(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】クラウドベースの動的負荷管理のためのオフライン管理
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20241018BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241018BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20241018BHJP
【FI】
H02J13/00 301
H02J7/00 P
H02J7/02 F
H02J13/00 311T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531098
(86)(22)【出願日】2023-08-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 FI2023050468
(87)【国際公開番号】W WO2024038225
(87)【国際公開日】2024-02-22
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520154346
【氏名又は名称】リイケンネヴィルタ オイ / ヴィルタ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリクソン ヤニ
(72)【発明者】
【氏名】ンゴク ヴォー
【テーマコード(参考)】
5G064
5G503
【Fターム(参考)】
5G064AA01
5G064AC05
5G064AC08
5G064CB21
5G064DA11
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503FA06
(57)【要約】
例示的な実施形態は、電気自動車充電システムのための改良された動的負荷管理を提供する。動的負荷管理のための装置は、複数の充電ステーションと無線通信するための通信インタフェースと、少なくとも1つのプロセッサと、命令を含む少なくとも1つのメモリとを備える。クラウドベースの装置は、1つ以上の充電ステーションがオフラインになったときに、オフラインの充電ステーションの最大充電電流に対する承諾された最新の要求に基づいて、充電ステーションの最大定格電流を調整するように構成される。装置、方法、及びコンピュータプログラムが開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の充電ステーションと無線通信するための通信インタフェースと、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのメモリと
を備える、動的負荷管理のための装置であって、
前記少なくとも1つのメモリが、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、
前記通信インタフェースを介して前記複数の充電ステーションのステータス変化を示すイベントを監視させ、
前記イベントに基づいて、少なくとも1つの充電ステーションがオンラインからオフラインにステータスを変化したことを判定させ、
前記少なくとも1つの充電ステーションが動的負荷管理グループに属するかどうかを判定させ、
前記動的負荷管理グループの現在の最大定格電流を決定させ、
前記少なくとも1つの充電ステーションによって承諾された前記充電ステーションの最大充電電流に対する最新の要求を決定させ、
前記動的負荷管理グループの前記現在の最大定格電流を、承諾された前記最新の要求の最大充電電流だけ減少させることによって、前記動的負荷管理グループについての新しい最大定格電流を決定させ、
オンラインのままである前記動的負荷管理グループ内の各充電ステーションについての新しい最大充電電流を決定させ、
前記新しい最大充電電流を含むメッセージを、前記通信インタフェースを介して電流調整のためにオンラインの充電ステーションの各々に送信させる、
命令を含む、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのメモリが、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、
前記イベントに基づいて、充電ステーションが非アクティブであると判定させ、
前記非アクティブな充電ステーションが動的負荷管理グループに属するかどうかを判定させ、
前記動的負荷管理グループに属する前記非アクティブな充電ステーションの最大充電電流を所定の値に設定させ、
前記最大充電電流として前記所定の値を含むメッセージを、前記通信インタフェースを介して前記非アクティブな充電ステーションに送信させる、
命令を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記所定の値が6Aである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記イベントが、トランザクションイベント、ステータス通知、又はスキップされたハートビートメッセージのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのメモリが、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、
前記イベントに基づいて、少なくとも1つの充電ステーションがオフラインからオンラインにステータスを変化したことを検出させ、
前記現在の最大定格電流を、再びオンラインになった前記充電ステーションの最大充電電流に対する最新の承諾された要求の値で増加させることによって、それぞれの動的負荷管理グループについての最大定格電流を再計算させ、
前記新しい最大充電電流を含むメッセージを、前記通信インタフェースを介して電流調整のために前記オンラインの充電ステーションの各々に送信させる、
命令をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのメモリが、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、非アクティブな充電ステーションの前記最大充電電流を前記所定の値に設定させることが、それぞれの動的負荷管理グループに対して許可されているかどうかをチェックさせる命令をさらに含み、非アクティブな充電ステーションの前記最大充電電流が、前記それぞれの動的負荷管理グループに対して許可されている場合、前記最大充電電流が前記所定の値に変更される、請求項2~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
動的負荷管理のためのコンピュータ実装方法であって、
無線通信用に構成された通信インタフェースを介して複数の充電ステーションのステータス変化を示すイベントを監視するステップと、
前記イベントに基づいて、少なくとも1つの充電ステーションがオンラインからオフラインにステータスを変化したことを判定するステップと、
前記少なくとも1つの充電ステーションが動的負荷管理グループに属するかどうかを判定するステップと、
前記動的負荷管理グループの現在の最大定格電流を決定するステップと、
前記少なくとも1つの充電ステーションによって承諾された前記充電ステーションの最大充電電流に対する最新の要求を決定するステップと、
前記動的負荷管理グループの前記現在の最大定格電流を、承諾された最新の要求の最大充電電流だけ減少させることによって、前記動的負荷管理グループについての新しい最大定格電流を決定するステップと、
オンラインのままである前記動的負荷管理グループ内の各充電ステーションについての新しい最大充電電流を決定するステップと、
前記新しい最大充電電流を含むメッセージを、前記通信インタフェースを介して電流調整のためにオンラインの充電ステーションの各々に送信するステップと
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記イベントに基づいて、充電ステーションが非アクティブであると判定するステップと、
前記非アクティブな充電ステーションが動的負荷管理グループに属するかどうかを判定するステップと、
前記動的負荷管理グループに属する前記非アクティブな充電ステーションの最大充電電流を所定の値に設定するステップと、
前記最大充電電流として前記所定の値を含むメッセージを、前記通信インタフェースを介して前記非アクティブな充電ステーションに送信するステップと
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記所定の値が6Aである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記イベントが、トランザクションイベント、ステータス通知、又はスキップされたハートビートのうちの少なくとも1つを含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記イベントに基づいて、少なくとも1つの充電ステーションがオフラインからオンラインにステータスを変化したことを検出するステップと、
現在の最大定格電流を、再びオンラインになった前記充電ステーションの最大充電電流に対する最新の承諾された要求の値で増加させることによって、それぞれの動的負荷管理グループについての最大定格電流を再計算するステップと、
新しい最大充電電流を含むメッセージを、前記通信インタフェースを介して電流調整のために前記オンラインの充電ステーションの各々に送信するステップと
をさらに含む、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
非アクティブな充電ステーションの前記最大充電電流を前記所定の値に設定するステップが、それぞれの動的負荷管理グループに対して許可されているかどうかをチェックするステップと、非アクティブな充電ステーションの前記最大充電電流が、前記それぞれの動的負荷管理グループに対して許可されている場合、前記最大充電電流を前記所定の値に変更するステップ
とを含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
コンピュータによって実行されると、請求項7~12のいずれか一項に記載の方法を前記コンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項14】
コンピュータによって実行されると、請求項7~12のいずれか一項に記載の方法を前記コンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、電気自動車充電ステーションの管理に関する。特に、本出願のいくつかの例示的な実施形態は、オフライン期間の場合のクラウドベースの需要負荷管理のためのロバストな管理に関する。
【背景技術】
【0002】
充電ステーションは、負荷管理サービスの対象となり得る。負荷管理サービスは、現場の充電ステーションが超えてはならない総充電電流を調整するために使用される。この制限は、グリッド接続の制限、ピークシェービング、ピークシフト、需要側管理等によるものであり得る。異なる条件下での負荷管理の動作を保証することは有益である。
【発明の概要】
【0003】
この概要は、詳細な説明で以下にさらに記載される簡略化された形式で概念の選択を導入するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることを意図していない。
【0004】
例示的な実施形態は、1つ以上の充電ステーションがオフラインになった場合に、フェイルセーフ方式で動的負荷管理を可能にすることができる。動的負荷管理は、充電ステーションが動的負荷管理を担う装置へのインターネット接続を失うことが検出されると、関連する動的負荷管理グループの最大定格電流が、インターネット接続のない充電ステーションの現在の設定に基づいて変更されるように実装され得る。
【0005】
第一の態様によれば、動的負荷管理のための装置が提供される。この装置は、複数の充電ステーションと無線通信するための通信インタフェースと、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置に、通信インタフェースを介して複数の充電ステーションのステータス変化を示すイベントを監視させ、少なくとも1つの充電ステーションがオンラインからオフラインにステータスを変化したことをイベントに基づいて判定させ、少なくとも1つの充電ステーションが動的負荷管理グループに属するかどうかを判定させ、動的負荷管理グループの現在の最大定格電流を決定させ、少なくとも1つの充電ステーションによって承諾された充電ステーションの最大充電電流に対する最新の要求を決定させ、動的負荷管理グループの現在の最大定格電流を、承諾された最新の要求の最大充電電流だけ減少させることによって、動的負荷管理グループについての新しい最大定格電流を決定させ、オンラインのままである動的負荷管理グループ内の各充電ステーションについての新しい最大充電電流を決定させ、新しい最大充電電流を含むメッセージを、通信インタフェースを介して電流調整のためにオンラインの充電ステーションの各々に送信させる、命令を含む。
【0006】
実施形態によれば、少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置に、イベントに基づいて、充電ステーションが非アクティブであると判定させ、非アクティブな充電ステーションが動的負荷管理グループに属するかどうかを判定させ、動的負荷管理グループに属する非アクティブな充電ステーションの最大充電電流を所定の値に設定させ、最大充電電流として所定の値を含むメッセージを、通信インタフェースを介して非アクティブな充電ステーションに送信させる、命令をさらに含む。
【0007】
実施形態では、追加的又は代替的に、所定の値は6Aである。
【0008】
実施形態では、追加的又は代替的に、イベントは、トランザクションイベント、ステータス通知、又はスキップされたハートビートのうちの少なくとも1つを含む。
【0009】
実施形態では、追加的又は代替的に、少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置に、イベントに基づいて、少なくとも1つの充電ステーションがオフラインからオンラインにステータスを変化したことを検出させ、現在の最大定格電流を、再びオンラインになった充電ステーションの最大充電電流に対する最新の承諾された要求の値で増加させることによって、それぞれの動的負荷管理グループについての最大定格電流を再計算させ、新しい最大充電電流を含むメッセージを、通信インタフェースを介して電流調整のためにオンラインの充電ステーションの各々に送信させる、命令をさらに含む。
【0010】
実施形態では、追加的又は代替的に、少なくとも1つのメモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置に、非アクティブな充電ステーションの最大充電電流を所定の値に設定させることが、それぞれの動的負荷管理グループに対して許可されているかどうかをチェックさせる命令をさらに含み、非アクティブな充電ステーションの最大充電電流が、それぞれの動的負荷管理グループに対して許可されている場合、最大充電電流は所定の値に変更される。
【0011】
第二の態様によれば、動的負荷管理のためのコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、無線通信用に構成された通信インタフェースを介して複数の充電ステーションのステータス変化を示すイベントを監視するステップと、イベントに基づいて、少なくとも1つの充電ステーションがオンラインからオフラインにステータスを変化したことを判定するステップと、少なくとも1つの充電ステーションが、動的負荷管理グループに属するかどうかを判定するステップと、動的負荷管理グループの現在の最大定格電流を決定するステップと、少なくとも1つの充電ステーションによって承諾された充電ステーションの最大充電電流に対する最新の要求を決定するステップと、動的負荷管理グループの現在の最大定格電流を、承諾された最新の要求の最大充電電流だけ減少させることによって、動的負荷管理グループについての新しい最大定格電流を決定するステップと、オンラインのままである動的負荷管理グループ内の各充電ステーションについての新しい最大充電電流を決定するステップと、新しい最大充電電流を含むメッセージを、通信インタフェースを介して電流調整のためにオンラインの充電ステーションの各々に送信するステップとを含み得る。
【0012】
実施形態では、方法は、イベントに基づいて、充電ステーションが非アクティブであると判定するステップと、非アクティブな充電ステーションが動的負荷管理グループに属するかどうかを判定するステップと、動的負荷管理グループに属する非アクティブな充電ステーションの最大充電電流を所定の値に設定するステップと、最大充電電流として所定の値を含むメッセージを、通信インタフェースを介して非アクティブな充電ステーションに送信するステップとを含む。
【0013】
実施形態では、追加的又は代替的に、所定の値は6Aである。
【0014】
実施形態では、追加的又は代替的に、イベントは、トランザクションイベント、ステータス通知、又はスキップされたハートビートのうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
実施形態では、追加的又は代替的に、方法は、イベントに基づいて、少なくとも1つの充電ステーションがオフラインからオンラインにステータスを変化したことを検出するステップと、現在の最大定格電流を、再びオンラインになった充電ステーションの最大充電電流に対する最新の承諾された要求の値で増加させることによって、それぞれの動的負荷管理グループについての最大定格電流を再計算するステップと、新しい最大充電電流を含むメッセージを、通信インタフェースを介して電流調整のためにオンラインの充電ステーションの各々に送信するステップとをさらに含む。
【0016】
実施形態では、追加的又は代替的に、方法は、非アクティブな充電ステーションの最大充電電流を所定の値に設定するステップが、それぞれの動的負荷管理グループに対して許可されているかどうかをチェックするステップと、非アクティブな充電ステーションの最大充電電流が、それぞれの動的負荷管理グループに対して許可されている場合、最大充電電流を所定の値に変更するステップとを含む。
【0017】
第三の態様によれば、コンピュータによって実行されると、第二の態様の方法をコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0018】
第四の態様によれば、コンピュータによって実行されると、第二の態様の方法をコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体が提供される。
【0019】
付随する特徴の多くは、添付の図面と関連して考慮される以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるようになるので、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
例示的な実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、例示的な実施形態を示し、説明と共に例示的な実施形態の原理を解釈するのに役立つ。
【0021】
【
図1】例示的な実施形態による、動的負荷管理グループ内の1つ以上の充電ステーションがオフラインになった場合の装置による対抗手段を実行する例を示す。
【
図2】例示的な実施形態による、動的負荷管理グループ内の充電ステーションのほとんどがオフラインになった場合に装置によって実行される対抗手段の例を示す。
【
図3】例示的な実施形態による、利用可能な容量を減少させることによってオフライン期間中の動的負荷管理を改良するための方法の例を示す。
【
図4】例示的な実施形態による、充電トランザクションイベントに基づいて最小電流を制御することによってオフライン期間中の動的負荷管理を改良するための方法の例を示す。
【
図5】少なくとも1つの例示的な実施形態を実施するように構成された装置の例を示す。
【0022】
同様の参照番号は、添付の図面において同様の部分を指定するために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、例示的な実施形態について詳細に参照し、その実施例は、添付の図面に示されている。添付の図面に関連して以下で提供される詳細な説明は、本実施例の説明として意図されており、本実施例が構築又は利用され得る唯一の形態を表すことを意図していない。本説明は、実施例の機能及び実施例を構築し、動作するための可能な動作順序を示す。しかしながら、同じ又は同等の機能及び順序は、異なる実施例によって達成されてもよい。
【0024】
動的負荷管理(DLM)は、電気自動車(EV)産業において、充電ステーションのグループにおけるエネルギーを管理するために使用される技術である。単一の充電ステーションは、1つ以上の充電ポイントを有し得る。充電ポイントは、充電ケーブル等の、EVに充電電力を供給するための手段を備え得る。DLMソリューションは、複数の充電ポイントを単一のグループにグループ化する方法で構築され得る。そのグループには、充電ポイントが超えてはならない最大定格電流が割り当てられ得る。
【0025】
集中型DLMソリューションでは、CSMS(充電ステーション管理システム)が、充電ポイントが充電のために使用できる最大定格電流を連続的に調整する。CSMSは、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を介して各充電ポイントを個別に制御することができる。DLMイベントが発生するたびに、CSMSは各充電ポイントについての最大定格電流を再計算することができる。しかしながら、最終的にはEVが充電のために使用する電力量を決定する。言い換えれば、EVが遵守する充電ポイントに最大限度を設定することができるが、EVはより少ない電力を使用することもできる。EVが使用する電力量は、充電サイクル、すなわち、充電の開始、充電中、充電の終了等に依存する。
【0026】
例えば、場所の制限が64Aであり、同時に充電する充電ポイントが8つある場合、充電ポイント当たりの利用可能な充電電流は64A/8=8Aとなり得る。充電する4つの充電ステーションがある場合、充電ステーション当たりの利用可能な電流は64A/4=16Aとなり得る。DLMシステムはVIP充電もサポートすることができる。VIP充電の概念は、一部のEVドライバが他のドライバよりも高い充電電力を得ることができることを意味する。VIPステータスは、充電ポイントではなく、ユーザに基づく。
【0027】
需要負荷管理は、クラウドで運用することができる。クラウドとは、インターネット経由でアクセスされるサーバと、それらのサーバ上で実行されるソフトウェア及びデータベースとを指す。したがって、コンピューティング及びストレージは、例えば、ユーザデバイス上で、ローカルで行われるのではなく、クラウドサーバ上で、リモートで行われ得る。
【0028】
クラウドベースの負荷管理の主な脆弱性は、インターネット接続であり、充電ステーションがCSMSへの接続を失った場合、何が起こるかということである。充電ステーションがオフラインの場合、CSMSは、その充電ステーションを見ることも制御することもできない。例えば、電気自動車(EV)のドライバは、例えば、RFIDタグを使用することによってオフラインの充電ステーションでローカルに充電を開始することができる。オフラインの充電ステーションは、CSMSから承諾された最新の要求に従って充電を開始又は継続することができる。最悪のシナリオでは、充電ステーションへのCSMSの最新の要求が最大電力で充電することである間に、充電ステーションがオフラインになる可能性がある。その後、誰かが充電トランザクションを開始した場合、インターネット接続が失われたため、CSMSがそれを知ることなく、充電ステーションは最大電力で充電を開始する。次いでこの充電負荷は、CSMSに負荷を管理する機能がないことがあるため、制御不能な負荷とみなされる。潜在的に、これはヒューズが切れ始める過電流につながる可能性がある。これは特に、充電ステーションが大規模にオフラインになった場合に起こる。
【0029】
1つのアプローチによれば、充電ステーションの充電電力は、それらがオフラインのときにローカルに調整することができる。これは、充電ステーションがイーサネット(登録商標)ケーブルを介して互いに接続され、ほとんどの場合、追加の制御ユニットを現場に設置する必要があることを意味する。さらに、ローカル管理はマスタースレーブ型の実装であり、1つのユニット、すなわちマスターが、他のユニット、すなわちスレーブを制御する。この設定は通常、「ベンダーロック」を強制し、異なる製造業者からの充電ステーションを混合し、適合させることができなくなることがあることを意味する。また、ローカルソリューションは、クラウドベースのソリューションと比較すると、追加のケーブル配線及び地面にケーブルを埋設する必要があるため、より高価になる。
【0030】
目的は、負荷管理サービスを受けている間に、1つ以上の充電ポイントがオフラインになる状況に対応するクラウドベースのソリューションを提供することである。実施形態では、残りのオンラインの充電ステーションの利用可能な容量を減少させることによって制御不能なオフラインの充電ステーションのために帯域幅が確保される。さらに、ユーザが充電を停止すると、充電ポイントの最大の利用可能な電流が最小電流に設定され得る。これにより、最大電力等の、最新の要求が高すぎる状態で充電ポイントがオフラインになるリスクを低減することができる。
【0031】
提案されたソリューションは、特定のハードウェア製造業者又は充電ステーションモデルに限定されるものではなく、代わりに、このソリューションは、例えば、OCPP準拠の充電ステーションであれば互換性がある。さらに、オフライン機能は、クラウド経由で展開される。これは、実際の設置現場では作業をする必要がなくてもよいことを意味する。充電ステーションは、互いに物理的に接続されることを必要としない。
【0032】
充電ステーションがオフラインになった場合、すなわち、充電ステーションのステータスがオンラインからオフラインに変わった可能性がある場合、装置はDLMグループの利用可能な容量を減少させることができる。装置は、例えば、スキップされたハートビートに基づいて、充電ステーションがオフラインであることを検出するように構成され得る。ハートビートは、装置に対して正常な動作を示すための充電ステーションのハードウェア又はソフトウェアによって生成される周期信号である。装置がスキップしたハートビートを検出した場合、それは、ハートビート、すなわち、充電ステーションからの特定のメッセージが設定された期間内に受信されなかったことを検出することができる。DLMグループの利用可能な容量は、装置がオフラインになる前に充電ステーションの充電ポイントに送信した最新の要求に相当する値まで減少させることができる。
【0033】
最初は、充電ステーションはオンラインであり得る。DLMを実行するように構成された装置は、充電ステーションの最大電流を、例えば10Aに調整することができる。
【0034】
その後、充電ステーションはオフラインになる。装置は充電ステーションの充電ポイントをもはや制御できなくなる可能性があるため、DLMグループの利用可能な容量は、オフラインの充電ステーションの承諾された最新の要求に対応する10Aだけ減少し得る。したがって、DLMグループの新たな制限は、100A-10A=90Aとなり得る。
【0035】
その後、充電ステーションはオンラインになる。装置は、充電ステーションが再びオンラインになったことを検出すると、装置によってDLMグループの制限は、100Aに戻され得る。装置は、例えば、充電ステーションから受信したハートビート又は任意の他のメッセージに基づいて、充電ステーションが再びオンラインになったことを検出するように構成され得る。
【0036】
図1は、例示的な実施形態による、動的負荷管理グループ106内の1つ以上の充電ステーションがオフラインになった場合に装置100によって対抗手段を実行する別の例を示す。装置100は、複数の充電ステーションと通信可能に結合され得る。装置100と複数の充電ステーションとは、例えば、クラウドを介して無線で結合されてもよい。装置100は、1つ以上のDLMグループを監視及び制御するように構成され得る。複数の充電ステーションの各々は、1つ以上のDLMグループに属してもよい。装置100と複数の充電ステーションとは、インターネットを通じて無線で通信することができるため、装置と複数の充電ステーションとは、異なる都市、又はさらに異なる国等、互いに長距離で位置していてもよい。
【0037】
102において、DLMグループ106の各充電ステーションは、オンラインであり得る。したがって、DLMは通常通り装置100によって実行され得る。例えば、グループの最大電流制限は64Aであり得る。DLMグループ106に4つの充電ステーションがある場合、各充電ステーションは16Aの最大電力を受けることができる。
【0038】
104において、DLMグループ106内の2つの充電ステーションがオフラインになり得る。したがって、装置100は、DLMグループ106の最大電流制限(すなわち、最大定格電流)を、2つの充電ステーションの最大定格電流の合計まで減少させるように構成され得る。例えば、第一のオフラインの充電ステーションの最大定格電流は16Aであり得、第二のオフラインの充電ステーションの最大定格電流は32Aであり得る。充電ステーションの最大定格電流は、最大充電電流と呼ばれることもある。したがって、DLMグループ106についての新たな一時的制限は、64A-32A-16A=16Aによって計算することができる。その結果、オンライン状態のままの充電ステーションは、各々最大で8Aを受け取ることができる(16A/2)。
【0039】
106において、オフラインの充電ステーションの1つがオンライン状態に戻り得る。少なくとも1つのオフラインの充電ステーションが装置100への接続を再確立した後、DLMグループ106の最大電流制限は装置100によって再計算することができる。例えば、16Aの最大定格電流を有する第一のオフラインの充電ステーションが接続を再確立した場合、新たな一時的制限は、64A-32A=32Aによって計算することができる。したがって、最大電流制限は、各々が最大で10Aの電流を得るように、3つのオンラインの充電ステーションで分割することができる。
【0040】
108において、第二のオフラインの充電ステーションも装置100との接続を再確立した。DLMグループ106の各充電ステーションがここでオンラインに戻ったので、装置100によって元の最大電流制限64Aが回復され得る。装置100は、それに応じて、充電ステーションの各々に対して電流調整メッセージを送信することができる。
【0041】
上記の方法は、充電ポイントの一部がオフラインになった場合に特に有用であり得る。しかしながら、全ての充電ポイントがオフラインになった場合、オンラインの充電ステーションが存在していない間、装置は充電ステーションをもはや制御することができない。したがって、グループの利用可能な容量を調整することは、全ての状況において望ましい影響を与えない可能性がある。次に、充電ステーションのほとんど、又はさらに全てが同時にオフラインになり得る場合も考慮するために、動的負荷管理についてのさらなる改良を提示する。
【0042】
例示的な実施形態は、充電ステーションが、最大電力に対する最新の要求でオフラインになるリスクを低減することを可能にし得る。これは、充電ステーションでの充電トランザクションが停止されると、充電ステーションの最大定格電流を最小電流に設定することによって達成することができる。最小電流は、例えば、6A、又は任意の他の所定の値とすることができる。実際には、これは、全てのアイドル又は非アクティブな充電ポイントが、最大で6A(又は他の所定の値)を出力するように構成されていることを意味し得る。
【0043】
ユーザが充電トランザクションを開始すると、装置はDLMロジックに基づいて「実際の」利用可能な最大電流を計算するように構成され得る。すなわち、DLMグループの最大定格電流が割り当てられ、充電中の充電ポイント間で均等に分配される。非アクティブ/アイドルの充電ステーションが接続を失い、オフラインになり始めた場合、例えばRFIDタグを使用してEVドライバが充電を開始した場合、非アクティブだった充電ステーションは設定された6Aを超えて出力できない。
【0044】
充電を完全に防止することは望ましくない場合があるため、非アクティブな充電ステーションについての最小電流を、単純に0Aに設定するのではなく、6Aに設定することができる。ユーザが全く充電できない場合、これはユーザエクスペリエンスの観点から好ましくない。関連する電気システムは、全ての充電ポイントを最小電流で同時に充電させるように処理できるように設計することができる。しかしながら、多くの場合、現場では全ての充電ポイントを同時に高電力で充電するように処理することはできない。これが、DLMが最初に使用される理由である。
【0045】
充電トランザクションの終了時に、充電ステーションについての最小電流を自動的に設定することは、ほとんど又は全ての充電ステーションがオフラインになる傾向がある場合に特に有用であり得る。例えば、DLMの接続を失った後、最大定格電流の設定として32Aの20箇所の充電ステーションのグループと、最大定格電流の設定として6Aの20箇所の充電ステーションのグループを考慮する。この差は非常に大きい。充電ステーションの状態に基づいて低電流値を設定することによって、充電システムの安全な機能を確保することができる。
【0046】
図2は、例示的な実施形態による、DLMグループ106内の充電ステーションのほとんどがオフラインになった場合に装置100によって実行される対抗手段の例を示す。DLMグループ106は、複数の充電ポイントを備える。
【0047】
202において、DLMグループ106内の全ての充電ポイントはオンラインであり、EVを充電している。したがって、装置100は、通常通りにDLMを実行するように構成することができる。
【0048】
204において、1台のEVが離れる。関連する充電ポイントは、ここで、より長い充電であるため、アイドルモードに移行する場合がある。検出されたアイドルモードに応答して、装置100は、現在アイドルの充電ポイントの最大定格電流値を、6A等の所定の値に設定するように構成することができる。
【0049】
しばらくして、アイドルの充電ポイントはオフラインになる。206において、新しいEVがオフラインの充電ポイントに到着し、誰かが、例えばRFIDカードを使用して充電を開始する。有利なことに、204において承諾された最新の要求が6Aであったため、オフラインの充電ステーションは所与の電流値を超えることができない。したがって、充電システム全体の適切な機能及び安全性を確保しながら、依然として顧客にサービスを提供することができる。一般に、充電システムは、充電ステーション及び関連するインフラストラクチャと、充電されるEVとを指すことがある。オフラインの充電ステーションの最大充電電流は、承諾された最新のメッセージに基づいて決定されるため、ユーザがVIPステータスを有しており、ユーザは通常、VIPステータスに基づいてより高い電流を提供される場合でも、所定の電流を超える電流がユーザに提供されることはない。
【0050】
上記の手順は、排他的でなくてもよい。装置は、
図1及び
図2による手順の両方を実行するように構成することができる。これにより、充電ステーションの一時的なオフライン状況によって引き起こされるリスクを低減することができる。両方の手順を実装することは、過剰に見え、EVドライバの生活を困難にするかもしれない。しかしながら、実際には、充電ステーションがオフラインになった場合、それは一時的な問題に過ぎない。それにもかかわらず、例えば、通信事業者がサービスを停止する可能性がある。この場合、クラウドベースのDLMに依存している充電ステーションはトラブルになる可能性がある。したがって、オフラインの状況に対処しようとするフェイルセーフメカニズムを有することが必要となる。通信事業者の問題を除外し、充電場所が注意深く設計及び構築されていると仮定すれば、充電ステーションは実際には、例えば、受信状態が悪いために、オフラインになることはないはずである。この観点から、オフラインの機会はめったに起こらないはずなので、両方の方法を有していても、EVドライバに不便は生じないはずである。さらに、両方の方法を実装することは、ユーザエクスペリエンスの観点から実際には優れている場合がある。なぜなら、ヒューズが非常に厳重に保護され、ヒューズが切れる(誰もが充電できなくなる)可能性が低くなることを意味するためである。したがって、EVドライバはオフラインイベント中に少なくともある程度の充電を受けることになる。
【0051】
図3は、例示的な実施形態による、利用可能な容量を減少させることによってオフライン期間中の動的負荷管理を改良するための方法の例を示す。
【0052】
動作302において、充電トランザクションイベントは、装置によって監視され得る。装置は、インターネット経由で複数の充電ステーションをリモートで監視及び制御するように構成することができる。したがって、装置は、クラウドベースの装置と呼ばれることがある。トランザクションイベントは、充電ポイントのステータスの変化を指すことがある。ステータスは、例えば、充電ステーションがオンラインであるか、オフラインであるかを示すことができる。
【0053】
動作304において、方法は、いずれかの充電ポイントからオフラインイベントを受信すると、装置によって、その充電ポイントがいずれかのDLMグループに属しているかどうかをチェックするステップを含むことができる。オフラインイベントの受信は、それぞれの充電ステーションがオフラインであることを示すトランザクションイベントの受信を指すことがある。オフラインイベントは、例えば、ハートビートメッセージが充電ステーションから受信されない場合、又はいずれかの他の期待されるメッセージが充電ステーションから装置によって受信されない場合に発生し得る。
【0054】
動作306において、方法は、装置によって、DLMグループの現在の最大定格電流をチェックするステップを含むことができる。
【0055】
動作308において、方法は、装置によって、オフラインの充電ポイントに対する承諾された最新の要求が何であったかをチェックするステップを含むことができる。
【0056】
動作310において、DLMグループの現在の最大定格電流を、オフラインになった充電ステーションから承諾された最新の要求の値だけ減少させることにより、関連するDLMグループについての新しい最大定格電流が計算され得る。計算は装置によって実行され得る。
【0057】
動作312において、方法は、装置によって、各充電ステーションが充電のために現在いくらの電流を使用することができるかを計算するステップを含むことができる。充電のための電流値は、動作310で決定されたDLMグループの最大定格電流をオンラインの充電ステーションの数で割ることによって計算され得る。
【0058】
動作314において、各々のオンラインの充電ステーションの電流が調整され得る。例えば、装置は、動作312で決定された値に従って、それらのそれぞれの最大定格電流を調整するためにオンラインの充電ステーションにメッセージを送信するように構成することができる。
【0059】
図4は、例示的な実施形態による、充電トランザクションイベントに基づいて最小電流を制御することによってオフライン期間中の動的負荷管理を改良するための方法の例を示す。
【0060】
動作402において、充電トランザクションイベントは、装置によって監視され得る。装置は、インターネット経由で複数の充電ステーションをリモートで監視及び制御するように構成することができる。したがって、装置は、クラウドベースの装置と呼ばれることがある。トランザクションイベントは、充電ポイントのステータスの変化を指すことがある。ステータスは、例えば、充電ステーションがオンラインであるか、又はオフラインであるかを示すことができる。トランザクションイベントは、また充電イベントの開始又は停止等の、充電ポイントの充電状態を示すことができる。充電状態は、充電ステーションのステータスを示すことができる。例えば、充電ステーションのステータスは、充電ステーションが充電中であるときはアクティブであり、充電中でないときは非アクティブであり得る。
【0061】
動作404において、充電ポイント又は充電ステーションから、充電ポイントがもはや充電中ではないことを示す報告を装置によって受信することができる。この報告は、例えば、EVドライバが充電ポイントでの充電トランザクションを停止した場合にトリガされ得る。
【0062】
動作406において、方法は、充電ポイントがDLMグループに属しているかどうかを装置によってチェックするステップを含むことができる。
【0063】
充電ポイントがDLMグループに属すると判定した後、動作408において、方法は、DLMグループがオフラインのフェイルセーフ機能を有効にしているかどうかを装置によってチェックするステップを含むことができる。オフラインのフェイルセーフ機能が有効である場合、装置は、それぞれの充電ポイントにおいてアクティブな充電トランザクションがない、すなわち、誰も現在充電ポイントにおいて充電していないと判定したときに、充電ポイントの最大定格電流を変更することができる。
【0064】
オフラインのフェイルセーフ機能が有効であると判定した後、動作410において、それぞれの充電ステーションの最大定格電流が装置によって6Aに設定され得る。動作412において、方法は、充電ステーションに電流調整を送信するステップを含むことができる。例えば、装置は、動作410において決定された値に従って充電ステーションの最大定格電流を調整するために、停止された充電トランザクションと共に充電ステーションにメッセージを送信するように構成することができる。
【0065】
方法のさらなる特徴は、添付の特許請求の範囲及び明細書全体に記載された装置の機能性及びパラメータから直接的に生じるものであり、したがってここでは繰り返さない。方法の1つ以上の動作は、異なる順序で実行されてもよいことに留意されたい。
【0066】
図5は、少なくとも1つの例示的な実施形態を実行するように構成された装置100の例を示す。
【0067】
装置100は、少なくとも1つのプロセッサ502を備えてもよい。少なくとも1つのプロセッサ502は、例えば、コプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、DSPが付属するか若しくは付属しない処理回路等の、例えば、様々な処理デバイス、又は例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、マイクロコントローラユニット(MCU)、ハードウェアアクセラレータ、専用コンピュータチップ等の集積回路を含む様々な他の処理デバイスのうちの1つ以上を備えてもよい。
【0068】
装置100は、少なくとも1つのメモリ504をさらに備えてもよい。メモリ504は、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアを動作する、例えば、コンピュータプログラムコード506等を記憶するように構成され得る。メモリ504は、1つ以上の揮発性メモリデバイス、1つ以上の不揮発性メモリデバイス、及び/又はそれらの組み合わせを備えてもよい。例えば、メモリは、磁気記憶デバイス(例えば、ハードディスクドライブ、磁気テープ等)、光磁気記憶デバイス、又は半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(プログラマブルROM)、EPROM(消去可能なPROM)、フラッシュROM、RAM(ランダムアクセスメモリ)等)として具現化され得る。
【0069】
装置100は、充電ステーション等の他のデバイスに/他のデバイスから、情報を送信及び/又は受信することを可能にするように構成された通信インタフェース508を装置100はさらに備えてもよい。通信インタフェース508は、例えば、3GPP(登録商標)モバイルブロードバンド接続(例えば、3G、4G、5G)等の少なくとも1つの無線通信接続を提供するように構成され得る。しかしながら、通信インタフェース508は、1つ以上の他のタイプの接続、例えば、IEEE802.11シリーズ若しくはWi-Fiアライアンスで規格化されたもの等の、例えば、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)接続、例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC(近距離無線通信)若しくはRFID接続等の近距離無線ネットワーク接続、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)接続、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続若しくは光ネットワーク接続等の有線接続、又は有線インターネット接続を提供するように構成され得る。通信インタフェース508は、無線周波数信号を送信及び/又は受信するように、少なくとも1つのアンテナを含むことができるか、又は少なくとも1つのアンテナに結合されるように構成され得る。様々なタイプの接続のうちの1つ以上はまた、複数のアンテナに結合され得るか、又は結合されるように構成され得る別個の通信インタフェースとして実装され得る。
【0070】
装置100は、例えば、サーバ装置、クライアント装置、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップ等を備えてもよい。実施形態では、装置100はCSMSを備えてもよい。装置はクラウドベースであってもよい。したがって、装置100は、クラウドコンピューティングサーバからインターネット経由で、オンデマンドでユーザに利用可能なアプリケーション、サービス、又はリソースを備えてもよい。装置100は、単一のデバイスとして示されているが、適用可能であれば、装置100の機能は、複数のデバイスに分散されてもよいことが理解される。
【0071】
装置100が何らかの機能を実装するように構成されている場合、例えば、少なくとも1つのプロセッサ502及び/又はメモリ504等の装置100の何らかのコンポーネント及び/又は複数のコンポーネントが、この機能を実装するように構成され得る。さらに、少なくとも1つのプロセッサ502が何らかの機能を実装するように構成されている場合、この機能は、例えば、メモリ504内に含まれるプログラムコード506を使用して実装され得る。
【0072】
本明細書に記載される機能は、少なくとも部分的に、ソフトウェアコンポーネント等の1つ以上のコンピュータプログラム製品コンポーネントによって実行され得る。実施形態によれば、装置100は、実行されたときにプログラムコード506によって、記載される動作及び機能の実施形態を実行するように構成される、例えばマイクロコントローラ等のプロセッサ502又はプロセッサ回路を備える。代替的又は追加的に、本明細書に記載される機能は、少なくとも部分的に、1つ以上のハードウェア論理コンポーネントによって実行され得る。例えば、限定されないが、使用され得るハードウェア論理コンポーネントの例示的なタイプには、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、グラフィック処理ユニット(GPU)が含まれる。
【0073】
装置100は、本明細書に記載される少なくとも1つの方法を実行するための手段を備える。一実施例では、手段は、少なくとも1つのプロセッサ502を備え、少なくとも1つのプロセッサ502によって実行されると、装置100に方法を実行させる命令を含む少なくとも1つのメモリ504を備える。
【0074】
技術の進歩に伴い、本発明の基本概念が様々な方法で実装され得ることは当業者にとって明らかである。したがって、本発明及びその実施形態は、上記の実施例に限定されず、代わりに特許請求の範囲内において変化し得る。
【0075】
装置は、本明細書に記載される方法の任意の態様を実行するか、又は実行させるように構成され得る。さらに、コンピュータプログラムは、実行されたときに、本明細書に記載される方法の任意の態様を装置に実行させるための命令を含み得る。さらに、装置は、本明細書に記載される方法の任意の態様を実行するための手段を含み得る。例示的な実施形態によれば、手段は、少なくとも1つのプロセッサ、及びプログラムコードを含むメモリを備え、少なくとも1つのメモリ及びプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、方法の任意の態様を実行させるように構成される。
【0076】
本明細書で与えられる任意の範囲又はデバイスの値は、求められる効果を失うことなく、拡張又は変更され得る。また、明示的に禁止されない限り、いずれかの実施形態を別の実施形態と組み合わせることができる。
【0077】
構造的特徴及び/又は動作に特有の言語で主題を説明しているが、添付の特許請求の範囲で規定されている主題は、必ずしも上述した特定の特徴又は動作に限定されるとは限らないことを理解されたい。むしろ、上述した特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実装する例として開示され、他の等価な特徴及び動作は、特許請求の範囲内にあると意図されている。
【0078】
上述した利益及び利点は、一実施形態に関連し得るか、又は複数の実施形態に関連し得ることを理解されたい。実施形態は、記載された問題のいずれか又は全てを解決するもの、あるいは記載された利益及び利点のいずれか又は全てを有するものに限定されない。さらに、「1つの」項目への言及は、それらの項目のうちの1つ以上を指し得ることを理解されたい。
【0079】
本明細書で説明された方法の動作は、任意の適切な順序で、又は必要に応じて同時に実行することができる。さらに、個々のブロックは、本明細書に記載される主題の範囲から逸脱することなく、方法のいずれかから削除されてもよい。上述した実施形態のいずれかの態様は、求められる効果を失うことなく、さらなる実施形態を形成するために説明される他の実施形態のいずれかの態様と組み合わされてもよい。
【0080】
「含む」という用語は、特定された方法、ブロック又は要素を含むことを意味するために本明細書で使用されるが、そのようなブロック又は要素は、排他的なリストを含まず、方法又は装置は、追加のブロック又は要素を含んでもよい。
【0081】
本出願で使用される場合、「回路」という用語は、以下の1つ以上又は全てを指すことがある:(a)ハードウェアのみの回路実装(アナログ回路及び/又はデジタル回路のみの実装等)、及び(b)ハードウェア回路とソフトウェアの組み合わせ、例えば(該当する場合):(i)アナログ及び/又はデジタルハードウェア回路とソフトウェア/ファームウェアとの組み合わせ、(ii)携帯電話又はサーバ等の装置に様々な機能を実行させるために協働するソフトウェアを伴うハードウェアプロセッサの任意の部分(デジタル信号プロセッサを含む)、ソフトウェア、及びメモリ、並びに(c)動作のためにソフトウェア(例えば、ファームウェア)を必要とするマイクロプロセッサ又はマイクロプロセッサの一部等のハードウェア回路及び/又はプロセッサ(しかし、動作のために必要とされない場合、ソフトウェアは存在しなくてもよい)。回路のこの定義は、あらゆる特許請求の範囲を含む、本出願におけるこの用語の全ての使用に適用される。
【0082】
さらなる例として、本出願で使用される場合、回路という用語は、単にハードウェア回路若しくはプロセッサ(若しくは複数のプロセッサ)、又はハードウェア回路若しくはプロセッサの一部、並びにそれ(又はそれら)に付随するソフトウェア及び/又はファームウェアの実装も対象とする。また、回路という用語は、例えば、特定の特許請求の範囲の要素に適用可能であれば、モバイルデバイス用のベースバンド集積回路若しくはプロセッサ集積回路、又はサーバ、セルラーネットワークデバイス、若しくは他のコンピューティング若しくはネットワークデバイスにおける同様の集積回路も対象とする。
【0083】
上記の説明は、単に例として与えられており、当業者であれば様々な修正を行うことができることを理解されたい。上記の明細書、実施例及びデータは、例示的な実施形態の構造及び使用の完全な説明を提供する。様々な実施形態が、ある程度の特殊性で、又は1つ以上の個々の実施形態を参照して上記に説明されているが、当業者であれば、本明細書の範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対して多数の変更を行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の充電ステーションと無線通信するための通信インタフェースと、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのメモリと
を備える、動的負荷管理のための装置であって、
前記少なくとも1つのメモリが、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、
前記通信インタフェースを介して前記複数の充電ステーションのステータス変化を示すイベントを監視させ、
前記イベントに基づいて、少なくとも1つの充電ステーションがオンラインからオフラインにステータスを変化したことを判定させ、
前記少なくとも1つの充電ステーションが動的負荷管理グループに属するかどうかを判定させ、
前記動的負荷管理グループの現在の最大定格電流を決定させ、
前記少なくとも1つの充電ステーションによって承諾された前記充電ステーションの最大充電電流に対する最新の要求を決定させ、
前記動的負荷管理グループの前記現在の最大定格電流を、承諾された前記最新の要求の最大充電電流だけ減少させることによって、前記動的負荷管理グループについての新しい最大定格電流を決定させ、
オンラインのままである前記動的負荷管理グループ内の各充電ステーションについての新しい最大充電電流を決定させ、
前記新しい最大充電電流を含むメッセージを、前記通信インタフェースを介して電流調整のためにオンラインの充電ステーションの各々に送信させる、
命令を含む、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのメモリが、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、
前記イベントに基づいて、充電ステーションが非アクティブであると判定させ、
前記非アクティブな充電ステーションが動的負荷管理グループに属するかどうかを判定させ、
前記動的負荷管理グループに属する前記非アクティブな充電ステーションの最大充電電流を所定の値に設定させ、
前記最大充電電流として前記所定の値を含むメッセージを、前記通信インタフェースを介して前記非アクティブな充電ステーションに送信させる、
命令を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記所定の値が6Aである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記イベントが、トランザクションイベント、ステータス通知、又はスキップされたハートビートメッセージのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのメモリが、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、
前記イベントに基づいて、少なくとも1つの充電ステーションがオフラインからオンラインにステータスを変化したことを検出させ、
前記現在の最大定格電流を、再びオンラインになった前記充電ステーションの最大充電電流に対する最新の承諾された要求の値で増加させることによって、それぞれの動的負荷管理グループについての最大定格電流を再計算させ、
前記新しい最大充電電流を含むメッセージを、前記通信インタフェースを介して電流調整のために前記オンラインの充電ステーションの各々に送信させる、
命令をさらに含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのメモリが、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記装置に、非アクティブな充電ステーションの前記最大充電電流を前記所定の値に設定させることが、それぞれの動的負荷管理グループに対して許可されているかどうかをチェックさせる命令をさらに含み、非アクティブな充電ステーションの前記最大充電電流が、前記それぞれの動的負荷管理グループに対して許可されている場合、前記最大充電電流が前記所定の値に変更される、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項7】
動的負荷管理のためのコンピュータ実装方法であって、
無線通信用に構成された通信インタフェースを介して複数の充電ステーションのステータス変化を示すイベントを監視するステップと、
前記イベントに基づいて、少なくとも1つの充電ステーションがオンラインからオフラインにステータスを変化したことを判定するステップと、
前記少なくとも1つの充電ステーションが動的負荷管理グループに属するかどうかを判定するステップと、
前記動的負荷管理グループの現在の最大定格電流を決定するステップと、
前記少なくとも1つの充電ステーションによって承諾された前記充電ステーションの最大充電電流に対する最新の要求を決定するステップと、
前記動的負荷管理グループの前記現在の最大定格電流を、承諾された最新の要求の最大充電電流だけ減少させることによって、前記動的負荷管理グループについての新しい最大定格電流を決定するステップと、
オンラインのままである前記動的負荷管理グループ内の各充電ステーションについての新しい最大充電電流を決定するステップと、
前記新しい最大充電電流を含むメッセージを、前記通信インタフェースを介して電流調整のためにオンラインの充電ステーションの各々に送信するステップと
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記イベントに基づいて、充電ステーションが非アクティブであると判定するステップと、
前記非アクティブな充電ステーションが動的負荷管理グループに属するかどうかを判定するステップと、
前記動的負荷管理グループに属する前記非アクティブな充電ステーションの最大充電電流を所定の値に設定するステップと、
前記最大充電電流として前記所定の値を含むメッセージを、前記通信インタフェースを介して前記非アクティブな充電ステーションに送信するステップと
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記所定の値が6Aである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記イベントが、トランザクションイベント、ステータス通知、又はスキップされたハートビートのうちの少なくとも1つを含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記イベントに基づいて、少なくとも1つの充電ステーションがオフラインからオンラインにステータスを変化したことを検出するステップと、
現在の最大定格電流を、再びオンラインになった前記充電ステーションの最大充電電流に対する最新の承諾された要求の値で増加させることによって、それぞれの動的負荷管理グループについての最大定格電流を再計算するステップと、
新しい最大充電電流を含むメッセージを、前記通信インタフェースを介して電流調整のために前記オンラインの充電ステーションの各々に送信するステップと
をさらに含む、請求項7~
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
非アクティブな充電ステーションの前記最大充電電流を前記所定の値に設定するステップが、それぞれの動的負荷管理グループに対して許可されているかどうかをチェックするステップと、非アクティブな充電ステーションの前記最大充電電流が、前記それぞれの動的負荷管理グループに対して許可されている場合、前記最大充電電流を前記所定の値に変更するステップ
とを含む、請求項8
又は9に記載の方法。
【請求項13】
コンピュータによって実行されると、請求項
7に記載の方法を前記コンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項14】
コンピュータによって実行されると、請求項
7に記載の方法を前記コンピュータに実行させる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】