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特表2024-539604反射偏光フィルム、これを含む光源アセンブリおよび液晶表示装置
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  • 特表-反射偏光フィルム、これを含む光源アセンブリおよび液晶表示装置 図1
  • 特表-反射偏光フィルム、これを含む光源アセンブリおよび液晶表示装置 図2
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  • 特表-反射偏光フィルム、これを含む光源アセンブリおよび液晶表示装置 図4
  • 特表-反射偏光フィルム、これを含む光源アセンブリおよび液晶表示装置 図5a
  • 特表-反射偏光フィルム、これを含む光源アセンブリおよび液晶表示装置 図5b
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  • 特表-反射偏光フィルム、これを含む光源アセンブリおよび液晶表示装置 図6
  • 特表-反射偏光フィルム、これを含む光源アセンブリおよび液晶表示装置 図7a
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  • 特表-反射偏光フィルム、これを含む光源アセンブリおよび液晶表示装置 図7c
  • 特表-反射偏光フィルム、これを含む光源アセンブリおよび液晶表示装置 図8
  • 特表-反射偏光フィルム、これを含む光源アセンブリおよび液晶表示装置 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】反射偏光フィルム、これを含む光源アセンブリおよび液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20241022BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20241022BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20241022BHJP
   F21Y 103/00 20160101ALN20241022BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241022BHJP
【FI】
G02B5/30
G02F1/13357
F21S2/00 431
F21S2/00 481
F21Y103:00
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521076
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-05
(86)【国際出願番号】 KR2022014175
(87)【国際公開番号】W WO2023058954
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0131696
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504092127
【氏名又は名称】トーレ・アドバンスド・マテリアルズ・コリア・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】TORAY ADVANCED MATERIALS KOREA INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】300,3gongdan 2-ro,Gumi-si,Gyeongsangbuk-do 39389 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ペ ジュン ソク
【テーマコード(参考)】
2H149
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H149AA02
2H149AB01
2H149BA04
2H149BA22
2H149BA28
2H149FD03
2H149FD12
2H149FD25
2H149FD47
2H391AA15
2H391AB03
2H391AB04
2H391AB40
2H391AC10
2H391AC13
2H391CA02
2H391EA14
2H391EA16
3K244AA01
3K244BA07
3K244BA48
3K244CA02
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA05
3K244GA03
3K244GA05
3K244GA10
3K244GA17
3K244LA05
3K244LA07
(57)【要約】
本発明は反射偏光フィルムに関し、さらに詳細には輝度および偏光度が改善された反射偏光フィルム、これを含む光源アセンブリおよび液晶表示装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクスおよび
互いに垂直なx軸、y軸およびz軸のうち、x軸方向が長手方向となるものの、y軸およびz軸方向にはランダムに前記マトリクス内に配列された多数個のポリマー分散体を具備するコア層;を具備し、
前記コア層をy-z平面で切断した面をz軸方向に厚さが互いに同一であるように5個の領域に区画した時、前記5個の領域のうち最上部領域または最下部領域内ポリマー分散体の面積百分率と中央部領域内ポリマー分散体の面積百分率の差が10%以下である、反射偏光フィルム。
【請求項2】
前記マトリクスと前記ポリマー分散体はy軸およびz軸方向に対する屈折率の差が0.05以下であり、x軸方向に対する屈折率の差が0.1以上である、請求項1に記載の反射偏光フィルム。
【請求項3】
前記コア層をy-z平面で切断した面で前記多数個のポリマー分散体は平均厚さが50nm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の反射偏光フィルム。
【請求項4】
中央部領域内に位置するポリマー分散体は平均厚さが110nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の反射偏光フィルム。
【請求項5】
前記最上部領域または最下部領域に含まれたポリマー分散体の平均厚さ(dI)と中央部領域に含まれたポリマー分散体の平均厚さ(dII)間の平均厚さ比(dII/dI)が0.8~1.6であることを特徴とする、請求項1に記載の反射偏光フィルム。
【請求項6】
前記最上部領域または最下部領域内マトリクスとポリマー分散体の全体面積のうちポリマー分散体面積の百分率および前記中央部領域内マトリクスとポリマー分散体の全体面積のうちポリマー分散体面積の百分率はそれぞれ独立的に40~55%である、請求項1に記載の反射偏光フィルム。
【請求項7】
前記反射偏光フィルムはヘイズが30%以下であり、前記コア層は厚さが150μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の反射偏光フィルム。
【請求項8】
前記コア層の少なくとも一面に一体に形成されたスキン層をさらに含む、請求項1に記載の反射偏光フィルム。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか一項に記載された反射偏光フィルムを含む、光源アセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載された光源アセンブリである光源部;および
前記光源部の光出射面上に配置される液晶セルを具備した表示部;を含む、液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は反射偏光フィルムに関し、さらに詳細には輝度および偏光度が改善された反射偏光フィルム、これを含む光源アセンブリおよび液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平板ディスプレイ技術はTV分野ですでに市場を確保した液晶ディスプレイ(LCD)、プロジェクションディスプレイおよびプラズマディスプレイ(PDP)が主流をなしており、また、電界放出ディスプレイ(FED)と電界発光ディスプレイ(ELD)などが関連技術の向上につれて各特性による分野を占有するものと展望される。液晶ディスプレイは現在ノートパソコン、パーソナルコンピュータモニター、液晶TV、自動車、航空機など、その使用範囲が拡大しており、平板市場の80%程度を占めていて世界的にLCDの需要が急増して現在まで好況を享受している。
【0003】
従来の液晶ディスプレイは一対の吸光性光学フィルムの間に液晶および電極マトリクスを配置する。液晶ディスプレイにおいて、液晶部分は二つの電極に電圧を印加して生成される電場によって液晶部分を動かすことによって、これによって変更される光学状態を有している。このような処理は情報を載せた「ピクセル」を特定方向の偏光を利用して映像を表示する。このような理由で、液晶ディスプレイは偏光を誘導する前面光学フィルムおよび背面光学フィルムを含む。
【0004】
このような液晶ディスプレイで使われる光学フィルムは、バックライトから発射される光の利用効率が必ずしも高いとは限らない。これは、バックライトから発射される光のうち50%以上が背面側光学フィルム(吸収型偏光フィルム)により吸収されるためである。そのため、液晶ディスプレイでバックライト光の利用効率を上げるために、光学キャビティと液晶アセンブリの間に反射偏光子を設置する。
【0005】
図1は、反射型偏光子の光学原理を図示する図面である。具体的には、光学キャビティから液晶アセンブリへ向かう光のうちP偏光は反射偏光子を通過して液晶アセンブリに伝達されるようにし、S偏光は反射偏光子から光学キャビティに反射した後、光学キャビティの拡散反射面で光の偏光方向が無作為化された状態で反射した後に再び反射偏光子に伝達されるサイクルを繰り返すことによって、結局はS偏光が液晶アセンブリの偏光器を通過できるP偏光に変換されて反射偏光子を通過した後、液晶アセンブリに伝達されるようにするのである。
【0006】
前記のような機能を発現する反射偏光子の場合、その例示として、光学的異方性屈折率を有する平板状の光学層と光学的等方性屈折率を有する平板状の光学層が相互に交互に積層された多層型反射偏光子、特定方向の螺旋状コレステリック液晶を含むコレステリック液晶型反射偏光子、光学的等方性または光学的異方性屈折率を有する連続相の内部に光学的異方性または光学的等方性屈折率を有する不連続相を含むポリマー分散型反射偏光子、等方性基材層の内部に複屈折性海島絲を含む海島絲分散型反射偏光子、ワイヤ-グリッドタイプの反射偏光子などがある。
【0007】
前記ポリマー分散型反射偏光子の一例として、基材層内部に長手方向に伸張した複屈折性ポリマーを配列して反射型偏光子の機能を達成できる分散体が分散された反射偏光子が提案されており、現在まで輝度と偏光度の改善のために分散された複屈折性ポリマーの大きさを制御する多くの努力が続いている。
【0008】
しかし、現在まで開発されたポリマー分散型反射偏光子は多層型反射偏光子に比べて輝度差が大きく、偏光度も良くない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前述した問題を解決するために案出されたもので、従来のポリマー分散型反射偏光子の輝度を改善して多層型反射偏光子に近接した輝度特性を示す反射偏光フィルムを提供することに目的がある。
【0010】
また、本発明は輝度特性の改善と共に偏光度特性を改善させ得る反射偏光フィルムを提供することに他の目的がある。
【0011】
また、本発明は本発明に係る反射偏光フィルムが採用されて、出射した光の偏光度が改善され、輝度が向上した光源アセンブリおよび液晶表示装置を提供することにさらに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した課題を解決するために本発明は、マトリクスおよび互いに垂直なx軸、y軸およびz軸のうち、x軸方向が長手方向となるものの、y軸およびz軸方向にはランダムに前記マトリクス内に配列された多数個のポリマー分散体を具備するコア層を具備し、前記コア層をy-z平面で切断した面をz軸方向に厚さが互いに同一であるように5個の領域に区画した時、前記5個の領域のうち最上部領域または最下部領域内ポリマー分散体の面積百分率と中央部領域内ポリマー分散体の面積百分率の差が10%以下である反射偏光フィルムを提供する。
【0013】
本発明の一実施例によると、前記マトリクスと前記ポリマー分散体はy軸およびz軸方向に対する屈折率の差が0.05以下であり、x軸方向に対する屈折率の差が0.1以上である。
【0014】
また、前記コア層をy-z平面で切断した面で前記多数個のポリマー分散体は平均厚さが30nm以上、より好ましくは50nm以上であり得る。
【0015】
また、前記中央部領域内に位置するポリマー分散体は平均厚さが110nm以下であり得る
【0016】
また、前記最上部領域または最下部領域に含まれたポリマー分散体の平均厚さdIと中央部領域に含まれたポリマー分散体の平均厚さdII間の平均厚さ比(dII/dI)が0.8~1.6であり得る。
【0017】
また、前記最上部領域または最下部領域内マトリクスとポリマー分散体の全体面積のうちポリマー分散体面積の百分率および前記中央部領域内マトリクスとポリマー分散体の全体面積のうちポリマー分散体面積の百分率はそれぞれ独立的に40~55%であり得る。
【0018】
また、前記反射偏光フィルムはヘイズが30%以下であり、前記コア層は厚さが150μm以下であり得る。
【0019】
また、前記コア層の少なくとも一面に一体に形成されたスキン層をさらに含むことができる。
【0020】
また、本発明は本発明に係る反射偏光フィルムを含む光源アセンブリを提供する。
【0021】
また、本発明は本発明に係る光源アセンブリである光源部および前記光源部の光出射面上に配置される液晶セルを具備した表示部を含む液晶表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の反射偏光フィルムは、輝度が大きく改善され、かつ偏光度も向上して光源アセンブリのような液晶表示装置の部品として広く使われ得、この他にガラス窓、各種偏光照明産業の全般に応用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】反射偏光子の原理を説明する概略図である。
図2】本発明の一実施例に係る反射偏光フィルムの断面図および断面拡大図である。
図3】本発明の一実施例に係る反射偏光フィルムの断面図および断面拡大図である。
図4】本発明の一実施例に係る反射偏光フィルム内コア層に備えられたポリマー分散体の長手方向の配列を例示した模式図である。
図5a】本発明の一実施例に係る反射偏光フィルム内コア層に備えられたポリマー分散体の縦横比、厚さおよび幅を定義するために例示した模式図である。
図5b】本発明の一実施例に係る反射偏光フィルム内コア層に備えられたポリマー分散体の縦横比、厚さおよび幅を定義するために例示した模式図である。
図5c】本発明の一実施例に係る反射偏光フィルム内コア層に備えられたポリマー分散体の縦横比、厚さおよび幅を定義するために例示した模式図である。
図6】反射偏光フィルムを製造する工程中に発生し得る分散体の融合および分散体-マトリクス間界面破壊を図示した模式図であって、マトリクス形成成分内の分散体形成成分が分散された後(図6(a))、分散体形成成分間融合(図6(b))および分散体形成成分融合および分散体形成成分/マトリクス形成成分間界面破壊が発生した図面である。
図7a】本発明の実施例および比較例に係る反射偏光フィルムコア層の断面のうち中央部一部分の断面模式図であり、図7aは実施例1の反射偏光フィルムコア層の領域Cの断面模式図であり、図7bおよび図7cはそれぞれ実施例2と比較例1の反射偏光フィルムコア層の領域Cの断面模式図である。
図7b】本発明の実施例および比較例に係る反射偏光フィルムコア層の断面のうち中央部一部分の断面模式図であり、図7aは実施例1の反射偏光フィルムコア層の領域Cの断面模式図であり、図7bおよび図7cはそれぞれ実施例2と比較例1の反射偏光フィルムコア層の領域Cの断面模式図である。
図7c】本発明の実施例および比較例に係る反射偏光フィルムコア層の断面のうち中央部一部分の断面模式図であり、図7aは実施例1の反射偏光フィルムコア層の領域Cの断面模式図であり、図7bおよび図7cはそれぞれ実施例2と比較例1の反射偏光フィルムコア層の領域Cの断面模式図である。
図8】本発明の一実施例に係る液晶表示装置の断面図である。
図9】本発明の一実施例に係る液晶表示装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は多様な異なる形態で具現され得ここで説明する実施例に限定されない。図面で本発明を明確に説明するために説明に関わらない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似する構成要素に対しては同じ参照符号を付加する。また、図面に示された一構成の大きさおよび/または形状によって本発明が制限されない。一例として、図2および図3に図示された多数個のポリマー分散体の個数とそれぞれの大きさ、分散体間の間隔、領域別分散体の個数および分布、そして、図5bおよび図5cに図示されたポリマー分散体の形状などは本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明に係る反射偏光フィルムに正確に符合するように図示されたものではないことを明らかにしておく。また、図3の一側面に図示された点線はポリマー分散体の長手方向を概略的に説明したものに過ぎず、図示されていないマトリクス内部のポリマー分散体の長さを意味しない。
【0025】
図2図3を参照すると、本発明の一実施例に係る反射偏光フィルム1000は、マトリクス110および前記マトリクス110内にランダムに位置する多数個のポリマー分散体120を含むコア層100を具備する。
【0026】
本発明の一実施例によると、前記マトリクス110とマトリクス内部に含まれるポリマー分散体120の間には複屈折界面が形成され得る。具体的には、マトリクス110とポリマー分散体120の間に空間上X、YおよびZ軸による屈折率の実質的な一致または不一致の大きさは、その軸により偏光された光線の散乱程度に影響を及ぼす。一般的に、散乱能は屈折率不一致の自乗に比例して変化する。したがって、特定軸による屈折率の不一致の程度がさらに大きいほど、その軸により偏光された光線がさらに強く散乱される。その反対に、特定軸による不一致が小さい場合、その軸により偏光された光線はさらに少ない程度で散乱される。ある軸によりマトリクス110の屈折率がポリマー分散体120の屈折率と実質的に一致する場合、このような軸に平行な電場で偏光された入射光は分散体の部分の大きさ、形および密度にかかわらず散乱されずに分散体を通過するであろう。また、その軸による屈折率が実質的に一致する場合、光線は実質的に散乱されず物体を通じて通過する。より具体的には、第1偏光(P偏光)はマトリクス110とポリマー分散体120の境界に形成される複屈折界面に影響を受けずに透過するが、第2偏光(S偏光)はマトリクス110とポリマー分散体120間の境界に形成される複屈折性界面に影響を受けて光の変調が起きる。これを通じて、P偏光は透過しS偏光は光の散乱、反射などの光の変調が発生することになり、その結果、偏光の分離がなされるのである。
【0027】
したがって、前記マトリクス110とポリマー分散体120は複屈折界面を形成しないと光変調効果を誘発できないので、前記マトリクス110が光学的等方性である場合にはポリマー分散体120は複屈折性を有することができ、その反対に前記マトリクス110が光学的に複屈折性を有する場合にはポリマー分散体120は光学的等方性を有することができる。具体的には、前記ポリマー分散体120のx軸方向の屈折率がnX1、y軸方向の屈折率がnY1およびz軸方向の屈折率がnZ1であり、マトリクス110の屈折率がnX2、nY2およびnZ2であるとき、nX1とnY1の間の面内複屈折が発生することができる。さらに好ましくは、マトリクス110とポリマー分散体120のX、Y、Z軸屈折率のうち少なくともいずれか一つが異なり得、より好ましくは伸長軸がX軸である場合、Y軸およびZ軸方向に対する屈折率の差が0.05以下であり、X軸方向に対する屈折率の差が0.1以上であり得る。一方、通常的に屈折率の差が0.05以下であれば整合と解釈される。
【0028】
前記マトリクス110は通常のポリマー分散型反射偏光子で使われる基材層の材質である場合には制限なく使われ得、好ましくはポリエチレンナフタレート(PEN)、コポリエチレンナフタレート(co-PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート(PC)アロイ、ポリスチレン(PS)、耐熱ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリビニルクロライド(PVC)、スチレンアクリロニトリル混合(SAN)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、フェノール、エポキシ(EP)、尿素(UF)、メラニン(MF)、不飽和ポリエステル(UP)、シリコン(SI)およびシクロオレフィンポリマーを使うことができ、一例として、ポリカーボネート(PC)アロイであり得る。
【0029】
また、前記ポリマー分散体120も通常のポリマー分散型反射偏光子に使われる分散体材質である場合、制限なく使われ得、好ましくはポリエチレンナフタレート(PEN)、コポリエチレンナフタレート(co-PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート(PC)アロイ、ポリスチレン(PS)、耐熱ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリビニルクロライド(PVC)、スチレンアクリロニトリル混合(SAN)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、フェノール、エポキシ(EP)、尿素(UF)、メラニン(MF)、不飽和ポリエステル(UP)、シリコン(SI)およびシクロオレフィンポリマーを単独または混合して使うことができ、一例としてPENであり得る。
【0030】
また、前記多数個のポリマー分散体120は一方向に長いロッド型または繊維型のような形状を有することができる。これに伴い、多数個のポリマー分散体120は分散体120の長手方向主軸と前記主軸に垂直となる横断面の横軸長さ間比率である縦横比が10超過、他の一例として100超過、1,000超過、10,000超過、100,000超過であり得る。前記横軸の長さは前記断面の形状が円である場合、円の直径を意味し、断面が円でない場合、周りをつなぐ二つの線分のうち長さが最も大きい線分の長さを意味する。また、図5aに図示されたように、コア層100のy-z平面である切断面を基準としたポリマー分散体120の断面で短軸長さbに対する長軸長さaの比率(a/b)の断面縦横比も1を超過、他の一例として2を超過することができる。ここで短軸長さbとは、長軸を垂直二等分する軸を短軸とする時、前記短軸の長さを意味する。また、前記断面縦横比は10以下であり得るが、万一、断面縦横比が10を超過する場合、光散乱、Haze上昇などで光の直進性が低下することにより輝度が低下する恐れがある。
【0031】
また、前記多数個のポリマー分散体120は互いに垂直な三個のx軸、y軸およびz軸のうちx軸方向が長手方向となるように前記マトリクス110内に配列される。ただし、ここでx軸方向が長手方向となるように配列されるとは、図2に概略的に図示したように、すべてのポリマー分散体120の長手方向がx軸と平行するように配列されることを意味しはせず、ポリマー分散体120の長手方向となる主軸の方向がy軸、z軸よりx軸方向に近いことを意味する。
【0032】
これについて図4を参照して具体的に説明すると、コア層100のx-z平面で第1ポリマー分散体123は長手方向がx軸方向と平行するように配列されるが、第2ポリマー分散体121および第3ポリマー分散体122は長手方向がz軸方向に所定の角度傾いて配列され得る。また、図4に図示してはいないが、ポリマー分散体はy軸方向にも所定の角度傾いて配列され得ることを明らかにしておく。ただし、ここで所定の角度は、一例として(±)45°未満、(±)35°未満、(±)25°未満、(±)15°未満、(±)10°未満、(±)5°未満、(±)3°未満、(±)1°未満であり得る。
【0033】
また、多数個のポリマー分散体120はy軸およびz軸方向を基準としてはランダムに配列される。すなわち、コア層100のy軸およびz軸方向断面で多数個のポリマー分散体120は、ポリマー分散体の断面の大きさ、形にかかわらず位置がランダムに配列される。
【0034】
また、本発明に係る反射偏光フィルム1000は、前記コア層100をy-z平面で切断した面をz軸方向に厚さが互いに同一であるように5個の領域(A、B、C、D、E)に区画した時、前記5個の領域のうち最上部領域Aまたは最下部領域Eに位置するポリマー分散体121の面積百分率と中央部領域内ポリマー分散体の面積百分率の差が10%以下であり、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下であり得る。
【0035】
本発明の発明者は、ポリマー分散型反射偏光子が光学的等方性層と光学的異方性層が交互に積層された多層型反射偏光子に比べて輝度特性が劣る理由について持続的に研究している間に、具現されたポリマー分散型反射偏光子のy-z平面でz軸方向の位置によってポリマー分散体の大きさが均一でなく、特に、前記y-z平面でz軸方向を基準として中央部に位置するポリマー分散体がy-z平面でのz軸方向を基準としてサイド部分に位置するポリマー分散体より厚さが薄く相対的に幅はより大きい反面、隣接するポリマー分散体間の間隔も狭く具現されたことを発見したし、このようにy-z平面でのz軸方向を基準として、位置によってポリマー分散体間モルフォロジーの差、分散体間の間隔の差が輝度、偏光度特性に影響を及ぼすであろうと着眼して研究に邁進した結果、コア層のz軸方向の領域別に最上部領域Aまたは最下部領域E内ポリマー分散体121の面積百分率と中央部領域C内ポリマー分散体122の面積百分率の差が10%以下を満足するように具現した時に、従来に比べて輝度および偏光度が大きく改善したことが分かり、本発明に至ることになった。
【0036】
具体的には、コア層100のy-z平面でz軸方向を基準として位置によってポリマー分散体間モルフォロジーの差、分散体間の間隔の差が発生した理由は多様な因子が関与し得るが、一例として製造工程で溶融したポリマー分散体形成成分とマトリクス形成成分が共に押し出された後、冷却される過程で厚さ方向に表面部に該当する最上部領域Aおよび/または最下部領域Eと中央部領域C間の冷却速度、冷却方法などの差によって中央部領域C内に分布するポリマー分散体のモルフォロジー、分散体間の間隔が最上部領域Aおよび/または最下部領域E内のポリマー分散体と比べて大きく変わることを発見した。特に図6に図示されたように、押出直後にz軸方向の位置に関係なくポリマー分散体形成成分の分散状態が良好であっても(図6(a)参照)、中央部領域Cの冷却が正しくなされないため固化速度が遅い場合、隣接するポリマー分散体形成成分間の結合が発生し(図6(b)参照)、さらにひどい場合、結合されて一つの大きな塊りを形成したポリマー分散体形成成分がx-y平面に平行な方向に広がりながら固化されることによって、表面部である最上部領域Aおよび/または最下部領域Eに位置するポリマー分散体121の厚さよりかえって薄くて広く広がった形状のポリマー分散体が形成されることを発見した。また、ポリマー分散体形成成分の固化が遅くなる場合、ポリマー分散体形成成分とマトリクス形成成分間の界面で発生する化学反応によってマトリクス形成成分が第3の物質に変わることになることによって、完全なマトリクスの比率が小さくなることが分かるようになった。このように中央部の冷却が正しくなされない場合、コア層断面の中央部にはポリマー分散体形成成分間の結合とマトリクス形成成分が第3の物質に変わることになることによってマトリクス重量比率が小さくなり、その結果、断面でポリマー分散体とマトリクスの面積の総和に対するポリマー分散体の面積比率が大きくなり、ポリマー分散体が横に薄くて広く広がった形状を有することになり得る(図6(c)参照)。
【0037】
つまり、押出後、厚さ方向の中央部の適切でない冷却は、前記のような中央部に分布するポリマー分散体およびマトリクスの構造的、化学的変形を誘発する一つの原因となり得、構造的、化学的変形を誘発する因子を制御して反射偏光フィルムを具現時、コア層のz軸方向領域別に最上部領域Aまたは最下部領域Eに位置するポリマー分散体121の面積百分率と中央部領域C内位置するポリマー分散体122間の面積百分率の差を10%以下に具現することができ、このような反射偏光フィルムは輝度および偏光度特性で優秀な効果を発現することができる。領域間ポリマー分散体の面積百分率の差が10%を超過するとは、換言すると、領域内マトリクス物質が第3の物質に変性され、第3の物質がポリマー分散体であるものと識別されてポリマー分散体の面積に足された結果であるかおよび/またはポリマー分散体間の合体が発生した程度や頻度が大きい場合であり得、物性的に反射偏光フィルムの輝度および偏光度特性が顕著に低下し得る。
【0038】
ここで特定領域内に位置するポリマー分散体の面積百分率とは、特定領域内マトリクスおよびポリマー分散体全体面積に対するポリマー分散体面積の百分率であり、特定領域内マトリクスおよびポリマー分散体全体面積とポリマー分散体面積は特定領域に対して撮影されたSEM写真をインターネット上でオープンされたプログラムであるImage-J(イメージジェイ)を利用してポリマー分散体の面積百分率を計算した結果である。この時、イメージジェイプログラムでポリマー分散体の面積百分率は、撮影されたSEM写真でポリマー分散体とマトリクス境界面が明確となり得るようにコントラスト、倍率などを補正したSEM写真を基準として計算されることを明らかにしておく。
【0039】
また、前記コア層100のy-z断面で中央部領域Cおよび最上部領域Aまたは最下部領域Eそれぞれでマトリクスとポリマー分散体の全体面積のうちポリマー分散体面積の百分率は40~55%、より好ましくは45~50%を満足することができ、これを通じて中央部領域に位置するマトリクス成分とポリマー分散体間の境界面の化学反応によって第3の物質に変性することを防止し、隣接するポリマー分散体間の間隔が狭くないように具現されることによって、目的とする輝度および偏光度特性を達成するのに有利であり得る。万一、マトリクスとポリマー分散体の全体面積のうちポリマー分散体面積の百分率は40%未満であるか55%を超過時、輝度および偏光度特性のうちいずれか一つまたはこれら特性すべてが顕著に低下する恐れがある。特に、ポリマー分散体面積の百分率が55%を超過するとは、換言すると、ポリマー分散体とマトリクス間の境界面で化学反応によって第3の物質に変性され、第3の物質がポリマー分散体であるものと識別されてポリマー分散体の面積に足された結果であるかおよび/またはポリマー分散体間の合体が発生した場合であり得る。
【0040】
また、本発明の一実施例によると、コア層100のz軸方向領域別に最上部領域Aまたは最下部領域Eに位置するポリマー分散体は平均厚さが100nm以下であり得、より好ましくは最上部領域Aまたは最下部領域Eに位置するポリマー分散体は平均厚さが80nm以下であり得る。また、好ましくは前記平均厚さは30nm以上であり得、より好ましくは50nm以上であり得る。反射偏光フィルム1000の下部を通じて透過する光はマトリクス110と多数個のポリマー分散体120間の界面で反射、透過などの光変調が発生するが、反射、透過する互いに異なる光学経路を有する光間で補強干渉、相殺干渉が発生しながら、一部の光は反射偏光フィルム1000の上部を透過して出射し、他の一部は相殺干渉を通じて消失し、残りは反射偏光フィルム1000の下部面や側面に出射し得る。したがって、反射偏光フィルム1000の下方から入射する光が100%上方に出射することが難しく、これによって偏光度および輝度が低下し得るが、コア層100のz軸方向領域別に最上部領域Aまたは最下部領域Eに位置するポリマー分散体121は平均厚さが100nm以下を満足することにより偏光度および輝度低下を防止するのに有利である。万一、最上部領域Aまたは最下部領域Eに位置するポリマー分散体の平均厚さが100nmを超過する場合、偏光度および輝度のうちいずれか一つ以上の物性が低下する恐れがあり、特に偏光度特性が顕著に低下する恐れがある。ここで、ポリマー分散体の厚さとは、y-z平面であるコア層100の切断面でポリマー分散体の断面をおいてみる時、コア層100の厚さ方向に該当するz軸方向に平行するように前記ポリマー分散体断面の周りをつなぐ線分のうち最も長い線分の長さを意味し、ポリマー分散体平均厚さとは、これらポリマー分散体の厚さに対する平均値を意味する。これを図5bを参照して説明すると、第1ポリマー分散体124の厚さはd1であり、第2ポリマー分散体125の厚さはd2であり、第3ポリマー分散体126の厚さはd3であり、第4ポリマー分散体127の厚さはd4である。
【0041】
また、コア層100内前記中央部領域Cに位置するポリマー分散体122は、平均厚さが好ましくは110nm以下であり得、より好ましくは90nm以下、さらに好ましくは80nm以下であり得る。また、好ましくは厚さが30nm以上、より好ましくは50nm以上であり得、これを通じて目的とする水準に輝度および偏光度特性を達成するのに有利であり得る。
【0042】
一方、コア層100の中央部領域Cの適切な固化は、コア層100の最上部領域Aまたは最下部領域Eと中央部領域にそれぞれ位置するポリマー分散体の厚さ比率を適切に具現させることによって、より上昇した輝度および偏光度特性を発現させるのに有利であり得る。具体的には、最上部領域Aまたは最下部領域Eに含まれたポリマー分散体の平均厚さ(dI)と中央部領域Cに含まれたポリマー分散体の平均厚さ(dII)間の厚さ比(dII/dI)が0.8~1.6、より好ましくは厚さ比(dII/dI)が0.8~1.1を満足することができ、万一、厚さ比(dII/dI)が前述された範囲を満足しない場合、上昇した輝度および偏光度特性を同時に達成するのが困難であり得、具体的にはポリマー分散体の厚さ比(dII/dI)が0.8未満の場合、上昇した輝度特性を達成することが困難であり得、特に偏光度が低下幅が大きくなり得る。また、厚さ比(dII/dI)が1.6を超過する場合にも偏光度および輝度が大きく低下する恐れがある。
【0043】
また、本発明の一実施例によると、図5cに図示されたように、ポリマー分散体120はy-z平面であるコア層100の切断面を基準として幅W1、W2、W3、W4が200nm以下、好ましくは150nm以下であるものが、全体ポリマー分散体の個数のうち一例として50%以上、他の一例として60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、98%以上、99%以上であり得、これを通じてコア層100をz軸方向に透過する透過光の光損失を最小化して輝度低下を防止することができる。ここでポリマー分散体120幅とは、z軸方向にポリマー分散体120を見た時、2次元上に投影された幅W1、W2、W3、W4を意味し、y-z平面であるコア層100の切断面でポリマー分散体の長軸の長さとは区別されることを明らかにしておく。ポリマー分散体120の幅が大きくなりおよび/または幅が大きいポリマー分散体の比率が高くなるほどポリマー分散体120の平均厚さが薄くなるか、隣接するポリマー分散体間の間隔が狭くなる可能性が高く、この場合、偏光度および輝度が顕著に低下する恐れがある。
【0044】
一方、本発明の一実施例に係る反射偏光フィルム1000は図2および図3に図示されたように、コア層100の両面に配置されたスキン層211、212をさらに含むことができる。前記スキン層211、212はコア層100の機械的強度を補完し、外部因子からコア層100を保護する機能を担当する。この時、前記コア層100とスキン層211、212の間には別途の接着層がさらに備えられ得るが、好ましくは前記スキン層211、212は別途の接着層なしにコア層100と共に共押出されて一体に形成されたものであり得る。その結果、接着層による光学物性の低下を防止できるだけでなく、より薄型化された光学フィルムを具現するのに有利である。
【0045】
さらに、従来光学層を延伸した後、未延伸スキン層と後接着される場合とはことなり、本発明の一実施例に含まれたスキン層211、212はコア層100と同時に共押出された後に延伸工程が遂行されるので、少なくとも一つの軸方向に延伸されたものであり得る。これを通じて未延伸されたスキン層に比べて表面硬度が向上して耐スクラッチ性が改善され耐熱性が向上し得る。
【0046】
前記スキン層211、212は反射偏光フィルムの支持機能を遂行するために通常的に使われるスキン層の材質であり得、好ましくはポリエチレンナフタレート(PEN)、コポリエチレンナフタレート(co-PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート(PC)アロイ、ポリスチレン(PS)、耐熱ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリビニルクロライド(PVC)、スチレンアクリロニトリル混合(SAN)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、フェノール、エポキシ(EP)、尿素(UF)、メラニン(MF)、不飽和ポリエステル(UP)、シリコン(SI)およびシクロオレフィンポリマーを単独または混合して使うことができ、より好ましく前述したマトリクス110の成分と同じ材質を使うことができる。
【0047】
前述した反射偏光フィルム1000でコア層100の厚さは20~150μm、より好ましくは50~120μmであり得、スキン層211、212の厚さは50~500μmであり得るがこれに制限されない。また、前記コア層100をy-z平面で切断した面でポリマー分散体120の個数は、横、縦5μm×5μmの単位領域内100~3,000個であり得るがこれに制限されるものではない。
【0048】
また、前記反射偏光フィルム1000はヘイズが30%以下であり得る。万一、ヘイズが30%を超過すれば輝度が低下する本発明の目的を達成するのが困難であり得る。
【0049】
以下、前述した反射偏光フィルム1000の製造方法について説明する。本発明の一実施例に係る反射偏光フィルム1000は、マトリクス成分とポリマー分散体成分を押出部に供給する段階、マトリクス内部に含まれたポリマー分散体成分がランダムに配列され得るようにフロー制御部で広がりを誘導する段階、冷却および平滑化させる段階、冷却および平滑化されたフィルムを延伸する段階、および前記延伸されたフィルムを熱固定する段階を経て製造され得る。
【0050】
まず、(1)段階として、マトリクス成分とポリマー分散体成分を押出部に供給する段階を遂行できる。これらそれぞれの成分はまず混合された後、単一の押出部に供給されるかそれぞれの成分が個別的に独立した押出部に供給され得、この場合押出部は2個以上で構成され得る。ただし、好ましくはこれらそれぞれの成分が押出部に供給される前に十分な撹拌を通じて混合された後単一の押出部に供給され得、これを通じてコア層100内前述した最上部領域または最下部領域に位置するポリマー分散体の厚さを本発明が目的とする水準に均一に具現するのに有利であり得る。この時、前記押出部はエクストルーダであり得、これは固体相の供給されたポリマー成分を液相に転換させ得るように加熱手段などをさらに含むことができる。
【0051】
一方、マトリクス成分の内部にポリマー分散体成分が配列されるためには、マトリクス成分とポリマー分散体成分間の流れ性の差が存在することが好ましく、このために両成分間の粘度を差があるように設計し、好ましくはマトリクス成分の流れ性がポリマー分散体成分より良いように設計した方が良い。マトリクス成分とポリマー分散体成分はミキシングゾーンとメッシュフィルタゾーンを通過しながらマトリクス成分内にポリマー分散体成分が、粘性の差を通じてランダムに配列され得る。
【0052】
前述したポリマー分散体の厚さの大きさ調節と均一分散性は一次的に(1)段階の工程調節を通じてなされ得、具体的には押出部にそれぞれの成分が投入される前に十分な撹拌を通じて両成分が混合された状態で押出部に投入するかどうかや押出時の吐出量、せん断応力に関与する押出機の回転数、押出機の種類(シングル、同軸ツインなど)の変更を通じてポリマー分散体の厚さの大きさや分散性を調節するのに有利であり得る。
【0053】
一方、スキン層は別途の押出機を通じて上層と下層を構成するものの、それぞれの押出機を使うことができ、一個の押出機を使う場合は、流路を通じてコア層Mを中央として上層Sと下層Sを構成してS/M/Sの3層構造を形成することができ、溶融状態で形成された3層構造がT-DIEを通じて吐出して冷却ロールで固化されて別途の接着剤なしにスキン層を形成させることができ、スキン層の材質は同一または異なり得るが、マトリクスで使われた素材と同一のものが好ましく、スキン層の厚さは光学的特性を最大化できるように設計されることが好ましい。
【0054】
次に、本発明の(2)段階として、マトリクス内部に位置したポリマー分散体成分がランダムに配列され得るようにフロー制御部で広がりを誘導することができる。前記フロー制御部は公知のフロー制御部を利用でき、一例としてコートハンガーダイを利用することができる。前記(2)段階のフロー制御部を通じての広がりの誘導を通じてポリマー分散体の厚さや分散性を2次的にさらに調節することが可能である。
【0055】
次に、本発明の(3)段階として、冷却および平滑化する段階を遂行できる。フロー制御部で移送されたフィルムを冷却および平滑化する段階であって、通常の反射偏光フィルムの製造に利用される条件で冷却して固形化し、以後平滑化段階を採用および変形して遂行でき、一例としてキャスティングロールで冷却および平滑化工程を遂行できる。好ましくは、フロー制御部を経て移送されたフィルムの一面を主冷却ロールに接触するようにして冷却させるものの、この時、主冷却ロール温度を40℃以下、より好ましくは35℃以下、他の一例として20℃以下にして冷却させることができる。万一、主冷却ロールの温度が40℃を超過した時、コア層100のz軸方向に5個に等分割された領域のうち前述した中央部領域でマトリクス成分内に溶融した状態で分散されたポリマー分散体形成成分間の結合が発生しやすく、これによって固化したポリマー分散体の厚さが厚くなるか、または結合された塊りのポリマー分散体が左右方向に広がってかえって厚さが薄くなり得、これに加え、ポリマー分散体とマトリクス界面で化学反応で第3の物質に変性されたマトリクス比率が増加してポリマー分散体の面積百分率が大きく増加し得る。また、より好ましくは冷却ロールに接触しない反対面を補助冷却手段を通じて共に冷却させた方が良く、前記補助冷却手段は一例として冷却エアーであり得、さらに好ましくは前記冷却エアーの温度は30℃以下、より好ましくは20℃以下であり得る。
【0056】
次に、本発明の(4)段階として、冷却されたフィルムを平滑化および延伸する段階を遂行できる。延伸時に厚さの偏差による破断などの問題が発生しないように平滑化工程を遂行したフィルムに対して通常の反射偏光フィルムに適用する延伸工程が採用および変形して遂行され得、これを通じてマトリクス成分とポリマー分散体成分間の屈折率差を誘発させて界面で光変調現象を誘発することができる。前記延伸は1軸延伸または2軸延伸を遂行でき、より好ましくは1軸延伸を遂行できる。1軸延伸の場合、延伸方向は、一例としてx軸方向であり得る。また、延伸比は3~12倍であり得る。
【0057】
次に、本発明の(5)段階として、前記延伸されたフィルムを熱固定する段階を遂行できる。前記熱固定は常法を通じて熱固定され得、好ましくは180~200℃で0.1~3分の間IRヒーターを通じて遂行され得る。
【0058】
一方、前述した反射偏光フィルム1000は少なくとも一面に構造化された表面層をさらに具備することができる。前記構造化された表面層は反射偏光フィルム1000を通じて入射したり出射する光の方向を制御する機能を遂行する。前記構造化された表面層は光の方向を制御する機能を有するものとして知られている構造化された表面を有する公知の構成である場合に制限なく採用することができ、一例として、断面がレンチキュラー、マイクロレンズ、プリズムの形状であるかこれらが適切に変形された形状であり得る。または前記構造化された表面がバインダー樹脂内に備えられた拡散粒子の突出によって生成された不規則的な凹凸であってもよい。一方、拡散粒子を含む場合、拡散粒子を通じて光の方向を制御できるので拡散粒子の突出による凹凸が必ずしも伴わなければならないものではない。
【0059】
前記構造化された表面層は、反射偏光フィルム1000でスキン層211、212を経由して反射偏光フィルム1000の上部および/または下部に備えられたりスキン層211、212が省略されたコア層100の上部および/または下部に備えられ得、この時、別途の接着層を介在して一体化されたり接着層なしに一体化され得る。
【0060】
以上で詳述した本発明に係る物性を満足する反射偏光フィルムは、光源アセンブリやこれを含む液晶表示装置などに採用されて光効率を増進させるのに使われ得る。光源アセンブリはランプが下部に位置する直下型光源アセンブリ、ランプがサイドに位置するエッジ型光源アセンブリ等に分類されるが、本発明の具現例に係る反射偏光フィルムはいかなる種類の光源アセンブリにも採用可能である。また、液晶パネルの下側に配置されるバックライト(back light)アセンブリや液晶パネルの上側に配置されるフロントライト(front light)アセンブリにも適用可能である。以下では、多様な適用例の一例として、反射偏光フィルムがエッジ型光源アセンブリを含む液晶表示装置に適用された場合を例示する。
【0061】
図7は本発明の好ましい一具現例に係る液晶表示装置の断面図であって、液晶表示装置2700はバックライトユニット2400、および液晶パネルアセンブリ2500を含む。
【0062】
バックライトユニット2400は出射した光の光学的特性を変調する反射偏光フィルム2111を含み、この時、前記バックライトユニットに含まれる公知のその他の構成の機能、種類および前記その他の構成と反射偏光フィルム2111の位置関係は目的に応じて変わり得るため本発明で特に限定しない。
【0063】
ただし、本発明の好ましい一具現例によると、図7のように光源2410、光源2410から出射した光をガイドする導光板2415、導光板2415の下側に配置された反射フィルム2320、および導光板2415の上側に配置される反射偏光フィルム2111で構成および配置され得る。
【0064】
この時、光源2410は導光板2415の両サイドに配置される。光源2410は例えばLED(Light Eimitting Diode)、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)、HCFL(Hot Cathode Fluorescent Lamp)、EEFL(External Electrode Fluorescent Lamp)等が使われ得る。他の実施例で、光源2410は導光板2415の一側にのみ配置されてもよい。
【0065】
導光板2415は光源2410から出射した光を内部全反射を通じて移動させてから、導光板2415の下面に形成された散乱パターン等を通じて上側に出射させる。導光板2415の下には反射フィルム2420が配置され、導光板2415から下へ出射した光を上部に反射する。
【0066】
導光板2415の上部には反射偏光フィルム2111が配置される。反射偏光フィルム2111については前記にて詳細に説明したので、重複説明は省略する。反射偏光フィルム2111の上または下には他の光学シートがさらに配置されてもよい。例えば、光を集光したり光を拡散させるなど、光の方向を制御できる光学フィルムや光の位相を変更させる位相差フィルムおよび/または保護フィルムをさらに設置することができる。この時、前記光の方向を制御する光学フィルムは反射偏光フィルムが前述したように、構造化された表面層を別途に具備していない場合に有効であろう。
【0067】
また、光源2410、導光板2415、反射フィルム2420および反射偏光フィルム2111はボトムサッシ2440により収納され得る。
【0068】
液晶パネルアセンブリ2500は第1表示板2511、第2表示板2512およびその間に介在された液晶層(図示されず)を含み、第1表示板2511および第2表示板2512の表面にそれぞれ付着された偏光板(図示されず)をさらに含むことができる。
【0069】
液晶表示装置2700は液晶パネルアセンブリ2500の縁を覆い、液晶パネルアセンブリ2500およびバックライトユニット2400の側面を囲むトップサッシ2600をさらに含むことができる。
【0070】
一方、具体的には、図8は本発明の好ましい一具現例に係る反射偏光フィルムを採用した液晶表示装置の一例であって、フレーム3270上に反射板3280が挿入され、前記反射板3280の上面に冷陰極蛍光ランプ3290が位置する。前記冷陰極蛍光ランプ3290の上面に光学フィルム3320が位置し、前記光学フィルム3320は拡散板3321、反射偏光フィルム3322および吸収偏光フィルム3323の順で積層され得るが、前記光学フィルムに含まれる構成および各構成間の積層順は目的により変わり得、一部の構成要素が省略されたり複数個で備えられ得、前記に列挙されていない光を制御する他の種類の光学フィルムがさらに備えられ得る。一方、前記光学フィルム3320の上面に液晶表示パネル3310がモールドフレーム3300に差し込まれて位置することができる。
【0071】
光の経路を中心に詳察すると、冷陰極蛍光ランプ3290から照射された光が光学フィルム3320中の拡散板3321に到達する。前記拡散板3321を通じて伝達された光は、光の進行方向を光学フィルム3320に対して垂直に進行させるために反射偏光フィルム3322を通過することになって光変調が発生することになる。具体的には、P偏光は反射偏光子を損失なしに透過するが、S偏光の場合、光変調(反射、散乱、屈折など)が発生して再び冷陰極蛍光ランプ3290の裏面である反射板3280により反射され、その光の性質がP偏光またはS偏光にランダムに変わった後、再び反射偏光フィルム3322を通過することになるのである。その後、吸収偏光フィルム3323を通った後、液晶表示パネル3310に到達することになる。一方、前記冷陰極蛍光ランプ3290はLEDなどの他の光デバイスで代替され得る。
【0072】
一方、本発明では反射偏光フィルムの用途を液晶ディスプレイを中心に説明したが、これに限定されるものではなく、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、電界放出ディスプレイおよび電界発光ディスプレイなどの平板ディスプレイ技術に広く使われ得、これに限定されず、ガラス窓、偏光を要求する作業照明などに広く応用され得る。
【発明の実施のための形態】
【0073】
下記の実施例を通じて本発明をさらに具体的に説明することにするが、下記の実施例は本発明の範囲を制限するものではなく、これは本発明の理解を助けるためのものと解釈されるべきである。
【0074】
<実施例1>
【0075】
まず、シングル圧縮機を利用して分散体成分、マトリクス成分およびスキン層成分を押出させた。具体的には、分散体成分として屈折率が1.65であるポリエチレンナフタレート(PEN)とマトリクス成分として屈折率が1.58であるポリカーボネートアロイ(テレフタレートとエチレングリコールとシクロヘキサンジメチロール1:2モル比で重合反応したポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(poly cyclohexylene dimethylene terephthalate、PCTG)を38重量%、ポリカーボネート60重量%およびリン酸塩が含まれた熱安定剤2重量%含む)を一次分散させて第1押出部に投入し、スキン層成分としてマトリクス成分と同じ成分を含んだ原料を第2押出部に投入するものの、第2押出部は流路器を使ってスキン層が同じ厚さでマトリクス上部および下部を覆うように製造した。
【0076】
マトリクス成分と分散体成分の押出温度は245℃にし、Cap.Rheometer確認して両成分のI.V.差が0.013となるようにポリマーの流れを補正し、Filteration Mixerが適用された流路を通過してマトリクス成分の内部に分散体成分がランダムに分散されるように誘導し、以後マトリクス成分の両面にスキン層成分を合紙した。以後、流速および圧力勾配を補正するコートハンガーダイで広がりを誘導した。
【0077】
具体的には、ダイの入口の幅は200mm、厚さは10mmであり、ダイ出口の幅は1,260mm、厚さは0.80mmであり、流速は1.0m/minであった。その後、20℃で分散体の変形が起きないように主冷却を制御し、冷却ロールと接触しない反対面の冷却効果を与えるためにAir-blowerを通じて18℃の冷却エアーを供給し、キャスティングロールで延伸時に厚さの偏差による破断などの問題がないように平滑化工程を遂行してMD方向に6倍延伸した。
【0078】
引き続き、180℃で2分の間ヒーターチャンバを通じて熱固定を遂行してマトリクスの厚さがスキン層を合わせて25μmを越えないようにし、コア層を含んだ総厚さは125μmを越えないようにして、図2のような断面構造を有するポリマー分散体がマトリクス内部にランダムに分散されたコア層を有する下記の表1のような反射偏光フィルムを製造した。
この時、製造された反射偏光フィルムで分散体成分の屈折率は(nx:1.88、ny:1.58、nz:1.58)であり、マトリクス成分の屈折率は1.58であった。
【0079】
<実施例2>
【0080】
実施例1と同一に実施して製造するものの、シングル押出機内で均一分散されたマトリクス形成成分とポリマー分散体成分をT-DIE押出後、主冷却ロールの温度を38℃に変更してAir-blowerを使わない状態で反射偏光フィルムを製造した。
【0081】
<実施例3>
【0082】
実施例1と同一に実施して製造するものの、せん断応力が高いCo-rotationツイン(同軸ツイン)押出機に変更して反射偏光フィルムを製造した。
【0083】
<実施例4>
【0084】
実施例1と同一に実施して製造するものの、せん断応力を低くするためにシングル押出機のスクリュー回転数を30%低くして押出し、T-DIE押出後冷却時に主冷却ロールの温度を34℃に変更およびAir-blowerを使っていない状態で反射偏光フィルムを製造した。
【0085】
<実施例5>
【0086】
実施例3と同一に実施して製造するものの、せん断応力を高めるためにスクリュー回転数を実施例3より1.5倍高くして押出し、T-DIE押出後冷却時に主冷却ロールの温度を16℃にして反射偏光フィルムを製造した。
【0087】
<実施例6>
【0088】
実施例4と同一に実施して製造するものの、主冷却ロール温度を20℃に変更およびAir-blowerを使って反射偏光フィルムを製造した。
【0089】
<実施例7>
【0090】
実施例1と同一に実施して製造するものの、全体厚さは同一にしつつ、コア層の厚さを120μmとなるように変更し、冷却時に主冷却ロール温度を15℃に変更して反射偏光フィルムを製造した。
【0091】
<比較例1>
【0092】
実施例1と同一に実施して製造するものの、押出機内で均一分散させたポリマーがT-DIE押出後冷却時に主冷却ロールの温度を82℃にし、Air-blowerを使っていない状態で反射偏光フィルムを製造した。
【0093】
<比較例2>
【0094】
実施例1と同一に実施して製造するものの、押出機内で均一分散させたポリマーがT-DIE押出後冷却時に主冷却ロールの温度を100℃にし、Air-blowerを使っていない状態で反射偏光フィルムを製造した。
【0095】
<実験例1>
【0096】
実施例および比較例で製造された反射偏光フィルムに対して下記の物性を測定し、その結果を下記の表1および表2に示した。
【0097】
1.ヘイズ
【0098】
ヘイズおよび透過度測定機(日本電色工業コーポレート(Nippon Denshoku Kogyo Co.)製品)分析設備を利用してヘイズを測定した。
【0099】
2.ポリマー分散体の厚さ
【0100】
実施例の光学フィルムの伸長方向をx軸とし、厚さ方向をz軸とする時、y-z平面が切断された面となるように垂直に切断した後、切断された面に対してSEM写真を撮影した。この時、コア層の厚さ方向に等間隔で区画した5個の領域それぞれに対してSEM写真を撮影したし、5個の領域のうち両側のサイドに該当する最上部領域Aの領域Iと中央部領域Cの領域II内に位置するポリマー分散体の厚さを測定し、具体的には、撮影されたSEM写真ごとに5μm×5μm領域内に位置するポリマー分散体の厚さとポリマー分散体間の間隔を測定してこれに対する平均値を計算して示した。一方、ポリマー分散体間の間隔tはz軸方向でポリマー分散体を2次元で投射時に幅が50%以上重複する隣接するポリマー分散体間最短距離を意味し、例えば図7aの場合、ポリマー分散体A(218)とポリマー分散体B(218’)は隣接するポリマー分散体に該当し、ポリマー分散体C(218’’)はポリマー分散体A(218)とポリマー分散体B(218’)いずれに投射しても幅が50%以上重複しないところ、隣接するポリマー分散体に該当せず、これら3個のポリマーを基準としてポリマー分散体間の間隔を計算時、除外される。また、図7bの場合、ポリマー分散体間の間隔は隣接するポリマー分散体D(219)とポリマー分散体E(219’)間で計算される。
【0101】
3.ポリマー分散体の面積百分率
【0102】
領域別に撮影されたSEM写真でポリマー分散体とマトリクス境界が明確となるように、コントラスト、倍率などを補正したSEM写真を基準としてインターネット上でオープンされたプログラムであるImage-J(イメージジェイ)を利用してポリマー分散体の面積百分率を計算した。
【0103】
4.相対輝度
【0104】
反射偏光フィルムの輝度を測定するために下記のように遂行した。反射フィルム、導光板、拡散板、反射偏光フィルムおよび吸収型偏光フィルムが順次備えられた32”エッジ型バックライトユニットの上にパネルを組み立てた試験用ディスプレイを製造した後、トプコン社のBM-7測定機を利用してパネル上の9個の地点の輝度を測定して平均値を計算し、実施例1の輝度を100として残りの実施例および比較例の輝度を相対的に示した。
【0105】
5.偏光度
【0106】
OTSKA社のRETS-100分析設備を利用してλ=550nm、λ=650nmで偏光度を測定した。
【0107】
【表1】
【0108】
【表2】
【0109】
表1、2および図6a~図6cを通じて確認できるように、
【0110】
実施例に係る反射偏光フィルムが比較例に係る反射偏光フィルムと比べて偏光度および輝度が優秀であることを確認することができる。
【0111】
具体的には、実施例1と実施例2と比べて比較例1および比較例2は偏光度と輝度が顕著に減少したが、これはコア層中央部の冷却が正しくなされないことによってコア層断面の中央部領域に位置するポリマー分散体形成成分の間に結合が発生し、ポリマー分散体に隣接して配置されたマトリクス形成成分が第3の物質に変わることになってポリマー分散体とマトリクス界面が正しく形成されないマトリクス破壊に起因したものと予想されたし、領域IIおよび領域Iのポリマー分散体の面積百分率の差(%)(絶対値)の値が比較例の場合、10%を超過する結果で反映されたことが分かる。
【0112】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明の思想は本明細書に提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同じ思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施例を容易に提案できるであろうが、これもまた本発明の思想範囲内に入ると言える。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9
【国際調査報告】