IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ポスコ カンパニー リミテッドの特許一覧

特表2024-539569耐食性及び白色度に優れためっき鋼板及びその製造方法
<>
  • 特表-耐食性及び白色度に優れためっき鋼板及びその製造方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】耐食性及び白色度に優れためっき鋼板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 2/06 20060101AFI20241022BHJP
   C23C 2/26 20060101ALI20241022BHJP
   C23C 2/02 20060101ALI20241022BHJP
   C23C 2/20 20060101ALI20241022BHJP
   C22C 18/04 20060101ALI20241022BHJP
   C22C 38/00 20060101ALN20241022BHJP
   C22C 38/38 20060101ALN20241022BHJP
【FI】
C23C2/06
C23C2/26
C23C2/02
C23C2/20
C22C18/04
C22C38/00 301T
C22C38/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519262
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 KR2022014558
(87)【国際公開番号】W WO2023055073
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0129895
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】キム、 テ-チョル
(72)【発明者】
【氏名】キム、 スン-ユ
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ミュン-ス
(72)【発明者】
【氏名】ユ、 ボン-ファン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、 ヨン-キュン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、 イル-リョン
【テーマコード(参考)】
4K027
【Fターム(参考)】
4K027AA05
4K027AB05
4K027AB15
4K027AB44
4K027AC12
4K027AC64
4K027AE02
4K027AE03
(57)【要約】
本発明は、耐食性及び白色度に優れたZn-Mg-Al系めっき鋼板及びこの製造方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
素地鋼板;及び
前記素地鋼板の少なくとも一面に備えられたZn-Mg-Al系めっき層;を含み、
前記Zn-Mg-Al系めっき層は、重量%で、Mg:4.0~6.3%、Al:11.0~19.5%、残部Zn及びその他の不可避不純物を含み、
下記関係式1を満たす、めっき鋼板。
[関係式1]
0.26≦I(110)/I(103)≦0.65
(前記I(110)は、MgZn相の(110)面の結晶ピークのX線回折積分強度を示し、前記I(103)は、MgZn相の(103)面の結晶のX線回折積分強度を示す。)
【請求項2】
前記素地鋼板と前記Zn-Mg-Al系めっき層との間に備えられたFe-Al系抑制層;をさらに含む、請求項1に記載のめっき鋼板。
【請求項3】
前記Fe-Al系抑制層の平均厚さは0.1~1μmである、請求項2に記載のめっき鋼板。
【請求項4】
前記I(110)の値は120~200の範囲を満たす、請求項1に記載のめっき鋼板。
【請求項5】
前記I(103)の値は240~300の範囲を満たす、請求項1に記載のめっき鋼板。
【請求項6】
前記めっき鋼板の表面粗さは、Ra:1.0~1.7μm及びRpc:10~30(/10mm)の範囲を満たす、請求項1に記載のめっき鋼板。
【請求項7】
重量%で、Mg:4.0~6.3%、Al:11.0~19.5%、残部Zn及びその他の不可避不純物を含むめっき浴に、素地鋼板をT+10℃~T+40℃(T:めっき浴の温度)の引き込み温度に浸漬して溶融亜鉛めっきする段階;
前記溶融亜鉛めっきされた鋼板に25~100℃に加熱された窒素ガスを供給してエアワイピングを行う段階;
前記エアワイピングされた鋼板を420℃まで1.0~3.0℃/sの平均冷却速度で1次冷却する段階;及び
前記1次冷却された鋼板を420℃未満300℃以上の温度範囲で3.5~5.0℃/sの平均冷却速度で2次冷却する段階;を含み、
下記関係式2を満たす、めっき鋼板の製造方法。
[関係式2]
0.005≦Pair/(Wair×T)
(前記Wairはエアナイフの間隔を表し、単位はmmである。前記Pairはエアナイフの圧力を表し、単位はkPaである。前記Tは供給された窒素の温度を表し、単位は℃である。)
【請求項8】
下記関係式3を満たす、請求項7に記載のめっき鋼板の製造方法。
[関係式3]
1+C/C≦C≦C×1.6
(前記Cは1次冷却時の平均冷却速度[℃/s]を示し、前記Cは2次冷却時の平均冷却速度[℃/s]を示す。)
【請求項9】
前記2次冷却で得られためっき鋼板の表面粗さをRa:1.0~1.7μm及びRpc:10~30(/10mm)の範囲に制御する、請求項7に記載のめっき鋼板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐食性及び白色度に優れた高耐食めっき鋼板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
亜鉛系めっき鋼板は、腐食環境に晒されたとき、鉄より酸化還元電位が低い亜鉛が先に腐食され、鋼材の腐食が抑制される犠牲防食の特性を有する。また、めっき層の亜鉛が酸化しながら鋼材の表面に緻密な腐食生成物を形成させて、酸化雰囲気から鋼材を遮断することで鋼材の耐腐食性を向上させる。このような有利な特性のために、亜鉛系めっき鋼板は最近、建資材、家電製品及び自動車用鋼板にその適用範囲が拡大している。
【0003】
しかし、産業高度化に伴う大気汚染の増加により腐食環境が徐々に悪化しており、資源及び省エネに対する厳しい規制により、従来の亜鉛めっき鋼材よりもさらに優れた耐食性を有する鋼材の開発に対する必要性が高まっている。
【0004】
かかる問題を改善するために、亜鉛めっき浴にアルミニウム(Al)及びマグネシウム(Mg)等の元素を添加して鋼材の耐食性を向上させる亜鉛合金系めっき鋼板の製造技術に関する研究が様々に進められている。代表的な例としては、Zn-Alめっき組成系にMgをさらに添加したZn-Mg-Al系亜鉛合金めっき鋼板がある。
【0005】
しかし、Zn-Mg-Al系亜鉛合金めっき鋼板の場合、加工されて用いられる場合が多いが、めっき層内の硬度の高い金属間化合物を多量に含み、曲げ加工時にめっき層内のクラックを引き起こすなどの曲げ加工性が悪いという欠点がある。それだけでなく、通常、Zn-Mg-Al系亜鉛合金めっき鋼板は、白色度が劣って外装用高級建築資材に適用するには技術的に限界があった。
【0006】
したがって、これまで耐食性のみならず、曲げ性及び/または白色度にも全て優れた高度な需要を満たすことができるレベルの技術は開発されていないのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開公報第2010-0073819号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一側面によると、耐食性及び白色度に優れためっき鋼板及びその製造方法を提供する。
【0009】
また、本発明の他の一側面によると、耐食性及び白色度のみならず、曲げ性にも優れためっき鋼板及びこの製造方法を提供する。
【0010】
本発明の課題は、上述した内容に限定されない。本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、誰でも本発明の明細書の全体内容から発明の追加的な課題を理解するのに困難がない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面は、
素地鋼板;及び
上記素地鋼板の少なくとも一面に備えられたZn-Mg-Al系めっき層;を含み、
上記めっき層は、重量%で、Mg:4.0~6.3%、Al:11.0~19.5%、残部Zn及びその他の不可避不純物を含み、
下記関係式1を満たす、めっき鋼板を提供する。
[関係式1]
0.26≦I(110)/I(103)≦0.65
(上記関係式1において、上記I(110)はMgZn相の(110)面の結晶ピークのX線回折積分強度を示し、上記I(103)はMgZn相の(103)面の結晶のX線回折積分強度を示す。)
【0012】
また、本発明の他の一側面は、
重量%で、Mg:4.0~6.3%、Al:11.0~19.5%、残部Zn及びその他の不可避不純物を含むめっき浴に、素地鋼板をT+10℃~T+40℃(T:めっき浴温度)の引き込み温度に浸漬して溶融亜鉛めっきする段階;
上記溶融亜鉛めっきされた鋼板に25~100℃で加熱された窒素ガスを供給してエアワイピングを行う段階;
上記エアワイピングされた鋼板を420℃まで1.0~3.0℃/sの平均冷却速度で1次冷却する段階;及び
上記1次冷却された鋼板を420℃未満300℃以上の温度範囲で3.5~5.0℃/sの平均冷却速度で2次冷却する段階;を含み、
下記関係式2を満たす、めっき鋼板の製造方法を提供する。
[関係式2]
0.005≦Pair/(Wair×T)
(上記関係式2において、上記Wairはエアナイフの間隔を表し、単位はmmである。上記Pairはエアナイフの圧力を表し、単位はkPaである。上記Tは供給された窒素の温度を表し、単位は℃である。)
【発明の効果】
【0013】
本発明の一側面によると、耐食性及び白色度に優れためっき鋼板及びその製造方法を提供することができる。
【0014】
また、本発明の他の一側面によると、耐食性及び白色度のみならず、曲げ性にも優れためっき鋼板及びこの製造方法を提供することができる。
【0015】
本発明の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】発明例8及び比較例8から得られためっき鋼板について、めっき層の表面でX-ray diffraction(以下、「XRD」という)で測定されたX線回折角度(2θ)によるX線回折ピークを示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書で用いられる用語は、特定実施例を説明するためのものであり、本発明を限定する意図ではない。また、本明細書において用いられる単数の形態は、関連定義がこれと明らかに反対される意味を表しない限り、複数の形態も含む。
【0018】
明細書で用いられる「含む」の意味は、構成を具体化し、他の構成の存在や付加を除外するものではない。
【0019】
異なって定義しない限り、本明細書において用いられる技術用語及び科学用語を含むすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。辞書で定義されている用語は、関連技術文献と現在開示された内容に符合する意味を有するものと解釈される。
【0020】
以下、本発明の一側面に係る「めっき鋼板」について詳細に説明する。本発明において各元素の含有量を表すときには、特に断りのない限り、重量%を意味する。
【0021】
従来のZn-Mg-Al系亜鉛合金めっき鋼板関連技術では耐食性の向上のためにMgを添加したが、Mgを過度に添加する場合、めっき浴浮遊ドロスの発生が多くなって、ドロスを頻繁に除去しなければならないという問題があり、Mg添加量の上限を3%に制限していた。
【0022】
そこで、Mg添加量を3%より増加させて耐食性をさらに改善するために研究したが、Mgの添加量が高くなるにつれてめっき層内の硬度の高い金属間化合物を多量に含み、曲げ加工時にめっき層内のクラックを引き起こすなどの曲げ性(あるいは、曲げ加工性)が悪化する問題があった。
【0023】
このような曲げ性の問題だけでなく、従来技術では、MgZn系金属間化合物の結晶相の割合が適正しないことによる乱反射の不在により、Zn-Mg-Al系亜鉛合金めっき鋼板の白色度が不足するという問題があった。したがって、従来のZn-Mg-Al系亜鉛合金めっき鋼板を外装用高級建築資材に適用するには限界があった。
【0024】
それ故に、従来技術では耐食性確保と同時に、曲げ性及び白色度にも優れためっき鋼板を提供することは技術的に困難であった。
【0025】
そこで、本発明者らは、上述した問題を解決すると同時に、耐食性だけでなく、曲げ性及び/又は白色度にも優れためっき鋼板を提供するために、鋭意検討を行った結果、めっき層の組成だけでなく、めっき層の表面でXRDで分析して得られたMgZn相の(110)面の結晶ピークのX線回折積分強度と、MgZn相の(103)面の結晶のX線回折積分強度との比を特定の範囲に制御することが重要な要素であることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0026】
以下では耐食性に優れると同時に、さらに曲げ性及び/または白色度にも優れためっき鋼板の構成について具体的に説明する。
【0027】
まず、本発明によるめっき鋼板は、素地鋼板;上記素地鋼板の少なくとも一面に備えられたZn-Mg-Al系めっき層;を含む。
【0028】
本発明では、素地鋼板の種類については特に限定しないことができる。例えば、上記素地鋼板は、通常の亜鉛系めっき鋼板の素地鋼板として用いられるFe系素地鋼板、すなわち熱延鋼板または冷延鋼板であることができるが、これに限定されない。あるいは、上記素地鋼板は、例えば、建築用、家電用、自動車用素材として用いられる炭素鋼、極低炭素鋼または高マンガン鋼であることもできる。
【0029】
但し、一例として、上記素地鋼板は、重量%で、C:0%超過(より好ましくは、0.001%以上)0.18%以下、Si:0%超過(より好ましくは、0.001%以上)1.5%以下、Mn:0.01~2.7%、P:0%超過(より好ましくは、0.001%以上)0.07%以下、S:0%超過(より好ましくは、0.001%以上)0.015%以下、Al:0%超過(より好ましくは、0.001%以上)0.5%以下、Nb:0%超過(より好ましくは、0.001%以上)0.06%以下、Cr:0%超過(より好ましくは、0.001%以上)1.1%以下、Ti:0%超過(より好ましくは、0.001%以上)0.06%以下、B:0%超過(より好ましくは、0.001%以上)0.03%以下、及び残部Fe及びその他の不可避不純物を含む組成を有することができる。
【0030】
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態によると、上記素地鋼板の少なくとも一面にはZn-Mg-Al系合金からなるZn-Mg-Al系めっき層が備えられることができる。上記めっき層は、素地鋼板の一面にのみ形成されていることもでき、あるいは、素地鋼板の両面に形成されていることもできる。このとき、上記Zn-Mg-Al系めっき層は、Mg及びAlを含み、Znを主に含む(すなわち、Znを50%以上含む)めっき層をいう。
【0031】
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態によると、上記Zn-Mg-Al系めっき層の厚さは5~100μmであることができ、より好ましくは7~90μmであることができる。めっき層の厚さが5μm未満であると、めっき層の厚さ偏差から生じる誤差により局部的にめっき層が非常に薄くなる場合があり、耐食性が劣る場合がある。めっき層の厚さが100μmを超過すると、溶融めっき層の冷却が遅れることがあり、一例として垂れ形状などめっき層の表面に凝固欠陥が発生する余地があり、めっき層を凝固させるために鋼板の生産性が低下することがある。
【0032】
一方、特に限定するものではないが、本発明の一実施形態によると、上記素地鋼板と上記Zn-Mg-Al系めっき層との間にはFe-Al系抑制層をさらに含むことができる。上記Fe-Al系抑制層は、FeとAlの金属間化合物を主に含む(例えば、60%以上)層であり、FeとAlの金属間化合物としてはFeAl、FeAl、FeAl等が挙げられる。その他にもZn、Mgなどのようにめっき層に由来する成分が一部、例えば40%以下さらに含まれることもできる。上記抑制層は、めっき初期素地鋼板から拡散したFe及びめっき浴成分による合金化により形成された層である。上記抑制層は、素地鋼板とめっき層の密着性を向上させる役割を果たし、同時に素地鋼板からめっき層へのFe拡散を防止する役割を果たすことができる。このとき、上記抑制層は、素地鋼板とZn-Mg-Al系めっき層との間に連続的に形成されることもでき、不連続的に形成されることもできる。上記抑制層については、上述した説明を除いては、当該技術分野で通常的に知られた内容を同様に適用することができる。
【0033】
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態によると、選択的に、上記抑制層の厚さは0.1~1μmであることができる。上記抑制層は、合金化を防ぎ、耐食性を確保する役割を果たすが、ブリトルであるため、加工性に影響を及ぼすことがあり、本発明では上記抑制層の厚さを1μm以下にすることができる。但し、抑制層としての役割を果たすためには、その厚さを0.1μm以上にすることができる。上述した効果をより向上させる観点から、好ましくは上記抑制層の厚さの上限は、1.00μmであることができ、または上記抑制層の厚さの下限は0.15μmであることができる。
【0034】
このとき、上記抑制層の厚さは、めっき鋼板を厚さ方向(すなわち、圧延方向に垂直な方向を意味する)に切断した断面試験片を製造した後、上記断面を走査電子顕微鏡(以下、「SEM」という)で撮影して、上記抑制層に対する厚さ方向への最小厚さを意味することができる。
【0035】
また、本発明によると、上記めっき層は、重量%で、Mg:4.0~6.3%、Al:11.0~19.5%、残部Zn及びその他の不可避不純物を含む。以下では、各成分の添加理由及び含有量の限定理由について具体的に説明する。
【0036】
Mg:4.0%以上6.3%以下
Mgは、めっき鋼材の耐食性を向上させる役割を果たす元素であり、本発明では目的とする優れた耐食性を確保するためにめっき層内のMg含有量を4.0%以上に制御する。一方、Mgが過度に添加される場合にはドロスが発生する可能性があるだけでなく、めっき層内の硬度が高い金属間化合物が過度に形成されて曲げ性を弱化させることがあるため、Mg含有量を6.3%以下に制御することができる。
【0037】
Al:11.0%以上19.5%以下
一般的にMgが1%以上添加される場合、耐食性向上の効果は発揮されるが、Mgが2%以上添加すると、めっき浴内のMgの酸化によるめっき浴浮遊ドロス発生が増加して、ドロスを頻繁に除去する必要があるという問題がある。このような問題により、従来技術ではZn-Mg-Al系亜鉛合金めっきでMgを1.0%以上添加して耐食性を確保するが、Mg含有量の上限線を3.0%に設定して常用化していた。
【0038】
しかし、本発明では、耐食性をさらに向上させるためには、Mg含有量を4%以上に高める必要があるが、めっき層内のMgを4%以上含むと、めっき浴内のMgの酸化によるドロスが発生する問題があるため、Alを11.0%以上添加させる必要がある。但し、ドロス抑制のためにAlを過度に添加すると、めっき浴の融点が高くなり、それに伴う操業温度が高すぎることによってめっき浴構造物の浸食及び鋼材の変性が生じるなどの高温作業による問題が生じることがある。したがって、めっき層内のAl含有量の上限は19.5%に制御することが好ましい。
【0039】
残部Zn及びその他の不可避不純物
上述しためっき層の組成以外に、残部はZn及びその他の不可避不純物であることができる。不可避不純物は、通常の溶融亜鉛めっき鋼板の製造工程で意図せずに混入できるものであれば全て含まれることができ、当該技術分野の技術者であれば、その意味を容易に理解することができる。
【0040】
一方、本発明によると、上記めっき鋼板は、耐食性確保と同時に、目的とするレベルの優れた曲げ性及び/または白色度を確保するために、下記関係式1を満たすことが好ましい。
[関係式1]
0.26≦I(110)/I(103)≦0.65
(上記関係式1において、上記I(110)はMgZn相の(110)面の結晶ピークのX線回折積分強度を示し、上記I(103)はMgZn相の(103)面の結晶のX線回折積分強度を示す。)
【0041】
本発明者らは、めっき層に存在するMgZn相の(110)面の結晶とMgZn相の(103)面の結晶の存在割合がめっき層の曲げ性及び白色度向上に重要な要素であることが分かった。すなわち、上記関係式1を満たすようにめっき層の表面でXRDで分析して得られたMgZn相の(110)面の結晶ピークのX線回折積分強度と、MgZn相の(103)面の結晶のX線回折積分強度の比を制御することにより、優れた耐食性の確保だけでなく、曲げ性及び白色度の向上も可能となる。
【0042】
本発明において、MgZn相の(110)面の結晶の増加は、めっき層の表面と平行に形成された結晶相がZn相との格子不整合を減らすことで、MgZn相内のクラック発生を減少させて曲げ性を向上させることができる。一方、MgZn相の(103)面の結晶の増加は、めっき層の表面と垂直な方向に結晶相が形成されるため、クラック発生を増加させることがあるという欠点がある。したがって、曲げ性の改善のためには、上述したMgZn相の2つの結晶面を適切に調和させることが必要である。さらに、MgZn相の(110)面の結晶とMgZn相の(103)面の結晶の組み合わせ割合はめっき鋼板の表面での乱反射に影響を及ぼすため、MgZn相の(110)面の結晶とMgZn相の(103)面の結晶を適正割合で制御することにより、乱反射の増大を誘導して白色度を向上させることができる。
【0043】
したがって、上記関係式1から定義されるI(110)/I(103)値が0.26未満であると、MgZn相の(110)面の結晶に対するMgZn相の(103)面の結晶の存在割合が過度であり、曲げ性や白色度が不十分になる可能性がある。一方、上記関係式1から定義されるI(110)/I(103)値が0.65を超過すると、MgZn相の(103)面の結晶に対するMgZn相の(110)面の結晶の存在割合が非常に過度であり、乱反射の増大を誘導することができず、白色度が不十分となる問題が生じることがある。
【0044】
本発明によると、上述したMgZn相の(110)面の結晶と、MgZn相の(103)面の結晶が上記関係式1を満たすように混在することで、優れた曲げ性が確保されるだけでなく、乱反射により表面が輝いて白色度に優れた特性が得られる。さらに、上述したMgZn相の(110)結晶面とMgZn相の(103)結晶面の割合が関係式1を満たすと同時に、主な結晶であるZn相の(002)面の結晶が共存することで、乱反射をより大きく高めることができる。
【0045】
一方、特に限定するものではないが、本発明の一実施形態によると、上述した効果をより最大化する観点から、より好ましくは、上記関係式1から定義されるI(110)/I(103)値の下限は0.55であることができ、または上記I(110)/I(103)値の上限は0.64であることができる。
【0046】
このとき、上述したMgZn相の(110)面の結晶ピーク及びMgZn相の(103)面の結晶ピークは、めっき層の表面をXRDで分析して得られたX線回折積分強度から当該技術分野で知られた方法を用いて(110)面の結晶ピーク及び(103)面の結晶ピークを区分することができる。したがって、本明細書ではこれを別途定義しない。
【0047】
一方、上記X線回折積分強度の測定方法について特に限定せず、当該技術分野で知られた方法を適用することができる。例えば、めっき層の表面をXRDで分析してX線回折積分強度を測定することができ、上記X線回折積分強度を測定するための装置としてはRINT2000回折計を用いることができ、X線回折積分強度の測定条件はCuターゲット(target)、電圧:40kV、電流:200mAとし、X線回折角度(2θ)は10~100°まで測定することができる。代表的な一例として、Cuターゲット(target)を用いる場合には、上記I(110)は2θ=34.0°~34.6°の間のピークの積分強度で定義することができ、上記I(103)は2θ=37.0°~37.5°の間のピークの積分強度として定義することができる。但し、上記ターゲット物質がMo等で異なる場合には、2θの値がターゲット物質の種類によって変化するため、本発明において上記2θの範囲を特に限定するものではない。
【0048】
なお、本明細書において、上記(110)面を有するMgZn結晶とは、鋼板表面でMgZn相の六方晶系(hexagonal)結晶中に(110)面が示される組織を意味する。なお、上記(103)面を有するMgZn結晶とは、鋼板表面でMgZn相の六方晶系(hexagonal)結晶中に(103)面が示される組織を意味する。
【0049】
一方、特に限定するものではないが、本発明の一実施形態によると、上記めっき鋼板は、選択的に、上記I(110)の値が120~200の範囲を満たすことができる。上記I(110)の値が120~200の範囲を満たすようにすることで、上記関係式1を満たす範囲内でMgZn相の(110)面の結晶の存在割合を増加させてめっき鋼板の曲げ性をより向上させるだけでなく、白色度もさらに向上させることができる。
【0050】
あるいは、特に限定するものではないが、本発明の一実施形態によると、上記めっき鋼板は、選択的に、上記I(103)の値が240~300の範囲を満たすことができる。上記I(103)の値が240~300の範囲を満たすようにすることで、上記関係式1を満たす範囲内でクラックの発生を減少させるMgZn相の(110)面の結晶の存在割合は増加させるが、クラックの発生を低減させるMgZn相の(103)面の結晶の存在割合は減少させることにより、めっき鋼板の曲げ性の向上と同時に、白色度までもさらに向上させることができる。このとき、上記I(110)の値と上記I(103)の値は、RINT2000回折計を用いて、Cuターゲット(target)で、電圧:40kV及び電流:200mAの条件で測定した値を示す。
【0051】
一方、特に限定するものではないが、本発明の一実施形態によると、選択的に、上記めっき鋼板の表面粗さは、Ra:1.0~1.7μm及びRpc:10~30(/10mm)の範囲を満たすことができる。めっき鋼板の表面粗さが上述した範囲を満たすようにすることで、乱反射を空間上に均一に形成することで、めっき鋼板の白色度をより向上させることができる。
【0052】
次に、本発明のまた他の一側面に係る「めっき鋼板の製造方法」について詳細に説明する。但し、本発明のめっき鋼板が必ずしも以下の製造方法により製造されなければならないことを意味するものではない。
【0053】
本発明の一実施形態によると、まず、素地鋼板を準備する段階をさらに含むことができ、素地鋼板の種類は特に限定しない。通常の溶融亜鉛めっき鋼板の素地鋼板として用いられるFe系素地鋼板、すなわち熱延鋼板または冷延鋼板であることができるが、これに限定されるものではない。また、上記素地鋼板は、例えば、建築用、家電用、自動車用素材として用いられる炭素鋼、極低炭素鋼、または高マンガン鋼であることができるが、これに制限されるものではない。このとき、上記素地鋼板については上述した説明を同様に適用することができる。
【0054】
次いで、重量%で、Mg:4.0~6.3%、Al:11.0~19.5%、残部Zn及びその他の不可避不純物を含むめっき浴に上記素地鋼板を浸漬して溶融亜鉛めっきを行う。
【0055】
このとき、上述しためっき浴における成分添加理由及び含有量の限定理由については、素地鋼板から流入される余地がある少量のFeの含有量を除き、上述しためっき層の成分に対する説明を同様に適用することができる。
【0056】
一方、上述した組成のめっき浴を製造するためには、所定のZn、Al及びMgを含有する複合インゴット又は個別成分が含有されたZn-Mg、Zn-Alインゴットを用いることができる。溶融めっきで消耗されるめっき浴を補うためには、上記インゴットをさらに溶解して供給するようになる。この場合、インゴットを直接めっき浴に浸漬して溶解する方法を選ぶこともでき、インゴットを別途のポートに溶解させた後、溶融した金属をめっき浴に補充する方法を選ぶこともできる。
【0057】
本発明によると、上記溶融亜鉛めっき時に、素地鋼板の引き込み温度は、めっき浴温度(T)に対してT+10℃~T+40℃の範囲を満たすように制御する。上記素地鋼板の引き込み温度がT+10℃未満であると、界面密着性が不十分であってドロス付着の問題が発生することがある。一方、上記素地鋼板の引き込み温度がT+40℃超過であると、エッシュ(Znヒューム)発生が増加して鋼板に吸着することで、めっき表面品質に問題が生じることがある。一方、特に限定するものではないが、上記めっき浴温度(T)は440~500℃の範囲であることができ、より好ましくは440~490℃の範囲であることができる。
【0058】
次いで、上記溶融亜鉛めっきされた鋼板に25~100℃(より好ましくは25℃超過100℃以下)に加熱された窒素ガスを供給してエアワイピングを行う。本発明者らは鋭意研究を行った結果、エアワイピング時に、通常の方法とは異なって特定温度範囲に加熱された窒素ガスを供給してエアワイピングを行うことで、適正表面粗さの確保により空間上に乱反射が均一化することによって、白色度が向上しためっき鋼板を製造することができることが分かった。
【0059】
すなわち、上記エアワイピング時に供給される窒素ガスの温度が25℃未満であると、鋼板の急冷により鋼板の幅方向に均一でない色相差が発生する問題が生じることがある。一方、上記エアワイピング時に供給される窒素ガスの温度が100℃を超過すると、冷却が容易でないことから生産性が低下する問題が生じることがある。
【0060】
上述した効果をより最大化するための観点から、より好ましくは、上記エアワイピング時に供給される窒素ガスの温度の下限は30℃であることができ、あるいは上記エアワイピング時に供給される窒素ガスの温度の上限は85℃であることができる。
【0061】
一方、本発明によると、上記エアワイピング時に、下記関係式2を満たすように制御する。下記関係式2を満たすようにエアワイピングの条件を制御することにより、幅方向に均一に白色度に優れた鋼板の生産が可能となる。このとき、下記関係式2は経験的に得られる値であるため、特に単位を定めないことができ、下記定義されたWairの単位であるmmと、Pairの単位であるkPaと、Tの単位である℃を満たすと十分である。
[関係式2]
0.005≦Pair/(Wair×T)
(上記関係式2において、上記Wairはエアナイフの間隔を表し、単位はmmである。上記Pairはエアナイフの圧力を表し、単位はkPaである。上記Tは供給された窒素の温度を表し、単位は℃である。)
【0062】
本発明によると、上記エアワイピング段階の後に、上記エアワイピングされた鋼板を420℃まで(表面温度を基準に)1.0~3.0℃/sの平均冷却速度で1次冷却を行った後、上記1次冷却された鋼板を420℃未満300℃以上の温度範囲で3.5~5.0℃/sの平均冷却速度で2次冷却を行う。
【0063】
本発明者らは鋭意検討を行った結果、2段階に分けて冷却速度を精密制御しながらも徐冷を行うことで、鋼板の幅方向に表面特性が均一に確保されることを見出した。
【0064】
すなわち、上記1次冷却時に、平均冷却速度が1.0℃/s未満であると生産性不足の問題が生じることがあり、上記1次冷却時に、3.0℃/sを超過すると、鋼板の不均一の凝固特性を示す問題が生じることがある。また、上記2次冷却時に、平均冷却速度が3.5℃/s未満であると生産性が不足する問題が生じることがあり、上記2次冷却時に、平均冷却速度が5.0℃/sを超過すると、MgZn相の(110)面の結晶とMgZn相の(103)面の結晶の割合が適正でないため、目的とする表面構造を形成することができないおそれがある。
【0065】
一方、特に限定するものではないが、本発明の一実施形態によると、選択的に、上記冷却時に、下記関係式3を満たすように冷却条件を制御することができる。1次冷却及び2次冷却時の平均冷却速度との関係を下記関係式3のように制御することで、MgZn相の(110)面の結晶とMgZn相の(103)面の結晶の形成割合が最適化され、めっき鋼板の白色度をさらに向上させることができる。このとき、下記関係式3は経験的に得られる値であるため、特に単位を定めないことができ、下記定義されたC及びCの各単位を満たすと十分である。
[関係式3]
1+C/C≦C≦C×1.6
(上記関係式3において、上記Cは1次冷却時の平均冷却速度[℃/s]を示し、上記Cは2次冷却時の平均冷却速度[℃/s]を示す。)
【0066】
一方、特に限定するものではないが、本発明の一実施形態によると、選択的に、上記2次冷却で得られためっき鋼板の表面粗さRa:1.0~1.7μm及びRpc:10~30(/10mm)の範囲で制御することができる。めっき鋼板の表面粗さRa及びRpcが上記範囲を満たすように制御することで、乱反射を空間上に均一に形成する効果を確保することができる。
【0067】
上述したように、めっき組成及び製造条件を精密制御することにより、耐食性だけでなく、曲げ性及び白色度にも全て優れためっき鋼板を効果的に提供することができる。
【実施例
【0068】
以下、実施例を通じて本発明をより具体的に説明する。但し、下記実施例は例示により本発明を説明するためのもので、本発明の権利範囲を限定するためのものではないことに留意する必要がある。本発明の権利範囲は、特許請求の範囲に記載された事項及びこれから合理的に類推される事項によって決定されるためである。
【0069】
(実施例)
C:0.018%、Si:0.01%、Mn:0.2%、P:0.009%、S:0.005%、Al:0.1%、Nb:0.02%、Cr:0.2%、Ti:0.02%、B:0.015%、残部Fe及び不純物の組成を有し、厚さ1.5mm、幅1200mmの素地鋼板を用意する。上記用意された素地鋼板を下記表1の条件でめっき浴に浸漬して溶融亜鉛めっきを行った。
【0070】
続いて、溶融亜鉛めっきされた鋼板に下記表1に記載された条件で、窒素(N)ガスを用いてエアワイピング処理を行った後、下記表2の条件で1次冷却及び2次冷却を行った。この後、上記2次冷却して得られた鋼板に、下記表2に記載された表面粗さを満たすように制御した。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
上記表1~2の方法で得られためっき鋼板の試験片を製作して、めっき層を塩酸溶液に溶解した後、溶解された液体を湿式分析(ICP)方法で分析してめっき層の組成を測定し、下記表3に示した(但し、残部はZn及び不純物に該当)。
【0074】
また、上記めっき層と素地鋼板の界面が観察されるように鋼板の圧延方向に垂直な方向に切断した断面試験片を製造した後、SEMで撮影して、素地鋼板、Zn-Mg-Al系めっき層、及び上記素地鋼板とZn-Mg-Al系めっき層の間にFe-Al系抑制層が形成されることを確認した。
【0075】
また、めっき層のX線回折積分強度を測定するために、RINT2000回折計を用いてCuターゲットで電圧:40kV、電流:200mAの条件で、2θ=34.0°~38.0°での回折ピークMgZn(110)とMgZn(103)を測定し、該当ピークの積分強度を計算した。積分強度I(110)は34°~34.6°でピークを積分して得られた値であり、積分強度I(103)は37°~37.5°でピークを積分して得られた値であり(単位はintegrated intensityとして、cps*2θに該当)、下記表3に示した。
【0076】
【表3】
【0077】
各発明例及び比較例について、下記のような基準で耐食性、曲げ性及び白色度を評価し、各特性の評価結果を下記表4に示した。
【0078】
<耐食性>
耐食性を評価するために、塩水噴霧試験装置(Salt Spray Tester、SST)を用いてISO14993に準じた試験方法により、下記基準によって評価した。
○:赤錆発生にかかる時間が同一厚さのZnめっきに対して30倍以上40倍未満
△:赤錆発生にかかる時間が同一厚さのZnめっきに対して20倍以上30倍未満
×:赤錆発生にかかる時間が同一厚さのZnめっきに対して20倍未満
【0079】
<曲げ性>
曲げ部のクラックを評価するために、該当素材を30mm×100mmに切断した後、3tベンディング後の長さ10mm内に発生するクラックの個数をFE-SEMで観察した。
◎:3個未満
○:3個以上10個未満
△:10個以上20個未満
×:20個以上
【0080】
<白色度>
白色度を評価するために、X-Rite 8200装置を用いてL値を測定し、下記基準によって評価した。
◎:L値90以上
○:L値85以上90未満
△:L値75以上85未満
×:L値75未満
【0081】
【表4】
【0082】
上記表4の実験結果から分かるように、本発明で規定するめっき組成及び製造条件を満たす発明例1~9の場合、耐食性、曲げ性及び白色度の全てに優れていることを確認した。
【0083】
特に、上記発明例のうち、本発明で規定する関係式3の冷却速度を満たす発明例7~9の場合、発明例1~6に比べて、曲げ性及び白色度により優れていることを確認した。
【0084】
一方、本発明で規定するめっき組成及び製造条件を全て満たさない比較例1~17の場合、耐食性、曲げ性及び白色度のうち1つ以上の特性が発明例1~9に比べて劣化することを確認した。
【0085】
特に、発明例8及び比較例8から得られためっき鋼板について、めっき層の表面でXRDで測定されたX線回折角度(2θ=34.0°~38.0°)に応じた回折ピークMgZn(110)とMgZn(103)を測定して図1に示した。上記図1から、2θ=34°~34.6°の範囲でのピークを積分して積分強度I(110)を得て、2θ=37°~37.5°範囲でのピークを積分して積分強度I(103)を得た後、I(110)/I(103)値を計算した。これにより、発明例8は関係式1を満たして耐食性、曲げ性、及び白色度に優れたのに対し、比較例8は関係式1を満たさず、耐食性が確保されても、曲げ性及び白色度が発明例8に比べて劣化することを確認した。
図1
【国際調査報告】