IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.の特許一覧

<>
  • 特表-動物生産システム 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】動物生産システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/49 20060101AFI20241022BHJP
   A01K 67/00 20060101ALI20241022BHJP
   A01K 29/00 20060101ALI20241022BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20241022BHJP
   G01N 33/82 20060101ALI20241022BHJP
   G01N 33/487 20060101ALI20241022BHJP
   C12Q 1/6806 20180101ALN20241022BHJP
【FI】
G01N33/49 Z
A01K67/00 F
A01K29/00 Z
G01N33/50 Z
G01N33/82
G01N33/487
C12Q1/6806 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515126
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2022078402
(87)【国際公開番号】W WO2023062079
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】21202130.7
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】セスコ, マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ロサノ, カルロス
(72)【発明者】
【氏名】シルバ, クラウディア
【テーマコード(参考)】
2G045
4B063
【Fターム(参考)】
2G045AA01
2G045BB48
2G045CA25
2G045DA01
2G045DA31
2G045DA37
2G045DA38
2G045DA51
2G045DA80
2G045DB01
2G045DB04
2G045DB07
2G045DB09
2G045DB10
2G045FA34
2G045FB06
2G045HA06
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ03
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR84
4B063QS25
4B063QS34
4B063QX02
(57)【要約】
本発明は、産業的な動物生産に関する。特に、本発明は、一群の動物を増やす方法、並びに動物の卵黄又は血液中の分析物を、血液及び/又は卵黄サンプルのエクスビボ分析によって判定する方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の血中の少なくとも1つの分析物を判定する方法であって:
xiii)動物から1滴の血液を用意する工程と、
xiv)工程i)において用意された前記血液をキャリア上に収集する工程と、
xv)前記キャリア上の前記血液を乾燥させる工程と、
xvi)工程iii)において用意された前記キャリア上の前記血液を分析して、少なくとも1つの分析物の値を測定する工程と
を含む方法。
【請求項2】
xvii)工程iv)において測定された前記少なくとも1つの分析物の前記値を、栄養ガイドラインにおいて推奨される前記少なくとも1つの分析物のレベルと比較する工程と、
xviii)工程iv)において測定された前記少なくとも1つの分析物の前記値が、前記栄養ガイドラインにおいて推奨される範囲から外れるならば、前記動物に与えられる飼料を、前記栄養ガイドラインに従って推奨される動物栄養レベルを確実にするように適応させる工程と
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
同じ種及び同じ品種の一群の動物を増やす方法であって:
vii)前記一群の少なくとも1頭のメンバーから1滴の血液を用意する工程と、
viii)工程i)において用意された前記血液をキャリア上に収集する工程と、
ix)前記キャリア上の前記血液を乾燥させる工程と、
x)工程iii)において用意された前記キャリア上の前記血液を分析して、少なくとも1つの分析物の値を測定する工程と、
xi)工程iv)において測定された前記少なくとも1つの分析物の前記値を、栄養ガイドラインにおいて推奨される前記少なくとも1つの分析物のレベルと比較する工程と、
xii)工程iv)において測定された前記少なくとも1つの分析物の前記値が、前記栄養ガイドラインにおいて推奨される範囲から外れるならば、前記動物に与えられる飼料を、前記栄養ガイドラインに従って推奨される動物栄養レベルを確実にするように適応させる工程と
を含む方法。
【請求項4】
前記血液は、静脈血である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
卵黄中の少なくとも1つの分析物を判定する方法であって、
xiii)1滴の卵黄を用意する工程と、
xiv)工程i)において用意された前記卵黄をキャリア上に収集する工程と、
xv)前記キャリア上の前記卵黄を乾燥させる工程と、
xvi)工程iii)において用意された前記キャリア上の前記卵黄を分析して、卵黄中の少なくとも1つの分析物の値を測定する工程と
を含む方法。
【請求項6】
xvii)工程iv)において測定された前記少なくとも1つの分析物の前記値を、栄養ガイドラインにおいて推奨される前記少なくとも1つの分析物のレベルと比較する工程と、
xviii)工程iv)において測定された前記少なくとも1つの分析物の前記値が、前記栄養ガイドラインにおいて推奨される範囲から外れるならば、前記動物に与えられる飼料を、前記栄養ガイドラインに従って推奨される動物栄養レベルを確実にするように適応させる工程と
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
同じ種及び同じ品種の一群の動物を増やす方法であって:
xiii)前記一群の少なくとも1頭のメンバーの卵から1滴の卵黄を用意する工程と、
xiv)工程i)において用意された前記卵黄をキャリア上に収集する工程と、
xv)前記キャリア上の前記卵黄を乾燥させる工程と、
xvi)工程iii)において用意された前記キャリア上の前記卵黄を分析して、少なくとも1つの分析物の値を測定する工程と、
xvii)工程iv)において測定された前記少なくとも1つの分析物の前記値を、栄養ガイドラインにおいて推奨される前記少なくとも1つの分析物のレベルと比較する工程と、
xviii)工程iv)において測定された前記少なくとも1つの分析物の前記値が、前記栄養ガイドラインにおいて推奨される範囲から外れるならば、前記動物に与えられる飼料を、前記栄養ガイドラインに従って推奨される動物栄養レベルを確実にするように適応させる工程と
を含む方法。
【請求項8】
前記キャリアは、サンプル収集カードである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記サンプル収集カードは、細胞を溶解させて核酸を精製するための基質でカバーされたボール紙である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記サンプル収集カードは、Whatman(登録商標)903(GE Healthcare、Piscataway、NJ、EUA)である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
工程iv)における分析は、質量分析と連結された液体クロマトグラフィ(LC-MS/MS)によって実行される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記分析物は、栄養である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記分析物は、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、微量ミネラルからなる群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記分析物は、25-OH-D3、ビタミンA、及び/又はビタミンEから選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記分析物は、バイオマーカーである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記分析物は、アルブミン、カルシウム、カロテノイド、クレアチンキナーゼ、グロブリン、グルコース、ヘモグロビン、リン、カリウム、ナトリウム、全二酸化炭素、尿酸からなる群から選択される、請求項1~11及び15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
健康因子及びパフォーマンス因子が、骨強度、肉収量及び卵殻強度、乳熱可能性、孵化率、胚生存能力、腸健康、栄養吸収、骨格の健康、電解質均衡、肝臓の健康、酸化ストレス、並びに炎症の群から選択される、請求項1~13、15、及び16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記動物は、単胃動物、例えばブタ(子ブタ、育成ブタ、及び雌ブタが挙げられるがこれらに限定されない)、家禽(家禽、シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ホロホロチョウ、ガチョウ、ハト、ひな鳥、ニワトリ、ブロイラー、レイヤー、若雌鶏、及びひよこが挙げられるがこれらに限定されない);ペット動物、例えばネコ及びイヌ、魚(アンバージャック、ピラルク、バーブ、バス、ブルーフィッシュ、ボカチコ、ブリーム、ブルヘッド、カチャーマ、コイ、ナマズ、カトラ、サバヒー、チャー、カワスズメ、スギ、タラ、クラッピー、ヘダイ、ドラム、ウナギ、ハゼ、金魚、グラミー、ハタ、グァポテ、オヒョウ、ジャバ、ラベオ、ライ、ドジョウ、サバ、サバヒー、クロサギ、泥魚、ボラ、パコ、パールスポット、ペヘレイ、パーチ、カワカマス、コバンアジ、ローチ、サーモン、サンパ、ソーガー、ハタ、マダイ、シャイナー、スリーパー、スネークヘッド、フエダイ、アカメ、シタビラメ、アイゴ、チョウザメ、マンボウ、アユ、テンチ、テラー、ティラピア、マス、マグロ、ヒラメ、シロマス、ウォールアイ、及びコクチマスが挙げられるがこれらに限定されない);並びに甲殻類(エビ及びクルマエビが挙げられるがこれらに限定されない)である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記動物は、ブタ(子ブタ、育成ブタ、及び雌ブタが挙げられるがこれらに限定されない)又は家禽(家禽、シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ホロホロチョウ、ガチョウ、ハト、ひな鳥、ニワトリ、ブロイラー、レイヤー、若雌鶏、及びひよこが挙げられるがこれらに限定されない)の群から選択される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、産業的な動物生産に関する。特に、本発明は、一群の動物を増やす方法、並びに動物の血液及び/又は卵黄中の分析物を判定する方法に関する。
【0002】
[発明の背景]
動物は、卵及び肉の生産が挙げられる種々の理由のために増やされる。産業規模で、農家は、何百又は何千頭もの動物を担っている:動物の数が多いほど、大量生産は効率的である。動物の健康、幸福、及びパフォーマンスの管理は、産業的な動物生産において最も重要である。
【0003】
産業的な動物生産の収益性を増大させる一アプローチが、正確な動物栄養補給である。収益性を最適化するために、農家は、動物の特定のニーズに栄養を適応させることによって、動物のパフォーマンスに影響を与えようと試みている。
【0004】
正確な動物栄養補給から利益を得るために、分析物の状況を正確に測定して、状況を動物の健康及びパフォーマンスに関係付けることが必要とされている。飼料中の分析物が、前記分析物の生物学的利用能及び血中レベルと常に相関しないことが一般的に知られている。実際に重要なのは、動物にとってどの程度の分析物が生物学的に利用可能であるのかである。したがって、動物の分析物の状況を何時でも測定することを容易に可能にする実用的なツールが必要とされている。
【0005】
[発明の概要]
本発明は、産業的な動物生産に関する。特に、本発明は、一群の動物を増やす方法、並びに動物の血液及び/又は卵黄中の分析物を判定する方法に関する。
【0006】
本発明は、動物の血中の少なくとも1つの分析物を判定する方法であって:
i)動物から1滴の血液を用意する工程と、
ii)工程i)において用意された血液をキャリア上に収集する工程と、
iii)キャリア上の血液を乾燥させる工程と、
iv)工程iii)において用意されたキャリア上の血液を分析して、少なくとも1つの分析物パラメータの値を測定する工程と
を含む方法に関する。
【0007】
本発明はさらに、
v)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値を、栄養ガイドラインにおいて推奨される少なくとも1つの分析物のレベルと比較する工程と、
vi)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値が、栄養ガイドラインにおいて推奨される範囲から外れるならば、動物に与えられる飼料を、栄養ガイドラインに従って推奨される動物栄養レベルを確実にするように適応させる工程と
を含み得る。
【0008】
好ましい実施形態において、血液は静脈血である。
【0009】
好ましい実施形態において、動物は、ブタ又は家禽、好ましくはブロイラーニワトリである。
【0010】
好ましい実施形態において、工程iv)における分析は、質量分析と連結された液体クロマトグラフィ(LC-MS/MS)によって実行される。
【0011】
本方法は、複数の分析物の同時測定によって向上し得る。好ましい実施形態において、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つの分析物の値が、工程iv)において測定される。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、卵黄中の少なくとも1つの分析物を判定する方法であって、
i)1滴の卵黄を用意する工程と、
ii)工程i)において用意された卵黄をキャリア上に収集する工程と、
iii)キャリア上の卵黄を乾燥させる工程と、
iv)工程ii)において用意されたキャリア上の卵黄を分析して、卵黄中の少なくとも1つの分析物の値を測定する工程と
を含む方法に関する。
【0013】
本方法はさらに、
v)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値を、栄養ガイドラインにおいて推奨される少なくとも1つの分析物のレベルと比較する工程と、
vi)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値が、栄養ガイドラインにおいて推奨される範囲から外れるならば、動物に与えられる飼料を、栄養ガイドラインに従って推奨される動物栄養レベルを確実にするように適応させる工程と
を含み得る。
【0014】
好ましい実施形態において、動物は、ブタ又は家禽、好ましくはブロイラーニワトリである。
【0015】
好ましい実施形態において、工程iv)における分析は、質量分析と連結された液体クロマトグラフィ(LC-MS/MS)によって実行される。
【0016】
本方法は、複数の分析物の同時測定によって向上し得る。好ましい実施形態において、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つの分析物の値が、工程iv)において測定される。
【0017】
本発明はさらに、同じ種及び同じ品種の一群の動物を増やす方法であって:
i)一群の少なくとも1頭のメンバーから1滴の血液を用意する工程と、
ii)工程i)において用意された血液をキャリア上に収集する工程と、
iii)キャリア上の血液を乾燥させる工程と、
iv)工程iii)において用意されたキャリア上の血液を分析して、少なくとも1つの分析物の値を測定する工程と、
v)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値を、栄養ガイドラインにおいて推奨される少なくとも1つの分析物のレベルと比較する工程と、
vi)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値が、栄養ガイドラインにおいて推奨される範囲から外れるならば、動物に与えられる飼料を、栄養ガイドラインに従って推奨される動物栄養レベルを確実にするように適応させる工程と
を含む方法に関する。
【0018】
好ましい実施形態において、血液は、静脈血である。
【0019】
好ましい実施形態において、動物は、ブタ又は家禽、好ましくはブロイラーニワトリである。
【0020】
好ましい実施形態において、工程iv)における分析は、質量分析と連結された液体クロマトグラフィ(LC-MS/MS)によって実行される。
【0021】
本発明の方法により、血液サンプルが採られた動物の分析物の状況、及び動物に供給される飼料の以降の適応を測定することが可能となる。
【0022】
本方法は、複数の分析物の同時測定によって向上し得る。好ましい実施形態において、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つの分析物の値が、工程iv)において測定される。
【0023】
別の実施形態において、本発明は、同じ種及び同じ品種の一群の動物を増やす方法であって:
i)一群の少なくとも1頭のメンバーの卵から1滴の卵黄を用意する工程と、
ii)工程i)において用意された卵黄をキャリア上に収集する工程と、
iii)キャリア上の卵黄を乾燥させる工程と、
iv)工程iii)において用意されたキャリア上の卵黄を分析して、少なくとも1つの分析物の値を測定する工程と、
v)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値を、栄養ガイドラインにおいて推奨される少なくとも1つの分析物のレベルと比較する工程と、
vi)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値が、栄養ガイドラインにおいて推奨される範囲から外れるならば、動物に与えられる飼料を、栄養ガイドラインに従って推奨される動物栄養レベルを確実にするように適応させる工程と
を含む方法に関する。
【0024】
好ましい実施形態において、動物は、ブタ又は家禽、好ましくはブロイラーニワトリである。
【0025】
好ましい実施形態において、工程iv)における分析は、質量分析と連結された液体クロマトグラフィ(LC-MS/MS)によって実行される。
【0026】
本発明の方法により、血液サンプルが採られた動物の分析物の状況、及び動物に供給される飼料の以降の適応を測定することが可能となる。
【0027】
本方法は、複数の分析物の同時測定によって向上し得る。好ましい実施形態において、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つの分析物の値が、工程iv)において測定される。
【0028】
好ましい実施形態において、動物は、ブタ又は家禽、好ましくはブロイラーニワトリである。
【0029】
測定値の正確さに起因して、潜在的損失を軽減するのに適切な措置を執ることができる。そのような措置は、動物の栄養の適応を含む。好ましい実施形態において、本発明の方法の工程vi)における飼料は、少なくとも1つの飼料添加物の量を調整することによって適応する。
【0030】
[発明の詳細な説明]
[動物の血液中の分析物パラメータを判定する方法]
本発明の方法の好ましい実施形態は、動物の血液中の分析物を判定する方法に関する。
【0031】
本発明の好ましい実施形態において、動物は、鳥類、例えばニワトリ又はカモである。さらに好ましくは、動物はブロイラーである。周知の品種は、Ross(例えばRoss 708)及びCobb(例えばCobb 500)である。
【0032】
本発明の別の好ましい実施形態において、動物はブタである。
【0033】
本発明の方法の工程iv)において、動物の血液サンプルがエクスビボ分析される。工程iv)において分析される血液サンプルは、好ましくは、静脈血を含む。ゆえに、本発明の方法の先行する工程i)は、好ましくは、動物の静脈血の用意を含み、本発明の方法は、好ましくは、動物体に実行される診断法ではない。
【0034】
本発明の方法の工程iv)において、工程i)において用意されて、工程ii)においてキャリア上に収集されて、工程iii)において乾燥した静脈血がエクスビボ分析される。血液サンプルは、好ましくは、動物が増やされる場所にて採られる。本発明の方法は、好ましくは、動物から静脈血を採血する手段を含む。サンプリング手順の例が、実施例2に記載されている。サンプルは、生物学的リスクを除外するキャリアカードを用いて、ラボに直接送られ得る。処理するのが困難であり、且つ冷凍を必要とし、国境を越えて、又は郵便によって送ることができない従来の血液サンプルと比較して、本発明の方法については、輸送及び以降の保存のために冷凍が必要とされない。これは、世界中に送るのに安全であり、生物学的リスクもないし、輸入許可証も必要としない。
【0035】
分析は、好ましくは、サンプルが郵送されたラボにおいて行われる。キャリア上のサンプルの分析は、動物における分析物のレベルを判定するために、従来の方法、例えば、液体クロマトグラフィ(HPLC)による質量分析、又は質量分析と連結された高効率液体クロマトグラフィ(LC-MS/MS)によって実行される。この手順は、前記分析物についての血漿の従来のHPLC検査と高度に相関する。
【0036】
好ましくは、どの血液パラメータが工程vi)において分析されるかの決定が、工程iv)において分析を行う前になされた。
【0037】
工程v)において実行されるオプションの相関は、分析物を、前記分析物のレベルと相関させて、健康因子及びパフォーマンス因子を向上さることができる。
【0038】
工程vi)において実行される飼料の、分析物の値へのオプションの適応は、飼料又は飼料添加物を外部供給元からオーダーすることによって促進され得る。
【0039】
工程i)~iv)に含まれる本発明の方法の手順は、本発明の目的で、乾燥血液スポット検査(DBS)として要約される。DBSは、より簡単な、あまり侵襲的でない動物サンプリングを可能にする。なぜなら、動物の1滴の血液しか必要としないからである。試験材料を送る問題を考えると、DBSは、より安全な、あまり複雑でない技術である。なぜなら、キャリアカードが材料をより長期間保存して、あらゆる感染体の存在を阻害し、且つサンプルが海外に容易に運搬されるか、又は室温にて保存されるのを可能にするからである。この種のことは全て、サンプルを送る際の品質及び機敏さの向上を助力する。
【0040】
[卵黄中の分析物パラメータを判定する方法]
本発明の方法の好ましい実施形態は、卵黄中の分析物を判定する方法に関する。
【0041】
本発明の好ましい実施形態において、動物は、鳥類、例えばニワトリ又はカモである。さらに好ましくは、動物はブロイラーである。周知の品種は、Ross(例えばRoss 708)及びCobb(例えばCobb 500)である。
【0042】
本発明の方法の工程iv)において、工程i)において用意されて、工程ii)においてキャリア上に収集されて、工程iii)において乾燥した卵黄がエクスビボ分析される。卵黄サンプルは、好ましくは、動物が増やされる場所にて採られる。サンプリング手順の例が、実施例3に記載されている。サンプルは、生物学的リスクを除外するキャリアカードを用いて、ラボに直接送られ得る。処理するのが困難であり、且つ冷凍を必要とし、国境を越えて、又は郵便によって送ることができない従来の生体サンプルと比較して、本発明の方法については、輸送及び以降の保存のために冷凍が必要とされない。これは、世界中に送るのに安全であり、生物学的リスクもないし、輸入許可証も必要としない。
【0043】
分析は、好ましくは、サンプルが郵送されたラボにおいて行われる。キャリア上のサンプルの分析は、卵黄における分析物のレベルを判定するために、従来の方法、例えば、液体クロマトグラフィ(HPLC)による質量分析、又は質量分析と連結された高効率液体クロマトグラフィ(LC-MS/MS)によって実行される。
【0044】
好ましくは、どの血液パラメータが工程vi)において分析されるかの決定が、工程iv)において分析を行う前になされた。
【0045】
工程v)において実行されるオプションの相関は、分析物を、前記分析物のレベルと相関させて、健康因子及びパフォーマンス因子を向上さることができる。
【0046】
工程vi)において実行される飼料の、分析物の値へのオプションの適応は、飼料又は飼料添加物を外部供給元からオーダーすることによって促進され得る。
【0047】
工程i)~iv)に含まれる本発明の方法の手順は、本発明の目的で、乾燥卵黄スポット検査(DYS)として要約される。DYSは、より簡単な、あまり侵襲的でない動物サンプリングを可能にする。なぜなら、1滴の卵黄しか必要としないからである。試験材料を送る問題を考えると、DYSは、より安全な、あまり複雑でない技術である。なぜなら、キャリアカードが材料をより長期間保存して、あらゆる感染体の存在を阻害し、且つサンプルが海外に容易に運搬されるか、又は室温にて保存されるのを可能にするからである。この種のことは全て、サンプルを送る際の品質及び機敏さの向上を助力する。
【0048】
[動物の血液が分析される、一群の動物を増やす方法]
本発明の方法の好ましい実施形態は、同じ種、同じ品種の一群の動物を増やす方法に関する。
【0049】
動物の一群内の動物の数は、変動し得、種に依存する。本発明の好ましい実施形態において、動物は、鳥類、例えばニワトリ又はカモである。さらに好ましくは、動物はブロイラーである。周知の品種は、Ross(例えばRoss 708)及びCobb(例えばCobb 500)である。ゆえに、本発明の方法の好ましい実施形態は、同じ種及び同じ品種の一群の鳥類、好ましくはニワトリを増やす方法に関する。
【0050】
本発明の別の好ましい実施形態において、動物はブタである。
【0051】
好ましくは、動物の一群は、同じコンパートメント内で、例えば同じ檻内で、又は同じハウス内で増やされる。動物がニワトリである場合、檻は典型的に、最大100羽のニワトリを含むが、ニワトリハウスは1,000羽以上のニワトリを含み得る。ゆえに、本発明の一実施形態は、同じ種及び同じ品種の一群の動物を増やす方法に関し、前記一群は、同じコンパートメント内で増やされ、且つ/又は前記一群は、10頭を超える、好ましくは50頭を超える、さらに好ましくは100頭を超える、最も好ましくは少なくとも1,000頭の動物を含む。
【0052】
本発明の方法の工程iv)において、動物の一群の少なくとも1頭のメンバーの血液サンプルがエクスビボ分析される。一群の複数のメンバーの血液サンプルを分析することが可能であるが、典型的には、一群のたった1頭のメンバーの血液サンプルを分析するだけで十分である。これによって、一群の少なくとも1頭のメンバーは、好ましくは、動物の一群からランダムに選択される。工程iv)において分析される血液サンプルは、好ましくは、静脈血を含む。ゆえに、本発明の方法の先行する工程i)は、好ましくは、一群の少なくとも1頭のメンバー由来の静脈血の用意を含み、本発明の方法は、好ましくは、動物体に実行される診断法ではない。
【0053】
本発明の方法の工程iv)において、工程i)において用意されて、工程ii)においてキャリア上に収集されて、工程iii)において乾燥した静脈血がエクスビボ分析される。血液サンプルは、好ましくは、動物が増やされる場所にて採られる。本発明の方法は、好ましくは、動物から静脈血を採血する手段を含む。サンプリング手順の例が、実施例2に記載されている。サンプルは、生物学的リスクを除外するキャリアカードを用いて、ラボに直接送られ得る。処理するのが困難であり、且つ冷凍を必要とし、国境を越えて、又は郵便によって送ることができない従来の血液サンプルと比較して、本発明の方法については、輸送及び以降の保存のために冷凍が必要とされない。これは、世界中に送るのに安全であり、生物学的リスクもないし、輸入許可証も必要としない。
【0054】
分析は、好ましくは、サンプルが郵送されたラボにおいて行われる。キャリア上のサンプルの分析は、動物における分析物のレベルを判定するために、従来の方法、例えば、液体クロマトグラフィ(HPLC)による質量分析、又は質量分析と連結された高効率液体クロマトグラフィ(LC-MS/MS)によって実行される。この手順は、前記分析物についての血漿の従来のHPLC検査と高度に相関する。
【0055】
好ましくは、どの血液パラメータが工程vi)において分析されるかの決定が、工程iv)において分析を行う前になされた。
【0056】
工程v)において実行される相関は、分析物を、前記分析物のレベルと相関させて、健康因子及びパフォーマンス因子を向上さることができる。
【0057】
工程vi)において実行される飼料の、分析物の値への適応は、飼料又は飼料添加物を外部供給元からオーダーすることによって促進され得る。ゆえに、本発明の好ましい実施形態は、一群の動物を増やす、本明細書中に記載される方法、並びに飼料添加物、プレミックス、及び/又は飼料の少なくとも1つの供給元を含むセットアップに関し、分析工程iv)の結果又は工程v)の相関は、飼料添加物、プレミックス、及び/又は飼料の少なくとも1つの供給元に伝達される。
【0058】
工程i)~iv)に含まれる本発明の方法の手順は、本発明の目的で、乾燥血液スポット検査(DBS)として要約される。DBSは、より簡単な、あまり侵襲的でない動物サンプリングを可能にする。なぜなら、動物の1滴の血液しか必要としないからである。試験材料を送る問題を考えると、DBSは、より安全な、あまり複雑でない技術である。なぜなら、キャリアカードが材料をより長期間保存して、あらゆる感染体の存在を阻害し、且つサンプルが海外に容易に運搬されるか、又は室温にて保存されるのを可能にするからである。この種のことは全て、サンプルを送る際の品質及び機敏さの向上を助力する。
【0059】
[卵黄が分析される、一群の動物を増やす方法]
本発明の方法の好ましい実施形態は、同じ種、同じ品種の一群の動物を増やす方法に関する。
【0060】
動物の一群内の動物の数は、変動し得、種に依存する。本発明の好ましい実施形態において、動物は、鳥類、例えばニワトリ又はカモである。さらに好ましくは、動物はブロイラーである。周知の品種は、Ross(例えばRoss 708)及びCobb(例えばCobb 500)である。ゆえに、本発明の方法の好ましい実施形態は、同じ種及び同じ品種の一群の鳥類、好ましくはニワトリを増やす方法に関する。
【0061】
好ましくは、動物の一群は、同じコンパートメント内で、例えば同じ檻内で、又は同じハウス内で増やされる。動物がニワトリである場合、檻は典型的に、最大100羽のニワトリを含むが、ニワトリハウスは1,000羽以上のニワトリを含み得る。ゆえに、本発明の一実施形態は、同じ種及び同じ品種の一群の動物を増やす方法に関し、前記一群は、同じコンパートメント内で増やされ、且つ/又は前記一群は、10頭を超える、好ましくは50頭を超える、さらに好ましくは100頭を超える、最も好ましくは少なくとも1,000頭の動物を含む。
【0062】
本発明の方法の工程iv)において、動物の一群の少なくとも1羽のメンバーの卵の卵黄サンプルが分析される。一群の複数のメンバーの卵の卵黄サンプルを分析することが可能であるが、典型的には、一群のたった1羽のメンバーの卵黄サンプルを分析するだけで十分である。これによって、一群の少なくとも1羽のメンバーは、好ましくは、動物の一群からランダムに選択される。
【0063】
卵黄サンプルは、好ましくは、動物が増やされる場所にて採られる。本発明の方法は、好ましくは、卵からサンプルを得る手段を含む。サンプリング手順の例が、実施例3に記載されている。サンプルは、生物学的リスクを除外するキャリアカードを用いて、ラボに直接送られ得る。処理するのが困難であり、且つ冷凍を必要とし、国境を越えて、又は郵便によって送ることができない従来の生体サンプルと比較して、本発明の方法については、輸送及び以降の保存のために冷凍が必要とされない。これは、世界中に送るのに安全であり、生物学的リスクもないし、輸入許可証も必要としない。
【0064】
分析は、好ましくは、サンプルが郵送されたラボにおいて行われる。キャリア上のサンプルの分析は、動物における分析物のレベルを判定するために、従来の方法、例えば、液体クロマトグラフィ(HPLC)による質量分析、又は質量分析と連結された高効率液体クロマトグラフィ(LC-MS/MS)によって実行される。
【0065】
好ましくは、どの卵黄パラメータが工程vi)において分析されるかの決定が、工程iv)において分析を行う前になされた。
【0066】
工程vにおいて実行される相関は、分析物を、前記分析物のレベルと相関させて、健康因子及びパフォーマンス因子を向上さることができる。
【0067】
工程vi)において実行される飼料の、分析物の値への適応は、飼料又は飼料添加物を外部供給元からオーダーすることによって促進され得る。ゆえに、本発明の好ましい実施形態は、一群の動物を増やす、本明細書中に記載される方法、並びに飼料添加物、プレミックス、及び/又は飼料の少なくとも1つの供給元を含むセットアップに関し、分析工程iv)の結果又は工程v)の相関は、飼料添加物、プレミックス、及び/又は飼料の少なくとも1つの供給元に伝達される。
【0068】
工程i)~iv)に含まれる本発明の方法の手順は、本発明の目的で、乾燥卵黄スポット検査(DYS)として要約される。DYSは、より簡単な、あまり侵襲的でない動物サンプリングを可能にする。なぜなら、動物の1滴の血液しか必要としないからである。試験材料を送る問題を考えると、DYSは、より安全な、あまり複雑でない技術である。なぜなら、キャリアカードが材料をより長期間保存して、あらゆる感染体の存在を阻害し、且つサンプルが海外に容易に運搬されるか、又は室温にて保存されるのを可能にするからである。この種のことは全て、サンプルを送る際の品質及び機敏さの向上を助力する。
【0069】
[定義]
分析物:本発明の文脈において、用語「分析物」は、解析手順における注目する構成要素又は化学種を指す。本発明の好ましい実施形態において、分析物は、栄養であってもバイオマーカーであってもよい。
【0070】
動物:本発明の文脈において、用語「動物」は、動物界(Animalia)の全ての非ヒトメンバーを含む。好ましくは、動物は、単胃動物、例えばブタ(子ブタ、育成ブタ、及び雌ブタが挙げられるがこれらに限定されない)、家禽(家禽、シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ホロホロチョウ、ガチョウ、ハト、ひな鳥、ニワトリ、ブロイラー、レイヤー、若雌鶏、及びひよこが挙げられるがこれらに限定されない);ペット動物、例えばネコ及びイヌ、魚(アンバージャック、ピラルク、バーブ、バス、ブルーフィッシュ、ボカチコ、ブリーム、ブルヘッド、カチャーマ、コイ、ナマズ、カトラ、サバヒー、チャー、カワスズメ、スギ、タラ、クラッピー、ヘダイ、ドラム、ウナギ、ハゼ、金魚、グラミー、ハタ、グァポテ、オヒョウ、ジャバ(java)、ラベオ、ライ(lai)、ドジョウ、サバ、サバヒー、クロサギ、泥魚、ボラ、パコ、パールスポット、ペヘレイ、パーチ、カワカマス、コバンアジ、ローチ、サーモン、サンパ(sampa)、ソーガー、ハタ、マダイ、シャイナー、スリーパー、スネークヘッド、フエダイ、アカメ、シタビラメ、アイゴ、チョウザメ、マンボウ、アユ、テンチ、テラー、ティラピア、マス、マグロ、ヒラメ、シロマス、ウォールアイ、及びコクチマスが挙げられるがこれらに限定されない);並びに甲殻類(エビ及びクルマエビが挙げられるがこれらに限定されない)である。好ましくは、動物は、ブタ(子ブタ、育成ブタ、及び雌ブタが挙げられるがこれらに限定されない)又は家禽(家禽、シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ホロホロチョウ、ガチョウ、ハト、ひな鳥、ニワトリ、ブロイラー、レイヤー、若雌鶏、及びひよこが挙げられるがこれらに限定されない)の群から選択される。
【0071】
抗凝固剤:時折、抗凝固剤が血液サンプルに加えられる。周知の抗凝固剤は、ヘパリン及びEDTAである。本発明の文脈において、ヘパリンを含有する血液は、「ヘパリン処理された血液」と称される。
【0072】
バイオマーカー:本発明の目的のためのバイオマーカー(生物学的マーカーの略)は、生物学的プロセスの客観的な、定量化可能な特徴である。バイオマーカーは、所与の時点にて細胞又は生物において起こっていることを捕捉する客観的な尺度である。バイオマーカーは、例えば、環境因子と疾患との関係を理解して、疾患リスクを診断、監視、又は予測する能力の向上を助力し得る。本発明の目的のためのバイオマーカーが、以下に限定されていないが、アルブミン、カルシウム、カロテノイド、クレアチンキナーゼ、グロブリン、グルコース、ヘモグロビン、リン、カリウム、ナトリウム、全二酸化炭素、尿酸から選択され得る。
【0073】
アルブミン:本発明の文脈において、用語「アルブミン」は、球状タンパク質のファミリーを指す。アルブミンファミリーのタンパク質は全て、水溶性であり、濃縮塩溶液中に適度に可溶性であり、そして熱変性を経験している。アルブミンは、一般的に血漿中に見出され、グリコシル化されていない点で他の血中タンパク質と異なる。アルブミンを含有する物質が、アルブミノイドと呼ばれている。血清中のアルブミン(血清アルブミン、SA)の濃度は、その合成速度、異化速度、血管外分布、及び外因的欠乏(exogenous loss)が挙げられるいくつかの因子によって影響され得る。さらに、栄養状況及び全身性炎症の双方が、SAの合成に影響を与える。SA濃度の判定は、種々の臨床状況におけるリスク予測を補助する。全死因死亡率及び心血管(CV)死亡率のリスクの増大が、低SA濃度と関連し得る。
【0074】
カルシウム:カルシウム欠乏は、代謝変調又は潜在的な病理学的変化の原因となり得る。したがって、カルシウムは、代謝問題及び/又は病理学的変化のバイオマーカーの役目を果たし得る。
【0075】
カロテノイド:本発明の文脈において、用語「カロテノイド」は、植物及び藻類、並びにいくつかの細菌及び真菌によって産生される有機顔料を指す。カロテノイドは、明るい有色の顔料として食物から得られる。これは、限定されないが、果物及び野菜の摂取量のバイオマーカーの役目を果たし得る。
【0076】
クレアチンキナーゼ:本発明の文脈において、用語「クレアチンキナーゼ」(CK)は、組織及びエネルギー要求細胞、例えば骨格筋及び心筋中に存在する酵素を指し、骨格筋疾患の検出及び監視のための最良のマーカーと考えられる。クレアチンキナーゼ活性は、典型的に、血清又は血漿中で測定される。
【0077】
グロブリン:本発明の文脈において、用語「グロブリン」は、分子量がアルブミンよりも高く、純水中で不溶性であるが、希釈塩溶液中に溶解する球状タンパク質のファミリーを指す。グロブリンは、肝臓中で産生されるものもあれば、免疫系によって産生されるものもある。グロブリン、アルブミン、及びフィブリノゲンは、主要な血中タンパク質である。グロブリンレベルが高いほど、プロテーゼ周囲の関節感染(PJI)のリスクと強く関連し、PJIの診断においてバイオマーカーの役目を果たし得る。血清中のアルブミン/グロブリン比はさらに、種々の癌において価値がある予後バイオマーカーとして認識される。
【0078】
グルコース:本発明の文脈において、用語「グルコース」は、分子式C12を有する単純な糖を指す。グルコースは、炭水化物のサブカテゴリである最も豊富な単糖である。グルコースは、主に、日光由来のエネルギーを用いて、水及び二酸化炭素から、光合成の間に植物及びほとんどの藻類によって作製され、世界中で最も豊富な炭水化物である細胞壁中のセルロースを作製するのに用いられる。連続グルコース監視は、新しい糖尿病薬物に対する応答及びクローズドループ人工膵臓技術の開発を評価して、臨床意思決定における値である詳細なリアルタイムデータを提供する。
【0079】
ヘモグロビン:本発明の文脈において、用語「ヘモグロビン」又は血色素(省略してHb又はHgb)は、ほとんど全ての脊椎動物の赤血球、及び一部の無脊椎動物の組織における鉄含有酸素輸送金属タンパク質を指す。血液中のヘモグロビンは、肺又はえらから、体の他の部位(すなわち組織)に酸素を運ぶ。そこでヘモグロビンは酸素を放出して、好気性呼吸は、代謝と呼ばれるプロセスにおいて生物の機能の原動力となるエネルギーを提供することができる。高いヘモグロビンレベル(Hb)は、総癌及び乳癌発生率のリスクの増大と関連し得る。
【0080】
リン:本発明の文脈において、用語「リン」は、シンボルP及び原子番号15の元素を指す。元素リンは、2つの主要な形態、黄リン及び赤リンで存在するが、高度に反応性であるので、リンは地球上で遊離元素として決して見出されない。鉱物中で、リンは一般にリン酸塩として存在する。24時間の尿中リンが、一般的に、リンの摂取及び吸収についての代わりの尺度として用いられている。
【0081】
カリウム:本発明の文脈において、用語「カリウム」は、シンボルK及び原子番号19の元素を指す。カリウムは、イオン塩でしか自然界に存在しない。カリウムは、神経インパルスの送信、心臓活動、膜輸送、酸塩基平衡、及び神経筋機能において重要な役割を果たす最も豊富な細胞内カチオンである。DASH[高血圧症を防ぐための食事法]等のカリウムリッチ食は、血圧を下げて、腎疾患進行を低下させ得る。
【0082】
ナトリウム:本発明の文脈において、用語「ナトリウム」は、シンボルNa及び原子番号11の元素を指す。遊離金属は、自然界に存在しない。過剰なナトリウム摂取は、高血圧のリスクを増大させ、高血圧は、心血管疾患の主要なリスク因子である。
【0083】
全二酸化炭素:二酸化炭素は、体内で細胞呼吸から生成される。バイオマーカーとして、血清中の二酸化炭素は、実際は、血中のバイカーボネートの尺度である。細胞呼吸から生成される大部分のCO(約75%)は、血中で重炭酸イオンとして運ばれる。5%が、溶解COとして溶液中に残り、残りの20%が、ヘモグロビン及び他の血漿タンパク質と組み合わされたままである。肺内で形成された溶解COは、CO値にほとんど寄与しない。血液検査において、CO又はバイカーボネートは、組織酸性度又はアルカリ度の一般的な尺度としてある。CO含有量は、アルカリ分子又は塩基分子であるバイカーボネートを指す。これは溶液であり、腎臓によって主に調節され、血液化学パネルのCOに関連する。COガスは、他方では、溶解COを指し、主に酸である。これは肺によって調節される。双方とも、酸塩基調節に及ぼす強力な影響を有しており、様々な器官系によって調節される。バイカーボネートとしての二酸化炭素血清は、血中の予備アルカリ元素の1つとしての機能を果たす。バイカーボネートは、塩酸及び乳酸等の代謝酸を中和する。血清CO2を見て、体内のアルカローシス又はアシドーシスに向かう傾向の評価を助力することができる。血清CO、又はバイカーボネートのレベルの上昇は、代謝性アルカローシスに向かう傾向と関連し得、レベルの低下は、代謝性アシドーシスに向かう傾向と関連する。この状況では、バイカーボネートは、体内で酸性度又はH+のレベルの増大を緩衝するのに使い尽くされている。また、血清全二酸化炭素は、敗血症患者の28日死亡率についての予後因子であり得る。
【0084】
尿酸:本発明の文脈において、用語「尿酸」は、式Cによる炭素、窒素、酸素、及び水素の複素環化合物を指す。これは、ウラート及び酸性ウラート、例えば酸性尿酸アンモニウム等として知られているイオン及び塩を形成する。尿酸は、プリンヌクレオチドの代謝分解の産物であり、これは、尿の標準的な構成要素である。尿酸の高い血液濃度は、痛風の原因となり得、糖尿病、及び酸性尿酸アンモニウム腎結石の形成が挙げられる他の医学的症状と関連する。尿酸(UA)は、最近、酸化ストレスを増大させ、且つレニンアンギオテンシンアルドステロンシステムの活性化を促進する炎症性因子として出現した。結果として、より高いUAレベルは、代謝、心血管、及び腎機能の異常が挙げられる糖尿病性腎症の発症及び進行の種々の病期と関連する。血清UAレベルは、腎臓及び心血管リスクのバイオマーカーの、そして糖尿病における潜在的な追加の治療的標的の役目を果たし得る。
【0085】
血液パラメータ:「血液パラメータ」の値が測定可能である。一例として、血液パラメータNa(電解質)は、血液リットルあたりのイオンナトリウム値が140mmolであり得る。血液パラメータの値は、原因となる複数の変数、例えば年齢及び品種によって決まり得る。
【0086】
品種:本発明の文脈において、用語「品種」は、特有の外観を有し、且つ典型的には、慎重な選択によって開発されてきた、種内の動物の系統を指す。ゆえに、動物はおそらく、共通の祖先からの同祖的な関係がある。一例として、品種Ross 708及びCobb 500由来のブロイラーニワトリは、地方の商業的孵化場から商業的に供給され得る。
【0087】
キャリア:本発明の文脈において、用語「キャリア」は、サンプル収集カードを指す。前記サンプル収集カードは、種々の基質、例えば、ボール紙、木材、ガラス、プラスチック製であり得る。好ましくは、サンプル収集カードは、その表面上に収集サークルがプリントされた濾紙であり、1滴の血液及び/又は卵黄が、更なる分析用に置かれ得る。各収集サークルが、1滴のサンプルを置くのに用いられ得る。複数の収集サークルにより、複数のサンプルの配置、及びサンプルの別々の分析が可能となる。
【0088】
より好ましくは、サンプル収集カードは、以降のDNA及びRNA分析用の乾燥生体サンプルの収集、保存、及び発送のために設計された、化学的に処理された濾紙であり、特別な化学物質が溶解して、細菌及び/又はウイルスを不活化し、且つPCR等の分析法による検出用のDNA及びRNAを保存する。そのようなサンプル収集カードは、Whatman(登録商標)903(GE Healthcare、Piscataway、NJ、EUA)として商業的に入手可能であり、国際公開第2000062023A1号パンフレットに開示されている。
【0089】
そのようなキャリア上に置かれて乾燥したサンプルは保存されるので、どこでも仮想現実的に採ることができる。キャリア上の乾燥サンプルは、冷蔵輸送を必要としない。
【0090】
カルシジオール:用語「25-OH D3」、「25-ヒドロキシビタミンD」、「HyD」、及び「カルシジオール」は、互換的に用いられる。
【0091】
コレカルシフェロール:用語「コレカルシフェロール」及び「ビタミンD」は、互換的に用いられる。
【0092】
食事のガイドライン:用語「食事のガイドライン」、「飼料ベースの食事のガイドライン」、又は「栄養ガイドライン」は、互換的に用いられており、推奨される動物栄養レベルを確実にし、且つ/又は健康因子及びパフォーマンス因子を向上させるのに必要とされ、そして栄養的に完全な飼料分配量をもたらすための基礎を確立することが意図されるガイドラインを指す。
【0093】
動物の一群:用語「動物の一群」は、同じコンパートメント内で(例えば、同じ檻内で、又はじハウス内で)増やされる好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも100、最も好ましくは少なくとも1000頭の動物を指す。
【0094】
健康因子及びパフォーマンス因子:本発明の文脈において、用語「健康因子及びパフォーマンス因子」は、動物パフォーマンス及び健康の客観的な、定量化可能な特徴を指す。好ましくは、健康因子及びパフォーマンス因子は、以下に限定されないが、骨強度、肉収量及び卵殻強度、乳熱可能性、孵化率、胚生存能力、腸健康(ミクロフローラ)、栄養吸収、骨格の健康、電解質均衡、肝臓の健康、酸化ストレス、並びに炎症の群から選択される。
【0095】
血液及び/又は卵黄中のバイオマーカーレベルをパフォーマンス向上と相関させることによって、経済的に重要なパラメータに及ぼす影響を推定することが可能である。例えば、種々のブロイラー治験のパフォーマンス増大を比較して、平均で、25-OH-D3の血漿レベルの1%増大が、ADG、骨強度、むね肉収量、及び歩行スコアにおいてそれぞれ0.029%、0.173%、0.008%、及び0.296%の向上をもたらすと結論できた(Sakas et al.,2019;Bray et al.,2012;Sauders et al 2004;Vignale et al.,2015)。
【0096】
骨強度:骨強度は、骨ジオメトリ、皮質の厚さ及び多孔性、小柱骨形態学、並びに骨組織の固有の特性によって決定される。骨強度は、二重エネルギーX線吸光分光分析(DXA)等の分析法を用いた骨塩密度(BMD)によって間接的に推定され得る。骨粗鬆症は、骨量の低下、並びに骨脆性の増大及び骨折のリスク増大をもたらすマイクロアーキテクチャの変更によって定義される疾患である。骨粗鬆症の主要な合併症、すなわち骨折は、低い骨強度に起因する。ゆえに、骨粗鬆症のあらゆる処置が、骨強度の向上を意味する。
【0097】
肉収量:本発明の文脈において、用語「肉収量」又は「赤身肉収量」(LMY%)は、パーセンテージとして表される、赤身肉(筋肉)である枝肉の割合を指す。枝肉のLMY%は、枝肉の組成を評価する標準的な方法であり、枝肉を市場に出すのに用いられる切断仕様に応じて変わるものではない。LMY%は、ヒツジ及び牛肉について、異なって算出される。ヒツジについて、LMY%は、ホットスタンダード枝肉重量(HSCW)及びナイフGR組織深さを用いて予測される。ホット枝肉重量は、冷凍前の枝肉の重量である。牛枝肉は、70~75パーセントの水からなる。枝肉が冷えて老化するにつれ、水がエバポレーションにより失われる。ほんの最初の24時間以内に、枝肉は、最初の重量の最大2~5パーセントを失い得る。HSCWが高いほど、そしてGR値が低いほど、LMY%は高い。牛肉LMY%についてのアルゴリズムは、HSCW、リブ脂肪深さ、及び場合によっては眼筋領域(EMA)を用いて算出される。HSCWが高いほど、そしてリブ脂肪深さが低いほど(そしてEMAが用いられる場合、EMAが大きいほど)、LMY%は高い。加工業者は、LMY%を求めるのに様々なシステムを用いることができるが、これらのシステムは全て、CTスキャン(LMY%を測定するための金標準システム)に対して較正されている。これにより、加工業者及び生産者は、枝肉を標準的な方法で比較することができる。生産者は、農場での重要な実施、例えば、栄養補給及び遺伝的選択により、LMY%を管理することができる。LDL手段に関するLMY%についての情報を用意して、生産者は、将来、枝肉値を最大にするための、情報に基づく管理決定をより良好にすることができる。
【0098】
卵殻強度:殻破壊は、養鶏業での財政的浪費であり、常にそうであった。卵殻強度を測定する方法は、準静的な圧縮を含み得る。この破壊的なプロセスにおいて、卵は、2つの平行プレート間で、破損結果まで安定して増大する負荷の下で圧縮される。力及び変形が連続的に記録されて、卵殻の強度が、破損時の力に換算して与えられる。殻の非破壊変形は、通常、その硬さ特徴の尺度を与えると仮定される。
【0099】
乳熱:本発明の文脈において、用語「乳熱」、「産褥性血色素尿」、又は「分娩不全麻痺」は、血中カルシウムレベルの引下げ(低カルシウム血症)によって特徴付けられる、主に乳牛において、しかし肉牛及び非ウシ家畜化動物においても見られる疾患を指す。これは、初乳及び乳生産のためのカルシウムの需要が、カルシウムを動員する体の能力を超える場合、出産の後に、授乳の開始時に起こる。「熱」は、誤った名称である。というのも、疾患中の体温は通常、上昇しないからである。乳熱は、より一般的には、より年老いた動物(骨からカルシウムを動員する能力が低い)において、そして特定の品種(Channel Island品種等)において見られる。
【0100】
孵化率:本明細書中で用いられる用語「孵化率」は、生存能力のあるひよこ又はプードソアを孵化させる総卵のパーセンテージ(例えば、卵セットの数あたりの孵化したプードソアの数×100)を指す。孵化率の増大、すなわち、孵化する産まれた卵のパーセンテージの増大が、特に所望される。というのも、パーセンテージの小さな増大ですら、結果として生じるひなの数に有意に影響を与えることとなるからである。したがって、孵化率の増大は、大規模育種プログラムにおける重要な因子と考えられる。卵が孵化する可能性の増大は、いくつかの卵の「孵化率」又は「受精した孵化」を算出することによって測定することができる。本明細書中で用いられる用語「受精した孵化」は、生存能力のあるひよこ又はプードソアを孵化させる総受精卵のパーセンテージ(例えば、受精卵セット数あたりの孵化したプードソアの数×100)を指す。
【0101】
胚生存能力:本明細書中で用いられる用語「胚生存能力」は、胚の生存率の推定又は生存度を指す。
【0102】
腸の健康:本明細書中で用いられる用語「胚生存能力」は、微生物叢の多様性の向上、及び/又は腸管の、特に結腸内の有益な細菌の量の増大を指す。結腸にいることが知られている有益な細菌として、アシダミノコッカス(Acidaminococcus)属、アッカーマンシア(Akkermansia)属種、バクテロイデス・オバツス(Bacteroides ovatus)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属種、ブラウティア・プロダクタ(Blautia producta)、クロストリジウム・コクレアツム(Clostridium cocleatum)、コリンゼラ・アエロファシエンス(Collinsella aerofaciens)、ドレア・ロンギカテナ(Dorea longicatena)、大腸菌(Escherichia coli)、ユーバクテリウム(Eubacterium)属種、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ(Faecalibacterium prausnitzii)、ラクノスピラ・ペクチノシザ(Lachnospira pectinoshiza)、ラクトバシラス(Lactobacillus)属種、パラバクテロイデス・ディスタソニス(Parabacteroides distasonis)、ラオウルテラ(Raoultella)属種、ロゼブリア(Roseburia)属種、ルミノコッカス(Ruminococcus)属種、及び連鎖球菌(Streptococcus)属種が挙げられる。好ましくは、増大する細菌は、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、アッカーマンシア(Akkermansia)属、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)属、及びバクテロイデス(Bacteriodes)属からなる群から選択される。より好ましくは、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、バクテロイデス・オバツス(Bacteroides ovatus)、バクテロイデス・キシラニソルベンス(Bacteroides xylanisolvens)、ラクノクロストリジウム(Lachnoclostridium)属種、アッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)、ブラウティア菌(Blautia wexlerae)、及び/又はフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ(Faecalibacterium prausnitzii)が、本発明の抗酸化剤の投与後に増大する。細菌の多様性の増大、及び/又は有益な細菌の量の増大は、動物が:代謝障害、2型糖尿病、肥満、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、過敏性大腸症候群、リーキーガット、栄養失調、慢性炎症、及び心血管疾患からなる群から選択される症状を経験している場合に、特に有益である。
【0103】
骨格の健康:本明細書中で用いられる用語「骨格の健康」は、以下に限定されないが、骨格の健康の種々の態様、例えば、骨強度、良好な骨無機化、高い骨密度及び/又は骨折耐性を指し得る。
【0104】
電解質均衡:本明細書中で用いられる用語「電解質均衡」は、体内の電解質の濃度の異常である電解質不均衡又は水-電解質不均衡の不在を指す。電解質は、体内のホメオスタシスを維持するのに不可欠な役割を果たす。電解質は、心臓及び神経学的機能、体液平衡、酸素送達、酸塩基平衡その他多くの調節を助力する。電解質不均衡は、少な過ぎる、又は多過ぎる電解質を消費すること、そして少な過ぎる、又は多過ぎる電解質を分泌することによって発生し得る。
【0105】
電解質障害は、多くの疾患プロセスに関与しており、医療における患者の管理の重要な部分である。当該障害の原因、重篤度、処置、及び転帰は、関係する電解質に応じて大いに異なり得る[3]。最も重篤な電解質障害は、ナトリウム、カリウム、又はカルシウムのレベルの異常を伴う。他の電解質不均衡は、あまり一般的でなく、多くの場合、主要な電解質変化と共に出現する。腎臓は、適切な流体及び電解質均衡を維持するのに最も重要な器官であるが、ホルモン変化及び生理学的ストレス等の他の要因が役割を果たす[2]
【0106】
肝臓の健康:本明細書中で用いられる用語「肝臓の健康」は、健康な肝機能の維持を指す。
【0107】
酸化ストレス:酸化ストレスは、活性酸素種の全身症状と、反応性中間体を容易に無毒化するか、又は結果として生じる損傷を修復する生体系の能力との間の不均衡を反映する。細胞の標準的な酸化還元状態の障害は、タンパク質、脂質、及びDNAが挙げられる細胞の全ての構成要素に損傷を与えるパーオキシド及びフリーラジカルの生成を介して、毒性効果を引き起こし得る。酸化代謝由来の酸化ストレスが、DNAにおける塩基損傷及び鎖切断を引き起こす。塩基損傷は、大部分は間接的であり、生成される活性酸素種(ROS)、例えば、O (スーパーオキシドラジカル)、OH(ヒドロキシルラジカル)、及びH(過酸化水素)によって引き起こされる。さらに、一部の反応性酸化種は、酸化還元シグナル伝達における細胞メッセンジャとしての機能を果たす。ゆえに、酸化ストレスは、細胞シグナル伝達の正常な機構において、中断を引き起こし得る。
【0108】
炎症:炎症は、有害な刺激、例えば、病原体、損傷を受けた細胞、又は刺激剤に対する体組織の複雑な生物学的応答の一部であり、免疫細胞、血管、及び分子メディエータが関与する防御反応である。炎症の機能は、細胞損傷の最初の原因を除去し、壊死細胞及び損傷を受けた組織を最初の傷害及び炎症性プロセスから一掃し、且つ組織修復を開始することである。
【0109】
5つの主要なサインは、熱、痛み、赤み、膨化、及び機能の喪失(ラテン語で熱(calor)、悲しみ(dolor)、発赤(rubor)、腫れ(tumor)、及び機能喪失(functio laesa))である。炎症は、一般的な応答であるので、病原体毎に特有である適応免疫と比較して、自然免疫の機序と考えられる。炎症が少な過ぎると、有害な刺激(例えば細菌)による進行性の組織破壊の原因となって、生物の生存を損なう虞がある。これに対し、炎症が多過ぎると、慢性炎症の形態で、種々の疾患、例えば、花粉症、歯周病、アテローム性動脈硬化症、及び骨関節炎が付随する。
【0110】
炎症は、急性又は慢性のいずれかと分類することができる。急性炎症は、有害な刺激に対する体の最初の応答であり、血液から、負傷した組織中への血漿及び白血球(特に顆粒球)の移動の増大によって達成される。一連の生化学事象は、局所の脈管系、免疫系、及び負傷した組織内の種々の細胞が関与する炎症応答を伝搬且つ成熟させる。慢性炎症として知られている、長期間にわたる炎症は、炎症の部位に存在する細胞のタイプ、例えば単核細胞におけるプログレッシブシフトに至り、そして炎症プロセス由来の組織の同時破壊及び治癒によって特徴付けられる。
【0111】
質量分析と連結された高効率液体クロマトグラフィ:質量分析と連結された高効率液体クロマトグラフィ(LC-MS/MS)は、高度に高感度な分析技術である。これは、分析物、質量/負荷(m/z)、及びその断片(生成物イオン)を読む。これは、高度に高感度な技術であり、10億分の1(ppb又はng/mL)を判定するが、150μL(マイクロリットル)の小サンプル容量しか必要とせず、且つ生物学的マトリックス(血漿)及び代謝物質構成要素の低い干渉しか受けない。
【0112】
栄養パラメータ:A又は栄養パラメータは、本発明の目的で、生存、成長、且つ繁殖するのに生物によって用いられる物質である。栄養は、動物の栄養素要求を説明するために分類され得、且つ多量養素及び微量養素に分けられ得る。多量養素、例えば、炭水化物、脂肪、タンパク質、水は、比較的大量(グラム又はオンス)に消費され、そして主に、エネルギーを生成するか、又は成長及び修復のために組織中に組み込まれるのに用いられる。微量養素、例えばビタミン及び食事性ミネラルは、より少量(ミリグラム又はマイクログラム)で必要とされる。本発明の目的のための微量養素は、限定されないが、ミネラル及びビタミンであり得る。栄養パラメータは、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、微量ミネラルからなる群から選択され得る。好ましくは、栄養パラメータは、ビタミンD3、25-OH-D3、ビタミンA、及び/又はビタミンEから選択される。
【0113】
動物を増やすこと:本発明の文脈において、「動物を増やすこと」は、目的に拘らず、動物の生産を指す。ゆえに、「動物を増やすこと」は、肉及び/又は卵の生産のために動物を増やすことを含む。肉の生産のために飼育されるニワトリは、ブロイラーニワトリである。
【0114】
ビタミンD3:ビタミンD3は脂溶性ビタミンであり、腸管内の酵素的消化プロセス(リパーゼ)及びミセル形成を受けて、腸細胞によって吸収される必要がある(Combs Jr.and McClung,2017)。肝臓を通るときに、水酸化されて、最初の代謝物質:25-OH-D3が生成される。これは、生物において最も豊富な形態であり、主に腎臓においてビタミンDの活性型に代謝且つ変換されるのに利用可能なものである。
【0115】
食事性ビタミンD3に勝る利点に起因して、25-OH-D3飼料包含は、動物栄養補給に現在用いられている戦略である。包含の同じレベルにて、25-OH-D3の吸収は、ビタミンD3(66,5%)よりも高い(74,9%)(Bar et al.,1980)。飼料で与えられる場合、25OHD3は、肝臓内での変換ステージを経る必要はなく(Soares et al.,1995)、ビタミンD3と比較して、腸管における吸収がより効率的であり、保持がより大きく、且つ分泌物がより少なく(Bar et al.,1980)、生物活性が2,0~2,5倍大きく(Soares et al.,1978;Fritts and Waldroup,2003)、そして毒性効果を、その推奨される用量の10倍まで示さない(Yarger et al.,1995)。
【0116】
25-OH-D3は、血流中で最も豊富なビタミンD形態であり、その評価は、ヒトが挙げられる全ての動物種においてビタミンD状況を評価するための測定基準である。この代謝物質の評価は、理想的な食事レベルを決定し、そして重要なパラメータ、例えば、カルシウム及びリン血漿レベル、骨の特徴(Tizziani et al.,2019)、筋タンパク合成(Vignale et al.,2015;Prokoski et al.,2019)、パフォーマンス変数(Zhang et al.,2020)と相関付けて、生産条件間の差異を確立するのに用いられてきた(DSM Field Trial.Lozano,2021)。
【0117】
カルシウム及びリン代謝におけるビタミンDの役割、生理学的プロセス、並びに家禽の必要条件は、十分に解説されている(Rama-Rao et al.,2006;Rama-Rao et al.,2009)。加えて、その、免疫応答の調節(Chou et al.,2009;Morris et al.,2014)、筋肉形成及び肉収量(Hutton et al.,2014;Prokoski et al.,2019)における役割が、最近の文献において広く記載されている。
【0118】
ビタミンD3の最適レベルの包含が、数十年間の研究の対象であった。最初の推奨は、制御された実験条件下で、精製されたか、又は半精製された食物を用いて行われた研究に基づいた(NRC,1994)。しかしながら、当該推奨は、商業生産条件の下で、又は一般に栄養要件を増大させる病原体チャレンジの下で必要とされるものよりも低くなった。
【0119】
商用レベルにて、ビタミンD3包含は、3,000~5,000UI/飼料kgの間を変動する(Bozkurt et al.,2017;Sakkas et al.,2019)。通常、鳥肉会社は、その利用可能な推奨、自身の生産条件、予想されるパフォーマンス、最終生成物、及び投資の最大リターンに基づいて、用いられるべきレベルを決定する。
【0120】
一般に、血漿中の25OHD3の測定により、動物におけるビタミンD状況を知ることが可能となる。健康状況、免疫、及びパフォーマンスと、ビタミンD3状況との間に相関がある。動物によって到達される25OHD3の血漿/血中レベルは、ビタミンD及びコンペティタに勝るその代謝利点に起因して、HyDが飼料中に補充される場合、常により大きい。
【図面の簡単な説明】
【0121】
図1】21日齢のブロイラーニワトリのビタミンD3の血中濃度に及ぼす、食事性25(OH)D3(Hy-D(登録商標))の包含の効果。
【0122】
[発明の実施形態]
1. 動物の血中の少なくとも1つの分析物を判定する方法であって:
vii)動物から1滴の血液を用意する工程と、
viii)工程i)において用意された血液をキャリア上に収集する工程と、
ix)キャリア上の血液を乾燥させる工程と、
x)工程iii)において用意されたキャリア上の血液を分析して、少なくとも1つの分析物の値を測定する工程と
を含む方法。
【0123】
2.
xi)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値を、栄養ガイドラインにおいて推奨される少なくとも1つの分析物のレベルと比較する工程と、
xii)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値が、栄養ガイドラインにおいて推奨される範囲から外れるならば、動物に与えられる飼料を、栄養ガイドラインに従って推奨される動物栄養レベルを確実にするように適応させる工程と
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【0124】
3. 同じ種及び同じ品種の一群の動物を増やす方法であって:
i)一群の少なくとも1頭のメンバーから1滴の血液を用意する工程と、
ii)工程i)において用意された血液をキャリア上に収集する工程と、
iii)キャリア上の血液を乾燥させる工程と、
iv)工程iii)において用意されたキャリア上の血液を分析して、少なくとも1つの分析物の値を測定する工程と、
v)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値を、栄養ガイドラインにおいて推奨される少なくとも1つの分析物のレベルと比較する工程と、
vi)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値が、栄養ガイドラインにおいて推奨される範囲から外れるならば、動物に与えられる飼料を、栄養ガイドラインに従って推奨される動物栄養レベルを確実にするように適応させる工程と
を含む方法。
【0125】
4. 血液は、静脈血である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【0126】
5. 卵黄中の少なくとも1つの分析物を判定する方法であって、
vii)1滴の卵黄を用意する工程と、
viii)工程i)において用意された卵黄をキャリア上に収集する工程と、
ix)キャリア上の卵黄を乾燥させる工程と、
x)工程iii)において用意されたキャリア上の卵黄を分析して、卵黄中の少なくとも1つの分析物の値を測定する工程と
を含む方法。
【0127】
6.
xi)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値を、栄養ガイドラインにおいて推奨される少なくとも1つの分析物のレベルと比較する工程と、
xii)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値が、栄養ガイドラインにおいて推奨される範囲から外れるならば、動物に与えられる飼料を、栄養ガイドラインに従って推奨される動物栄養レベルを確実にするように適応させる工程と
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【0128】
7. 同じ種及び同じ品種の一群の動物を増やす方法であって:
vii)一群の少なくとも1頭のメンバーの卵から1滴の卵黄を用意する工程と、
viii)工程i)において用意された卵黄をキャリア上に収集する工程と、
ix)キャリア上の卵黄を乾燥させる工程と、
x)工程iii)において用意されたキャリア上の卵黄を分析して、少なくとも1つの分析物の値を測定する工程と、
xi)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値を、栄養ガイドラインにおいて推奨される少なくとも1つの分析物のレベルと比較する工程と、
xii)工程iv)において測定された少なくとも1つの分析物の値が、栄養ガイドラインにおいて推奨される範囲から外れるならば、動物に与えられる飼料を、栄養ガイドラインに従って推奨される動物栄養レベルを確実にするように適応させる工程と
を含む方法。
【0129】
8. キャリアは、サンプル収集カードである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【0130】
9. サンプル収集カードは、細胞を溶解させて核酸を精製するための基質でカバーされたボール紙である、請求項8に記載の方法。
【0131】
10. サンプル収集カードは、Whatman(登録商標)903(GE Healthcare、Piscataway、NJ、EUA)である、請求項9に記載の方法。
【0132】
11. 工程iv)における分析は、質量分析と連結された液体クロマトグラフィ(LC-MS/MS)によって実行される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【0133】
12. 分析物は、栄養である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【0134】
13. 分析物は、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、微量ミネラルからなる群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【0135】
14. 分析物は、25-OH-D3、ビタミンA、及び/又はビタミンEから選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【0136】
15. 分析物は、バイオマーカーである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【0137】
16. 分析物は、アルブミン、カルシウム、カロテノイド、クレアチンキナーゼ、グロブリン、グルコース、ヘモグロビン、リン、カリウム、ナトリウム、全二酸化炭素、尿酸からなる群から選択される、請求項1~11及び15のいずれか一項に記載の方法。
【0138】
17. 健康因子及びパフォーマンス因子が、骨強度、肉収量及び卵殻強度、乳熱可能性、孵化率、胚生存能力、腸健康、栄養吸収、骨格の健康、電解質均衡、肝臓の健康、酸化ストレス、並びに炎症の群から選択される、請求項1~13、15、及び16のいずれか一項に記載の方法。
【0139】
18. 動物は、単胃動物、例えばブタ(子ブタ、育成ブタ、及び雌ブタが挙げられるがこれらに限定されない)、家禽(家禽、シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ホロホロチョウ、ガチョウ、ハト、ひな鳥、ニワトリ、ブロイラー、レイヤー、若雌鶏、及びひよこが挙げられるがこれらに限定されない);ペット動物、例えばネコ及びイヌ、魚(アンバージャック、ピラルク、バーブ、バス、ブルーフィッシュ、ボカチコ、ブリーム、ブルヘッド、カチャーマ、コイ、ナマズ、カトラ、サバヒー、チャー、カワスズメ、スギ、タラ、クラッピー、ヘダイ、ドラム、ウナギ、ハゼ、金魚、グラミー、ハタ、グァポテ、オヒョウ、ジャバ、ラベオ、ライ、ドジョウ、サバ、サバヒー、クロサギ、泥魚、ボラ、パコ、パールスポット、ペヘレイ、パーチ、カワカマス、コバンアジ、ローチ、サーモン、サンパ、ソーガー、ハタ、マダイ、シャイナー、スリーパー、スネークヘッド、フエダイ、アカメ、シタビラメ、アイゴ、チョウザメ、マンボウ、アユ、テンチ、テラー、ティラピア、マス、マグロ、ヒラメ、シロマス、ウォールアイ、及びコクチマスが挙げられるがこれらに限定されない);並びに甲殻類(エビ及びクルマエビが挙げられるがこれらに限定されない)である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【0140】
19. 動物は、ブタ(子ブタ、育成ブタ、及び雌ブタが挙げられるがこれらに限定されない)又は家禽(家禽、シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ホロホロチョウ、ガチョウ、ハト、ひな鳥、ニワトリ、ブロイラー、レイヤー、若雌鶏、及びひよこが挙げられるがこれらに限定されない)の群から選択される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【0141】
[実施例]
[実施例1 家禽サンプリング]
[1. 鳥及び収容部]
560羽の1日齢ブロイラーニワトリを、1から21日齢まで、Laboratory of Studies and Research on Production and Nutrition of Non-Ruminant Animals(LEPNAN)(Federal University of Parana、Curitiba、Brazil)のMetabolism Room施設において用いた。鳥を、0.98×0.90×0.50m(長さ×幅×高さ)の区分の4つのフロアを有する代謝ケージ(フロアあたり2つのケージ)内に収容した。全てのケージは、トラフフィーダ及びニップルドリンカを備えた。最高/最低温度計を、温度確認のために用いた。
【0142】
鳥は、飼料及び水を自由に受けた。デジタルタイマー及び電気ポータブルヒーターのそれぞれの使用により、ブリーダーガイドラインに従って、照明プログラム及び適切な室温をセットした。部屋は、窓の開閉によって制御して、自然のまま呼吸させる。日常の仕事は、温度の確認、飼料の用意、及び死んだ鳥についてのケージの点検を含み、死んだ鳥は取り出して、その体重に注目して死亡率を算出する。
【0143】
[2. 実験設計]
Hy-D(登録商標)あり、又はなしの、完全に無作為化した設計を実行し(表1)、合計2処理として、各々40羽の鳥の7反復を有する。
【0144】
【表1】
【0145】
[3. 実験的な食物の調製]
食物を、マッシュ形態で、トウモロコシ及びダイズミールに基づいて提供し、スターター相ブロイラーの栄養要件に注意して調合する。食物は、Hy-D(登録商標)(250g/飼料トンあり、又はなし)の包含に従って変動する。
【0146】
[4. 分析した変数]
20目日に、血液サンプルを、ビタミンD代謝物質のレベルの分析のために、群(対照、HyD)あたり75羽の無作為に選択した鳥から収集して、乾燥血液スポット(DBS)法によって測定した。
【0147】
[5.表3. 実験的な食物の組成]
【0148】
【表2】
【0149】
【表3】
【0150】
[6. 乾燥血液スポット分析]
【0151】
【表4】
【0152】
[実施例2 血液サンプリング指示]
1A(家禽)-鳥を保持して、翼の静脈を穿刺するか、又はシリンジによりサンプルを採る
1B(ブタ)-ブタを拘束して、耳の背面上に位置する耳辺縁静脈を穿刺して、シリンジによりサンプルを採る
2-FTAカードを用いて、1滴の血液を注意深く収集する。血液をFTAと触れさせて、各サークル内にサンプルを置く。
3-他のフィールド(サークル)において、別の動物でプロセスを繰り返す
4-呈色が茶色(乾燥した血液)の特徴をとるまで、サンプルを乾燥させる。
5-動物データによりカードを正確に同定する。例えば、対応するプロジェクト(カスタマー)及び動物情報:年齢、性別、収集の日、農場、及び処理により各サンプルを同定する。
6-サンプルをプラスチックバッグ内に、分析に適していないサンプルを回避することができるほど空気を除去して入れる。
【0153】
サンプリングは、FTAカードを用いるサンプル収集の前に、乾燥又は均質化等のプロセシングのいかなる形態も必要としない。
【0154】
[実施例3 卵黄サンプリング指示]
1-卵を割って、シリンジ又はピペットにより卵黄サンプルを採る
2-FTAカードを用いて、1滴の卵黄を注意深く収集する。卵黄をFTAと触れさせて、各サークル内にサンプルを置く。1サンプルあたり1サークル
3-他のフィールド(サークル)において、別のサンプルでプロセスを繰り返す
4-サンプルを乾燥させる。
5-動物データによりカードを正確に同定する。例えば、対応するプロジェクト(カスタマー)及び動物情報:年齢、性別、収集の日、農場、及び処理により各サンプルを同定する。
6-サンプルをプラスチックバッグ内に、分析に適していないサンプルを回避することができるほど空気を除去して入れる。
【0155】
サンプリングは、FTAカードを用いるサンプル収集の前に、乾燥又は均質化等のプロセシングのいかなる形態も必要としない。
図1
【国際調査報告】