0094】
図5Bに示すように、全ての測定位置におけるソイルの総有機炭素レベル(△)は多くとも2.4μg/cm
2に等しく、その警報レベルは6μg/cm
2に設定されている。
【0095】
さらに、全ての利用可能な測定位置についてのバイオフィルムの総有機炭素レベル(〇)は多くとも4.5μg/cm2に等しく、その警報レベルは6μg/cm2に設定されている。
【0096】
従って本開示に係る洗浄方法により、設定されている限度に応じた洗浄結果が得られる。言い換えると本開示に係る洗浄方法により、界面活性剤またはどんな他の化学薬剤も使用することなく優れた洗浄結果が得られる。
【0097】
別の例では、当該洗浄効率をいくつかの値のガスおよび液体の圧力ならびにいくつかの所定の頻度の連続吐出について測定する。
【0098】
この例では、注射器を用いてソイル(「ドイツのソイル」)のみを当該管内に機械的に導入する。
【0099】
次いで、当該管を本開示の洗浄方法に供した。第1の試験では、本洗浄方法は0~1バールの間に含まれる圧力を特徴とする連続ガス(空気)流を使用する(
図7A)。第2の試験では、本洗浄方法は2~7バールの間に含まれる圧力を特徴とする連続ガス流を使用する(
図7B)。第1または第2の試験のそれぞれについて、0~4バールの間に含まれる圧力で液体(水)を導入する。以下の比:
・1シークエンスの時間の液体およびガスとその後の1シークエンスの時間のガスのみ(1:1)、
・1シークエンスの時間の液体およびガスとその後の2シークエンスの時間のガスのみ(1:2)、
・2シークエンスの時間の液体およびガスとその後の1シークエンスの時間のガスのみ(2:1)、
・2シークエンスの時間の液体およびガスとその後の3シークエンスの時間のガスのみ(2:3)、または
・3シークエンスの時間の液体およびガスとその後の2シークエンスの時間のガスのみ(3:2)
を用いて、複数回の吐出の形態で液体を導入する。
【0100】
各比において、液体の圧力を一定に維持する。
【0101】
3つの基準、すなわち(i)目視検査、(ii)残留ソイルタンパク質の量および(iii)残留総有機炭素の量を用いて、洗浄を測定する。当該表面が目視で綺麗であり、測定された残留ソイルタンパク質が6.4μg/cm2未満であり、測定されたTOCが12μg/cm2未満である場合に、本洗浄は効率的に行われている。
【0102】
第1および第2の試験の両方について、本開示の方法を用いた洗浄効率を、連続吐出物の代わりに連続液体流(C)を用いる公知の洗浄方法を用いた洗浄効率と比較する。
【0103】
この実施例の洗浄結果が
図7に示されている。
図7Aは連続ガス流が0~1バールの間に含まれる圧力を特徴とする第1の試験を示し、
図7Bは連続ガス流が2~7バールの間に含まれる圧力を特徴とする第2の試験を示す。7バール超の圧力を特徴とする連続ガス流の場合、本洗浄は常に非効率的であり、医療装置の劣化さえ引き起こす。
【0104】
各バーは、1つの比(1:1、1:2、2:1、2:3または3:2)についての洗浄効率を表す。左側のバーは連続液体流(C)の洗浄効率を表す。これらのバーの斜線部分は非効率的な洗浄に至る液体圧の範囲を表す。第1および第2の試験のそれぞれにおいて、公知の方法を用いた洗浄は非効率的である。本開示の洗浄方法を考察すると、本洗浄は2~7バールの間に含まれる圧力で連続ガス流を用いた場合に、より大きい範囲の液体の圧力において効率的である。しかしこの結果は、低いガス圧(1バールよりも低い;
図7A)を用い、1シークエンスの時間の液体およびガス:その後の2シークエンスの時間のガスのみの比を用いた場合であっても、低い液体圧(約3バール)の場合でさえも本洗浄は効率的であり、それにより医療装置へのあらゆる損傷が回避されることも示している。この低い液体圧は、いくつかの比については2~7バールの間に含まれる圧力でガス流を使用した場合でも効率的に使用することができる。
【0105】
最後の実施例では、効率的な洗浄パラメータは内視鏡のファミリーによって異なることが分かった。実際に、ISO15883-4規格の附属書Hは、当該管の構成に応じて内視鏡のいくつかのファミリーを定めている。内視鏡の内部で1つの管に合わさる内視鏡の3つのチャネル(C1、C2およびC3)を考察した場合、洗浄装置4の3つの出口4o1~4o3はそれぞれ、
図2に表されている内視鏡のチャネルに接続されていてもよい。各チャネルを効率的に洗浄するために、本開示の方法は好ましくは連続的に行われる3つの洗浄モード(F1、F2、F3)を含んでいてもよい。各洗浄モードは少なくとも1回の洗浄サイクルを含む。例えば、各洗浄サイクルは10~20回の吐出期間を含む。3つの洗浄モードにおいて(すなわち、本開示の方法の全適用中に)、ガス圧、液体圧および吐出期間は同じである。第1の洗浄モードF1は3回の洗浄サイクルを含み、各洗浄サイクルは3つのチャネル(C1、C2およびC3)のうちの1つを洗浄することができる。3回の洗浄サイクルは、出口4o1~4o3の弁V
1、V
2およびV
3を連続的に開放および閉鎖することにより連続的に行われる。第2の洗浄モードF2は、第2のチャネルC2を洗浄することができる1回の洗浄サイクルを含む。最後に第3の洗浄モードは、連続的に行われる2回の洗浄サイクルを含む。第1の洗浄サイクルは、出口4o1~4o2の弁V
1およびV
2を同時に開放することによりチャネルC1およびC2を同時に洗浄することができる。次いで第2の洗浄サイクルは、出口4o2~4o3の弁V
2およびV
3を同時に開放することにより、チャネルC2およびC3を同時に洗浄することができる。これらの3つの洗浄モードの連続した適用により、ISO15883-4規格の附属書Hに定められている全内視鏡のファミリーを効率的に洗浄することができる。
【0106】
別の例では本開示の方法の洗浄効率を、連続液体流を使用する公知の方法の洗浄効率と比較する。本開示の方法は、33%のデューティ比(1シークエンスの時間の液体およびガスとその後の2シークエンスの時間のガスのみ)を使用する。ISO15883-4規格の附属書Hに記載されている3つのチャネル(C1、C2およびC3)を有する内視鏡に対して洗浄を行った。
【0107】
それらの結果が
図8に示されており、チャネルC1~C3のそれぞれにおけるタンパク質濃度(単位:μg/cm
2)を表している。当該表面におけるタンパク質濃度の最大許容閾値に対応する警報レベルは3.1μg/cm
2に設定されている。この図に示すように、全てのチャネルC1~C3において、アスタリスクによって表されている本開示に係る洗浄方法により生じるタンパク質濃度は多くとも0.1μg/cm
2に等しく、その警報レベルをかなり下回っている。さらに、本開示の方法によって到達するタンパク質濃度は常により低いか等しく、四角形で表されている公知の方法によって到達する濃度よりも最大10倍低い。
【0108】
最後に、最後の実施例ではISO15883-4規格の附属書Hに記載されている内視鏡の3つのファミリーについて、本開示の方法の洗浄効率を比較する。第1のファミリーは3つのチャネルを有する内視鏡に対応しており(
図9A)、第2のファミリーは4つのチャネルを有する内視鏡に対応しており(
図9B)、第3のファミリーは2つのチャネルを有する内視鏡に対応している(
図9C)。本方法は33%のデューティ比を使用する。
【0109】
それらの結果が
図9A、
図9Bおよび
図9Cに示されており、それぞれのファミリーのチャネルのそれぞれにおけるタンパク質濃度(単位:μg/cm
2)を表している。チャネルの表面におけるタンパク質濃度の警報レベルは3.1μg/cm
2に設定されている。各ファミリーのタンパク質濃度は、本開示の方法に従って内視鏡を洗浄した後に常にその警報レベルをはるかに下回っている。最も高いタンパク質濃度が生じるものは2つのチャネルを含むファミリー3である。他の2つのファミリーの場合、生じるタンパク質濃度はその警報レベルよりも少なくとも10倍低く、ファミリー2のチャネルの2つについては検出限界よりもさらに低い。
【0110】
任意の特徴
図6に示されている別の実施形態によれば、洗浄装置4は医療装置を洗浄および/または消毒するのに適した特徴をさらに備える。その結果、洗浄装置4は洗浄消毒装置として機能することができ、それにより単一の装置を用いて汚染物質の除去および洗浄ならびに消毒を行うことができる。この場合、洗浄装置4は好ましくは、洗浄および/または消毒中に医療装置を受け入れるための洗面器を備える。
【0111】
洗浄剤(cleaner)ライン36
例えば
図6に示すように、洗浄装置4はさらなる洗浄剤入力部4iCおよび対応する洗浄剤ライン36をさらに備えていてもよい。
【0112】
洗浄剤入力部4iCは、洗浄剤供給部40すなわち洗浄溶液(すなわち界面活性剤)の供給部に接続されるように作られている。
【0113】
さらに、好ましくは制御装置20によって制御可能な洗浄剤ライン36は、洗浄剤入力部4iCと霧化室16の入力部、好ましくは第2の入力部16i2と間に流体接続されている。
【0114】
洗浄剤ライン36は洗浄剤調整器42、制御可能弁44および洗浄剤逆止弁46を備え、これらはこの順番で直列に流体接続されている。
【0115】
洗浄剤調整器42は、洗浄剤入力部4iCにおいて洗浄剤供給部40から受け取った洗浄剤の圧力を所定の洗浄剤圧力まで低下させるように構成されている。結果として洗浄剤調整器42は、洗浄剤ライン36の残りの要素を保護するのを助ける。例えば所定の洗浄剤圧力は1バール~4バールである。
【0116】
開放状態と閉鎖状態との間で切り換えることができる制御可能弁44は、汚染物質除去段階102とは異なるそれぞれの化学的洗浄段階中に所定の量の洗浄剤を霧化室16に送出するために、制御装置20から受け取った制御に応じて洗浄剤供給部40から霧化室16への洗浄剤の流れを選択的に許可または防止するように構成されている。言い換えると、そのような制御可能弁44は、化学的洗浄段階中に霧化室16を介して洗浄剤供給部40から出口4o1~4oNへの洗浄剤の流れを選択的に許可または防止するために、開放状態または閉鎖状態で配置することができる。
【0117】
さらに洗浄剤逆止弁46は、制御可能弁44から霧化室16への洗浄剤の流れを可能にしながらも霧化室16から洗浄剤ライン36への方向の流体の流れを防止するように構成されている。洗浄剤逆止弁46の出力部は、霧化室16の第2の入力部16i2に流体接続されている。
【0118】
消毒剤ライン38
さらに
図6に示すように、洗浄装置4はさらなる消毒剤入力部4iDおよび対応する消毒剤ライン38をさらに備えていてもよい。
【0119】
消毒剤入力部4iDは消毒剤供給部50、すなわち過酢酸などの消毒剤溶液の供給部に接続されるように作られている。
【0120】
好ましくは制御装置20によって制御可能な消毒剤ライン38は、消毒剤入力部4iDと霧化室16の入力部、好ましくは第2の入力部16i2と間に流体接続されている。
【0121】
消毒剤ライン38は消毒剤調整器52、制御可能弁54および消毒剤逆止弁56を備え、これらはこの順番で直列に流体接続されている。
【0122】
消毒剤調整器52は、消毒剤入力部4iDにおいて消毒剤供給部50から受け取った消毒剤の圧力を所定の消毒剤圧力まで低下させるように構成されている。結果として、消毒剤調整器52は消毒剤ライン38の残りの要素を保護するのを助ける。例えば所定の消毒剤圧力は1バール~4バールである。
【0123】
開放状態と閉鎖状態との間で切り換え可能な制御可能弁54は、汚染物質除去段階102とは異なるそれぞれの消毒段階中に所定の量の消毒剤を霧化室16に送出するために、制御装置20から受け取った制御に応じて消毒剤供給部50から霧化室16への消毒剤の流れを選択的に許可または防止するように構成されている。言い換えると、そのような消毒剤弁54は、消毒段階中に霧化室16を介して消毒剤供給部50から出口4o1~4oNへの消毒剤の流れを選択的に許可または防止するために、開放状態または閉鎖状態で配置することができる。
【0124】
さらに消毒剤逆止弁56は、制御可能弁54から霧化室16への消毒剤の流れを可能にしながらも霧化室16から消毒剤ライン38への方向の流体の流れを防止するように構成されている。消毒剤逆止弁56の出力部は、霧化室16の第2の入力部16i2に流体接続されている。
【0125】
プラズマライン
例えば
図6に示すように、洗浄装置4はプラズマを発生させるように構成されたプラズマラインも備える。好ましくはそのようなプラズマは、医療装置を洗浄(洗浄剤の使用および/または不使用)および/または消毒した後に貯蔵するように作られた貯蔵容器内に射出するためのものである。
【0126】
プラズマラインは、逆止弁28と霧化室16の第1の入力部16i1と間に延在する、当該ラインに平行に流体接続されたプラズマ室60を備える。
【0127】
より詳細には、プラズマ室60は逆止弁28と第1の入力部16i1と間に延在する前記ライン上に位置する第1の弁62に平行に接続されている。さらに、プラズマ室60は第2の弁64と直列に接続されている。
【0128】
第1の弁62および第2の弁64は、第1の弁62および第2の弁64のうち一方が閉鎖されている場合に第1の弁62および第2の弁64のうちの他方が開放されるように、制御可能である(制御装置20によって)。結果として、逆止弁28によって供給されるガス流は霧化室16の第1の入力部16i1に直接に向かうか、あるいは第1の入力部16i1に到達する前にプラズマ室60を通して完全に迂回する。
【0129】
プラズマ室60は好ましくは、その内部空洞内に突出している1組の電極が設けられたセラミックス筐体である。この場合、制御装置20は、逆止弁28によって送出されたガス流をイオン化する必要性、すなわちプラズマを発生させる必要性がある場合に、前記電極間の好適な電圧に到達するように、これらの電極に電気的に接続された電圧供給部(図示せず)を制御するようにさらに構成されている。
【0130】
漏れ試験ライン
例えば
図6に示すように、洗浄装置4は、医療装置、特に内視鏡における漏れを検出するようにさらに構成されている。
【0131】
この場合、洗浄装置4はさらなる試験出力部4oTおよび対応する漏れ試験ラインをさらに備える。
【0132】
漏れ試験ラインは第1のリーク弁68、漏れ調整器70および第2のリーク弁VTを備え、これらはガス調整器22の出力部と試験出力部4oTと間にこの順番で直列に流体接続されている。
【0133】
漏れ調整器70は、ガス調整器22のために受け取ったガスの圧力を、典型的には局所空気圧を0.25バール超の所定の試験圧力まで低下させるように構成されている。
【0134】
この場合、制御装置20は好ましくは、医療装置の空洞が試験出力部4oTに接続されている漏れ試験段階中に、
・前記空洞において加圧されたガスを射出するように弁68およびVTを制御し、
・試験出力部4oTにおける圧力を測定する
ように構成されている。
【0135】
この空洞における漏れにより経時的に圧力降下が生じる。
【0136】
より具体的には、内視鏡の場合に前記空洞はチャネルと内視鏡の外壁との間の体積に対応している。
【0137】
好ましくは、試験出力部4oTにおける圧力が経時的に上昇した場合、制御装置20は、医療装置内で漏れが検出されたことを示す警報信号を生成するように構成されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置の表面を洗浄するための洗浄方法であって、
a.霧化室(16)の第1の入力部(16i1)を通して連続ガス流を前記霧化室(16)内に射出する工程と、
b.前記霧化室(16)の第2の入力部(16i2)を通して複数の連続液体吐出物を前記霧化室(16)内に導入する工程であって、各吐出物がそれぞれの量の液体を含み、2回の連続吐出物間の期間は真にゼロよりも大きい工程と、
を含み、
それにより前記霧化室(16)の出力部(16o)において、ガスに懸濁された液滴を含む洗浄流を経時的に連続的に生成し、前記洗浄流を前記医療装置の表面に向かって方向づける、
汚染物質除去段階(104)を含む、
洗浄方法。
【請求項2】
工程b)は、前記複数の連続吐出物を周期的に供給することを含み、各吐出の期間は、0.1秒~10秒の間に含まれると共に、頻度は、1分当たり1~1000回の吐出に含まれる、請求項1に記載の洗浄方法。
【請求項3】
前記霧化室の出力部におけるガス流は、
前記汚染物質除去段階(102)中に、乱流である、請求項1または2に記載の洗浄方法。
【請求項4】
前記霧化室(16)の第1の入力部(16i1)におけるガスの圧力は、前記汚染物質除去段階(102)中に、前記霧化室(16)の第2の入力部(16i2)における液体の圧力よりも大きい、請求項
1に記載の洗浄方法。
【請求項5】
前記液体中の界面活性剤の濃度は、前記汚染物質除去段階(102)中に、2mg/L未
満である、請求項
1に記載の洗浄方法。
【請求項6】
前記液体中の界面活性剤の濃度は、200μg/L未満、例えば100μg/L未満である、請求項5に記載の洗浄方法。
【請求項7】
前記液体中の界面活性剤の濃度は、100μg/L未満である、請求項5に記載の洗浄方法。
【請求項8】
前記ガスは、空気、二酸化二窒素または二酸化炭素である、請求項
1に記載の洗浄方法。
【請求項9】
前記汚染物質除去段階(102)の前に、前記霧化室(16)の出力部(16o)において初期ガス流を供給することを含む予備段階(100)をさらに含み、前記予備段階(100)の最後における前記初期ガス流は、乱流である、請求項
1に記載の洗浄方法。
【請求項10】
前記汚染物質除去段階(102)の後に、
・前記霧化室(16)の出力部(16o)において排ガス流を出力する工程と、
・前記排ガス流を前記医療装置の表面に供給して残留液体を排出する工程であって、前記排ガス流は、排出段階(104)中に、乱流である工程と、
を含む排出段階(104)をさらに含む、請求項
1に記載の洗浄方法。
【請求項11】
前記汚染物質除去段階(102)の後に、前記医療装置を消毒するために洗浄消毒装置を使用することを含む消毒段階(106)をさらに含む、請求項
1に記載の洗浄方法。
【請求項12】
前記医療装置は、内視鏡である、請求項
1に記載の洗浄方法。
【請求項13】
医療装置の表面を洗浄するための洗浄装置(4)であって、
ガス入力部(4iG)および液体入力部(4iL)と、
第1の入力部(16i1)、第2の入力部(16i2)および出力部(16o)を備えた霧化室(16)と、
前記ガス入力部(4iG)と前記霧化室(16)の第1の入力部(16i1)との間に流体接続されたガスライン(12)と、
前記液体入力部(4iL)と前記霧化室(16)の第2の入力部(16i1)との間に流体接続された液体ライン(14)と、
汚染物質除去段階中に、
a.前記ガスライン(12)は、その第1の入力部(16i1)を通して連続ガス流を前記霧化室(16)内に射出するために、前記ガス入力部(4iG)から前記霧化室(16)の第1の入力部(16i1)へのガスの循環を可能にし、
b.前記液体ライン(14)は、その第2の入力部(16i2)を通して複数の連続液体吐出物を前記霧化室(16)内に導入するために、前記液体入力部(4iL)から前記霧化室(16)の第2の入力部(16i2)への液体の循環を可能にし、各吐出物がそれぞれの量の液体を含み、2回の連続吐出物間の期間は、真にゼロよりも大きくなり、
それにより、前記霧化室(16)の出力部(16o)において、ガスに懸濁された液滴を含む洗浄流を経時的に連続的に生成し、前記洗浄流を前記医療装置の表面に向かって方向づけることを目的とするように前記ガスライン(12)および前記液体ライン(14)を制御するように構成された制御装置(20)と、
を備える、洗浄装置(4)。
【請求項14】
前記制御装置(20)は、前記霧化室(16)の出力部(16o)におけるガス流が、前記汚染物質除去段階(102)中に、乱流になるように、前記ガスライン(12)を制御するように構成されている、請求項
13に記載の洗浄装置。
【請求項15】
前記ガス流の経路内に配置された1組の電極をさらに備え、前記制御装置(20)は、前記電極間の電圧を前記ガス流をイオン化するのに適したレベルに制御するように構成されている、請求項
13または
14に記載の洗浄装置。
【請求項16】
前記洗浄装置(4)
の液体入力部(4iL)に流体接続された液体供給部(8)と、前記洗浄装置(4)
のガス入力部(4iG)に流体接続されたガス供給部(6)とをさらに備える、請求項
13に記載の洗浄装置(4)を備えた、洗浄アセンブリ(2)。
【請求項17】
請求項
13に記載の洗浄装置(4)を備えた、洗浄消毒装置。
【国際調査報告】