IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エックス デベロップメント エルエルシーの特許一覧

特表2024-539582光デインターリーバを有するフォトニック集積回路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】光デインターリーバを有するフォトニック集積回路
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/12 20060101AFI20241022BHJP
   G02B 6/125 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G02B6/12 331
G02B6/125 301
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519619
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 US2022033386
(87)【国際公開番号】W WO2023055445
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】17/489,640
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516326438
【氏名又は名称】エックス デベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】シューベルト,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムソン,イアン アレクサンダー デュラント
(72)【発明者】
【氏名】チャン,アルフレッド カ チュン
【テーマコード(参考)】
2H147
【Fターム(参考)】
2H147AB04
2H147AB05
2H147AB17
2H147BA01
2H147BE13
2H147BE14
2H147CA08
2H147EA13A
2H147EA13C
2H147EA14B
2H147FA09
2H147FC03
(57)【要約】
【課題】 最適化されたデバイス設計を介してこれらの改善を最大限に活用すること。
【解決手段】 フォトニック集積回路は、入力領域と、分散領域と、少なくとも2つの出力領域とを含む光デインターリーバを備える。入力領域は、複数のチャネルを含む入力光信号を受信するように適合されている。分散領域は、入力光信号を受信するように、入力領域に光学的に結合されている。分散領域は、入力光信号を第1のマルチチャネル光信号と第2のマルチチャネル光信号とを含む複数のマルチチャネル光信号に分離するように分散領域を構造化するために、第1の材料及び第2の材料の不均質な配置を含む。少なくとも2つの出力領域は、分散領域に光学的に結合された、第1の出力領域及び第2の出力領域を含む。第1の出力領域は、第1のマルチチャネル光信号を受信するように位置決めされており、第2の出力領域は、第2のマルチチャネル光信号を受信するように位置決めされている。
【選択図】 図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトニック集積回路であって、
光デインターリーバを備え、前記光デインターリーバは、
各々が別個の波長によって特徴付けられる複数のチャネルを含む光信号を受信するように適合された入力領域と、
前記光信号を受信するように前記入力領域に光学的に結合された分散領域であって、前記分散領域は、前記光信号を第1のマルチチャネル光信号と第2のマルチチャネル光信号とを含む複数のマルチチャネル光信号に分離するように前記分散領域を構造化するために、第1の材料及び第2の材料の不均質な配置を含む、分散領域と、
前記分散領域に光学的に結合されており、前記入力領域から物理的に分離された、第1の出力領域と第2の出力領域とを含む少なくとも2つの出力領域であって、前記第1の出力領域は、前記第1のマルチチャネル光信号を受信するように位置決めされており、前記第2の出力領域は、前記第2のマルチチャネル光信号を受信するように位置決めされている、少なくとも2つの出力領域と、
を含む、フォトニック集積回路。
【請求項2】
前記複数のチャネルは、前記複数のチャネルが前記別個の波長によって順次的に配置されたときに、奇数チャネル及び偶数チャネルを含み、前記分散領域が、前記奇数チャネル及び前記偶数チャネルを、前記少なくとも2つの出力領域のうちのそれぞれの出力領域に別々に誘導する、請求項1に記載のフォトニック集積回路。
【請求項3】
前記光デインターリーバの前記分散領域が、前記第2の材料で形成された外周領域によって横方向に取り囲まれた固定された面積を有する、請求項1に記載のフォトニック集積回路。
【請求項4】
前記光デインターリーバが、
前記入力領域から前記分散領域を通って前記第1の出力領域まで延在する前記第1の材料で形成された第1の連続経路と、
前記入力領域から前記分散領域を通って前記第2の出力領域まで延在する前記第1の材料で形成された第2の連続経路であって、前記第1の連続経路及び前記第2の連続経路が、前記入力領域内で重なる、第2の連続経路と、を更に含む、請求項3に記載のフォトニック集積回路。
【請求項5】
前記分散領域に近接した前記光デインターリーバの前記外周領域に含まれる前記第2の材料が、前記入力領域及び前記少なくとも2つの出力領域を除いて、前記分散領域の周りに連続的に延在する、請求項3に記載のフォトニック集積回路。
【請求項6】
前記分散領域内の前記第1の材料及び前記第2の材料の前記不均質な配置が、
各々が前記第1の材料で形成されており、前記第2の材料によって取り囲まれた複数の第1のアイランド、
各々が前記第2の材料で形成されており、前記第1の材料によって取り囲まれた複数の第2のアイランド、
各々が前記第2の材料で形成されており、前記外周領域から前記分散領域の中へ延在する複数の突出部、又は
第1の方向に沿って交互に変化する幅を有する少なくとも1つの樹状突起構造、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載のフォトニック集積回路。
【請求項7】
前記複数の第1のアイランド又は前記複数の第2のアイランドに含まれる一群のアイランドが、前記分散領域内で共通方向に沿って配置されている、請求項6に記載のフォトニック集積回路。
【請求項8】
前記共通方向が、前記入力領域から前記第1の出力領域又は前記第2の出力領域まで延在する、請求項7に記載のフォトニック集積回路。
【請求項9】
前記分散領域内の前記第1の材料及び前記第2の材料の前記不均質な配置が、全体的な周期性に欠ける、請求項1に記載のフォトニック集積回路。
【請求項10】
前記分散領域内の1つ以上の領域の前記不均質な配置が、局所的な周期性を有し、前記1つ以上の領域の各1つが、前記分散領域の断面積の10%未満に対応する、請求項9に記載のフォトニック集積回路。
【請求項11】
前記第1のマルチチャネル光信号を逆多重化するように、前記光デインターリーバの前記第1の出力領域に光学的に結合された第1のデマルチプレクサと、
前記第2のマルチチャネル光信号を逆多重化するように、前記光デインターリーバの前記第2の出力領域に光学的に結合された第2のデマルチプレクサと、を更に備える、請求項1に記載のフォトニック集積回路。
【請求項12】
前記第1のデマルチプレクサ及び前記第2のデマルチプレクサが各々、それぞれの分散領域を含み、前記それぞれの分散領域が、前記第1のマルチチャネル光信号又は前記第2のマルチチャネル光信号を前記複数のチャネルに含まれる個々のチャネルに分離するように前記それぞれの分散領域を構造化するために、前記第1の材料及び前記第2の材料の対応する不均質な配置を含む、請求項11に記載のフォトニック集積回路。
【請求項13】
前記第1のデマルチプレクサ及び前記第2のデマルチプレクサが各々、4チャネルデマルチプレクサである、請求項12に記載のフォトニック集積回路。
【請求項14】
前記光デインターリーバの前記分散領域と前記第1のデマルチプレクサとの間に光学的に結合された第1の中間デインターリーバを更に備え、前記第1の中間デインターリーバが、前記光デインターリーバの前記分散領域から受信した前記第1のマルチチャネル光信号を、2つ以上の低減されたマルチチャネル光信号に分離するように構造化されている、請求項11に記載のフォトニック集積回路。
【請求項15】
前記光デインターリーバの前記分散領域と前記第2のデマルチプレクサとの間に光学的に結合された第2の中間デインターリーバと、
第3のデマルチプレクサであって、前記第1の中間デインターリーバが、前記光デインターリーバの前記分散領域と前記第3のデマルチプレクサとの間に光学的に結合されている、第3のデマルチプレクサと、
第4のデマルチプレクサであって、前記第2の中間デインターリーバが、前記光デインターリーバの前記分散領域と前記第4のデマルチプレクサとの間に光学的に結合されている、第4のデマルチプレクサと、を更に備える、請求項14に記載のフォトニック集積回路。
【請求項16】
前記光デインターリーバ、前記第1の中間デインターリーバ、前記第2の中間デインターリーバ、前記第1のデマルチプレクサ、前記第2のデマルチプレクサ、前記第3のデマルチプレクサ、及び前記第4のデマルチプレクサが、基板材料の中又は上に含まれるモノリシック構造を形成する、請求項15に記載のフォトニック集積回路。
【請求項17】
前記第1のマルチチャネル光信号から逆多重化された第1のチャネルを受信し、前記第1のチャネルの外側の光を実質的に減衰させるように第1のデマルチプレクサに光学的に結合されたフィルタを更に備え、前記第1のデマルチプレクサが、第1の前記フィルタと前記光デインターリーバの前記分散領域との間に光学的に結合されている、請求項11に記載のフォトニック集積回路。
【請求項18】
前記光デインターリーバの前記分散領域内の前記第1の材料及び前記第2の材料の不均質な配置が、逆設計プロセスで得ることができる設計に実質的に比例する、請求項1に記載のフォトニック集積回路。
【請求項19】
命令を提供する少なくとも1つの非一時的な機械アクセス可能記憶媒体であって、前記命令は、機械によって実行されるときに、前記機械に、フォトニック集積回路のための設計を概略的に再現するための動作を実行させ、前記フォトニック集積回路は、
光デインターリーバを含み、前記光デインターリーバは、
各々が別個の波長によって特徴付けられる複数のチャネルを含む光信号を受信するように適合された入力領域と、
前記光信号を受信するように前記入力領域に光学的に結合された分散領域であって、前記分散領域は、前記光信号を第1のマルチチャネル光信号と第2のマルチチャネル光信号とを含む複数のマルチチャネル光信号に分離するように前記分散領域を構造化するために、第1の材料及び第2の材料の不均質な配置を含む、分散領域と、
前記分散領域に光学的に結合されており、前記入力領域から物理的に分離された、第1の出力領域と第2の出力領域とを含む少なくとも2つの出力領域であって、前記第1の出力領域は、前記第1のマルチチャネル光信号を受信するように位置決めされており、前記第2の出力領域は、第2のマルチチャネル光信号を受信するように位置決めされている、少なくとも2つの出力領域と、
を含む、少なくとも1つの非一時的な機械アクセス可能記憶媒体。
【請求項20】
前記複数のチャネルは、前記複数のチャネルが前記別個の波長によって順次的に配置されたときに、奇数チャネル及び偶数チャネルを含み、前記光デインターリーバの前記分散領域が、前記奇数チャネル及び前記偶数チャネルを、前記少なくとも2つの出力領域のうちのそれぞれの出力領域に別々に誘導する、請求項19に記載の少なくとも1つの非一時的な機械アクセス可能記憶媒体。
【請求項21】
前記フォトニック集積回路の前記設計が、
前記第1のマルチチャネル光信号を逆多重化するように、前記光デインターリーバの前記第1の出力領域に光学的に結合された第1のデマルチプレクサと、
前記第2のマルチチャネル光信号を逆多重化するように、前記光デインターリーバの前記第2の出力領域に光学的に結合された第2のデマルチプレクサと、
前記光デインターリーバの前記分散領域と前記第1のデマルチプレクサとの間に光学的に結合された第1の中間デインターリーバであって、前記第1の中間デインターリーバが、前記光デインターリーバの前記分散領域から受信した前記第1のマルチチャネル光信号を、2つ以上の低減されたマルチチャネル光信号に分離するように構造化されており、前記2つ以上の低減されたマルチチャネル光信号の各々が、前記複数のチャネルに含まれる少なくとも2つのチャネルを含む、第1の中間デインターリーバと、を更に含む、請求項19に記載の少なくとも1つの非一時的な機械アクセス可能記憶媒体。
【請求項22】
前記フォトニック集積回路の前記設計に含まれる前記光デインターリーバが、
前記分散領域の固定された面積を横方向に取り囲む前記第2の材料で形成された前記光デインターリーバの外周領域と、
前記入力領域から前記分散領域を通って前記第1の出力領域まで延在する前記第1の材料で形成された第1の連続経路と、
前記入力領域から前記分散領域を通って前記第2の出力領域まで延在する前記第1の材料で形成された第2の連続経路であって、前記第1の連続経路及び前記第2の連続経路が、前記入力領域内で重なる、第2の連続経路と、を更に含む、請求項19に記載の少なくとも1つの非一時的な機械アクセス可能記憶媒体。
【請求項23】
前記フォトニック集積回路の前記設計に含まれる前記光デインターリーバの分散領域内の前記第1の材料及び前記第2の材料の前記不均質な配置が、
各々が前記第1の材料で形成されており、前記第2の材料によって取り囲まれた複数の第1のアイランド、
各々が前記第2の材料で形成されており、前記第1の材料によって取り囲まれた複数の第2のアイランド、
各々が前記第2の材料で形成されており、前記外周領域から前記分散領域の中へ延在する複数の突出部、又は
第1の方向に沿って交互に変化する幅を有する少なくとも1つの樹状突起構造、
のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項19に記載の少なくとも1つの非一時的な機械アクセス可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月29日に出願された米国特許出願第17/489,640号に対する優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、フォトニックデバイスに関するものであり、特に、排他的ではないが、フォトニック集積回路に関するものである。
【背景技術】
【0003】
光ファイバ通信は、通常、情報を搬送するように変調された光を介して、ある場所から別の場所に情報を送信するために用いられる。例えば、多くの電気通信会社は、電話信号、インターネット通信、及びケーブルテレビ信号を送信するために光ファイバを使用する。しかし、光ファイバ通信のために光ファイバを展開するコストは法外なものになることがある。したがって、単一の光ファイバ内で利用可能な帯域幅をより効率的に使用するための技術が開発されている。波長分割多重化は、異なる波長を使用して複数の光搬送波信号を単一の光ファイバ上にバンドルする1つのそのような技術である。
【0004】
波長分割多重化及びその変形例えば、高密度波長分割多重化、粗波長分割多重化など)は、複数の光キャリア信号を単一の光ファイバに束ねることによって、光ファイバの帯域幅を利用する。複数の搬送波信号が一緒に束ねられると、それらは、単一の光ファイバを通じてある場所から別の場所に送信され、そこで、束ねられた光搬送波信号が個々に読み出され得るように逆多重化され得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態は、以下の図を参照して説明され、同様の参照番号は、別段の指定がない限り、様々な図全体を通して同様の部分を指す。適切な場合に図面を混乱させないように、要素の全てのインスタンスが必ずしもラベル付けされているわけではない。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、説明される原理を例示することに重点が置かれている。
図1A】本開示の一実施形態による、光信号を介した2つの光通信デバイス間の光通信のためのシステムを例示する機能ブロック図である。
図1B】本開示の一実施形態による、個々のチャネルが、波長によって配置された光信号の複数のチャネルに含まれる、図1Aに例示される光信号を例示する。
図1C】本開示の一実施形態による、別個の波長によって特徴付けられる、図1Bに例示される光信号に含まれる、例示的なチャネルを例示する。
図2A】本開示の一実施形態による、光デインターリーバを含む例示的なフォトニック集積回路を例示する。
図2B】本開示の一実施形態による、2つの出力領域を有する例示的な光デインターリーバを例示する。
図2C】本開示の一実施形態による、3つの出力領域を有する例示的な光デインターリーバを例示する。
図2D】本開示の一実施形態による、中間デインターリーバを含む例示的なフォトニック集積回路を例示する。
図2E】本開示の一実施形態による、光デインターリーバと、デマルチプレクサと、フィルタと、を含む、例示的なフォトニック集積回路を例示する。
図3A】本開示の一実施形態による、光デインターリーバに含まれる分散領域の例示的な図を例示する。
図3B】本開示の一実施形態による、光デインターリーバに含まれる分散領域の例示的な図を例示する。
図3C】本開示の一実施形態による、光デインターリーバに含まれる分散領域の例示的な図を例示する。
図3D】本開示の一実施形態による、光デインターリーバに含まれる分散領域の例示的な図を例示する。
図4A】本開示の一実施形態による、光デインターリーバを含むフォトニック集積回路の概略的な一実施例を例示する。
図4B】本開示の一実施形態による、図4Aに例示される光デインターリーバに含まれる分散領域のより詳細な図を例示する。
図4C】本開示の一実施形態による、図4Aに例示される光デインターリーバに含まれる分散領域のより詳細な図を例示する。
図5】本開示の実施形態による、フォトニック集積回路の設計を生成するためのシステムを例示する機能ブロック図である。
図6】本開示の一実施形態による、フォトニック集積回路の設計を生成するための例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
光デインターリーバを含むフォトニック集積回路の実施形態、並びにフォトニック集積回路の設計を生成する方法が本明細書で説明される。以下の説明では、実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載される。しかしながら、当業者は、本明細書で説明される技術が、特定の詳細のうちの1つ以上を伴わずに、又は他の方法、構成要素、材料などを用いて実施され得ることを認識するであろう。他の場合では、ある特定の態様を不明瞭にすることを回避するために、既知の構造、材料、又は動作については、詳細に図示又は説明しない。
【0007】
本明細書全体を通して「1つの実施形態」又は「一実施形態」というのは、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な箇所における「1つの実施形態では」又は「一実施形態では」という句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態では任意の好適な方法で組み合わされ得る。
【0008】
フォトニックデバイスの機能が向上し、デバイスの特徴サイズをより小さくできるように製造公差が改善されるにつれて、サイズ及びコストも低減しながらデバイスの機能、性能、及び堅牢性を高めるために、最適化されたデバイス設計を介してこれらの改善を最大限に活用することがますます重要になっている。光通信に使用されるような従来のフォトニックデバイスは、因習的に、所定の設計又はビルディングブロックからの少数の設計パラメータが特定の用途に適合するように調整又は配置される単純な推測及びチェック方法又は手動でガイドされるグリッドサーチを使用して設計されている。しかしながら、実際には、これらのデバイスは、デバイスのサイズ及び機能に応じて、数百から数十億以上の範囲の設計パラメータを有し得る。
【0009】
本明細書では、従来のフォトニック設計に対して増加した設計パラメータの考慮を可能にするために、第一原理シミュレーションを利用する逆設計プロセスによって得られる設計を有し得る、フォトニック集積回路(例えば、1つ以上の光デインターリーバ、デマルチプレクサ、フィルタ、又はそれらの組み合わせ)の実施形態が説明される。より具体的には、本明細書で説明される技術は、フォトニック集積回路の動作を管理することが予想される基礎をなす物理学に基づいて設計を生成するために、第一原理シミュレーションと組み合わせて勾配ベースの最適化を利用し得る。しかしながら、他の実施形態では、勾配ベースの技術を用いないフォトニック集積回路の設計最適化も使用され得ることが理解される。有利に、本明細書で説明される実施形態及び技術は、フォトニック回路を設計するための従来の技術に限定されない。むしろ、本明細書で説明される第一原理ベースの方法論は、性能、サイズ、堅牢性、又はそれらの組み合わせにおいて現在の最先端の設計を凌駕する設計をもたらし得る。更に、従来の技術に起因する少数の設計パラメータに限定されるのではなく、本明細書で説明される実施形態及び技術は、ほぼ無制限の数の設計パラメータのスケーラブルな最適化を提供し得る。
【0010】
更なる設計最適化を容易にし、かつ逆設計されたフォトニック集積回路の性能を向上させるために、本開示の実施形態は、1つ以上の光デインターリーバを組み込んだフォトニック集積回路を説明する。本明細書で定義される光デインターリーバは、複数のチャネルを含む入力信号(例えば、チャネルの総数が少なくとも4つである広帯域光信号)を受信することに応答して互いに空間的に分離された複数のマルチチャネル光信号を出力する、(例えば、別個のデバイスとしての、又はモノリシックフォトニック集積回路の構成要素としての)フォトニックデバイスに対応する。複数のマルチチャネル光信号の各々は、光デインターリーバの分散領域内で入力信号から分離された少なくとも2つのチャネルを含む。いくつかの実施形態では、光デインターリーバの分散領域は、入力信号に含まれる個々のチャネルを互いに空間的に分離された特定の出力領域に空間的に誘導して又は別様にマッピングして複数のマルチチャネル光信号を形成するように構造化された共振器又は光キャビティであり得る。
【0011】
本明細書の実施形態に記載される光デインターリーバは、デマルチプレクサとは異なることが理解される。当業者は、デマルチプレクサが入力光信号から個々に分離したチャネルを出力し、一方で、光デインターリーバがマルチチャネル光信号を出力することを認識するであろう。いくつかの実施形態では、光デインターリーバが1つ以上のデマルチプレクサに結合されたモノリシックフォトニック集積回路が説明される。有利に、最初に、光デインターリーバで入力光信号を複数のマルチチャネル光信号に分離し、次いで、1つ以上のデマルチプレクサを使用して、マルチチャネル光信号を個々のチャネルに分離することによって、マルチステージ逆多重化プロセスが可能になり得る。マルチステージ逆多重化プロセスは、個々のチャネルがフォトニック集積回路を通って伝搬するときの光信号に含まれる個々のチャネル間の波長分離距離の増加に起因する、所与のフォトニック集積回路の性能特性の向上及び分散領域設計の簡素化を促進し得る。
【0012】
図1Aは、本開示の一実施形態による、光信号110を介した2つの光通信デバイス101-Aと101-Bとの間の(例えば、波長分割多重化又は他の技術を介した)光通信のためのシステム100を例示する機能ブロック図である。光通信デバイス101-Aは、コントローラ105と、1つ以上の光源111(例えば、発光ダイオード、レーザ、など)と、1つ以上のセンサ113(例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトレジスタ、など)と、1つ以上のインターフェースデバイス115(例えば、光ファイバカプラ、導光路、導波路、他の光学部品、など)と、1つ以上の光デインターリーバ117と、1つ以上の光デマルチプレクサ119と、互いに結合された1つ以上の光マルチプレクサ121と、を含む。コントローラ105は、1つ以上のプロセッサ107(例えば、1つ以上の中央処理ユニット、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、テンソル処理ユニット、グラフィック処理ユニット、又はそれらの組み合わせ)と、メモリ109(例えば、ダイナミックRAM若しくはスタティックRAMなどの揮発性メモリ、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、他のタイプのメモリ、又はそれらの組み合わせ)と、を含む。いくつかの実施形態では、光通信デバイス101-Aはまた、1つ以上のインターフェースデバイス115、1つ以上の光デインターリーバ117、1つ以上の光デマルチプレクサ119、又はそれらの組み合わせから形成され得る1つ以上のフォトニック集積回路(例えば、図2A図2E図3A図3D、又は図4A図4Cを参照されたい)も含み得る。
【0013】
コントローラ105は、光通信デバイス101-Aの動作を編成するように構成されている。より具体的には、コントローラ105は、コントローラ105によって実行されるときに、(例えば、1つ以上のプロセッサ107に結合されたメモリ109に記憶されたソフトウェア命令、1つ以上のプロセッサ107に含まれるメモリに記憶されたファームウェア命令、及び/又はハードウェア特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、などに対応する命令のような)コントローラ105、光通信デバイス101-A、及び/又はシステム100に動作を実行させる命令を含む。いくつかの実施形態では、動作は、1つ以上の光源111を介して光を変調して、変調された光の別個の波長又はモードに対応する個々のチャネルの情報を符号化することと、1つ以上のマルチプレクサ121を介して個々のチャネルを多重化して光信号110を形成することと、1つ以上のインターフェースデバイス115を介して光信号110を送信することと、を含む。同じ又は他の実施形態では、動作は、1つ以上のインターフェースデバイス115を介して光信号110を受信することと、1つ以上の光デインターリーバ117、1つ以上のデマルチプレクサ119、他の光学構成要素、又はそれらの組み合わせを含む1つ以上のフォトニック集積回路によって光信号110を逆多重化することと、1つ以上のセンサ113を介して光信号110から逆多重化された個々のチャネルを検出することによって光信号110を復号して情報を抽出することと、含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、光通信デバイス101-A及び101-Bは、別個の分離したデバイスであり得る(例えば、光トランシーバ又は送信機は、1つ以上の光ファイバを介して、分離した光トランシーバ又は受信機に通信可能に結合される)。しかしながら、他の実施形態では、光通信デバイス101-A及び101-Bは、単一の構成要素又はデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、サーバ、光通信デバイス、など)の一部であり得る。例えば、光通信デバイス101-A及び101-Bはどちらも、モノリシック集積回路内に埋め込まれ、かつ光通信デバイス101-Aと101-Bとの間で光信号110を搬送するように適合された導波路(例えば、シリコン導波路)を介して互いに結合された、モノリシック集積回路上の構成要素であり得る。
【0015】
光通信デバイス101-Bは、明確にするために省略された光通信デバイス101-Aと同じ又は同様の構成要素を含み得ることが理解される。追加的に、光通信デバイス101-Aを参照して説明される任意の機能は、光通信デバイス101-Bにも同様に適用可能であることが理解される。光通信デバイス101-Aは、光受信機、送信機、若しくはトランシーバとして構成され得ること、及びいくつかの実施形態では、図1Aに例示される特定の構成要素は、(例えば、目標とする機能に応じて)光通信デバイス101-Aから省略され得ることが更に理解される。例えば、1つの実施形態では、光通信デバイス101-Aは、光受信機として構成され、また、1つ以上の光源111及びマルチプレクサ121を省略し得る。追加的に、いくつかの実施形態では、本開示の特定の態様を不明瞭にすることを回避するために、光通信デバイス101-Aの特定の要素が省略され得ることに留意されたい。例えば、光通信デバイス101-Aは、光信号110を送信、受信、符号化、又は複合するのを容易にするために、増幅回路、レンズ、又は他の構成要素を含み得る。
【0016】
図1Bは、本開示の一実施形態による、波長によって配置された光信号110の複数のチャネル108に含まれる個々のチャネル(例えば、第1のチャネル108-1、第2のチャネル108-2、第3のチャネル108-3、及び第4のチャネル108-4)を有する、図1Aに例示される光信号110を例示する。より具体的には、図1Bは、光信号110の送信(T)に関して波長(λ)毎に昇順に配置された複数のチャネル108を例示する。例えば、例示される実施形態では、第2のチャネル108-2は、第1のチャネル108-1の波長よりも大きい波長を有し、第3のチャネル108-3は、第2のチャネル108-2の波長よりも大きい波長を有する。大部分の実施形態では、複数のチャネル108に含まれる各チャネルは、互いに異なる別個の波長(例えば、それぞれのチャネルの中心波長)によって特徴付けられる。言い換えれば、第1のチャネル108-1が第1の中心波長によって特徴付けられる、第2のチャネル108-2が第2の中心波長によって特徴付けられる、第3のチャネル108-3が第3の中心波長によって特徴付けられる、などである。いくつかの実施形態では、複数のチャネル108を特徴付ける別個の波長は、所定の増分112(例えば、5nm、10nm、20nm、50nm、又は任意の他の好適な増分)だけ周期的に離間される。1つの実施形態では、複数のチャネル108を特徴付ける別個の波長としては、1270nm、1280nm、1290nm、及び1300nmが挙げられる。同じ又は他の実施形態では、複数のチャネル108を特徴付ける別個の波長としては、1271nm、1291nm、1311nm、1331nm、1511nm、1531nm、1551nm、1571nm、などが挙げられる。光信号110の複数のチャネル108には4つのチャネルだけが例示されているが、他の実施形態では、4つよりも多い又は少ないチャネルが複数のチャネル108に含まれ得ることが理解される。
【0017】
図1Cは、本開示の一実施形態による、別個の波長によって特徴付けられる、図1Bの光信号110に含まれる例示的なチャネル(例えば、第1のチャネル108-1、第2のチャネル108-2、第3のチャネル108-3、第4のチャネル108-4、など)を例示する。例示されるように、例示的なチャネルは、例示的なチャネルの中心波長(λ)に対応する別個の波長によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、中心波長は、通過帯域領域の中間点として定義され(すなわち、PBとPBとの間にある領域として定義され)、チャネル帯域幅116は、通過帯域領域118の幅として定義され得る。通過帯域領域118は、フォトニック集積回路に含まれる1つ以上の構成要素(例えば、光デインターリーバ、デマルチプレクサ、など)の近似電力若しくは送信、又はフォトニック集積回路の集合的な送信を表し得る。いくつかの実施形態では、通過帯域領域118は、通過帯域領域118内の変動に対応する、図1Cに例示されるようなリップル114を含み得ることが理解される。1つ以上の実施形態では、通過帯域領域118の中のリップル114は、±2dB以下、±1dB以下、±0.5dB以下、などであり得る。いくつかの実施形態では、チャネル帯域幅116は、通過帯域領域118によって定義され得る。他の実施形態では、チャネル帯域幅116は、閾値(例えば、dBth)を超える測定電力を有する波長範囲として定義され得る。
【0018】
図2Aは、本開示の一実施形態による、光デインターリーバ217-Aを含む例示的なフォトニック集積回路250を例示する。フォトニック集積回路250は、マルチステージ逆多重化プロセスを実施し、また、光デインターリーバ217-Aと、第1のデマルチプレクサ219-Aと、第2のデマルチプレクサ219-Bと、を含む。より具体的には、フォトニック集積回路250は、図1Aに例示される光通信デバイス101-Aに含まれるフォトニック集積回路の1つの可能な実装形態であり得る。図2Aを再度参照すると、光デインターリーバ217-Aは、入力領域202(例えば、導波路)と、分散領域230-Aと、少なくとも2つの出力領域204-A及び204-B(例えば、空間的に分離された導波路)と、を含む。同様に、第1のデマルチプレクサ219-A及び第2のデマルチプレクサ219-Bは、入力領域(すなわち、252-A及び252-B)と、分散領域(すなわち、280-A及び280-B)と、出力領域(すなわち、254-A1、254-A2、254-B1、及び254-B2)と、を含む。
【0019】
例示されるように、光デインターリーバ217-Aの入力領域202は、別個の波長によって特徴付けられる複数のチャネル108を含む光信号110を受信するように適合されている。分散領域230-Aは、光信号110を受信するように、入力領域202に光学的に結合されている。分散領域230-Aは、光信号110を複数のマルチチャネル光信号(例えば、第1のマルチチャネル光信号260-A及び第2のマルチチャネル光信号260-B)に分離するように分散領域230-Aを構造化するために、第1の材料及び第2の材料の不均質な配置を含む(例えば、第1の材料が第2の材料とは異なる図4A図4Cを参照されたい)。少なくとも2つの出力領域(例えば、第1の出力領域204-A及び第2の出力領域204-B)は、分散領域230-Aに光学的に結合され、かつ入力領域202から物理的に分離されている。第1の出力領域204-Aは、第1のマルチチャネル光信号260-Aを受信するように位置決めされており、第2の出力領域204-Bは、第2のマルチチャネル光信号260-Bを受信するように位置決めされている。追加的に、分散領域230-Aの第1の材料及び第2の材料の不均質な配置は、逆設計プロセス(例えば、図6を参照されたい)によって得られる設計に実質的に比例することに更に留意されたい。
【0020】
例示される実施形態では、第1のデマルチプレクサ219-Aは、第1のマルチチャネル光信号260-Aを個々のチャネルに逆多重化するために、第1の出力領域204-Aに光学的に結合されている(例えば、第1のマルチチャネル光信号260-Aに含まれる第1のチャネル108-1は、逆多重化されて出力ポート254-A2の方へ誘導され、第1のマルチチャネル光信号260-Aに含まれる第3のチャネル108-3は、逆多重化されて出力ポート254-A1の方へ誘導される)。第2のデマルチプレクサ219-Bは、第2のマルチチャネル光信号260-Bを個々のチャネルに逆多重化するために、光デインターリーバ217-Aの第2の出力領域204-Bに光学的に結合されている(例えば、第2のマルチチャネル光信号260-Bに含まれる第2のチャネル108-2は、逆多重化されて出力ポート254-B2の方へ誘導され、第2のマルチチャネル光信号260-Bに含まれる第4のチャネル108-4は、逆多重化されて出力ポート254-B1の方へ誘導される)。光デインターリーバ217-Aと同様に、第1のデマルチプレクサ219-A及び第2のデマルチプレクサ219-Bの各々は、第1のマルチチャネル光信号260-A又は第2のマルチチャネル光信号260-Bを光信号110の複数のチャネル108に含まれる個々のチャネルに分離するようにそれぞれの分散領域280-A及び280-Bを構造化するために、第1の材料及び第2の材料の対応する不均質な配置を含む(例えば、図4Aを参照されたい)、それぞれの分散領域(例えば、280-A及び280-B)を含む。追加的に、分散領域280-A及び280-Bの第1の材料及び第2の材料の対応する不均質な配置は、逆設計プロセス(例えば、図6を参照されたい)によって得られる設計に実質的に比例することに更に留意されたい。
【0021】
例示されるように、分散領域230-Aは、入力領域202で受信した特定の光モードを有する個々のチャネルを少なくとも2つの出力領域204のうちの対応する1つに結合する光キャビティ又は共振器として構造化される。分散領域230-Aは、第1のチャネル及び第3のチャネルに関連付けられた光の大部分を、入力領域202から第1の出力領域204-Aへと誘導させる。同時に、分散領域230-Aはまた、第2のチャネル及び第4のチャネルに関連付けられた光の大部分も、入力領域202から第2の出力領域204-Bへと誘導させる。そのような実施形態では、少なくとも2つの出力領域204のうちの対応する1つにおいて受信した誘導された光は、閾値送信(Tth)を超えている。しかしながら、閾値送信(Tth)よりも低い対応する送信によって意図しない出力領域に伝搬する(例えば、第2及び第4のチャネルに関連付けられた光の一部分が、意図せずに第1の出力領域204-Aに伝搬する)残留光(例えば、ノイズ)が存在し得ることが理解される。いくつかの実施形態では、閾値送信は、50%、40%、30%、20%、10%、5%、又は1%であり得る。
【0022】
同様に、デマルチプレクサ219-A及び219-Bはそれぞれ、分散領域280-A及び280-Bを含み、これらの分散領域は、入力領域252-A及び252-Bで受信した特定のモードを有する個々のチャネルを出力領域(すなわち、254-A1、254-A2、254-B1、及び254-B2)のうちの対応する1つに結合する光キャビティ又は共振器として機能するように構造化されている。例示されるように、分散領域280-Aは、第3のチャネルの別個の波長に関連付けられた光の大部分を、入力領域252-Aから出力領域254-A1へと誘導させる。同時に、分散領域280-Aはまた、第1のチャネルの別個の波長に関連付けられた光の大部分も、入力領域252-Aから出力領域254-A2へと誘導させる。分散領域280-Bは、第4のチャネルの別個の波長に関連付けられた光の大部分を、入力領域252-Bから出力領域254-B1へと誘導させる。同時に、分散領域280-Bはまた、第2のチャネルの別個の波長に関連付けられた光の大部分も、入力領域252-Bから出力領域254-B2へと誘導させる。上述したように、出力領域254のうちの対応する1つにおいて受信した誘導された光は、閾値送信(Tth)のを超えている。しかしながら、閾値送信(Tth)よりも低い対応する送信によって意図しない出力領域に伝搬する(例えば、第1、第2、及び第4のチャネルに関連付けられた光の一部分が、意図せずに出力領域に254-A1に伝搬する)残留光(例えば、ノイズ)が存在し得ることが理解される。
【0023】
したがって、光デインターリーバ(例えば、光デインターリーバ217-A又は本明細書で論じられる任意の他の光デインターリーバ)及びデマルチプレクサ(例えば、280-A、280-B、又は本明細書で論じられる任意の他のデマルチプレクサ)の文脈における「分離する」という用語は、光信号110に含まれる所与のチャネルの別個の波長に関連付けられた光の大部分(例えば、少なくとも50%)が、対応する出力領域(例えば、出力領域204及び254)に誘導されることを示すことが理解される。送信は、特定の構成要素の相対的な用語である(例えば、出力領域204における送信は、対応する入力領域における光電力に対する、予測される出力領域における所与のチャネルの光電力に基づく)ことが更に理解される。例えば、第2の出力領域204-Bにおける第2のチャネル108-2の送信は、入力領域202における第2のチャネル108-2の光電力に対する、出力領域204-Bにおける第2のチャネル108-2の光電力に基づく。
【0024】
図2Aの例示される実施形態において、マルチステージ逆多重化プロセスは、分散領域230-Aに光学的に結合された入力領域202を介して、光信号110を光デインターリーバ217-Aに提供することを含む。マルチステージ逆多重化プロセスは、(例えば、中心波長又は別個の波長を増減させることによって複数のチャネル108が配置されたときの波長に基づいて)分散領域230-Aを介して、光信号110に含まれる隣接するチャネル対を分離することと、分離したチャネルを光デインターリーバ217-Aの物理的に分離した出力領域(例えば、204-A及び204-B)に誘導させて、第1のマルチチャネル光信号260-A及び第2のマルチチャネル光信号260-Bを形成することと、を更に含む。マルチステージ逆多重化プロセスは、(例えば、光デインターリーバ217-Aの第1の出力領域204-Aを第1のデマルチプレクサ219-Aの入力領域252-Aに結合する導波路を介して)第1のマルチチャネル光信号260-Aを第1のデマルチプレクサ219-Aに提供することと、(例えば、光デインターリーバ217-Aの第2の出力領域204-Bを第2のデマルチプレクサ219-Bの入力領域に結合する導波路を介して)第2のマルチチャネル光信号260-Bを第2のデマルチプレクサ219-Bに提供することと、を追加的に含む。マルチステージ逆多重化プロセスは、個々のチャネル(例えば、λ、λ、λ、又はλ)が(例えば、複数のデマルチプレクサ219の出力領域254に結合された1つ以上の光センサを介して)個々に読み出され得るように、第1のデマルチプレクサ252-Aの分散領域280-A及び第2のデマルチプレクサ252-Aの分散領域280-Bを介して、第1のマルチチャネル光信号260-A及び第2のマルチチャネル光信号260-Bをそれぞれ個々のチャネルに逆多重化することを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、フォトニック集積回路250は、光信号110及び光デインターリーバ217-Aの機能(例えば、光デインターリーバ217-Aの出力領域204の数)に応じて、追加の又はより少ない構成要素(例えば、図2Dに例示されるような中間デインターリーバ、追加のデマルチプレクサ、など)を含み得ることが理解される。更にまた、マルチステージ逆多重化プロセスは、(例えば、図2Aに例示されるような)1つのデインターリーブステージ又は(例えば、図2Dに例示されるような)2つのデインターリーブステージに限定されないことが理解される。むしろ、フォトニック集積回路250の目標機能に応じて、追加のデインターリーブステージ(例えば、二次中間デインターリーバ、三次中間デインターリーバ、など)が含まれ得る。
【0026】
図2Bは、本開示の一実施形態による、2つの出力領域(すなわち、204-A及び204-B)を有する例示的な光デインターリーバ217-Bを例示する。光デインターリーバ217-Bは、図2Aに例示される光デインターリーバ217-Aの代替的な実施形態であり、また、図1Aに例示される光通信デバイス101-Aに含まれ得る。図2Bを再度参照すると、光デインターリーバ217-Bは、光信号110が「n」個(すなわち、4以上の任意の自然数)のチャネルを含む、一般化された実施形態を表す。「n」個のチャネルは、別個の波長又は中心波長によって順次的に配置されたときに、奇数チャネル及び偶数チャネルを含む(例えば、第1のチャネル108-1が奇数チャネルであり、第2のチャネル108-2が偶数チャネルである)。次いで、分散領域230-Bが、奇数チャネル及び偶数チャネルを少なくとも2つの出力領域204のうちのそれぞれの出力領域に誘導させるように構造化される。例えば、例示される実施形態では、奇数チャネルが第1の出力領域204-Aに誘導され、偶数チャネルが第2の出力領域204-Bに誘導されて、それぞれ、第1のマルチチャネル光信号260-A及び第2のマルチチャネル光信号260-Bを形成する。したがって、光信号110に含まれる隣接するチャネルの別個の波長又は中央波長間の波長間隔は、マルチチャネル光信号260に含まれる隣接するチャネルの別個の波長又は中央波長間の波長間隔の半分である。隣接するチャネル間の波長間隔を増加させることによって、フォトニック集積回路内のその後の構成要素の設計がより容易になり得ることが理解される(例えば、光信号110の波長間隔に対するマルチチャネル光信号260-A及び260-Bの波長間隔の増加に起因して、デマルチプレクサ252-A及び252-Bの設計がより容易になり得る)。
【0027】
図2Cは、本開示の一実施形態による、3つの出力領域(すなわち、204-A、204-B、及び204-C)を有する例示的な光デインターリーバ217-Cを例示する。光デインターリーバ217-Cは、図2Aに例示される光デインターリーバ217-Aの代替的な実施形態であり、追加のデマルチプレクサに更に結合され得、また、図1Aに例示される光通信デバイス101-Aのフォトニック集積回路に含まれ得る。図2Cを再度参照すると、光デインターリーバ217-Cは、光信号110が「n」個(すなわち、6以上の任意の自然数)のチャネルを含む、一般化された実施形態を表す。次いで、分散領域230-Cが、光信号110に含まれる複数のチャネルを出力領域(すなわち、204-A、204-B、又は204-C)のうちの1つにデインターリーブするように構造化される。より具体的には、3つの隣接するチャネルの群毎に含まれる個々のチャネル(例えば、第1のチャネル、第2のチャネル、及び第3のチャネルを含む第1の群、第4のチャネル、第5のチャネル、及び第6のチャネルを含む第2の群、など)が、出力領域204-A、204-C、又は204-Dのうちの対応する1つに誘導されて、マルチチャネル光信号260-C、260-D、及び260-Eを形成する。同じ又は他の実施形態では、マルチチャネル光信号260-Cは、3m-2に関連付けられた各チャネルを含み、マルチチャネル光信号260-Dは、3m-1に関連付けられた各チャネルを含み、マルチチャネル光信号260-Eは、3mに関連付けられた各チャネルを含み、ここで、「m」は、「n」が余りを伴わずに3で割り切れる自然数である場合の、n/3以下のあらゆる自然数を含む。同じ又は他の実施形態では、少なくとも2つの出力領域に含まれる隣接する出力領域間の分離距離232(例えば、出力領域204-Aと204-Bとの間の距離及び204-Bと204-Cとの間の距離)は等しい。
【0028】
本明細書に記載される実施形態では、所与の光デインターリーバ(例えば、図2Aの光デインターリーバ217-A、図2Bの光デインターリーバ217-B、図2Cの光デインターリーバ217-C)によって形成されたマルチチャネル光信号は、同じ数のチャネルを含むことが理解される。例えば、マルチチャネル光信号260-Aに含まれるチャネルの数は、図1Aに例示される光デインターリーバ217-Aのためのマルチチャネル光信号260-Bに含まれるチャネルの数に等しい。しかしながら、他の実施形態では、所与の光デインターリーバのそれぞれの出力ポートに関連付けられたチャネルの数は、必ずしも等しいわけではない。例えば、いくつかの実施形態では、マルチチャネル光信号260-Bに含まれるチャネルの数よりも多いチャネルがマルチチャネル光信号260-Aに含まれ得る(例えば、よって、光信号110に含まれるチャネルの総数は偶数ではない)。追加的に、少なくとも2つの出力領域(例えば、図2A図2Cに例示される204-A、204-B、及び/又は204-C)が、2つを超える出力領域を含み得ること、及び2つの出力領域だけに限定されないことが理解される。むしろ、分散領域(例えば、230-A、230-B、又は230-C)は、目標数の光信号110のチャネルにマッピングされる目標数の出力領域に基づいて、逆設計プロセス(例えば、図6を参照されたい)によって設計され得る。
【0029】
図2Dは、本開示の一実施形態による、中間デインターリーバ217-D及び217-Eを含む例示的なフォトニック集積回路290を例示する。フォトニック集積回路290は、図1Aに例示される光通信デバイス101-Aに含まれ得る。図2Dを再度参照すると、フォトニック集積回路290は、マルチステージ逆多重化プロセスを実装しており、また、光デインターリーバ217-Bと、第1の中間デインターリーバ217-Dと、第2の中間デインターリーバ217-Eと、デマルチプレクサ219(例えば、219-C、219-D、219-E、219-F)と、を含む。第1の中間デインターリーバ217-Dは、光デインターリーバ217-Bの分散領域230-Bと第1のデマルチプレクサ(例えば、219-C)との間に光学的に結合されている。中間デインターリーバ217-Dは、光デインターリーバ217-Bの分散領域230-Bから受信した第1のマルチチャネル光信号260-Aを、2つ以上の低減されたマルチチャネル光信号272に分離するように構造化されている(例えば、第1の低減されたマルチチャネル光信号272-Aは、第1のチャネルと、第5のチャネルと、を含み、第2の低減されたマルチチャネル光信号272-Bは、第3のチャネルと、第7のチャネルと、を含む)。低減されたマルチチャネル光信号272のそれぞれ1つに含まれるチャネルの数は、第1のマルチチャネル光信号260-A及び第2のマルチチャネル光信号260-Bに含まれるチャネルの数よりも少ないことが理解される。第2の中間デインターリーバ217-Eは、光デインターリーバ217-Bの分散領域230-Bと第2のデマルチプレクサ(例えば、219-E)との間に光学的に結合されている。第1の中間デインターリーバ217-Dは、更に、光デインターリーバ217-Bの分散領域230-Bと第3のデマルチプレクサ(例えば、219-D)との間に光学的に結合されている。第2の中間デインターリーバ217-Eは、更に、光デインターリーバ217-Bの分散領域230-Bと第4のデマルチプレクサ(例えば、219-F)との間に光学的に結合されている。いくつかの実施形態では、光デインターリーバ217-B、第1の中間デインターリーバ217-D、第2の中間デインターリーバ217-E、第1のデマルチプレクサ219-C、第2のデマルチプレクサ219-E、第3のデマルチプレクサ219-D、及び第4のデマルチプレクサ219-Fは、基板材料の中又は上に含まれるモノリシック構造(例えば、シリコンオンインシュレータ)を形成する。
【0030】
例示されるように、マルチステージ逆多重化プロセスは、分散領域230-Bに光学的に結合された入力領域を介して、光信号110を光デインターリーバ217-Bに提供することを含む。マルチステージ逆多重化プロセスは、分散領域230-Bを介して、光信号110に含まれる奇数チャネル及び偶数チャネルを分離することと、奇数チャネル及び偶数チャネルを光デインターリーバ217-Bの物理的に分離した出力領域に誘導させて、第1のマルチチャネル光信号260-A及び第2のマルチチャネル光信号260-Bを形成することと、を更に含む。マルチステージ逆多重化プロセスは、(例えば、光デインターリーバ217-Bの出力領域のうちの1つを第1の中間デインターリーバ217-Dの入力領域に結合する導波路を介して)第1のマルチチャネル光信号260-Aを第1の中間デインターリーバ217-Dに提供することと、(例えば、光デインターリーバ217-Bの出力領域のうちの1つを第2の中間デインターリーバ217-Eの入力領域に結合する導波路を介して)第2のマルチチャネル光信号260-Bを第2の中間デインターリーバ217-Eに提供することと、を追加的に含む。マルチステージ逆多重化プロセスは、2つ以上の低減されたマルチチャネル光信号のうちの任意の1つに含まれる隣接するチャネル間の波長分離距離が第1のマルチチャネル光信号217-Dに含まれる隣接するチャネル間の波長分離距離よりも大きくなるように、第1のマルチチャネル光信号260-Aを、第1の中間光デインターリーバ217-Dの分散領域を介して、2つ以上の低減されたマルチチャネル光信号(例えば、272-A及び272-B)に分離することを含む。マルチステージ逆多重化プロセスは、2つ以上の低減されたマルチチャネル光信号のうちの任意の1つに含まれる隣接するチャネル間の波長分離距離が第1のマルチチャネル光信号217-Dに含まれる隣接するチャネル間の波長分離距離よりも大きくなるように、第2のマルチチャネル光信号260-Bを、第2の中間光デインターリーバ217-Eの分散領域を介して、2つ以上の低減されたマルチチャネル光信号(例えば、272-C及び272-D)に分離することを更に含む。マルチステージ逆多重化プロセスは、2つ以上の低減されたマルチチャネル光信号272(例えば、272-A、272-B、272-C、及び272-D)を複数のデマルチプレクサ219(例えば、219-C、219-D、219-E、又は219-F)のうちのそれぞれのデマルチプレクサに提供することを追加的に含む。マルチステージ逆多重化プロセスは、個々のチャネル(例えば、λ、λ、λ、λ、λ、λ、λ、又はλ)が(例えば、複数のデマルチプレクサ219の出力領域に結合された光センサを介して)読み出され得るように、複数のデマルチプレクサ219の対応する1つの分散領域を介して、2つ以上の低減されたマルチチャネル光信号272を個々のチャネルに逆多重化することを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、フォトニック集積回路290は、光信号110及び個々のデインターリーバの機能(例えば、各光デインターリーバ又は中間デインターリーバの出力領域の数)に応じて、追加の又はより少ない構成要素(例えば、追加の中間デインターリーバ、追加のデマルチプレクサ、など)を含み得ることが理解される。更にまた、マルチステージ逆多重化プロセスは、(例えば、図2Aに例示されるような)1つのデインターリーブステージ又は(例えば、図2Dに例示されるような)2つのデインターリーブステージに限定されないことが理解される。むしろ、フォトニック集積回路290の目標機能に応じて、追加のデインターリーブステージ(例えば、二次中間デインターリーバ、三次中間デインターリーバ、など)が含まれ得る。
【0032】
図2Eは、本開示の一実施形態による、光デインターリーバ217-Bと、デマルチプレクサ219-G及び219-Hと、複数のフィルタ297と、を含む、例示的なフォトニック集積回路295を例示する。フォトニック集積回路295は、図1Aに例示される光通信デバイス101-Aに含まれ得、また、多くの点で、図2Aに例示されるフォトニック集積回路250と同様である。図2Eを再度参照すると、フォトニック集積回路295が異なる1つの点は、(例えば、光信号110が8つの個々のチャネルを含む場合に、中間デインターリーバが省略され得るが、それでも、光信号110を逆多重化するように)デマルチプレクサ219-G及び219-Hの各々が4チャネルデマルチプレクサであることである。別の相違点は、フォトニック集積回路295が、複数のフィルタ297(例えば、デマルチプレクサ219-Gの出力領域のうちのそれぞれの出力領域に個々に結合された第1群のフィルタ297-A、及びデマルチプレクサ219-Hの出力領域のうちのそれぞれの出力領域に個々に結合された第2群のフィルタ297-B)を含むことである。1つの実施形態では、複数のフィルタ297のうちの1つは、第1のマルチチャネル光信号260-Aから逆多重化された第1のチャネル(λ)を受信して、第1のチャネルの外側の光を実質的に減衰させる(例えば、光電力又は光強度を少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上低減する)ように、デマルチプレクサ219-Gに結合されている。例示されるように、デマルチプレクサ219-Gは、第1群のフィルタ297-Aと光デインターリーバ217-Bの分散領域230-Bとの間に光学的に結合されている。
【0033】
いくつかの実施形態では、複数のフィルタ297の各々は、光信号110の複数のチャネルに含まれる選択チャネルの追加の隔離を提供する。同じ又は他の実施形態では、複数のフィルタ297は、特定のチャネルに対応する特定の波長範囲外の光を減衰させるアド/ドロップフィルタである。いくつかの実施形態では、複数のフィルタ297の各々は、アド/ドロップフィルタの意図した機能を提供するように構造化された、対応する分散領域を有する。他の実施形態では、複数のフィルタ297は、光信号110に含まれる特定のチャネルと共振するように構造化された、1つ以上の光リング共振器に対応し得る。そのような実施形態では、光リング共振器は、所与のチャネルに関連付けられた光を特定の出力領域に誘導させ、一方で、所与のチャネルの外側の光は、特定の出力領域から空間的に分離された異なる出力領域に誘導させる。いくつかの実施形態では、複数のフィルタ297は、本明細書に記載される任意の他のフォトニック集積回路に含まれ得る(例えば、図2A又は図2Dのデマルチプレクサ219の出力領域は、複数のフィルタ297に光学的に結合され得る)。
【0034】
図3A図3Dは、本開示の一実施形態による、光デインターリーバ317に含まれる分散領域330の例示的な図を例示する。光デインターリーバ317は、図1Aに例示される光デインターリーバ117又は図2A図2Eに例示される光デインターリーバ217(例えば、217-A、217-B、217-C、217-D、又は217-Eのうちのいずれか)の1つの可能な実装形態である。ここからの議論は、光デインターリーバを対象とするが、本開示の実施形態によれば、同様の構造がデマルチプレクサ、フィルタ、などに利用され得ることが更に理解される。言い換えれば、図3A図3Dに例示される断面は、本開示の全体を通して論じられるデマルチプレクサ及びフィルタの実施形態にも同様に適用可能であり得る。
【0035】
図3Aは、光デインターリーバ317の幅321及び長さ323によって画定された活性層内の横方向平面に沿った光デインターリーバ317の断面図を例示する。例示されるように、光デインターリーバ317は、入力領域302(例えば、図2Aに例示される入力領域202に相当する)と、複数の出力領域304(例えば、図2Aに例示される少なくとも2つの出力領域204に相当する)と、入力領域302と複数の出力領域304との間に光学的に配設された分散領域330と、を含む。入力領域302及び複数の出力領域304(例えば、304-A及び304-B)の各々は、分散領域330に光学的に結合され、また、導波路の経路に沿って光を伝搬させることができる導波路(例えば、スラブ導波路、ストリップ導波路、スロット導波路、など)に対応し得る。分散領域330は、複数の界面を形成するように第1の材料332(例えば、シリコン)及び第2の材料334(例えば、二酸化ケイ素)の不均質な配置を含み、界面の各々は、分散領域330の屈折率の変化に対応し、入力信号(例えば、図1A図2Eに例示される光信号110)を複数のマルチチャネル光信号(例えば、図2A図2Eに例示される第1のマルチチャネル光信号260-A及び第2のマルチチャネル光信号260-B)に分離するように分散領域330を集合的に構造化し、また、入力領域302が入力信号を受信したときに、それぞれがマルチチャネル光信号の各々を複数の出力領域304のうちの対応する1つへ案内する。
【0036】
図3Aに例示されるように、光デインターリーバ317の分散領域330は、第2の材料334によって形成された外周領域322によって横方向に取り囲まれた(例えば、幅325及び長さ327によって画定された)固定された面積を有する。いくつかの実施形態では、分散領域330に近接した、光デインターリーバ317の外周領域322に含まれる第2の材料334は、入力領域302及び複数の出力領域304(例えば、少なくとも2つの出力領域304-A及び304-B)を除いて、分散領域330の周りに連続的に延在することが理解される。いくつかの実施形態では、周辺領域322は、第2の材料の均質な組成を有する。例示される実施形態では、分散領域330は、各々が内側境界(すなわち、分散領域330と周辺領域322の外側境界に対応する一点鎖線との間に配設された周辺領域322のラベル付けされていない破線)と境界する第1の側331及び第2の側333を含む。第1の側331及び第2の側333は、分散領域330の両側に対応する。入力領域302は、第1の側331に配設され(例えば、入力領域302の一方の側が、分散領域330の第1の側331に当接する)、一方で、複数の出力領域304の各々は、第2の側333に近接して配設されている(例えば、複数の出力領域304の各々の一方の側が、分散領域330の第2の側333に当接する)。
【0037】
例示される実施形態では、複数の出力領域304の各々は、複数の出力領域304のうちの1つと互いに平行である。しかしながら、他の実施形態では、複数の出力領域304は、互いに平行でない場合があり、又は同じ側に配置されない場合がある(例えば、複数の出力領域304及び/又は入力領域302のうちの1つ以上が、第1の側331及び/又は第2の側333に隣接する分散領域330の側に近接して配設され得る)。1つの実施形態では、第1の出力領域304-Aは、50μm未満、30μm未満、10μm未満、5μm未満、2μm未満、約1.1μm未満、などに対応する分離距離306だけ第2の出力領域304-Bから分離される。
【0038】
分散領域330の第1の材料及び第2の材料は、材料界面パターンが、本開示において後でより詳細に論じられる逆設計プロセス(例えば、図6を参照されたい)によって得られる設計に実質的に比例するように、分散領域330内に配置及び成形されることに留意されたい。より具体的には、いくつかの実施形態では、逆設計プロセスは、性能損失(例えば、機能を実施するために)と、同じく製造可能な目標仕様内の設計が得られるまで集合的に低減又は反復的に調整される製造損失(例えば、第1の材料及び第2の材料の製造可能性及び二値化を実施するために)とを組み込む損失関数に少なくとも部分的に基づいて、設計の反復最適化(例えば、勾配ベース又はその他)を含むことができる。同じ又は他の実施形態では、勾配ベースの最適化の代わりに、又は勾配ベースの最適化とともに、他の最適化技術が使用され得る。有利に、これは、ほぼ無制限の数の設計パラメータの最適化を可能にして、従来の設計技術では可能でなかった可能性がある所定のエリア内での機能及び性能を達成する。
【0039】
1つの実施形態では、分散領域330は、100μm×100μm未満、35μm×35μm未満、などの固定された面積を有する光キャビティである。同じ又は他の実施形態では、分散領域330の固定された面積は、3μm×3μmよりも大きい。いくつかの実施形態では、分散領域330の幅325は、100μm未満、50μm未満、35μm未満、20μm未満、10μm未満、5μm未満、約3.2μm、などであり得る。同じ又は他の実施形態では、分散領域330の長さ327は、100μm未満、50μm未満、35μm未満、10μm未満、約6.4μm、などであり得る。例示されるように、分散領域330は、長さ327に実質的に等しい(例えば、少なくとも1%、5%、又は10%を伴う)幅325を有する正方形エリアを有する。しかしながら、他の実施形態では、分散領域330は、異なる長さ及び幅(例えば、長方形、八角形、円形、卵形、など)を有し得る。例えば、1つの実施形態では、分散領域330の幅325及び長さ327は、それぞれ、3.2μm及び6.4μmであり得る。いくつかの実施形態では、入力領域302及び複数の出力領域304の各々は、1μm未満、0.5μm未満、約0.4μm、などに対応し得る、(例えば、幅325の方向に平行な)共通の幅を有し得る。
【0040】
図3Bは、図3Aに例示される光デインターリーバ317の例示される実施形態に含まれる様々な層の垂直概略図又はそのスタックを例示する。しかしながら、例示される実施形態は網羅的ではなく、本発明の特定の態様を不明瞭にすることを回避するために、特定の特徴又は要素が省略され得ることが理解される。例示される実施形態では、光デインターリーバ317は、基板302と、誘電体層304と、(例えば、図3Aの断面例解に示されるような)活性層306と、クラッド層308と、を含む。いくつかの実施形態では、光デインターリーバ317は、部分的に又は別様に、従来の製造技術(例えば、フォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、スパッタリング、熱蒸着、物理蒸着、及び化学蒸着、など)と互換性がある、フォトニック集積回路又はシリコンフォトニックデバイスであり得る。
【0041】
1つの実施形態では、支持基板(例えば、シリコン基板)、二酸化シリコン層、及びシリコン層(例えば、ドープシリコン、非ドープシリコン、など)を含む順次的に積み重ねられた層を含むシリコンオンインシュレータ(silicon on insulator、SOI)ウェハが提供され得る。SOIウェハの支持基板は、基板302に対応し得る。SOIウェハの二酸化ケイ素層は、誘電体層304に対応し得る。SOIウェハのシリコン層は、シリコン層の部分を除去するためにドライエッチングプロセスを介して(例えばフォトレジストマスク又は任意の他のマスクを介して)SOIウェハに転写されるパターンをSOIウェハ上に(例えば、シリコン層の上に直接)リソグラフィで作成することによって選択的にエッチングされてもよい。SOIウェハに含まれるシリコン層のエッチングされた部分は、次いで、二酸化ケイ素で埋め戻され、平坦化されて、活性層306に集合的に対応し得るシリコン及び二酸化ケイ素のパターン化された層を形成し得る。酸化物層(例えば、二酸化ケイ素、など)は、クラッド層308に対応し得るSOIウェハのエッチングされた/埋め戻されたシリコン層の上に成長、堆積、又は別様に提供され得る。エッチングプロセス中に、活性層306内のシリコンが誘電体層304まで選択的にエッチングされてボイドが形成され得、その後に、ボイドが二酸化ケイ素で埋め戻され、平坦化され、次いで、二酸化ケイ素で更にカプセル化されて、クラッド層308が形成され得ることが理解される。1つの実施形態では、活性層306の形成は、目標構造を得るためのシリコンの完全なエッチング深さを含むいくつかのエッチング深さを含み得る。1つの実施形態では、シリコンは、220nmの厚さであり得、したがって、完全なエッチング深さは、少なくとも220nmであり得る。いくつかの実施形態では、光デインターリーバ317を形成することは、活性層306の平坦面をもたらすために使用される中間化学機械平坦化によって2つの二酸化ケイ素の堆積が実行される、2ステップカプセル化プロセスを含み得る。
【0042】
図3Cは、図3Aの入力領域302を含む周辺領域322の一部分に沿った(図3Bに対する)活性層306のより詳細な図を例示する。例示される実施形態では、活性領域306は、εの屈折率を有する第1の材料332とεとは異なるεの屈折率を有する第2の材料334と、を含む。第1の材料332及び第2の材料334の均質な領域は、図3A及び図3Cに例示されるように、入力領域302及び複数の出力領域304に対応する導波路又は導波路の一部分を形成し得る。
【0043】
図3Dは、分散領域330に沿った(図3Bに対する)活性層306のより詳細な図を例示する。上で説明したように、分散領域306は、光デインターリーバ317の目標機能を提供するように材料界面パターンを集合的に形成する複数の界面336を形成するように不均質に散在させた、第1の材料332(例えば、シリコン)及び第2の材料334(例えば、二酸化ケイ素)を含む。
【0044】
図4Aは、本開示の一実施形態による、光デインターリーバ417及びデマルチプレクサ419を含むフォトニック集積回路450の例示的な概略図を例示する。フォトニック集積回路450は、図2Aに例示されるフォトニック集積回路250の1つの可能な実装形態であり、また、図1Aに例示される光通信デバイス101-Aに含まれ得る。より具体的には、図4Aによって例示される図は、フォトニック集積回路450に含まれる活性層(例えば、図3Bに例示される活性層306)の断面図に対応する。例示されるように、フォトニック集積回路450は、(例えば、白色領域で表され、シリコンに対応し得る)第1の材料と、及び(例えば、黒色領域で表され、二酸化ケイ素に対応し得る)第2の材料と、を含む。光デインターリーバ417は、図2Aに例示される分散領域230-A又は図2Bに例示される分散領域230-Bの1つの可能な設計を表す、分散領域430を含む。同様に、デマルチプレクサ419は、分散領域480-A及び480-Bを含み、これらは、図2Aに例示される分散領域280-A及び280-Bの可能な設計を表す。例示されるように、光デインターリーバ417の分散領域430は、入力領域402と少なくとも2つの出力領域404-Aと404-Bとの間に光学的に結合されている。分散領域480(例えば、480-A又は480-B)は、少なくとも2つの出力領域(例えば、404-A又は404-B)のうちの1つと、デマルチプレクサ419のうちの対応する1つの出力領域454(例えば、454-A1及び454-A2又は454-B1及び454-B2)との間に光学的に結合されている。いくつかの実施形態では、デマルチプレクサ419の所与の1つの入力領域は、少なくとも2つの出力領域404(例えば、404-A又は404-B)のうちの1つに対応することが理解される。
【0045】
分散領域430(分散領域480-A及び480-B)内の構造は、逆設計プロセスから得られた設計であり、逆設計プロセスは、フォトニック集積回路450が目標機能(例えば、モノリシックフォトニック集積回路内のマルチステージ逆多重化プロセス)を提供するように比例様式又は拡大縮小様式で分散領域430によって実質的に複製された設計を生成するために、フォトニックデバイスを管理する基礎をなす物理学の第一原理シミュレーションと組み合わせられた反復最適化(例えば、勾配ベースの最適化、マルコフ連鎖モンテカルロ最適化、又は他の最適化技術)を利用し得る。逆設計プロセスは、例えば、設計の製造可能性を保証するために、最小特徴サイズを実施する製造損失を含み得る。図4A図4Cに例示される分散領域430の実施形態では、第1の材料(例えば、白色領域)及び第2の材料(例えば、黒色領域)によって形成される材料界面パターンは、特定の形状を有する最小特徴サイズを実施するように形状設定される。1つの実施形態では、第1の材料及び第2の材料によって形成される界面は、分散領域430内の材料界面によって形成される任意の所与の曲率半径を画定する曲率が閾値サイズ未満の大きさを有するように形状設定され得る。例えば、最小特徴サイズが150nmである場合、複数の界面のいずれかの曲率が、最小特徴サイズの半分の逆数(すなわち、1/75nm-1)に対応する閾値サイズ未満の大きさを有する。他の実施形態では、最小特徴サイズは、最小特徴サイズ(例えば、100nm、140nm、150nm、180nmなど)に対応する幅を有する最小特徴形状(例えば、正方形、円形、六角形、八角形、又は任意の他の形状)を含むことができる。したがって、最小特徴サイズの幅を有する最小特徴形状(例えば、八角形)を使用して分散領域430が形成され得る(例えば、構造を表す設計が描かれ得る、ペイントされ得る、又は別様に構築され得る)ように、第1の材料及び第2の材料の任意の部分が分散領域430内に構造化され得る。そのような最小特徴サイズ及び/又は形状の実施は、逆設計プロセスが、製造制約、限界、及び/又は歩留まりを考慮することによって製造可能でない設計を生成することを防止する。同じ又は他の実施形態では、製造可能性に関連するメトリクスに対する異なる又は追加のチェックを利用して、最小特徴サイズとして最小幅又は間隔を実施し得る。本開示の実施形態によれば、デマルチプレクサ419の分散領域480-A及び480-Bにも同様の制約が課され得ることが更に理解される。
【0046】
図4B及び図4Cは、本開示の一実施形態による、図4Aに例示される光デインターリーバ417に含まれる分散領域430のより詳細な図を例示する。より具体的には、分散領域430の選択特徴は、図4B及び図4Cで明確に指示され、論じられる。しかしながら、本開示の実施形態によれば、論じられる同じ又は同様の特徴はまた、任意の光デインターリーバ(例えば、図1Aに例示されるデインターリーバ117、図2Aに例示されるデインターリーバ217-A、図2B図2D、及び図2D、及び図2Eに例示されるデインターリーバ217-B、図2Cに例示されるデインターリーバ217-C、図3Aに例示されるデインターリーバ317)、及び任意のデマルチプレクサ(例えば、図1Aに例示されるデマルチプレクサ119、図2Aに例示されるデマルチプレクサ219-A及び219-B、図2Dに例示されるデマルチプレクサ219-C、219-D、219-E、及び219-F、並びに図2Eに例示されるデマルチプレクサ219-G及び219-H)の分散領域、又はフィルタ(例えば、図2Eに例示されるフィルタ297)にも含まれ得ることが理解される。
【0047】
図4Bを再度参照すると、分散領域430は、第1の材料(例えば、白色領域)及び第2の材料(例えば、黒色領域)の不均質な配置を含む。「不均質」という用語は、第1の材料及び第2の材料の配置が均一でないことを意味する。言い換えれば、第1及び第2の材料の形状及び配置は、非周期的である。しかしながら、分散領域430は、概して、非周期的構造を有するが、局所的な周期性(例えば、第1の材料のアイランド、又は規則的に離間されているが等しいサイズ及び/又は形状を有しない第2の材料)を有する1つ以上の領域が存在し得ることに留意されたい。図4Bに例示されるように、分散領域内の第1の材料及び第2の材料の不均質な配置は、複数の第1のアイランド451(例えば、複数の第1のアイランド451に含まれる各アイランドは、第1の材料で形成される)、複数の第2のアイランド453(例えば、複数の第2のアイランド453に含まれる各アイランドは、第2の材料で形成される)、入力領域402から分散領域430を通って第1の出力領域404-Aまで延在する第1の材料で形成された第1の連続経路459、入力領域402から分散領域430を通って第2の出力領域404-Bまで延在する第1の材料で形成された第2の連続経路461、複数の突出部455又は457(例えば、各々が第1の材料又は第2の材料で形成され、外周領域から分散領域430の中へ延在する)、又は、少なくとも1つの樹状突起構造(例えば、白色矢印によって示される方向に沿って交互に変化する幅を有する、図4Cに例示される樹状突起の構造471を参照されたい)、のうちの少なくとも1つ含む。いくつかの実施形態では、第1の連続経路459及び第2の連続経路461は、入力領域402及び/又は分散領域430内で重なる。
【0048】
図4Cは、本開示の特定の態様を不明瞭にすることを回避するために異なる特徴が強調された、分散領域430の同じ図を例示する。例示されるように、複数の第2のアイランドに含まれる第1群のアイランド465は、分散領域430内の共通方向463に沿って配置されている。同様に、複数の第2のアイランドに含まれる第2群のアイランド469は、分散領域430内の共通方向467に沿って配置されている。例示されるように、共通方向463は、第1の出力領域404-Aに向かって延在し、共通方向467は、第2の出力領域404-Bに向かって延在している。例示される実施形態では、共通方向463は、入力領域402から第1の出力領域404-Aまで延在し、共通方向467は、入力領域402から第2の出力領域404-Bまで延在している。分散領域430は、第1の方向(例えば、少なくとも1つの樹状突起構造471に近接した白色矢印)に沿って交互に変化する幅を有する少なくとも1つの樹状突起構造471を更に含む。いくつかの実施形態では、第1の方向は、第1の出力領域404-A又は第2の出力領域404-Bに向かって延在し得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、分散領域430内の第1の材料及び第2の材料の不均質な配置は、全体的な周期性に欠けることが理解される。しかしながら、いくつかの実施形態では、分散領域430は、局所的な周期性を有し得る(例えば、複数の第1のアイランド又は複数の第2のアイランドに含まれる一群のアイランドは、規則的に離間されるように配置されるが、必ずしも共通の形状、サイズ、又は配向を有するわけではない)。同じ又は他の実施形態では、局所的な周期性を形成した1つ以上の領域のそれぞれ1つは、分散領域430の断面積の10%未満に対応する。例えば、1つの実施形態では、第1群のアイランド465は、分散領域430に含まれる局所的な周期性の領域に対応し得る。
【0050】
図4Aを再度参照すると、いくつかの実施形態では、フォトニック集積回路450の設計、光デインターリーバ417、デマルチプレクサ419などのフォトニック集積回路450の個々の構成要素、本明細書に記載される任意の他のフォトニック集積回路、及び/又はそれらの対応する構成要素は、機械(例えば、コンピュータ)によって実行されるときに、フォトニック集積回路のための設計を概略的に再現するための動作を機械に実行させる命令を提供する、少なくとも1つの非一時的な機械アクセス可能記憶媒体に記憶され得ることが理解される。
【0051】
図5は、本開示の一実施形態による、フォトニック集積回路の設計を生成するためのシステム500を例示する機能ブロック図である。システム500は、逆設計プロセスを実行するために利用され得る。より具体的には、システム500は、第一原理シミュレーション(例えば、励起源に対するフォトニックデバイスのフィールド応答を判定するための電磁シミュレーション)及び反復最適化に基づいて、フォトニック集積回路(例えば、光デインターリーバ、デマルチプレクサ、フィルタ、など)の構造パラメータ(例えば、本開示に記載される実施形態の分散領域内の第1の材料及び第2の材料の形状及び配置)を最適化するために利用され得る設計ツールである。言い換えれば、システム500は、本開示の様々な実施形態に記載される分散領域を再現する(すなわち、比例的にスケーリングする)逆設計プロセスを介して得られる設計を提供し得る。
【0052】
例示されるように、システム500は、コントローラ505、ディスプレイ507、入力デバイス509、通信デバイス511、ネットワーク513、リモートリソース515、バス521、及びバス523を含む。コントローラ505は、プロセッサ531、メモリ533、ローカルストレージ535、及びフォトニックデバイスシミュレータ539を含む。フォトニックデバイスシミュレータ539は、動作シミュレーションエンジン541、製造損失計算ロジック543、計算ロジック545、アドジョイントシミュレーションエンジン547、及び最適化エンジン549を含む。いくつかの実施形態では、コントローラ505が分散システムであってもよいことは諒解されたい。
【0053】
コントローラ505は、フォトニックデバイス(すなわち、デマルチプレクサ)の構造パラメータを最適化するためにシステム500を利用しているユーザに情報を表示するために、バス523を通してバス521に結合されたディスプレイ507(例えば、発光ダイオードディスプレイ、液晶ディスプレイ、など)に結合されている。入力デバイス509は、情報及びコマンド選択をプロセッサ531に通信するために、バス523を通じてバス521に結合されている。入力デバイス509は、ユーザとコントローラ505との間のインタラクションを容易にするために、マウス、トラックボール、キーボード、スタイラス、又は他のコンピュータ周辺機器を含んでもよい。それに応答して、コントローラ505は、ディスプレイ507を通じてインタラクションの検証を提供することができる。
【0054】
任意選択的にコントローラ505に結合され得る別のデバイスは、ネットワーク513を介して分散システムのリモートリソース515にアクセスするための通信デバイス511である。通信デバイス511は、イーサネット、インターネット、又は広域ネットワークなどに結合するために使用されるものなど、任意の数のネットワーキング周辺デバイスを含み得る。通信デバイス511は、コントローラ505と外部世界との間の接続性を提供するメカニズムを更に含み得る。図5に例示されるシステム500の構成要素及び関連するハードウェアのいずれか又は全てが、本開示の様々な実施形態において使用され得ることに留意されたい。リモートリソース515は、分散システムの一部であり得、任意の数のプロセッサ、メモリ、及びフォトニックデバイスの構造パラメータを最適化するための他のリソースを含み得る。
【0055】
コントローラ505は、フォトニックデバイスの構造パラメータを最適化するためのシステム500の動作を編成する。プロセッサ531(例えば、1つ以上の中央処理ユニット、グラフィックス処理ユニット、及び/又はテンソル処理ユニットなど)、メモリ533(例えば、DRAM及びSRAMなどの揮発性メモリ、ROM、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリなど)、ローカルストレージ535(例えば、コンピュータディスクドライブなどの磁気メモリ)、並びにフォトニックデバイスシミュレータ539は、バス523を通して互いに結合されている。コントローラ505は、コントローラ505によって実行されるときに、コントローラ505又はシステム500に動作を実行させるソフトウェア(例えば、プロセッサ531に結合されたメモリ533に含まれる命令)及び/又はハードウェアロジック(例えば、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイなど)を含む。動作は、メモリ533、ローカルストレージ535、物理デバイスシミュレータ539、及びネットワーク513を通してアクセスされるリモートリソース515のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせ内に記憶された命令に基づき得る。
【0056】
例示される実施形態では、フォトニックデバイスシミュレータ539のモジュール541~549は、本明細書の実施形態に記載されるフォトニック集積回路の構成要素の構造パラメータを最適化するために利用される。いくつかの実施形態では、システム500は、とりわけ、有限差分時間領域(finite-difference time-domain、FDTD)法を利用してフィールド応答(例えば、フォトニック集積回路内の電磁場)をモデル化するシミュレーション(例えば、動作シミュレーション及びアドジョイントシミュレーション)を介して、フォトニック集積回路に含まれる構成要素の構造パラメータ(例えば、1つ以上の光デインターリーバに対応するフォトニックデバイス、デマルチプレクサ、フィルタ、など)を最適化し得る。動作シミュレーションエンジン541は、シミュレーション環境内の励起源に応答して動作するフォトニックデバイスの電磁シミュレーションを実行するための命令を提供する。特に、動作シミュレーションは、(例えば、複数のボクセルを有するシミュレーション環境内のフォトニックデバイスの構造パラメータを記述するフォトニックデバイスの初期記述又は入力設計に基づいて)物理デバイスの性能メトリックを判定するための励起源に応答して、シミュレーション環境(したがって、シミュレーション環境によって記述されるフォトニックデバイス)のフィールド応答を判定する。構造パラメータは、例えば、物理デバイスの特定の設計、材料組成、寸法などに対応し得る。製造損失計算ロジック543は、製造可能性を保証するために最小特徴サイズ及び/又は形状を実施するために利用される製造損失を判定するための命令を提供する。いくつかの実施形態では、製造損失は、設計の二値化を実施するためにも使用される(すなわち、フォトニックデバイスが、複数の界面を形成するように散在する第1の材料及び第2の材料を含むようにする)。計算ロジック545は、性能メトリック及び製造損失に基づいて、性能損失を組み込む損失関数を介して判定される損失メトリックをコンピューティングする。アドジョイントシミュレーションエンジン547は、フォトニックデバイスのアドジョイントシミュレーションを実行して、損失関数を介してシミュレーション環境を通して損失メトリックを逆伝播させて、フォトニックデバイスの構造パラメータの変化が損失メトリックにどのように影響するかを判定するために、動作シミュレーションエンジン541と併せて利用される。最適化エンジン549は、フォトニックデバイスの構造パラメータを更新して損失メトリックを低減し、フォトニックデバイスの改訂された記述を生成する(すなわち、設計を改訂する)ために利用される。
【0057】
図6は、本開示の一実施形態による、フォトニック集積回路の設計を生成するための例示的な方法600を示す。方法600は、本明細書に記載されるフォトニック集積回路の構成要素(例えば、光デインターリーバ、デマルチプレクサ、フィルタ、など)のうちのいずれか1つを生成するための、1つの可能な逆設計プロセスである。方法600は、性能損失及び製造損失を含む損失関数から判定される損失メトリックの反復最適化を実行するためにシステム(例えば、図5のシステム500)で動作を実行することによって達成され得る逆設計プロセスであることが理解される。同じ又は他の実施形態では、方法600は、機械によって実行されるときに、機械にフォトニック集積回路の設計を生成するための動作を実行させる、少なくとも1つの機械アクセス可能記憶媒体(例えば、非一時的メモリ)によって提供される命令として含まれ得る。方法600においてプロセスブロックのいくつか又は全てが現れる順序は、限定的なものとみなされるべきではないことが更に理解される。むしろ、本開示の利益を有する当業者は、プロセスブロックのうちのいくつかが、例示されていない様々な順序で、又は並列でさえ実行され得ることを理解するであろう。
【0058】
ブロック610は、受信された又は別様に得られたフォトニック集積回路構成要素(例えば、フォトニックデバイス)の初期記述を表すシミュレーション環境を構成することを例示する。いくつかの実施形態では、フォトニック集積回路構成要素は、最適化後に特定の機能を有する(例えば、光デインターリーバとして実行する)ことが期待され得る。初期記述は、シミュレーション環境内のフォトニック集積回路の構造パラメータを記述し得る。シミュレーション環境は、フォトニックデバイスの構造パラメータを集合的に記述する複数のボクセルを含み得る。複数のボクセルの各々は、構造パラメータを記述するための構造値と、物理刺激(例えば、1つ以上の励起源)に対するフィールド応答(例えば、1つ以上の直交方向における電場及び磁場)を記述するためのフィールド値、及び物理刺激を記述するためのソース値に関連付けられる。初期記述が受信されるか又は他の方法で得られると、シミュレーション環境が構成される(例えば、ボクセルの数、ボクセルの形状/配置、並びにボクセルの構造値、フィールド値、及び/又はソース値の特定の値が、初期記述に基づいてセットされる)。いくつかの実施形態では、初期記述は、物理デバイスの第1の記述であり得、構造パラメータの値が、初期(例えば第1の)設計に対するバイアスがないように入力領域及び出力領域の外側のランダム値又はヌル値であり得る。初期記述又は入力設計は、相対的な用語であり得ることが理解される。したがって、いくつかの実施形態では、初期記述は、シミュレーション環境のコンテキスト内で記述される物理デバイスの第1の記述であり得る(例えば、第1の動作シミュレーションを実行するための第1の入力設計)。
【0059】
しかしながら、他の実施形態では、初期記述という用語は、(例えば、動作シミュレーションを実行すること、アドジョイントシミュレーションを動作させること、及び構造パラメータを更新すること)の特定のサイクルの初期記述を指し得る。そのような実施形態では、初期記述又はその特定のサイクルの設計は、(例えば、以前のサイクルから生成された)改訂された記述又は洗練された設計に対応し得る。1つの実施形態では、シミュレーションした環境は、フォトニックデバイスの構造パラメータを最適化するために更新、改訂、又は別様に変更され得る構造パラメータを有する複数のボクセルの一部分を含む設計領域(例えば、本開示の全体を通して論じられる分散領域を表す)を含む。同じ又は他の実施形態では、構造パラメータは、シチュエーション環境の材料特性(例えば、比誘電率、屈折率など。)に基づいて物理デバイスの幾何学的境界及び/又は材料組成に関連付けられる。
【0060】
1つの実施形態では、シミュレーション環境は、第1の通信領域と複数の第2の通信領域との間に光学的に結合された設計領域を含む。いくつかの実施形態では、第1の通信領域は、入力領域又はポート(例えば、励起源が発生する)に対応し得、一方で、(例えば、入力ポートで受信した入力信号を出力領域の対応する1つへとそれぞれ案内される複数のマルチチャネル光信号に光学的に分離する、光デインターリーバを設計するとき)第2の通信領域は、複数の出力領域又はポートに対応し得る。
【0061】
ブロック615は、別個の波長によって特徴付けられる複数のチャネルの各々を、複数の第2の通信領域のうちのそれぞれの出力領域にマッピングして、複数のマルチチャネル光信号を形成することを示す。別個の波長チャネルは、フォトニックデバイスの初期記述によって第2の通信領域にマッピングされ得る。例えば、フォトニックデバイスの性能メトリックを、マッピングされたチャネルの入力ポートから個々の出力ポートへの電力送信と関連付ける損失関数が選択され得る。1つの実施形態では、複数の第2の通信領域は、2つの第2の通信領域を含み、光信号に含まれる複数のチャネルは、2つの通信領域のうちの対応する1つにそれぞれマッピングされた2つのチャネルの群を有する少なくとも4つのチャネルを含む。同じ又は他の実施形態では、チャネルは、設計領域の最適化が奇数チャネル及び偶数チャネルを異なる出力領域に分離することを実施するように、波長順にマッピングされ得る。他の実施形態では、異なる数の第2の通信領域(例えば、3つの領域、4つの領域、など)、及び第2の通信領域のうちのそれぞれの通信領域にマッピングされる異なる数のチャネル(例えば、8つのチャネル、12個のチャネル、など)が存在し得る。
【0062】
ブロック620は、性能メトリックを判定するために、1つ以上の励起源に応答して動作するシミュレーション環境内のフォトニック集積回路の動作シミュレーションを実行することを例示する。より具体的には、フォトニックデバイスのフィールド応答が励起源に起因してどのように変化するかを判定するために、フォトニック集積回路のフィールド応答が複数の時間ステップにわたって漸増的に更新される電磁シミュレーションが実行される。複数のボクセルのフィールド値は、励起源に応答して、集積フォトニック回路の構造パラメータに少なくとも部分的に基づいて更新される。追加的に、特定の時間ステップでの各更新動作はまた、前の(例えば、直前の)時間ステップに少なくとも部分的に基づき得る。
【0063】
その結果、動作シミュレーションは、物理刺激に応答した(例えば、出力ポート又は領域のうちの1つ以上での)フォトニックデバイスのシミュレートされた出力を判定するために、フォトニックデバイス(すなわち、フォトニック集積回路)と物理刺激(すなわち、1つ以上の励起源)との間の相互作用をシミュレートする。相互作用は、フォトニックデバイスの構造パラメータ及びフォトニックデバイスの動作を支配する基礎物理に少なくとも部分的に起因する、電磁領域内の物理刺激の摂動、再送信、減衰、分散、屈折、反射、回折、吸収、散乱、増幅、又は他のもののうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせに対応し得る。したがって、動作シミュレーションは、シミュレーション環境のフィールド応答が複数の時間ステップにわたって(例えば、所定のステップサイズを有する初期時間ステップから最終時間ステップまで)励起源に起因してどのように変化するかをシミュレートする。
【0064】
いくつかの実施形態では、シミュレートされた出力は、フォトニック集積回路の1つ以上の性能メトリックを判定するために利用され得る。例えば、励起源は、複数の第2の通信領域のうちの1つにマッピングされる複数のチャネルのうちの選択された1つに対応し得る。励起源は、動作シミュレーションを実行するときに、第1の通信領域(すなわち、入力ポート)で始まるか、又は第1の通信領域に近接して配設され得る。次いで、動作シミュレーション中に、複数のチャネルのうちの選択された1つにマッピングされた第2の通信領域(例えば、出力ポート)のフィールド応答が、選択されたチャネルのフォトニック集積回路に対するシミュレートされた電力送信を判定するために利用され得る。言い換えれば、動作シミュレーションは、第1の通信領域から、設計領域を通って、複数のチャネルのうちの選択された1つにマッピングされた複数の第2の通信領域のうちのそれぞれの通信領域への励起源のシミュレートされた電力送信を判定することを含む性能メトリックを判定するために利用され得る。いくつかの実施形態では、励起源は、フォトニック集積回路の別個の波長チャネルの各々に関連付けられた性能メトリック(すなわち、シミュレートされた電力送信)を判定するために、複数の出力ポートの全てのスペクトルをカバーし得る(例えば、励起源は、少なくとも、複数のチャネルの各々の通過帯域領域、及び対応する阻止帯域領域の少なくとも一部分の目標周波数範囲に及ぶ)。いくつかの実施形態では、複数のチャネルのうちの所与の1つの通過帯域に及ぶ1つ以上の周波数は、設計(例えば、目標仕様を満たす通過帯域内のリップルを含む各通過帯域の全幅を有しながらのバッチ勾配降下を最適化するためにランダムに選択される)。同じ又は他の実施形態では、複数のチャネルの各々は、異なる中心波長を有する共通の帯域幅を有する。
【0065】
ブロック625は、性能メトリックに関連付けられ性能損失、及び最小特徴サイズに関連付けられた製造損失に基づいて損失メトリックを判定することを示す。いくつかの実施形態では、損失メトリックは、性能損失及び製造損失の両方を入力値として含む損失関数を介して判定される。性能損失は、フォトニック集積回路の性能メトリックと目標性能メトリックとの間の差に対応し得る。いくつかの実施形態では、シミュレーション環境の設計領域のための最小特徴サイズが、逆設計プロセスによって生成される設計の製作可能性を促進するために提供され得る。製造損失は、最小特徴サイズ及び設計領域の構造パラメータに少なくとも部分的に基づく。より具体的には、製造損失は、設計領域が最小特徴サイズ未満の直径を有する構造要素を有しないように、設計の最小特徴サイズを実施する。これは、このシステムが特定の製造可能性及び/又は歩留まり要件を満たす設計を提供するのに役立つ。いくつかの実施形態では、製造損失はまた、設計の二値化も実施するのに役立つ(すなわち、第1及び第2の材料を一緒に混合して第3の材料を形成するのではなく、設計は、不均質に配置された第1の材料及び第2の材料の領域を含む)。同じ又は他の実施形態では、最小特徴サイズは、最小特徴形状を含み得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、逆設計プロセスによって生成された設計は、所定の幅を有する特徴形状によって概略的に再現可能であるように、設計領域(例えば、図3Aの分散領域330)内に構造化される第1の材料(例えば、図3Cの第1の材料332)又は第2の材料(例えば、図3Aの第2の材料334)のうちの少なくとも一方を最適化する。例えば、設計領域内の第1の材料及び/又は第2の材料の形状及び配置は、特徴形状に対応するサイズ及び所定の幅に対応する幅を有するブラシを用いて再現されてもよい(例えば、描かれてもよい)。1つの実施形態では、特徴形状は、円形、正方形、六角形、八角形、又は任意の他の形状、の少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、特徴形状は、回転、反転、及び/又は別の特徴形状の一部と重複され得る、単一形状である。例えば、特徴形状が八角形である場合、特徴形状に各々対応する2つの重なり合う八角形は、異なる形状を生成するために互いに部分的に重なり合ってもよい。他の実施形態では、特徴形状は、重なり合わないタイリング可能な単位(すなわち、設計の分割不可能な単位)のみであってもよい。同じ又は他の実施形態では、特徴形状の所定の幅は、20nm~200nmであり得る。例えば、特徴形状の所定の幅は、100nm、140nm、180nmなどであってもよい。いくつかの実施形態では、特徴形状及び特徴形状の所定の幅は、設計の最小特徴サイズに対応する。例えば、図4Aの分散領域430の第1の材料(例えば、白色領域)は、100nmの幅を有する八角形によって概略的に再現され得る。
【0067】
図6を再度参照すると、いくつかの実施形態では、製造損失は、最小特徴サイズに等しい幅を有する畳み込みカーネル(例えば、円形、正方形、八角形、など)を生成することによって判定される。次いで、畳み込みカーネルは、シミュレーション環境の設計領域を通ってシフトされて、設計領域を超えて延在することなく、設計領域内の畳み込みカーネルに適合する設計領域内のボクセル位置すなわち、個々のボクセル)を判定する。次いで、畳み込みカーネルは、ボクセル位置の各々において、ボクセル位置に関連付けられた構造パラメータと畳み込まれて、第1の製造値を判定する。次いで、構造パラメータが逆数にされ、畳み込みカーネルが、ボクセル位置の各々において、逆数にされた構造パラメータと再び畳み込まれて、第2の製造値が判定される。次いで、第1及び第2の製造値が続いて組み合わされて、設計領域の製造損失を判定する。製造損失を判定するこのプロセスは、設計領域の構造要素が、閾値サイズよりも小さい曲率(すなわち、最小特徴サイズの半分の逆数)を有することを促進し得る。
【0068】
ブロック630は、損失メトリックに対する構造パラメータの変化(すなわち、構造勾配)の影響を判定するために、シミュレーション環境を通じた損失関数を介して損失メトリックを逆伝播させることを例示する。損失メトリックは、アドジョイントソース又は仮想ソースとして扱われ、フォトニックデバイスの構造勾配を判定するために、バックワードシミュレーションにおいて最終時間ステップからより早い時間ステップへと漸増的に逆伝播される。
【0069】
ブロック635は、損失メトリックを調整するために構造パラメータを更新することによって、フォトニック集積回路の設計を修正する(例えば、改訂された記述を生成する)ことを示す。いくつかの実施形態では、損失メトリックを調整することは、損失メトリックを低減し得る。しかしながら、他の実施形態では、損失メトリックは、必ずしも損失メトリックを低減しない様式で調整され得るか又は別様に補償され得る。1つの実施形態では、損失メトリックを調整することは、最終的にデバイスの製造可能性及び目標性能メトリックを維持しながら性能の向上をもたらす設計を得るために、パラメータ化空間内の一般的方向を提供しながら同じく製造可能性を維持し得る。いくつかの実施形態では、改訂された記述は、勾配降下アルゴリズム、マルコフ連鎖モンテカルロアルゴリズム、又は他の最適化技術を介した動作及びアドジョイントシミュレーションのサイクル後に、最適化方式を利用することによって生成される。別の言い方をすれば、フォトニック集積回路をシミュレートし、損失メトリックを判定し、損失メトリックを逆伝播させ、構造パラメータを更新して損失メトリックを調整する反復サイクルは、製造可能性及び製造損失に起因する二値化も考慮しながら、性能メトリックと目標性能メトリックとの間の差が閾値範囲内にあるように損失メトリックが実質的に収束するまで連続的に実行され得る。いくつかの実施形態では、「収束する」という用語は、単に、差が閾値範囲内にあること、及び/又は何らかの閾値を下回ることを示し得る。
【0070】
ブロック640は、性能メトリックと目標性能メトリックとの間の差が閾値範囲内にあるように、損失メトリックが実質的に収束するかどうかを判定することを例示する。性能メトリックと目標性能メトリックとの間の差が閾値範囲内にあるように損失メトリックが実質的に収束するまで損失メトリックを低減するために、複数の別個の波長チャネルから選択された励起源でフォトニック集積回路をシミュレートし、損失メトリックを逆伝播させ、構造パラメータを更新することによって設計を改訂する、反復サイクル。いくつかの実施形態では、ブロック615のマッピングに基づいて、フォトニック集積回路の設計領域に、光信号を複数の第2の通信領域のうちのそれぞれの通信領域へとガイドされる複数のマルチチャネル信号に分離させるサイクルを実行したときに、集積フォトニック回路の設計領域の構造パラメータが改訂される。
【0071】
ブロック645は、最小特徴サイズ及び二値化も実施しながら、性能メトリックと目標性能メトリックとの間の差が閾値範囲内にあるように構造パラメータが更新された、フォトニック集積回路の最適化された設計を出力することを例示する。
【0072】
上記で説明したプロセスは、コンピュータソフトウェア及びハードウェアに関して説明されている。説明される技術は、機械によって実行されるときに、機械に説明された動作を実行させる、有形又は非一時的な機械(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体内に具現化される機械実行可能な命令を構成し得る。更に、プロセスは、特定用途向け集積回路(「application specific integrated circuit、ASIC」)など、又はその他のハードウェア内で具体化され得る。
【0073】
有形の機械可読記憶媒体は、機械(例えば、コンピュータ、ネットワークデバイス、個人情報端末、製造ツール、1つ以上のプロセッサのセットを有する任意のデバイスなど)がアクセス可能な非一時的形態の情報を提供(すなわち、記憶)する任意のメカニズムを含む。例えば、機械可読記憶媒体は、記録可能/記録不可能な媒体(例えば、読み取り専用メモリ(read only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリ装置など)を含む。
【0074】
要約書に説明されているものを含め、本発明の例示される実施形態の上記の説明は、網羅的であること、又は本発明を開示された厳密な形態に限定することを意図していない。本発明の特定の実施形態及び例が例示の目的で本明細書に説明されているが、当業者が認識するように、本発明の範囲内で様々な修正が可能である。
【0075】
これらの変更は、上記の詳細な説明に照らして本発明に対して行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲において使用される用語は、本明細書に開示される特定の実施形態に本発明を限定するものと解釈されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって完全に判定されるべきであり、特許請求の範囲は、請求項の解釈の確立された原則に従って解釈されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5
図6
【国際調査報告】