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特表2024-539526付加製造のための構造化光部品品質監視および使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】付加製造のための構造化光部品品質監視および使用方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/386 20170101AFI20241022BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20241022BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20241022BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20241022BHJP
   B29C 64/379 20170101ALI20241022BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20241022BHJP
   B29C 64/165 20170101ALI20241022BHJP
   B22F 12/90 20210101ALI20241022BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20241022BHJP
   B22F 10/85 20210101ALI20241022BHJP
   B22F 10/38 20210101ALI20241022BHJP
【FI】
B29C64/386
B33Y50/00
B33Y10/00
B33Y30/00
B29C64/379
B29C64/153
B29C64/165
B22F12/90
B22F10/28
B22F10/85
B22F10/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526874
(86)(22)【出願日】2022-10-04
(85)【翻訳文提出日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 US2022045648
(87)【国際公開番号】W WO2023059618
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】63/253,271
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/374,452
(32)【優先日】2022-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523154851
【氏名又は名称】アディティヴ モニタリング システムズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】オダウド,ナイオール
(72)【発明者】
【氏名】サトクリフ,クリストファー、ジョン
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AM23
4F213AP11
4F213AP12
4F213AQ01
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL15
4F213WL85
4K018DA35
(57)【要約】
付加製造のための構造化光部品品質監視用システム、方法、および装置が本明細書で提供される。一般に3Dプリンタと呼ばれる付加製造(AM)システムは、ビルド材料の層を追加し、続いてそれが凝固される。この層追加プロセスは、最終部品に欠陥をもたらし得る。一般的に言えば、付加製造のための構造化光部品品質監視は、付加製造プロセスにおける欠陥を検出するための構造化光監視システムを備える。このProject Fringeは、測定値および材料情報を監視する構造化光を使用して、欠陥発生の統計的尤度を推定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.物体の表面の少なくとも一部の画像を取り込むことと、
b.高度マップまたは位相マップによってリアルタイムで前記物体の前記表面を測定することと、
c.粉末層または新しく凝固された層の表面の高度異常を検出することと
を含む、方法。
【請求項2】
照明システムと物体の表面の少なくとも一部の画像を使用して、製造プロセス中に画像の各部分に対する空間値をエンコードすること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
構造化光を使用して、拡散された粉末の層のエンコードされた空間位相の均一性を推定することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
構造化光を使用して、溶融層のエンコードされた空間位相の層均一性を推定することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
構造化光を使用して、結合層(binded layer)または結合層(bound layer)のエンコードされた空間位相の層均一性を推定することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
構造化光を使用して、拡散された粉末の層の高度を推定することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
構造化光を使用して、結合した粉末の層の高度を推定することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
構造化光を使用して、溶融された粉末の層の高度を推定することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
カメラおよび照明システムを使用して、堆積された粉末層と先に凝固された層と後続の粉末層との間の高度差を推定することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
カメラおよび照明システムを使用して、堆積された粉末層と先に凝固された層と次の粉末層との間のエンコードされた空間位相の差を推定することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
カメラおよび照明システムを使用して、堆積された粉末層と先に凝固された層と次の粉末層との間の高度差を推定することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記高度異常を、粉末層または新しく凝固された層の表面の高度異常が記録され、最終部品の欠陥をもたらしたものを含む以前の3D印刷表面のライブラリと比較することと、最終部品の欠陥が存在するかどうかの確率を提供することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記エンコードされた位相の異常を、粉末層または新しく凝固された層の表面のエンコードされた位相の異常が記録され、最終部品の欠陥をもたらしたものを含む以前の3D印刷表面のライブラリと比較することと、最終部品の欠陥が存在するかどうかの確率を提供することとをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記高度異常を、粉末層または新しく凝固された層の表面の高度異常がアクショナブルな基準をもたらしたものを含む以前の3D印刷表面のライブラリと比較することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記エンコードされた位相の異常を、粉末層または新しく凝固された層の表面のエンコードされた位相の異常がアクショナブルなデータをもたらしたものを含む以前の3D印刷表面のライブラリと比較することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
凝固プロセスがどのように発生したかを説明するデータを表す、粉末層および凝固層の高度マップの差を取ることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記高度異常を、前記高度異常を以前のシミュレーションと比較する物理ベースのモデルと比較することと、in-situ監視データから最終部品の欠陥の存在確率を提供することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記エンコードされた位相の異常を、前記エンコードされた位相の異常を以前のシミュレーションと比較する物理ベースのモデルと比較することと、in-situ監視データから最終部品の欠陥の存在確率を提供することとをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項19】
デジタル縞投影(DFP)として動作可能な構造化光システムを備えるハードウェアシステムであって、DFPは、プロジェクタ、カメラ、およびそれぞれを制御し、カメラ画像に数学的演算を行うコンピュータを備え、前記DFPは、表面にパターンを投影し、前記パターンの変形を記録し、測定の3D表面を表す高度マップを計算することによって3D測定を行い、前記高度マップは、レーザー凝固プロセスの前後にトリガされ、前記高度マップは、複数のin-situ欠陥を明らかにする、ハードウェアシステム。
【請求項20】
前記DFPは、表面にパターンを投影し、前記パターンの変形を記録し、エンコードされた空間位相のマップを計算することによって、エンコードされた空間位相の測定を行い、前記エンコードされた空間位相のマップは、レーザー凝固プロセスの前後にトリガされ、前記エンコードされた空間位相のマップは、複数のin-situ欠陥を明らかにする、請求項19に記載のハードウェアシステム。
【請求項21】
前記複数のin-situ欠陥は、反り、過溶融、溶融不足、熱変形、溶融結合不良、粉末供給不足、不均一な粉末コーティング、リコータブレードのホッピング、粉末の筋、粉末の窪み、部品はみ出し、リコータブレードの欠陥、またはビルドプレートのスキュー、リコータ断面情報、ビルド表面のスキュー、プレートのスキュー、ビルドプレートの平坦性、ビルドプレートの振動、ビルドプレートの垂直正確度、粉末コーティング厚、粉末コーティング粗さ、粉末コーティングの筋、粉末コーティングのホッピング、粉末コーティングの供給不足、粉末コーティングの塊、粉末コーティングの凝集、溶融もしくは凝固もしくは結合後の粉末コーティングの変化、不均一な粉末粒子、熱変形、過溶融、溶融不足、構成要素のはみ出し、基準からの絶対層高度、材料崩壊、支持構造の歪み、全歪み、表面歪み、粒子スピッティング、粒子凝集(particle aggregation)、粒子凝集(particle agglomeration)、溶融ムラ、焼結ムラ、レーザー間隔の影響、レーザースポットサイズ、レーザー出力、結合剤貫通効果、結合剤粉末相互作用、結合剤堆積高度凝固、または任意の他の物理現象を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記複数のin-situ欠陥は、反り、過溶融、溶融不足、熱変形、溶融結合不良、粉末供給不足、不均一な粉末コーティング、リコータブレードのホッピング、粉末の筋、粉末の窪み、部品はみ出し、リコータブレードの欠陥、またはビルドプレートのスキュー、リコータ断面情報、ビルド表面のスキュー、プレートのスキュー、ビルドプレートの平坦性、ビルドプレートの振動、ビルドプレートの垂直正確度、粉末コーティング厚、粉末コーティング粗さ、粉末コーティングの筋、粉末コーティングのホッピング、粉末コーティングの供給不足、粉末コーティングの塊、粉末コーティングの凝集、溶融もしくは凝固もしくは結合後の粉末コーティングの変化、不均一な粉末粒子、熱変形、過溶融、溶融不足、構成要素のはみ出し、基準からの絶対層高度、材料崩壊、支持構造の歪み、全歪み、表面歪み、粒子スピッティング、粒子凝集(particle aggregation)、粒子凝集(particle agglomeration)、溶融ムラ、焼結ムラ、レーザー間隔の影響、レーザースポットサイズ、レーザー出力、結合剤貫通効果、結合剤粉末相互作用、結合剤堆積高度凝固、または任意の他の物理現象を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数のin-situ欠陥を複数の最終部品の欠陥と関連付けることと、前記複数のin-situ欠陥を前記最終部品中のボイド/細孔と結びつけることとをさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
前記複数のin-situ欠陥を複数の最終部品の欠陥と関連付けることと、前記複数のin-situ欠陥を前記最終部品中のボイド/細孔と結びつけることとをさらに含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
最終部品のCTスキャンおよびx線スキャンとin-situ高度マップの相関の推定をさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
最終部品のCTスキャンおよびx線スキャンとin-situ高度マップの相関の推定をさらに含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項27】
物理モデルを使用して、溶融または焼結または結合プロセスにおける複数のサイズ限界を確立することをさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項28】
物理モデルを使用して、溶融または焼結または結合プロセスにおける複数のサイズ限界を確立することをさらに含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項29】
a.物体の表面の少なくとも一部の画像を取り込むことと、
b.物体の全ての測定される部分について固有の空間位相値をエンコードすることと、
c.粉末層または新しく凝固された層の表面の空間位相異常を検出することと
を含む、方法。
【請求項30】
前記空間位相異常を、フィルタリングされた空間位相マップと比較することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
粉末層または新しく凝固された層の位相異常が記録され、最終部品の欠陥をもたらしたものを含む以前の3D印刷位相マップのライブラリと比較することと、最終部品の欠陥が存在するかまたはアクショナブルな基準が存在するかの確率を提供することとをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
凝固プロセスがどのように発生したかを説明するデータを表す、粉末層および凝固層の位相マップの差を取ることをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記位相異常を、前記位相異常を以前のシミュレーションと比較する物理ベースのモデルと比較することと、in-situ監視データから最終部品の欠陥の存在確率を提供することとをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
堆積された未溶融材料とその下の固体層との間の高度差、および未溶融材料と、凝固-焼結/溶融または結合材料との間の高度差を測定することを含む、インプロセスで印刷品質を推定する方法。
【請求項35】
堆積された未溶融材料とその下の固体層との間のエンコードされた空間位相の差、および未溶融材料と、凝固-焼結/溶融または結合材料との間のエンコードされた空間位相の差を測定することをさらに含む、請求項34に記載のインプロセスで印刷品質を推定する方法。
【請求項36】
カメラおよび照明システムを備える感知装置を用いて前記高度差を測定することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
構造化光測定システムを使用して前記位相差を測定することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
デジタル縞投影システムを使用して前記高度差を測定することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
接触イメージング装置を使用して前記高度差を測定することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
感知方法は、レーザー線プロフィロメータである、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
溶融時の凝固-溶融結合材料層の減少を測定することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
粉末床溶融結合、材料噴射、電子ビーム溶融結合、またはポリマー焼結、または任意の付加製造プロセス、または除去製造プロセスにおける高度減少に基づいて、粉末の健全性を評価することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項43】
リコータ断面情報、ビルド表面のスキュー、プレートのスキュー、ビルドプレートの平坦性、ビルドプレートの振動、ビルドプレートの垂直正確度、粉末コーティング厚、粉末コーティング粗さ、粉末コーティングの筋、粉末コーティングのホッピング、粉末コーティングの供給不足、粉末コーティングの塊、粉末コーティングの凝集、溶融もしくは凝固もしくは結合後の粉末コーティングの変化、不均一な粉末粒子、熱変形、過溶融、溶融不足、構成要素のはみ出し、基準からの絶対層高度、材料崩壊、支持構造の歪み、全歪み、表面歪み、粒子スピッティング、粒子凝集(particle aggregation)、粒子凝集(particle agglomeration)、溶融ムラ、焼結ムラ、レーザー間隔の影響、レーザースポットサイズ、レーザー出力、結合剤貫通効果、結合剤粉末相互作用、結合剤堆積高度凝固、または任意の他の物理現象を評価することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項44】
原料の適切な溶融/凝固/硬化を確実にするための、チャンバ周囲温度用フィードバックループをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項45】
原料の適切な溶融/凝固/硬化を確実にするための、チャンバ温度用フィードバックループをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項46】
原料の適切な溶融/凝固/硬化を確実にするための、原料温度用フィードバックループをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項47】
原料の適切な溶融/凝固/硬化を確実にするための、床温度用フィードバックループをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項48】
原料の適切な溶融/凝固/硬化を確実にするための、エネルギービーム出力用フィードバックループをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項49】
原料の適切な溶融/凝固/硬化を確実にするための、エネルギービーム移動速度用フィードバックループをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項50】
結合剤が加えられた後の、粉末層の結合剤噴射出力高度減少を観察することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項51】
基材に対する堆積材料、未溶融材料、または凝固-溶融結合材料の間の高度差を測定することを含む、ビルド後の部品品質を推定する方法。
【請求項52】
基材に対する堆積材料、未溶融材料、または凝固-溶融結合材料の間のエンコードされた空間位相の差を測定することをさらに含む、請求項51に記載のビルド後の部品品質を推定する方法。
【請求項53】
ビルド後の部品の気孔率、粒子構造、または機械的特性を推定することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
気孔率、粒子構造、または機械的特性の推定は、物理コンピュータモデルを用いる、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
気孔率、粒子構造、または機械的特性の推定は、以前の測定のライブラリ、および/またはニューラルネットワーク、ガウス過程回帰、畳み込みカーネルを用いる、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
固化中に噴出物および蒸発として失われた粉末の量を推定することと、高度測定を使用して性能を最適化することとを含む、高度測定を使用する方法。
【請求項57】
固化中に噴出物および蒸発として失われた粉末の量を推定することと、エンコードされた空間位相の測定を使用して性能を最適化することとを含む、エンコードされた空間位相の測定を使用する方法。
【請求項58】
堆積材料、未溶融材料の高度を測定することと、堆積材料層、溶融層、および第2の堆積された未溶融層の間の差を決定することとを含む、リコーティング充填率を推定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、付加製造プロセスにおける欠陥を検出するための構造化光監視システムの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造の監視の現状は目視検査であり、これは、技術者が製造現場を歩き回り、3Dプリンタののぞき窓をのぞき込んで、プリンタの粉体床チャンバで発生する欠陥の視覚的指標を探すことを含む。
【0003】
少数の市販のin-situ監視システムが存在する。業界で最もよく知られているものは、光路内のフォトダイオードを使用して溶融池の「温度」を測定する、EOSによって生産された溶融池監視システムである。ユーザー体験によれば、このシステムは、TB範囲の大きなデータセットを生成するため、有用な情報を抽出するのが困難であり、自動化手段による「実行/中止」の決定のためにどのようにデータを減らすのかが不明瞭である。このシステムは、EOS 3Dプリンタシステムに組み込まれ、プリンタの異なるメーカーおよびモジュールでは動作しない。
【0004】
多くの異なる3Dプリンタブランドにインストールすることができる別のインプロセス監視システムは、SigmaLabsからの溶融池監視システムである。このシステムは、3D印刷プロセスの溶融池を監視するが、プリンタのビームラインへのセンサの保証を無効にする組み込みの追加を必要とする。このある種の改造は、この種のセンサの普及を妨げ、実行-中止を決定する分析は、リアルタイムで処理するには大き過ぎる膨大な量のデータに埋もれる場合がある。
【0005】
健全性の評価(または欠陥の検出)に目視検査を使用する欠点は、1)人間の主観的意見に頼ること、2)現在の層にしか適用することができないこと、3)ビルドの観察にコストのかかる労力を必要とすること、および4)技術者がプロセスを観察していない時に欠陥が見逃される場合があることである。
【0006】
現在のインプロセス監視溶融池分析技術を使用する欠点は、1)法外なコストがかかり、2)アクショナブルな(actionable)「実行/中止」情報をリアルタイムで提供せず、3)専門知識を必要とし、4)大きなデータセットの分析を必要とし、5)リアルタイムでなく、6)非OEMの場合プリンタの保証を無効にし得ることである。
【0007】
本発明は、これらの問題および他の問題の解決を試みる。
【発明の概要】
【0008】
付加製造のための構造化光部品品質監視用システム、方法、および装置が本明細書で提供される。
【0009】
方法、システム、および装置は、以下の説明に部分的に記載されており、部分的に説明から明らかになるか、または方法、装置、およびシステムの実施によって学ぶことができる。方法、装置、およびシステムの利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘される要素および組み合わせによって実現され、達成される。前述の概要および以下の詳細な説明は単に例示および説明のためのものであり、特許請求される方法、装置、およびシステムを限定するものではないことを理解すべきである。
【0010】
したがって、本発明の目的は、既知の製品、製品を作製するプロセス、または製品を使用する方法を本発明に包含しないことであり、その結果、出願人は権利を留保し、既知の製品、プロセス、または方法の放棄をここに開示する。なお、本発明は、USPTO(35 U.S.C.第112条、第1段落)またはEPO(EPCの第83条)の記述要件および実施可能要件を満たさない製品、製品を作製するプロセス、または製品を使用する方法を発明の範囲内に包含することを意図しておらず、その結果、出願人は、権利を留保し、前述の製品、製品を作製するプロセス、または製品を使用する方法の放棄をここに開示する。EPC第53条(c)ならびにEPC規則28(b)および(c)に準拠することは、本発明の実施において有利であり得る。本出願の系統、または他の系統、または第三者の先行出願における、出願人の付与された特許(単数もしくは複数)の主題である実施形態を明示的に放棄する全ての権利は、明示的に留保される。本明細書のいかなる内容も約束と解釈されるべきではない。
【0011】
添付の図面において、同様の要素は、本発明のいくつかの好ましい実施形態の中で同様の符号で識別される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】いくつかの例示的実施形態に係る、付加製造システムの例である。
図2】未溶融粉末領域および溶融後表面領域の差のマップを示す概略図である。
図3】新しく堆積された粉末層および先に溶融された層の差のマップの概略図である。
図4A-4F】溶融後の粉末高度の収縮を示す高度測定データである。
図5】粉末表面高度-溶融表面高度、ならびに未溶融粉末床および溶融領域の表面テクスチャおよび高度変動の特徴を示す、典型的な高度マップ差を示す色付き3D点群(プロセス L-PBF)グラフである。
図6】典型的な高度マップ差を示す色付き3D点群(プロセス L-PBF)グラフである。粉末表面高度-溶融表面高度、過溶融、熱はみ出し(thermal protrusion)、リコータの振動/ホッピング、粉末床厚さ変動を含む異常/欠陥を示す、未溶融粉末床、溶融部分の一般的特徴。
図7】典型的な高度マップ差、および溶融表面高度-次の粉末表面高度を示す色付き3D点群(プロセス L-PBF)グラフであり、観察された一般的特徴は、部分(溶融領域の上に粉末)および未溶融粉末床(粉末の上に粉末)の両方の上の粉末床厚さを含み、観察された異常/欠陥は、スパッタおよびデブリ、層厚の変動を含む。
図8】典型的な高度マップ差、溶融後高度マップ-次の粉末層を示すグレースケールの3D点群(プロセス L-PBF)グラフであり、観察された一般的特徴は、粉末床および溶融部分の表面モルフォロジを含み、観察された異常/欠陥は、リコータの筋を含む。
図9】分析に基づく高度マップ差、粉末層-次の溶融後高度マップを示すグレースケールの3D点群(プロセス L-PBF)グラフであり、観察された一般的特徴は、粉末床および溶融部分の表面モルフォロジを含み、観察された異常/欠陥は、リコータの筋を含む。
図10】分析に基づく位相マップ差、溶融後位相マップ(層56)-次の粉末層位相マップ(層57)を示すグレースケールの位相の3D点群(プロセス L-PBF)グラフであり、観察された一般的特徴は、溶融層と粉末層との間の位相差を含み、観察された異常/欠陥は、粉末の窪みおよび隆起を含む。
図11】分析に基づく位相マップ差、粉末層位相マップ(層55)-溶融後位相マップ(層56)を示すグレースケールの位相の3D点群(プロセス L-PBF)グラフであり、観察された一般的特徴は、粉末層と次の溶融層との間の位相差を含み、観察された異常/欠陥は、粉末の窪みおよび隆起、検出異常を含む。
図12】粉末拡散後、溶融前に取られた縞投影からの典型的な高度マップを示す色付き3D点群(プロセス L-PBF)グラフであり、観察された一般的特徴は、粉末の筋、粉末のスキュー、一様でない粉末分布を含む。
図13】溶融後に取られた縞投影からの典型的な高度マップを示す色付き3D点群(プロセス L-PBF)グラフであり、一般的特徴は、粉末の筋、粉末のスキュー、一様でない粉末分布、熱変形、溶融領域、はみ出しを含む。
図14A-14B】-50ミクロンに低下した粉末床の縞投影からの典型的な高度マップを示すグラフであり、一般的特徴は、床レベル-50ミクロンの粉末層の3D測定を含み、図14Aは、粉末床の高度マップを示す。図14Bは、高度マップの断面を示す(プロセス L-PBF)。
図15A-15B】+50ミクロンに上昇した粉末床の縞投影からの典型的な高度マップを示すグラフであり、図15Aは、粉末床の高度マップを示し、図15Bは、高度マップの断面を示し(プロセス L-PBF)、観察された特徴は、床レベル+50ミクロンの粉末層の3D測定を含む。
図16A-16B】図16Aは、結合剤堆積後の結合剤噴射プロセスの視覚画像の粉末床の高度マップを示すグラフであり、図16Bは、高度マップの断面(プロセス 結合剤噴射法)、結合剤堆積後の縞投影からの典型的な位相マップを示すグラフであり、観察された特徴は、リコータローラ粉末異常、結合剤粉末相互作用、結合剤の筋、隆起、表面の窪みを含む。
図17】高度マップについてのニューラルネットワークおよびガウス過程回帰の訓練を示す概略フローチャートである。GPRモデルの訓練。訓練データを構築するために、in-situデータは、グレースケールのCT画像と位置合わせされ、「入力-出力対」を生成する。著しい計算オーバーヘッドを避けるために、この訓練データは、次いで、K個のGPRモデルのアンサンブル間で分割される。
図18】高度マップについてのニューラルネットワークおよびガウス過程回帰の演算を示す概略フローチャートであり、特徴は、GPRモデルを使用した予測を含む。in-situ測定は、ビルド中に行われ、GPRモデルのアンサンブルへ供給される。各GPRモデルによって行われた予測は、次いで、グレースケール値を実現するように組み合わされて、AI生成された気孔率予測子を形成する。
図19】ガウス過程回帰およびニューラルネットワーク訓練のための訓練データ収集例を含む、印刷された試料のグラウンドトゥルース検証のためのCTスキャンであり、特徴は、低密度領域、潜在的な細孔の位置を含む。
図20】ガウス過程回帰およびニューラルネットワーク訓練のための訓練データ収集例を含む、印刷された試料のグラウンドトゥルース検証のためのCTスキャンであり、特徴は、低密度領域、潜在的な細孔の位置を含む。
図21】ガウス過程回帰およびニューラルネットワーク訓練のための訓練データ収集例を含む、印刷された試料のグラウンドトゥルース検証のためのCTスキャンであり、特徴は、低密度領域、潜在的な細孔の位置、AI/MLで特定された低密度領域を含む。
図22】ガウス過程回帰およびニューラルネットワーク訓練のための訓練データ収集例を含む、印刷された試料のCTスキャングラウンドトゥルース検証であり、特徴は、低密度領域、潜在的な細孔の位置、AI/MLで特定された低密度領域を含む。
図23A-23B】図23Aは、層567の高度マッピング(粉末と溶融との間の差)を使用して観察された印刷異常を示すグラフであり、図23Bは、スライス567のAI/MLで特定された低密度領域、低密度位置ならびに/または細孔位置のin-situデータならびにAI/MLおよびガウス過程回帰予測試験を示すグラフであり、特徴は、低密度領域、潜在的な細孔の位置、AI/MLで特定された低密度領域を含む。
図24A-24B】図24Aは、層567の高度マッピング(粉末と溶融との間の差)を使用して観察された印刷異常を示す、低密度位置および/または細孔位置のin-situデータのグラフであり、図24Bは、スライス567のAI/MLで特定された低密度領域を示す、低密度位置および/または細孔位置のAI/MLおよびガウス過程回帰予測試験のグラフであり、特徴は、低密度領域、潜在的な細孔の位置、AI/MLで特定された低密度領域を含む。
図25】ハードウェア/ソフトウェア要素を含む監視システムのシステム図である。
図26】システム構成を示す、プリンタ(レーザー粉末床溶融結合)に取り付けられた監視システムの写真である。
図27】粉末床上の縞パターンを示す写真であり、特徴は、粉末領域、縞パターンを含む。
図28】粉末床(2)上の縞パターンを示す写真であり、特徴は、溶融領域、粉末領域、縞パターンを含む。
図29A-29B】図29Aは、カメラシステムを示す写真である。カメラが、EOS M 290粉末床溶融結合3Dプリンタに取り付けられている。図29Bは、プロジェクタシステムを示す写真である。プロジェクタが、EOS M 290粉末床溶融結合3Dプリンタに取り付けられている。
図30】カメラシステムを示す写真である。カメラが、exone innovent結合剤噴射3Dプリンタに取り付けられている。プロジェクタが、exone innovent結合剤噴射3Dプリンタに取り付けられている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の前述および他の特徴および利点は、添付の図面と併せて読まれる、以下の例示的実施形態の詳細な説明から明らかになる。詳細な説明および図面は、限定ではなく単に本発明を例示するものであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
【0014】
本発明の実施形態が、図面を参照しながらここに記載され、全体を通して同様の符号は同様の要素を反映する。本明細書に示される説明で使用される用語は、単に本発明のある特定の実施形態の詳細な説明と併せて利用されているため、限定的または制限的に解釈されることを意図していない。さらに、本発明の実施形態は、いくつかの新規特徴を含み得るが、そのうちのただ1つが、単独でその望ましい特性の原因であるか、または本明細書に記載された発明を実施するのに必須であるのではない。
【0015】
近位および遠位という単語が、本明細書に記載される機器の構成要素の特定の端部を示すために本明細書で適用される。近位端は、機器が使用されている時に、機器の操作者により近い機器の端部を指す。遠位端は、操作者からより遠く、患者および/またはインプラントの手術領域に向かって伸びる構成要素の端部を指す。
【0016】
「凝固プロセス」または「凝固層」という用語の使用は、金属またはポリマー粉末の変形が、3D印刷機の一部、または印刷されている部品に溶融結合するプロセスまたは結果を指す。これは、溶融もしくは焼結などの熱プロセスを通じて、または化学結合プロセスを通じて発生し得る。
【0017】
本発明を記載する文脈における「a」および「an」および「the」という用語ならびに類似の指示の使用は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明白に否定されない限り、単数形および複数形の両方をカバーするように解釈されるべきである。「備える」、「備えている」、「含む」、および/または「含んでいる」という用語は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0018】
本明細書における値の範囲の記述は、本明細書に別段の指示がない限り、単に、範囲内にある各別個の値を個々に指すための簡略化した方法として機能することを意図し、各別個の値は、本明細書に個々に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。「約」という単語は、数値を伴う場合、述べられた数値から10%以下のずれを示すと解釈されるべきである。本明細書に提供されるあらゆる例または例示的言語(「例えば(e.g.)」もしくは「例えば(such as)」は、単に本発明をより明らかにすることを意図し、別に特許請求されない限り本発明の範囲への限定をもたらさない。明細書中の言語は、本発明の実施に必須の特許請求されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0019】
「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」、「様々な実施形態」などへの言及は、そのように記載された発明の実施形態(単数もしくは複数)が特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、全ての実施形態がその特定の特徴、構造、または特性を必ずしも含むわけではないことを示し得る。さらに、「一実施形態では」または「例示的実施形態では」という語句の繰り返しの使用は、同じ実施形態を指す場合もあるが、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。
【0020】
本明細書で使用される場合、「方法」という用語は、所与のタスクを遂行するためのやり方、手段、手法、および手順を指し、化学的、薬理学的、生物学的、生化学的、および医学的技術の実行者に知られているか、またはそれらの実行者によって既知のやり方、手段、手法、および手順から容易に開発される、やり方、手段、手法、および手順を含むが、これらに限定されない。特に明示的に述べられていない限り、本明細書に記載された方法または態様は、そのステップが特定の順序で行われることを要求すると解釈されることを全く意図していない。したがって、方法クレームが、特許請求の範囲または説明において、ステップが特定の順序に限定されることを特に述べていない場合、あらゆる点で順序が暗示されることを全く意図していない。これは、ステップの構成もしくは操作フロー、文法構成もしくは句読点から導き出される明白な意味、または明細書に記載された態様の数もしくは種類に関する論理の問題を含む、解釈のあらゆる可能な非明示的根拠を保持する。
【0021】
説明
一般的に言えば、付加製造のための構造化光部品品質監視は、付加製造プロセスにおける欠陥を検出するための構造化光監視システムを備える。このProject Fringeは、測定値および材料情報を監視する構造化光を使用して、欠陥発生の統計的尤度を推定する。一般に3Dプリンタと呼ばれる付加製造(AM)システムは、ビルド材料の層を追加し、続いてそれが凝固される。この層追加プロセスは、最終部品に欠陥をもたらし得る。
【0022】
Project Fringeは、測定表面ごとに一方向データの固有の位相値を空間的にエンコードする。これは、ビルドプレート、粉末層、溶融層、結合層、または焼結層であり得る測定表面に所定のパターンを投影することによって達成される。測定表面上にエンコードされた位相値を用いて、印刷プロセス中のプロセス異常が検出され得る。印刷プロセス中のこれらの異常としては、リコータ断面情報、ビルド表面のスキュー、プレートのスキュー、ビルドプレートの平坦性、ビルドプレートの振動、ビルドプレートの垂直正確度、粉末コーティング厚、粉末コーティング粗さ、粉末コーティングの筋、粉末コーティングのホッピング、粉末コーティングの供給不足、粉末コーティングの塊、粉末コーティングの凝集、溶融もしくは凝固もしくは結合後の粉末コーティングの変化、不均一な粉末粒子、熱変形、過溶融、溶融不足、構成要素のはみ出し、基準からの絶対層高度、材料崩壊、支持構造の歪み、全歪み、表面歪み、粒子スピッティング、粒子凝集(particle aggregation)、粒子凝集(particle agglomeration)、溶融ムラ、焼結ムラ、レーザー間隔の影響、レーザースポットサイズ、レーザー出力、結合剤貫通効果、結合剤粉末相互作用、結合剤堆積高度凝固、またはエンコードされた空間位相を測定された基準面もしくは数学的基準面からシフトさせる任意の他の物理現象を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0023】
上記特徴は、空間的にエンコードされた位相データ中に現れるか、または整合フィルタを使用して抽出され得る。これらの特徴は、カーネル畳み込み手法、絶対位相差測定、分離可能畳み込み、膨張畳み込み(Dilated convolution)、拡張畳み込み(Atrous Convolution)、変形可能畳み込み、復調、フーリエ変換、ヒルベルト変換、ガウシアンフィルタリング、フラットボックスフィルタリング、Sobelフィルタ、Sobel演算子、Sobel-Fieldman演算子、Prewitt演算子、ラプラス演算子を使用して抽出され得る。
【0024】
空間位相エンコードされた表面マップを生成することに加えて、Project Fringeは、高度マップを生成することもできる。Project Fringeは、粉末床チャンバの高度マップを生成し、これは、各堆積粉末層および/または凝固層の高度を記録し、これらの高度マップを「規格内」または「規格外」に分類し、これらの高度異常の操作者/技術者/エンジニアに警告する。
【0025】
Project Fringeは、モジュール式ハードウェア、および多くの種類の3Dプリンタ(付加製造プリンタ)に動作可能に結合して、部品および原料の露出表面の測定をリアルタイムで提供するソフトウェアシステムを備える。位相測定とは別にこれらの高度測定を使用して、印刷プロセス中のプロセス異常を検出することができる。印刷プロセス中のこれらの異常としては、リコータ断面情報、ビルド表面のスキュー、プレートのスキュー、ビルドプレートの平坦性、ビルドプレートの振動、ビルドプレートの垂直正確度、粉末コーティング厚、粉末コーティング粗さ、粉末コーティングの筋、粉末コーティングのホッピング、粉末コーティングの供給不足、粉末コーティングの塊、粉末コーティングの凝集、溶融もしくは凝固もしくは結合後の粉末コーティングの変化、不均一な粉末粒子、熱変形、過溶融、溶融不足、構成要素のはみ出し、基準からの絶対層高度、材料崩壊、支持構造の歪み、全歪み、表面歪み、粒子スピッティング、粒子凝集(particle aggregation)、粒子凝集(particle agglomeration)、溶融ムラ、焼結ムラ、レーザー間隔の影響、レーザースポットサイズ、レーザー出力、結合剤貫通効果、結合剤粉末相互作用、結合剤堆積高度凝固、またはエンコードされた空間位相を測定された基準面もしくは数学的基準面からシフトさせる任意の他の物理現象を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0026】
上記特徴は、高度データ中に現れるか、または整合フィルタを使用して抽出され得る。これらの特徴は、カーネル畳み込み手法、絶対高度差測定、分離可能畳み込み、膨張畳み込み(Dilated convolution)、拡張畳み込み(Atrous Convolution)、変形可能畳み込み、復調、フーリエ変換、ヒルベルト変換、ガウシアンフィルタリング、フラットボックスフィルタリング、Sobelフィルタ、Sobel演算子、Sobel-Fieldman演算子、Prewitt演算子、ラプラス演算子を使用して抽出され得る。
【0027】
Project Fringeは、測定領域上の画素ごとに空間的にエンコードされた固有の位相値を生成し、均一でない位相の領域が、3D印刷中のプロセス異常を構成する。Project Fringeは、高度マップも作成する。露出表面の高度マップは、1)最終部品の不良に寄与する原料層(窪みまたは塊)および2)最終部品の欠陥およびプリンタの損傷に寄与する新しく凝固された層における高度異常を検出するのに使用される。
【0028】
ハードウェアシステムは、構造化光システム、具体的にはデジタル縞投影(DFP)を備える。DFPは、プロジェクタ、カメラ、ならびにタイミング、トリガ、およびデータ収集回路構成によってそれぞれに接続されて、それぞれを制御し、カメラで取り込んだ画像に数学的演算を行うコンピュータで構成される。DFPは、部品表面および原料表面の両方にパターンを投影し、パターンの変形を記録し、空間的にエンコードされた位相を露出表面に含め、また別個に、測定の3D表面を表す高度マップを計算することによって3D測定を行う。レーザー凝固プロセスの前後にトリガされるこの高度マップは、最終的には終了段階での部品全体の不合格を引き起こし得る、多くの異なる種類のin-situ欠陥を明らかにすることができる。これらのin-situ欠陥としては、反り、過溶融、溶融不足、熱変形、溶融結合不良、リコータブレードの欠陥、ビルドプレートのスキュー、粉末供給不足、不均一な粉末コーティング、リコータブレードのホッピング、粉末の筋、粉末の窪み、部品はみ出し、が挙げられるが、これらに限定されない。Project Fringeシステムは、最終部品の品質へのin-situ検出された欠陥の影響を推定し、この推定に基づいて決定する。
【0029】
これらのin-situ欠陥に敏感なこれらの高度マップの提供は、3D印刷部品の構築に携わる全ての人にとって価値がある。しかしながら、この測定からのさらなる付加価値が、最終部品の欠陥とこれらのin-situ欠陥の相関によって得られる。発明者らが出願しているIPに含まれるものは、in-situ欠陥を最終部品中のボイド/細孔と結びつけることの実践である。これは、第1に、in-situ高度マップを最終部品のCTおよびx線スキャンと結びつけ、超過すると最終部品にボイド形成を引き起こすin-situ欠陥サイズのサイズ閾値を確立する方法、ならびに第2に、物理モデルを使用して、溶融または焼結または結合プロセスにおけるこれらのサイズ限界を確立する方法の、2つの方法で達成される。これらの方法の各々または両方を、本発明に採用することができる。
【0030】
一実施形態では、これらの検出された欠陥は、最終部品の欠陥が存在する可能性の推定を提供するために、類似の欠陥が記録され、最終部品の欠陥をもたらした以前の3D印刷物のライブラリと比較される。In-situ欠陥とex-situ欠陥の相関は、いくつかの実施形態では必要とされない場合がある。
【0031】
デジタル縞投影(DFP)監視システムを備えるProject Fringeは、粉末床溶融結合(PBF)、結合剤噴射(BJ)、選択的レーザー焼結(SLS)ポリマー付加製造(AM)に使用され得る。本明細書に記載された例のいくつかは、DFP高度測定の不確かさを定量化するためのProject Fringeの使用に言及するが、Project Fringeは、デジタル画像相関技術、接触スキャナ技術、コヒーレント光イメージング技術なども含む、他の種類の光学的または光ベースの測定技術に関連する不確かさの指標を提供するために使用され得る。
【0032】
別の実施形態では、Project Fringeは、凝固前後の層高度を幾何学的に測定して、反り、粉末床の欠陥、溶融結合不良、剥離を検出する。レーザー処理前後にパターンが部品表面に投影されると、パターン変形に基づいて3D高度マップが計算される。Project Fringeは、モジュラー空間測定密度を備え、全ての画素は高度測定値であり、高度特徴のミクロンレベルの分解能を提供する。
【0033】
Project Fringeは、アクショナブルな情報をリアルタイムで提供し、欠陥を検出するために各層の高度マップを記録し、これは膨大なデータ記憶または分析を必要としない。Project Fringeは、異なる特徴(粉末床および溶融層の高度マップ)を測定する。Project Fringeは、リアルタイムの部品品質の推定(「実行/中止」の決定)を提供する。
【0034】
Project Fringeは、各測定点の正確度を計算し、最終部品の欠陥に関する以前のデータを使用してin-situトポグラフィーに基づいて内部欠陥の存在を推定し、取り付け機構を介して既存のプリンタに動作可能に結合し、カメラ上の減光フィルタを使用し、画像をフィルタリングするアルゴリズムを使用した後に位相マップを作成し、この位相マップは一実施形態では続いてトポグラフィーに変換され、位相またはトポグラフィー情報に基づいて部品の密度を推定する。
【0035】
一実施形態では、Project Fringeは、図1に示されるように、3Dプリンタチャンバ110の内部または外部に取り付けられる。コンピュータが、測定システムの較正に使用されることになる。監視システムのコンピュータは、投影およびカメラ画像の取り込みをトリガし、画像を処理する。縞投影測定に使用される任意の数のカメラが存在し得る。プロジェクタは異なる投影を提供し、これを異なる縞波長と同時に重ね合わせることができる。また、投影される光の波長は、投影中または投影前に変えられてもよい。プロジェクタは、光源であり得、3Dプリンタチャンバの内部および外部の両方の特定の位置に配置され得る。さらに、複数のカメラ、プロジェクタ、および/または干渉計が存在してもよい。カメラは、イメージセンサ、測定される物体の表面に投影される縞などのイメージング構造化光であり得る。カメラ位置は、観測角度で一定に保たれ得る。画素パッチ間隔は、ミクロンオーダーであり得る。プロジェクタの出力トリガ機能は、カメラ画像取得をトリガして、一定の間隔で縞画像を取り込み、同期せずに発生するプロジェクタの「線引き」を排除する。ユーザーとのやり取りを提供するために、本明細書に記載の主題は、ユーザーへの情報を表示するための、例えばブラウン管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)モニターなどの表示装置、ならびにユーザーがコンピュータへの入力を提供することができる、キーボードおよび例えばマウスまたはトラックボールなどのポインティングデバイスを有するコンピュータに実装され得る。ユーザーとのやり取りを提供するために、携帯電話、またはポータブルコンピュータ、またはタブレットなどの他の種類の装置も使用することができる。例えば、ユーザーに提供されるフィードバックは、例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックなどの任意の形態の感覚フィードバックであり得、ユーザーからの入力は、音響、音声、または触覚入力が挙げられるがこれらに限定されない任意の形態で受信され得る。
【0036】
DFP高度測定は、平坦な基準面にパターンを投影し(物理的または数学的なものであり、下付き文字「r」でさらに示される)、次いでその場に物体を配置し、投影されたパターンが物体の形状によりどのように変形するかを記録する(「o」でさらに示される)ことによって行われる。結果として生じる縞パターンの変形の計算は、位相マップを生成し、これは次いで、較正ルーチンによって高度マップに変換される。in-situ測定中、PBF機の内部において、基準面を、裸のベースプレートまたは均一な初期粉末コーティングを有するベースプレートとして取ることができる。DFPジオメトリが一定であると想定される場合、基準位相マップを数学的に生成することができ、基準面の任意の高度プロファイルに無関係の示差高度測定が可能になる。
【0037】
実施例
以下の例は、本明細書で特許請求される化合物、組成物、物品、装置、および/または方法がどのように作られ、評価されるかの完全な開示および説明を当業者に提供するために示され、本発明を純粋に例示するものであるように意図され、発明者らが自身の発明と見なすものの範囲を限定することを意図していない。しかしながら、当業者は、本開示を踏まえて、多くの変更が、開示される特定の実施形態に行われ得、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく同様または類似の結果を依然として得ることができることを理解すべきである。数(例えば、量、温度など)に関する正確度を確保するように努力がされているが、いくらかの誤差および偏差が考慮されるべきである。別段の指示がない限り、部は重量部であり、温度は℃または周囲温度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。
【0038】
選択的レーザー焼結がその例であるポリマー粉末床溶融結合(PBF)付加製造では、収縮は、良好な焼結および安定なプロセスの指標である良好な収縮により肉眼で容易に確認できる。SLSでは、粉末床は、材料の溶融温度の約80%に予熱される。レーザー出力は、残りの~20%のエネルギーを追加して焼結を引き起こす。
【0039】
粉末リサイクルは、SLSなどのポリマーPBFプロセスの重要な部分である。SLSでは、部品が取り除かれた後のビルドから回収される粉末は、しばしば、新しい未使用粉末(バージン粉末)と混合し、使用済み粉末の一部を廃棄物として捨てることによってリフレッシュされる。これは、ビルドに使用される粉末が、安定なビルドプロセスを確保する正しい特性を有することを確実にするように行われるが、それは、粉末が、結晶化度の変化をもたらし、粉末の溶融または焼結をより困難にする複数回のビルド中の複数回の加熱を受けるためである。バージン粉末がリサイクルバッチに混合されない場合、ユーザーは、良好な溶融および良好な部品生産を可能にするために、ビルドチャンバ予熱温度を高めるか、またはレーザー出力を高めることを余儀なくされる。最終的に、バージン粉末がリサイクル材料に追加されない場合、バッチは処理不可能になり、廃棄物として捨てなければならない。
【0040】
収縮は良好な溶融の重要な指標であるため、それを既知の不確かさのレベルまで測定することができる場合、それを、ユーザーが、ビルド品質を監視しかつ/もしくは制御フィードバックループによって機械設定を調節すること、または知識に基づいて再使用粉末の廃棄もしくは混合を決定することを可能にするために、使用することができる。固化した材料の上面の粗さも、ビルド品質の重要な指標を提供し得る。
【0041】
金属のレーザーおよびEビームPBF AMは、その動作においてポリマーPBFシステムに類似しているが、粉末リサイクルがある場合、同じ量を必要としない。
これは、ポリマーPBFとは対照的に粉末特性に経時的な変化がほとんどなく、粉末を溶融させるためのエネルギーの大部分が、粉末の予熱ではなくEビームまたはレーザーに由来するためである。
【0042】
インクジェット結合システムは、部品表面への結合剤の滴下に頼り、いくつかの追加の機構が関与する。結合剤が滴下されると、結合剤は粉末に染み込む。結合剤が粉末に染み込むと、結合剤は、緩い粉末床をともに引き寄せて収縮を生み出す。結合剤および粉末の収縮を示すデータは、図4A~4Fに示される。
【0043】
インクジェット結合システムでは、結合剤が多過ぎると、メニスカスが粉末表面に形成される。インクジェット結合システムでは、結合剤が少な過ぎると、表面が適切に収縮しない。したがって、インクジェット結合システムでは、適切な染み込み、最終的には収縮は、表面への特性最適滴下を有する。本明細書に記載された方法およびシステムは、この収縮を検出および最適化し、インクジェットプリンタの性能を制御するために使用され得る。
【0044】
図2に示されるように、収縮を検出し、インプロセスで印刷品質を推定する方法200は、堆積層210、未溶融材料220、および凝固/溶融結合材料230の間の高度差240を測定することを含む。感知装置250は、高度差240を測定し、一実施形態によれば、カメラおよび照明システムで構成される。一実施形態では、高度差は、約1ミクロン~約10ミクロン、あるいは約2ミクロン~約8ミクロン、あるいは約3ミクロン~約6ミクロン、あるいは約4ミクロンである。別の実施形態では、感知装置は、接触イメージング装置またはレーザー線プロフィロメータである。溶融時に層が減少する量は、図2に示される。一実施形態では、層の減少量は、約10ミクロン~約80ミクロン、あるいは約15ミクロン~約70ミクロン、あるいは約20ミクロン~約60ミクロンである。
【0045】
一実施形態では、方法およびシステムは、粉末床溶融結合、電子ビーム溶融結合、またはポリマー焼結においてどのくらい高度が減少するかに基づいて、粉末の健全性を評価することを含む。
【0046】
一実施形態では、方法およびシステムは、収縮測定からリサイクル粉末の溶融を制御するためのチャンバ温度用フィードバックループを含む。温度センサは、一実施形態によれば、チャンバ周囲温度を検出し得る。
【0047】
一実施形態では、方法およびシステムは、リサイクル粉末の溶融を制御するためのレーザー出力用フィードバックループを含む。一実施形態では、レーザー出力は、レーザーシステムから測定または感知される。
【0048】
一実施形態では、方法およびシステムは、結合剤が加えられた後の、粉末層の結合剤噴射出力高度減少を観察することを含む。一実施形態では、方法およびシステムは、溶融/固体層(および結合層)と次の未溶融粉末層との間の高度増加を観察することを含む。
【0049】
一実施形態では、方法およびシステムは、堆積材料、未溶融材料、または凝固/溶融結合材料の間の高度差の測定に基づいて、ビルド後の部品品質を推定することを含む。方法およびシステムは、堆積された未溶融材料とその下の固体層との間の高度差を測定し、未溶融材料と、凝固-焼結/溶融または結合材料との間の高度差を測定することを含む。方法およびシステムは、気孔率、粒子構造、および機械的特性を推定し、これらの推定を使用して部品品質を推測することをさらに含む。一実施形態では、パーセント密度は、約99%~約100%の範囲であり、気孔率範囲は、約0%~約1%である。一実施形態では、粒子構造は、マルテンサイトからオーステナイトまで変化し、粒度分布は、約0.5μm~約500μmの範囲である。機械的特性としては、引っ張り強さ、極限降伏強さ、疲労寿命、伸び率、または割れが挙げられる。結合剤噴射密度は、約75%~約95%の間で変動する。
【0050】
一実施形態では、気孔率、粒子構造、および機械的特性を推定することは、物理ベースのコンピュータモデルを使用して完成する。一実施形態では、気孔率、粒子構造、および機械的特性を推定することは、以前の測定のライブラリ、および/またはニューラルネットワーク、ガウス過程回帰、畳み込みカーネルなどを使用して行われる。
【0051】
ニューラルネットワーク(NN)は、人工ニューロンの場合、人工ニューラルネットワーク(ANN)またはシミュレートされたニューラルネットワーク(SNN)と呼ばれ、コネクショニズム的(connectionistic)計算手法に基づく情報処理のための数理または計算モデルを使用する、天然または人工ニューロンの相互接続された群である。ほとんどの場合、ANNは、ネットワークを流れる外部または内部情報に基づいてその構造を変える適応システムである。より実際的な言い方をすれば、ニューラルネットワークは、非線形統計データモデリングまたは意思決定ツールである。それらを使用して、入力と出力の複雑な関係をモデル化するか、またはデータのパターンを見出すことができる。
【0052】
ガウス過程回帰は、ノンパラメトリックであり(すなわち、関数の形式によって制限されない)、したがって、特定の関数のパラメータの確率分布を計算するのではなく、GPRは、データにフィットする全ての許容関数にわたって確率分布を計算する。
【0053】
畳み込みカーネルまたは畳み込みニューラルネットワークでは、カーネルは、画像から特徴を抽出するために使用されるフィルタにすぎない。カーネルは、入力データ上を移動し、入力データの部分領域とのドット積を実行し、ドット積の行列として出力を得る、行列である。
【0054】
一実施形態では、方法およびシステムは、高度測定を使用して、固化中に噴出物および蒸発として失われた粉末の量を推定すること、ならびに高度測定を使用して性能を最適化することを含む。一実施形態では、ある量の粉末が金属付加製造において失われる。
【0055】
図3に示されるように、リコーティング充填率を推定する方法300は、堆積材料および未溶融材料の高度を測定し、先に溶融された層310と新しく堆積された層320との間の差を測定すること、ならびにいかに良く次の層を充填するかを高度マップ330によって決定することを含む。一実施形態では、充填は、パーセント減少および高度収縮によって測定される。
【0056】
欠陥を推定するためのニューラルネットワークおよび物理モデルに関する情報
AMにおける実績。GPRモデルは、近年、Renishaw AM 500M機[10]からのin situ測定を使用して、レーザー粉末床溶融結合部品の気孔率の予測に成功したことが分かっている。

GPRモデルは、in situ特徴を使用して気孔率を予測するように訓練された。試験は、広い密度範囲にわたって行われ、図17に示される結果を実現し、4%未満のRMS誤差を報告した。
【0057】
不確かさの定量化。AIは、何らかの形での不確かさの定量化を提供しなければならない。ニューラルネットワークに対するGPRモデルの利点は、それらが確率的なものであり、大幅な追加計算なしで、それらの予測についての信頼限界を必然的に提供することであり、図17~18に示される結果は、GPRモデルの不確かさの限界を示す。
【0058】
スケーラビリティ。in situ AMデータ(およびCT画像)は、かなりのサイズ(しばしばビルド当たりGB)であり得、AIモデルは、訓練データのサイズとともにうまくスケールしなければならない。GPRモデルは、product-of-experts(エキスパートの積)手法を含み、GPRモデルが特殊な計算アーキテクチャなしで大きなデータセットに合わせてスケールすることを可能にする[11]。大きなデータセットではコストがかかる単一のGPRを訓練するのではなく、訓練データは、K個の異なる「AIエキスパート」に均等に分割されて、in situデータから部品気孔率を予測し、最終予測は、各AIエキスパートによって行われた予測の重み付けされた組み合わせである。重要なことに、そのような手法は、全てのエキスパートがメモリ内に同時にあることを必要とせず、多くのAI手法のボトルネックであるRAMの制限を回避する。
【0059】
データ外の性能。モデル訓練後、ビルドが行われ得、そこでは、訓練データの生成中には発生しなかった現象が発生する。そのような場合、AIモデルは、訓練データによって表されていない新しいシナリオに適用されており、GPRモデルは、データ外に適用された場合は正常に失敗するという利点を有し、予測信頼限界は、大幅に拡大することになる。これは、その訓練データの外側に適用された場合に確信的に誤った推定を提供する傾向がある、ニューラルネットワークを含む他の手法より好ましい[12]。
【0060】
図18(パワーポイント参照)は、GPRモデルを初期化するのに必要なプロセスを示す。ビルドは、Renishaw AM400を使用して行われ、その間、機械の印刷ログからのデータと並行してin situ測定(すなわち、Project Fringe高度マップデータ、視覚画像)が収集される。ビルド後、ビルド構成要素のCTスキャンが行われる。in situデータは、次いで、3Dデータのための最小二乗マッチングを使用してCTデータと位置合わせされる。CT結果は、in situ測定より高分解能であると予想され、したがって、各in situ測定値は、周囲のCTデータの平均値と関連付けられる。このプロセスは、入力がin situ測定値であり、出力が、CT結果から得られた対応する気孔率測定値である、入力-出力対のセットを生成する。このデータは、次いで、いくつかのGPR「エキスパート」モデル間で分割され、大きなデータセットについて単一のGPRモデルを訓練することの大きな計算オーバーヘッドを避ける。
【0061】
勾配ベースのアルゴリズムの訓練が行われて、最尤パラメータ推定値を得る。データは、k個の均等なサイズのセットに分割され、その結果、k-1個のデータセットをモデルの訓練に使用することができ、残りのセットを検証のために残す。モデルの試験は、k回反復して行われ、各反復において、試験および訓練データセットの異なる組み合わせが使用される。最終的なモデルの性能は、試験のアンサンブルの平均をとることによって判断され、プロセスは、k分割交差検証(k-fold cross-validation)として知られている。モデルの性能は、曲線下面積手法、すなわち、モデルの閾値決定値(それより上の値では部品がモデルの結果に基づく気孔率を含むと決定される値)を変更する時に得られる受信者動作特性(ROC)曲線の下の面積を使用して測定された。ROC曲線を使用して、可能な閾値の全範囲にわたってモデルの性能を分析した。これらの試験はk回繰り返され、各試験について、訓練および試験データの役割は、k分割交差検証手順後に交換される。
【0062】
図5は、粉末表面高度-溶融表面高度、ならびに未溶融粉末床および溶融領域の表面テクスチャおよび高度変動の特徴を示す、典型的な高度マップ差を示す色付き3D点群(プロセス L-PBF)グラフである。
【0063】
図6は、典型的な高度マップ差を示す色付き3D点群(プロセス L-PBF)グラフである。粉末表面高度-溶融表面高度、過溶融、エッジはみ出し、リコータの振動/ホッピング、粉末床厚さ変動を含む異常/欠陥を示す、未溶融粉末床、溶融部分の一般的特徴。
【0064】
図7は、典型的な高度マップ差、および溶融表面高度-次の粉末表面高度を示す色付き3D点群(プロセス L-PBF)グラフであり、観察された一般的特徴は、部分(溶融領域の上に粉末)および未溶融粉末床(粉末の上に粉末)の両方の上の粉末床厚さを含み、観察された異常/欠陥は、スパッタおよびデブリ、層厚の変動を含む。
【0065】
図8は、典型的な高度マップ差、溶融後高度マップ-次の粉末層を示すグレースケールの3D点群(プロセス L-PBF)グラフであり、観察された一般的特徴は、粉末床および溶融部分の表面モルフォロジを含み、観察された異常/欠陥は、リコータの筋を含む。
【0066】
図9は、分析に基づく高度マップ差、粉末層-次の溶融後高度マップを示すグレースケールの3D点群(プロセス L-PBF)グラフであり、観察された一般的特徴は、粉末床および溶融部分の表面モルフォロジを含み、観察された異常/欠陥は、リコータの筋を含む。
【0067】
図10は、分析に基づく位相マップ差、溶融後位相マップ(層56)-次の粉末層位相マップ(層57)を示すグレースケールの位相の3D点群(プロセス L-PBF)グラフであり、観察された一般的特徴は、溶融層と粉末層との間の位相差を含み、観察された異常/欠陥は、粉末の窪みおよび隆起を含む。
【0068】
図11は、分析に基づく位相マップ差、粉末層位相マップ(層55)-溶融後位相マップ(層56)を示すグレースケールの位相の3D点群(プロセス L-PBF)グラフであり、観察された一般的特徴は、粉末層と次の溶融層との間の位相差を含み、観察された異常/欠陥は、粉末の窪みおよび隆起、検出異常を含む。
【0069】
図12は、粉末拡散後、溶融前に取られた縞投影からの典型的な高度マップを示す色付き3D点群(プロセス L-PBF)グラフであり、観察された一般的特徴は、粉末の筋、粉末のスキュー、一様でない粉末分布を含む。
【0070】
図13は、溶融後に取られた縞投影からの典型的な高度マップを示す色付き3D点群(プロセス L-PBF)グラフであり、一般的特徴は、粉末の筋、粉末のスキュー、一様でない粉末分布、熱変形、溶融領域、はみ出しを含む。
【0071】
図14A~14Bは、-50ミクロンに低下した粉末床の縞投影からの典型的な高度マップを示すグラフであり、一般的特徴は、床レベル-50ミクロンの粉末層の3D測定を含み、図14Aは、粉末床の高度マップを示す。図14Bは、高度マップの断面を示す(プロセス L-PBF)。
【0072】
図15A~15Bは、+50ミクロンに上昇した粉末床の縞投影からの典型的な高度マップを示すグラフであり、図15Aは、粉末床の高度マップを示し、図15Bは、高度マップの断面を示し(プロセス L-PBF)、観察された特徴は、床レベル+50ミクロンの粉末層の3D測定を含む。
【0073】
図16Aは、結合剤堆積後の結合剤噴射プロセスの視覚画像の粉末床の高度マップを示すグラフであり、図16Bは、高度マップの断面(プロセス 結合剤噴射法)、結合剤堆積後の縞投影からの典型的な位相マップを示すグラフであり、観察された特徴は、リコータローラ粉末異常、結合剤粉末相互作用、結合剤の筋、隆起、表面の窪みを含む。
【0074】
図17は、高度マップについてのニューラルネットワークおよびガウス過程回帰の訓練を示す概略フローチャートである。GPRモデルの訓練。訓練データを構築するために、in-situデータは、グレースケールのCT画像と位置合わせされ、「入力-出力対」を生成する。著しい計算オーバーヘッドを避けるために、この訓練データは、次いで、K個のGPRモデルのアンサンブル間で分割される。
【0075】
図18は、高度マップについてのニューラルネットワークおよびガウス過程回帰の演算を示す概略フローチャートであり、特徴は、GPRモデルを使用した予測を含む。in-situ測定は、ビルド中に行われ、GPRモデルのアンサンブルへ供給される。各GPRモデルによって行われた予測は、次いで、グレースケール値を実現するように組み合わされて、AI生成された気孔率予測子を形成する。
【0076】
図19は、ガウス過程回帰およびニューラルネットワーク訓練のための訓練データ収集例を含む、印刷された試料のグラウンドトゥルース検証のためのCTスキャンであり、特徴は、低密度領域、潜在的な細孔の位置を含む。
【0077】
図20は、ガウス過程回帰およびニューラルネットワーク訓練のための訓練データ収集例を含む、印刷された試料のグラウンドトゥルース検証のためのCTスキャンであり、特徴は、低密度領域、潜在的な細孔の位置を含む。
【0078】
図21は、ガウス過程回帰およびニューラルネットワーク訓練のための訓練データ収集例を含む、印刷された試料のグラウンドトゥルース検証のためのCTスキャンであり、特徴は、低密度領域、潜在的な細孔の位置、AI/MLで特定された低密度領域を含む。
【0079】
図22は、ガウス過程回帰およびニューラルネットワーク訓練のための訓練データ収集例を含む、印刷された試料のCTスキャングラウンドトゥルース検証であり、特徴は、低密度領域、潜在的な細孔の位置、AI/MLで特定された低密度領域を含む。
【0080】
図23Aは、層567の高度マッピング(粉末と溶融との間の差)を使用して観察された印刷異常を示すグラフであり、図23Bは、スライス567のAI/MLで特定された低密度領域、低密度位置ならびに/または細孔位置のin-situデータならびにAI/MLおよびガウス過程回帰予測試験を示すグラフであり、特徴は、低密度領域、潜在的な細孔の位置、AI/MLで特定された低密度領域を含む。
【0081】
図24Aは、層567の高度マッピング(粉末と溶融との間の差)を使用して観察された印刷異常を示す、低密度位置および/または細孔位置のin-situデータのグラフであり、図24Bは、スライス567のAI/MLで特定された低密度領域を示す、低密度位置および/または細孔位置のAI/MLおよびガウス過程回帰予測試験のグラフであり、特徴は、低密度領域、潜在的な細孔の位置、AI/MLで特定された低密度領域を含む。
【0082】
図25は、ハードウェア/ソフトウェア要素を含む監視システムのシステム図である。
【0083】
図26は、システム構成を示す、プリンタ(レーザー粉末床溶融結合)に取り付けられた監視システムの写真である。
【0084】
図27は、粉末床上の縞パターンを示す写真であり、特徴は、粉末領域、縞パターンを含む。
【0085】
図28は、粉末床(2)上の縞パターンを示す写真であり、特徴は、溶融領域、粉末領域、縞パターンを含む。
【0086】
図29Aは、カメラシステムを示す写真である。カメラが、EOS M 290粉末床溶融結合3Dプリンタに取り付けられている。図29Bは、プロジェクタシステムを示す写真である。プロジェクタが、EOS M 290粉末床溶融結合3Dプリンタに取り付けられている。
【0087】
図30は、カメラシステムシステムを示す写真である。カメラが、exone innovent結合剤噴射3Dプリンタに取り付けられている。プロジェクタが、exone innovent結合剤噴射3Dプリンタに取り付けられている。
【0088】
システム
本出願で使用される場合、「構成要素」および「システム」という用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのいずれかのコンピュータ関連エンティティを指すことを意図する。例えば、構成要素は、プロセッサで実行するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであり得るが、これらに限定されない。例として、サーバー上で実行するアプリケーションおよびそのサーバーの両方が構成要素であり得る。1つ以上の構成要素が、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在し得、構成要素は、1つのコンピュータに局在し、かつ/または2つ以上のコンピュータ間に分散し得る。
【0089】
一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、構成要素、データ構造などを含む。さらに、当業者は、本発明の方法が他のコンピュータシステム構成で行われ得ることを理解し、これにはシングルプロセッサまたはマルチプロセッサコンピュータシステム、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、およびパーソナルコンピュータ、ハンドヘルド計算装置、マイクロプロセッサベースのまたはプログラム可能な家電などが含まれ、それらの各々は、1つ以上の関連装置に動作可能に結合され得る。
【0090】
本発明の示された態様はまた、特定のタスクが通信ネットワークを通して接続されているリモート処理装置によって実行される、分散コンピューティング環境で行われ得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカルまたはリモートの両方のメモリ記憶装置に存在し得る。
【0091】
コンピュータは、典型的には様々なコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータがアクセスすることができる任意の利用可能な媒体であり得、揮発性媒体および不揮発性媒体の両方、取り外し可能な媒体および取り外し不可能な媒体の両方を含む。例として、非限定的に、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を備え得る。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法または技術で実装された、揮発性媒体および不揮発性媒体、取り外し可能な媒体および取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体としては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、もしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、もしくは他の磁気記憶装置、または所望の情報を記憶するのに使用することができ、コンピュータがアクセスすることができる任意の他の媒体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
通信媒体は、典型的には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを、搬送波または他の輸送機構などの変調されたデータ信号に具現化し、あらゆる情報伝達媒体を含む。「変調されたデータ信号」という用語は、信号の特性の1つ以上が情報を信号にエンコードするような方法で設定または変更されている信号を意味する。例として、非限定的に、通信媒体としては、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体、ならびに音響、RF、赤外、および他の無線媒体などの無線媒体が挙げられる。上記のいずれかの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0093】
ソフトウェアは、アプリケーションおよびアルゴリズムを含む。ソフトウェアは、スマートフォン、タブレット、もしくはパーソナルコンピュータ、クラウド、ウェアラブルデバイス、または他の計算もしくは処理装置に実装され得る。ソフトウェアは、ログ、ジャーナル、テーブル、ゲーム、記録、通信、SMSメッセージ、ウェブサイト、チャート、対話型ツール、ソーシャルネットワーク、VOIP(ボイスオーバーインターネットプロトコル)、eメール、および動画を含み得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された機能またはプロセス(単数もしくは複数)の一部または全ては、コンピュータ可読プログラムコードから形成され、コンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラムによって実行される。「コンピュータ可読プログラムコード」という語句は、ソースコード、オブジェクトコード、実行可能コード、ファームウェア、ソフトウェアなどを含む、任意の種類のコンピュータコードを含む。「コンピュータ可読媒体」という語句は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、または任意の他の種類のメモリなどの、コンピュータがアクセスすることができる任意の種類の媒体を含む。
【0095】
本発明が様々な実施形態と関連して説明されてきたが、本発明はさらなる修正が可能であることが理解される。本出願は、概して本発明の原理に従い、本発明が属する技術分野において既知の慣行の中にあるような本開示からの逸脱を含む、本発明の任意の変形、使用、または適合をカバーするように意図されている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図24A
図24B
図25
図26
図27
図28
図29A
図29B
図30
【手続補正書】
【提出日】2023-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造における印刷欠陥を検出する方法であって、
a.物体の表面の少なくとも一部の画像を取り込むことと、
b.高度マップによってリアルタイムで前記物体の表面を得ることと、
c.得られた高度マップを使用して、粉末層または新しく凝固された層内で前記表面の印刷欠陥を検出することと、
を備える、方法。
【請求項2】
溶融、焼結、または結合凝固に基づいて前記凝固された層を評価することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記新しく凝固された層と先の粉末層との間の高度差を使用して印刷欠陥を見つけることをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
固体層と次の粉末層との間の高度差を使用して印刷欠陥を見つけることをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
測定された印刷欠陥を使用して、線形回帰、信号処理、異常計数人工知能、有限要素モデリング、畳み込みニューラルネットワーク、または他のものの使用を通して部品の欠陥を見つけることをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記印刷欠陥は、反り、過溶融、溶融不足、熱変形、溶融結合不良、粉末供給不足、不均一な粉末コーティング、リコータブレードのホッピング、粉末の筋、粉末の窪み、部品はみ出し、リコータブレードの欠陥、またはビルドプレートのスキュー、リコータ断面情報、ビルド表面のスキュー、プレートのスキュー、ビルドプレートの平坦性、ビルドプレートの振動、ビルドプレートの垂直正確度、粉末コーティング厚、粉末コーティング粗さ、粉末コーティングの筋、粉末コーティングのホッピング、粉末コーティングの供給不足、粉末コーティングの塊、粉末コーティングの凝集、溶融もしくは凝固もしくは結合後の粉末コーティングの変化、不均一な粉末粒子、熱変形、構成要素のはみ出し、基準からの絶対層高度、材料崩壊、支持構造の歪み、全歪み、表面歪み、粒子スピッティング、粒子集合、粒子凝集、溶融ムラ、焼結ムラ、レーザー間隔の影響、レーザースポットサイズ、レーザー出力、結合剤貫通効果、結合剤粉末相互作用、結合剤堆積高度凝固、または任意の他の物理現象を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記部品の欠陥は、密度欠陥、気孔率欠陥、冶金欠陥、溶融結合不良、割れ、変形、または寸法欠陥を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
付加製造プロセスにおける印刷欠陥を検出する方法であって、
a.物体の表面の少なくとも一部の画像を取り込むことと、
b.照明システムとともに前記物体の表面の少なくとも一部の画像を使用して、前記付加製造プロセス中に画像の各部分に対する空間値をエンコードすることと、
c.前記空間値を使用して、粉末層または新しく凝固された層のエンコードされた空間位相の均一性を推定し、印刷欠陥を見つけることと、
を備える、方法。
【請求項9】
溶融、焼結、または結合凝固に基づいて前記凝固された層を評価することをさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記新しく凝固された層と先の粉末層との間の空間位相差を使用して印刷欠陥を見つけることをさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
固体層と次の粉末層との間の空間位相差を使用して印刷欠陥を見つけることをさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
測定された印刷欠陥を使用して、線形回帰、信号処理、異常計数人工知能、有限要素モデリング、畳み込みニューラルネットワーク、または他のものの使用を通して部品の欠陥を見つけることをさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記印刷欠陥は、反り、過溶融、溶融不足、熱変形、溶融結合不良、粉末供給不足、不均一な粉末コーティング、リコータブレードのホッピング、粉末の筋、粉末の窪み、部品はみ出し、リコータブレードの欠陥、またはビルドプレートのスキュー、リコータ断面情報、ビルド表面のスキュー、プレートのスキュー、ビルドプレートの平坦性、ビルドプレートの振動、ビルドプレートの垂直正確度、粉末コーティング厚、粉末コーティング粗さ、粉末コーティングの筋、粉末コーティングのホッピング、粉末コーティングの供給不足、粉末コーティングの塊、粉末コーティングの凝集、溶融もしくは凝固もしくは結合後の粉末コーティングの変化、不均一な粉末粒子、熱変形、構成要素のはみ出し、基準からの絶対層高度、材料崩壊、支持構造の歪み、全歪み、表面歪み、粒子スピッティング、粒子集合、粒子凝集、溶融ムラ、焼結ムラ、レーザー間隔の影響、レーザースポットサイズ、レーザー出力、結合剤貫通効果、結合剤粉末相互作用、結合剤堆積高度凝固、または任意の他の物理現象を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記部品の欠陥は、密度欠陥、気孔率欠陥、冶金欠陥、溶融結合不良、割れ、変形、または寸法欠陥を含む、請求項12に記載の方法。
【国際調査報告】