(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】接触機構、電子機器アセンブリ、および電子機器アセンブリの組立方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/32 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
H05K3/32 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531279
(86)(22)【出願日】2022-10-10
(85)【翻訳文提出日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2022078107
(87)【国際公開番号】W WO2023094063
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】102021213350.9
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】オット,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】マイアー,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】クレッツィグ,ルネ
【テーマコード(参考)】
5E319
【Fターム(参考)】
5E319AA02
5E319AA07
5E319AB01
5E319CC02
5E319GG15
5E319GG20
(57)【要約】
本発明は、クランプコネクタ(2)と接合相手(3)との間を導電結合するための接触機構(1)であって、開口部(8)を有するプリント基板(4)であり、プリント基板(4)の平面内でx軸(5)とそれに垂直にy軸(6)とが定義されている、プリント基板(4)、接合相手(3)、および開口部(8)に配置され、少なくとも1つの可撓性コンタクト要素(11)を備えたクランプコネクタ(2)であり、接合相手(3)が、コンタクト要素(11)への接触とコンタクト要素(11)の変形とを同時にしながらクランプコネクタ(2)を通り抜けて開口部(8)に差込み可能である、クランプコネクタ(2)、を含み、差し込まれた接合相手(3)が、少なくとも1つのコンタクト要素(11)に接して摺動しながらy軸(6)に平行に変位可能である、接触機構(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプコネクタ(2)と接合相手(3)との間を導電結合するための接触機構(1)であって、
・ 開口部(8)を有するプリント基板(4)であり、前記プリント基板(4)の平面内でx軸(5)とそれに垂直にy軸(6)とが定義されている、プリント基板(4)と、
・ 接合相手(3)と、
・ および前記開口部(8)に配置され、少なくとも1つの可撓性コンタクト要素(11)を備えたクランプコネクタ(2)であり、前記接合相手(3)が、前記コンタクト要素(11)への接触と前記コンタクト要素(11)の変形とを同時にしながら前記クランプコネクタ(2)を通り抜けて前記開口部(8)に差込み可能である、クランプコネクタ(2)と、
を含み、
・ 前記差し込まれた接合相手(3)が、前記少なくとも1つのコンタクト要素(11)に接して摺動しながらy軸(6)に平行に変位可能である、
接触機構(1)。
【請求項2】
前記接合相手(3)がコンタクトソードとして形成されている、請求項1に記載の接触機構。
【請求項3】
前記差し込まれた接合相手(3)が、2つの向かい合うコンタクト面(13)を有し、かつ前記両方のコンタクト面(13)でのみ接触している、請求項1または2に記載の接触機構。
【請求項4】
前記差し込まれた接合相手(3)が、前記少なくとも1つのコンタクト要素(11)を変形させると同時にx軸(6)に平行に変位可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の接触機構。
【請求項5】
前記クランプコネクタ(2)が、前記プリント基板(4)上に平たく載っている板金、とりわけ打ち抜き板金を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の接触機構。
【請求項6】
前記少なくとも1つの可撓性コンタクト要素(11)が切込み(12)を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の接触機構。
【請求項7】
前記クランプコネクタ(2)が、前記接合相手(3)を差し込むための穴(10)を取り囲むフレーム(9)を有し、前記フレーム(9)が、前記少なくとも1つのコンタクト要素(11)と一体的である、請求項1~6のいずれか一項に記載の接触機構。
【請求項8】
前記クランプコネクタ(2)が、SMD(Surface-mounted device、つまり表面実装部品)として、表面実装によって前記プリント基板(4)上で固定されており、かつ接触している、請求項1~7のいずれか一項に記載の接触機構。
【請求項9】
ハウジング(102)と、前記ハウジング(102)内に配置されている少なくとも1つの部品(101)と、請求項1~8のいずれか一項に記載の接触機構(1)とを含む電子機器アセンブリ(100)であって、
前記接合相手(3)が前記部品(101)と導電結合しており、とりわけ前記部品(101)から突き出ており、かつ前記プリント基板(4)が前記ハウジング(102)に嵌め込まれており、かつ前記接合相手(3)が前記クランプコネクタ(2)に差し込まれている、
電子機器アセンブリ(100)。
【請求項10】
電子機器アセンブリ(100)、とりわけ請求項9に記載の電子機器アセンブリ(100)の組立方法であって、
・ ハウジング(102)および請求項1~8のいずれか一項に記載の接触機構(1)を準備するステップと、
・ 前記ハウジング(102)内に部品(101)を配置し、このとき前記接触機構(1)の前記接合相手(3)が前記部品(101)と導電結合しており、とりわけ前記部品(101)から突き出ているステップと、
・ 前記ハウジング(102)に前記接触機構(1)の前記プリント基板(4)を嵌め込むと同時に前記接合相手(3)に前記クランプコネクタ(2)を差し被せるステップと、
を含む、組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランプコネクタと接合相手との間を導電結合するための接触機構に関する。本発明はさらに、この接触機構が適用される、とりわけ電源部品を備えた電子機器アセンブリに関する。それだけでなく本発明は、電子機器アセンブリの組立方法を示す。
【背景技術】
【0002】
先行技術から、相応の接合相手がプリント基板上の結合要素と熱により、とりわけハンダ付けまたは溶接によって結合される接触機構が知られている。それだけでなく、いわゆる冷間接触技術が知られており、これらの場合、コンタクト間の力結合式および形状結合式の結合が、例えば圧入または挟持によって行われる。熱による接触の場合、組立中に、ハンダ付けすべきまたは溶接すべき要素に接近できなければならず、このために電子機器アセンブリ内に相応の構造スペースが用意されなければならない。冷間接触技術の場合、接合相手の、相応の対向部材に対する比較的正確な位置決めを必要とし、これが組立プロセスを相応に厄介にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明による接触機構は先行技術に対し、クランプコネクタと帰属の接合相手との接触が、これらの要素の簡単な相互差込によって行われるという利点を有し、場合によってはあり得る溶接結合またはハンダ結合のために接近可能である必要はない。それだけでなく、ここで紹介する接触機構は、クランプコネクタと接合相手との相対的な位置決めに関し、作製またはコンセプトに起因する非常に大きな許容範囲を可能にする。ここで紹介する接触機構では、相応に大きなコンタクト面または導体断面が可能であり、これにより、パワーエレクトロニクス機器の分野での使用が問題なく可能である。導電結合を確立するための複雑な工具は必要ない。それだけでなく、プリント基板(回路基板)に直接的にコンタクト部が作られる。それによって非常に省スペースな構造が生じる。これらの利点は、クランプコネクタと接合相手との間を導電結合するための以下の接触機構によって達成される。この接触機構は、開口部を有するプリント基板を含む。このプリント基板の平面内でx軸が、それに垂直にy軸が定義されている。x軸およびy軸に垂直にz軸が延びている。このz軸に平行に接合相手が差し込まれる。接触機構はさらにクランプコネクタを含む。このクランプコネクタは、プリント基板の開口部に配置されている。とりわけ、クランプコネクタはプリント基板と結合されており、かつプリント基板上で接触している。クランプコネクタは、とりわけこの開口部にわたって延びており、かつプリント基板の下面または上面に配置され得る。クランプコネクタの真ん中には、とりわけプリント基板内の開口部と一直線に並んだ穴がある。クランプコネクタ内の穴は、とりわけ通り穴である。プリント基板内の開口部は、例えばポケットまたは通り穴であり得る。クランプコネクタは少なくとも1つの可撓性コンタクト要素を有し、この可撓性コンタクト要素は、接合相手がコンタクト要素への接触とコンタクト要素の変形を同時にしながらクランプコネクタに差し込まれ得るように形成されている。接合相手の差込みの際、接合相手は、プリント基板内の開口部にも突き出る。このとき接合相手が最初にクランプコネクタを通って次に開口部に差し込まれるのか、または最初に開口部を通り抜けてその後にクランプコネクタに入るのかは、基本的にどちらでもよい。差し込まれた接合相手は、クランプコネクタおよびプリント基板に対してy軸に平行に変位可能である。その際、接合相手は、少なくとも1つのコンタクト要素、好適には全ての存在するコンタクト要素に接して摺動する。それに応じてコンタクト要素が、例えば丸い断面をもつピン状の接合相手の場合にはそうであるように接合相手の周りをぐるりと取り囲んではいないことが、とりわけ企図されている。むしろ、接合相手のy軸に平行な変位が可能であり、同時に1つまたは複数のコンタクト要素が接合相手に接して摺動するように、コンタクト要素が配置されており、かつ接合相手が形成されている。これにより、接合相手とクランプコネクタとの相対的な位置決めに関し、y方向で相応に大きな許容範囲が生じる。
【0004】
引用形式請求項は本発明の好ましい変形形態を示している。
好適には、クランプコネクタが、複数の可撓性コンタクト要素を有する。好適には、2~10個の可撓性コンタクト要素が設けられている。特に好適には、接合相手がコンタクトソード(Kontaktschwert)として形成されている。コンタクトソードはとりわけ、接合相手がその断面(x-y平面)において、長さが幅よりはるかに大きい長さおよび幅を有することを特徴とする。長さは、とりわけ幅の少なくとも3倍大きい。コンタクトソードの長さはここではy軸に平行に定義されている。これに対応してコンタクトソードの幅はx軸に平行に広がっている。
【0005】
接合相手が2つの向かい合うコンタクト面を有することが好ましい。とりわけ各コンタクト面はx軸に垂直である。接合相手が、この両方のコンタクト面でのみ接触していることが企図されているのが好ましい。クランプコネクタはこれに対し、とりわけ、少なくとも2つの向かい合う可撓性コンタクト要素を有する。これにより、接合相手の各コンタクト面に、可撓性コンタクト要素の少なくとも1つが当接している。
【0006】
両方の向かい合うコンタクト面に加えて、接合相手は、好適には2つの向かい合う自由面を有する。コンタクト面は、x-y平面では、好適にはコンタクトソードの全長にわたって延びている。これに対応して自由面は、同じ平面では、好適には接合相手の比較的狭い幅にわたって延びている。これらの自由面では、接触が行われないこと、とりわけコンタクト要素のどれも当接していないことが好適には企図されている。これにより、接合相手のy軸に平行な非常に自由な可動性が生じ、同時にコンタクト要素は両方のコンタクト面に接して摺動する。
【0007】
x軸に平行には、接合相手が、好適には少なくとも1つのコンタクト要素を変形させると同時に変位可能である。
接触機構は、接合相手がクランプコネクタに対し、y軸に平行に少なくとも1mm、好適には少なくとも2mm、特に好適には少なくとも3mm変位可能であるように形成されることが好ましい。それに加えてまたはその代わりに、接触機構が、接合相手がクランプコネクタに対し、x軸に平行に少なくとも1mm、好適には少なくとも2mm、特に好適には少なくとも3mm変位可能であるように形成されていることが企図されているのが好ましい。これはとりわけ、プリント基板内の開口部またはクランプコネクタ内の穴を相応に大きく形成することによって達成される。
【0008】
クランプコネクタに対する接合相手のz軸に平行な変位可能性は、この方向で接合相手を相応に大きく形成することによって、および弾性のコンタクト要素がコンタクト面に接して滑り、かつコンタクト面とまったく固定的に結合していないことによって生じる。
【0009】
クランプコネクタは好適には板金によって形作られている。とりわけ打ち抜き板金である。クランプコネクタが一体的な部材であることが特に好ましい。クランプコネクタがプリント基板上に平たく載っていることが特に好ましい。したがってクランプコネクタを形作っている板金は、実質的にx-y平面に広がっている。ただし、コンタクト要素はz軸に平行な方向に予め湾曲していることができる。
【0010】
少なくとも1つのコンタクト要素、好適には全ての使用されるコンタクト要素が切込みを有することが特に好ましい。この切込みにより、コンタクト要素の所望の可撓性またはその弾力が調整され得る。
【0011】
説明したように、クランプコネクタは接合相手が差し込まれる穴を有する。この穴は、好適には、少なくとも1つのコンタクト要素、好適には全ての使用されるコンタクト要素と一体的に作製されているフレームに取り囲まれている。このフレームから、少なくとも1つのコンタクト要素、好適には全ての使用されるコンタクト要素が、x軸に平行に穴内に、つまり穴を横切るように延びている。
【0012】
クランプコネクタは、好適にはSMD部材として、表面実装によってプリント基板上で固定されており、かつそれにより接触している。SMDは、ここではSurface-mounted device、つまり表面実装部品を表す。好適にはクランプコネクタが、その全周に沿って、つまり完全に、したがって閉じたリング状にプリント基板と接触している。この完全な接触により、およびとりわけクランプコネクタの外周の対称的な形成によっても、パワーエレクトロニクス機器内で使用する際または相応の周波数の際に、妨害的影響が回避される。
【0013】
本発明はさらに電子機器アセンブリを含む。この電子機器アセンブリは、ハウジングと、少なくとも1つの電気部品または電子部品とを有する。この部品は、とりわけパワーエレクトロニクス回路の電源部品である。この部品はハウジング内に配置されており、とりわけハウジング内で固定されている。電子機器アセンブリはさらに、説明した接触機構の1つを有する。これに関し、接合相手は部品と導電結合している。とりわけ、接合相手は部品から突き出ている。プリント基板はハウジングに嵌め込まれており、接合相手はクランプコネクタに差し込まれている。もちろん、電子機器アセンブリ内で、複数の接合相手および複数のクランプコネクタを使用することができる。
【0014】
本発明による接触機構の枠内で説明した有利な形態および帰属する引用形式請求項は、本発明による電子機器アセンブリに相応に有利に適用される。
この電子機器アセンブリでは、プリント基板の簡単な嵌め込みによって部品が接触している。ここで紹介している接触機構は、部品に対するプリント基板の位置決めに関して比較的大きな許容範囲を可能にするので、電子機器アセンブリの単純な様式および簡単な組立がもたらされる。
【0015】
それに応じて、電子機器アセンブリ、とりわけ前述の電子機器アセンブリの組立方法も規定されている。この組立方法では、最初にハウジングおよび接触機構の準備が行われる。これはとりわけ前述の接触機構である。次のステップでは、ハウジング内での部材の配置が行われる。これはとりわけ電源部品である。接合相手はこの部品と導電結合しており、またはとりわけ部品から突き出ている。次のステップでは、ハウジングへの説明した接触機構のプリント基板の嵌め込みが、同時に接合相手にクランプコネクタを差し被せながら行われる。その後、プリント基板が好適にはハウジングと結合され、例えばネジ固定される。
【0016】
以下では、添付の図面を参照しながら本発明の一例示的実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一例示的実施形態に基づく本発明による接触機構の概略的な平面図である。
【
図2】例示的実施形態に基づく本発明による接触機構の透視図である。
【
図4】例示的実施形態に基づく本発明による接触機構を備えた本発明による電子機器アセンブリの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、
図1~
図3に基づいて接触機構1を解説し、この接触機構1は、
図4に基づいて電子機器アセンブリ100の構成要素であり得る。
図1~
図3によれば、接触機構1は、クランプコネクタ2と、コンタクトソードとして形成された接合相手3と、プリント基板4とを有する。プリント基板4は、x軸5およびy軸6の平面に広がっている。x軸5およびy軸6に垂直にz軸7が立っている。
【0019】
プリント基板4は、示した例示的実施形態では通り穴として形成されている開口部8を有する。この開口部8にクランプコネクタ2が被さっている。
クランプコネクタ2は、板金から成る一体的な部材として形成されている。クランプコネクタ2はSMD部材として、表面実装によってプリント基板4上で固定されており、かつ接触している。このために、SMD結合部24(
図2を参照)が、クランプコネクタ2の周りに閉じたリング状に形成されている。
【0020】
クランプコネクタ2は、穴10を取り囲むフレーム9を有する。穴10は、プリント基板4の開口部8と一直線に並んでいる。フレーム9から、複数の可撓性コンタクト要素11が、穴10を横切るように、つまり穴10内に延びている。示した例示的実施形態では、一方の側に1つのコンタクト要素11が設けられており、これにもう一方の側で2つのコンタクト要素11が向かい合っている。
【0021】
クランプコネクタ2は、プリント基板4上に平たく載っている。コンタクト要素11は、x軸5に平行に延びており、z軸7に平行な方向に予め湾曲している。コンタクト要素11の弾力を調整するため、コンタクト要素11はそれぞれ切込み12(
図3を参照)を有する。
【0022】
コンタクトソードとして形成された接合相手3は、2つの向かい合うコンタクト面13を有する。コンタクト面13はx軸5に垂直である。これらのコンタクト面13に、コンタクト要素11が摺動するように当接している。
【0023】
接合相手3はさらに、示した例示的実施形態ではy軸6に垂直な2つの向かい合う自由面14を有する。しかしこの自由面14は、
図1での概略図とは違って例えば丸く形成されていてもよい。自由面14にコンタクト要素11は当接していない。これにより、接合相手3のy軸6に平行な自由な可動性が生じ、同時にクランプ要素11は両方のコンタクト面13に接して摺動する。
【0024】
接合相手3がz軸7に平行に動く場合も、コンタクト要素11は両方のコンタクト面13に接して摺動する。接合相手3がx軸5に平行に動く場合は、コンタクト要素11の可能な限り弾性の変形が生じる。
【0025】
図1は、穴10または開口部8の、y軸6に平行な内寸幅20を示している。示した例示的実施形態では穴10が開口部8より少し大きく、したがって開口部8が内寸幅20を定めている。
【0026】
それだけでなく
図1は両方のコンタクト要素11の間隔を示している。接合相手3はx軸5に平行に幅22を有し、幅22はy軸6に平行に定義されたその長さ21よりはるかに小さい。
【0027】
内寸幅20は、接合相手3の長さ21よりはるかに長く形成されており、したがって接合相手3はy軸6に平行に可能な限り大きく変位し得る。とりわけ、内寸幅20は長さ21の少なくとも110%である。
【0028】
長さ21は、間隔23に比べて可能な限り大きく選択されており、したがってy軸6に平行に接合相手3が変位しても、両方のコンタクト要素11が可能な限りコンタクト面13と接触し続ける。とりわけ、長さ21は間隔23の少なくとも110%である。
【0029】
図4は、電子機器アセンブリ100を純粋に概略的な断面で示している。電子機器アセンブリ100はハウジング102を含み、ハウジング102内には部品101、とりわけ電源部品が配置されている。部品101から接合相手3が延びている。とりわけ、接合相手3は部品101と固定的に結合している。説明したプリント基板4の簡単な載置により、接合相手3とクランプコネクタ2との間の接触が生じる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプコネクタ(2)と接合相手(3)との間を導電結合するための接触機構(1)であって、
・ 開口部(8)を有するプリント基板(4)であり、前記プリント基板(4)の平面内でx軸(5)とそれに垂直にy軸(6)とが定義されている、プリント基板(4)と、
・ 接合相手(3)と、
・ および前記開口部(8)に配置され、少なくとも1つの可撓性コンタクト要素(11)を備えたクランプコネクタ(2)であり、前記接合相手(3)が、前記コンタクト要素(11)への接触と前記コンタクト要素(11)の変形とを同時にしながら前記クランプコネクタ(2)を通り抜けて前記開口部(8)に差込み可能である、クランプコネクタ(2)と、
を含み、
・ 前記差し込まれた接合相手(3)が、前記少なくとも1つのコンタクト要素(11)に接して摺動しながらy軸(6)に平行に変位可能である、
接触機構(1)。
【請求項2】
前記接合相手(3)がコンタクトソードとして形成されている、請求項1に記載の接触機構。
【請求項3】
前記差し込まれた接合相手(3)が、2つの向かい合うコンタクト面(13)を有し、かつ前記両方のコンタクト面(13)でのみ接触している、請求項1に記載の接触機構。
【請求項4】
前記差し込まれた接合相手(3)が、前記少なくとも1つのコンタクト要素(11)を変形させると同時にx軸(6)に平行に変位可能である、請求項1に記載の接触機構。
【請求項5】
前記クランプコネクタ(2)が、前記プリント基板(4)上に平たく載っている板金、とりわけ打ち抜き板金を含む、請求項1に記載の接触機構。
【請求項6】
前記少なくとも1つの可撓性コンタクト要素(11)が切込み(12)を有する、請求項1に記載の接触機構。
【請求項7】
前記クランプコネクタ(2)が、前記接合相手(3)を差し込むための穴(10)を取り囲むフレーム(9)を有し、前記フレーム(9)が、前記少なくとも1つのコンタクト要素(11)と一体的である、請求項1に記載の接触機構。
【請求項8】
前記クランプコネクタ(2)が、SMD(Surface-mounted device、つまり表面実装部品)として、表面実装によって前記プリント基板(4)上で固定されており、かつ接触している、請求項1に記載の接触機構。
【請求項9】
ハウジング(102)と、前記ハウジング(102)内に配置されている少なくとも1つの部品(101)と、請求項1に記載の接触機構(1)とを含む電子機器アセンブリ(100)であって、
前記接合相手(3)が前記部品(101)と導電結合しており、とりわけ前記部品(101)から突き出ており、かつ前記プリント基板(4)が前記ハウジング(102)に嵌め込まれており、かつ前記接合相手(3)が前記クランプコネクタ(2)に差し込まれている、
電子機器アセンブリ(100)。
【請求項10】
電子機器アセンブリ(100)、とりわけ請求項9に記載の電子機器アセンブリ(100)の組立方法であって、
・ ハウジング(102)および請求項1に記載の接触機構(1)を準備するステップと、
・ 前記ハウジング(102)内に部品(101)を配置し、このとき前記接触機構(1)の前記接合相手(3)が前記部品(101)と導電結合しており、とりわけ前記部品(101)から突き出ているステップと、
・ 前記ハウジング(102)に前記接触機構(1)の前記プリント基板(4)を嵌め込むと同時に前記接合相手(3)に前記クランプコネクタ(2)を差し被せるステップと、
を含む、組立方法。
【国際調査報告】