(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】一体型デジタルPCR装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/11 20060101AFI20241018BHJP
C12Q 1/686 20180101ALI20241018BHJP
【FI】
C12N15/11 Z
C12Q1/686 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547817
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 CN2022130873
(87)【国際公開番号】W WO2023088146
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】202111381197.4
(32)【優先日】2021-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524157589
【氏名又は名称】新▲い▼制造科技(北京)有限公司
【氏名又は名称原語表記】TARGETINGONE TECHNOLOGY (BEIJING) CORPORATION
【住所又は居所原語表記】YANG, Wenjun Building 8, No. 1, Chaoqian Road., Science And Technology Park Zone, Changping District Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】蘇 世聖
(72)【発明者】
【氏名】劉 金偉
(72)【発明者】
【氏名】徐 波
(72)【発明者】
【氏名】韓 応敏
(72)【発明者】
【氏名】周 海余
(72)【発明者】
【氏名】杜 暁純
(72)【発明者】
【氏名】劉 暁彬
(72)【発明者】
【氏名】楊 文軍
(72)【発明者】
【氏名】王 勇斗
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR32
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS32
4B063QX02
(57)【要約】
本発明は、一体型デジタルPCR装置及びその制御方法を提供する。一体型デジタルPCR装置は、チップローディングモジュールと、液滴生成モジュールと、温度サイクルモジュールと、蛍光検出モジュールと、チップ廃棄モジュールと、スケジューリング機構とを含む。液滴生成モジュールは、微小液滴生成過程中に試料添加チャンバー内の試料から微小液滴を生成してから反応チャンバー内に移送して貯蔵することができる。温度サイクルモジュールは、反応チャンバー内の微小液滴の増幅を実現する。蛍光検出モジュールは、微小液滴検出過程中に、反応チャンバー内の微小液滴を蛍光検出領域に移送してから試料添加チャンバーに移送し、且つこの過程に微小液滴の蛍光検出を完了することができる。スケジューリング機構は、主制御モジュールの制御により、チップローディングモジュール、液滴生成モジュール、温度サイクルモジュール、蛍光検出モジュール、及びチップ廃棄モジュールの間に一体型微小液滴チップを移送するために使用され、且つ温度サイクルモジュール内の一体型微小液滴チップを上下に180°反転した後に蛍光検出モジュール内に移送することができる。本発明は、自動化及び統合の程度が高く、検出分析作業の効率を向上させ、人件費を削減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型デジタルPCR装置であって、チップローディングモジュール(200)と、液滴生成モジュール(300)と、温度サイクルモジュール(400)と、蛍光検出モジュール(500)と、チップ廃棄モジュール(600)と、スケジューリング機構(700)とを含み、
前記チップローディングモジュール(200)は、試料が添加された一体型微小液滴チップ(100)を置くために使用され、前記一体型微小液滴チップ(100)はチップ本体(1)を含み、前記チップ本体(1)には、試料添加チャンバー(12)、反応チャンバー(11)、及び蛍光検出領域(33)が構成され、
前記液滴生成モジュール(300)は、前記一体型微小液滴チップ(100)に油気を供給するために使用され、微小液滴生成過程中に前記試料添加チャンバー(12)内の試料から微小液滴(4)を生成してから反応チャンバー(11)内に移送して貯蔵することができ、
前記温度サイクルモジュール(400)は、前記反応チャンバー(11)内の微小液滴(4)を増幅するために、前記反応チャンバー(11)内の微小液滴(4)に対する加熱冷却サイクルを形成するために使用され、
前記蛍光検出モジュール(500)は、微小液滴検出過程中に前記反応チャンバー(11)内の微小液滴(4)を前記蛍光検出領域(33)に移送してから前記試料添加チャンバー(12)に移送し、前記蛍光検出領域(33)に位置する微小液滴(4)に対する蛍光検出を実行することができ、
前記チップ廃棄モジュール(600)は、検出後の前記一体型微小液滴チップ(100)を貯蔵するために使用され、
前記スケジューリング機構(700)は、主制御モジュール(800)の制御により、前記チップローディングモジュール(200)、液滴生成モジュール(300)、温度サイクルモジュール(400)、蛍光検出モジュール(500)、チップ廃棄モジュール(600)の間に前記一体型微小液滴チップ(100)を移送するために使用され、前記温度サイクルモジュール(400)内の一体型微小液滴チップ(100)を上下に180°反転した後に前記蛍光検出モジュール(500)内に移送することができる、ことを特徴とする一体型デジタルPCR装置。
【請求項2】
前記一体型微小液滴チップ(100)はチップ本体(1)を含み、前記チップ本体(1)内には、微小液滴生成構造、油液ポート(31)、及び気液ポート(32)が構成され、前記気液ポート(32)は前記反応チャンバー(11)と連通し、前記試料添加チャンバー(12)は前記微小液滴生成構造と連通し、前記油液ポート(31)は前記微小液滴生成構造と連通し、
前記一体型微小液滴チップ(100)が前記液滴生成モジュール(300)内に位置する場合、前記液滴生成モジュール(300)は、前記試料添加チャンバー(12)と前記気液ポート(32)との間に第1圧力差を形成し、前記油液ポート(31)と前記気液ポート(32)との間に第2圧力差を形成することができ、前記第1圧力差と前記第2圧力差は、前記試料添加チャンバー(12)内の試料と前記油液ポート(31)の生成油をそれぞれ駆動して、前記微小液滴生成構造に進入させ、生成した微小液滴(4)は前記反応チャンバー(11)内に進入し、貯蔵され、
前記一体型微小液滴チップ(100)が前記蛍光検出モジュール(500)内に位置する場合、前記液滴生成モジュール(300)は、検出押し油(5)を駆動して前記気液ポート(32)から前記反応チャンバー(11)に進入させて、前記反応チャンバー(11)内の微小液滴(4)を前記反応チャンバー(11)から前記微小液滴生成構造に流出させることができ、前記液滴生成モジュール(300)は、また、検出分離油を駆動して前記油液ポート(31)から前記微小液滴生成構造に進入させることもでき、前記検出分離油は、前記反応チャンバー(11)から前記微小液滴生成構造内に流出した微小液滴(4)を分離して列を形成し、前記蛍光検出領域(33)に進入させる、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型デジタルPCR装置。
【請求項3】
前記微小液滴生成構造は、油液管路(21)と連通管路を含み、前記油液管路(21)と前記連通管路は十字形に交差し、前記連通管路は、十字交差点の第1側に位置し前記反応チャンバー(11)と連通する第1管路(22)と、前記十字交差点の第2側に位置し前記試料添加チャンバー(12)と連通する第2管路(23)とを含み、前記油液ポート(31)は油液管路(21)と連通する、ことを特徴とする請求項2に記載の一体型デジタルPCR装置。
【請求項4】
前記チップ本体(1)の第1側面が水平方位に位置することを参照として、前記反応チャンバー(11)と前記試料添加チャンバー(12)は前記第1側面に位置し、前記反応チャンバー(11)と前記チップ本体(1)の前記第1側面との接続ポート(111)は上向きに延び、且つ下部が小さく上部が大きいラッパ口を形成する、ことを特徴とする請求項3に記載の一体型デジタルPCR装置。
【請求項5】
前記反応チャンバー(11)内には、下から上へ延びる気液管路(112)が構成され、前記気液管路(112)の下部口は前記気液ポート(32)と連通し、前記気液管路(112)の上部口は、前記接続ポート(111)の上部口よりも高い、ことを特徴とする請求項4に記載の一体型デジタルPCR装置。
【請求項6】
前記第1管路(22)と前記接続ポート(111)との間には微小液滴観測領域(34)がある、ことを特徴とする請求項5に記載の一体型デジタルPCR装置。
【請求項7】
前記蛍光検出領域(33)は、前記第2管路(23)に位置する、ことを特徴とする請求項3に記載の一体型デジタルPCR装置。
【請求項8】
前記試料添加チャンバー(12)は、開口チャンバー(121)と、前記開口チャンバー(121)の開口に密封接続された密封カバー(122)とを含み、且つ/又は、前記試料添加チャンバー(12)には濾過膜又は排気孔が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型デジタルPCR装置。
【請求項9】
前記微小液滴(4)が前記反応チャンバー(11)内に進入する前に、前記反応チャンバー(11)内に軽油が予め配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の一体型デジタルPCR装置。
【請求項10】
一体型デジタルPCR装置の制御方法であって、チップローディングステップと、液滴生成ステップと、温度サイクルステップと、蛍光検出ステップと、チップ廃棄ステップとを含み、
前記チップローディングステップでは、一体型微小液滴チップ(100)をチップローディングモジュール(200)内に置き、
前記液滴生成ステップでは、前記チップローディングモジュール(200)内の一体型微小液滴チップ(100)を液滴生成モジュール(300)内に移送し、前記一体型微小液滴チップ(100)の試料添加チャンバー(12)内の試料を制御して微小液滴(4)を生成してから反応チャンバー(11)内に貯蔵し、
前記温度サイクルステップでは、前記一体型微小液滴チップ(100)を上下に180°反転した後、前記一体型微小液滴チップ(100)の底部に位置する反応チャンバー(11)内の微小液滴内の微小液滴(4)に対する加熱冷却サイクルを形成し、
前記蛍光検出ステップでは、前記反応チャンバー(11)内の微小液滴の増幅が完了した後、前記反応チャンバー(11)内の微小液滴を制御して蛍光検出領域(33)に進入させ、蛍光検出を完了し、
前記チップ廃棄ステップでは、蛍光検出が完了した後の一体化微小液滴チップをチップ廃棄モジュール内に移送する、ことを特徴とする一体型デジタルPCR装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルPCR分析装置の技術分野に属し、具体的には、一体型デジタルPCR装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルPCRは、最新の定量技術で、単一分子PCR方法に基づいて計数する核酸定量であり、絶対定量の方法である。それは、主に現在の分析化学の人気の研究分野におけるマイクロフルイディクス又は微小滴化方法を採用して、大量の希釈後の核酸溶液をバイオチップの微小反応器又は微小滴に分散させる。各反応器の核酸テンプレートの数は1つ以下である。このようにしてPCRサイクルを経た後、核酸分子テンプレートが1つある反応器は蛍光信号を発し、テンプレートのない反応器は蛍光信号を発しない。相対比と反応器の体積から、元の溶液の核酸濃度を推定することができる。従来のデジタルPCR分析装置は、機能が単一であり、1回の増幅と検出作業を完了するために複数の装置を手動で操作する必要がある。社会の発展に伴い、医療産業や科学研究分野では、PCR分析のハイスループット、自動化、高速化、統合化に対するより高い要求が求められている。
【発明の概要】
【0003】
従って、本発明が解決しようとする技術的問題は、従来技術におけるデジタルPCR装置の機能が単一であり、1回の増幅と検出作業を完了するために複数の装置を手動で操作する必要があり、検出効率が低いという欠点を克服するために、一体型デジタルPCR装置及びその制御方法を提供することである。
【0004】
上記の問題を解決するために、本発明は一体型デジタルPCR装置を提供する。この一体型デジタルPCR装置は、チップローディングモジュールと、液滴生成モジュールと、温度サイクルモジュールと、蛍光検出モジュールと、チップ廃棄モジュールと、スケジューリング機構とを含む。前記チップローディングモジュールは、試料が添加された一体型微小液滴チップを置くために使用される。前記一体型微小液滴チップはチップ本体を含み、前記チップ本体には、試料添加チャンバー、反応チャンバー、及び蛍光検出領域が構成される。前記液滴生成モジュールは、前記一体型微小液滴チップに油気を供給するために使用され、微小液滴生成過程中に前記試料添加チャンバー内の試料から微小液滴を生成してから反応チャンバー内に移送して貯蔵することができる。前記温度サイクルモジュールは、前記反応チャンバー内の微小液滴を増幅するために、前記反応チャンバー内の微小液滴に対する加熱冷却サイクルを形成するために使用される。前記蛍光検出モジュールは、微小液滴検出過程中に前記反応チャンバー内の微小液滴を前記蛍光検出領域に移送してから前記試料添加チャンバーに移送し、前記蛍光検出領域に位置する微小液滴に対する蛍光検出を実行することができる。前記チップ廃棄モジュールは、検出後の前記一体型微小液滴チップを貯蔵するために使用される。前記スケジューリング機構は、主制御モジュールの制御により、前記チップローディングモジュール、液滴生成モジュール、温度サイクルモジュール、蛍光検出モジュール、及びチップ廃棄モジュールの間に一体型微小液滴チップを移送するために使用され、且つ前記温度サイクルモジュール内の一体型微小液滴チップを上下に180°反転した後に前記蛍光検出モジュール内に移送することができる。
【0005】
幾つかの実施形態では、前記一体型微小液滴チップはチップ本体を含み、前記チップ本体内には、微小液滴生成構造、油液ポート、及び気液ポートが構成される。前記気液ポートは前記反応チャンバーと連通し、前記試料添加チャンバーは前記微小液滴生成構造と連通し、前記油液ポートは前記微小液滴生成構造と連通する。前記一体型微小液滴チップが前記液滴生成モジュール内に位置する場合、前記液滴生成モジュールは、前記試料添加チャンバーと前記気液ポートとの間に第1圧力差を形成し、前記油液ポートと前記気液ポートとの間に第2圧力差を形成することができる。前記第1圧力差と前記第2圧力差は、前記試料添加チャンバー内の試料と前記油液ポートの生成油をそれぞれ駆動して、前記微小液滴生成構造に進入させる。生成した微小液滴は前記反応チャンバー内に進入し、貯蔵される。前記一体型微小液滴チップが前記蛍光検出モジュール内に位置する場合、前記蛍光検出モジュールは、検出押し油を駆動して前記気液ポートから前記反応チャンバーに進入させて、前記反応チャンバー内の微小液滴を前記反応チャンバーから前記微小液滴生成構造に流出させることができる。前記液滴生成モジュールは、また、検出分離油を駆動して前記油液ポートから前記微小液滴生成構造に進入させることもできる。前記検出分離油は、前記反応チャンバーから前記微小液滴生成構造内に流出した微小液滴を分離して列を形成し、前記蛍光検出領域に進入させる。
【0006】
幾つかの実施形態では、前記微小液滴生成構造は、油液管路と連通管路を含み、前記油液管路と前記連通管路は十字形に交差する。前記連通管路は、十字交差点の第1側に位置し前記反応チャンバーと連通する第1管路と、前記十字交差点の第2側に位置し前記試料添加チャンバーと連通する第2管路とを含む。前記油液ポートは油液管路と連通する。
【0007】
幾つかの実施形態では、前記チップ本体の第1側面が水平方位に位置することを参照として、前記反応チャンバーと前記試料添加チャンバーは前記第1側面に位置し、前記反応チャンバーと前記チップ本体の前記第1側面との接続ポートは上向きに延び、且つ下部が小さく上部が大きいラッパ口を形成する。
【0008】
幾つかの実施形態では、前記反応チャンバー内には、下から上へ延びる気液管路が構成され、前記気液管路の下部口は前記気液ポートと連通し、前記気液管路の上部口は前記接続ポートの上部口よりも高い。
【0009】
幾つかの実施形態では、前記第1管路と前記接続ポートとの間には微小液滴観測領域がある。
【0010】
幾つかの実施形態では、前記蛍光検出領域は前記第2管路に位置する。
【0011】
幾つかの実施形態では、前記試料添加チャンバーは、開口チャンバーと、前記開口チャンバーの開口に密封接続された密封カバーとを含む。且つ/又は、前記試料添加チャンバーには、濾過膜又は排気孔が設けられる。
【0012】
幾つかの実施形態では、前記微小液滴が前記反応チャンバー内に進入する前に、前記反応チャンバー内に軽油が予め配置される。
【0013】
本発明は一体型デジタルPCR装置の制御方法をさらに提供する。この方法は、チップローディングステップと、液滴生成ステップと、温度サイクルステップと、蛍光検出ステップと、チップ廃棄ステップとを含む。
前記チップローディングステップでは、一体型微小液滴チップをチップローディングモジュール内に置く。
前記液滴生成ステップでは、前記チップローディングモジュール内の一体型微小液滴チップを液滴生成モジュール内に移送し、前記一体型微小液滴チップの試料添加チャンバー内の試料を制御して、微小液滴を生成してから反応チャンバー内に貯蔵する。
前記温度サイクルステップでは、前記一体型微小液滴チップを上下に180°反転した後、前記一体型微小液滴チップの底部に位置する反応チャンバー内の微小液滴内の微小液滴に対する加熱冷却サイクルを形成する。
前記蛍光検出ステップでは、前記反応チャンバー内の微小液滴の増幅が完了した後、前記反応チャンバー内の微小液滴を制御して蛍光検出領域に進入させ、蛍光検出を完了する。
前記チップ廃棄ステップでは、蛍光検出が完了した後の一体化微小液滴チップをチップ廃棄モジュール内に移送する。
【0014】
本発明によって提供される一体型デジタルPCR装置及びその制御方法では、前記主制御モジュールの制御により、前記スケジューリング機構は前記一体型微小液滴チップを各機能モジュール間で協調動作させることができ、チップローディング、液滴生成、PCR増幅、蛍光検出と分析からチップ廃棄までの全プロセス統合操作が実現され、自動化及び統合の程度が高く、検出分析作業の効率を向上させて、人件費を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例に係る一体型デジタルPCR装置の構造構成模式図である。
【
図2】
図1の一体型微小液滴チップの立体構造模式図である。
【
図3】
図2の微小液滴生成構造の構造模式図である。
【
図5】生成された後に反応チャンバー内に貯蔵される微小液滴の模式図である。
【
図6】
図1の一体型微小液滴チップを上下に180°反転した後の反応チャンバー内の状態の模式図である。
【
図7】
図6の状態で反応チャンバー内に油液を導入した後の状態の模式図である(図中の矢印は微小液滴及び油液の流れ方向を示す)。
【
図8】微小液滴が反応チャンバーから押し出された後の状態の模式図である。
【
図9】
図1の蛍光検出モジュールの動作光路原理の模式図である。
【
図10】本発明の実施例に係るデジタルPCR装置の検出結果である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1~
図10を参照すると、本発明の実施例によれば、一体型デジタルPCR装置が提供される。一体型デジタルPCR装置は、チップローディングモジュール200と、液滴生成モジュール300と、温度サイクルモジュール400と、蛍光検出モジュール500と、チップ廃棄モジュール600と、スケジューリング機構700とを含む。前記チップローディングモジュール200は、試料が添加された一体型微小液滴チップ100を置くために使用される。前記一体型微小液滴チップ100はチップ本体1を含み、前記チップ本体1には、試料添加チャンバー12、反応チャンバー11、及び蛍光検出領域33が構成される。前記液滴生成モジュール300は、前記一体型微小液滴チップ100に油気(即ち、油液又は圧力気体)を供給するために使用され、微小液滴生成過程中に前記試料添加チャンバー12内の試料から微小液滴4を生成してから反応チャンバー11内に移送して貯蔵することができる。前記温度サイクルモジュール400は、前記反応チャンバー11内の微小液滴4を増幅するために、前記反応チャンバー11内の微小液滴4に対する加熱冷却サイクルを形成するために使用される。前記蛍光検出モジュール500は、微小液滴検出過程中に前記反応チャンバー11内の微小液滴4を前記蛍光検出領域33に移送してから前記試料添加チャンバー12に移送し、前記蛍光検出領域33に位置する微小液滴4に対する蛍光検出を実行することができる。前記チップ廃棄モジュール600は、検出後の前記一体型微小液滴チップ100を貯蔵するために使用される。前記スケジューリング機構700は、主制御モジュール800の制御により、前記チップローディングモジュール200、液滴生成モジュール300、温度サイクルモジュール400、蛍光検出モジュール500、チップ廃棄モジュール600の間に前記一体型微小液滴チップ100を移送するために使用され、前記温度サイクルモジュール400内の一体型微小液滴チップ100を上下に180°反転した後に前記蛍光検出モジュール500内に移送することができる。この技術的解決策では、前記主制御モジュール800の制御により、前記スケジューリング機構700は前記一体型微小液滴チップ100を各機能モジュール間で協調動作させることができ、チップローディング、液滴生成、PCR増幅、蛍光検出と分析からチップ廃棄までの全プロセス統合操作が実現され、自動化及び統合の程度が高く、検出分析作業の効率を向上させて、人件費を削減することができる。さらに重要なことは、前記一体型微小液滴チップ100を上下に180°反転させるように本発明のスケジューリング機構700を構成することができるので、前記液滴生成、PCR増幅及び蛍光検出分析の操作プロセスを同一のチップ即ち前記一体型微小液滴チップ100に統合することができ、統合度及び自動化の程度をさらに向上させることができる。
【0017】
幾つかの実施形態では、前記一体型微小液滴チップ100はチップ本体1を含み、前記チップ本体1内には、微小液滴生成構造、油液ポート31、及び気液ポート32が構成される。前記気液ポート32は前記反応チャンバー11と連通し、前記試料添加チャンバー12は前記微小液滴生成構造と連通し、前記油液ポート31は前記微小液滴生成構造と連通する。前記一体型微小液滴チップ100が前記液滴生成モジュール300内に位置する場合、前記液滴生成モジュール300は、前記試料添加チャンバー12と前記気液ポート32との間に第1圧力差を形成し(即ち、前記液滴生成モジュール300が有する気路は、前記試料添加チャンバー12及び前記気液ポート32と連通する)、前記油液ポート31と前記気液ポート32との間に第2圧力差を形成する(即ち、前記液滴生成モジュール300が有する液路は、前記油液ポート31及び前記気液ポート32と連通する)ことができる。前記第1圧力差と前記第2圧力差は、それぞれ、前記試料添加チャンバー12内の試料と前記油液ポート31の生成油を駆動して前記微小液滴生成構造に進入させ、生成した微小液滴4は前記反応チャンバー11内に進入し、貯蔵される。前記一体型微小液滴チップ100が前記蛍光検出モジュール500内に位置する場合、前記液滴生成モジュール300は、検出押し油5を駆動して前記気液ポート32から前記反応チャンバー11に進入させて、前記反応チャンバー11内の微小液滴4を前記反応チャンバー11から前記微小液滴生成構造に流出させることができる。また、前記液滴生成モジュール300は、検出分離油を駆動して前記油液ポート31から前記微小液滴生成構造に進入させることもできる。前記検出分離油は、反応チャンバー11から前記微小液滴生成構造内に流出した前記微小液滴4を分離して列を形成し、前記蛍光検出領域33に進入させる。前記微小液滴生成構造に対する時分割多重化(前記一体型微小液滴チップ100の反転前後を時分割境界とする)により、液滴の生成、増幅及び検出がすべて1枚のチップに統合されて、完全に統合され完全に密閉されたデジタルPCRプロセスが実現される。液滴サイズが均一で、液滴数が制限されにくく、蛍光検出信号対ノイズ比が高いなどの利点を継承するだけでなく、チップ構造が複雑で、生成と検出が異なるチップで完了し、統合度が低く、自動化が難しいなどの元の困難も克服する。これは、デジタルPCR分野における重要な技術的進歩である。
【0018】
前記微小液滴生成構造の1つの具体的な実現形式として、前記微小液滴生成構造は、油液管路21と連通管路を含み、前記油液管路21と前記連通管路は十字形に交差し、前記連通管路は、十字交差点の第1側に位置し前記反応チャンバー11と連通する第1管路22と、前記十字交差点の第2側に位置し前記試料添加チャンバー12と連通する第2管路23とを含み、前記油液ポート31は油液管路21と連通する。
【0019】
幾つかの実施形態では、
図2に示すように、前記チップ本体1の第1側面が水平方位に位置することを参照として、前記反応チャンバー11と前記試料添加チャンバー12は前記第1側面に位置し、前記反応チャンバー11と前記チップ本体1の前記第1側面との接続ポート111は上向きに延び、且つ下部が小さく上部が大きいラッパ口を形成する。ラッパ口状の接続ポート111は、微小液滴4が第1管路22から前記反応チャンバー11に進入することを容易にすることができ、前記微小液滴4が前記反応チャンバー11から前記第1管路22に進入して、微小液滴4の滞留が防止されることを容易にすることもできる。なお、このときの前記反応チャンバー11と試料添加チャンバー12はいずれも前記チップ本体1の第1側面(具体的には頂面)に位置し、前記反応チャンバー11内に進入した微小液滴4はすべて前記接続ポート111に集められ、PCR増幅時に、前記チップ本体1全体を逆さにして即ち180°反転させて、微小液滴4を前記反応チャンバー11の反応領域に位置させる必要がある。
【0020】
幾つかの実施形態では、前記反応チャンバー11内には、下から上へ延びる気液管路112がさらに構成され、前記気液管路112の下部口は前記気液ポート32と連通し、前記気液管路112の上部口は前記接続ポート111の上部口よりも高い。これにより、前記反応チャンバー11内が負圧である場合、前記微小液滴生成構造によって生成された微小液滴4は、前記反応チャンバー11に進入した後にさらに前記気液管路112から流出することを防止することができる。
【0021】
幾つかの実施形態では、前記第1管路22と前記接続ポート111との間には微小液滴観測領域34がある。前記微小液滴観測領域34の流通面積は、前記第1管路22の流通面積よりもはるかに大きい。即ち、前記微小液滴観測領域34は、前記第1管路22上の拡大領域(幅広)であり、この領域に進入する微小液滴4の流速を低下させ、外部カメラによる画像化を容易にし、液滴の形態を記録し、液滴生成プロセスの状態が正常であるか否かを判断することができる。
【0022】
一実施形態では、前記蛍光検出領域33は前記第2管路23に位置し、前記第2管路23において、前記反応チャンバー11内から流出した微小液滴4は、十字交差点を通過するときに、前記油液管路21内の検出油の作用下で、適切な間隔を持った液滴列に分離することができ、それにより外部システムの作用下で蛍光検出が完了する。
【0023】
具体的な実施形態として、前記試料添加チャンバー12は、開口チャンバー121と、前記開口チャンバー121の開口に密封接続された密封カバー122とを含み、オペレータが前記試料添加チャンバー12に追加するのを容易にする。さらに、前記試料添加チャンバー12には濾過膜又は排気孔が設けられる。試料添加チャンバー12が廃液溜まりとなった場合(即ち、液滴チップが逆さまに反転された場合)、一定の空気が排出されて、前記試料添加チャンバー12内の圧力の蓄積が防止される。
【0024】
幾つかの実施形態では、前記微小液滴4が前記反応チャンバー11内に進入する前に、前記反応チャンバー11内に軽油(即ち、密度が比較的小さい油液)が予め配置され、前記軽油が常に前記反応チャンバー11内の微小液滴4の頂部に位置することが保証され、それによって増幅時の微小液滴の蒸発の問題が解決され、無熱蓋PCRが実現される。
【0025】
本発明の実施例によれば、一体型デジタルPCR装置の制御方法がさらに提供される。この方法は、チップローディングステップと、液滴生成ステップと、温度サイクルステップと、蛍光検出ステップと、チップ廃棄ステップとを含む。
前記チップローディングステップでは、一体型微小液滴100をチップローディングモジュール200内に置く。
前記液滴生成ステップでは、前記チップローディングモジュール200内の一体型微小液滴チップ100を液滴生成モジュール300内に移送し、前記一体型微小液滴チップ100の試料添加チャンバー12内の試料を制御して、微小液滴4を生成してから反応チャンバー11内に貯蔵する。
前記温度サイクルステップでは、前記一体型微小液滴チップ100を上下に180°反転した後、前記一体型微小液滴チップ100の底部に位置する反応チャンバー11内の微小液滴内の微小液滴4に対する加熱冷却サイクルを形成する。
前記蛍光検出ステップでは、前記反応チャンバー11内の微小液滴の増幅が完了した後、前記反応チャンバー11内の微小液滴を制御して蛍光検出領域33に進入させ、蛍光検出を完了する。
前記チップ廃棄ステップでは、蛍光検出が完了した後の一体化微小液滴チップをチップ廃棄モジュール内に移送する。
【0026】
本発明の一体型デジタルPCR装置の動作原理について、具体的な実施例を参照して以下にさらに説明する。
【0027】
第1ステップでは、まず、30マイクロリットルのシステム(即ち、試料)を試料添加チャンバー12に加え、30マイクロリットルのPCRシステムは、10マイクロリットルのBio-Rad社のddPCR Supermix for Probes、5マイクロリットルのGJB2遺伝子上流と下流プライマー試薬、及び1ngのゲノムDNAを含有する5マイクロリットルのテンプレートを含む。一体型微小液滴チップ100全体は
図2に示される。1枚のチップは、8つの平行し独立した液滴チップ構造を含み、それぞれの構造は、試料添加チャンバー12、油液ポート31、気液ポート32、微小液滴生成構造、反応チャンバー11を含む。次に、密封カバー122を密閉又は接着して、試料添加チャンバー12を密封する。試料添加チャンバー12には、濾過膜又は小径の排気孔を有することが好ましい。
【0028】
第2ステップでは、試料が添加された前記一体型微小液滴チップを、一体型デジタルPCR装置における前記チップローディングモジュール200に手動で置き、その後、ドアを閉じ、装置のプロセスを開始する。
【0029】
第3ステップでは、前記スケジューリング機構700が一体型微小液滴チップ100の状態をスキャンして確認した後、スケジューリング機構700は、前記チップローディングモジュール200から一体型微小液滴チップ100を掴み取って、液滴生成モジュール300内に移送する。
【0030】
第4ステップでは、
図3及び
図4に示すように、前記液滴生成モジュール300において微小液滴を調整する。まず、液滴生成に必要な生成油Bio-Rad Generation Oilを油液ポート31に供給する。生成油液には、液滴を安定化できる界面活性剤が含まれている。気液ポート32に負圧を供給する。圧力の大きさは- 200 mBarである。その結果、それと試料添加チャンバー12及び油液ポート31との間に圧力差が形成される。試料添加チャンバー12は、微小液滴生成構造内の第2管路23に接続され、油液ポート31は、微小液滴生成構造内の油液管路21に接続され、第1管路22及び気液ポート32はいずれも反応チャンバー11に接続され、ここで、第1管路22は接続ポート111に接続され、気液ポート32は気液管路112に接続される。微小液滴生成構造の各部分は
図2に示される。油液管路21は2つの分岐を有する。2つの分岐は、それぞれ第2管路23と第1管路22の両側に位置し、いずれも油液ポート31に接続される。圧力差の駆動により、反応系は第2管路23に進入し、生成油は油液管路21に進入し、十字構造で合流し、流体せん断力と表面張力の作用により、サイズが均一な油中水型微小液滴を形成する。十字での管路は、深さが約70マイクロメートル、幅が80マイクロメートル、液滴のサイズが約100マイクロメートルである。微小液滴は第1管路22に進入し、且つ微小液滴観測領域34に進入した後に流速が遅くなり、密な液滴コミュニティを形成し、カメラによる画像化及び記録が容易になる。液滴生成プロセスの原理図は
図4に示される。生成した液滴は、第1管路22を流れた後、反応チャンバー11の接続ポート111に達する。接続ポート111の底部にはスロープ構造(即ち、前述のラッパ口)があり、スロープの底部は第1管路22と連通する。液滴生成プロセスが終了するとき、チップポートに加えられた圧力差が除去される。このとき、
図5に示すように、液滴は依然として気液管路112の下方に位置しているはずである。
【0031】
第5ステップでは、微小液滴の調製が完了した後、前記スケジューリング機構700は、チップを前記液滴生成モジュール300から取り出し、
図6に示すように、チップを上下に反転して、液滴を接続ポート111から反応領域に(即ち、前記接続ポート111から遠ざけて)移送する。
【0032】
第6ステップでは、前記スケジューリング機構700は、反転されたチップを前記温度サイクルモジュール400に置く。反応領域の構造は、例えば奥行きが深く、厚みが薄いフラットな設計など、熱伝達効率が高い設計を採用する必要がある。温度サイクルモジュール400が左右両側から反応領域を加熱及び冷却するこれにより、温度伝導距離が短いだけでなく、接触面積が広いことが保証されて、効率的な熱伝達が実現される。本実施例では、温度サイクルプロセスは、95℃で10分間の予変性、次いで40回の温度サイクルを行い、各サイクルは、95℃で5秒間、60℃で15秒間、最後に4℃で保温する。蒸発を低減するために、反応チャンバー11内に30マイクロリットルの低密度揮発防止剤(例えば、前記の軽油)を事前に置くことができる。
【0033】
第7ステップでは、増幅反応が完了した後、スケジューリング機構700は、チップを温度サイクルモジュール400から前記蛍光検出モジュール500内に移送して、微小液滴蛍光検出を実行する。蛍光検出モジュール500は、気液ポート32に検出油を注入し、反応チャンバー11を連続的に満たす。
図7に示すように、この過程において、液滴の液面は上昇を続け、そして接続ポート111のスロープによりガイドされて、第1管路22に進入する。液滴が第1管路22内の観測領域を通過するとき、増幅反応後の液滴の状態を評価するために、カメラを利用して液滴の明視野イメージングを実行することもできる。同時に、蛍光検出モジュール500は、油液ポート31に検出油を注入する。検出油は、油液管路21を経由して、十字管路で液滴列と合流し、緊密に配列された液滴を、適切な間隔を持った液滴列に分離する。液滴列は、
図8に示すように、第2管路23に位置する蛍光検出領域33を順に通過する。
【0034】
蛍光検出領域33に対応する位置は、蛍光検出モジュール500の蛍光検出焦点である。蛍光検出過程は
図9に示される。蛍光検出モジュール500の励起光源91は、例えば波長488nm及び532nmのレーザーやLED狭帯域光などの励起光92を、分光光路94を介して蛍光検出領域33に集束させる。液滴が蛍光検出領域33を順に通過する過程において、液滴内で励起された蛍光93も、分光光路94によって受光され、蛍光検出ユニット95に分配されて収集され、
図10に示すように、各液滴の蛍光情報が取得される。液滴の蛍光情報を用いて信号閾値を定め、液滴の陰性と陽性を区別し、ポアソン分布モデルを用いて、試料中の目標分子のコピー数を計算する。最終的に蛍光検出が完了した液滴は試料添加チャンバー12に進入する。試料添加チャンバー12は密封カバー122によって密封されたため、チップ外部の環境と接触することがなく、アエロゾール汚染の可能性が排除され、完全に密閉されたデジタルPCRプロセスが実現される。
【0035】
第8ステップでは、すべての試料の検出が完了した後、スケジューリング機構700は、チップを蛍光検出モジュール500から取り出し、チップ廃棄モジュール600内に移送して、デジタルPCR検出プロセス全体を完了する。
【0036】
当業者であれば、矛盾がない限り、上述の有利な方式を自由に組み合わせたり、重ね合わせたりできることを容易に理解することができる。
【0037】
上述は本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明はこれに限定されるものでなく、本発明の精神及び原則内に属する限り、行われる全ての修正、同等の置き換え、改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。以上は本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明の技術原理から逸脱することなく、幾つかの改良及び修飾を行うことができ、これらの改良及び変形も発明の保護範囲に含まれることは、当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0038】
1、チップ本体;11、反応チャンバー;111、接続ポート;112、気液管路;12、試料添加チャンバー;121、開口チャンバー;122、密封カバー;21、油液管路;22、第1管路;23、第2管路;31、油液ポート;32、気液ポート;33、蛍光検出領域;34、微小液滴観測領域;4、微小液滴;5、検出押し油;91、励起光源;92、励起光;93、蛍光;94、分光光路;95、蛍光検出ユニット;100、一体型微小液滴チップ;200、チップローディングモジュール;300、液滴生成モジュール;400、温度サイクルモジュール;500、蛍光検出モジュール;600、チップ廃棄モジュール;700、スケジューリング機構;800、主制御モジュール。
【国際調査報告】