(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含有する脂質ナノ粒子の組成物、ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含有する脂質ナノ粒子の組成物の美容的使用、抗酸化皮膚美容製品、並びに皮膚老化の予防及びスキンケア方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20241022BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20241022BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20241022BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K8/02
A61Q19/00
A61Q19/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024506626
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 BR2022050269
(87)【国際公開番号】W WO2023010188
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】BR1020210154861
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509231204
【氏名又は名称】アシェ ラボラトリオス ファルマセウチコス ソシエダッド アノニマ
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ウェルネック ギマラエス クリスティアーノ ラッチ
(72)【発明者】
【氏名】ラバネッリ ペッサ リサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ドラガーニ レイス ロムロ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィダル ムッシ サムエル
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AB351
4C083AB352
4C083AB442
4C083AC111
4C083AC171
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC211
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC252
4C083AC302
4C083AC311
4C083AC352
4C083AC391
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC481
4C083AC531
4C083AC532
4C083AC741
4C083AC841
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD041
4C083AD051
4C083AD052
4C083AD202
4C083AD662
4C083BB32
4C083BB47
4C083BB51
4C083CC04
4C083CC05
4C083DD21
4C083DD22
4C083DD23
4C083DD32
4C083DD33
4C083DD41
4C083EE01
4C083EE03
4C083EE07
4C083EE12
4C083EE13
4C083EE16
4C083EE17
(57)【要約】
本発明は、ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含有する脂質ナノ粒子の安定性の欠如に関連する先行技術の定常的課題を解決することを目的とし、ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含有する安定な脂質ナノ粒子の組成物、及び美容用組成物、とりわけアンチエイジング組成物における活性物質としてのナノカプセル化ヴィティス・ヴィニフェラ L.抽出物の使用を開発する。具体的には、本発明は、2.5%w/w未満のヴィティス抽出物及び封入系を含み、これにより、より良好な安定化が可能になる。本発明は、皮膚を処置するための、とりわけ植物抽出物を含むリポソーム組成物に関する美容用調製物の分野にある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含有する脂質ナノ粒子の組成物であって、前記組成物の総重量に対して0.1~2.0重量%のヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含むことを特徴とする、組成物。
【請求項2】
前記組成物の総重量に対して0.5~1.5重量%のヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物の総重量に対して1.0重量%のヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含むことを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物は、没食子酸、カテキン、エピカテキン、プロシアニジンB1及びプロシアニジンB2を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
0.1~3重量%の保存剤を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記保存剤は、フェノキシエタノール、カプリリルグリコール、BHT、EDTA二ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、パラベン、スイカズラ、ハニーサックル、ヒドロキシアセトフェノン、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、トロポロン、ペンチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ヨードプロピニル-ブチルカルバメート、イミダゾリジニル尿素、ポリアミノプロピルビグアニド、又はこれらの混合物の群から選択されることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
0.1~2%のフェノキシエタノール及び0.1~2%のカプリリルグリコールを含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記保存剤は、フェノキシエタノール及びカプリリルグリコールの1:1の組み合わせを含むことを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
10~40%w/wの脂質を含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物の総重量に対して10~40重量%の脂質を含み、前記脂質は、単純若しくは複雑な脂肪酸、長鎖、中鎖若しくは短鎖のトリグリセリド、ポリプロピレングリコールステアリルエステル又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
5%~10%のカプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、5%~10%のオレイン酸、1%~10%のリノール酸及び1%~5%のPPG-15ステアリルエーテルを含むことを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
1~10%の、ステアリルアルコールエトキシレート等のエトキシル化非イオン性界面活性剤、ポロキサマー又はこれらの混合物から選択される界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
1~5%のステアレス-2(ステアリルアルコールエトキシレート)、1~5%のポロキサマー407(オキシランを有するポリマー)及び0.1~2%のステアレス-21(ステアリルアルコールエトキシレート)を含むことを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
柔らかい紫色~桃色の柔らかい色を有することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記粒子は300~420nmの平均直径を有することを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記粒子は360nmの平均直径を有することを特徴とする請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記粒子は-10~-50mVの平均表面電荷を有することを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記粒子は-30mVの平均表面電荷を有することを特徴とする請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含有する脂質ナノ粒子の組成物の美容的使用であって、抗酸化効果、アンチエイジング効果、抗炎症効果、ホワイトニング効果、光防護効果、皮膚透過効果、及び皮膚老化に関連する遺伝子調節効果を有する皮膚老化を予防する美容製品の調製のためのものであることを特徴とする、使用。
【請求項20】
細胞外マトリックス合成に関与する遺伝子(COL1A1、COL3A1、ELN、FN1、FBN1)、細胞ストレス応答及び酸化ストレス応答に関与する遺伝子(SEMA3A)、DNA修復に関与する遺伝子(PCNA)、ケラチノサイトの分化に関与する遺伝子(CALML5、CASP14、FLG、KRT10、LOR、KRT1)、水和に関与する遺伝子(AQP3)、細胞間接着部に関与する遺伝子(DSC1、DSG1)及び落屑に関与する遺伝子(KLK7)の下方制御、並びに増殖因子に関与する遺伝子(NGF、EGF、FGF2)、細胞外マトリックス分解に関与する遺伝子(MMP1、MMP3、PTGS2、TFPI2)、細胞ストレス応答及び酸化ストレス応答/炎症に関与する遺伝子(FOXO3、HMOX1、MT1E、MT1H、TXNRD1)、DNA修復に関与する遺伝子(XPA、ERCC3)、ケラチノサイトの分化に関与する遺伝子(IVL、TGM1、TCHH)、自然免疫に関与する遺伝子(DEFB4A)、ケラチノサイトの増殖に関与する遺伝子(KRT19)、炎症に関与する遺伝子(IL1B、IL8)の上方制御を特徴とする請求項19に記載の使用。
【請求項21】
皮膚の老化を予防するための抗酸化皮膚美容製品であって、少なくとも1種の、請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子の組成物と、美容的に適切な賦形剤とを含むことを特徴とする、製品。
【請求項22】
液体、半固体又は固体であることを特徴とする請求項21に記載の製品。
【請求項23】
ローション又はセラム剤であることを特徴とする請求項22に記載の製品。
【請求項24】
水中油型又は油中水型の乳剤であることを特徴とする請求項23に記載の製品。
【請求項25】
クリーム又はゲルクリームの調製に使用されることを特徴とする請求項24に記載の製品。
【請求項26】
ゲルの調製におけるものであることを特徴とする請求項25に記載の製品。
【請求項27】
スキンケア方法であって、必要とする皮膚に、請求項21から請求項26のいずれか1項に記載の製品の少なくとも1つの層を設ける工程を含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヴィティス・ヴィニフェラ(ヨーロッパブドウ、Vitis vinifera)抽出物を含む脂質ナノ粒子の組成物、ナノ粒子、このナノ粒子を含む美容用組成物、及びその美容用途に関する。本発明は、皮膚治療のための美容用調製物の分野にあり、とりわけ植物抽出物が関与する脂質ナノ粒子の固体組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は、人体の最も大きく、最も目に見える器官であり、生命維持において基本的な役割を果たすために際立っている。発揮される複数の機能のうち、それらは、様々な機械的損傷、寄生虫及び微生物の侵入、化学物質及び放射線に対する保護を含む。放射線下では、皮膚は日常的に太陽光(UV)に対する保護を発揮する。
【0003】
別の重要な役割は、体液喪失及び体温調節に対する保護である。
【0004】
その生理学的機能の結果として、皮膚は、外因性因子によって毎日損傷され、これは、例えば、皮膚に対する他の攻撃の中でも、色素沈着障害、しわ、脱水症等のいくつかの望ましくない状態の出現に有利に働く。これらの望ましくない状態は、主に加齢に伴って誘発される異なる内因性因子によってさらに有利にされる。
【0005】
従って、そのような望ましくない皮膚状態を有利に変更し、治療、阻害、又は予防するのに役立つ美容用組成物を開発することが引き続き必要とされている。
【0006】
現在、様々な皮膚障害の治療のために、化学的又は生物学的な多様な活性成分が提案されている。これらの活性物質は、局所使用のための美容製品基剤に日常的に添加される。市場では、最も一般的な美容製品形態は、クリーム剤、ゲルクリーム剤、ゲル剤、軟膏剤、セラム剤(美容液)及びローション剤であり、これらは、水性組成物から無水組成物まで様々であることができ、その中には、いくつかの種類の乳剤(水中油型又は油中水型)が含まれる。
【0007】
美容製品形態での使用のために選択される活性成分は、抗炎症特性、光防御特性(UVA及びUVB)、抗酸化特性、保湿特性、白色化特性及び抗しわ特性を有する傾向がある。皮膚弾性の増加を促進するものもあれば、皮膚の触感を改善するものもある。美容製品活性物質は、物理的及び化学的安定性を有することが常に望ましい。それらが満足のいく皮膚吸収を有すること、及び/又は美容製品基剤に配合した場合に、それらが改善された安定性、バイオアベイラビリティ及び皮膚透過性を有することも望ましい。
【0008】
生物学的活性成分に関して、ブドウ抽出物(ブドウ属(ビティス属、Vitis属)、ヴィティス・ヴィニフェラ種に属する)は、望ましくない皮膚状態の美容処置において有利に作用するその能力について認識されている活性物質である。ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物のこの能力は、大量のフェノール化合物に関連し、その中でも、フラボノイド、プロシアニジン、カテキン及び没食子酸等のフェノール酸に加えて、アントシアニンが目立つ。加えて、ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物は、レスベラトロールに加えて、フラボノイドケルセチン、ケンフェロール、ミリセチン及びイソラムネチンからのグリコシド、並びにクマル酸、コーヒー酸、フェルラ酸及びカフタル酸の存在も含む。マルビジン3-O-グリコシドも抽出物中に存在する化合物である。
【0009】
従って、上記抽出物は、とりわけ、色素沈着障害、しわ、脱水症、肝斑、尋常性座瘡、発赤等の様々な状態に対するいくつかの保護効果及び美容効果を有する。
【0010】
しかしながら、美容製品基剤におけるヴィティス・ヴィニフェラ抽出物の使用は、それが異なる環境条件(光、酸素、温度)に敏感な抽出物であるため、その低い安定性に関する定常的な技術的課題によって制限される。低い安定性は、皮膚に有益な生物学的機能を果たす上記抽出物の能力に本質的に関連する。例えば、ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物に通常存在する活性成分であるレスベラトロールは、光に曝露されるとトランス(活性)異性体からシス(不活性)異性体に変換される高度に感光性の分子である。
【0011】
通常、ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物の不安定性は、単独で又は美容製品基剤に配合して観察される。不安定性は、官能(感覚刺激)特性(特に色)及び物理化学的特性(pH及び密度)の変化によって観察可能である。
【0012】
科学文献及び特許文献における先行技術を検索すると、本発明の主題に関する以下の文献が見出された。
【0013】
2011年に公開された国際公開第2011116963号パンフレットは、固体脂質粒子(SLN - solid lipid nanoparticle、固体脂質ナノ粒子)が、SLNがポリマーでコーティングされたときに封入(カプセル化)された種の改善された化学的安定性特性を示すことを教示する。この国際出願に記載されている安定性は、組成物の他の成分との相互作用による分解に対する封入された種のより大きい保護、並びに加水分解、酸化及び光に対する等の他の化学的保護に関連する。
【0014】
出願国際公開第2011116963号パンフレットでは、封入されるべき一連の活性物質が提示され、ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物は、いくつかの示唆された植物抽出物のうちの1つにすぎない。
【0015】
従って、研究文献から、先行技術分野において記載されているヴィティス・ヴィニフェラ抽出物の脂質ナノ粒子は、抽出物の安定性の欠如という問題を依然として提示する。というのは、この安定性の欠如は、ヴィティス・ヴィニフェラを単独で含有する脂質ナノ粒子の組成物中に、又は美容製品基剤中に配合される場合の両方に存在するからである。先行技術では、皮膚透過を改善するための有効な解決手段も存在しない。それゆえ、脂質ナノ粒子の組成物であって、成分が、他の利点の中でもとりわけ、ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を封入するときの安定性の欠如を解決し、特に皮膚透過を改善し、その結果、その組成物がその美容目的のために実現可能になる脂質ナノ粒子の組成物を提供する必要性が依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開第2011116963号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、改善された安定性の組成物の開発を通して、ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含有する脂質ナノ粒子の組成物の安定性の欠如に関連する先行技術の定常的問題を解決し、美容用組成物、とりわけアンチエイジング(抗加齢)組成物における活性物質としてのナノカプセル化ヴィティス・ヴィニフェラ L.抽出物の使用を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
第1の態様では、本発明は、脂質ナノ粒子の組成物であって、この組成物の総重量に対して約0.1重量%~2.0重量%の量のヴィティス・ヴィニフェラ抽出物、より具体的には組成物の総重量に対して約1重量%のヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含有する脂質ナノ粒子の組成物に関する。
【0019】
第2の態様では、本発明は、皮膚老化の予防における、抗酸化剤及びアンチエイジング剤としての第1の態様の脂質ナノ粒子の組成物の美容的使用に関する。驚くべきことに、本発明の組成物は、皮膚透過の改善、及び皮膚の酸化ストレスの低減の促進に効率的であり、UV放射線への曝露によって誘発されるフリーラジカルの合成の過剰の増加に対する保護効果を発揮することが判明した。
【0020】
第3の態様では、本発明は、少なくとも第1の態様の脂質ナノ粒子の組成物と美容的に許容できる賦形剤とを含む、抗酸化剤及びアンチエイジング剤として作用する、皮膚老化を予防するための皮膚美容製品に関する。
【0021】
第4の態様では、本発明は、第3の態様において規定される製品の層を局所的に設ける工程を含む、スキンケアの方法に関する。
【0022】
さらには、記載され特許請求される保護の文脈に共通する本発明の概念は、それらがすべて、ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物脂質ナノ粒子の安定な組成物に関するということであり、この組成物は、驚くべきことにかつ予想外にも、先行技術に対して、(i)均質な系に留まり、(ii)ストレス条件下でさえその官能特性が保存され、(iii)高い封入指数を示し、(iv)皮膚透過を改善し、(v)アンチエイジング効果を発揮し、(vi)抗酸化効果を発揮し、太陽放射線への曝露の有害な効果から皮膚を保護する、ということによって改善されている。
【0023】
本発明のこれら及び他の目的は、当業者によって直ちに理解され、それらを再現するために充分に詳細に以下の説明において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本特許出願の内容をより良く規定し、明確にするために、以下の図が提示される。
【0025】
【
図1】オーブン中での安定性試験(52℃で24時間)に供した場合に実質的に同一であるヴィティス・ヴィニフェラ抽出物脂質ナノ粒子の3つの組成物間の安定性プロファイルの比較を示す。組成物Aは1%の抽出物を含み、組成物A’は1.5%を含み、組成物A”は2%を含む。
【
図2】2.5%、5.0%及び10.0%の抽出物を含有する実質的に同一のヴィティス・ヴィニフェラ抽出物脂質ナノ粒子の3つの組成物を示す。この図は、クラスターの形成及び高粘度がナノ粒子の取得を妨げることに起因して、比較組成物の実現不可能性を実証する。
【
図3】99.97%の封入効率を示す総ポリフェノールの較正曲線を示す。
【
図4】評価された生成物とインキュベートされたヒト皮膚断片の培養物における皮膚透過の蛍光顕微鏡写真評価を示す。A~C - 未処理の皮膚断片(ベースライン対照);D~F - 評価された生成物NVAC VITIS VINI(ブランク)+フルオレセインとともにインキュベートされた皮膚断片;G~I - 0.1%抽出物溶液+フルオレセイン;J~L - NVAC VITIS VINI 10%;M~O - NVAC VITIS VINI 10%+フルオレセイン。フルオレセインは赤色でマークされている。基準棒は20μmに相当する。
【
図5】評価された生成物NVAC VITIS VINI 10%、NVAC VITIS VINI 10%+フルオレセイン、NVAC VITIS VINI(ブランク)+フルオレセイン及び抽出物溶液0.1%+フルオレセインとのヒト皮膚断片の培養物における皮膚透過の評価を示す。データは、12回の反復の平均±標準偏差を表す(ANOVA-ボンフェローニ(Bonferroni))。
【
図6】評価された生成物とともにインキュベートされ、紫外(UV)放射線に曝露されたヒト皮膚断片の培養物におけるフリーラジカル(FR)の合成の蛍光顕微鏡写真評価を示す。この図において、A~C - 未処理の皮膚断片(ベースライン対照);D~F - UV放射線に曝露されただけの皮膚断片;G~I - 評価された生成物NVAC VITIS VINI(ブランク)+フルオレセインとともにインキュベートされ、UV放射線に供された皮膚断片;J~L - 評価された生成物 抽出物溶液0.1%+フルオレセインとともにインキュベートされ、UV放射線に供された皮膚断片;M~O - 評価された生成物NVAC VITIS VINI 10%とともにインキュベートされ、UV放射線に供された皮膚断片;P~R - 評価された生成物NVAC VITIS VINI 10%+フルオレセインとともにインキュベートされ、UV放射線に供された皮膚断片;S~U - 比較用の市販品であるVIT C 10% MOISTURIZING CREAMとともにインキュベートされ、UV放射線に供された皮膚断片。FRは主に真皮上で緑色でマークされ、青色のマーキングは細胞核(DNA;DAPI)を表す。基準棒は50μmに相当する。
【
図7】顕微鏡画像の分析から得られたFRの標識/生成の半定量の結果を提示する。
【
図8】
図8は、本発明に係るナノ粒子のサイズ及び表面電荷を示す。
【
図9】
図9は、本発明に係るナノ粒子のサイズ及び表面電荷を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含有する脂質ナノ粒子の安定な組成物、及び皮膚美容組成物、とりわけ抗酸化アンチエイジング組成物における活性物質としてのナノカプセル化ヴィティス・ヴィニフェラL.を含有する組成物の使用に関する。
【0027】
本発明の目的のために、特段の記載がない限り、パーセンテージ値は、重量/重量パーセンテージ(%w/w)を指す。従って、パーセンテージは、組成物の総重量に対する1つ以上の成分の重量を意味する。
【0028】
本発明において、用語「脂質ナノ粒子」は、活性物質を放出するための系であって、直径が1~1000ナノメートルの球状であり、そのマトリックスが脂質によって形成されるものとして理解することができる。脂質ナノ粒子は、少なくともヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を封入する系である。さらには、本発明において、ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含有するナノ粒子は、とりわけ美容的に活性な特性を有するために、美容用組成物(化粧品組成物)へ投入されるもの(インプット)である。
【0029】
本発明において、用語「ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物」は、「ヴィティス抽出物」又は「ブドウ抽出物」としても理解することができ、ブドウの一部(皮若しくは種子)又はすべての抽出物として定義される。ヴィティス抽出物は、ブドウ構成成分を抽出する先行技術で公知の任意の方法によって得ることができ、抽出物がその美容機能を果たすことができるように成分の品質及び量を維持する方法が好ましい。
【0030】
特定の実施形態では、本発明に係るヴィティス・ヴィニフェラ抽出物は、没食子酸、カテキン、エピカテキン、プロシアニジンB1及びプロシアニジンB2を含む。
【0031】
非限定的な示唆であるが、上記抽出物を得るプロセスは、溶媒としての水又は水と他の溶媒、例えばアルコールとの混合物を伴ってもよい。このプロセスは、ブドウの一部(種子若しくは果皮)又は全部の、抽出物への工業的変換のための異なる単位操作、例えば粉砕、溶媒抽出、濾過、濃縮、乾燥、ふるい分け及びパッケージングを含んでもよい。
【0032】
「抽出物」は、ヴィティス・ヴィニフェラから得られる画分を意味し、この画分は、特定の化合物、例えばフェノール化合物に関して濃縮されて、ヒトの介入なしに天然には達成できない画分になっていてもよい。
【0033】
本発明の組成物は、ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含有する脂質ナノ粒子を調製するためのものであり、これは、同じ抽出物を含有する他の脂質ナノ粒子と比較して改善された安定性効果を有することが顕著である。本発明の組成物の安定性は、安定性試験において予見されるストレス条件にさらされた場合でさえ、その均質性、その官能特性及び物理化学的特性を維持するその能力によって与えられる。
【0034】
本発明のナノ粒子組成物の安定性は、その品質並びに化学的及び物理的完全性、並びに他の美容製品基剤に配合する際のその有用寿命及び実現可能性に直接関連する。
【0035】
本発明の脂質ナノ粒子の組成物は、成分の封入/保持を可能にする、脂質マトリックスとも呼ばれる脂質相から構成される。脂質相は、限定されないが、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、脂肪酸、ステロール及びワックス等の化合物の範囲から選択される少なくとも1種の脂質によって形成される。脂質相は、固体脂質のみ、液体脂質のみ、又は固体と液体の混合物を含有してもよい。脂質相は、少なくとも1種の界面活性剤の存在によって安定化されてもよく、ポリマーコーティングを有してもよい。
【0036】
本発明のナノ粒子は、超均質化及び高圧均質化(加熱又は冷却を伴うことができる)、並びに溶媒蒸発法、多重乳剤又は自発的乳化等、先行技術において公知の異なるプロセスによって製造することができる。好ましくは、当該ナノ粒子は、高圧均質化プロセスによって製造される。
【0037】
ポリマーコーティングが所望される場合、追加のコーティング工程が、表面上での、単離又は混合されてもよいポリマーの堆積又はカップリングによって行われる。この堆積は、磁気ミキサー及びパドルを用いた単純な均質化等の低エネルギー方法、又は高圧ホモジナイザー、超音波若しくは超ホモジナイザー等の高エネルギー方法を使用して行うことができる。さらに、堆積は、ナノ粒子を得るプロセス中に、脂質ナノ粒子をまだコーティングされていない状態で得た直後に又は長時間後に行うことができる。ポリマーのカップリングは、ナノ粒子の表面上での化学反応によって、単純かつ短い混合によって、又は長時間のインキュベーションによって達成することができる。
【0038】
本発明の脂質ナノ粒子は、脂質マトリックス内に成分を封入する。封入された成分は、ヴィティス抽出物及び美容的アジュバントである。アジュバントは、皮膚又は組成物自体にさらなる有益な効果をもたらすことができる任意の成分を意味する。
【0039】
アジュバントは、美容効果を有しても有さなくてもよい物質である。アジュバントが美容効果を有する場合、アジュバントは、皮膚軟化剤、湿潤剤、抗酸化剤、日焼け防止のための化学的又は物理的フィルタであることができるが、これらの機能性物質のみに限定されない。
【0040】
別の場合において、アジュバントは、安定性効果を有する物質、例えば、保存剤、抗酸化剤、キレート剤である。
【0041】
界面活性剤及び/又は溶媒は、脂質マトリックス内の封入された成分を可溶化及び安定化するために、並びに脂質と水相との界面を安定化することによってナノ粒子を得ることを可能にするために使用することができる。
【0042】
本発明の脂質ナノ粒子によって封入される物質は、親油性、親水性又は両親媒性であることができ、選択された調製プロセスに応じて、脂質中の溶解若しくは分散によって、脂質の表面への吸着によって、又は水溶液の形態で活性成分を脂質中に分散させることによって、脂質マトリックス中に組み込まれることが可能である。
【0043】
本発明において、脂質ナノ粒子は、水性分散液の形態で見出される。当該ナノ粒子組成物は、水組成物の総重量に対して少なくとも50重量%を有する。
【0044】
組成物中に存在するかなりの量の水は、とりわけ組成物が高温にさらされる場合に、配合された生成物中の凝縮物の形成に有利に働く可能性がある。他方では、そのような凝縮物は予見され、組成物の安定性に悪影響を及ぼさない。
【0045】
第1の態様では、本発明は、脂質ナノ粒子の組成物であって、この組成物の総重量に対して約0.1~2.0重量%w/wの量のヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含有する脂質ナノ粒子の組成物に関する。
【0046】
好ましくは、当該組成物中のヴィティス抽出物の量は、約0.5~1.5%w/wである。より好ましくは、当該組成物中のヴィティス抽出物の量は約1.0%w/wである。
【0047】
オーブン中での安定性試験(52℃/24時間)に供した場合、約2.0%以上の量を含有する脂質ナノ粒子の組成物は、
図1に示すように、実現不可能であることが示されるので、2%w/w未満のヴィティス抽出物が技術的に重要である。組成物中のより多量のヴィティス抽出物は、調製された組成物の安定性の欠如を特徴付ける不均質な系を得ることを暗示する技術的問題である、クラスターの形成、相分離の発生の可能性を高める。例えば、5%及び10%のレベルでは、組成物は実現不可能となり、可溶化及び封入を不可能にするペーストを形成する(
図2)。
【0048】
本発明のヴィティス抽出物の量は、特定の量のヴィティス抽出物を教示も示唆もしない先行技術の知識とは異なる。しかも、先行技術の知識によれば、任意の封入された量が安定性効果から利益を得るであろうと考えることができるが、それは、産業上の実践では観察できない(
図1及び
図2)。
【0049】
驚くべきことに、約0.1~2.0重量%の量で配合された本発明の抽出物は、52℃の温度に24時間曝露された場合であっても、均質系として留まって、その良好な物理的安定性を実証し、そのような効果は1.0%に近い量で強められた。加えて、約0.1~約2.0%の量で、高い封入指数が観察される。
【0050】
本発明において観察される別の驚くべき態様は、柔らかい紫色から桃色の範囲の得られた色の柔らかさである。
【0051】
第1の態様の別の実施形態では、本発明は、約0.1~約3%の保存剤とともに配合される。本発明に好適な保存剤は、フェノキシエタノール、カプリリルグリコール、BHT、EDTA二ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、パラベン、スイカズラ(ロニセラ・ジャポニカ、Lonicera japonica)、ハニーサックル(ロニセラ・カプリフォリウム、Lonicera caprifolium)、ヒドロキシアセトフェノン、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、トロポロン、ペンチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ヨードプロピニル-ブチルカーバメート、イミダゾリジニル尿素、ポリアミノプロピルビグアニド又はこれらの混合物である。好ましくは、第1の態様の組成物は、少なくとも0.1~2%のイミダゾリジニル尿素、0.1~2%のフェノキシエタノール、0.1~2%のカプリリルグリコール又はこれらの組み合わせを含む。
【0052】
保存剤系の選択は、配合生成物の安定性の改善に影響を及ぼすので、本発明にとって重要である。保存剤は、組成物の着色等の官能特性及び物理化学的特性の変化を防止する。加えて、保存剤は微生物学的増殖を阻害する。ヴィティス抽出物と適合する効率的な保存剤系を提供することは、先行技術における課題である。
【0053】
この態様の一実施形態では、使用される保存剤系は、組成物の安定性を維持し微生物を制御するように作用し、この保存剤系は、少なくともイミダゾリジニル尿素、又は両方とも約1.5%w/wの濃度のフェノキシエタノールとカプリリルグリコールとのほぼ1:1の組み合わせを含む。本発明のこれらの保存剤系の効率は、例えば、安定性試験及び微生物学的制御(負荷(チャレンジ)試験)によって把握される。さらにより好ましくは、本発明において使用される保存剤系は、ともに約1.5%w/wの濃度のフェノキシエタノールとカプリリルグリコールとの組み合わせを含む。脂質ナノ粒子の形態で約2.0%未満の量のヴィティス抽出物に添加される保存剤系は、ヴィティス抽出物及び本発明のナノ粒子に安定性を付与する。
【0054】
本発明の組成物は、脂質マトリックスを形成するための約10%~40%w/wの脂質を含む。マトリックスを形成するために使用される脂質は、室温で、液体、半液体、固体状態又はこれらの混合形態にある脂質であってもよい。限定されないが、脂質は、単純(simple)又は複雑(complex)な脂肪酸、長脂肪鎖、中脂肪鎖又は短脂肪鎖のトリグリセリドから選択される。
【0055】
好ましくは、本発明は、約10%~30%の中鎖トリグリセリド、脂肪酸及びポリプロピレングリコールステアリルエステルを使用する。より好ましくは、本発明は、5%~10%のカプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、5%~10%のオレイン酸、1%~10%のリノール酸及び1%~5%のPPG-15ステアリルエーテルを使用する。
【0056】
第1の態様の組成物は、約1%~10%の界面活性剤を含む。界面活性剤は、親水性及び親油性の、イオン性及び非イオン性の化合物又はこれらの混合物から選択することができる。
【0057】
好ましくは、当該組成物は、1~10%の、ステアレス(steareth)(ステアリルアルコールエトキシレート)等のエトキシル化界面活性剤及びポロキサマー407(オキシランを有するポリマー)から選択される非イオン性界面活性剤を使用する。より好ましくは、当該組成物は、1~5%のステアレス-2(ステアリルアルコールエトキシレート)、1~5%のポロキサマー407(オキシランを有するポリマー)及び0.1~2%のステアレス-21(ステアリルアルコールエトキシレート)を使用する。
【0058】
本発明の第1の態様は、少なくとも以下の構成成分を含む組成物に関する:50%超の水、約10~40%の脂質、約1~10%の界面活性剤、約0.1~3%のアジュバント及び約0.1~2%のヴィティス抽出物、好ましくは1%のヴィティス抽出物。
【0059】
本発明において、当該組成物は、ナノ粒子をコーティングするためのポリマーを任意選択でさらに含んでもよい。当該組成物は、0.5%~5%の疎水性ポリマー及び親水性ポリマーを含んでもよい。このポリマーは、アクリル酸由来ポリマー、ポリ乳酸由来ポリマー、ポリメタクリレート、エチレン及び酢酸ビニルのコポリマー、ビニルピロリドン由来ポリマー、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの非イオン性ブロックコポリマー、セルロースヒドロキシプロピルメチルエーテルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース(無水フタル酸ポリマー及び酢酸セルロースエステル)、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース(異なる程度まで部分的にアセチル化されたセルロースポリマー)から選択することができる。
【0060】
第2の態様では、本発明は、抗酸化効果及びアンチエイジング効果を発揮することによって皮膚老化を防止するための、第1の態様の脂質ナノ粒子の組成物の美容的使用に関する。
【0061】
本発明の第2の態様の美容的使用は、ヴィティス抽出物を含有する脂質ナノ粒子の組成物が、抗酸化効果、アンチエイジング効果、抗炎症効果、ホワイトニング効果、光防護活性、遺伝子調節活性を有するという事実に由来する。
【0062】
上記効果は、皮膚透過に関する改善された性能によって達成される。
【0063】
第1の態様の組成物の抗酸化効果は、DPPH(2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル)、SOD効果(スーパーオキシドジスムターゼ)及びDCFH-Da(2,7-ジクロロジヒドロフルオレセイン-ジアセテート)の方法によって決定された。それぞれの方法を使用することによって、当該組成物が、(i)レスベラトロールより4倍優れ、(ii)ビタミンCより12倍優れ、(iii)ビタミンEより24倍優れている抗酸化能を有し、(iv)フリーラジカルスカベンジングに対するSOD効果を示し、(v)細胞内環境においてフリーラジカルを捕捉除去する能力を示すことが観察された。
【0064】
第1の態様の組成物のアンチエイジング効果が、エラスターゼ酵素の活性及びメタロプロテアーゼ(MMP)酵素の活性を測定する方法によって決定された。それぞれの方法を使用することによって、当該組成物が、(i)ビタミンC及びEが示さない、エラスターゼの活性を阻害する能力、(ii)ビタミンC及びEが示さない、3つの異なるタイプのMMP(1、3及び12)の活性を阻害する能力、を有することが観察された。
【0065】
第1の発明の組成物の抗炎症効果は、シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)酵素の活性を評価することによって決定された。上記方法を使用することによって、当該組成物がCOX-2酵素の発現を阻害することが観察された。
【0066】
第1の態様の組成物のホワイトニング効果は、チロシナーゼ酵素の活性を評価することによって決定された。この方法を使用することによって、当該組成物がチロシナーゼ酵素の活性を低下させ、コウジ酸及びアルブチン等の市場参照品に匹敵する結果を提示することが観察された。
【0067】
第1の態様の組成物の光防護効果は、UV放射線を受けた再構成されたヒト皮膚の完全性の顕微鏡評価によって決定された。この方法を使用することによって、当該組成物が、UVA及びUVB放射線によって引き起こされる損傷から細胞を保護することができるということが観察された。
【0068】
第1の態様の組成物の遺伝子調節効果は、いくつかの遺伝子を含むパネルを通じて決定された。より具体的には、遺伝子調節の効果は、RT-qPCR技術を使用したmRNA発現プロファイリングによって評価された。抽出されたmRNAが、皮膚生物学における重要性について選択された標的遺伝子を分析するように設計されたPCRを使用して分析された。この方法を使用することによって、本発明の組成物が皮膚老化に関連する遺伝子を調節できることが観察された。
【0069】
皮膚透過増強効果及び抗酸化効果は、エキソビボヒト皮膚実験モデルにおいて評価された生成物の皮膚透過及び抗酸化効果の前臨床評価によっても実証された。
【0070】
第3の態様では、本発明は、第1の態様の脂質ナノ粒子の組成物と美容的に許容できる賦形剤とを含む、抗酸化効果及びアンチエイジング効果を企図する、皮膚老化を予防するための製品に関する。
【0071】
第3の態様の製品は、美容的に活性な機能を有する又は有さない成分を含んでもよい。美容機能を有する成分のうち、皮膚科学的製品の調製のために配合される任意の成分、例えば、非限定的な例では、保湿剤、美白剤、皮膚軟化剤、抗しわ剤、皮膚の硬さ及び弾力性を増加させ、手触りの滑らかな触感を皮膚に与える抗インパーフェクション剤(anti-imperfection)が強調される。美容機能を有さない成分の中では、液体、半固体又は固体である、所望の美容製品形態を可能にすることを目的とする任意の成分が挙げられる。
【0072】
液体形態の場合には、本発明の製品は、ローション及びセラム剤として調製することができる。
【0073】
半固体又は固体形態の場合には、本発明の製品は、水中油型又は油中水型の乳剤として、好ましくはクリーム又はゲルクリーム形態で調製することができる。
【0074】
さらに、当該製品はゲル調製物であってもよい。
【0075】
第4の態様では、本発明は、第4の態様において規定される製品の層を皮膚に設ける(applying)工程を含む、スキンケアの方法に関する。
【実施例】
【0076】
本明細書に示される実施例は、本発明を実施するための多数の方法のいくつかを例示することを意図しているが、しかしながら、直接的かつ比較的な方法で技術的効果を実証するのを助けるためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0077】
技術的効果を実証する直接的な方法は、組成物A(本発明)が、異なる安定性試験、特に組成物をストレス条件に供する試験において安定であることを実証することによる。間接的な方法は、B~Jの比較組成物を介するものであり、これらの比較組成物は、ベース組成物と類似しているとはいえ、ヴィティス抽出物の量及び/又は保存剤系の違いによって、ストレス条件下での安定性試験に合格しなかった。
【0078】
実施例1-脂質ナノ粒子の組成物A(本発明)
【表1】
【0079】
【0080】
実施例2 - 1%ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含む組成物Aと組成物A’(1.5%)及びA”(2%)との安定性比較
図1に示す組成物A、A’及びA”は、定性的側面において同一であり、定量的側面においてかなり類似し、それぞれにおいて使用されるヴィティス抽出物の量だけがわずかに調整されている3つの異なる組成物を指す。組成物Aは表1に示す通りであって、1%のヴィティス抽出物含み、A’は1.5%を含み、組成物A”は2.0%を含む。
【0081】
各試作品の最初の安定性をオーブン試験(54℃、24時間の条件)で試験した。表3及び表4は、3つの試料の外観において観察した変動を示す。
【0082】
【0083】
【0084】
結論として、組成物A(表1)は、主として54℃のオーブン中/24時間での安定性試験の完了後に沈殿物を提示しないため、最も有望であることが観察された。組成物A’及びA”の試料において観察した沈殿物は紫色であり、これらの組成物中のヴィティス・ヴィニフェラ抽出物の濃度は系が支える濃度よりも高いということを特徴づける。しかしながら、pHは試験中に大きくは変化しなかった。pH変動は、試料Aでは4.04~4.17、試料A’では3.72~3.49、試料A”では3.62~3.66であった。
【0085】
図1は、54℃のオーブン中/24時間での試験前後の3つの組成物(A、A’及びA”)の態様を示す。
【0086】
実施例3 - 脂質ナノ粒子の組成物Aのさらなる安定性試験
54℃のオーブン中/24時間での先の安定性試験の後、脂質ナノ粒子の組成物Aの組成物の安定性をさらに調べるために、さらなる試験のセットを実施した。試験は、美容安定性試験の良好な実施に従っており、試験では、表2に定義されたパラメータを安定性の指標とみなす。
【0087】
試験1:6000rpm/30分での遠心分離
本発明の脂質ナノ粒子の組成物Aの安定性を、本明細書では試験1と呼ぶ、6000rpm/30分での遠心分離試験によって評価した。使用した方法は、エッペンドルフ(eppendorf)中でのナノ粒子の試料のコンディショニングと、それに続く25℃で30分間6000rpmの速度での回転への容器の曝露を含んだ。試験の最後に、懸濁液分離又は相分離に関して試料の完全性を評価した。
【0088】
試験を行った後、組成物中に相分離は観察されず、組成物は均質なままであった。
【0089】
それゆえ、脂質ナノ粒子の組成物Aを含有する試料は、相分離をもたらし得るストレス状況のシミュレーションを考慮して安定であると考えられた。
【0090】
試験2:54℃のオーブン/24時間
本発明の脂質ナノ粒子の組成物Aの安定性を、本明細書では試験2と呼ぶ54℃/24時間のオーブン試験によって再度評価した。使用した方法は、組成物Aの試料を54℃の温度に24時間曝露することを含み、最後に、試料を官能特性及び物理化学的態様について評価した。上述のように、評価において考慮した基準は、懸濁液分離、表面上の油分の存在、凝縮水(condensation water)の存在、クラスターの存在、沈殿物の存在、凝固、色変化、臭気変化、粘度変化であった。物理化学的パラメータについては、pH変動に加えて、密度変動も評価した。
【0091】
脂質ナノ粒子の組成物Aの試料についての試験2の結果を表5及び表6に示す。
【0092】
【0093】
【0094】
表5及び表6は、評価した官能パラメータ及び物理化学的パラメータが予想範囲内にあると結論付けることを可能にする。
【0095】
試験3:予備安定性試験:熱衝撃
本発明の脂質ナノ粒子の組成物Aの安定性を、本明細書では試験3と呼ぶ温度の急激な変化(熱衝撃)の試験によって評価した。使用した方法は、試料を7サイクルの熱ストレスに供することを含み、各サイクルは、5℃で24時間の時間、続いて40℃で24時間に対応した。各サイクルの終わりに、官能特性及び物理化学的態様を評価した。評価において考慮した基準は、この試験でも、懸濁液分離、表面上の油分の存在、凝縮水の存在、クラスターの存在、沈殿物の存在、色変化、臭気変化、粘度変化、pH及び密度であった。
【0096】
脂質ナノ粒子の組成物Aの試料についての試験3の結果を表7、表8及び表9に示す。
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
表8及び表9において、C1~C7は、試験3における各熱衝撃サイクルを指す。
【0101】
表7及び表8は、密度及びpHというパラメータが、数回の熱ショックサイクルの後でさえも予想通りであることを実証する。表9は、熱衝撃の第2サイクルから粘度に変動があったことを示す。しかしながら、大幅な変化はなく、生成物は流動性のままで良好な流れを有していた。凝縮水の存在も観察されたが、これは組成物中に水が存在するため予想される。他の官能パラメータは変化しないままであった。それゆえ、脂質ナノ粒子の組成物Aを含む試料は、試験3の観点から安定である。
【0102】
試験4及び試験5:異なる温度及び太陽光への曝露
本発明の脂質ナノ粒子の組成物Aの安定性を、他のストレス状況をシミュレートするために、異なる温度(試験4)及び太陽光への曝露(試験5)の観点から評価した。
【0103】
この目的のために、試料を5℃、25℃及び40℃の温度に90日間曝露した。0日目、1日目、7日目、15日目、30日目、60日目及び90日目に、試料の官能特性及び物理化学的態様を評価した。
【0104】
加えて、脂質ナノ粒子の組成物Aの安定性を太陽光下で評価した。このために、試料を90日間太陽光に曝露した。0日目、1日目、7日目、15日目、30日目、60日目及び90日目に、試料の官能特性及び物理化学的態様を評価した。
【0105】
試験4及び試験5については、結果は、懸濁液分離、表面上の油分の存在、凝縮水の存在、クラスターの存在、沈殿物の存在、色変化、臭気変化、粘度変化、pH及び密度の分析に関する。
【0106】
試験4については、すべての条件において、凝縮水の形成が観察されたが、これは配合物中の水の存在に起因して予想される変化であった。試料を40℃に保持した場合、粘度のわずかな変化が観察され、生成物の粘度は低くなった。40℃で15日間のうちに、微妙な相分離が生じた。しかしながら、試料を振盪すると、再び均質になった。40℃で30日後、試料は微妙な色変化を示し、より淡くなった。5℃で60日後、試料の粘度がわずかにより高くなったことが認められた。相分離及び粘度変化は顕著ではなかったので、脂質ナノ粒子の組成物Aは、試験4の観点から安定であると考えられた。
【0107】
試験5については、60日間の露光後に小さな沈殿物及び微妙な色変化の両方が生じた。試料は、試験5の観点から安定であると考えられるが、この生成物を光に曝露しないことが推奨される。
【0108】
試験の完了
試験1~5は、脂質ナノ粒子の組成物Aが安定であり、組成物Aが曝露された条件下でpH及び密度に予想される変動を示すことを明確に示した。光に曝露された試料にはわずかな色変化しかないが、これは、本発明の実施形態が不透明なパッケージにパッケージングされ、光から保護されるべきであることを示唆している。
【0109】
実施例4-「負荷試験」
次に、脂質ナノ粒子の組成物Aの試料を、保存剤系(フェノキシエタノール及びカプリリルグリコール、1:1の比)の有効性を評価することを目的とした負荷試験によって試験した。保存剤系は、製造から有効期限までの微生物汚染に対する製品の満足のいく保護に必要である。負荷は、特定の微生物で試料を意図的に汚染し、28日までの所定の時間間隔でそれらの増殖を評価することからなる。負荷試験で使用した微生物は、黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス・アウレウス、Staphylococcus aureus)(ATCC 6538)、緑膿菌(シュードモナス・エルジノーサ、Pseudomonas aeruginosa)(ATCC 9027)、大腸菌(エシェリキア・コリ、Escherichia coli)(ATCC 8739)、アスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)(ATCC 16404)及びカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(ATCC 10231)であった。
【0110】
試験結果を表10に示す。
【0111】
【0112】
試験の完了後、分析した保存剤系(フェノキシエタノール及びカプリリルグリコール、1:1の比)は、試験仕様を満たすので、抗菌効力を有することが観察された。
【0113】
実施例5 - 脂質ナノ粒子の組成物B(比較)
【表11】
【0114】
実施例6 - 脂質ナノ粒子の組成物C(比較)
【表12】
【0115】
実施例7 - 脂質ナノ粒子の組成物D(比較)
【表13】
【0116】
実施例8 - ナノ粒子組成物A~Dの安定性の比較
【表14】
【0117】
実施例9-ナノ粒子組成物E及びF、E’及びF’(比較)の安定性
脂質ナノ粒子の組成物E及びF、E’及びF’はすべて、組成物の総重量に対して1重量%のヴィティス抽出物で調製し、それらの組成物中に同様の成分を有する。組成物の安定性を30日間、室温に維持して(ストレス条件なし)試験した。
【0118】
組成物E及びFは、保存剤系なしで製造する。これらの比較組成物の定性的及び定量的詳細を表15に示す。
【0119】
【0120】
組成物E’及びF’は、保存剤系を用いて製造する。これらの比較組成物の定性的及び定量的詳細を表16に示す。
【0121】
【表16】
* SymSave H(登録商標)として市販されている。
** Sym Diol 68(登録商標)として市販されている。
【0122】
室温で30日後(ストレス条件なし)、保存剤としてヒドロキシアセトフェノン及び1,2-ヘキサンジオール0.25%+カプリリルグリコール0.25%を含む組成物E’及びF’は、それらの官能特性に変化を有し、強調すべきは、色が褐色に変化したことである。それゆえ、組成物E’及びF’は除外され、これは、不適切な保存剤系の選択が組成物の安定性に悪影響を及ぼすことを示す。
【0123】
室温で30日後(ストレス条件なし)、組成物E及びFを評価した。組成物Eは紫色のままであった。しかしながら、組成物Eは(不均質な)相分離を示し、従って除外した。組成物Fは、30日安定性試験(ストレス条件なし)について有望な結果を示した。
【0124】
従って、組成物Fを45℃の温度での試験のために選択した。この試験において、この組成物は褐色の着色及び(不均質な)相分離を示した。
【0125】
組成物E、F、E’又はF’のベースも、組成物の総重量に対して2.5%、5%及び10%の濃度のヴィティス抽出物を有する組成物について試験した。他方、試験前でさえ、クラスターを有するペーストの形成を考えると、組成物は不満足な結果を示した(
図2)。
【0126】
この実施例の結論は、1%のヴィティス抽出物を含有する組成物Fのみが、ストレス条件にさらされない状態では、品質パラメータ内で安定かつ均質であるということである。しかしながら、ストレス条件(45℃)下では、この組成物は安定性を示さなかった。組成物Fの安定性に対する保存剤系の影響を検証するために、ヒドロキシアセトフェノン及び1,2-ヘキサンジオール0.25%+カプリリルグリコール0.25%(組成物F’)以外の抗菌活性を有する他の分子を試験して、組成物G、H、I及びJを生成した。
【0127】
実施例10 - 異なる保存剤系における脂質ナノ粒子の組成物Fの安定性
実施例9に記載した脂質ナノ粒子の組成物Fのベースを保ちながら、異なる保存剤系を試験し、組成物G、H、I及びJを生成した。結果を表17に示す。
【0128】
【0129】
組成物F+イミダゾリジニル尿素0.5%保存剤である組成物Jは、予備安定性試験において安定であった。この組成物を表18に示す。
【0130】
【0131】
次いで、組成物Jを室温で、及びオーブン中で試験した。この組成物は、試験した両方の条件について90日間の試験で安定であると考えられた。平均粒子サイズ(粒径)は186.6nmであった。この配合物は不安定性傾向を示さず、その封入効率は99.81%であった。
【0132】
負荷試験に供された場合にも組成物Jは合格した。
【0133】
組成物Jは試験条件下で安定なままである能力を有するので、組成物Jも本発明の実施形態である。この組成物は、組成物Aと比較すると、長期安定性(90日超)を示したが、組成物Aの安定性よりも低いので、比較例として提示される。
【0134】
実施例11 - 封入有効性試験
本発明に係る組成物を、フィルタ(Ultrafree-MC Durapore Membrane PDVF 0.1μm)付きマイクロチューブを用いて、室温で3時間、6000rpmで遠心分離した。濾液を収集し、UV/Vis分光光度法技術によって分析した。
【0135】
15mLの精製水、1mLのフォリン-チオカルトー(Folin-Ciocalteu)試薬及び1mLの標準溶液又は1mLの定量すべき試料を試験管に添加した。次いで、3mlの炭酸ナトリウム12.5%を添加した。溶液を均質化し、55℃の水浴中に15分間置いた。この時間の後、試料を冷却し、それらの吸光度を755nmの波長で測定した。
【0136】
標準溶液の濃度及び分析した溶液の最終体積から、較正曲線の各点の没食子酸の濃度を0.00025mg/mL;0.0005mg/ml;0.0025mg/ml;0.005mg/ml;0.0075mg/ml及び0.0125mg/mlの増加順に再計算した。
【0137】
各濃度について吸光度を読み取った後、没食子酸について検量線を作成したところ、決定係数(r
2)は0.9995であった。得られた曲線及び方程式を
図3のグラフに示す。
【0138】
試料を含む溶液の吸光度値を読み取り、没食子酸として表されるポリフェノールの濃度を線の式を用いて計算した。
【0139】
データを処理した後、没食子酸として表される封入されなかった全ポリフェノールの濃度は、0.002603mg/mLであることが判明した。試験した組成物は、1%の活性乾燥ブドウ果皮抽出物を有し、実施した分析によれば、乾燥ブドウ果皮抽出物中の全ポリフェノールの濃度は99.8%である。
【0140】
この意味で、本発明に係る組成物は、9.98mg/mlの全ポリフェノールの濃度を有する。封入効率は99.97%であった。
【0141】
実施例9 - エキソビボヒト皮膚実験モデルにおいて評価した生成物の皮膚透過及び抗酸化効果の前臨床評価
皮膚透過:薬物、美容製品成分、農薬及び他の製品を含む生体異物は、ヒトの皮膚を通して吸収され、従って皮膚組織層と接触するか、又は全身的に利用可能になることが可能である。この事象の結果は、皮膚に局所的に適用される薬物及び美容製品成分からの有益な効果、並びに皮膚が曝露(例えば、職業的曝露)される化合物からの有害な効果を含む。従って、ヒト皮膚を通した個々の化合物の吸収を決定することは、利益及びリスクの正確な予測のために最も重要である。
【0142】
抗酸化活性の評価:UV放射線への曝露後の非常に一般的な事象は、酸化的リン酸化のプロセスによるスーパーオキシド及びヒドロキシルラジカル等のフリーラジカルの形成であり、このフリーラジカルは、脂質及びタンパク質という細胞構成要素への、とりわけ核酸への損傷を引き起こす。FRの生成と生来の抗酸化防御との間のバランスは、生理学的ホメオスタシス(恒常性)の維持に不可欠である。FRがそれらを中和する身体の能力に過負荷をかける場合、酸化ストレスとして知られる状態が始まり、皮膚組織の易罹患性を増加させ、これは、ラジカルタンパク質の形成から生じる審美的変化となって早々に現れる。
【0143】
フリーラジカルの生成と中和との間のバランス関係の理解は、抗酸化物質の有効性を評価するための化学的又は生物学的システムを使用する酸化的損傷マーカーに関する研究の発展を促した。使用したモデルの中では、2’-7’ジクロロフルオレセイン(DCF)におけるジクロロ-ジヒドロ-フルオレセインジアセテートプローブ(DCFH-DA)の酸化によって発せられる蛍光強度の測定が挙げられる。
【0144】
この技術により、我々の皮膚が絶えず曝露される外因性因子に対する配合物の抗酸化効果を評価することができる。それゆえ、FRの初期の中和及び/又は阻害は、老化を必然的に加速するシグナル伝達カスケード又は化学反応を防止することができる。
【0145】
分析した試料は以下の通りであった。
- NVAC VITIS VINI(濃度10%の本発明のナノ粒子)
- NVAC VITIS VINI 10%+フルオレセイン
- NVAC VITIS VINI(ブランク)+フルオレセイン
- 抽出物溶液0.1%+フルオレセイン
【0146】
選択的形成手術から得たヒト皮膚断片を、後の皮膚透過の評価のために、評価した生成物NVAC VITIS VINI 10%、NVAC VITIS VINI 10%+フルオレセイン、NVAC VITIS VINI(ブランク)+フルオレセイン及び抽出物溶液0.1%+フルオレセインで8時間処理した。加えて、その断片を、紫外線へのさらなる曝露及び蛍光プローブDCFH-DA(ジクロロ-ジヒドロ-フルオレセインジアセテート)を用いたフリーラジカル合成の評価のために、評価した生成物及び市場比較製品(ベンチマーク)VIT C 10% MOISTURIZING CREAMで48時間処理した。
【0147】
本研究で使用した皮膚断片は、腹部領域で選択的形成手術(腹壁形成術)を受けた、女性、フォトタイプ(肌タイプ)III、29歳、32歳及び38歳の3人の健康な個体に由来した。外科的処置の後、皮膚断片を、0.9%生理食塩水を含むプラスチックボトルに収集し、24時間まで冷蔵下に維持した。このプロジェクトは、将来の使用のための生物学的材料の貯蔵を含まず、予備の断片は、感染性廃棄物として適切に処分した。この研究を実施するための選択的手術からのヒト皮膚断片の使用は、意見2,493,285(Annex III)の下でResearch Ethics Committee of Universidade Sao Francisco(サン・フランシスコ大学の研究倫理委員会)-SP、CAAE 82685618.9.0000.5514に従った。
【0148】
皮膚断片を約1.5cm2の断片に分画し、10%ウシ胎仔血清(FBS)及び0.1%ゲンタマイシンを含有するDMEM培養培地を含む培養プレート(Corning(コーニング)、米国)に入れ、5%CO2の存在下、37℃のインキュベーター中で維持した。
【0149】
皮膚透過を評価するために、皮膚断片を、15mgの評価した生成物NVAC VITIS VINI 10%、NVAC VITIS VINI 10%+フルオレセイン、NVAC VITIS VINI(ブランク)+フルオレセイン及び抽出物溶液0.1%+フルオレセインで8時間処理した。次いで、断片を回収し、CellSensソフトウェア((著作権)2010 オリンパス(OLYMPUS CORPORATION))を用いた蛍光顕微鏡法(オリンパス、日本 - BX53)下でさらなる分析のための組織切片に提出した。フルオレセインによって発せられる蛍光強度パラメータを評価した。画像を得た後、ImageJソフトウェア(バージョン1.48、任意単位-A.U.)を用いて蛍光強度を定量した。
【0150】
抗酸化活性の比較評価については、皮膚断片を、15mgの評価した生成物及び市場比較製品(ベンチマーク)VIT C 10% MOISTURIZING CREAMで処理した。48時間のインキュベーション後、皮膚標本を、UVA Cube 400、SOL 500 H1フィルタ及びUV Meter(Honle UV America Inc.(ヘンレ・ユーブイ・アメリカ)、マサチューセッツ州、米国)デバイスを使用して、10J/cm2のUV線量に供した。培養物をさらに24時間、評価した生成物とともにインキュベートし、断片を、DCFH-DAプローブを使用する、フリーラジカル合成の標識及び半定量のために収集した。
【0151】
上記処理期間後に、皮膚断片をTissue-Tek(登録商標)O.C.T.(商標)に包埋し、次いで連続12マイクロメートルの組織切片をクリオスタットシラン処理スライド(Leica(ライカ)、ドイツ - CRYOCUT 1800)上に直接収集した。
【0152】
続いて、切片をリン酸緩衝液(PBS)で洗浄し、ジクロロ-ジヒドロ-フルオレセインジアセテート(DCFH-DA;Sigma(シグマ)、米国)の溶液(リン酸緩衝液中1:10,000)とともに1分間インキュベートした。
【0153】
このインキュベーションの直後に、スライドを特定のマウント媒体を用いてマウントし、CellSensソフトウェア((著作権)2010 オリンパス)を用いて顕微鏡(オリンパス、日本 - BX53)下で分析した。DCFH-DAプローブの酸化によって発せられる蛍光強度パラメータを評価した。画像を得た後、ImageJソフトウェア(バージョン1.48、任意単位-A.U.)を用いて蛍光強度を定量した。
【0154】
皮膚透過及びDCFH-DAを用いたフリーラジカル合成の半定量を評価するために、群間のデータを比較することによって結果の変動の測定も可能にするANOVA試験を使用した。次いで、ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を適用し、これは、ANOVA試験において提示される結果を強化し、それをさらにより正確にした。両方の評価において5%の有意水準を使用した(GraphPad(グラフパッド) Prism v6)。
【0155】
図4は、ヒト皮膚培養物中の評価した生成物NVAC VITIS VINI(ブランク)+フルオレセイン;抽出物溶液0.1%+フルオレセイン;NVAC VITIS VINI 10%及びNVAC VITIS VINI 10%+フルオレセインの皮膚透過から得られた結果を表す。わかるとおり、陽性試験対照-NVAC VITIS VINI(ブランク)+フルオレセイン、並びに評価した生成物である抽出物溶液0.1%+フルオレセイン及びNVAC VITIS VINI 10%+フルオレセインは、ベースライン対照と比較して蛍光強度の増加を示した。予想通り、評価した生成物NVAC VITIS VINI 10%は、ベースライン対照と同様に低い蛍光強度を示した。
【0156】
補完的に、
図5は、顕微鏡画像の分析から得た蛍光の半定量結果を示す。わかるとおり、評価した生成物NVAC VITIS VINI(ブランク)+フルオレセイン;抽出物溶液0.1%+フルオレセイン及びNVAC VITIS VINI 10%+フルオレセインによる処理は、ベースライン対照と比較して(P<0.001)、それぞれ21.19倍、11.79倍及び17.70倍の蛍光強度(真皮+表皮)の増加を促進した。抽出物溶液0.1%+フルオレセイン及びNVAC VITS VINI 10%+フルオレセインで処理した断片について観察した蛍光強度は、評価した生成物NVAC VITS VINI(ブランク)+フルオレセインで処理した断片に対して統計的に異なる(P<0.001)と考えられるということも観察された。
【0157】
加えて、評価した生成物NVAC VITIS VINI 10%+フルオレセインで処理した皮膚断片は、主に生存表皮領域及び真皮において、抽出物溶液0.1%+フルオレセインで処理した断片よりも高い蛍光強度を示した(P<0.05)(
図1 - G~I及びM~O)。この意味で、これらの結果は、封入された生成物が、その遊離形態の生成物と比較して、より顕著な皮膚透過を示したということを示唆する。
【0158】
図6は、UV放射線を受けたヒト皮膚培養物における、評価した生成物NVAC VITS VINI(ブランク)+フルオレセイン、抽出物溶液0.1%+フルオレセイン、NVAC VITS VINI 10%及びNVAC VITS VINI 10%+フルオレセインの抗酸化効果を表す。予想通り、放射線曝露は、未曝露対照と比較して、FR標識/生成において187.60%(P<0.001)の増加をもたらし、従って、酸化ストレス設置のプロセスに寄与した。
【0159】
評価した生成物NVAC VITIS VINI(ブランク)+フルオレセインは、予想通り、UV群と比較した場合、FRの生成の防止において保護効果を示さなかった。一方、評価した生成物である抽出物溶液0.1%+フルオレセイン、NVAC VITIS VINI 10%及びNVAC VITIS VINI 10%+フルオレセインは、FRの生成を防止する保護効果を実証した。
【0160】
補完的に、
図7において、顕微鏡画像の分析から得たFR標識/生成の半定量の結果を示す。わかるとおり、評価した生成物である抽出物溶液0.1%+フルオレセイン、NVAC VITIS VINI 10%及びNVAC VITIS VINI 10%+フルオレセインでの処理は、UV群と比較して(P<0.001)、FRの生成の、それぞれ、50.47%、42.39%及び56.30%の減少を促進した。
【0161】
同様に、市場比較製品VIT C 10% MOISTURIZING CREAMは、同じくUV群と比較して(P<0.001)、FRの合成の52.27%の減少を促進した。
【0162】
皮膚透過の結果は、評価した生成物NVAC VITIS VINI 10%+フルオレセインが、生成物である抽出物溶液0.1%+フルオレセインと比較して改善された皮膚透過を示すことを示した。加えて、評価した生成物である抽出物溶液0.1%+フルオレセイン、NVAC VITIS VINI 10%及びNVAC VITIS VINI 10%+フルオレセインは、皮膚の酸化ストレスの低減を促進し、UV放射線への曝露によって誘導されるフリーラジカルの合成の過剰の増加に対する保護効果を発揮した。同様に、市場比較製品VIT C 10% MOISTURIZING CREAMは、同じくUV放射線への曝露後にフリーラジカルの生成の減少を促進した。従って、これらの結果は、評価した生成物が抗酸化効果及びアンチエイジング効果を発揮し、太陽放射線への曝露の有害な効果から皮膚を保護することを明らかにする。
【0163】
実施例10 -特性解析- サイズを評価するためにナノゼータサイザーを使用した結果
サイズ評価のためにナノゼータサイザーを用いた分析において、粒子は362nmの平均直径を有し、単分散サイズ分布及び-30.9mVの平均表面電荷を有することが観察された。この結果は本発明の範囲内であると考えられる。サイズ及び表面電荷は、それぞれ
図8及び
図9に見ることができる。
【0164】
実施例11 - 遺伝子調節アッセイ
本発明の範囲内で、遺伝子調節の効果を、いくつかの遺伝子を含むパネルを使用することによって決定した。全層再構築皮膚モデルにおける遺伝子発現プロファイルに対して、複数のUV放射線(UVA-6J/cm2(+UVB-310mJ/cm2)×4日)で上方制御及び下方制御の効果が観察された。
【0165】
下方制御は、細胞外マトリックス合成に関与する遺伝子(COL1A1、COL3A1、ELN、FN1、FBN1)、細胞ストレス応答及び酸化ストレス応答に関与する遺伝子(SEMA3A)、DNA修復に関与する遺伝子(PCNA)、ケラチノサイト(角化細胞)の分化に関与する遺伝子(CALML5、CASP14、FLG、KRT10、LOR、KRT1)、水和に関与する遺伝子(AQP3)、細胞間接着部に関与する遺伝子(DSC1、DSG1)及び落屑に関与する遺伝子(KLK7)において観察された。
【0166】
上方調節は、増殖因子に関与する遺伝子(NGF、EGF、FGF2)、細胞外マトリックス分解に関与する遺伝子(MMP1、MMP3、PTGS2、TFPI2)、細胞ストレス及び酸化ストレスに対する応答/炎症に関与する遺伝子(FOXO3、HMOX1、MT1E、MT1H、TXNRD1)、DNA修復に関与する遺伝子(XPA、ERCC3)、ケラチノサイトの分化に関与する遺伝子(IVL、TGM1、TCHH)、自然免疫に関与する遺伝子(DEFB4A)、ケラチノサイトの増殖に関与する遺伝子(KRT19)、炎症に関与する遺伝子(IL1B、IL8)において観察された。
【0167】
本発明の組成物は、皮膚老化に関連する遺伝子を調節することもできた。
【0168】
当業者は、本明細書に提示される知識を利用することによって、添付の特許請求の範囲によって網羅される、提示される実施形態及び他の変形例において本発明を再現することができるであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含有する脂質ナノ粒子の組成物であって、前記組成物の総重量に対して0.1~2.0重量%のヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含
み、前記ナノ粒子の物理的境界は脂質マトリックスであることを特徴とする、組成物。
【請求項2】
前記組成物の総重量に対して0.5~1.5重量%のヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物の総重量に対して1.0重量%のヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含むことを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ヴィティス・ヴィニフェラ抽出物は、没食子酸、カテキン、エピカテキン、プロシアニジンB1及びプロシアニジンB2を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
0.1~3重量%の保存剤を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記保存剤は、フェノキシエタノール、カプリリルグリコール、BHT、EDTA二ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、パラベン、スイカズラ、ハニーサックル、ヒドロキシアセトフェノン、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、トロポロン、ペンチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ヨードプロピニル-ブチルカルバメート、イミダゾリジニル尿素、ポリアミノプロピルビグアニド、又はこれらの混合物の群から選択されることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
0.1~2%のフェノキシエタノール及び0.1~2%のカプリリルグリコールを含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記保存剤は、フェノキシエタノール及びカプリリルグリコールの1:1の組み合わせを含むことを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
10~40%w/wの脂質を含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物の総重量に対して10~40重量%の脂質を含み、前記脂質は、単純若しくは複雑な脂肪酸、長鎖、中鎖若しくは短鎖のトリグリセリド、ポリプロピレングリコールステアリルエステル又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
5%~10%のカプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、5%~10%のオレイン酸、1%~10%のリノール酸及び1%~5%のPPG-15ステアリルエーテルを含むことを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
1~10%の、ステアリルアルコールエトキシレート等のエトキシル化非イオン性界面活性剤、ポロキサマー又はこれらの混合物から選択される界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
1~5%のステアレス-2(ステアリルアルコールエトキシレート)、1~5%のポロキサマー407(オキシランを有するポリマー)及び0.1~2%のステアレス-21(ステアリルアルコールエトキシレート)を含むことを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
柔らかい紫色~桃色の柔らかい色を有することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記粒子は300~420nmの平均直径を有することを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記粒子は360nmの平均直径を有することを特徴とする請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記粒子は-10~-50mVの平均表面電荷を有することを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記粒子は-30mVの平均表面電荷を有することを特徴とする請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のヴィティス・ヴィニフェラ抽出物を含有する脂質ナノ粒子の組成物の美容的使用であって、抗酸化効果、アンチエイジング効果、抗炎症効果、ホワイトニング効果、光防護効果、皮膚透過効果、及び皮膚老化に関連する遺伝子調節効果を有する皮膚老化を予防する美容製品の調製のためのものであることを特徴とする、使用。
【請求項20】
細胞外マトリックス合成に関与する遺伝子(COL1A1、COL3A1、ELN、FN1、FBN1)、細胞ストレス応答及び酸化ストレス応答に関与する遺伝子(SEMA3A)、DNA修復に関与する遺伝子(PCNA)、ケラチノサイトの分化に関与する遺伝子(CALML5、CASP14、FLG、KRT10、LOR、KRT1)、水和に関与する遺伝子(AQP3)、細胞間接着部に関与する遺伝子(DSC1、DSG1)及び落屑に関与する遺伝子(KLK7)の下方制御、並びに増殖因子に関与する遺伝子(NGF、EGF、FGF2)、細胞外マトリックス分解に関与する遺伝子(MMP1、MMP3、PTGS2、TFPI2)、細胞ストレス応答及び酸化ストレス応答/炎症に関与する遺伝子(FOXO3、HMOX1、MT1E、MT1H、TXNRD1)、DNA修復に関与する遺伝子(XPA、ERCC3)、ケラチノサイトの分化に関与する遺伝子(IVL、TGM1、TCHH)、自然免疫に関与する遺伝子(DEFB4A)、ケラチノサイトの増殖に関与する遺伝子(KRT19)、炎症に関与する遺伝子(IL1B、IL8)の上方制御を特徴とする請求項19に記載の使用。
【請求項21】
皮膚の老化を予防するための抗酸化皮膚美容製品であって、少なくとも1種の、請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の脂質ナノ粒子の組成物と、美容的に適切な賦形剤とを含むことを特徴とする、製品。
【請求項22】
液体、半固体又は固体であることを特徴とする請求項21に記載の製品。
【請求項23】
ローション又はセラム剤であることを特徴とする請求項22に記載の製品。
【請求項24】
水中油型又は油中水型の乳剤であることを特徴とする請求項23に記載の製品。
【請求項25】
クリーム又はゲルクリームの調製に使用されることを特徴とする請求項24に記載の製品。
【請求項26】
ゲルの調製におけるものであることを特徴とする請求項25に記載の製品。
【請求項27】
スキンケア方法であって、必要とする皮膚に、請求項21から請求項26のいずれか1項に記載の製品の少なくとも1つの層を設ける工程を含むことを特徴とする、方法。
【国際調査報告】