(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】赤外線画像化デバイス
(51)【国際特許分類】
G01J 5/48 20220101AFI20241022BHJP
G01J 5/0802 20220101ALI20241022BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20241022BHJP
G03B 11/00 20210101ALI20241022BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20241022BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20241022BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20241022BHJP
【FI】
G01J5/48 F
G01J5/0802
H04N23/50
G03B11/00
G02B7/02 Z
G02B7/02 B
G03B17/02
G03B30/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518531
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2022076509
(87)【国際公開番号】W WO2023046893
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520342828
【氏名又は名称】リンレッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ジョベール,ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】ブレニエール,グザヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】グレツキ,アレクシア
(72)【発明者】
【氏名】ブルンナー,アレクサンドル
【テーマコード(参考)】
2G066
2H044
2H083
5C122
【Fターム(参考)】
2G066BA09
2G066BA13
2G066BA14
2H044AB12
2H044AB16
2H044AB21
2H044AJ01
2H083AA04
2H083AA26
2H083AA32
2H083AA41
5C122DA16
5C122EA30
5C122EA58
5C122FF10
5C122GD01
5C122GE01
5C122GE11
5C122HA81
(57)【要約】
【解決手段】本明細書は、赤外線カメラ(210) を備えている赤外線画像化デバイス(200) に関する。赤外線カメラは、光軸(A) を有し、赤外線を通す透明要素(132) を通過するスペクトル領域の赤外線を検出するように構成されている。透明要素は取付台(134) で囲まれており、取付台を含む透明要素は、壁(130) の開口部に挿入されるように適合されており、透明要素及び壁は、赤外線カメラの光軸(A) に対して0°より大きく90°より小さいか又は0°より小さく-90°より大きい傾斜角(α)分、傾いている。赤外線画像化デバイスは、赤外線カメラ(210) 及び取付台(134) 間の接合部分を形成するように適合されている接合要素(230) を更に備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線画像化デバイス(200, 201, 202, 203, 400) であって、
光軸(A) を有し、スペクトル領域の赤外線を通す透明要素(132) を通過する前記赤外線を検出するように構成されている赤外線カメラ(210, 410)を備えており、
前記透明要素は、実質的に平坦で互いに平行な入口面及び出口面の2つの表面を有しており、取付台(134) によって囲まれており、
前記取付台を含む前記透明要素は、壁(130) の開口部に挿入されるように適合されており、
前記透明要素及び前記透明要素が挿入されている前記壁の少なくとも一部は、前記赤外線カメラの光軸(A) に対して0°より大きく90°より小さいか又は0°より小さく-90°より大きい傾斜角(α)分、傾いており、
前記赤外線画像化デバイスは、前記赤外線カメラ(210, 410)及び前記取付台(134) 間の接合部分を形成するように適合されている接合要素(230, 430)を備えている、赤外線画像化デバイス。
【請求項2】
前記接合要素(230, 430)の少なくとも1つの内面(238, 438)は、前記接合要素によって前記赤外線カメラに向かう赤外線の放射を減少させるような形状を有する、及び/又は、前記接合要素によって前記赤外線カメラに向かう赤外線の放射を減少させるように適合されている材料で形成されている、及び/又は、前記接合要素によって前記赤外線カメラに向かう赤外線の放射を減少させるように適合されている被覆体で覆われている、請求項1に記載の赤外線画像化デバイス(200, 201, 202, 203, 400) 。
【請求項3】
前記接合要素(230, 430)は、例えば前記透明要素(132) の取付台(134) と相補的な形状によって、前記透明要素(132) の取付台(134) と係合するように適合されている第1の端部(232, 432)を有している、請求項1又は2に記載の赤外線画像化デバイス(200, 201, 202, 203, 400) 。
【請求項4】
前記接合要素(230) は、例えば前記赤外線カメラの少なくとも一部と相補的な形状によって、前記赤外線カメラ(210) と係合するように適合されている第2の端部(234) を有している、請求項1~3のいずれか1つに記載の赤外線画像化デバイス(200, 201, 202, 203)。
【請求項5】
前記赤外線カメラ(210) は、少なくとも1つのレンズ(218) 及びレンズ取付台(219) を有しており、
前記少なくとも1つのレンズは前記レンズ取付台によって保持されており、
前記接合要素(230) の第2の端部(234) は、例えば前記レンズ取付台(219) と相補的な形状によって、前記レンズ取付台と係合するように適合されている、請求項4に記載の赤外線画像化デバイス(200, 201, 202, 203)。
【請求項6】
前記赤外線カメラ(410) は、少なくとも1つのレンズ(418) 及びレンズ取付台を有しており、
前記少なくとも1つのレンズは、前記レンズ取付台によって保持されており、
前記接合要素(430) 及び前記レンズ取付台は一体である、請求項4に記載の赤外線画像化デバイス(400) 。
【請求項7】
前記赤外線カメラ(410) は、少なくとも1つのレンズ(418) 及びレンズ取付台を有しており、
前記少なくとも1つのレンズは前記レンズ取付台によって保持されており、
前記少なくとも1つのレンズ(418) 及び/又は前記レンズ取付台は、前記壁(130) に対向するように適合されている切取面(417) を有している、請求項1~6のいずれか1つに記載の赤外線画像化デバイス(400) 。
【請求項8】
前記赤外線カメラの光軸(A) に対する前記切取面(417) の切取角(β)は、前記壁(130) 及び前記透明要素(132) の傾斜角(α)に実質的に等しい、請求項7に記載の赤外線画像化デバイス(400) 。
【請求項9】
前記接合要素(430) は、前記切取面(417) を覆うように適合されている部分(434) を少なくとも有しており、前記部分は、例えば、前記切取面の熱的保護、及び/又は赤外線からの前記切取面の保護を行う部分である、請求項7又は8に記載の赤外線画像化デバイス(400) 。
【請求項10】
前記赤外線カメラ(210, 410)は、少なくとも1つのレンズ(218, 418)及びレンズ取付台(219) を有しており、前記少なくとも1つのレンズは前記レンズ取付台によって保持されており、
前記赤外線カメラは、前記スペクトル領域の赤外線を感知可能な画像センサ(214, 414)を有しており、
前記画像センサ及び前記少なくとも1つのレンズは前記赤外線カメラの光軸(A) を定めており、前記画像センサは、実質的に前記少なくとも1つのレンズの画像焦点面に配置されている、請求項1~9のいずれか1つに記載の赤外線画像化デバイス(200, 201, 202, 203, 400) 。
【請求項11】
前記接合要素は、流体を通さない組立体を前記壁及び前記赤外線カメラ間に設けるように適合されている、請求項1~10のいずれか1つに記載の赤外線画像化デバイス。
【請求項12】
前記接合要素は、熱伝導性が低い材料、例えば熱伝導率が10 W・m
-1・K
-1より低い材料で形成されている、請求項1~11のいずれか1つに記載の赤外線画像化デバイス。
【請求項13】
前記接合要素は、少なくとも1つの温度プローブ(240) を有しており、前記少なくとも1つの温度プローブは、例えば、逸れた光束、例えば前記赤外線画像化デバイスによって放射される逸れた光束を処理するためのモジュールに連結されている、請求項1~12のいずれか1つに記載の赤外線画像化デバイス(200) 。
【請求項14】
前記赤外線カメラ(210) を遮断するように適合されている着脱可能なシャッタ要素(242) を備えており、前記シャッタ要素は、例えば、前記赤外線カメラに面する前記シャッタ要素の表面で放射性被覆体により覆われている、請求項1~13のいずれか1つに記載の赤外線画像化デバイス(203) 。
【請求項15】
前記接合要素(230) は、前記赤外線カメラ(210) に面して、前記透明要素(132) の近くに、例えば前記透明要素の取付台(134) に接して配置されるように適合されている放射性内面(231) を有しており、前記放射性内面は、例えば放射性被覆体(233) で覆われている、請求項1~14のいずれか1つに記載の赤外線画像化デバイス(201) 。
【請求項16】
前記接合要素(230) は、前記透明要素(132) の領域(133) 、例えば前記透明要素の縁部の前方に配置されるように適合されている部分(235) を有することにより、前記透明要素の領域と前記赤外線カメラ(210) との間に遮蔽体を形成しており、前記部分は、前記赤外線カメラ(210) に面して、例えば放射性被覆体(237) で覆われている放射面を有している、請求項1~15のいずれか1つに記載の赤外線画像化デバイス(202) 。
【請求項17】
前記赤外線カメラ(210) は、角度画素を含む画素アレイを有する画像センサ(214) を有しており、前記角度画素は、前記角度画素の視野内で前記画像センサに対向する前記接合要素(230) の内部領域、例えば前記透明要素(132) の周りに配置されるように構成されている内部領域から生じる光束を取り込むように適合されており、前記内部領域は、例えば放射性被覆体で覆われている、請求項1~16のいずれか1つに記載の赤外線画像化デバイス(200, 201, 202, 203)。
【請求項18】
- 請求項1~17のいずれか1つに記載の赤外線画像化デバイス(200, 201, 202, 203, 400) と、
- スペクトル領域の赤外線を通して取付台(134) で囲まれている透明要素(132) が挿入されている開口部を有する壁(130) と
を備えており、
前記赤外線画像化デバイスの赤外線カメラ(210, 410)は、前記透明要素を通過するスペクトル領域の赤外線を検出するように適合されており、
前記透明要素(132) 及び前記透明要素が挿入されている前記壁(130) の少なくとも一部は、前記赤外線カメラの光軸(A) に対して0°より大きく90°より小さいか又は0°より小さく-90°より大きい傾斜角(α)分、傾いている、赤外線画像化システム。
【請求項19】
前記透明要素は、前記壁の開口部に相当する空間に含まれている、及び/又は、前記壁の開口部の両側に横方向に突出していない、請求項1~17のいずれか1つに記載の赤外線画像化デバイス、又は請求項18に記載の赤外線画像化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に赤外線画像化の分野に関し、特に、赤外線を通すポートホールを通して赤外線カメラによって画像を検出する赤外線カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線画像化の分野では、シーンの熱画像を取り込むように適合されている赤外線カメラ(IRカメラ)が使用されることがある。IRカメラは一般に、画素アレイを形成する赤外線感知検出器のアレイを備えている。画素アレイの各画素は、画素で測定された温度を対応する電圧信号に変換し、電圧信号は、デジタル/アナログ変換器(ADC)によってデジタル出力信号に変換される。マイクロボロメータが、非冷却赤外画素アレイカメラに使用される画素の例であり、画像シーンの熱画像を取り込むように適合されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ある用途では、IRカメラが筐体内に配置されてもよく、又は少なくとも壁の後方に配置されてもよいため、IRカメラによって放射光が壁を通して検出される。この壁は、垂直方向に対してゼロ以外の角度で傾いてもよい。壁の材料が赤外線を通さない場合、壁は、赤外線を通す要素、例えばポートホールを有し、このポートホールは、IRカメラが前記ポートホールを通過する赤外線を受信し得るように配置されている。一般に、このようなポートホールは可能な限り最小の横寸法を有する。
【0004】
しかしながら、壁が傾いている場合、ポートホールも傾く。横寸法が小さいポートホールが傾いていると、IRカメラによって取り込まれる画像に望ましくない口径食現象が生じる場合がある。すなわち、画像の縁部の輝度が低下する場合があり、言い換えれば、画像の縁部の不透明度が増す場合がある。この現象は、ポートホール及びIRカメラ間の距離が長くなると悪化する場合がある。
【0005】
壁の後方に配置されるように構成されている赤外線カメラの口径食現象を制御する必要がある。
【0006】
実施形態は、上記の不利点の全て又は一部を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態は、赤外線画像化デバイスであって、光軸を有し、スペクトル領域の赤外線を通す透明要素を通過する前記赤外線を検出するように構成されている赤外線カメラを備えており、前記透明要素は、取付台によって囲まれており、前記取付台を含む前記透明要素は、壁の開口部に挿入されるように適合されており、前記透明要素及び前記透明要素が挿入されている前記壁の少なくとも一部は、前記赤外線カメラの光軸に対して0°より大きく90°より小さいか又は0°より小さく-90°より大きい傾斜角分、傾いており、前記赤外線画像化デバイスは、前記赤外線カメラ及び前記取付台間の接合部分を形成するように適合されている接合要素を備えている、赤外線画像化デバイスを提供する。
【0008】
前記透明要素は、好ましくは実質的に平坦で互いに平行な入口面及び出口面の2つの表面を有している。
【0009】
前記透明要素は、前記壁の開口部によって解放された空間、すなわち前記壁の開口部に相当する空間に含まれていることが好ましい。例えば、前記透明要素は前記開口部の両側に横方向に突出していない。
【0010】
前記壁も、前記開口部の周りで傾斜角分、傾いていることが好ましい。例えば、前記壁は傾斜角分、完全に傾いている。
【0011】
実施形態によれば、前記接合要素の少なくとも1つの内面は、前記接合要素によって前記赤外線カメラに向かう赤外線の放射を減少させるような形状を有する。
【0012】
実施形態によれば、前記接合要素の少なくとも1つの内面は、前記接合要素によって前記赤外線カメラに向かう赤外線の放射を減少させるように適合されている材料で形成されている。
【0013】
実施形態によれば、前記接合要素の少なくとも1つの内面は、前記接合要素によって前記赤外線カメラに向かう赤外線の放射を減少させるように適合されている被覆体で覆われている。
【0014】
実施形態によれば、前記接合要素は、例えば前記透明要素の取付台と相補的な形状によって、前記透明要素の取付台と係合するように適合されている第1の端部を有している。
【0015】
実施形態によれば、前記接合要素は、例えば前記赤外線カメラの少なくとも一部と相補的な形状によって、前記赤外線カメラと係合するように適合されている第2の端部を有している。
【0016】
実施形態によれば、前記接合要素は、前記取付台と係合するような形状を有する第1の端部と、前記赤外線カメラと係合するような形状を有する第2の端部とを有している。例えば、前記接合要素は、前記第1の端部及び前記第2の端部間に本体を有している。
【0017】
実施形態によれば、前記接合要素は、前記赤外線カメラの両側に組み立てられた2つの部分で形成されている。特定の実施形態によれば、前記接合要素は一体である。
【0018】
実施形態によれば、前記接合要素は中空の形状を有する。
【0019】
実施形態によれば、前記赤外線カメラは、少なくとも1つのレンズ及びレンズ取付台を有しており、前記少なくとも1つのレンズは前記レンズ取付台によって保持されており、前記接合要素の第2の端部は、例えば前記レンズ取付台と相補的な形状によって、前記レンズ取付台と係合するように適合されている。例によれば、前記レンズ取付台は、前記少なくとも1つのレンズを少なくとも部分的に囲んでいる。
【0020】
別の実施形態によれば、前記赤外線カメラは、少なくとも1つのレンズ及びレンズ取付台を有しており、前記少なくとも1つのレンズは、前記レンズ取付台によって保持されており、前記接合要素及び前記レンズ取付台は一体である。例によれば、前記レンズ取付台は、前記少なくとも1つのレンズを少なくとも部分的に囲んでいる。
【0021】
別の実施形態によれば、前記赤外線カメラは、少なくとも1つのレンズ及びレンズ取付台を有しており、前記少なくとも1つのレンズは前記レンズ取付台によって保持されており、前記少なくとも1つのレンズ及び/又は前記レンズ取付台は、前記壁に対向するように適合されている切取面を有している。例によれば、前記レンズ取付台は、前記少なくとも1つのレンズを少なくとも部分的に囲んでいる。
【0022】
例によれば、前記赤外線カメラの光軸に対する前記切取面の切取角は、前記壁及び前記透明要素の傾斜角に実質的に等しい。
【0023】
例によれば、前記接合要素は、前記切取面を覆うように適合されている部分を少なくとも有しており、前記部分は、例えば、前記切取面の熱的保護、及び/又は赤外線からの前記切取面の保護を行う部分である。
【0024】
実施形態によれば、前記赤外線カメラは、少なくとも1つのレンズ及びレンズ取付台を有しており、前記少なくとも1つのレンズは前記レンズ取付台によって保持されており、前記赤外線カメラは、前記スペクトル領域の赤外線を感知可能な画像センサを有しており、前記画像センサ及び前記少なくとも1つのレンズは前記赤外線カメラの光軸を定めており、前記画像センサは、実質的に前記少なくとも1つのレンズの画像焦点面に配置されている。例によれば、前記レンズ取付台は、前記少なくとも1つのレンズを少なくとも部分的に囲んでいる。
【0025】
実施形態によれば、前記接合要素は、流体を通さない組立体を前記壁及び前記赤外線カメラ間に設けるように適合されている。
【0026】
実施形態によれば、前記接合要素は、熱伝導性が低い材料、例えば熱伝導率が10 W・m-1・K-1より低い材料で形成されている。
【0027】
実施形態によれば、前記接合要素は、少なくとも1つの温度プローブを有しており、前記少なくとも1つの温度プローブは、例えば、逸れた光束、例えば前記赤外線画像化デバイスによって放射される逸れた光束を処理するためのモジュールに連結されている。
【0028】
実施形態によれば、前記赤外線画像化デバイスは、前記赤外線カメラを遮断するように適合されている着脱可能なシャッタ要素を備えている。例によれば、前記シャッタ要素は、前記赤外線カメラの前方にある前記シャッタ要素の表面で放射性被覆体により覆われている。
【0029】
実施形態によれば、前記接合要素は、前記赤外線カメラに面して、前記透明要素の近くに、例えば前記透明要素の取付台に接して配置されるように適合されている放射性内面を有している。例によれば、前記放射性内面は放射性被覆体で覆われている。
【0030】
実施形態によれば、前記接合要素は、前記透明要素の領域、例えば前記透明要素の縁部の前方に配置されるように適合されている部分を有することにより、前記透明要素の領域と前記赤外線カメラとの間に遮蔽体を形成しており、前記部分は、前記赤外線カメラに面する放射面を有している。例によれば、前記放射面は放射性被覆体で覆われている。
【0031】
実施形態によれば、前記赤外線カメラは、角度画素を含む画素アレイを有する画像センサを有しており、前記角度画素は、前記角度画素の視野内で前記画像センサに対向する前記接合要素の内部領域、例えば前記透明要素の周りに配置されるように構成されている内部領域から生じる光束を取り込むように適合されている。例によれば、前記内部領域は放射性被覆体で覆われている。
【0032】
実施形態は、
- 実施形態に係る赤外線画像化デバイスと、
- スペクトル領域の赤外線を通して取付台で囲まれている透明要素が挿入されている開口部を有する壁と
を備えており、
前記赤外線画像化デバイスの赤外線カメラは、前記透明要素を通過するスペクトル領域の赤外線を検出するように適合されており、
前記透明要素及び前記透明要素が挿入されている前記壁の少なくとも一部は、前記赤外線カメラの光軸に対して0°より大きく90°より小さいか又は0°より小さく-90°より大きい傾斜角分、傾いている、赤外線画像化システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
前述及び他の特徴及び利点は、添付図面を参照して本発明を限定するものではない例示として与えられる特定の実施形態の本開示の残り部分に詳細に記載される。
【0034】
【
図1A】傾斜した壁の後方に配置された赤外線カメラの例を示す断面図である。
【
図1B】傾斜した壁の後方に配置された赤外線カメラの例を示す断面図である。
【
図2A】実施形態に係る赤外線画像化デバイスの例を示す断面図である。
【
図2B】
図2Aの赤外線画像化デバイスの例の変形例を示す断面図である。
【
図2C】
図2Aの赤外線画像化デバイスの例の別の変形例を示す断面図である。
【
図2D】
図2Aの赤外線画像化デバイスの例の別の変形例を示す断面図である。
【
図3A】赤外線カメラの変形例を示す断面図である。
【
図3B】赤外線カメラの別の変形例を示す断面図である。
【
図4】実施形態に係る赤外線画像化デバイスの別の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
同様の特徴が、様々な図面で同様の参照符号によって示されている。特に、様々な実施形態で共通の構造的特徴及び/又は機能的特徴は同一の参照符号を有する場合があり、同一の構造特性、寸法特性及び材料特性を有する場合がある。
【0036】
明瞭化のために、記載されている実施形態の理解に有用なステップ及び要素のみが図示され、詳細に記載されている。特に光学系、例えばレンズ及びそれらの取付台、並びに画像センサ、例えばマイクロボロメータのアレイ又はフォトダイオードのアレイの形態のアレイ画像センサは詳述されておらず、本発明の分野の当業者によって知られている。
【0037】
特に示されていない場合、共に接続された2つの要素について言及するとき、これは、導体以外のいかなる中間要素も無しの直接接続を表し、共に連結された2つの要素について言及するとき、これは、これら2つの要素が接続され得るか、又は一若しくは複数の他の要素を介して連結され得ることを表す。
【0038】
以下の記載では、「前」、「後ろ」、「最上部」、「底部」、「左」、「右」などの絶対位置、若しくは「上方」、「下方」、「上側」、「下側」などの相対位置を限定する用語、又は「水平方向」、「垂直方向」などの方向を限定する用語を参照するとき、この用語は、特に指定されていない場合、図面の向き又は通常の使用位置にあるIR画像化デバイスを指す。
【0039】
「の前方に/の後方に」又は「前/後ろ」という用語を参照するとき、光線/放射光の伝播方向、すなわち透明な要素から赤外線カメラを指す。
【0040】
角度値を参照するとき、これらの値は、図面では「+」記号が付いた四分の一円の矢印で表される三角方向で与えられることを理解する必要がある。従って、負の角度値は、時計回りの方向の角度に対応する。
【0041】
特に指定されていない場合、「約」、「略」、「実質的に」及び「程度」という表現は、該当する値のプラスマイナス10%、好ましくはプラスマイナス5%を表す。
【0042】
赤外線(IR)カメラの例が
図1A及び
図1Bに示されている。赤外線カメラ110 は、赤外線を感知可能な画像センサ114 を含むハウジング112 と、画像センサ114 の前方に配置され、IRカメラの使用スペクトル領域の赤外線を伝えることができる窓116 とを備えている。画像センサはマイクロボロメータのアレイで形成されたアレイ画像センサであることが有利である。或いは、画像センサは、半導体材料に基づくフォトダイオードのアレイで形成されたアレイ画像センサである。
【0043】
IRカメラは、画像センサに画像を形成するようにカメラの使用スペクトル領域で動作することができる複数のレンズ118 (1つのレンズのみが示されているが、通常、複数のレンズが設けられている)を更に備えており(カメラはレンズの画像焦点面にある)、レンズは、ハウジング112 に組み立てられているレンズ取付台119 に保持されている。レンズ取付台119 は、窓116 が前記レンズ取付台及び画像センサ114 間に配置されるように配置されている。画像センサ及びレンズはカメラの光軸Aを定めている。図示されている例では、光軸は水平方向Xにある。
【0044】
IRカメラ110 が筐体内に配置されてもよく、又は少なくとも壁130 の後方に配置されてもよいため、IRカメラによって放射光が壁を通して検出される。このような筐体又は壁は、カメラの機械的及び/若しくは熱的保護機能、並びに/又は、カメラを環境から保護する機能、並びに/又は、空気力学的機能、並びに/又は、ユーザを保護する機能(例えば遮蔽物、特に風防)、又は(例えばカメラを覆うための)美的機能を満たしてもよい。
【0045】
壁130 は、図示されているように平坦な壁であってもよい。或いは、壁は、カメラの近傍に少なくとも1つの平坦な壁部分を局所的に有してもよい。
【0046】
壁は、赤外線を通さなくてもよく、画像の送信に適していなくてもよく、例えば、壁は粗くてもよく又は拡散性を有してもよく、又は、壁は、IRカメラの使用スペクトル領域の十分な質の赤外線を伝えなくてもよく、IRカメラの使用スペクトル領域は、例えば1~20μmの範囲内であり、好ましくは8~14μmの範囲内であり、又は8~12μmの範囲内である。この場合、IRカメラの使用スペクトル領域の赤外線を通すポートホール132 が壁の開口部に挿入されてもよい。ポートホール132 は、例えばポートホール取付台134 を用いて壁に挿入されてもよい。
【0047】
ポートホール132 は、赤外線をIRカメラ110 に伝えるように適合されている。例えば、ポートホールは、硫化亜鉛(ZnS) 、セレン化亜鉛(ZnSe)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、サファイア、カルコゲナイドガラス、又はIRカメラの使用スペクトル領域の赤外線を通すあらゆる他の材料で形成された板から形成されてもよい。
【0048】
ポートホール132 は、(「瞳孔」と称される)所与の占有表面積を有する2つの実質的に平行な表面によって特徴付けられ、2つの表面は、ある距離(厚さ分)隔てて離れている。2つの表面の寸法(瞳孔寸法)は、例えば1センチメートル又は数十センチメートル程度であり、厚さは数ミリメートル程度である。
【0049】
ある用途では、壁130 及びポートホール132 は、レンズの焦点面(図示されている例では、焦点面は断面図に示されている垂直方向Zを有する垂直面YZと平行である)に対して、0~90°の範囲内、より具体的には30°~70°の範囲内、例えば約60°の角度θ傾いてもよい。言い換えれば、壁130 及びポートホール132 は、水平方向Xで示されている光軸Aに対して角度α傾いてもよい。角度αは角度θと相補的であり、従って0~90°の範囲内、より具体的には20°~60°の範囲内、例えば約30°である。
【0050】
更に、ポートホールの瞳孔が可能な限り小さいことが望ましい場合がある。実際、壁によって占有される表面積は、ポートホール、場合によってはポートホール取付台によって占有される表面積によって減少するため、このような減少により、壁が機能、例えば保護機能又は美的機能を満たす能力が低下する。更に、ポートホールの瞳孔を増大させると、壁の機械的な完全性が変わる場合がある。更に、ポートホールの瞳孔を形成するために使用される材料には無視できないコストがかかるが、瞳孔を減少させ、程度は低いがその厚さを減少させることによってコストを削減することが望ましい。
【0051】
しかしながら、ポートホールの瞳孔が傾いているときにポートホールの瞳孔が減少すると、IRカメラの(「FOV」として知られている)視野が制限されるという結果及び不利点があり、視野の端部の光線がポートホールの縁部によって遮断されるため、口径食現象が生じる。特に、垂直視野(VFOV)は、ポートホールの傾きにより水平視野(HFOV)に対して低下する場合がある。
【0052】
ポートホール及びIRカメラ間の距離が長くなると、口径食現象は悪化する。従って、IRカメラ110 及び壁130 間の間隔の制限内でIRカメラをポートホールに可能な限り近い位置に配置することが有利である(この制限は、
図1A及び
図1Bに点線の円で示されている)。この間隔は、垂直方向に対する傾斜角θが大きいほど、ますます小さくなる。
【0053】
更に、IRカメラ110 の光軸Aが、
図1Aに示されているように、ポートホール132 の屈折光軸B、すなわち、前記ポートホール内の屈折作用による偏向後の光軸を中心とする場合、IRカメラは、非対称の垂直口径食、例えば垂直視野の上方部分に傾く口径食を示す場合がある。対称の口径食は、
図1Bに示されているように、IRカメラ110 の光軸Aをポートホール132 の屈折光軸Bに対して距離D分、垂直方向に偏心させることにより実現され得る(但し、このため、
図1A及び
図1Bを比較すると分かるように、IRカメラ及び壁間の間隔が更に減少する)。
【0054】
従って、口径食現象を制御するためには、傾斜したポートホールに対して赤外線カメラを正確に配置する必要性がある。更に、ある用途では、例えばIRカメラが加速及び/又は衝撃を受ける可能性がある場合、加速及び/又は衝撃がある場合でも、位置決めを安全に維持して制御できることが有利である。言い換えれば、傾斜したポートホールに対してIRカメラを正確に、好ましくは確実に配置する必要性がある。
【0055】
本発明者らは、これらの必要性に対処し得る赤外線画像化デバイスを提供する。
【0056】
赤外線画像化デバイスの例が、以下に記載される。これらの例は非限定的であり、様々な変形例が、本明細書の指示に基づき当業者に想起される。
【0057】
赤外線領域は、1μm~20μmの範囲内の波長を含むスペクトル領域によって特徴付けられる。
【0058】
実施形態に係る赤外線カメラ及び赤外線画像化デバイスは、8μm~12μmに亘るスペクトル領域である長波長赤外線(LWIR)領域に含まれるスペクトル領域で動作するように適合されていることが有利である。
【0059】
別の例によれば、実施形態に係る赤外線カメラ及び赤外線画像化デバイスは、1μm~2.5 μmに亘るスペクトル領域である短波長赤外線(SWIR)領域に含まれるスペクトル領域で動作するように適合されている。
【0060】
別の例によれば、実施形態に係る赤外線カメラ及び赤外線画像化デバイスは、3μm~5μmに亘るスペクトル領域である中波長赤外線(MWIR)領域に含まれるスペクトル領域で動作するように適合されている。
【0061】
別の例によれば、実施形態に係る赤外線カメラ及び赤外線画像化デバイスは、12μm~22μmに亘るスペクトル領域である超長波長赤外線(VLWIR) 領域に含まれるスペクトル領域で動作するように適合されている。
【0062】
言うまでもなく、赤外線カメラ及び赤外線画像化デバイスは、前述の複数の領域に亘るスペクトル領域で動作するように適合され得る。
【0063】
図2Aは、実施形態に係るIR画像化デバイスの例を示す断面図であり、IR画像化デバイスは、壁130 の後方に示されている赤外線カメラ210 を備えている(壁はIR画像化デバイスの一部を形成しない)。
【0064】
図1A及び
図1Bに関連して記載されている赤外線カメラ110 と同様に、赤外線カメラ210 は、赤外線を感知可能な画像センサ214 を含むハウジング212 と、画像センサ214 の前方に配置され、IRカメラの使用スペクトル領域の赤外線を伝えることができる窓216 とを有している。画像センサはマイクロボロメータのアレイを有するアレイ画像センサであることが有利である。或いは、画像センサは、半導体材料に基づくフォトダイオードのアレイを有するアレイ画像センサである。
【0065】
IRカメラは、画像センサに画像を形成するようにIRカメラの使用スペクトル領域で動作することができる複数のレンズ218 を更に有しており、IRカメラはレンズの画像焦点面にある。レンズは、ハウジング212 に組み立てられているレンズ取付台219 に保持されており、レンズ取付台219 は、窓216 が前記レンズ取付台及び画像センサ214 間に配置されるように配置されている。画像センサ及びレンズは、水平方向Xで示されている、IRカメラの光軸Aを定めている。
【0066】
壁130 は、
図1A及び
図1Bに示されている壁と同様である。従って、壁130 は、(「透明要素」とも称される)ポートホール132 を有しており、ポートホールは、IRカメラの使用スペクトル領域の赤外線を通す。ポートホール132 は、壁130 の開口部にポートホール取付台134 を用いて挿入されている。壁は、遮蔽物、例えば風防であってもよい。壁は、筐体、例えば密閉型筐体、特に温度調節され得る密閉型筐体の壁であってもよい。
【0067】
例えば、ポートホールは、硫化亜鉛(ZnS) 、セレン化亜鉛(ZnSe)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、サファイア、カルコゲナイドガラス、又はIRカメラの使用スペクトル領域の赤外線を通すあらゆる他の材料で形成された板から形成されてもよい。
【0068】
壁130 及びポートホール132 は、水平方向Xで示されている光軸Aに対して角度α分、傾いてもよい。傾斜角αは、0~90°の範囲内、より具体的には20°~60°の範囲内、例えば約30°である。
【0069】
赤外線カメラは、傾斜したポートホールを通して画像シーンの熱画像を取り込むように適合されている。
【0070】
IR画像化デバイスは、赤外線カメラ210 とポートホール取付台134 との間に配置されている接合要素230 を更に備えている。接合要素230 は、IRカメラとポートホール取付台との間の接合部分を形成するように適合されており、このため、透明要素に対するIR画像化デバイスの相対的な位置決めが可能になる。
【0071】
図示されている接合要素230 は、実質的に傾いて中空の円錐台形状の硬い一体要素であり、IRカメラ210 とポートホール取付台134 とを連結するように適合されている。図示されている接合要素230 は、
- ポートホール取付台134 と相補的な形状によって前記ポートホール取付台134 と係合するような形状を有し、ひいてはポートホールの周り全体で壁に組み立てられている第1の端部232 と、
- レンズ取付台219 と相補的な形状によって前記レンズ取付台219 と係合するような形状を有する第2の端部234 と、
- 第1の端部及び第2の端部間の本体236 と
を有している。
【0072】
本体236 は、好ましくは所与のスペクトル領域の放射光を通さない覆いを形成している。従って、前記覆いは、壁132 の後方からの迷光であって、壁とIRカメラとの間の空間、例えばポートホールとIRカメラとの間の光路内に入り込む可能性がある迷光の全て又は一部を遮断するように適合されていることが好ましい。迷光は、画像センサ214 にゴースト画像を生成する可能性がある。
【0073】
代替例によれば、第2の端部は、IRカメラのハウジング212 、又は、レンズ取付台219 及びハウジング212 の両方と係合するような形状を有してもよい。
【0074】
従って、接合要素230 は、赤外線カメラをポートホールに対して正確に配置することが可能であり、すなわち、光軸Aの方向(図示されている例では水平方向X)におけるカメラとポートホールとの間の距離だけでなく、光軸Aに垂直な方向(図示されている例では垂直方向Z)における赤外線カメラの光軸Aとポートホールの屈折光軸Bとの間の距離も設定することが可能である。
図2Aの例では、赤外線カメラ210 の光軸Aは、ポートホール132 の屈折光軸Bと一致している。以下に記載される
図2B及び
図2Cの例では、カメラの光軸Aは、垂直方向Zにおいてポートホール132 の屈折光軸Bに対して距離D分、偏移している。
【0075】
図示されている例では、接合要素230 は、壁130 及び赤外線カメラ210 とは別の要素である。このため、例えば保守の場合、又は、赤外線カメラを別の壁の後方に配置するか若しくは異なる傾斜角で同一の壁の後方に配置し得るために接合要素を交換する必要がある場合、又は、例えば壁が使用中に損傷した場合に壁を交換する必要がある場合、壁及び/又はIR画像化デバイスの様々な要素の交換を容易にすることが可能である。
【0076】
有利な例によれば、接合要素230 は、流体を通さないシールをポートホール取付台134 とIRカメラ210 との間に設けることが可能である。このため、ポートホールとIRカメラとの間の空間で前記接合要素に含まれるガス、例えば空気の組成の変化を減少させることが可能である。例えば、このため、可能な限り一定の画質を提供するように、又は少なくとも画質の変化を制限するように、前記空間内の湿気、粒子及び/又はほこりを減らし得る場合がある。例えば、ポートホールとIRカメラとの間の空間は、接合要素内に含まれる前に窒素、低濃度の粒子及び/又はほこりで飽和している場合がある。
【0077】
例によれば、接合要素の少なくとも第1の内面は、IRカメラの使用スペクトル領域内で吸収される材料に基づいているか、又は前記スペクトル領域内で吸収される被覆体で覆われている。
【0078】
例によれば、接合要素の少なくとも第2の内面は、IRカメラの使用スペクトル領域内で反射する材料に基づいている、例えば金属製であるか、又は前記スペクトル領域内で反射する被覆体、例えば金属被覆体で覆われている。
【0079】
例によれば、接合要素は、IRカメラの使用スペクトル領域内で吸収される材料に基づいているか又は前記使用スペクトル領域内で吸収される被覆体で覆われている少なくとも第1の内面と、前記使用スペクトル領域内で反射する材料に基づいている、例えば金属製であるか、又は前記使用スペクトル領域内で反射する被覆体、例えば金属被覆体で覆われている少なくとも1つの第2の内面とを有している。
【0080】
第1の内面及び第2の内面は、例えば、迷光への露出に応じて及び/又はこれらの内面に影響を与える可能性がある温度勾配に応じて画定されている。
【0081】
例によれば、接合要素230 の内面238 の全て又は一部は、前記接合要素によってカメラに向かう迷光の放射を制限するような形状を有しており、例えば、カメラに面して傾斜した内面は減少するか又は除外される。
【0082】
例によれば、接合要素は、前記接合要素によってカメラに向かう迷光の放射を制限するように適合されている少なくとも1つの構造体、例えば遮蔽体、マスク及び/又はライトトラップタイプの構造体を前記接合要素の内部に有している。構造体は、接合要素の光軸の周りに規則的に配置された構造体(若しくは複数の構造体)であってもよく、又は接合要素の光軸の周りに不規則に配置された複数の構造体であってもよい。
【0083】
例によれば、接合要素は、熱伝導性が低い材料、例えば熱伝導率が10 W・m-1・K-1より低い材料で形成されている。このため、ポートホールとIRカメラとの間の断熱性を有利にすることが可能である。実際、ポートホールの周囲の環境は、特に壁の外側の状態に応じて温度変化を受ける場合があるか、又は、温度変化により、特に逸れた熱流束を発生させることにより、赤外線カメラの性能が低下する場合がある。例えば、壁が、温度調節が可能な筐体の一部である場合、筐体内の温度調節及び接合要素による断熱の組み合わせにより、赤外線カメラの性能を向上させることが可能である。
【0084】
例によれば、接合要素230 は少なくとも1つの温度プローブ240 を有している。温度プローブは、前記接合要素の内部に配置され得ることが好ましいが、前記接合要素の外部に配置されてもよい。例えば、温度勾配を決定し得るために、複数の温度プローブが接合要素の様々な位置に配置されてもよい。例えば、一若しくは複数の温度プローブが、ポートホールの温度を推定するようにポートホール132 の近傍に配置されてもよく、及び/又は、一若しくは複数の温度プローブが、レンズの温度を推定するようにレンズ取付台の近傍に配置されてもよく、及び/又は、一若しくは複数の温度プローブが、一若しくは複数の前記表面により迷光(逸れた光束)の放射値を推定するように、接合要素の一若しくは複数の内面に配置されてもよい。
【0085】
例によれば、少なくとも1つの温度プローブは、逸れた光束、すなわち、赤外線カメラによって取り込まれるが画像シーン以外の少なくとも1つの源から生じる光束、例えば画像化デバイス及び/又はポートホールから放射される逸れた光束を処理するためのモジュールに連結されている。逸れた光束を処理するためのモジュールは、例えば逸れた光束を補正することにより、画像シーンから本質的に生じる光束を決定するために、画像処理モジュールに含まれてもよく又は画像処理モジュールに連結されてもよい。
【0086】
或いは、逸れた光束の全て又は一部が、温度プローブを使用せずに決定されてもよく、このため、IR画像化デバイスが簡素化される。温度プローブを使用せず、逸れた光束を決定するように適合されている手段の例が、
図2B及び
図2Cに関連して以下に記載される。
【0087】
図2Bは、
図2AのIR画像化デバイスの例の変形例を示す断面図である。
図2BのIR画像化デバイス201 は、
図2AのIR画像化デバイス200 とは主に以下の点で異なる。
- カメラの光軸Aは、垂直方向Zにおいてポートホールの屈折光軸Bに対して距離D分、偏移している。
- 接合要素230 の第1の端部232 は、赤外線カメラ210 に面してポートホール取付台134 の縁部に接して設けられている内面231 を有している。内面231 は放射性を有し、例えば内面は放射性被覆体233 で覆われており、放射性被覆体により、このように覆われた内面が赤外線カメラにより更に効率的に撮像され得る。
【0088】
放射性内面231 は、第1の端部232 の下方部分に示されているが、これは非制限例である。或いは、放射性内面は、第1の端部232 の別の部分にあってもよく、及び/又は、接合要素230 の別の内面、例えば、ポートホールから放射される逸れた光束を決定する場合、ポートホールの近傍の別の内面であってもよく、及び/又は、画像化デバイスによって放射される逸れた光束を決定する場合、接合要素の別の内面であってもよい。複数の放射性内面が設けられてもよい。
【0089】
これは、赤外線カメラの視野の領域、好ましくは意図する用途では重要でない領域に亘って口径食を意図的に低下させることができ、視野の低下した領域の前方の接合要素の内面の画像を形成することができる構成の例である。従って、この視野の低下した領域の画像センサによって決定される温度は、逸れた光束の処理モジュールで使用され得る。
【0090】
図2Cは、
図2AのIR画像化デバイスの例の別の変形例を示す断面図である。
図2CのIR画像化デバイス202 は、
図2AのIR画像化デバイス200 とは以下の点で異なる。
- カメラの光軸Aは、垂直方向Zにおいてポートホールの屈折光軸Bに対して距離D分、偏移している。
- 接合要素230 の第1の端部232 は、赤外線カメラ210 に対する透明要素132 の領域133 の遮蔽体を形成する部分235 を有しており、この部分235 は、赤外線カメラ210 に面して、例えば放射性被覆体237 で覆われている放射面を有している。
【0091】
部分235 は、第1の端部232 の上方部分に前記第1の端部232 の内向きの延長部分として示されているが、これは非制限例である。或いは、遮蔽体を形成する部分は、第1の端部232 の別の部分の延長部分であってもよく、及び/又は、例えばポートホールから放射される逸れた光束を決定する場合にはポートホールに近い、接合要素230 の他の位置に配置されてもよく、又は、画像化デバイスから放射される逸れた光束を決定する場合には必ずしもポートホールに近くなくてもよい、接合要素230 の他の位置に配置されてもよい。複数の遮蔽体部分が設けられてもよい。
【0092】
これは、赤外線カメラの視野の領域、好ましくは意図する用途では重要でない領域に亘って口径食を意図的に低下させることができ、視野の低下した領域に対する接合要素の前記部分の内面の画像を形成することができる構成の別の例である。従って、この視野の低下した領域の画像センサによって決定される温度は、逸れた光束の処理モジュールで使用され得る。
【0093】
別の例では、赤外線カメラ210 は、画像画素及び少なくとも1つの角度画素を有する画素アレイ画像センサを有してもよい。
【0094】
角度画素とは、逸れた光束又は逸れた熱流束を検出するための画素を意味し、逸れた熱流束を有利に取り込むために、画素アレイの画像画素の視野に対して変更された視野を有する画素である。例えば、逸れた熱流束の夫々の検出画素は、画素アレイの各画像画素より大きな部分の逸れた熱流束を取り込むように配置されている。
【0095】
角度画素は、前記角度画素の視野内で画像センサに対向する接合要素の内部領域、例えば透明要素の周りに配置されている内部領域から生じる逸れた光束を取り込むように適合されており、内部領域は、例えば放射性被覆体で覆われている。
【0096】
逸れた熱流束の検出画素を有する赤外線カメラの例、このような赤外線カメラの較正方法の例、及び、このような赤外線カメラにより取り込まれる画像の補正方法の例は、国際公開第2019/234215号パンフレット及び国際公開第2019/234216号パンフレットに記載されており、これらの出願内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0097】
図2A及び
図2Bに関連して記載されている解決策と比較すると、このため、カメラの視野を低下させる必要がなくなり、特に口径食を低下させる必要がなくなる。
【0098】
図2Dは、
図2AのIR画像化デバイスの例の別の変形例を示す断面図である。
図2DのIR画像化デバイス203 は、赤外線カメラ210 を遮断するように適合されている着脱可能なシャッタ242 を備えている点で
図2AのIR画像化デバイス200 とは主に異なる。シャッタ242 は、シャッタフラップの形態であってもよい。シャッタ242 は、接合要素230 と組み立てられてもよい。シャッタ242 は、IRカメラの近くに、すなわちIRカメラの過焦点距離より短い距離を隔てて配置されていることが好ましい。このため、赤外線放射に関してシャッタの起こり得る不均一性をぼかすことが可能である。
【0099】
均一なシャッタにより、例えばカメラを較正することが可能になり、シャッタは、閉じられているときにカメラの前方に均一な較正画像を形成する。
【0100】
シャッタは、例えば、赤外線カメラの前方にあるシャッタの表面で放射性被覆体により覆われてもよい。
【0101】
例によれば、シャッタ242 は、接合要素230 と熱的に接しており、この場合、較正画像を使用して、使用中の接合要素230 によって放射される逸れた流速の量を定量化する。
【0102】
図2B~2Dの変形例は、互いに且つ
図2Aに関連して記載されている例の一又は複数と組み合わせられてもよい。
【0103】
図1A及び
図1Bに関連して記載されているように、ポートホール及びIRカメラ間の距離が長くなると、口径食現象は悪化し、従って、IRカメラ及び壁間の間隔の制限内でIRカメラをポートホールに可能な限り近い位置に配置することが有利である。
図1A及び
図1Bで理解され得るように、壁が水平方向に対して0~90°の範囲内の角度分、傾いている例では、レンズ取付台の上方部分が傾斜壁に接すると、IRカメラとポートホールとの間の距離を減少させることが不可能になる。
【0104】
従って、本発明者らは、
図3A及び
図3Bに示されているように、レンズ取付台の頭部を切り取るか、又は、一若しくは複数のレンズの頭部を切り取ることにより、この距離を減少させることを思いついた。
【0105】
図3Aは、
図2Aに関連して記載されている画像センサと同様の画像センサ314 、複数のレンズ318 、及び赤外線カメラ310 の光軸Aに対する切取角βに応じて切り取られているレンズ取付台319 を備えている赤外線カメラ310 の変形例を示す。切取部分317 が、傾斜壁に対向するように構成されているレンズ取付台の部分、
図3Aではレンズ取付台の後部上方部分に形成されている。
【0106】
図3Bは、
図2Aに関連して記載されている画像センサと同様の画像センサ324 、赤外線カメラ320 の光軸Aに対する切取角βに応じて切り取られている少なくとも1つのレンズ328 を含む複数のレンズ、及びレンズ切取部分に連続して同一の切取角βで切り取られているレンズ取付台329 を備えている赤外線カメラ320 の別の変形例を示す。切取部分327 は、傾斜壁に対向するように構成されているレンズの部分、
図3Bではレンズの後部上方部分に形成されている。
【0107】
レンズの切取部分は、レンズの光学性能を低下させないように構成されていることが好ましい。例によれば、切り取られているレンズは少なくとも1つの不均一な(自由形状タイプの)光学面を有する。不均一な光学面は少なくとも非軸対称である。
【0108】
有利な例によれば、切り取られているレンズは、レンズ切取部分を覆うように適合されているレンズ取付台部分又は別の被覆部分で覆われている。このため、例えば切り取られているレンズが温度変化を受ける場合、切り取られているレンズの光学性能の低下を制限又は排除することができる、及び/又は、このため、レンズ切取部分に近い環境を、前記レンズ切取部分によって引き起こされる場合がある逸れた光束から保護することができる。
図4は、接合要素でもあるレンズ取付台がレンズ切取部分を覆うように適合されているデバイスの例を示す。
【0109】
図4は、
図2Aに関連して記載されている画像センサと同様の画像センサ414 と、赤外線カメラの光軸Aに対する切取角βに応じて切り取られている少なくとも1つのレンズ418 を含む複数のレンズとを備えている、実施形態に係るIR画像化デバイス400 の別の例を示す。IR画像化デバイス400 は、レンズ取付台を更に形成する接合要素430 を更に備えている。言い換えれば、接合要素430 及びレンズ取付台は一体である。更に、接合要素430 は、レンズ切取部分417 を覆うように適合されており、更に傾斜壁130 及び前記レンズ切取部分間に挿入されるように適合されている被覆部分434 を有している。
【0110】
例によれば、少なくとも被覆部分434 又は接合要素430 全体は、レンズ切取部分417 を外部からの逸れた光束から保護するように適合されている材料、例えば反射材料又は吸収材料で形成されている。
【0111】
例によれば、少なくとも被覆部分434 又は接合要素430 全体が、逸れた熱流束を放散させるように適合されている材料で形成されている。
【0112】
従って、
図4の接合要素430 は、レンズ取付台と一体である点、及びレンズ切取部分に適合されている点で
図2Aの接合要素とは主に異なる。このため、赤外線カメラをポートホールに近づけることができ、ひいては口径食現象を低下させることができる。このため、更に、例えばコンパクトな1つの部品にすることができ、ひいては部品間の隙間が制限され、赤外線カメラ及び傾斜したポートホール間のより正確な位置決めが可能になる。
【0113】
図2Aの接合要素230 と同様に、IR画像化デバイス400 の接合要素430 は、ポートホール取付台134 と相補的な形状によって前記ポートホール取付台134 と係合するような形状を有し、ひいてはポートホールの周りで壁に組み立てられている第1の端部432 を有している。接合要素の第2の端部434 は、画像センサ414 と組み立てられるように適合されており、一般的には画像センサと画像センサ及びレンズ間の窓とを一体化したハウジングと組み立てられるように適合されている。接合要素に関して
図2Aの説明に記載されている他の例が、
図4の接合要素430 に適用されてもよい。
【0114】
図示されている例では、切取角βは壁の傾斜角αに実質的に等しく、このため、赤外線カメラをポートホールに可能な限り近づけることが可能である。
【0115】
様々な実施形態及び変形例が記載されている。当業者は、これらの様々な実施形態及び変形例のある特徴が組み合わされてもよいと理解し、他の変形例が当業者に想起される。特に、全ての実施形態は、赤外線カメラの光軸と屈折光軸との間のオフセットの有無にかかわらず実施されてもよい。更に、実施形態では、画像センサのハウジング及びレンズ取付台は一体であってもよい。
【0116】
最後に、記載されている実施形態及び変形例の実際の実施は、上述した機能的な表示に基づく当業者の技能の範囲内である。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線画像化デバイ
スであって、
光
軸を有し、スペクトル領域の赤外線を通す透明要
素を通過する前記赤外線を検出するように構成されている赤外線カメ
ラを備えており、
前記透明要素は、実質的に平坦で互いに平行な入口面及び出口面の2つの表面を有しており、取付
台によって囲まれており、
前記取付台を含む前記透明要素は、
壁の開口部に挿入されるように適合されており、
前記透明要素及び前記透明要素が挿入されている前記壁の少なくとも一部は、前記赤外線カメラの光
軸に対して0°より大きく90°より小さいか又は0°より小さく-90°より大きい傾斜
角分、傾いており、
前記赤外線画像化デバイスは、前記赤外線カメ
ラ及び前記取付
台間の接合部分を形成するように適合されている接合要
素を備えている、赤外線画像化デバイス。
【請求項2】
前記接合要
素の少なくとも1つの内
面は、前記接合要素によって前記赤外線カメラに向かう赤外線の放射を減少させるような形状を有する、及び/又は、前記接合要素によって前記赤外線カメラに向かう赤外線の放射を減少させるように適合されている材料で形成されている、及び/又は、前記接合要素によって前記赤外線カメラに向かう赤外線の放射を減少させるように適合されている被覆体で覆われている、請求項1に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項3】
前記接合要
素は、例えば前記透明要
素の取付
台と相補的な形状によって、前記透明要
素の取付
台と係合するように適合されている第1の端
部を有している、請求項1又は2に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項4】
前記接合要
素は、例えば前記赤外線カメラの少なくとも一部と相補的な形状によって、前記赤外線カメ
ラと係合するように適合されている第2の端
部を有している、請求項1
又は2に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項5】
前記赤外線カメ
ラは、少なくとも1つのレン
ズ及びレンズ取付
台を有しており、
前記少なくとも1つのレンズは前記レンズ取付台によって保持されており、
前記接合要
素の第2の端
部は、例えば前記レンズ取付
台と相補的な形状によって、前記レンズ取付台と係合するように適合されている、請求項4に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項6】
前記赤外線カメ
ラは、少なくとも1つのレン
ズ及びレンズ取付台を有しており、
前記少なくとも1つのレンズは、前記レンズ取付台によって保持されており、
前記接合要
素及び前記レンズ取付台は一体である、請求項4に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項7】
前記赤外線カメ
ラは、少なくとも1つのレン
ズ及びレンズ取付台を有しており、
前記少なくとも1つのレンズは前記レンズ取付台によって保持されており、
前記少なくとも1つのレン
ズ及び/又は前記レンズ取付台は、前記
壁に対向するように適合されている切取
面を有している、請求項1
又は2に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項8】
前記赤外線カメラの光
軸に対する前記切取
面の切取
角は、前記
壁及び前記透明要
素の傾斜
角に実質的に等しい、請求項7に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項9】
前記接合要
素は、前記切取
面を覆うように適合されている部
分を少なくとも有しており、前記部分は、例えば、前記切取面の熱的保護、及び/又は赤外線からの前記切取面の保護を行う部分である、請求項
7に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項10】
前記赤外線カメ
ラは、少なくとも1つのレン
ズ及びレンズ取付
台を有しており、前記少なくとも1つのレンズは前記レンズ取付台によって保持されており、
前記赤外線カメラは、前記スペクトル領域の赤外線を感知可能な画像セン
サを有しており、
前記画像センサ及び前記少なくとも1つのレンズは前記赤外線カメラの光
軸を定めており、前記画像センサは、実質的に前記少なくとも1つのレンズの画像焦点面に配置されている、請求項1
又は2に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項11】
前記接合要素は、流体を通さない組立体を前記壁及び前記赤外線カメラ間に設けるように適合されている、請求項1
又は2に記載の赤外線画像化デバイス。
【請求項12】
前記接合要素は、熱伝導性が低い材料、例えば熱伝導率が10 W・m
-1・K
-1より低い材料で形成されている、請求項1
又は2に記載の赤外線画像化デバイス。
【請求項13】
前記接合要素は、少なくとも1つの温度プロー
ブを有しており、前記少なくとも1つの温度プローブは、例えば、逸れた光束、例えば前記赤外線画像化デバイスによって放射される逸れた光束を処理するためのモジュールに連結されている、請求項1
又は2に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項14】
前記赤外線カメ
ラを遮断するように適合されている着脱可能なシャッタ要
素を備えており、前記シャッタ要素は、例えば、前記赤外線カメラに面する前記シャッタ要素の表面で放射性被覆体により覆われている、請求項1
又は2に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項15】
前記接合要
素は、前記赤外線カメ
ラに面して、前記透明要
素の近くに、例えば前記透明要素の取付
台に接して配置されるように適合されている放射性内
面を有しており、前記放射性内面は、例えば放射性被覆
体で覆われている、請求項1
又は2に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項16】
前記接合要
素は、前記透明要
素の領
域、例えば前記透明要素の縁部の前方に配置されるように適合されている部
分を有することにより、前記透明要素の領域と前記赤外線カメ
ラとの間に遮蔽体を形成しており、前記部分は、前記赤外線カメ
ラに面して、例えば放射性被覆
体で覆われている放射面を有している、請求項1
又は2に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項17】
前記赤外線カメ
ラは、角度画素を含む画素アレイを有する画像セン
サを有しており、前記角度画素は、前記角度画素の視野内で前記画像センサに対向する前記接合要
素の内部領域、例えば前記透明要
素の周りに配置されるように構成されている内部領域から生じる光束を取り込むように適合されており、前記内部領域は、例えば放射性被覆体で覆われている、請求項1
又は2に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項18】
- 請求項1
又は2に記載の赤外線画像化デバイ
スと、
- スペクトル領域の赤外線を通して取付
台で囲まれている透明要
素が挿入されている開口部を有する
壁と
を備えており、
前記赤外線画像化デバイスの赤外線カメ
ラは、前記透明要素を通過するスペクトル領域の赤外線を検出するように適合されており、
前記透明要
素及び前記透明要素が挿入されている前記
壁の少なくとも一部は、前記赤外線カメラの光
軸に対して0°より大きく90°より小さいか又は0°より小さく-90°より大きい傾斜
角分、傾いている、赤外線画像化システム。
【請求項19】
前記透明要素は、前記壁の開口部に相当する空間に含まれている、及び/又は、前記壁の開口部の両側に横方向に突出していない、請求項1
又は2に記載の赤外線画像化デバイ
ス。
【請求項20】
前記透明要素は、前記壁の開口部に相当する空間に含まれている、及び/又は、前記壁の開口部の両側に横方向に突出していない、請求項18に記載の赤外線画像化システム。
【国際調査報告】