(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】被けん引車との連結過程中にサポートする方法、演算装置及び車両用のアシストシステム
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20241022BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20241022BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20241022BHJP
B60R 99/00 20090101ALI20241022BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W40/02
B60W50/14
B60R99/00 322
B60R99/00 330
B60R99/00 372
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519591
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2022075379
(87)【国際公開番号】W WO2023057180
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398037767
【氏名又は名称】バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】シュトレーベル・ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BB02
3D241BB03
3D241BC01
3D241BC02
3D241CA15
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CD11
3D241CE06
3D241DB01Z
3D241DC33Z
5H181AA02
5H181AA03
5H181AA07
5H181CC04
5H181CC11
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】車両の運転者が従来技術を超えて被けん引との連結過程中にどのようにサポートされ得るかという解決手段を示す。
【解決手段】車線8に対して平行に駐車された被けん引車7との車両の連結過程において車両1の運転者をサポートする方法であって、周囲センサから周囲データを受信するステップと、周囲データを用いて被けん引車7を検出するステップと、被けん引車7を連結するための車両1の位置を表す連結位置を決定するステップと、連結位置の提案を運転者に提供するステップとを含む方法において、被けん引車7の前方に位置するスペースを表すオープンスペース11が周囲データを用いて特定され、オープンスペース11が、被けん引車7のけん引方向において特定されたオープンスペースの長さ12に依存して特徴付けられ、連結位置が、特徴付けられたオープンスペースの長さ12に依存して決定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車線(8)に対して平行に駐車された被けん引車(7)との車両の連結過程において車両(1)の運転者をサポートする方法であって、
-少なくとも1つの周囲センサ(51,52)から周囲データを受信するステップと、
-周囲データを用いて、車線(8)に対して平行に駐車された被けん引車(7)を検出するステップと、
-車線(8)に対して平行に駐車された被けん引車(7)を連結するための車両(1)のあり得る位置を表す少なくとも1つの連結位置を決定するステップと、
-少なくとも1つの連結位置の提案を運転者に提供するステップであって、連結位置の提案が少なくとも1つの連結位置に基づいている前記ステップと
を含む方法において、
-けん引方向において被けん引車(7)の前方に位置するスペースを表すオープンスペース(11)が周囲データを用いて特定され、
-オープンスペース(11)が、被けん引車(7)のけん引方向において特定されたオープンスペースの長さ(12)に依存して特徴付けられ、及び
-少なくとも1つの連結位置が、特徴付けられたオープンスペースの長さ(12)に依存して決定される
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
オープンスペースの長さ(12)が車両(1)に依存して規定された第1の最小長さ(13)を上回る場合には、少なくとも1つの連結位置は、車両(1)が完全にオープンスペース(11)内にある車両(1)の位置を表すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
オープンスペースの長さ(12)が車両(1)に依存して規定された第2の最小長さ(14)を上回る場合には、少なくとも1つの連結位置は、車両(1)が部分的にオープンスペース(11)内にある車両(1)の位置を表すことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
オープンスペースの長さ(12)が車両(1)に依存して規定された第2の最小長さ(14)を下回る場合には、少なくとも1つの連結位置は、車両(1)が本質的にオープンスペース(11)外にある車両(1)の位置を表すことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
車両(1)が本質的にオープンスペース(11)外にある少なくとも1つの連結位置が、車線(8)に対して平行に駐車された被けん引車(7)の連結のために被けん引車(7)が手動で旋回移動すれば済むように決定されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
車線(8)に対して平行に駐車された被けん引車(7)及び/又はオープンスペース(11)の近傍での少なくとも部分的な走行中に、少なくとも1つの周囲センサ(51,52)から周囲データが受信されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの連結位置に到達するのに必要な走行方向変更の所定の最大数を下回るように少なくとも1つの連結位置が決定されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの連結位置の決定に用いられる被けん引車(7)の少なくとも1つの寸法が、周囲データを用いて特定され、及び/又は運転者によって設定されることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
車両(1)が少なくとも1つの連結位置にあれば、車両(1)と、被けん引車(7)の少なくとも1つの寸法によって規定される被けん引車(7)の構造とが所定の最小間隔を有していることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
車両(1)が少なくとも1つの連結位置にあれば、車両(1)の長手軸線と被けん引車(7)の長手軸線との間の連結角度が、被けん引車(7)の少なくとも1つの寸法によって規定される最大の連結角度を下回ることを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
被けん引車(7)との車両(1)の連結過程において車両(1)の運転者をサポートする請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成された演算装置(4)。
【請求項12】
請求項11に記載の演算装置(4)に請求項1~10のいずれか1項に記載の方法ステップを実行させるコマンドを含むコンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ読取可能な(記憶)媒体。
【請求項14】
被けん引車(7)との車両(1)の連結過程において車両(1)の運転者をサポートするアシストシステム(2)であって、
-請求項11に記載の演算装置(4)と、
-車両(1)の周囲を表す周囲データを提供する少なくとも1つの周囲センサ(51,52)と、
-少なくとも1つの連結位置の提案を提供するヒューマン-マシン-インタフェースと
を含んでいることを特徴とするアシストシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のアシストシステム(2)を含む車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車線に対して平行に駐車された被けん引車との車両の連結過程において車両の運転者をサポートする方法に関するものである。さらに、本発明は、車線に対して平行に駐車された被けん引車との車両の連結過程において車両の運転者をサポートする車両用のアシストシステムに関するものである。最後に、本発明は、車両のアシストシステム用の演算装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被けん引車が車両に連結される連結過程において車両の運転者をサポートする方法及びシステムは、かなり以前から知られている。このようなシステムは、しばしばトレーラ連結アシストとも呼ばれる。ここで、多くの場合、車両の既存のセンサ類、例えば超音波センサ、カメラ又はこれらに類するものによって被けん引車の被けん引車連結部が検出される。これにつづいて、被けん引車がその後車両に連結されることができるように、運転者は、車両の操縦時に、あり得る連結位置へ向けてサポートされることが可能である。
【0003】
特許文献1は、連結点を有する連結されるべき物体を原動機付き車両の被けん引装置に連結する走行操縦において原動機付き車両の運転者をサポートする方法に関するものであり、当該方法では、連結されるべき物体は静止しているとともに原動機付き車両は連結されるべき物体へ移動し、まず、原動機付き車両の被けん引装置に対する連結点の距離及び方向が少なくとも1つの距離センサによって検出され、運転者のために、連結点と被けん引装置の間の距離及び方向が示される。
【0004】
特許文献2は、原動機付き車両の被けん引車連結部への被けん引車の連結をサポートする装置と、原動機付き車両へ被けん引車を連結する方法とに関するものである。ここで、原動機付き車両の被けん引車連結部に対する被けん引車の被けん引車連結部の相対位置を特定し、原動機付き車両の移動及び/又はセンサにより特定された相対位置に基づいて原動機付き車両に対する原動機付き車両の被けん引車連結部の相対移動を制御する装置が設けられている。
【0005】
特許文献3は、被けん引車への原動機付き車両の連結過程をサポートする方法に関するものであり、当該方法では、被けん引車連結アシストを用いて、被けん引車側の連結要素の位置が検出され、これに基づき、原動機付き車両の被けん引車連結部が被けん引車側の連結要素との所定の連結箇所に配置された目標位置へ車両が少なくとも部分自律的に操縦される。このとき、操縦過程中には、パーキングアシストを用いて原動機付き車両の後方の監視範囲が監視される。ここで、パーキングアシストは、被けん引車連結アシストが非作動である場合には標準モードで動作される。また、パーキングアシストは、被けん引車連結アシストが作動している場合には、標準モードとは異なり、パーキングアシストを用いて後方範囲についての障害物警告が発出される連結モードで動作される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102009045284号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102010004920号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102018202613号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、車両の運転者が従来技術を超えて被けん引との連結過程中にどのようにサポートされ得るかという解決手段を示すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
当該課題は、本発明により、独立請求項による特徴を有する方法、演算装置及び車両用のアシストシステムによって解決される。本発明の有利な発展形態は、各従属請求項に記載されている。
【0009】
車線に対して平行に駐車された被けん引車との車両の連結過程において車両の運転者をサポートする本発明による方法は、少なくとも1つの周囲センサから周囲データを受信することを含む。加えて、方法は、周囲データを用いて、車線に対して平行に駐車された被けん引車を検出することを含む。さらに、方法は、車線に対して平行に駐車された被けん引車を連結するための車両のあり得る位置を表す少なくとも1つの連結位置を決定することを含む。最後に、方法は、少なくとも1つの連結位置の提案を運転者に提供することであって、連結位置の提案が少なくとも1つの連結位置に基づいていることを含む。方法においては、けん引方向において被けん引車の前方に位置するスペースを表すオープンスペースが周囲データを用いて特定される。加えて、オープンスペースが、被けん引車のけん引方向において特定されたオープンスペースの長さに依存して特徴付けられる。さらに、少なくとも1つの連結位置が、特徴付けられたオープンスペースの長さに依存して決定される。
【0010】
車両は、例えば乗用車として形成されることが可能である。さらに、車両はトラック、商用車両、キャンピングカー又はこれらに類するものであってもよい。
【0011】
被けん引車は、例えば単純な乗用車用被けん引車として形成されることが可能であり、当該乗用車用被けん引車は、オーバーランブレーキも、また固有の常用ブレーキも備えることが可能である。さらに、ボートトレーラ、ハウストレーラ、馬運搬車、セミトレーラ又はこれらに類するものも考えられる。このとき、一般的に、被けん引車の操舵技術は重要ではない。したがって、特に、操舵されない被けん引車(固定された軸)である。さらに、被けん引車は、旋回軸操舵部あるいはターンテーブル操舵部を備えることも可能である。
【0012】
ここで、本明細書で用いられるような連結過程という概念は、特に、軌道に沿った車両の手動及び少なくとも部分的に自動化された操縦あるいは切り返しも含み、軌道の端部において、被けん引車は、車両に連結されることが可能であるか、あるいは車両が連結位置に位置する。
【0013】
走行あるいは操縦の「少なくとも部分的に自動化された」という概念は、本明細書では、自動化された横方向ガイド及び/又は長手方向ガイドを伴う走行あるいは操縦と理解され得る。走行あるいは操縦の「少なくとも部分的に自動化された」という概念は、任意の自動化度合いでの自動化された走行を含む。例示的な自動化度合いは、(自動化度合いが順に大きくなるように)アシストされた走行、部分的に自動化された走行、高度に自動化された走行、全自動の走行及び自律的な走行である。
【0014】
したがって、本発明による方法では、車両の運転者は、車線に対して平行に駐車された被けん引車と車両が連結されるべき連結過程中にサポートされる。このとき、運転者は、車両を被けん引車の近傍で低速で操縦することができ、少なくとも1つの周囲センサの周囲データが、操縦中に、被けん引車がある車両の周囲を検出し、あるいは表す。このような過程は、いわゆるパーキングアシストによって既に知られている。
【0015】
好ましくは、少なくとも1つの周囲センサが車両に配置されている。ここで、少なくとも1つの周囲センサは、例えば、カメラ、レーダセンサ、ライダセンサ、超音波センサ又はこれらに類するものであってよい。したがって、特に、様々なセンサタイプの組合せも可能である。このとき、特に、超音波センサも、またカメラも用いることが考えられる。車線に対して平行に駐車された被けん引車は、周囲データを用いて検出されることが可能である。加えて、けん引方向における被けん引車の前方にあるオープンスペースも周囲データを用いて検出及び/又は特定されることが可能である。さらに、例えば少なくとも1つの超音波センサ又はカメラの形態の少なくとも1つの周囲センサが被けん引車に配置されており、無線接続又はケーブル接続を介して周囲データを伝達することも考えられる。同様に、少なくとも1つの周囲センサがインフラシステムの一部であってもよい。例えば、このようなインフラシステムは、駐車スペース監視設備又は交通監視設備であり得る。これに関連する公知のキーワードは、いわゆる自動化されたバレーパーキングシステム及びいわゆるスマートシティシステムである。
【0016】
検出された被けん引車は、被けん引車長手軸線、すなわち被けん引車の長手軸線の向き、被けん引車の被けん引車連結部の位置、軸の位置及び/又は被けん引車の寸法によって表されることが可能である。
【0017】
被けん引車が旋回軸操舵部あるいはターンテーブル操舵部を備えていれば、少なくとも1つの連結位置の特定時に更に操舵される軸の回転運動を考慮に入れれば有利であり得る。例えば、旋回軸操舵部あるいはターンテーブル操舵部においては、被けん引車のけん引バーが被けん引車全体の長手軸線に対して平行に向けられない、及び/又はこれにより被けん引車が直接車両に連結されることができないこととなり得る。このような場合には、それにもかかわらず、けん引バーの回転範囲が検出され、あるいは少なくとも1つの連結位置の特定する際に考慮されれば有利であり得る。したがって、この場合には、車両が少なくとも1つの連結位置にあるときに被けん引車を車両に連結するために被けん引車のけん引バーあるいは操舵される軸が場合によっては回転移動される必要がある少なくとも1つの連結位置を特定することが可能である。同様の例は、(操舵されない)被けん引車の長手軸線が(車線縁部の方向において)車線に対して例えば15°の角度に向けられており、したがって、被けん引車が、車線に対して絶対的に平行に位置決めされておらず、そのため、連結のために更に回転移動する必要がある場合に生じる。
【0018】
本明細書において、以下では、被けん引車連結ユニットの概念及び車両連結ユニットの概念が用いられる。被けん引車連結ユニットの概念及び車両連結ユニットの概念は、一般的に、車両を被けん引車に結合するように構成された、機械的に相互作用する、例えば互いに係合する2つの装置をいうものとする。車両及び被けん引車の種類に応じて、例えば、ピン連結部、バー連結部又は第五輪(フィフスホイール)連結部が考えられ、対応する連結部材は、被けん引車連結ユニットの概念あるいは車両連結ユニットの概念に含まれるべきである。特に、被けん引車連結ユニットの概念あるいは車両連結ユニットの概念は、とりわけ(オーバーランブレーキを有する/有さない)軽量な被けん引車と共に乗用車分野において、今日の連結基準に適合する被けん引車ボールヘッド連結部の対応する連結部材、すなわち、けん引ボール連結部あるいは連結ボールとも理解されるべきである。
【0019】
本明細書で用いられるような連結位置の概念は、被けん引車が直接、又は被けん引車及び/又は被けん引車のけん引バーの(わずかな)移動につづいて車両に連結されることができる車両及び被けん引車の位置を表す。車両が被けん引車との連結位置にあれば、例えばボールヘッド連結部の場合には、被けん引車を車両及びその連結ボールに連結するためには、けん引ボール連結部の下降で既に十分であることが考えられる。しかし、同様に、被けん引車及び/又は被けん引車のけん引バーが、車両を被けん引車と連結されるように、被けん引車連結ユニットが車両連結ユニットと機械的に相互作用することができるまで、更に例えば横方向に、及び/又は回転するように移動することも考えられる。ここで、わずかな移動とは、特に数センチメートル、例えば50cm以下の横方向の移動と理解されることができ、回転移動は、60°以上ともなり得る。
【0020】
オープンスペースの検出は、アシストされる駐車過程における駐車スペースの検出と同様である。オープンスペースは、例えば矩形の形状で表されることが可能である。これとは無関係に、オープンスペースにはオープンスペースの長さを割り当てることが可能である。ここで、オープンスペースの長さは、被けん引車のけん引方向におけるオープンスペースの長さを表す。オープンスペースは、オープンスペースの長さに依存して特徴付けられることが可能である。例えば、オープンスペースが十分大きければ、車両は、車両との被けん引車の連結のために、長手方向における被けん引車の前方に駐車あるいは位置決めされることが可能であることが考えられる。したがって、オープンスペースが十分大きい場合には、車両が長手方向における被けん引車の前方に駐車あるいは位置決めされることが可能であるように、オープンスペースを特徴付けることが可能である。逆に、オープンスペースの長さは、長手方向における被けん引車の前方に車両を駐車することができないことによってオープンスペースを特徴付けることが考えられる。
【0021】
周囲データと、検出及び特徴付けられたオープンスペースとを用いて検出された、車線に対して平行に駐車された被けん引車に基づき、少なくとも1つの連結位置を決定(特定)することが可能である。このとき、少なくとも1つの連結位置は、車線に対して平行に駐車された被けん引車を連結するための車両のあり得る位置を表している。上述のように、例えば、オープンスペースが車両を長手方向において被けん引車の前方に駐車あるいは位置決めするのに十分な大きさであれば、車両がけん引方向における被けん引車の前方に位置決めされ連結角度が0°となる連結位置を車両の運転者に提案することが可能である。これに関して、連結角度は、被けん引車の長手軸線に対する車両の長手軸線の向きを表す。したがって、換言すれば、連結角度は、車両長手軸線と被けん引車長手軸線の間の角度を表す。
【0022】
例えばヒューマン-マシン-インタフェースを用いて、少なくとも1つの連結位置に基づく少なくとも1つの連結位置の提案を車両の運転者に提供することが可能である。したがって、特に、拡張現実(AR)、音声、ディスプレイ及び/又はこれらに類するものを用いた表示が考えられる。複数の連結位置の提案を運転者に提供することができる場合には、運転者は、場合によってはあり得る操作要素を用いて適当な連結位置の提案を選択することが考えられる。特に、このために、タッチスクリーン、ジェスチャ制御、音声制御及びボタンの形態の従来の操作要素を使用することが可能である。
【0023】
別の有利な一実施形態は、オープンスペースの長さが車両に依存して規定された第1の最小長さを上回る場合には、少なくとも1つの連結位置は、車両が完全にオープンスペース内にある車両の位置を表すように構成されている。例えば、乗用車は小型車であり、したがって、所定の第1の最小長さは例えば7mであり得る。長さがこのような所定の第1の最小長さ以上である通常の駐車スペースは、長手方向におけるけん引において小型車を車線に対して平行に駐車するのに多くの場合十分である。したがって、この場合、オープンスペースの長さが所定の第1の最小長さを超えれば、車両は、けん引においてけん引方向における被けん引車の前方に駐車されることができるか、あるいは連結位置へ操縦されることができるため、つづいて、被けん引車を車両に連結することが可能である。したがって、このような場合には、車両は、完全にオープンスペース内にある。したがって、オープンスペースの幅は、特に車両の幅以上であり得る。したがって、少なくとも1つの連結位置は、車両が完全にオープンスペース内にある車両の位置を表す。したがって、特に、このような連結位置では、車両の車輪がオープンスペース内にある。
【0024】
さらに、オープンスペースの長さが車両に依存して規定された第2の最小長さを上回る場合には、少なくとも1つの連結位置が、車両が部分的にオープンスペース内にある車両の位置を表すことが有利である。例えば車線の路肩において車線に対して平行に駐車された被けん引車においては、しばしば、別の交通参加者又は一般的に障害物がけん引方向において被けん引車の前方にあり、けん引車両、すなわち被けん引車が連結されるべき車両を被けん引車の直接前方に配置することができないことがあり得る。したがって、連結角度0°での車両への被けん引車の連結が不可能であることがあり得る。
【0025】
それにもかかわらず、すなわち、別の交通参加者又は一般的な障害物が被けん引車の前方にあり、これにより、長手方向における駐車操縦(パーキングアシスト)と同様な連結位置の提案を車両の運転者に提供できないにもかかわらず、少なくとも1つの連結位置をゼロではない連結角度において可能とするわずかなクリアランスが存在し得る。したがって、その過程で、車両に依存して規定される第2の最小長さをオープンスペースの長さが上回れば有利である。特に、所定の第2の最小長さは、車両の幅に依存し得る。例えば5mの長さと2mの幅を有する乗用車の場合には、所定の第2の最小長さは例えば4mであり得る。
【0026】
オープンスペースの長さがこのような所定の第2の最小長さを上回れば、車両長手軸線が車線の走行方向に対して平行に向けられておらず、したがって車両が部分的にのみオープンスペース内に位置決めされているように、車両への被けん引車の連結のために車両が位置決めされる。したがって、例えば、車両が両後輪においてオープンスペース内に位置する一方、車両の前輪がオープンスペース外にあり、それにもかかわらず、被けん引車が車両に連結されることができるように車両が位置決めされていることが考えられる。したがって、まとめると、この場合、車両が部分的にのみオープンスペース内に位置する連結位置に基づくこのような連結位置の提案が車両の運転者に提供されれば有利である。
【0027】
別の一実施形態においては、オープンスペースの長さが車両に依存して規定された第2の最小長さを下回る場合には、少なくとも1つの連結位置が、車両が本質的にオープンスペース外にある車両の位置を表すことが有利である。車線に対して平行に駐車された被けん引車が例えば完全に別の交通参加者によって駐車されていれば、車両は、被けん引車が追加的な移動なしに車両に連結されることができるように位置決めされることができないことがあり得る。したがって、換言すれば、被けん引車の追加的な操縦なしに被けん引車を車両に連結することが可能な連結位置が存在しない。それにもかかわらず、被けん引車が車両との連結のためにわずかに移動すれば済むように、車両が位置決めされる少なくとも1つの連結位置を決定することが可能である。したがって、被けん引車が車両に直接連結されることができないにもかかわらず、少なくとも1つの連結位置の提案を車両の運転者に提供することが可能である。
【0028】
完全に駐車された、車線に対して平行に駐車された被けん引車は、例えば、けん引方向における被けん引車の前方にオープンなスペースがほとんど利用可能でないことによって特徴付けられている。換言すれば、けん引方向において被けん引車の前方にあるスペースは、車両が部分的にさえオープンスペース内に位置決めされることができないほど小さいこととなり得る。このような場合には、オープンスペースの長さは、所定の第2の最小長さを下回ることがある。所定の第2の最小長さは、車両の寸法に依存し得る。特に、所定の第2の最小長さは、車両の幅に依存し得る。
【0029】
このとき、例えば1つの後輪のみがオープンスペース内に位置決めされているか、又は例えばリヤバンパーの一部のみがオープンスペース内に位置決めされている場合には、車両は、本質的にオープンスペース外にある。特に、少なくとも車両のホイールベースほどの幅のオープンスペース内に車両のどの部分もない場合には、車両は本質的にオープンスペース外にある。
【0030】
加えて、車両が本質的にオープンスペース外にある少なくとも1つの連結位置が、車線に対して平行に駐車された被けん引車の連結のために被けん引車が手動で旋回移動すれば済むように決定されれば有利である。例えば、1つのみの軸(線)を有する被けん引車は、その軸(線)の1つの点を中心として回転移動することが可能である。したがって、例えば、1つの車輪がほぼその初期位置にとどまる一方、反対側の車輪は、このような場合には場合によっては制動される初期位置にとどまる車輪を中心として移動するように、被けん引車を回転移動させることが可能である。しかし、被けん引車は、他の点を中心として回転移動することも可能である。特に、被けん引車は、軸の中心点を中心として回転移動することも可能である。
【0031】
同様の例は、1つの軸及び2つ以上の車輪を有する被けん引車についても当てはまる。各側の車輪の中心点が考慮に入れられることで、このような場合は、走行ダイナミクスの観点では、2つの車輪を有する1つの軸の場合にさかのぼることが可能である。多軸の(操舵されない)被けん引車の場合には、被けん引車が周りで回転移動する点は、中央の軸、すなわち特に全ての軸の中心点に沿って位置し得る。
【0032】
被けん引車が旋回軸操舵部あるいはターンテーブル操舵部を備えていれば、車両が本質的にオープンスペース外にある少なくとも1つの連結位置が、車線に対して平行に駐車された被けん引車の連結のために操舵される軸のみが旋回移動されれば済むように決定されると有利である。したがって、旋回軸操舵部あるいはターンテーブル操舵部の場合に1つの軸のみが回転移動するように少なくとも1つの連結位置が決定されれば有利であり得る。
【0033】
したがって、車両がけん引方向において被けん引車の前方に位置決めされることができないにもかかわらず、車両の運転者に連結位置を提案することが可能である。車両の運転者に提案される少なくとも1つの連結位置は、被けん引車の被けん引車連結部の被けん引車連結ユニットが手動での回転移動の後にのみ車両の被けん引車連結部の車両連結ユニットと機械的に協働可能であるように決定されることが可能である。したがって、特に、ボールヘッド連結器の場合には、けん引ボール連結部は、手動での回転移動のみの後、及び場合によってはあり得る下降後に連結ボールに直接結合されることが可能であるため、被けん引車が車両に連結される。
【0034】
別の有利な一実施形態は、車線に対して平行に駐車された被けん引車及び/又はオープンスペースの近傍での少なくとも部分的な走行中に、少なくとも1つの周囲センサから周囲データが受信されるように構成されている。車両が車線に対して平行に駐車された被けん引車において近傍を走行する間に、少なくとも1つの周囲センサから周囲データを受信することが可能である。このとき、どの周囲センサが用いられるかに応じて、部分的な近傍走行の際に車両が進む区間が異なり得る。例えば、超音波センサの場合には、車両が完全に被けん引車及び/又はオープンスペースにおいて近傍を走行することが必要となり得る。これに対して、これに代えて、又はこれに加えてカメラが用いられれば、部分的な近傍の走行のみが必要となることが考えられる。
【0035】
したがって、例えば、車両が被けん引車及び/又はオープンスペースを完全に通過しなくても十分であり得る。したがって、連結位置の提案あるいは少なくとも1つの連結位置は、場合によっては既に早期に決定されることが可能である。このような方法は、多くのパーキングアシストによって既に知られている。しかし、本発明による方法及びその提案される好ましい実施形態においては、パーキングアシストに比べて、オープンスペースの後方にある被けん引車を信頼性をもって検出することも必要である。
【0036】
加えて、少なくとも1つの連結位置に到達するのに必要な走行方向変更の所定の最大数を下回るように少なくとも1つの連結位置が決定されれば有利である。少なくとも1つの連結位置に到達するために大規模な切り返し操縦を行う必要がある場合に、車両の運転者がこれを煩わしく感じることが考えられる。そのため、所定の回数の走行方向変更のうちにも少なくとも1つの連結位置に到達することができるように、少なくとも1つの連結位置が決定されれば有利であり得る。このとき、例えば車両のメニューにおける入力において、走行方向変更の所定の最大数を車両の運転者が設定することが考えられる。したがって、走行方向変更の所定の最大数が例えば3回の走行方向変更であれば、このような走行方向変更の所定の最大数を下回るが、運転者への少なくとも1つの連結位置の提案の提供時に、少なくとも1つの連結位置のうち走行方向変更の所定の最大数を下回る連結位置のみが選択可能であるように、少なくとも1つの連結位置を決定することが可能である。
【0037】
さらに、少なくとも1つの連結位置の決定に用いられる被けん引車の少なくとも1つの寸法が、周囲データを用いて特定され、及び/又は運転者によって設定されれば有利である。特に、複雑な連結過程の場合又は被けん引車が完全に検出され得ない場合には、被けん引車の寸法が既知であれば有利であり得る。したがって、被けん引車の少なくとも1つの寸法が周囲データを用いて特定されることが考えられる。例えば、被けん引車の少なくとも1つの寸法は、被けん引車の近傍での走行において、超音波センサを用いて特定されることが可能である。
【0038】
しかし、被けん引車の少なくとも1つの寸法がカメラを用いて特定されることも考えられる。特に容易には、及び更に非常に正確には、被けん引車の少なくとも1つの寸法を運転者が設定することが可能である。このとき、車両の運転者が車両のメニューにおいて被けん引車の少なくとも1つの寸法を設定することが考えられる。
【0039】
少なくとも1つの連結位置が被けん引車の手動の移動を提供する場合には、被けん引車の少なくとも1つの寸法について知ることが特に有利である。このとき、特に、被けん引車の被けん引車連結部の被けん引車連結ユニットの位置に対する1つあるいは複数の軸の位置が重要であり得る。したがって、被けん引車の少なくとも1つの寸法が既知であれば、少なくとも1つの連結位置への、少なくとも1つの連結位置の提案の精度及び/又は車両の少なくとも部分的に自動化された操縦の精度を改善することが可能である。
【0040】
最後に、別の有利な一構成によれば、車両が少なくとも1つの連結位置にあれば、車両と、被けん引車の少なくとも1つの寸法によって規定される被けん引車の構造とが所定の最小間隔を有している。上述のいくつかの場面(シナリオ)では、特に車両長手軸(線)と被けん引車軸(線)の間の連結角度が零でなければ、車両の車体と被けん引車の構造の間の間隔が数センチメートル、例えば20cmだけとなり得る。このような連結位置は、直接的な連結において、車両の運転者にとっては好ましくないことがあり得る。なぜなら、車両の車体と被けん引車の構造の間のわずかのみのスペースが利用可能であれば、車両の被けん引車連結部及び被けん引車の被けん引車連結部に至るために、場合によっては、車両の運転者は、車両の中心として、あるいは被けん引車を中心として移動する必要があるためである。
【0041】
車両及び被けん引車の構造が所定の最小間隔を有する連結位置のみが、車両の運転者に提案されるか、あるいは車両の運転者にとって選択可能であれば、被けん引車の被けん引車連結部の被けん引車連結ユニットが車両の被けん引車連結部の被けん引車連結ユニットと直接結合されることが可能な連結過程は、車両の運転者にとって場合によっては単純化され得る。このとき、このような所定の最小間隔が正又は負の連結角度のみにおいて考慮されることも考えられる。
【0042】
正の連結角度あるいは車両長手軸線と被けん引車の長手軸線の間の正の角度とは、本明細書では、車両及び被けん引車から成る一連の組が例えば左カーブを走行する場合をいう。通常、車両の運転席は、車両における左側にある。したがって、車両長手軸線と被けん引車の長手軸線の間の連結角度が正である場合には、車両及び被けん引車の構造は、車両への被けん引車の連結のために車両の運転者が車両の周囲あるいは被けん引車の周囲を移動する必要があるように互いに対して位置決めされることとなり得る。このことは、車両の運転者にとって不快なものとして感じられ得る。したがって、このような場合には、車両及び被けん引車の構造が所定の最小間隔を有していれば望ましい。このとき、運転者が所定の最小間隔を自身で設定することが考えられる。このような設定は、例えば車両のメニューを介して行われることが可能である。
【0043】
最後に、別の有利な一実施形態は、車両が少なくとも1つの連結位置にあれば、車両の長手軸線と被けん引車の長手軸線との間の連結角度が、被けん引車の少なくとも1つの寸法によって規定される最大の連結角度を下回るように構成されている。このような最大の連結角度を用いて、例えば、車両及び被けん引車の構造が互いに衝突することを回避することが可能である。さらに、最大の連結角度を用いて、車両及び被けん引車から成る一連の組を運転者が発進させるときに運転者にとってより快適な初期位置を保証することが可能である。
【0044】
本発明による演算装置は、本発明による方法及びその有利な形態を実行するように構成されている。ここで、演算装置は、好ましくは、1つ又は複数のプログラム可能なプロセッサを含むことができ、当該プロセッサは、その動作メモリにロードされたコンピュータプログラムのプログラムコードを処理する。
【0045】
本発明による車両用のアシストシステムは、本発明による方法及びその有利な形態を実行するように構成されている。アシストシステムは、少なくとも1つの周囲センサを備えており、当該周囲センサを用いて、車両の周囲を表す周囲データを提供することが可能である。さらに、アシストシステムは、例えば少なくとも1つの電子制御機器によって形成されることが可能な本発明による演算装置を備えることができる。加えて、アシストシステムは、少なくとも1つの連結位置の提案を提供するヒューマン-マシン-インタフェースを含むことが可能である。また、アシストシステムは、車両を少なくとも部分的に自動化して連結位置へ操縦するために形成されることが可能である。
【0046】
本発明の別の一態様は、プログラムの実行時に、本発明による方法及びその有利な形態を演算装置に実行させるコマンドを含むコンピュータプログラムに関するものである。さらに、本発明は、演算装置による実行時に、本発明による方法及びその有利な形態を演算装置に実行させるコマンドを含むコンピュータ読取可能な(記憶)媒体に関するものである。
【0047】
本発明による方法に関して提示される好ましい実施形態及びその利点は、本発明による演算装置、本発明によるアシストシステム、本発明による車両、本発明によるコンピュータプログラム及び本発明によるコンピュータ読取可能な(記憶)媒体にも対応して当てはまる。
【0048】
本発明の別の特徴は、特許請求の範囲、図面及び図面による説明から明らかである。本明細書において上述した特徴及び特徴の組合せ並びに以下において図面による説明及び/又は図面において単に示される特徴及び特徴の組合せは、本発明の範囲を逸脱することなく、それぞれ記載された組合せにおいてのみならず、他の組合せ又は単独で使用可能である。
【0049】
本発明を、好ましい実施例に基づいて、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】被けん引車との連結過程中のサポートのためのアシストシステムを含む車両を概略的に示す図である。
【
図2】車線に対して平行に駐車された被けん引車との連結過程中に軌道に沿って移動し、連結のために完全にオープンスペース内に位置する車両を概略的に示す図である。
【
図3】連結過程中に軌道に沿って移動し、車線に対して平行に駐車された被けん引車の連結時に少なくとも部分的にオープンスペース内に位置する車両を概略的に示す図である。
【
図4】連結過程中に軌道に沿って移動し、車線に対して平行に駐車された被けん引車の連結時に本質的にオープンスペース外に位置する車両を概略的に示す図である。
【
図5】
図4に図示された連結過程につづく、車両と、当該車両に連結された被けん引車とを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
各図では、同一又は機能的に同一の要素には同一の参照符号が付されている。
【0052】
図1には、車線8に対して平行に駐車された被けん引車(トレーラ)7との車両の連結過程における車両1の運転者をサポートするアシストシステム2を備えた車両1が概略的に示されている。車線8に対して平行に駐車された被けん引車7を車両に連結するために、車両1は、ボールヘッド連結器の形態の被けん引車連結部3を備えている。演算装置4は、少なくとも1つの周囲センサ51,52から周囲データを受信する。
図1では、車両1は、周囲センサ51,52として、1つのカメラ52と、2つの著音波センサ51とを備えている。
【0053】
したがって、車線8に対して平行に駐車された被けん引車7は、周囲データを用いて検出されることが可能である。加えて、周囲データを用いてオープンスペース11を特定することが可能である。車線8に対して平行に駐車された被けん引車7を連結するための車両1のあり得る位置は、オープンスペース11に依存して決定されることが可能である。つづいて、少なくとも1つの連結位置に基づく少なくとも1つの連結位置の提案が車両1の運転者あるいは車両1のユーザに提供される。連結位置の提案は、例えば、ヒューマン-マシン-インタフェース41を用いて提供されることが可能である。
【0054】
このとき、車両1は、例示的に乗用車として図示されている。しかし、さらに、車両はトラック、商用車両、キャンピングカー又はこれらに類するものであってもよい。
【0055】
図2には、車線8に対して平行に駐車された被けん引車7との連結過程中に軌道6に沿って移動する車両が概略的に示されており、軌道の端部において、車線8に対して平行に駐車された被けん引車7が車両1に連結されることが可能である。車線8に対して平行に駐車された被けん引車7は、少なくとも1つの周囲センサ51,52の周囲データを用いて検出されることが可能である。このとき、車線8に対して平行に駐車された被けん引車7は、路肩9に位置している。被けん引車7の後方には別の交通参加者10が位置している。けん引方向における被けん引車7の前方にはオープンスペース11が位置しており、当該オープンスペースは、路肩9において使用されていない駐車スペースである。このとき、オープンスペース11は、被けん引車7と、けん引方向において被けん引車7及びオープンスペース11の前方に位置する別の交通参加者10とによって画定されている。
【0056】
オープンスペース11は、被けん引車7のけん引方向の延長、すなわちオープンスペースの長さ12に依存して特徴付けられる(規定される)ことが可能である。
図2では、例えば、車両1がパーキング操縦(パーキングアシスト)を用いて軌道6に沿って完全にオープンスペース11内に位置決めされることができることによって、オープンスペース11を特徴付けることが可能である。したがって、
図2の状況では、車両1が完全にオープンスペース11内にある少なくとも1つの連結位置を決定することが可能である。このとき、オープンスペース11の幅は、特に車両1の幅以上であり得る。
【0057】
車両1が完全にオープンスペース11内にある少なくとも1つの連結位置に、できる限り単純な軌道6を用いて、あるいは車両1についての軌道6に沿った操縦中のできる限り少ない走行方向変更によって到達可能であるために、オープンスペースの長さ12を用いたオープンスペース11の特徴付け時に、オープンスペースの長さ12が所定の第1の最小長さ13を上回れば有利である。所定の第1の最小長さ13は、例えば、車両1がパーキング操縦(パーキングアシスト)を用いて完全にオープンスペース11内に位置決めされることができることによって決定されることが可能である。特に、所定の第1の最小長さ13は、車両1の長さに依存し得る。
【0058】
このとき、被けん引車7は、例示的に単純な乗用車用の被けん引車7として図示されている。しかし、同様に、被けん引車7はボートトレーラ、ハウストレーラ、馬運搬車、セミトレーラ又はこれらに類するものであってもよい。本例では、操舵されない被けん引車である。しかし、被けん引車が旋回軸操舵部あるいはターンテーブル操舵部を備えることも同様に考えられる。
【0059】
図3には、車線8に対して平行に駐車された被けん引車7との連結過程中に軌道6に沿って移動する車両が概略的に示されており、当該車両の端部において、車線8に対して平行に駐車された被けん引車7が車両1に連結されることが可能である。このとき、被けん引車7は、路肩9に位置しているとともに、車線8に対して平行に駐車されている。けん引方向における被けん引車7の前方にはオープンスペース11が位置している。オープンスペース11は、被けん引車7及び別の交通参加者10によって画定されている。
【0060】
しかし、
図2とは異なり、
図3におけるオープンスペース11は、長手方向において被けん引車7の前方に車両1を位置決めするために十分な大きさではない。しかし、車両1が部分的にオープンスペース11内にある少なくとも1つの連結位置を決定することが可能である。したがって、当該状況では、オープンスペース11は、例えば、車両1が長手方向において被けん引車7の前方に位置決めされることができないものの、操縦(アシスト)を用いて軌道6に沿って部分的にオープンスペース11内に位置決めされることができることによって特徴付けることが可能である。換言すれば、オープンスペース11は、オープンスペースの長さ12を用いて、例えば、オープンスペースの長さ12が所定の第1の最小長さ13を下回り、所定の第2の最小長さ14を上回ることによって特徴付けられることが可能である。このとき、所定の第2の最小長さ14は、特に車両1の幅及び/又は長さに依存し得る。
【0061】
本例では、車両1は、軌道6に沿った操縦後、両後輪がオープンスペース11内にある一方、車両1の前輪がオープンスペース11外にあり、それにもかかわらず被けん引車7が車両1に連結され得るように位置決めされることが可能である。したがって、車両が部分的にオープンスペース11内にある連結位置に基づく少なくとも1つの連結位置の提案を車両1の運転者に提供することが可能である。
【0062】
図4には、車線8に対して平行に駐車された被けん引車7との連結過程中に軌道6に沿って移動する車両が概略的に示されており、当該車両の端部において、車線8に対して平行に駐車された被けん引車7が旋回移動後に初めて車両1に連結されることが可能である。このとき、被けん引車7は、路肩9に位置しているとともに、車線8に対して平行に駐車されている。本例では極端に小さく形成され、被けん引車7と、当該被けん引車7の直前に位置する別の交通参加者10とによって画定されたオープンスペース11がけん引方向における被けん引車7の前方に位置している。
【0063】
図4において、オープンスペース11は、例えば、車両1が長手方向において被けん引車7の前方に位置決めされることができないとともに、被けん引車7を車両1に直接連結することができるよう部分的にすらオープンスペース11内に位置決めされることができないことによって特徴付けることが可能である。換言すれば、オープンスペース11は、オープンスペースの長さ12を用いて、例えば、オープンスペースの長さ12が所定の第2の最小長さ14すら下回ることによって特徴付けられることが可能である。それにもかかわらず、被けん引車7が車両1との連結のために旋回運動後に車両1に連結されることが可能であるように車両1が位置決めされる少なくとも1つの連結位置を決定することが可能である。したがって、換言すれば、それでも、少なくとも1つの連結位置の提案を車両1の運転者に提供することが可能である。
【0064】
車両1が少なくとも1つの連結位置にあれば、被けん引車7は、例えば当該被けん引車7の軸線16に沿って位置し得る点15を中心として旋回運動することが可能である。
図5には、
図4に記載された状況による、車両1に連結された被けん引車7が図示されている。例えば
図4の状況において車両1の運転者に提供され得る少なくとも1つの連結位置の提案は、同様に
図2の状況及び
図3の状況において車両1の運転者に提供されることも可能である。
【0065】
同様に、
図3の状況において車両1の運転者に提供され得る少なくとも1つの連結位置の提案は、
図2の状況において車両1の運転者に提供されることも可能である。
【国際調査報告】