(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
G21K 1/00 20060101AFI20241022BHJP
G21F 1/08 20060101ALI20241022BHJP
G21F 3/00 20060101ALI20241022BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20241022BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20241022BHJP
F41H 3/00 20060101ALN20241022BHJP
【FI】
G21K1/00 X
G21F1/08
G21F3/00
A45C11/00 Z
H05K9/00 R
G21F3/00 Z
F41H3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024520838
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 GB2022052536
(87)【国際公開番号】W WO2023057768
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503126681
【氏名又は名称】エムビーディーエー・ユーケー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100217412
【氏名又は名称】小林 亜子
(72)【発明者】
【氏名】オリバー ヒル
【テーマコード(参考)】
3B045
5E321
【Fターム(参考)】
3B045AA12
3B045CC02
5E321AA02
5E321AA22
5E321BB33
5E321BB60
5E321GH10
(57)【要約】
デバイス(103)及び遮蔽体(105)を含む遮蔽装置(101)、並びに遮蔽装置を生成する方法。デバイス(103)は、X線減衰の第1のスパンを提供する、デバイス(103)の異なる部分に異なる量だけX線を減衰する。遮蔽体(105)は、減衰の第2のスパンを提供する、遮蔽体(105)にわたって変化する量だけX線を減衰する、X線減衰材料の層(109)を含む。減衰の第2のスパンは、減衰の第1のスパンの大きさの20%~120%の大きさを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、前記デバイスは、X線減衰の第1のスパンを提供する、前記デバイスの異なる部分に異なる量だけX線を減衰する、デバイスと、
遮蔽体であって、前記遮蔽体は、減衰の第2のスパンを提供する、前記遮蔽体にわたって変化する量だけX線を減衰するX線減衰材料の層を含み、前記減衰の第2のスパンは、前記減衰の第1のスパンの大きさの20%~120%の前記大きさを有する、遮蔽体と
を含む、遮蔽装置。
【請求項2】
前記減衰の第2のスパンは、前記減衰の第1のスパン内にある最小減衰を有する、請求項1に記載の遮蔽装置。
【請求項3】
前記減衰の第2のスパンは、前記減衰の第1のスパン内の最大減衰の2倍までである、最小減衰を有する、請求項1又は2に記載の遮蔽装置。
【請求項4】
前記遮蔽体にわたる前記減衰の変形は、前記デバイスにわたる減衰の変形と同じ規模又は同等の規模である、請求項1~3のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【請求項5】
前記X線減衰は、前記遮蔽体にわたって無作為に変化する、請求項1~4のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【請求項6】
前記X線減衰材料の前記減衰は、前記遮蔽体の全てにわたって無作為に変化する、請求項5に記載の遮蔽装置。
【請求項7】
前記X線減衰材料の前記減衰は、前記遮蔽体の一部にわたって無作為に変化する、請求項5に記載の遮蔽装置。
【請求項8】
前記遮蔽体の一部は、前記遮蔽体を通過したX線によって形成された画像に符号化されたメッセージを発生する、非無作為なX線減衰の変形を有する、請求項7に記載の遮蔽装置。
【請求項9】
前記X線減衰材料は、前記遮蔽体にわたって変化する厚さを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【請求項10】
前記X線減衰材料の厚さの前記変形は、厚さの変形が段階的である、請求項9に記載の遮蔽装置。
【請求項11】
前記X線減衰材料の層は、連続した層を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【請求項12】
前記X線減衰材料の層は、基板に加えられた被覆を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【請求項13】
前記遮蔽体は、基板材料内に分布されたX線減衰材料の領域を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【請求項14】
前記遮蔽体は、基板材料内に分布された複数のX線減衰粒子を含む、請求項13に記載の遮蔽装置。
【請求項15】
前記遮蔽体は、箱内に提供された複数のX線減衰粒子を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【請求項16】
前記遮蔽体は、パネルを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【請求項17】
前記遮蔽体は、箱、ブリーフケース、金庫、又はコンテナを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【請求項18】
前記X線減衰材料の層は、チタニウム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、バリウム、タングステン、水銀、鉛、ビスマス、及びウラニウムからなる一覧から選択された材料を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【請求項19】
遮蔽装置を生成する方法であって、前記遮蔽装置は、デバイスであって、前記デバイスは、X線減衰の第1のスパンを提供する、前記デバイスの異なる部分に異なる量だけX線を減衰する、デバイスと、遮蔽体であって、前記遮蔽体は、X線減衰の第2のスパンを提供する、前記遮蔽体にわたって変化する量だけX線を減衰するX線減衰材料の層を含む、遮蔽体とを含み、
前記第2の減衰スパンが前記第1の減衰スパンの大きさの20%~120%の前記大きさを有するように、前記X線減衰材料の層にわたって減衰の変形を発生することと、
前記X線減衰材料の層を前記遮蔽体に加えることと、
X線を使用して前記デバイスを撮像しようとした場合、前記遮蔽体が、前記デバイスを撮像するために使用されたX線を妨げるように、前記デバイスに関連して前記遮蔽体を配置することとを含む、方法。
【請求項20】
前記X線減衰材料の層にわたる減衰の前記変形は、付加的層の製造を使用して発生される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記X線減衰材料の層にわたる減衰の前記変形は、CNC機械加工を使用して発生される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デバイスとX線減衰材料の層を含む遮蔽体とを含む、遮蔽装置に関する。本開示は、遮蔽装置を生成する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
安全装置は、使用、配備又は輸送中に見えないように、及び検出又は同定できないように、少なくとも検出又は同定の証拠が残らないように、遮蔽する必要があることがある。遮蔽体は、可視光線を遮断するために使用され、使用、配備及び輸送中にデバイスが見えないことを確実にし得る。そのような遮蔽体は、例えば配備若しくは輸送中に一時的に使用されてもよく、又はデバイスを遮蔽するために永久に位置付けられてもよい。公知の遮蔽体は、例えば板、箱又はコンテナである。そのような遮蔽体に使用される型、大きさ、及び材料は、典型的には遮蔽されるべきデバイス、及び必要な保護の高さに依存する。しかし公知の遮蔽体は、可視光線以外のデバイスを検出する方法に対する保護を提供しないことがある。例えばX線放射は、デバイスを検出し、同定し、撮像するために使用することができ、従来の遮蔽体は、X線放射に対する保護を提供しないことがあり、X線放射の使用は、概してデバイス又は遮蔽体にいかなる痕跡も残さないので、X線が使用されたことが明らかにならない。したがって、第三者は、デバイスの正当な取扱者に知られることなく、デバイスを検出し、同定し、撮像するためにX線を使用することができることがある。
【0003】
X線減衰材料は公知であり、X線放射を全体的又は部分的に減衰するために様々な分野で使用される。X線を十分に遮断するために、重く、大きく、扱い難い遮蔽体が、典型的には必要である。X線を部分的に減衰する遮蔽体は、デバイスにある程度の保護を提供するために使用される。X線が発生した画像に妨げるパターン又はメッセージを導入する遮蔽体が公知である。これは、デバイスの検出及び/又は同定に対してある程度の保護を提供することがあるが、そのようなパターン/メッセージを補うための公知の技法(X線画像からパターン若しくはメッセージを単に減ずるなど)が存在し、したがって、これは、X線からデバイスを遮蔽するための堅固で信頼できる方法ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、X線検出からデバイスを遮蔽する改良された、より堅固な方法を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、第1の態様によれば、請求項1による遮蔽装置を提供する。
【0006】
本開示は、第5の態様によれば、請求項19による遮蔽装置を生成する方法を提供する。
【0007】
本開示の一態様に関連して記載された特徴は、本開示の他の態様に組み込まれてもよいことが認識されよう。例えば、本開示の方法は、本開示の装置を参照して記載された特徴を組み込んでもよく、逆も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】当技術分野で公知の遮蔽装置の概略側面図である。
【
図2】本開示の実施形態による、遮蔽装置の概略側面図である。
【
図3a】本開示の実施形態による、遮蔽装置内で使用するための遮蔽体の斜視図である。
【
図3b】本開示の実施形態による、
図3(a)の遮蔽体を使用する遮蔽装置を通る概略断面側面図である。
【
図4】遮蔽体は、基板内に分布されたX線減衰粒子の懸濁液を含み、基板とデバイスとの間に空隙が存在する、本開示の実施形態による、遮蔽装置を通る概略断面側面図である。
【
図5】遮蔽体は、基板内に分布されたX線減衰粒子の懸濁液を含み、基板とデバイスとの間に空隙が存在しない、本開示の実施形態による、遮蔽装置を通る概略断面側面図である。
【
図6】遮蔽体は、箱内にX線減衰粒子の懸濁液を含む、本開示の実施形態による遮蔽装置を通る概略断面側面図である。
【
図7】X線を使用してデバイスを撮像しようとする時に、本開示の実施形態による遮蔽装置の使用を示す概略図である。
【
図8】本発明の実施形態による、遮蔽体の一部が、非無作為のX線減衰の変形を有する、本開示の実施形態による、遮蔽装置内で使用するための遮蔽体の平面図である。
【
図9】遮蔽体は箱の蓋を形成する、本開示の実施形態による、遮蔽装置である。
【
図10】遮蔽体は箱であり、デバイスはミサイルであり、箱はそれぞれの壁に加えられたX線減衰材料の層を有する、本開示の実施形態による遮蔽装置である。
【
図11】遮蔽体は、ブリーフケースであり、デバイスは機密の試作品であり、ブリーフケースは、その裏張り内に含有されたX線減衰材料の層を有する、本開示の実施形態による遮蔽装置である。
【
図12】遮蔽体は金庫であり、デバイスはラップトップであり、ブリーフケースは、その裏張り内にX線減衰材料の層を有する、本開示の実施形態による遮蔽装置である。
【
図13】本開示の実施形態による、遮蔽装置を生成する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の態様によれば、本開示は、デバイスを含む遮蔽装置を提供する。デバイスは、X線減衰の第1のスパンを提供する、デバイスの異なる部分に異なる量だけX線を減衰する。装置は遮蔽体を含む。遮蔽体は、X線減衰の第2のスパンを提供する、遮蔽体にわたって変化する量だけX線を減衰する、X線減衰材料の層を含む。減衰の第2のスパンは、減衰の第1のスパンの大きさの20%~120%の大きさを有する。
【0010】
デバイスは、回路基板などの1つ若しくは複数の電子部品、及び電気基板又は回路基板の構成要素を含んでもよい。デバイスは、異なる減衰を有することがある複数の銅成分、シリコン成分及び/又はワイヤを含んでもよい。デバイスは、機械デバイスであってもよい。デバイスは、武器、例えばミサイルであってもよい。デバイスは、エンジンなどの車両の構成要素であってもよい。デバイスは、コンピュータであってもよい。デバイスは、ラップトップコンピュータであってもよい。デバイスは、機密の試作品であってもよい。
【0011】
デバイスは、X線減衰の第1のスパンを生じる、異なるX線減衰係数及び/又は材料の異なる厚さを有する異なる材料を含んでもよい。デバイスのX線減衰は、例えば異なる材料若しくは材料の異なる厚さを含む表面特徴又は領域が存在するので、デバイスの異なる部品に対して異なる。例えばデバイスは、複数の特徴を含む回路基板であってもよい。特徴は、デバイスにわたって変化するX線減衰を生じることがある。
【0012】
同様に、X線減衰層は、X線減衰の第2のスパンを生じる、変化する厚さを有し、及び/又は異なるX線減衰係数を有する異なる材料を有してもよい。
【0013】
第2の減衰スパンは、第1の減衰スパンの20%~100%の大きさを有する。X線を使用してデバイスを撮像しようとする場合、X線減衰材料の層は、画像を形成するために使用されるX線を更に減衰させる。
【0014】
遮蔽体は、X線を使用してデバイスを撮像しようとした場合、X線がデバイスに入射する前及び/又はデバイスに入射した後に、遮蔽体がX線を遮るように、デバイスに関連して配置され得る。X線を使用してデバイスを撮像しようとする場合、X線減衰材料の層は、あるパターンのノイズを画像に導入してもよい。これにより、画像の一部は不飽和になり、画像の他の部分は過飽和になることがある。
【0015】
第2の減衰スパンは、減衰の第1のスパン内にある最小減衰を有することがある。第2の減衰スパンは、遮蔽体が遮蔽されるデバイスより多く減衰するように、減衰の第1のスパンの最大値に等しい又は同等である最小減衰を有することがある。減衰の第2のスパンは、減衰の第1のスパン内の最大減衰の2倍までの最小減衰を有することがある。遮蔽体は、したがって、遮蔽されるデバイスの減衰の少なくとも2倍であることがある。
【0016】
X線減衰材料の層は、遮蔽体にわたって厚さの変形を有することがある。遮蔽体にわたる厚さの変化は、遮蔽されるデバイス、デバイスを撮像しようとするために使用されることがあるX線の予期したエネルギー、及び遮蔽体を形成するために使用される材料に依存してもよい。例えば、電子回路基板を遮蔽するための遮蔽体は、0.1mm~1mmの間で変化する厚さを有する、X線減衰層を有してもよい。エンジン部品を遮蔽するための遮蔽体は、0.1mm~400mmの間で変化する厚さを有する、X線減衰層を有してもよい。遮蔽体にわたる厚さの変形は、厚さの変形が段階的であってもよい。X線減衰層は、X線減衰材料の複数のピクセルを含んでもよく、ピクセルは異なる厚さを有する。
【0017】
遮蔽体にわたるX線減衰の変形は、デバイスにわたるX線減衰の変形と同じ又は同等の規模であってもよい。したがって、X線を使用してデバイスを撮像しようとする場合、遮蔽体は、デバイスの画像を不明瞭にする、あるパターンのノイズを導入してもよい。
【0018】
X線減衰は、遮蔽体にわたって無作為に変化してもよい。したがって、X線を使用してデバイスを撮像しようとする場合、遮蔽体は、デバイスの画像に無作為のパターンのノイズを導入してもよい。X線減衰材料の減衰は、遮蔽体の全てにわたって無作為に変化してもよい。したがって、X線を使用してデバイスを撮像しようとする場合、遮蔽体は、デバイスの画像全体を不明瞭にしてもよい。X線減衰材料の減衰は、遮蔽体の一部にわたって無作為に変化してもよい。したがって、X線を使用してデバイスを撮像しようとする場合、遮蔽体は、デバイスの画像の一部を不明瞭にしてもよい。遮蔽体の一部は、X線減衰に非無作為な変形を有してもよく、これにより、遮蔽体を通過したX線によって形成された画像に符号化されたメッセージを発生する。符号化されたメッセージは、テキストに基づいたメッセージであってもよい。
【0019】
X線減衰材料の選択、及び/又はX線減衰材料の厚さは、遮蔽されるデバイス、及び/又はデバイスを撮像するために使用されることがあるX線エネルギーの可能性のある範囲に依存してもよい。遮蔽体に使用されるX線減衰材料の厚さ及び/又は選択は、第2の減衰スパンが、第1のX線減衰スパンの20%~120%であるように選択される。
【0020】
X線減衰材料の層は、連続した層を含んでもよい。X線減衰材料の層は、遮蔽体の表面に加えられてもよい。X線減衰材料の層は、遮蔽体の表面を部分的又は全体的に覆ってもよい。
【0021】
X線減衰材料の層は、基板に加えられた被覆を含んでもよい。遮蔽体は、X線をあまり減衰しない材料であることがある基板を含んでもよい。基板は樹脂又は結合剤であってもよい。
【0022】
遮蔽体は、基板材料内に分散されたX線減衰材料の領域を含んでもよい。粒子は、基板材料内に懸濁されてもよい。基板は、固体又は液体であってもよい。遮蔽体は、基板を含有するために閉囲された箱を更に含んでもよい。基板は、結合剤、例えば樹脂であってもよい。基板は、X線をあまり減衰しない材料を含んでもよい。X線減衰材料の領域は、粒子、例えば粉末粒子であってもよい。遮蔽体は、したがって、基板内に分散された複数のX線減衰粒子を含んでもよい。X線減衰材料の領域は、3D印刷された微細構造又は形状であってもよい。領域は、同じ大きさ及び形状からなってもよく、又は異なる大きさ及び形状を有してもよく、したがって、X線減衰の異なる高さを生じることがある。異なる大きさ及び形状を有する粒子は、デバイスの異なる大きさの特徴を不明瞭にする働きをすることがある。領域は、異なる材料を含んでもよい。領域は、銅粒子又はタングステン粒子であってもよい。
【0023】
遮蔽体は、箱内に提供された複数のX線減衰粒子を含んでもよい。粒子は、箱内で自由に動き得る。粒子は、箱内で少なくとも1方向に自由に動き得る。粒子は、箱内であらゆる方向に自由に動き得る。粒子は、箱内で互いに関連して再配置することができ得る。粒子は、同じ大きさ及び形状からなってもよく、又は異なる大きさ及び形状を有してもよく、したがって、異なる高さのX線減衰を生じてもよい。粒子は、同じX線減衰材料の粒子、又は複数の異なるX線減衰材料からなってもよい。粒子は、粉末粒子を含んでもよい。粒子は、3D印刷された微細構造又は形状を含んでもよい。異なる大きさ及び形状を有する粒子は、デバイスの異なる大きさの特徴を不明瞭にする働きをすることがある。遮蔽体は、デバイスに関連して箱を位置付けるための支持枠を更に含んでもよい。
【0024】
遮蔽体は、複数のX線減衰領域又は基板内に分散された粒子と、遮蔽体にわたるX線減衰材料の厚さの変形の組合せを含んでもよい。厚さの変形は、複数のピクセル又はピクセル列から生じる厚さの変形が段階的であってもよい。複数のX線減衰領域又は固体基板内に分散された粒子は、変化する厚さの列に形成されてもよく、これらの列は、遮蔽体にわたって分布されてもよい。
【0025】
遮蔽体は、パネル、板又は箱であってもよい。遮蔽体は、ブリーフケース、金庫、又は輸送コンテナであってもよい。遮蔽体は、平坦なパネル又は湾曲したパネルであってもよい。遮蔽体は、複数の隣接した又は接続されたパネルを含んでもよい。遮蔽体は、箱、金庫、ブリーフケース又はコンテナの一部を形成してもよく、例えば遮蔽体は、コンテナ若しくは箱の蓋であってもよく、又は蓋の一部を形成してもよい。遮蔽体は、デバイスを取り外し及び/又は挿入するために、取り外し可能な及び/又は再封止可能な蓋を備えた箱であってもよい。
【0026】
遮蔽体は、例えば輸送、配備、又は保管中に、デバイスを一時的に遮蔽するためのものであってもよい。遮蔽体は、デバイスに取り外し可能に取り付けられ、又はデバイスに固定されてもよい。遮蔽体は、それを使用中又は保管中にデバイスを保護するために、より永久的な構造であってもよい。遮蔽体は、X線を使用してデバイスを撮像しようとした場合、X線がデバイスに届く前に遮蔽体がX線を妨害し得るように、デバイスの正面に位置付けられてもよい。遮蔽体は、X線を使用してデバイスを撮像しようとした場合、X線がデバイスの画像を形成するために使用される前に、遮蔽体がX線を妨害し得るように、デバイスの背後に位置付けられてもよい。遮蔽体は、デバイスを完全に又は部分的に包囲してもよい。遮蔽体は、デバイスと直接接触してもよい。遮蔽体とデバイスとの間に空隙が存在してもよい。別法により、遮蔽体とデバイスとの間に空隙が存在しなくてもよい。遮蔽体は、デバイスに溶接又は螺合されてもよい。遮蔽体は、デバイスに匹敵する大きさ、又はデバイスよりわずかに大きい板であってもよい。
【0027】
X線減衰材料の層は、チタニウム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、バリウム、タングステン、水銀、鉛、ビスマス、及びウラニウムからなる一覧から選択された材料を含む。X線減衰材料の層の厚さは、材料の選択に依存してもよい。例えばウラニウムは、チタニウムより強力にX線を減衰するので、より薄い層のウラニウムが、より厚い層のチタニウムと同じ減衰に届くために使用されてもよい。X線減衰材料は、複数の異なる材料を含んでもよい。材料は、遮蔽されるべきデバイスに依存して選択されてもよい。材料の選択及び材料の厚さは、デバイスを撮像しようとする際に使用されることがある、X線エネルギーの可能性のある範囲に依存してもよい。
【0028】
第2の態様によれば、本開示は、遮蔽装置を生成する方法を提供する。遮蔽装置は、デバイスであって、デバイスが、X線減衰の第1のスパンを提供する、デバイスの異なる部分に異なる量だけX線を減衰する、デバイスを含む。装置は遮蔽体を含む。遮蔽体は、X線減衰の第2のスパンを提供する、遮蔽体にわたって変化する量だけX線を減衰する、X線減衰材料の層を含む。遮蔽装置は、上に説明されたあらゆる特徴を含んでもよい。方法は、X線減衰材料の層にわたる減衰の変形を発生することを含み、第2の減衰スパンは、第1の減衰スパンの大きさの20%~120%の大きさを有する。方法は、X線減衰材料の層を遮蔽体に加えることを含む。方法は、X線を使用してデバイスを撮像しようとした場合、遮蔽体がデバイスを撮像するために使用したX線を遮るように、デバイスに関連して遮蔽体を配置することを含む。
【0029】
遮蔽体が箱、ブリーフケース、金庫、又はコンテナである場合、デバイスに関連して遮蔽体を配置することは、箱、ブリーフケース、金庫、又はコンテナ内にデバイスを置くことを含んでもよい。方法は、箱若しくはコンテナを封止すること、又はブリーフケース若しくは金庫を閉鎖することを含んでもよい。デバイスに関連して遮蔽体を配置することは、遮蔽体を使用してデバイスを完全に又は部分的に包囲することを含んでもよい。デバイスに関連して遮蔽体を配置することは、X線を使用してデバイスを撮像しようとした場合、遮蔽体が、X線がデバイスに届く前にX線を遮るように、遮蔽体をデバイスの前に位置付けることを含んでもよい。デバイスに関連して遮蔽体を配置することは、遮蔽体をデバイスの背後に位置付けることを含んでもよい。この場合、遮蔽体は、X線がデバイスに入射した後だが、X線を使用して画像が形成される前にX線を遮ってもよい。
【0030】
X線減衰材料の層を遮蔽体に加えることは、基板の上又は遮蔽体の表面の上に層を被覆することを含んでもよい。X線減衰材料の層を遮蔽体に加えることは、基板内にX線減衰層の領域を分散することを含んでもよい。減衰の変形を発生すること、層を遮蔽体に加えること、及びデバイスに関連して遮蔽体を配置することの方法ステップは、あらゆる順番で行われてもよい。例えば、層は、X線減衰の変形を発生するステップの前、又はX線減衰の変形を発生した後に、遮蔽体に加えられてもよい。
【0031】
減衰の変形を発生することは、X線減衰材料の層にわたって厚さの変形を発生することを含んでもよい。X線減衰材料の層にわたる減衰の変形は、付加的層の製造を使用して発生されてもよい。これは、X線減衰材料の連続した層を発生するために使用されてもよい。方法は、遮蔽体の一部を形成し得る基板にこの層を加えることを含んでもよい。付加的な層の製造を使用することは、厚さの微細な規模の変形を発生する効率的な方法を提供し得る。X線減衰材料の層にわたる減衰の変形は、CNC機械加工を使用して発生されてもよい。方法は、遮蔽体にわたる厚さの無作為な変形を発生するために、CNCの機械加工を使用することを含んでもよい。X線減衰材料の層にわたる減衰の変形は、鋳型を使用して発生されてもよい。個々のピクセルは鋳造され、次いでX線減衰材料の層を形成するために組み立てられてもよい。別法により、X線減衰材料の層は、全体として鋳造されてもよい。製造方法は、必要な厚さの変形の規模に依存してもよい。
【0032】
先行技術の遮蔽装置1(
図1)は、X線減衰の第1のスパンを有するデバイス3、及びデバイス3の前に提供された遮蔽体5を含む。遮蔽体5は一定の厚さを有し、X線を部分的に減衰する材料を含む。遮蔽体5にわたるX線減衰は、したがって、同じエネルギーのX線に対して一定になる。X線を使用してデバイス3の画像7を形成しようとする場合、デバイス3に向かって矢印2の方向に方向付けられるX線は、デバイス3に入射する前に遮蔽体5によって遮られる。遮蔽体5は、X線がデバイス3に入射する前に、X線を部分的に減衰する。画像7が、デバイス3及び遮蔽体を通過したX線を使用して形成される場合、遮蔽体によって生じた減衰は、画像7の対比を均一的に低減する。
【0033】
本開示(
図2)の第1の例示的実施形態による遮蔽装置101は、X線減衰の第1のスパンを有するデバイス103及び遮蔽体105を含む。遮蔽体105は、減衰の第2のスパンを提供する、遮蔽体105にわたる減衰が変化するX線減衰材料109の層を含む。減衰の第2のスパンは、第1の減衰スパンの大きさの20%~120%の大きさを有する。第1の減衰スパンは、デバイス103の表面に提供された複数の特徴104a、104bによってもたらされる。これらの特徴104a、104bは、異なる材料から形成され、デバイスの残余部と異なる減衰係数を有し、デバイス103の厚さを局所的に増加させる。
【0034】
X線減衰材料109の層は、遮蔽体105の一部を形成する基板111上に配列される。X線減衰材料の層は、複数のピクセル112a、112b、112cを含み、各ピクセル112a、112b、112cは、異なる厚さを有する。X線減衰材料109は、一定のX線減衰係数を有するが、層109にわたる異なる厚さにより、層109にわたる減衰の変形を生じる。
【0035】
遮蔽体105は、デバイス103の前に位置付けられる。X線を使用してデバイスの画像を形成しようとする場合、遮蔽体105は、デバイスに向かって(例えば矢印102によって示された方向に)方向付けられるX線を遮る。X線減衰材料109の層は、X線を部分的に減衰し、より厚いピクセル(例えば112c)が、より薄いピクセル(例えば112b)より大きい減衰をもたらす。層にわたる厚さの変形は無作為であるので、これは、デバイス103に入射するX線に無作為のパターンのノイズを導入する。次にこれは、無作為のパターンのノイズ、又は無作為の対比の低減をX線から形成された画像107に導入する。
【0036】
遮蔽体105を通過したX線から形成された画像に、あるパターンのノイズを導入するために、遮蔽体105にわたる減衰の変形を使用することは、公知の遮蔽体より薄い、したがって、より軽い遮蔽体を使用して、画像を効率的に不明瞭にすることができる。遮蔽体105にわたる厚さの無作為な変形を使用することは、遮蔽体105によって導入されたノイズを除去するために画像のフィルタリングを防ぐ助けとなる。
【0037】
本開示(
図3(a))の第2の例示的実施形態による遮蔽装置201に使用するための遮蔽体205は、板を形成するX線減衰材料の層209、及び板から垂直方向に延在する側壁214a、214b、214c、214dを含む。X線減衰材料の層209は、異なる厚さを有する複数のピクセル212a、212bを含む。ピクセル212a、212bは、遮蔽体205にわたって減衰の変形を生じる。遮蔽体205の板は、10cm×10cmの面積を有する。各ピクセル212a、212bは、実質的に立方体形状である。各ピクセル212a、212bは、0.5μm×0.5μm~1mm×1mmの板の平面の面積を有する。各ピクセル212a、212bは、0.1mm~1mmの厚さ(板の平面に垂直方向に測定した)を有する。使用時に、遮蔽体205は、
図3(b)に示されたように、回路基板203の前又は上に位置付けられ、回路基板203にはんだ付けすることができる。X線を使用して基板を撮像しようとする場合、ほぼ40keV~100keVのエネルギーを有することがあるX線が使用されてもよい。遮蔽体を矢印202によって示された方向に通過したX線を使用して画像が発生された場合、無作為のパターンのノイズが、ピクセル212a、212bの変化する厚さの結果として画像に導入される。
【0038】
他の実施形態(図示せず)では、遮蔽体は、電子回路基板若しくは電子部品に螺合されてもよく、又は電子回路基板若しくは電子部品の上若しくは前に一時的に置かれてもよい。
【0039】
本開示(
図4)の第2の例示的実施形態による遮蔽装置701は、X線減衰の第1のスパンを有するデバイス703及び遮蔽体705を含む。遮蔽体705は、固体樹脂基板710内に懸濁された、複数のX線減衰銅粒子709a、709b、709cを含む。他の実施形態(図示せず)では、基板は、液体基板であってもよく、基板及び粒子は、コンテナ内に閉囲されてもよい。樹脂基板710は、X線をあまり減衰しない。X線減衰粒子709a、709b、709cは、10μm~10mmの範囲の直径をもつ異なる大きさ及び形状を有し、したがって、異なる量だけX線を減衰する。遮蔽体は、それによって減衰の第2のスパンを提供する。減衰の第2のスパンは、第1の減衰スパンの大きさの20%~120%の大きさを有する。第1の減衰スパンは、デバイス703の表面に提供された複数の特徴704a、704bによってもたらされる。この場合、デバイス703は、約5mm×5mmの面積である、複数のシリコン成分を含む電子回路基板である。これらの特徴704a、704bは、デバイス703の厚さを局所的に増加させる。
【0040】
遮蔽体705は、デバイス703の上に位置付けられる。X線を使用してデバイス703の画像を形成しようとする場合、遮蔽体705は、デバイスに向かって(例えば矢印702によって示された方向に)方向付けられたX線を遮る。X線減衰粒子709a、709b、709cは、X線を部分的に減衰し、より大きい粒子(例えば709a)は、より小さい粒子(例えば709b)より大きい減衰をもたらす。粒子709a、709b、709cの分布は無作為であるので、これは、デバイス703に入射するX線に無作為のパターンのノイズを導入する。次にこれは、X線から形成された画像に無作為のパターンのノイズ又は無作為の対比の低下を導入する。
【0041】
本開示(
図5)の第3の例示的実施形態による遮蔽装置1001は、X線減衰の第1のスパンを有するデバイス1003及び遮蔽体1005を含む。遮蔽体1005は、固体基板1010内に懸濁された、複数のX線減衰銅粒子1009a、1009b、1009cを含む。基板1010は、X線をあまりに減衰しない。X線減衰粒子109a、109b、109cは、異なる大きさ及び形状を有し、10μm~10mmの範囲の直径をもち、したがって、異なる量だけX線を減衰する。遮蔽体1005は、それによって減衰の第2のスパンを提供する。減衰の第2のスパンは、第1の減衰スパンの大きさの20%~120%の大きさを有する。第1の減衰スパンは、デバイス1003の表面に提供された複数の特徴1004a、1004bによってもたらされる。デバイス1003は、電子基板である。これらの特徴1004a、1004bは、デバイス1003の厚さを局所的に増加させる。
【0042】
遮蔽体1005は、デバイス1003の上及び周りに位置付けられる。
図4に示された遮蔽装置701と対照的に、遮蔽体1005とデバイス1003との間に空隙が存在しない。X線を使用してデバイス1003の画像を形成しようとする場合、遮蔽体1005は、デバイスに向かって方向付けられたX線を遮る。X線減衰粒子1009a、1009b、1009cは、X線を部分的に減衰し、より大きい粒子(例えば1009a)は、より小さい粒子(例えば1009b)より大きい減衰をもたらす。粒子1009a、1009b、1009cの分布は無作為であるので、これは、デバイス1003に入射するX線に無作為のパターンのノイズを導入する。次にこれは、X線から形成された画像に無作為のパターンのノイズ又は無作為の対比の低下を導入する。
【0043】
本開示(
図6)の第3の例示的実施形態による遮蔽装置801は、X線減衰の第1のスパンを有するデバイス803及び遮蔽体805を含む。遮蔽体805は、箱810内に含有された、複数のX線減衰銅粒子809a、809b、809cを含む。粒子809a、809b、809cは、箱810内で互いに関連して動き回ることができる。X線減衰粒子809a、809b、809cは、異なる大きさ及び形状を有し、10μm~10mmの範囲の直径をもち、したがって、異なる量だけX線を減衰する。遮蔽体805は、それによって箱810内にX線減衰粒子809a、809b、809cの分布によってもたらされた減衰の第2のスパンを提供する。例えば装置801が移動される場合、X線減衰粒子809a、809b、809cの分布は変化することがあり、したがって、装置801が移動される場合、遮蔽体805にわたる減衰の変形が変化することがある。減衰の第2のスパンは、第1の減衰スパンの大きさの20%~120%の大きさを有する。第1の減衰スパンは、デバイス803の表面に提供された複数の特徴804a、804bによってもたらされる。これらの特徴804a、804bは、デバイス803の厚さを局所的に増加させる。デバイス803は、電子回路基板である。
【0044】
遮蔽体805は、デバイス805の上に位置付けられ、支持枠811によって装置の上に吊り下げられる。X線を使用してデバイス803の画像を形成しようとする場合、遮蔽体805は、デバイスに向かって方向付けられたX線を遮る。X線減衰粒子809a、809b、809cは、X線を部分的に減衰し、より大きい粒子(例えば809a)は、より小さい粒子(例えば909b)より大きい減衰をもたらす。粒子809a、809b、809cの分布は無作為であるので、これは、デバイス803に入射するX線に無作為のパターンのノイズを導入する。次にこれは、X線から形成された画像807に無作為のパターンのノイズ又は無作為の対比の低下を導入する。装置801が移動される場合、箱810内のX線減衰粒子809a、809b、809cの配置が変化することがあり、X線を使用してデバイスを更に撮像しようとする場合、遮蔽体805は、デバイス803に入射するX線に異なるパターンのノイズを導入することがある。
【0045】
図6に示された実施形態では、X線減衰銅粒子809a、809b、809cは、電子基板の上に吊り下げられた箱810内に含有される。他の実施形態では、X線減衰粒子は、別個の箱内に含有されなくてもよい。遮蔽体の壁は、デバイス及び同じ空間内のX線減衰粒子を閉囲してもよい。
【0046】
本開示(図示せず)の他の実施形態では、遮蔽体は、異なる材料、例えば銅及びタングステンのX線減衰粒子を含んでもよい。X線減衰材料の粒子は、(
図3(a)及び3(b)に示された板のような)板を形成する、X線減衰材料の層と組み合わせて使用されてもよい。
【0047】
本開示の実施形態による遮蔽装置301(
図7)は、X線を使用して安全デバイス303を撮像するために使用しようとすることがあると予期される場合に使用されてもよい。
図7に示されたように、X線は、送信機316からデバイス303の(矢印302によって示された)方向に送信されてもよい。遮蔽装置301は、遮蔽体305を含み、送信機316からのX線は、X線がデバイス303に届く前に遮蔽体305にX線を入射する。遮蔽体305は、基板及びX線減衰材料の層309を含む。X線減衰材料の層309は、遮蔽体305にわたって厚さが変化し、これにより、遮蔽体305にわたってX線減衰の変形を生じる。したがって、遮蔽体305は、遮蔽体305に入射するX線に無作為のパターンのノイズを導入する。遮蔽体は、X線を完全には減衰せず、遮蔽体305によって導入されたノイズを備えたX線放射は、したがって、デバイス303に入射する。遮蔽体305及びデバイス303の両方を通過したX線は、受信機318によって検出され、画像307が形成され得る。遮蔽体305によってノイズがX線に導入された結果、デバイス303の画像307は不明瞭になる。
【0048】
本開示(
図8)の実施形態の遮蔽装置は、厚さの非無作為の変形を有する部分を含む、遮蔽体405を含むことがある。X線を使用してデバイスを撮像しようとする場合、そのような遮蔽体405は、画像に符号化されたメッセージを生じ得る。遮蔽体405は、X線減衰材料の層409を含む。X線減衰層409の一部は、遮蔽体405にわたって無作為に変化する厚さを有する。X線減衰材料409の一部は、文字410を形成する、厚さの非無作為の変形を有する。X線放射が遮蔽体405に入射し、放射が後に画像を形成するために使用される場合、符号化されたメッセージは、画像に導入されることがある。
【0049】
本開示(
図9)の実施形態によれば、遮蔽装置501は、箱の蓋を形成する遮蔽体505及び箱内に置かれたデバイス503を含む。遮蔽体505は、X線減衰材料の層509を含む。X線を使用してデバイスに向かって矢印502によって示された方向にデバイスを撮像しようとする場合、遮蔽体は、あるパターンのノイズをX線に導入し、これにより得られる画像は不明瞭になる。
【0050】
本開示(
図10)の実施形態によれば、遮蔽装置601は、箱の形の遮蔽体605を含む。箱605は、ミサイル603を包囲する。X線減衰材料の層609は、箱605のそれぞれの表面に加えられる。X線が箱605にあらゆる角度から入射する場合、X線減衰材料609は、あるパターンのノイズをX線に導入する。
【0051】
本開示(
図11)の例示的実施形態によれば、遮蔽装置1101は、ブリーフケースの形の遮蔽体1105を含む。ブリーフケース1105は、機密の試作品の形のデバイス1103を収納する。試作品は、0.1mm~30mmの寸法を有する鉄の特徴を含む。X線減衰層1109は、ブリーフケース1105の裏張り内に含有される。X線減衰層1109は、0.005mm~5mmの寸法を有するX線減衰粒子の複数の粒子(図示せず)を含む。粒子は、異なる材料の粒子である。一部の粒子はタングステンであり、一部は鉛であり、一部は高分子であり、一部はセラミックである。粒子は、バリウムを充填した樹脂結合剤内に懸濁される。樹脂結合剤は、X線をあまり減衰しない。樹脂結合剤及び懸濁された粒子は、ブリーフケース1105の裏張り内にピクセル列を形成するように配置される。ピクセル列は、5mm~50mmの幅、及び5mm~30mmの高さを有する。X線がブリーフケース1105にあらゆる角度から入射する場合、ブリーフケース1105の裏張り内のX線減衰材料は、あるパターンのノイズをX線に導入する。ブリーフケース1105に入射するX線は、ほぼ40keV~300keVのエネルギーを有することがある。
【0052】
他の実施形態(図示せず)では、X線減衰層は、裏張り内よりむしろブリーフケースの専用領域内に含有されてもよい。
【0053】
本開示(
図12)の例示的実施形態によれば、遮蔽装置1201は、金庫の形の遮蔽体1205である。ラップトップの形のデバイス1203は、金庫1205内に収納される。金庫1205は、高さ30cm、奥行40cm、及び幅40cmの内容積を有する。金庫1205は、約400~400keVのエネルギーを有するX線からラップトップ1203を遮蔽するように設計される。ラップトップ1203は、減衰の第1のスパンを生じる特徴を含む。特徴は、約0.05~50mmの寸法を有し、10mmの銅と同様の減衰を有する。金庫1205は、金庫の表面にわたって分布された複数の銅のピクセル列の形のX線減衰材料の層1209を含む。列は、0mm~20mmの範囲の高さを有する。X線が金庫1205に入射する場合、銅ピクセルは、あるパターンのノイズをX線に導入する。
【0054】
別の例示的実施形態(図示せず)では、銅ピクセルに加えて又は銅ピクセルの代わりに、金庫の表面は、追加の遮蔽を提供するために、基板に懸濁されたX線減衰材料の粒子、又は箱内に提供されたX線減衰材料の粒子を含む。
【0055】
本開示(図示せず)の例示的実施形態によれば、遮蔽装置は、エンジンを備えた車両を収納する輸送コンテナである。遮蔽体は、コンテナの一部を形成する安全パネルである。遮蔽されるべきデバイスは、車両のエンジンである。エンジンは、5~50mmの幾何形状を有する特徴を含む。エンジンは、200mmの鉄と同様の減衰を有する。X線を使用して輸送コンテナを撮像しようとする場合、40keV~8MeVのX線エネルギーが使用されてもよい。安全パネルは、複数の列ピクセルを含む、X線減衰材料の層を含む。列ピクセルは、2.5mm~100mmの高さの範囲を有し、列ピクセルは鉄を含む。各列ピクセルの上面は、追加のX線減衰を生じるように織り目加工される。ピクセルの高さの変形は、安全パネルにわたって無作為に変化する。
【0056】
別の例示的実施形態(図示せず)では、遮蔽装置は、輸送コンテナであり、遮蔽体は、コンテナの一部を形成する安全パネルである。安全パネルは、複数のX線減衰粒子を含む。粒子は、2.5mm~10mmの直径を有する鉄粒子である。粒子は、変化する断面、並びに形状及び大きさを有する。X線を使用してコンテナの中身を撮像し、安全パネルにX線を入射しようとする場合、粒子は、あるパターンのノイズをX線に導入する。
【0057】
本開示(図示せず)の例示的実施形態によれば、遮蔽装置は、電子回路基板の形のデバイスを含む。回路基板は、複数の電子部品、例えば約5mmの幅を有するシリコン成分及び約20μmの幅を有する痕跡を含む。回路基板は、0.5mmの厚さを有する銅の層を含む。遮蔽体は、X線減衰材料の層を含むパネルを含む。層は、複数のピクセル列を含む。ピクセル列は、0.1~1mmの範囲の厚さを有し、正方形の断面形状である。パネルは、回路基板の上に螺合される。パネルは、40keV~100keVのエネルギーを有するX線から回路基板を遮蔽する。
【0058】
本開示(図示せず)の実施形態によれば、遮蔽装置は、遮蔽体にわたってX線減衰に変形を生じる、基板に懸濁された複数のX線減衰粒子を含み、追加として遮蔽体にわたってX線減衰に追加の変形を生じる、変化する厚さのX線減衰材料の複数のピクセル化された列の両方を含む、遮蔽体を含む。このような遮蔽体は、電子回路基板を遮蔽するために使用されてもよい。ピクセル化された列は、回路のシリコン成分を遮蔽するために使用されてもよく、基板内に懸濁されたX線減衰材料の粒子は、回路ワイヤを遮蔽するために使用されてもよい。
【0059】
本開示(図示せず)の実施形態によれば、遮蔽装置は、遮蔽ケース内で互いの上に積層された、回路基板(デバイス)の積層を含む。ケースは、約50cm×50cmの面積及び20cmの奥行の寸法を有する。
【0060】
本開示(
図13)の実施形態は、遮蔽装置を生成する方法1301を提供する。遮蔽装置は、デバイスであって、デバイスが、減衰の第1のスパンを提供する、デバイスの異なる部分に異なる量だけX線を減衰する、デバイスと、遮蔽体とを含む。遮蔽体は、X線減衰の第2のスパンを提供する、遮蔽体にわたって変化する量だけX線を減衰する、X線減衰材料の層を含む。第1のステップ1303では、方法は、第2の減衰スパンが、第1の減衰スパンの20%~120%の大きさを有するように、X線減衰材料の層にわたって減衰の変形を発生することを含む。第2のステップ1305では、方法は、X線減衰材料の層を遮蔽体に加えることを含む。第3のステップ1307では、方法は、X線を使用してデバイスを撮像しようとした場合、遮蔽体は、デバイスを撮像するために使用したX線を遮るように、デバイスに関連して遮蔽体を配置することを含む。
【0061】
本開示は、特定の実施形態を参照して記載されて例示されてきたが、本開示は、本明細書に具体的に例示されていない多くの異なる変形に適することが、当業者には認識されよう。前述の説明で、公知の、明らかな若しくは合理的に予知できる等価物を有する、整数又は要素が記載されており、次いでそのような等価物は、個々に説明されたかのように本明細書に組み込まれる。本開示の真の範囲を決定するために、特許請求の範囲を参照するべきであり、これは、あらゆるそのような等価物を包含するように解釈されるべきである。好ましく、好都合であり、便利であるなどと記載された、本開示の整数又は特徴は、任意であり、独立請求項の範囲を限定するものではないことが読者にも認識されよう。その上、そのような任意の整数及び特徴は、本開示の一部の実施形態で有利である可能性がある一方で、望ましくないことがあり、したがって、他の実施形態では存在しないことがあることを理解されたい。
【国際調査報告】