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特表2024-539501関節トルク及び係合解除感知を備えた過負荷クラッチ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】関節トルク及び係合解除感知を備えた過負荷クラッチ
(51)【国際特許分類】
   G01L 3/10 20060101AFI20241018BHJP
   F16D 7/02 20060101ALI20241018BHJP
   F16D 43/20 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G01L3/10 315
F16D7/02 A
F16D43/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547819
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2022076544
(87)【国際公開番号】W WO2023066602
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】21203799.8
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524152562
【氏名又は名称】ウニベルシテイト・ヘント
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITEIT GENT
【住所又は居所原語表記】Sint-Pietersnieuwstraat 25,9000 Gent,BELGIUM
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】オステイン、フレデリク・レオポルド・アー
【テーマコード(参考)】
3J068
【Fターム(参考)】
3J068AA07
3J068BB02
3J068BB05
3J068EE06
3J068EE16
(57)【要約】
入力フランジと、出力フランジと、を備える過負荷クラッチであって、上記クラッチは、入力フランジと出力フランジとの間でトルクを伝達し、トルクが所定の閾値を超えると、クラッチを係合解除するように構成されており、クラッチが、入力フランジ及び出力フランジの少なくとも一方に少なくとも部分的に一体化された1つ以上の感知手段を備えることと、1つ以上の感知手段が、クラッチの入力フランジと出力フランジとの間で伝達されるべき加えられたトルクを共同で決定し、クラッチの係合解除を検出するように適合されていることと、を特徴とするクラッチ。クラッチと、入力フランジに接続されたギアユニットと、ギアユニットに接続され、ギアユニットを通じて入力フランジにトルクを与えるように構成されたモータと、を備える装置。
【選択図】図7C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力フランジ(101、102;201、202)と、出力フランジ(103、104;203、204)と、を備える過負荷クラッチであって、前記クラッチは、前記入力フランジ(101、102;201、202)と前記出力フランジ(103、104;203、204)との間でトルクを伝達し、前記トルクが所定の閾値を超えると、前記クラッチを係合解除するように構成されており、
前記クラッチは、前記入力フランジ及び前記出力フランジの少なくとも一方に少なくとも部分的に一体化された1つ以上の感知手段を備え、
前記1つ以上の感知手段は、両方のフランジ間で伝達される前記トルクを共同で決定し、前記クラッチの前記係合解除を検出するように適合されており、
前記少なくとも一方のフランジが、前記少なくとも一方のフランジの角度方向に変形可能な変形可能構造(105;106;205;206)を介して互いに接続された第1の剛体(101;201;104;204)及び第2の剛体(102;202;103;203)を備えることと、前記変形可能構造(105;106;205;206)は、少なくとも1つのねじりばね定数によって規定されており、
前記1つ以上の感知手段が、
前記第1の剛体及び前記第2の剛体の一方に接続され且つそこから電気的に絶縁された電極を有するセンサ構造(108a~108d;208a~208d)と、ここで、前記センサ構造(108a~108d;208a~208d)は、前記電極と前記第1の剛体及び前記第2の剛体の前記一方に対する他方との間の第1の静電容量を測定するように構成されており、前記電極と前記少なくとも一方のフランジの他方との間の第2の静電容量を測定するように構成されており、
前記測定された第1の静電容量に基づいて、外部トルクを決定するように構成され、前記測定された第2の静電容量に基づいて、前記クラッチの係合解除を検出するように構成された電子回路と、
を備えることと、を特徴とするクラッチ。
【請求項2】
前記電極は、第1の面と、第2の面と、を備え、前記第1の面は、前記第1の剛体及び前記第2の剛体の前記一方に対する前記他方の突出部分に面した主表面を有し、前記第2の面は、前記少なくとも一方のフランジの前記他方に面した主表面を有する、請求項1に記載のクラッチ。
【請求項3】
前記電極は、ベース表面と、傾斜表面と、を備え、前記ベース表面は、前記第1の剛体及び前記第2の剛体の前記一方に対する前記他方の突出部分に面しており、前記傾斜表面は、前記少なくとも一方のフランジの前記角度方向に延在している、請求項1に記載のクラッチ。
【請求項4】
前記1つ以上の感知手段における第1のセンサ構造(108a、108d)が、前記第1の剛体(101;104)に接続され、そこから電気的に絶縁されており、
前記第1のセンサ構造(108a、108d)は、前記第1のセンサ構造(108a、108d)における前記電極と、前記少なくとも一方のフランジにおける前記第2の剛体(102;103)との間の前記第1の静電容量を測定し、前記電極と前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体(102;103)との間の前記第2の静電容量を測定するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項5】
前記1つ以上の感知手段における第2のセンサ構造(208a、208d)が、前記第2の剛体(202;203)に接続され、そこから電気的に絶縁されており、
前記第2のセンサ構造(208a、208d)は、前記第2のセンサ構造(208a、208d)における前記電極と、前記少なくとも一方のフランジにおける前記第1の剛体(201;204)との間の前記第1の静電容量を測定し、前記電極と前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体(202;203)との間の前記第2の静電容量を測定するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項6】
前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体は、ばね板(107;207)と、前記ばね板(107;207)が前記第2の剛体(103;203)に対して軸方向に移動し、両方のフランジをそれぞれ係合又は係合解除することを可能にする複数のばね(109;209)と、を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項7】
前記ばね板(107;207)は、伝達要素(111;211)を備え、
前記入力フランジにおける前記第2の剛体(102;202)は、前記伝達要素(111;211)を収容するように構成された溝を含む、請求項6に記載のクラッチ。
【請求項8】
前記1つ以上の感知手段における第3のセンサ構造(108b、108c)が、前記第1の剛体(101;104)に接続され、そこから電気的に絶縁されており、
前記第3のセンサ構造(108b、108c)は、前記第3のセンサ構造(108b、108c)における前記電極と、前記少なくとも一方のフランジにおける前記第2の剛体(102;103)との間の前記第1の静電容量を測定し、前記電極と、前記ばね板(107)及び/又は前記伝達要素(111)の少なくとも1つとの間の前記第2の静電容量を測定するように構成されている、請求項6又は7に記載のクラッチ。
【請求項9】
前記1つ以上の感知手段における第4のセンサ構造(208b、208c)が、前記第2の剛体(202;203)に接続され、そこから電気的に絶縁されており、
前記第4のセンサ構造(208b、208c)は、前記第4のセンサ構造(208b、208c)における前記電極と、前記少なくとも一方のフランジにおける前記第1の剛体(201;204)との間の前記第1の静電容量を測定し、前記電極と、前記ばね板(207)及び/又は前記伝達要素(211)の少なくとも1つとの間の前記第2の静電容量を測定するように構成されている、請求項6~8のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項10】
前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体(102;103;202;203)は、前記電極の表面に面した変形(114;115;214;215)を備える表面を有し、
前記電子回路は、前記電極の前記表面と、前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体の前記表面との間の距離の変化による、前記測定された第2の静電容量の変化に基づいて、前記クラッチの係合解除を検出するように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項11】
前記少なくとも一方のフランジは、角度方向に配置された複数の突出部分(535;635;735)を備え、
前記1つ以上の感知手段は、電極をそれぞれ有する複数のセンサ構造(108a~108d;208a~208d)を備え、前記複数のセンサ構造(108a~108d;208a~208d)は、角度方向に配置されており、前記電極と前記複数の突出部分(535;635;735)との間の前記第1の静電容量を測定するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項12】
前記変形可能構造(105;106;205;206)は、複数のスポークを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項13】
前記クラッチは、カムクラッチ、摩擦クラッチ、又は複合摩擦カムクラッチである、請求項1~12のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のクラッチを備える装置であって、前記装置は、
前記入力フランジに接続されたギアユニットと、
前記ギアユニットに接続され、前記ギアユニットを通じて前記入力フランジにトルクを与えるように構成されたモータと、
を備える装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、過負荷クラッチ及び当該クラッチを備える装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]関節トルクセンサ(JTS)は、典型的に、産業用ロボット又はそのアーム等の装置に対する外部負荷を測定するために使用される。JTSの2つの主なタイプが、以下に説明される。
【0003】
[0003]第1のタイプのJTSは、抵抗測定に基づく反応型であり、ここで、歪みゲージが、例えばロボットアームの負荷がかかったベース構造の変形によって引き起こされる抵抗変化を測定する。この変形は、典型的に、外部負荷によって引き起こされ、ベース構造の構造モデルに基づいて決定される。反応型JTSは、高精度の抵抗測定を提供するが、組み立て及び設置に高いコストがかかる。歪みゲージは、多くの場合、精密且つ手動での組み立てを必要とし、歪みゲージの正確な設置は、最善の測定結果を得るためには極めて重要である。産業用ロボット工学では、トルク感知は、例えば、プログラミングの代わりに、ロボットを手で所望の位置に動かすだけで、デモンストレーションによる直感的な教示を可能にする。しかしながら、低速でロボットを教示している間にのみ使用され、ロボットがそのプログラムを高速で実行している間には使用されないのであれば、抵抗型JTSの過剰なコストは、正当化できない。従って、抵抗型JTSセンサは、低速で動く協働ロボットとは対照的に、高速ロボットにはめったに含まれない。
【0004】
[0004]第2のタイプのJTSは、変形構造と非変形基準構造との間の容量測定に基づく容量型である。抵抗型JTSと比較して、容量型は、より低いコストで製造され得、より容易に設置され得るが、より精度が低い。
【0005】
[0005]抵抗型及び容量型JTSの両方において、例えば、ロボットアームの、ベース構造が必要とされる。ベース構造は、アクチュエータに追加される必要があり、体積、複雑さ及び重量の増大をもたらす。更に、高速産業用ロボットの場合、Ostynらの論文(Overload Clutch Design for Collision Tolerant High-Speed Industrial Robots, IEEE Robotics and Automation Letters, Vol. 6,No. 2, pages 863-870, April 2021)によって記載されている複合摩擦カムクラッチ(CFCC:Combined Friction Cam Clutch)等の過負荷クラッチが存在し、追加のベース構造は、組み立て及び設置のより一層の複雑さをもたらすことになる。
【0006】
[0006]Kimらは、彼らの論文(Safe joint module for safe robot arm based on passive and active compliance method, Mechatronics, Vol. 22, pages 1023-1030, 2012)において、衝突検出のために過負荷クラッチの上にJTSを積み重ねることによる安全関節モジュールを論じている。しかしながら、この安全関節モジュールは、体積の増大をもたらすとともに、組み立て及び設置の複雑さも増大させる。
【0007】
[0007]Choiらは、彼らの論文(A Safe Robot Arm with Safe Joints and Gravity Compensator, International Journal of Control, Automation, and Systems, Vol. 11, No. 2, pages 362-368, 2013)において、力を測定するために、過負荷クラッチに関節トルク感知能力を追加することを論じている。しかしながら、圧力センサの限られた容量により、力をスケールダウンする必要があり、それによって、追加の構造が必要となり、システムの体積、複雑さ及び重量を増大させる。
【0008】
[0008]ロボットアームの安全な使用のための過負荷クラッチ設計を提供する努力にもかかわらず、クラッチ全体(JTSを含む)の体積を増大させず、且つクラッチ全体の設置又は組み立ての複雑さを増大させない、一体化されたJTSを備えた過負荷クラッチの必要性が依然として存在する。
【0009】
[0009]本発明は、上記に列挙した問題に対処することを目的とする。
【発明の概要】
【0010】
[0010]第1の態様によれば、本発明は、入力フランジと、出力フランジと、を備える過負荷クラッチを提供し、上記クラッチは、入力フランジと出力フランジとの間でトルクを伝達し、トルクが所定の閾値を超えると、クラッチを係合解除するように構成されており、クラッチが、入力フランジ及び出力フランジの少なくとも一方に少なくとも部分的に一体化された1つ以上の感知手段を備えることと、1つ以上の感知手段が、クラッチの入力フランジと出力フランジとの間で伝達されるトルク(例えば、外部から加えられたトルク)を共同で決定し、クラッチの係合解除を検出するように適合されていることと、を特徴とする。
【0011】
[0011]1つ以上の感知手段(例えば、1つ以上のJTS)を過負荷クラッチ(例えば、CFCC)に一体化することによって、能動的及び受動的なコンプライアント挙動が単一の装置において実現され得る。更に、クラッチの入力フランジ及び出力フランジの少なくとも一方がベース構造として使用され得るので、追加のベース構造が不要となり得る。従って、本発明の過負荷クラッチは、一体化された感知手段を有する過負荷クラッチの低減された体積を提供する。更に、本発明の過負荷クラッチは、感知手段を備えた過負荷クラッチの低減された複雑さを提供する。
【0012】
[0012]第2の態様によれば、本発明は、過負荷クラッチと、入力フランジに接続されたギアユニットと、ギアユニットに接続され、ギアユニットを通じて入力フランジにトルクを与えるように構成されたモータと、を備える装置を提供する。
【0013】
[0013]本開示の他の態様、利点、及び顕著な特徴は、添付の図面と併せて、本開示の様々な実施形態を開示する以下の詳細な説明から当業者には明らかになるであろう。
【0014】
[0014]更に、好ましい実施形態及びそれらの利点は、説明及び従属請求項において提供される。
【0015】
[0015]本発明は、添付の図面を参照して、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】[0016]図1は、本発明による過負荷クラッチの例となる実施形態の分解斜視図を概略的に例示する。
図2図2は、本発明による過負荷クラッチの例となる実施形態の分解斜視図を概略的に例示する。
図3図3は、本発明による過負荷クラッチの例となる実施形態の分解斜視図を概略的に例示する。
図4図4は、本発明による過負荷クラッチの例となる実施形態の分解斜視図を概略的に例示する。
図5A】[0017]図5Aは、本発明によるクラッチの例となる実施形態の上面図を概略的に例示する。
図5B】[0018]図5Bは、本発明による入力フランジの例となる実施形態の底面図を概略的に例示する。
図5C】[0019]図5Cは、本発明によるクラッチの例となる実施形態の切欠斜視図を概略的に例示する。
図6A】[0020]図6Aは、本発明によるクラッチの例となる実施形態の上面図を概略的に例示する。
図6B】[0021]図6Bは、本発明による出力フランジの例となる実施形態の底面図を概略的に例示する。
図6C】[0022]図6Cは、本発明によるクラッチの例となる実施形態の斜視図を概略的に例示する。
図7A】[0023]図7Aは、本発明によるクラッチの例となる実施形態の上面図を概略的に例示する。
図7B】[0024]図7Bは、本発明による入力フランジの例となる実施形態の底面図を概略的に例示する。
図7C】[0025]図7Cは、本発明によるクラッチの例となる実施形態の切欠斜視図を概略的に例示する。
図7D】[0026]図7Dは、本発明によるクラッチの例となる実施形態の切欠斜視図を概略的に例示する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0027]本開示は、特定の実施形態に関して、及びある特定の図面を参照して説明されるが、本開示はそれらに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。説明される図面は、概略的なものにすぎず、非限定的である。図面において、一部の要素のサイズは誇張されており、例示を目的として縮尺通りに描かれていない場合がある。寸法及び相対寸法は、本開示の現実の実施化に必ずしも対応しない。
【0018】
[0028]更に、本明細書及び特許請求の範囲における第1の、第2の、第3の等の用語は、同様の要素を区別するために使用され、必ずしも順次的又は時系列的な順序を説明するためのものではない。これらの用語は、適切な状況下で交換可能であり、本開示の実施形態は、本明細書に説明又は例示されている以外の順序で動作し得る。
【0019】
[0029]更に、本明細書及び特許請求の範囲における上部、底部、上、下等の用語は、説明を目的として使用されており、必ずしも相対位置を説明するためのものではない。このように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書に説明される本発明の実施形態は、本明細書に説明又は例示されている以外の向きで動作し得る。
【0020】
[0030]更に、様々な実施形態は、「好ましい」と言及されているが、本開示の範囲を限定するものとしてではなく、本開示が実装され得る例示的な方法として解釈されるべきである。
【0021】
[0031]特許請求の範囲で使用される「備える(comprising)」という用語は、その後に列挙される要素又はステップに限定されるものとして解釈されるべきではなく、他の要素又はステップを排除するものではない。それは、言及される記載の特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を指定するものとして解釈される必要があるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ又は構成要素、或いはそのグループの存在又は追加を除外しない。従って、「A及びBを備える装置」という表現の範囲は、構成要素A及びBのみから成る装置に限定されるべきではなく、本開示に関して言えば、装置の列挙されている構成要素がA及びBのみであって、更に、請求項は、それらの構成要素の同等物を含むと解釈されるべきである。
【0022】
[0032]本開示の異なる態様が、同封の図面を参照して以下により完全に説明される。しかしながら、本明細書に開示される実施形態は、多くの異なる形態で実現され得、本明細書に記載の態様に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0023】
[0033]「過負荷クラッチ」という用語は、トルク制限クラッチとして、例えば、多くのトルクスパイク及び過負荷問題に対する抑止として解釈され得る。
【0024】
[0034]クラッチを「係合する」及び「係合解除する」という用語は、それぞれ、出力フランジを入力フランジに接続すること、及び、出力フランジを入力フランジから接続解除すること、として解釈されるべきである。クラッチの係合状態では、トルクは、入力フランジから出力フランジに伝達され得る。クラッチは、使用中、伝達されたトルクがクラッチ閾値トルクを超えると、係合状態から係合解除状態に移動されるように構成されている。
【0025】
[0035]本発明による過負荷クラッチの以下の実施形態は、図1図4を参照して説明される。
【0026】
[0036]クラッチが1つの感知手段を備える場合、上記感知手段は、外部トルクを共同で決定し、クラッチの係合解除を検出するように適合されている。クラッチが複数の感知手段を備える場合、上記複数の感知手段の各々は、外部トルクを共同で決定し、クラッチの係合解除を検出するように適合されている。
【0027】
[0037]実施形態では、上記少なくとも一方のフランジは、例えば、外部トルクに応答して、上記少なくとも一方のフランジの角度方向に変形可能な変形可能構造(105;205;305;405;106;206;306;406)を介して互いに接続された第1の剛体(101;201;301;401;104;204;304;404)及び第2の剛体(102;202;302;402;103;203;303;403)を備え、変形可能構造(105;205;305;405;106;206;306;406)は、少なくとも1つのねじりばね定数によって規定されている。図1図4では、変形可能構造は、変形可能構造がねじりばね定数によって規定されることを例示するために、ねじりばねとして示されている。変形可能構造は、図5B図6B及び図7Bを参照して更に詳細に説明される。1つ以上の感知手段は、第1の剛体及び第2の剛体の一方に接続され且つそこから電気的に絶縁された電極を有するセンサ構造(108a~108d;208a~208d;308a~308b;408a~408b)を備え得、センサ構造(108a~108d;208a~208d;308a~308b;408a~408b)は、電極と上記少なくとも一方のフランジにおける第1の剛体及び第2の剛体の上記一方に対する他方との間の第1の静電容量を測定するように構成されており、電極と上記少なくとも一方のフランジの他方(例えば、上記少なくとも一方のフランジの他方の第1の剛体及び/又は第2の剛体)との間の第2の静電容量を測定するように構成されている。1つ以上の感知手段は、測定された第1の静電容量に基づいて、外部トルクを決定するように構成され、測定された第2の静電容量に基づいて、クラッチの係合解除を検出するように構成された電子回路を更に備え得る。
【0028】
[0038]「角度方向」という用語は、軸の周りの配置、例えば、軸(例えば、中心軸)の周りの同心配置を指し得ることが理解されよう。
【0029】
[0039]実施形態では、過負荷クラッチは、少なくとも1つのセンサ構造を備える感知手段、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、等のセンサ構造がそれに電気的に接続された回路基板(例えば、PCB)を備え得る。これは、図5図7に関する例示的な実施形態に示されており、ここで、6つのセンサ構造が、PCBに接続されている。感知手段は、回路基板に電気的に接続された少なくとも1つの電子回路、例えば、各センサ構造のための電子回路、2つのそれぞれのセンサ構造のための電子回路、3つのそれぞれのセンサ構造のための電子回路、全てのセンサ構造のための電子回路、等を更に備え得る。それぞれのセンサ構造は、同じ基準(例えば、突出部分)の異なる側に面した電極を有するセンサ構造であり得る。クラッチは、1つより多くの感知手段を備え得、その各々は、上述したように、少なくとも1つのセンサ構造と、少なくとも1つの電子回路と、を備える。
【0030】
[0040]変形可能構造(105;205;305;405;106;206;306;406)及びセンサ構造(108a~108d;208a~208d;308a~308b;408a~408b)は、クラッチの体積及び/又はクラッチの組み立ての複雑さを増大させることなく、クラッチにおける1つ以上の感知手段のより効率的な一体化、並びに、外部トルクを共同で決定し、クラッチの係合解除を検出するより効果的な方法を可能にする。
【0031】
[0041]実施形態では、電極は、第1の面と、第2の面と、を備え、第1の面は、第1の剛体及び第2の剛体の上記一方に対する他方の突出部分に面した主表面を有し、第2の面は、入力フランジ及び出力フランジの上記少なくとも一方に対する他方に面した主表面を有する。第1の面及び/又は第2の面は、三角形、四角形、五角形、半円形、等のような、多角形の形状を有し得る。第1の面は、第2の面とは異なる形状を有し得る。第1の面は、別の表面(例えば、上側表面又は下側表面)を有し得、これは、第1の面の厚さに対応し得、図5B図6B及び図6Cのセンサ構造(538;638)又はその中の電極の場合に見られるように、入力フランジ及び出力フランジの上記少なくとも一方に対する他方に面している。第2の面は、別の表面を有し得、これは、第2の面の厚さに対応し得、フランジ又は剛体の角度方向に面している。例では、第1の面及び第2の面が四角形の形状を有する図6B図6Cの場合のように、電極はL字型であるか、又は、少なくとも第2の面が半円形の形状を有する図7Bの場合のように、電極の第1の面及び第2の面は垂直(perpendicular)である。電極は、第1の面と第2の面との間に角度(例えば、45~90度、90~135度、45~135度、等)を備え得る。角度は、突出部分の表面/側面と、上記少なくとも一方のフランジの表面との間に形成される角度に対応し得る。実施形態では、第2の面を有する電極の部分は、例えば、上記少なくとも一方のフランジに接続されたPCB上で、上記少なくとも一方のフランジに接続され得る。
【0032】
[0042]実施形態では、電極は、(例えば、反対側の)ベース表面と、(例えば、斜辺の)傾斜表面と、を備え、ベース表面は、第1の剛体及び第2の剛体の上記一方に対する他方の突出部分に面しており、傾斜表面は、上記少なくとも一方のフランジの半径方向に延在している。電極は、上記少なくとも一方のフランジに面した(例えば、隣辺(adjacent side)の)更なる表面を更に備え得る。このような電極の例は、三角形、直角三角形、又は楔形である。実施形態では、更なる表面は、例えば、上記少なくとも一方のフランジに接続されたPCB上で、上記少なくとも一方のフランジに接続され得る。
【0033】
[0043]更なる実施形態では、第1の静電容量は、電極の第1の面と、入力フランジ及び出力フランジの上記少なくとも一方に対する他方との間で、センサ構造(108a~108d;208a~208d;308a~308b;408a~408b)によって測定され、第2の静電容量は、電極の第2の面と、第1の剛体及び第2の剛体の上記一方に対する他方との間で、センサ構造(108a~108d;208a~208d;308a~308b;408a~408b)によって測定される。静電容量が、
【0034】
【数1】
【0035】
によって与えられ得、ここで、
【0036】
【数2】
【0037】
は、誘電率であり、Aは、電極の表面の面積であり、dは、電極と、上記少なくとも一方のフランジの他方及び/又は第1の剛体及び第2の剛体の上記一方に対する他方との間の距離である。更に、距離及び/又は面積の変化による静電容量の変化が、
【0038】
【数3】
【0039】
によって与えられ得、ここで、
【0040】
【数4】
【0041】
は、比誘電率であり、dは、初期距離である。静電容量又はその変化は、当該技術分野で知られている他の式によって与えられ得る。一例では、第1の静電容量の場合、Aは、第1の面の主表面の面積であり、dは、この主表面と、第1の剛体及び第2の剛体の上記一方に対する他方、例えば突出部分との間の距離である。第2の静電容量の場合、Aは、第2の面の主表面の面積であり、dは、第2の面と、第2の面に面した入力フランジ及び出力フランジの上記少なくとも一方に対する他方の表面との間の距離である。追加又は代替として、第2の静電容量は、第1の面の他の表面と、上記少なくとも一方のフランジの他方との間で測定され得る。別の例では、第2の静電容量は、A、即ち、電極の傾斜表面の面積と、d、即ち、傾斜表面と、入力フランジ及び出力フランジの上記少なくとも一方に対する他方との間の距離と、に基づいて測定され得る。距離は、傾斜表面上の1点から決定され得るか、又は傾斜表面上の複数の点からの平均距離として決定され得る。傾斜表面は、従来の電極、又はL字型電極、又は垂直な第1の面及び第2の面を有する電極よりも大きな表面積を提供し、その結果、静電容量のより感度の高い測定を提供し得る。
【0042】
[0044]実施形態では、1つ以上の感知手段に含まれる第1のセンサ構造(108a;308a;108d;308b)が、上記少なくとも一方のフランジにおける第1の剛体(101;301;104;304)に接続され、第1の剛体(101;301;104;304)から電気的に絶縁されており、第1のセンサ構造(108a;308a;108d;308b)は、第1のセンサ構造(108a;308a;108d;308b)における電極と、上記少なくとも一方のフランジにおける第2の剛体(102;302;103;303)との間の第1の静電容量を測定し、電極と上記少なくとも一方のフランジの他方における第2の剛体(102;302;103;303)との間の第2の静電容量を測定するように構成されている。第1の静電容量は、上記少なくとも一方のフランジの角度方向における変形可能構造(105;305;106;306)の変形の結果であり得、第2の静電容量は、上記少なくとも一方のフランジの他方における第2の剛体に対する上記少なくとも一方のフランジにおける第2の剛体の変位の結果であり得、例えば、上記変位は、出力フランジ(103、104;303、304)における第2の剛体(103;303)に対する入力フランジ(101、102;301、302)における第2の剛体(102;302)の角変位である。これは、図1及び図3に関する例示的な実施形態に示されている。
【0043】
[0045]実施形態では、1つ以上の感知手段に含まれる第2のセンサ構造(208a;408a;208d;408b)が、上記少なくとも一方のフランジにおける第2の剛体(202;402;203;403)に接続され、第2の剛体(202;402;203;403)から電気的に絶縁されており、第2のセンサ構造(208a;408a;208d;408b)は、第2のセンサ構造(208a;408a;208d;408b)における電極と、上記少なくとも一方のフランジにおける第1の剛体(201;401;204;404)との間の第1の静電容量を測定し、電極と上記少なくとも一方のフランジの他方における第2の剛体(202;402;203;403)との間の第2の静電容量を測定するように構成されている。第1の静電容量は、上記少なくとも一方のフランジの角度方向における変形可能構造(205;405;206;406)の変形の結果であり得、第2の静電容量は、上記少なくとも一方のフランジの他方における第2の剛体に対する上記少なくとも一方のフランジにおける第2の剛体の変位の結果であり得、例えば、上記変位は、出力フランジ(103、104;403、404)における第2の剛体(103;403)に対する入力フランジ(101、102;401、402)における第2の剛体(102;402)の角変位である。これは、図2及び図4に関する例示的な実施形態に示されている。
【0044】
[0046]実施形態では、上記少なくとも一方のフランジの他方における第2の剛体は、ばね板(107;207;307;407)と、ばね板(107;207;307;407)が第2の剛体に対して軸方向に移動し、両方のフランジをそれぞれ係合又は係合解除することを可能にする複数のばね(109;209;309;409)と、を備える。例えば、図1図4に示されるように、ばね板(107;207;307;407)及び少なくとも1つのばね(109;209;309;409)は、出力フランジにおける第2の剛体(103;203;303;403)に含まれる。
【0045】
[0047]実施形態では、ばね板(107;207)は、伝達要素(111;211)を備え、上記少なくとも一方のフランジにおける第2の剛体(102;202)は、伝達要素(111;211)の少なくとも一部を収容するように構成された溝を含む。伝達要素(111;211)は、ボール、円筒ころ、球面ころ、等の形態であり得る。ばね板(107;207)は、ばね板(107;207)の上面に形成された、即ち、上記少なくとも一方のフランジ(例えば、入力フランジ)に面した、上部凹部を備え得る。上部凹部は、角度方向に配置され得、各上部凹部は、伝達要素(111;211)の底部を収容するように構成され得る。好ましくは、上部凹部は、伝達要素(111;211)の複数のグループと同様の上部凹部の複数のグループに配置され得る。溝及び/又は上部凹部は、伝達要素(111;211)に相補的な形状を有し得る。このようなばね板(107;207)の例が図1及び図2に示されている。
【0046】
[0048]実施形態では、1つ以上の感知手段に含まれる第3のセンサ構造(108b、108c)が、上記少なくとも一方のフランジにおける第1の剛体(101;104)に接続され、第1の剛体(101;104)から電気的に絶縁されており、第3のセンサ構造(108b、108c)は、第3のセンサ構造(108b、108c)における電極と、上記少なくとも一方のフランジにおける第2の剛体(102;103)との間の第1の静電容量を測定し、電極と、ばね板(107)及び/又は伝達要素(111)の少なくとも1つとの間の第2の静電容量を測定するように構成されている。これは、図1に関する例示的な実施形態に示されている。
【0047】
[0049]実施形態では、1つ以上の感知手段における第4のセンサ構造(208b、208c)が、上記少なくとも一方のフランジにおける第2の剛体(202;203)に接続され、第2の剛体(202;203)から電気的に絶縁されており、第4のセンサ構造(208b、208c)は、第4のセンサ構造(208b、208c)における電極と、上記少なくとも一方のフランジにおける第1の剛体(201;204)との間の前記第1の静電容量を測定し、電極と、ばね板(207)及び/又は伝達要素(211)の少なくとも1つとの間の第2の静電容量を測定するように構成されている。これは、図2に関する例示的な実施形態に示されている。
【0048】
[0050]第1の静電容量は、上記少なくとも一方のフランジの角度方向における変形可能構造(105;106;205;206)の変形の結果であり得、第2の静電容量は、フランジのいずれかにおける第2の剛体に対するばね板(107;207)及び/又は伝達要素(111;211)の少なくとも1つの変位の結果であり得る。ばね板(107;207)及び/又は伝達要素(111;211)の少なくとも1つの変位は、上記少なくとも一方のフランジにおける第2の剛体に対する角度及び/又は軸方向のものであり得る。ばね板(107;207)及び/又は伝達要素(111;211)の少なくとも1つの軸方向変位は、上記少なくとも一方のフランジにおける溝からの、ばね板(107;207)及び/又は伝達要素(111;211)の少なくとも1つの係合解除に関連し得る。ばね板(107;207)及び/又は伝達要素(111;211)の少なくとも1つの角変位は、両方のフランジにおける第2の剛体の角変位に関連し得る。
【0049】
[0051]実施形態では、上記少なくとも一方のフランジの他方における第2の剛体(102;202;302;402;103;203;303;403)は、電極の表面(例えば、上述したような第2の面)に面した変形(114;214;314;414;115;215;315;415)を備える表面を有し、電子回路は、電極の表面と、上記少なくとも一方のフランジの他方における第2の剛体の表面との間の距離の変化による、測定された第2の静電容量の変化に基づいて、クラッチの係合解除を検出するように構成されている。上記少なくとも一方のフランジの他方における第2の剛体(102;202;302;402;103;203;303;403)の表面は、1つより多くの変形(114;214;314;414;115;215;315;415)を備え得、そのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの電極の表面に面しており、これにより、フランジの任意の係合位置において、変形(114;214;314;414;115;215;315;415)が電極の表面に面する。変形(114;214;314;414;115;215;315;415)は、溝、窪み、トレンチ、又は上記少なくとも一方のフランジの他方の表面からの(即ち、フランジの表面から内部への)その他任意の内側への変形であり得る。これは、図1図4に関する例示的な実施形態に示されている。変形は、上記少なくとも一方のフランジの他方の表面からの突出部又は突起部等の外側への変形であり得、このような外側への変形は、係合状態では上記少なくとも一方のフランジの第2の剛体又は電極と接触しないことになる。
【0050】
[0052]更なる実施形態では、電子回路は、上記実施形態で説明された、測定された第2の静電容量に基づいて、クラッチの係合解除を検出するように構成されている。例えば、上記少なくとも一方のフランジにおける第2の剛体と、ばね板(107;207)及び/又は伝達要素(111;211)の少なくとも1つとの間の軸方向の係合解除は、例えば、ばね板(107;207)及び伝達要素(111;211)の軸方向変位による、上記少なくとも一方のフランジ(例えば、1つ以上の感知手段に含まれるセンサ構造)に一体化された電極の表面と、ばね板(107;207)及び/又は伝達要素(111;211)の表面との間の距離の変化による、測定された第2の静電容量の変化に基づいて検出される。別の例では、上記少なくとも一方のフランジにおける第2の剛体と、ばね板(107;207)及び/又は伝達要素(111;211)の少なくとも1つとの間の角度的な係合解除(angular disengagement)は、上記少なくとも一方のフランジに一体化された電極の表面と、上記少なくとも一方のフランジの他方における第2の剛体及び/又はばね板(107;207)及び/又は伝達要素(111;211)の少なくとも1つのうちのいずれか1つ又は組合せの表面との間の距離の変化による、測定された第2の静電容量の変化に基づいて検出される。この例では、これら第2の剛体が角度的に係合解除するとき(例えば、2つの第2の剛体間の角度シフト)、電極の表面と、上記少なくとも一方のフランジの他方における第2の剛体の表面との間の距離は、電極と、ばね板(107;207)及び/又は伝達要素(111;211)の少なくとも1つとの間の距離まで増大又は低減し得、及び/又はその逆も同様である。別の例では、フランジ又はその中の第2の剛体が係合解除すると、これらフランジ又はこれら第2の剛体は、互いに対して角度的に変位され、上記少なくとも一方のフランジの他方における第2の剛体(102;202;302;402;103;203;303;403)の表面と、電極の表面との間の距離の変化を引き起こす。この例では、これら第2の剛体が角度的に係合解除するとき(例えば、2つの第2の剛体間の角度シフト)、電極の表面との間の距離、及び電極と変形(114;214;314;414;115;215;315;415)との間の距離は、上記少なくとも一方のフランジの他方における第2の剛体の表面の別の部分が電極の表面に面していることにより、増大又は低減し得、及び/又はその逆も同様である。
【0051】
[0053]更なる実施形態では、センサ構造(108a~108d;208a~208d;308a~308b;408a~408b)は、電極と、上記少なくとも一方のフランジにおける第1の剛体又は第2の剛体のうちの少なくとも一方と、上記少なくとも一方のフランジの他方における第2の剛体との間に電気回路(112a~112d;212a~212d;312a~312b;412a~412b)を形成/設け得る。第1の事例では、第1の電気回路(112a;312a;112d;312b)は、第1のセンサ構造(108a;308a;108d;308b)における電極と、両方のフランジの第2の剛体のうちの少なくとも一方との間に形成/設けられ得る。第2の事例では、第2の電気回路(212a;412a;212d;412b)は、第2のセンサ構造(208a;408a;208d;408b)における電極と、上記少なくとも一方のフランジの第1の剛体及び上記少なくとも一方のフランジの他方の第2の剛体のうちの少なくとも一方との間に形成/設けられ得る。第3の事例では、第3の電気回路(112b;112c)は、第3のセンサ構造(108b;108c)の電極と、上記少なくとも一方のフランジの第2の剛体、並びに/又は、上記少なくとも一方のフランジの他方におけるばね板(107)及び/若しくは伝達要素(111)の少なくとも1つとの間に形成/設けられ得る。第4の事例では、第4の電気回路(212b;212c)は、第4のセンサ構造(208b;208c)における電極と、上記少なくとも一方のフランジの第1の剛体、並びに、上記少なくとも一方のフランジの他方におけるばね板(207)及び/又は伝達要素(211)の少なくとも1つ、のうちの少なくとも一方との間に形成/設けられ得る。
【0052】
[0054]更なる実施形態では、更なる静電容量が、センサ構造(108a~108d;208a~208d)によって測定され得るか、又は第1及び第2の静電容量の組合せとして電子回路によって決定され得る。第1の事例では、第1の更なる静電容量が、好ましくは、第1の電気回路(112a;312a;112d;312b)に基づいて、両方のフランジの第2の剛体間で測定又は決定され得る。第2の事例では、第2の更なる静電容量が、好ましくは、第2の電気回路(212a;412a;212d;412b)に基づいて、上記少なくとも一方のフランジの第1の剛体と、上記少なくとも一方のフランジの他方の第2の剛体との間で測定又は決定され得る。第3の事例では、第3の更なる静電容量が、好ましくは、第3の電気回路(112b;112c)に基づいて、上記少なくとも一方のフランジの第2の剛体と、上記少なくとも一方のフランジの他方におけるばね板(107)及び/又は伝達要素(111)の少なくとも1つとの間で測定又は決定され得る。第4の事例では、第4の更なる静電容量が、好ましくは、第4の電気回路(212b;212c)に基づいて、上記少なくとも一方のフランジの第1の剛体と、上記少なくとも一方のフランジの他方におけるばね板(207)及び/又は伝達要素(211)の少なくとも1つとの間で測定又は決定され得る。
【0053】
[0055]本発明による過負荷クラッチの以下の実施形態は、図5A図5C図6A図6C及び図7A図7Dを更に参照して説明される。
【0054】
[0056]実施形態では、上記少なくとも一方のフランジは、角度方向に配置された複数の突出部分(535;635;735)を備え、1つ以上の感知手段は、電極をそれぞれ有する複数のセンサ構造(538;638;738)を備え、複数のセンサ構造(538;638;738)は、角度方向に配置されており、電極と複数の突出部分(535;635;735)との間の第1の静電容量を測定するように構成されている。突出部分(535;635;735)は、上記少なくとも一方のフランジの他方の第1の剛体又は第2の剛体の内壁から軸方向に延在し得、矩形、三角形、円筒形、等のような、いくつかの形状のうちの1つであり得る。更に、電極は、それぞれの突出部分の表面/側面に相補的な主表面を有する面(例えば、第1の面)を備え得る。例えば、円筒状の突出部分の場合、電極は、円筒状の突出部分の円周の一部に相補的な円筒状の面を有し得る。突出部分(535;635;735)は、上記少なくとも一方のフランジの半径方向に延在する傾斜表面を備え得る。例えば、突出部分(535;635;735)は、楔形であり得る。
【0055】
[0057]突出部分(535;635;735)及び/又は電極若しくはセンサ構造(538;638;738)の数は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、等であり得る。更に、それぞれの突出部分についてのセンサ構造(538;638;738)の数又は電極の数は、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、等であり得る。例えば、1つ以上の電極又はセンサ構造(538;638;738)が、各電極が突出部分の異なる側面/表面に面するように、各突出部分について設けられ得る。一例では、突出部分(535;635;735)の数が3つであり得、センサ構造の数が6つであり得、ここで、図5B図6B及び図7Bの場合のように、2つのセンサ構造又は電極が、3つの突出部分(535;635;735)の各々の2つの表面/側面に面している。
【0056】
[0058]図5B図5C図6B図6C図7A図7Cを参照して説明された複数のセンサ構造(538;638;738)は、図1図4を参照して説明されたセンサ構造(108a~108d;208a~208d;308a~308b;408a~408b)のいずれか1つ又は組合せを備え得ることが理解されよう。更に、図5A図5C図6A図6C及び図7A図7Dの過負荷クラッチの他の要素は、例えば、以下に説明されるように、図1図4の過負荷クラッチの他の要素に対応し得る。
【0057】
[0059]更なる実施形態では、平均の第1の静電容量が、複数のセンサ構造によって測定された第1の静電容量に基づいて決定され得、平均の第2の静電容量が、複数のセンサ構造によって測定された第2の静電容量に基づいて決定され得る。他の統計分析も、測定された静電容量に対して行われ得る。例えば、第1の静電容量の平均変化及び/又は第2の静電容量の平均変化が決定され得る。更に、複数のセンサ構造によって測定された静電容量は、入力フランジ、出力フランジ、入力フランジ及び出力フランジの少なくとも一方の一部(例えば、ばね板、複数のばねの少なくとも1つ、伝達要素の少なくとも1つ、第1の剛体、第2の剛体、変形可能構造等のうちの少なくとも1つ)等の、クラッチの少なくとも一部の構造状態を決定するために使用され得る。例えば、静電容量又はその変化は、クラッチの第1の部分において第2の部分より大きくなり得、クラッチの第1の部分又は出力フランジにおけるばね板及び/若しくは伝達要素の少なくとも1つが摩耗している可能性があることが(例えば、電子回路によって)決定され得る。
【0058】
[0060]更なる実施形態では、測定された静電容量(例えば、第1の静電容量、第2の静電容量、更なる静電容量、複数の第1及び/又は第2の静電容量、等)及び/又は決定された静電容量(例えば、第1の静電容量の平均、第2の静電容量の平均、等)は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、等のような、ユーザ装置のディスプレイ上に表示され得る。追加又は代替として、決定された外部トルクの値が、ユーザ装置のディスプレイ上に表示され得、及び/又は、警報、警告、メッセージ、通知を介して等、信号がユーザ装置のディスプレイ上に表示され得、過負荷クラッチの状態に関する情報をユーザに提供する。例えば、ユーザは、クラッチが係合解除されたことを通知され得る。別の例では、ユーザは、外部トルクが所定のトルク閾値の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、等である等、外部トルクが所定のトルク閾値に近いことを警告され得る。
【0059】
[0061]実施形態では、変形可能構造(105;106;205;206)は、複数のスポークを備える。スポーク(523;623;723)は、上記少なくとも一方のフランジの第1の剛体(521;621;721)から第2の剛体(522;622;722)まで半径方向に延在し得る。スポークの数は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、等であり得る。更なる実施形態では、突出部分は、これらスポークの中間に設けられ得る。突出部分の数は、変形可能構造におけるスポークの数に等しくなり得、例えば、図6B及び図7Bに示されるように、3つの突出部分(635;735)及び3つのスポーク(623;723)である。突出部分の数は、変形可能構造におけるスポークの数より少なくなり得、例えば、図5Bに示されるように、3つの突出部分(535)及び6つのスポーク(523)である。代替として、突出部分の数は、変形可能構造におけるスポークの数より多くなり得、例えば、スポーク間に1つ以上の突出部分である。
【0060】
[0062]実施形態では、クラッチは、カムクラッチ、摩擦クラッチ、又は複合摩擦カムクラッチ(CFCC)である。カムクラッチは、ボール-リセス原理(ball-recess principle)に基づき得る。更に、カム機構は、回転運動を並進運動に変換し、ここで、ばね板(107;207)は、(例えば、カムの回転により)ハウジングに対して移動し、これは、1つ以上の感知手段と同じハードウェアを用いた、簡単なクラッチの係合解除感知を可能にする。カムクラッチは、確動クラッチ又は確動トルクリミッタ(positive torque limiter)とも呼ばれる。カムクラッチ及び/又はCFCCの例は、図1図2図5図7に表示されている。摩擦クラッチの例は、図3及び図4に表示されている。摩擦クラッチの場合、ばね板は、摩擦板(307;407)であり、複数のばね(309;409)は、摩擦板(307;407)が、上記少なくとも一方のフランジの他方における第1の剛体(304;404)及び第2の剛体(303;403)の少なくとも一方に対して軸方向に移動し、それぞれ、上記少なくとも一方のフランジの第2の剛体(302;402)に係合するか、又はそれから係合解除することを可能にする。従って、上記少なくとも一方のフランジの他方の第2の剛体(303;403)は、上記少なくとも一方のフランジの第2の剛体(302;402)に係合するか、又はそれから係合解除する。摩擦クラッチは、スリップクラッチとも呼ばれ得る。
【0061】
[0063]更なる実施形態では、カムクラッチ又はCFCCの場合、上記少なくとも一方のフランジにおける第2の剛体(102;202)は、カム(510;610;710)であり、上記少なくとも一方のフランジの他方における第1の剛体(104;204)は、軸受(例えば、ころ軸受又は玉軸受)であり、上記少なくとも一方のフランジにおける第1の剛体(101;201)は、ギアユニット及び/又はモータに接続されたハブ(502;702)であり、上記少なくとも一方のフランジの他方における第2の剛体(103;203)は、軸受、ばね板(512)及び出力部(508;608;708)によって形成されたクラッチの上記出力部(508;608;708)である。ハブ(502;702)は、第1の接続/締結手段(516;616;716)によって、カム(510;610;710)に接続/締結されている。軸受の内側リング(507;707)が、第2の接続/締結手段(516;716)によって、出力部(508;608;708)に接続/締結されている。軸受の外側リング(505;705)が、第3の接続/締結手段(519;719)によって、装置(例えば、ロボット)がその上で移動することが可能である軸等の、装置の一部に接続/締結されている。軸受は、内側リング及び外側リング(505、507;705、707)の間に複数のころ又はボール(509;709)を更に備え得る。接続/締結手段は、ボルト/ねじスタッドを用いたボルト/ねじ接続、貫通ボルト/ねじを用いたボルト/ねじ接続、貫通ボルト/ねじとナットとを用いたボルト/ねじ接続であり得る。
【0062】
[0064]図5C図7C及び図7Dは、クラッチの部品が互いに接続及び締結され得るカムクラッチ又はCFCCの例となる実施形態を更に示す。これらの例となる実施形態は、いかなる形でも本発明の範囲を限定することを意図するものではない。これらの例となる実施形態では、第1の接続/締結手段(503;703)は、ハブ(502;702)及びカム(510;710)の穴を通して収容される貫通ボルト/ねじを用いたボルト/ねじ接続の形態である。第2の接続/締結手段(516;716)は、出力部(508;708)及び内側リング(507;707)の穴を貫通して収容される貫通ボルト/ねじを用いたボルト/ねじ接続の形態である。第3の接続/締結手段(519;719)は、外側リング(505;705)の穴を通して収容される貫通ボルト/ねじを用いたボルト/ねじ接続の形態である。第2の接続/締結手段(516;716)には、第2の接続/締結手段(516;716)がそれを通して挿入されるスライダ(517;717)が設けられている。スライダ(517;717)は、ボルト/ねじスライダである。接続/締結手段の他の形態は、ボルト/ねじスタッドを用いたボルト/ねじ接続、貫通ボルト/ねじを用いたボルト/ねじ接続、貫通ボルト/ねじとナットとを用いたボルト/ねじ接続であり得る。
【0063】
[0065]更なる実施形態では、CFCCは、ばね板(107;207;712)とカム(710)との間に角度方向に配置された複数の伝達要素(111;211;713)を更に備える。複数の伝達要素(111;211;713)は、少なくとも2つのグループ、少なくとも3つのグループ、少なくとも4つのグループ、又は少なくとも5つのグループ等の、伝達要素(111;211;713)の複数のグループに配置され、好ましくは、3つのグループに配置され得る。伝達要素(111;211;713)の複数のグループは、異なる数の伝達要素(111;211;713)を有し得る。例えば、第1及び第2のグループは、4つの伝達要素(111;211;713)を有し、第3及び第4のグループは、6つの伝達要素(111;211;713)を有する。好ましくは、各グループ内の伝達要素(111;211;713)の数は、同じである(即ち、伝達要素の総数は、伝達要素の複数のグループの間で均等にグループ化される)。
【0064】
[0066]更なる実施形態では、CFCCは、リング状部分の底面に形成された、即ち、ばね板(512;712)に面した溝を有するリング状部分を有するカムを備える。溝は、角度方向に配置され、伝達要素(713)の上部を収容するように構成されている。溝は、好ましくは、伝達要素(713)の複数のグループと同様に、溝(511;711)の複数のグループに配置され得る。カムのリング状部分は、図5B及び図7Bに示されるように、後続の溝(511;711)の間に角度方向に配置された平坦領域(515;715)を更に有し得る。平坦領域(515;715)は、溝(511;711)の配置に基づいて複数のグループに配置され得る。例えば、平坦領域(515;715)は、溝(511;711)の複数のグループ間の距離、及び/又は、溝(511;711)の複数のグループのうちのグループ内の溝(511;711)間の距離等、複数のグループ内の溝(511;711)の配置に基づくサイズを有し得る。例えば、図5B及び図7Bの場合のように、溝(511;711)は、それぞれ7つの溝(511;711)の3つのグループに配置され得、平坦領域(515;715)は、溝(511;711)の上記3つのグループの間に3つの平坦領域(515;715)として配置されている。
【0065】
[0067]図5A図5B図7A及び図7Bは、カム(510;710)に一体化されたプリント回路基板、PCB(530;730)等の感知手段を示す。PCB(530;730)は、電子回路が少なくとも1つのセンサ構造(538;738)に電気的に接続することを可能にするために、1つ以上の感知手段に含まれ得る。図5Bは、カム(510;710)が3つの突出部分(535;735)を備え、各突出部分について2つのセンサ構造を有していることを示す。各センサ構造(538;738)は、センサ構造(538;738)における電極と、カム(510;710)、好ましくは突出部分(535;735)との間に第1の電気回路(532;732)を形成/設け、センサ構造(538;738)における電極と、カム(510;710)、好ましくは突出部分(535;735)との間の、例えば第1の電気回路(532;732)の第1の静電容量を測定するように構成されている。図7A図7C及び図7Dは、PCB(730)が、ねじ(731)によって、第1の剛体(721)に接続/締結されていることを更に示す。更に、少なくとも1つのセンサ構造(738)が、ねじ(731)によって、PCB及び/又は第1の剛体(721)に接続/締結され得る。ねじ以外の接続/締結手段もまた、当業者によって理解され得る。追加又は代替として、センサ構造(738)の電極は、PCBにはんだ付けされ得る。図7Bは、PCBが、第1の剛体(721)に含まれる少なくとも1つの支持構造(724)に接続/締結され得ることを示す。支持構造(724)は、センサ構造(738)により近くなるように接続/締結手段を設け、1つ以上の感知手段(例えば、PCB)をより剛性にし得る。
【0066】
[0068]図7Bは、第1の剛体(721)が、半径方向に突出した複数の支持構造(724)を備えることを更に示す。支持構造(724)の数は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、等であり得る。実施形態では、支持構造(724)は、スポーク(723)間に設けられ得る。更なる実施形態では、支持構造(724)は、スポーク(723)と突出部分(735)との間に設けられ得る。支持構造(724)の数は、突出部分(738)及び/又はスポーク(723)の数と等しくなり得る。支持構造(724)の数は、突出部分(738)の数及び/又はスポーク(723)の数より多くなり得、例えば、図6B及び図7Bに示されるように、突出部分(738)の数及び/又はスポーク(723)の数の2倍である。支持構造の数は、突出部分(738)の数及び/又はスポーク(723)の数より少なくなり得る。PCBは、好ましくは、少なくとも1つの支持構造(724)及び/又は第1の剛体(521;721)のいずれからも電気的に絶縁されている。
【0067】
[0069]図5C及び図7Cは、ばね板(512;712)と感知構造(538;738)の電極との間に第2の電気回路(533;733)を形成するセンサ構造(535;735)を示す。センサ構造(538;738)は、感知構造(538;738)の電極とばね板(512;712)との間の、例えば第2の電気回路(533;733)の第2の静電容量を測定するように構成され得る。第1の電気回路(532;732)及び第2の電気回路(533;733)は、図1を参照して説明された第1及び/又は第3の電気回路(112a、112b)と同様に、カム(510;710)における第2の剛体(522;722)及び/又は突出部分(535;735)と、ばね板(512;712)との間に電気回路を形成/設け得る。
【0068】
[0070]過負荷クラッチは、滑り軸受(504;704)を更に備え得、ハブ(502;702)、滑り軸受(504;704)及びカム(510;710)は、ころ軸受、出力部(508;708)、ばね板(512;712)及びばね(714)によって形成される外側クラッチ部に回転可能に接続された内側クラッチ部を形成し、カム(510;710)、出力部(508;708)、軸受(505、507;705;707)及び/又は別の出力部(720)のいずれか1つ又は組合せに対してばね板(512;712)の軸方向の変位を可能にしている。図5Cに示されるハブ(502)と滑り軸受(504)との間の摩擦により、全てのトルクがカム(510)を通じて伝達されるわけではない。発明者らは、図7C及び図7Dの過負荷クラッチにおいて、別の出力部(720)を含む滑り軸受(504;704)の一部を取り除くことによって、全てのトルクがカム(710)を通じて伝達され得ることを見出した。これは、1つ以上の感知手段、特に、その中の感知構造(735)の感度を改善/高めることを可能にする。別の出力部(720)は、上述の接続/締結手段と同様であり得る別の接続/締結手段(718)によって、出力部(708)に接続/締結され得る。
【0069】
[0071]図7Dの過負荷クラッチは、多くの態様及び/又は特徴において図7Cの過負荷クラッチに対応し、従って、簡潔にするために、相違点のみが詳細に説明される。図7Dは、図1及び図2を参照して説明した伝達要素(111;211)に多くの点で対応する伝達要素(713)を示す。図7Dでは、ばね板(712)は、伝達要素(713)を支持するように構成された、ばね板(712)の表面に形成された、即ち、カム(710)に面した上部凹部を備える。更に、別の出力部(720)、例えばその内壁は、伝達要素(713)を更に支持するように構成され得る。追加又は代替として、出力部(708)、例えばその内壁は、伝達要素(713)を更に支持するように構成され得る。出力部(708)及び/又は別の出力部(720)の内壁は、過負荷クラッチが係合状態と係合解除状態との間で移動するとき、即ち、ばね板(712)が軸方向に変位されるとき、伝達要素(713)が所定の位置(例えば、ばね板712上又はその上に形成された凹部内)に留まることを可能にする。
【0070】
[0072]図6Cは、本発明によるクラッチの例となる実施形態の斜視図を概略的に例示する。図6Cの過負荷クラッチは、多くの態様及び/又は特徴において、図5C図7C及び図7Dのいずれか1つの過負荷クラッチに対応し、従って、簡潔にするために、相違点のみが詳細に説明される。例えば、第1の接続/締結手段(603)及び第2の接続/締結手段(616)、ばね板(612)、伝達要素(613)、並びに軸受の外側リング(605)は、それぞれ、図5C図7C及び図7Dの第1の接続/締結手段(503;703)及び第2の接続/締結手段(516;716)、ばね板(512;712)、伝達要素(513;713)、並びに軸受の外側リング(505;705)に対応し得る。
【0071】
[0073]図6Aは、本発明による(例えば、図6Cの)過負荷クラッチの例となる実施形態の上面図を概略的に例示する。図6Bは、本発明による(例えば、図6A及び図6Cの)過負荷クラッチの出力フランジの例となる実施形態の底面図を概略的に例示する。出力フランジ、特に出力部(608)には、少なくとも1つの突出部分(635)、この場合は、3つの突出部分(635)が一体化されている。突出部分(635)は、出力部(608)の一部であり得る。
【0072】
[0074]図6A及び図6Bは、出力フランジ、特に出力部(608)に一体化された1つ以上のPCB(630)を示す。1つ以上のPCB(630)は、1つ以上の感知手段に含まれ得、及び/又は、電子回路を少なくとも1つのセンサ構造(638)に電気的に接続し得る。図6Bは、1つ以上の感知手段が3つの突出部分(635)を備えることを示す。少なくとも1つのセンサ構造(638)は、図1を参照して説明されたような第1及び/又は第2のセンサ構造(108c、108d)であり得る。
【0073】
[0075]図6Cに示されるように、センサ構造(638)は、図1を参照して説明された第1及び/又は第3の電気回路(112c、112d)に対応し得る電気回路(632)を形成する。電気回路(632)は、センサ構造(638)の電極と、出力部(608)(例えば、図6Bに示されるような第1の剛体621、又は第2の剛体(622))及び突出部分(635)のうちの少なくとも1つとの間、並びに、センサ構造(638)の電極と、ばね板(61)及び少なくとも1つの伝達要素(613)のうちの少なくとも1つとの間に形成/設けられている。各センサ構造(638)は、センサ構造(638)の電極と、出力部(608)(例えば、図6Bに示されるような第1の剛体621、又は第2の剛体622)及び突出部分(635)のうちの少なくとも1つとの間の電気回路(632)の第1の静電容量、並びに、センサ構造(638)の電極と、ばね板(612)及び少なくとも1つの伝達要素(613)のうちの少なくとも1つとの間の電気回路(632)の第2の静電容量を測定するように構成されている。
【0074】
[0076]図6Cでは、第1のセンサ構造(638)は、第1の面と、第2の面と、を備え、第1の面は、突出部分(635)に面した主表面を有し、第2の面は、ばね板(612)及び/又はカム(610)に面した主表面を有する第1のセンサ構造(638)に対して突出部分(635)の反対側に接続された第2のセンサ構造(638)もまた、第1のセンサ構造(638)と同様の第1及び第2の面を備える。
【0075】
[0077]当業者であれば、図5図7を参照して説明されたクラッチのいずれかにおいて、図1図2を参照して説明されたような代用の又は追加のセンサ構造(208a~208d)をどのように実装するかを理解するであろう。
【0076】
[0078]カムクラッチ及び/又はCFCCの一般的な構造に関する他の詳細は、当業者によって理解されるものとする。
【0077】
[0079]更に、当業者であれば、図3及び図4を参照して上述した過負荷クラッチの特徴を適用するとき、摩擦クラッチの一般的な構造を理解するであろう。
【0078】
[0080]実施形態では、装置(例えば、ロボット、産業用ロボット、高速産業用ロボット、等)は、上述したような過負荷クラッチを備える。装置は、ハブ(502;702)に接続されたギアユニットと、ギアユニットに接続されたモータと、を備え得、上記モータは、ギアユニットを通じてころ軸受(506;706)にトルクを与えるように構成されている。ハブ(502;702)は、本明細書に記載されるように、出力フランジ(508;708)にトルクを伝送/伝達し得る。
【0079】
[0081]クラッチは、上述したように、第3の接続又は締結手段(519;719)を介してクラッチに接続されたアクチュエータハウジングを介してモータに接続され得る、例えば、堅固に接続され得るか、又は締結され得る。ギアユニットは、円形スプライン、波動発生器(wave generator)、及びフレクスプラインを備え得る。ギアユニット又はギアユニットの回転可能な部分は、フレクスプラインと、例えば、ボルト/ねじスタッドを用いたボルト/ねじ接続、貫通ボルト/ねじを用いたボルト/ねじ接続、貫通ボルト/ねじとナットとを用いたボルト/ねじ接続の形態における、第4の接続又は締結手段と、を介して、ハブ(502;702)に更に接続され得る、例えば、堅固に接続され得るか、又は締結され得る。
【0080】
[0082]実施形態では、モータは、ロータと、ステータと、を備え得る。ステータは、モータ接続又は締結プロビジョン(fastening provision)を介して、アクチュエータハウジングに接続され得る、例えば、堅固に接続され得るか、又は締結され得る。ロータは、例えば、ギアユニットの回転可能な部分にロータを結合することによって、ギアユニットを通じてハブ(502;702)にトルクを与えるように構成されている。
【0081】
[0083]一実施形態では、ギアユニットは、波動歯車装置、好ましくは、ハーモニックドライブ(登録商標)であり得る。装置は、カム(510;710)におけるトルクが所定のトルク閾値を超えたときにモータを能動的に制動する(停止することを含む)ステップを備える制御アルゴリズムにおいて使用され得る。これにより、クラッチが係合状態から係合解除状態に移動される。モータ制動トルクが高いほど、モータ慣性をより速く減速させ得、クラッチとモータとの間の角度位置差がより小さくなる。産業用ロボットは、クラッチが係合解除状態から係合状態へと移動し得るように、クラッチが係合解除状態にある状態で、モータ及びギアユニットの位置を制御するステップを備える制御アルゴリズムにおいて使用され得る。制御アルゴリズムは、モータを制動し、好ましくは、停止させるステップを更に備え得る。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
【手続補正書】
【提出日】2024-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力フランジ(101、102;201、202)と、出力フランジ(103、104;203、204)と、を備える過負荷クラッチであって、前記クラッチは、前記入力フランジ(101、102;201、202)と前記出力フランジ(103、104;203、204)との間でトルクを伝達し、前記トルクが所定の閾値を超えると、前記クラッチを係合解除するように構成されており、
前記クラッチは、前記入力フランジ及び前記出力フランジの少なくとも一方に少なくとも部分的に一体化された1つ以上の感知手段を備え、
前記1つ以上の感知手段は、両方のフランジ間で伝達される前記トルクを共同で決定し、前記クラッチの前記係合解除を検出するように適合されており、
前記少なくとも一方のフランジが、前記少なくとも一方のフランジの角度方向に変形可能な変形可能構造(105;106;205;206)を介して互いに接続された第1の剛体(101;201;104;204)及び第2の剛体(102;202;103;203)を備えることと、前記変形可能構造(105;106;205;206)は、少なくとも1つのねじりばね定数によって規定されており、
前記1つ以上の感知手段が、
前記第1の剛体及び前記第2の剛体の一方に接続され且つそこから電気的に絶縁された電極を有するセンサ構造(108a~108d;208a~208d)と、ここで、前記センサ構造(108a~108d;208a~208d)は、前記電極と前記第1の剛体及び前記第2の剛体の前記一方に対する他方との間の第1の静電容量を測定するように構成されており、前記電極と前記少なくとも一方のフランジの他方との間の第2の静電容量を測定するように構成されており、
前記測定された第1の静電容量に基づいて、外部トルクを決定するように構成され、前記測定された第2の静電容量に基づいて、前記クラッチの係合解除を検出するように構成された電子回路と、
を備えることと、を特徴とするクラッチ。
【請求項2】
前記電極は、第1の面と、第2の面と、を備え、前記第1の面は、前記第1の剛体及び前記第2の剛体の前記一方に対する前記他方の突出部分に面した主表面を有し、前記第2の面は、前記少なくとも一方のフランジの前記他方に面した主表面を有する、請求項1に記載のクラッチ。
【請求項3】
前記電極は、ベース表面と、傾斜表面と、を備え、前記ベース表面は、前記第1の剛体及び前記第2の剛体の前記一方に対する前記他方の突出部分に面しており、前記傾斜表面は、前記少なくとも一方のフランジの前記角度方向に延在している、請求項1に記載のクラッチ。
【請求項4】
前記1つ以上の感知手段における第1のセンサ構造(108a、108d)が、前記第1の剛体(101;104)に接続され、そこから電気的に絶縁されており、
前記第1のセンサ構造(108a、108d)は、前記第1のセンサ構造(108a、108d)における前記電極と、前記少なくとも一方のフランジにおける前記第2の剛体(102;103)との間の前記第1の静電容量を測定し、前記電極と前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体(102;103)との間の前記第2の静電容量を測定するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項5】
前記1つ以上の感知手段における第2のセンサ構造(208a、208d)が、前記第2の剛体(202;203)に接続され、そこから電気的に絶縁されており、
前記第2のセンサ構造(208a、208d)は、前記第2のセンサ構造(208a、208d)における前記電極と、前記少なくとも一方のフランジにおける前記第1の剛体(201;204)との間の前記第1の静電容量を測定し、前記電極と前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体(202;203)との間の前記第2の静電容量を測定するように構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項6】
前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体は、ばね板(107;207)と、前記ばね板(107;207)が前記第2の剛体(103;203)に対して軸方向に移動し、両方のフランジをそれぞれ係合又は係合解除することを可能にする複数のばね(109;209)と、を備える、請求項1~のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項7】
前記ばね板(107;207)は、伝達要素(111;211)を備え、
前記入力フランジにおける前記第2の剛体(102;202)は、前記伝達要素(111;211)を収容するように構成された溝を含む、請求項6に記載のクラッチ。
【請求項8】
前記1つ以上の感知手段における第3のセンサ構造(108b、108c)が、前記第1の剛体(101;104)に接続され、そこから電気的に絶縁されており、
前記第3のセンサ構造(108b、108c)は、前記第3のセンサ構造(108b、108c)における前記電極と、前記少なくとも一方のフランジにおける前記第2の剛体(102;103)との間の前記第1の静電容量を測定し、前記電極と、前記ばね板(107)及び/又は前記伝達要素(111)の少なくとも1つとの間の前記第2の静電容量を測定するように構成されている、請求項に記載のクラッチ。
【請求項9】
前記1つ以上の感知手段における第4のセンサ構造(208b、208c)が、前記第2の剛体(202;203)に接続され、そこから電気的に絶縁されており、
前記第4のセンサ構造(208b、208c)は、前記第4のセンサ構造(208b、208c)における前記電極と、前記少なくとも一方のフランジにおける前記第1の剛体(201;204)との間の前記第1の静電容量を測定し、前記電極と、前記ばね板(207)及び/又は前記伝達要素(211)の少なくとも1つとの間の前記第2の静電容量を測定するように構成されている、請求項に記載のクラッチ。
【請求項10】
前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体(102;103;202;203)は、前記電極の表面に面した変形(114;115;214;215)を備える表面を有し、
前記電子回路は、前記電極の前記表面と、前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体の前記表面との間の距離の変化による、前記測定された第2の静電容量の変化に基づいて、前記クラッチの係合解除を検出するように構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項11】
前記少なくとも一方のフランジは、角度方向に配置された複数の突出部分(535;635;735)を備え、
前記1つ以上の感知手段は、電極をそれぞれ有する複数のセンサ構造(108a~108d;208a~208d)を備え、前記複数のセンサ構造(108a~108d;208a~208d)は、角度方向に配置されており、前記電極と前記複数の突出部分(535;635;735)との間の前記第1の静電容量を測定するように構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項12】
前記変形可能構造(105;106;205;206)は、複数のスポークを備える、請求項1~のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項13】
前記クラッチは、カムクラッチ、摩擦クラッチ、又は複合摩擦カムクラッチである、請求項1~のいずれか一項に記載のクラッチ。
【請求項14】
請求項1~のいずれか一項に記載のクラッチを備える装置であって、前記装置は、
前記入力フランジに接続されたギアユニットと、
前記ギアユニットに接続され、前記ギアユニットを通じて前記入力フランジにトルクを与えるように構成されたモータと、
を備える装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
[0083]一実施形態では、ギアユニットは、波動歯車装置、好ましくは、ハーモニックドライブ(登録商標)であり得る。装置は、カム(510;710)におけるトルクが所定のトルク閾値を超えたときにモータを能動的に制動する(停止することを含む)ステップを備える制御アルゴリズムにおいて使用され得る。これにより、クラッチが係合状態から係合解除状態に移動される。モータ制動トルクが高いほど、モータ慣性をより速く減速させ得、クラッチとモータとの間の角度位置差がより小さくなる。産業用ロボットは、クラッチが係合解除状態から係合状態へと移動し得るように、クラッチが係合解除状態にある状態で、モータ及びギアユニットの位置を制御するステップを備える制御アルゴリズムにおいて使用され得る。制御アルゴリズムは、モータを制動し、好ましくは、停止させるステップを更に備え得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 入力フランジ(101、102;201、202)と、出力フランジ(103、104;203、204)と、を備える過負荷クラッチであって、前記クラッチは、前記入力フランジ(101、102;201、202)と前記出力フランジ(103、104;203、204)との間でトルクを伝達し、前記トルクが所定の閾値を超えると、前記クラッチを係合解除するように構成されており、
前記クラッチは、前記入力フランジ及び前記出力フランジの少なくとも一方に少なくとも部分的に一体化された1つ以上の感知手段を備え、
前記1つ以上の感知手段は、両方のフランジ間で伝達される前記トルクを共同で決定し、前記クラッチの前記係合解除を検出するように適合されており、
前記少なくとも一方のフランジが、前記少なくとも一方のフランジの角度方向に変形可能な変形可能構造(105;106;205;206)を介して互いに接続された第1の剛体(101;201;104;204)及び第2の剛体(102;202;103;203)を備えることと、前記変形可能構造(105;106;205;206)は、少なくとも1つのねじりばね定数によって規定されており、
前記1つ以上の感知手段が、
前記第1の剛体及び前記第2の剛体の一方に接続され且つそこから電気的に絶縁された電極を有するセンサ構造(108a~108d;208a~208d)と、ここで、前記センサ構造(108a~108d;208a~208d)は、前記電極と前記第1の剛体及び前記第2の剛体の前記一方に対する他方との間の第1の静電容量を測定するように構成されており、前記電極と前記少なくとも一方のフランジの他方との間の第2の静電容量を測定するように構成されており、
前記測定された第1の静電容量に基づいて、外部トルクを決定するように構成され、前記測定された第2の静電容量に基づいて、前記クラッチの係合解除を検出するように構成された電子回路と、
を備えることと、を特徴とするクラッチ。
[2] 前記電極は、第1の面と、第2の面と、を備え、前記第1の面は、前記第1の剛体及び前記第2の剛体の前記一方に対する前記他方の突出部分に面した主表面を有し、前記第2の面は、前記少なくとも一方のフランジの前記他方に面した主表面を有する、[1]に記載のクラッチ。
[3] 前記電極は、ベース表面と、傾斜表面と、を備え、前記ベース表面は、前記第1の剛体及び前記第2の剛体の前記一方に対する前記他方の突出部分に面しており、前記傾斜表面は、前記少なくとも一方のフランジの前記角度方向に延在している、[1]に記載のクラッチ。
[4] 前記1つ以上の感知手段における第1のセンサ構造(108a、108d)が、前記第1の剛体(101;104)に接続され、そこから電気的に絶縁されており、
前記第1のセンサ構造(108a、108d)は、前記第1のセンサ構造(108a、108d)における前記電極と、前記少なくとも一方のフランジにおける前記第2の剛体(102;103)との間の前記第1の静電容量を測定し、前記電極と前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体(102;103)との間の前記第2の静電容量を測定するように構成されている、[1]~[3]のいずれか一項に記載のクラッチ。
[5] 前記1つ以上の感知手段における第2のセンサ構造(208a、208d)が、前記第2の剛体(202;203)に接続され、そこから電気的に絶縁されており、
前記第2のセンサ構造(208a、208d)は、前記第2のセンサ構造(208a、208d)における前記電極と、前記少なくとも一方のフランジにおける前記第1の剛体(201;204)との間の前記第1の静電容量を測定し、前記電極と前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体(202;203)との間の前記第2の静電容量を測定するように構成されている、[1]~[4]のいずれか一項に記載のクラッチ。
[6] 前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体は、ばね板(107;207)と、前記ばね板(107;207)が前記第2の剛体(103;203)に対して軸方向に移動し、両方のフランジをそれぞれ係合又は係合解除することを可能にする複数のばね(109;209)と、を備える、[1]~[5]のいずれか一項に記載のクラッチ。
[7] 前記ばね板(107;207)は、伝達要素(111;211)を備え、
前記入力フランジにおける前記第2の剛体(102;202)は、前記伝達要素(111;211)を収容するように構成された溝を含む、[6]に記載のクラッチ。
[8] 前記1つ以上の感知手段における第3のセンサ構造(108b、108c)が、前記第1の剛体(101;104)に接続され、そこから電気的に絶縁されており、
前記第3のセンサ構造(108b、108c)は、前記第3のセンサ構造(108b、108c)における前記電極と、前記少なくとも一方のフランジにおける前記第2の剛体(102;103)との間の前記第1の静電容量を測定し、前記電極と、前記ばね板(107)及び/又は前記伝達要素(111)の少なくとも1つとの間の前記第2の静電容量を測定するように構成されている、[6]又は[7]に記載のクラッチ。
[9] 前記1つ以上の感知手段における第4のセンサ構造(208b、208c)が、前記第2の剛体(202;203)に接続され、そこから電気的に絶縁されており、
前記第4のセンサ構造(208b、208c)は、前記第4のセンサ構造(208b、208c)における前記電極と、前記少なくとも一方のフランジにおける前記第1の剛体(201;204)との間の前記第1の静電容量を測定し、前記電極と、前記ばね板(207)及び/又は前記伝達要素(211)の少なくとも1つとの間の前記第2の静電容量を測定するように構成されている、[6]~[8]のいずれか一項に記載のクラッチ。
[10] 前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体(102;103;202;203)は、前記電極の表面に面した変形(114;115;214;215)を備える表面を有し、
前記電子回路は、前記電極の前記表面と、前記少なくとも一方のフランジの前記他方における前記第2の剛体の前記表面との間の距離の変化による、前記測定された第2の静電容量の変化に基づいて、前記クラッチの係合解除を検出するように構成されている、[1]~[9]のいずれか一項に記載のクラッチ。
[11] 前記少なくとも一方のフランジは、角度方向に配置された複数の突出部分(535;635;735)を備え、
前記1つ以上の感知手段は、電極をそれぞれ有する複数のセンサ構造(108a~108d;208a~208d)を備え、前記複数のセンサ構造(108a~108d;208a~208d)は、角度方向に配置されており、前記電極と前記複数の突出部分(535;635;735)との間の前記第1の静電容量を測定するように構成されている、[1]~[10]のいずれか一項に記載のクラッチ。
[12] 前記変形可能構造(105;106;205;206)は、複数のスポークを備える、[1]~[11]のいずれか一項に記載のクラッチ。
[13] 前記クラッチは、カムクラッチ、摩擦クラッチ、又は複合摩擦カムクラッチである、[1]~[12]のいずれか一項に記載のクラッチ。
[14] [1]~[13]のいずれか一項に記載のクラッチを備える装置であって、前記装置は、
前記入力フランジに接続されたギアユニットと、
前記ギアユニットに接続され、前記ギアユニットを通じて前記入力フランジにトルクを与えるように構成されたモータと、
を備える装置。
【国際調査報告】