(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】片手式係止機構を備えたトング
(51)【国際特許分類】
A47J 43/28 20060101AFI20241022BHJP
A47G 21/10 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A47J43/28
A47G21/10 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024520669
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 US2022076661
(87)【国際公開番号】W WO2023059981
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524124916
【氏名又は名称】モラノ,マウリツィオ
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モラノ,マウリツィオ
【テーマコード(参考)】
3B115
4B053
【Fターム(参考)】
3B115AA22
3B115BA04
4B053AA03
4B053CA13
4B053CA30
(57)【要約】
トング100を握る位置を変えることなく、かつトング100の向きを変える必要もなく、片手を使用して作動させることができる、係止部300を備えたトング100である。係止部300は、トング100のアーム102、202を一緒に握りこむことによって係合かつ係合解除することができる。係止部300は、一方のアーム102にラッチ301を、他方のアーム202にストライク302を有することができる。アーム102、202が一緒に握りこまれると、ストライク302はラッチ301に係合して係止構成となる。係止構成から、アーム102、202を再び握りこむと、ラッチ301はストライク302を解放する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トングであって、
a)第1の近位端、前記第1の近位端の反対側にある第1の遠位端、前記第1の近位端と前記第1の遠位端との間にある第1の内面、および前記第1の内面の反対側にあり前記第1の近位端と前記第1の遠位端との間にある第1の外面を有する、第1のアームであって、前記第1の近位端が第1の可撓性先端部を備える、第1のアームと、
b)第2の近位端、前記第2の近位端の反対側にある第2の遠位端、前記第2の近位端と前記第2の遠位端との間にある第2の内面、および前記第2の内面の反対側にあり前記第2の近位端と前記第2の遠位端との間にある第2の外面を有する、第2のアームであって、前記第2の近位端が第2の可撓性先端部を備え、前記第1の近位端と前記第2の近位端とがヒンジによって接続される、第2のアームと、
c)前記第1のアームの前記第1の内面に取り付けられたラッチであって、ハウジング、および前記ハウジングの内側に取り付けられたバネ付キャッチを備え、前記バネ付キャッチが、ポスト、および前記ポストに接続されたクラスプを備える、ラッチと、
d)前記第2のアームの前記第2の内面に取り付けられたストライクであって、前記第2の内面に取り付けられたベース、および前記ベースの反対側にあるフランジ付ヘッドを備え、前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1のアームおよび前記第2のアームが互いに略平行であるときに係止構成で互いに接続するように構成され、前記係止構成において、前記フランジ付ヘッドが、前記クラスプが前記ハウジング内で前記フランジ付ヘッドを取り囲むように前記ポストに当接し、前記係止構成において、前記第1の遠位端が、前記第2の遠位端に接触し、前記係止構成において、前記ラッチおよび前記ストライクが前記第1の外面および前記第2の外面に完全に内包され、前記ラッチおよび前記ストライクがそれぞれ前記第1のアームおよび前記第2のアームに沿って固定され、前記第1の内面が第1の溝を画定し、前記第2の内面が第2の溝を画定し、前記ラッチが前記第1の溝内にあり、前記ストライクが前記第2の溝内にあり、前記ラッチの前記クラスプが前記第1の溝から突出し、前記ストライクの前記フランジ付ヘッドが前記第2の溝から突出している、ストライクと
を備える、トング。
【請求項2】
トングであって、
a)第1の近位端、前記第1の近位端の反対側にある第1の遠位端、前記第1の近位端と前記第1の遠位端との間にある第1の内面、および前記第1の内面の反対側にあり前記第1の近位端と前記第1の遠位端との間にある第1の外面を有する、第1のアームと、
b)第2の近位端、前記第2の近位端の反対側にある第2の遠位端、前記第2の近位端と前記第2の遠位端との間にある第2の内面、および前記第2の内面の反対側にあり前記第2の近位端と前記第2の遠位端との間にある第2の外面を有する、第2のアームであって、前記第1の近位端および前記第2の近位端がヒンジによって接続される、第2のアームと、
c)前記第1のアームの前記第1の内面に取り付けられ、前記第1のアームから前記第2のアームに向かって突出しているラッチと、
d)前記第2のアームの前記第2の内面に取り付けられ、前記第2のアームから前記第1のアームに向かって突出しているストライクであって、前記第1のアームおよび前記第2のアームが互いに隣接しているときに、前記ラッチおよび前記ストライクが互いに接続するように構成されている、ストライクと
を備える、トング。
【請求項3】
前記係止構成において、前記第1の遠位端が前記第2の遠位端に当接する、請求項2に記載のトング。
【請求項4】
前記第1の近位端が第1の可撓性先端部を備え、前記第2の近位端が第2の可撓性先端部を備える、請求項3に記載のトング。
【請求項5】
前記係止構成において、前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1の外面および前記第2の外面に完全に内包される、請求項4に記載のトング。
【請求項6】
前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1の可撓性先端部が前記第2の可撓性先端部に対して圧接されたときにのみ係止されるように、それぞれ前記第1のアームおよび前記第2のアームに沿って構成される、請求項5に記載のトング。
【請求項7】
前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1のアームが前記第2のアームに向かって握りこまれると、係止構成から互いに接続解除されるように構成される、請求項6に記載のトング。
【請求項8】
前記ラッチおよび前記ストライクが、それぞれ前記第1のアームおよび前記第2のアームに沿って固定されている、請求項7に記載のトング。
【請求項9】
前記第1の内面が第1の溝を画定し、前記第2の内面が第2の溝を画定し、前記ラッチが前記第1の溝内にあり、前記ストライクが前記第2の溝内にある、請求項8に記載のトング。
【請求項10】
前記ラッチの一部分が前記第1の溝から突出し、前記ストライクの一部分が前記第2の溝から突出している、請求項9に記載のトング。
【請求項11】
前記ラッチが、ハウジング、および前記ハウジングの内側に取り付けられたバネ付キャッチを備え、前記バネ付キャッチが、ポスト、および前記ポストに接続されたクラスプを備え、前記ストライクが、前記第2の内面に取り付けられたベース、および前記ベースの反対側にあるフランジ付ヘッドを備え、前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1のアームおよび前記第2のアームが互いに略平行であるときに係止構成で互いに接続するように構成され、前記係止構成において、前記フランジ付ヘッドは、前記クラスプが前記ハウジング内で前記フランジ付ヘッドを取り囲むように前記ポストに当接する、請求項10に記載のトング。
【請求項12】
前記第1の溝から突出する前記ラッチの前記一部分が、少なくとも前記クラスプであり、前記第2の溝から突出する前記ストライクの前記一部分が、前記フランジ付ヘッドである、請求項11に記載のトング。
【請求項13】
前記ジョイントに隣接する二次係止をさらに備える、請求項12に記載のトング。
【請求項14】
前記ラッチが、ハウジング、および前記ハウジングの内側に取り付けられたバネ付キャッチを備え、前記バネ付キャッチが、ポスト、および前記ポストに接続されたクラスプを備え、前記ストライクが、前記第2の内面に取り付けられたベース、および前記ベースの反対側にあるフランジ付ヘッドを備え、前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1のアームおよび前記第2のアームが互いに略平行であるときに係止構成で互いに接続するように構成され、前記係止構成において、前記フランジ付ヘッドが、前記クラスプが前記ハウジング内で前記フランジ付ヘッドを取り囲むように前記ポストに当接する、請求項2に記載のトング。
【請求項15】
前記第1の内面が第1の溝を画定し、前記第2の内面が第2の溝を画定し、前記ラッチが前記第1の溝内にあり、前記ストライクが前記第2の溝の内部にあり、前記ラッチの一部分が前記第1の溝から突出し、前記ストライクの一部分が前記第2の溝から突出している、請求項2に記載のトング。
【請求項16】
前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1のアームが前記第2のアームに向かって握りこまれると、前記係止構成から互いに接続解除されるように構成されている、請求項2に記載のトング。
【請求項17】
前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1の可撓性先端部が前記第2の可撓性先端部に対して圧接されたときにのみ係止されるように、それぞれ前記第1のアームおよび前記第2のアームに沿って構成される、請求項5に記載のトング。
【請求項18】
a)トングを提供することであって、前記トングが、
i)第1の近位端、前記第1の近位端の反対側にある第1の遠位端、前記第1の近位端と前記第1の遠位端との間にある第1の内面、および前記内面の反対側にあり前記第1の近位端と前記第1の遠位端との間にある第1の外面を有する、第1のアーム、
ii)第2の近位端、前記第2の近位端の反対側にある第2の遠位端、前記第2の近位端と前記第2の遠位端との間にある第2の内面、および前記第2の内面の反対側にあり前記第2の近位端と前記第2の遠位端との間にある第2の外面を有する、第2のアームであって、前記第1の近位端および前記第2の近位端がヒンジによって接続される、第2のアーム、
iii)前記第1のアームの前記第1の内面に取り付けられたラッチ、ならびに
iv)前記第2のアームの前記第2の内面に取り付けられたストライクであって、前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1のアームおよび前記第2のアームが互いに隣接しているときに互いに接続するように構成される、ストライクを備える、提供することと、
b)前記ラッチが前記ストライクで係止されるまで、片手を使用して前記第1のアームを前記第2のアームに向けて握りこむこととを含む、トングを使用する方法。
【請求項19】
前記第1の近位端が第1の可撓性先端部を備え、前記第2の近位端が第2の可撓性先端部を備え、前記方法が、前記第1の可撓性先端部を前記第2の可撓性先端部に対して圧接することで前記ラッチを前記ストライクで係止することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のアームおよび前記第2のアーム上でいずれの指の位置も移動させることなく、前記第1のアームを前記第2のアームに向かって握りこむことで前記ラッチを前記ストライクから解放することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理に利用されるものなどのトングに関する。
【背景技術】
【0002】
トングは、キッチンやバーベキューで使用される非常に一般的な調理器具であり、調理者が熱源のすぐ側まで近づくことなく食材を取り上げることを可能にする。トングを使うことで、調理者は高温の調理領域に食材を入れたり、食材をひっくり返したり、食材を取り出したりなどを行うことができる。一般的に、トングは、一端がバネ付ヒンジで接続された2本のアームを有し、これによって自由端を狭めて食材をつかむことができる。
【0003】
トングアームを特に閉じた状態で適所に係止することが利便性をもたらすことがしばしばある。最も一般的な係止機構は、第1のアームが第2のアームに接続されるヒンジに位置するプルタブの使用である。トングを閉じた状態で係止するには、調理者は片手でトングを閉じ、空いた手でタブを引っ張る。トングの係止を解除するには、調理者は片手でトングを持ち、タブをヒンジの方に押し戻す。このように、この一般的な係止機構はトングアームの係止と係止解除に両手を必要とする。他の係止部では、係止部を扱うためにユーザーは握る位置を変える必要がある。
【0004】
トングアームを係止かつ係止解除するために、両手を使用するまたは握る位置を変えるという必要性を克服するための別の一般的な機構は、重力ベース係止の使用である。重力ベース係止では、ユーザーはトングを握りこみ、遠位端を上向きまたは下向きに保持して、重力により係止部が係止または係止解除の構成まで引っぱられるようにする。このようなトングではトングの向きを変える余分な動作が必要になるが、これは常に望ましいとは限らない。たとえば、トングの遠位端に液体、油、またはソースがついている場合、ユーザーは遠位端を上向きに保持することで液体、油、またはソースがヒンジに向かって垂れることを望まないことがある。
【0005】
前述の理由から、トングを握る位置を変えることなく、かつトングの向きを変える必要もなく、片手で係止または係止解除できるトングが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、トングを握る位置を変えることなく、かつトングの向きを変える必要もなく、片手で係止または係止解除できるトングに関する。このトングは、アームの内面に配置された係止機構であって、アームを一緒に握りこむだけで一緒に係止でき、かつアームを一緒に握りこむだけで係止解除できる係止機構を利用する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】開いた係止解除構成における本発明の一実施形態の側面図である。
【
図2】アーム内部を確認するためにアームの一部が取り外された、ヒンジおよび係止機構の一実施形態の拡大図である。
【
図3】閉じた係止構成における
図1の実施形態の図である。
【
図5】本発明の実施形態の一部を内側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付した図面に関連して以下に記載する詳細な説明は、本発明の現時点で好ましい実施形態の説明として意図されるが、本発明が構成または利用され得る唯一の形態を表すことを意図するものではない。本明細書は、図示された実施形態に関連して、本発明を構成かつ操作するための機能および一連の手順を説明する。しかし、本発明の趣旨と範囲に包含されることも意図される異なる実施形態によって、同一または同等の機能および手順が達成され得ることを理解されたい。
【0009】
図1~
図5を参照すると、本発明は、トング100であって、2つのアーム102、202と、アーム102、202を適所に係止するように係合できるとともに、片手で、かつ、ユーザーの指の位置を変えたりトング100の向きを変えたりする必要なく、アーム102、202を一緒に握りこむだけでアーム102、202が動くように係合解除できる係止部300とを有する、トング100である。このように、ユーザーはトング100を意図した通りに使用することができ、ユーザーがアーム102、202を係止したいとき、アーム102と202との間に何もない状態でトング100を握るだけでよく、再度ユーザーの握る位置を調整したりトング100の向きを変えたりすることなく、アーム102、202を一緒に握りこむだけで係止部の係合を解除できる。このように、アーム102、202を係止するための同じ動作(アーム102、202を握る)は、アーム102、202を係止解除するための動作と同じである。
【0010】
トング100は、第1の近位端104と、第1の近位端104の反対側の第1の遠位端106と、第1の近位端104と第1の遠位端106との間にある第1の内面108と、第1の内面108の反対側にあり第1の近位端104と第1の遠位端106との間にある第1の外面110とを有する、第1のアーム102を備える。トング100はまた、第2の近位端204と、第2の近位端204の反対側にある第2の遠位端206と、第2の近位端204と第2の遠位端206との間にある第2の内面208と、第2の内面208の反対側にあり第2の近位端204と第2の遠位端206との間にある第2の外面210とを有する、第2のアーム202を備える。第1のアーム102は、第1の近位端104および第2の近位端204においてヒンジ150によって第2のアーム202に接続される。
【0011】
アーム102、202は、金属、プラスチック、木材などの剛性素材で作ることができる。好ましい実施形態において、アーム102、202は、
図3および
図4に示されるように、第1の遠位端106が第2の遠位端206に接するときに、第1のアーム102および第2のアーム202が略平行であるように、全体的に直線状である。たとえば、近位端104、204で測定した場合、第1の遠位端106が第2の遠位端206に接触するとき、第1のアーム102および第2のアーム202は、約15度以下の角度をなし得る。より好ましくは、角度は約10度以下であり得る。最も好ましくは、角度は約5度以下であり得る。
【0012】
第1のアーム102の第1の近位端104と、第2のアーム202の第2の近位端204とは、ヒンジ150によって接続される。ヒンジ150は、遠位端106、206が互いに近づきおよび遠ざかるように動くことを可能にし、これによりユーザーが遠位端106、206で物体を取り上げることを可能にする。
図5に示すように、トングバネ152は、第1のアーム102および第2のアーム202に対して付勢力を与えるようにヒンジ150に配置することができ、
図1に示すように、この付勢力によって第1の遠位端106が第2の遠位端206から遠位に離れた状態を維持する。好ましい実施形態において、第1の遠位端106は第1の可撓性先端部112を有することができ、第2の遠位端206は第2の可撓性先端部212を有することができる。可撓性先端部112、212は、シリコーン、プラスチック、ゴムなどのような、耐久性があるが可撓性を持つ素材で作ることができる。
【0013】
可撓性先端部112、212の可撓性は、係止機構に容易さを与える。具体的には、係止部300が係合するためには、第1の可撓性先端部112が第2の可撓性先端部212に単に接するときよりも第1のアーム102と第2のアーム202とが互いに接近しなければならないように、係止部300が第1のアーム102と第2のアーム202とに取り付けられる。従って、第1の可撓性先端部112が第2の可撓性先端部212に単に接するときに、第1および第2のアームは一緒に係止されるまでに至らない。むしろ、アーム102、202は、可撓性先端部112、212をわずかにたわませて、
図3に示すように係止部300が係合してアーム102、202が一緒に係止されるに至るまで、アーム102、202が互いにさらに接近することを可能にするオーバートラベルを起こす必要がある。このオーバートラベル機能は、通常の使用中に第1のアーム102および第2のアーム202が不注意に係止される確率を低減する。すなわち、トング100で小さな具材または薄い具材をつかむとき、ユーザーは第1のアーム102が第2のアーム202に接近しすぎたためにトング100が不注意に係止されることを望まない。
【0014】
可撓性先端部112、212を有する実施形態では、
図5に示すように、第1のアーム102の第1の内面108は、第1の溝114を画定することができ、第2のアーム202の第2の内面208は、第2の溝214を画定することができる。第1の溝114および第2の溝214は、第1のアーム102および第2のアーム202に、それぞれ第1の可撓性先端部112および第2の可撓性先端部212を取り付ける空間を提供するために、第1のアーム102および第2のアームそれぞれに深さを提供する。
【0015】
好ましい実施形態では、係止機構は、Grainger社より販売されているグラブキャッチのようなラッチ301およびストライク302の形態とすることができる。ラッチ301は第1のアーム102の第1の内面108に取り付け得る。ストライク302は第2のアーム202の第2の内面208に取り付け得る。ラッチ301とストライク302は、第1のアーム102および第2のアーム202が互いに隣接するときに互いに接続するように構成される。
【0016】
好ましい実施形態では、係止部300は、ラッチ301とストライク302とを備える。係合した係止構成において、ラッチ301はストライク302を受け入れて係合し、ストライクがラッチから外れるのを防止する。
図2を参照すると、ラッチ301は、第1の内面108に取り付けられたハウジング310と、ハウジング310に取り付けられたバネ付キャッチ312とを備えることができる。バネ付キャッチ312は、ポスト314と、ポスト314に接続されたクラスプ316とを有することができる。ハウジング内部のバネ318は、ポスト314に対して付勢することができる。
【0017】
ストライク302は、第2の内面208に取り付けられたベース320と、ベース320の反対側にあるフランジ付ヘッド322とを備えることができる。ラッチ301およびストライク302は、第1のアーム102および第2のアーム202が互いに略平行であるとき、係止構成で互いに接続するように構成される。係合した係止構成において、フランジ付ヘッド322は、
図3に示すように、クラスプ316がフランジ付ヘッド322を取り囲むようにポスト314に当接する。好ましい実施形態では、ストライク302がラッチ301のポスト314に押し付けられると、ストライク302はポスト314をハウジング310内にさらに深く押し込む。ポスト314がハウジング310の中へ下降するとクラスプ316が一緒に引き寄せられ、クラスプ316とフランジ付ヘッド322がハウジング310内に入るにしたがって、クラスプ316がフランジ付ヘッド322を取り囲む。ハウジング310の内部には、ポスト314に当接するラッチバネ318があり、ポスト314をハウジング310から押し出すためにポスト314に対して付勢力を発生させる。ポスト314がハウジング310内に十分深く押し込まれると、内部キャッチ(図示せず)がポスト314を適所に係止し、握る力が解除されると、アーム102、202が適所に係止される。アーム102、202を再び握ると、内部キャッチが解除され、ラッチバネ318がポスト314を外側に押してクラスプ316がハウジング310から出て開き、これによりストライク302が放される一方、トングバネ152がアーム102、202の遠位端106、206を分離させる。
【0018】
好ましい実施形態では、ラッチ301およびストライク302は、ストライク302がラッチ301と係合した係止構成にあるときに、第1の遠位端106が第2の遠位端206に接するように、第1のアーム102および第2のアーム202上に配置される。第1の可撓性先端部112および第2の可撓性先端部212を有する実施形態において、第1の可撓性先端部112および第2の可撓性先端部212は遠位端106、206であり、第1の可撓性先端部112および第2の可撓性先端部212は、係止構成においてそれらの自由端で互いに接する。
【0019】
好ましい実施形態では、係止構成において、ラッチ301およびストライク302は、第1の外面110および第2の外面210に対して完全に内側にある。この構成では、ラッチ301およびストライク302が内側に位置するため、トング100が自然で扱いやすい方法で保持される場合、通常の使用中にラッチ301およびストライク302に触れる可能性は低い。トング100が自然かつ適切に扱われるとき、ユーザーの手はトング100の第1の外面110および第2の外面210ならびに側面にのみ接触し、内面108、208には接触しない。そのため、係止機構が外面に露出している他のトングとは異なり、本発明のトング100は、ユーザーが係止機構のいずれかの部分に不注意に触れて係止部300を不用意に係合解除する可能性がない。
【0020】
好ましい実施形態では、ラッチ301およびストライク312は、第1の可撓性先端部106が第2の可撓性先端部206に対して圧接されたときにのみ係止されるように、それぞれ第1のアーム102および第2のアーム202に沿って構成される。すなわち、第1の可撓性先端部106が第2の可撓性先端部206に接するだけでは、ラッチ301およびストライク302を係止させるには不十分である。むしろ、ラッチ301がストライク302を捕捉する前に、第1の可撓性先端部106および第2の可撓性先端部206を互いに逆方向に曲がらせるか反らせるように十分な圧搾力を加える必要がある。この構成により、ユーザーがトング100を係止させるつもりがない通常の使用時に、ラッチ301がストライク302を捕捉する可能性が低くなる。
【0021】
アーム102、202を適切な位置取りで係止するのを容易にするために、ラッチ301は第1の溝114内にあることができ、ストライク302は第2の溝214内にあることができる。好ましくは、ラッチ301の一部分は、ストライク302に向かって内側に向けられた第1の溝114から突出することができ、ストライク302の一部分は、ラッチ301に向かって内側に向けられた第2の溝214から突出することができる。好ましくは、第1の溝114から突出するラッチ301の一部分は少なくともクラスプ312であり、第2の溝214から突出するストライク302の一部分はフランジ付ヘッド322である。ラッチ301およびストライク302は内側に突出しているため、ラッチ301またはストライク302のどの部分も、係止機構が誤って外れ得る場合にアーム102、202の外面から突出することはない。
【0022】
好ましい実施形態では、ラッチ301およびストライク302は、第1のアーム102および第2のアーム202が互いに向かって握られると、係止構成から互いに接続解除されるように構成される。従って、ユーザーがトング100を閉じた構成で係止させ、ユーザーの手にトング100を持ち続ける場合、同じ握り方を保ったままでアーム102、202の係止を解除するために、ユーザーは単にアーム102、202を一緒に少し近づけるように握りこむだけで、ラッチ301がストライク302を解放する。従って、トング100上の手の位置を変える必要がなく、解除ボタンを探す必要もなく、ユーザーが反対の手を使用して係止を解除する必要もなく、トング100の向きを変える必要などもない。本発明では、トングを使用するための自然な動作、すなわちアーム102、202を握る動作のみを使用して、トング100の係止および係止解除を行うことができる。
【0023】
好ましい実施形態では、ラッチ301およびストライク302は、それぞれ第1のアーム102および第2のアーム202に沿って固定されている。いくつかの実施形態では、ラッチ301およびストライク302は、第1のアーム102および第2のアーム202の長さに沿って調節可能とすることができる。ラッチ301およびストライク302が適切に位置合わせできるように、第1のアーム102および第2のアーム202に沿った設定位置に止め具を配置することができる。好ましい実施形態では、係止部300はアーム102、202の中間部分に向かって位置する。たとえば、係止部300は、ヒンジ150から遠位端106、206に向かって少なくとも約2インチに位置してもよい。いくつかの実施形態では、係止部300は、ヒンジ150から遠位端106、206に向かって少なくとも約3インチにあってよい。いくつかの実施形態では、係止部300は、ヒンジ150から遠位端106、206に向かって少なくとも約4インチにあってよい。いくつかの実施形態では、係止部300は、ヒンジ150から遠位端106、206に向かって少なくとも約5インチにあってよい。いくつかの実施形態では、係止部300は、ヒンジ150から遠位端106、206に向かって少なくとも約6インチにあってよい。いくつかの実施形態では、係止部300は、ヒンジ150から遠位端106、206に向かって少なくとも約7インチにあってよい。より長いトング100については、係止部300はヒンジ150からさらに離れて遠位端106、206により接近させることもできる。係止部300は、接着剤、ねじ、溶接、雄雌実などの任意のタイプの締結機構を用いてアーム102、202に締結することができる。いくつかの実施形態では、係止部300を収容するために、アーム102、202を貫通して開口部156を形成しなければならない場合がある。
【0024】
いくつかの実施形態では、トング100は、アーム102、202を係止構成に維持するのを補助するため、ジョイント150に隣接する二次係止154をさらに含むことができる。たとえば、ユーザーが長時間トング100を使用するつもりがない場合、ラッチ301およびストライク302に対するトングバネ152の応力を軽減するために、二次係止154を用いて第1のアーム102および第2のアーム202を一緒に保持することができる。二次係止154により、ラッチ301とストライク302の寿命を延ばすことができる。
【0025】
使用時、ユーザーは、トングが通常意図されているようにトング100を使用する。ユーザーがアーム102、202を適所に係止させたい場合、ユーザーはアーム102、202を一緒に握りこんで、第1の可撓性先端部112を第2の可撓性先端部212に対して圧接し、ラッチ301をストライク302で係止させる。トング100の係止を解除するには、第1のアーム102および第2のアーム202上のどの指の位置も動かすことなく、ユーザーは第1のアーム102を第2のアーム202に向かって握りこみ、ラッチ301をストライク302から解放する。
【0026】
本発明の好ましい実施形態に関する前述の説明は、図示および説明の目的で提示されたものである。これは網羅的であること、または本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。前述の教示に照らして、多くの修正および変形が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によって限定されるのではなく、添付する特許請求の範囲および特許請求の範囲の均等物によって限定されることが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、特に、食品を取り上げて移動させるための台所用品として一般的に使用されるトングであって、トングを握る位置を変えることなく、かつトングの向きを変える必要もなく、トングのアームに位置する係止機構を利用することにより、単にアームを一緒に握りこむ動作によって係止が作動および解除されるように、トングの2つのアームを一緒に係止することができ、その後、片手で係止を解除することができるトングの開発、製造、および使用に産業上利用することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トングであって、
a)第1の近位端、前記第1の近位端の反対側にある第1の遠位端、前記第1の近位端と前記第1の遠位端との間にある第1の内面、および前記第1の内面の反対側にあり前記第1の近位端と前記第1の遠位端との間にある第1の外面を有する、第1のアームであって、前記第1の
遠位端が第1の可撓性先端部を備える、第1のアームと、
b)第2の近位端、前記第2の近位端の反対側にある第2の遠位端、前記第2の近位端と前記第2の遠位端との間にある第2の内面、および前記第2の内面の反対側にあり前記第2の近位端と前記第2の遠位端との間にある第2の外面を有する、第2のアームであって、前記第2の
遠位端が第2の可撓性先端部を備え、前記第1の近位端と前記第2の近位端とがヒンジによって接続される、第2のアームと、
c)前記第1のアームの前記第1の内面に取り付けられたラッチであって、ハウジング、および前記ハウジングの内側に取り付けられたバネ付キャッチを備え、前記バネ付キャッチが、ポスト、および前記ポストに接続されたクラスプを備える、ラッチと、
d)前記第2のアームの前記第2の内面に取り付けられたストライクであって、前記第2の内面に取り付けられたベース、および前記ベースの反対側にあるフランジ付ヘッドを備え、前記ラッチおよび前記ストライクが、
前記第1の可撓性先端部が前記第2の可撓性先端部に対して圧接されたときに係止構成で互いに接続するように構成され、
前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1のアームが前記第2のアームに向かって握りこまれると、係止構成から互いに接続解除されるように構成され、前記係止構成において、前記フランジ付ヘッドが、前記クラスプが前記ハウジング内で前記フランジ付ヘッドを取り囲むように前記ポストに当接し、前記係止構成において、前記第1の遠位端が、前記第2の遠位端に接触し、前記係止構成において、前記ラッチおよび前記ストライクが前記第1の外面および前記第2の外面に完全に内包され、前記ラッチおよび前記ストライクがそれぞれ前記第1のアームおよび前記第2のアームに沿って固定され、前記第1の内面が第1の溝を画定し、前記第2の内面が第2の溝を画定し、前記ラッチが前記第1の溝内にあり、前記ストライクが前記第2の溝内にあり、前記ラッチの前記クラスプが前記第1の溝から突出し、前記ストライクの前記フランジ付ヘッドが前記第2の溝から突出している、ストライクと
を備える、トング。
【請求項2】
トングであって、
a)第1の近位端、前記第1の近位端の反対側にある第1の遠位端、前記第1の近位端と前記第1の遠位端との間にある第1の内面、および前記第1の内面の反対側にあり前記第1の近位端と前記第1の遠位端との間にある第1の外面を有する、第1のアームと、
b)第2の近位端、前記第2の近位端の反対側にある第2の遠位端、前記第2の近位端と前記第2の遠位端との間にある第2の内面、および前記第2の内面の反対側にあり前記第2の近位端と前記第2の遠位端との間にある第2の外面を有する、第2のアームであって、前記第1の近位端および前記第2の近位端がヒンジによって接続される、第2のアームと、
c)前記第1のアームの前記第1の内面に取り付けられ、前記第1のアームから前記第2のアームに向かって突出しているラッチと、
d)前記第2のアームの前記第2の内面に取り付けられ、前記第2のアームから前記第1のアームに向かって突出しているストライクであって、前記第1のアームおよび前記第2のアームが互いに隣接しているときに、前記ラッチおよび前記ストライクが互いに接続するように構成され
、前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1の可撓性先端部が前記第2の可撓性先端部に対して圧接されたときにのみ係止構成で係止されるように、それぞれ前記第1のアームおよび前記第2のアームに沿って構成され、前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1のアームが前記第2のアームに向かって握りこまれると、前記係止構成から互いに接続解除されるように構成されている、ストライクと
を備える、トング。
【請求項3】
前記係止構成において、前記第1の遠位端が前記第2の遠位端に当接する、請求項2に記載のトング。
【請求項4】
前記第1の
遠位端が第1の可撓性先端部を備え、前記第2の
遠位端が第2の可撓性先端部を備える、請求項3に記載のトング。
【請求項5】
前記係止構成において、前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1の外面および前記第2の外面に完全に内包される、請求項4に記載のトング。
【請求項6】
前記ラッチおよび前記ストライクが、それぞれ前記第1のアームおよび前記第2のアームに沿って固定されている、請求項
5に記載のトング。
【請求項7】
前記第1の内面が第1の溝を画定し、前記第2の内面が第2の溝を画定し、前記ラッチが前記第1の溝内にあり、前記ストライクが前記第2の溝内にある、請求項
6に記載のトング。
【請求項8】
前記ラッチの一部分が前記第1の溝から突出し、前記ストライクの一部分が前記第2の溝から突出している、請求項
7に記載のトング。
【請求項9】
前記ラッチが、ハウジング、および前記ハウジングの内側に取り付けられたバネ付キャッチを備え、前記バネ付キャッチが、ポスト、および前記ポストに接続されたクラスプを備え、前記ストライクが、前記第2の内面に取り付けられたベース、および前記ベースの反対側にあるフランジ付ヘッドを備え、前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1のアームおよび前記第2のアームが互いに略平行であるときに係止構成で互いに接続するように構成され、前記係止構成において、前記フランジ付ヘッドは、前記クラスプが前記ハウジング内で前記フランジ付ヘッドを取り囲むように前記ポストに当接する、請求項
8に記載のトング。
【請求項10】
前記第1の溝から突出する前記ラッチの前記一部分が、少なくとも前記クラスプであり、前記第2の溝から突出する前記ストライクの前記一部分が、前記フランジ付ヘッドである、請求項
9に記載のトング。
【請求項11】
前記
ヒンジに隣接する二次係止をさらに備える、請求項1
0に記載のトング。
【請求項12】
前記ラッチが、ハウジング、および前記ハウジングの内側に取り付けられたバネ付キャッチを備え、前記バネ付キャッチが、ポスト、および前記ポストに接続されたクラスプを備え、前記ストライクが、前記第2の内面に取り付けられたベース、および前記ベースの反対側にあるフランジ付ヘッドを備え、前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1のアームおよび前記第2のアームが互いに略平行であるときに係止構成で互いに接続するように構成され、前記係止構成において、前記フランジ付ヘッドが、前記クラスプが前記ハウジング内で前記フランジ付ヘッドを取り囲むように前記ポストに当接する、請求項2に記載のトング。
【請求項13】
前記第1の内面が第1の溝を画定し、前記第2の内面が第2の溝を画定し、前記ラッチが前記第1の溝内にあり、前記ストライクが前記第2の溝の内部にあり、前記ラッチの一部分が前記第1の溝から突出し、前記ストライクの一部分が前記第2の溝から突出している、請求項2に記載のトング。
【請求項14】
前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1のアームが前記第2のアームに向かって握りこまれると
、係止構成から互いに接続解除されるように構成されている、請求項2に記載のトング。
【請求項15】
前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1の可撓性先端部が前記第2の可撓性先端部に対して圧接されたときにのみ係止されるように、それぞれ前記第1のアームおよび前記第2のアームに沿って構成される、請求項5に記載のトング。
【請求項16】
a)トングを提供することであって、前記トングが、
i)第1の近位端、前記第1の近位端の反対側にある第1の遠位端、前記第1の近位端と前記第1の遠位端との間にある第1の内面、および前記内面の反対側にあり前記第1の近位端と前記第1の遠位端との間にある第1の外面を有する、第1のアーム、
ii)第2の近位端、前記第2の近位端の反対側にある第2の遠位端、前記第2の近位端と前記第2の遠位端との間にある第2の内面、および前記第2の内面の反対側にあり前記第2の近位端と前記第2の遠位端との間にある第2の外面を有する、第2のアームであって、前記第1の近位端および前記第2の近位端がヒンジによって接続される、第2のアーム、
iii)前記第1のアームの前記第1の内面に取り付けられたラッチ、ならびに
iv)前記第2のアームの前記第2の内面に取り付けられたストライクであって、前記ラッチおよび前記ストライクが、前記第1のアームおよび前記第2のアームが互いに隣接しているときに互いに接続するように構成される、ストライクを備える、提供することと、
b)前記ラッチが前記ストライクで係止されるまで、片手を使用して前記第1のアームを前記第2のアームに向けて握りこむこと
であって、前記第1の遠位端が第1の可撓性先端部
を備え、前記第2の遠位端が第2の可撓性先端部
を備える、握りこむこととを含む、トングを使用する方法
であって、前記方法が、前記第1の可撓性先端部
を前記第2の可撓性先端部
に対して圧接することで前記ラッチを前記ストライクで係止することをさらに含む、方法。
【請求項17】
前記第1のアームおよび前記第2のアーム上でいずれの指の位置も移動させることなく、前記第1のアームを前記第2のアームに向かって握りこむことで前記ラッチを前記ストライクから解放することをさらに含む、請求項1
5に記載の方法。
【国際調査報告】