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特表2024-539557防火部の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】防火部の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ
(51)【国際特許分類】
   A62C 4/02 20060101AFI20241022BHJP
   A62C 3/06 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A62C4/02
A62C3/06 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518526
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2022093804
(87)【国際公開番号】W WO2023045362
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111123543.9
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111121576.X
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111123395.0
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111121577.4
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】522396333
【氏名又は名称】中石化安全工程研究院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】于安峰
(72)【発明者】
【氏名】王鵬
(72)【発明者】
【氏名】鮑磊
(72)【発明者】
【氏名】楊哲
(72)【発明者】
【氏名】凌暁東
(72)【発明者】
【氏名】劉金玲
(72)【発明者】
【氏名】王雅真
(72)【発明者】
【氏名】慕雲濤
(72)【発明者】
【氏名】王一昊
(72)【発明者】
【氏名】薑雪
(57)【要約】
本発明は、防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタを開示する。本発明のフレームアレスタは、防火段(4)を含み、防火段(4)は防火段ケース(19)を有し、防火段ケース(19)は、両端のそれぞれに防火段開口部が形成されている中空のものであり、防火段開口部のそれぞれに遮断部が設けられ、2つの遮断部の間に防火室(5)が画定されており、遮断部には複数の開口部が形成され、防火室(5)内に防火粒子が充填されており、防火段(4)は、防火室(5)内に隙間が生じたときに該防火室(5)内へ防火粒子を自動的に充填するように構成された防火粒子補充構造をさらに含む。本発明のフレームアレスタは、爆発による衝撃により消火部に変形が発生した場合、防火部の欠陥を自動的に排除し、延焼防止・防爆の効果を正常に発揮し続けることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防火段(4)を含み、前記防火段(4)は防火段ケース(19)を有し、前記防火段ケース(19)は、両端のそれぞれに防火段開口部が形成されている中空のものであり、前記防火段開口部のそれぞれに遮断部が設けられ、2つの前記遮断部の間に防火室(5)が画定されており、前記遮断部には複数の開口部が形成されており、前記防火室(5)内に防火粒子が充填されている防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタであって、
前記防火段(4)は、前記防火室(5)内に隙間が生じた場合に該防火室(5)内に防火粒子を自動的に充填するように構成された防火粒子補充構造をさらに含む、ことを特徴とする防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項2】
前記防火段ケース(19)に形成された補充口(18)と、前記補充口(18)の縁部から外へ延びている補充筒(20)と、前記補充筒(20)内に形成され、前記防火室(5)に連通する補充室と、該補充室内に設けられたピストン部(21)及びバネ(22)と、を含み、該バネ(22)は、前記防火室(5)に向かう方向に沿って前記ピストン部(21)に弾性的に付勢し、該ピストン部(21)の外縁部と前記補充筒(20)の内壁との間には、間隙が形成されて、前記ピストン部(21)が前記補充室内で前記防火室(5)へ移動することを可能にする、ことを特徴とする請求項1に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項3】
前記補充室は、直線に沿って延びており、かつ延び方向において一定の横断面を有し、前記ピストン部(21)の外縁部と前記補充筒(20)の内壁との間の間隙が前記防火粒子の粒子径以下であり、前記バネ(22)は、一端が前記ピストン部(21)に接続され、他端が前記補充筒(20)の外端の内壁に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項4】
前記ピストン部(21)は板状として形成され、かつその延び方向が前記補充室の延び方向に垂直である、ことを特徴とする請求項3に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項5】
前記ピストン部(21)が前記補充室内で前記補充室の延び方向に沿って動くときに、前記バネ(22)は常に圧縮状態である、ことを特徴とする請求項2に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項6】
前記補充筒(20)の外端は、外端開口部と、前記外端開口部を閉鎖する取り外し可能な外端板(23)と、を有し、外端板接続フランジが前記外端開口部の外縁部から外へ延設され、前記外端板(23)と前記外端板接続フランジは接続部材によって接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項7】
一方の前記防火段開口部から他方の前記防火段開口部に向かう方向に沿って、前記防火室(5)は、少なくとも2つの区画(16)を含み、1番目の前記区画(16)に充填された前記防火粒子の粒子径が2番目の前記区画(16)に充填された前記防火粒子の粒子径よりも大きく、かつ、前記区画(16)毎に少なくとも1つの前記防火粒子補充構造が含まれる、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項8】
一方の前記防火段開口部から他方の前記防火段開口部に向かう方向に沿って、前記防火室(5)は、少なくとも3つの区画(16)を含み、前記防火段開口部から中央に向かう方向に沿って、外側にある前記区画(16)に充填された前記防火粒子の粒子径が、内側にある前記区画(16)に充填された前記防火粒子の粒子径よりも大きい、ことを特徴とする請求項7に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項9】
前記防火段(4)は、両端が開放した直筒状のものであり、前記区画(16)同士の分界面が前記防火段(4)の延び方向に垂直であり、各前記分界面には、前記分界面に沿って延びている仕切りメッシュ(17)が設けられ、前記補充室の延び方向は前記防火段(4)の延び方向に垂直し、
又は、前記防火段ケース(19)は、両端にある拡張段(8)とこの2つの前記拡張段(8)の間にある円筒段とを有し、前記拡張段(8)は、前記遮断部に向かうに従って横断面積が増大する円錐台状筒体として形成される、ことを特徴とする請求項7に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項10】
前記防火粒子は、金属、有機金属骨格材料、分子篩材料、天然ゼオライト、及びセラミックスのうちの1種又は複数種の組み合わせである、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項11】
前記防火段ケース(19)の両端のそれぞれに第1ケース(1)及び第2ケース(2)が接続されており、該第1ケース(1)及び第2ケース(2)は、それぞれ、互いに面する側に内側開口部が形成され、かつ、前記内側開口部の縁部から外へ延びている内側接続フランジ(3)が形成され、前記フレームアレスタは接続部をさらに含み、前記接続部の両端はそれぞれ前記第1ケース(1)の内側接続フランジ(3)及び前記第2ケース(2)の内側接続フランジ(3)に接続され、前記防火段(4)を前記第1ケース(1)と第2ケース(2)との間に介在させる、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項12】
前記第1ケース(1)の内側接続フランジ(3)及び前記第2ケース(2)の内側接続フランジ(3)には、第1接続貫通孔が互いに対応して形成されており、前記接続部は、第1リンク(6)と第1ナット(7)を含み、前記第1リンク(6)は、一端に第1ネジ段が形成され、他端に別の第1ネジ段又は第1キャップが形成され、前記第1ナット(7)は前記第1ネジ段に螺合可能であり、前記第1リンク(6)は前記第1ケース(1)及び前記第2ケース(2)の前記第1接続貫通孔を貫通し、かつ前記第1ナット(7)及び前記第1キャップのいずれの最大外径も、対応する側の前記第1接続貫通孔の最大内径よりも大きく、前記第1ケース(1)及び第2ケース(2)の内側接続フランジ(3)の周方向に複数の前記接続部が設けられる、ことを特徴とする請求項11に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項13】
前記第1ケース(1)及び前記第2ケース(2)は、それぞれ前記内側開口部の一方側に拡張段(8)を有し、前記拡張段(8)は、横断面積が前記内側開口部に向かうに従って増大するように構成される、ことを特徴とする請求項11に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項14】
前記拡張段(8)は、両端が開放した円錐台状筒体として構成され、前記第1ケース(1)及び前記第2ケース(2)は、それぞれ、前記拡張段(8)に接続される円筒段(9)をさらに含み、前記円筒段(9)は、前記拡張段(8)の前記内側開口部と反対する側の縁部から前記円錐台状筒体の回転軸の方向に沿って前記内側開口部と反対する方向に向かって延びている、ことを特徴とする請求項13に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項15】
前記防火段(4)の両端の側壁には、前記防火段開口部の周方向に溝(10)が形成され、前記遮断部は前記溝(10)内に取り付けられる、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項16】
前記防火段(4)の両端にある前記遮断部のそれぞれには、第2接続貫通孔が互いに対応して形成され、前記防火段(4)は、第2リンク(11)と第2ナット(12)をさらに含み、前記第2リンク(11)は、一端に第2ネジ段が形成され、他端に別の第2ネジ段又は第2キャップが形成され、前記第2ナット(12)は、前記第2ネジ段に螺合可能であり、前記第2リンク(11)は、前記防火段(4)の両端にある前記遮断部の前記第2接続貫通孔を貫通し、かつ前記第2ナット(12)及び前記第2キャップのいずれの最大外径も、対応する側の前記第2接続貫通孔の最大内径よりも大きい、ことを特徴とする請求項15に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項17】
前記遮断部は、剛性のバッフル板(13)と、前記バッフル板(13)の内側に位置するメッシュ(14)と、を含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項18】
前記防火段(4)は防火粒子交換構造をさらに含み、前記防火粒子交換構造は防火粒子排出口(24)と防火粒子補充口(25)を含み、前記防火粒子排出口(24)は前記防火段ケース(19)の底部に形成され、前記防火粒子補充口(25)は前記防火段ケース(19)の頂部に形成され、かつ前記防火段(4)は、前記防火粒子排出口(24)を開閉制御するための排出弁(27)と、前記防火粒子補充口(25)を開閉制御するための補充弁(29)と、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項19】
前記防火粒子交換構造は、
前記防火粒子排出口(24)から延びており、前記排出弁(27)が取り付けられる排出通路(26)と、
前記防火粒子補充口(25)から延びており、前記補充弁(29)が取り付けられる補充通路(28)と、
前記排出通路(26)の外端及び/又は前記補充通路の(28)の外端に設けられる防火段コネクタ(30)と、
前記防火段コネクタ(30)に嵌合接続され得るバレルコネクタ(32)が設けられたバレル(31)と、を含む、ことを特徴とする請求項18に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。
【請求項20】
前記防火段(4)に入るガスと前記防火段(4)から排出されるガスとの間の圧力差を検出する圧力差検出部をさらに含み、前記圧力差検出部は、第1圧力検出器(36)と第2圧力検出器(37)を含み、前記第1圧力検出器(36)は前記第1ケース(1)に取り付けられ、かつ検出プローブが前記第1ケース(1)内のキャビティ内に伸び、前記第2圧力検出器(37)は前記第2ケース(2)に取り付けられ、かつ検出プローブが前記第2ケース(2)内のキャビティ内に伸びる、ことを特徴とする請求項18に記載の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタ。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、2021年09月24日に提出された、中国特許出願202111121577.4、202111123395.0、202111121576.X、202111123543.9の利益を主張しており、当該4つの出願の内容は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は、防火・防爆の技術分野に関し、具体的には、防火部の欠陥を自動的に排除する粒子型フレームアレスタに関する。
【0003】
〔背景技術〕
環境保護基準の更なる厳格化に伴い、さまざまな化学会社が石油貯蔵システムでのVOCの収集と処理を大規模に実施し始めていた。タンクエリア内の複数の貯蔵タンク、あるいは工場全体の貯蔵タンクを気相連通パイプラインで一体に接続し、VOCを集中的に収集して処理する方法が採用されている。貯蔵タンクの気相連通後、単一のタンクで火災が発生した場合、火炎は気相連通パイプラインを通って燃え広がり、タンクグループに火災が発生するような重大な危険が生じる。このため、複雑な配管間の防火・防爆技術への要求が高まっており、現在、貯蔵タンクを気相連通する配管の保護手段としては、フレームアレスタの設置が主流となっており、その中でも最も一般的に使用されているのがクリンプリボン型フレームアレスタである。クリンプリボン型フレームアレスタは、通常、タンクの上部、燃焼設備に近い場所やその他の場所に設置されるため、着脱が不便であり、また、既存のクリンプリボン型フレームアレスタは、目詰まりしやすく、クリーニングが困難であり、プロセスの運行に影響を与えるという問題がある。さらに、特に大型のクリンプリボン型フレームアレスタは、爆轟の衝撃によりフレームアレスタ板が飛ばされやすく、欠陥が発生して機能を失い、使用できなくなる。
【0004】
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、爆発による衝撃によりフレームアレスタに変形が発生した場合、防火部の欠陥を自動的に排除し、延焼防止・防爆の効果を正常に発揮し続けることができ、詰まりにくく、着脱しやすく、クリーニングしやすい、防火部の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタを提供することである。
【0005】
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成させるために、本発明は、防火段を含み、前記防火段は防火段ケースを有し、前記防火段ケースは、両端のそれぞれに防火段開口部が形成されている中空のものであり、前記防火段開口部に2つの遮断部が設けられ、2つの前記2つの遮断部の間に防火室が画定されており、前記遮断部には複数の開口部が形成されており、前記防火室内に防火粒子が充填されている、防火部の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタであって、前記防火段は、前記防火室内に隙間が生じた場合に該防火室内に防火粒子を自動的に充填するように構成された防火粒子補充構造をさらに含む、防火部の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタを提供する。好ましい形態では、防火粒子補充構造は、前記防火段ケースに形成された補充口と、前記補充口の縁部から外へ延びている補充筒と、前記補充筒内に形成され、前記防火室に連通する補充室と、該補充室内に設けられたピストン部及びバネと、を含み、該バネは、前記防火室に向かう方向に沿って前記ピストン部に弾性的に付勢し、該ピストン部の外縁部と前記補充筒の内壁との間には、間隙が形成されて、前記ピストン部が前記補充室内で前記防火室へ移動することを可能にする。
【0006】
好ましくは、一方の前記防火段開口部から他方の前記防火段開口部に向かう方向に沿って、前記防火室は、少なくとも2つの区画を含み、1番目の前記区画に充填された前記防火粒子の粒子径が2番目の前記区画に充填された前記防火粒子の粒子径よりも大きく、かつ、前記防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタでは、前記区画毎に少なくとも1つの前記防火粒子補充構造が含まれる。
【0007】
好ましくは、防火段ケースの両端のそれぞれに第1ケース及び第2ケースが接続されており、前記第1ケース及び第2ケースは、それぞれ、互いに面する側に内側開口部が形成され、かつ、前記内側開口部の縁部から外へ延びている内側接続フランジが形成され、前記防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタは接続部をさらに含み、前記接続部の両端はそれぞれ前記第1ケースの内側接続フランジ及び前記第2ケースの内側接続フランジに接続され、前記防火段を前記第1ケースと第2ケースとの間に介在させる。
【0008】
好ましくは、前記防火段は防火粒子交換構造をさらに含み、前記防火粒子交換構造は防火粒子排出口と防火粒子補充口を含み、前記防火粒子排出口は前記防火段ケースの底部に形成され、前記防火粒子補充口は前記防火段ケースの頂部に形成され、かつ前記防火段は、前記防火粒子排出口を開閉制御するための排出弁と、前記防火粒子補充口を開閉制御するための補充弁と、を含む。
【0009】
〔発明の効果〕
本発明による防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタは、構造が簡単で、防火段に粒子状の防火材料が使用されており、粒子状の防火材料は、相対表面積が大きく、熱交換面積が大きく、熱伝導が容易で、防火性能に優れ、しかも、詰まりにくく、クリーニングしやすいという利点を防火段自体に持たせる。さらに、本発明の防火段は防火粒子補充構造をさらに含み、防火粒子を充填する際には、防火粒子で防火室が満たされた後、防火粒子が補充室に入り、ピストン部に突き当たって防火室の外側へ移動し、バネを圧縮状態にする。該防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタが正常に使用されるときに、バネは常に圧縮状態のままであり、補充室内の防火粒子は補充室内に保持され、防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタが爆発による衝撃を受けると、防火室内の防火粒子はより緻密になり、また、衝撃により遮断部が変形することもあり、この場合、防火室内(頂部にある部分)に一定の隙間が生じ、このとき、圧縮状態にあるバネによる付勢により、ピストン部は補充室の延び方向に沿って移動し、補充室内の防火粒子を防火室に押し込み、防火室内に生じた隙間を再び満たし、防火室内を防火粒子で満たすようにし、それによって、フレームアレスタに欠陥(隙間)が発生し、防火能力が失われることを回避する。このため、本発明の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタは、爆発による衝撃によりフレームアレスタに変形が発生した場合、防火部の欠陥を自動的に排除し、延焼防止・防爆の効果を正常に発揮し続けることができる。
【0010】
〔発明を実施するための形態〕
なお、本発明における実施形態および実施形態における特徴は、矛盾することなく互いに組み合わされてもよい。
【0011】
本発明では、「反対する」、「面する」、「周方向」、「軸方向」等の用語で示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、また、実際に使用される方位又は位置関係にも対応することを理解されたい。「内、外」とは、各部材自体の輪郭に対する内、外を意味するものであって、係る装置又は構成要素が特定の方位を有したり、特定の方位で構成され、動作しなければならないことを示すものではないので、本発明の限定として理解することはできない。
【0012】
以下、図面を参照し、実施形態と組み合わせて本発明を詳細に説明する。
【0013】
図1図3に示すように、本発明は、防火部の欠陥を自動的に排除するフレームアレスタを提供し、該フレームアレスタは、第1ケース1と、第2ケース2と、前記第1ケース1と前記第2ケース2との間に位置する防火段4と、を含み、前記防火段4は防火段ケース19を有し、前記防火段ケース19は、前記第1ケース1及び前記第2ケース2にそれぞれ面する2つの防火段開口部を有する中空のものであり、前記防火段4は、それぞれ前記2つの防火段開口部に設けられた2つの遮断部をさらに含み、前記2つの遮断部の間に防火室5が画定されており、前記遮断部には複数の開口部が形成され、前記防火室5内に防火粒子が充填されている。前記防火段4は、防火粒子補充構造をさらに含み、前記防火粒子補充構造は、補充口18、補充筒20、補充室、ピストン部21、及びバネ22を含み、前記補充口18は前記防火段ケース19に形成され、前記補充筒20は前記補充口18の縁部から外(防火室5外)へ延びており、前記補充筒20の内部には、前記防火室5に連通する補充室が形成されており、前記ピストン部21及び前記バネ22は前記補充室内に位置し、前記ピストン部21の外縁部と前記補充筒20の内壁との間の間隙が前記防火粒子の粒子径以下であり、前記バネ22は、一端が前記ピストン部21に接続され、他端が前記補充筒20の外端の内壁に接続される。
【0014】
本発明のフレームアレスタでは、該フレームアレスタの一方側で火災や爆発が発生した場合、火炎が、まず、第1ケース1又は第2ケース2を経て、次に、防火段4を流れ、このとき、一方の防火段開口部から他方の防火段開口部にかけて、防火室5内の防火粒子と熱交換し、温度を下げ、また、燃焼反応によるラジカルが粒子状物の表面で消光し、それにより燃焼反応によるラジカルの濃度が低下し、温度及びラジカルの濃度が燃焼反応に不十分に低下すると、燃焼が停止し、このように、火炎や爆発が他方側まで伝播して、事故を深刻化することを効果的に阻止できる。
【0015】
本発明による防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタは、防火部の欠陥を自動的に排除することができ、構造が簡単で、防火段4に粒子状の防火材料が使用されており、粒子状の防火材料は、相対表面積が大きく、熱交換面積が大きく、熱伝導が容易で、防火性能に優れ、しかも、詰まりにくく、クリーニングしやすいという利点を防火段4自体に持たせる。さらに、本発明の防火段4は防火粒子補充構造をさらに含み、防火粒子を充填する際には、防火粒子で防火室5が満たされた後、防火粒子が補充室に入り、ピストン部21に突き当たって防火室5の外側へ移動し、バネ22を圧縮状態にする。該フレームアレスタが正常に使用されるときに、バネ22は常に圧縮状態のままであり、補充室内の防火粒子は補充室内に保持され、フレームアレスタが爆発による衝撃を受けると、防火室5内の防火粒子はより緻密になり、また、衝撃により遮断部が変形することもあり、この場合、防火室5内(頂部にある部分)に一定の隙間が生じ、このとき、圧縮状態にあるバネ22による付勢により、ピストン部21は補充室の延び方向に沿って移動し、補充室内の防火粒子を防火室5に押し込み、防火室5内に生じた隙間を再び満たし、防火室5内を防火粒子で満たすようにし、それによって、防火段4に欠陥(隙間)が発生し、防火能力が失われることを回避する。このため、本発明の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタは、爆発による衝撃によりフレームアレスタに変形が発生した場合、防火部の欠陥を自動的に排除し、延焼防止・防爆の効果を正常に発揮し続けることができる。
【0016】
ここで、前記補充室は、直線に沿って延びており、かつ延び方向において一定の横断面を有する。例えば、前記補充室は、直筒状であってもよく、ピストン部21が補充室内でスムーズに動けるように、円形、楕円形や正方形など任意の適切な形状の横断面を有してもよい。
【0017】
さらに、図2及び図3に示すように、ピストン部21は板状として形成されてもよく、かつその延び方向が前記補充室の延び方向に垂直である。
【0018】
ピストン部21は、前記ピストン部21の外縁部と前記補充筒20の内壁との間の間隙が前記防火粒子の粒子径以下であることを満たす限り、防火粒子が補充室のピストン部21の外側にある部分に入り、防火粒子補充機構の故障を引き起こすことなく、防火粒子を押して移動させることができる。一般には、ピストン部21は、外縁部が補充筒20の内壁に実質的に近くなるように構成されてもよい。
【0019】
さらに、前記防火粒子補充構造の機能をより確実に維持するために、好ましくは、前記ピストン部21が前記補充室内で前記補充室の延び方向に沿って移動するときに、前記バネ22は常に圧縮状態である。
【0020】
また、防火段4内への防火粒子の補充を容易にするとともに、粒子防火補充構造のメンテナンスを容易にするために、好ましくは、前記補充筒20の外端は、外端開口部と、前記外端開口部を閉鎖する取り外し可能な外端板23と、を有する。
【0021】
さらに、外端板接続フランジは前記外端開口部の外縁部から外へ延設されてもよく、前記外端板23及び前記外端板接続フランジは接続部材によって接続され、例えば、前記外端板接続フランジの周方向に複数の貫通孔が等間隔で形成されてもよく、外端板23には、複数の貫通孔が対応して形成される。前記外端板接続フランジ及び外端板23の対応する貫通孔を貫通するボルトや前記ボルトと嵌合するナットにより、前記外端板接続フランジ及び外端板23は接続される。
【0022】
図6は、好ましい実施形態の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタを示し、この防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタは、以下の相違点以外、図1図3の実施形態とほぼ同様な構造を有する。一方の前記防火段開口部から他方の前記防火段開口部に向かう方向に沿って、前記防火室5は、少なくとも2つの区画16を含み、1番目の前記区画16に充填された前記防火粒子の粒子径が、2番目の前記区画16に充填された前記防火粒子の粒子径よりも大きく、かつ、前記防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタでは、前記区画16毎に少なくとも1つの前記防火粒子補充構造が含まれる。
【0023】
各防火粒子補充構造は、対応する区画に防火粒子を補充する。本実施形態では、防火室5は複数の区画16を有し、それにより、一方の前記防火段開口部から他方の前記防火段開口部に向かう方向において、火炎はこれらの複数の区画16を順次経て、具体的には、1番目の区画を経てから、2番目の区画を経て、1番目の区画では、難燃性粒子は粒子径が大きいので、圧力波を火炎から分離し、爆轟を爆燃に変換し、このように粒子径が大きな難燃性粒子が充填された区画(ベッド)は爆発衝撃に強く、このようなベッドの変形への耐性が高く、また、それに続く2番目の区画では、難燃性粒子は粒子径が小さく、熱伝導率が高く、火炎の温度をより速く低下させ、火炎を消炎することができ、このような組み合わせ構成により、複数の区画を有する防火段4には、より良好な防火・防爆効果が得られる。
【0024】
一実施形態として、図7に示すように、前記防火室5は2つの区画を含んでもよく、入口側の1番目の区画内の防火粒子の粒子径が、出口側の2番目の区画内の防火粒子の粒子径よりも大きい。本実施形態では、1番目の前記区画16に充填された前記防火粒子の粒子径は3mm~5mmであり、2番目の前記区画16に充填された前記防火粒子の粒子径は1mm~2.5mmである。
【0025】
好ましくは、図8に示すように、一方の前記防火段開口部から他方の前記防火段開口部に向かう方向に沿って、前記防火室5は少なくとも3つの区画を含んでもよい。前記防火段開口部から中央に向かう方向に沿って、外側の前記区画に充填された前記防火粒子の粒子径が、内側の前記区画に充填された前記防火粒子の粒子径よりも大きい。それによって、火炎が第1ケース1から入るか第2ケース2から入るかに関わらず、防火段4において良好な防火・防爆効果が得られる。この場合、フレームアレスタは、両方向共に欠陥を自動的に排除することができる粒子型フレームアレスタとして使用され、取り付け方向に限定はない。
【0026】
あるいは、前記防火室5は3つの区画16を含んでもよく、両側にある前記区画に充填された前記防火粒子の粒子径が等しく、また、両方ともに中央にある前記区画に充填された前記防火粒子の粒子径よりも大きい。この場合、防火室5は完全に対称的な構造である。例えば、両側にある前記区画16に充填された前記防火粒子の粒子径は3~5mmであってもよく、中央にある前記区画16に充填された前記防火粒子の粒子径は1mm~2.5mmであってもよい。
【0027】
さらに、前記防火段4は、両端が開放した直筒状のものであってもよく、前記区画同士の分界面が前記防火段4の延び方向に垂直であり、各前記分界面には、前記分界面に沿って延びている仕切りメッシュ17が設けられ、各区画内のグループ又は粒子を分離し、それによって、複数の防火ベッドが形成される。前記仕切りメッシュ17は、高温に耐えられる金属メッシュであってもよい。前記補充室の延び方向は前記防火段4の延び方向に垂直である。
【0028】
防火粒子の選択については、前記防火粒子は、金属、有機金属骨格材料、分子篩材料、天然ゼオライト、及びセラミックスのうちの1種又は複数種の組み合わせであってもよい。
【0029】
各区画16内の防火粒子は、同一又は異なる材質であってもよい。例えば、一実施形態として、前記防火室5は3つの区画を含み、両側にある前記区画に充填された防火粒子は、粒子径5mmのアルミナセラミックス粒子であり、中央にある前記区画に充填された防火粒子は、粒子径2mmのステンレスボールである。別の実施形態では、防火室は3つの区画を含み、両側にある前記区画に充填された防火粒子は、粒子径4mmの天然ゼオライトであり、中央にある前記区画に充填された防火粒子は、粒子径2.2mmの分子篩材料である。
【0030】
さらに、前記防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタでは、前記第1ケース1及び第2ケース2は、それぞれ、互いに面する側に内側開口部が形成され、かつ、前記内側開口部の縁部から外へ延びている内側接続フランジ3が形成される。前記防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタは接続部をさらに含み、前記防火段4は、前記2つの防火段開口部にそれぞれ設けられた2つの遮断部を含み、前記2つの遮断部の間に防火室5が画定されており、前記遮断部に複数の開口部が形成されており、前記接続部の両端はそれぞれ前記第1ケース1の内側接続フランジ3及び前記第2ケース2の内側接続フランジ3に接続され、前記防火段4を前記第1ケース1と第2ケース2との間に介在させる。
【0031】
前記防火段4は、両側にある第1ケース1と第2ケース2との間に介在するが、第1ケース1及び第2ケース2には直接接続されるのではなく、接続部によって第1ケース1の内側接続フランジ3と第2ケース2の内側接続フランジとを一体に接続することにより、第1ケース1と第2ケース2との間に限定され、したがって、防火段4のクリーニング、メンテナンスや交換が必要となる場合、接続部を外すと防火段4を取り外すことができる。接続部は第1ケース1及び第2ケース2の内側開口部の縁部から外へ延びている内側接続フランジに位置するので、着脱が容易で、それにより、フレームアレスタの着脱の便利性が向上し、かつ、各段を個別に加工可能な多段式構造によって、フレームアレスタの加工難度やコストも低減する。
【0032】
あるいは、前記第1ケース1の内側接続フランジ3及び前記第2ケース2の内側接続フランジ3には、第1接続貫通孔が互いに対応して形成されており、前記接続部は、第1リンク6と第1ナット7を含み、前記第1リンク6は、一端に第1ネジ段が形成され、他端に別の第1ネジ段又は第1キャップが形成され、前記第1ナット7は、前記第1ネジ段に螺合可能であり、前記第1リンク6は前記第1ケース1及び前記第2ケース2の前記第1接続貫通孔を貫通し、かつ前記第1ナット7及び前記第1キャップのいずれの最大外径も、対応する側の前記第1接続貫通孔の最大内径よりも大きい。
【0033】
上記の形態では、第1ナット7と第1リンク6などにより接続部が構成されることにより、防火段4の着脱が容易になる。上記の形態では、2つの実施形態が含まれ、その1つとして、第1リンク6の両端共に第1ネジ段が設けられ、これら第1ネジ段のいずれにも第1ナット7が螺合可能であり、第1リンク6が第1ケース1及び第2ケース2の第1接続貫通孔を貫通すると、その両端の第1ネジ段における第1ナット7を締め付けることにより、2つの第1ナット7による制限により第1ケース1と第2ケース2は互いに接続されるようになる。取り外す際には、いずれかの側の第1ナット7を緩めて、第1リンク6を取り外せばよい。もう1つとしては、第1リンク6の一端に第1ネジ段、他端にキャップが設けられ、第1リンク6が第1ケース1及び第2ケース2の第1接続貫通孔を貫通すると、第1ネジ段における第1ナット7を締め付けることにより、第1ナット7及びキャップによる制限により第1ケース1と第2ケース2は互いに接続されるようになる。取り外す際には、第1ナット7を緩めて、第1リンク6を取り外すことができる。この実施形態では、固定キャップが存在するため、第1ケース1と第2ケース2を互いに接続する操作の利便性や安定性が向上する。
【0034】
さらに、図1に示す接続部は、防火段4を第1ケース1と第2ケース2との間に安定的に挟むために、前記防火段4の周方向に少なくとも2つ設けられる。
【0035】
また、具体的には、前記防火段4は直筒状のものであってもよく、前記第1リンク6は前記防火段4の延び方向に沿って延びており、例えば、防火段4は円筒状のものであってもよく、第1リンク6は防火段4の軸方向に沿って延びており、このように、第1ケース1と第2ケース2との接続安定性の更なる向上に有利である。
【0036】
好ましくは、第1ケース1と第2ケース2との接続安定性をさらに向上させるために、前記第1ケース1及び第2ケース2の内側接続フランジ3の周方向に複数の前記接続部が設けられ、例えば、第1ケース1及び第2ケース2の内側接続フランジ3の周方向に第1リンク6と第1ナット7を含む接続部が複数組設けられ、かつ、前記複数の接続部は、前記第1ケース1及び第2ケース2の内側接続フランジ3の周方向に等間隔で設けられてもよい。
【0037】
さらに、図1に示すように、本実施形態では、前記第1ケース1及び前記第2ケース2は、それぞれ前記内側開口部の一方側に拡張段8を有し、前記拡張段8は、横断面積が前記内側開口部に向かうに従って増大するように構成され、それによって、該フレームアレスタの一方側で火災や爆発が発生した場合、火炎が先に第1ケース1又は第2ケース2の拡張段8を経て、拡張段8の横断面積が防火段4に向かうに従って増大するため、火炎の流通面積が徐々に増大し、火炎の前進速度や圧力が徐々に減少し、それは、防火・防爆効果を高めるのに有利である。
【0038】
さらに、具体的には、図1に示すように、本実施形態では、前記拡張段8は、両端が開放した円錐台状筒体として構成され、前記第1ケース1及び前記第2ケース2は、それぞれ、前記拡張段8に接続される円筒段9をさらに含み、前記円筒段9は、前記拡張段8の前記内側開口部と反対する側の縁部から前記円錐台状筒体の回転軸の方向に沿って前記内側開口部と反対する方向に向かって延びており、この場合、前記防火段4は円筒状のものである。
【0039】
ここで、前記拡張段8の内側開口部側の内径と内側開口部と反対する側の内径との比は、好ましくは1.5~4に制御され、それにより、拡張段8の加工難度向上、コスト増大やフレームアレスタ構造安定性の劣化を引き起こすことなく、火炎の前進速度及び圧力を低下させる効果がさらに得られる。さらに好ましくは、前記拡張段8の内側開口部側の内径と内側開口部と反対する側の内径との比は、好ましくは2.2~2.8に制御される。
【0040】
さらに、好ましくは、前記第1ケース1及び前記第2ケース2は、互いに対称的な構造を持つ。例えば、図1に示すように、前記第1ケース1及び前記第2ケース2は、形状やサイズの両方が完全に対称的であり、円筒状の防火段4の外径は拡張段8の内側開口部での外径にほぼ等しく、かつ第1ケース1、第2ケース2、及び防火段4は同軸に設けられる。さらに、内側接続フランジ3は前記円錐台状筒体の回転軸に垂直であり、これは、第1ケース1と第2ケース2との接続安定性の向上に有利である。
【0041】
防火段4と内側接続フランジ3との間にガスケットが設けられていてもよい。前記防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタを対応する配管や装置に取り付けるために、前記第1ケース1及び前記第2ケース2は、それぞれ、互いに反対する側に取り付けフランジ15が形成されている。
【0042】
図2に示すように、好ましくは、前記防火段4の両端の側壁には、前記防火段開口部の周方向に溝10が形成され、前記遮断部は前記溝10内に取り付けられる。
【0043】
遮断部は、遮断部が他の接続部材を介せずに防火段の本体に接続されるように、前記溝10内に締まり嵌めしてもよい。
【0044】
あるいは、前記防火段4の両端にある前記遮断部のそれぞれには、第2接続貫通孔が互いに対応して形成され、前記防火段4は、第2リンク11と第2ナット12をさらに含み、前記第2リンク11は、一端に第2ネジ段が形成され、他端に別の第2ネジ段又は第2キャップが形成され、前記第2ナット12は、前記第2ネジ段に螺合可能であり、前記第2リンク11は、前記防火段4の両端にある前記遮断部の前記第2接続貫通孔を貫通し、かつ前記第2ナット12及び前記第2キャップのいずれの最大外径も、対応する側の前記第2接続貫通孔の最大内径よりも大きい。
【0045】
上記の形態では、第2リンク11や第2ナット12などにより、遮断部の着脱がより容易になる。上記の形態では、2つの実施形態が含まれ、その1つとしては、第2リンク16の両端共に第2ネジ段が設けられ、これら第2ネジ段のいずれにも第2ナット12が螺合可能であり、第2リンク11が2つの遮断部の第2接続貫通孔を貫通すると、その両端の第2ネジ段における第2ナット12を締め付けることにより、2つの第2ナット12による制限により両端の遮断部と中央の防火段本体は互いに接続されるようになる。取り外す際には、いずれかの側の第2ナット12を緩めて、第2リンク11を取り外せばよい。もう1つとしては、第2リンク11の一端に第2ネジ段、他端にキャップが設けられ、第2リンク11が2つの遮断部の第2接続貫通孔を貫通すると、第2ネジ段における第2ナット12を締め付けることにより、第2ナット12及びキャップによる制限により両端の遮断部と中央の防火段本体は互いに接続されるようになる。取り外す際には、第2ナット12を緩めて、第2リンク11を取り外すことができる。この実施形態では、固定キャップが存在するため、2つの遮断部と中央の防火段本体を互いに接続する操作の利便性や安定性がさらに向上する。
【0046】
好ましくは、前記防火段4の両端では、前記遮断部の縁部は、対応する側の前記内側接続フランジ3に当接する。上記で説明した、前記防火段4の両端の側壁には、前記防火段開口部の周方向に溝10が形成され、前記遮断部は前記溝10内に取り付けられるという構成要件を考慮して、防火段4が第1ケース1と而第2ケース2との間に介在するときに、対応する側の内側接続フランジ3により制限作用も遮断部に印加されるので、遮断部の構造安定性がよりよくなり、爆発への耐性が高く、変形が困難になることが理解される。
【0047】
遮断部の耐爆発変形性を高めるために、好ましくは、遮断部は剛性のバッフル板13を含み、さらに、前記遮断部は前記バッフル板13の内側に位置するメッシュ14をさらに含み、メッシュ14は、高温に耐えられる網状の金属メッシュであり、防火粒子を防火室5内に限定することに用いられ、一方、バッフル板13は、剛性支持構造として機構することができ、それにより、遮断部の構造安定性がよりよくなり、爆発への耐性が高く、変形が困難になる。
【0048】
ここで、前記メッシュ14の網目のサイズは、防火室5内の防火粒子の粒子径によって決まる。
【0049】
メッシュ14が設けられた場合、バッフル板13の開口部の大きさは任意のものであってもよいことが理解される。例えば、図5A図5Cには、3つの利用可能なバッフル板13が示されており、この3つのバッフル板13は、いずれも図4のメッシュ14と組み合わせられてもよく、これらのメッシュ14及びバッフル板13は、すべて円筒状の防火段本体に対して設けられるものであり、円筒状の防火段本体は、円形の端部を有し、このため、バッフル板13及びメッシュ14も、対応する円形の外輪郭を有し、防火段本体の輪郭が変わると、バッフル板13及びメッシュ14の外輪郭の形状もその分変化する。バッフル板13は、周方向枠と、前記周方向枠内に嵌設された少なくとも1つの内枠(円筒状の防火段4に対応、図には、環状枠)と、を有し、前記バッフル板13は、前記内枠と前記周方向枠とを接続する径方向リンクをさらに含み、前記バッフル板13の周方向に複数の前記径方向リンクが間隔を開けて設けられる。図示の場合、径方向リンクは、バッフル板13の中央から縁部まで放射状に延びている。メッシュ14とバッフル板13との接合に関しては、本実施形態では、バッフル板13及びメッシュ14のいずれの中央にも接続貫通孔が設けられ、第2リンク11はこれらの接続貫通孔を貫通してバッフル板13とメッシュ14を一体に接続するが、メッシュ14は、これに加えて、又は個の代わりに他の接続方式によりバッフル板13に接続されてもよい。バッフル板13は他の任意の適切な形態としてもよいことが理解され、例えば、図5Dに示すように、前記バッフル板13は格子状のものとして構成され、該格子状のバッフル板13の格子の間隙が防火粒子の粒子径未満になると、メッシュ14を省略してバッフル板13のみを個別に設けてもよい。
【0050】
本発明の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタでは、フレームアレスタの一方の側で火災や爆発が発生した場合、火炎が、まず、第1ケース1又は第2ケース2を経て、特に拡張段8が存在する場合、拡張段8の横断面積が防火段4に向かうに従って増大するため、火炎の流通面積が徐々に増大し、火炎の前進速度及び圧力が徐々に低下する。次に、火炎が防火段4を流れ、このとき、消火室5内の防火粒子と熱交換し、温度を下げ、また、燃焼反応によるラジカルが粒子状物の表面で消光し、それにより、燃焼反応によるラジカルの濃度が低下し、温度及びラジカルの濃度が燃焼反応に火十分に低下すると、燃焼が停止し、このように、火炎や爆発が他方側まで伝播して、事故を深刻化することを効果的に阻止できる。
【0051】
防火粒子を選択する際には、上記の材質に加えて、防火粒子の形状は、球状、楕球形など、防火粒子同士に微細な流通通路が形成され得る形状を含むが、これらに限定されるものではなく、このように、ガスがこれらの流通通路を介して流通可能になる。通常、防火粒子間に形成し得る前記流通通路には、防爆等級を満たすことが求められ、例えば、防爆等級がIIA級である場合、前記流通通路は0.85以下であり、例えば、防爆等級がIIB3級である場合、前記流通通路は0.6以下であり、例えば、防爆等級がIIB3級である場合、前記流通通路は0.4以下である。さらに、具体的には、例えば、防火粒子は、粒子径2mmの球状金属粒子としてもよく、この場合、消火室5を満たす球状金属粒子間には0.73mmの流通通路が形成され、防爆等級がIIAの作動条件に対応できる。正常な作動条件では、ガスは一方側のケースの外側開口部から流入し、拡張段8を経て防火段4に流入し、次に、防火粒子間に形成された前記流通通路を流通し、さらに他方側のケースの収縮段8を経て、他方側のケースの外側開口部から流出する。
【0052】
図9に示すように、本発明は、防火粒子をオンラインで交換することができ、防火部の欠陥を自動的に排除することができるフレームアレスタを提供し、該フレームアレスタは、第1ケース1と、第2ケース2と、前記第1ケース1と前記第2ケース2との間に位置する防火段4と、を含み、前記防火段4は防火段ケース19を有し、前記防火段ケース19は、前記第1ケース1及び前記第2ケース2にそれぞれ面する2つの防火段開口部を有する中空のものであり、前記防火段4は、それぞれ前記2つの防火段開口部に設けられた2つの遮断部をさらに含み、前記2つの遮断部の間に防火室5が画定されており、前記遮断部には複数の開口部が形成され、前記防火室5内に防火粒子が充填されている。前記防火段4は、防火粒子交換構造をさらに含み、前記防火粒子交換構造は、防火粒子排出口24と防火粒子補充口25を含み、前記防火粒子排出口24は前記防火段ケース19の底部に形成され、前記防火粒子補充口25は前記防火段ケース19の頂部に形成され、かつ前記防火段4は、前記防火粒子排出口24を開閉制御するための排出弁27と、前記防火粒子補充口25を開閉制御するための補充弁29と、をさらに含む。
【0053】
本発明では、防火段4に設けられた防火粒子交換構造によって、防火室5内の防火粒子の交換が必要となる場合、排出弁27を開いて、防火室5内の防火粒子を防火粒子排出口24から排出し、防火室5内の防火粒子の排出が完了すると、排出弁27を閉じ、その後、補充弁29を制御して防火粒子補充口25を開き、新しい防火粒子を防火粒子補充口25から防火室5に補充し、補充完了後、補充弁29を制御して防火粒子補充口25を閉じてもよく、それによって、防火粒子のオンライン交換が可能なフレームアレスタが使用可能になる。防火粒子を交換する際には、フレームアレスタを配置対象の配管やタンク又は装置から取り外す必要がなくなり、防火粒子のオンライン交換が容易に実施され得る。
【0054】
具体的には、いくつかの実施形態では、前記防火粒子交換構造は、前記防火粒子排出口24から延びている排出通路26を含み、前記排出弁27は前記排出通路26に取り付けられ、前記防火粒子交換構造は、前記防火粒子補充口25から延びている補充通路28をさらに含み、前記補充弁29は前記補充通路28に取り付けられる。
【0055】
防火粒子を通路内で輸送しやすくするために、前記排出通路26及び前記補充通路28は、いずれも、垂直方向に延びている直筒状のものである。さらに、図には、前記排出通路26及び前記補充通路28は、いずれも管状のものである。
【0056】
好ましくは、前記防火粒子交換構造は、前記排出通路26の外端及び/又は前記補充通路28の外端に設けられた防火段コネクタ30をさらに含む。図10及び図11に示すように、防火粒子のオンライン交換が可能なフレームアレスタは、前記防火段コネクタ30に嵌合接続され得るバレルコネクタ32が設けられたバレル31をさらに含む。バレル31は、防火室5内に充填すべき防火粒子を収容するか、又は防火室5から排出された防火粒子を受けることに用いられ、一方、防火段コネクタ30とバレルコネクタ32とが嵌合接続される構造により、バレル31と防火段4を素早く接続することが可能とされており、例えば、防火段コネクタ30及びバレルコネクタ32のいずれも、タイロッド式クイックコネクタを使用することができ、それによって、工具を必要としない高速接続が実現される。
【0057】
さらに、いくつかの実施形態では、前記バレル31には、第1バレル開口部35及び前記第1バレル開口部35から延びているバレル通路33が形成され、前記バレル通路33には、前記バレル開口部35を開閉制御するためのバレル弁34が設けられる。前記バレルコネクタ32は前記バレル通路33の外端に設けられる。さらに、防火粒子がバレル31に出入りすることを容易にするために、前記バレル通路33は、直筒状、例えば図示の直管状であってもよい。
【0058】
さらに、いくつかの実施形態では、前記バレル31には、第2バレル開口部、及び前記第2バレル開口部を閉鎖するための取り外し可能なカバーがさらに形成されており、例えば、前記第2バレル開口部は、前記第1バレル開口部35に対向してもよいが、第2バレル開口部はより大きくしてもよく、例えば、バレル31は、新しい防火粒子をバレル31に補充したり、バレル31に収容された使い捨ての防火粒子を排出したりすることを容易にするために、第1バレル開口部35に対向する側で完全に開くことができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、排出通路及び補充通路にそれぞれ嵌合接続するための2つのバレル31が設けられてもよい。
【0060】
図9に示すように、いくつかの実施形態では、前記防火粒子のオンライン交換が可能なフレームアレスタは、前記防火段4に入ったガスと前記防火段4から排出されたガスとの間の圧力差を検出するための圧力差検出部をさらに含む。それによって、防火段4の作動状況は前記圧力差検出部によって監視されてもよく、防火段4が目詰まりのために正常に作動できなくなった場合、圧力差検出部により検出到された圧力差の値が大きくなり、作業者は検出された圧力差の値から防火段4の目詰まり有無、防火室5内の防火粒子交換の必要性の有無を判断することができる。
【0061】
例えば、あるいは、前記圧力差検出部は、第1圧力検出器36と第2圧力検出器37を含み、前記第1圧力検出器36は、前記第1ケース1に取り付けられ、かつ検出プローブが前記第1ケース1内のキャビティ内に伸び、前記第2圧力検出器37は前記第2ケース2に取り付けられ、かつ検出プローブが前記第2ケース2内のキャビティ内に伸びる。
【0062】
好ましくは、前記第1圧力検出器36及び第2圧力検出器37は、できる限り防火段4に近く取り付けられ、かつ、前記防火粒子のオンライン交換が可能なフレームアレスタは、制御ユニットと警報ユニットをさらに含んでもよく、前記圧力差検出部の信号出力端子は制御ユニットの信号入力端子に電気的に接続され、前記制御ユニットの信号出力端子は警報ユニットの信号入力端子に電気的に接続されてもよく、制御ユニットは、前記第1圧力検出器36及び第2圧力検出器37により検出された圧力差の値を受信すると、防火粒子の交換が必要となる程度か否かを判断し、例えば、圧力差の値が所定値になると、警報ユニットに信号を送信し、警報ユニットは警報を出し、防火粒子の交換を作業者に促す。
【0063】
図12に示す好ましい実施形態では、前記防火粒子のオンライン交換が可能なフレームアレスタにおいて、前記第1ケース1及び第2ケース2は、それぞれ、互いに面する側に内側開口部が形成され、かつ、前記内側開口部側に拡張段8を有し、前記拡張段8は、横断面積が前記内側開口部に向かうに従って増大するように構成される。図13に示す別の好ましい実施形態では、防火段ケース19の両端は拡張段8を有してもよく、前記拡張段8は、横断面積が前記遮断部から離れるに従って増大する。
【0064】
よって、防火粒子のオンライン交換が可能なフレームアレスタの一方側で火災や爆発が発生した場合、火炎が、まず、第1ケース1又は第2ケース2を経て、防火段4に入ると、先に拡張段8に入り、拡張段8の横断面積が遮断部から離れるに従って増大するので、火炎の流通面積が徐々に増大し、火炎の前進速度及び圧力が徐々に低下し、これは、防火・防爆効果の向上に有利である。
【0065】
さらに具体的には、本実施形態では、前記拡張段8は、両端が開放した円錐台状筒体であり、前記防火段ケース19は、2つの前記拡張段8の間に位置する円筒段をさらに有する。さらに、前記拡張段8では、横断面積の大きい側の内径と横断面積の小さい側の内径との比は、好ましくは1.2~2に制御され、それによって、拡張段8の加工難度向上、コスト増大及び防火粒子のオンライン交換が可能なフレームアレスタ構造の安定性劣化を引き起こすことなく、火炎の前進速度及び圧力を低下させる効果がよくなる。さらに好ましくは、前記拡張段8では、横断面積の大きい側の内径と横断面積の小さい側の内径との比は、好ましくは1.4~1.7に制御される。
【0066】
以下では、実施例を用いて本発明をさらに説明するが、これらの実施例は、本発明の技術案をより良く説明するためにのみ使用され、本発明を限定するものではない。
【0067】
<実施例1>
防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタは、第1ケースと、第2ケースと、前記第1ケースと前記第2ケースとの間に位置する防火段と、を含み、前記防火段は防火段ケースを有し、前記防火段ケースは、前記第1ケース及び前記第2ケースにそれぞれ面する2つの防火段開口部を有する中空のものであり、前記防火段は、それぞれ前記2つの防火段開口部に設けられた2つの遮断部をさらに含み、前記2つの遮断部の間に防火室が画定されており、前記遮断部には複数の開口部が形成され、前記防火室内に防火粒子が充填されている。前記防火段は、防火粒子補充構造をさらに含み、前記防火粒子補充構造は、補充口、補充筒、補充室、ピストン部、及びバネを含み、前記補充口は前記防火段ケースに形成され、前記補充筒は前記補充口の縁部から外へ延びており、前記補充筒内部には、前記防火室に連通する補充室が形成されており、前記ピストン部及び前記バネは前記補充室内に位置し、前記ピストン部の外縁部と前記補充筒の内壁との間の間隙が前記防火粒子の粒子径以下であり、前記バネは、一端が前記ピストン部に接続され、他端が前記補充筒の外端の内壁に接続される。一方の前記防火段開口部から他方の前記防火段開口部に向かう方向に沿って、前記防火室は、1つの区画を含み、1つの防火粒子補充構造は当該区画に対応して設けられる。
【0068】
<実施例2>
防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタは、第1ケースと、第2ケースと、前記第1ケースと前記第2ケースとの間に位置する防火段と、を含み、前記防火段は防火段ケースを有し、前記防火段ケースは、前記第1ケース及び前記第2ケースにそれぞれ面する2つの防火段開口部を有する中空のものであり、前記防火段は、それぞれ前記2つの防火段開口部に設けられた2つの遮断部をさらに含み、前記2つの遮断部の間に防火室が画定されており、前記遮断部には複数の開口部が形成され、前記防火室内に防火粒子が充填されている。前記防火段は、防火粒子補充構造をさらに含み、前記防火粒子補充構造は、補充口、補充筒、補充室、ピストン部、及びバネを含み、前記補充口は前記防火段ケースに形成され、前記補充筒は前記補充口の縁部から外へ延びており、前記補充筒の内部には、前記防火室に連通する補充室が形成されており、前記ピストン部及び前記バネは、前記補充室内に位置し、前記ピストン部の外縁部と前記補充筒の内壁との間の間隙が前記防火粒子の粒子径以下であり、前記バネは、一端が前記ピストン部に接続され、他端が前記補充筒の外端の内壁に接続される。一方の前記防火段開口部から他方の前記防火段開口部に向かう方向に沿って、前記防火室は3つの区画を含み、区画毎に1つの防火粒子補充構造が設けられ、前記防火段開口部から中央に向かう方向に沿って、外側の前記区画に充填された前記防火粒子の粒子径が、内側の前記区画に充填された前記防火粒子の粒子径よりも大きく、両側にある前記区画に充填された防火粒子は、粒子径5mmのアルミナセラミックス粒子であり、中央にある前記区画に充填された防火粒子は、粒子径2mmのステンレスボールである。
【0069】
<実施例3>
防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタは、第1ケースと、第2ケースと、前記第1ケースと前記第2ケースとの間に位置する防火段と、を含み、前記防火段は防火段ケースを有し、前記防火段ケースは、前記第1ケース及び前記第2ケースにそれぞれ面する2つの防火段開口部中空のものであり、前記防火段は、それぞれ前記2つの防火段開口部に設けられた2つの遮断部をさらに含み、前記2つの遮断部の間に防火室が画定されており、前記遮断部には複数の開口部が形成され、前記防火室内に防火粒子が充填されている。前記防火段は、防火粒子補充構造をさらに含み、前記防火粒子補充構造は、補充口、補充筒、補充室、ピストン部、及びバネを含み、前記補充口は前記防火段ケースに形成され、前記補充筒は前記補充口の縁部から外へ延びており、前記補充筒の内部には、前記防火室に連通する補充室が形成されており、前記ピストン部及び前記バネは前記補充室内に位置し、前記ピストン部の外縁部と前記補充筒の内壁との間の間隙が前記防火粒子の粒子径以下であり、前記バネは、一端が前記ピストン部に接続され、他端が前記補充筒の外端の内壁に接続される。一方の前記防火段開口部から他方の前記防火段開口部に向かう方向に沿って、前記防火室は3つの区画を含み、区画毎に1つの防火粒子補充構造が設けられ、前記防火段開口部から中央に向かう方向に沿って、外側の前記区画に充填された前記防火粒子の粒子径が、内側の前記区画に充填された前記防火粒子の粒子径よりも大きく、両側にある前記区画に充填された防火粒子は、粒子径4mmの天然ゼオライトであり、中央にある前記区画に充填された防火粒子は、粒子径2.2mmの分子篩材料である。さらに、前記第1ケース及び第2ケースは、それぞれ、互いに面する側に内側開口部が形成され、かつ、前記内側開口部の縁部から外へ延びている内側接続フランジが形成され、前記第1ケースの内側接続フランジ及び前記第2ケースの内側接続フランジには、第1接続貫通孔が互いに対応して形成されており、前記接続部は、第1リンクと第1ナットを含み、前記第1リンクは、一端に第1ネジ段が形成され、他端に別の第1ネジ段又は第1キャップが形成され、前記第1ナットは、前記第1ネジ段に螺合可能であり、前記第1リンクは前記第1ケース及び前記第2ケースの前記第1接続貫通孔を貫通し、かつ前記第1ナット及び前記第1キャップのいずれの最大外径も、対応する側の前記第1接続貫通孔の最大内径よりも大きい。前記防火段の両端では、前記遮断部の縁部は、対応する側の前記内側接続フランジに当接し、遮断部は、剛性のバッフル板と、前記バッフル板の内側に位置するメッシュと、を含み、前記バッフル板は、図5A図5Cに示すもののいずれかであり、前記メッシュは、図4に示される。
【0070】
以上、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の技術的構想の範囲内では、本発明の技術案は複数の簡単な変形を行うことができる。個々の具体的な技術的特徴を任意の適切な方法で組み合わせることを含む。不必要な繰り返しを避けるために、本発明は、様々な可能な組み合わせの方法については、別途説明しない。しかし、これらの単純な変形および組み合わせは、同様に、本発明に開示されているものとみなされ、本発明の保護範囲に属するものとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】本発明の一実施形態による防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタの構造模式図である。
図2図1の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタの防火段の延び方向(軸方向)における断面図を示し、防火室には防火粒子が充填されておらず、かつ遮断部が示されていない。
図3図1の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタの防火段の延び方向における断面図を示し、防火室及び補充室の一部の両方ともに防火粒子が充填されている。
図4図3の防火段に使用され得るメッシュの構造模式図である。
図5A図3の防火段に使用され得るバッフル板の構造模式図である。
図5B図3の防火段に使用され得るバッフル板の構造模式図である。
図5C図3の防火段に使用され得るバッフル板の構造模式図である。
図5D図3の防火段に使用され得るバッフル板の構造模式図である。
図6】本発明の別の実施形態による防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタの構造模式図である。
図7図6の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタに利用可能な防火段の一例の延び方向における断面図を示す。
図8図6の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタに利用可能な別の防火段の延び方向における断面図を示す。
図9】本発明の別の実施形態による防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタの構造模式図であり、バレルが示されていない。
図10図9の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタの防火粒子排出時の模式図を示す。
図11図9の防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタの防火粒子補充時の模式図を示す。
図12】本発明の別の実施形態による防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタの構造模式図であり、バレルが示されていない。
図13】本発明の更に別の実施形態による防火部の欠陥自動排除可能なフレームアレスタの構造模式図であり、バレルが示されていない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】