(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】一種の電子霧化器
(51)【国際特許分類】
A24F 40/10 20200101AFI20241018BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20241018BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20241018BHJP
【FI】
A24F40/10
A24F40/40
A24F40/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531385
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 CN2022133569
(87)【国際公開番号】W WO2023093732
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】202111420823.6
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522056046
【氏名又は名称】上海▲クン▼緯科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shanghai QV Technologies Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Floor 10-11, No.60, Mudan Road, Pudong New District, Shanghai 201204, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 暁剛
(72)【発明者】
【氏名】彭 暁峰
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AC16
4B162AC22
4B162AC27
(57)【要約】
本発明は電子霧化装置を提供する。電子霧化装置は、外殻と、底蓋と、霧化要素ブラケットと、霧化要素アセンブリと、電極とを含み、前記外殻は、吸引ノズルと、取り付け部とを含み、前記外殻および前記底蓋によって第1キャビティが形成され、前記霧化要素ブラケットおよび前記霧化要素アセンブリが前記第1キャビティ内に位置し、前記電極が前記底蓋に取り付けられており、前記第1キャビティは第1空気通路を含み、前記第1空気通路の上部は前記吸引ノズルと連通し、前記第1空気通路の外壁と前記外殻の内壁との間に貯液構造が形成され、前記霧化要素ブラケットは、凸字状を有し、前記第1空気通路の底部に位置し、前記霧化要素ブラケットの頂部に開口が設けられており、前記開口は前記第1空気通路と連通して気密接続を形成し、前記開口の下方に霧化要素取り付け溝が設けられており、凸字状の前記霧化要素ブラケットの肩部が霧化液流路の入口を形成し、前記霧化要素アセンブリは前記霧化要素取り付け溝内に設けられており、前記霧化要素アセンブリの下部が前記電極の上端と接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子霧化装置であって、外殻と、底蓋と、霧化要素ブラケットと、霧化要素アセンブリと、電極とを含み、
前記外殻は、吸引ノズルと、取り付け部とを含み、
前記外殻および前記底蓋によって第1キャビティが形成され、前記霧化要素ブラケットおよび前記霧化要素アセンブリが前記第1キャビティ内に位置し、前記電極が前記底蓋に取り付けられており、
前記第1キャビティは第1空気通路を含み、前記第1空気通路の上部は前記吸引ノズルと連通し、前記第1空気通路の外壁と前記外殻の内壁との間に貯液構造が形成され、
前記霧化要素ブラケットは、凸字状を有し、前記第1空気通路の底部に位置し、前記霧化要素ブラケットの頂部に開口が設けられており、前記開口は前記第1空気通路と連通して気密接続を形成し、前記開口の下方に霧化要素取り付け溝が設けられており、凸字状の前記霧化要素ブラケットの肩部が霧化液流路の入口を形成し、
前記霧化要素アセンブリは前記霧化要素取り付け溝内に設けられており、前記霧化要素アセンブリの下部が前記電極の上端と接続されている、
電子霧化装置。
【請求項2】
前記吸引ノズルと前記取り付けるとの間に第1封止リングが設けられている、
請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項3】
前記霧化要素アセンブリは、封止スリーブと、整流綿と、加熱要素とを含み、前記加熱要素は、前記整流綿の下方に設けられており、前記整流綿と締まり嵌めし、前記封止スリーブが前記整流綿および前記加熱要素を包み、前記封止スリーブの上部に霧化液入口が設けられており、前記封止スリーブの上部が前記霧化要素ブラケットと密封接触している、
請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項4】
前記整流綿と前記封止スリーブとの間に硬質中間部品が設けられている、
請求項3に記載の電子霧化装置。
【請求項5】
前記霧化要素ブラケットの外壁にバックルが設けられており、前記底蓋の側壁にバックル穴が設けられている、
請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項6】
前記電極はクラウンスプリング端子であり、前記クラウンスプリング端子の内部に第2キャビティが形成され、前記クラウンスプリングは、前記第2キャビティ内に設けられており、内側に突出しており、外側への弾性変形が可能である、
請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項7】
前記クラウンスプリング端子は、前記底蓋の取り付け穴と締まり嵌めを構成するか、または前記底蓋の取り付け穴にねじ込まれている、
請求項6に記載の電子霧化装置。
【請求項8】
前記クラウンスプリング端子の下部は、リベット圧、リベット、またはバックルによって、前記底蓋と接続されている、
請求項6に記載の電子霧化装置。
【請求項9】
前記底蓋は凸状台座を含み、前記凸状台座に凝縮液吸収綿が設けられており、取り付けられた状態において、前記凝縮液吸収綿の上面は、前記霧化要素ブラケットの下面に押されて固定される、
請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項10】
前記底蓋の前記側壁は溝を含み、当該溝内に第2封止リングが設けられている、
請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項11】
前記霧化要素ブラケットは、ブラケット封止構造とブラケットとを含み、前記ブラケットは、下向きに傾斜した霧化液誘導面を含み、前記封止構造が前記ブラケットと接触している箇所に弾性封止ガスケットは設けられている、
請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項12】
前記封止構造の外壁は、円弧状の封止枠を含む、
請求項11に記載の電子霧化装置。
【請求項13】
前記ブラケットの側壁に第2空気通路が設けられており、前記第2空気通路の上方の開口は前記封止ガスケットによって覆われ、前記第2空気通路の下方の開口は開放している、
請求項11に記載の電子霧化装置。
【請求項14】
前記第2空気通路は回字状に設けれている、
請求項13に記載の電子霧化装置。
【請求項15】
前記霧化要素ブラケットの下部と、前記外殻の前記内壁と、前記底蓋との間に、霧化室が形成され、前記霧化室の口径が前記開口の口径よりも大きい、
請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項16】
前記外殻の前記内壁に境界面が設けられており、前記外殻では、前記境界面の上方における内径が前記傾斜面の下方における内径よりも小さい、
請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項17】
前記霧化要素ブラケットの前方および/または後方に傾斜面が設けられており、それによって、前記開口と前記霧化室との間にエアロゾル流路が形成され、前記エアロゾル流路の下端が大きく前記エアロゾル流路の上端が小さい、
請求項15に記載の電子霧化装置。
【請求項18】
前記底蓋に吸気口が設けられている、
請求項1に記載の電子霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的には霧化装置(アトマイザ)に関し、特には、霧化モジュール、および、霧化モジュールを含む電子霧化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明で言う霧化とは、液体を、人が口や鼻から吸入できるように、エアロゾルに霧化することを指す。霧化は、電子タバコや、医療製品、娯楽製品などに広く使用されているが、従来の霧化装置には、一般的に以下の問題がある。
- 貯液室の液体流下通路が長すぎてかつ狭くて、霧化液の供給不足の問題が生じやすい。
- 霧化装置は、長期間使用すると酸化したり液体凝縮物に覆われたりしやすいバッテリーロッド(battery rod)に接触するため、電気接触が悪くなる。また、霧化装置は不安定で揺れやすい。
- 空気通路が合理的に設計されていないため、ユーザエクスペリエンスに影響する。霧化装置とバッテリーロッドは、閉じた空気通路を形成しない。霧化されたエアロゾルが外部の空気と交換されると、霧化装置とバッテリーロッドの間の隙間に異音が生じやすい。
- 霧化室が大きすぎて、前後の空気通路と一致しない。その結果、使用時にエアロゾルを霧化室から効果的に出せず、過剰な凝縮水が生じる。
- オイルカップと霧化アセンブリとの間では締まり嵌めによって封止され、かつそこでガイド溝がないため、オイルカップを霧化アセンブリと組み立てにくい。
【発明の概要】
【0003】
上述した従来技術の欠点を考慮して、本発明は電子霧化装置を提供する。電子霧化装置は、外殻と、底蓋と、霧化要素ブラケットと、霧化要素アセンブリと、電極とを含み、外殻は、吸引ノズルと、取り付け部とを含み、外殻および底蓋によって第1中空キャビティが形成され、霧化要素ブラケットおよび霧化要素アセンブリが第1キャビティ内に位置し、電極が底蓋に取り付けられており、第1キャビティは第1空気通路を含み、第1空気通路の上部は吸引ノズルと連通し、第1空気通路の外壁と外殻の内壁との間に貯液構造が形成され、霧化要素ブラケットは、凸字状を有し、第1空気通路の底部に位置し、霧化要素ブラケットの頂部に開口が設けられており、開口は第1空気通路と連通して気密接続を形成し、開口の下方に霧化要素取り付け溝が設けられており、霧化要素ブラケットの肩部が霧化液流路の入口を形成し、霧化要素アセンブリは霧化要素取り付け溝内に設けられており、霧化要素アセンブリの下部が電極の上端と接続されている。
【0004】
好ましくは、電子霧化装置において、吸引ノズルと取り付けるとの間に第1封止リングが設けられている。
【0005】
好ましくは、電子霧化装置において、霧化要素アセンブリは、封止スリーブと、整流綿(flow stabilizing cotton)と、加熱要素とを含み、加熱要素は、整流綿の下方に設けられており、整流綿と締まり嵌めし、封止スリーブが整流綿および加熱要素を包み、封止スリーブの上部に霧化液入口が設けられており、封止スリーブの上部が霧化要素ブラケットと密封接触している。
【0006】
好ましくは、電子霧化装置において、整流綿と封止スリーブとの間に硬質中間部品が設けられている。
【0007】
好ましくは、電子霧化装置において、霧化要素ブラケットの外壁にバックルが設けられており、底蓋の側壁にバックル穴が設けられている。
【0008】
好ましくは、電子霧化装置において、電極はクラウンスプリング端子であり、クラウンスプリング端子の内部に第2キャビティが形成され、クラウンスプリングは、第2キャビティ内に設けられており、内側に突出しており、外側への弾性変形が可能である。
【0009】
好ましくは、電子霧化装置において、クラウンスプリング端子は、底蓋の取り付け穴と締まり嵌めを構成するか、または底蓋の取り付け穴にねじ込まれている。
【0010】
好ましくは、電子霧化装置において、クラウンスプリング端子の下部は、リベット圧、リベット、またはバックルによって、底蓋と接続されている。
【0011】
好ましくは、電子霧化装置において、底蓋は凸状台座を含み、凸状台座に凝縮液吸収綿が設けられており、取り付けられた状態において、凝縮液吸収綿の上面は、霧化要素ブラケットの下面に押されて固定される。
【0012】
好ましくは、電子霧化装置において、底蓋の側壁は溝を含み、当該溝内に第2封止リングが設けられている。
【0013】
好ましくは、電子霧化装置において、霧化要素ブラケットは、ブラケット封止構造とブラケットとを含み、ブラケットは、下向きに傾斜した霧化液誘導面を含み、封止構造がブラケットと接触している箇所に弾性封止ガスケットは設けられている。
【0014】
好ましくは、電子霧化装置において、封止構造の外壁は、円弧状の封止枠を含む。
【0015】
好ましくは、電子霧化装置において、ブラケットの側壁に第2空気通路が設けられており、第2空気通路の上方の開口は封止ガスケットによって覆われ、第2空気通路の下方の開口は開放している。
【0016】
好ましくは、電子霧化装置において、第2空気通路は回字状に設けられている。
【0017】
好ましくは、電子霧化装置において、霧化要素ブラケットの下部と、外殻の内壁と、底蓋との間に、霧化室が形成され、霧化室の口径が開口の口径よりも大きい。
【0018】
好ましくは、電子霧化装置において、外殻の内壁に傾斜面が設けられており、外殻では、傾斜面の上方における内径が傾斜面の下方における内径よりも小さい。
【0019】
好ましくは、電子霧化装置において、底蓋に吸気口が設けられている。
【0020】
本発明の電子霧化装置は、霧化液流路がより短くてより広く、特に好ましい実施形態における霧化要素ブラケットの設計によって、霧化液が整流綿に到達しやすくなり、貯液室内の空気を適時に補充できるため、液体供給不足の問題を回避することができる。霧化液流路に設けられた封止および凝縮液吸収綿の設計によって、霧化液の漏れを回避することができ、また、空気通路の合理的な設計によって、霧化液と空気との混合および交換がより効率的になり、使用効果を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2a】
図1の実施例において、組み立てられた状態でA-A線に沿った断面図
【
図2b】
図1の実施例において、組み立てられた状態でB-B線に沿った断面図
【
図3】霧化要素アセンブリの好ましい実施例の分解図
【
図5】霧化要素ブラケットの好ましい実施例の分解図
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施については、以下の具体的な実施形態によって説明され、当業者は、本明細書に開示された詳細から、本発明の他の利点および効果を容易に理解することができる。本発明は、他の異なる方法で実施または適用することもでき、本明細書の詳細は、本発明の精神から逸脱することなく、異なる見解および応用に基づいてさまざまな方法で修正可能または変更可能である。
【0023】
添付の図面を参照されたい。注意すべきことに、この実施形態で提供される図面は、本発明の基本的な概念を説明するだけのものであるため、図面は、本発明に関連する部品を示すものに過ぎず、実際に実施される部品の数、サイズ、および形状を示すものではない。実際に実施される部品の種類、数、および割合はランダムに変更可能であり、部品の配置のパターンもより複雑になり得る。特定されていない限り、本明細書で使用される「上」、「下」、「左」、「右」という用語はすべて、添付の図面を見る人の視点から見るものである。
【0024】
本発明の霧化装置は、貯液室、霧化要素、およびその他の主要な部品を含み、バッテリーロッドと組み立てられた後、完全な霧化装置を形成するために使用される。バッテリーロッドは、一般的には霧化装置以外の霧化装置の部品を指し、その機能の一つは、霧化装置と組み合わされた後、霧化装置に電力を供給することである。バッテリーロッドは本発明の新しいところではないため、ここではバッテリーロッドの構造は説明しない。
【0025】
まず、本発明の一実施例の分解図である
図1を参照されたい。霧化装置1は、外殻11と底蓋12とを含む。外殻11は2つの部分から構成される。上部は吸引ノズル111であり、下部は組立部112である。吸引ノズル111は、ユーザが口や鼻、または他の種類の吸引器で直接的に吸引するためのエアロゾルの出口である。組立部112は、バッテリーロッド(図示せず)に接続するために使用される。
【0026】
この実施例では、霧化装置1は、バッテリーロッドに差し込まれるために、組立部112の外径は、上部と下部との接合部よりもやや小さい。好ましくは、封止リング113は、外殻11の上部と下部の接合部に設けられており、霧化装置1とバッテリーロッドとの間に気密封止を形成して空気漏れを防止する。そのため、外部の空気が霧化液と十分に混合でき、隙間の漏れによる、異音や気圧スイッチの低感度などの問題も回避され、霧化装置とバッテリーロッドの接続が安定し、組み立て後の霧化装置の揺れが回避される。外殻11と底蓋12は、霧化要素、貯液室、空気通路などを包み込む内部キャビティを画定する。各部品の図示については、以下の
図2aおよび
図2bを参照する。
【0027】
図2aは、
図1の実施例において、組み立てられた状態でA-Aに沿った縦断面図である。キャビティ内には空気通路13があり、空気通路の上部が吸引ノズルと接続され、空気通路13の外壁と外殻11との間に、霧化液を貯留するための貯液室14が形成される。霧化要素ブラケット3は空気通路13の下方に設けられており、凸字状のような凸形状を有し、その頂部に開口部31がある。開口部31は空気通路13と連通して気密接続を形成する。例えば、ブラケット3の上部にはシリカゲルパッド(silica gel pad)が設けられており、シリカゲルパッドは、空気通路13の下部と接触して気密接続を形成する。霧化要素取り付け溝は、霧化要素アセンブリ4を収容するためにブラケット3の下方に設けられている。凸形状のブラケット3の肩部は、霧化液流路の入口32を形成して霧化要素アセンブリ4に接続されるため、貯液室14内の霧化液が霧化要素アセンブリ4に直接的に到達することができる。霧化液は、PG(プロピレングリコール、propylene glycol)とVG(植物性グリセリン、vegetable glycerin)を主成分としているため、粘着性が高い。凸形状の霧化要素ブラケット3によれば、霧化液流路の入口を広げ、霧化液流路を短くし、霧化液の通過能力を向上させることができ、従来の平面的な設計と比べて、液体供給不足の問題を軽減することができる。
【0028】
好ましくは、外殻11の内壁は、上端が小さくて下端が大きい構造に設定され、境界面114の上方の外殻の内径は、境界面114の下方の内径よりも小さい。このような設計によって、霧化要素ブラケット3と底蓋12との組み立てにおいてガイドの役割を果たし、組み立てを容易にし、封止構造を設けて封止を形成するのにより役立つ。
図3は、本発明の霧化要素アセンブリ4の実施構造を示しており、霧化要素アセンブリ4は、封止スリーブ41、整流綿43、および加熱ユニット44を含む。加熱ユニット44は、整流綿43の下方に設けられており、整流綿43と接触し、綿と締まり嵌めし、整流綿43内の霧化液を加熱して液体を霧化する。封止ユニット41は、シリカゲルで製造可能であり、整流綿43および加熱ユニット44を覆い、上部が霧化要素ブラケットを封止し、霧化液の入口411を有する。封止ユニット41によって、霧化液は霧化液の入口411を介してのみ下方の整流綿43に到達できる。好ましくは、上方の封止スリーブ41および下方の整流綿43が平坦で変形しないことが確保するために、整流綿43と封止スリーブ41との間に硬質中間部品(rigid middleware)42が設けられている。
【0029】
電極5は、霧化素子アセンブリ4の下方に設けられており、底蓋12上に取り付けられている。これらの構造および組み立て関係の詳細については、
図4を参照する。
図4は、底蓋12、電極5および関連部品の分解図である。
【0030】
霧化素子ブラケットをより安定させるために、底蓋12の側壁の上にバックル穴123を設けてもよく、バックル穴123は、取り付け時に霧化素子ブラケット3のバックル穴3b2(
図6を参照)とマッチする。電極5はクラウンスプリング端子を採用し、クラウンスプリング端子がその内部にキャビティ51を含み、キャビティ51内にはクラウンスプリング52がある。クラウンスプリング52は内側に突出し、外側への弾性変形が可能である。クラウンスプリング端子を含む電極5は、バッテリーロッド内の電極と嵌合したときに、接触点と比べて、接触面積が大きくて緊密に接触するため、電極の接触不良を回避し、信頼性を向上することができる。端子5と底蓋12の取付穴125とは、端子5の下部との締まり嵌めを形成し、リベット圧によって底蓋12と接続する。取付後、端子5の下部は底蓋12の下面と面一になる。
【0031】
底蓋12は、凝縮液吸収綿6を設けるための凸型台126を含む。取付後、凝縮液吸収綿6の上面は、霧化要素ブラケット3の下面で押されて固定される。凝縮液吸収綿6は、凝縮したエアロゾルおよび水蒸気を吸収するために使用される。底蓋12の側壁には、封止リング121を取り付けるための溝122が設けられ、封止リング121は、組立部112の内面と締まり嵌めを形成して封止を形成し、霧化液および凝縮液が漏れないことを確保する。底蓋12の下方に吸気口127が設けられている。吸引によって吸引ノズルで負圧が発生すると、外の空気は、霧化装置内に入り、霧化後に発生したエアロゾルと混合され、空気通路13および吸引ノズルを通って霧化装置から排出される。吸気口127を底蓋12の下方に設けることによって、霧化装置をよりコンパクトにして空気通路をより合理的にすることができる。この効果を追求しない実施形態では、吸気口を外殻上に設けてもよい。
【0032】
霧化液の減少に伴って、適時に貯液室に空気を補充する必要があり、さもないと貯液室の負圧が過剰となって流体供給にも影響が出る可能性がある。本発明のより好ましい実施形態において、霧化要素ブラケット3は、
図5~
図7に示すように、2つの部分に分割されており、上部のブラケット封止構造3aと、下部のブラケット3bとを含む。ブラケット封止構造3aおよびブラケット3bの具体的な構造については、
図6~
図7を参照されたい。
【0033】
図6は霧化要素ブラケット3の断面図であり、
図7は霧化要素ブラケット3の立体図である。ブラケット封止構造3aは封止枠3a1を含み、封止枠3a1は、封止構造3aの表面に突出する円弧状の断面を有し、組み立て後に、設置部112の内壁と締まり嵌めされて設置部112の内壁とともに封止を形成し、霧化液の漏れを防止する。封止構造3aにおいてブラケット3bと接触する部分に、封止を形成するように、シリカゲルまたはゴムの弾性封止ガスケット3a2が設けられている。当該部分には、下向きに傾斜して延びる液体誘導面3b1があり、液体誘導面3b1によって、霧化液流路が拡大され、十分な液体供給が保証される。
【0034】
ブラケット3bの凸字状設計によって、下方の霧化室3b3の口径が、頂部の開口部31の口径、すなわち空気通路13の口径よりも大きくなる。ブラケット3bの前方および/または後方に傾斜面が設けられており、開口部31と霧化室3b3との間にエアロゾル流路3b5が形成される。また、エアロゾル流路3b5の下端が大きく、上端が小さい。吸引中、空気通路13内の流れが加速し、ベンチュリ効果によって空気通路の口がより大きな負圧を受けるため、より多くのエアロゾルが空気通路13に入ることができ、液体の凝縮が減少する。吸引中のエアロゾル流路は、
図2bにおける矢印Aで示される。空気流路は、
図2bにおける矢印Bで示される。
【0035】
さらに好ましくは、ブラケット3bの側壁に空気通路3b4が設けられている。空気通路3b4の上方の開口3b7は、封止ガスケット3a2によって覆われ、下方の開口3b6は、貯液室内の霧化液が少なくなったときに空気を貯液室内に適時に補充することができるように、開放している。さらに好ましくは、空気通路3b4は、回字状のような戻り形状または迷路形状を有するように設けられ、回字状の構造によって、空気通路3b4を長くするとともに空気通路の口径を狭くすることができ、開口3b5から微量の霧化液が空気通路に漏れたとしても、霧化液の粘性によって空気通路から流出することができず、霧化液の漏れを回避する。
【0036】
要約すると、本発明の霧化装置は、貯液室から霧化要素アセンブリに入る霧化液体のための、より短くてより広い流路を有し、特に好ましい実施形態における霧化要素ブラケットの設計によって、霧化液体が整流綿に到達しやすくなり、貯液室内の空気が適時に補充できるため、液体供給不足の問題を回避することができる。霧化液体流路に設けられた封止および凝縮水吸収綿の設計によって、霧化液体の漏れを回避することができる。同時に、空気流路の合理的な設計によって、霧化されたエアロゾルを空気と十分に混合し、使用時の効果を向上させることができる。
【0037】
上述した実施形態は、本発明の原理と効果を例示するものであり、本発明を限定するものではない。当業者は、本発明の精神と範囲を損なうことなく、上記実施形態を修正または変更することができる。例えば、上記実施形態では、霧化液を注入するための液体注入口115(
図2を参照)が外殻上に設けられているが、これは特許の制限を構成するものではない。本発明の原理は、密閉式霧化装置および使い捨て式霧化装置、または本発明の実施形態と異なる位置に設けられたオイル充填口にも適用可能であり、この変更は本分野での従来の選択であり、創造的な作業を必要としない。本発明の霧化装置は、バッテリーロッドに差し込まれるが、この接続は必須ではなく、ねじやスナップなどのさまざまな従来の接続方法も採用可能である。吸引ノズルと取り付け部とのサイズ比率も変更可能であり、これらの変更は本発明の技術的効果に影響を与えない。クラウンスプリング端子5と底蓋12との間のリベット接続も、ねじ接続に置き換え可能である。この実施形態では、吸引ノズルを介して霧化装置と外部との間で吸引により空気が交換される。いくつかの応用において、空気取り入れ口に空気を注入するか、または、吸引ノズルから空気を排出することによっても空気交換ができ、これらは本発明の原理と均等とみなされる。したがって、本発明が属する技術分野の常識を有する者によって、本発明によって明らかにされた精神および技術的思想を損なうことなく行われたすべての均等の修正または変更は、依然として本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【国際調査報告】