(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】金属ストリップにおける改善された非接触式振動検出
(51)【国際特許分類】
G01N 27/72 20060101AFI20241022BHJP
G01N 29/24 20060101ALI20241022BHJP
G01N 29/48 20060101ALI20241022BHJP
G01H 17/00 20060101ALI20241022BHJP
B21B 38/02 20060101ALN20241022BHJP
B21B 38/00 20060101ALN20241022BHJP
B21C 51/00 20060101ALN20241022BHJP
【FI】
G01N27/72
G01N29/24
G01N29/48
G01H17/00 Z
B21B38/02
B21B38/00 D
B21C51/00 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510707
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2022073347
(87)【国際公開番号】W WO2023030949
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516128728
【氏名又は名称】プライメタルズ・テクノロジーズ・ジャーマニー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジーモン・ハイン
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ドルビー
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・テリー
【テーマコード(参考)】
2G047
2G053
2G064
【Fターム(参考)】
2G047AA06
2G047AB04
2G047AD16
2G047BC03
2G047CA03
2G047CA07
2G047GA20
2G047GF11
2G047GG28
2G053AB21
2G053BA03
2G053BA15
2G053BB03
2G053BC02
2G053BC14
2G053CA01
2G053CB08
2G053CB22
2G053DB02
2G064AA01
2G064AA11
2G064AB01
2G064AB02
2G064BA02
2G064BD02
(57)【要約】
金属ストリップ(1)の搬送装置の前側装置(2)と後側装置(3)との間には、測定装置(6)が配置されている。測定装置(6)の機械的励振装置(7)は、金属ストリップ(1)を、厚さ方向において、機械的に振動するように励振周波数(fA)で励振する。測定装置(6)はセンサ素子(16)を有しており、センサ素子(16)は幅方向に見て、互いにオフセットして配置されている。センサ素子(16)を用いて、金属ストリップ(1)の対応する領域に関して、励振された機械的振動の振幅(A)の特徴を示すアナログ測定信号(MA)が検出される。測定装置(6)内部にはデジタル化装置(35)が配置されており、デジタル化装置(35)を用いて、検出されたアナログ測定信号(MA)がデジタル化され、デジタル化された測定信号又は当該デジタル化された測定信号から抽出された信号は、伝送信号(MA’)としてデジタル化装置から、測定装置(6)の外部に配置された評価装置(34)に伝送される。センサ素子(16)は渦電流センサを含んでおり、幅方向に見て互いに直接隣接して配置されたセンサ素子(16)の渦電流センサは、互いに異なる動作周波数(f1、f2、f3)で動作する。しかしながら、センサ素子(16)の全体にわたって見た場合、それぞれ複数のセンサ素子(16)は同じ動作周波数(f1、f2、f3)で動作する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ストリップ(1)の搬送装置における測定装置であって、
‐測定装置は、前記搬送装置の前側装置(2)と、前記前側装置(2)の下流に配置された後側装置(3)との間に配置されており、
‐測定装置は機械的励振装置(7)を有し、前記機械的励振装置を用いて、前記金属ストリップ(1)が前記金属ストリップの厚さ方向において、励振周波数(fA)で機械的に振動するように励振可能であり、
‐測定装置は複数のセンサ素子(16)を有し、
‐前記センサ素子(16)は、前記金属ストリップ(1)の幅方向に見て、互いにオフセットして配置されており、
‐前記センサ素子(16)を用いて、幅方向において互いにオフセットされた前記金属ストリップ(1)の複数の領域に関して、それぞれアナログ測定信号(MA)が検出可能であり、前記アナログ測定信号は、前記金属ストリップ(1)の各領域の励振された機械的振動の振幅(A)の特徴を示しており、
-測定装置内部にはデジタル化装置(35)が配置されており、前記デジタル化装置を用いて、検出されたアナログ測定信号(MA)がデジタル化され、デジタル化された測定信号又は前記デジタル化された測定信号から抽出された信号は、伝送信号(MA’)として前記デジタル化装置から、測定装置の外部に配置された評価装置(34)に伝送される測定装置において、
前記センサ素子(16)が渦電流センサを含むこと、幅方向に見て互いに直接隣接して配置された前記センサ素子(16)の渦電流センサが、それぞれ互いに異なる2つ又は3つの動作周波数(f1、f2、f3)のうちの1つの動作周波数で動作すること、前記センサ素子(16)の数が前記動作周波数(f1、f2、f3)の数よりも多く、したがって前記センサ素子(16)の全体にわたって見た場合に、それぞれ複数の前記センサ素子(16)が同じ動作周波数(f1、f2、f3)で動作することを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記デジタル化装置(35)が前記センサ素子(16)とは別個の要素として構成されており、前記デジタル化装置は、前記測定装置内部で、最大1m、特に最大50cmの長さを有するケーブル(36)を通じて、前記センサ素子(16)に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記ケーブル(36)は、前記センサ素子(16)それぞれへの移行部において密封されており、特に前記センサ素子(16)それぞれに解除不可能に接続されていることを特徴とする、請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
デジタル化装置(35)が、前記センサ素子(16)が配置された金属板(14)の下側に配置されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の測定装置。
【請求項5】
伝送信号(MA’)が、予め組み立てられた接続部(38)を有する共通の外装ケーブル(37)を通じて評価装置(34)に伝送されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項6】
外装ケーブル(37)が、個々の前記センサ素子(16)の伝送信号(MA’)のために、又は、それぞれ複数の前記センサ素子(16)のグループの伝送信号(MA’)のために、それぞれ専用の導線(41)を含んでいることを特徴とする、請求項5に記載の測定装置。
【請求項7】
センサ素子(16)が、前記センサ素子(16)それぞれの動作周波数(f1、f2、f3)の特徴を示すコーディング(44)を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の測定装置(6)と評価装置(34)との組み合わせであって、前記評価装置(34)が、
‐デジタル化装置(35)からの伝送信号(MA’)を受信し、
‐金属ストリップ(1)の各領域に関する伝送信号(MA’)に基づいて、前記金属ストリップ(1)の各領域の励振された機械的振動の振幅(A)を決定し、
‐前記振幅(A)の決定範囲内で、少なくとも前記金属ストリップ(1)に固有の特性曲線(K)を利用する組み合わせ。
【請求項9】
前記特性曲線(K)が付加的にセンサ素子(16)の動作温度(T’)に依存することを特徴とする、請求項8に記載の組み合わせ。
【請求項10】
評価装置(34)が、振幅(A)の決定の範囲内でゲルツェル(Goertzel)アルゴリズムを使用することを特徴とする、請求項8又は9に記載の組み合わせ。
【請求項11】
前記評価装置(34)が、ゲルツェル(Goertzel)アルゴリズム内で、励振周波数(fA)を考慮することを特徴とする、請求項10に記載の組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ストリップの搬送装置における測定装置に基づいており、
‐測定装置は、搬送装置の前側装置と前側装置の下流に配置された後側装置との間に配置されており、
‐測定装置は、機械的励振装置を有し、当該機械的励振装置を用いて、金属ストリップが、その厚さ方向において励振周波数で機械的に振動するように励振可能であり、
‐測定装置は複数のセンサ素子を有しており、
‐センサ素子は、金属ストリップの幅方向に見て互いにオフセットして配置されており、
‐センサ素子を用いて、幅方向において互いにオフセットされた金属ストリップの複数の領域に関して、それぞれアナログ測定信号が検出可能であり、当該アナログ測定信号は、金属ストリップの各領域の励振された機械的振動の振幅の特徴を示しており、測定装置内部にはデジタル化装置が配置されており、当該デジタル化装置を用いて、検出されたアナログ測定信号がデジタル化され、デジタル化された測定信号又は当該測定信号から抽出された信号は、伝送信号としてデジタル化装置から、測定装置の外部に配置された評価装置に伝送される。
【背景技術】
【0002】
本発明はさらに、当該測定装置と評価装置との組み合わせに基づいており、評価装置は、評価の範囲内で、評価装置に伝送された信号から、金属ストリップの幅方向において互いにオフセットされた金属ストリップの領域に関して、金属ストリップの対応する領域の振動の各振幅を決定する。
【0003】
このような測定装置が知られている。純粋に例として、特許文献1が参照され得る。金属ストリップの領域の機械的振動の検出された振幅から、金属ストリップの平坦度が決定され得る。これについても、特許文献1で詳しく説明されている。
【0004】
非特許文献1からは、金属ストリップの搬送装置における測定装置が知られており、当該測定装置は、搬送装置の前側装置と、前側装置の下流に配置された後側装置と、の間に配置されている。測定装置は、機械的励振装置を有し、当該機械的励振装置を用いて、金属ストリップが、その厚さ方向において励振周波数で機械的に振動するように励振可能である。測定装置はさらに複数のセンサ素子を有し、センサ素子は、金属ストリップの幅方向に見て互いにオフセットして配置されている。センサ素子を用いて、幅方向において互いにオフセットされた金属ストリップの複数の領域に関して、それぞれアナログ測定信号が検出可能であり、当該アナログ測定信号は、金属ストリップの各領域の励振された機械的振動の振幅の特徴を示している。検出された信号は、同軸ケーブルを通じて、アナログ形式で、圧延ラインの近傍に配置されたデジタル化装置に供給される。データはデジタル化装置からさらに、評価装置に伝送される。センサをその電子機器と接続する同軸ケーブルは、最大で9mの長さを有し得る。同様の開示内容は、特許文献2及び特許文献3からも得られる。
【0005】
特許文献4からは、金属ストリップの搬送装置における測定装置が知られており、当該測定装置は、搬送装置の前側装置と、前側装置の下流に配置された後側装置と、の間に配置されている。測定装置は複数のセンサ素子を有し、センサ素子は、金属ストリップの幅方向に見て互いにオフセットして配置されている。センサ素子を用いて、幅方向において互いにオフセットされた金属ストリップの複数の領域に関して、それぞれアナログ測定信号が検出可能である。測定装置はコイルを有し、当該コイルを用いて金属ストリップをその厚さ方向において偏向させることができる。当該コイルには、測定装置からの金属ストリップの距離を調整するために一定の電圧が印加される。
【0006】
特許文献5からは、金属ストリップの搬送装置における測定装置が知られており、当該測定装置は、搬送装置の前側装置と、前側装置の下流に配置された後側装置と、の間に配置されている。測定装置は複数のセンサ素子を有し、センサ素子は、金属ストリップの幅方向に見て互いにオフセットして配置されている。センサ素子を用いて、幅方向において互いにオフセットされた金属ストリップの複数の領域に関して、それぞれアナログ測定信号が検出され、当該測定信号は、各領域における金属ストリップの各センサ素子からの距離の特徴を示している。信号はアナログ形式で前処理され、アナログ形式でマイクロプロセッサに供給されるようである。当該信号は、マイクロプロセッサにおいて初めてデジタル化されるようである。マイクロプロセッサの配置に関する記載はない。センサ素子はそれぞれ固有の動作周波数で動作する。
【0007】
金属ストリップを圧延する際、圧延された金属ストリップの平坦度は重要な品質特徴である。特に、圧延後に圧延された金属ストリップが波形になることは回避すべきである。
【0008】
対応する測定値を検出するために、例えば上述した種類の測定装置が使用され得る。このような測定装置は、従来の測定装置と比較して、特に、信号検出が非接触式に行われ、したがって金属ストリップを損傷する危険性がないという利点を有する。しかしまた、このような測定装置はいくつかの欠点も有する。
【0009】
実際には、例えばセンサ素子は、金属板の上面と同一平面上で金属板に取り付けられている。これによって、センサ素子のセンサ、すなわち測定信号を検出する要素は、金属板の材料によって横方向において包囲されている。これによって信号が減衰する。つまり、検出された測定信号は、比較的低いレベル、したがって比較的小さい信号対雑音比(SNR)を有する。さらに、実際には、検出された測定信号はアナログ信号として、ケーブルを通じて評価装置に伝送される。ケーブルが長いゆえに、温度の影響、クロストーク、その他の干渉による歪みが生じ得る。これによって、検出された測定信号の評価が困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第19706691号明細書
【特許文献2】国際公開第98/38482号パンフレット
【特許文献3】独国特許出願公開第19839286号明細書
【特許文献4】米国特許第3502968号明細書
【特許文献5】米国特許第4677578号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】”Non-contact measurement of strip flatness”, Steel Times International, July/August 2003, p.16-17
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、従来技術の欠点を回避する可能性を作り出すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本課題は、請求項1の特徴を有する測定装置によって解決される。本発明に係る測定装置の有利な態様は、従属請求項2から7の対象である。
【0014】
本発明によると、冒頭に述べた種類の測定装置は、センサ素子が渦電流センサを含むこと、幅方向に見て互いに直接隣接して配置されたセンサ素子の渦電流センサが、それぞれ互いに異なる2つ又は3つの動作周波数のうちの1つで動作すること、センサ素子の数が動作周波数の数よりも多く、したがってセンサ素子の全体にわたって見た場合に、それぞれ複数のセンサ素子が同じ動作周波数で動作することによって構成される。
【0015】
これによって、動作周波数の数を小さく抑えることができる。特に、動作周波数の数はセンサ素子の数よりも少ない。2つ又は3つの動作周波数(のみ)を使用することによって、部材の数が最小化される。また、本発明の範囲内では、複数のセンサ素子が同じ動作周波数で動作するものの、同じ動作周波数で動作するセンサ素子は、それにもかかわらず、別の動作周波数又は別の2つの動作周波数で動作する他のセンサ素子によって互いに分離される。
【0016】
本発明の範囲では、測定信号は可能な限り早い段階でデジタル化されるので、その後のあらゆる干渉に対して非常に堅牢である。
【0017】
アナログからデジタルへの変換は、各センサ素子内でも行われ得る。しかしながら、現在のところ、デジタル化装置がセンサ素子とは別個の要素として構成され、測定装置内部でケーブルを通じてセンサ素子に接続されていることが好ましい。しかしながら、ケーブルは比較的短い。ケーブルの長さは大抵の場合1mより明らかに短く、例えば約20cmから約50cmである。
【0018】
デジタル化の直前又は直後、すなわち測定装置内部で、アナログ測定値及び/又はデジタル化された測定値の追加処理を行うことも可能である。これは可能ではあるが、必要ではなく、多くの場合合理的でもない。
【0019】
好ましくは、ケーブルは、各センサ素子への移行部において密封されている。「密封」という概念は、気密及び水密の密封を意味する。特にケーブルは、このような密封をもたらすために、各センサ素子に解除不可能に接続されていてよい。これによって、センサ素子からケーブルへの移行部は、環境の影響(特に水の浸入)から十分に保護される。ケーブルのセンサ素子との解除不可能な接続は、ケーブルが比較的短いので、特に実用的である。これは、ケーブルが測定装置の外部の制御キャビネットまで誘導され、したがって数メートルの長さを有する従来技術とは対照的である。
【0020】
好ましくは、デジタル化装置は、センサ素子が配置された金属板の下側に配置される。これによって、デジタル化装置を省スペースで、しかも十分に保護された方法で配置することができる。
【0021】
好ましくは、伝送信号は、予め組み立てられた接続部を有する共通の外装ケーブルを通じて評価装置に伝送される。これは、圧延工場の過酷な環境において特に有利である。適切な外装ケーブルは、油圧ホースにならって構成される。このような外装ケーブル(予め組み立てられた接続部を含む)は、例えばウィーン(オーストリア)のHarting社によって提供される。
【0022】
外装ケーブルが、個々のセンサ素子の伝送信号のために、それぞれ専用の導線を含むことが可能である。しかしながら、外装ケーブルが、それぞれ複数のセンサ素子のグループの伝送信号のために、それぞれ専用の導線を含んでいることが特に好ましい。これによって、導線の数と、外装ケーブル全体の寸法及び複雑さとを最小限に抑えることができる。
【0023】
好ましくは、センサ素子は、各センサ素子の動作周波数の特徴を示すコーディングを有する。コーディングは、人間がその感覚器官で直接知覚できるようなものである。これによって、センサ素子は、オペレータによって迅速かつ容易に区別され、センサ素子が金属板の「正しい」場所に取り付けられることが保証される。コーディングは、必要に応じて、機械的及び/又は触覚的及び/又は光学的な性質を有していてよい。機械的コーディングの場合、状況によっては、金属板の「間違った」位置にセンサ素子を取り付けることを不可能にすることさえ実現可能である。
【0024】
代替的又は付加的に、例えば、評価装置によって、センサ素子がそれぞれ動作する動作周波数を検査することが可能である。この場合、いずれのセンサがいずれの動作周波数で動作すべきかが評価装置に記憶されていれば、評価装置によって検査を実行し、エラーが生じた場合にはエラーメッセージを出力することができる。
【0025】
本課題はさらに、本発明に係る測定装置と請求項8の特徴を有する評価装置との組み合わせによって解決される。この組み合わせの有利な態様は、従属請求項9から11の対象である。
【0026】
本発明によると、本発明に係る測定装置と評価装置との組み合わせが作成され、この組み合わせにおいて、評価装置は、
‐デジタル化装置からの伝送信号を受信し、
‐金属ストリップの各領域に関する伝送信号に基づいて、金属ストリップの各領域の励振された機械的振動の振幅を決定し、
‐振幅の決定範囲内で、少なくとも金属ストリップに固有の特性曲線を利用する。
【0027】
特性曲線の考慮によって、伝送信号を線形化し、線形化された信号に基づいて金属ストリップの領域の振動の振幅を決定することができる。特性曲線は、金属ストリップに関して固有に決定されている(例えば、幅、厚さ、温度及び/又は材料に応じて)ので、従来技術に対して、一方では線形化の改善が、他方ではより大きな測定範囲での線形化が可能である。
【0028】
また、特性曲線が付加的にセンサ素子の動作温度に依存することもあり得る。これによって、伝送信号の線形化をさらに改善することができる。
【0029】
好ましくは、評価装置は、振幅の決定の範囲内でゲルツェル(Goertzel)アルゴリズムを使用する。このアルゴリズムは、伝送信号のより迅速かつ良好な評価を可能にする。これは特に、評価装置がゲルツェルアルゴリズム内で励振周波数を考慮する場合に当てはまる。
【0030】
上述した本発明の特性、特徴及び利点、並びにこれらを得るための方法は、以下の図面を用いて詳細に行われる実施例の説明に関連してより明確になり、より理解しやすくなる。この際、以下が概略的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】金属ストリップ及び測定装置の側面斜視図である。
【
図3】
図2に係る測定装置の一部を上から見た、カバーが部分的に取り外されている斜視図である。
【
図9】金属板及び各センサ素子の部分を示す図である。
【
図10】センサ素子及びデジタル化装置を示す図である。
【
図11】センサ素子及びデジタル化装置を備えた金属板を含む取り付けユニットを示す図である。
【
図12】カバープレートを取り外した
図11に係る取り付けユニットを示す図である。
【
図14】センサ素子への動作周波数の割り当てを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1によると、金属ストリップ1の搬送装置は、前側装置2を有している。前側装置は一般的に、圧延機スタンドである。
図1には、圧延機スタンドのワークロールのみが示されている。しかしながら、圧延機スタンドはしばしば付加的なロールを有しており、例えば4段スタンドの場合はワークロールに加えて支持ロールを有し、6段スタンドの場合はワークロールに加えて中間ロール及び支持ロールを有している。他の構成も可能であり、例えば20ロール圧延機スタンド又は12ロール圧延機スタンドなどがあり得る。
【0033】
送り込み側では、圧延機スタンドの上流にさらなる圧延機スタンドが配置されていてよい。送り込み側において、圧延機スタンドの上流に、複数のさらなる圧延機スタンドが配置されていてもよい。同様に、例えば、金属ストリップ1を巻き戻すためのリールを圧延機スタンドの上流に直接配置することも可能である。前側装置2自体も、圧延機スタンド以外の装置であってよい。このような装置の例としては、駆動ロールセット及びリールが挙げられる。これらの態様のいずれが与えられるかは、本発明の範囲においては二次的な重要性を有する。この理由から、前側装置2の送り込み側における圧延装置の構成は、図には示されておらず、詳細な説明もなされていない。
【0034】
搬送装置はさらに、後側装置3を有する。後側装置3は、前側装置2の下流に配置されている。後側装置3は、例えば、
図1に示すように、リール4と、リール4の上流に配置されたプーリ5と、を含んでいる。後側装置3の具体的な構成は二次的な重要性を有している。決定的に重要なのは、前側装置2と後側装置3とによって、金属ストリップ1のパスラインが画定され、当該パスラインに沿って金属ストリップ1が前側装置2から後側装置3へと搬送方向xに搬送されることである。搬送方向xは一般的に水平か、又は少なくともほぼ水平である。金属ストリップ1が前側装置2から排出される際の搬送速度は、前側装置2が圧延機スタンドとして構成されている場合、最大400m/分、場合によってはそれよりもわずかに速いこともある。
【0035】
前側装置2と後側装置3との間には、本発明の範囲では二次的な重要性を有する様々な装置、例えば厚さ測定装置などが配置されていてよい。この場合、決定的に重要なのは、前側装置2と後側装置3との間に測定装置6が配置されていることである。
【0036】
測定装置6は、機械的励振装置7を有している。機械的励振装置7を用いて、金属ストリップ1をその厚さ方向において機械的に振動させることが可能である。具体的には、金属ストリップ1は、
図1において中心位置に実線で示されている。中心位置からのたわみは、
図1において二重矢印8で示されている。機械的振動への励振は、励振周波数fAで行われる。
【0037】
機械的励振装置7は、例えば、
図1に示すように、吸引装置として構成されていてよい。当該構成は確立されており、堅牢で信頼性が高い。
【0038】
例えば、吸気ファン9は、吸引開口部10(特に
図2及び
図3を参照;吸引開口部10のうちのいくつかにのみ参照符号が付されている)及び吸引チャネル11を通じて、金属ストリップ1と測定装置6との間の領域から空気を吸い出すことが可能であり、したがって、金属ストリップ1の片側に周期的に陰圧を加えることが可能である。空気が吸い出される程度は、吸引ファン9を直接作動させることによって、及び/又は変調器要素12を作動させることによって変化させることができる。変調器要素12を作動させた場合、変調器要素12は吸引チャネル11の最新の横断面を周期的に変化させ、したがって、吸引チャネル11の流れ抵抗を周期的に変化させる。変調器要素12は、例えば、吸引チャネル11内で回転する楕円形又は長円形の要素として構成されていてよい。
【0039】
すでに述べたように、当該構成は確立されている。したがって、詳細な説明は不要である。
【0040】
金属ストリップ1を効果的に振動させるために、機械的励振装置7は、平坦な境界面13を有している。平坦な境界面13は、金属ストリップ1に対向しており、パスラインからわずかな距離(大抵は一桁ミリメートルの範囲)をおいて延在している。境界面13には、吸引開口部10が配置されている。
【0041】
測定装置6はさらに、
図3及び
図4に示すように、金属板14を有する。金属板14は境界面13の隣に配置されている。金属板14は、金属ストリップ1に対向する上面15を有する。金属板14は境界面13に対してオフセットされており、したがって、上面15は境界面13よりもパスラインから大きな距離を有する。
【0042】
図1、
図3及び
図4に示すように、金属板14には複数のセンサ素子16が配置されている。つまり、測定装置6は、複数のセンサ素子16を有する。この際、見やすくするために、
図1にはセンサ素子16のうち1つのみが示されている。
図3及び
図4では、センサ素子16のうちいくつかにのみ参照符号が付されている。センサ素子16は、金属板14の上面15と同一平面上にはなく、上面15を越えて金属ストリップ1に向かって突出していることが明らかである。したがって、測定装置6はカバー17を有する。カバー17は、センサ素子16をその上面(すなわち金属ストリップ1に向かって)で覆っている。カバー17はセンサ素子16の側面に向かってセンサ素子16を密封している。カバー17の上面18は、
図2に示すように、平坦な境界面13によって形成された平面内にある。
【0043】
カバー17は電気的絶縁材料から成る。例えば、カバー17はセラミック又はプラスチックから形成され得る。適切なセラミック及び適切なプラスチック、例えばポリイミド及びポリエステルエステルケトン(PEEK)などは当業者に知られている。
【0044】
センサ素子16は、金属ストリップ1の幅方向に見て、互いに対してオフセットして配置されている。本発明の具体的な態様では、センサ素子16は2つの列を形成し、幅方向に見て、対応するセンサ素子16が各列内で互いに隣接して配置されており、列全体を見ると、列のセンサ素子16が他の列のセンサ素子16に対して、幅方向で見てオフセットして配置されている。このような態様、すなわち、センサ素子16の列が複数存在し、列が互いにオフセットしている態様が現在のところ好ましいが、結果的には二次的な重要性を有する。
【0045】
センサ素子16を用いて、金属ストリップ1の各領域について各測定信号MAが検出可能であり、各測定信号MAは、金属ストリップ1の各領域の励振された機械的振動の振幅Aの特徴を示している。金属ストリップ1の領域は、センサ素子16の配置に従って、同様に金属ストリップ1の幅方向において互いにオフセットされる。
【0046】
各測定信号MAの検出は非接触に行われる。このための可能な態様は、当業者には一般的に知られている。具体的には、センサ素子16(=アセンブリ)は、各測定信号MAを検出する実際のセンサ19として、渦電流センサを含んでいる。渦電流センサ(個別の渦電流センサに関しては
図5を参照)では、励振コイル20の励振電流IAを用いて、金属ストリップ1の各領域に渦電流が誘導される。渦電流が誘導される程度は検出可能である。各(アナログ)測定信号MAは、当該程度から導出される。
【0047】
励振電流IAは励振周波数fを有しており、以下において、励振周波数fAと区別するために励振周波数fを動作周波数と呼ぶ。動作周波数fは大抵の場合、数kHzの範囲にあり、一桁のMHzの範囲にある場合さえある。測定信号MAは同様に、動作周波数fを有する。したがって、測定信号MAから、それ自体既知の方法で、金属ストリップ1の各領域の測定装置6からの最新の距離が決定され得る。当該距離の経時変化から、金属ストリップ1の対応する領域の機械的振動の振幅Aが得られる。
【0048】
この手順は当業者に一般的に知られており、かつ、よく知られている。したがって、詳細に説明する必要はない。
【0049】
図6によると、カバー17はその下面、すなわちセンサ素子16に対向する面に受容部21を有している。カバー17を金属板14に取り付る際、センサ素子16は受容部21に進入する(自明のことながら、金属板14の上面15を超えて突出する限りにおいてのみ)。
【0050】
カバー17はさらに、その下面に凹部22を有している。
図6では、凹部22の一部にのみ参照符号が付されている。凹部22は全体として、金属板14とカバー17との間に、冷却媒体23のための複数の流路を形成する。したがって、センサ素子16は、冷却媒体23を用いて能動的に冷却可能である。
【0051】
図6によると、1つの流路が形成されている。しかしながら、複数の流路が形成されていてもよい。センサ素子16の順序に関する以下の説明は、各流路に関するものである。複数の流路の場合、流路は互いに分離している。つまり、センサ素子16はそれぞれの場合において1つの流路にのみ組み込まれる。複数の流路が存在する場合、以下の説明は各流路に対して個別に有効である。
【0052】
図6によると、流路は、冷却媒体23の流れ方向に見て、センサ素子16が順次相前後して配置されるように構成されている。つまり、冷却媒体23は、まずセンサ素子16のうちの1つを冷却した後、次のセンサ素子16を冷却し、さらに次のセンサ素子16を冷却するというように、各流路のすべてのセンサ素子16が冷却されるまで冷却を行う。
【0053】
図6からはさらに、受容部21がそれぞれ冷却媒体23用の入口24を有し、それぞれ冷却媒体23用の出口25を有することが認識できる。
図6において、入口24及び出口25では、見やすくするために、いくつかの受容部21にのみ参照符号が付されている。一方では、各受容部21の出口25は、各流路の各接続部を介して、それぞれ次の受容部21の入口24に連通するように接続されていることが明らかである。この文脈において「次の受容部」という概念は、冷却媒体23の流れ方向に見て次の受容部21に関するものである。他方では、各受容部21の入口24及び出口25は、各センサ素子16から見て、互いに向かい合うように配置されている。その結果、各センサ素子16は冷却媒体23に完全に囲まれ、冷却される。
【0054】
冷却媒体23は、例えば(精製された)圧縮空気であってよい。当該態様は、わずかな漏れが致命的でないという付加的な利点を提供する。なぜなら、圧縮空気は周囲空気よりも高い圧力を有しているからである。したがって、漏れにもかかわらず、異物がカバー17によって覆われた空間に侵入することは不可能である。それでもやはり、漏れが十分に小さい限りにおいて、センサ素子16の冷却が維持され得る。
【0055】
専ら冷却媒体23を用いてセンサ素子16を冷却すれば十分であり得る場合もある。他の場合には、
図7において概略的に示されているように、金属板14に冷却液用の導管26を配置する必要がある。この場合、金属板14は冷却液によって直接冷却される。これによって、センサ素子16も間接的に冷却される。
【0056】
以下において、
図8及び
図9に関連して、1つのセンサ素子16の構造について詳細に説明する。
【0057】
図8及び
図9によると、センサ素子16は、複数の構成要素から成る、予め組み立てられたユニットである。これらの構成要素は、各測定信号MAの検出に用いられるセンサ19に加えて、スリーブ27及び固定要素28である。さらに、センサ19には、後に金属ストリップ1に対向する側において、プラスチックカバー29が取り付けられていてよい。プラスチックカバー29(存在する限りにおいて)を用いて、センサ16は(取り付けられた状態において金属板14から突出する限りにおいて)気密及び水密に密封される。
【0058】
図8によると、センサ19(プラスチックカバー29を含む場合もある)はスリーブ27内に配置されている。スリーブ27は雄ネジ30を有している。固定要素28はスリーブ27に取り付けられている。したがって、固定要素28は対応する雌ネジ(図示略)を有する。固定要素28は、スリーブ27から径方向外側に突出するカラー31を有する。
【0059】
構成要素、すなわちセンサ19、スリーブ27及び固定要素28は、互いに対して固定されている。例えば、センサ19はスリーブ27に接着されていてよく、固定要素28は、はんだ付け点又は溶接点を通じてスリーブ27に固定されていてよい。これによって、センサ素子16を取り付ける際、カラー31の下縁又は上縁とセンサ19の上面(又は、存在する場合はプラスチックカバー29の上面)との間の距離は、所定のとおり設定され得る。例えば、まずセンサ19がスリーブ27に固定され得る。この前又は後に、必要に応じてプラスチックカバー29をセンサ19にかぶせることが可能である。その後、カラー31の下縁又は上縁の間隔が設定される。最後にようやく、固定要素28がスリーブ27に固定される。
【0060】
金属板14は、特に
図9を参照すると、センサ素子16用の受容部32を有する。受容部32はそれぞれ、径方向内側に突出した支持リング33を有する。対応するセンサ素子16が対応する受容部32に取り付けられている場合、カラー31は支持リング33に支持されている。
【0061】
すでに説明したように、センサ素子16を用いて、金属ストリップ1の領域に関して、測定信号MAがそれぞれ検出され得る。この検出は非接触に渦電流センサによって行われる。この目的のために、渦電流センサは励振コイル20を有し、励振コイル20には数kHz、場合によっては一桁MHzの範囲の励振電流IAが印加される。検出される測定信号MAは、最初はアナログである。
【0062】
従来技術では、測定信号MAは、対応するケーブルを通じて、測定装置6の外部、一般的には制御キャビネット内に配置されている評価装置34(
図1及び
図10参照)に伝送される。しかしながら、本発明の範囲内では、測定装置6の内部にはデジタル化装置35が配置されている。
図1には、デジタル化装置35のうちの1つが示されており、
図10には、デジタル化装置35のうちのいくつかが示されている。デジタル化装置35を用いて、検出されたアナログ測定信号MAはデジタル化される。
【0063】
従来技術と同様に、評価装置34は測定装置6の外部、例えば制御キャビネット内に配置されている。最も単純な場合、デジタル化装置35は、デジタル化された測定信号そのものを伝送信号MA’として評価装置34に伝送する。代替的に、デジタル化装置35は、デジタル化された測定信号から抽出した信号を、伝送信号MA’として評価装置34に伝送することができる。
【0064】
測定装置6内のデジタル化装置35の配置は、必要に応じたものであってよい。例えば、デジタル化装置35は、
図1、
図10、
図11及び
図12に示すように、センサ素子16とは別の独立した要素として構成されていてよい。この場合、デジタル化装置35は、測定装置6内で、ケーブル36を通じてセンサ素子16に接続されている。その配置に関して、デジタル化装置35は特に金属板14の下側に配置されていてよい。ケーブル36は一般的に非常に短い(大抵は最大100cm、しばしば50cm以下)。
【0065】
デジタル化装置35は、
図11及び
図12(
図4も参照)において、葉巻状の要素として示されている。この文脈において「葉巻状」という言葉は、基本形状(細長い円柱)と絶対寸法(長さ約15cm~約30cm、直径約1.0cm~約3.0cm)との両方に関連する。デジタル化装置35の当該形状は、現在のところ好ましいが、決して必須ではない。
【0066】
ケーブル36は、一般的に、例えばネジ接続又はバヨネット式接続を介して、デジタル化装置35に解除可能に接続されている。センサ素子16への移行部において、ケーブル36は、好ましくは密封されている(すなわち、気密及び水密に)。密封は、例えば自動車エンジンの点火プラグコネクタで知られているように、対応するケーブル36上に摺動可能に配置されたゴム弾性スリーブによって行われ得る。代替的に、ケーブル36をそれぞれのセンサ素子16に解除不可能に接続することも可能であり、これは現在のところ好ましい。
【0067】
デジタル化装置35の評価装置34との接続に関しては、従来技術におけるアナログ測定信号MAの伝送のために行われているように、個々の対応する接続ケーブルを通じて接続を確立することが原則的には可能である。しかしながら、伝送信号MA’が、
図13に示すように、予め組み立てられた接続部38を有する共通の外装ケーブル37を通じて評価装置34に伝送されることが好ましい。これについては以下で詳細に説明する。
【0068】
図13によると、個々の導線又は細いケーブル39は、デジタル化装置35から予め組み立てられたプラグ接続部40まで延在している。外装ケーブル37の一方の端部に配置された外装ケーブル37の予め組み立てられた接続部38のうちの1つは、予め組み立てられたプラグ接続部40に差し込まれ得る。外装ケーブル37の内部では、個々の導線又は細いケーブル39に対応する導線41が、外装ケーブル37の他方の端部に配置された他方の予め組み立てられた接続部38に誘導される。予め組み立てられた接続部38は、さらなるプラグ接続部42に接続されており、プラグ接続部42から評価装置34に導線が誘導される。
【0069】
外装ケーブル37の外装43は、例えば、作動液が100barから500barの範囲の圧力下にある油圧配線に関して一般的である外装に対応し得る。
【0070】
図13の破線Lは、測定装置6の境界を示すためのものである。つまり、
図13に示すように、外装ケーブル37は、測定装置6を開くことなく、測定装置6の外側から接続され得る。代替的に、自明のことながら、予め組み立てられたプラグ接続部40を測定装置6の内部に配置することも可能である。
【0071】
図13は、さらに好ましい態様も示している。当該態様では、外装ケーブル37は、それぞれ複数のセンサ素子16から成るグループの伝送信号MA’に関して、それぞれ専用の導線41を含んでいる。具体的には、デジタル化装置35において、それぞれ3つのセンサ素子16のデジタル化された測定信号が統合される。この文脈では、「3」という数は二次的な重要性を有している。
【0072】
図14は、センサ素子16の概略的な上面図であり、すなわち金属ストリップ1から見た図である。センサ素子16内には、参照符号f1、f2、f3が記入されている。f1、f2、f3は、動作周波数fと同じく動作周波数である。しかしながら、これらは対で互いに異なっている。例えば、動作周波数f1は値280kHzを有することが可能であり、他方、動作周波数f2は値300kHzを有し、動作周波数f3は値320kHzを有する。自明のことながら、挙げた値は純粋に例示的なものである。
【0073】
金属板14内で互いに直接隣接して配置されたセンサ素子16の渦電流センサが、異なる動作周波数f1、f2、f3で動作することが明らかである。これによって、生じ得るクロストークの挙動を大幅に低減することができる。
【0074】
互いに異なる動作周波数f1、f2、f3の場合、
図13及び
図14に示すように、そのデジタル化された測定信号が個々の導線41を通じて伝送されるセンサ素子16の数が、動作周波数f1、f2、f3の数に等しくなることもあり得る。この場合、センサ素子16のグループ化は、特に、各動作周波数f1、f2、f3がグループ内でそれぞれ1回表されるように行われ得る。
図14では、対応するグループが破線で囲まれている。
【0075】
互いに異なる動作周波数f1、f2、f3の場合、センサ素子16は、
図11及び
図12に示すように(個別のセンサ素子16については
図9も参照)、好ましくはコーディング44を有する。コーディング44は、各センサ素子16の動作周波数f1、f2、f3の特徴を示している。コーディング44は、光学的な性質を有していてよい。例えば、異なる動作周波数f1、f2、f3に対して異なる色、例えば、赤、緑及び青、又は黄、赤及び青を使用することが可能である。コーディング44も同様に、触覚的な性質を有していてよい。例えば、動作周波数f1は、ケーブル36上の周方向リングによってコーディングされていてよく、他方、動作周波数f2及びf3は、ケーブル36上の2つの周方向リングによってコーディングされていてよく、動作周波数f2と動作周波数f3との区別は、2つのリング間の距離によって行われ得る。さらなる動作周波数fは、例えば、3つの当該リングによってコーディングされていてよい。同様の方法で機械的なコーディングも可能である。
【0076】
好ましくは、デジタル化装置15も対応するコーディング45を有しており、これによって、正しい割り当ても容易に明確である。
【0077】
図15に示すように、評価装置34はデジタル化装置35から伝送(デジタル)信号MA’を受信する。伝送信号MA’の評価の範囲内で、評価装置34は、金属ストリップ1の各領域に関して、金属ストリップ1の機械的振動の振幅Aを決定する。
【0078】
振幅Aを決定するために、評価装置34は、まず、線形化ブロック46において伝送信号MA’の線形化を行う。つまり、線形化ブロック46は、修正信号MA”を出力し、そのそれぞれの値は、対応する(アナログ)測定信号MAが検出された時点における金属ストリップ1の各領域の対応するたわみに比例する。線形化の範囲内で、評価装置34は特性曲線Kを利用する。特性曲線Kは、評価装置34によって、金属ストリップ1に関して固有に決定される。この決定は、例えば、金属ストリップ1の幾何学的特性G及び/又は化学的特性C及び/又は熱力学的特性T(例えば温度)及び/又は履歴Hに依存して行われ得る。必要に応じて、特性曲線Kの決定の範囲内で、センサ素子16の動作温度T’も付加的に考慮され得る。
【0079】
特性曲線Kを決定するために、例えば、決定装置47に、幾何学的特性G、化学的特性Cなどの特定の値について、付属する特性曲線Kが保存されていてよく、選択及び/又は補間によって、具体的に利用される特性曲線Kが決定され得る。
【0080】
修正信号MA”は、評価装置34内で、決定ブロック48に供給される。決定ブロック48内では、評価装置34が、金属ストリップ1の領域に関して、金属ストリップ1の励振された機械的振動の各振幅Aを決定する。振幅Aの決定の範囲内で、評価装置34は、
図15が示すように、好ましくはゲルツェルアルゴリズムを用いる。評価装置34は、ゲルツェルアルゴリズム内で励振周波数fAを考慮することが特に極めて好ましい。
【0081】
決定された振幅Aは、さらなる決定ブロック49に供給され得る。決定ブロック49では、評価装置34が、金属ストリップ1の領域に関して振幅Aを基に、それぞれ平坦度誤差PFを決定する。平坦度誤差PFの決定それ自体は、もはや本発明の対象ではない。
【0082】
決定された平坦度誤差PFを評価装置34は、例えば、前側装置2に関する制御装置(図示略)に出力することが可能であり、これによって、制御装置は、平坦度誤差PFが可能な限り除去されるように前側装置2の平坦度アクチュエータを制御することができる。
【0083】
本発明は多くの利点を有している。カバー17の使用によって、センサ19の感度が改善される。センサ素子16の交換が大幅に容易になる。センサ素子16を予め組み立てられたアセンブリとして構成することによって、金属板14内でのセンサ素子16の位置決めを確実かつ正確に行うことも保証される。これは、後に、故障したセンサ素子16を新しいセンサ素子16と交換する場合にも当てはまる。センサ素子16を予め組み立てられたアセンブリとして構成することによって、センサ19の湿気、汚れ、及び境界内においては大きな熱入力からの保護が減少する。これによって、センサ素子16の耐久性が改善される。冷却媒体23を用いたセンサ素子16の冷却もまた、汚れ及び湿気からの保護を改善する。複数の動作周波数f1、f2、f3の使用によって、クロストークは、ほぼ排除することができる。測定装置6内部で測定信号MAを極めて早期にデジタル化することによって、測定信号MAを干渉に対して抵抗力を有する形に非常に迅速に移行させることができる。これによって、特に評価可能な測定範囲の拡大が可能になる。金属ストリップ1に固有の特性曲線Kと組み合わせて評価することによって、より改善された評価、及び拡大された測定範囲における評価も可能になる。特性曲線Kを用いることによって、各金属ストリップ1に関して最適化された測定信号MAの評価が可能になる。ゲルツェルアルゴリズムを用いた評価は、減少した計算量で優れた結果をもたらす。
【0084】
好ましい実施例によって本発明を詳細に図示及び説明したが、本発明は開示された例によって限定されるものではなく、当業者であれば本発明の保護範囲を逸脱することなく他の変型例を導き出すことができる。
【符号の説明】
【0085】
1 金属ストリップ
2 前側装置
3 後側装置
4 リール
5 プーリ
6 測定装置
7 機械的励振装置
8 二重矢印
9 吸気ファン
10 吸引開口部
11 吸引チャネル
12 変調器要素
13 境界面
14 金属板
15、18 上面
16 センサ素子
17 カバー
19 センサ
20 励振コイル
21、32 受容部
22 凹部
23 冷却媒体
24 入口
25 出口
26 導管
27 スリーブ
28 固定要素
29 プラスチックカバー
30 雄ネジ
31 カラー
33 支持リング
34 評価装置
35 デジタル化装置
36 ケーブル
37 外装ケーブル
38 予め組み立てられた接続部
39 導線又は細いケーブル
40、42 プラグ接続部
41 外装ケーブルの導線
43 外装
44、45 コーディング
46 線形化ブロック
47 決定装置
48、49 決定ブロック
A 振幅
C 化学的特性
f、f1~f3 動作周波数
fA 励振周波数
G 幾何学的特性
H 履歴
IA 励振電流
K 特性曲線
L 線形
MA アナログ測定信号
MA’ 伝送信号
MA” 修正信号
PF 平坦度誤差
T 熱力学的特性
T’ 動作温度
x 搬送方向
【国際調査報告】