(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】安全制御を有するスクイズボトルディスペンサー
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20241022BHJP
B05B 11/04 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
B65D83/00 G
B05B11/04 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522127
(86)(22)【出願日】2022-10-05
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 EP2022077731
(87)【国際公開番号】W WO2023061829
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512245713
【氏名又は名称】アプタル ラドルフツエル ゲーエムベーハ
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】テンプフリ, カール
(72)【発明者】
【氏名】シュミット, フェリクス
(72)【発明者】
【氏名】クランペン, ゲラルド
(72)【発明者】
【氏名】ハインツル, フォルカー
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PC04
3E014PC20
3E014PD15
3E014PE30
3E014PF09
(57)【要約】
安全制御を有するスクイズボトルディスペンサー(10)であって、(a)(10)が、スクイズボトルとして設計された液体リザーバー(20)を有し;(b)(10)が、放出開口(16)を有する放出ヘッド(12)を有し;(c)(10)が、保護スリーブ(30)を有し、(30)が、(20)に係留接続され、かつ保護位置と解放位置の間で主軸(2)に関して並進運動、又は並進運動と回転運動の重複、又は並進運動と回転運動の連続で(20)に対して変位可能であり;(d)保護位置では、(30)が、(20)に対する手による力の付与、従って液体の放出を防ぐか又は妨げ;(e)解放位置では、(30)が、(20)に対する手による力の付与を防がないか又は妨げず、従って液体の放出を可能にする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全制御を有するスクイズボトルディスペンサー(10)であって、
(a)スクイズボトルディスペンサー(10)が、スクイズボトルとして設計された液体リザーバー(20)を有し、
(b)スクイズボトルディスペンサー(10)が、放出開口(16)を有する放出ヘッド(12)を有し、
(c)スクイズボトルディスペンサー(10)が、保護スリーブ(30)を有し、保護スリーブ(30)が、液体リザーバー(20)に係留接続され、かつ保護位置と解放位置の間で主軸(2)に関して並進運動、又は並進運動と回転運動の重複、又は並進運動と回転運動の連続で液体リザーバー(20)に対して変位可能であり、
(d)保護位置では、保護スリーブ(30)が、液体リザーバー(20)に対する手による力の付与、従って液体の放出を防ぐか又は妨げ、
(e)解放位置では、保護スリーブ(30)が、液体リザーバー(20)に対する手による力の付与を防がないか又は妨げず、従って液体の放出を可能にする、
ことを特徴とするスクイズボトルディスペンサー(10)。
【請求項2】
以下の特徴をさらに有する、請求項1に記載のスクイズボトルディスペンサー(10):
(a)スクイズボトルディスペンサー(10)が、主軸(2)を規定する放出方向を有し、かつ/又は液体リザーバー(20)が、少なくとも一部分において筒形、特に円筒形である壁を有し、その中心軸が、主軸(2)を規定し、
(b)保護スリーブ(30)の並進運動が、主軸(2)に沿って行なわれ、かつ/又は保護スリーブ(30)の回転運動が、主軸(2)のまわりで行なわれる。
【請求項3】
以下の特徴をさらに有する、請求項1又は2に記載のスクイズボトルディスペンサー(10):
(a)スクイズボトルディスペンサー(10)が、少なくとも一つの案内面(42,52)を有し、それに沿って保護スリーブ(30)が、案内された態様で変位されることができる。
【請求項4】
(a)少なくとも一つの案内面(42)が、ガイドリング(40)の外面に与えられ、ガイドリング(40)が、液体リザーバー(20)上に又は液体リザーバー(20)と放出ヘッド(12)の間の中間領域中に又は放出ヘッド(12)上に装着される、
請求項3に記載のスクイズボトルディスペンサー(10)であって、
好ましくは、
(b)ガイドリング(40)が、溝を付けられた又は断続されたガイドリング(40)として構成され、ガイドリング(40)が、最大120°で広がる、好ましくは最大10°で広がる一つの区域において断続部(44)を有し、又は
(c)ガイドリング(40)が、複数部分からなるガイドリング(40)として、特に少なくとも一端に、好ましくは両端のそれぞれに、特に好ましくはラッチ接続によって、ガイドリングを形成するために一緒に接続される二つのガイドリング区域(40A,40B)から作られたガイドリングとして、構成され、かつ/又は
(d)ガイドリング(40)が、ガイドリング(40)上への装着中に保護スリーブ(30)が放出開口(16)から離れて面する側から押されることができるように構成され、押す手順を容易にするために導入面取り部(38)が、ガイドリング(40)上に及び/又は保護スリーブ(30)上に与えられることが好ましく、かつ/又は
(e)ガイドリング(40)が、その外面に、保護スリーブ(30)の移動方向に延びる少なくとも一つのガイド構造(48)を有し、保護スリーブ(30)が、それに対応する内側に面するガイド構造を有する、
スクイズボトルディスペンサー(10)。
【請求項5】
(a)少なくとも一つのガイド面(52)が、ガイドスリーブ(50)の内面に与えられ、ガイドスリーブ(50)が、液体リザーバー(20)上に又は液体リザーバー(20)と放出ヘッド(12)の間の中間領域内に又は放出ヘッド(12)上に、好ましくは介在された中間リング(70)を使用することによって装着され、ガイドスリーブ(50)が、外面上で液体リザーバー(20)及び保護スリーブ(30)を包囲し、
(b)ガイドスリーブ(50)が、少なくとも一つの凹所(54)を有し、凹所(54)を通して保護スリーブ(30)が解放位置であるときに液体リザーバー(20)への力の付与が可能であり、凹所(54)は、保護スリーブ(30)が保護位置にあるときに少なくとも部分的に閉鎖される、
請求項3に記載のスクイズボトルディスペンサー(10)であって、
好ましくは、
(c)ガイドスリーブ(50)が、少なくとも二つの対向する凹所(54)を有する、
スクイズボトルディスペンサー(10)。
【請求項6】
(a)中間リング(70)が与えられ、ガイドスリーブ(50)が、それによって液体リザーバー及び/又は放出ヘッド上に装着される、
請求項5に記載のスクイズボトルディスペンサー(10)であって、
好ましくは、
(b)中間リング(70)が、断続した中間リング(70)として構成され、中間リング(70)が、最大120°で広がる、好ましくは最大10°で広がる一つの区域において断続部(74)を有し、かつ/又は
(c)中間リング(70)が、複数部分からなる中間リング(70)として、特に少なくとも一端に、好ましくは両端のそれぞれに、特に好ましくはラッチ接続によって、中間リングを形成するために一緒に接続される二つの中間リング区域から作られた中間リングとして構成され、かつ/又は
(d)中間リング(70)及びガイドスリーブ(50)が、互いに確実にラッチ接続され、好ましくは内側又は外側に開放する保持溝(78)が、中間リング(70)上に又はガイドスリーブ上に与えられ、ガイドスリーブ(50)の保持突起(58)又は中間リングがそこに突出する、
スクイズボトルディスペンサー(10)。
【請求項7】
(a)インターロッキングガイド構造(33,53,35,55)が、ガイド面(52)上に及び保護スリーブ(30)上に与えられ、保護スリーブ(30)が、それによって回転固定された態様でガイド面に対して案内され、又は保護スリーブ(30)が、それによって回転運動と並進運動の重複又は回転運動と並進運動の連続でガイド面(52)に対して案内される、
請求項5又は6に記載のスクイズボトルディスペンサー(10)であって、
好ましくは
(b)ガイド面(52)が、ガイド溝(53)によって形成され、そこにガイド保護部(33)又は保護スリーブ(30)のガイドカムが係合し、又は
(c)ガイド面(52)が、ガイド保護部又はガイドカム(55)を有し、それが保護スリーブ(30)のガイド溝(35)に係合し、かつ/又は
(d)ガイド溝(35)が、少なくとも一部分においてらせん形状を有し、従ってガイド面(52)に対する保護スリーブ(30)の動きが回転運動と並進運動の重複で行なわれ、かつ/又は
(e)ガイド溝(35)が、少なくとも一端に、主軸(2)に対して円周方向に延びる部分的部分を有し、部分的部分が、主軸(2)に対して軸方向で延びない、
スクイズボトルディスペンサー(10)。
【請求項8】
以下の特徴をさらに有する、請求項1~7のいずれかに記載のスクイズボトルディスペンサー(10):
(a)変位防止装置(60)が与えられ、保護スリーブ(30)が、それによってその保護位置で変位に対して安全を確保されることができる。
【請求項9】
(a)変位防止装置(60)が、少なくとも一つの弾性偏向可能なラッチ要素(62)を含み、それが、保護スリーブ(30)の保護位置では、液体リザーバー(20)に又は保護スリーブ(30)に並進可能に及び/又は回転可能に固定されるラッチ縁(64)と協働し、保護スリーブ(30)の並進運動及び/又は回転運動が防止される、
請求項8に記載のスクイズボトルディスペンサー(10)であって、
好ましくは、
(b)弾性偏向可能なラッチ要素(62)が保護スリーブ(30)又はガイドスリーブ(50)に取り付けられ、ラッチ要素(62)が、好ましくは、保護スリーブ(30)又はガイドスリーブ(50)を実質的に形成する構成要素の一体的部分であり、かつ/又は
(c)ラッチ縁(64)が、ガイドスリーブ(50)上に与えられ、かつ/又は
(d)ラッチ縁(64)が、ガイドリング(40)上に与えられ、かつ/又は
(e)保護位置では、保護スリーブ(30)に取り付けられたラッチ要素(62)が、凹所(54)の領域に配置され、ラッチ縁(64)が、凹所(54)の縁によって形成され、かつ/又は
(f)弾性偏向可能なラッチ要素(62)が、傾斜軸の両側に二つの対向アームを有するロッカー要素として構成される、
スクイズボトルディスペンサー(10)。
【請求項10】
(a)保護スリーブ(30)の保護位置から解放位置への並進変位が、放出開口(16)の方向で行なわれる、
請求項1~9のいずれかに記載のスクイズボトルディスペンサー(10)であって、
好ましくは、
(b)保護スリーブ(30)の上縁が、少なくとも一部分において、皮膚の領域に対して配置するための支持面(34)を形成し、かつ/又は
(c)解放位置では、支持面(34)が、支持面(34)が放出開口(16)から最大15mmの距離で主軸(2)に対して位置されるように配置され、かつ/又は
(d)保持手段(31,46)が、特に停止部(31,46)の形で、保護スリーブ(30)及びガイドリング(40)上に与えられ、保護スリーブ(30)の除去が、それによって放出開口(16)の方向に防止される、
スクイズボトルディスペンサー(10)。
【請求項11】
(a)保護スリーブ(30)の保護位置から解放位置への並進変位が、放出開口(16)から離れて行なわれる、
請求項1~9のいずれかに記載のスクイズボトルディスペンサー(10)であって、
好ましくは、
(b)保持手段(37,57)が、特に停止部(37,57)の形で、保護スリーブ(30)及びガイドスリーブ(50)上に与えられ、保護スリーブ(30)の除去が、それによって放出開口(16)の方向に対抗して防止され、特にガイドスリーブ(50)の停止部(57)が、好ましくは凹所(54)を規定する縁によって形成され、かつ/又は
(c)保護スリーブ(30)が、保護スリーブ(30)の保護位置の下端でガイドスリーブ(50)を超えて突出する遠位端部(32)を有し、遠位端部(32)が、特にディスペンサーの電子構成要素が配置される受容空間を規定する、
スクイズボトルディスペンサー(10)。
【請求項12】
以下の特徴の少なくとも一つをさらに有する請求項1~9のいずれかに記載のスクイズボトルディスペンサー(10):
(a)保護スリーブ(30)が、透明プラスチック材料から製造され、特に保護スリーブ(30)を通して見ることができる印刷テキストが、保護スリーブ(30)が保護位置に配置されるときであっても、液体リザーバー(20)の外面に与えられ、又は
(b)印刷テキストが、保護スリーブ(30)に付与され、スクイズボトルの外面に印刷テキストが付与されず、又は
(c)保護スリーブ(30)の上及び液体リザーバー(20)の外面の両方に印刷テキストが与えられる。
【請求項13】
以下の特徴をさらに有する請求項1~12のいずれかに記載のスクイズボトルディスペンサー(10):
(a)スクイズボトルディスペンサー(10)が、除去可能かつ交換可能な保護キャップ(22)を有し、かつ
(b)保護キャップ(22)が、保護キャップ(22)が配置されているとき、又は保護キャップ(22)が最初にまだ開放されていないとき、保護スリーブ(30)の変位が防止されるように、保護スリーブ(30)と協働する。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載のスクイズボトルディスペンサー(10)であって、
(a)スクイズボトルディスペンサー(10)が、液滴ディスペンサーとして構成され、液滴形成手段が、放出開口(16)の領域に与えられ、特に放出開口を包囲する液滴形成面として与えられ、かつ/又は
(b)液体リザーバー(20)が、可撓性プラスチック材料から、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、又は環状オレフィンコポリマーから製造され、かつ/又は
(c)保護スリーブ(30)が、硬質プラスチック材料から、特にグリコール変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、環状オレフィンコポリマー、環状オレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、又は硬質ポリエチレンから製造され、かつ/又は
(d)液体リザーバー(20)が、液体、好ましくは医薬液体、特に好ましくはイミダゾリン含有液体を充填され、かつ/又は
(e)放出ヘッド及び液体リザーバーが、別個の構成要素によって形成され、好ましくはラッチ接続によって一緒に接続され、かつ/又は
(f)放出ヘッド及び液体リザーバーが、一つの構成要素によって一体的に形成され、かつ/又は
(g)放出ヘッド(12)が、放出弁(18)を含み、かつ/又は
(h)液体リザーバーが、先細ネック領域を有し、中間リング(70)又はガイドリング(40)が、この先細ネック領域に与えられる、
スクイズボトルディスペンサー(10)。
【請求項15】
以下の特徴を有する液体ディスペンサー(10):
(a)液体ディスペンサー(10)が、液体リザーバー(20)をボトル体(20)の形で有し、かつ
(b)液体ディスペンサー(10)が、放出開口(16)を有する放出ヘッド(12)を有し、かつ
(c)液体ディスペンサー(10)が、ボトル体(20)を少なくとも一時的に包囲する外部スリーブ(30,50)を有し、かつ
(d)外部スリーブ(30,50)をボトル体上に固定又は案内するためにリング要素(40,70)が与えられ、外部スリーブ(30,50)が、その外面に固定して又は変位可能に固定されている。
【請求項16】
以下の特徴をさらに有する、請求項15に記載の液体ディスペンサー(10):
(a)外部スリーブ(30,50)が、リング要素(40,70)によって放出ヘッド(12)に係留取り付けのために与えられ、かつ
(b)リング要素(40)の停止部(64)及び外部スリーブ(30)の停止部(31)が、一緒に端部を規定し、端部を超えて外部スリーブ(30,50)がリング要素(40,70)に対して変位されることができない。
【請求項17】
以下の特徴をさらに有する、請求項15又は16に記載の液体ディスペンサー(10);
(a)リング要素(40,70)が、放出ヘッド(12)のハウジング(14)から分離している構成要素として構成される。
【請求項18】
以下の特徴をさらに有する、請求項15~17のいずれかに記載の液体ディスペンサー(10):
(a)リング要素(40,70)が、断続したリング要素(40,70)として構成され、それが、最大120°で広がる、好ましくは最大10°で広がる一つの区域に断続部(44,74)を有する。
【請求項19】
以下の特徴をさらに有する、請求項15~18のいずれかに記載の液体ディスペンサー(10):
(a)液体リザーバーが、先細ネック領域(20B)を有し、中間リング(70)又はガイドリング(40)が、この先細ネック領域(20B)に与えられる。
【請求項20】
以下の特徴をさらに有する、請求項15~19のいずれかに記載の液体ディスペンサー(10):
(a)リング要素(40,70)が、外部スリーブ(30,50)によって拡大に対して安全を確保され、従ってリング要素(40,70)が、ボトル体上で又は放出ヘッド上で引っ張られることができない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に安全制御装置、特に子供に対する安全装置を有するスクイズボトルディスペンサーに関する。本発明の意味におけるスクイズボトルディスペンサーは、液体ディスペンサーであり、例えば医薬液体を投与するためのものであり、それは、寸法的に安定した液体リザーバーを有し、その壁は、弾性態様で少なくとも部分的に押圧されることができ、従って、圧力がそれによって液体リザーバー中の液に付与されることができる。
【背景技術】
【0002】
作動、及びそれと関連した圧力の増加によって生じる液体リザーバーの容積の減少は、強制的に液体をスクイズボトルディスペンサーの放出ヘッド中に、そしてそこに与えられた放出開口に導く。問題のタイプの本発明によるスクイズボトルディスペンサーでは、十分な液体圧力の場合に開放する出口弁は、一般に放出開口の上流に配置される。
【0003】
問題のタイプのスクイズボトルディスペンサーは、幅広く入手可能である。特に、それらは、医薬液体、例えば点眼液体のために使用される。記載したタイプのスクイズボトルディスペンサーは、例えば文献DE102016210992B3に開示されている。
【0004】
特に、医薬液体を含むスクイズボトルディスペンサーでは、液体が遊んでいる子供によって又は他の方法で誤って放出されないことが重要である。
【0005】
子供に対する安全装置を有するスクイズボトルディスペンサーは、公開されたヨーロッパ特許出願21155900.0に開示されている。
【発明の概要】
【0006】
主に本発明の目的は、不注意による作動及び/又は子供の遊びによる作動に対して高いレベルの安全性を与えるスクイズボトルディスペンサーを提供することである。
【0007】
スクイズボトルとして設計された液体リザーバー、及び放出開口を有する放出ヘッドを有するスクイズボトルディスペンサーが、この目的のために提案される。好ましくは、放出ヘッドは、別個の組立体として製造され、例えばラッチ接続又はねじ接続によって液体リザーバーに結合される。しかしながら、放出ヘッド及び液体リザーバー、又は少なくともそれらの外面が一体的な構成要素によって形成される設計も可能である。
【0008】
液体ディスペンサーは、医薬液体、例えば結膜炎の緩和のためのイミダゾリンを含有する液体を充填されることが好ましい。液体リザーバーは、好ましくは50ml未満、特に20ml未満の内容積を有する。
【0009】
液体リザーバーは、スクイズボトルとして構成される。好ましくは、スクイズボトル体は、両側にそれぞれ20ニュートンの圧力の付与で少なくとも5%の内容積が減少されるような固有の剛性を持って構成される。液体リザーバーの壁は、好ましくは軟質プラスチック材料、特にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、又は環状オレフィンコポリマー(COC)から製造される。
【0010】
様々なタイプの液体放出が可能である。従って、本発明によるディスペンサーは、液体の噴射又はスプレーを投与するように構成されることができる。しかしながら、好ましくは、スクイズボトルディスペンサーは、液滴ディスペンサーとして構成される。この目的のため、スクイズボトルディスペンサーは、好ましくは、放出開口の領域に、特に放出開口を包囲する液滴形成面の形で液滴形成手段を有し、そこでは放出された液体は、液体の量が液滴形成手段から離れて落ちる液滴の形成のために十分になるまで集められる。
【0011】
本発明によれば、本発明によるスクイズボトルディスペンサーは、液体リザーバーに係留接続される保護スリーブを有する。ディスペンサーの放出方向によって規定されるディスペンサーの主軸及び/又は液体リザーバーの中心軸に関して、保護スリーブは、保護位置と解放位置の間で繰り返し液体リザーバーに対して軸方向に変位可能である。変位は、純粋に並進的であることができる。しかしながら、保護スリーブは、並進運動及び回転運動で変位されることができ、例えばねじ運動の態様で又は続いて差し込み運動の態様で運動を重ねられることができる。
【0012】
スクイズボトルディスペンサーへの保護スリーブの係留取付は、本発明の意味では、通常使用では、保護スリーブがスクイズボトルディスペンサーから脱着されないことを意味するものとして理解される。脱着は、ばか力を出せば可能であるが、これは、本発明の意味では係留取付と矛盾しない。
【0013】
保護位置では、保護スリーブは、液体リザーバーに対して配置され、それは、液体リザーバーの圧縮を完全に防止するか、又は少なくとも液体リザーバーの外壁へのアクセスをカバーすることによってこれを大きく妨げる。液体の放出は、それによって防止される。
【0014】
しかしながら、解放位置では、保護スリーブは、液体リザーバーを圧縮させ、従って液体の放出を可能にする。この目的のため、保護スリーブは、液体リザーバーに対して十分に遠くに変位され、従って、それは、障害を全く表わさないか、又は少なくとも保護位置に対する液体リザーバーへの力の簡単な付与を可能にする。
【0015】
保護スリーブは、記載された目的のために液体リザーバーに対して少なくとも並進的に変位可能である。主軸に対する軸方向の変位の範囲は、好ましくは少なくとも20mm、特に好ましくは少なくとも30mmである。この量は、軸方向路の上を保護スリーブが対向する端部分同士の間で、即ち解放位置に割り当てられた端部分と保護位置に割り当てられた端部分の間で移動する距離を表わす。
【0016】
保護スリーブは、保護スリーブに力が付与されても液体リザーバーの内容積を有意に減少させないようにするため、十分に硬い。
【0017】
好ましくは、保護スリーブは、硬質プラスチック材料、特にグリコール変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCTG)、ポリプロピレン(PP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又は硬質ポリエチレン(HDPE)から製造される。保護スリーブは、その安定性を達成するために液体リザーバーより硬い材料から製造される必要はない。代替的に、より大きい安定性をより大きい壁厚によって達成することができる。
【0018】
保護スリーブの案内された変位を可能にするために、スクイズボトルディスペンサーは、少なくとも一つの案内面を有し、それに沿って保護スリーブは、案内された態様で変位されることができる。原則として、案内面として液体リザーバーの外面を直接使用することが可能である。しかしながら、液体リザーバーから分離した構成要素が案内面を与える設計が好ましい。
【0019】
一つの可能な設計は、少なくとも一つのガイド面をガイドリングの外面に与えることである。このガイドリングは、液体リザーバーに、又は放出ヘッドに、又はそれらの間に位置される中間領域に固定される。ガイドリングの内面は、リングが軸方向に変位されることができないか、又は液体リザーバーに対してほとんど変位されることができないように構成される。外面には、ガイドリングは、スライド面を有し、それに沿って保護スリーブは、スライド可能に変位されることができる。
【0020】
ガイドリングが液体ディスペンサーの先細ネック領域に固定される設計が特に有利である。その内径は、この場合において先細ネック領域の両側の液体リザーバー及び放出ヘッドの直径より小さい。かかるリングの装着は、放出ヘッドが液体リザーバーに固定される前にガイドリングをネック領域に配置することによって行なわれることができる。
【0021】
しかしながら、取り付け順序をよりフレキシブルにするため、ガイドリングが、放出ヘッドがボトルネックに既に取り付けられるときであっても装着されることができるように設計されるなら、有利と見なされる。これは、例えば分離溝によって断続されかつ軸方向に又はその装着のための側から一時的に拡大されるガイドリングによって達成されることができる。特に、ガイドリングは、最大120°、好ましくは最大10°で広がる一つの区域で断続部を有する断続されたガイドリングとして構成されることができる。かかるリング構造の断続部又は少なくとも溝を設けられた設計は、自動化された装着時にガイドリングを拡大できるようにするためには有利である。好ましくは、断続部又は溝を与えられたガイドリング、及びそれによって保持された保護スリーブは、ガイドスリーブが液体リザーバー又は放出ヘッド上でガイドリングを引っ張り、従ってスクイズボトルディスペンサーから保護スリーブを脱着するために十分であるようなガイドリングの拡大を防止するように互いに適合される。
【0022】
ガイドリングの代替設計は、ガイドリングを複数の部分からなるガイドリング、特に二つの部分からなるガイドリングとして構成することである。ガイドリングは、少なくとも二つのガイドリング区域を有し、それらは、少なくとも一端で、好ましくは両端でそれぞれ、特に好ましくはラッチ接続によって接合されたガイドリングを形成するために一緒に接続される。かかる設計では、ガイドリングは、液体リザーバーのネック領域においてのみ複数のガイドリング区域から組み立てられる。
【0023】
保護スリーブをガイドリング上に装着時に押すためには、導入面取り部(lead-in chamfer)が保護スリーブ上又はガイドリング上に与えられることが好ましい。好ましくは、装着時、保護スリーブは、放出開口から離れて面する側から押される。導入面取り部は、この場合、保護スリーブの上縁上又はガイドリングの下端上に与えられる。
【0024】
ガイドリングは、その外面に、保護スリーブの動きの方向に延びる少なくとも一つのガイド構造を、例えば短い縦溝の形で有することができる。これは、前記溝に対応する内側に面するガイド構造を与えられた保護スリーブが縦方向に移動可能な態様でガイドによって案内されるだけでなく、同時に回転に関してガイドリングを固定して保持されることを可能にする。これにより、案内に関する大きな安定性、及び傾斜傾向の減少を達成することができることが示されている。
【0025】
ガイドリングは、少なくとも一つの移動方向の保護スリーブの変位を制限する停止部をさらに形成することが好ましい。ガイドリングはまた、以下により詳細に説明される変位防止装置のラッチ縁を形成することができる。
【0026】
ガイド面の代替設計は、保護スリーブを包囲するガイドスリーブの内面に少なくとも一つのガイド面を与えることである。このガイドスリーブは、特に介在された中間リングを使用することによって、液体リザーバーの上、又は放出ヘッドの上、又は液体リザーバーと放出ヘッドの間に保持されることができる。ガイドスリーブは、液体リザーバーを包囲し、軸方向に液体リザーバーに固定されるか、又は軸方向に少しだけ液体リザーバーに対して移動可能である。ガイドスリーブは、少なくとも一つの凹所を有し、それを通って液体リザーバーが圧縮されることができる。好ましくは、二つの対向する凹所が与えられる。凹所は、少なくとも10mm、好ましくは少なくとも15mmの軸方向の範囲を有する。
【0027】
かかる設計では、保護スリーブは、液体リザーバーに対して実質的に軸方向に固定されるガイドスリーブと、液体リザーバーの外壁との間に配置されることができる。もし保護スリーブがその保護位置にあるなら、それは、少なくとも一つの凹所の領域に位置され、従って液体リザーバーへの力の付与は不可能である。もし保護スリーブがその解放位置にあるなら、それは、凹所から少なくとも部分的に離れ、従ってスクイズボトルリザーバーを圧縮することが可能である。
【0028】
既に説明したように、スクイズボトルディスペンサーへのガイドスリーブの固定は、好ましくは中間リングによって行なわれる。ガイドリングに対して既に上述したように、中間リングはまた、装着を容易にするために溝付きリングとして、又は断続部を有するリングとして構成されることができる。複数のリング区域から構成されるガイドリングはまた、記載された態様で可能である。
【0029】
記載されたガイドリングは、保護スリーブのスライド案内のために役立つが、中間リングは、ガイドスリーブに対する軸方向の固定のために構成されることが好ましい。好ましくは、中間リング及びガイドスリーブは、一緒に能動的にラッチされ、特に溝が一つの部分に与えられ、そこに係合する突起が他の部分に与えられる。
【0030】
最も簡単なケースでは、保護スリーブの案内は、ガイドリング又はガイドスリーブによって実施されることができ、従ってガイドリングの外面と保護スリーブの内面、又は保護スリーブの外面とガイドスリーブの内面が、実質的に一致する円筒形を有する。
【0031】
しかしながら、インターロッキングガイド構造がガイド面上、及び保護スリーブ上のその反対に与えられることが好ましく、保護スリーブは、それによってガイド面に対して回転固定された態様で案内されるか、又は保護スリーブは、それによってガイド面に対して回転運動及び並進運動で案内された態様で、例えばねじ込み運動又は差し込み運動で移動可能である。
【0032】
特に、一つの側に凹んだガイド溝を与え、その溝にガイド突起又は対向面のガイドカムが係合することが可能である。かかる構造は、より信頼性のある案内に導き、そこでは、傾斜が効果的に避けられることができる。もしガイド溝が少なくとも一部分において螺旋形状を有するなら、上述のねじ込み運動が達成される。これは、トルクの付与、及びそれによって間接的に起こされる軸方向の変位によって、解放位置と保護位置の間で保護スリーブを変位することを可能にする。
【0033】
ガイド溝は、一端に、又は両方の軸方向に離間された端に、主軸に対して円周状に延びる部分的部分を有することができ、従って部分的部分は、主軸の軸方向に延びない。保護スリーブ及び液体リザーバーは、これらの端部によって保護位置又は解放位置で保持されることができる。
【0034】
本発明による液体ディスペンサーは、使用前に保護スリーブを解放位置に最初に変位することが要求されるため、不注意の作動に対する大きな安全性が達成される。この安全性をさらに高めるため、特に子供に対する安全装置として作用する設計では、変位防止装置を与えることが可能であり、保護スリーブは、それによってその保護位置における変位に対して固定されることができる。解放位置に移すためには、変位防止装置は、最初に別の手の動きによって解放されなければならない。
【0035】
特に、変位防止装置は、少なくとも一つの弾性偏向可能なラッチ要素を有することができ、それは、液体リザーバー及びガイドスリーブに対して、又は保護スリーブに対して静止しており、それは、保護位置では、それぞれの他の端に与えられたラッチ要素と協働し、従って並進運動又は回転運動、従って間接的には液体リザーバーに対する保護スリーブの並進運動が防止される。液体ディスペンサーを解放位置に移動させるためには、使用者は、最初に間接的な手による力の付与によってラッチ要素を偏向させなければならず、かくしてそれは、ラッチ縁を超えて案内されることができる。
【0036】
弾性偏向可能なラッチ要素は、特に保護スリーブ又はガイドスリーブに対して、特にスリーブの包囲する壁部に弾性変形可能な材料ブリッジを介して接続される一体形成部分として、取り付けられることができる。特に、もし偏向可能なラッチ要素が保護スリーブ自体に与えられるなら好ましい。もし保護スリーブがガイドスリーブの内側で変位されることができるなら、対応するラッチ縁は、ガイドスリーブ上に、特にラッチ要素が押圧されることができる貫通開口の縁として、与えられることが好ましい。この貫通開口は、凹所と同一であることができ、その凹所を通してスクイズボトルへの力の付与が解放状態で行なわれる。もし保護スリーブがガイドリングの内面に与えられたガイド面で変位されるなら、ラッチ縁は、このガイドリングに与えられることが好ましい。
【0037】
特に、ガイドリングを有する設計では、傾斜軸の両側に二つの対向するアームを有するロッカー要素として弾性偏向可能なラッチ要素を構成することが好ましい。アームの一つは、ラッチ縁へのラッチのために役立ちうるが、他のアームは、解放のために手で作動される。従って、ロッカー要素は、解放目的のために方向の変化をもたらす。
【0038】
保護位置では、保護スリーブは、少なくとも外側からアクセス可能であるかもしれない領域において液体リザーバーを包囲する。解放位置では、保護スリーブは、液体リザーバーに対して並進態様で変位される。保護スリーブの並進変位が放出開口の方向に又は放出開口から離れて行なわれる設計が考えられる。
【0039】
最初に述べたケースでは、保護スリーブは、保護位置より解放位置で放出開口に近い。これは、液体が付与される皮膚の領域に置かれる支持面として保護スリーブの上縁を使用することを可能にする。点眼のケースでは、例えば支持面は、眉の領域に置かれ、特に安全で再現性のある放出を可能にする。
【0040】
ここでは、解放位置では、保護スリーブの支持面は、それが放出開口から最大15mmの距離で主軸に対して配置され、特に好ましくは放出開口を超えて突出するように配置されることが有利である。
【0041】
かかる設計は、特に内部ガイドリング上の保護スリーブの案内で好ましい。好ましくは、保持手段が、ガイドリング上、及び保護スリーブ上に停止部の形で与えられ、保護スリーブのガイドリングからの除去を防止する。
【0042】
保護スリーブが解放位置で放出開口から離れて変位されるさらなる設計は、記載されたガイドスリーブによって実施されることが好ましい。このガイドスリーブは、放出開口から離れて変位された保護スリーブをしっかりと保持することができる。ディスペンサーの延長は、全体として、保護スリーブの変位によってもたらされ、取扱い時に有意な利点をもたらすことができる。
【0043】
好ましくは、保持手段もまた、かかる設計で与えられ、放出開口の方向に対抗して保護スリーブを除去することがそれによって防止される。特に、保持手段は、保護スリーブ及びガイドスリーブ上の停止部であることができる。特に有利な設計は、作動凹所を規定する縁によってガイドスリーブの側に停止部が形成されることである。
【0044】
ガイドスリーブを有する設計のケースでは、ガイドスリーブの内側に配置される保護スリーブを解放位置に変位できるためには、使用者は、保護スリーブを把持することができなければならない。これは、凹所を通して実施されることができる。しかしながら、保護スリーブに対する取扱いを容易にするためには、保護スリーブは、保護スリーブの保護位置において下端のガイドスリーブを超えて突出する遠位端部を有することができる。閉鎖されたベースを有する保護スリーブの設計のケースでは、保護スリーブの追加の長さは、例えばカウンターのような電子ディスペンサー構成要素を、かくして規定された受容空間内に配置するために使用されることができる。
【0045】
保護スリーブは、少なくとも複数の段階で液体リザーバーをカバーする。しかしながら、液体リザーバー上に存在しうる印刷テキストを読みやすくするため、保護スリーブは、透明プラスチック材料から製造されることができる。このようにして液体リザーバーの外面上、又は外面に固定されたラベル上の印刷テキストは、保護スリーブを通して読むことができる。もしガイドスリーブが与えられるなら、これはまた、この透明プラスチック材料から製造されることができる。
【0046】
また、保護スリーブ、又は任意選択的にガイドスリーブを使用して、任意選択的に印刷ラベルの形で、その上に印刷テキストを与えることも可能である。
【0047】
他方で、保護スリーブ又はガイドスリーブ上に、そして液体リザーバー上にも印刷テキストを与えることも可能である。これは、例えば液体リザーバーに取扱い指示書などを取り付けるために使用されることができ、それは、解放位置でのみ確認されることができ、それは、保護スリーブの保護位置ではまだ要求されない。
【0048】
好ましくは、スクイズボトルディスペンサーは、保護キャップを有し、保護キャップは、配置された状態では、放出開口を保護し、保護キャップは、ディスペンサーを使用するために除去され、次いで再び再配置されることができる。かかる保護キャップは、特に少なくとも一つの換気開口を有する保護キャップであることができ、この換気開口は、出荷の時点ではまだ閉じられていることが好ましい。
【0049】
保護キャップは、保護スリーブと協働することによって追加の安全手段を表わすことができ、保護キャップが配置されるとき、又は少なくとも保護キャップが初めてまだ開放されていないとき、保護スリーブの変位は、特に保護スリーブが解放位置への変位のために変位されなければならないように保護キャップが配置されることによって防止される。
【0050】
保護スリーブ又はガイドスリーブがガイドリング又は中間リングによって変位可能に又は固定して保持される上記の設計もまた、本発明の別の態様を表わす。これは、スクイズボトルディスペンサーとして必ずしも設計される必要のない液体ディスペンサーに関する。この液体ディスペンサーは、放出開口を有する放出ヘッド及びボトル体の形の液体リザーバーを有する。
【0051】
液体ディスペンサーはまた、ボトル体を少なくとも一時的に包囲する外部スリーブを有する。特に、これは、上記の保護スリーブ又は上記のガイドスリーブであることができる。リング要素は、ボトル体に外部スリーブを固定又は案内するために与えられ、外部スリーブは、リング要素の外面に固定して又は変位可能に固定される。
【0052】
リング要素は、放出ヘッドのハウジングから分離した構成要素として構成される。好ましくは、リング要素は、最大120°、好ましくは最大10°で広がる一つの区域において断続部を有する溝付又は断続部付のリング要素として構成されることができる。これは、リング要素が一時的な拡大によって装着されることを可能にする。いったんリング要素が配置されると、外部スリーブは、押されることができる。
【0053】
上述の外部スリーブは、リング要素によって放出ヘッドへの保留取付のために与えられることが好ましい。従って、使用者が一方の手で放出ヘッド及び液体リザーバーを、他方の手で外部スリーブを互いに完全に脱着することは意図されない。好ましくは、リング要素の停止部及び外部スリーブの停止部は、この目的のために与えられ、両者は、一緒に端部を規定し、それを超えて外部スリーブは、リング要素に対して変位されることができない。
【0054】
リング要素は、拡大に対して外部スリーブによって安全を確保されており、従ってそれは、ボトル体の上、又は放出ヘッドの上に引っ張られることができず、従って液体リザーバーから脱着されることができない。もしリング要素が外部スリーブの上で放出ヘッドに向かって又は液体リザーバーのベースに向かって引っ張られるなら、リング要素は、より大きい直径で放出ヘッド又は液体リザーバーの領域中に入り、従ってそれが外部スリーブの内面を圧迫するまで拡大され、さらなる変位がそれによって防止される。
【0055】
本発明のこの別の態様による液体リザーバーはまた、スクイズボトルディスペンサーに対して上述した個々の特徴又は全ての特徴をさらに満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
本発明のさらなる利点及び態様は、図面を参照して以下に説明される本発明の好ましい例示的実施形態の以下の記載及び請求項に見出される。
【0057】
【
図1-2】
図1-2は、問題のタイプの液滴ディスペンサーを示し、それに基づいて問題のタイプのスクイズボトルディスペンサーの設計が説明される。
【0058】
【
図3-5】
図3-5は、本発明による液体ディスペンサーの第一の例示的実施形態を示す。
【
図6A-6B】
図6A-6Bは、本発明による液体ディスペンサーの第一の例示的実施形態を示す。
【0059】
【
図7A-7B】
図7A-7Bは、第一の例示的実施形態の変形例を示す。
【0060】
【
図8-9】
図8-9は、本発明による液体ディスペンサーの第二の例示的実施形態を示す。
【0061】
【
図10-12】
図10-12は、本発明による液体ディスペンサーの第三の例示的実施形態を示す。
【
図13A-13B】
図13A-13Bは、本発明による液体ディスペンサーの第三の例示的実施形態を示す
【0062】
【
図14】
図14は、第三の例示的実施形態による液体ディスペンサーのためのガイドリングの代替設計を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1及び2は、安全制御のないスクイズボトルディスペンサー10を最初に示し、それは、本発明による安全制御を有する液体ディスペンサーを形成するための追加部によってさらに発展される。
【0064】
スクイズボトルディスペンサー10は、外部ハウジング14を有する放出ヘッド12を有し、それは、放出開口16によって遠位端をせん孔されている。
【0065】
スクイズボトルディスペンサー10はまた、液体リザーバー20を有し、液体リザーバー20は、スクイズボトルとして構成され、それゆえ、その壁は、液体リザーバー20の内容積を減少させ、対応して圧力を高めるために押圧されることができる。放出ヘッドは、液体リザーバー20の開放端に固定される。
【0066】
図2に示されるように、放出開口が下方に向けられると、液体リザーバー20の圧縮時の圧力によって、そこに含まれる液体は、放出ヘッドの方向に押しやられ、圧力によって生じる放出弁18の開放後に放出開口16に移動する。
【0067】
スクイズボトルディスペンサー10は、例えば液滴ディスペンサー、特に眼科用途のものであることができ、その放出開口は、特に外面上の放出開口16を包囲する液滴形成面によって、特に周囲のシャープな縁を有する引き裂き縁を伴なって、液滴の放出のために構成される。
【0068】
ディスペンサー10は、この放出開口16を保護するために保護キャップ22を含むことができる。保護キャップは、使用後の液滴形成面の迅速な乾燥を可能にするために換気開口を与えられている。
【0069】
図3~6Bは、本発明によるディスペンサーの第一の例示的実施形態を示す。これは、
図1の液滴ディスペンサーに基づいており、そこに、構成要素70,50,30が追加されており、それらは、
図5で明確に確認されることができる。
図3及び4は、保護キャップ22の除去前後の組み立てられた状態の液体ディスペンサー10を示す。
【0070】
追加の構成要素30,50,70は、液体の不注意の放出を防止するように意図される安全装置の構成要素を表わす。特に、各構成要素は、一緒に子供に対する安全装置を形成し、それは、小さな子供が克服することが難しい。
【0071】
子供に対する安全装置は、ガイドスリーブ50中に挿入される保護スリーブ30を含む。ガイドスリーブ50は、対向する側のその側面の領域に凹所54を与えられ、凹所54を通して液体リザーバー20への力の付与が意図したように行なわれる。しかしながら、この力の付与は、保護スリーブ30がガイドスリーブ50内に完全に挿入されているときには妨げられる。この状態では、保護スリーブ30は、
図3及び4に示されたように凹所54をブロックする。
【0072】
ガイドスリーブ50は、その内面に、主軸2の方向に延びる二つのガイド溝53の形の対向するガイド面52を与えられている。対応して、ガイド突起33は、保護スリーブ30の外面に与えられている。それゆえ、ガイドスリーブ50に挿入された状態では、保護スリーブ30は、もっぱら並進運動で動かされることができる。上縁の両側には、保護スリーブ30は、外側に突出する停止突起37を有し、それは、保護スリーブ30がガイドスリーブ50から外に完全に引っ張り出されることを防止する。停止突起37がさらなる停止部を形成する凹所開口54の下縁に対して当たるまで保護スリーブ30が引っ張られると、保護スリーブ30をさらにこれ以上引き出すことができない。
【0073】
ガイドスリーブ50は、ラッチ貫通開口59を有し、その下方の末端縁は、ラッチ縁64を形成する。ラッチ要素62が対応して与えられ、ラッチ要素62は、弾性態様で内側に偏向されることができ、U形状の舌状の切欠きの態様で保護スリーブ30の一体的部分である。
【0074】
ガイドスリーブ50及びそこに挿入された保護スリーブ30からなる組み合わせは、中間リング70によって液体ディスペンサー10の液体リザーバー20に固定される。
図5で見られるように、中間リング70は、周囲を閉じられないように設計され、断続部74を与えられている。この断続部74は、中間リングを上又は下から押すことを可能にするが、特に一つの側から液体リザーバー20の先細領域20B上に押すことを可能にする。次いで、それは、ガイドスリーブ50及び保護スリーブ30からなる組み合わせが下から押されることができるのに十分な程度で圧縮されることができる。
【0075】
図6Aは、装着された子供に対する安全装置を断面図で示す。中間リング70の外面の溝78がガイドスリーブ50の内側に面する保持突起58を固定するために使用されることが確認されることができる。
【0076】
図6Aは、保護スリーブ30の保護位置を示す。上で既に説明したように、この位置では、保護スリーブ30は、使用者が液体リザーバー20を圧縮することができないようにその凹所54をブロックする。
【0077】
ディスペンサーを操作のために準備するためには、使用者は、最初に弾性態様でラッチ要素62を押圧しなければならない。いったんこれが保護スリーブ30への力の付与によって行なわれると、使用者は、
図6Bの状態になるように、ガイドスリーブ50又は放出ヘッド12に対して保護スリーブを引き下げることができる。下方への変位は、停止部37,57によって制限される。
図6Bの位置では、ディスペンサーは、ディスペンサーがより都合良く取り扱われ、かつ例えば処置される目の上に、安全に配置されるように、全体として有意に伸長される。もし凹所54を通して液体リザーバーの両側に力が付与されるなら、液体リザーバー中の圧力は、放出弁18が開放するように増大され、放出開口16を通して液体が放出される。
【0078】
使用後、使用者は、保護スリーブ30を再び後退させるようにスライドする。ラッチ要素62上の面取り部は、保護スリーブが貫通開口59中にはね返り、保護状態が再び生じるまで保護スリーブを弾性態様で内側に間接的に偏向させる。
【0079】
図7A及び7Bの設計は、保護スリーブがその下端を延長され、従って
図7Aの保護位置であっても保護スリーブがガイドスリーブ50を超えて下方に突出する点で、
図3~6Bとは異なる。これは、
図7Bの解放位置への移行を容易にしうる。
【0080】
図8及び9の設計は、前の
図3~7Bと極めて類似する。本質的な差異は、ここでは保護スリーブ30の純粋な並進運動が与えられず、むしろ並進運動と回転運動の重複となっていることである。保護スリーブ30の外面にガイド溝35がこの目的のために与えられ、ガイド溝35は、実質的に螺旋状であり、その端でのみ水平方向の部分的部分に移行する。ガイドスリーブ50の内面に与えられるガイドカム55は、溝の内側に配置される。
【0081】
ラッチ要素62は、螺旋状ガイド溝35によって最初に
図8の保護位置から
図9の解放位置に移るために既に記載された態様で押圧されなければならないが、次に保護スリーブ30は、直ちに引き出されるのではなく、その代わりに、押圧によって間接的に生じる回転運動及び並進運動によって回しながら解除される。
【0082】
図10~13Bの設計は、前の例示的実施形態とは根本的な差異を有する。
図12で見られるように、安全制御装置を達成するために二つの追加の構成要素のみがここでは与えられる。即ち、中間リング70と同様に上又は下から押されるが、特に側方から液体リザーバー20の先細領域20B上に押されるガイドリング40、及びガイドリング40を包囲する液体リザーバー20上に押される保護スリーブ30が与えられる。導入面取り部38は、ガイドスリーブ30の上縁に与えられ、前記導入面取り部は、ガイドリング40がガイド面取り部38の下で再び拡大できるようにするために保護スリーブ30の装着時に一時的に圧縮されることを確実にする。
【0083】
図13A及び13Bからわかるように、ガイドリング40は、複数の機能を満たす。
図13Aの保護位置から、保護スリーブ30を引き下げることは不可能である。なぜなら装着時に前に使用された面取り部は、反対方向でのみ作用するからである。さらに、最初に保護スリーブ30を上方に変位することができない。なぜならロッカー要素として設計されたラッチ要素62は、ガイドリング40のラッチ縁64に対して上縁を圧迫するからである。ラッチ要素62の下方の半分が押されるときのみ、上半分が外側に傾斜され、従って保護スリーブが上方に変位されることができる。端部分は、
図13Bで見られる位置に到達され、その位置では、ガイドリング40の停止部64は、保護スリーブ30の内側に面する停止部31を圧迫するようになる。
【0084】
図13Bは、液体リザーバー20に力が付与されることができる解放位置を示す。
図13Bとは逆に、この力は、下方に面する放出開口16が下方に面されてディスペンサーが角度を付けられた位置にあるときに付与される。保護スリーブ30の上方の末端縁は、液滴放出をできるだけ正確に可能にするために使用者の皮膚の領域に対して置かれる場所で、支持面34によってこの解放位置で使用されることができる。特に、支持面34は、例えば使用者の眉に対して配置させることができる。
【0085】
図14は、ガイドリング40の代替設計を示す。このガイドリングは、拡大を可能にする断続部44を与えられていないが、協働結合手段41を介して一緒に接続されることができる二つのリング区域40A,40Bから形成される。これは、液体リザーバー20及び放出ヘッド12が、先細領域20Bで対向する側から供給されかつボトル首を包囲するようにラッチされる二つのリング区域によって、一緒に接続された後、
図14のガイドリングを取り付けることを可能にする。
【0086】
図14のガイドリング40はまた、外面にガイド構造48を有する。このガイド構造は、短い縦溝を含む。これらの溝は、保護スリーブ30の内面の対応する突起と協働し、従って保護スリーブ30は、主軸2のまわりでガイドリングに対して回転されることができない。これは、安全な案内及び傾斜傾向の減少を達成することを可能にする。
【国際調査報告】