(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】電気化学セルモジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/105 20210101AFI20241022BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20241022BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20241022BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20241022BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241022BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20241022BHJP
H01M 10/6555 20140101ALI20241022BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20241022BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20241022BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20241022BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20241022BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20241022BHJP
【FI】
H01M50/105
H01L23/36 D
H01M50/211
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/6555
H01M10/48 301
H01M50/342 201
H01M10/04 Z
H01M50/184 C
H01M50/204 401D
H01M50/289
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520643
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 US2022048085
(87)【国際公開番号】W WO2023076513
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511242269
【氏名又は名称】24エム・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】24M Technologies, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】太田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジュンジェン
(72)【発明者】
【氏名】ザガーズ,レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】ディスコ,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス,リャン マイケル
【テーマコード(参考)】
5F136
5H011
5H012
5H028
5H030
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5F136BC07
5H011AA09
5H011CC02
5H011DD06
5H011DD14
5H011GG01
5H011HH02
5H011KK03
5H012AA03
5H012BB01
5H012JJ06
5H028AA07
5H028BB04
5H028BB05
5H028CC01
5H028CC02
5H028CC08
5H028HH00
5H030AA06
5H030AS06
5H030FF22
5H031AA09
5H031KK02
5H040AA03
5H040AA06
5H040AA27
5H040AT04
5H040AY05
5H040AY08
(57)【要約】
本明細書に記載される実施形態には、電気化学セルモジュールが含まれる。いくつかの態様では、電気化学セルモジュールは、第1の電気化学セルおよび第2の電気化学セルを含む。第1の電気化学セルは、アノード集電体上に配置されるアノード材料と、カソード集電体上に配置されるカソード材料と、アノード材料とカソード材料との間に配置されるセパレーターと、アノード集電体およびカソード集電体上に配置されるパウチ材料とを含む。セパレーターはアノード材料およびカソード材料を越えて延在し、パウチ材料はセパレーターを越えて延在する。アノード材料およびカソード材料の外側縁を越えて延在するセパレーターの部分、ならびにセパレーターの外側縁を越えて延在するパウチ材料の部分が、アノード材料およびカソード材料に対して約80度~約110度の角度で折り畳まれる。
【選択図】
図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電気化学セルであって、
アノード集電体上に配置されるアノード材料と、
カソード集電体上に配置されるカソード材料と、
前記アノード材料と前記カソード材料との間に配置されるセパレーターであって、前記セパレーターの部分が前記アノード材料の外側縁および前記カソード材料の外側縁を越えて延在するように、十分なサイズを有する、セパレーターと、を含む、第1の電気化学セルと、
前記第1の電気化学セルを覆うパウチ材料であって、前記パウチ材料の部分が前記セパレーターの外側境界を越えて延在するように、前記セパレーターの幅よりも大きな幅および前記セパレーターの長さよりも大きな長さを有する、パウチ材料と、
第2の電気化学セルと、
前記第1の電気化学セル及び前記第2の電気化学セルを封入するモジュールケースとを含み、
前記セパレーターの外側縁を越えて延在する前記パウチ材料の前記部分が、前記アノード材料および前記カソード材料に対して約80度~約110度の角度で折り畳まれる、電気化学セルモジュール。
【請求項2】
前記第1の電気化学セルと前記第2の電気化学セルとの間に配置されるヒートシンクをさらに含む、請求項1に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項3】
前記ヒートシンクが、前記アノード材料の前記外側縁および前記カソード材料の前記外側縁を越えて延在し、前記ヒートシンクが、前記ヒートシンクの部分が前記モジュールケースの内部表面に接触するように折り畳まれる、請求項2に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項4】
前記第1の電気化学セルと前記第2の電気化学セルとの間に配置される温度センサーをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項5】
前記第1の電気化学セルの外縁の周囲に配置されるフレーム部材をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項6】
前記フレーム部材が、前記アノード集電体または前記カソード集電体の少なくとも一方の部分が通過する通過領域を含む、請求項5に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項7】
前記フレーム部材に結合される圧力部材をさらに含む、請求項5または6に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項8】
前記アノード材料の前記外側縁および前記カソード材料の前記外側縁を越えて延在する前記セパレーターの前記部分と、前記セパレーターの前記外側縁を越えて延在する前記パウチ材料の前記部分とが、前記フレーム部材に結合される、請求項5~7のいずれか1項に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項9】
前記アノード材料の前記外側縁および前記カソード材料の前記外側縁を越えて延在する前記セパレーターの前記部分が、前記アノード材料および前記カソード材料に対して約80度~約110度の角度で折り畳まれる、請求項1~8のいずれか1項に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項10】
第1の電気化学セルであって、
アノード集電体上に配置されるアノード材料と、
カソード集電体上に配置されるカソード材料と、
前記アノード材料と前記カソード材料との間に配置されるセパレーターであって、前記セパレーターの部分が前記アノード材料の外側縁および前記カソード材料の外側縁を越えて延在するように、十分なサイズを有し、頂部表面と、底部表面とを有するセパレーターと、を含む、第1の電気化学セルと、
前記第1の電気化学セルを覆うパウチ材料であって、前記パウチ材料の部分が前記セパレーターの外側境界を越えて延在するように、前記セパレーターの幅よりも大きな幅および前記セパレーターの長さよりも大きな長さを有し、前記パウチ材料の前記部分が頂部表面と、底部表面とを有する、パウチ材料と、
第2の電気化学セルと、
前記第1の電気化学セルおよび前記第2の電気化学セルを封入するモジュールケースであって、内側壁を含むモジュールケースと、を含み、
前記パウチ材料の前記部分の前記頂部表面または前記底部表面の少なくとも一方が前記モジュールケースの前記内側壁に接触する、電気化学セルモジュール。
【請求項11】
前記アノード材料の前記外側縁および前記カソード材料の前記外側縁を越えて延在する前記セパレーターの前記部分が、前記アノード材料および前記カソード材料に対して約80度~約110度の角度で折り畳まれる、請求項10に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項12】
前記セパレーターの外側縁を越えて延在する前記パウチ材料の前記部分が、前記アノード材料および前記カソード材料に対して約80度~約110度の角度で折り畳まれる、請求項10または請求項11に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項13】
前記第1の電気化学セルと前記第2の電気化学セルとの間に配置されるヒートシンクをさらに含む、請求項10~12のいずれか1項に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項14】
前記ヒートシンクが、前記アノード材料の前記外側縁および前記カソード材料の前記外側縁を越えて延在し、前記ヒートシンクが、前記ヒートシンクの部分が前記モジュールケースの内部表面に接触するように折り畳まれる、請求項13に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項15】
前記第1の電気化学セルと前記第2の電気化学セルとの間に配置される温度センサーをさらに含む、請求項10~14のいずれか1項に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項16】
前記第1の電気化学セルの外縁の周囲に配置されるフレーム部材をさらに含む、請求項10~15のいずれか1項に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項17】
前記フレーム部材が、前記アノード集電体または前記カソード集電体の少なくとも一方の部分が通過する通過領域を含む、請求項16に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項18】
前記フレーム部材に結合される圧力部材をさらに含む、請求項16または17に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項19】
前記モジュールケースがガス抜き開口部を含む、請求項10~18のいずれか1項に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項20】
前記パウチ材料の前記部分が、前記セパレーターの前記外側境界を越えて延在する前記パウチ材料の前記部分の第1のセクションが、前記セパレーターの前記外側境界を超えて延在する前記パウチ材料の前記部分の第2のセクションに接触するように折り畳まれる、請求項10~19のいずれか1項に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項21】
前記第1のセクションが、接着剤を介して前記第2のセクションに結合される、請求項20に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項22】
前記モジュールケースが、曲面を含むサイドパネルを含む、請求項10~21のいずれか1項に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項23】
スタックに配置される複数の電気化学セルであって、前記複数の電気化学セルのそれぞれが、
アノード集電体上に配置されるアノード材料と、
カソード集電体上に配置されるカソード材料と、
前記アノード材料と前記カソード材料との間に配置されるセパレーターであって、前記セパレーターの部分が前記アノード材料の外側縁および前記カソード材料の外側縁を越えて延在するように、十分なサイズを有する、セパレーターと、
パウチ材料の部分が前記セパレーターの外側境界を越えて延在するように、前記セパレーターの幅よりも大きな幅および前記セパレーターの長さよりも大きな長さを有するパウチ材料と、を含む、複数の電気化学セルを含み、
前記セパレーターの前記外側境界を越えて延在する各パウチ材料の前記部分が、第1の側と、前記第1の側の反対側の第2の側とを有し、前記第1の側が、前記アノード材料および前記カソード材料に対して折り畳まれ、前記第2の側が、前記アノード材料および前記カソード材料に対して、および前記第1の側に対して約160度~約200度の間の角度で折り畳まれる、電気化学セルモジュール。
【請求項24】
前記複数の電気化学セルの第1の電気化学セルと前記複数の電気化学セルの第2の電気化学セルとの間に配置されるヒートシンクをさらに含む、請求項23に記載の電気化学セルモジュール。
【請求項25】
前記セパレーターの外側縁を越えて延在する前記パウチ材料の前記部分が、前記アノード材料および前記カソード材料に対して約80度~約110度の角度で折り畳まれる、請求項23または請求項24に記載の電気化学セルモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2021年10月28日に出願された米国仮出願第63/272,755号の優先権および利益を主張し、両方とも「電気化学セルモジュールおよびその製造方法」と題され、その開示がその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載される実施形態は、電極および電気化学セルのスタックを備えた電気化学セルモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
電気化学セルは、モジュールケースにパッケージして、所望の目的に応じて大きな電圧および/または容量を実現できる。モジュールには、リスクを最小限に抑えるために複数の電気化学セルを含めることができる。言い換えれば、1つの欠陥セルの影響をそのセルに局所的に限定することができるため、他のセルの電気活性材料は汚染されない。ただし、セルモジュールには、適切に機能するためにいくつかの追加の構成要素が含まれることがよくある。余分の構成要素はモジュールの容積に悪影響を与える可能性がある。セルモジュール内のデッドスペースを最小限に抑えると、モジュールの容積を向上させることができる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載される実施形態には、電気化学セルモジュールが含まれる。いくつかの態様では、電気化学セルモジュールは、第1の電気化学セルを含むことができる。第1の電気化学セルは、アノード集電体上に配置されるアノード材料と、カソード集電体上に配置されるカソード材料と、アノード材料とカソード材料との間に配置され、アノード材料およびカソード材料を越えて延在するセパレーターと、第1の電気化学セルを覆うパウチ材料とを含む。パウチ材料がセパレーターを越えて延在する。電気化学セルモジュールは、第2の電気化学セルと、第1の電気化学セルおよび第2の電気化学セルを収容するモジュールケースとをさらに含む。アノード材料およびカソード材料の外側縁を越えて延在するセパレーターの部分、およびセパレーターの外側縁を越えて延在するパウチ材料の部分が、アノード材料およびカソード材料に対して約80度~約110度の角度で折り畳まれる。
【0005】
いくつかの実施形態では、電気化学セルモジュールは、第1の電気化学セルと第2の電気化学セルとの間に配置されるヒートシンクを含むことができる。いくつかの実施形態では、ヒートシンクが、アノード材料の外側縁およびカソード材料の外側縁を越えて延在し、ヒートシンクが、ヒートシンクの部分がモジュールケースの内部表面に接触するように折り畳まれる。いくつかの実施形態では、電気化学セルモジュールは、第1の電気化学セルと第2の電気化学セルとの間に配置される温度センサーを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態による電気化学セルモジュールのブロック図である。
【
図2A】一実施形態による電気化学セルの図である。
【
図2B】一実施形態による電気化学セルの図である。
【
図3A】一実施形態による電気化学セルモジュールの図である。
【
図3B】一実施形態による電気化学セルモジュールの図である。
【
図3C】一実施形態による電気化学セルモジュールの図である。
【
図3D】一実施形態による電気化学セルモジュールの図である。
【
図3E】一実施形態による電気化学セルモジュールの図である。
【
図3F】一実施形態による電気化学セルモジュールの図である。
【
図4A】一実施形態による電気化学セルモジュールの図である。
【
図4B】一実施形態による電気化学セルモジュールの図である。
【
図5A】一実施形態による電気化学セルモジュールの図である。
【
図5B】一実施形態による電気化学セルモジュールの図である。
【
図5C】一実施形態による電気化学セルモジュールの図である。
【
図7A】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図7B】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図7C】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図7D】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図7E】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図8A】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図8B】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図8C】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図8D】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図8E】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図9A】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図9B】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図9C】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図9D】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図9E】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図10A】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図10B】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【
図10C】一実施形態による、電気化学セルモジュールを形成する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に記載される実施形態は、電気化学セルモジュールおよびその製造方法に関する。未使用のスペースは、電気化学セルの大規模アレイが直面する重大な問題である。例えば、材料利用を適切に最大化するために、カソードとアノードは異なるサイズにすることができる。さらに、セパレーターは、その長さおよび幅の寸法がアノードおよびカソードの寸法よりも大きくなるようなサイズにすることができ、セパレーターをパウチ材料に直接結合して、アノードとカソードとの間の相互汚染を防止することができる。モジュール内で複数のセルを積層することにより、単位体積あたりでより多くの電気活性材料を実現できる。パウチ材料も、電気活性材料の封じ込めを助けるために、セパレーターよりも長い長さおよび幅の寸法を有することができる。セパレーターおよびパウチ材料のこれらの拡張部により、電気活性材料が存在しない未使用スペースが生じ得る。電気化学セルスタックの延長部分を折り畳むことにより、デッドスペースを最小限に抑えることができる。電気化学セルスタックの例は、2016年6月17日に出願された「シングルパウチ電池セルおよびその製造方法」と題する米国特許第10,181,587号(「′587特許」)にさらに記載されており、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0008】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「部材」という用語は、単一の部材または部材の組み合わせを意味することを意図し、「材料」は、1つまたは複数の材料、またはそれらの組み合わせを意味することを意図する。
【0009】
「実質的に」という用語は、「円筒形」、「線形」、および/または他の幾何学的関係と関連して使用される場合、そのように定義された構造が名目上円筒形、線形などであることを伝えることを意図している。一実施例として、「実質的に直線状」であると記載される支持部材の部分が、その部分の直線性が望ましいが、「実質的に直線状」の部分では何らかの非直線性が発生し得ることを伝えることを意図している。このような非直線性は、製造公差、または他の実際的な考慮事項(例えば、支持部材に加えられる圧力または力など)に起因し得る。したがって、「実質的に」という用語によって修飾される幾何学的構造には、記載された幾何学的構造のプラスまたはマイナス5%の許容範囲内のそのような幾何学的特性が含まれる。例えば、「実質的に直線」部分は、直線であることの±5%以内にある軸または中心線を画定する部分である。
【0010】
本明細書で使用される場合、用語「セット」および「複数」は、複数の特徴、または複数の部分を有する単一の特徴を指し得る。例えば、電極のセットに言及する場合、電極のセットは、複数の部分を有する1つの電極と考えることができ、または電極のセットは、複数の別個の電極と考えることができる。さらに、例えば、複数の電気化学セルに言及する場合、複数の電気化学セルは、複数の別個の電気化学セルとして、または複数の部分を有する1つの電気化学セルとして考えることができる。したがって、一セットの部分または複数の部分が、互いに連続しているかまたは不連続である複数の部分を含むことができる。複数の粒子または複数の材料は、別々に製造され、後に(例えば、混合、接着剤、または任意の適切な方法によって)結合される複数の品目から製造することもできる。
【0011】
本明細書で使用する場合、「半固体」という用語は、例えば粒子懸濁液、スラリー、コロイド懸濁液、エマルション、ゲル、またはミセルなどの液相と固相の混合物である材料を指す。
【0012】
図1は、一実施形態による電気化学セルモジュール100のブロック図である。図示のように、電気化学セルモジュール100は、第1の電気化学セル110a、第2の電気化学セル110b(電気化学セル110と総称する)、および外部ケーシング160を含む。電気化学セルモジュール100はまた、フレーム120a、120b(フレーム120と総称する)、ヒートシンク130、脱ガス領域140、および圧力部材150を含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、電気化学セル110は、′587特許に記載される電気化学セルと同じまたは実質的に同様であり得る。各電気化学セル110は、アノード集電体上に配置されるアノード材料、カソード集電体上に配置されるカソード材料、およびアノード材料とカソード材料との間に配置されるセパレーターを含むことができる。セパレーターは、セパレーターの部分がアノード材料の外側縁およびカソード材料の外側縁を越えて延在するのに十分な大きさとすることができる。電気化学セル110は、アノード材料、アノード集電体、カソード材料、カソード集電体、およびセパレーターを少なくとも部分的に覆うパウチ材料をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、パウチ材料は、アノード集電体、カソード集電体、および/またはセパレーターと接触することができる。パウチ材料は、パウチ材料の部分がセパレーターの外側境界を越えて延在するのに十分な大きさにすることができる。電気化学セルモジュール内の未使用スペースを最小限に抑えるために、パウチ材料およびセパレーターは、アノード材料およびカソード材料から外側に延在するのではなく、アノード材料およびカソード材料に対して折り畳むことができる。
【0014】
図示のように、電気化学セルモジュール100は、2つの電気化学セル110を含む。いくつかの実施形態では、電気化学セルモジュール100は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、または少なくとも約100の電気化学セル110を含むことができ、それらの間の全ての値および範囲を含む。いくつかの実施形態では、電気化学セル110は並列に接続することができる。いくつかの実施形態では、電気化学セル110は直列に接続することができる。いくつかの実施形態では、電気化学セル110は、直列および並列の両方で接続することができる。いくつかの実施形態では、電気化学セル110のうちの1つまたは複数は、単一のユニットセルを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電気化学セル110はバイセルを含むことができる。
【0015】
電気化学セル110の積み重ね可能な特性により、製造が容易になる。いくつかの実施形態では、電気化学セル110は、ピックアンドプレースアセンブリーを介して製造することができる。電気化学セル110は、それらを積み重ねるために巻いたりZ字状に折り曲げたりすることなく製造することができる。むしろ、ピックアンドプレース手順により電気化学セル110を並べて製造することができ、製造完了後に電気化学セル110を互いに積み重ねることができる。ピックアンドプレースアセンブリーにより、追加の品質管理(QC)検査も容易になり得る。例えば、鋳造および組立装置は、ピックアンドプレースアセンブリーによって電気化学セル110を製造することができ、電気化学セル110は第1のスタックに積み重ねることができる。電気化学セル110は、積層をばらすことができ、電気化学セルモジュール100の第2のスタックに組み立てる前に、追加のQC検査を個別に受けることができる。この追加のQC検査により、電気化学セルモジュール100に含まれる電気化学セル110のそれぞれが高品質であることを保証することができる。いくつかの実施形態では、電気化学セル110を電気化学セルモジュール100の第2のスタックに組み立てる前に、電気化学セル110を赤外線(IR)検査によって検査することができる。
【0016】
フレーム120は、電気化学セル110の支持部材を提供する。いくつかの実施形態では、フレーム120は互いに積み重ねることができる。いくつかの実施形態では、フレームは、結合部材(例えば、ボルト、ネジ)が通過するための穴を含むことができる。いくつかの実施形態では、フレーム120は、プラスチック、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、またはそれらの任意の組み合わせで構成することができる。いくつかの実施形態では、フレーム120は、不燃性および/または難燃性であり得る。
【0017】
ヒートシンク130は、電気化学セル110およびその中の活性材料から熱を奪う。いくつかの実施形態では、ヒートシンク130は金属シートを含むことができる。いくつかの実施形態では、電気化学セルモジュール100は、複数のヒートシンク130を含むことができる。いくつかの実施形態では、ヒートシンク130は、電気化学セル110の各対の間に配置され得る。いくつかの実施形態では、ヒートシンク130は、電気化学セル110の間に断続的に配置され得る。いくつかの実施形態では、ヒートシンク130は、フレーム120のうちの1つまたは複数に統合され得る。いくつかの実施形態では、ヒートシンク130は、電気化学セル110、フレーム120、および/または外部ケーシング160と接触することができる。いくつかの実施形態では、ヒートシンク130は、外部ケーシング160の内壁にも接触しながら、電気化学セル110の上部および側面に接触するように曲げることができる。いくつかの実施形態では、ヒートシンク130は、ガス抜き用の穴を含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、脱ガス領域140は、電気化学セルモジュール100のさまざまな構成要素の穴から形成することができ、電気化学セルモジュール100の形成が完了すると穴を覆うことができる。換言すれば、脱ガス領域140は、電気化学セルモジュール100の製造中に外部環境に開放され、製造および脱ガスが完了した後に密閉されるスペース領域であり得る。このような実装の例は、2020年6月26日に出願された「二重電解質電気化学セル、システム、およびその製造方法」と題された米国特許公開第2020/0411825号(「′825公開」)にさらに記載されて、その開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
圧力部材150は、電気化学セル110のスタックに力を加えることができる。この加えられた力は、電気化学セル110の電気活性材料を押すことができ、その結果、隣接する電極間のイオン移動が促進される。いくつかの実施形態では、圧力部材150は、フレーム120のうちの1つまたは複数に固定的に結合され得る。図示されるように、圧力部材150は、電気化学セルモジュール100の上部近くの電気化学セル110bの上部にある。いくつかの実施形態では、圧力部材150は、電気化学セルモジュール100の底部近くに配置され得る。いくつかの実施形態では、圧力部材150は電気化学セル110の間に配置され得る。いくつかの実施形態では、圧力部材150は、電気化学セル110に力を加えるバネを含むことができる。いくつかの実施形態では、圧力部材150は棒(例えば、金属棒)を含むことができる。
【0020】
外部ケーシング160は、電気化学セルモジュール110の他の構成要素を収容する。外部ケーシング160は、正極端子および負極端子を含む。いくつかの実施形態では、外部ケーシング160は金属で構成することができる。金属ケーシングは、電気化学セル110が並列に接続される場合、電気化学セル110にとって有益であり得る。外部ケーシング160は、正極端子にアルミニウムベースを含むことができる。外部ケーシング160は、負極端子にニッケル、ニッケル板、鉄、および/または銅を含むことができる。いくつかの実施形態では、ジャンパータブを使用して端子を接続することができる。いくつかの実施形態では、外部ケーシング160は、その外部表面にプラスチックを含み、その内部表面に金属を含むことができる。いくつかの実施形態では、直列接続において、直列の最初と最後の電気化学セルの溶接タブを外部ケーシングの内側に溶接または機械的に接続することができる。
【0021】
図2A~2Bは、一実施形態による電気化学セル210を示す。
図2Aは電気化学セル210の断面図を示し、
図2Bは電気化学セル210の俯瞰図を示す。電気化学セル210は、
図1を参照して上述したように、電気化学セルモジュール100などの電気化学セルモジュールに統合することができる。図示されるように、電気化学セル210は、アノード集電体212上に配置されるアノード材料211と、カソード集電体214上に配置されるカソード材料213と、アノード材料211とカソード材料213との間に配置されるセパレーター215とを含む。アノード集電体212はアノードタブ216を含み、カソード集電体214はカソードタブ217を含む。パウチ材料218は、アノード集電体212およびカソード集電体214の外側の周囲に配置されてパウチを形成する。図示のように、アノードタブ216およびカソードタブ217は、パウチ材料218の外側の領域まで延在することができる。アノードタブ216および/またはカソードタブ217は、電気化学セルモジュール内の1つまたは複数の隣接する電気化学セルのアノードタブおよび/またはカソードタブに結合することができる。いくつかの実施形態では、電気化学セル210は、′587特許に記載される電気化学セルと同じまたは実質的に同様であり得る。
【0022】
図示のように、パウチ材料218は、パウチ材料218がセパレーター215の外側縁を越えて延在するのに十分なサイズである。換言すれば、パウチ材料218は、セパレーター215の長さよりも長い長さと、セパレーター215の幅よりも大きな幅とを有する。いくつかの実施形態では、パウチ材料218の長さは、セパレーター215の長さより約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、約7.5mm、約8mm、約8.5mm、約9mm、約9.5mm、約1cm、約1.5cm、約2cm、約2.5cm、約3cm、約3.5cm、約4cm、約4.5cm、約5cm、約5.5cm、約6cm、約6.5cm、約7cm、約7.5cm、約8cm、約9.5cm、または約10cm大きくなり得、それらの間の全ての値および範囲を含む。いくつかの実施形態では、パウチ材料218の幅は、セパレーター215の幅より約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、約7.5mm、約8mm、約8.5mm、約9mm、約9.5mm、約1cm、約1.5cm、約2cm、約2.5cm、約3cm、約3.5cm、約4cm、約4.5cm、約5cm、約5.5cm、約6cm、約6.5cm、約7cm、約7.5cm、約8cm、約9.5cm、または約10cm大きくなり得、それらの間の全ての値および範囲を含む。
【0023】
図示のように、パウチ材料218は通気孔219を含む。通気孔219は、電気化学セル210の製造中および初期サイクル中に電気化学セル210からのガス抜きを可能にする。いくつかの実施形態では、通気孔219は、パウチ材料218の外側縁の部分を積層し、材料218の外側縁の1つまたは複数の部分を積層しないままにすることによって形成することができる。いくつかの実施形態では、通気孔219は、電気化学セル210の動作中に開いたままにすることができる。いくつかの実施形態では、電気化学セル210は、外部ケーシング(例えば、
図1を参照して上述したような外部ケーシング160)内に配置することができる。いくつかの実施形態では、動作中に電気化学セル210が外部環境に曝されるのを防ぐために、外部ケーシングを気密封止することができる。
【0024】
図3A~3Fは、一実施形態による電気化学セルモジュール300を示す。図示のように、電気化学セルモジュール300は、電気化学セル310a、310b、310c、310d、310e(電気化学セル310と総称する)と、ヒートシンク330a、330b、330c、330dと、330e(ヒートシンク330と総称する)と、圧力部材350と、外部ケーシング360と、温度センサー370a、370b、370c、370d、370e(温度センサー370と総称する)とを含む。
図3Aは、電気化学セルモジュール300の側面図を示し、
図3Bは、電気化学セル310cのセクションBの詳細図を示し、
図3Cは、電気化学セル310のタブ結合スキームを示す。
図3Dは、電気化学セルモジュール300の正面図を示し、
図3Eは、電気化学セルモジュール300の背面図を示し、
図3Fは、電気化学セルモジュール300の外部ケーシング360の外観図を示す。いくつかの実施形態では、電気化学セル310、ヒートシンク330、圧力部材350、および外部ケーシング360は、
図1を参照して上述したように、電気化学セル110、ヒートシンク130、圧力部材150、および外部ケーシング360と同じまたは実質的に同様であり得る。したがって、電気化学セル310、ヒートシンク330、圧力部材350、および外部ケーシング360の特定の態様については、本明細書ではさらに詳細に説明しない。
【0025】
図3Bおよび
図3Cに示されるように、電気化学セル310は、アノード集電体312上に配置されるアノード材料311と、カソード集電体314上に配置されるカソード材料313と、アノード材料311とカソード材料313との間に配置されるセパレーター315とを含む。アノード集電体312はアノードタブ316を含み、カソード集電体314はカソードタブ317を含む。電気化学セル310はまた、アノード集電体312およびカソード集電体314の外側の周囲に配置されてパウチを形成するパウチ材料318を含む。図示されるように、セパレーター315、カソードタブ317、およびパウチ材料318は、アノード材料311およびカソード材料313に対してある角度で折り畳まれる。いくつかの実施形態では、アノードタブ316は、アノード材料311およびカソード材料313に対してある角度で折り畳むことができる。図示されるように、セパレーター315、カソードタブ317、およびパウチ材料318は、アノード材料311およびカソード材料313の長さ方向または幅方向の寸法に対して約90度の角度を形成する。いくつかの実施形態では、セパレーター315、アノードタブ316、カソードタブ317、および/またはパウチ材料318は、アノード材料311およびカソード材料313の長さ方向または幅方向の寸法に対して、約80度、約85度、約90度、約95度、約100度、約105度、約110度、約115度、約120度、約125度、または約130度の角度を形成することができ、それらの間の全ての値および範囲を含む。いくつかの実施形態では、セパレーター315、アノードタブ316、カソードタブ317、および/またはパウチ材料318は、外部ケーシング360の内側壁に(例えば、接着剤を介して)取り付けることができる。
【0026】
セパレーター315、カソードタブ317、およびパウチ材料318は、外部ケーシング360とアノード材料311および/またはカソード材料313の前縁との間の距離を最小化するために折り畳まれる。この距離を最小限に抑えると、電気化学セルモジュール300内の未使用スペースの量を最小限に抑えることができる。いくつかの実施形態では、外部ケーシング360とアノード材料311および/またはカソード材料313の前縁との間の距離は、約2mm未満、約1.9mm未満、約1.8mm未満、1.7mm、約1.6mm未満、約1.5mm未満、約1.4mm未満、約1.3mm未満、約1.2mm未満、約1.1mm未満、約1mm未満、約900μm未満、約800μm未満、約700μm未満、約600μm未満、約500μm未満、約400μm未満、約300μm未満、約200μm未満、約100μm未満、約90μm未満、約80μm未満、約70μm未満、約60μm未満、約50μm未満、約40μm未満、約30μm未満、約20μm未満、または約10μm未満、であり得、それらの間の全ての値および範囲を含む。
【0027】
図3Cは、アノードタブ316およびカソードタブ317を介して電気化学セル310を外部ケーシング360に結合するスキームを示す。図示されるように、カソードタブ317は、電気化学セル310に対して上方に折り畳まれるように配向され、アノードタブ316は、電気化学セル310に対して下方に折り畳まれるように配向される。アノードタブ316は、カソードタブ317と比較して反対方向に電気化学セル310の外に延在する。この配置は、直列に接続されるセルに対応できる。いくつかの実施形態では、カソードタブ317は、アノードタブ316と同じ方向に電気化学セル310の外に延在することができる。この配置は、並列接続されるセルに対応できる。
【0028】
図示のように、外部ケーシング360は、負極端子362、正極端子364、および通信装置365を含む。負極端子362は、1つまたは複数のアノードタブ316に電気的に結合される。いくつかの実施形態では、アノードタブ316は金属板に結合することができ、金属板は負極端子362に結合することができる。いくつかの実施形態では、アノードタブ316は、外部ケーシング360の内側壁に直接結合され得る。いくつかの実施形態では、アノードタブ316の金属板および/または外部ケーシング360の内側壁への結合は、溶接によって行うことができる。いくつかの実施形態では、負極端子362をジャンパータブに接続することができる。正極端子364は、1つまたは複数のカソードタブ317に電気的に接続される。いくつかの実施形態では、カソードタブ317は金属板に結合することができ、金属板は正極端子364に結合することができる。いくつかの実施形態では、カソードタブ317は、外部ケーシング360の内側壁に直接結合され得る。いくつかの実施形態では、カソードタブ317の金属板および/または外部ケーシング360の内側壁への結合は、溶接によって行うことができる。いくつかの実施形態では、正極端子364をジャンパータブに接続することができる。
【0029】
通信装置365は、電気化学セルモジュール300に関する情報を通信する。いくつかの実施形態では、通信装置365は、ユーザーインターフェイス(例えば、コンピューター、ラップトップコンピューター、デスクトップコンピューター、タブレット、携帯電話、もしくは任意の他の適切なデバイスまたはそれらの組み合わせ)と通信することができる。いくつかの実施形態では、通信装置365は、電気化学セル310の充電状態に関する情報、温度センサー370からの温度情報、外装ケース360の内部からの圧力情報、および/または任意の他の所望の情報を通信することができる。いくつかの実施形態では、通信装置365は電池管理システム(BMS)を含むことができる。いくつかの実施形態では、BMSはプリント回路基板(PCB)を含むことができる。いくつかの実施形態では、温度センサー370および/または電気化学セル310はPCBに電気的に結合することができる。
【0030】
図3Dは、カソードタブ317a、317cおよびアノードタブ316b、316dが見える電気化学セルモジュール300の正面図を示す。
図3Eは、アノードタブ316a、316cおよびカソードタブ317b、317dが見える電気化学セルモジュール300の背面図を示す。示されるように、第1の電気化学セル310のアノードタブ316が第2の電気化学セル310のカソードタブ317に結合されるので、電気化学セル310は直列に配置される。
【0031】
図3Fは、電気化学セルモジュール300の外装ケース360の外観図を示す。図示のように、外装ケース360はガス抜き開口部366を含む。電気化学セルモジュール300の形成中に発生したガスは、ガス抜き開口部366を介して外装ケース360から流出することができる。電気化学セルモジュール300の製造中に、電気化学セル310内の脱ガス領域からガスを排出するために、ヒートシンク330の部分を開ける(例えば、穴を開ける)ことができる。電気化学セルモジュール300の形成が完了すると、ガス抜き開口部366を覆って密閉することができる。いくつかの実施形態では、外部ケーシング360は、電気化学セルモジュール360を絶縁するために、気密シールを備えたパウチまたは追加のケーシングで包まれてもよい。いくつかの実施形態では、外部ケーシング360は、アルミニウムパウチによって包まれることができる。いくつかの実施形態では、外部ケーシング360はアルミニウムケーシングによって包まれることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、電気化学セルモジュール300は、1つまたは複数の発熱体(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、発熱体は加熱ストリップを含むことができる。いくつかの実施形態では、発熱体は、電気化学セル310間(例えば、電気化学セル310aと電気化学セル310bとの間)に配置され得る。発熱体は、高い動作温度を維持するのに役立ち得る。発熱体は、より高い温度(例えば、少なくとも約25℃、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、少なくとも約40℃、少なくとも約45℃、または少なくとも約50℃)で動作することを意図した電池設計にとって有益であり得る。低温環境(例えば、約-20℃)では、発熱体は動作温度を少なくとも約-15℃、少なくとも約-10℃、少なくとも約-5℃、少なくとも約0℃、少なくとも約5℃、少なくとも約10℃、少なくとも約15℃、または少なくとも約25℃に上昇させることができる。いくつかの実施形態では、発熱体はヒートシンク330に統合され得る。いくつかの実施形態では、ヒートシンク330は、所望に応じて、電気化学セルモジュール300に熱を伝達し、電気化学セルモジュール300内の電気化学セル310から熱を奪うために使用され得る。
【0033】
図4A~4Bは、一実施形態による電気化学セルモジュール400を示す。
図4Aは、電気化学セルモジュール400の正面図を示し、
図4Bは、電気化学セルモジュール400の背面図を示す。図示のように、電気化学セルモジュール400は、電気化学セル410a、410b、410c、410d、410e(電気化学セル410と総称する)と、ヒートシンク430a、430b、430c、430d、430e(ヒートシンク430と総称する)と、圧力部材450と、外装ケース460とを含む。図示のように、電気化学セル410は、アノードタブ416a、416b、416c、416d(アノードタブ416と総称する)と、カソードタブ417a、417b、417c、417d(カソードタブ417と総称する)とを含む。図示のように、外装ケース460は、負極端子462と、正極端子464と、通信装置465とを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、電気化学セル410、アノードタブ416、カソードタブ417、ヒートシンク430、圧力部材450、外装ケース460、負極端子462、正極端子464、および通信装置465は、
図3A~
図3Fを参照して上述したように、電気化学セル310、アノードタブ316、カソードタブ317、ヒートシンク330、圧力部材350、外装ケース360、負極端子362、正極端子364、および通信装置365と同じまたは実質的に同様であり得る。したがって、電気化学セル410、アノードタブ416、カソードタブ417、ヒートシンク430、圧力部材450、外装ケース460、負極端子462、正極端子464、および通信装置465の特定の態様は、ここでは詳しく説明しない。図示のように、電気化学セル410は並列に接続される。換言すれば、各アノードタブ416は互いに電気的に接続され、各カソードタブ417は互いに電気的に接続される。
【0035】
図5A~5Cは、一実施形態による電気化学セルモジュール500を示す。図示のように、電気化学セルモジュール500は、電気化学セル510a、510b、510c、510d、510e(電気化学セル510と総称する)と、フレーム520a、520b、520c、520d、520e(フレーム520と総称する)と、ヒートシンク530a、530b、530c、530d、530e(ヒートシンク530と総称する)と、圧力部材550と、外部ケーシング560と、温度センサー570a、570b、570c、570d、570e(温度センサー570と総称する)とを含む。
図5Aは、電気化学セルモジュール500の側面図を示し、
図5Bは、電気化学セル510cのセクションBの詳細図を示す。
図5Cは、フレーム520の詳細図を示す。図示のように、電気化学セル510はそれぞれ、アノード材料511と、アノード集電体512と、カソード材料513と、カソード集電体514と、セパレーター515と、アノードタブ(図示せず)と、カソードタブ517と、パウチ材料518とを含む。図示のように、外部ケーシング560は、負極端子562と、正極端子564と、通信装置565とを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、電気化学セル510、アノード材料511、アノード集電体512、カソード材料513、カソード集電体514、セパレーター515、アノードタブ、カソードタブ517、パウチ材料518、ヒートシンク530、圧力部材550、外部ケーシング560、負極端子562、正極端子564、通信装置565、および温度センサー570は、
図3A~3Fを参照して上述したように、電気化学セル310、アノード材料311、アノード集電体312、カソード材料313、カソード集電体314、セパレーター315、アノードタブ316、カソードタブ317、パウチ材料318、ヒートシンク330、圧力部材350、外部ケーシング360、負極端子362、正極端子364、通信装置365、および温度センサー370と同じまたは実質的に同様であり得る。したがって、電気化学セル510、アノード材料511、アノード集電体512、カソード材料513、カソード集電体514、セパレーター515、アノードタブ、カソードタブ517、パウチ材料518、ヒートシンク530、圧力部材550、外部ケーシング560、負極端子562、正極端子564、通信装置565、および温度センサー570の特定の態様については、ここでは詳細に説明しない。
【0037】
図5Bに示すように、セパレーター515、カソードタブ517、およびパウチ材料518は、アノード材料511およびカソード材料513に対してある角度で折り畳まれる。いくつかの実施形態では、アノードタブは、アノード材料511およびカソード材料513に対してある角度で折り畳むことができる。図示されるように、セパレーター515、カソードタブ517、およびパウチ材料518は、アノード材料511およびカソード材料513の長さ方向または幅方向の寸法に対して約90度の角度を形成する。いくつかの実施形態では、セパレーター515、アノードタブ516、カソードタブ517、および/またはパウチ材料518は、アノード材料511およびカソード材料513の長さ方向または幅方向の寸法に対して、約80度、約85度、約90度、約95度、約100度、約105度、約110度、約115度、約120度、約125度、または約130度の角度を形成することができ、それらの間の全ての値および範囲を含む。
【0038】
セパレーター515、カソードタブ517、およびパウチ材料518は、フレーム520の内側表面とアノード材料511および/またはカソード材料513の前縁との間の距離を最小化するように折り畳まれる。この距離を最小限に抑えると、電気化学セルモジュール500内の未使用スペースの量を最小限に抑えることができる。いくつかの実施形態では、フレーム520とアノード材料511および/またはカソード材料513の前縁との間の距離は、約2mm未満、約1.9mm未満、約1.8mm未満、約1.7mm未満、約1.6mm未満、約1.5mm未満、約1.4mm未満、約1.3mm未満、約1.2mm未満、約1.1mm未満、約1mm未満、約900μm未満、約800μm未満、約700μm未満、約600μm未満、約500μm未満、約400μm未満、約300μm未満、約200μm未満、約100μm未満、90μm未満、約80μm未満、約70μm未満、60μm未満、約50μm未満、約40μm未満、30μm未満、約20μm未満、または約10μm未満、であり得、それらの間の全ての値と範囲を含む。いくつかの実施形態では、カソードタブ517をフレーム520に溶接することができる。いくつかの実施形態では、アノードタブはフレーム520に溶接することができる。いくつかの実施形態では、フレーム520は、外部ケーシング560の内側壁に溶接され得る。
【0039】
図5Bに示すように、アノード材料511およびカソード材料513を越えて延在するパウチ材料518の部分の底部表面518aは、フレーム520に接触する。いくつかの実施形態では、アノード材料511およびカソード材料513を越えて延在するパウチ材料518の部分の底部表面は、外部ケーシング560の内側壁と接触することができる。いくつかの実施形態では、アノード材料511およびカソード材料513を越えて延在するパウチ材料518の部分の頂部表面518bは、フレーム520に接触することができる。いくつかの実施形態では、アノード材料511およびカソード材料513を越えて延在するパウチ材料518の部分の頂部表面は、外部ケーシング560と接触することができる。図示のように、カソードタブ517の底部表面518aはフレーム520に接触する。いくつかの実施形態では、カソードタブ517の頂部表面518bはフレーム520に接触することができる。いくつかの実施形態では、カソードタブ517の底部表面は、外部ケーシング560の内側壁に接触することができる。いくつかの実施形態では、カソードタブ517の頂部表面は、外部ケーシング560の内側壁に接触することができる。いくつかの実施形態では、アノードタブ516の底部表面518aはフレーム520に接触する。いくつかの実施形態では、アノードタブ516の頂部表面518bはフレーム520に接触することができる。いくつかの実施形態では、アノードタブ516の底部表面は、外部ケーシング560の内側壁に接触することができる。いくつかの実施形態では、アノードタブ516の頂部表面は、外部ケーシング560の内側壁に接触することができる。
【0040】
図5Aおよび5Bに示すように、パウチ材料518は、電気化学セルモジュール500の第1の側で第1の方向に折り畳まれ、電気化学セルモジュール500の第2の側(第2の側は第1の側の反対側)で第2の方向に折り畳まれる。いくつかの実施形態では、第1の側のパウチ材料518は、第2の側のパウチ材料518と少なくとも約150度、少なくとも約155度、少なくとも約160度、少なくとも約165度、少なくとも約170度、少なくとも約175度、少なくとも約180度、少なくとも約185度、少なくとも約190度、少なくとも約195度、少なくとも約200度、または少なくとも約205度、の角度を形成することができる。いくつかの実施形態では、第1の側のパウチ材料518は、第2の側のパウチ材料518と約210度以下、約205度以下、約200度以下、約195度、約190度以下、約185度以下、約180度以下、約175度以下、約170度以下、約165度以下、約160度度以下、または約155度以下、の角度を形成することができる。それらの間の全ての値および範囲を含めて、上記で参照した角度の組み合わせも可能である(例えば、少なくとも約150度かつ約210度以下、または少なくとも約160度かつ約200度以下)。いくつかの実施形態では、第1の側のパウチ材料518は、第2の側のパウチ材料518と約150度、約155度、約160度、約165度、約170度、約175度、約180度、約185度、約190度、約195度、約200度、約205度、または約210度、の角度を形成することができる。
【0041】
図5Cは、フレーム520のうちの1つの詳細を示す。図示のように、フレーム520は、結合ペグ521と、取り付け穴522と、タブ通路523と、通気孔524とを含む。いくつかの実施形態では、複数のフレーム520を互いに積み重ねることができる。いくつかの実施形態では、結合ペグ521は、フレーム520のうちの1つを別のものに結合するのに役立つことができる。第1のフレームの結合ペグ521は、第2のフレームの結合ペグ521の下側の空洞に嵌合することができる。取り付け穴522により、ヒートシンク530および/または圧力プレート550をフレーム520に(例えば、ボルトまたはネジを介して)結合することができる。タブ通路523は、フレーム520の薄肉部分であり、そこをタブ(例えば、アノードタブ516および/またはカソードタブ517)が通過して、隣接するセルに接続することができる。いくつかの実施形態では、フレーム520が金属である場合、タブ通路523は絶縁材料を含むことができる。通気孔524により、電気化学セルモジュール500の製造中の脱ガスが可能になる。電気化学セルモジュール500の製造が完了した後、通気孔524を(例えば金属によって)充填することができる。いくつかの実施形態では、フレームは、通気孔524が電気化学セル510のパウチ材料内の1つまたは複数の通気孔と整列またはほぼ整列するように構築され得る。いくつかの実施形態では、電気化学セル510のパウチ材料内の通気孔は、
図2A~
図2Bを参照して上述したように、通気孔219と同じまたは実質的に同様であり得る。
【0042】
図6は、一実施形態による電気化学セル610を示す。図示のように、電気化学セル610は、アノード材料611と、アノード集電体612と、カソード材料613と、カソード集電体614と、セパレーター615と、アノードタブ(図示せず)と、カソードタブ617と、パウチ材料618とを含む。電気化学セル610は、フレーム部材620およびヒートシンクに接触しており、電気化学セル610、フレーム部材620、およびヒートシンク630は、外部ケーシング660の内部に収容される。いくつかの実施形態では、アノード材料611、アノード集電体612、カソード材料613、カソード集電体614、セパレーター615、アノードタブ、カソードタブ617、パウチ材料618、ヒートシンク630、および外部ケーシング660は、
図5A~
図5Cを参照して上述したように、アノード材料511、アノード集電体512、カソード材料513、カソード集電体514、セパレーター515、アノードタブ、カソードタブ517、パウチ材料518、外部ケーシング560、と同じまたは実質的に同様であり得る。したがって、アノード材料611、アノード集電体612、カソード材料613、カソード集電体614、セパレーター615、アノードタブ、カソードタブ617、パウチ材料618、ヒートシンク630、外部ケーシング660の特定の態様については、ここでは詳細に説明しない。
【0043】
図示されるように、カソードタブ617は、タブ通路623を介してフレーム部材620を通って延び、外部ケーシング660の内側壁に接触する。いくつかの実施形態では、タブ通路623は、
図5A~5Cを参照して上述したように、タブ通路523と同じまたは実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、カソードタブ617は、外部ケーシング660の内側壁に溶接され得る。いくつかの実施形態では、カソードタブ617は、正極端子(図示せず)に電気的に結合される金属棒(図示せず)に溶接することができる。同様に、アノードタブは、タブ通路623を介してフレーム部材620を通って延在することができ、外部ケーシング660の内側壁に接触する。いくつかの実施形態では、アノードタブは、正極端子に電気的に結合される金属棒(図示せず)に溶接することができる。
【0044】
図7A~7Eは、一実施形態による、電気化学セルモジュール700を形成する方法を示す。
図7Aは、底部ケーシング760aの補助図を示す。
図7Bは、電気化学セル710から延在するパウチ材料718を有する電気化学セル710のスタックを示す。
図7Bでは、電気化学セル710が、底部ケーシング760aの上に示されており、底部ケーシング760a内に下げられている。
図7Cは、底部ケーシング760aの壁によってパウチ材料718が上方に折り畳まれるように、底部ケーシング760a内に置かれた電気化学セル710のスタックを示す。
図7Dでは、上部ケーシング760bが底部ケーシング760aおよび電気化学セル710の上に示される。上部ケーシング760bは、上部ケーシング760bと底部ケーシング760aが互いに嵌合するように、底部ケーシング760a上に降下される。図示されるように、上部ケーシング760bは底部ケーシング760aよりも小さく、その結果、上部ケーシング760bは底部ケーシング760aの内側に嵌合し、パウチ材料にさらなる折り目を生じさせる。いくつかの実施形態では、上部ケーシング760bが底部ケーシング760aの外側の周りに嵌合するように、上部ケーシング760bは底部ケーシング760aより大きくてもよい。
図7Eは、完全に形成される電気化学セルモジュール700を示す。
【0045】
いくつかの実施形態では、底部ケーシング760aおよび/または上部ケーシング760bは、剛性かつ非可撓性であり得る。いくつかの実施形態では、底部ケーシング760aおよび/または上部ケーシング760bは、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、または任意の他の適切なケーシング材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、底部ケーシング760aおよび/または上部ケーシング760bは、少なくとも約100μm、少なくとも約200μm、少なくとも約300μm、少なくとも約400μm、少なくとも約500μm、少なくとも約600μm、少なくとも約700μm、少なくとも約800μm、少なくとも約900μm、少なくとも約1mm、少なくとも約1.5mm、少なくとも約2mm、少なくとも約2.5mm、少なくとも約3mm、少なくとも約3.5mm、少なくとも約4mm、または少なくとも約4.5mm、の厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、底部ケーシング760aおよび/または上部ケーシング760bは、約5mm以下、約4.5mm以下、約4mm以下、約3.5mm以下、約3mm以下、約2.5mm以下、約2mm以下、約1.5mm以下、約1mm以下、約900μm以下、約800μm以下、約700μm以下、約600μm以下、約500μm以下、約400μm以下、約300μm以下、または約200μm以下、の厚さを有することができる。それらの間の全ての値および範囲を含めて、上記で参照した厚さの組み合わせも可能である(例えば、少なくとも約100μmで約5mm以下、または少なくとも約500μmで約1.5mm以下)。いくつかの実施形態では、底部ケーシング760aおよび/または上部ケーシング760bは、約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、または約5mm、の厚さを有することができる。
【0046】
図8A~8Eは、一実施形態による、電気化学セルモジュール800を形成する方法を示す。
図8Aは、底部ケーシングシート860aの平面図を示す。図示されるように、底部ケーシングシート860aは、折り曲げるためのミシン目線861を含む。
図8Bは、電気化学セルから延在するパウチ材料818を有する電気化学セル810のスタックを示す。底部ケーシングシート860aは電気化学セル810の下に配置され、一方、上部ケーシングシート860bは電気化学セル810の上に配置される。底部ケーシングシート860aおよび上部ケーシングシート860bは、電気化学セル810のスタックに向かって移動される。いくつかの実施形態では、底部ケーシングシート860aおよび上部ケーシングシート860bを、同時に電気化学セル810のスタックに向かって移動させることができる。いくつかの実施形態では、底部ケーシングシート860aおよび上部ケーシングシート860bは、異なる時間に電気化学セル810のスタックに向かって移動することができる。
図8Cは、底部ケーシングシート860aがパウチ材料818を折り畳むように(すなわち、ミシン目線861に沿って)折り畳まれた底部ケーシングシート860aを示す。
図8Dに示されるように、上部ケーシングシート860bは、上部ケーシングシート860bが底部ケーシングシート860aに接触し、電気化学セル810を収容するように折り畳まれる。
図8Eに示されるように、底部ケーシングシート860aおよび上部ケーシングシート860bは、接合領域865において互いに接合されて、電気化学セルモジュール800を形成する。いくつかの実施形態では、底部ケーシングシート860aおよび上部ケーシングシート860bは、テープ、接着剤、超音波溶接、または任意の他の適切な接合方法、またはそれらの組み合わせを介して互いに接合され得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、底部ケーシングシート860aおよび/または上部ケーシングシート860bは、可撓性材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、底部ケーシングシート860aおよび/または上部ケーシングシート860bは、ポリエチレンテレフタレート(PET)または任意の他の適切な可撓性材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、底部ケーシングシート860aおよび/または上部ケーシングシート860bは、少なくとも約50μm、少なくとも約100μm、少なくとも約150μm、少なくとも約200μm、少なくとも約250μm、少なくとも約300μm、少なくとも約350μm、少なくとも約400μm、少なくとも約450μm、少なくとも約500μm、少なくとも約550μm、少なくとも約600μm、少なくとも約650μm、少なくとも約700μm、少なくとも約750μm、少なくとも約800μm、少なくとも約850μm、少なくとも約900μm、または少なくとも約950μm、の厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、底部ケーシングシート860aおよび/または上部ケーシングシート860bは、約1mm以下、約950μm以下、約900μm以下、約850μm以下、約800μm以下、約750μm以下、約700μm以下、約650μm以下、約600μm以下、約550μm以下、約500μm以下、約450μm以下、約400μm以下、約350μm以下、約300μm以下、約250μm以下、約200μm以下、約150μm以下、または100μm以下、の厚さを有することができる。それらの間の全ての値および範囲を含めて、上記で参照した厚さの組み合わせも可能である(例えば、少なくとも約50μmで約1mm以下、または少なくとも約100μmで約400μm以下)。いくつかの実施形態では、底部ケーシングシート860aおよび/または上部ケーシングシート860bは、約50μm、約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、約350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、950μm、または約1mm、の厚さを有することができる。
【0048】
図9A~9Eは、一実施形態による、電気化学セルモジュール900を形成する方法を示す。図示のように、電気化学セルモジュール900は、複数の電気化学セル910と、電気化学セル910から延在するパウチ材料918とを含む。いくつかの実施形態では、電気化学セル910およびパウチ材料918は、
図8A~8Eを参照して上述したように、電気化学セル810およびパウチ材料818と同じまたは実質的に同様であり得る。したがって、電気化学セル910およびパウチ材料918の特定の態様については、本明細書ではさらに詳細に説明しない。
【0049】
図9Aは、電気化学セル910から延在するパウチ材料918を備えた単一の電気化学セル910を示す。
図9Bは、パウチ材料918の第1の部分がパウチ材料の第2の部分と角度を形成するように、部分的に折り畳まれたパウチ材料918の縁部を示す。
図9Cは、折り重ねられ、接着剤925を介してパウチ材料の第2の部分に接着されたパウチ材料918の第1の部分を示す。
図9Dは、
図9CでマークされたボックスDの詳細図を示す。示されるように、パウチ材料918の第1の部分が折り重ねられ、接着剤925を介してパウチ材料918の第2の部分に接着される。いくつかの実施形態では、パウチ材料918は、接着剤925を使用せずに折り畳むことができる。換言すれば、パウチ材料918の第1の部分が、パウチ材料918の第2の部分に接着されることなく、その上に折り畳まれることができる。パウチ材料918の縁部を折り畳むと、パウチ材料918は、折り畳まれていないパウチ材料918の縁部よりも硬くなり、より頑丈になる。
図9Eは、電気化学セルモジュール900を形成するために積層された複数の電気化学セル910を示す。折り畳まれたパウチ材料918の剛性は、ケーシング(図示せず)内に配置されるときに電気化学セル910の整列を維持するのに役立つことができる。いくつかの実施形態では、電気化学セル910のスタックを一度にケーシング内に配置することができる。いくつかの実施形態では、電気化学セル910は、ケーシング内に1つずつ配置することができる。
【0050】
図10A~10Cは、一実施形態による、電気化学セルモジュール1000を形成する方法を示す。図示のように、電気化学セルモジュール1000は、パウチ材料1018を備えた電気化学セル1010を含む。いくつかの実施形態では、電気化学セル1010およびパウチ材料1018は、
図9A~9Eを参照して上述したように、電気化学セル918およびパウチ材料918と同じまたは実質的に同様であり得る。したがって、電気化学セル1010およびパウチ材料1018の特定の態様については、本明細書ではさらに詳細に説明しない。
【0051】
図10Aは、電気化学セル1010のスタックの両側にサイドパネル1067を有する電気化学セル1010のスタックを示す。
図10Bは、サイドパネル1067と接触して平坦な状態にあるパウチ材料1018の縁部を示す。
図10Cは、サイドパネル1067、上部パネル1068a、および底部パネル1068bによっておおわれた電気化学セル1010のスタックを示す。図示されるように、サイドパネル1067は、パウチ材料1018の縁部に接触し、それらを平らにして、電気化学セルモジュール1000内部の空きスペースの量を減少させる。図示のように、サイドパネル1067は湾曲形状を有する。サイドパネル1067の湾曲形状は、パウチ材料1018の縁部が共通の領域に集められ、ランダムな方向に曲がらないように、電気化学セルのスタック1010の垂直中心近くでパウチ材料1018の縁部を囲むのに役立つ。いくつかの実施形態では、サイドパネル1067は、パウチ材料1018の縁を一緒に囲むために鋭いV字形を有することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、パウチ材料1018の縁部は、サイドパネル1067と接触する前に一緒にされることができる。いくつかの実施形態では、パウチ材料1018の縁部は、パウチ材料1018の縁部を電気化学セル1010のスタックの垂直方向中心近くに押す取り外し可能なツールの使用を介して集められ得る。これは、サイドパネル1067が取り付けられるときにパウチ材料1018の縁部が意図された位置にあることを保証するのに役立つことができる。
【0053】
図10Cは、上部パネル1068aおよび底部パネル1068bがサイドパネル1067に固定されることを示す。いくつかの実施形態では、上部パネル1068aおよび底部パネル1068bは、テープおよび/または接着剤を介してサイドパネル1067に固定され得る。いくつかの実施形態では、上部パネル1068aおよび底部パネル1068bは、サイドパネル1067を電気化学セルのスタック1010に固定した状態に保つのに役立ち得る。いくつかの実施形態では、接着剤(図示せず)を使用して、上部パネル1068aまたは底部パネル1068bを含まずにサイドパネル1067をパウチ材料1018の縁部に固定することができる。いくつかの実施形態では、電気化学セル1010のスタックおよびサイドパネル1067をケーシング(図示せず)内に配置して、電気化学セルモジュール1000を形成することができる。いくつかの実施形態では、サイドパネル1067をケーシングに組み込むことができる。
【0054】
さまざまな概念が1つまたは複数の方法として具現化される可能性がありそのうちの少なくとも1つの例が提供されている。方法の部分として実行される動作は、任意の適切な方法で順序付けすることができる。したがって、実施形態は、例示と異なる順序で行為が実施されるように構築されてもよく、これには、例示の実施形態で連続した行為として示しているにもかかわらず、一部の行為を同時に実施することが含まれ得る。言い換えると、そのような機能は必ずしも特定の実行順序に限定されるわけではなく、本開示と一致する方法で連続的、非同期的、同時実行的、並行的、同時的、同期的に実行され得る任意の数のスレッド、プロセス、サービス、サーバーなどに限定される可能性があることを理解されたい。したがって、これらの特徴のいくつかは、単一の実施形態に同時に存在することができないという点で相互に矛盾し得る。同様に、一部の機能はイノベーションの1つの側面に適用できるが、他の側面には適用できない。
【0055】
さらに、本開示は、現在説明されていない他のイノベーションを含む可能性がある。出願人は、かかるイノベーションを具体化する権利、追加出願、継続出願、一部継続出願、分割出願等を提出する権利を含む、かかるイノベーションに関する全ての権利を留保する。したがって、本開示の利点、実施形態、実施例、機能、特徴、論理的、操作的、組織的、構造的、トポロジー的、および/または他の側面は、実施形態によって定義されるような本開示に対する限定、または実施形態と同等のものに対する限定とみなされるべきではないことを理解されたい。個人および/または企業ユーザーの特定の要望および/または特性、データベース構成および/またはリレーショナルモデル、データタイプ、データ送信および/またはネットワークフレームワーク、構文構造などに応じて、本明細書で開示される技術のさまざまな実施形態は、本明細書で説明されるように、大幅な柔軟性およびカスタマイズを可能にする方法で実装され得る。
【0056】
本明細書で定義および使用される全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書内の定義、および/または定義された用語の通常の意味を制御すると理解されるべきである。
【0057】
本明細書で使用される場合、特定の実施形態では、数値の前にある「約」または「およそ」という用語は、値プラスマイナス10%の範囲を示す。ある範囲の値が与えられている場合、その範囲の上限値と下限値との間の各介在値(文脈においてそうではないと明確に謳われていない限り当該下限値の単位の十分の一の位で四捨五入されたもの)、および、その明示された範囲におけるいかなる他の明示された値または介在値も本開示に含まれると理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限が独立してより小さい範囲に含まれ得ることも、記載された範囲内で特に除外される制限を条件として、本開示内に包含される。記載された範囲が制限の一方または両方を含む場合、それらの含まれる制限の一方または両方を除く範囲も開示に含まれる。
【0058】
本明細書および実施形態で使用される「および/または」という語句は、そのように結合される要素の「いずれかまたは両方」、すなわち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「および/または」で記載される複数の要素は、同じように、すなわち、そのように結合された要素のうちの「1つまたは複数」と解釈されるべきである。「および/または」節によって具体的に識別される要素以外に、具体的に識別される要素に関係しようと、無関係であろうと、他の要素が随意的に存在し得る。したがって、非限定的な実施例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む」などの制限のない言語と組み合わせて使用される場合、一実施形態では、Aのみを(任意でB以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみを(A以外の要素を任意に含む)、さらに別の実施形態では、AとBとの両方(任意選択で他の要素を含む)等を指すことができる。
【0059】
本明細書および実施形態において使用される「または」は、上で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「または」または「および/または」は包括的である、すなわち、いくつかのまたはリストされた要素の、および場合によって別のリストされていないアイテムのうちの少なくとも1つを含むが、それらのうちの複数も含むと解釈されるものとする。それとは反対であると明確に指示される用語、例えば「のうちの1つのみ」もしくは「のうちのまさに1つ」、または実施形態において使用する時の「から成る」などの用語のみ、多数のまたは列挙された要素のうちのまさに1つの要素を包含することを指す。一般に、本明細書で使用する場合、「または」という用語は、「いずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」、または「のうちのまさに1つ」など、排他的な用語が先行するときには、排他的な選択肢(すなわち「両方ではなく一方または他方」)を示すとのみ解釈されるものとする。「本質的に~から成る」は、実施形態で使用されるとき、特許法の分野で使用されるようなその通常の意味を有するものとする。
【0060】
本明細書および実施形態で使用する場合、1つまたは複数の要素のリストに関連する「少なくとも1つ」という語句は、要素のリストの中の要素のいずれか1つまたは複数から選択される、少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト内で具体的に列挙したありとあらゆる要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、要素のリストのいかなる要素の組み合わせも除外するものではないと理解されるべきである。この定義はまた、具体的に識別される要素に関係しようと、無関係であろうと、「少なくとも1つ」という語句が指す、要素のリスト内で具体的に識別される要素以外に、要素が随意で存在し得ることを許容する。それゆえに、非限定的な実施例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または等価的に「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、もしくは等価的に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態においてBは存在せず、任意選択的に2つ以上のAを含む、少なくとも1つのA(任意選択的にB以外の要素を含む)、別の実施形態においてAは存在せず、任意選択的に2つ以上のBを含む、少なくとも1つのB(任意選択的にA以外の要素を含む)、また別の実施形態において任意選択的に2つ以上のAを含む、少なくとも1つのA、および任意選択的に2つ以上のBを含む、少なくとも1つのB(任意選択的に他の要素を含む)を指すことなどができる。
【0061】
実施形態、ならびに上記の明細書で、全ての移行句、例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「持つ(carrying)」、「有する(having)」、「包含する(containing)」、「伴う(involving)」、「保つ(holding)」、「から構成される(composed of)」、および類似のものは制限がないと理解され、すなわち、含むがそれに限定はされないということを意味する。「から成る(consisting of)」および「から本質的に成る(consisting essentially of)」という移行句のみが、米国特許局の特許審査手続便覧、セクション2111.03に規定の通り、それぞれ閉鎖的または半閉鎖的な移行句であるものとする。
【0062】
本開示の特定の実施形態について上に概説したが、当業者には多くの代替案、修正形態、および変形形態が明らかであろう。したがって、本明細書に記載される実施形態は、例示的なものであり、限定的なものではない。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更を行うことができる。上述の方法およびステップが、特定のイベントが特定の順序で発生することを示す場合、本開示の恩恵を受ける当業者であれば、特定のステップの順序は変更可能であり、そのような変更は、本発明の変形例に従うことを認識するであろう。さらに、いくつかのステップは、上記のように順次実行されるだけでなく、可能であれば並列プロセスで同時に実行され得る。実施形態を特に図示し説明してきたが、形態および詳細においてさまざまな変更を行うことができることが理解されるであろう。
【国際調査報告】