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特表2024-539616バッテリーパック、及びこれを含む自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】バッテリーパック、及びこれを含む自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20241022BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20241022BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20241022BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20241022BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20241022BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20241022BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20241022BHJP
   H01M 50/383 20210101ALI20241022BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241022BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/647
H01M10/625
H01M50/342 201
H01M50/35 201
H01M50/383
H01M50/249
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521863
(86)(22)【出願日】2023-07-10
(85)【翻訳文提出日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 KR2023009792
(87)【国際公開番号】W WO2024053839
(87)【国際公開日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0112577
(32)【優先日】2022-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ソン-ウォン・ソ
(72)【発明者】
【氏名】イン-ジェ・イ
(72)【発明者】
【氏名】セ-ユン・チュン
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド・ラシド
(72)【発明者】
【氏名】スン-テ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター・タンネンベルガー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ワッサーマン
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・ハラストージ
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012BB08
5H012FF08
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT04
5H040AY04
5H040AY08
5H040NN03
(57)【要約】
熱イベントが発生した場合でも構造的安定性を確保できるように構成されたバッテリーパック、及びこれを含む自動車が提供される。本発明の一態様によるバッテリーパックは、バッテリーセルと、前記バッテリーセルをセル収容部内に収容し、側面及び下部にそれぞれ前記セル収容部と連通する第1経路及び2つの層で構成された第2経路を含むベント経路を備えたパックハウジングと、前記パックハウジングの下部に備えられ、前記バッテリーセルから排出されて前記第2経路内に流入したベントガス又は火炎を冷却するように構成された冷却モジュールと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセルと、
前記バッテリーセルをセル収容部内に収容し、側面及び下部にそれぞれ前記セル収容部と連通する第1経路及び2つの層で構成された第2経路を含むベント経路を備えたパックハウジングと、
前記パックハウジングの下部に備えられ、前記バッテリーセルから排出されて前記第2経路内に流入されたベントガス又は火炎を冷却するように構成された冷却モジュールと、を含むことを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項2】
前記パックハウジングは、
前記パックハウジングの側面を構成し、流通孔を介して前記セル収容部と連通する前記第1経路を備えたサイドフレームと、
前記サイドフレームに連結され、前記パックハウジングの下部を構成し、ベント孔を介して前記セル収容部と連通する前記第2経路を備えたフロアフレームと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記第2経路は、
前記ベント孔を介して前記セル収容部と連通する上部経路と、
前記上部経路の下部に配置され、前記上部経路と連通する下部経路と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記冷却モジュールは、
第1冷却部と、
前記フロアフレーム内で前記上部経路を挟んで前記第1冷却部の反対側に配置された第2冷却部と、を含むことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記下部経路は、
前記冷却モジュールの下部に配置されることを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記バッテリーセルは、
少なくとも一側に前記ベント経路と対向する電極リードを備え、
前記ベント孔は、
前記フロアフレーム上で前記電極リードと対応する部分に形成されたことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記ベント孔の前記パックハウジングの前後方向の長さは、
前記上部経路の前記パックハウジングの前後方向の長さよりも短く構成されたことを特徴とする、請求項6に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記パックハウジングは、
前記ベント孔のうちの一部から前記上部経路の内側方向に折り曲げられて形成された第1ガイド部と、
前記ベント孔のうちの残りの一部から前記下部経路の内側方向に折り曲げられて形成された第2ガイド部と、をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記パックハウジングは、
前記下部経路の一側面又は他側面のうち少なくとも一方に備えられ、前記火炎に含まれた粒子と衝突するように構成された流れ制限部をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記パックハウジングは、
前記第2経路内に備えられ、前記火炎に含まれた粒子をフィルタリングするように構成されたフィルタリング部をさらに含み、
前記フィルタリング部は、
前記上部経路及び前記下部経路内で、前記冷却モジュールを取り囲むように構成されたことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記バッテリーセルは複数備えられ、前記セル収容部は複数備えられ、
前記複数のバッテリーセルは、
前記複数のセル収容部内にそれぞれ収容され、
前記パックハウジングは、
両側が前記サイドフレームに連結され、前記バッテリーセルの前面及び後面に密着して前記複数のセル収容部の間を互いに密閉するように構成された複数の隔壁をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも1つ以上含むことを特徴とする、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年9月6日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0112577号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーパック、及びこれを含む自動車に関し、より詳しくは、熱イベントが発生した場合でも構造的安定性を確保できるように構成されたバッテリーパック、及びこれを含む自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
現在商用化されている二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがある。これらのうちでもリチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんどないため充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという利点から脚光を浴びている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として用いる。また、リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板、正極板と負極板がセパレーターを挟んで配置された電極組立体、及び電極組立体を電解液とともに封止して収納する外装材を備える。
【0005】
一方、リチウム二次電池は、電池ケースの形状によって、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池とに分類される。また、缶型二次電池は、また金属缶の形状によって円筒型電池と角型電池とに分類される。
【0006】
ここで、パウチ型二次電池のパウチは、下部シートと、これを覆う上部シートとに大きく分けられる。このとき、パウチには、正極及び負極とセパレーターが積層巻取されて形成された電極組立体が収納される。また、前記電極組立体を収納した後、上部シートと下部シートの縁部を熱融着などによってシールする。また、各電極から引き出された電極タブが電極リードに結合し、前記電極リードには、シール部と接触した部分に絶縁フィルムを付加することができる。
【0007】
このように、パウチ型二次電池は、様々な形態で構成できる柔軟性を有することができる。また、パウチ型二次電池は、より小さな体積と質量で同じ容量の二次電池を実現できるという利点がある。
【0008】
このような前記リチウム二次電池は、高電圧及び高電流を提供できるように、複数のバッテリーセルをそれ自体又はカートリッジなどに装着した状態で重畳及び積層して密集構造にした後、これを電気的に接続したバッテリーモジュールやバッテリーパックとして用いられている。
【0009】
このようなバッテリーパックの構成において、代表的に重要な問題の1つは安全性である。特に、バッテリーパックに含まれた複数のバッテリーセルのうち、いずれかのバッテリーセルで熱イベントが発生した場合、このようなイベントが他のバッテリー内に伝播(propagation)することを抑制する必要がある。
【0010】
バッテリーセル間の熱伝播が適切に抑制されない場合、これは、バッテリーパックに含まれた他のバッテリーセルの熱イベントにつながり、バッテリーパックの発火や爆発など、より大きな問題を引き起こす可能性がある。さらに、バッテリーパックで発生した発火や爆発は、周辺の人や物に重大な被害を与える可能性がある。よって、このようなバッテリーパックの場合、上述した熱イベントを適切に制御できる構成が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、熱イベントが発生した場合でも構造的安定性を確保できるように構成されたバッテリーパック、及びこれを含む自動車を提供することをその目的とする。
【0012】
ただし、本発明が解決しようとする技術的課題は上述した課題に限定されず、言及されていないまた他の課題は、以下に記載された発明の説明から当業者であれば明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によるバッテリーパックは、バッテリーセルと、前記バッテリーセルをセル収容部内に収容し、側面及び下部にそれぞれ前記セル収容部と連通する第1経路及び2つの層で構成された第2経路を含むベント経路を備えたパックハウジングと、前記パックハウジングの下部に備えられ、前記バッテリーセルから排出されて前記第2経路内に流入したベントガス又は火炎を冷却するように構成された冷却モジュールと、を含む。
【0014】
一実施形態において、前記パックハウジングは、前記パックハウジングの側面を構成し、流通孔を介して前記セル収容部と連通する前記第1経路を備えたサイドフレームと、前記サイドフレームに連結され、前記パックハウジングの下部を構成し、ベント孔を介して前記セル収容部と連通する前記第2経路を備えたフロアフレームと、を含むことができる。
【0015】
一実施形態において、前記第2経路は、前記ベント孔を介して前記セル収容部と連通する上部経路と、前記上部経路の下部に配置され、前記上部経路と連通する下部経路と、を含むことができる。
【0016】
一実施形態において、前記冷却モジュールは、第1冷却部と、前記フロアフレーム内で前記上部経路を挟んで前記第1冷却部の反対側に配置された第2冷却部と、を含むことができる。
【0017】
一実施形態において、前記下部経路は、前記冷却モジュールの下部に配置され得る。
【0018】
一実施形態において、前記バッテリーセルは、少なくとも一側に前記ベント経路と対向する電極リードを備え、前記ベント孔は、前記フロアフレーム上で前記電極リードと対応する部分に形成され得る。
【0019】
一実施形態において、前記ベント孔の前記パックハウジングの前後方向の長さは、前記上部経路の前記パックハウジングの前後方向の長さよりも短く構成され得る。
【0020】
一実施形態において、前記パックハウジングは、前記ベント孔のうちの一部から前記上部経路の内側方向に折り曲げられて形成された第1ガイド部と、前記ベント孔のうちの残りの一部から前記下部経路の内側方向に折り曲げられて形成された第2ガイド部と、をさらに含むことができる。
【0021】
一実施形態において、前記パックハウジングは、前記下部経路の一側面又は他側面のうち少なくとも一方に備えられ、前記火炎に含まれた粒子と衝突するように構成された流れ制限部をさらに含むことができる。
【0022】
一実施形態において、前記パックハウジングは、前記第2経路内に備えられ、前記火炎に含まれた粒子をフィルタリングするように構成されたフィルタリング部をさらに含み、前記フィルタリング部は、前記上部経路及び前記下部経路内で、前記冷却モジュールを取り囲むように構成され得る。
【0023】
一実施形態において、前記バッテリーセルは複数備えられ、前記セル収容部は複数備えられ、前記複数のバッテリーセルは、前記複数のセル収容部内にそれぞれ収容され、前記パックハウジングは、両側が前記サイドフレームに連結され、前記バッテリーセルの前面及び後面に密着して前記複数のセル収容部の間を互いに密閉するように構成された複数の隔壁をさらに含むことができる。
【0024】
また、本発明の他の態様による自動車は、上述のような本発明の一態様によるバッテリーパックを少なくとも1つ以上含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明のこのような実施形態によると、ベントガス及び/又は火炎の流れを一定の方向に誘導することができる。これによって、バッテリーセル間における熱暴走や火炎の伝播を防止して、複数のバッテリーセルの同時発火を最小化又は防止することができる。
【0026】
また、本発明のこのような実施形態によると、ベント経路をパックハウジングの側面及び下部にそれぞれ構成することで、直進性の強いベントガス及び/又は火炎の流れを一次的にパックハウジングの側面に誘導し、残りのベントガス及び/又は火炎の流れをパックハウジングの下部側に誘導して冷却することができる。これによって、高温のベントガス及び/又は火炎がパックハウジングの外部に急激に排出されることを最小化又は防止することができる。
【0027】
また、本発明のこのような実施形態によると、ベント経路の第2経路が2つの層で構成されるため、ベントガス及び/又は火炎の流れをより弱めるとともに、ベントガス及び/又は火炎の冷却効果を最大化することができる。
【0028】
また、本発明のこのような実施形態によると、パックハウジングの下部でベントガス及び/又は火炎を冷却できるため、バッテリーパックの上部側に位置する運転席側にベントガス及び/又は火炎が向かうことを最小化又は防止することができる。
【0029】
その他にも、本発明の種々の実施形態によって、他の様々な追加の効果を達成することができる。このような本発明の様々な効果については各実施形態で詳しく説明するか、当業者が容易に理解できる効果についてはその説明を省略する。
【0030】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを示す図。
図2図1のバッテリーパックの詳細構造を説明するための図。
図3図1のバッテリーパックの分解斜視図。
図4図1のバッテリーパックに備えられたバッテリーセルを示す図。
図5図1のバッテリーパックに備えられたパックハウジングの一部を示す図。
図6図1のバッテリーパックのA-A’方向の断面図。
図7図1のバッテリーパックのB-B’方向の断面図。
図8】本発明の一実施形態によるバッテリーパックにおいて、バッテリーセルの熱暴走時にベントガス又は火炎が排出される状態を示す図。
図9】本発明の一実施形態によるバッテリーパックにおいて、バッテリーセルの熱暴走時にベントガス又は火炎が排出される状態を示す図。
図10】本発明の第2実施形態によるバッテリーパックを示す図。
図11】本発明の第2実施形態によるバッテリーパックを示す図。
図12】本発明の第3実施形態によるバッテリーパックを示す図。
図13】本発明の第4実施形態によるバッテリーパックを示す図。
図14】本発明の第4実施形態によるバッテリーパックを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使用される用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されるものである。
【0033】
したがって、本明細書に記載された実施形態に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10を示す図であり、図2は、図1のバッテリーパック10の詳細構造を説明するための図であり、図3は、図1のバッテリーパック10の分解斜視図であり、図4は、図1のバッテリーパック10に備えられたバッテリーセル100を示す図である。
【0035】
本発明の実施形態において、図面に示されたX軸方向は、後述するバッテリーパック10の前後方向、Y軸方向は、X軸方向と水平面(XY平面)上で垂直なバッテリーパック10の左右方向、Z軸方向はX軸方向及びY軸方向の両方にに対して垂直な上下方向を意味し得る。
【0036】
図1から図4を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10は、バッテリーセル100及びパックハウジング200を含むことができる。
【0037】
前記バッテリーセル100は二次電池を意味し得る。このようなバッテリーセル100は、パウチ型電池セル、円筒型電池セル又は角型電池セルとして設けられ得る。一例として、バッテリーセル100はパウチ型電池セルであり得る。また、バッテリーセル100の少なくとも一側(Y軸方向)には、電極リード110を備えることができる。
【0038】
一方、前記バッテリーセル100は、2つ以上備えられてセルアセンブリCを構成することもできる。このとき、バッテリーセル100は、一方向(例:X軸方向)に積層されてセルアセンブリCを構成することができる。
【0039】
前記パックハウジング200は、バッテリーセル100を内部に収容するように構成され得る。このためにパックハウジング200には、セル収容部Sを形成することができる。前記セル収容部Sは空の空間として、少なくとも1つのバッテリーセル100を内部に収容可能な形状に備えられ得る。具体的に、セル収容部Sは、後述する隔壁Wによりバッテリーセル100を内部に収容可能な形状に備えられ得る。一方、パックハウジング200は、耐熱性及び剛性の強い材料を含むことができる。
【0040】
具体的に、パックハウジング200は、サイドフレーム210、フロアフレーム220及び上部カバー230を含むことができる。
【0041】
前記サイドフレーム210は、パックハウジング200の側面を構成することができる。一例として、サイドフレーム210は、パックハウジング200の前後方向(X軸方向)における側面、及びパックハウジング200の左右方向(Y軸方向)における側面を構成することができる。
【0042】
前記フロアフレーム220は、パックハウジング200の下部を構成し、サイドフレーム210の下部に連結され得る。
【0043】
前記上部カバー230は、サイドフレーム210の上部に結合し、パックハウジング200内部に収容されたバッテリーセル100の上側をカバーすることができる。このとき、上部カバー230の下部には熱伝達物質(図示せず)を備えることもできる。
【0044】
図5は、図1のバッテリーパック10に備えられたパックハウジング200の一部を示す図であり、図6は、図1のバッテリーパック10のA-A’方向の断面図(詳しくは、図6図1のバッテリーパック10をA-A’線を基準としてXZ平面に対して断面処理して示す図である)であり、図7は、図1のバッテリーパック10のB-B’方向の断面図(詳しくは、図7は、図1のバッテリーパック10をB-B’線を基準としてYZ平面に対して断面処理して示す図である)である。
【0045】
図5から図7を参照すると、パックハウジング200は、ベント経路Pを備えることができる。
【0046】
前記ベント経路Pは、パックハウジング200の側面及び下部にそれぞれセル収容部Sと連通する第1経路P1及び第2経路P2を含むことができる。すなわち、前記第1経路P1は、サイドフレーム210に構成されてセル収容部Sと連通することができる。
【0047】
また、前記第2経路P2は、フロアフレーム220に構成されてセル収容部Sと連通することができる。このとき、第2経路P2は、フロアフレーム220内で、上下方向に2つの層で構成され得る。
【0048】
また、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10は、冷却モジュール300をさらに含むことができる。
【0049】
前記冷却モジュール300は、パックハウジング200の下部(フロアフレーム220)に備えられ得る。一例として、冷却モジュール300はヒートシンクであり得る。
【0050】
一般のバッテリーパックでは、特定のバッテリーセルで熱暴走現象のようなイベントが発生する場合がある。この場合、特定のバッテリーセルから高温及び高圧のベントガスが発生する場合があり、このようなベントガスが酸素と接触すると、バッテリーパックの内部又は外部で火炎が発生する可能性がある。
【0051】
また、1つのバッテリーセルで発生した火炎は、1つのバッテリーセルと隣接する他のバッテリーセルに伝播する危険性が高く、これによって複数のバッテリーセルの同時発火が発生する可能性がある。
【0052】
本発明のバッテリーパック10は、上述のパックハウジング200のベント経路P及び冷却モジュール300を備えることで、上記の問題を解決することができる。具体的に、ベント経路Pは、ベントガス及び/又は火炎のパックハウジング200の外部への排出をガイドするように構成され得る。すなわち、ベント経路Pは、バッテリーセル100から排出されたベントガス及び/又は火炎がパックハウジング200の外部に排出されるように流動空間を提供することができる。
【0053】
具体的に、第1経路P1は、サイドフレーム210に備えられ、バッテリーセル100の電極リード110とパックハウジング200の左右方向(Y軸方向)に対向するように構成され得る。このように第1経路P1は、電極リード110と対向するように構成され得るため、第1経路P1には、バッテリーセル100の熱暴走時に直進性の強いベントガス及び/又は火炎が一次的に流入し得る。このように第1経路P1を通ってサイドフレーム210の内部に流入したベントガス及び/又は火炎は、サイドフレーム210の内部面に衝突することでその流れが弱くなり得る。一例として、火炎は粒子を含むことができる。前記粒子は、バッテリーセル100から排出された高温の活物質粒子やスパーク(spark)などであり、発火源となり得る。
【0054】
また、冷却モジュール300は、バッテリーセル100から排出され、第2経路P2内に流入したベントガス及び/又は火炎を冷却するように構成され得る。
【0055】
具体的に、フロアフレーム220に備えられた第2経路P2には、バッテリーセル100から排出されたベントガス及び/又は火炎のうち、第1経路P1に流入したベントガス及び/又は火炎を除いた残りのベントガス及び/又は火炎が流入し得る。このように、第2経路P2内に流入したベントガス及び/又は火炎は、冷却モジュール300によって冷却され、第2経路P2内で流動することでその流れが弱くなり得る。
【0056】
このとき、第2経路P2は、上述したように、フロアフレーム220内から上下方向に2つの層で構成され得る。よって、第2経路P2内に流入したベントガス及び/又は火炎は、第2経路P2の第1層から第2層に流動するか、又は第2経路P2の第2層から第1層に流動することでその流れがより弱くなり得る。また、ベントガス及び/又は火炎は、2つの層で流動することで冷却モジュール300との接触時間がより増加し得る。
【0057】
一方、詳しく示されてはいないが、サイドフレーム210は排出口を含むことができる。このような排出口は、第1経路P1と連通してベントガス及び/又は火炎をパックハウジング200の外部に排出できるように構成され得る。また、フロアフレーム220は排出口を含むことができる。このような排出口は、第2経路P2と連通してベントガス及び/又は火炎をパックハウジング200の外部に排出できるように構成され得る。
【0058】
本発明のこのような実施形態によると、ベントガス及び/又は火炎の流れを一定の方向に誘導することができる。これによって、バッテリーセル100間における熱暴走や火炎の伝播を防止することで、複数のバッテリーセル100の同時発火を最小化又は防止することができる。
【0059】
また、本発明のこのような実施形態によると、ベント経路Pをパックハウジング200の側面及び下部にそれぞれ構成することで、直進性の強いベントガス及び/又は火炎の流れを一次的にパックハウジング200の側面に誘導し、残りのベントガス及び/又は火炎の流れをパックハウジング200の下部側に誘導して冷却することができる。これによって、高温のベントガス及び/又は火炎がパックハウジング200の外部に急激に排出されることを最小化又は防止することができる。
【0060】
また、本発明のこのような実施形態によると、ベント経路Pの第2経路P2が2つの層で構成されるため、ベントガス及び/又は火炎の流れをより弱めるとともに、ベントガス及び/又は火炎の冷却効果を最大化することができる。
【0061】
また、本発明のこのような実施形態によると、パックハウジング200の下部でベントガス及び/又は火炎を冷却できるため、バッテリーパック10の上部側に位置する運転席側にベントガス及び/又は火炎が向かうことを最小化又は防止することができる。
【0062】
図3図5から図7を再び参照すると、上述のサイドフレーム210は流通孔212を含むことができる。このとき、第1経路P1は、前記流通孔212を介してセル収容部Sと連通することができる。すなわち、第1経路P1には、バッテリーセル100が収容されたセル収容部Sの両側に対応する流通孔212を通って、ベントガス及び/又は火炎が迅速に流入し得る。
【0063】
また、上述のフロアフレーム220はベント孔222を含むことができる。このとき、第2経路P2は、ベント孔222を介してセル収容部Sと連通することができる。すなわち、第2経路P2には、バッテリーセル100が収容されたセル収容部Sの下部側に対応するベント孔222を通って、ベントガス及び/又は火炎が迅速に流入し得る。このとき、ベントガス及び/又は火炎は、ベント孔222を通って2つの層で構成された第2経路P2内に流入し得る。
【0064】
このような実施形態によると、より安定にベントガス及び/又は火炎の流れをベント経路Pにガイドすることで、複数のバッテリーセル100の同時発火を最小化又は防止することができる。
【0065】
図6及び図7を参照すると、第2経路P2は、上部経路P2a及び下部経路P2bを含むことができる。
【0066】
前記上部経路P2aは、ベント孔222を介してセル収容部Sと連通することができる。
【0067】
前記下部経路P2bは、上部経路P2aの下部に配置され、上部経路P2aと連通することができる。
【0068】
具体的に、上部経路P2aは、パックハウジング200の左右方向(Y軸方向)に沿って延びて構成され得る。また、下部経路P2bは、パックハウジング200の左右方向に沿って延びて構成され得る。すなわち、上部経路P2a及び下部経路P2bは、フロアフレーム220内で上下方向に連通する形態で第2経路P2の上部と下部を構成することができる。
【0069】
これによって、ベント孔222を通って第2経路P2内に流入したベントガス及び/又は火炎は、上部経路P2a内で流動することもでき、上部経路P2aと連通する下部経路P2bに流動して下部経路P2b内で流動することもできる。また、下部経路P2b内で流動するベントガス及び/又は火炎は、上部経路P2aにまた流動して上部経路P2a内で流動することもできる。また、上部経路P2a内におけるベントガス及び/又は火炎の流動方向は、下部経路P2b内におけるベントガス及び/又は火炎の流動方向とは、パックハウジング200の左右方向(Y軸方向)から見るとき、同一方向又は反対方向であり得る。
【0070】
このような実施形態によると、2つの経路内におけるベントガス及び/又は火炎の流動を通じてベントガス及び/又は火炎の流れをより弱めるとともに、冷却モジュール300とベントガス及び/又は火炎の接触時間を増加させるこよによって、ベントガス及び/又は火炎の冷却効果を最大化することができる。
【0071】
また、第2経路P2が2つの経路で構成されるため、ベント孔222を通ってセル収容部S内にベントガス及び/又は火炎が逆流入することを制限することができる。
【0072】
図6を再び参照すると、前記冷却モジュール300は、第1冷却部310及び第2冷却部320を含むことができる。
【0073】
前記第1冷却部310はヒートシンクであり得る。
【0074】
前記第2冷却部320は、フロアフレーム220内で上部経路P2aを挟んで第1冷却部310の反対側に配置され得る。すなわち、第1冷却部310及び第2冷却部320は、パックハウジング200の前後方向(X軸方向)から見るとき、上部経路P2aを挟んでフロアフレーム220内に配置され得る。
【0075】
これによって、第2経路P2内に流入した高温のベントガス及び/又は火炎の一部は、第1冷却部310と第2冷却部320との間で冷却が行われ得る。
【0076】
このような実施形態によると、冷却モジュール300による高温のベントガス及び/又は火炎の冷却効率を向上させることができる。
【0077】
図6及び図7を再び参照すると、前記第2経路P2の下部経路P2bは、冷却モジュール300の下部に配置され得る。
【0078】
すなわち、第1冷却部310と第2冷却部320との間の上部経路P2aで冷却されたベントガス及び/又は火炎は、上部経路P2aと連通する下部経路P2bでさらに冷却することができる。このとき、下部経路P2bは、第1冷却部310及び第2冷却部320の下部に位置し得る。
【0079】
このような実施形態によると、冷却モジュール300の下部でもベントガス及び/又は火炎の冷却が行われ得るため、冷却モジュール300とベントガス及び/又は火炎の接触時間を増加させるこよによって、ベントガス及び/又は火炎の冷却効果をより最大化することができる。
【0080】
図5から図7を再び参照すると、バッテリーセル100の電極リード110は、ベント経路Pと対向するように構成され得る。具体的に、電極リード110は、第1経路P1とパックハウジング200の左右方向(Y軸方向)に対向するように構成され得る。また、電極リード110は、第2経路P2と上下方向(Z軸方向)に対向するように構成され得る。
【0081】
このとき、ベント孔222は、フロアフレーム220上で電極リード110と対応する部分に形成され得る。
【0082】
すなわち、本実施形態によると、ベント孔222がフロアフレーム220上でバッテリーセル100の下部全体に対応する領域に形成されるのではなく、狭い面積、特にフロアフレーム220の左右方向(Y軸方向)の両側にのみ形成され得る(図3を参照)。
【0083】
これによって、バッテリーセル100の熱暴走時に直進性の強いベントガス及び/又は火炎の大部分は、第1経路P1を通って流入し得る。また、第1経路P1に流入されなかったベントガス及び/又は火炎は、セル収容部Sに比べて相対的に狭い面積を有するベント孔222を通って第2経路P2内に流入されることでその流れが弱くなり得る。さらに、セル収容部Sに比べて相対的に狭い面積を有するベント孔222を通って第2経路P2内に流入したベントガス及び/又は火炎が、またセル収容部S側に逆流入することを制限することができる。
【0084】
また、ベントガス及び/又は火炎がフロアフレーム220の左右方向の両側を通って第2経路P2内に流入するため、第2経路P2内で冷却モジュール300によって高温のベントガス及び/又は火炎が冷却される時間が増加し得る。
【0085】
このような実施形態によると、ベントガス及び/又は火炎の流れを確実に弱めることができるとともに、高温のベントガス及び/又は火炎の冷却時間を増加させることができる。これによって、高温のベントガス及び/又は火炎がパックハウジング200の外部に急激に排出されることをより確実に最小化又は防止することができる。
【0086】
図6を再び参照すると、ベント孔222のパックハウジング200の前後方向(X軸方向)における長さは、上部経路P2aのパックハウジング200の前後方向の長さよりも短く構成され得る。
【0087】
すなわち、ベント孔222の面積は、これに対応する上部経路P2aの水平面(XY平面)上での面積よりも小さく構成され得る。これによって、ベントガス及び/又は火炎がベント孔222を通過する場合、上部経路P2a内におけるベントガス及び/又は火炎の流動速度は、セル収容部S内におけるベントガス及び/又は火炎の流動速度よりも遅くなり得る。
【0088】
このような実施形態によると、上部経路P2a内に流入したベントガス及び/又は火炎の流れをより確実に弱めることができるため、冷却モジュール300による高温のベントガス及び/又は火炎の冷却時間をより増加させることができる。
【0089】
さらに、上部経路P2a内に流入したベントガス及び/又は火炎の流れが弱まるため、上部経路P2aと連通する下部経路P2b内におけるベントガス及び/又は火炎の流れも弱まり得る。
【0090】
図8及び図9は、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10において、バッテリーセル100の熱暴走時にベントガス又は火炎が排出される状態を示す図である。このとき、図8及び図9で後述するベントガス及び火炎は、それぞれ参照符号「V」及び「F」と表記する。
【0091】
図2図3図8及び図9を参照すると、前記バッテリーセル100は複数備えられ得る。また、セル収容部Sは、複数備えられ得る。このとき、複数のセル収容部Sは、それぞれ独立して構成され得る。
【0092】
このとき、複数のバッテリーセル100は、複数のセル収容部S内にそれぞれ収容され得る。一方、セル収容部Sは、バッテリーセル100が2つ以上備えられたセルアセンブリCを収容することもできる。
【0093】
また、パックハウジング200は、複数の隔壁Wを含むことができる。このような前記隔壁Wは、両側がサイドフレーム210に連結され得る。このとき、隔壁Wの左右方向(Y軸方向)の両端は、サイドフレーム210のうち、パックハウジング200の前後方向(X軸方向)に沿って配置されたサイドフレーム210に結合することができる。また、隔壁Wは、サイドフレーム210の高さに対応するように上下方向に延びて形成され得る。また、隔壁Wの下側にはフロアフレーム220が結合することができ、隔壁Wの上側には上部カバー230が結合することができる。
【0094】
また、隔壁Wは、パックハウジング200の前後方向(X軸方向)から見るとき、バッテリーセル100の前面及び後面に密着して複数のセル収容部Sの間を互いに密閉することができる。一方、それぞれのセル収容部S内にセルアセンブリCが収容される場合、隔壁Wは、セルアセンブリCの前面及び後面に密着することもできる。
【0095】
このとき、サイドフレーム210の流通孔212及びフロアフレーム220のベント孔222は、それぞれのセル収容部Sに対応するように構成され得る。
【0096】
このような構成によると、隣接するバッテリーセル100間の同時発火をより確実に抑制できるのみならず、バッテリーセル100をパックハウジング200内でコンパクトに配置することができる。
【0097】
また、隔壁Wが隣接するセル収容部Sの間を密閉し、隔壁Wにバッテリーセル100が密着するため、より安定に流通孔212及びベント孔222を介するベント経路P内へのベントガス及び/又は火炎の流入をガイドすることができる。
【0098】
図10及び図11は、本発明の第2実施形態によるバッテリーパック12を示す図である。このとき、図10及び図11で後述するベントガス及び火炎は、それぞれ参照符号「V」及び「F」と表記する。
【0099】
本実施形態によるバッテリーパック12は、上記の実施形態の前記バッテリーパック10と類似するため、上記の実施形態と実質的に同一又は類似の構成については重複する説明を省略し、以下では上記の実施形態との相違点を中心に検討する。
【0100】
図10及び図11を参照すると、前記バッテリーパック12において、パックハウジング200は、第1ガイド部G1及び第2ガイド部G2をさらに含むことができる。
【0101】
図10におけるように、前記第1ガイド部G1は、ベント孔222の一部から上部経路P2aの内側方向に折り曲げられて形成され得る。具体的に、第1ガイド部G1の一端は、ベント孔222でサイドフレーム210に近い部分に結合することができる。また、第1ガイド部G1は、ベント孔222に結合された一端から上部経路P2aの内側方向に折り曲げられて形成され得る。
【0102】
図11におけるように、前記第2ガイド部G2は、ベント孔222の残りの一部から下部経路P2bの内側方向に折り曲げられて形成され得る。具体的に、第2ガイド部G2の一端は、ベント孔222でサイドフレーム210に近い部分に結合することができる。また、第2ガイド部G2は、ベント孔222に結合された一端から下部経路P2bの内側方向に折り曲げられ、その他端が下部経路P2bの下部面に結合することができる。
【0103】
このような第1ガイド部G1及び第2ガイド部G2は、ベント孔222を通って第2経路P2に流入したベントガス及び/又は火炎の流れにさらに方向性を付与することができる。すなわち、ベント孔222を通って流入したベントガス及び/又は火炎は、第1ガイド部G1又は第2ガイド部G2によって流れがガイドされ、より確実に第2経路P2の内側に流動することができる。
【0104】
さらに、ベント孔222を通って流入したベントガス及び/又は火炎の一部は、第1ガイド部G1によって上部経路P2aに直接的にその流れが誘導され、残りのベントガス及び/又は火炎は、第2ガイド部G2によって下部経路P2bに直接的にその流れが誘導され得る。このとき、第1ガイド部G1によって上部経路P2aに流れが一次的に誘導されたベントガス及び/又は火炎は、二次的に下部経路P2bに流動することができる。また、第2ガイド部G2によって下部経路P2bに流れが一次的に誘導されたベントガス及び/又は火炎は、二次的に上部経路P2aに流動することができる。
【0105】
このような実施形態によって、第2経路P2内におけるベントガス及び/又は火炎の流動方向を多様化することで、第2経路P2内における火炎の流れをより弱めることができるとともに、ベントガス及び/又は火炎と冷却モジュール300との接触時間をより増加させることができる。
【0106】
本実施形態によるバッテリーパック12によると、より安定にベントガス及び/又は火炎の流れをガイドすることでその流れを弱めることができるとともに、冷却モジュール300によって高温のベントガス及び/又は火炎をより確実に冷却することができる。
【0107】
図12は、本発明の第3実施形態によるバッテリーパック14を示す図である。このとき、図12で後述する火炎は参照符号「F」と表記する。
【0108】
本実施形態によるバッテリーパック14は、上記の実施形態の前記バッテリーパック10と類似するため、上記の実施形態と実質的に同一又は類似の構成については重複する説明を省略し、以下では上記の実施形態との相違点を中心に検討する。
【0109】
図12を参照すると、前記バッテリーパック14において、パックハウジング200は流れ制限部Tをさらに含むことができる。
【0110】
前記流れ制限部Tは、下部経路P2bの一側面(X軸方向の一側面)又は他側面(X軸方向の他側面)の少なくとも一面に備えられ得る。具体的に、流れ制限部Tは、下部経路P2bのX軸方向の内側面の少なくとも一面に備えられ、突起状に少なくとも1つ以上備えられ得る。
【0111】
このような流れ制限部Tは、バッテリーセル100から排出された火炎に含まれた粒子と衝突するように構成され得る。
【0112】
すなわち、ベント孔222を通って上部経路P2a内に流入した火炎は、上部経路P2a内で流動することで一次的にその流れが弱くなり得る。また、上部経路P2a内に流入した火炎は、冷却モジュール300によって一次的に冷却することができる。このように上部経路P2a内で一次的にその流れが弱まった火炎は、下部経路P2b内で流れ制限部Tの構成を通じて二次的にその流れをより弱めることができる。
【0113】
本実施形態によるバッテリーパック14によると、バッテリーセル100から排出された火炎が突起状の流れ制限部Tに衝突し得るため、第2経路P2内における火炎の流れをより弱めることができる。これによって、第2経路P2内における火炎の残留時間を増加させ、冷却モジュール300による火炎の冷却時間を増加させることができる。
【0114】
また、火炎に含まれた粒子が流れ制限部Tによって第2経路P2内に残留するようにすることで、パックハウジング200の外部への発火源の排出をより最小化することができる。
【0115】
図13及び図14は、本発明の第4実施形態によるバッテリーパック16を示す図である。このとき、図13及び図14で後述する火炎は参照符号「F」と表記する。また、図14で後述する粒子は参照符号「I」と表記する。
【0116】
本実施形態によるバッテリーパック16は、上記の実施形態の前記バッテリーパック10と類似するため、上記の実施形態と実質的に同一又は類似の構成については重複する説明を省略し、以下では上記の実施形態との相違点を中心に検討する。
【0117】
図13及び図14を参照すると、前記バッテリーパック16において、パックハウジング200は、フィルタリング部Mをさらに含むことができる。このとき、図14は、図13のフィルタリング部Mで火炎に含まれた粒子がフィルタリングされた後、火炎が冷却モジュール300によって冷却される状態を概略的に示す図である。
【0118】
前記フィルタリング部Mは、第2経路P2内に備えられ、火炎に含まれた粒子をフィルタリングするように構成され得る。また、フィルタリング部Mは、冷却モジュール300と対向するように構成され得る。一例として、フィルタリング部Mは、複数の微細孔が形成されたメッシュ状に構成され得る。
【0119】
具体的に、フィルタリング部Mは、パックハウジング200の前後方向(X軸方向)に第1冷却部310及び第2冷却部320のそれぞれと対向するように一対で構成され得る。
【0120】
より詳しくは、フィルタリング部Mは、上部経路P2a及び下部経路P2b内で、冷却モジュール300を取り囲むように構成され得る。すなわち、フィルタリング部Mは、上部経路P2a及び下部経路P2b内で第1冷却部310又は第2冷却部320と対向し、第1冷却部310又は第2冷却部320を取り囲むように構成され得る。
【0121】
このようなフィルタリング部Mは、図13及び図14に示されたように、一次的に火炎に含まれた粒子をフィルタリングすることができる。また、フィルタリング部Mによって大きな粒子が濾過された火炎は、二次的に冷却モジュール300によって冷却することができる。
【0122】
本実施形態によるバッテリーパック16によると、フィルタリング部Mによる火炎の粒子フィルタリング及び冷却モジュール300による火炎の冷却が順に行われるため、冷却モジュール300による火炎の冷却効果をより向上させることができる。
【0123】
また、フィルタリング部Mを介して火炎に含まれた粒子をフィルタリングすることで、パックハウジング200の外部への発火源の排出をより最小化することができる。
【0124】
一方、本発明によるバッテリーパック10、12、14、16は、電気自動車のような自動車に適用することができる。すなわち、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーパック10、12、14、16を少なくとも1つ以上含むことができる。
【0125】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的な思想と下記の特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0126】
一方、本発明で上、下、左、右、前、後などの方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜上のものであり、対象となる物体の位置や観察者の位置などによって変わり得ることは本発明の当業者に自明である。
【符号の説明】
【0127】
10 バッテリーパック
12 バッテリーパック
14 バッテリーパック
16 バッテリーパック
100 バッテリーセル
110 電極リード
200 パックハウジング
210 サイドフレーム
212 流通孔
220 フロアフレーム
222 ベント孔
230 上部カバー
300 冷却モジュール
310 第1冷却部
320 第2冷却部
C セルアセンブリ
G1 第1ガイド部
G2 第2ガイド部
M フィルタリング部
P ベント経路
P1 第1経路
P2 第2経路
P2a 上部経路
P2b 下部経路
S セル収容部
T 制限部
W 隔壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】