(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】放射線曝露を低減するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 6/10 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A61B6/10 503
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024548518
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 US2022047164
(87)【国際公開番号】W WO2023069543
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524155736
【氏名又は名称】エッグ メディカル,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ロバート エフ.ウィルソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ピー.ガイナー
(72)【発明者】
【氏名】ブレア アレン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ジェイ.バーマスター
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA33
4C093ED01
(57)【要約】
特定の医療撮像処置の実行中に生じ得る散乱放射線を低減するための可撓性放射線シールドシステム。互いにヒンジ式に結合された2つ以上のシールド要素を備え、それによってユーザがシールドシステムを所望の形状に曲げて、作業者に放射線シールド保護を提供することを可能にする多関節シールドシステム。可撓性放射線シールドシステムは、作業者がシールド要素を通して物体を視認することを可能にするために、例えば、半透明、透明、クリア等である複数のシールド要素を備えてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線撮像処置中に散乱放射線を低減するためのシステムであって、前記システムは、
放射線シールド特性を有し、撮像処置テーブル上に位置決めされた患者の少なくとも一部にわたって配置されるように適合されたベルト部分であって、前記ベルト部分は、前記患者の表面に適合するように変形可能である、ベルト部分と、
放射線シールド特性を有し、前記ベルト部分とシールド部分との間の接合部に沿って前記ベルト部分と解放可能に係合して前記接合部において放射線バリアを形成するように構成された前記シールド部分であって、前記シールド部分は、前記ベルト部分と係合されたときに前記患者から上向きに延びるように構成され、前記シールド部分は、前記撮像処置テーブルに前記シールド部分を解放可能に結合するためのテーブルアタッチメントを備える、シールド部分と、
を備える、散乱放射線を低減するためのシステム。
【請求項2】
前記接合部に沿って配置された1つ以上の係合センサを更に備え、前記1つ以上の係合センサは、前記接合部における前記シールド部分と前記ベルト部分との間の係合を感知するように構成される、請求項1に記載の散乱放射線を低減するためのシステム。
【請求項3】
前記撮像処置テーブルに近接して配置され、X線放射線強度のレベルを示すように構成された1つ以上の放射線検出センサを更に備える、請求項1に記載の散乱放射線を低減するためのシステム。
【請求項4】
前記ベルト部分は、前記ベルト部分の前記患者の上面への適合を容易にするための複数のスリットを備える、請求項1に記載の散乱放射線を低減するためのシステム。
【請求項5】
前記ベルト部分は、前記ベルト部分の前記患者の上面への適合を容易にするための複数の起伏を備える、請求項1に記載の散乱放射線を低減するためのシステム。
【請求項6】
前記ベルト部分は、前記撮像処置テーブルの幅にわたって少なくとも部分的に延びる、請求項1に記載の散乱放射線を低減するためのシステム。
【請求項7】
前記ベルト部分は、前記患者の上向き部分にわたって少なくとも部分的に延びる、請求項1に記載の散乱放射線を低減するためのシステム。
【請求項8】
前記ベルト部分は、前記ベルト部分と前記シールド部分との間の前記接合部に沿って配置された1つ以上の磁気要素を介して前記シールド部分と解放可能に係合する、請求項1に記載の散乱放射線を低減するためのシステム。
【請求項9】
前記ベルト部分は、前記ベルト部分と前記シールド部分との間の前記接合部に沿って配置された1つ以上の面ファスナを介して前記シールド部分と解放可能に係合する、請求項1に記載の散乱放射線を低減するためのシステム。
【請求項10】
前記ベルト部分は、前記ベルト部分と前記シールド部分との間の前記接合部に沿った前記シールド部分との解放可能な係合を容易にする当接面を備える、請求項1に記載の散乱放射線を低減するためのシステム。
【請求項11】
前記接合部に沿って配置された前記1つ以上の係合センサは、圧力センサ、ホール効果センサ、及び磁気センサのうちの1つ以上を含む、請求項2に記載の散乱放射線を低減するためのシステム。
【請求項12】
前記1つ以上の係合センサは、前記接合部における前記シールド部分と前記ベルト部分との間の係合の程度を感知するように構成された磁気センサを含む、請求項11に記載の散乱放射線を低減するためのシステム。
【請求項13】
前記1つ以上の係合センサは、前記接合部における前記シールド部分と前記ベルト部分との間の前記係合を強化するように構成された磁気センサを含む、請求項11に記載の散乱放射線を低減するためのシステム。
【請求項14】
関節運動可能な放射線シールドシステムであって、
第1のシールドペイン及び第2のシールドペインであって、前記第1のシールドペイン及び前記第2のシールドペインのうちの少なくとも1つは、透明又は半透明の放射線遮断材料を含み、前記第1のシールドペイン及び前記第2のシールドペインの各々は、上部と、少なくとも1つの概ね垂直に配向された縁部とを有する、第1のシールドペイン及び第2のシールドペインと、
前記第1のシールドペイン及び前記第2のシールドペインの各々の前記概ね垂直に配向された縁部に沿って、前記第1のシールドペインを前記第2のシールドペインに枢動可能に結合するヒンジ結合部と、
前記第1のシールドペインを前記ヒンジ結合部に結合するように構成された第1のヒンジコネクタであって、前記第1のヒンジコネクタは、前記第1のシールドペインの上部に沿って配置されている、第1のヒンジコネクタと、
前記第2のシールドペインを前記ヒンジ結合部に結合するように構成された第2のヒンジコネクタであって、前記第2のヒンジコネクタは、前記第2のシールドペインの上部に沿って配置されている、第2のヒンジコネクタと、
を備える、関節運動可能な放射線シールドシステム。
【請求項15】
前記第1のシールドペイン及び第2のシールドペインのうちの少なくとも1つは、その外側縁部の周りに少なくとも部分的に配置されたシールドフレームを更に備える、請求項14に記載の関節運動可能な放射線シールドシステム。
【請求項16】
前記第1のヒンジコネクタ及び前記第2のヒンジコネクタのうちの少なくとも1つは、前記シールドフレームの除去可能な部分を形成する、請求項15に記載の関節運動可能な放射線シールドシステム。
【請求項17】
前記第1のヒンジコネクタ及び前記第2のヒンジコネクタは、前記第1のシールドペイン及び前記第2のシールドペインの上部に沿って配置されたケーブルの一部である、請求項15に記載の関節運動可能な放射線シールドシステム。
【請求項18】
前記ヒンジ結合部は、外管と、前記外管内に配置された内側ロッドとを備え、前記外管は、前記第1のシールドペインに結合され、前記内側ロッドは、前記第2のシールドペインに結合されて、前記第1のシールドペインと前記第2のシールドペインとの間の枢動可能な移動を可能にする、請求項14に記載の関節運動可能な放射線シールドシステム。
【請求項19】
前記第1のシールドペイン及び前記第2のシールドペインのうちの少なくとも1つの前記概ね垂直に配向された縁部は、凹形状を含む、請求項14に記載の関節運動可能な放射線シールドシステム。
【請求項20】
放射線シールドアレイ支持システムであって、
上に配置された患者を支持するように形成された放射線透過性材料からなるベースユニットであって、前記ベースユニットは、前記ベースユニットの周囲の近くに位置決めされた複数の孔を含む、ベースユニットと、
前記ベースユニットに除去可能に取り付けられるように構成された1つ以上のシールド要素であって、前記1つ以上のシールド要素の各々は、その縁部から延びる少なくとも1つのタブ部分を有し、前記少なくとも1つのタブ部分は、各シールド要素を放射線保護位置に除去可能に取り付けて支持するために、前記複数の孔のうちの1つ以上の中に選択的に位置決めされるように構成されている、1つ以上のシールド要素と、
を備える、放射線シールドアレイ支持システム。
【請求項21】
前記ベースユニットの前記周囲の近くに位置決めされた複数のシールド要素を更に備える、請求項20に記載の放射線シールドアレイ支持システム。
【請求項22】
前記1つ以上のシールド要素は、前記ベースユニットから上向きに延びる、請求項20に記載の放射線シールドアレイ支持システム。
【請求項23】
前記1つ以上のシールド要素は、前記ベースユニットから下方に延びる、請求項20に記載の放射線シールドアレイ支持システム。
【請求項24】
前記ベースユニットに除去可能に取り付けられるように構成された1つ以上のシールド支持要素を更に備え、前記1つ以上のシールド支持要素の各々は、その縁部から延びる少なくとも1つのタブ部分を有し、前記少なくとも1つのタブ部分は、前記シールド支持要素を除去可能に取り付けるために前記複数の孔のうちの1つ以上の中に選択的に位置決めされるように構成される、請求項20に記載の放射線シールドアレイ支持システム。
【請求項25】
前記1つ以上のシールド支持要素の周囲近くに位置決めされた複数の孔を更に備える、請求項24に記載の放射線シールドアレイ支持システム。
【請求項26】
前記シールド支持要素に除去可能に結合され、前記ベースユニットから下方に延びるように構成された少なくとも1つのシールド要素を更に備える、請求項25に記載の放射線シールドアレイ支持システム。
【請求項27】
前記シールド支持要素の前記少なくとも1つのタブ部分は、前記少なくとも1つのタブ部分が前記複数の孔のうちの少なくとも1つの中に下方に延びるように構成され、前記ベースユニットの少なくとも一部の下に延びるようにL字形である、請求項24に記載の放射線シールドアレイ支持システム。
【請求項28】
前記シールド支持要素の前記少なくとも1つのタブ部分は、前記少なくとも1つのタブ部分が前記複数の孔のうちの少なくとも1つの中に下方に延びるように構成され、前記ベースユニットの頭部又は前記ベースユニットの脚部のいずれかに向かって延びるように、L字形である、請求項24に記載の放射線シールドアレイ支持システム。
【請求項29】
前記ベースユニットの前記周囲の近くに位置決めされた前記複数の孔は、孔の内列と孔の外列とを含み、前記内列の前記孔のうちの少なくとも1つの位置は、前記孔の外列のうちの隣接する孔から前記ベースユニットの前記周囲の周りに互い違いになっている、請求項20に記載の放射線シールドアレイ支持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年10月21日に出願された米国仮特許出願第63/270,309号、及び2022年5月13日に出願された米国仮特許出願第63/341,894号に対する優先権を主張するものであり、これらの各々の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、様々な医療撮像処置中の病院及び医療スタッフへの放射線曝露を低減するためのシールドデバイス及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
病院又は診療所のX線検査室における医療従事者は、血管造影図、血管内ステント留置術及び経カテーテル心臓弁治療などのX線撮像検査及びX線誘導治療を受けている患者から発せられる散乱放射線(又は二次放射線)を含む放射線に曝露されることが多い。作業者をこの散乱放射線から保護するために、X線光子を吸収するシールドが使用される。シールドの一般的な形態は、アンチモン、ビスマス、及びスズなどのシールド要素が充填された鉛又はポリマーなどのシールド材料を含む、ユーザによって着用されるエプロンである。これらのエプロンは、身体全体を覆うことができず、露出した身体部分が照射を受けるままになってしまう。エプロンによって遮蔽されていない身体の敏感な領域を覆うために、他の形態のシールド(例えば、放射線遮断眼鏡、すね当て、腕当て、スカルキャップなど)が着用されることもあるが、それらは特に効果的ではない場合がある。加えて、エプロン及び同様の着用されたシールドは重くなる可能性があり、これは、ユーザの疲労、損傷、及び/又は他の整形外科的問題につながる可能性がある。
【0004】
X線撮像処置中、X線テーブル(又は処置テーブル)は、患者の身体の異なる部分を見るために頻繁に移動される。加えて、X線管及び検出器は、通常、Cアームガントリの両側に取り付けられ、ガントリは最大3つの平面内で回転することができる。機器の移動は、特定のタイプの外部シールドの使用に対する課題及び制約をもたらす可能性がある。
【0005】
床に置かれたシールドは、テーブルの周りのオペレータの動きを制限することがある。患者を覆うシールドは、少数のX線散乱放射線が存在するテーブルの上方で散乱された放射線を遮断する際にのみ有効であり得る。X線テーブルに取り付けられたシールドは、X線ガントリの動きを妨げる可能性があり、及び/又はX線テーブルにかなりの重量を加える可能性がある。X線テーブルは、例えば、重量制限を有し得、重いシールドの追加は、テーブル上で安全に撮像されることができる患者の重量を制限する可能性がある。既存のシールドシステムの使用に影響を及ぼす実際の機械的考慮事項に加えて、システムが適切に位置決めされていること、又は放射線がシステムから漏れていないことを保証するための既知の方法はない。
【0006】
病院のX線検査室で使用される放射線シールドは、クリアなシールドと不透明なシールドとに分けることができる。医療従事者がX線撮像中に患者又は周囲を見ることができるように、クリアなシールド材料が使用され、一方、そのような視覚化がそれほど重要でないときには、不透明なシールドが使用される。既存のクリアな放射線シールドに関する1つの問題は、クリアなシールドが、酸化鉛等の放射線遮断要素を装填された剛性アクリル又はガラス材料から成ることである。クリア又は透明なシールドの製造において一般的に使用される材料の可撓性の欠如は、例えば、使用するのが扱いにくく、ユーザを適切に包囲せず、患者の斜めのX線投影を得るためにX線ガントリが移動及び/又は角度付けされるときにX線ガントリの可動性を制限する可能性がある大型の平面シールドをもたらす。
【0007】
この可撓性の欠如を補償するために、剛性透明シールドは、多くの場合、患者の身体の不規則な輪郭にシールドを近似させるために、シールドに、多くの場合シールドの底部に取り付けられた可撓性非透明フラップを有する。しかしながら、可撓性材料は、オペレータが患者を見ることを可能にせず、したがって、その使用は、通常、患者を見ることがあまり重要でない領域に限定される。
【0008】
加えて、シールドは、典型的には、レールが検査室テーブルに取り付けられる場所に基づいて、X線検査室内のテーブルの周囲に配置される。ほとんどの撮像検査室では、レールはしばしば金属製であり、視野内に存在する場合にX線撮像を妨げるので、レールは患者の尾側端部に向かってテーブル上に存在する。シールドを取り付ける及び/又は支持する既存のレールの使用は、散乱放射線の影響から検査室スタッフを保護するためのシールドの最良の位置決めを提供しない場合がある。
【0009】
この状況を改善する1つの試みは、オペレータが処置のために立つことを意図する位置でテーブルに構成要素を取り付けることである。これは、テーブルが非常に特殊な方法で組み立てられなければならないことを意味し、処置のタイプ及びオペレータの位置がケースごとに変化、又はケース中でさえ変化する可能性があるときに難題である。
【0010】
散乱放射線への曝露から病院従事者を保護し、鉛エプロン又は他の個人用保護機器を着用することに完全に依存することなく、典型的な病院服を着用して病院従事者が機能することを可能にする、シールドシステム及びデバイスが必要とされている。更に、シールドの適切な配置を評価又は保証し、及び/又は放射線が遮断されていないか、又はあるレベルを超えたときを検出する必要がある。
【発明の概要】
【0011】
一般に、本開示は、放射線への曝露を低減するのに有用であり得る装置及び方法に関する。本開示は、作業者(例えば、医師、看護師、技術者、検査室スタッフ等)が特定の医療撮像処置の実行中に生じ得る散乱放射線に曝露されることを低減するためのシステム及び/又は方法を説明する。
【0012】
ある実施形態では、シールドシステムは、ベルト又はベルト部分と、放射線シールド部分と、シールドシステムのベルト部分とシールド部分との間の係合を検出する(例えば、係合のレベル又は程度を検出する)ように構成される、1つ以上の係合センサとを含んでもよい。ベルト部分は、患者の表面及び周囲の支持構造体(患者、X線テーブル、及びX線テーブル上又は周囲の他の構造体を位置決めするための器具など)を覆う放射線シールドシールを提供する。ベルトはまた、患者及び処置野の不規則な表面を周囲のX線シールドの規則的な構造と接続する手段を提供し、X線のシールドを強化することができる。更に、シールドベルト部分は、患者の周囲のシールドがシールドベルト部分と嵌合することを可能にしながら、不規則な表面に適合するように、滅菌され、処置野に直接適用されることができる。特定の実施形態では、シールドシステムは、処置テーブルの近くに配置された放射線センサ(例えば、放射線検出センサ)を更に含むことができ、放射線センサは、例えば、放射線の存在、又は所定の閾値レベルを超える放射線のレベルを検出及び/又は示すように構成することができる。いくつかの実施形態では、シールドシステムを使用する方法は、以下のステップを含んでもよい:(a)処置テーブル上の患者の一部にわたってベルト部分を配置することと、(b)接合部に沿ってシールド部分をベルト部分に解放可能に係合させることと、(c)撮像処置を実行すること。
【0013】
特定の実施形態では、多関節シールドシステムなどの可撓性放射線シールドシステムが説明される。多関節シールドシステムは、互いにヒンジ式又は枢動可能に結合されたいくつかのシールド要素を含むことができ、これにより、作業者に適切なレベルの放射線シールド保護を提供しながら、ユーザがシールドシステムを(例えば、隣接するシールド要素間の結合部又は接合部において)様々な形状に曲げることが可能になり得る。いくつかの実施形態では、多関節シールドシステムは、作業者が可撓性放射線シールドシステムのシールド要素を通して患者及び/又は他の物体を見ることを可能にするために、例えば、半透明、透明、クリア等であるシールド要素を備えてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、本開示による可撓性放射線シールドシステムは、鉛ガラス又はアクリル(例えば、クリア、透明、半透明等)等の放射線遮断材料から形成される、2つ以上のシールド要素と、要素を互いにヒンジ式に結合する2つのシールド要素間の少なくとも1つのヒンジ接続と、要素が互いに対してヒンジ式に回転又は枢動されるときに、要素間の境界面において放射線を遮断するための機構又は手段であって、シールドが、凸形状、凹形状、又はそれらの組み合わせなどの形状をとる、機構又は手段と、を備えてもよい。いくつかの実施形態において、シールド要素は、シールド要素の少なくとも一部の周りに配置された任意選択のシールドフレームを有してもよい。可撓性要素シールドシステムを支持又は懸架する方法もまた、本開示のいくつかの実施形態に従って説明される。
【0015】
いくつかの実施形態では、本開示による可撓性要素シールドは、2つ以上の放射線遮断又はシールド要素を備えてもよく、要素のうちの少なくともいくつかは、複数のシールド要素が一緒に組み立てられて可撓性シールドを形成することができるように、シールド要素と一体のヒンジ要素を伴うクリアな表面を備える。
【0016】
いくつかの実施形態では、本開示によるシールドアレイ支持システムは、例えば、処置室で作業する者に放射線保護を提供するために、処置の必要性に基づいて、医療処置テーブルの周囲に放射線シールドを除去可能に位置決めするために使用されてもよい。シールドアレイシステムは、他のシールド構成要素及び/又は関連アクセサリのアタッチメントを可能にするように構成されたベース構造を備えることができる。そのようなシステムのいくつかのシールド構成要素は、患者の部分にも放射線保護を提供するように構成され得る。
【0017】
1つ以上の例の詳細は、添付図面及び下の説明に記載されている。他の機能、目的及び利点は、説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】放射線シールドベルト部分が患者の少なくとも一部に適合することを可能にするスリットを有する放射線シールドベルト部分の実施形態の概略上面図である。
【
図1B】放射線シールドベルト部分が患者の少なくとも一部に適合することを可能にするために、起伏が形成された放射線シールドベルト部分の実施形態の概略上面図及び概略断面図を含む。
【
図1C】本開示のいくつかの実施形態による、放射線シールドベルト部分の例示的な構成要素の斜視図である。
【
図1D】本開示のいくつかの実施形態による、放射線シールドベルト部分の例示的な構成要素の斜視図である。
【
図1E】本開示のいくつかの実施形態による、放射線シールドベルト部分の例示的な構成要素の斜視図である。
【
図1F】本開示の代替的な実施形態による、放射線シールドベルト部分の代替的な構成要素の斜視図である。
【
図2】放射線シールドベルト部分と係合するように構成された放射線シールド部分の実施形態の概略正面図である。
【
図3A】互いに動作可能に係合して配置されるように構成されたベルト部分及びシールド部分と、任意選択で、処置テーブルに取り付けるように構成されたシールド部分の実施形態とを備える放射線シールドシステムを示す概略図である。
【
図3B】互いに動作可能に係合して配置されるように構成されたベルト部分及びシールド部分と、任意選択で、処置テーブルに取り付けるように構成されたシールド部分の実施形態とを備える放射線シールドシステムを示す概略図である。
【
図3C】互いに動作可能に係合して配置されるように構成されたベルト部分及びシールド部分と、任意選択で、処置テーブルに取り付けるように構成されたシールド部分の実施形態とを備える放射線シールドシステムを示す概略図である。
【
図4A】動作可能に係合しているベルト部分及びシールド部分を含む放射線シールドシステムの実施形態の概略図(それぞれ、上面図及び側面図)である。
【
図4B】動作可能に係合しているベルト部分及びシールド部分を含む放射線シールドシステムの実施形態の概略図(それぞれ、上面図及び側面図)である。
【
図5A】動作可能に係合しているベルト部分及びシールド部分を含み、放射線シールドシステムの周り又は放射線シールドシステムを通る放射線レベル及び/又は放射線漏れの存在を検出及び表示するように配置された放射線検出センサを有する放射線シールドシステムの実施形態の概略図(それぞれ上面図及び側面図)である。
【
図5B】動作可能に係合しているベルト部分及びシールド部分を含み、放射線シールドシステムの周り又は放射線シールドシステムを通る放射線レベル及び/又は放射線漏れの存在を検出及び表示するように配置された放射線検出センサを有する放射線シールドシステムの実施形態の概略図(それぞれ上面図及び側面図)である。
【
図6A】本開示のいくつかの実施形態による、可撓性放射線シールドシステムの正面図である。
【
図6B】本開示のいくつかの実施形態による、可撓性放射線シールドシステムの一部の拡大正面断面図(
図6Aからの挿入図)である。
【
図6C】本開示のいくつかの実施形態による、可撓性放射線シールドシステムの一部の拡大上面図である。
【
図6D】本開示のいくつかの実施形態による、可撓性放射線シールドシステムの正面図である。
【
図6E】本開示のいくつかの実施形態による、可撓性放射線シールドシステムの分解正面図である。
【
図6F】本開示のいくつかの実施形態による、
図6Eの可撓性放射線シールドシステムの種々の要素の斜視図である。
【
図6G】本開示のいくつかの実施形態による、
図6Eの可撓性放射線シールドシステムの種々の要素の斜視図である。
【
図6H】本開示のいくつかの実施形態による、
図6Eの可撓性放射線シールドシステムの種々の要素の斜視図である。
【
図6I】本開示のいくつかの実施形態による、
図6Eの可撓性放射線シールドシステムの種々の要素の斜視図である。
【
図7A】本開示のいくつかの実施形態によって可能にされる種々の例示的形状に構成される、可撓性放射線シールドシステムの斜視図である。
【
図7B】本開示のいくつかの実施形態によって可能にされる種々の例示的形状に構成される、可撓性放射線シールドシステムの斜視図である。
【
図7C】本開示のいくつかの実施形態によって可能にされる種々の例示的形状に構成される、可撓性放射線シールドシステムの斜視図である。
【
図8A】本開示のいくつかの代替実施形態による、可撓性放射線シールドシステムの正面図である。
【
図8B】本開示のいくつかの代替実施形態による、可撓性放射線シールドシステムのためのヒンジ継手構成の拡大上面図である。
【
図8C】本開示のいくつかの代替実施形態による、可撓性放射線シールドシステムのためのヒンジ継手構成の拡大上面図である。
【
図9A】本開示のいくつかの実施形態によるシールドアレイ支持システムのためのベースユニットの上面図である。
【
図9B】本開示のいくつかの実施形態によるシールドアレイ支持システムのためのベースユニットの上面図である。
【
図9C】本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイ支持システムのベースユニットへの除去可能取り付けを容易にするためのいくつかのタブを有する、ウイング又はアームボードの斜視図である。
【
図9D】本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイ支持システムのベースユニットへの除去可能取り付けを容易にするためのいくつかのタブを有する、ウイング又はアームボードの斜視図である。
【
図9E】本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイ支持システムのベースユニットと係合するためのアンダーカットノッチ付きタブを伴う、シールド要素又はアクセサリ構成要素の側面図である。
【
図10A】本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイ支持システムのベースユニット、ウイング又はアームボード、及びシールド要素の一部の上面斜視図である。
【
図10B】本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイ支持システムのアクセサリ構成要素にシールド要素を取り付けるための例示的機構の斜視図である。
【
図10C】本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイ支持システムのアクセサリ構成要素にシールド要素を取り付けるための例示的機構の斜視図である。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイ支持システムのベースユニット、シールド、及びマットレスの上面斜視図である。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイ支持システムのベースユニット、シールド、マットレス、及びアクセサリシールドの上面斜視図である。
【
図13A】本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイ支持システムと共に使用するための任意選択の患者頭部シールド(一体型構成)の斜視図である。
【
図13B】本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイ支持システムと共に使用するための任意選択の患者頭部シールド(一体型構成)の斜視図である。
【
図13C】本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイ支持システムと共に使用するための任意選択の患者頭部シールド(一体型構成)の斜視図である。
【
図14A】本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイ支持システムと共に使用するための任意選択の患者頭部シールド(ツーピース構成)の斜視図である。
【
図14B】本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイ支持システムと共に使用するための任意選択の患者頭部シールド(ツーピース構成)の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態によるシールドデバイス、システム、又は方法は、作業者(例えば、医療従事者、病院スタッフ等)及び/又は患者に、ある医療撮像処置の間に生じ得る散乱放射線からの保護を提供し得る。それによって、そのようなシールドデバイス又はシステムは、そのような作業者がシールドエプロンなどの特定の形態のシールドを着用する必要なく機能することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、シールドデバイス又はシステムは、処置中に処置テーブル(例えば、X線テーブル)及び/又はワークフローの移動と共に移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、シールドデバイスは、X線テーブルに最小重量を追加してもよい。ある実施形態では、シールドデバイスは、例えば、シールドデバイスが適切に位置決めされたか又は係合されたことを示す、及び/又は照射野が所定のレベルを上回るか、所定のレベルにあるか、若しくは所定のレベルを下回るかを作業者に示す、又は単に放射線のレベルを示す(場合によっては、例えば、可聴及び/又は可視の印の使用を通して)、指示及び/又はフィードバックループを作業者又はオペレータに提供してもよい。
【0020】
本明細書に記載の放射線シールドデバイス/システム400は、撮像処置テーブル上に位置決めされた患者500の少なくとも一部の上に、一部の周りに、又は一部にわたって配置されるように構成された放射線シールドベルト部分402(
図1A及び
図1Bに示す)を含むことができる。ベルト部分402は、患者の表面に適合するように変形可能であってもよく、(
図2及び
図3A~
図3Cに示されるように)放射線シールド部分408と解放可能に係合又は嵌合するように適合される構成を更に有してもよい。ベルト部分402及びシールド部分408は、放射線シールド特性を有する材料を含む。いくつかの実施形態では、放射線シールドベルト部分402は、放射線シールドデバイス/システム400の単回使用の使い捨て構成要素であるように設計されてもよい。いくつかの更なる実施形態では、放射線シールドベルト部分402は、単一の処置のために、又は単一の患者のために放射線シールドデバイス/システム400と共に使用され、次いで、例えば、廃棄/処分される、単回使用使い捨て構成要素であるように、滅菌包装内に提供されてもよい。
【0021】
放射線シールド部分408は、いくつかの実施形態では、例えば、天井から、又は床に取り付けられた片持ちブームから懸架されるように、又は処置テーブル502へのアタッチメントから、又はX線/処置テーブル502に固定されたいくつかの他の器具から懸架されるように構成されてもよい。放射線シールド部分408(例えば、
図2に示されるような)は、放射線シールドベルト部分402と解放可能に又は可逆的に係合又は嵌合し、放射線シールドベルト部分402と放射線シールド部分408との間に形成される接合部412において、又はそれに沿って、(例えば、散乱放射線の漏れを防止するために)放射線バリアを形成するように構成される(
図3A~
図3C及び
図4参照)。シールド部分408は、ベルト部分402がシールド部分408と係合されるときに患者から上向きに延びるように構成されてもよい。シールド部分408は、いくつかの実施形態によれば、シールド部分を処置テーブルに解放可能に結合するためのテーブルアタッチメント429を備えることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、接触センサシステム414は、放射線シールドベルト部分402と放射線シールド部分408との間の接合部412に沿って配置される、1つ以上の接触センサ又は係合センサ416を備える。係合センサ416は、ベルト部分402とシールド部分408との間の接合部412に沿った1つ以上の場所におけるベルト部分402とシールド部分408との間の動作可能な係合の有無(及び任意選択的にその程度又は範囲)を感知及び/又は指示(例えば、表示)するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、接触/係合センサ416はまた、接合部412又は処置室内の別の位置における動作可能な係合の視覚的指示(例えば、緑色=係合、赤色=位置ずれ)を提供するために、接触センサライト417を含んでもよい。
【0023】
図3A及び
図3Bに示す実施形態では、放射線シールド部分408と処置テーブル502との間に(又は処置テーブル502に固定された物体に、又は患者が横たわる物体に)可逆的又は解放可能な係合が提供されてもよく、それによって放射線シールド部分408が処置テーブル502の移動と共に移動することを可能にする。これは、場合によっては、放射線シールド部分408内に形成され、処置テーブル502内、又はベルト部分402内、又はその両方(例えば、入れ子構成)内に形成され得る、受容部508と嵌合及び/又は係合するように構成される、テーブルアタッチメント429の使用によって提供されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、1つ以上の放射線検出センサ418は、処置テーブル502に近接して配置されてもよく、又は処置テーブル502自体に、又は処置テーブル502に固定された1つ以上の物体に、又はシールドデバイスに固定されてもよく、例えば、1つ以上の放射線検出センサ418は、例えば、X線放射線レベルを測定してもよく、放射線検出センサ418(
図5A及び
図5B参照)における、又はその近くのX線放射線強度のレベルを示すように構成される。例えば、X線シールドシステム400は、作業者又はオペレータがある所定の又は事前定義された限界を上回る放射線レベルに曝露されていないことを確実にするのに役立つように、1つ以上の放射線検出センサ418を備える、X線検出システム420を任意選択で含んでもよい。いくつかの代替実施形態では、X線検出システム420は、例えば、数値表示を介して、又は存在する放射線のレベルに比例する可聴音若しくは振動、又は放射線レベルに比例する光若しくはグラフィック信号等を介して、リアルタイム警告を提供してもよい。いくつかの代替実施形態では、X線検出システム420は、着色光表示(例えば、放射線強度の様々なレベルに対応する赤色、黄色、緑色)、音、振動、又は指定された放射線レベルを超えたことを作業者に警告する他の適切な指示を使用すること等によって、ある放射線レベルを超えたことのリアルタイム警告を示してもよい。いくつかの実施形態では、放射線検出センサ418は、視覚的指示を提供するために表示の色又は光強度を変更する能力を含んでもよく、必要に応じて設定点を変更するように調整可能又はプログラム可能であってもよい。いくつかの代替実施形態では、X線検出システム420は、感知された放射線のリアルタイムレベルがX線システムにフィードバックされるフィードバック制御機構を含むことができ、場合によっては、X線発生の一時停止若しくは終了、又はX線量レベル若しくは強度の低減、又はシステム420によって検出される放射線レベルを例えば安全なレベルに低減するための何らかの他の動作をもたらす。
【0025】
いくつかの実施形態によるシールドシステム400は、処置テーブル502から吊り下げられるか、又は処置テーブル502によって支持されるか、あるいは典型的には、テーブルの下で放射線からのシールドを提供するために使用される、テーブル502の上又はテーブルに取り付けられたデバイスなどから吊り下げられるか、又は支持されるテーブル放射線シールド504(例えば、
図4A、
図4B、
図5A、及び
図5Bを参照)の使用と併せて使用されてもよい。同様に、例えば、処置テーブル502又は台へのアタッチメントの有無にかかわらず床に取り付けられたシールド、又は天井から吊り下げられた同様のシールドを使用して、テーブル502の下の放射線からの保護を提供することができる。
【0026】
放射線シールドベルト部分
図1A及び
図1Bは、本開示の様々な実施形態による例示的な放射線シールドベルト部分402を示す。例えば、
図1Aは、放射線シールド材料424と、ベルト部分402に3次元形状を提供するように適合された発泡体422又は他の材料と、カバー426とを備える放射線シールドベルト部分402の上面図である。ベルト部分402は、患者の一部の上又は全体にわたって、典型的には患者の腰又は下腹部の上及び/又は全体にわたって配置されるように意図されている。放射線シールド材料424は、例えば、放射線遮断ゴム材料(例えば、スズ、アンチモン、ビスマス等の材料で充填されたゴム)を含んでもよい。発泡体422は、例えば、放射線シールド部分408との係合を容易にするために、ベルト部分420に垂直寸法又は高さを提供する。発泡体422はまた、放射線シールド部分408との、患者の表面に対する適合配置又は係合を容易にするための可撓性側面を提供してもよい。いくつかの実施形態では、放射線シールド材料424は、発泡体422の周囲に形成されてもよく、発泡体422から水平に延びてもよい。この構成は、
図1C~
図1Eに最もよく示されている。
【0027】
ベルト部分402は、放射線シールド部分408との係合を容易にし、ベルト部分402と放射線シールド部分408との間に形成される接合部412に沿ったX線光子の漏れを防止するのに十分な垂直寸法(例えば、患者の一部にわたって位置決めされたときに処置テーブル502から離れて上向きに延びる高さ、例えば、
図3Cに示す発泡体422の垂直高さを有する部分)を有することができる。いくつかの実施形態では、ベルト部分402は、ドア及びドア枠と同様の方法で放射線シールド部分408に当接する。すなわち、ベルト部分402は、ベルト部分402とシールド部分408との間の接合部412に沿ったシールド部分408との解放可能な係合を容易にするための当接面を備えることができる。
【0028】
放射線シールドベルト部分402は、シールドシステムの滅菌又は非滅菌デバイス又は構成要素として使用されるように製造されてもよい。非滅菌ベルト部分402は、例えば、使用中に滅菌患者ドレープの下に配置されてもよく、一方、滅菌ベルト部分402は、例えば、使用中に患者滅菌ドレープの上の滅菌野に配置されてもよい。ベルト部分402は、ある実施形態では、いくつかの好適な係合又は嵌合方法(磁気要素、ラッチ、フック及びループストリップ(Velcro(登録商標))、又は接着剤等)のうちの1つ以上を使用して、処置テーブル502(又は処置テーブル502上の別のデバイス)に、又は患者を覆う滅菌ドレープに取り付けられるように構成されてもよい。例えば、特定の実施形態では、ベルト部分402とシールド部分408との間の接合部412に沿って1つ以上の磁気要素が配置されてもよい。
図1A及び
図1Bに示すように、ベルト部分402の一部又はそのシールド材料424に形成された任意のスリット430及び/又は起伏432は、患者の身体への更なる適合性を提供することができる。例えば、ベルト部分402に形成された複数のスリット430及び/又は複数の起伏432は、いくつかの実施形態では、患者の上面へのベルト部分402の適合を容易にし得る。いくつかの実施形態によれば、ベルト部分402は、患者又は処置テーブルを完全に横断又は包囲するように構成されてもよく、又は場合によっては、患者の上向き表面(腹部領域の右半分等)に少なくとも部分的にわたって延びるように、又は処置テーブルの幅に少なくとも部分的にわたって延びるように構成されてもよい。放射線シールドベルト部分402は、シールドシステムの滅菌構成要素として使用されるように製造されてもよい。例えば、放射線シールドベルト部分402は、単一の処置のために、又は単一の患者のために放射線シールドデバイス/システム400と共に使用され、次いで、例えば、廃棄/処分される、単回使用使い捨て構成要素であるように、滅菌包装内に提供されてもよい。
【0029】
図1A及び
図1Bは、ベルト部分402の少なくとも1つの端部から外向き及び/又は下方に延び得るテーブルアタッチメント428を示す(例えば、
図1A及び
図1Bは、例えば、テーブルアタッチメント428がベルト部分402の両端から延びる実施形態を示す)。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのテーブルアタッチメント428は、処置テーブル502のスロット又は他の係合機構と係合及び/又は嵌合するように構成されてもよい。これは、場合によっては、例えば、様々な撮像動作中の処置テーブル502の移動中にそのような相対的な向きを維持するために、シールドシステム400の部分と処置502との間のある程度固定された向き又は幾何学的関係を維持することを容易にし得る。
図1A及び
図1Bはまた、ベルト部分402の表面に沿って配置された強磁性材料434を有するベルト部分402の実施形態を示す。強磁性材料434は、いくつかの実施形態では、シールドシステム400のベルト部分402とシールド部分408との間の確実な係合又は嵌合を容易に及び/又は強化するために使用されてもよい。(
図3Cは、ベルト部分402の発泡体422の垂直に向けられた表面に沿って配置された強磁性材料434の潜在的な構成の詳細を示す断面図である。上述したように、この構成は、ベルト部分402とシールド部分408との間の確実な係合又は嵌合の形成を容易にすることができる。
【0030】
代替構成では、放射線シールドベルト部分402は、ベルトの長さに沿って(又は長手方向軸に沿って)配置されたブラダを含むことができる。そのような実施形態では、ブラダは、空気、流体、又は発泡体等の圧縮性材料で充填されてもよい。これは、ブラダが、ベルト部分402の上に、それにわたって、又はそれに隣接して位置決めされる放射線シールド部分408と共に、又はそれに対してシールを形成することを可能にし得、それによって、放射線バリア又は遮断を生成する。ベルト部分402は、例えば、滅菌野での使用を容易にするために、滅菌バリア材料で覆われてもよい。
【0031】
いくつかの代替実施形態では、放射線シールドベルト部分402は、放射線シールド部分408及び/又は患者の形状に適合するように、ベルトに付加的可撓性を提供し得る、他の構成で形成又は構築されてもよい。放射線シールドベルト部分402は、そうでなければ放射線シールド部分408の下部と患者の身体との間に形成又は生じ得る、任意の間隙を遮断又は充填するのに役立ち得る。したがって、放射線シールドベルト部分402は、シールド部分408と患者との間の任意のそのような間隙を充填することを容易にし得る、患者の身体の輪郭から上向きに延びる略垂直部分又は高さを有するように構成されてもよい。
【0032】
いくつかの代替的な実施形態による放射線シールドベルト部分402の一例が、
図1Fに示されている。例えば、
図1Fは、放射線遮断充填粒子423で充填された細長い管425を備える放射線シールドベルト部分402の切欠き斜視図である。細長い管425は、可撓性管又は他の同様の細長い形状を備えてもよく、これは、例えば、織物カバーで形成され、不連続な放射線遮断材料で充填されてもよい。すなわち、放射線遮断材料は、例えば、複数の充填粒子423を含んでもよい。これらの放射線遮断充填粒子423は、切断された発泡体の小片、又はガラス、プラスチック、発泡体若しくは同様の材料で作られたビーズの形態をとることができる。これらのビーズは、円形、細長い、円筒形、正方形、又はそのような粒子(例えば、ビーズ)が収容される可撓性管425が屈曲又は成形されるときに粒子間の相対運動を可能にする任意の形状であってもよい。好ましい実施形態では、そのような放射線遮断充填粒子間の相対運動は、可撓性管がその周囲環境の形状に容易に適合するように、流体運動に類似してもよい。
【0033】
これらのビーズ又は他の充填構成要素423は、それらの製造中に放射線遮断材料から形成されてもよく、及び/又は放射線遮断材料を充填されてもよい。適切な放射線遮断材料は、鉛、スズ、アンチモン、バリウム、ビスマスなどの材料、又はX線放射線を減衰させる他の材料を含むことができる。充填粒子又はビーズ423はまた、製造後にそのような放射線遮断材料でコーティングされてもよい。所望のレベルの放射線遮断保護を提供するために、例えば、ベルト部分402のそのような実施形態で使用される放射線遮断ビーズ又は充填粒子423は、鉛当量のための全システムの要件を満たすバルク放射線減衰特性を提供するように構成されてもよい。例として、0.5mmの鉛当量及び1.0mmの鉛当量は、X線シールドレベルの一般的なゴール又は目標であるが、より低い及びより高いレベルの鉛当量(例えば、0mmと0.5mmとの間の鉛当量、及び1.0mmより大きい鉛当量)もまた、本開示の種々の実施形態に従って想定され得る。
【0034】
放射線シールドベルト部分402の別の代替実施形態では、「ビーンバッグ」充填粒子423は、放射線遮断材料の可撓性シート又は層によって封入又は含有されてもよい。この放射線遮断材料は、所望のレベルの放射線保護を提供し続けながら、全体のビーンバッグ構成の所望のレベルの形状可撓性を提供するように可鍛性であってもよい。
【0035】
細長い管425(放射線遮断充填粒子423を収容又は収容するための)は、それ自体が、例えば、織物、押出ポリマー、又は医療デバイス用途での使用に適した他の材料から構成されてもよい。放射線シールドベルト部分402の細長い管425は、医療処置中に滅菌野で使用され、したがって、可能な例として、処置に先立って滅菌することができる材料、又は滅菌野を汚染することを防止するために滅菌バッグ若しくは滅菌バリアに挿入することができる材料、又はシールドシステムの滅菌された単回使用の使い捨て構成要素として製造され包装される材料から構築されるべきである。
【0036】
上述したように、
図1Fは、典型的な「ビーンバッグ」のビーズ又はビーンと同様に互いに対して移動する放射線遮断充填粒子423で充填された細長い管425を備える放射線シールドベルト部分402の切欠き斜視図である。この特定の実施形態における細長い管425は、ベルト部分402が任意の方向に指定された厚さ未満に寸法的に平坦化することができないように、充填粒子423で充填することができる。これは、例えば、ベルト部分402のX線減衰特性が最小放射線保護閾値未満に低下することを回避するのに役立ち得る。そのような機能はまた、ベルト部分402の最小高さを提供し、それによって、そうでなければ、例えば、撮像処置中に放射線シールド部分408と患者との間に存在し得る、シールド内の任意の間隙を物理的に充填するその能力を維持し得る。
【0037】
放射線シールド部分
使用中に患者の上方に配置されるように適合された放射線シールド(又はシールド部分408)は、
図2に示されるように、処置テーブル502上に位置決めされた患者の周りに適合して配置された放射線シールドベルト部分402と嵌合するように構成される。シールド部分408は、例えば、シールド要素(酸化鉛など)が埋め込まれた透明アクリル材料で形成されてもよい。シールド部分408は、移動を容易にするためのハンドル、センサ又は他の要素を収容し、損傷から保護するためのフレーム(又はフレームの一部)、及びアームから、又は天井、床マウント、処置テーブル502から、又は処置テーブル502に固定された物体からシールドを懸架するための懸架装置など、それに取り付けられた任意選択の追加の構成要素を更に有することができる。シールド部分408、又はシールド部分408へのアタッチメントは、処置テーブル502に、又は処置テーブル502に取り付けられた構造に解放可能及び/又は可逆的に取り付け又は結合されてもよく、例えば
図3及び
図4に示すように、撮像処置中に処置テーブル502の移動と共にシールド部分408が移動することを可能にする。シールド部分408は、例えば、天井に取り付けられたアームから、又は天井若しくは壁内の支柱から、又は床に取り付けられた片持ちマウントから吊り下げられてもよい。
【0038】
放射線シールド部分408は、例えば、
図2に示すように、ヒンジ機構を使用して、1つ以上の枢動点で任意選択で構成されてもよい。1つのそのような実施形態では、ヒンジ片の縁部は、ヒンジを0度の角度位置から外に曲げることが、依然としてX線光子透過に対するバリアを提供するように、段付きレッジを有する。更に、ヒンジの枢動に抵抗を加えると、オペレータは可撓性シールドを成形する際により多くの制御を得ることができることが試験で示されている。オペレータが1つのパネルを引くか又は押すことによってシールドを弓形に形成することを可能にする追加の機構は、パネル間の可撓性構造(可撓性グースネック管など)、運動を調整するためのパネル間のレベル、及び他の機構の包含である。
【0039】
いくつかの任意選択の実施形態では、放射線シールド部分408は、アタッチメント、例えば、
図2に示されるような「テーブルアタッチメント」を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、アタッチメントは、テーブル自体に、又は炭素繊維スレッド、取り付けられたマットレス、又はテーブル若しくはテーブルレールに固定されたブラケットなど、テーブル上に取り付けられた物体に提供される。いくつかの実施形態では、放射線シールド部分408は、クランプ、バヨネットアタッチメント、タング及びスロットアタッチメント、磁気アタッチメント、フック及びループアタッチメント、並びに当業者に容易に明白となるであろう他のものを含む、処置テーブル502への、又は処置テーブル502上の固定具へのいくつかのマウントのうちのいずれかを含んでもよい。
【0040】
テーブルアタッチメントはまた、テーブルの位置及び動きを検出するためのセンサを含み得る。例えば、テーブルの上下運動を検出するセンサを機構に接続して、テーブルの移動に合わせて患者の周りのシールドを自動的に上下に移動させることができる。同様に、テーブル又は患者位置の左右の動きを検出するためのセンサ(単数又は複数)を電動システムに接続して、シールドシステムの同様の動きを提供することができる。
【0041】
ベルトとシールド部分との間の接合部における解放可能な係合
可逆的及び/又は解放可能な係合デバイス又は機構が、放射線シールド部分408とベルト部分402との間の接合部412に、又はそれに沿って提供されてもよい。一実施形態では、そのような解放可能な係合要素は、ベルト部分402のシールド部分408への嵌合を補助し得る。例として、1つ以上の磁気要素(例えば、対向するシールド又はベルト上の1つ以上の対応する磁気要素と共に、シールドの下側若しくはフレーム、又はベルトのシールドに面する側のいずれかに鉄要素がある場合)、1つ以上の面ファスナ若しくは締結ストリップ(例えば、Velcro(登録商標))、ラッチ、又は接着剤。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、近接センサシステムを使用して、ベルト部分402と放射線シールド部分408との間の接合部412に沿った1つ以上の場所において、放射線シールド部分408とベルト部分402との間の接続の存在(又はその欠如)を検出することができる。いくつかの実施形態では、そのような近接センサシステムは、例えば、放射線シールド部分408に取り付けることができ、
図2及び
図3A~
図3Cに示すように、接合部412に沿って又はその近くに配置され、放射線漏れを防止又は最小化するためにシールド部分408がベルト部分402に当接したことを検出するように構成された1つ以上の係合センサ416を含むことができる。例えば、圧力センサ、ホール効果センサ、及び磁気センサ(例えば、強磁性材料がベルト部分402の垂直側面に埋め込まれ、センサが、例えば、放射線シールド部分408内にある場合)を含む、多くの異なるタイプのセンサが、係合センサ416のために採用され得る。特定の実施形態における強磁性センサの使用に対する潜在的な利点はまた、ベルト部分402内の鉄材料を使用して、シールド部分408とベルト部分402との間に磁気アタッチメントを提供し得ることである(それによって、そのような実施形態における検出及び係合機能の両方を潜在的に向上させる)。磁気センサは、例えば、接合部412におけるシールド部分408とベルト部分402との間の係合の程度を感知するように構成されてもよく、及び/又は接合部412におけるシールド部分408とベルト部分402との間の係合を強化するように構成されてもよい。近接又は係合センサシステムは、例えば、任意選択で、光(例えば、取り付けられている場合は緑色、取り付けられていない場合は赤色)、電子ディスプレイ(LEDタブレットなど)、又は機械ディスプレイ(例えば、センサは、ベルト部分402と接触すると、インジケータフラグを機械的に変更するように構成され得る)などの、故障/故障なしを示す既知の方法を使用して作業者に表示することができる視覚的指示などの出力を含んでもよい。
【0043】
適切な放射線シールドを保証するX線検出システム
X線検出デバイス又は放射線感知デバイスは、放射線シールド部分408のユーザ側の放射線の存在に敏感であるような様式及び/又は場所で、放射線シールド部分408内に収容されるか、又はそれに結合されてもよい。一実施形態では、例えば、放射線検出器又はセンサは、熱ルミネセンス検出器(「TLD」)を含むことができ、これは、放射線レベルのかなりリアルタイムの検出という利点を提供することができる。他のタイプの放射線検出器及び/又はセンサを使用することができ、他のタイプの検出器が将来開発され得ることが認識される。放射線(更に、所定のレベルを超える放射線)の合理的に速い(例えば、リアルタイム)出力又は指示を有する放射線検出器/センサ、そのような検出器/センサは、本明細書に開示される種々の実施形態によるシールドシステムと併せて利用され得る放射線検出アラートシステムとしての使用に好適であり得る。
【0044】
放射線検出デバイス又はセンサは、作業者の近くに配置されてもよく、例えば、可能な例として、患者テーブルに、又はEggNest(登録商標)(Egg Medical,Inc.製)放射線保護システムなどの使用中であり得る任意の周囲のシールドデバイスに、又は可能な例として天井から吊り下げられたシールド、患者テーブルに取り付けられたシールド、又は患者テーブルの近くの床に配置されたシールドに結合又は取り付けられたものを含む、作業者の近くに配置されてもよい。加えて、処置室内のシールドに埋め込まれるか、又は可逆的に取り付けられる検出器は、室内の放射線レベルの検出及び指示/表示を可能にし得る。そのような放射線レベル、好ましくはその場所の迅速な(例えば、リアルタイム)検出は、職員が特定の領域に入らない、若しくは立たないように、又は放射線をより良く遮断するために部屋の中でシールドを移動又は再配置するように警告するのに有用であり得る。シールドシステムの部分上又はそれに近接して配置された放射線検出センサは、例えば、シールドシステム及び/又はその構成要素の位置決めを評価するため、並びに特定のシールドの有効性を評価するために有用であり得る。
【0045】
検出点(例えば、シールドシステムの一部又はその近く)で放射線検出デバイス又はセンサによって検出された放射線レベルの指示又は表示は、光又は発光体によって提供されてもよい。いくつかの実施形態では、放出される光の色及び/又は強度は、検出された放射線レベル又は強度に関連するか、又は概して比例し得る。いくつかの実施形態では、検出された放射線の強度又はレベルは、光の点滅、例えば、連続的な点滅、又は放射線強度レベルを表す又は示すために使用され得る、あるパターン(単数又は複数)における点滅によって示されてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、検出器/センサで検出された放射線の強度を示すために音を使用することができる。例えば、音のトーン、強度、又はパターンを使用して、検出された放射線の異なるレベルを示すことができる。振動はまた、検出器における放射線の強度を示すために使用され得る。振動の周波数又はパターン又は強度は、例えば、検出された放射線の異なるレベルを示すために使用することができる。
【0046】
一実施形態では、X線センサは、X線システムによるX線発生、及びそれによって生成される対応するX線放射線レベルが、センサ/検出器で安全でない放射線レベルを検知したとき、及び/又は1つ以上のそのようなセンサで特定の事前定義されたレベルのX線放射線強度が検出されたことをX線発生システムに通信すると、抑制及び/又は終了され得るように、X線システムと通信するように構成される。そのような機能は、例えば、検出された放射線のレベルが特定のレベルを超えた場合に、ユーザが危険なレベルの放射線への曝露を受けることを防止するか、又はユーザを危険な放射線への曝露から保護することができる。放射線検出センサとX線システムとの間の通信は、有線、電波、光、又は他の通信方法など、当技術分野で知られている通信方法を介して行うことができ、通信信号は、本質的にデジタル及び/又はアナログとすることができる。センサから通信される信号は、例えば、単純なオン/オフ信号からなり得るか、又はいくつかの実施形態によれば、放射線強度の指示であり得る。X線発生システムのX線発生ユニット又は制御システムは、限定はしないが、X線発生器又はX線管への電流の遮断又は変更を含むX線システムの1つ以上の制御システムとの界面を介して、ソフトウェア制御システムを介して、又は特定の実施形態によるユーザ起動X線制御スイッチ(フロアペダル又はハンドスイッチなど)からの信号を遮断又は変更することによって制御することができる。
【0047】
本開示では、革新的な放射線シールド支持構造の様々な実施形態について説明する。いくつかの実施形態では、ユーザが、放射線シールドのレベルを低下させることなく、2つ以上のクリアなシールド要素を備えるシールド構造を多数の形状に曲げることを可能にする、多関節透明シールドシステムが説明される。シールドシステムは、以下のうちの1つ以上を備え得る:
可撓性放射線シールドシステム
図6A~
図6Cを参照すると、可撓性又は関節運動可能な放射線シールドシステム100は、放射線シールドのアレイを形成するために互いにヒンジ式及び/又は枢動可能に結合された2つ以上のシールド要素(例えば、シールドペイン10及び/又はシールドフレーム12)を備えてもよい。例えば、関節運動可能な放射線シールドシステム100は、第1のシールドペイン10及び第2のシールドペイン10を備えることができる。シールドペイン10は、例えば、鉛ガラス又はアクリルなどのクリアな(例えば、透明又は半透明の)放射線遮断材料から形成されてもよい。例示的なシールドペイン10が
図6Aに示されており、シールドフレーム12が、各シールドペイン10の外側縁部又は周囲の周りに少なくとも部分的に配置又は形成されている。しかしながら、シールドペイン10は、いくつかの実施形態によれば、シールドペイン10の周りにシールドフレーム12を伴って又は伴わずに配置されてもよい。シールドペイン10は各々、上部と、少なくとも1つの概ね垂直に配向された縁部とを有することができる。ヒンジ結合部14は、隣接するシールド要素間(例えば、シールドペイン10の隣接する対の間)に設けられてもよい。例えば、ヒンジ結合部14は、第1のシールドペイン及び第2のシールドペイン10の各々の概ね垂直に配向された縁部に沿って、第1のシールドペイン10を隣接する第2のシールドペイン10に枢動可能に結合することができる。
【0048】
図6A~
図6Cはまた、本開示による可撓性放射線シールドシステム100に組み込まれ得るいくつかの任意選択の機能を示す。例えば、ケーブル24は、可撓性放射線シールドシステム100の曲げ量を制限するために、シールド要素のアレイの上部に沿って(例えば、シールドペイン10及び/又はシールドフレーム12の上部に沿って)含まれてもよい。ケーブル24は、例えば、シールドペイン10を1つ以上のヒンジ結合部14に結合するためのヒンジコネクタとして機能するように、各シールドペイン10の上部に沿って配置されることができる。
図6Aは、配置を容易にするために放射線シールドシステム100の一端又は両端に含めることができる任意選択のハンドル22を示す。
図6Aはまた、典型的な患者(図示せず)の形状及び/又はサイズに適応するために、放射線シールドシステム100において採用され得る、潜在的に適合する輪郭又は切欠き形状26を示す。例えば、切欠き形状26を示す破線の下の領域は、例えば患者の輪郭に適合するように所望の切欠き形状26を形成するために除去される(例えば、影響を受けたシールドペイン10及び/又はシールドフレーム12がそれに応じて成形及び形成される)。
図6Bは、放射線シールドシステム100の種々の他の要素、例えば、ヒンジ結合部14(例えば、以下に説明される内側ロッド20及び/又は外管18)、隣接するシールドパネル及び/又はフレーム10、12、ケーブル24、ヒンジシールド16(以下に説明される)等を結合又は接続するために、本開示のいくつかの実施形態において使用され得る、取り付け可能キャップ28を示す。
【0049】
ヒンジ接続又はヒンジ結合部14の詳細図が、
図6B及び
図6Cにより詳細に示されている。例えば、
図6Bは、いくつかの実施形態による可撓性放射線シールドシステム100の一部の拡大正面図であり、隣接するシールド要素(例えば、シールドペイン10及び/又はシールドフレーム12)の間にヒンジ結合部を提供するように配置された、外管18と外管18内に配置された内側ロッド20とを備えるヒンジ結合部14を示す。外管18及び内側ロッド20は、例えば、様々な金属などの適切な材料から形成され得る。外管18及び/又は内側ロッド20は、いくらかの固有の放射線シールド特性を有してもよく、又は任意選択で、追加の放射線シールド特性を有する材料から形成されてもよいが、これは必ずしも必要ではない。外管18は、いくつかの実施形態では自由浮動式であってもよく、又は特定の他の実施形態では、1つ以上のシールドペイン10又はシールドフレーム12に取り付けられてもよい。外管18は、隣接するシールドペイン10の間のヒンジ結合部14において内側ロッド20を覆うように機能する。いくつかの実施形態では、外管18は、あるレベルのシールドを提供してもよく、及び/又は追加のシールドが配置され得る構造を提供してもよい。代替実施形態では、外管18は、例えば、シールド要素と外管18との間に直接ヒンジ結合部又は回転可能結合部を有することによって、内側ロッド20なしで提供されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、シールド要素の縁部の周り(例えば、シールドペイン10及び/又はシールドフレーム12の周り)の間隙を覆うために、放射線遮断プレート(例えば、ヒンジシールド16)が追加的に設けられてもよい。
図6Cは、
図6Bの例示的なヒンジ結合部14を示す、例示的な可撓性放射線シールドシステム100の一部の拡大上面図である。
図6Cに示すように、ヒンジシールド16などの放射線遮断プレート又はシールドは、隣接するシールドペイン10及び/又はシールドフレーム12の間の界面において、又は界面に沿って放射線シールド保護を提供するために、ヒンジ結合部14に近接して配置される。ヒンジシールド16は、例えば、放射線シールドシステム100がその一部に沿って凸形状、凹形状、又は凸形状と凹形状の組み合わせを呈するようにするために、隣接するシールドペイン10が互いに対して関節接合される(例えば、枢動される、回転される、角度を付けられるなど)ときに、これらの要素間の放射線を遮断するための例示的な機構又は手段である。(放射線シールドシステム100によって形成され得るそのような関節運動可能な形状の実施例が、
図7A~
図7Cに図示される)。ヒンジシールド16は、例えば、鉛、放射線遮断材料が充填又は埋め込まれたポリマーなどのいくつかの放射線遮断材料から構成されてもよい。ヒンジシールド16は、様々な実施形態によれば、不透明又は透明なシールド材料から形成されてもよい。
【0050】
いくつかの特定の実施形態では、外管18及び内側ロッド20は両方とも、ヒンジ機構(例えば、ヒンジ結合部14)の構成要素である。例えば、外管18は、一方の側で第1のシールドペイン10又はシールドフレーム12に接続又は結合されてもよく、内側ロッド20は、外管18の反対側に配置された第2のシールドペイン10又はシールドフレーム12に接続又は結合されてもよい。これは、2つのシールド要素(例えば、ペイン10及び/又はフレーム12)が(例えば、隣接する垂直縁部に沿って)接合されることを可能にし得る一方で、互いに対して回転又は枢動することも可能である。ヒンジ14は、十分な放射線遮断特性を提供する材料から製造されてもよく、又は散乱放射線がシールドシステム100のシールドペイン10の間の間隙を通過することができないようにヒンジの周りに配列されたシールド材料を有してもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、ヒンジシールド16は、0.5mm以上の厚さの鉛と同等の放射線遮断保護を提供することができる。本開示のいくつかの実施形態において、シールドペイン10は、1.0mm以上の厚さの鉛と同等の放射線遮断保護を提供することが好ましい。シールドペイン10は、例えば、ストリップ又は長方形以外の形状で提供されてもよい。更に、所与のシールドペイン10のシールド特性は、他のシールドペイン10と異なっていてもよく、及び/又は、他のシールドペインに対するシールドペイン10の位置に基づいて、特定のシールドペイン10における予想される放射線曝露に対して調整されてもよい。例えば、吊り下げシールド(例えば、放射線シールド部分408)の端部(例えば、外側部分)に配置されたシールドペイン10は、0.5mm鉛等価放射線シールド保護を有することができ、一方、中央に配置されたシールドペイン10は、より高いレベルの放射線に曝露されることが予想されるため、シールド部分408のより中央に配置されたパネル(単数又は複数)は、より高いレベルの放射線シールド保護(例えば、1.0mm鉛当量以上)を有するように構成することができる。
【0052】
図6D~
図6Iは、本開示のいくつかの実施形態による可撓性放射線シールドシステム100の特定の実施形態の詳細を示す。
図6Dは、シールドパネル10及びシールドフレーム12から形成されるシールド要素の4パネルアレイを備える、例示的放射線シールドシステム100の正面図である。
図6Eは、
図6Dの例示的な放射線シールドシステム100の分解正面図であり、例えば、隣接するシールドペイン10の相対的な枢動又は角度付けを可能にし得る様式でシールドフレーム12を形成する要素の構成を示す。
図6Fは、シールドフレーム12の単一の上部を示し、端部は、例えば、ヒンジ結合部14の外管18及び/又は内側ロッド20への結合を容易にするように構成されたレセプタクルを有する。
図6Gは、ヒンジ結合部14の外管18及び内側ロッド20(例えば、外管18内に配置される)を示す。いくつかの実施形態では、単一のポール又は管18(例えば、中実又は中空)が、枢動可能結合又はヒンジ結合部を容易にするために使用され得ることに留意されたい。外管18及び/又は内側ロッド20はまた、本開示のいくつかの実施形態によれば、放射線を遮断するために使用されてもよく(例えば、好適な放射線遮断材料から形成される場合)、又はその機能を果たすようにライニング若しくはコーティングされ得る。
図6Hは、本開示の特定の実施形態によるシールドペイン10を示しており、凹形状11が、シールドペイン10の1つ以上の概ね垂直に配向された縁部に形成されている。
図6Iは、シールドペイン10に形成された凹形状11の詳細を示す、
図6Hの点線挿入図の拡大図である。凹形状11は、その中に(又はそれに隣接して)配置された外管18がシールドペイン10の縁部と比較的密接して重なり合う係合を形成することを可能にすることができる。これは、例えば、隣接するシールドペイン10間の放射線遮断を強化する一方で、隣接するシールドペイン10間の枢動可能な調節を可能にし続けることができる。上述したように、隣接するシールドペイン10及び/又はフレーム12の間の角度の柔軟な調整(例えば、場合によっては、直線アレイから最大約30度以上の角度又は弧を形成すること)は、可撓性放射線シールドシステム100のための多数の全体的な形状の形成を可能にし得る(例えば、
図7A~
図7C参照)。例えば、
図7A~7Cの例示的な放射線シールドシステム100は、シールドパネル10及びシールドフレーム12から形成されたシールド要素の4パネルアレイを備える。放射線シールドシステム100は、同様に、種々の実施形態による、2つ若しくは3つのシールド要素のアレイ、又は5つ以上のシールド要素のアレイを備えることができる。放射線シールドシステム100の隣接するシールドペイン10及び/又はフレーム12の間の角度の柔軟な調整は、単に2つの例示的な可能性として、放射線シールドシステム100を、
図7Bに示される形状/構成などのある範囲の凸形状又は凹形状(例えば、上から見たとき)、又は
図7Cに示されるものなどの「S」字形の構成に成形することを可能にし得る。
【0053】
図8Aは、本開示のいくつかの代替実施形態による、可撓性放射線シールドシステム200の正面図である。可撓性放射線シールドシステム200は、2つ以上の放射線遮断要素(例えば、シールド要素又はシールドペイン10)を備え、シールド要素の一部又は全部は、シールドペイン10と一体であるシールドヒンジ継手214を有する実質的にクリアな表面からなり、それにより、
図8Aに示すように、複数のシールド要素10を一緒に組み立てて可撓性シールド200を形成することができる。
【0054】
図8B及び8Cは、本開示のいくつかの実施形態による、可撓性放射線シールドシステム200のためのシールドヒンジ継手214構成の拡大上面図である。
図8B及び
図8Cに示すように、複数のシールドペイン10は、結果として得られるシールドシステム200の全体的なサイズ、形状、及び保護範囲を変更するために、必要に応じて(例えば、図示のように、摩擦嵌合を介して、ボール及びソケット構成又は同様のものを使用して)互いに解放可能に結合及び/又は分離されてもよい。
図8Dは、シールド要素210が、シールド要素210の対向する長さに沿って、対向する側部又は端部に沿って形成されたシールドヒンジ継手214(例えば、上述のボール及びソケット構成を備える、一方の端部における「雄」ヒンジ継手214及び他方の端部における「雌」ヒンジ継手214)を有するシールドペイン10を備える実施形態を示す。この実施形態では、個々のシールド要素210及びヒンジ継手214は、一体型シールド材料から形成される。これは、シールド要素210の1つの縁部に沿って形成される「ソケット」ヒンジ継手214が、別のシールド要素210の「ボール」ヒンジ継手214と解放可能に結合又は嵌合することを可能にし、それによって、2つの隣接するシールド要素210が、例えば、それぞれのヒンジ継手214の長さによって形成される軸に沿って、互いに対して枢動又は回転されることを可能にする。
【0055】
加えて、以下の機能及び/又は構成要素は、以下に説明されるように、システム100及び/又は200に機能性及び/又は可撓性を追加するために、本開示の種々の代替実施形態に従って、前述の放射線シールドシステム100及び/又は200に追加されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、ヒンジ結合部14(例えば、外管/内側ロッド18、20構成)又はヒンジ継手214(例えば、ボールソケット構成)は、シールド要素間の枢動可能又は回転可能な接続が、例えば、所望の角度で可逆的にロックされることを可能にし得る。可逆的ロック機構は、シールド要素のアレイが所望のように成形又は形成され、次いで、所望の形状に可逆的にロック又は固定されることを可能にし得る(シールド要素間の角度のうちの1つ以上を互いに対してロック又は固定することを含む)。使用後、可逆的ロック機構は、シールドシステム100、200の格納を可能にするために(例えば、シールド要素のアレイを真っ直ぐにすること、又は平坦構成に折り畳むこと、又は1つ以上のシールド要素をシステム全体から分離すること等を可能にするために)、又は後続の異なる使用等のためのシールドシステム100、200の成形を可能にするために、解放され得る。個々のシールド要素は、シールド要素のアレイの全体的な寸法を変化させるために必要に応じて分離又は接合することができる。この機能は、ユーザが、シールドシステム100、200のための特定の構成又は形状を設定し、次いで、それを定位置にロックすることを可能にし、ロック解除及び形状を再構成する能力等を伴う。
【0057】
可逆的ロック機構は、いくつかの形態をとることができる。単純なボールディテントロックは、例えば、アセンブリに加えられる単純な力でシールドペイン10が「外される」ことを可能にしながら、適所にスナップ嵌めすることができる。摩擦ロックは、シールド要素のアレイを成形する(例えば、摩擦抵抗を克服することによって隣接するシールドペイン10間の角度を変化させる)ために必要とされる相対的な力が、シールドシステム100、200を動かすための力よりも高いことに依存する、使用され得る別の選択肢である。このような摩擦ヒンジは、変更が望まれるまで、シールド要素のアレイの全体的な形状を維持することができる。可逆的ロック機構は、例えば、最初に押されたときにヒンジ又はボール/ソケットを固定位置又はロック位置にロックし、再び押されたときにロック機構を解放してシールドペイン10の互いに対する枢動可能な移動を可能にするように、トグルするばね式ボタンを備えることができる。可逆的ロック機構は、例えば、隣接するシールドペイン10間の物理的結合を維持する一方で、互いに対して回転又は枢動する能力にのみ影響を及ぼすことができる。可逆的ロック機構を作動させるための例示的なボタンは、ヒンジ構造の内側の内部機能上の孔に押し込むことができるか、又はヒンジアセンブリ内のスリーブを圧縮することによって内部で摩擦を増加させて移動を防止することができる。この効果は、ボタンではなくレバー又は同様の機械的作動デバイスを使用することによって、エーテル構成で達成することもできる。
【0058】
シールド要素が(例えば、シールドペイン10に加えて)シールドフレーム12を含む場合、シールドフレーム12には、シールド要素(シールドペイン10)を除去及び/又は交換することができるように、フレーム12の開放端部又は開放可能な端部が設けられてもよい。この構成の一例が、
図6Eの分解図に示されており、シールドフレーム12は、「上部」フレーム要素12A(例えば、
図6F参照)などの複数のフレーム要素から形成され、「上部」フレーム要素は、様々なファスナ(例えば、ボルト、ナット、ねじ機構など)のいずれかを用いてシールドフレーム12の他のフレーム要素(例えば、
図6Eのフレーム要素12B、12C、及び12D)に除去可能に結合される。そのような実施形態では、フレーム要素12Aは、関連するシールドフレーム12の除去可能な部分になる。それによって、上部フレーム要素12Aの除去は、シールドペイン10の除去及び/又は交換を可能にするシールドフレーム12の開放可能な端部を作り出すことができる。当然ながら、いくつかの実施形態では、
図6Eの「底部」フレーム要素12D等の異なるフレーム要素を除去することが好ましい場合がある。シールドペイン10を交換及び/又は除去する他の方法は、これらの教示の利益を有する当業者には明らかであろう。いくつかの実施形態では、シールドペインの上部に沿って配置された上部フレーム要素12Aは、関連するシールドペイン10をヒンジ結合部14に結合するように構成されたヒンジコネクタとして機能することができる。
【0059】
シールド要素(例えば、シールドペイン10)は、いくつかの実施形態において、複数の層を含むことができる。1つのそのような例として、シールド要素は、例えば、ポリマー要素からなる2つの層の間に挟まれた鉛ガラス要素から形成された層を含むことができ、それによって、シールド要素の鉛ガラス部分の破損に起因して存在する可能性がある任意の遊離ガラス断片を含むことができる。様々な実施形態によれば、シールド要素の様々な層は、クリア、透明、又は半透明であってもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、シールド要素(例えば、シールドペイン10)は、調節可能な要素を含むことができ、その結果、シールド要素の長さ及び/又は幅は、トラック又は他の摺動機構に沿って、そのような調節可能な要素の一方を他方に対して摺動可能に移動させる(例えば、並進させる)ことによって変動/変更することができる。これは、例えば、互いに対して移動するように構成された多層シールド要素(例えば、隣接する表面が互いを通過して摺動する)を使用することによって行うことができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、連続抵抗要素が放射線シールドシステム100、200に結合されてもよい。そのような抵抗要素は、シールドシステム100、200の全体形状を例えば凹形状又は凸形状に曲げるためにシールドシステム100、200の側面に力が加えられたときに、1つ以上のヒンジ結合部14又はヒンジ継手214の曲げを制限することができる。抵抗要素は、シールドシステムに印加される力に応答して、種々のヒンジ結合部14又はヒンジ継手214におけるシールドシステムの屈曲又は成形を調整及び/又は制限するように作用してもよい。抵抗要素は、同一又は異なる抵抗要素
の1つ以上の要素から構成されてもよい。所望の程度の剛性を提供し得る単純な抵抗要素の一例は、
図6A~
図6Cに示されるケーブル24等の軟質アルミニウムワイヤである。関節ホースなどの多関節抵抗要素を使用することもでき、関節間の抵抗を調整して、シールドシステム100、200が曲げ力又は成形力を受けるときに、各ヒンジ結合部14又はヒンジ継手214における曲げの程度を変更するように調整することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、遮蔽される物体(例えば、患者の身体等)により良好に適合するように、可撓性の非透明シールドが、シールド要素又は複数のシールド要素の縁部に取り付けられてもよい。
【0063】
支持機構
放射線シールドシステムのための支持構造が、本開示の特定の実施形態に従って説明される。支持構造は、所望の機能性及びそれが配置される環境に応じて、多くの構成をとることができる。
【0064】
一構成では、シールドシステム100、200はブームに取り付けられてもよい。ブームは、次に、部屋の天井に取り付けられてもよく(例えば、処置室の天井に結合された支持体から懸架されてもよい)、又は懸架デバイス(例えば、支持アームを有する床取り付けデバイス)に取り付けられてもよい。アタッチメントは、ブームアームの端部からシールド要素まで行うことができる。例えば、アタッチメントは、ブームの遠位端から、例えばシールドシステム100、200の中心近くに配置されたシールドペイン10又はシールドフレーム12までであってもよい。ブームから天井又は懸架デバイスへのアタッチメントは、様々な実施形態によれば、0~3の自由度のいずれかを有し得る。同様に、ブームからシールド要素アレイの1つ以上のシールドペイン10及び/又はシールドフレーム12へのアタッチメントも、所望の用途に応じて、0~3の自由度を有し得る。
【0065】
別の構成では、懸架機構は、シールドシステム100、200の2つ以上の部分に結合されてもよく、例えば、懸架機構は、2つ以上のシールドペイン10に取り付けられてもよい。そのような構成(例えば、2つ以上の結合点又はアタッチメント点を有する)は、シールドシステム100、200に更なる安定性などの利点を提供することができる。アタッチメント機構の傾きは、固定され得るか、又は伸縮ロッドのような伸長可能部材の使用を介して可変であり得る。
【0066】
別の構成では、放射線シールドシステム100、200は、処置室の床によって支持されてもよく、床に置かれた車輪又は脚部によって支持される。
【0067】
別の構成では、懸架機構アタッチメントは、例えば、安定性を提供するために可逆的にロックされ得る。可逆的ロックは、懸架機構のブームの近位端、又は懸架機構のブームの遠位端、又は場合によっては両方の端部で行うことができる。
【0068】
放射線シールドシステム100、200はまた、処置テーブル502に、又は処置テーブル502又は台座に取り付けられた若しくはそれと一体化されたレールシステムに、又は処置テーブル502に結合された構造に、又は患者500及び/患者用滅菌ドレープ材料への接着剤アタッチメントによって、可逆的又は除去可能に取り付けられるように構成されてもよい。アタッチメントは、0~3の自由度を有するように構成されてもよく、それによって、処置テーブル502の移動、並びに処置テーブル502の移動に合わせた放射線シールドシステム100、200の移動に適応する。このような構成において、放射線シールドシステム100、200は、処置テーブル502によってではなく、懸架部材によって支持されてもよい。
【0069】
シールドアレイ支持システム
本開示の実施形態による革新的なシールド構造の別の態様は、処置テーブルの周りに放射線シールド(例えば、X線シールド)を構成するために使用され得るシールドアレイ支持システムであり、必要に応じて、検査室又は処置室で作業する一次オペレータ及び他のオペレータに放射線保護を提供するために、シールドを(例えば、行われる処置のタイプに)適合させる。
【0070】
そのようなシールドアレイ支持システムの1つの構成要素は、X線撮像処置に干渉するか、又は別様に影響を及ぼし得る、ある構成要素(例えば、放射線不透過性構成要素)を使用せずに、検査室/処置テーブルの周りのシールド構成要素及び他のアクセサリのアタッチメントを可能にする、ベース構造である。このベース構造は、必要に応じて、及び/又は必要な場所に基づいて、シールド及び他のアクセサリの取り付けを容易にするために、1つ以上の他の構成要素が、ベース構造に取り付けられる、結合される、又は嵌合することを可能にするように設計されてもよい。
【0071】
図9Aは、本開示のいくつかの実施形態によるシールドアレイ支持システム300のためのベースユニット310の上面図である。ベースユニット310は、炭素繊維、ポリマー、又は他の同様の材料等のいくつかの好適な放射線透過性材料から製造されてもよい。このような放射線透過性材料は、シールドアレイ支持システム300の使用中(例えば、放射線撮像処置中)に生じ得る撮像アーチファクトを制限又は回避するために、ベースユニット310を形成するために使用され得る。ベースユニット310は、平坦なシート、又は3次元機械加工、鋳造、若しくは成形された構成要素であってもよい。ベースユニット310は、患者及び/又はその上に配置される患者マットレスを支持するように形成されてもよい。
【0072】
ベースユニット310は、ベースユニット310の周囲近くに位置決めされた1つ以上のスロット又は孔312を含むことができる。ベースユニット310の周囲近くに位置決めされた複数のスロット/孔312は、いくつかの実施形態ではベースユニット310の厚さを貫通して延びてもよく、又は他の実施形態ではベースユニット310を部分的に貫通して延びてもよい。いくつかの実施形態では、一連の又はパターンのスロット又は孔312が、ベースユニット310の外周又は周囲の周りに、又はそれに隣接して位置決めされてもよい。いくつかの実施形態では、孔又はスロット312は、ベースユニット310の周囲の周りに複数の列(例えば、
図9A及び9Bに示される2つの列)を形成してもよい。いくつかの実施形態では、隣接する列内のスロット又は孔312は、例えば、その上へのアクセサリアイテムの位置決め及び/又は配置におけるある程度の可撓性を可能にするか、又は容易にするために、互いにオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、スロット又は孔312は、例えば、アクセサリシールド構成要素、シールド支持要素、アームボード、作業台、二次レール、又は他の構成要素のためのアタッチメント場所として作用してもよい。様々な構成において、スロット又は孔312は、約1.5インチ~3.5インチの長さの範囲であってもよい。特定のスロット又は孔312は、長さが変化することが望ましい場合がある。1つの例示的な実施形態として、スロット/孔312の外列は、長さが約2.5インチであってもよく、スロット/孔312の内列は、長さが約1.5インチであってもよい。より長いスロット(例えば、この例では、外列の孔/スロット312)は、より重い負荷を担持することがより可能なタブ(例えば、取り付け可能/除去可能アクセサリ又は構成要素から延びるタブ)の配置を可能にし得る。より大きい/より長いスロット/孔312は、したがって、取り付けられた構成要素が耐荷重性であると予想される領域において選択され得る。スロット/孔312の内列は、例えば、特定の非耐荷重及び/又は軽量構成要素の空間配向を維持するために使用されてもよい。様々な長さのスロット/孔312の使用はまた、システムアセンブリが実行されるときに特定の構成要素をどこに配置するかに関するユーザ間の混乱を回避することを容易にし得る。スロットパターンは、オペレータによって所望されるシールドアレイ支持システム300の周りの任意の場所への構成要素の配置を容易にするように選択されてもよい。これは、例えば、ベースユニット310に除去可能に取り付けられたアームボード又は「ウイング」320などの1つ以上のシールド支持要素を使用して、又は使用せずに、あるいはシールド支持要素(例えば、ウイング320)に取り付けられた、又はウイング320が除去されたときにベースユニット310の縁部に向かって内側に移動されたシールドを使用して、処置を行うことを可能にすることができる。それによって、シールドアレイ支持システム300を用いて行われる任意の処置のためのシールドの配置を容易にする又は最適化するために、あるレベルの可撓性及び/又はカスタマイズを実現することができる。
【0073】
図9Bは、本開示のいくつかの実施形態によるシールドアレイ支持システム300のための、上に配置された1つ以上のウイング320を有するベースユニット310の上面図である。各シールド支持要素(ウイング320等)は、例えば、ウイング320の縁部分から下方に延び、スロット/孔312内に嵌合するようにサイズ決め及び成形される、1つ以上のタブ又はタブ部分(
図3Bに図示せず)を介して、ベースユニット310の孔/スロット312内に除去可能に取り付けられてもよい。ウイング320は、ベースユニット310内の特定のスロット/孔312と嵌合する接続又は取り付けタブを有することができる。ウイング320から延びるタブのパターン(例えば、数、間隔など)は、ウイング320(又は他の同様の構造、構成要素、アクセサリ)がベースユニット310の周りの多くの異なる点に移動可能に及び/又は除去可能に取り付けられることを可能にし得る。様々なシールド支持要素のタブ部分は、複数のスロット/孔312のうちの1つ以上の中に選択的に位置決めされ、シールド支持要素を除去可能に取り付けるように構成される。次に、いくつかの実施形態によれば、それぞれのシールド支持要素の周囲の近くに位置決めされた複数のスロット/孔を有する特定のシールド支持要素を形成することもできる。これは、例えば、様々な処置タイプ及び対応する放射線保護の必要性に適合するために、処置テーブルのシールド構成に対して比較的単純な変更が行われることを可能にし得る。ベースユニット310からの全ての構成要素(例えば、ウイング320を含む)の除去は、X線システムの運動の範囲に干渉することなく、及び/又は画質を損なうことなく、患者の周りの360度X線スピンを含む、患者の完全撮像を可能にし得る。スロット/孔312の深さ、及びウイング320から延びるタブの対応する長さは、ウイング320が、ベースユニット310上に除去可能に結合されたときに、その側部から離れて延びる実質的に水平な表面で支持されることを可能にし得る。
図9Bに示す例では、ベースユニット310の片側又は半分(例えば、上半分310A)に除去可能に結合された2つのウイング320がある。必要に応じて、ベースユニット310の上半分310A又は下半分310Bを含む、より多くの(又はより少ない)ウイング320が、ベースユニット310に結合されてもよい(又はベースユニットから分離されてもよい)。
【0074】
ベースユニット310の周りに位置決めされた複数のスロット/孔312を介して、アームボード若しくはウイング320又は他の構成要素を除去可能に取り付け及び/又は支持することを容易にするために使用され得るいくつかのタブ構成が存在する。一例として、
図9Cは、「段付きタブ」構成を示すウイング320の背面斜視図である。
図9Cのタブ部分322は、実質的に垂直方向に配向されて選択的に位置決めされ、かつスロット/孔312に挿入され得る1つ以上の段付きタブを備え、その後、ウイング320は、ベースユニット310のスロット/孔312内のタブ部分322に係合するように下方及び/又は外方向に回転され、タブ部分322は実質的に水平方向に着座する。示されるように、段付きタブ部分322は、スロット/孔312(例えば、いくつかの実施形態では「L字形」)内に、及び/又はベースユニット310の隣接する表面に係合するために、実質的に垂直及び実質的に水平の部分を含んでもよい。段付きタブ322の設計は、例えば、構成要素(例えば、ウイング320)の表面上の比較的大きな荷重を支持することが可能であり得る。
図9Dは、
図9Cに関して説明したものと同様の「段付きタブ」322構成を示すアームボード320の上部後方斜視図である。
【0075】
図9Eは、タブ部分324によって示されるように、L字形のアンダーカットノッチを有する垂直タブ部分を備える例示的なシールド支持要素のための別のタブ構成の側断面図である。タブ部分324は、複数のスロット/孔312のうちの少なくとも1つの中に下方に延びるように構成されてもよく、ベースユニット310の少なくとも一部分の下に延びてもよい(例えば、タブ部分324は、ベースユニット310の頭部に向かって頭側に、又はベースユニット310の脚部に向かって尾側に延びてもよい)。そのような実施形態を使用する際、各タブ部分324は、複数のスロット/孔312のうちの少なくとも1つの中に下方に下げられるか、又は延びてもよく、関連付けられたシールド支持要素は、ノッチ付きタブ部分324をベースユニット310のスロット/孔312と係合させるように、頭側又は尾側のいずれかに(例えば、患者の頭部又は足に向かって)スロット/孔312に沿って移動させられてもよい。例えば、ベースユニット310は、
図9Aに関して前述したように、1つ又は2つ(又はそれ以上)のスロット/孔312の列を含むことができる。1つの列のスロット/孔312のパターンは、(例えば、スロット/孔312の列が内列及び外列を含む構成において)別の列のスロット/孔312からオフセット(例えば、互い違いに)されてもよく、それにより、1つの列のスロット/孔312を通して選択的に位置決めされるタブ部分324は、スロット/孔312の他の列と干渉せず、ベースユニット310上のスロット/孔312の全て(又はほぼ全て)の機能的使用を維持又は最大化する。言い換えれば、内列のスロット/孔312のうちの少なくとも1つの位置は、スロット/孔312の外列の隣接するスロット/孔からベースユニット310の周囲に沿って互い違いにされ得るか、又はオフセットされ得る。このタイプのタブ係合設計は、放射線シールドの配置及び/又は軽荷重支持用途に適し得る。
【0076】
図10Aは、本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイシステム300のベースユニット310の一部(上部310A)、ウイング320、及びベースユニット310から下方に延びるシールド330の上面斜視図である。例えば、シールド330などのシールド要素は、例えば、ベースユニット310及び/又はウイング320(
図10Aに示されるように)のいずれか又は両方上の、あるいはベースユニット310と同様に取り付けられた他の構成要素上のスロット/孔312にロックするチャネルを介して、ベースユニット310に除去可能に取り付けられるか、又は取り付けられるように構成され得る。ウイング320に関して上述したように、シールド330及び特定の他の補助構成要素は、ベースユニット310内の複数のスロット/孔312と一致する接続タブ322、324を有することができ、そのパターンは、要件が指示及び変更され得るように、そのような構成要素がベースユニット310の周りの多くの点に取り付けられることを可能にし得る。これは、複数のタイプの処置に適応するために、処置テーブルの放射線シールド構成に対する単純な変更を可能にし得る。ベースユニット310からの構成要素の除去は、X線システムの運動範囲又は画質に干渉することなく、患者の周りの360°X線スピンを含む、患者のより完全な撮像を可能にし得る。
【0077】
図10B及び10Cは、本開示のいくつかの実施形態による、シールドアレイシステムのアクセサリ構成要素にシールドを取り付けるための例示的機構の正面斜視図である。例えば、シールド330は、例えば、ウイング320の下側に形成されたタブ付きU字形チャネル323を介してウイング320に結合されてもよい(
図9C及び9Dのウイング320に形成されたU字形チャネル323を参照)。シールド330には、例えば、
図10Bに示すように、ウイング320のU字形チャネル323の外面に形成された対応する孔に一致する一連の孔331が設けられてもよい。シールド330は、U字形チャネル323の外側に位置決めされてもよく、整合孔333(
図10C参照)を伴うクランププレート332は、シールド330の上に位置決めされ、U字形チャネル323と整列されてもよい。得られたアセンブリは、ねじ、ボルト、ナットなどで一緒に保持することができる。クランププレート332の内側に形成された溝334(
図10Cの右側の内縁部を参照)は、例えば、シールドがアタッチメント点間で垂れ下がるのを防止するために、シールド330を摩擦で把持するように設けられてもよい。
【0078】
図11は、本開示のいくつかの実施形態によるシールドアレイ支持システム300の上面斜視図である。
図11に示すシールドアレイ支持システム300は、ウイング320と、(例えば、スロット/孔312及び対応するタブ322、324の使用を介して)除去可能に取り付けられたシールド330とを有するベースユニット310と、ベースユニット310の上面に位置決めされたマットレス340とを備える。
【0079】
図12は、本開示のいくつかの実施形態によるシールドアレイ支持システム300の上面斜視図である。
図12に示されるシールドアレイ支持システム300は、ベースユニット310と、(例えば、スロット/孔312及び対応するタブ322、324の使用を介して)ベースユニット310の周囲に除去可能及び/又は再配置可能に配置される1つ以上のウイング320及び/又はシールド330と、マットレス340と、アクセサリシールド350とを備えてもよい。
図12に示す例示的な実施形態では、アクセサリシールド350は、ベースユニット310の周囲に形成された内列又は一連の孔/スロット312に除去可能に取り付けられ、放射線保護位置で示されている(例えば、
図12に示す実施形態では、例えばベースユニット310から上向きに延びるように、X線撮像処置中に配置され得る)。図示の例では、ベースユニット310上にマットレス340を配置すると、孔/スロット312の内列及び外列が、アクセサリを除去可能に取り付ける際の潜在的な使用のために露出されたままになる。例えば、ウイング320及びシールド330の除去可能な取り付けのための孔/スロット312の外列の使用は、
図12に示されるように、アクセサリシールド350などの追加の構成要素の除去可能な取り付けのために利用可能な孔/スロット312の内列を残す。したがって、シールドアレイ支持システム300は、ベースユニット310の周囲近くに位置決めされた複数のシールド要素330、350を備えることができる。
【0080】
図13A~
図13Cは、本明細書で説明するシールドシステム100、200、300と共に使用することができる任意選択の患者頭部シールド600の斜視図である。例えば、
図13Aは、患者頭部シールド600の上面斜視図を示し、これは、例えば、散乱放射線から患者の頭部領域にある程度の保護を提供するために、本明細書に開示される放射線シールドシステムと併せて採用されてもよい。
図13Aに示される特定の患者頭部シールド600は、ベース部分602と、側部及び/又は後部パネル604と、任意選択の下部パネル608と、所望に応じてパネル604、608の枢動可能な再配置を可能にするヒンジ606の構成とを有する「一体型」構成である。ベース部分602及びパネル604、608は、放射線遮断材料から構成されてもよい。いくつかの実施形態では、患者頭部シールド600に対する患者の頭部及び/又は頸部の位置決めに対応するために、任意選択の切欠き610がベース部分602に形成されてもよい。
【0081】
図13Bでは、1つ以上のサイドパネル及び/又は後部パネル604が下向きの位置に調整された例示的な一体型患者頭部シールド600が示されている。この「開放」構成は、例えば、患者頭部シールド600上への患者の初期位置決め中に(例えば、その上での移動を容易にするために)採用されてもよい。側部及び/又は後部パネル604は、次いで、例えば、X線放射線を使用して撮像処置を行う直前に、患者の頭部領域を遮蔽するために「直立」位置に調節されてもよい(例えば、実質的に、上記の
図13Aに示されるように)。患者頭部シールド600は、例えば、患者頭部シールド600の重量によって、及び/又は孔/スロット312への係合を介して、又は処置テーブルに配置されたマットレス上の摩擦嵌合を介して、適所に保持されてもよい。
図13Cは、(パネル604が直立位置又は準備完了位置にある)
図13A及び
図13Bの一体型患者頭部シールド600の背面斜視図である。
【0082】
図14A~
図14Bは、本明細書で説明するシールドシステム100、200、300と共に使用することができる任意選択の患者頭部シールド700の代替実施形態の斜視図である。例えば、
図14Aは、患者頭部シールド700の上面斜視図を示し、これは、例えば、散乱放射線から患者の頭部領域にある程度の保護を提供するために、本明細書に開示される放射線シールドシステムと併せて採用されてもよい。
図14Aに示される特定の患者頭部シールド700は、「ツーピース」構成であり、示されるような対応する左右の「半分」、すなわち、ベース部分702L及び702Rと、左右のサイドパネル704L及び704Rと、下部パネル708L及び708Rと、所望に応じてパネル704L/R及び708L/Rの枢動可能な再配置を可能にするヒンジ706の構成とを有する。ベース部分702L/R及びパネル704L/Rは、放射線遮断材料から構成されてもよい。いくつかの実施形態では、患者頭部シールド700に対する患者の頭部及び/又は頸部の位置決めに対応するために、任意選択の切欠き710L/Rがベース部分702L/Rに形成されてもよい。
図14Aはまた、二次ベース部分712L及び712Rを含む任意の機能を示しており、これらは、ベース部分702L及び702Rと形状及び構成が類似しているが、ベース部分702L及び702Rの下に位置決めされた、例えば、下部パネル708L及び708Rを介してベース部分に接続されている。したがって、患者頭部シールド700は、そのような実施形態では、マットレスを上側ベース部分702L、702Rと下側ベース部分712L及び712Rとの間に挟むことによって定位置に保持され得る。
図14Bは、例えば、特定の撮像処置と併せて使用中に配置されるように、左右の「半分」が押し合わされた状態の患者頭部シールド700を示す。
【0083】
様々な例が説明されてきた。当業者に明らかであるこれら及び他の変形形態は、本開示の範囲内である。
【国際調査報告】